JP2019014124A - 集積回路装置の動作方法、集積回路装置、駆動回路ユニット及び液体吐出装置 - Google Patents
集積回路装置の動作方法、集積回路装置、駆動回路ユニット及び液体吐出装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】複数の駆動回路ブロックの動作による温度分布の偏りを低減させることが可能な集積回路装置の動作方法を提供する。
【解決手段】第1駆動回路ブロック311が、第1容量性負荷を駆動するための第1駆動信号の波形を制御する第1制御信号を生成し、第2駆動回路ブロック312が、第1容量性負荷を駆動するための第1駆動信号よりも最大振幅が小さい第2駆動信号の波形を制御する第2制御信号を生成し、第3駆動回路ブロック313が、第2容量性負荷を駆動するための第3駆動信号の波形を制御する第3制御信号を生成し、第4駆動回路ブロック314が、第2容量性負荷を駆動するための第3駆動信号よりも最大振幅が小さい第4駆動信号の波形を制御する第4制御信号を生成する。
【選択図】図14
【解決手段】第1駆動回路ブロック311が、第1容量性負荷を駆動するための第1駆動信号の波形を制御する第1制御信号を生成し、第2駆動回路ブロック312が、第1容量性負荷を駆動するための第1駆動信号よりも最大振幅が小さい第2駆動信号の波形を制御する第2制御信号を生成し、第3駆動回路ブロック313が、第2容量性負荷を駆動するための第3駆動信号の波形を制御する第3制御信号を生成し、第4駆動回路ブロック314が、第2容量性負荷を駆動するための第3駆動信号よりも最大振幅が小さい第4駆動信号の波形を制御する第4制御信号を生成する。
【選択図】図14
Description
本発明は、集積回路装置の動作方法、集積回路装置、駆動回路ユニット及び液体吐出装置に関する。
インクを吐出して画像や文書を印刷するインクジェットプリンターなどの液体吐出装置には、圧電素子(例えばピエゾ素子)を用いたものが知られている。圧電素子は、印刷ヘッドにおいて複数のノズルのそれぞれに対応して設けられ、それぞれが駆動信号にしたがって駆動されることにより、ノズルから所定のタイミングで所定量のインク(液体)が吐出されて、ドットが形成される。圧電素子は、電気的にみればコンデンサーのような容量性負荷であるので、各ノズルの圧電素子を動作させるためには十分な電流を供給する必要がある。
このため、上述の液体吐出装置においては、増幅回路で増幅した駆動信号を印刷ヘッド(インクジェットヘッド)に供給して、圧電素子を駆動する構成となっている。例えば、特許文献1では、D級アンプを用いた駆動回路を2つ備えた液体吐出装置が提案されている。また、特許文献2では、駆動信号の電圧に応じて、電源電圧が互いに異なる複数のトランジスターからスイッチング動作を行うトランジスターを選択することで駆動信号を生成する駆動回路(分割電源方式の駆動回路)を2つ備えた液体吐出装置が提案されている。特許文献1,2に記載の液体吐出装置では、いずれも、2つの駆動回路が互いに振幅の異なる2つの駆動信号(駆動信号対)を生成し、当該2つの駆動信号を組み合わせて圧電素子に印加される駆動波形が生成される。すなわち、1つの駆動信号対を生成するために2つの駆動回路が用いられている。
ところで、近年、印刷ヘッドにおけるノズルの高密度化に伴いノズル数が増える傾向がある。しかし、各駆動回路が駆動できる圧電素子の数には限度があるため、駆動回路の数を増やす必要が生じ得る。また、多色印刷に対応する場合、ノズル列(千鳥配置された2列)毎に吐出されるインクの色が異なり、色毎にインクの粘度が異なるため、ノズル列毎に駆動信号対の波形をわずかに変える必要がある。そのため、駆動回路の数を増やす必要が生じ得る。このように駆動回路の数が増えると、すべての駆動回路を含む駆動回路ユニットの配置面積の増加を抑えるために、駆動回路毎の配置面積を小さくする必要がある。そのため、駆動回路において集積化が可能な駆動回路ブロックを4つ以上まとめて1つの集積回路(IC)に搭載することで集積回路の数を減らすことが望まれる。
ところが、集積回路に搭載される各駆動回路ブロックは、駆動波形が異なると消費される電力も異なる。その結果、集積回路の内部で温度分布の偏りが大きくなり、一部の駆動回路ブロックの動作が不安定になる可能性があるという新たな問題が生じ得る。これは各駆動回路ブロックが同じ回路構成であっても同様である。
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明のいくつかの態様によれば、複数の駆動回路ブロックの動作による温度分布の偏りを低減させることが可能な集積回路装置の動作方法、集積回路装置、駆動回路ユニット及び液体吐出装置を提供することができる。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例を実現することが可能となる。
[適用例1]
本適用例に係る集積回路装置の動作方法は、第1駆動回路ブロックと、第2駆動回路ブロックと、第3駆動回路ブロックと、第4駆動回路ブロックと、を備え、前記第1駆動回路ブロックは、前記第2駆動回路ブロック及び前記第4駆動回路ブロックと隣り合って配置され、前記第2駆動回路ブロックは、前記第1駆動回路ブロック及び前記第3駆動回路ブロックと隣り合って配置され、前記第3駆動回路ブロックは、前記第2駆動回路ブロック及び前記第4駆動回路ブロックと隣り合って配置されている、集積回路装置の動作方法であって、前記第1駆動回路ブロックが、第1容量性負荷を駆動するための第1駆動信号の波形を制御する第1制御信号を生成し、前記第2駆動回路ブロックが、前記第1容量性負荷を駆動するための前記第1駆動信号よりも最大振幅が小さい第2駆動信号の波形を制御する第2制御信号を生成し、前記第3駆動回路ブロックが、第2容量性負荷を駆動するための第3駆動信号の波形を制御する第3制御信号を生成し、前記第4駆動回路ブロックが、前記第2容量性負荷を駆動するための前記第3駆動信号よりも最大振幅が小さい第4駆動信号の波形を制御する第4制御信号を生成する。
本適用例に係る集積回路装置の動作方法は、第1駆動回路ブロックと、第2駆動回路ブロックと、第3駆動回路ブロックと、第4駆動回路ブロックと、を備え、前記第1駆動回路ブロックは、前記第2駆動回路ブロック及び前記第4駆動回路ブロックと隣り合って配置され、前記第2駆動回路ブロックは、前記第1駆動回路ブロック及び前記第3駆動回路ブロックと隣り合って配置され、前記第3駆動回路ブロックは、前記第2駆動回路ブロック及び前記第4駆動回路ブロックと隣り合って配置されている、集積回路装置の動作方法であって、前記第1駆動回路ブロックが、第1容量性負荷を駆動するための第1駆動信号の波形を制御する第1制御信号を生成し、前記第2駆動回路ブロックが、前記第1容量性負荷を駆動するための前記第1駆動信号よりも最大振幅が小さい第2駆動信号の波形を制御する第2制御信号を生成し、前記第3駆動回路ブロックが、第2容量性負荷を駆動するための第3駆動信号の波形を制御する第3制御信号を生成し、前記第4駆動回路ブロックが、前記第2容量性負荷を駆動するための前記第3駆動信号よりも最大振幅が小さい第4駆動信号の波形を制御する第4制御信号を生成する。
本適用例に係る集積回路装置の動作方法において、前記第1駆動信号の波形と前記第3駆動信号の波形とは同じであってもよい。また、前記第2駆動信号の波形と前記第4駆動信号の波形とは同じであってもよい。
本適用例に係る集積回路装置の動作方法によれば、第1駆動信号の波形を制御する第1制御信号を生成する第1駆動回路ブロックの発熱量は、第1駆動信号よりも最大振幅の小さい第2駆動信号の波形を制御する第2制御信号を生成する第2駆動回路ブロックの発熱量よりも大きくなりやすい。また、第3駆動信号の波形を制御する第3制御信号を生成する第3駆動回路ブロックの発熱量は、第3駆動信号よりも最大振幅の小さい第4駆動信号の波形を制御する第4制御信号を生成する第4駆動回路ブロックの発熱量よりも大きくなりやすい。これに対して、4つの駆動回路ブロックが2行2列のマトリックス状に配置されており、第1駆動回路ブロックと第3駆動回路ブロックとが対角位置にあり、第2駆動回路ブロックと第4駆動回路ブロックとが対角位置にある。すなわち、相対的に発熱量が大きくなりやすい第1駆動回路ブロックと第3駆動回路ブロックとが隣り合わず、相対的に発熱量が小さくなりやすい第2駆動回路ブロックと第4駆動回路ブロックとが隣り合わないので、発生した熱が分散され、温度分布の偏りを低減させることができる。従って、本適用例に係る集積回路装置の動作方法によれば、第1駆動回路ブロック、第2駆動回路ブロック、第3駆動回路ブロック及び第4駆動回路ブロックの動作を安定させることができる。
[適用例2]
上記適用例に係る集積回路装置の動作方法において、前記第1駆動信号の最大振幅は、前記第4駆動信号の最大振幅よりも大きく、前記第3駆動信号の最大振幅は、前記第2駆動信号の最大振幅よりも大きくてもよい。
上記適用例に係る集積回路装置の動作方法において、前記第1駆動信号の最大振幅は、前記第4駆動信号の最大振幅よりも大きく、前記第3駆動信号の最大振幅は、前記第2駆動信号の最大振幅よりも大きくてもよい。
本適用例に係る集積回路装置の動作方法によれば、第2駆動回路ブロック及び第4駆動回路ブロックよりも発熱量が大きくなりやすい第1駆動回路ブロックと第3駆動回路ブロックとが隣り合わないので、発生した熱が分散され、温度分布の偏りを低減させることができる。従って、本適用例に係る集積回路装置の動作方法によれば、第1駆動回路ブロック、第2駆動回路ブロック、第3駆動回路ブロック及び第4駆動回路ブロックの動作を安定させることができる。
[適用例3]
上記適用例に係る集積回路装置の動作方法において、前記第1駆動回路ブロックにおいて消費される電力は、前記第2駆動回路ブロックにおいて消費される電力よりも大きく、前記第3駆動回路ブロックにおいて消費される電力は、前記第4駆動回路ブロックにおいて消費される電力よりも大きくてもよい。
上記適用例に係る集積回路装置の動作方法において、前記第1駆動回路ブロックにおいて消費される電力は、前記第2駆動回路ブロックにおいて消費される電力よりも大きく、前記第3駆動回路ブロックにおいて消費される電力は、前記第4駆動回路ブロックにおいて消費される電力よりも大きくてもよい。
本適用例に係る集積回路装置の動作方法において、さらに、前記第1駆動回路ブロックにおいて消費される電力は、前記第4駆動回路ブロックにおいて消費される電力よりも大きく、前記第3駆動回路ブロックにおいて消費される電力は、前記第2駆動回路において消費される電力よりも大きくてもよい。
本適用例に係る集積回路装置の動作方法によれば、第1駆動回路ブロックにおいて消費される電力は、第2駆動回路ブロックにおいて消費される電力よりも大きいので、第1駆動回路ブロックの発熱量は第2駆動回路ブロックの発熱量よりも大きい。また、第3駆動回路ブロックにおいて消費される電力は、第4駆動回路ブロックにおいて消費される電力よりも大きいので、第3駆動回路ブロックの発熱量は第4駆動回路ブロックの発熱量よりも大きい。これにより、相対的に発熱量が大きい第1駆動回路ブロックと第3駆動回路ブロックとが隣り合わず、相対的に発熱量が小さい第2駆動回路ブロックと第4駆動回路ブロックとが隣り合わないので、発生した熱が分散され、温度分布の偏りを低減させることができる。従って、本適用例に係る集積回路装置の動作方法によれば、第1駆動回路ブロック、第2駆動回路ブロック、第3駆動回路ブロック及び第4駆動回路ブロックの動作を安定させることができる。
[適用例4]
本適用例に係る集積回路装置は、第1容量性負荷を駆動するための第1駆動信号の波形を制御する第1制御信号を生成する第1駆動回路ブロックと、前記第1容量性負荷を駆動するための前記第1駆動信号よりも最大振幅が小さい第2駆動信号の波形を制御する第2制御信号を生成する第2駆動回路ブロックと、第2容量性負荷を駆動するための第3駆動信号の波形を制御する第3制御信号を生成する第3駆動回路ブロックと、前記第2容量性負荷を駆動するための前記第3駆動信号よりも最大振幅が小さい第4駆動信号の波形を制御する第4制御信号を生成する第4駆動回路ブロックと、を備え、前記第1駆動回路ブロックは、前記第2駆動回路ブロック及び前記第4駆動回路ブロックと隣り合って配置され、前記第2駆動回路ブロックは、前記第1駆動回路ブロック及び前記第3駆動回路ブロックと隣り合って配置され、前記第3駆動回路ブロックは、前記第2駆動回路ブロック及び前記第4駆動回路ブロックと隣り合って配置されている。
本適用例に係る集積回路装置は、第1容量性負荷を駆動するための第1駆動信号の波形を制御する第1制御信号を生成する第1駆動回路ブロックと、前記第1容量性負荷を駆動するための前記第1駆動信号よりも最大振幅が小さい第2駆動信号の波形を制御する第2制御信号を生成する第2駆動回路ブロックと、第2容量性負荷を駆動するための第3駆動信号の波形を制御する第3制御信号を生成する第3駆動回路ブロックと、前記第2容量性負荷を駆動するための前記第3駆動信号よりも最大振幅が小さい第4駆動信号の波形を制御する第4制御信号を生成する第4駆動回路ブロックと、を備え、前記第1駆動回路ブロックは、前記第2駆動回路ブロック及び前記第4駆動回路ブロックと隣り合って配置され、前記第2駆動回路ブロックは、前記第1駆動回路ブロック及び前記第3駆動回路ブロックと隣り合って配置され、前記第3駆動回路ブロックは、前記第2駆動回路ブロック及び前記第4駆動回路ブロックと隣り合って配置されている。
本適用例に係る集積回路装置によれば、相対的に発熱量が大きくなりやすい第1駆動回路ブロックと第3駆動回路ブロックとが隣り合わず、相対的に発熱量が小さくなりやすい第2駆動回路ブロックと第4駆動回路ブロックとが隣り合わないので、発生した熱が分散され、温度分布の偏りを低減させることができる。従って、本適用例に係る集積回路装置によれば、第1駆動回路ブロック、第2駆動回路ブロック、第3駆動回路ブロック及び第4駆動回路ブロックの動作を安定させることができる。
[適用例5]
上記適用例に係る集積回路装置において、前記第1駆動信号の最大振幅は、前記第4駆動信号の最大振幅よりも大きく、前記第3駆動信号の最大振幅は、前記第2駆動信号の最大振幅よりも大きくてもよい。
上記適用例に係る集積回路装置において、前記第1駆動信号の最大振幅は、前記第4駆動信号の最大振幅よりも大きく、前記第3駆動信号の最大振幅は、前記第2駆動信号の最大振幅よりも大きくてもよい。
