JP2019014430A - 車両制御装置 - Google Patents

車両制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019014430A
JP2019014430A JP2017134788A JP2017134788A JP2019014430A JP 2019014430 A JP2019014430 A JP 2019014430A JP 2017134788 A JP2017134788 A JP 2017134788A JP 2017134788 A JP2017134788 A JP 2017134788A JP 2019014430 A JP2019014430 A JP 2019014430A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
cornering
steering
vehicle speed
speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017134788A
Other languages
English (en)
Inventor
大樹 竹内
Daiki Takeuchi
大樹 竹内
隆利 立木
Takatoshi Tachiki
隆利 立木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2017134788A priority Critical patent/JP2019014430A/ja
Publication of JP2019014430A publication Critical patent/JP2019014430A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

【課題】急激なステアリング操作が行われた場合であっても、車両の横滑りを抑制する車両制御装置を提供する。
【解決手段】マイコン31は、アシストトルク演算部50、電流フィードバック制御部51、コーナリング判定部52、コーナリング処理部53、および減算器54を備えている。コーナリング判定部52は、ナビ情報に基づいて、次回のコーナリング位置での旋回半径を演算する。コーナリング判定部52は、車速V、操舵速度ωs、および想定される旋回半径に基づいて、アシストトルクを抑制するか否かを判定する。コーナリング処理部53は、コーナリング判定部52によりアシストトルクを抑制すべき旨示す判定結果が生成された場合、車速Vに応じてアシストトルクを低減する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両制御装置に関する。
従来、車両の操舵機構にモータの駆動力を付与することにより、運転者のステアリング操作をアシストするステアリング装置が知られている。このようなステアリング装置には、モータの動作を制御する電子制御装置(ECU)が搭載されている。また、車載されるECUには、車両の安定性を確保するための制御を実行するものも存在する。たとえば、特許文献1に示すように、ブレーキECUには、車両の横滑り前状態が検出された場合、旋回時の外側後輪に対して制動力(ブレーキ力)を発生させるものがある。ここで、横滑り前状態とは、確実に横滑りが始まっていると想定される前の状態のことであって、横滑りが始まる直前、もしくは、発生している横滑りが小さくて確実に横滑りが始まっていると想定できるほど大きな横滑りに至っていない状態のことである。特許文献1によれば、車両の状態が横滑り前状態であるとき、旋回時の外側後輪に発生させた制動力によって、旋回時の外輪に対して掛かる荷重が増加するので、車両の横滑りが発生し難くなる。
特開2011−63184号公報
ところで、特許文献1で行われる車両の横滑り対策では、運転者によって急激なステアリング操作(高速の切り込み操作)が行われると、たとえ横滑り対策をしていたとしても、車両の横滑りが発生してしまう。これは、急激なステアリング操作が行われた場合には車両に発生する横力が大きくなるので、旋回時の外側後輪に制動力を発生させたとしても、横滑りが生じるからである。このため、急激なステアリング操作が行われた場合であっても、予め横滑りが発生しないように、車両の横滑りを抑制する方法が求められていた。
本発明は、急激なステアリング操作が行われた場合であっても、車両の横滑りを抑制する車両制御装置を提供することにある。
上記目的を達成しうる車両制御装置は、車両の操舵機構に操舵補助力を付与するアシスト機構の動作を制御する車両制御装置において、操舵状態に応じて操舵補助力を演算する操舵補助力演算部と、車両がコーナリングする際に想定される旋回半径および車速に基づいて、ステアリングホイールのコーナリング前の切り込み速度の上限となる上限閾値を予め設定し、コーナリング中の切り込み速度が前記上限閾値以上であるか否かを判定する判定部と、前記判定部によりコーナリング中の切り込み速度が前記上限閾値以上である旨判定される場合、前記操舵補助力を低減させるための補正値を生成する処理部と、を備えている。
