JP2019014198A - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】動作信頼性及び吐出性能に優れた液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。【解決手段】吐出チャネルがX方向に間隔をあけて形成された吐出領域を有するとともに、吐出チャネルを画成する駆動壁61に駆動電極が形成されたヘッドチップ52A,52Bと、Y方向でヘッドチップ52A,52Bに積層され、吐出チャネルに連通するインク流路81,155が形成された流路部材51A,51Bと、を備え、X方向において、吐出領域の外側に位置する部分には、ヘッドチップ52A,52Bと流路部材51A,51Bとを接着剤S1,S2を介して接合する絶縁シート135,170が配設され、X方向において、吐出領域に位置する部分では、ヘッドチップ52A,52Bと流路部材51A,51BとがY方向で離間した状態で配置されている。【選択図】図10

Description

本発明は、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関する。
従来、記録紙等の被記録媒体に液滴状のインクを吐出して、被記録媒体に画像や文字を記録する装置として、インクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンタがある。インクジェットヘッドは、例えば各色に対応する複数のジェットモジュールがキャリッジに搭載されて構成されている。
上述したジェットモジュールは、インクを吐出するヘッドチップや、ヘッドチップにインクを供給するインク流路が形成されたマニホールド、ヘッドチップを駆動させる駆動基板等を備えている(例えば、下記特許文献1)。
上述したヘッドチップは、インクが充填される吐出チャネルが複数並設されたアクチュエータプレートを備えている。アクチュエータプレートのうち、吐出チャネルを画成する駆動壁には駆動電極が形成されている。ヘッドチップでは、駆動電極に駆動電圧を印加することで、駆動壁が変形して吐出チャネル内の容積が変化する。これにより、吐出チャネルに連通するノズル孔を通してインクが吐出される。
特開2010−208226号公報
ところで、インクジェットヘッドにあっては、例えばマニホールドが導電性を有する材料により形成されている場合、マニホールドと駆動電極との間で浮遊容量が発生するおそれがある。すると、駆動電極に印加した駆動電圧の高周波成分が浮遊容量を介して周囲に伝播することで、電磁ノイズになるおそれがある。そして、電磁ノイズが駆動基板に伝わると、インクジェットヘッドの誤動作等を引き起こす原因となる。
また、マニホールドとヘッドチップとが接合された状態において、ヘッドチップにおける駆動壁に対向する部分に硬質材料(例えば、絶縁シート等)が接合されている場合、インク吐出時における駆動壁の変形が硬質材料により阻害されるおそれがある。その結果、各駆動壁間で変形の挙動にばらつきが生じ、吐出特性にばらつきが生じる可能性がある。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、動作信頼性及び吐出性能に優れた液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の一態様に係る液体噴射ヘッドは、液体が充填される複数の噴射チャネルが第1方向に間隔をあけて形成された噴射領域を有するとともに、前記噴射チャネルを画成する駆動壁に駆動電極が形成されたヘッドチップと、前記第1方向に交差する第2方向で前記ヘッドチップに積層され、前記噴射チャネルに連通する液体流路が形成された流路部材と、を備え、前記第1方向において、前記噴射領域の外側に位置する部分には、前記ヘッドチップと前記流路部材とを絶縁部材を介して接合するスペーサ部が配設され、前記第1方向において、前記噴射領域に位置する部分では、前記ヘッドチップと前記流路部材とが前記第2方向で離間した状態で配置されている。
この構成によれば、ヘッドチップと流路部材とが絶縁部材を間に挟んで配置されるので、例えば流路部材が導電性を有する材料により形成されている場合であっても、ヘッドチップと流路部材とを電気的に分離できる。そのため、ヘッドチップの駆動時にヘッドチップと流路部材との間に発生する浮遊容量を低減できる。これにより、駆動基板への電磁ノイズを抑えることができ、液体噴射ヘッドの動作信頼性を確保できる。
特に、本態様では、第1方向において、噴射領域に位置する部分では、ヘッドチップと流路部材とが第2方向で離間した状態で配置されている。そのため、噴射領域において、ヘッドチップと流路部材との間にスペーサ部を介在させる場合と異なり、噴射時における駆動壁の変形がスペーサ部によって阻害されるのを抑制できる。その結果、噴射性能を向上させることができる。
上記態様に係る液体噴射ヘッドにおいて、前記スペーサ部は、前記ヘッドチップと前記流路部材との間に介在する絶縁シートであってもよい。
本態様によれば、スペーサ部をヘッドチップや流路部材とは別体で設けることで、スペーサ部がヘッドチップや流路部材の一部を構成する場合と異なり、材料選択や設計等の自由度を向上させることができる。
上記態様に係る液体噴射ヘッドにおいて、前記絶縁シートは、前記第1方向で前記噴射領域の両側に位置する一対の外側台座部と、一対の前記外側台座部同士を前記第1方向で接続するブリッジ部と、を有していてもよい。
本態様によれば、一対の外側台座部同士がブリッジ部により接続されているので、ヘッドチップ及び流路部材の接合前において、ヘッドチップ及び流路部材の何れかに絶縁シートを組み付ける際、各外側台座部を一括して組み付けることができる。そのため、各外側台座部を別々に組み付ける場合に比べて組付性を向上させることができる。
また、各外側台座部の相対位置がブリッジ部により決定されるので、各外側台座部の間の位置精度を向上させることができる。
上記態様に係る液体噴射ヘッドにおいて、前記スペーサ部は、前記流路部材に一体で形成された流路凸部であり、前記流路凸部は、前記流路部材における前記第1方向で前記噴射領域の両側に位置する部分から前記第2方向で前記ヘッドチップに向けて突出していてもよい。
本態様によれば、スペーサ部が流路部材の一部を構成するので、ヘッドチップや流路部材とは別にスペーサ部を設ける場合に比べて部品点数の削減等を図ることができる。
上記態様に係る液体噴射ヘッドにおいて、前記スペーサ部は、前記ヘッドチップに一体で形成されたヘッド凸部であり、前記ヘッド凸部は、前記ヘッドチップにおける前記第1方向で前記噴射領域の両側に位置する部分から前記第2方向で前記流路部材に向けて突出していてもよい。
本態様によれば、スペーサ部がヘッドチップの一部を構成するので、ヘッドチップや流路部材とは別にスペーサ部を設ける場合に比べて部品点数の削減等を図ることができる。
上記態様に係る液体噴射ヘッドにおいて、前記流路部材は、導電性を有する材料により形成されていてもよい。
本態様によれば、上述したようにヘッドチップと流路部材とが絶縁部材を間に挟んで配置されるので、流路部材が導電性を有する材料により形成されている場合であっても、ヘッドチップと流路部材との間に発生する浮遊容量を低減できる。
上記態様に係る液体噴射ヘッドにおいて、前記流路部材には、前記ヘッドチップを駆動する駆動基板が支持されていてもよい。
本態様によれば、上述したようにヘッドチップと流路部材との間に発生する浮遊容量を低減できるので、流路部材によって駆動基板を支持できる。そのため、駆動基板を支持する部材を、流路部材とは別で設ける場合に比べて小型化を図ることができる。また、例えば駆動基板で発生した熱の放熱部材として流路部材を利用したり、駆動基板で発生した熱によって液体流路を流れる液体を加熱したりすることも可能になる。この場合には、放熱性能を確保した上で、液体を所望の温度でヘッドチップに供給でき、優れた噴射性能を得ることができる。
上記態様に係る液体噴射ヘッドにおいて、前記第1方向において、前記噴射領域に位置する部分には、前記ヘッドチップと前記流路部材とを接着する絶縁性を有する接着剤が介在していてもよい。
本態様によれば、噴射領域において、ヘッドチップ(噴射チャネル)と流路部材(液体流路)間を接着剤でシールできるとともに、ヘッドチップ及び流路部材間を電気的に分離することができる。これにより、浮遊容量の発生を確実に抑制できる。
上記態様に係る液体噴射ヘッドにおいて、前記接着剤は、前記スペーサ部よりも軟質な材料により形成されていてもよい。
本態様によれば、噴射領域において、ヘッドチップ(噴射チャネル)と流路部材(液体流路)間を接着剤でシールできるとともに、ヘッドチップと流路部材との間にスペーサ部が介在する場合に比べて、駆動壁が柔軟に変形し易くなる。そのため、シール性の向上及び噴射性能の向上の両立を図ることができる。
本発明の一態様に係る液体噴射装置は、上記態様に係る液体噴射ヘッドを備えている。
本態様によれば、動作信頼性及び噴射性能に優れた液体噴射装置を提供できる。
本発明の一態様によれば、動作信頼性及び噴射性能に優れた液体噴射ヘッド及び液体噴射装置の小型化を図ることができる。
実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。 実施形態に係るインクジェットヘッドの斜視図である。 実施形態に係るインクジェットヘッドにおいて、一部を分解した斜視図である。 実施形態に係るインクジェットヘッドにおいて、ベース部材と第1ジェットモジュールの分解斜視図である。 実施形態に係る第1ジェットモジュールの分解斜視図である。 実施形態に係る吐出部の分解斜視図である。 図6のVII−VII線に沿う断面図である。 実施形態に係る第1流路部材において、第1流路板から+Y方向に展開させた分解斜視図である。 実施形態に係る第1流路板を+Y方向から見た正面図である。 図8のX−X線に相当する第1ジェットモジュールの断面図である。 図10のXI部拡大図である。 実施形態に係る第1流路部材において、第1流路板から−Y方向に展開させた分解斜視図である。 実施形態に係る第2流路板を+Y方向から見た正面図である。 図2のXIV−XIV線に沿う部分断面図である。 第1変形例に係る第1ジェットモジュールを−Z方向から見た底面図である。 第2変形例に係る第1ジェットモジュールを−Z方向から見た底面図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。以下の実施形態では、インク(液体)を利用して被記録媒体に記録を行うインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタという)を例に挙げて説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