本適用例に係る集積回路装置によれば、第2駆動回路ブロック及び第4駆動回路ブロックよりも発熱量が大きくなりやすい第1駆動回路ブロックと第3駆動回路ブロックとが隣り合わないので、発生した熱が分散され、温度分布の偏りを低減させることができる。従って、本適用例に係る集積回路装置によれば、第1駆動回路ブロック、第2駆動回路ブロック、第3駆動回路ブロック及び第4駆動回路ブロックの動作を安定させることができる。
[適用例6]
上記適用例に係る集積回路装置において、前記第1駆動回路ブロックにおいて消費される電力は、前記第2駆動回路ブロックにおいて消費される電力よりも大きく、前記第3駆動回路ブロックにおいて消費される電力は、前記第4駆動回路ブロックにおいて消費される電力よりも大きくてもよい。
上記適用例に係る集積回路装置において、前記第1駆動回路ブロックにおいて消費される電力は、前記第2駆動回路ブロックにおいて消費される電力よりも大きく、前記第3駆動回路ブロックにおいて消費される電力は、前記第4駆動回路ブロックにおいて消費される電力よりも大きくてもよい。
本適用例に係る集積回路装置によれば、相対的に発熱量が大きい第1駆動回路ブロックと第3駆動回路ブロックとが隣り合わず、相対的に発熱量が小さい第2駆動回路ブロックと第4駆動回路ブロックとが隣り合わないので、発生した熱が分散され、温度分布の偏りを低減させることができる。従って、本適用例に係る集積回路装置によれば、第1駆動回路ブロック、第2駆動回路ブロック、第3駆動回路ブロック及び第4駆動回路ブロックの動作を安定させることができる。
[適用例7]
本適用例に係る駆動回路ユニットは、第1容量性負荷を駆動するための第1駆動信号を生成する第1駆動回路と、前記第1容量性負荷を駆動するための前記第1駆動信号よりも最大振幅が小さい第2駆動信号を生成する第2駆動回路と、第2容量性負荷を駆動するための第3駆動信号を生成する第3駆動回路と、前記第2容量性負荷を駆動するための前記第3駆動信号よりも最大振幅が小さい第4駆動信号を生成する第4駆動回路と、を備え、前記第1駆動回路の一部である第1駆動回路ブロック、前記第2駆動回路の一部である第2駆動回路ブロック、前記第3駆動回路の一部である第3駆動回路ブロック及び前記第4駆動回路の一部である第4駆動回路ブロックは、集積回路装置に集積され、前記集積回路装置において、前記第1駆動回路ブロックは、前記第2駆動回路ブロック及び前記第4駆動回路ブロックと隣り合って配置され、前記第2駆動回路ブロックは、前記第1駆動回路ブロック及び前記第3駆動回路ブロックと隣り合って配置され、前記第3駆動回路ブロックは、前記第2駆動回路ブロック及び前記第4駆動回路ブロックと隣り合って配置されている。
本適用例に係る駆動回路ユニットは、第1容量性負荷を駆動するための第1駆動信号を生成する第1駆動回路と、前記第1容量性負荷を駆動するための前記第1駆動信号よりも最大振幅が小さい第2駆動信号を生成する第2駆動回路と、第2容量性負荷を駆動するための第3駆動信号を生成する第3駆動回路と、前記第2容量性負荷を駆動するための前記第3駆動信号よりも最大振幅が小さい第4駆動信号を生成する第4駆動回路と、を備え、前記第1駆動回路の一部である第1駆動回路ブロック、前記第2駆動回路の一部である第2駆動回路ブロック、前記第3駆動回路の一部である第3駆動回路ブロック及び前記第4駆動回路の一部である第4駆動回路ブロックは、集積回路装置に集積され、前記集積回路装置において、前記第1駆動回路ブロックは、前記第2駆動回路ブロック及び前記第4駆動回路ブロックと隣り合って配置され、前記第2駆動回路ブロックは、前記第1駆動回路ブロック及び前記第3駆動回路ブロックと隣り合って配置され、前記第3駆動回路ブロックは、前記第2駆動回路ブロック及び前記第4駆動回路ブロックと隣り合って配置されている。
本適用例に係る駆動回路ユニットでは、集積回路装置において、相対的に発熱量が大きくなりやすい第1駆動回路ブロックと第3駆動回路ブロックとが隣り合わず、相対的に発熱量が小さくなりやすい第2駆動回路ブロックと第4駆動回路ブロックとが隣り合わないので、発生した熱が分散され、温度分布の偏りが低減される。従って、本適用例に係る駆動回路ユニットによれば、集積回路装置において第1駆動回路ブロック、第2駆動回路ブロック、第3駆動回路ブロック及び第4駆動回路ブロックの動作が安定し、歪みの少ない駆動波形を有する第1駆動信号、第2駆動信号、第3駆動信号及び第4駆動信号を生成することができる。
[適用例8]
上記適用例に係る駆動回路ユニットにおいて、前記第1駆動信号の最大振幅は、前記第4駆動信号の最大振幅よりも大きく、前記第3駆動信号の最大振幅は、前記第2駆動信号の最大振幅よりも大きくてもよい。
上記適用例に係る駆動回路ユニットにおいて、前記第1駆動信号の最大振幅は、前記第4駆動信号の最大振幅よりも大きく、前記第3駆動信号の最大振幅は、前記第2駆動信号の最大振幅よりも大きくてもよい。
本適用例に係る駆動回路ユニットによれば、集積回路装置において、第2駆動回路ブロック及び第4駆動回路ブロックよりも発熱量が大きくなりやすい第1駆動回路ブロックと第3駆動回路ブロックとが隣り合わないので、発生した熱が分散され、温度分布の偏りが低減される。従って、本適用例に係る駆動回路ユニットによれば、集積回路装置において第1駆動回路ブロック、第2駆動回路ブロック、第3駆動回路ブロック及び第4駆動回路ブロックの動作が安定し、歪みの少ない駆動波形を有する第1駆動信号、第2駆動信号、第3駆動信号及び第4駆動信号を生成することができる。
[適用例9]
上記適用例に係る駆動回路ユニットにおいて、前記第1駆動回路ブロックにおいて消費される電力は、前記第2駆動回路ブロックにおいて消費される電力よりも大きく、前記第3駆動回路ブロックにおいて消費される電力は、前記第4駆動回路ブロックにおいて消費される電力よりも大きくてもよい。
上記適用例に係る駆動回路ユニットにおいて、前記第1駆動回路ブロックにおいて消費される電力は、前記第2駆動回路ブロックにおいて消費される電力よりも大きく、前記第3駆動回路ブロックにおいて消費される電力は、前記第4駆動回路ブロックにおいて消費される電力よりも大きくてもよい。
本適用例に係る駆動回路ユニットによれば、集積回路装置において、相対的に発熱量が大きい第1駆動回路ブロックと第3駆動回路ブロックとが隣り合わず、相対的に発熱量が小さい第2駆動回路ブロックと第4駆動回路ブロックとが隣り合わないので、発生した熱が分散され、温度分布の偏りが低減される。従って、本適用例に係る駆動回路ユニットによれば、集積回路装置において第1駆動回路ブロック、第2駆動回路ブロック、第3駆動回路ブロック及び第4駆動回路ブロックの動作が安定し、歪みの少ない駆動波形を有する第1駆動信号、第2駆動信号、第3駆動信号及び第4駆動信号を生成することができる。
[適用例10]
本適用例に係る液体吐出装置は、上記のいずれかの駆動回路ユニットと、前記第1容量性負荷を含み、前記第1駆動信号又は前記第2駆動信号が選択されて前記第1容量性負荷に印加されることにより液体を吐出する第1吐出部と、前記第2容量性負荷を含み、前記第3駆動信号又は前記第4駆動信号が選択されて前記第2容量性負荷に印加されることにより液体を吐出する第2吐出部と、を備えている。
本適用例に係る液体吐出装置は、上記のいずれかの駆動回路ユニットと、前記第1容量性負荷を含み、前記第1駆動信号又は前記第2駆動信号が選択されて前記第1容量性負荷に印加されることにより液体を吐出する第1吐出部と、前記第2容量性負荷を含み、前記第3駆動信号又は前記第4駆動信号が選択されて前記第2容量性負荷に印加されることにより液体を吐出する第2吐出部と、を備えている。
本適用例に係る液体吐出装置によれば、歪みの少ない駆動波形を有する第1駆動信号、第2駆動信号、第3駆動信号及び第4駆動信号を生成することができる駆動回路ユニットを備えるので、第1吐出部及び第2出部からの液体の吐出精度を向上させることができる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.液体吐出装置の概要
本実施形態に係る液体吐出装置は、外部のホストコンピューターから供給された画像データに応じてインクを吐出させることによって、紙などの印刷媒体にインクドット群を形成し、これにより、当該画像データに応じた画像(文字、図形等を含む)を印刷するインクジェットプリンターである。
本実施形態に係る液体吐出装置は、外部のホストコンピューターから供給された画像データに応じてインクを吐出させることによって、紙などの印刷媒体にインクドット群を形成し、これにより、当該画像データに応じた画像(文字、図形等を含む)を印刷するインクジェットプリンターである。
図1は、本実施形態に係る液体吐出装置1の外観模式図である。図1に示されるように、本実施形態に係る液体吐出装置1は、シリアルスキャン型(シリアル印刷型)の液体吐出装置であり、本体2と、本体2を支持する支持スタンド3とを備えている。本実施形態に係る液体吐出装置1は、A3短辺幅(297mm)以上の幅を有する媒体(印刷媒体)にシリアル印刷を行うことが可能な大判プリンター(ラージフォーマットプリンター)であり、換言すれば、A3短辺幅(297mm)以上の印刷幅でシリアル印刷を行うことが可能なプリンターである。ただし、液体吐出装置1は、必ずしも大判プリンターでなくてもよい。なお、本実施形態では、液体吐出装置1において、キャリッジ24の移動方向を主走査方向X、印刷媒体Pの搬送方向を副走査方向Y、鉛直方向をZとして説明する。また、主走査方向Xと、副走査方向Yと、鉛直方向Zとは互いに直交する3軸として図面に記載するが、各構成の配置関係が必ずしも直交するものに限定されるものではない。
図1に示すように、液体吐出装置1の本体2は、印刷媒体P(例えば、ロール紙)を供給する供給部4と、印刷媒体Pに対しインク滴を吐出し、印刷媒体Pに印刷を行うヘッドユニット20と、ヘッドユニット20により印刷された印刷媒体Pを本体2の外部に排出する排出部6と、印刷の実行、停止等の操作を行う操作部7と、吐出されるインク(液体)が貯留されているインク貯留部8と、を備えている。また、図示を省略するが、液体吐出装置1の後面には、USBポートおよび電源ポートが配設されている。すなわち、液体吐出装置1は、USBポートを介してコンピューター等に接続可能に構成されている。
ヘッドユニット20は、キャリッジ24と、印刷媒体(ロール紙)Pと対向するようにキャリッジ24に搭載されたヘッド21とを含んで構成されている。
ヘッド21は、多数のノズルからインク滴(液滴)を吐出させるための液体吐出ヘッドである。詳細には、ヘッド21は、駆動素子である圧電素子60(図4、図5参照)を含み、圧電素子60に駆動信号が印加されて圧電素子60が駆動することにより、インク(液体)を吐出する。
図2は、ヘッド21の下面(インク吐出面)を示す図である。図2に示されるように、ヘッド21のインク吐出面には、それぞれ多数のノズル651が副走査方向Yに沿って所定のピッチPyで並ぶノズル列650を2つ有する6つのノズルプレート632が主走査方向Xに沿って並んで設けられている。各ノズルプレート632に設けられている2つのノズル列650の間では、各ノズル651が副走査方向YにピッチPyの半分だけシフトした関係となっている。このように、本実施形態では、ヘッド21のインク吐出面には、12個のノズル列650(第1ノズル列650a〜第12ノズル列650l)が設けられている。
キャリッジ24は、キャリッジガイド軸32に支持されて、主走査方向Xに移動(往復動)し、このとき、印刷媒体Pは副走査方向Yに搬送される。すなわち、本実施形態における液体吐出装置1は、インク滴を吐出するヘッド21を搭載したキャリッジ24を備えたヘッドユニット20が、主走査方向Xに移動(往復動)し印刷するシリアル印刷を行う。
インク貯留部8には、複数のインクカートリッジ22が取り付けられており、各インクカートリッジ22には対応する色のインクが充填されている。図1では、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、B(ブラック)の4色に対応する4個のインクカートリッジ22が図示されているが、インクカートリッジ22は本構成に限るものではなく、インク貯留部8には、例えば、5個以上のインクカートリッジ22が備えられていてもよく、グレー、グリーン、バイオレットなどの色に対応するインクカートリッジ22が備えられていてもよい。各インクカートリッジ22に収容されているインクは、インクチューブ9を介してヘッド21に供給される。なお、液体吐出装置1は、キャリッジ24に複数のインクカートリッジ22が取り付けられた構成でもよい。
図3は、液体吐出装置1を副走査方向Yの負方向(印刷媒体Pが上流から下流へと搬送される方向の逆方向)に視たときの内部構成を概略的に示す図である。図3に示されるように、液体吐出装置1は、ヘッドユニット20と、キャリッジガイド軸32と、プラテン33と、キャッピング機構35と、メンテナンス機構80と、を備えている。
ヘッドユニット20は、不図示のキャリッジ移動機構の制御に基づき、キャリッジガイド軸32に沿って可動領域Rの範囲内において移動(往復動)する。ヘッド21にはヘッド基板101が搭載されており、ヘッド21のインク吐出面は、印刷媒体Pと対向する。
プラテン33には、印刷媒体Pを搬送する不図示のローラーが設けられ、印刷媒体Pを副走査方向Yに搬送するとともに、印刷媒体Pに対しインク滴が吐出されたとき、印刷媒体Pを保持する。すなわち、液体吐出装置1のヘッドユニット20によるシリアル印刷が可能な最大幅(以下、「最大印刷幅」という)は、プラテン33の主走査方向Xの幅であるプラテン幅PWと同等である。プラテン幅PWは、印刷媒体Pを安定して保持・搬送するために主走査方向Xにおける印刷媒体Pの幅である媒体幅Wの規格寸法Wsよりも広く設定される。
ヘッドユニット20の移動(往復動)の起点であるホームポジションには、ヘッド21のノズル形成面(インク吐出面)を封止するキャッピング機構35が設けられている。ホームポジションは、液体吐出装置1が、印刷を実行していないときに、ヘッドユニット20を待機させる位置でもある。すなわち、ホームポジション(キャッピング機構35)の主走査方向Xにおける幅であるキャッピング機構幅CWは、ヘッドユニット20の主走査方向Xの幅であるヘッドユニット幅HW以上設けられていることが好ましい。