この構成によれば、ステアリングホイールの切り込み速度が、車両がコーナリングする際に想定される旋回半径および車速に基づいて設定される上限閾値以上である場合、操舵補助力が低減される。このため、運転者の切り込み方向へのステアリング操作がしづらくなる。このため、操舵補助力が低減されることにより、運転者はさらに切り込む方向へのステアリング操作を行うことが難しくなるので、横滑りが発生することをさらに迅速に抑制できる。
上記の車両制御装置において、前記判定部は、地図情報に基づいて、車両を目的地へ案内する案内経路からコーナリングする位置を検出し、車両が前記位置をコーナリングする前に、前記旋回半径を演算することが好ましい。
この構成によれば、地図情報に基づいて、予め車両がコーナリングする位置に到達する前に、車両が当該コーナリング位置をコーナリングする際に想定される旋回半径を演算している。そして、予め想定された旋回半径を用いて、切り込み速度の上限となる上限閾値を設定することにより、より的確に操舵補助力を低減するべきか否かを判定することができる。
上記の車両制御装置において、前記処理部は、前記操舵補助力を前記車速に応じて低減するための補正値を演算することが好ましい。
車速に応じて横滑りの発生しやすさは異なるので、車速に応じて低減する操舵補助力を変更するようになっている。より的確に操舵補助力が抑制できるので、横滑りが発生する状況で運転者がさらに切り込み方向へステアリング操作することを抑制できる。
上記の車両制御装置において、前記判定部は、前記車速が速いほど、より値の小さな前記上限閾値を演算することが好ましい。
車速が大きいときには、ステアリングホイールの切り込み角度、およびステアリングホイールの切り込み速度はより小さくなりやすい。このため、車速が大きいほど、より値の小さな上限閾値を設定することにより、より的確に操舵補助力を抑制するべき状況を判定することができる。
本発明の車両制御装置によれば、急激なステアリング操作が行われた場合であっても、車両の横滑りを抑制できる。
第1実施形態の車両制御装置を搭載したステアリング装置の一実施形態について、その概略構成を示す構成図。 第1実施形態の車両制御装置の概略構成を示すブロック図。 カーナビゲーションシステムから取得される案内経路に基づいて旋回半径を演算する方法を説明するための説明図。 車速および切り込み速度の関係を示すグラフ。 旋回半径、車速および切り込み速度の関係を示すグラフ。 第1実施形態の車両制御装置で行われる横滑り抑制制御の処理手順を示すフローチャート。 第1実施形態の車両制御装置で行われるコーナリング処理の実行手順を示すフローチャート。 第2実施形態の車両制御装置で行われる横滑り抑制制御の処理手順を示すフローチャート。 第3実施形態の車両制御装置で行われる上限閾値設定処理の処理手順を示すフローチャート。
<第1実施形態>
以下、車両制御装置を電動パワーステアリング装置(EPS)に適用した第1実施形態について説明する。
図1に示すように、EPS1は運転者(ユーザー)のステアリングホイール10の操作に基づいて転舵輪15を転舵させる操舵機構2、運転者のステアリング操作を補助するアシスト機構3、およびアシスト機構3を制御する車両制御装置としてのECU30(電子制御装置)を備えている。
操舵機構2は、運転者により操作されるステアリングホイール10およびステアリングホイール10と一体回転するステアリングシャフト11を備えている。ステアリングシャフト11は、ステアリングホイール10と連結されたコラムシャフト11a、コラムシャフト11aの下端部に連結されたインターミディエイトシャフト11b、およびインターミディエイトシャフト11bの下端部に連結されたピニオンシャフト11cを有している。ピニオンシャフト11cの下端部は、ラックアンドピニオン機構13を介してラックシャフト12に連結されている。したがって、操舵機構2では、ステアリングシャフト11の回転運動は、ラックアンドピニオン機構13を介してラックシャフト12の軸方向(図1の左右方向)の往復直線運動に変換される。当該往復直線運動は、ラックシャフト12の両端にそれぞれ連結されたタイロッド14を介して左右の転舵輪15にそれぞれ伝達されることにより、転舵輪15の転舵角が変化し、車両の進行方向が変更される。
アシスト機構3は、回転軸21を有するモータ20と、減速機構22とを備えている。モータ20は、ステアリングシャフト11にアシスト力(操舵補助力)を付与する。モータ20の回転軸21は、減速機構22を介してコラムシャフト11aに連結されている。減速機構22はモータ20の回転を減速し、当該減速した回転力をコラムシャフト11aに伝達する。すなわち、ステアリングシャフト11にモータ20の回転力(モータトルク)がアシスト力として付与されることにより、運転者のステアリング操作が補助される。