[プリンタ]
図1はプリンタ1の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態のプリンタ1は、一対の搬送機構2,3と、インク供給機構4と、インクジェットヘッド5A,5Bと、走査機構6と、を備えている。なお、以下の説明では、必要に応じてX,Y,Zの直交座標系を用いて説明する。この場合、X方向(第1方向)は被記録媒体P(例えば、紙等)の搬送方向(副走査方向)に一致している。Y方向(第2方向)は走査機構6の走査方向(主走査方向)に一致している。Z方向は、X方向及びY方向に直交する高さ方向(重力方向)を示している。以下の説明では、X方向、Y方向及びZ方向のうち、図中矢印方向をプラス(+)方向とし、矢印とは反対の方向をマイナス(−)方向として説明する。本実施形態において、+Z方向は重力方向の上方に相当し、−Z方向は重力方向の下方に相当する。
搬送機構2,3は、被記録媒体Pを+X方向に搬送する。具体的に、搬送機構2は、Y方向に延設されたグリットローラ11と、グリットローラ11に平行に延設されたピンチローラ12と、グリットローラ11を軸回転させるモータ等の駆動機構(不図示)と、を備えている。同様に、搬送機構3は、Y方向に延設されたグリットローラ13と、グリットローラ13に平行に延設されたピンチローラ14と、グリットローラ13を軸回転させる駆動機構(不図示)と、を備えている。
インク供給機構4は、インクが収容されたインクタンク15と、インクタンク15とインクジェットヘッド5A,5Bとを接続するインク配管16と、を備えている。
本実施形態において、インクタンク15は、X方向に複数並べられている。各インクタンク15には、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインクが各別に収容されている。
インク配管16は、例えば可撓性を有するフレキシブルホースである。インク配管16は、各インクタンク15と各インクジェットヘッド5A,5Bとの間を接続している。
走査機構6は、インクジェットヘッド5A,5BをY方向に往復走査させる。具体的に、走査機構6は、Y方向に延設された一対のガイドレール21,22と、一対のガイドレール21,22に移動可能に支持されたキャリッジ23と、キャリッジ23をY方向に移動させる駆動機構24と、を備えている。
駆動機構24は、X方向におけるガイドレール21,22の間に配設されている。駆動機構24は、Y方向に間隔をあけて配設された一対のプーリ25,26と、一対のプーリ25,26間に巻回された無端ベルト27と、一方のプーリ25を回転駆動させる駆動モータ28と、を備えている。
キャリッジ23は、無端ベルト27に連結されている。キャリッジ23には、複数のインクジェットヘッド5A,5BがY方向に並んだ状態で搭載されている。各インクジェットヘッド5A,5Bは、1つのインクジェットヘッド5A,5Bにつき2色のインクを吐出可能に構成されている。したがって、本実施形態のプリンタ1では、各インクジェットヘッド5A,5Bそれぞれが互いに異なる2色のインクを吐出することで、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインクを吐出可能に構成されている。
<インクジェットヘッド>
図2は、インクジェットヘッド5Aの斜視図である。図3は、インクジェットヘッド5Aにおいて、一部を分解した斜視図である。なお、インクジェットヘッド5A,5Bは、供給されるインクの色以外は何れも同等の構成である。そのため、以下の説明ではインクジェットヘッド5Aについて説明し、インクジェットヘッド5Bの説明を省略する。
図2、図3に示すように、本実施形態のインクジェットヘッド5Aは、ジェットモジュール30A,30B(図3参照)やダンパ31、ノズルプレート32(図2参照)、ノズルガード33等がベース部材38に搭載されて構成されている。
(ベース部材)
図4は、インクジェットヘッド5Aにおいて、ベース部材38と第1ジェットモジュール30Aの分解斜視図である。
図4に示すように、ベース部材38は、Z方向を厚さ方向とし、X方向を長手方向とする板状に形成されている。ベース部材38は、各ジェットモジュール30A,30Bを保持するベース本体部41と、ベース部材38をキャリッジ23(図1参照)に固定するためのキャリッジ固定部42と、を有している。なお、本実施形態において、ベース部材38は、金属材料により一体で形成されている。
ベース本体部41には、モジュール収容部(第1モジュール収容部44A及び第2モジュール収容部44B)が形成されている。各モジュール収容部44A,44Bは、ジェットモジュール30A,30Bに対応してY方向に2つ並んで形成されている。各モジュール収容部44A,44Bは、ベース本体部41をZ方向に貫通している。各モジュール収容部44A,44Bには、対応するジェットモジュール30A,30Bがそれぞれ差込可能とされている。すなわち、ジェットモジュール30A,30Bは、−Z方向端部が各モジュール収容部44A,44B内に差し込まれることで、ベース部材38から+Z方向に起立した状態でベース本体部41に保持されている。
ベース本体部41において、各モジュール収容部44A,44B間に位置する部分には、各モジュール収容部44A,44B間を仕切る仕切部46が形成されている。
ベース本体部41におけるX方向で対向する一対の短辺部45a,45bには、X方向の内側に向けて突出する突出壁47が形成されている。突出壁47は、X方向で対向する突出壁47同士を1組として、各モジュール収容部44A,44B毎に形成されている。
第1短辺部45aには第1付勢部材48が設けられている。第1付勢部材48は、各モジュール収容部44A,44Bに対応して設けられている。各第1付勢部材48は、第1短辺部45aと各ジェットモジュール30A,30Bとの間にそれぞれ介在する板ばね状に形成されている。各第1付勢部材48は、各ジェットモジュール30A,30Bを第2短辺部45bに向けて(−X方向)付勢する。
キャリッジ固定部42は、ベース本体部41の+Z方向端部からXY平面に張り出している。キャリッジ固定部42には、ベース部材38をキャリッジ23(図1参照)に取り付けるための取付孔等が形成されている。
(ジェットモジュール)
図3に示すように、ジェットモジュール30A,30Bは、Y方向を厚さ方向とする板状に形成されている。ジェットモジュール30A,30Bは、インクタンク15(図1参照)から供給されるインクを被記録媒体Pに向けて吐出可能に構成されている。ジェットモジュール30A,30Bは、ベース部材38上にY方向に間隔をあけて搭載されている。
本実施形態のインクジェットヘッド5Aでは、ジェットモジュール30A,30Bのうち、各ジェットモジュールで1色ずつインクを吐出するようになっている。なお、ベース部材38に搭載されるジェットモジュール30A,30Bの数や、ジェットモジュール30A,30Bから吐出するインクの色、種類等は、適宜変更が可能である。各ジェットモジュール30A,30Bは、同一の構成からなるジェットモジュール同士がY方向で互いに逆向きでベース部材38に搭載されている。したがって、以下の構成では、第1ジェットモジュール30Aを例にして説明する。
図5は、第1ジェットモジュール30Aの分解斜視図である。
図5に示すように、第1ジェットモジュール30Aは、吐出部50と、吐出部50を間に挟んでY方向で対向する第1流路部材51A及び第2流路部材51Bと、を主に備えている。
(吐出部)
図6は、吐出部50の分解斜視図である。
図6に示すように、吐出部50は、第1ヘッドチップ52Aと、第1ヘッドチップ52Aに対して+Y方向に積層された第2ヘッドチップ52Bと、を有している。各ヘッドチップ52A,52Bは、後述する吐出チャネル57における延在方向(Z方向)の端部からインクを吐出する、いわゆるエッジシュートタイプのものである。
第1ヘッドチップ52Aは、第1アクチュエータプレート55及び第1カバープレート56がY方向に重ね合わされて構成されている。
第1アクチュエータプレート55は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等により形成された圧電基板である。第1アクチュエータプレート55は、分極方向が厚さ方向(Y方向)に沿って一方向に設定されている。なお、第1アクチュエータプレート55は、分極方向がY方向で異なる2枚の圧電基板を積層して形成しても構わない(いわゆる、シェブロンタイプ)。
第1アクチュエータプレート55には、−Y方向を向く面(以下、「表面」という。)で開口する複数のチャネル57,58が、X方向に間隔をあけて並設されている。各チャネル57,58は、それぞれZ方向に沿って直線状に形成されている。各チャネル57,58は、第1アクチュエータプレート55における−Z方向端面上で開口している。なお、各チャネル57,58は、Z方向に対して傾いて延在していても構わない。
図7は、図6のVII−VII線に沿う断面図である。
図6、図7に示すように、上述した複数のチャネル57,58は、インクが充填される吐出チャネル57、及びインクが充填されない非吐出チャネル58である。吐出チャネル57及び非吐出チャネル58は、X方向に交互に並んで配置されている。各チャネル57,58は、第1アクチュエータプレート55からなる駆動壁61によってそれぞれX方向に仕切られている。なお、チャネル57,58の内面には、駆動電極59が形成されている。駆動電極59は、第1アクチュエータプレート55の+Z方向端部において、第1アクチュエータプレート55の表面に形成された駆動端子(不図示)に接続されている。
第1カバープレート56は、Y方向から見た平面視で矩形状に形成されている。第1カバープレート56は、第1アクチュエータプレート55の+Z方向端部を突出させた状態で、第1アクチュエータプレート55の表面に接合されている(図10参照)。
第1カバープレート56は、−Y方向を向く面(以下、「表面」という。)で開口する共通インク室62と、+Y方向を向く面(以下、「裏面」という。)で開口する複数のスリット63と、を有している。