また、ヘッドユニット20の可動領域Rにおいて、ホームポジションから最も遠い場所には、メンテナンス機構80が設けられている。メンテナンス機構80は、メンテナンス処理として、吐出部600内の増粘したインクや気泡等をチューブポンプ(図示省略)により吸引するクリーニング処理(ポンピング処理)や、ノズル近傍に付着した紙粉等の異物をワイパーにより拭き取るワイピング処理を行う。当該メンテナンス処理の実行中は、鉛直方向Zから視たときに、ヘッドユニット20と印刷領域であるプラテン33とが重ならないことが好ましい。すなわち、メンテナンス機構80の主走査方向Xの幅であるメンテナンス機構幅MWは、ヘッドユニット20の主走査方向Xの幅であるヘッドユニット幅HW以上設けられていることが好ましい。
2.液体吐出装置の電気的構成
図4は、本実施形態に係る液体吐出装置1の電気的な構成を示すブロック図である。図4に示されるように、液体吐出装置1は、制御基板100とヘッド基板101とを備えている。制御基板100は、本体2(図1参照)の内部の所定の場所に固定されており、ヘッド基板101は、ヘッドユニット20のキャリッジ24に搭載されている。
図4は、本実施形態に係る液体吐出装置1の電気的な構成を示すブロック図である。図4に示されるように、液体吐出装置1は、制御基板100とヘッド基板101とを備えている。制御基板100は、本体2(図1参照)の内部の所定の場所に固定されており、ヘッド基板101は、ヘッドユニット20のキャリッジ24に搭載されている。
制御基板100には、制御部111、電源回路112、制御信号送信部113及び複数(ここでは12個)の駆動回路50a−1〜50a−6,50b−1〜50b−6が設けられている(実装されている)。なお、図4では、12個の駆動回路のうち、4個の駆動回路50a−1,50a−2,50b−1,50b−2のみが示されている。また、制御基板100には、ケーブル201の一端が接続されるコネクター130が設けられている。
制御部111は、例えば、マイクロコントローラー等のプロセッサーで実現され、ホストコンピューターから供給される画像データ等の各種の信号に基づいて、各種のデータや信号を生成する。
具体的には、制御部111は、ホストコンピューターからの各種の信号に基づき、それぞれ、ヘッド21が有する各吐出部600を駆動する駆動信号COMA,COMBの元となるデジタルデータである駆動データdA,dBを生成する。駆動データdAは、駆動回路50a−1〜50a−6に供給され、駆動データdBは、駆動回路50b−1〜50b−6に供給される。駆動データdAは駆動信号COMAの波形を規定するデジタルデータであり、駆動データdBは駆動信号COMBの波形を規定するデジタルデータである。
また、制御部111は、駆動データdAに基づいて制御信号OEa,OCaを生成し、駆動データdBに基づいて制御信号OEb,OCbを生成する。制御信号OEa,OCaは、駆動データdAで規定される駆動信号COMAの波形の電圧変化に応じた論理レベルとなる信号であり、詳細については後述する。同様に、制御信号OEbおよびOCbは、駆動データdBで規定される駆動信号COMBの波形の電圧変化に応じた論理レベルとなる信号であり、詳細については後述する。
また、制御部111は、ホストコンピューターからの各種の信号に基づき、各吐出部600からの液体の吐出を制御する複数種類の制御信号として、6つの印刷データ信号SI1〜SI6、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH及びクロック信号SCKを生成し、制御信号送信部113に出力する。
なお、制御部111は、上記の処理以外にも、キャリッジ24(ヘッドユニット20)の走査位置(現在位置)を把握し、キャリッジ24の走査位置に基づいて、不図示のキャリッジモーターを駆動する処理を行う。これにより、キャリッジ24の主走査方向Xへの移動が制御される。また、制御部111は、不図示の搬送モーターを駆動する処理を行う。これにより、印刷媒体Pの副走査方向Yへの移動が制御される。
さらに、制御部111は、メンテナンス機構80(図3参照)に、ヘッド21のインクの吐出状態を正常に回復させるためのメンテナンス処理(クリーニング処理(ポンピング処理)やワイピング処理)を実行させる。
電源回路112は、一定の高電源電圧VHV(例えば、42V)、一定の低電源電圧VDD(例えば、3.3V)、一定のオフセット電圧VBS(例えば、6V)及びグラウンド電圧GND(0V)を生成する。さらに、電源回路112は、互いに異なる5種類の電源電圧V1〜V5を生成する。電源電圧V2は電源電圧V1よりも高く、電源電圧V3は電源電圧V2よりも高く、電源電圧V4は電源電圧V3よりも高く、電源電圧V5は電源電圧V4よりも高い。電源電圧V1はグラウンド電圧GND以上であり、電源電圧V5は高電源電圧VHV以下である。以下では、電源電圧V1はグラウンド電圧GND(0V)と同じであり、電源電圧V5は高電源電圧VHV(例えば、42V)と同じであるものとする。また、電源電圧V2〜V4は、それぞれ、高電源電圧VHVとグラウンド電圧GNDの差の電圧を4等分に分割された電圧(それぞれ、例えば、10.5V,21V,31.5V)であるものとする。
制御信号送信部113は、低電源電圧VDD及びグラウンド電圧GNDが供給されて動作し、制御部111から出力される6つの印刷データ信号SI1〜SI6を、それぞれ差動信号(SI1+,SI1−)〜(SI6+,SI6−)に変換する。また、制御信号送信部113は、制御部111から出力されるラッチ信号LAT、チェンジ信号CH及びクロック信号SCKを、それぞれ差動信号(LAT+,LAT−),(CH+,CH−),(SCK+,SCK−)に変換する。制御信号送信部113は、例えば、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)転送方式の差動信号を生成する。LVDS転送方式の差動信号はその振幅が350mV程度であるため高速データ転送を実現することができる。なお、制御信号送信部113は、LVDS以外のLVPECL(Low Voltage Positive Emitter Coupled Logic)やCML(Current Mode Logic)等の各種の高速転送方式の差動信号を生成してもよい。
駆動回路50a−1〜50a−6は、それぞれ、電源電圧V1〜V5が供給されて動作し、制御部111から出力される駆動データdA及び制御信号OEa,OCaに基づいて、駆動信号COMAを生成する。また、駆動回路50b−1〜50b−6は、それぞれ、電源電圧V1〜V5が供給されて動作し、制御部111から出力される駆動データdB及び制御信号OEb,OCbに基づいて、駆動信号COMBを生成する。
なお、駆動回路50a−1〜50a−6,50b−1〜50b−6は、入力される駆動データ、及び、出力する駆動信号が異なるのみであって、回路的な構成は同一であってもよく、その詳細については後述する。
駆動回路50a−1〜50a−6がそれぞれ生成する駆動信号COMA及び駆動回路50b−1〜50b−6がそれぞれ生成する駆動信号COMBは、ケーブル201によって制御基板100からヘッド基板101に転送される。また、高電源電圧VHV、低電源電圧VDD、オフセット電圧VBS、グラウンド電圧GND及び差動信号(SI1+,SI1−)〜(SI6+,SI6−),(LAT+,LAT−),(CH+,CH−),(SCK+,SCK−)も、ケーブル201によって制御基板100からヘッド基板101に転送される。ケーブル201は、例えば、フレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)であってもよい。
ヘッド基板101には、制御信号受信部115及び6つの駆動信号選択回路120−1〜120−6が設けられている(実装されている)。また、ヘッド基板101には、ケーブル201の他端が接続されるコネクター140が設けられている。
制御信号受信部115は、低電源電圧VDD及びグラウンド電圧GNDが供給されて動作し、LVDS転送方式の差動信号(SI1+,SI1−)〜(SI6+,SI6−),(LAT+,LAT−),(CH+,CH−),(SCK+,SCK−)を受信してそれぞれ差動増幅し、シングルエンドの印刷データ信号SI1〜SI6、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH及びクロック信号SCKに変換する。なお、制御信号受信部115は、LVDS以外のLVPECLやCML等の各種の高速転送方式の差動信号を受信してもよい。
そして、印刷データ信号SI1〜SI6は、それぞれ、駆動信号選択回路120−1〜120−6に供給される。また、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH及びクロック信号SCKは、駆動信号選択回路120−1〜120−6に共通に供給される。
駆動信号選択回路120−1〜120−6は、高電源電圧VHV、低電源電圧VDD及びグラウンド電圧GNDが供給されて動作し、ヘッド21における複数のノズルからインクを吐出させる複数の吐出部600のいずれかに、それぞれ駆動信号VOUTを出力する。具体的には、駆動信号選択回路120−1〜120−6は、クロック信号SCK、印刷データ信号SI1〜SI6、ラッチ信号LAT及びチェンジ信号CHに基づいて、それぞれ、駆動信号COMAと駆動信号COMBのいずれかを選択して駆動信号VOUTとして出力し、あるいは、いずれも選択せずに出力をハイインピーダンスとする。なお、駆動信号選択回路120−1〜120−6の回路的な構成は同一であってもよく、その詳細については後述する。
駆動信号選択回路120−1が出力する駆動信号VOUTは、第1ノズル列650a及び第2ノズル列650bに対応して設けられる各吐出部600が有する圧電素子60の一端に印加される。また、駆動信号選択回路120−2が出力する駆動信号VOUTは、第3ノズル列650c及び第4ノズル列650dに対応して設けられる各吐出部600が有する圧電素子60の一端に印加される。また、駆動信号選択回路120−3が出力する駆動信号VOUTは、第5ノズル列650e及び第6ノズル列650fに対応して設けられる各吐出部600が有する圧電素子60の一端に印加される。また、駆動信号選択回路120−4が出力する駆動信号VOUTは、第7ノズル列650g及び第8ノズル列650hに対応して設けられる各吐出部600が有する圧電素子60の一端に印加される。また、駆動信号選択回路120−5が出力する駆動信号VOUTは、第9ノズル列650i及び第10ノズル列650jに対応して設けられる各吐出部600が有する圧電素子60の一端に印加される。また、駆動信号選択回路120−6が出力する駆動信号VOUTは、第11ノズル列650k及び第12ノズル列650lに対応して設けられる各吐出部600が有する圧電素子60の一端に印加される。
全ての吐出部600がそれぞれ有する圧電素子60の各他端には、ケーブル201によって転送されたオフセット電圧VBSが供給される。
各圧電素子60は、吐出部600のそれぞれに対応して設けられており、駆動信号VOUT(駆動信号COMA,COMB)が印加されることで変位する。そして、各圧電素子60は、駆動信号VOUT(駆動信号COMA,COMB)とオフセット電圧VBSとの電位差に応じて変位して液体(インク)を吐出させる。このように、駆動信号COMA,COMBは吐出部600のそれぞれを駆動して液体を吐出させるための信号であり、ヘッドユニット20(ヘッド21)は、駆動信号COMA,COMBに応じて液体(インク)を吐出する。
なお、本実施形態では、ケーブル201によって制御基板100からヘッド基板101に転送された各駆動信号COMAは、ケーブル201によってヘッド基板101から制御基板100に転送され、帰還駆動信号COMA_FBとして駆動回路50a−1〜50a−6にそれぞれ帰還される。同様に、ケーブル201によって制御基板100からヘッド基板101に転送された各駆動信号COMBは、ケーブル201によってヘッド基板101から制御基板100に転送され、帰還駆動信号COMB_FBとして駆動回路50b−1〜50b−6にそれぞれ帰還される。そして、後述するように、駆動回路50a−1〜50a−6は駆動信号COMAの生成に帰還駆動信号COMA_FBを利用し、駆動回路50b−1〜50b−6は駆動信号COMBの生成に帰還駆動信号COMB_FBを利用する。
3.吐出部の構成
図5は、ヘッド21が有する1つの吐出部600に対応した概略構成を示す図である。図5に示されるように、ヘッド21は、吐出部600と、リザーバー641とを含む。
図5は、ヘッド21が有する1つの吐出部600に対応した概略構成を示す図である。図5に示されるように、ヘッド21は、吐出部600と、リザーバー641とを含む。
リザーバー641は、インクの色毎に設けられており、インクが供給口661からリザーバー641に導入される。なお、インクは、インク貯留部8からインクチューブ9を介して供給口661まで供給される。
吐出部600は、圧電素子60と振動板621とキャビティー(圧力室)631とノズル651とを含む。このうち、振動板621は、図において上面に設けられた圧電素子60によって変位(屈曲振動)し、インクが充填されるキャビティー631の内部容積を拡大/縮小させるダイヤフラムとして機能する。ノズル651は、ノズルプレート632に設けられるとともに、キャビティー631に連通する開孔部である。キャビティー631は、内部に液体(例えば、インク)が充填され、圧電素子60の変位により、内部容積が変化する。ノズル651は、キャビティー631に連通し、キャビティー631の内部容積の変化に応じてキャビティー631内の液体を液滴として吐出する。
図5で示される圧電素子60は、圧電体601を一対の電極611,612で挟んだ構造である。この構造の圧電体601にあっては、電極611,612により印加された電圧に応じて、電極611,612、振動板621とともに図5において中央部分が両端部分に対して上下方向に撓む。具体的には、圧電素子60の一端である電極611には駆動信号VOUTが印加され、圧電素子60の他端である電極612にはオフセット電圧VBSが印加される。そして、圧電素子60は、駆動信号VOUTの電圧が低くなると上方向に撓む一方、駆動信号VOUTの電圧が高くなると、下方向に撓む構成となっている。この構成において、上方向に撓めば、キャビティー631の内部容積が拡大するので、インクがリザーバー641から引き込まれる一方、下方向に撓めば、キャビティー631の内部容積が縮小するので、縮小の程度によっては、インクがノズル651から吐出される。