ECU30は、車両に設けられた各種のセンサの検出結果に基づいてモータ20を制御する。各種のセンサとしては、たとえばトルクセンサ40、回転角センサ41、舵角センサ42、および車速センサ43が設けられている。トルクセンサ40および舵角センサ42は、コラムシャフト11aに設けられている。また、回転角センサ41は、モータ20に設けられている。ECU30には、バッテリから駆動電力が供給されている。トルクセンサ40は、運転者のステアリング操作に伴いステアリングシャフト11に付与される操舵トルクτを検出する。回転角センサ41は、モータ20の回転軸21の回転角度θを検出する。舵角センサ42は、ステアリングシャフト11の舵角θsを検出する。車速センサ43は、車両の走行速度である車速Vを検出する。また、ECU30は、カーナビゲーションシステム44と接続されている。カーナビゲーションシステム44は、目的値までの案内経路を含むナビゲーション情報(以下、「ナビ情報」という。)をECU30へ出力する。
ECU30は、各センサの出力値、およびナビ情報に基づいて、操舵機構2に付与する目標のモータトルクを設定し、実際のモータトルクが目標のモータトルクとなるように、モータ20に供給される電流を制御する。また、ECU30は、車両の横滑りを抑制する横滑り抑制制御を実行する。
つぎに、ECU30について詳細に説明する。
図2に示すように、ECU30は、モータ制御信号Smを生成するマイコン31(マイクロコンピュータ)と、モータ制御信号Smに基づいてモータ20に駆動電力を供給する駆動回路32と、モータ20に付与される駆動電力の実電流値Iを検出する電流センサ33とを備えている。
マイコン31は、アシストトルク演算部50(操舵補助力演算部)、電流フィードバック制御部51、コーナリング判定部52(判定部)、コーナリング処理部53(処理部)、および減算器54を備えている。
アシストトルク演算部50は、トルクセンサ40により検出された操舵トルクτに基づいて、モータ20が発生するべきトルク(アシストトルク)の目標値であるトルク指令値Ta*を演算する。
電流フィードバック制御部51は、アシストトルク演算部50により演算されたトルク指令値Ta*(正確には減算器54により演算される最終目標値としての最終トルク指令値T*)、回転角センサ41により検出された回転角度θ、および電流センサ33により検出された実電流値Iに基づいて、モータ制御信号Smを演算する。具体的には、電流フィードバック制御部51は、トルク指令値Ta*に対応した電流指令値に、実電流値Iを追従させるべく、電流指令値と実電流値Iとの偏差に基づく電流フィードバック制御を実行することにより、モータ制御信号Smを演算する。
また、コーナリング判定部52は、車速センサ43により検出された車速V、舵角センサ42により検出された舵角θsを微分器55により微分した値である操舵速度ωs、およびカーナビゲーションシステム44により取得したナビ情報に基づいて、車両の横滑りを抑制するためにアシストトルク(アシスト量)を抑制するか否かを判定する。コーナリング判定部52は、車両がコーナリング(旋回)する際の旋回半径に応じた切り込み速度のマップを有している。そして、コーナリング判定部52は、アシストトルクを抑制するか否かの判定結果に基づいて、ステアリングホイール10の切り込み速度のマップを使用してステアリングホイール10の切り込み方向における操舵速度ωsの上限となる上限閾値ω0を決定する。なお、横滑り抑制制御は、少なくとも、アシストトルクを抑制する処理であるコーナリング処理を含んでいる。
なお、コーナリング判定部52は、操舵速度ωsのうち、ステアリングホイール10の切り込み方向における操舵速度(以下、「切り込み速度ω」という。)を用いてアシストトルクを抑制するか否かを判定する。これは、ステアリングホイール10が中立状態へ向けて切り戻されているときには、自車両に作用する横力が小さくなるので、車両の横滑りが起きにくいと考えられるためである。
コーナリング判定部52は、車速Vが予め定められた車速閾値V0未満である場合には、切り込み速度ωによらずにアシストトルクを抑制しない旨示す判定結果を生成する。また、コーナリング判定部52は、車速Vが車速閾値V0以上である場合、ステアリングホイール10の切り込み速度ωが上限閾値ω0以上であるか否かに基づいて、アシストトルクを抑制するか否かを判定した判定結果を生成する。
コーナリング処理部53は、コーナリング判定部52により生成された判定結果に基づいて、車両の横滑りを抑制するためにモータ20により発生されるアシストトルクを抑制する。コーナリング処理部53は、コーナリング判定部52によりアシストトルクを抑制すべき旨示す判定結果が生成された場合、車速センサ43により検出された車速Vに応じて、モータ20が発生するべきアシストトルクを低減する。具体的には、コーナリング処理部53は、コーナリング判定部52によりアシストトルクを抑制する旨示す判定結果が生成された場合、車速Vが大きくなるにつれて大きい値となる補正値としての抑制トルク指令値Ts*を演算する。