共通インク室62は、Z方向において、吐出チャネル57の+Z方向端部に対応する位置に形成されている。共通インク室62は、第1カバープレート56の表面から+Y方向に向けて窪むとともに、X方向に延設されている。共通インク室62には、上述した第1流路部材51Aを通してインクが流入する。
スリット63は、共通インク室62のうち、吐出チャネル57とY方向で対向する位置に形成されている。スリット63は、共通インク室62内と各吐出チャネル57内とを各別に連通している。したがって、非吐出チャネル58は、共通インク室62内には連通していない。
第1カバープレート56のうち、共通インク室62よりもX方向の外側に位置する部分には、一対の第1気泡抜き孔65Aが形成されている。各第1気泡抜き孔65Aは、第1カバープレート56をY方向に貫通した後、第1カバープレート56と第1アクチュエータプレート55との間を−Z方向に延在している。すなわち、第1気泡抜き孔65Aのうち、第1開口部は第1カバープレート56の表面で開口し、第2開口部は第1ヘッドチップ52Aの−Z方向端面で開口している。
第2ヘッドチップ52Bは、第2アクチュエータプレート71及び第2カバープレート72がY方向に重ね合わされて構成されている。以下の説明では、第2ヘッドチップ52Bにおける第1ヘッドチップ52Aと同様の構成について、第1ヘッドチップ52Aと同一の符号を付して説明を省略する。
第2アクチュエータプレート71は、第1アクチュエータプレート55のうち、+Y方向を向く面(以下、「裏面」という。)に接合されている。第2ヘッドチップ52Bの吐出チャネル57及び非吐出チャネル58は、第1ヘッドチップ52Aの吐出チャネル57及び非吐出チャネル58の配列ピッチに対して半ピッチずれて配列されている。すなわち、各ヘッドチップ52A,52Bの吐出チャネル57同士及び非吐出チャネル58同士は、それぞれ千鳥状に配列されている。
第2カバープレート72は、第2アクチュエータプレート71における+Y方向を向く面(以下、「表面」という。)に接合されている。第2カバープレート72のうち、共通インク室62よりも少なくとも+X方向に位置する部分には、第2気泡抜き孔65Bが形成されている。第2気泡抜き孔65Bは、第2カバープレート72をY方向に貫通した後、第2カバープレート72と第2アクチュエータプレート71との間を−Z方向に延在している。
吐出部50において、チャネル57,58が配列された領域を吐出領域Q1とし、吐出領域Q1に対してX方向の両側に位置する領域(最外のチャネル57,58よりも外側の領域)を一対の非吐出領域Q2とする。非吐出領域Q2には、吐出部50(各ヘッドチップ52A,52B)をY方向に貫通する連通孔73(図6,7では、一方の連通孔73のみを示す)が形成されている。連通孔73は、各ヘッドチップ52A,52B(アクチュエータプレート55,71及びカバープレート56,72)をY方向に貫通し、各ヘッドチップ52A,52Bの共通インク室62同士を連通させている。なお、連通孔73の数や位置、形状等は適宜変更が可能である。
(第1流路部材)
図8は、第1流路部材51Aにおいて、第1流路板77から+Y方向に展開させた分解斜視図である。
図8に示すように、第1流路部材51Aは、第1マニホールド75と、流入ポート76と、を有している。なお、第1マニホールド75及び流入ポート76は、一体に形成されていても構わない。
第1マニホールド75は、全体としてY方向を厚さ方向とする板状に形成されている。図3に示すように、第1マニホールド75は、−Z方向端部が上述した第1モジュール収容部44A内に差し込まれることで、+Z方向に起立した状態でベース部材38に保持されている。
図8に示すように、第1マニホールド75は、第1流路板77と、第1流路板77に対して+Y方向に配設されたフロントカバー78と、第1流路板77に対して−Y方向に配設されたリアカバー79と、を有している。
第1流路板77は、熱伝導性に優れた材料により形成されている。本実施形態において、第1流路板77の材料には、金属材料(例えば、アルミニウム等)が好適に用いられている。第1流路板77には、第1ヘッドチップ52Aに向けてインクが流通する第1インク流路81が形成されている。
図9は、第1流路板77を+Y方向から見た正面図である。
図8、図9に示すように、第1インク流路81は、上流流路83、濾過流路84、下流流路85及び供給流路86(図11参照)が連なって形成されている。
上流流路83は、第1流路板77において+Y方向に開口している。具体的に、上流流路83は、幅狭流路91と、幅狭流路91及び濾過流路84間を接続する接続流路92と、を有している。
幅狭流路91は、第1流路板77における+X方向、かつ+Z方向に位置する部分を上流端とし、第1流路板77におけるZ方向及びX方向の中央部に位置する部分を下流端として、上流端から下流端に向かうに従い屈曲しながら延在している。具体的に、幅狭流路91は、上流端から−Z方向に延在した後、−Z方向に向かうに従い−X方向に延在し、さらに−Z方向に延在している。本実施形態において、幅狭流路91の流路幅(流通方向及びY方向に直交する方向での幅)、及び流路深さ(Y方向での深さ)は、全体に亘って一様に設定されている。但し、幅狭流路91の形状や流路幅、流路深さは、適宜変更が可能である。
図9に示すように、接続流路92は、+Y方向から見た正面視において、−Z方向に向かうに従い流路幅が漸次拡幅する三角形状に形成されている。接続流路92は、+Z方向端部において、幅狭流路91の下流端に連通している。本実施形態において、接続流路92の上流端(+Z方向端部)での流路幅は、幅狭流路91の下流端での流路幅と同等になっている。
図10は、図8のX−X線に相当する第1ジェットモジュール30Aの断面図である。
図10に示すように、接続流路92は、+X方向から見た断面視において、−Z方向に向かうに従い流路深さが漸次浅くなっている。すなわち、本実施形態の接続流路92は、上流側から下流側に向かうに従い流路幅が広くなる一方、上流側から下流側に向かうに従い流路深さが浅くなっている。本実施形態において、接続流路92の上流端での流路深さは、幅狭流路91の下流端での流路深さと同等になっている。
接続流路92における下流端(−Z方向端部)での流路断面積(XY平面での断面積)は、上流端での流路断面積よりも小さくなっていることが好ましい。但し、接続流路92の流路幅や流路深さ、流路断面積は、適宜変更が可能である。
なお、本実施形態では、流路幅及び流路深さが連続的(直線状)に変化する構成について説明したが、この構成のみに限られない。すなわち、接続流路92は、流路幅及び流路深さが下流側に向かうに従い徐々に変化する構成であれば、例えば階段状や曲線状に形成されていても構わない。また、傾きの異なる複数の直線が連なる構成であっても構わない。
図11は、図10のXI部拡大図である。
図9、図11に示すように、濾過流路84は、接続流路92における下流端とZ方向で連通するとともに、接続流路92から流入するインクを−Y方向に向けて流通させる。具体的に、濾過流路84は、+Y方向に位置するフィルタ入口流路95と、フィルタ入口流路95に対して−Y方向に連なるフィルタ出口流路96と、を有している。
フィルタ入口流路95は、+Z方向端部(重力方向の上端部)において、接続流路92に連通している。フィルタ入口流路95におけるX方向での幅は、接続流路92における下流端でのX方向の幅と同等になっている。
フィルタ出口流路96は、Y方向から見た正面視での面積(流路断面積)がフィルタ入口流路95に比べて一回り小さくなっている。すなわち、フィルタ入口流路95とフィルタ出口流路96との境界部分には、+Y方向を向く段差面97が形成されている。段差面97は、フィルタ入口流路95の外周縁に倣って延びる額縁状に形成されている。
フィルタ入口流路95には、濾過流路84をフィルタ入口流路95とフィルタ出口流路96とにY方向で仕切るメインフィルタ99が配置されている。メインフィルタ99は、Y方向から見た平面視外形がフィルタ入口流路95と同等の大きさに形成されたメッシュシートである。メインフィルタ99は、外周部分が上述した段差面97に+Y方向から接合されている。インクは、フィルタ入口流路95からフィルタ出口流路96に流通する過程でメインフィルタ99を通過する。これにより、インク中に含まれる異物や気泡がメインフィルタ99により捕捉される。
図11に示すように、フィルタ出口流路96の内面には、フィルタ出口流路96と下流流路85との間をY方向で仕切る貯留壁部100が形成されている。貯留壁部100は、フィルタ出口流路96の内面のうち、−Z方向(重力方向の下方)に位置する−Z方向内側面から+Z方向に立設されるとともに、フィルタ出口流路96におけるX方向の全体に亘って形成されている。
貯留壁部100における+Z方向端部には、貯留壁部100をY方向に貫通する連通流路102が形成されている。連通流路102は、貯留壁部100(フィルタ出口流路96)におけるX方向の全体に亘って連続的に形成されている。本実施形態において、連通流路102の内面のうち、+Z方向に位置する+Z方向内側面は、フィルタ出口流路96の内面のうち、+Z方向に位置する+Z方向内側面と面一になっている。すなわち、連通流路102は、フィルタ出口流路96の最上端部で開口している。但し、連通流路102及びフィルタ出口流路96における+Z方向内側面同士は、面一である場合に限られない。
連通流路102の上流端での流路断面積(XZ平面での面積)は、上述したフィルタ入口流路95の最小流路断面積(XY平面での断面積)よりも小さくなっていることが好ましい。但し、連通流路102の流路断面積は、フィルタ入口流路95の最小流路断面積と同等以上であっても構わない。なお、本実施形態では、フィルタ入口流路95の最小流路断面積を、フィルタ入口流路95の上流端(接続流路92との境界部分)に設定した場合について説明したが、この構成のみに限られない。すなわち、フィルタ入口流路95の最小流路断面積は、フィルタ入口流路95の任意の位置に設定することが可能である。
図12は、第1流路部材51Aにおいて、第1流路板77から−Y方向に展開させた分解斜視図である。
図10、図12に示すように、下流流路85は、第1流路板77において−Y方向に開口している。具体的に、下流流路85は、ストレート部110と、ストレート部110の下流側に連なる拡大部111と、を有している。
ストレート部110は、貯留壁部100を間に挟んでフィルタ出口流路96にY方向で対向している。ストレート部110は、X方向における流路幅がフィルタ出口流路96と同等に形成されるとともに、Y方向での流路深さがZ方向の全体に亘って一様に形成されている。ストレート部110は、+Z方向の端部において、連通流路102を通じてフィルタ出口流路96に連通している。なお、ストレート部110の流路幅や流路深さは、適宜変更が可能である。