なお、圧電素子60は、図示した構造に限られず、圧電素子60を変形させてインクのような液体を吐出させることができる型であればよい。また、圧電素子60は、屈曲振動に限られず、いわゆる縦振動を用いる構成でもよい。
また、圧電素子60は、ヘッド21においてキャビティー631とノズル651とに対応して設けられ、後述する選択部230(図8参照)にも対応して設けられる。このため、圧電素子60、キャビティー631、ノズル651および選択部230のセットは、ノズル651毎に設けられることになる。
4.駆動信号の構成
印刷媒体Pにドットを形成する方法としては、インク滴を1回吐出させて、1つのドットを形成する方法のほかに、単位期間にインク滴を2回以上吐出可能として、単位期間において吐出された1以上のインク滴を着弾させ、当該着弾した1以上のインク滴を結合させることで、1つのドットを形成する方法(第2方法)や、これら2以上のインク滴を結合させることなく、2以上のドットを形成する方法(第3方法)がある。
印刷媒体Pにドットを形成する方法としては、インク滴を1回吐出させて、1つのドットを形成する方法のほかに、単位期間にインク滴を2回以上吐出可能として、単位期間において吐出された1以上のインク滴を着弾させ、当該着弾した1以上のインク滴を結合させることで、1つのドットを形成する方法(第2方法)や、これら2以上のインク滴を結合させることなく、2以上のドットを形成する方法(第3方法)がある。
本実施形態では、第2方法によって、1つのドットについては、インクを最多で2回吐出させることで、「大ドット」、「中ドット」、「小ドット」及び「非記録(ドットなし)」の4階調を表現させる。この4階調を表現するために、本実施形態では、2種類の駆動信号COMA,COMBを用意して、それぞれにおいて、1周期に前半パターンと後半パターンとを持たせている。1周期のうち、前半・後半において駆動信号COMA,COMBを、表現すべき階調に応じて選択して(又は選択しないで)、圧電素子60に供給する構成となっている。
図6は、駆動信号COMA,COMBの波形を示す図である。図6に示されるように、駆動信号COMAは、ラッチ信号LATが立ち上がってからチェンジ信号CHが立ち上がるまでの期間T1に配置された台形波形Adp1と、チェンジ信号CHが立ち上がってから次にラッチ信号LATが立ち上がるまでの期間T2に配置された台形波形Adp2とを連続させた波形となっている。期間T1と期間T2からなる期間を周期Taとして、周期Ta毎に、印刷媒体Pに新たなドットが形成される。
本実施形態において、台形波形Adp1、Adp2とは、互いにほぼ同一の波形であり、仮にそれぞれが圧電素子60の一端に供給されたとしたならば、当該圧電素子60に対応するノズル651から所定量、具体的には中程度の量のインクをそれぞれ吐出させる波形である。
駆動信号COMBは、期間T1に配置された台形波形Bdp1と、期間T2に配置された台形波形Bdp2とを連続させた波形となっている。本実施形態において、台形波形Bdp1、Bdp2とは、互いに異なる波形である。このうち、台形波形Bdp1は、ノズル651の開孔部付近のインクを微振動させてインクの粘度の増大を防止するための波形である。このため、仮に台形波形Bdp1が圧電素子60の一端に供給されたとしても、当該圧電素子60に対応するノズル651からインク滴が吐出されない。また、台形波形Bdp2は、台形波形Adp1(Adp2)とは異なる波形となっている。仮に台形波形Bdp2が圧電素子60の一端に供給されたとしたならば、当該圧電素子60に対応するノズル651から上記所定量よりも少ない量のインクを吐出させる波形である。
なお、台形波形Adp1、Adp2、Bdp1、Bdp2の開始タイミングでの電圧と、終了タイミングでの電圧とは、いずれも電圧Vcで共通である。すなわち、台形波形Adp1、Adp2、Bdp1、Bdp2は、それぞれ電圧Vcで開始し、電圧Vcで終了する波形となっている。
図7は、「大ドット」、「中ドット」、「小ドット」及び「非記録」のそれぞれに対応する駆動信号VOUTの波形を示す図である。
図7に示されるように、「大ドット」に対応する駆動信号VOUTは、期間T1における駆動信号COMAの台形波形Adp1と期間T2における駆動信号COMAの台形波形Adp2とを連続させた波形となっている。この駆動信号VOUTが圧電素子60の一端に供給されると、周期Taにおいて、当該圧電素子60に対応したノズル651から、中程度の量のインクが2回にわけて吐出される。このため、印刷媒体Pにはそれぞれのインクが着弾し合体して大ドットが形成されることになる。
「中ドット」に対応する駆動信号VOUTは、期間T1における駆動信号COMAの台形波形Adp1と期間T2における駆動信号COMBの台形波形Bdp2とを連続させた波形となっている。この駆動信号VOUTが圧電素子60の一端に供給されると、周期Taにおいて、当該圧電素子60に対応したノズル651から、中程度及び小程度の量のインクが2回にわけて吐出される。このため、印刷媒体Pにはそれぞれのインクが着弾し合体して中ドットが形成されることになる。
「小ドット」に対応する駆動信号VOUTは、期間T1では圧電素子60が有する容量性によって保持された直前の電圧Vcとなり、期間T2では駆動信号COMBの台形波形Bdp2となっている。この駆動信号VOUTが圧電素子60の一端に供給されると、周期Taにおいて、当該圧電素子60に対応したノズル651から、期間T2においてのみ小程度の量のインクが吐出される。このため、印刷媒体Pにはこのインクが着弾して小ドットが形成されることになる。
「非記録」に対応する駆動信号VOUTは、期間T1では駆動信号COMBの台形波形Bdp1となり、期間T2では圧電素子60が有する容量性によって保持された直前の電圧Vcとなっている。この駆動信号VOUTが圧電素子60の一端に供給されると、周期Taにおいて、当該圧電素子60に対応したノズル651が、期間T2において微振動するのみで、インクは吐出されない。このため、印刷媒体Pにはインクが着弾せず、ドットが形成されない。
5.駆動信号選択回路の構成
図8は、駆動信号選択回路120(120−1〜120−6)の構成を示す図である。図8に示されるように、駆動信号選択回路120は、選択制御部220と、複数の選択部230とを含む。
図8は、駆動信号選択回路120(120−1〜120−6)の構成を示す図である。図8に示されるように、駆動信号選択回路120は、選択制御部220と、複数の選択部230とを含む。
選択制御部220には、クロック信号SCK、印刷データ信号SI(SI1〜SI6)、ラッチ信号LAT及びチェンジ信号CHが供給される。選択制御部220では、シフトレジスター(S/R)222とラッチ回路224とデコーダー226との組が、圧電素子60(ノズル651)のそれぞれに対応して設けられている。すなわち、1つの駆動信号選択回路120が有するシフトレジスター(S/R)222とラッチ回路224とデコーダー226との組の数は、2つのノズル列650に含まれるノズル651の総数mと同じである。
印刷データ信号SIは、m個の吐出部600(圧電素子60)のそれぞれに対して、「大ドット」、「中ドット」、「小ドット」及び「非記録」のいずれかを選択するための2ビットの印刷データ(SIH,SIL)を含む、合計2mビットの信号である。
印刷データ信号SIは、クロック信号SCKに同期した信号であり、ノズル651に対応して、印刷データ信号SIに含まれる2ビット分の印刷データ(SIH,SIL)毎に、一旦保持するための構成がシフトレジスター222である。
詳細には、圧電素子60(ノズル651)に対応した段数のシフトレジスター222が互いに縦続接続されるとともに、シリアルで供給された印刷データ信号SIが、クロック信号SCKに従って順次後段に転送される構成となっている。
なお、シフトレジスター222を区別するために、印刷データ信号SIが供給される上流側から順番に1段、2段、…、m段と表記している。
m個のラッチ回路224の各々は、m個のシフトレジスター222の各々で保持された2ビットの印刷データ(SIH,SIL)をラッチ信号LATの立ち上がりでラッチする。
m個のデコーダー226の各々は、m個のラッチ回路224の各々によってラッチされた2ビットの印刷データ(SIH,SIL)をデコードして、ラッチ信号LATとチェンジ信号CHとで規定される期間T1、T2ごとに、選択信号Sa,Sbを出力して、選択部230での選択を規定する。
図9は、デコーダー226におけるデコード内容を示す図である。デコーダー226は、例えばラッチされた2ビットの印刷データ(SIH,SIL)が(1,0)であれば、選択信号Sa,Sbの論理レベルを、期間T1ではそれぞれH,Lレベルとし、期間T2ではそれぞれL,Hレベルとして、出力するということを意味している。
なお、選択信号Sa,Sbの論理レベルについては、クロック信号SCK、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT及びチェンジ信号CHの論理レベルよりも、レベルシフター(図示省略)によって、高振幅論理にレベルシフトされる。
選択部230は、圧電素子60(ノズル651)のそれぞれに対応して設けられている。すなわち、1つの駆動信号選択回路120が有する選択部230の数は、2つのノズル列650に含まれるノズル651の総数mと同じである。
図10は、圧電素子60(ノズル651)の1個分に対応する選択部230の構成を示す図である。
図10に示されるように、選択部230は、インバーター(NOT回路)232a,232bと、トランスファーゲート234a,234bとを有する。
デコーダー226からの選択信号Saは、トランスファーゲート234aにおいて丸印が付されていない正制御端に供給される一方で、インバーター232aによって論理反転されて、トランスファーゲート234aにおいて丸印が付された負制御端に供給される。同様に、選択信号Sbは、トランスファーゲート234bの正制御端に供給される一方で、インバーター232bによって論理反転されて、トランスファーゲート234bの負制御端に供給される。
トランスファーゲート234aの入力端には、駆動信号COMAが供給され、トランスファーゲート234bの入力端には、駆動信号COMBが供給される。トランスファーゲート234a,234bの出力端同士は共通接続され、当該共通接続端子を介して駆動信号VOUTが吐出部600に出力される。
トランスファーゲート234aは、選択信号SaがHレベルであれば、入力端および出力端の間を導通(オン)させ、選択信号SaがLレベルであれば、入力端と出力端との間を非導通(オフ)させる。トランスファーゲート234bについても同様に選択信号Sbに応じて、入力端および出力端の間をオンオフさせる。
次に、駆動信号選択回路120(120−1〜120−6)の動作について図11を参照して説明する。
印刷データ信号SI(SI1〜SI6)が、クロック信号SCKに同期してシリアルで供給されて、ノズルに対応するシフトレジスター222において順次転送される。そして、クロック信号SCKの供給が停止すると、シフトレジスター222のそれぞれには、ノズル651に対応した2ビットの印刷データ(SIH,SIL)が保持された状態になる。なお、印刷データ信号SIは、シフトレジスター222における最終m段、…、2段、1段のノズルに対応した順番で供給される。
ここで、ラッチ信号LATが立ち上がると、ラッチ回路224のそれぞれは、シフトレジスター222に保持された2ビットの印刷データ(SIH,SIL)を一斉にラッチする。図11において、LT1、LT2、…、LTmは、1段、2段、…、m段のシフトレジスター222に対応するラッチ回路224によってラッチされた2ビットの印刷データ(SIH,SIL)を示している。
デコーダー226は、ラッチされた2ビットの印刷データ(SIH,SIL)で規定されるドットのサイズに応じて、期間T1,T2のそれぞれにおいて、選択信号Sa,Sbの論理レベルを図9に示されるような内容で出力する。
すなわち、デコーダー226は、当該印刷データ(SIH,SIL)が(1,1)であって、大ドットのサイズを規定する場合、選択信号Sa,Sbを、期間T1においてH,Lレベルとし、期間T2においてもH,Lレベルとする。また、デコーダー226は、当該印刷データ(SIH,SIL)が(1,0)であって、中ドットのサイズを規定する場合、選択信号Sa,Sbを、期間T1においてH,Lレベルとし、期間T2においてL,Hレベルとする。また、デコーダー226は、当該印刷データ(SIH,SIL)が(0,1)であって、小ドットのサイズを規定する場合、選択信号Sa,Sbを、期間T1においてL,Lレベルとし、期間T2においてL,Hレベルとする。また、デコーダー226は、当該印刷データ(SIH,SIL)が(0,0)であって、非記録を規定する場合、選択信号Sa,Sbを、期間T1においてL,Hレベルとし、期間T2においてL,Lレベルとする。
選択部230は、印刷データ(SIH,SIL)が(1,1)のとき、期間T1では選択信号Sa,SbがH,Lレベルであるので駆動信号COMA(台形波形Adp1)を選択し、期間T2でもSa,SbがH,Lレベルであるので駆動信号COMA(台形波形Adp2)を選択する。その結果、図7に示した「大ドット」に対応する駆動信号VOUTが生成される。
また、選択部230は、印刷データ(SIH,SIL)が(1,0)のとき、期間T1では選択信号Sa,SbがH,Lレベルであるので駆動信号COMA(台形波形Adp1)を選択し、期間T2ではSa,SbがL,Hレベルであるので駆動信号COMB(台形波形Bdp2)を選択する。その結果、図7に示した「中ドット」に対応する駆動信号VOUTが生成される。
また、選択部230は、印刷データ(SIH,SIL)が(0,1)のとき、期間T1では選択信号Sa,SbがL,Lレベルであるので駆動信号COMA,COMBのいずれも選択せず、期間T2ではSa,SbがL,Hレベルであるので駆動信号COMB(台形波形Bdp2)を選択する。その結果、図7に示した「小ドット」に対応する駆動信号VOUTが生成される。なお、期間T1において、駆動信号COMA,COMBのいずれも選択されないため、圧電素子60の一端がオープンとなるが、圧電素子60が有する容量性によって、駆動信号VOUTは直前の電圧Vcに保持される。