減算器54は、アシストトルク演算部50により演算されたトルク指令値Ta*、およびコーナリング処理部53により演算された抑制トルク指令値Ts*を取り込む。減算器54は、トルク指令値Ta*から抑制トルク指令値Ts*を減算することにより、最終トルク指令値T*を演算する。電流フィードバック制御部51は、この最終トルク指令値T*を用いて、モータ制御信号Smを演算する。なお、電流フィードバック制御部51は、抑制トルク指令値Ts*が生成されない場合、トルク指令値Ta*を最終トルク指令値T*として、モータ制御信号Smを演算する。
つぎに、カーナビゲーションシステム44から取得されるナビ情報(地図情報)から、コーナリング(旋回)位置において自車両が旋回するときに、想定される旋回半径Rsについて説明する。
図3に示すように、コーナリング判定部52は、カーナビゲーションシステム44から取得される自車両から目的地までの案内経路Gに基づいて、自車両がコーナリングするコーナリング位置、すなわち次に自車両が進行方向を変更する位置を検出する。この場合、たとえばコーナリング判定部52は、案内経路Gから検出されるコーナリング位置のうち、次回のコーナリング位置での旋回半径Rsを演算する。なお、コーナリング位置が急な曲がり角である場合には、旋回半径Rsは小さくなるのに対し、コーナリング位置が緩やかな曲がり角である場合には、旋回半径Rsは大きくなる。
つぎに、車速Vおよび切り込み速度ωの関係から、コーナリング判定部52で行われる上限閾値ω0の決定方法について、図4を用いて説明する。
図4のグラフは、横軸が車速V、縦軸がステアリングホイール10の切り込み速度ωであり、車速Vおよび切り込み速度ωに基づいて車両の挙動(特に横滑り状態)を分類したものである。具体的には、車速Vおよび切り込み速度ωに基づいて、車両の横滑り状態は、領域A〜Cの3つの状態に分類することができる。領域Aは、車速Vが車速閾値V0未満である領域であり、車両が十分に低速で走行しているために、車両の横滑りが発生しないと考えられる状態を示している。領域Bは、車速Vが車速閾値V0以上であって、切り込み速度ωが境界線Lb未満である状態であり、車両が高速で走行しているものの、ステアリングホイール10の切り込み速度ωが小さいので、横滑りが発生しないと考えられる状態を示している。領域Cは、車速Vが車速閾値V0以上であって、切り込み速度ωが境界線Lb以上である状態であり、車両が高速で走行しているうえに、ステアリングホイール10の切り込み速度ωが大きいので、横滑りが発生すると考えられる状態を示している。なお、境界線Lbは、車速Vが車速閾値V0以上の領域において、車速Vの増大に伴って切り込み速度ωが徐々に遅くなるような関係を有した曲線である。境界線Lbは、車速Vが車速閾値V0以上の領域において、切り込み速度ωおよび車速Vに基づいたプロットが、境界線Lbよりも上に位置しているか否かにより、領域Bおよび領域Cを切り分けている。境界線Lbは、上限閾値ω0を表している。なお、車速Vが車速閾値V0未満の場合には、切り込み速度ωが上限閾値ω0を超えないように、たとえば通常検出される切り込み速度ωと比べて大きい値の上限閾値ω0が用いられる。
また、図5のグラフに示すように、旋回半径Rsによって車速Vの「0」を起点とする許容領域が変化する。すなわち、旋回半径Rsが大きいほど、許容される車速Vの領域はより広くなる。旋回半径Rsについて、「小」、「中」、「大」の3つの状況を想定するとき、旋回半径Rsが「小」である場合よりも「中」であるとき、「中」である場合よりも「大」であるときの方が、許容される車速Vの領域は広くなる。これは、旋回半径Rsが大きくなるにつれて、車速Vの増加に対する切り込み速度ωが、より遅くなるからである。
以上のような関係を有する上限閾値ω0は、車速Vおよび旋回半径Rsに基づいて設定することができ、コーナリング判定部52は、当該上限閾値ω0が切り込み速度ω以上であるか否かに基づいて、コーナリング処理を実行するか否かを判定する。
つぎに、ECU30で行われる横滑り抑制制御の判定手順について説明する。
図6に示すように、ECU30は、カーナビゲーションシステム44からナビ情報を取得する(ステップS1)。
ECU30は、コーナリング処理を実施するか否かを判定する(ステップS2)。たとえば、ECU30は、ナビ情報に基づいて、コーナリング処理を実施すべきタイミングである場合、コーナリング処理を実行する。一例としては、ECU30は、ナビ情報に基づいて、車両がコーナリング位置に到達した可能性があると判断された場合、コーナリング処理を実施する。
ECU30は、コーナリング処理を実施する旨判定した場合(ステップS2のYES)、コーナリング処理を実施し(ステップS3)、次コーナリング位置があるか否かを判定する(ステップS4)。
ECU30は、次コーナリング位置がある旨判定される場合(ステップS4のYES)、再度コーナリング処理を実施するか否かを判定する(ステップS2)。この場合、案内経路Gから判断する限り、自車両がコーナリングするコーナリング位置がまだあるものと考えられる。