拡大部111は、ストレート部110の−Z方向端部から−Z方向に延在している。拡大部111は、X方向での流路幅がストレート部110と同等に形成されている。拡大部111は、Y方向での流路深さが−Z方向に向かうに従い漸次深くなっている。すなわち、拡大部111の流路断面積(Z方向に直交する方向での断面積)は、下流側(−Z方向)に向かうに従い漸次拡大している。
供給流路86は、第1流路板77の−Z方向端部において、第1流路板77をY方向に貫通している。供給流路86におけるX方向での流路幅は、拡大部111よりも広くなっている。本実施形態において、供給流路86の流路幅は、共通インク室62と同等に設定されている。
供給流路86における上流端(−Y方向端部)は、拡大部111の下流端(−Z方向端部)に連通している。一方、供給流路86における下流端は、第1流路板77において+Y方向に開口している。
図9に示すように、第1流路板77には、第1インク流路81に連通する第1気泡排出流路120が形成されている。第1気泡排出流路120は、濾過流路84に対してX方向の両側に一対で形成されている。すなわち、各第1気泡排出流路120は、第1流路部材51AにおけるX方向の中心を通り、Z方向に延びる対称軸に対して線対称に形成されている。そのため、以下の説明では、第1インク流路81に対して+X方向に位置する第1気泡排出流路120について説明する。なお、第1気泡排出流路120は、一対に限られない。
図9、図12に示すように、第1気泡排出流路120は、誘導部121と、第1貫通部122と、排出部123と、第2貫通部124と、を有している。
誘導部121は、第1流路板77において+Y方向に開口している。誘導部121は、上述した接続流路92及びフィルタ入口流路95に対して+X方向に連なっている。具体的に、誘導部121は、+X方向に向かうに従いZ方向の幅が漸次縮小するテーパ状に形成されている。具体的に、誘導部121の内面のうち、+Z方向に位置する+Z方向内側面は、X方向に沿って直線状に延在している。但し、+Z方向内側面は、+X方向に向かうに従い+Z方向や−Z方向に向けて傾斜して延在しても構わない。
誘導部121の内面のうち、−Z方向に位置する−Z方向内側面は、+X方向に向かうに従い+Z方向に延びる傾斜面に形成されている。なお、誘導部121におけるY方向での深さは、誘導部121の全体に亘って一様になっている。但し、誘導部121の深さは、例えば+X方向に向かうに従い徐々に浅くなっていても構わない。
第1貫通部122は、誘導部121の頂部(+Z方向内側面と−Z方向内側面との交差部分)において、誘導部121に連通している。第1貫通部122は、第1流路板77をY方向に貫通している。本実施形態において、第1貫通部122は、濾過流路84よりも+Z方向であって、+X方向に配置されている。なお、第1貫通部122は、濾過流路84よりも+Z方向に配置されるか、濾過流路84よりも+X方向に配置されるかの何れか一方を満たしていることが好ましい。但し、第1貫通部122のZ方向及びX方向での位置は適宜変更が可能である。
図12に示すように、排出部123は、第1流路板77において、−Y方向に開口している。排出部123は、Z方向に延在している。排出部123における+Z方向端部は、上述した第1貫通部122に連通している。
第2貫通部124は、排出部123の−Z方向端部に連通している。第2貫通部124は、第1流路板77をY方向に貫通している。第2貫通部124と排出部123との境界部分には、サブフィルタ126が配置されている。
リアカバー79は、Y方向から見た正面視で第1流路板77と同等の外形を有し、かつY方向の厚さが第1流路板77よりも薄い矩形板状に形成されている。リアカバー79は、第1流路板77のうち−Y方向を向く面に固定されている。すなわち、リアカバー79は、第1インク流路81(下流流路85や供給流路86)及び第1気泡排出流路120(貫通部122,124や排出部123)を−Y方向から閉塞している。なお、本実施形態において、リアカバー79は、熱伝導性に優れた金属材料(例えば、ステンレス等)により形成されている。
リアカバー79における−Y方向を向く面には、ヒータ130が配置されている。ヒータ130は、リアカバー79を通じて第1インク流路81内を加熱することで、第1インク流路81内を流通するインクを所定の温度範囲内に保持(保温)する。
図8に示すように、フロントカバー78は、リアカバー79と同形同大に形成された矩形板状のものである。すなわち、フロントカバー78は、Y方向の厚さが第1流路板77よりも薄くなっている。フロントカバー78は、第1流路板77のうち、+Y方向を向く面に固定されている。すなわち、フロントカバー78は、第1インク流路81(上流流路83や濾過流路84)及び第1気泡排出流路120(誘導部121や貫通部122)を+Y方向から閉塞している。
フロントカバー78のうち、Y方向から見て供給流路86と重なり合う位置には、供給流路86を開放させる連通口132が形成されている。連通口132は、Y方向から見た正面視で供給流路86と同等の形状をなし、フロントカバー78をY方向に貫通している。
フロントカバー78のうち、Y方向から見て上流流路83の上流端(+Z方向端部)と重なり合う位置には、上流流路83を開放させる流入口133が形成されている。流入口133は、フロントカバー78をY方向に貫通している。
フロントカバー78のうち、Y方向から見て第2貫通部124と重なり合う位置には、第2貫通部124を開放させる排出口134が形成されている。排出口134は、フロントカバー78をY方向に貫通している。
本実施形態では、第1流路板77のみに溝状の第1インク流路81を形成した場合について説明したが、この構成のみに限らず、第1流路板77、フロントカバー78及びリアカバー79のうち少なくとも何れか一方にインク流路が形成されていれば構わない。この場合、例えば第1流路板77やフロントカバー78、リアカバー79のそれぞれに溝部を形成し、これら溝部を重ね合わせてインク流路としても構わない。
流入ポート76は、Z方向に延びる筒状に形成されている。流入ポート76は、フロントカバー78における+Z方向端部に固定されている。流入ポート76内は、上述した流入口133を通じて第1インク流路81内に連通している。
(第1絶縁シート)
図8に示すように、フロントカバー78における+Y方向を向く面には、第1絶縁シート135が設けられている。第1絶縁シート135は、Y方向から見た正面視で−Z方向に開口するU字状に形成されている。第1絶縁シート135は、フロントカバー78において連通口132の周囲を取り囲んでいる。具体的に、第1絶縁シート135は、連通口132に対してX方向の両側に位置する一対の外側台座部136と、外側台座部136の+Z方向端部同士を接続するブリッジ部137と、を有している。なお、本実施形態において、第1絶縁シート135は、例えばポリイミドが好適に用いられている。但し、第1絶縁シート135の材料は、絶縁性や耐インク性(耐溶出性)を有し、かつ比較的軟質な材料(例えば、樹脂材料やゴム材料)により形成されていれば適宜変更が可能である。
外側台座部136において、Y方向から見て上述した排出口134と重なり合う位置には、排出口134を露出させる露出口140が形成されている。露出口140は、外側台座部136をY方向に貫通している。
外側台座部136において、露出口140よりも+Z方向に位置する部分には、外側台座部136をY方向に貫通する位置決め孔142が形成されている。位置決め孔142は、第1流路部材51Aから+Y方向に突出する係合ピン143を収容している。なお、位置決め孔142は、ブリッジ部137に形成しても構わない。
ブリッジ部137は、連通口132に対して+Z方向に位置している。すなわち、フロントカバー78において、連通口132に対して−Z方向に位置する部分は、第1絶縁シート135が位置していないブランク領域141になっている。なお、第1絶縁シート135は、少なくとも非吐出領域Q2に外側台座部136のみを有していれば構わない。
図10に示すように、上述した第1ヘッドチップ52Aは、第1カバープレート56の表面を−Y方向に向けた状態でフロントカバー78や第1絶縁シート135に固定されている。具体的に、第1カバープレート56の表面のうち、第1絶縁シート135に対向する部分は、接着剤S1を介して第1絶縁シート135に固定されている。一方、第1カバープレート56の表面のうち、ブランク領域141に対向する部分は、接着剤S1を介してフロントカバー78に直接固定されている。
第1ヘッドチップ52Aが第1流路部材51Aに固定された状態において、駆動壁61(図6に示す吐出領域Q1)はブランク領域141にY方向で対向する。すなわち、本実施形態において、駆動壁61とフロントカバー78との間には、接着剤S1のみが介在する(第1絶縁シート135が介在しない)ようになっている。この場合、接着剤S1は、共通インク室62及び連通口132の周囲を取り囲み、第1ヘッドチップ52Aと第1流路部材51Aとの間をシールしている。なお、本実施形態で用いる接着剤S1は、絶縁性を有し、かつ比較的軟質(第1絶縁シート135よりも軟質)な材料(例えば、シリコーン系)等が用いられている。
第1ヘッドチップ52Aが第1流路部材51Aに固定された状態において、第1カバープレート56の共通インク室62は、連通口132を通じて供給流路86に連通する。一方、図8に示すように、第1ヘッドチップ52Aの第1気泡抜き孔65A(図7参照)は、露出口140及び排出口134を通じて第1気泡排出流路120(第2貫通部124)に連通する。
(第2流路部材)
図5に示すように、第2流路部材51Bは、第2マニホールド150と、第2付勢部材151と、を有している。
第2マニホールド150は、全体としてY方向を厚さ方向とし、Z方向の長さが第1マニホールド75よりも短い板状に形成されている。図3に示すように、第2マニホールド150は、−Z方向端部が上述した第1モジュール収容部44A内に差し込まれることで、+Z方向に起立した状態でベース部材38に保持されている。
図5に示すように、第2マニホールド150は、第2流路板152と、流路カバー153と、を有している。
第2流路板152は、第1流路板77と同様に、金属材料(例えば、アルミニウム等)等により形成されている。第2流路板152には、第2ヘッドチップ52Bに向けてインクが流通する第2インク流路155が形成されている。
