JP2019014858A - 樹脂組成物、プリプレグ、金属箔張積層板、樹脂シート及びプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1においては、特定構造のシアン酸エステル化合物と、その他の成分とからなる樹脂組成物が低吸水性、低熱膨張率などの特性に優れることが記載されている。
[1]
下記式(a)で表される構成単位及び下記式(b)で表される構成単位を有するケイ素含有重合物であって、重合末端が、各々独立して、R1、水酸基又はアルコキシ基であり、かつ、エポキシ当量が100g/eq以上500g/eq未満であるケイ素含有重合物(A)と、
シアン酸エステル化合物(B)と、
マレイミド化合物(C)と、
を含有する、樹脂組成物。
[2]
前記ケイ素含有重合物(A)が、三次元架橋構造を有する重合体ブロックA1とゴム状構造を有する重合体ブロックA2とのブロック共重合体である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]
前記ケイ素含有重合物(A)の樹脂組成物中における含有量が、樹脂固形分100質量部に対し、1〜25質量部である、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]
さらに、充填材(D)を含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]
前記充填材(D)の樹脂組成物における含有量が、樹脂固形分100質量部に対し、50〜1600質量部である、[4]に記載の樹脂組成物。
[6]
基材と、
前記基材に含浸又は塗布された、[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂組成物と、
を有する、プリプレグ。
[7]
少なくとも1枚以上積層された[6]に記載のプリプレグと、
前記プリプレグの片面又は両面に配された金属箔と、
を有する、金属箔張積層板。
[8]
[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂組成物を有する、樹脂シート。
[9]
絶縁層と、
前記絶縁層の表面に形成された導体層と、
を有し、
前記絶縁層が、[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂組成物を含む、プリント配線板。
本実施形態の樹脂組成物は、下記式(a)で表される構成単位及び下記式(b)で表される構成単位を有するケイ素含有重合物であって、重合末端が、各々独立して、R1、水酸基又はアルコキシ基であり、かつ、エポキシ当量が100g/eq以上500g/eq未満であるケイ素含有重合物(A)と、シアン酸エステル化合物(B)と、マレイミド化合物(C)と、を含有する。このように構成されているため、本実施形態の樹脂組成物は、誘電特性、ガラス転移温度(Tg)及び熱膨張率において優れた物性バランスを発現することができる。
本実施形態におけるケイ素含有重合物(A)は、上記式(a)及び式(b)で表される構成単位を有するケイ素含有重合物であって、重合末端が、各々独立して、R1、水酸基又はアルコキシ基であり、かつ、エポキシ当量が100g/eq以上500g/eq未満である。このような構成を満たす限り、ケイ素含有重合物(A)は特に限定されないが、以下好ましい態様について説明する。
また、重合物の保存安定性の観点から、ケイ素含有重合物(A)の末端は、前述のR1、水酸基及びアルコキシ基のいずれかである必要がある。この場合のアルコキシ基としては、以下に限定されないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
さらに、重合末端が式(b)で表される構成単位に存在することが好ましく、この場合にはXがグリシジル基であることがより好ましい。
ケイ素含有重合物(A)の原料となるオルガノアルコキシシラン及び/又はシロキサンとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、フェニルビニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、フェニルビニルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(フェニル)ジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(フェニル)ジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(フェニル)ジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(フェニル)ジエトキシシラン、及びこれらの加水分解縮合物等が挙げられる。
なお、本実施形態において、「樹脂固形分」とは、特に断りのない限り、本実施形態の樹脂組成物における、溶剤及び充填材を除いた成分をいい、「樹脂固形分100質量部」とは、本実施形態の樹脂組成物における溶剤及び充填材を除いた成分の合計が100質量部であることをいうものとする。すなわち、ケイ素含有重合物(A)の質量も樹脂固形分に含まれる。
本実施形態における樹脂組成物に含まれるシアン酸エステル化合物としては、シアナト基(シアン酸エステル基)で少なくとも1個置換された芳香族部分を分子内に有する化合物であれば、特に限定されない。シアン酸エステル化合物を用いた樹脂組成物は、硬化物とした際に、ガラス転移温度、低熱膨張性、めっき密着性等に優れた特性を有する。