ECU30は、次コーナリング位置がある旨判定されない場合(ステップS4のNO)、処理を終了する。この場合、案内経路Gから判断する限り、自車両がコーナリングしないと考えられる。
また、ECU30は、コーナリング処理を実施する旨判定されない場合(ステップS2のNO)、処理を終了する。たとえば、自車両がまだコーナリング位置に到達しないと考えられるとき、コーナリング処理を実施する旨判定せず、自車両がコーナリング位置に到達する可能性のあるタイミングまでは、コーナリング処理を実施しない。
つぎに、ECU30で行われるコーナリング処理について説明する。
図7に示すように、ECU30は、ナビ情報に基づいて、旋回半径Rsを算出する(ステップS11)。
ECU30は、車速センサ43により検出された車速Vを取得する(ステップS12)。
つぎに、ECU30は、旋回半径Rsおよび車速Vに基づいて、上限閾値ω0を算出する(ステップS13)。具体的には、図3,5に示される旋回半径Rsに基づいて、複数の境界線Lbのうちいずれか一つを選択し、車速Vに応じた上限閾値ω0を設定する。
また、ECU30は、切り込み速度ωが上限閾値ω0以上であるか否かを判定する(ステップS14)。
ECU30は、切り込み速度ωが上限閾値ω0以上である場合(ステップS14のYES)、車速Vに応じたアシストトルクの抑制を実行する(ステップS15)。具体的には、コーナリング判定部52は、切り込み速度ωが上限閾値ω0以上である場合、アシストトルクを抑制する旨示す判定結果を生成する。コーナリング処理部53は、コーナリング判定部52により生成された判定結果に基づいて、車速Vが大きいほど、より大きな値となる抑制トルク指令値Ts*を演算する。そして、減算器54において、トルク指令値Ta*から抑制トルク指令値Ts*を減算することにより、最終トルク指令値T*を演算する。これにより、トルク指令値Ta*から抑制トルク指令値Ts*が減算される分だけ、モータ20から出力されるアシストトルクは小さくなる。
これに対し、ECU30は、切り込み速度ωが上限閾値ω0未満である場合(ステップS14のNO)、処理を終了する。
以上で全ての処理を終了する。
本実施形態の作用および効果を説明する。
(1)従来であれば、横滑り状態となったとき、あるいは横滑り前状態となったときに、自車両がコーナリング(旋回)するときの外側後輪に制動力を発生させることにより、横滑りを抑制しようとしている。しかし、運転者により急激なステアリング操作が行われた場合には、自車両に発生する横力が大きくなってしまうので、横滑りが生じてしまう。これは、横滑り状態が発生したときに制動力を発生させる場合は、そもそも横滑りが発生してから横滑りを抑制するものである。また、確実に横滑りが始まっていると想定される前の状態である横滑り前状態が発生したときに制動力を発生させる場合も、運転者により急激なステアリング操作が行われると、確実に横滑りが始まっていると想定できるほど大きな横滑りが発生してしまう。
これに対し、本実施形態では、横滑りが発生する前に、言い換えると急激なステアリング操作が行われ始めると、アシストトルクを低減することにより、急激なステアリング操作を行いにくくしている。すなわち、運転者が急激にステアリング操作することにより、切り込み速度ωが大きくなった(切り込み速度ωが上限閾値ω0よりも大きい)とき、このままステアリング操作がなされると横滑りが発生するおそれがあると考えられるので、アシストトルクを低減することにより、急激なステアリング操作を抑制している。
具体的には、コーナリング判定部52は、自車両が案内経路Gに従って走行しているとき、運転者がステアリング操作を行うことが想定される次のコーナリング位置に達する前に、次コーナリング位置において想定される旋回半径Rsを求める。そして、コーナリング判定部52は、当該旋回半径Rsおよび車速Vに基づいて、次コーナリング位置における横滑りが発生しない切り込み速度ωの上限値である上限閾値ω0を設定する。コーナリング判定部52は、自車両が次コーナリング位置に達したときには、実際に運転者がステアリング操作したことにより検出された切り込み速度ωが上限閾値ω0以上か否かを判定し、切り込み速度ωが上限閾値ω0以上であるとき、アシストトルクを低減する旨示す判定結果を生成する。そして、コーナリング処理部53は、当該判定結果に基づいて、抑制トルク指令値Ts*を演算する。減算器54は、トルク指令値Ta*から抑制トルク指令値Ts*を減算することにより、最終トルク指令値T*を演算する。モータ20から発生するアシストトルクは、抑制トルク指令値Ts*の分だけ低減される。アシストトルクが低減されることにより、運転者はさらに切り込む方向へのステアリング操作を行うことが難しくなるので、横滑りが発生することを抑制することができる。