図13は、第2流路板152を+Y方向から見た正面図である。
図13に示すように、第2インク流路155は、第2流路板152をY方向に貫通するとともに、X方向に帯状に延在している。第2インク流路155は、Y方向から見た正面視外形が共通インク室62と同等の形状に形成されている。したがって、吐出部50の連通孔73は、第2インク流路155におけるX方向の両端部において、第2インク流路155にY方向で対向している。なお、本実施形態において、第2インク流路155及び第2ヘッドチップ52Bの共通インク室62の合計容積は、上述した供給流路86及び第1ヘッドチップ52Aの共通インク室62の合計容積と同等に設定されていることが好ましい。
図13における符号157は、第2インク流路155に連通する洗浄流路である。洗浄流路157には、メンテナンス時等において、後述するノズル孔240から吸い上げられ、吐出部50や第2インク流路155等を通過した洗浄液が流入する。洗浄流路157に流入した洗浄液は、洗浄ポート158を通じて吸引される。
第2流路板152には、第2インク流路155に連通する第2気泡排出流路160が形成されている。第2気泡排出流路160は、排出部161と、貫通部162と、を有している。
排出部161は、第2流路板152において+Y方向に開口している。排出部161は、第2流路板152のうち、第2インク流路155に対して+Z方向に位置する部分をX方向に延在している。排出部161の上流端は、第2インク流路155の内面における+Z方向(重力方向の上方)に位置する+Z方向内側面のうち、X方向の中央部で開口している。すなわち、上述した一対の連通孔73と排出部161の上流端とのX方向での距離は、それぞれ同等に設定されている。なお、一対の連通孔73と排出部161の上流端とのX方向での距離は、適宜変更が可能である。また、連通孔73の数や位置は、適宜変更が可能である。
排出部161の下流端は、第2インク流路155に対して+X方向に位置する部分で貫通部162に連通している。なお、本実施形態では、第2インク流路155に対して+Z方向に第2気泡排出流路160が配置される構成について説明したが、この構成のみに限られない。
貫通部162は、第2流路板152をY方向に貫通している。貫通部162内には、サブフィルタ165が配置されている。
第2流路板152において、第2気泡排出流路160の+Z方向に位置する部分には、センサ収容部167が形成されている。センサ収容部167は、第2流路板152において+Y方向に開口するとともに、X方向に延在している。
図5に示すように、流路カバー153は、Y方向から見た正面視で第2流路板152と同等の外形を有し、かつY方向の厚さが第2流路板152よりも薄い矩形板状に形成されている。流路カバー153は、第2インク流路155、第2気泡排出流路160及びセンサ収容部167を+Y方向から閉塞している。なお、流路カバー153は、熱伝導性に優れた金属材料(例えば、ステンレス等)により形成されている。
第2付勢部材151は、第2流路板152におけるX方向の両端部に一対で設けられている。各第2付勢部材151は、第2流路板152に対して+Y方向に自由端が配置された板ばね状とされている。図3に示すように、第2付勢部材151は、第2流路部材51Bが第1モジュール収容部44Aに差し込まれた状態において、ベース本体部41におけるY方向で対向する長辺部45c,45dのうち、第1長辺部45cと第2マニホールド150との間に介在する。すなわち、第2付勢部材151は、ジェットモジュール30Aを−Y方向に向けて付勢する。
(第2絶縁シート)
図5に示すように、第2流路板152における−Y方向を向く面には、第2絶縁シート170が設けられている。第2絶縁シート170は、上述した第1絶縁シート135と同様に、外側台座部171及びブリッジ部172有している。
各外側台座部171のうち、+X方向に位置する外側台座部171において、Y方向から見て貫通部162と重なり合う位置には、貫通部162を露出させる露出口175が形成されている。露出口175は、外側台座部171をY方向に貫通している。
ブリッジ部172は、第2インク流路155に対して+Z方向に位置している。すなわち、第2流路板152において、第2インク流路155に対して−Z方向に位置する部分は、第2絶縁シート170が位置していないブランク領域178(図10参照)になっている。
ブリッジ部172において、X方向の両端部には、ブリッジ部172をY方向に貫通する位置決め孔173が形成されている。位置決め孔173は、第2流路部材51Bから−Y方向に突出する係合ピン(不図示)を収容している。なお、位置決め孔173は、外側台座部171に形成しても構わない。
図10に示すように、上述した第2ヘッドチップ52Bは、第2カバープレート72の表面を+Y方向に向けた状態で第2流路板152や第2絶縁シート170に固定されている。具体的に、第2カバープレート72の表面のうち、第2絶縁シート170に対向する部分は、接着剤S2を介して第2絶縁シート170に固定されている。一方、第2カバープレート72の表面のうち、ブランク領域178に対向する部分は、接着剤S2を介して第2流路板152に直接固定されている。第2ヘッドチップ52Bが第2流路部材51Bに固定された状態において、駆動壁61(図6に示す吐出領域Q1)はブランク領域178にY方向で対向する。この場合、接着剤S2は、共通インク室62及び第2インク流路155の周囲を取り囲み、第2ヘッドチップ52Bと第2流路部材51Bとの間をシールしている。なお、接着剤S1,S2には、同様の材料が用いられている。
本実施形態では、各ヘッドチップ52A,52Bと流路部材51A,51Bとの間に絶縁シート135,170を各別に介在させる構成について説明したが、少なくとも第1ヘッドチップ52Aと第1流路部材51Aとの間に第1絶縁シート135が介在していれば構わない。
第2ヘッドチップ52Bが第2流路部材51Bに固定された状態において、第2カバープレート72の共通インク室62は、第2インク流路155に連通する。第2ヘッドチップ52Bの第2気泡抜き孔65Bは、露出口175を通じて第2気泡排出流路160(貫通部162)に連通する。
このように、本実施形態のジェットモジュール30Aは、第1流路部材51A及び第2流路部材51BがY方向で対向するとともに、各流路部材51A,51B間に2つのヘッドチップ52A,52Bを有する吐出部50が挟持されている。
(FPCユニット)
図5に示すように、第1マニホールド75のフロントカバー78には、FPCユニット180が支持されている。FPCユニット180は、駆動基板181及び配線基板182を備えている。駆動基板181及び配線基板182は、それぞれフレキシブルプリント基板であって、ベースフィルムに配線パターンが形成されて構成されている。
駆動基板181は、実装部185、チップ接続部186、センサ接続部187及び引出部188を有している。なお、駆動基板181は、実装部185にリジッド基板等を用いても構わない。
実装部185は、フロントカバー78に支持されている。実装部185には、例えば複数のドライバ190A,190Bが実装されている。ドライバ190A,190Bは、第1ヘッドチップ52Aを駆動する第1ドライバ190A、及び第2ヘッドチップ52Bを駆動する第2ドライバ190Bである。各ドライバ190A,190Bは、X方向に直線状に並んでいる。なお、本実施形態では、1枚の駆動基板181に第1ドライバ190A及び第2ドライバ190Bがまとめて実装された構成について説明するが、この構成のみに限らず、各ドライバに対応して駆動基板を設けても構わない。
図10に示すように、チップ接続部186は、実装部185から−Z方向に延設されている。チップ接続部186の−Z方向端部は、第1アクチュエータプレート55の+Z方向端部に圧着等により固定されている。これにより、第1ドライバ190Aと、第1ヘッドチップ52Aの駆動電極59と、がチップ接続部186を介して電気的に接続される。
図5、図13に示すように、センサ接続部187は、実装部185から+X方向に延設されている。センサ接続部187の先端部には、温度センサ191(例えば、サーミスタ等)が実装されている。センサ接続部187は、上述したセンサ収容部167内に収容されている。すなわち、温度センサ191は、第2流路板152を介して吐出部50のインク温度を検出する。
引出部188は、実装部185から+Z方向に延設されている。引出部188は、インターフェイス192(図3参照)に接続されている。インターフェイス192は、例えばインクジェットヘッド5Aの外部から供給される電力をFPCユニット180に電力を供給したり、制御信号の送受信を行ったりするためのものである。
図5、図10に示すように、配線基板182は、実装部185と第2ヘッドチップ52Bとの間を接続している。具体的に、配線基板182のうち、+Z方向端部が実装部185に接続され、−Z方向端部が第2アクチュエータプレート71の+Z方向端部に圧着等により固定されている。これにより、第2ドライバ190Bと、第2ヘッドチップ52Bの駆動電極59と、が配線基板182を介して電気的に接続される。
図3、図5に示すように、第1流路部材51Aのうち、Y方向から見て上述したドライバ190A,190Bと重なり合う位置には、放熱板195が配置されている。放熱板195は、駆動基板181をX方向に跨るように形成されている。放熱板195は、伝熱シート196を間に挟んでドライバ190A,190Bを覆っている。放熱板195のX方向の両端部は、駆動基板181よりも外側において第1流路部材51Aに固定されている。なお、放熱板195及び伝熱シート196は、熱伝導性に優れた材料により形成されている。本実施形態において、放熱板195は例えばアルミニウム等により形成され、伝熱シート196は例えばシリコーン樹脂等により形成されている。
図3、図4に示すように、上述した第1ジェットモジュール30Aは、第1流路部材51Aが−Y方向を向き、第2流路部材51Bが+Y方向を向いた状態で、第1モジュール収容部44A内に差し込まれている。この際、第1ジェットモジュール30Aは、第2流路部材51Bと第1短辺部45aとの間に第1付勢部材48が介在し、第2流路部材51Bと第1長辺部45cとの間に第2付勢部材151が介在した状態でベース部材38に保持されている。そのため、第1ジェットモジュール30Aは、第1付勢部材48によって−X方向(第2短辺部45bに向かう方向)に付勢され、第2付勢部材151によって−Y方向(仕切部46に向かう方向)に付勢された状態でベース部材38に保持されている。この際、吐出部50の−Z方向端面は、ベース部材38(ベース本体部41)の−Z方向端面と面一に配置されるか、ベース部材38の−Z方向端面よりも−Z方向に配置されることが好ましい。