また、式(1)におけるアルキル基及びRaにおけるアリール基中の水素原子は、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシル基、又はシアノ基等で置換されていてもよい。
アルキル基の具体例としては、以下に限定されないが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−エチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
アリール基の具体例としては、以下に限定されないが、フェニル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、フェノキシフェニル基、エチルフェニル基、o−,m−又はp−フルオロフェニル基、ジクロロフェニル基、ジシアノフェニル基、トリフルオロフェニル基、メトキシフェニル基、及びo−,m−又はp−トリル基等が挙げられる。
アルコキシル基としては、以下に限定されないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、及びtert−ブトキシ基が挙げられる。
上記式(1)のXにおける炭素数1〜50の2価の有機基の具体例としては、以下に限定されないが、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、トリメチルシクロヘキシレン基、ビフェニルイルメチレン基、ジメチルメチレン−フェニレン−ジメチルメチレン基、フルオレンジイル基、及びフタリドジイル基等が挙げられる。該2価の有機基中の水素原子は、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシル基、シアノ基等で置換されていてもよい。
上記式(1)のXにおける窒素数1〜10の2価の有機基の例としては、以下に限定されないが、イミノ基、ポリイミド基等が挙げられる。
式(2)のRb、Rc、Rd、Re、Rf及びRg、並びに式(3)のRi、Rjにおけるアルキル基及びアリール基は、上記式(1)におけるものと同義である。
マレイミド化合物(C)としては、分子中に1個以上のマレイミド基を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、N−フェニルマレイミド、N−ヒドロキシフェニルマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス{4−(4−マレイミドフェノキシ)−フェニル}プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3,5−ジエチル−4−マレイミドフェニル)メタン、下記式(4)で表されるマレイミド化合物、これらマレイミド化合物のプレポリマー、若しくはマレイミド化合物とアミン化合物のプレポリマーが挙げられる。これらの中でも、2,2’−ビス{4−(4−マレイミドフェノキシ)−フェニル}プロパン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン及び下記式(4)で表されるマレイミド化合物からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。このようなマレイミド化合物(C)を含むことにより、得られる硬化物の熱膨張率がより低下し、ガラス転移温度がより優れたものとなる傾向にある。同様の観点から、マレイミド化合物(C)が、下記式(4)で表されるマレイミド化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有することがより好ましい。
エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であれば、公知のものを適宜使用することができ、その種類は特に限定されないが、上述したケイ素含有重合物(A)とは相違するものである。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、アラルキルノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ポリオール型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、グリシジルアミン、グリシジルエステル、ブタジエンなどの二重結合をエポキシ化した化合物、水酸基含有シリコーン樹脂類とエピクロルヒドリンとの反応により得られる化合物などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂のなかでは、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂が難燃性、耐熱性の面で好ましい。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
フェノール樹脂としては、1分子中に2個以上のヒドロキシ基を有するフェノール樹脂であれば、一般に公知のものを使用できる。その具体例としては、ビスフェノールA型フェノール樹脂、ビスフェノールE型フェノール樹脂、ビスフェノールF型フェノール樹脂、ビスフェノールS型フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック型フェノール樹脂、グリシジルエステル型フェノール樹脂、アラルキルノボラック型フェノール樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、クレゾールノボラック型フェノール樹脂、多官能フェノール樹脂、ナフトール樹脂、ナフトールノボラック樹脂、多官能ナフトール樹脂、アントラセン型フェノール樹脂、ナフタレン骨格変性ノボラック型フェノール樹脂、フェノールアラルキル型フェノール樹脂、ナフトールアラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、ポリオール型フェノール樹脂、リン含有フェノール樹脂、水酸基含有シリコーン樹脂類等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらのフェノール樹脂の中では、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、ナフトールアラルキル型フェノール樹脂、リン含有フェノール樹脂、水酸基含有シリコーン樹脂が難燃性の点で好ましい。これらのフェノール樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