また、選択部230は、印刷データ(SIH,SIL)が(0,0)のとき、期間T1では選択信号Sa,SbがL,Hレベルであるので駆動信号COMB(台形波形Bdp1)を選択し、期間T2では選択信号Sa,SbがL,Lレベルであるので駆動信号COMA,COMBのいずれも選択しない。その結果、図7に示した「非記録」に対応する駆動信号VOUTが生成される。なお、期間T2において、駆動信号COMA,COMBのいずれも選択されないため、圧電素子60の一端がオープンとなるが、圧電素子60が有する容量性によって、駆動信号VOUTは直前の電圧Vcに保持される。
図11に示されるように、制御信号OEaは、駆動信号COMAについて電圧を低下させる期間と電圧を上昇させる期間とにわたってローレベルであり、それ以外の期間(駆動信号COMAの電圧を一定とさせる期間)にわたってハイレベルである。同様に、制御信号OEbは、駆動信号COMBについて電圧を低下させる期間と電圧を上昇させる期間とにわたってローレベルであり、それ以外の期間(駆動信号COMBの電圧を一定とさせる期間)にわたってハイレベルである。また、制御信号OCaは、駆動信号COMAの電圧が変化する期間(すなわち制御信号OEaがローレベルとなる期間)のうち、電圧が低下する期間ではハイレベルであり、電圧が上昇する期間ではローレベルである。同様に、制御信号OCbは、駆動信号COMBの電圧が変化する期間(すなわち制御信号OEbがローレベルとなる期間)のうち、電圧が低下する期間ではハイレベルであり、電圧が上昇する期間ではローレベルである。逆に言えば、駆動回路50a−1〜50a−6は制御信号OEa,OCaに従って駆動信号COMAを生成し、駆動回路50b−1〜50b−6は制御信号OEb,OCbに従って駆動信号COMBを生成する。
なお、図6及び図11に示した駆動信号COMA,COMBはあくまでも一例である。実際には、ヘッドユニット20の移動速度や印刷媒体Pの性質などに応じて、予め用意された様々な波形の組み合わせが用いられる。
また、ここでは、圧電素子60が、電圧の低下に伴って上方向に撓む例で説明したが、電極611,612に供給する電圧を逆転させると、圧電素子60は、電圧の低下に伴って下方向に撓むことになる。このため、圧電素子60が、電圧の低下に伴って下方向に撓む構成では、図6及び図11に例示した駆動信号COMA,COMBが、電圧Vcを基準に反転した波形となる。
6.駆動回路の構成
以下、駆動回路50a−1〜50a−6,50b−1〜50b−6はすべて同じ構成であるものとし、その構成について詳細に説明する。図12は、駆動回路50(50a−1〜50a−6,50b−1〜50b−6)の構成を示す図である。図12に示されるように、駆動回路50は、D/A変換回路(DAC:Digital to Analog Converter)251、コンパレーター252、タイミング信号生成回路253、リニア増幅器280、ゲートドライバー制御回路254、ゲートドライバー255a,255b,255c,255d、セレクター256、スイッチ260、トランジスター271a,272a,271b,272b,271c,272c,271d,272d、コンデンサーC0、及び抵抗素子R1,R2,R3,R4を含む。
以下、駆動回路50a−1〜50a−6,50b−1〜50b−6はすべて同じ構成であるものとし、その構成について詳細に説明する。図12は、駆動回路50(50a−1〜50a−6,50b−1〜50b−6)の構成を示す図である。図12に示されるように、駆動回路50は、D/A変換回路(DAC:Digital to Analog Converter)251、コンパレーター252、タイミング信号生成回路253、リニア増幅器280、ゲートドライバー制御回路254、ゲートドライバー255a,255b,255c,255d、セレクター256、スイッチ260、トランジスター271a,272a,271b,272b,271c,272c,271d,272d、コンデンサーC0、及び抵抗素子R1,R2,R3,R4を含む。
前述の通り、駆動回路50には5種類の電源電圧V1〜V5が供給される。以下では、電源電圧V1は0Vであり、電源電圧V2は10.5Vであり、電源電圧V3は21Vであり、電源電圧V4は31.5Vであり、電源電圧V5は42Vであるものとする。
本実施形態では、電源電圧V1(0V)以上電源電圧V2(10.5V)未満の範囲が第1範囲として規定され、電源電圧V2(10.5V)以上電源電圧V3(21V)未満の範囲が第2範囲として規定され、電源電圧V3(21V)以上電源電圧V4(31.5V)未満の範囲が第3範囲として規定され、電源電圧V4(31.5V)以上電源電圧V5(42V)未満の範囲が第4範囲として規定される。
D/A変換回路251は、駆動信号COMA(COMB)の波形を規定するデジタル信号である駆動データdA(dB)を、駆動信号COMA(COMB)の元となるアナログ信号である元駆動信号ain(bin)に変換する。
コンパレーター252の負入力端(−)には元駆動信号ain(bin)が供給され、正入力端(+)には帰還信号ain2(bin2)が供給され、元駆動信号ain(bin)の電圧と帰還信号ain2(bin2)の電圧とを比較する。帰還信号ain2(bin2)は、駆動信号COMA(COMB)が帰還された信号であり、より詳細には、駆動信号COMA(COMB)が、抵抗素子R1と抵抗素子R2との抵抗比に応じて分圧された信号である。コンパレーター252は、帰還信号ain2(bin2)の電圧が元駆動信号ain(bin)の電圧よりも高いときはハイレベルの信号を出力し、それ以外のときはローレベルの信号を出力する。
タイミング信号生成回路253は、制御信号OEa(OEb)と帰還信号ain3(bin3)とに基づいて、制御信号OEax(OEbx)を生成する。帰還信号ain3(bin3)は、駆動信号COMA(COMB)がケーブル201を伝搬してヘッド基板101から制御基板100へと帰還された信号であり、より詳細には、ケーブル201を伝搬して帰還された帰還駆動信号COMA_FB(COMB_FB)(図4参照)が抵抗素子R3と抵抗素子R4との抵抗比に応じて分圧された信号である。前述の通り、制御信号OEa(OEb)は、駆動信号COMA(COMB)について電圧を低下又は上昇させる期間ではローレベルであり、それ以外の期間(電圧を一定とさせる期間)ではハイレベルとなる信号である。換言すれば、制御信号OEax(OEbx)は、駆動信号COMA(COMB)の電圧を一定とさせる期間を制御するタイミング信号である。ただし、制御部111(図4参照)は、駆動データdA(dB)に基づいて、駆動信号COMA(COMB)の電圧を低下又は上昇させる期間とそれ以外の期間を判断して制御信号OEa(OEb)を生成するのに対して、圧電素子60に印加される駆動信号COMA(COMB)は、ケーブル201(図4参照)を伝搬することで遅延する。そのため、実際に駆動信号COMA(COMB)の電圧が低下又は上昇する期間と制御信号OEa(OEb)がローレベルの期間とにはずれが生じている。そこで、タイミング信号生成回路253は、ケーブル201を伝搬して帰還された帰還駆動信号COMA_FB(COMB_FB)が減衰された帰還信号ain3(bin3)に基づいて、駆動信号COMA(COMB)の電圧波形と制御信号OEa(OEb)の論理レベルとが適切な関係になるように、制御信号OEa(OEb)を調整した制御信号OEax(OEbx)を生成する。
ゲートドライバー制御回路254は、コンパレーター252の出力信号、制御信号OEax(OEbx)及び制御信号OCa(OCb)に基づいて、ゲートドライバー255a〜255dを制御する制御信号Gt1,Gt2を出力する。具体的には、ゲートドライバー制御回路254は、制御信号OEax(OEbx)がローレベルであって、かつ、制御信号OCa(OCb)がローレベルであれば、制御信号Gt1としてコンパレーター252の出力信号を選択し、制御信号Gt2としてローレベルを選択する。一方、ゲートドライバー制御回路254は、制御信号OEax(OEbx)がローレベルであって、かつ、制御信号OCa(OCb)がハイレベルであれば、制御信号Gt1としてハイレベルを選択し、制御信号Gt2としてコンパレーター252の出力信号を選択する。なお、ゲートドライバー制御回路254は、制御信号OEax(OEbx)がハイレベルであれば、制御信号OCa(OCb)の論理レベルとは無関係に、制御信号Gt1としてハイレベルを選択し、制御信号Gt2としてローレベルを選択する。
セレクター256は、駆動信号COMA(COMB)の電圧が電源電圧V1と電源電圧V2との間(第1範囲)にあるときにゲートドライバー255aを動作可能にし、駆動信号COMA(COMB)の電圧が電源電圧V2と電源電圧V3との間(第2範囲)にあるときにゲートドライバー255bを動作可能にし、駆動信号COMA(COMB)の電圧が電源電圧V3と電源電圧V4との間(第3範囲)にあるときにゲートドライバー255cを動作可能にし、駆動信号COMA(COMB)の電圧が電源電圧V4と電源電圧V5との間(第4範囲)にあるときにゲートドライバー255dを動作可能にする。具体的には、セレクター256は、制御部111(図4参照)から供給される駆動データdA(dB)に基づいて、駆動信号COMA(COMB)の電圧が第1範囲〜第4範囲のいずれにあるかを判別し、判別結果に基づいて、ゲートドライバー255a〜255dのいずれかを選択して動作させるための選択信号S1〜S4を出力する。
より詳細には、セレクター256は、駆動信号COMA(COMB)の電圧が第1範囲(電源電圧V1(0V)以上電源電圧V2(10.5V)未満)であると判別した場合、選択信号S1のみをハイレベルとし、選択信号S2,S3,S4をローレベルとする。また、セレクター256は、駆動信号COMA(COMB)の電圧が第2範囲(電源電圧V2(10.5V)以上電源電圧V3(21V)未満)であると判別した場合、選択信号S2のみをハイレベルとし、選択信号S1,S3,S4をローレベルとする。また、セレクター256は、駆動信号COMA(COMB)の電圧が第3範囲(電源電圧V3(21V)以上電源電圧V4(31.5V)未満)であると判別した場合、選択信号S3のみをハイレベルとし、選択信号S1,S2,S4をローレベルとする。また、セレクター256は、駆動信号COMA(COMB)の電圧が第4範囲(電源電圧V4(31.5V)以上電源電圧V5(42V)未満)であると判別した場合、選択信号S4のみをハイレベルとし、選択信号S1,S2,S3をローレベルとする。
このように、セレクター256は、駆動信号COMA(COMB)の電圧が電源電圧V1と電源電圧V2との間にあるときにゲートドライバー255aを動作可能にし、駆動信号COMA(COMB)の電圧が電源電圧V2と電源電圧V3との間にあるときにゲートドライバー255bを動作可能にし、駆動信号COMA(COMB)の電圧が電源電圧V3と電源電圧V4との間にあるときにゲートドライバー255cを動作可能にし、駆動信号COMA(COMB)の電圧が電源電圧V4と電源電圧V5との間にあるときにゲートドライバー255dを動作可能にする。
なお、セレクター256は、駆動信号COMA(COMB)が帰還された信号(例えば、帰還信号ain2(bin2)あるいは帰還信号ain3(bin3))の電圧に基づいて、駆動信号COMA(COMB)の電圧が第1範囲〜第4範囲のいずれにあるかを判別し、判別結果に基づいて選択信号S1〜S4を出力してもよい。あるいは、セレクター256は、駆動データdA(dB)と駆動信号COMA(COMB)が帰還された信号との両方に基づいて、駆動信号COMA(COMB)の電圧が第1範囲〜第4範囲のいずれにあるかを判別し、判別結果に基づいて選択信号S1〜S4を出力してもよい。
以上のように、D/A変換回路251、コンパレーター252、タイミング信号生成回路253、ゲートドライバー制御回路254及びセレクター256は、制御信号OEa(OEb)、制御信号OCa(OCb)、駆動データdA(dB)、帰還信号ain2(bin2)及び帰還信号ain3(bin3)に基づいて、制御信号Gt1,Gt2及び選択信号S1〜S4を生成し、ゲートドライバー255a〜255dの動作を制御する制御回路として機能する。
ゲートドライバー255aは、低位側の電源電圧V1及び高位側の電源電圧V2が供給されて動作するものであり、コンパレーター252から出力される信号に応じて、トランジスター271a,272aからなるトランジスター対のスイッチング動作を制御する制御信号Gt1a,Gt2aを生成する。具体的には、ゲートドライバー255aは、選択信号S1がハイレベルのとき、コンパレーター252の出力信号に基づいて生成された制御信号Gt1及び制御信号Gt2をそれぞれ電源電圧V1から電源電圧V2の範囲(第1範囲)にレベルシフトし、制御信号Gt1a及び制御信号Gt2aとして、トランジスター271aのゲート端子及びトランジスター272aのゲート端子にそれぞれ供給する。ただし、制御信号Gt1,Gt2の最低電圧から最高電圧までの範囲が第1範囲と一致している場合は、制御信号Gt1,Gt2のレベルシフト量は0Vでよい(レベルシフトしなくてよい)。また、ゲートドライバー255aは、選択信号S1がローレベルのとき、トランジスター271aのゲート端子にハイレベルの電圧(電源電圧V2付近の電圧)の制御信号Gt1aを供給し、トランジスター272aのゲート端子にローレベルの電圧(電源電圧V1付近の電圧)の制御信号Gt2aを供給し、トランジスター271a,272aをともにオフさせる。
同様に、ゲートドライバー255bは、低位側の電源電圧V2及び高位側の電源電圧V3が供給されて動作するものであり、コンパレーター252から出力される信号に応じて、トランジスター271b,272bからなるトランジスター対のスイッチング動作を制御する制御信号Gt1b,Gt2bを生成する。具体的には、ゲートドライバー255bは、選択信号S2がハイレベルのとき、制御信号Gt1及び制御信号Gt2をそれぞれ電源電圧V2から電源電圧V3の範囲(第2範囲)にレベルシフトし、制御信号Gt1b及び制御信号Gt2bとして、トランジスター271bのゲート端子及びトランジスター272bのゲート端子にそれぞれ供給する。また、ゲートドライバー255bは、選択信号S2がローレベルのとき、トランジスター271bのゲート端子にハイレベルの電圧(電源電圧V3付近の電圧)の制御信号Gt1bを供給し、トランジスター272bのゲート端子にローレベルの電圧(電源電圧V2付近の電圧)の制御信号Gt2bを供給し、トランジスター271b,272bをともにオフさせる。