第2ジェットモジュール30Bは、第1流路部材51Aが+Y方向を向き、第2流路部材51Bが−Y方向を向いた状態で、第2モジュール収容部44B内に差し込まれている。すなわち、第2ジェットモジュール30Bの第1流路部材51Aは、第1ジェットモジュール30Aの第1流路部材51AにY方向で対向している。なお、各ジェットモジュール30A,30Bは、対応するモジュール収容部44A,44Bに接着剤により固定される。
(ステーユニット)
図2に示すように、ベース部材38には、ベース部材38への搭載部品を支持するステーユニット200が設けられている。ステーユニット200は、ベース部材38から+Z方向に起立するとともに、各ジェットモジュール30A,30Bの周囲をまとめて取り囲んでいる。
ステーユニット200のうち、X方向の両側に位置するX方向ステー(第1ステー201及び第2ステー202)と、ジェットモジュール30A,30Bと、の間にはモジュール保持機構210が介在している。なお、各モジュール保持機構210は何れも同様の構成からなるため、以下の説明では、第1ステー201と第1ジェットモジュール30Aとの間に介在するモジュール保持機構210を例にして説明する。
第1ステー201は、ジェットモジュール30A,30Bに対して+X方向に位置している。第1ステー201は、−Z方向端部がモジュール収容部44A,44B内に差し込まれた状態で、ベース部材38から+Z方向に起立している。なお、第1ステー201は、ベース部材38へのジェットモジュール30A,30Bの組付後にベース部材38に組み付けられる。
図14は、図2のXIV−XIV線に沿う部分断面図である。
図3、図14に示すように、モジュール保持機構210は、第1流路部材51Aに設けられた位置決めピン212と、第1ステー201に形成された第1収容部214と、位置決めピン212と第1ステー201との間を連結するサポート片216と、を有している。
位置決めピン212は、第1流路板77から+X方向に突出している。なお、位置決めピン212は、ベース部材38に対してZ方向に離間した位置に配置されることが好ましい。本実施形態において、位置決めピン212は、第1流路板77におけるZ方向の中央部よりも+Z方向に位置する部分に配置されている。
第1収容部214は、第1ステー201のうち、X方向から見た側面視で、位置決めピン212と重なり合う部分をX方向に貫通して形成されている。第1収容部214は、X方向から見た側面視で円形に形成されるとともに、内径が一様に形成されている。第1収容部214の内径は、位置決めピン212の外径よりも大きくなっている。上述した位置決めピン212は、第1収容部214を貫通して第1ステー201に対して+X方向に突出している。
サポート片216は、Z方向を長手方向とする板材である。サポート片216は、+X方向から第1収容部214を閉塞するように第1ステー201に固定されている。具体的に、サポート片216において、X方向から見た側面視で、第1収容部214と重なり合う位置には、サポート片216をX方向に貫通する第2収容部220が形成されている。第2収容部220は、X方向から見た側面視で円形に形成されるとともに、内径が一様に形成されている。第2収容部220の内径は、第1収容部214の内径よりも小さく、位置決めピン212の外径よりも大きくなっている。上述した位置決めピン212は、第2収容部220内に挿入されている。そして、位置決めピン212の外周面が第2収容部220の内周面に接触することで、第1ステー201に対する第1ジェットモジュール30AのX方向に直交する方向での移動が規制される。
なお、位置決めピン212は、第2収容部220に嵌合されていても構わない。第1収容部214及び第2収容部220は、側面視内形は円形に限らず、矩形状や三角形状であっても構わない。また、第1収容部214及び第2収容部220は、互いに異形状であっても構わない。このような場合においても、第2収容部220の開口面積は、第1収容部214の開口面積よりも小さく設定されている。
第2収容部220は、位置決めピン212が挿入可能であれば、サポート片216を貫通していなくても構わない。
第1収容部214や第2収容部220は、内径が徐々に変化する構成であっても構わない。
サポート片216は、第2収容部220に対してZ方向の両側において、ビス222によって第1ステー201に固定されている。具体的に、サポート片216のうち、第2収容部220に対してZ方向の両側には、逃げ孔223が形成されている。逃げ孔223の内径は、ビス222の軸部の外径よりも大きくなっている。ビス222は、逃げ孔223を通して第1ステー201に締結されている。ビス222の頭部と第1ステー201との間に、サポート片216がX方向で挟持されることで、サポート片216が第1ステー201に固定されている。なお、ビス222の先端部は、第1流路板77に対してX方向で近接している。
このように、本実施形態の第1ジェットモジュール30Aは、−Z方向端部が第1モジュール収容部44A内に差し込まれることでベース部材38に保持され、+Z方向端部がモジュール保持機構210によって保持されている。
(ダンパ)
図2に示すように、ダンパ31は、ジェットモジュール30A,30Bに対して+Z方向に、各ジェットモジュール30A,30Bに対応して(インクの色に対応して)設けられている。各ダンパ31は、Y方向に並んで設けられている。なお、各ダンパ31は、供給されるインクの色以外は何れも同等の構成である。そのため、以下の説明では、一方のダンパ31(第1ジェットモジュール30Aのダンパ31)について説明し、他方のダンパ31の説明を省略する。
ダンパ31は、第1ジェットモジュール30Aに対して+Z方向において、上述したステーユニット200に固定されている。ダンパ31は、入口ポート230と、圧力緩衝部231と、出口ポート232と、を有している。なお、ダンパ31は、インクジェットヘッド5Aとは別に設けても構わない。
入口ポート230は、圧力緩衝部231から+Z方向に突設された筒状に形成されている。入口ポート230には、上述したインク配管16(図1参照)が接続される。入口ポート230は、インクタンク15内のインクがインク配管16内を通して流入する。
圧力緩衝部231は、箱型に形成されている。圧力緩衝部231は、その内部に可動膜等が収納されて構成されている。圧力緩衝部231は、インクタンク15(図1)と第1ジェットモジュール30Aとの間に配置されて、入口ポート230を通してダンパ31に供給されるインクの圧力変動を吸収する。
出口ポート232は、圧力緩衝部231における入口ポート230と対角となる位置から−Z方向に突設されている。出口ポート232内には、圧力緩衝部231内から排出されたインクが流入する。出口ポート232には、第1ジェットモジュール30Aの流入ポート76が接続されている。
Y方向で対向するダンパ31同士の間に位置する部分には、上述したインターフェイス192が配置されている。インターフェイス192は、ステーユニット200に支持されている。
(ノズルプレート)
上述したノズルプレート32は、ポリイミド等の樹脂材料により形成されている。ノズルプレート32は、ベース本体部41の−Z方向端面や吐出部50の−Z方向端面(モジュール収容部44A,44Bから露出した部分)に接着剤等を介して固定されている。ノズルプレート32は、各ジェットモジュール30A,30Bの吐出部50を−Z方向からまとめて覆っている。
図6、図7に示すように、ノズルプレート32には、ノズルプレート32をZ方向に貫通するノズル孔240が形成されている。ノズル孔240は、各ヘッドチップ52A,52Bの吐出チャネル57にZ方向で対向する位置に各別に形成されている。
ノズルプレート32において、上述した気泡抜き孔65A,65BとZ方向で対向する位置には、ノズルプレート32をZ方向に貫通する排出孔241A,241Bが形成されている。すなわち、本実施形態において、ノズル孔240及び排出孔241A,241Bは、ノズルプレート32の吐出面(−Z方向を向く面)上でそれぞれ開口している。本実施形態の排出孔241A,241Bは、第1気泡抜き孔65Aに連通する第1排出孔241A、及び第2気泡抜き孔65Bに連通する第2排出孔241Bである。第2排出孔241Bの内径(開口面積)は、第1排出孔241Aの内径よりも小さくなっている。但し、各排出孔241A,241Bの内径は、適宜変更が可能である。また、各排出孔241A,241Bは、丸孔である場合に限られない。
なお、ノズル孔240及び排出孔241A,241B内のインクは、ノズル孔240及び排出孔241A,241Bそれぞれの内面で作用する表面張力等により適正(凹面状)なメニスカスが形成される。すなわち、本実施形態のプリンタ1では、インクタンク15の液面とメニスカスの液面との水頭差により、吐出チャネル57内の圧力を所望の負圧に保持している。これにより、上述したメニスカスが保持され、インクが不意に漏れ出ないようになっている。
なお、ノズルプレート32は、樹脂材料に限らず、金属材料(ステンレス等)で形成してもよく、樹脂材料と金属材料の積層構造としても構わない。本実施形態では、1枚のノズルプレート32が各ジェットモジュール30A,30Bをまとめて覆う構成について説明したが、この構成のみに限らず、複数枚のノズルプレート32で各ジェットモジュール30A,30Bを個別に覆う構成でも構わない。
(ノズルガード)
図2に示すように、ノズルガード33は、例えばステンレス等の板材にプレス加工が施されて形成されている。ノズルガード33は、ノズルプレート32を間に挟んだ状態で、ベース本体部41を−Z方向から覆っている。
ノズルガード33のうち、各ジェットモジュール30A,30Bの吐出部50とZ方向で対向する位置には、ノズルプレート32を外部に露出させる露出孔245が形成されている。露出孔245は、ノズルガード33をZ方向に貫通するとともに、X方向に延在するスリット状に形成されている。露出孔245は、各ジェットモジュール30A,30Bに対応してY方向で間隔をあけて2列形成されている。上述したノズル孔240及び排出孔241A,241Bは、露出孔245を通じてインクジェットヘッド5Aの外部に連通している。なお、ノズルガード33には、インクの充填時や印刷動作の停止時等に、ノズルガード33に−Z方向から密着して、上述したノズル孔240及び排出孔241A,241Bを封止するキャップが装着される構成であっても構わない。