オキセタン樹脂としては、一般に公知のものを使用できる。例えば、オキセタン、2−メチルオキセタン、2,2−ジメチルオキセタン、3−メチルオキセタン、3,3−ジメチルオキセタン等のアルキルオキセタン、3−メチル−3−メトキシメチルオキセタン、3,3−ジ(トリフルオロメチル)パーフルオキセタン、2−クロロメチルオキセタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、ビフェニル型オキセタン、OXT−101(東亞合成製商品名)、OXT−121(東亞合成製商品名)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらのオキセタン樹脂は、1種又は2種以上混合して用いることができる。
ベンゾオキサジン化合物としては、1分子中に2個以上のジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物であれば、一般に公知のものを用いることができる。例えば、ビスフェノールA型ベンゾオキサジンBA−BXZ(小西化学製商品名)ビスフェノールF型ベンゾオキサジンBF−BXZ(小西化学製商品名)、ビスフェノールS型ベンゾオキサジンBS−BXZ(小西化学製商品名)、P−d型ベンゾオキサジン(四国化成工業製商品名)、F−a型ベンゾオキサジン(四国化成工業製商品名)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらのベンゾオキサジン化合物は、1種又は2種以上混合して用いることができる。
重合可能な不飽和基を有する化合物としては、一般に公知のものを使用できる。例えば、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル等のビニル化合物、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の1価又は多価アルコールの(メタ)アクリレート類、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート類、及びベンゾシクロブテン樹脂、が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらの不飽和基を有する化合物は、1種又は2種以上混合して用いることができる。なお、上記「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートを包含する概念である。
本実施形態の樹脂組成物は、熱膨張特性、寸法安定性、難燃性、熱伝導率、誘電特性などの観点から、充填材(D)をさらに含有することが好ましい。充填材(D)としては、公知のものを適宜使用することができ、その種類は特に限定されない。特に、積層板用途において一般に使用されている充填材を、充填材(D)として好適に用いることができる。充填材(D)の具体例としては、以下に限定されないが、天然シリカ、溶融シリカ、合成シリカ、アモルファスシリカ、アエロジル、中空シリカ等のシリカ類、ホワイトカーボン、チタンホワイト、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等の酸化物、窒化ホウ素、凝集窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム加熱処理品(水酸化アルミニウムを加熱処理し、結晶水の一部を減じたもの)、ベーマイト、水酸化マグネシウム等の金属水和物、酸化モリブデンやモリブデン酸亜鉛等のモリブデン化合物、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛、アルミナ、クレー、カオリン、タルク、焼成クレー、焼成カオリン、焼成タルク、マイカ、E−ガラス、A−ガラス、NE−ガラス、C−ガラス、L−ガラス、D−ガラス、S−ガラス、M−ガラスG20、ガラス短繊維(Eガラス、Tガラス、Dガラス、Sガラス、Qガラス等のガラス微粉末類を含む。)、中空ガラス、球状ガラスなど無機系の充填材(D)の他、スチレン型、ブタジエン型、アクリル型などのゴムパウダー、コアシェル型のゴムパウダー、並びにシリコーンレジンパウダー、シリコーンゴムパウダー、シリコーン複合パウダーなど有機系の充填材(D)などが挙げられる。これらの充填材(D)は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、シリカ、水酸化アルミニウム、ベーマイト、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムからなる群から選択される1種又は2種以上が好適である。これらの充填材(D)を使用することで、樹脂組成物の熱膨張特性、寸法安定性、難燃性などの特性がより向上する傾向にある。