このように、横滑りが発生する前に、横滑りが発生するおそれがあるほど、急なステアリング操作が行われた場合であっても、アシストトルクが低減されることにより、さらに切り込む方向へのステアリング操作が抑制される。このため、さらに迅速に(未然に)横滑りが発生することを抑制できる。
(2)境界線Lbは、車速Vが車速閾値V0以上の領域において、車速Vの増大に伴って切り込み速度ωが徐々に遅くなるような関係を有している。つまり、上限閾値ω0は、車速Vが車速閾値V0以上の領域では、車速Vの増大に伴って徐々に小さな値に設定されるため、車速Vが増大するほど許容されるステアリング操作の切り込み速度ωは小さくなる。これは、車速Vが大きくなるほど、運転者により行われるステアリング操作の操作量は小さくなるので、ステアリング操作の操作速度(切り込み速度ω)が遅くなるためである。このように、コーナリング判定部52は、車速Vが十分に大きい場合には比較的遅いステアリング操作になることを考慮した分、より正確に横滑りが発生する状況を判定することができ、より的確にアシストトルクを低減できる。
また、コーナリング判定部52は、車速Vが車速閾値V0の未満場合には、切り込み速度ωによらずに、アシストトルクを低減しない旨判定する。車速Vが車速閾値V0未満である場合には、横滑りが起きないと考えられるためである。そして、横滑りが起きないと考えられる車速Vが車速閾値V0未満である領域では、切り込み速度によってアシストトルクの低減量が変化しないので、切り込み速度によらずに通常通りの操舵感を得ることができる。なお、通常通りの操舵感が得られるのは、切り込み速度ωが変化した場合であっても、抑制トルク指令値Ts*によってトルク指令値Ta*が低減されることがないので、トルク指令値Ta*に対応したアシストトルクが得られるためである。
(3)運転者が安全運転しているか否かを評価する際には、ステアリング操作、コーナリング、および加減速の安定性などが用いられる。旋回半径Rsおよび車速Vに基づいて演算される上限閾値ω0を用いて、切り込み速度ωが上限閾値ω0以上であるか否かに基づいて、ステアリング操作が急激に行われていることを検出してもよい。ステアリング操作が急激に行われている場合、安全運転していないことを示す指標の一つとして用いることができる。また、切り込み速度ωが上限閾値ω0未満であることに基づいて、ステアリング操作が急激に行われていないことを検出し、これを安全運転していることを示す指標の一つとして用いてもよい。
<第2実施形態>
以下、車両制御装置をEPSに適用した第2実施形態について説明する。ここでは、第1実施形態との違いを中心に説明する。本実施形態の横滑り抑制制御の判定手順は、次の通りである。
図8に示すように、ECU30は、カーナビゲーションシステム44からナビ情報を取得する(ステップS21)。
つぎに、ECU30は、上限閾値設定処理を実行し(ステップS22)、その後コーナリング処理を実行し(ステップS23)、自車両がコーナリング位置を通過したか否かを判定する(ステップS24)。なお、上限閾値設定処理は、図7のステップS11〜ステップS13により、上限閾値ω0を算出する処理である。また、コーナリング処理は、図7のステップS14およびステップS15により、切り込み速度ωが上限閾値ω0以上であるか否かに基づいてアシストトルクの抑制を行う処理である。上限閾値設定処理を実行することにより、上限閾値ω0が決定され、当該上限閾値ω0に基づいて、コーナリング処理が実行される。
ECU30は、自車両がコーナリング位置を通過したか否かを判定し(ステップS24)、コーナリング位置を通過した旨判定される場合(ステップS24のYES)、アシストトルクの抑制を終了する(ステップS25)。
そして、ECU30は、ステップS25の後、目的地に到着したか否かを判定し(ステップS26)、自車両が目的地に到着した旨判定される場合(ステップS26のYES)、処理を終了する。
これに対し、ECU30は、自車両が目的地に到着した旨判定されない場合(ステップS26のNO)、ステップS22に処理を移行し、再び上限閾値設定処理を実行する。次コーナリング位置があれば、再び上限閾値設定処理を実行することにより、新たに設定された上限閾値ω0を用いてコーナリング処理を実行する。
また、ECU30は、コーナリング位置を通過した旨判定されない場合(ステップS24のNO)、ステップS23へ処理を移行し、再びコーナリング処理を実行する。この場合、自車両はまだコーナリング位置を通過していないと考えられるので、新たに上限閾値ω0を設定することなく、同じ上限閾値ω0のままコーナリング処理を実行する。
本実施形態の作用および効果を説明する。
(4)車速Vに基づいてアシストトルクを抑制した場合、自車両がコーナリング位置を通過したことに基づいて、アシストトルクの抑制を終了する。すなわち、自車両がコーナリング処理において、切り込み速度ωが上限閾値ω0以上である場合には、車速Vに応じてアシストトルクの抑制を行うが、自車両がコーナリング位置を超えたときには、当該コーナリング位置での横滑りは生じないものと考えられるので、アシストトルクの抑制を終了する。これにより、より的確にアシストトルクの抑制を開始および終了できる。