[プリンタの動作方法]
次に、上述したプリンタ1を利用して、被記録媒体Pに情報を記録する方法について説明する。
図1に示すように、プリンタ1を作動させると、搬送機構2,3のグリットローラ11,13が回転することで、これらグリットローラ11,13及びピンチローラ12,14間を被記録媒体Pが+X方向に搬送される。また、これと同時に駆動モータ28がプーリ26を回転させて無端ベルト27を走行させる。これにより、キャリッジ23がガイドレール21,22にガイドされながらY方向に往復移動する。
この間に、各インクジェットヘッド5A,5Bにおいて、ヘッドチップ52A,52Bの駆動電極59(図7参照)に駆動電圧を印加する。これにより、駆動壁61に厚みすべり変形を生じさせ、吐出チャネル57内に充填されたインクに圧力波を発生させる。この圧力波により、吐出チャネル57の内圧が高まり、インクがノズル孔240を通して吐出される。そして、インクが被記録媒体P上に着弾することで、各種情報が被記録媒体P上に記録される。
ここで、インクジェットヘッド5Aの第1ジェットモジュール30A内でのインクの流れについて説明する。
本実施形態において、インクタンク15からインクジェットヘッド5Aに供給されるインクは、図3に示すように、ダンパ31を通過した後、流入ポート76を通してジェットモジュール30Aの第1マニホールド75内に流入する。
図10の実線矢印で示すように、第1マニホールド75内に流入したインクは、上流流路83を通過した後、濾過流路84のフィルタ入口流路95内に+Z方向から流入する。図11の実線矢印で示すように、フィルタ入口流路95内に流入したインクは、フィルタ入口流路95からフィルタ出口流路96に向かう過程で、メインフィルタ99を通過する。これにより、インク内に含まれる異物や気泡がメインフィルタ99で捕捉される。フィルタ出口流路96内に到達したインクは、貯留壁部100によって−Y方向(下流流路85)への流れが塞き止められる。これにより、フィルタ出口流路96がインクで満たされる。
フィルタ出口流路96に満たされたインクは、連通流路102に達すると、連通流路102を通じて下流流路85内に流入する。インクは、下流流路85内を−Z方向に流通した後、供給流路86を+Y方向に向けて流れる。供給流路86内を流れるインクは、連通口132を通じて第1ヘッドチップ52Aの共通インク室62内に流入する。第1ヘッドチップ52Aの共通インク室62内に流入したインクのうち、一部のインクは第1ヘッドチップ52において、スリット63を通過して吐出チャネル57に流入した後、ノズル孔240を通じて吐出される。
一方、第1ヘッドチップ52Aの共通インク室62内に流入したインクのうち、一部のインクは、共通インク室62におけるX方向の両端部において連通孔73内に流入する。その後、インクは、連通孔73を通じて第2ヘッドチップ52Bの共通インク室62内に流入する。第2ヘッドチップ52Bの共通インク室62内に流入したインクは、第2インク流路155内も満たしながら、X方向の内側に向けて流通する。その後、第2ヘッドチップ52B内に流入したインクは、スリット63を通過して吐出チャネル57に流入した後、ノズル孔240を通じて吐出される。
ところで、図9の破線矢印で示すように、第1インク流路81内において、フィルタ入口流路95内(メインフィルタ99に対して上流側)に滞留する気泡は、第1気泡排出流路120を通じて第1ジェットモジュール30Aの外部に排出される。具体的に、メインフィルタ99で捕捉された気泡や、フィルタ入口流路95内に滞留する気泡は、インクがフィルタ入口流路95内をX方向の両側に流通する過程でX方向の両側に押し出される。その後、気泡は、誘導部121に進入した後、誘導部121内をX方向の外側、かつ+Z方向に移動する。そして、気泡は、第1貫通部122を通じて−Y方向に移動する。その後、気泡は排出部123を通じて−Z方向に移動した後、サブフィルタ126(図12参照)を通じて第2貫通部124に進入する。第2貫通部124に進入した気泡は、図6に示すように第1ヘッドチップ52Aの第1気泡抜き孔65Aに進入した後、ノズルプレート32の第1排出孔241Aを通して外部に排出される。
一方、第2ヘッドチップ52Bの共通インク室62内や、第2流路部材51B(第2インク流路155)に気泡が滞留している場合、気泡は第2気泡排出流路160を通じて第1ジェットモジュール30Aの外部に排出される。具体的に、第2インク流路155等に滞留する気泡は、排出部161を通じて貫通部162に到達する。貫通部162に到達した気泡は、サブフィルタ165を通過した後、図6に示す第2ヘッドチップ52Bの第2気泡抜き孔65Bに進入する。その後、気泡は、ノズルプレート32の第2排出孔241Bを通して外部に排出される。
このように、本実施形態では、第1ヘッドチップ52Aと第1流路部材51Aとの間、及び第2ヘッドチップ52Bと第2流路部材51Bとの間に、それぞれ絶縁性を有する接着剤S1,S2が介在する構成とした。
この構成によれば、例えば流路部材51A,51Bが導電性を有する材料により形成されている場合であっても、ヘッドチップ52A,52Bと流路部材51A,51Bとを電気的に分離できる。そのため、ヘッドチップ52A,52Bの駆動時にヘッドチップ52A,52Bと流路部材51A,51Bとの間に発生する浮遊容量を低減できる。これにより、駆動基板181への電磁ノイズを抑えることができ、インクジェットヘッド5A,5Bの動作信頼性を確保できる。
特に、本実施形態では、ヘッドチップ52A,52B及び流路部材51A,51Bが吐出領域Q1の外側(非吐出領域Q2)において、それぞれ絶縁シート135,170を介在させた状態で接着剤S1,S2により接合される構成とした。
この構成によれば、吐出領域Q1では、ヘッドチップ52A,52B及び流路部材51A,51B間に絶縁シート135,170が介在しないことになる。そのため、吐出領域Q1において、ヘッドチップ52A,52B及び流路部材51A,51B間に絶縁シートを介在させる場合と異なり、吐出時における駆動壁61の変形が絶縁シートによって阻害されるのを抑制できる。その結果、吐出性能を向上させることができる。
しかも、本実施形態では、ヘッドチップ52A,52B及び流路部材51A,51Bの接合時において、ヘッドチップ52A,52Bと流路部材51A,51Bとの間に作用する接合荷重は、主に絶縁シート135,170を介してヘッドチップ52A,52Bと流路部材51A,51Bとの間に作用する。すなわち、ヘッドチップ52A,52Bのうち、吐出領域Q1に位置する部分に作用する接合荷重を軽減できる。これにより、接合荷重によって駆動壁61が歪むのを抑制し、吐出時における駆動壁61の変形の挙動に影響が及ぶのを抑制できる。その結果、吐出性能を向上させることができる。
本実施形態では、ヘッドチップ52A,52Bと流路部材51A,51Bとの間に、スペーサ部としてそれぞれ絶縁シート135,170を介在させる構成とした。
この構成によれば、絶縁シート135,170をヘッドチップ52A,52Bや流路部材51A,51Bとは別体で設けることで、絶縁シート135,170がヘッドチップ52A,52Bや流路部材51A,51Bの一部を構成する場合と異なり、絶縁シート135,170の材料選択や設計等の自由度を向上させることができる。
本実施形態では、絶縁シート135,170において、一対の外側台座部136同士がブリッジ部137によって接続されている構成とした。
この構成によれば、ヘッドチップ52A,52B及び流路部材51A,51Bの接合前において、流路部材51A,51Bに絶縁シート135,170を組み付ける際、各外側台座部136を一括して組み付けることができる。そのため、各外側台座部136を別々に組み付ける場合に比べて組付性を向上させることができる。
また、各外側台座部136の相対位置がブリッジ部137により決定されるので、各外側台座部136の間の位置精度を向上させることができる。
本実施形態では、第1流路部材51Aに駆動基板181が支持される構成とした。
この構成によれば、上述したように第1ヘッドチップ52Aと第1流路部材51Aとの間に発生する浮遊容量を低減できるので、第1流路部材51Aによって駆動基板181を支持できる。そのため、駆動基板181を支持する部材を、第1流路部材51Aとは別で設ける場合に比べて小型化を図ることができる。また、例えば駆動基板181で発生した熱の放熱部材として第1流路部材51Aを利用したり、駆動基板181で発生した熱によってインク流路81を流れるインクを加熱したりすることも可能になる。この場合には、放熱性能を確保した上で、インクを所望の温度でヘッドチップ52A,52Bに供給でき、優れた吐出性能を得ることができる。
本実施形態では、ヘッドチップ52A,52B及び流路部材51A,51B間において、吐出領域Q1に対向するブランク領域141,178に、接着剤S1,S2を介在させる構成とした。
この構成によれば、吐出領域Q1において、ヘッドチップ52A,52B(吐出チャネル57)と流路部材51A,51B(インク流路81,155)間を接着剤S1,S2でシールできるとともに、ヘッドチップ52A,52B及び流路部材51A,51B間を電気的に分離することができる。これにより、浮遊容量の発生を確実に抑制できる。
本実施形態では、接着剤S1,S2が絶縁シート135,170よりも軟質な材料により形成された構成とした。
この構成によれば、ヘッドチップ52A,52B(吐出チャネル57)と流路部材51A,51B(インク流路81,155)間を接着剤S1,S2でシールできるとともに、吐出領域Q1において、ヘッドチップ52A,52Bと流路部材51A,51Bとの間に絶縁シートが介在する場合に比べて、駆動壁61が柔軟に変形し易くなる。そのため、シール性の向上及び吐出性能の向上の両立を図ることができる。
また、接着剤S1,S2の硬化収縮に伴うヘッドチップ52A,52Bの反りや変形を抑制できるので、接合に伴う駆動壁61の歪が生じるのを抑制し、吐出性能を向上させることができる。
しかも、例えばヘッドチップ52A,52Bと流路部材51A,51Bとの熱膨張係数の違いに起因してヘッドチップ52A,52Bと流路部材51A,51Bとに作用する応力を緩和できる。
本実施形態のプリンタ1では、上述したインクジェット5A,5Bを備えているので、動作信頼性及び吐出性能に優れたプリンタ1を提供できる。