同様に、ゲートドライバー255cは、低位側の電源電圧V3及び高位側の電源電圧V4が供給されて動作するものであり、コンパレーター252から出力される信号に応じて、トランジスター271c,272cからなるトランジスター対のスイッチング動作を制御する制御信号Gt1c,Gt2cを生成する。具体的には、ゲートドライバー255cは、選択信号S3がハイレベルのとき、制御信号Gt1及び制御信号Gt2をそれぞれ電源電圧V3から電源電圧V4の範囲(第3範囲)にレベルシフトし、制御信号Gt1c及び制御信号Gt2cとして、トランジスター271cのゲート端子及びトランジスター272cのゲート端子にそれぞれ供給する。また、ゲートドライバー255cは、選択信号S3がローレベルのとき、トランジスター271cのゲート端子にハイレベルの電圧(電源電圧V4付近の電圧)の制御信号Gt1cを供給し、トランジスター272cのゲート端子にローレベルの電圧(電源電圧V3付近の電圧)の制御信号Gt2cを供給し、トランジスター271c,272cをともにオフさせる。
同様に、ゲートドライバー255dは、低位側の電源電圧V4及び高位側の電源電圧V5が供給されて動作するものであり、選択信号S4がハイレベルのとき、制御信号Gt1及び制御信号Gt2をそれぞれ電源電圧V4から電源電圧V5の範囲(第4範囲)にレベルシフトし、制御信号Gt1d及び制御信号Gt2dとして、トランジスター271dのゲート端子及びトランジスター272dのゲート端子にそれぞれ供給する。また、ゲートドライバー255dは、選択信号S4がローレベルのとき、トランジスター271dのゲート端子にハイレベルの電圧(電源電圧V5付近の電圧)の制御信号Gt1dを供給し、トランジスター272dのゲート端子にローレベルの電圧(電源電圧V4付近の電圧)の制御信号Gt2dを供給し、トランジスター271d,272dをともにオフさせる。
トランジスター271a,272a、トランジスター271b,272b、トランジスター271c,272c、トランジスター271d,272dは、それぞれ対となってスイッチング動作を行う。具体的には、トランジスター271a及びトランジスター272aは、電源電圧V1が供給される電源電圧供給線と電源電圧V1よりも高い電源電圧V2が供給される電源電圧供給線との間に直列に接続されており、1つのトランジスター対を構成している。また、トランジスター271b及びトランジスター272bは、電源電圧V2が供給される電源電圧供給線と電源電圧V2よりも高い電源電圧V3が供給される電源電圧供給線との間に直列に接続されており、1つのトランジスター対を構成している。また、トランジスター271c及びトランジスター272cは、電源電圧V3が供給される電源電圧供給線と電源電圧V3よりも高い電源電圧V4が供給される電源電圧供給線との間に直列に接続されており、1つのトランジスター対を構成している。また、トランジスター271d及びトランジスター272dは、電源電圧V4が供給される電源電圧供給線と電源電圧V4よりも高い電源電圧V5が供給される電源電圧供給線との間に直列に接続されており、1つのトランジスター対を構成している。
4つのトランジスター対において、ハイサイドのトランジスター271a、271b、271c、271dは、ゲート端子がローレベルのときにオンし、ハイレベルのときにオフするトランジスターであり、例えば、Pチャネル型の電界効果トランジスターである。また、ローサイドのトランジスター272a、272b、272c、272dは、ゲート端子がハイレベルのときにオンし、ローレベルのときにオフするトランジスターであり、例えば、Nチャネル型の電界効果トランジスターである。
トランジスター271a,272aからなるトランジスター対において、ハイサイドのトランジスター271aのソース端子には電源電圧V2が印加され、ローサイドのトランジスター272aのソース端子には電源電圧V1が印加され、トランジスター271aのドレイン端子とトランジスター272aのドレイン端子とがダイオードdpを介して接続されている。トランジスター271a,272aの各ゲート端子には、ゲートドライバー255aから出力される制御信号Gt1a,Gt2aがそれぞれ供給される。そして、ダイオードdpのカソード端子ととトランジスター272aのドレイン端子との接続ノードが、トランジスター271a,272aからなるトランジスター対の出力端となる。
同様に、トランジスター271b,272bからなるトランジスター対において、ハイサイドのトランジスター271bのソース端子には電源電圧V3が印加され、ローサイドのトランジスター272bのソース端子には電源電圧V2が印加され、トランジスター271bのドレイン端子とトランジスター272bのドレイン端子とがダイオードdpおよびダイオードdnを介して接続されている。トランジスター271b,272bの各ゲート端子には、ゲートドライバー255bから出力される制御信号Gt1b,Gt2bがそれぞれ供給される。そして、ダイオードdpのカソード端子とダイオードdnのアノード端子との接続ノードが、トランジスター271b,272bからなるトランジスター対の出力端となる。
同様に、トランジスター271c,272cからなるトランジスター対において、ハイサイドのトランジスター271cのソース端子には電源電圧V4が印加され、ローサイドのトランジスター272cのソース端子には電源電圧V3が印加され、トランジスター271cのドレイン端子とトランジスター272cのドレイン端子とがダイオードdpおよびダイオードdnを介して接続されている。トランジスター271c,272cの各ゲート端子には、ゲートドライバー255cから出力される制御信号Gt1c,Gt2cがそれぞれ供給される。そして、ダイオードdpのカソード端子とダイオードdnのアノード端子との接続ノードが、トランジスター271c,272cからなるトランジスター対の出力端となる。
同様に、トランジスター271d,272dからなるトランジスター対において、ハイサイドのトランジスター271dのソース端子には電源電圧V5が印加され、ローサイドのトランジスター272dのソース端子には電源電圧V4が印加され、トランジスター271dのドレイン端子とトランジスター272dのドレイン端子とがダイオードdnを介して接続されている。トランジスター271d,272dの各ゲート端子には、ゲートドライバー255dから出力される制御信号Gt1d,Gt2dがそれぞれ供給される。そして、トランジスター271dのドレイン端子とダイオードdnのアノード端子との接続ノードが、トランジスター271d,272dからなるトランジスター対の出力端となる。
トランジスター271a,272aからなるトランジスター対の出力端、トランジスター271b,272bからなるトランジスター対の出力端、トランジスター271c,272cからなるトランジスター対の出力端及びトランジスター271d,272dからなるトランジスター対の出力端は互いに接続されており、この接続ノードが駆動回路50の出力ノードN1となり、出力ノードN1から出力される信号が駆動信号COMA(COMB)となる。
ダイオードdpは、出力ノードN1からトランジスター271a,271b,271cを介して電源電圧V2,V3,V4の各供給線へと流れる電流(逆流)を防止するためのダイオードであり、その順方向は、トランジスター271a,271b,271cの各ドレイン端子から出力ノードN1に向かう方向である。また、ダイオードdnは、電源電圧V2,V3,V4の各供給線からトランジスター272b,272c,272dを介して出力ノードN1へと流れる電流(逆流)を防止するためのダイオードであり、その順方向は、出力ノードN1からトランジスター272b,272c,272dの各ドレイン端子に向かう方向である。なお、出力ノードN1の電圧(駆動信号COMA(COMB)の電圧)は電源電圧V5よりも高くならないので、出力ノードN1から電源電圧V5の供給線へと流れる電流(逆流)は発生しない。そのため、トランジスター271dに対してダイオードdpは設けられていない。同様に、出力ノードN1の電圧(駆動信号COMA(COMB)の電圧)は電源電圧V1よりも低くならないので、電源電圧V1の供給線から出力ノードN1へと流れる電流(逆流)は発生しない。そのため、トランジスター272aに対してダイオードdnは設けられていない。
リニア増幅器280は、自己の出力信号であるリニア増幅信号LAOが帰還されたリニア増幅帰還信号LAO_FBに基づいて、元駆動信号ain(bin)の電圧を所定倍数で増幅して出力する。本実施形態では、リニア増幅器280は、増幅制御回路257、増幅回路258及び帰還回路259を含む。
増幅制御回路257は、元駆動信号ain(bin)の電圧とリニア増幅帰還信号LAO_FBの電圧とを比較し、比較結果に基づく増幅制御信号CTLAを出力する。増幅回路258は、増幅制御回路257が出力する増幅制御信号CTLAに基づいて、内部のトランジスター(不図示)の動作が制御され、電源電圧V1から電源電圧V5までの範囲の電圧となるリニア増幅信号LAOを出力する。このリニア増幅信号LAOがリニア増幅器280の出力信号となる。帰還回路259は、増幅回路258が出力するリニア増幅信号LAOの電圧を一定の比率(減衰率α)で減衰させたリニア増幅帰還信号LAO_FBを出力する。
このように構成されたリニア増幅器280では、元駆動信号ain(bin)の電圧とリニア増幅帰還信号LAO_FBの電圧とが一致するように帰還がかかり、リニア増幅信号LAOは、元駆動信号ain(bin)の電圧がα倍に増幅された信号となる。
スイッチ260は、リニア増幅器280の出力端(増幅回路258の出力端)と出力ノードN1との間に接続され、制御信号OEax(OEbx)がハイレベルであればオンし、制御信号OEax(OEbx)がローレベルであればオフする。なお、前述の通り、ゲートドライバー制御回路254は、制御信号OEax(OEbx)がハイレベルであれば、制御信号Gt1としてハイレベルを選択し、制御信号Gt2としてローレベルを選択し、その結果、トランジスター271a〜271d,272a〜272dはいずれもオフする。従って、制御信号OEax(OEbx)がハイレベルとなる期間において、4つのトランジスター対のスイッチング動作が停止するとともに、スイッチ260がオンすることにより、リニア増幅器280から出力されるリニア増幅信号LAOの電圧が出力ノードN1に印加され、出力ノードN1の電圧は強制的にリニア増幅信号LAOの電圧と一致するようになる。
次に、駆動回路50の動作について説明する。以下では、駆動信号COMAを出力する駆動回路50a−1〜50a−6の動作について説明するが、駆動信号COMBを出力する駆動回路50b−1〜50b−6の動作についても同様である。
図13は、駆動回路50(50a−1〜50a−6)の動作を説明するための図である。図13に示されるように、周期Taの期間T1において、最初の期間P1では、制御信号OEa(制御信号OEax)がハイレベルであり、制御信号OCaがハイレベルである。そのため、制御信号Gt1はハイレベルとなり、制御信号Gt2はローレベルとなる。また、駆動データdAに応じた駆動信号COMAの電圧が第3範囲にあるため、選択信号S3がハイレベルとなり、選択信号S1,S2,S4はローレベルとなる。選択信号S1,S2,S4がローレベルであるため、制御信号Gt1a,Gt1b,Gt1dはハイレベルとなり、制御信号Gt2a,Gt2b,Gt2dはローレベルとなって、トランジスター271a,271b,271d,272a,272b,272dはいずれもオフする。一方、選択信号S3がハイレベルであるため、制御信号Gt1cの論理レベルは制御信号Gt1の論理レベル(ハイレベル)と一致し、制御信号Gt2cの論理レベルは制御信号Gt2の論理レベル(ローレベル)と一致するので、トランジスター271c,272cもオフする。このとき、制御信号OEa(制御信号OEax)がハイレベルであるから、スイッチ260がオンして、駆動データdAに応じた電圧のリニア増幅信号LAOが出力ノードN1に供給される。これにより、駆動信号COMAの電圧が一定電圧Vcとなる。
期間P1に続く期間P2では、制御信号OEa(制御信号OEax)がローレベルであり、制御信号OCaがハイレベルである。このとき、駆動データdAに基づき元駆動信号ainの電圧が低下し、帰還信号ain2の電圧よりも低くなるため、コンパレーター252の出力信号がハイレベルとなる。制御信号OCaがハイレベルであるから、制御信号Gt1はハイレベルとなり、制御信号Gt2の論理レベルはコンパレーター252の出力信号の論理レベル(ハイレベル)と一致する。また、駆動信号COMAの電圧が第3範囲にあるため、制御信号Gt1a,Gt1b,Gt1dはハイレベルとなり、制御信号Gt2a,Gt2b,Gt2dはローレベルとなって、トランジスター271a,271b,271d,272a,272b,272dはいずれもオフする。一方、選択信号S3がハイレベルであるため、制御信号Gt1cの論理レベルは制御信号Gt1の論理レベル(ハイレベル)と一致し、制御信号Gt2cの論理レベルは制御信号Gt2の論理レベル(ハイレベル)と一致するので、トランジスター271cがオフするとともに、トランジスター272cがオンする。これにより、コンデンサーC0に蓄えられている電荷の一部が電源電圧V3の供給線へと放電され、駆動信号COMAの電圧が低下する。
駆動信号COMAの電圧が低下すると、帰還信号ain2の電圧も低下し、元駆動信号ainの電圧よりも低くなるため、コンパレーター252の出力信号がローレベルとなる。そのため、制御信号Gt2がローレベルとなり、制御信号Gt2aもローレベルとなって、トランジスター272cがオフする。これにより、コンデンサーC0からの放電が停止し、駆動信号COMAの電圧の低下が停止する。
駆動信号COMAの電圧の低下が停止している状態で、駆動データdAに基づき元駆動信号ainの電圧が低下し、帰還信号ain2の電圧よりも低くなるため、コンパレーター252の出力信号が再びハイレベルとなる。これにより、トランジスター272cが再びオンし、コンデンサーC0からの放電が再開して駆動信号COMAの電圧が低下する。このように、駆動データdAに基づいて、トランジスター272cのオン/オフ(スイッチング動作)が繰り返されながら、駆動信号COMAの電圧が低下していく。