<第3実施形態>
以下、車両制御装置をEPSに適用した第3実施形態について説明する。ここでは、第1および第2実施形態の上限閾値設定処理との違いを中心に説明する。
図9に示すように、ECU30は、上限閾値設定処理において、ナビ情報に基づいて、旋回半径Rsを算出し(ステップS31)、車速センサ43により検出された車速Vを取得する(ステップS32)。
つぎにECU30は、マップ(図4参照)から、車速閾値V0を取得する(ステップS34)。
つぎに、ECU30は、車速Vが車速閾値V0以上であるか否かを判定する(ステップS35)。
ECU30は、車速Vが車速閾値V0以上である場合(ステップS35のYES)、マップ(図4参照)から、車速Vのときの境界線Lb上の値である上限閾値ω0を算出する(ステップS36)。これにより、ECU30は、算出された上限閾値ω0を用いて、コーナリング処理を実行する。
これに対し、ECU30は、車速Vが車速閾値V0未満である場合(ステップS35のNO)、コーナリング処理を実行しない旨示す信号を生成する(ステップS37)。車速Vが車速閾値V0未満である場合は、切り込み速度ωが大きい場合であっても、横滑りが発生しないと考えられるので、コーナリング判定部52は、コーナリング処理を実行しない旨示す信号を生成し、当該信号に基づいて、コーナリング処理を行うことなく、横滑り抑制制御の処理を終了する。この場合、たとえば図7のステップS14〜ステップS15を行うことなしに処理を終了する。また、この場合、たとえば図8のステップS23を行うことなしに、ステップS24に移行する。
以上で上限閾値設定処理を終了する。
本実施形態の作用および効果を説明する。
(5)ECU30は、マップ(図4参照)から車速閾値V0を取得し、車速Vが車速閾値V0以上である場合に、上限閾値ω0を算出している。これに対し、ECU30は、車速Vが車速閾値V0未満である場合には、上限閾値ω0を算出せず、コーナリング処理も実行しない。このため、コーナリング処理を実行する必要のないときには、切り込み速度ωによらずに、アシストトルクの抑制制御を実行しない。これにより、車速Vが車速閾値V0未満である低速走行時のような横滑りの発生しない状況では、通常通りの(横滑り抑制制御によりアシストトルクの抑制が行われていない)アシストトルクを発生させる。
なお、各実施形態は次のように変更してもよい。また、以下の他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲において、互いに組み合わせることができる。
・図4および図5に示される車速Vが車速閾値V0未満の領域である領域Aはなくてもよい。すなわち、車速Vが車速閾値V0未満の領域にも境界線Lbがあってもよい。
・各実施形態では、カーナビゲーションシステム44により取得されるナビ情報に基づいて、自車両がコーナリング位置をコーナリングする際に想定される旋回半径Rsを算出したが、これに限らない。カーナビゲーションシステム44に限らず、たとえば、車載カメラなどによって得られる画像から、想定される旋回半径Rsを算出してもよい。
・各実施形態では、切り込み速度ωが上限閾値ω0以上である場合、車速Vに応じてアシストトルクを抑制したが、車速Vによらずに一律にアシストトルクを抑制するようにしてもよい。
・各実施形態では、モータ20によってステアリングシャフト11にアシスト力を付与するEPS1に具体化して示したが、これに限らない。たとえば、ラックシャフト12に平行に配置された回転軸21を有するモータ20によってラックシャフト12にアシスト力を付与するEPS1に具体化したステアリング装置であってもよい。すなわち、モータ20によって操舵機構2に操舵補助力(回転力)を付与するステアリング装置であれば、どのようなものであってもよい。
1…EPS、2…操舵機構、3…アシスト機構、10…ステアリングホイール、11…ステアリングシャフト、11a…コラムシャフト、11b…インターミディエイトシャフト、11c…ピニオンシャフト、12…コラムシャフト、13…ラックアンドピニオン機構、14…タイロッド、15…転舵輪、20…モータ、21…回転軸、22…減速機構、30…ECU(車両制御装置)、31…マイコン、32…駆動回路、33…電流センサ、40…トルクセンサ、41…回転角センサ、42…舵角センサ、43…車速センサ、44…カーナビゲーションシステム、50…アシストトルク演算部(操舵補助力演算部)、51…電流フィードバック制御部、52…コーナリング判定部(判定部)、53…コーナリング処理部(処理部)、54…減算器、55…微分器、θ…回転角度、τ…操舵トルク、ω…切り込み速度、G…案内経路、I…実電流値、V…車速、V0…車速閾値、θs…舵角、ω0…上限閾値、ωs…操舵速度、Lb…境界線、Rs…旋回半径、Sm…モータ制御信号、Ta*…トルク指令値、T*…最終トルク指令値、Ts*…抑制トルク指令値。