(第1変形例)
次に、第1変形例について説明する。以下の各変形例に関する説明では、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。上述した実施形態では、スペーサ部としてヘッドチップ52A,52Bと流路部材51A,51Bとは別体の絶縁シート135,170を用いる構成について説明したが、この構成のみに限られない。
図14に示すように、例えば第1流路部材51Aに一体に形成された流路凸部300をスペーサ部として用いても構わない。具体的に、流路凸部300は、第1ヘッドチップ52Aの吐出領域Q1に対してX方向の両側に位置する部分(非吐出領域Q2)から、第1ヘッドチップ52Aに向けて突出している。流路凸部300は、上述した実施形態と同様の接着剤S1によって第1ヘッドチップ52Aに接合されている。
第1流路部材51Aにおいて、上述した連通口132(図10参照)の周囲に位置する部分には、流路凸部300に対して窪んだ流路凹部301が形成されている。流路凹部301は、第1ヘッドチップ52Aの少なくとも吐出領域Q1にY方向で対向している。したがって、第1ヘッドチップ52A及び第1流路部材51A間において、Y方向で吐出領域Q1に対向する部分は、流路凸部300が位置していないブランク領域302になっている。第1変形例において、ブランク領域302には、上述した実施形態と同様の接着剤S1が介在している。したがって、第1変形例では、第1ヘッドチップ52A及び第1流路部材51A間が接着剤S1により電気的に分離されている。
なお、流路凸部300は、第1流路部材51Aのうち、流路凸部300のみを他の部分に対して突出させてもよく、流路凹部301を他の部分に対して窪ませてもよい。
第1変形例では、第2流路部材51Bにも、第1流路部材51Aと同様に流路凸部300及び流路凹部301が形成されている。すなわち、第2流路部材51Bの流路凸部300が接着剤S2によって第2ヘッドチップ52Bに接合されている。
第1変形例によれば、上述した実施形態と同様の作用効果を奏することに加え、スペーサ部が流路部材51A,51Bの一部を構成するので、流路部材51A,51Bとは別にスペーサ部を設ける場合に比べて部品点数の削減等を図ることができる。
(第2変形例)
次に、第2変形例について説明する。
図15に示すように、例えば第1ヘッドチップ52Aに一体に形成されたヘッド凸部400をスペーサ部として用いても構わない。具体的に、ヘッド凸部400は、第1ヘッドチップ52A(第1カバープレート56)における吐出領域Q1に対してX方向の両側に位置する部分(非吐出領域Q2)から、第1流路部材51Aに向けて突出している。ヘッド凸部400は、上述した実施形態と同様の接着剤S1によって第1流路部材51Aに接合されている。
第1ヘッドチップ52Aにおいて、少なくとも吐出領域Q1に位置する部分には、ヘッド凸部400に対して窪んだヘッド凹部401が形成されている。したがって、第1ヘッドチップ52A及び第1流路部材51A間において、Y方向で吐出領域Q1に対向する部分は、ヘッド凸部400が位置していないブランク領域402になっている。第2変形例において、ブランク領域402には、上述した実施形態と同様の接着剤S1が介在している。したがって、第2変形例では、第1ヘッドチップ52A及び第1流路部材51A間が接着剤S1により電気的に分離されている。
なお、ヘッド凸部400は、第1ヘッドチップ52Aのうち、ヘッド凸部400のみを他の部分に対して突出させてもよく、ヘッド凹部401を他の部分に対して窪ませてもよい。
第2変形例では、第2ヘッドチップ52Bにも、第1ヘッドチップ52Aと同様にヘッド凸部400及びヘッド凹部401が形成されている。すなわち、第2ヘッドチップ52Bのヘッド凸部400が接着剤S2によって第2流路部材51Bに接合されている。
第2変形例によれば、上述した実施形態と同様の作用効果を奏することに加え、スペーサ部がヘッドチップ52A,52Bの一部を構成するので、ヘッドチップ52A,52Bとは別にスペーサ部を設ける場合に比べて部品点数の削減等を図ることができる。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、液体噴射装置の一例として、インクジェットプリンタ1を例に挙げて説明したが、プリンタに限られるものではない。例えば、ファックスやオンデマンド印刷機等であっても構わない。
上述した実施形態では、ベース部材38上にジェットモジュール30A,30Bが2つ搭載された構成について説明したが、この構成のみに限られない。ベース部材38に搭載するジェットモジュールの数は、1つでも3つ以上の複数でも構わない。
上述した実施形態では、エッジシュートのヘッドチップについて説明したが、これに限られない。例えば、吐出チャネルにおける延在方向の中央部からインクを吐出する、いわゆるサイドシュートタイプのヘッドチップに本発明を適用しても構わない。
また、インクに加わる圧力の方向と、インクの吐出方向と、を同一方向とした、いわゆるルーフシュートタイプのヘッドチップに本発明を適用しても構わない。
上述した実施形態では、各ヘッドチップ52A,52B自体に連通孔73が形成されている構成について説明したが、この構成のみに限られない。各ヘッドチップ52A,52Bとは別に各ヘッドチップ52A,52B間を連通させる連通流路を設けても構わない。
上述した実施形態では、Z方向が重力方向に一致する構成について説明したが、この構成のみに限らず、Z方向を水平方向に一致させても構わない。
上述した実施形態では、各ジェットモジュールに複数のヘッドチップが搭載される構成について説明したが、この構成のみに限られない。
上述した実施形態や変形例では、絶縁シート135,170がそれぞれ流路部材51A,51Bに設けられる構成について説明したが、この構成のみに限らず、ヘッドチップ52A,52Bに設けられていても構わない。
上述した実施形態や変形例では、ブランク領域141,178,302,402に接着剤S1,S2が配置される構成について説明したが、この構成のみに限られない。例えば、各ヘッドチップ52A,52Bと各流路部材51A,51Bとの間でインクが流通できる構成であればよく、絶縁性を有するパッキン等を配置しても構わない。
上述した実施形態では、スペーサ部として絶縁シート135,170を用いた場合について説明したが、接着剤S1,S2により絶縁を図れる構成であれば、スペーサ部は導電性を有していても構わない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせても構わない。
1…インクジェットプリンタ(液体噴射装置)
5A,5B…インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)
51A…第1流路部材(流路部材)
51B…第2流路部材(流路部材)
52A…第1ヘッドチップ
52B…第2ヘッドチップ
57…吐出チャネル(噴射チャネル)
59…駆動電極
61…駆動壁
81…第1インク流路(第1液体流路)
135…第1絶縁シート(スペーサ部)
136…外側台座部
137…ブリッジ部
155…第2インク流路(第2液体流路)
170…第2絶縁シート(スペーサ部)
181…駆動基板
300…流路凸部
400…ヘッド凸部
S1,S2…接着剤(絶縁部材)

Claims (10)

  1. 液体が充填される複数の噴射チャネルが第1方向に間隔をあけて形成された噴射領域を有するとともに、前記噴射チャネルを画成する駆動壁に駆動電極が形成されたヘッドチップと、
    前記第1方向に交差する第2方向で前記ヘッドチップに積層され、前記噴射チャネルに連通する液体流路が形成された流路部材と、を備え、
    前記第1方向において、前記噴射領域の外側に位置する部分には、前記ヘッドチップと前記流路部材とを絶縁部材を介して接合するスペーサ部が配設され、
    前記第1方向において、前記噴射領域に位置する部分では、前記ヘッドチップと前記流路部材とが前記第2方向で離間した状態で配置されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記スペーサ部は、前記ヘッドチップと前記流路部材との間に介在する絶縁シートであることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記絶縁シートは、前記第1方向で前記噴射領域の両側に位置する一対の外側台座部と、
    一対の前記外側台座部同士を前記第1方向で接続するブリッジ部と、を有していることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記スペーサ部は、前記流路部材に一体で形成された流路凸部であり、
    前記流路凸部は、前記流路部材における前記第1方向で前記噴射領域の両側に位置する部分から前記第2方向で前記ヘッドチップに向けて突出していることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記スペーサ部は、前記ヘッドチップに一体で形成されたヘッド凸部であり、
    前記ヘッド凸部は、前記ヘッドチップにおける前記第1方向で前記噴射領域の両側に位置する部分から前記第2方向で前記流路部材に向けて突出していることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 前記流路部材は、導電性を有する材料により形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  7. 前記流路部材には、前記ヘッドチップを駆動する駆動基板が支持されていることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  8. 前記第1方向において、前記噴射領域に位置する部分には、前記ヘッドチップと前記流路部材とを接着する絶縁性を有する接着剤が介在していることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  9. 前記接着剤は、前記スペーサ部よりも軟質な材料により形成されていることを特徴とする請求項8に記載の液体噴射ヘッド。
  10. 請求項1から請求項9の何れか1項に記載の液体噴射ヘッドを備えていることを特徴とする液体噴射装置。
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