そして、駆動信号COMAの電圧が第2範囲に入るまで低下すると、選択信号S2がハイレベルとなり、選択信号S1,S3,S4がローレベルとなる。選択信号S1,S3,S4がローレベルであるため、制御信号Gt1a,Gt1c,Gt1dはハイレベルとなり、制御信号Gt2a,Gt2c,Gt2dはローレベルとなって、トランジスター271a,271c,271d,272a,272c,272dはいずれもオフする。一方、選択信号S2がハイレベルであるため、制御信号Gt1bの論理レベルは制御信号Gt1の論理レベル(ハイレベル)と一致し、制御信号Gt2bの論理レベルは制御信号Gt2の論理レベル(ローレベル又はハイレベル)と一致するので、トランジスター271bはオフし、トランジスター272bはオン/オフ(スイッチング動作)を繰り返す。これにより、コンデンサーC0に蓄えられている電荷の一部が電源電圧V2の供給線へと放電され、駆動信号COMAの電圧は、第2範囲に入った後も低下していく。
さらに、駆動信号COMAの電圧が第1範囲に入るまで低下すると、選択信号S1がハイレベルとなり、選択信号S2,S3,S4がローレベルとなる。選択信号S2,S3,S4がローレベルであるため、制御信号Gt1b,Gt1c,Gt1dはハイレベルとなり、制御信号Gt2b,Gt2c,Gt2dはローレベルとなって、トランジスター271b,271c,271d,272b,272c,272dはいずれもオフする。一方、選択信号S1がハイレベルであるため、制御信号Gt1aの論理レベルは制御信号Gt1の論理レベル(ハイレベル)と一致し、制御信号Gt2aの論理レベルは制御信号Gt2の論理レベル(ローレベル又はハイレベル)と一致するので、トランジスター271aはオフし、トランジスター272aはオン/オフ(スイッチング動作)を繰り返す。これにより、コンデンサーC0に蓄えられている電荷の一部が電源電圧V1の供給線へと放電され、駆動信号COMAの電圧は、第1範囲に入った後も低下していく。
期間P2に続く期間P3では、制御信号OEa(制御信号OEax)がハイレベルであり、制御信号OCaがハイレベルである。そのため、制御信号Gt1はハイレベルとなり、制御信号Gt2はローレベルとなる。また、駆動信号COMAの電圧が第1範囲にあるため、選択信号S1がハイレベルとなり、選択信号S2,S3,S4はローレベルとなる。選択信号S2,S3,S4がローレベルであるため、制御信号Gt1b,Gt1c,Gt1dはハイレベルとなり、制御信号Gt2b,Gt2c,Gt2dはローレベルとなって、トランジスター271b,271c,271d,272b,272c,272dはいずれもオフする。一方、選択信号S1がハイレベルであるため、制御信号Gt1aの論理レベルは制御信号Gt1の論理レベル(ハイレベル)と一致し、制御信号Gt2aの論理レベルは制御信号Gt2の論理レベル(ローレベル)と一致するので、トランジスター271a,272aもオフする。このとき、制御信号OEa(制御信号OEax)がハイレベルであるから、スイッチ260がオンして、駆動データdAに応じた電圧のリニア増幅信号LAOが出力ノードN1に供給される。これにより、駆動信号COMAの電圧が一定電圧となる。
期間P3に続く期間P4では、制御信号OEa(制御信号OEax)がローレベルであり、制御信号OCaがローレベルである。このとき、駆動データdAに基づき元駆動信号ainの電圧が上昇し、帰還信号ain2の電圧よりも高くなるため、コンパレーター252の出力信号がローレベルとなる。制御信号OCaがローレベルであるから、制御信号Gt2はローレベルとなり、制御信号Gt1の論理レベルはコンパレーター252の出力信号の論理レベル(ローレベル)と一致する。また、駆動信号COMAの電圧が第1範囲にあるため、制御信号Gt1b,Gt1c,Gt1dはハイレベルとなり、制御信号Gt2b,Gt2c,Gt2dはローレベルとなって、トランジスター271b,271c,271d,272b,272c,272dはいずれもオフする。一方、選択信号S1がハイレベルであるため、制御信号Gt1aの論理レベルは制御信号Gt1の論理レベル(ローレベル)と一致し、制御信号Gt2aの論理レベルは制御信号Gt2の論理レベル(ローレベル)と一致するので、トランジスター271aがオンするとともに、トランジスター272aがオフする。これにより、電源電圧V2の供給線からコンデンサーC0へと電荷が充電され、駆動信号COMAの電圧が上昇する。
駆動信号COMAの電圧が上昇すると、帰還信号ain2の電圧も上昇し、元駆動信号ainの電圧よりも高くなるため、コンパレーター252の出力信号がハイレベルとなる。そのため、制御信号Gt1がハイレベルとなり、制御信号Gt1aもハイレベルとなって、トランジスター271aがオフする。これにより、コンデンサーC0への充電が停止し、駆動信号COMAの電圧の上昇が停止する。
駆動信号COMAの電圧の上昇が停止している状態で、駆動データdAに基づき元駆動信号ainの電圧が上昇し、帰還信号ain2の電圧よりも高くなるため、コンパレーター252の出力信号が再びローレベルとなる。これにより、トランジスター271aが再びオンし、コンデンサーC0への充電が再開して駆動信号COMAの電圧が上昇する。このように、駆動データdAに基づいて、トランジスター271aのオン/オフ(スイッチング動作)が繰り返されながら、駆動信号COMAの電圧が上昇していく。
そして、駆動信号COMAの電圧が第2範囲に入るまで上昇すると、選択信号S2がハイレベルとなり、選択信号S1,S3,S4がローレベルとなる。選択信号S1,S3,S4がローレベルであるため、制御信号Gt1a,Gt1c,Gt1dはハイレベルとなり、制御信号Gt2a,Gt2c,Gt2dはローレベルとなって、トランジスター271a,271c,271d,272a,272c,272dはいずれもオフする。一方、選択信号S2がハイレベルであるため、制御信号Gt1bの論理レベルは制御信号Gt1の論理レベル(ローレベル又はハイレベル)と一致し、制御信号Gt2bの論理レベルは制御信号Gt2の論理レベル(ローレベル)と一致するので、トランジスター272bはオフし、トランジスター271bはオン/オフ(スイッチング動作)を繰り返す。これにより、電源電圧V3の供給線からコンデンサーC0へと電荷が充電され、駆動信号COMAの電圧は、第2範囲に入った後も上昇していく。
さらに、駆動信号COMAの電圧が第3範囲に入るまで上昇すると、選択信号S3がハイレベルとなり、選択信号S1,S2,S4がローレベルとなる。選択信号S1,S2,S4がローレベルであるため、制御信号Gt1a,Gt1b,Gt1dはハイレベルとなり、制御信号Gt2a,Gt2b,Gt2dはローレベルとなって、トランジスター271a,271b,271d,272a,272b,272dはいずれもオフする。一方、選択信号S3がハイレベルであるため、制御信号Gt1cの論理レベルは制御信号Gt1の論理レベル(ローレベル又はハイレベル)と一致し、制御信号Gt2cの論理レベルは制御信号Gt2の論理レベル(ローレベル)と一致するので、トランジスター272cはオフし、トランジスター271cはオン/オフ(スイッチング動作)を繰り返す。これにより、電源電圧V4の供給線からコンデンサーC0へと電荷が充電され、駆動信号COMAの電圧は、第3範囲に入った後も上昇していく。
さらに、駆動信号COMAの電圧が第4範囲に入るまで上昇すると、選択信号S4がハイレベルとなり、選択信号S1,S2,S3がローレベルとなる。選択信号S1,S2,S3がローレベルであるため、制御信号Gt1a,Gt1b,Gt1cはハイレベルとなり、制御信号Gt2a,Gt2b,Gt2cはローレベルとなって、トランジスター271a,271b,271c,272a,272b,272cはいずれもオフする。一方、選択信号S4がハイレベルであるため、制御信号Gt1dの論理レベルは制御信号Gt1の論理レベル(ローレベル又はハイレベル)と一致し、制御信号Gt2dの論理レベルは制御信号Gt2の論理レベル(ローレベル)と一致するので、トランジスター272dはオフし、トランジスター271dはオン/オフ(スイッチング動作)を繰り返す。これにより、電源電圧V5の供給線からコンデンサーC0へと電荷が充電され、駆動信号COMAの電圧は、第4範囲に入った後も上昇していく。
期間P4に続く期間P5では、制御信号OEa(制御信号OEax)がハイレベルであり、制御信号OCaがハイレベルである。そのため、制御信号Gt1はハイレベルとなり、制御信号Gt2はローレベルとなる。また、駆動信号COMAの電圧が第4範囲にあるため、選択信号S4がハイレベルとなり、選択信号S1,S2,S3はローレベルとなる。選択信号S1,S2,S3がローレベルであるため、制御信号Gt1a,Gt1b,Gt1cはハイレベルとなり、制御信号Gt2a,Gt2b,Gt2cはローレベルとなって、トランジスター271a,271b,271c,272a,272b,272cはいずれもオフする。一方、選択信号S4がハイレベルであるため、制御信号Gt1dの論理レベルは制御信号Gt1の論理レベル(ハイレベル)と一致し、制御信号Gt2dの論理レベルは制御信号Gt2の論理レベル(ローレベル)と一致するので、トランジスター271d,272dもオフする。このとき、制御信号OEa(制御信号OEax)がハイレベルであるから、スイッチ260がオンして、駆動データdAに応じた電圧のリニア増幅信号LAOが出力ノードN1に供給される。これにより、駆動信号COMAの電圧が一定電圧となる。
期間P5に続く期間P6では、制御信号OEa(制御信号OEax)がローレベルであり、制御信号OCaがハイレベルである。このとき、駆動データdAに基づき元駆動信号ainの電圧が低下し、帰還信号ain2の電圧よりも低くなるため、コンパレーター252の出力信号がハイレベルとなる。制御信号OCaがハイレベルであるから、制御信号Gt1はハイレベルとなり、制御信号Gt2の論理レベルはコンパレーター252の出力信号の論理レベル(ハイレベル)と一致する。また、駆動信号COMAの電圧が第4範囲にあるため、制御信号Gt1a,Gt1b,Gt1cはハイレベルとなり、制御信号Gt2a,Gt2b,Gt2cはローレベルとなって、トランジスター271a,271b,271c,272a,272b,272cはいずれもオフする。一方、選択信号S4がハイレベルであるため、制御信号Gt1dの論理レベルは制御信号Gt1の論理レベル(ハイレベル)と一致し、制御信号Gt2dの論理レベルは制御信号Gt2の論理レベル(ハイレベル)と一致するので、トランジスター271dがオフするとともに、トランジスター272dがオンする。これにより、コンデンサーC0に蓄えられている電荷の一部が電源電圧V4の供給線へと放電され、駆動信号COMAの電圧が低下する。
駆動信号COMAの電圧が低下すると、帰還信号ain2の電圧も低下し、元駆動信号ainの電圧よりも低くなるため、コンパレーター252の出力信号がローレベルとなる。そのため、制御信号Gt2がローレベルとなり、制御信号Gt2aもローレベルとなって、トランジスター272dがオフする。これにより、コンデンサーC0からの放電が停止し、駆動信号COMAの電圧の低下が停止する。
駆動信号COMAの電圧の低下が停止している状態で、駆動データdAに基づき元駆動信号ainの電圧が低下し、帰還信号ain2の電圧よりも低くなるため、コンパレーター252の出力信号が再びハイレベルとなる。これにより、トランジスター272dが再びオンし、コンデンサーC0からの放電が再開して駆動信号COMAの電圧が低下する。このように、駆動データdAに基づいて、トランジスター272dのオン/オフ(スイッチング動作)が繰り返されながら、駆動信号COMAの電圧が低下していく。
そして、駆動信号COMAの電圧が第3範囲に入るまで低下すると、選択信号S3がハイレベルとなり、選択信号S1,S2,S4がローレベルとなる。選択信号S1,S2,S4がローレベルであるため、制御信号Gt1a,Gt1b,Gt1dはハイレベルとなり、制御信号Gt2a,Gt2b,Gt2dはローレベルとなって、トランジスター271a,271b,271d,272a,272b,272dはいずれもオフする。一方、選択信号S3がハイレベルであるため、制御信号Gt1cの論理レベルは制御信号Gt1の論理レベル(ハイレベル)と一致し、制御信号Gt2cの論理レベルは制御信号Gt2の論理レベル(ローレベル又はハイレベル)と一致するので、トランジスター271cはオフし、トランジスター272cはオン/オフ(スイッチング動作)を繰り返す。これにより、コンデンサーC0に蓄えられている電荷の一部が電源電圧V3の供給線へと放電され、駆動信号COMAの電圧は、第3範囲に入った後も低下していく。
期間P6に続く期間P7では、制御信号OEa(制御信号OEax)がハイレベルであり、制御信号OCaがハイレベルである。そのため、制御信号Gt1はハイレベルとなり、制御信号Gt2はローレベルとなる。また、駆動信号COMAの電圧が第3範囲にあるため、選択信号S3がハイレベルとなり、選択信号S1,S2,S4はローレベルとなる。選択信号S1,S2,S4がローレベルであるため、制御信号Gt1a,Gt1b,Gt1dはハイレベルとなり、制御信号Gt2a,Gt2b,Gt2dはローレベルとなって、トランジスター271a,271b,271d,272a,272b,272dはいずれもオフする。一方、選択信号S3がハイレベルであるため、制御信号Gt1cの論理レベルは制御信号Gt1の論理レベル(ハイレベル)と一致し、制御信号Gt2cの論理レベルは制御信号Gt2の論理レベル(ローレベル)と一致するので、トランジスター271c,272cもオフする。このとき、制御信号OEa(制御信号OEax)がハイレベルであるから、スイッチ260がオンして、駆動データdAに応じた電圧のリニア増幅信号LAOが出力ノードN1に供給される。これにより、駆動信号COMAの電圧が一定電圧Vcとなる。
そして、期間P7の途中で期間T1から期間T2へと移行し、期間T2の期間P8〜期間P13における駆動回路50の動作は、期間T1の期間P2〜期間P7と同様である。
このように、本実施形態の駆動回路50では、制御信号OEa(制御信号OEb)がローレベルのときは、駆動データdA(dB)に応じたトランジスター271a〜271d,272a〜272dのスイッチング動作により、コンデンサーC0の充放電が行われて駆動信号COMA(COMB)の電圧が上昇又は低下する。このとき、スイッチング動作するトランジスターは、トランジスター271a,272aからなるトランジスター対、トランジスター271b,272bからなるトランジスター対、トランジスター271c,272cからなるトランジスター対、トランジスター271d,272dからなるトランジスター対のうちのいずれか1つにおけるハイサイド側またはローサイド側トランジスターのいずれかであり、他のトランジスターはオフしている。そして、4つのトランジスター対の各両端に印加される電圧は、ダイオードdpおよびダイオードdnの電圧降下を無視すると、それぞれV5−V4,V4−V3,V3−V2,V2−V1(いずれも10.5V)であるから、1つのトランジスター対がV5−V1(42V)でスイッチング動作する構成と比較して、スイッチング時の電流が大幅に低減される。さらに、制御信号OEa(制御信号OEb)がハイレベルのときは、4つのトランジスター対がすべてオフする。以上のように、本実施形態の駆動回路50によれば、4つのトランジスター対に流れる電流が低減されるので、低消費電力化を図ることができる。