Claims (4)

  1. 車両の操舵機構に操舵補助力を付与するアシスト機構の動作を制御する車両制御装置において、
    操舵状態に応じて操舵補助力を演算する操舵補助力演算部と、
    車両がコーナリングする際に想定される旋回半径および車速に基づいて、ステアリングホイールのコーナリング前の切り込み速度の上限となる上限閾値を予め設定し、コーナリング中の切り込み速度が前記上限閾値以上であるか否かを判定する判定部と、
    前記判定部によりコーナリング中の切り込み速度が前記上限閾値以上である旨判定される場合、前記操舵補助力を低減させるための補正値を生成する処理部と、を備える車両制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両制御装置において、
    前記判定部は、地図情報に基づいて、車両を目的地へ案内する案内経路からコーナリングする位置を検出し、車両が前記位置をコーナリングする前に、前記旋回半径を演算する車両制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両制御装置において、
    前記処理部は、前記操舵補助力を前記車速に応じて低減するための補正値を演算する車両制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両制御装置において、
    前記判定部は、前記車速が速いほど、より値の小さな前記上限閾値を演算する車両制御装置。
JP2017134788A 2017-07-10 2017-07-10 車両制御装置 Pending JP2019014430A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017134788A JP2019014430A (ja) 2017-07-10 2017-07-10 車両制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017134788A JP2019014430A (ja) 2017-07-10 2017-07-10 車両制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019014430A true JP2019014430A (ja) 2019-01-31

Family

ID=65356769

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017134788A Pending JP2019014430A (ja) 2017-07-10 2017-07-10 車両制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019014430A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102071779B1 (ko) 파워 스티어링 장치의 제어 장치 및 파워 스티어링 장치
JP4449960B2 (ja) 操舵支援装置
JP6112303B2 (ja) 車両用挙動制御装置
JP6380014B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP6693280B2 (ja) 操舵制御装置
JP5509341B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
WO2018047591A1 (ja) 車両制御装置、車両制御方法および電動パワーステアリング装置
JP4997478B2 (ja) 車両用操舵装置
JP2019182251A (ja) 車両制御装置
WO2016208627A1 (ja) 車線維持支援装置
JP2018103713A (ja) 車両走行制御装置及び自動運転制御方法
JP2018039419A (ja) 操舵制御装置
JP2017024512A (ja) 保舵状態検出装置及び運転支援装置
JP5181563B2 (ja) 車両用操舵装置
JP2017124762A (ja) 電動パワーステアリング装置
US11919581B2 (en) Steering control device
JP7307000B2 (ja) 操舵制御装置
JP2011110952A (ja) 車両運動制御装置
JP2017013636A (ja) 自動操舵装置
JP2018020634A (ja) 操舵補助装置及び操舵補助方法
JP2007137283A (ja) 車両用操舵装置
JP6634872B2 (ja) 車両用制御装置
JP5478470B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2019014430A (ja) 車両制御装置
JP2015074370A (ja) 車両制御装置