また、本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じて、硬化速度を適宜調節するための硬化促進剤を含有していてもよい。この硬化促進剤としては、シアン酸エステル化合物やエポキシ樹脂等の硬化促進剤として一般に使用されているものを好適に用いることができ、その種類は特に限定されない。硬化促進剤の具体例としては、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、アセチルアセトン鉄、オクチル酸ニッケル、オクチル酸マンガン等の有機金属塩類、フェノール、キシレノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、オクチルフェノール、ノニルフェノール等のフェノール化合物、1−ブタノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類及びこれらのイミダゾール類のカルボン酸若しくはその酸無水類の付加体等の誘導体、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン類、ホスフィン系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、ホスホニウム塩系化合物、ダイホスフィン系化合物等のリン化合物、エポキシ−イミダゾールアダクト系化合物、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシカーボネート等の過酸化物、又はアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、N,N-ジメチルアミノピリジンが挙げられる。硬化促進剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、本実施形態の樹脂組成物は、所期の特性が損なわれない範囲において、他の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及びそのオリゴマー、エラストマー類などの種々の高分子化合物、難燃性化合物、並びに各種添加剤等を併用することができる。これらは一般に使用されているものであれば、特に限定されるものではない。難燃性化合物の具体例としては、以下に限定されないが、4,4’−ジブロモビフェニル等の臭素化合物、リン酸エステル、リン酸メラミン、リン含有エポキシ樹脂、メラミン及びベンゾグアナミンなどの窒素化合物、オキサジン環含有化合物、並びに、シリコーン系化合物等が挙げられる。また、各種添加剤としては、以下に限定されないが、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤、光増感剤、染料、顔料、増粘剤、流動調整剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、光沢剤、重合禁止剤等が挙げられる。これらは、所望に応じて1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じて、有機溶剤を含有することができる。この場合、本実施形態の樹脂組成物は、上述した各種樹脂成分の少なくとも一部、好ましくは全部が有機溶剤に溶解又は相溶した態様(溶液又はワニス)として用いることができる。有機溶剤としては、上述した各種樹脂成分の少なくとも一部、好ましくは全部を溶解又は相溶可能なものであれば、公知のものを適宜用いることができ、その種類は特に限定されるものではない。有機溶剤の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のセロソルブ系溶媒、乳酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、ヒドロキシイソ酪酸メチル等のエステル系溶媒、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類などの極性溶剤類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等の無極性溶剤が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、基材として剥離可能なプラスチックフィルムを用い、本実施形態の樹脂組成物を溶剤に溶解させた溶液を、そのプラスチックフィルムに塗布し乾燥することでビルドアップ用フィルム又はドライフィルムソルダーレジストを得ることができる。ここで、溶剤は、20℃〜150℃の温度で1〜90分間乾燥することで乾燥できる。
また、本実施形態の樹脂組成物は溶剤を乾燥しただけの未硬化の状態で使用することもできるし、必要に応じて半硬化(Bステージ化)の状態にして使用することもできる。
1−ナフトールアラルキル樹脂(新日鉄住金化学(株)製)300g(OH基換算1.28mol)及びトリエチルアミン194.6g(1.92mol)(ヒドロキシ基1molに対して1.5mol)をジクロロメタン1800gに溶解させ、これを溶液1とした。
塩化シアン125.9g(2.05mol)(ヒドロキシ基1molに対して1.6mol)、ジクロロメタン293.8g、36%塩酸194.5g(1.92mol)(ヒドロキシ基1モルに対して1.5モル)、水1205.9gを、撹拌下、液温−2〜−0.5℃に保ちながら、溶液1を30分かけて注下した。溶液1注下終了後、同温度にて30分撹拌した後、トリエチルアミン65g(0.64mol)(ヒドロキシ基1molに対して0.5mol)をジクロロメタン65gに溶解させた溶液(溶液2)を10分かけて注下した。溶液2注下終了後、同温度にて30分撹拌して反応を完結させた。
その後反応液を静置して有機相と水相を分離した。得られた有機相を水1300gで5回洗浄した。水洗5回目の廃水の電気伝導度は5μS/cmであり、水による洗浄により、除けるイオン性化合物は十分に除けられたことを確認した。
水洗後の有機相を減圧下で濃縮し、最終的に90℃で1時間濃縮乾固させて目的とするナフトールアラルキル型のシアン酸エステル化合物(SNCN)(橙色粘性物)を331g得た。得られたSNCNの質量平均分子量Mwは600であった。また、SNCNのIRスペクトルは2250cm-1(シアン酸エステル基)の吸収を示し、且つ、ヒドロキシ基の吸収は示さなかった。
SNCN60.0質量部、ノボラック型ビスマレイミド化合物(大和化成工業社製、BMI−2300)30.0質量部、ケイ素含有重合物(日本化薬社製、SQ−20P、エポキシ当量480g/eq)10.0質量部、エポキシシラン処理された溶融シリカ(アドマテックス製、SC2050MB)100.0質量部、2,4,5−Triphenylimidazole(東京化成工業(株)製)0.5質量部、オクチル酸亜鉛(日本化学産業(株)製)0.10質量部を混合してワニスを得た。なお、上記のSQ−20Pの重量平均分子量を測定したところ、1443であった。重量平均分子量は次の要領で測定した。すなわち、SQ−20Pを1g秤量し、100gのテトラヒドロフラン(溶媒)に溶解させた溶液10μLを、高速液体クロマトグラフィー(株式会社日立ハイテクノロジーズ社製高速液体クロマトグラフLachromElite)に注入し分析を実施した。カラムは東ソー株式会社製TSKgel GMHHR−M(長さ30cm×内径7.8mm)2本、移動相はテトラヒドロフラン、流速は1mL/min.、検出器はRIとした。重量平均分子量Mwは、GPC法によりポリスチレンを標準物質として求めた。
SQ−20Pを使用せず、BMI−2300の使用量を40.0質量部とし、さらにオクチル酸亜鉛の使用量を0.16質量部としたことを除き、実施例1と同様にしてワニスを得た。
以上のようにして得られたワニスを厚さ0.1mmのEガラスクロスに含浸塗工し、乾燥機(耐圧防爆型スチーム乾燥機、(株)高杉製作所製))を用いて165℃、4分加熱乾燥し、樹脂組成物46質量%のプリプレグを得た。このプリプレグ8枚を重ね、両面に12μm銅箔(3EC−M3−VLP、三井金属鉱業(株)製)を配置し、圧力40kg/cm2、温度220℃で80分間真空プレスを行い、厚さ0.8mmの12μm銅張り積層板を得た。得られた銅張り積層板を用いて、以下の評価を行った。
銅張り積層板の銅箔を除去した試験片(n=3)を使用し、空洞共振器摂動法(Agilent 8722ES,アジレントテクノロジー製)にて2GHz及び10GHzの誘電率を測定し、各々3回の平均値を求めた。
銅張り積層板の銅箔を除去した試験片(n=3)を使用し、空洞共振器摂動法(Agilent 8722ES,アジレントテクノロジー製)にて2GHz及び10GHzの誘電正接を測定し、各々3回の平均値を求めた。
得られた銅箔張積層板をダイシングソーでサイズ12.7×30mmに切断後、表面の銅箔をエッチングにより除去し、測定用サンプルを得た。この測定用サンプルを用い、JIS C6481に準拠して動的粘弾性分析装置(TAインスツルメント製)でDMA法により、損失弾性率E’’を測定し、E’’のピークの値をTgとして耐熱性を評価した。
上記で得られた絶縁層厚さ0.8mmの銅張積層板の表層にある銅箔をエッチングにより除去した後に、熱機械分析装置(TAインスツルメント製)で40℃から340℃まで毎分10℃で昇温し、60℃から120℃における線膨張係数(CTE)を測定した。
Claims (9)
- 下記式(a)で表される構成単位及び下記式(b)で表される構成単位を有するケイ素含有重合物であって、重合末端が、各々独立して、R1、水酸基又はアルコキシ基であり、かつ、エポキシ当量が100g/eq以上500g/eq未満であるケイ素含有重合物(A)と、
シアン酸エステル化合物(B)と、
マレイミド化合物(C)と、
を含有する、樹脂組成物。
- 前記ケイ素含有重合物(A)が、三次元架橋構造を有する重合体ブロックA1とゴム状構造を有する重合体ブロックA2とのブロック共重合体である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記ケイ素含有重合物(A)の樹脂組成物中における含有量が、樹脂固形分100質量部に対し、1〜25質量部である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- さらに、充填材(D)を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記充填材(D)の樹脂組成物における含有量が、樹脂固形分100質量部に対し、50〜1600質量部である、請求項4に記載の樹脂組成物。
- 基材と、
前記基材に含浸又は塗布された、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物と、
を有する、プリプレグ。 - 少なくとも1枚以上積層された請求項6に記載のプリプレグと、
前記プリプレグの片面又は両面に配された金属箔と、
を有する、金属箔張積層板。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物を有する、樹脂シート。
- 絶縁層と、
前記絶縁層の表面に形成された導体層と、
を有し、
前記絶縁層が、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含む、プリント配線板。
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