また、制御信号OEa(制御信号OEb)がハイレベルのときは、出力ノードN1の電圧は、強制的に、元駆動信号ain(bin)の電圧がリニア増幅器280によって増幅された電圧となる。従って、駆動信号COMA(COMB)の電圧が一定に保持される期間では、トランジスター271a〜271d,272a〜272dのスイッチング動作により生じる高周波ノイズが駆動信号COMA(COMB)に重畳されず、駆動信号COMA(COMB)の精度が向上する。
図12に示されるように、本実施形態では、各駆動回路50(50a−1〜50a−6,50b−1〜50b−6)において、その一部を構成する、D/A変換回路251、コンパレーター252、タイミング信号生成回路253、ゲートドライバー制御回路254、ゲートドライバー255a,255b,255c,255d、セレクター256及び増幅制御回路257は、集積回路装置300(集積回路)に集積されている。これに対して、各駆動回路50の他の一部を構成する、スイッチ260、トランジスター271a〜271d,272a〜272d、増幅回路258、帰還回路259、コンデンサーC0及び抵抗素子R1,R2,R3,R4は、集積回路装置300に集積されずに、制御基板100に搭載(実装)されている。
リニア増幅器280の一部を構成する増幅回路258が集積回路装置300に集積されていないのは、電源電圧V1から電源電圧V5までの範囲の一定電圧であるリニア増幅信号LAOを出力するため、内蔵するトランジスターに最大V5−V1の電圧が印加されるため、集積回路装置300に集積するためには高耐圧の製造プロセスが必要となり、コストの増加を招くからである。ただし、高耐圧の製造プロセスが採用されて、増幅回路258が集積回路装置300に集積されてもよい。
また、リニア増幅器280の一部を構成する帰還回路259が集積回路装置300に集積されていないのは、仮に、帰還回路259が集積回路装置300に集積されると、製造ばらつきに起因して、集積回路装置300のチップ毎に帰還回路259の減衰率がばらつくため、集積回路装置300の内部に減衰率を微調整する回路を追加する必要が生じるため、集積回路装置300のコストが増加するからである。ただし、帰還回路259が集積回路装置300に集積されてもよい。
さらに、本実施形態では、1つの駆動回路ユニットを構成する4つの駆動回路50a−1,50b−1,50a−2,50b−2の各一部が1つの集積回路装置300に含まれ、他の1つの駆動回路ユニットを構成する4つの駆動回路50a−3,50b−3,50a−4,50b−4の各一部が他の1つの集積回路装置300に含まれ、他の1つの駆動回路ユニットを構成する4つの駆動回路50a−5,50b−5,50a−6,50b−6の各一部が他の1つの集積回路装置300に含まれている。すなわち、本実施形態の液体吐出装置1は、制御基板100に同じ構成の3つの集積回路装置300が搭載(実装)されている。
7.集積回路装置の端子配置及びレイアウト
次に、集積回路装置300の端子配置及びレイアウトについて説明する。図14は、制御基板100に実装された集積回路装置300を示す図であり、制御基板100及び集積回路装置300を、集積回路装置300の搭載面側から平面視した図である。また、図15は、図14に示される集積回路装置300の半導体基板上のレイアウトの一部を簡略化して示す図である。なお、図14では、制御基板100に搭載される3つの集積回路装置300のうち、4つの駆動回路50a−1,50b−1,50a−2,50b−2の各一部が含まれる集積回路装置300のみが図示されている。また、図15では、4つの駆動回路50a−1,50b−1,50a−2,50b−2の各一部のうち、駆動回路50a−1,50b−1の各一部のみが図示されている。
次に、集積回路装置300の端子配置及びレイアウトについて説明する。図14は、制御基板100に実装された集積回路装置300を示す図であり、制御基板100及び集積回路装置300を、集積回路装置300の搭載面側から平面視した図である。また、図15は、図14に示される集積回路装置300の半導体基板上のレイアウトの一部を簡略化して示す図である。なお、図14では、制御基板100に搭載される3つの集積回路装置300のうち、4つの駆動回路50a−1,50b−1,50a−2,50b−2の各一部が含まれる集積回路装置300のみが図示されている。また、図15では、4つの駆動回路50a−1,50b−1,50a−2,50b−2の各一部のうち、駆動回路50a−1,50b−1の各一部のみが図示されている。
図14に示されるように、集積回路装置300はその平面視において矩形状であり、駆動回路50a−1(「第1駆動回路」の一例)の一部に対応する駆動回路ブロック311(「第1駆動回路ブロック」の一例)、駆動回路50b−1(「第2駆動回路」の一例)の一部に対応する駆動回路ブロック312(「第2駆動回路ブロック」の一例)、駆動回路50a−2(「第3駆動回路」の一例)の一部に対応する駆動回路ブロック313(「第3駆動回路ブロック」の一例)及び駆動回路50b−2(「第4駆動回路」の一例)の一部に対応する駆動回路ブロック314(「第4駆動回路ブロック」の一例)が、半導体基板301(図15参照)上に配置されている。具体的には、駆動回路ブロック311は、駆動回路ブロック312及び駆動回路ブロック314と隣り合って配置され、駆動回路ブロック312は、駆動回路ブロック311及び駆動回路ブロック313と隣り合って配置され、駆動回路ブロック313は、駆動回路ブロック312及び駆動回路ブロック314と隣り合って配置され、駆動回路ブロック314は、駆動回路ブロック311及び駆動回路ブロック313と隣り合って配置されている。
より詳細には、駆動回路ブロック311は、集積回路装置300の半導体基板301(図15参照)が4等分された4つの領域のうち、集積回路装置300の第1辺300aと、第1辺300aと交差する第2辺300bとに沿う領域に配置されている。駆動回路ブロック312は、集積回路装置300の第1辺300aと、第1辺300aと交差する第3辺300cとに沿う領域に配置されている。駆動回路ブロック313は、集積回路装置300の第3辺300cと、第3辺300cと交差する第4辺300dとに沿う領域に配置されている。駆動回路ブロック314は、集積回路装置300の第2辺300bと第4辺300dとに沿う領域に配置されている。換言すれば、4つの駆動回路ブロック311,312,313,314が2行2列のマトリックス状に配置されており、駆動回路ブロック311と駆動回路ブロック313とが対角位置にあり、駆動回路ブロック312と駆動回路ブロック314とが対角位置にある。
そして、集積回路装置300の動作方法としては、駆動回路ブロック311が、第1ノズル列650a及び第2ノズル列650b(図2参照)に対応して設けられる各吐出部600(「第1吐出部」の一例)が有する圧電素子60(「第1容量性負荷」の一例)を駆動するための駆動信号COMA(「第1駆動信号」の一例)の波形を制御する制御信号Gt1a〜Gt1d,Gt2a〜Gt2d(「第1制御信号」の一例)を生成する。また、駆動回路ブロック312が、第1ノズル列650a及び第2ノズル列650b(図2参照)に対応して設けられる各吐出部600が有する圧電素子60を駆動するための駆動信号COMB(「第2駆動信号」の一例)の波形を制御する制御信号Gt1a〜Gt1d,Gt2a〜Gt2d(「第2制御信号」の一例)を生成する。また、駆動回路ブロック313が、第3ノズル列650c及び第4ノズル列650d(図2参照)に対応して設けられる各吐出部600(「第2吐出部」の一例)が有する圧電素子60(「第2容量性負荷」の一例)を駆動するための駆動信号COMA(「第3駆動信号」の一例)の波形を制御する制御信号Gt1a〜Gt1d,Gt2a〜Gt2d(「第3制御信号」の一例)を生成する。駆動回路ブロック314が、第3ノズル列650c及び第4ノズル列650d(図2参照)に対応して設けられる各吐出部600が有する圧電素子60を駆動するための駆動信号COMB(「第4駆動信号」の一例)の波形を制御する制御信号Gt1a〜Gt1d,Gt2a〜Gt2d(「第4制御信号」の一例)を生成する。
ここで、駆動信号COMAの最大振幅は台形波形Adp1(あるいは台形波形Adp2)(図6参照)の最大電圧と最小電圧との差であり、駆動信号COMBの最大振幅は台形波形Bdp2(図6参照)の最大電圧と最小電圧との差であるから、駆動信号COMAの最大振幅は、駆動信号COMBの最大振幅よりも大きい。逆に言えば、駆動信号COMBの最大振幅は、駆動信号COMAの最大振幅よりも小さい。そのため、駆動回路ブロック311,313がそれぞれ生成する制御信号Gt1a〜Gt1d,Gt2a〜Gt2dの論理レベルが反転する頻度は、駆動回路ブロック312,314がそれぞれ生成する制御信号Gt1a〜Gt1d,Gt2a〜Gt2dの論理レベルが反転する頻度よりも高くなる。従って、駆動回路ブロック311において消費される電力は、駆動回路ブロック312,314において消費される電力よりも大きく、駆動回路ブロック313において消費される電力は、駆動回路ブロック312,314において消費される電力よりも大きい。従って、駆動回路ブロック311の発熱量は駆動回路ブロック312,314の発熱量よりも大きく、駆動回路ブロック313の発熱量は駆動回路ブロック312,314の発熱量よりも大きい。これに対して、本実施形態では、前述の通り、相対的に発熱量が大きい駆動回路ブロック311と駆動回路ブロック313とが隣り合わない対角位置にあり、相対的に発熱量が小さい駆動回路ブロック312と駆動回路ブロック314とが隣り合わない対角位置にあるので、集積回路装置300の内部において、発生した熱が分散され、温度分布の偏りが低減される。その結果、温度分布の偏りが大きくなることにより駆動回路ブロック311〜314の一部の動作が不安定になる可能性が低減され、駆動回路50a−1,50a−2から出力される駆動信号COMAや駆動回路50b−1,50b−2から出力される駆動信号COMBの歪みが低減される。
集積回路装置300の第1辺300aには、駆動回路ブロック311と対向する位置に、駆動回路ブロック311と電気的に接続される複数の外部接続端子351〜363から成る外部接続端子群Pa1xが設けられ、駆動回路ブロック312と対向する位置に、駆動回路ブロック312と電気的に接続される複数の外部接続端子から成る外部接続端子群Pb1xが設けられている。集積回路装置300の第2辺300bには、駆動回路ブロック311と対向する位置に、駆動回路ブロック311と電気的に接続される複数の外部接続端子365〜377から成る外部接続端子群Pa1yが設けられ、駆動回路ブロック314と対向する位置に、駆動回路ブロック314と電気的に接続される複数の外部接続端子から成る外部接続端子群Pb2yが設けられている。集積回路装置300の第3辺300cには、駆動回路ブロック312と対向する位置に、駆動回路ブロック312と電気的に接続される複数の外部接続端子から成る外部接続端子群Pb1yが設けられ、駆動回路ブロック313と対向する位置に、駆動回路ブロック313と電気的に接続される複数の外部接続端子から成る外部接続端子群Pa2yが設けられている。集積回路装置300の第4辺300dには、駆動回路ブロック313と対向する位置に、駆動回路ブロック313と電気的に接続される複数の外部接続端子から成る外部接続端子群Pa2xが設けられ、駆動回路ブロック314と対向する位置に、駆動回路ブロック314と電気的に接続される複数の外部接続端子から成る外部接続端子群Pb2xが設けられている。
制御基板100には、外部接続端子群Pa1xと対向する位置に複数の電極401〜413から成る電極群Ea1xが設けられており、電極群Ea1xに含まれる複数の電極401〜413は、外部接続端子群Pa1xに含まれる複数の外部接続端子351〜363とそれぞれ接続されている。同様に、外部接続端子群Pa1y,Pb1x,Pb1y,Pa2x,Pa2y,Pb2x,Pb2yとそれぞれ対向する位置に電極群Ea1y,Eb1x,Eb1y,Ea2x,Ea2y,Eb2x,Eb2yが設けられている。
図15に示されるように、駆動回路ブロック311は、D/A変換回路251、コンパレーター252、タイミング信号生成回路253、リニア増幅器280の一部である増幅制御回路257、ゲートドライバー制御回路254、ゲートドライバー255a,255b,255c,255d及びセレクター256を含み、これらは半導体基板301に形成されている。
半導体基板301は矩形状であり、その第1辺301a、第2辺301b、第3辺301c及び第4辺301dは、それぞれ、集積回路装置300の第1辺300a、第2辺300b、第3辺300c及び第4辺300dと対向している。なお、図15では、半導体基板301の第4辺301dは図示されていない。
半導体基板301には、外部接続端子群Pa1xに含まれる複数の外部接続端子351〜363の各々とワイヤーボンディング等によって接続されるパッド321〜333が形成されている。パッド321〜333の各々と半導体基板301の第1辺301a(集積回路装置300の第1辺300a)との最短距離は、パッド321〜333の各々と半導体基板301の第2辺301b(集積回路装置300の第2辺300b)との最短距離よりも短い。すなわち、パッド321〜333は、半導体基板301の第1辺301a(集積回路装置300の第1辺300a)に沿って形成されている。より詳細には、半導体基板301の第1辺301aに沿って、第2辺301bに近い側からパッド321〜333がこの順に配置されている。パッド321,324,327,330,333は、それぞれ電源電圧V1,V2,V3,V4,V5が供給されるパッドである。また、パッド322,325,328,331は、それぞれ制御信号Gt2a,Gt2b,Gt2c,Gt2dを出力するパッドであり、パッド323,326,329,332は、それぞれ制御信号Gt1a,Gt1b,Gt1c,Gt1dを出力するパッドである。
また、半導体基板301には、外部接続端子群Pa1yに含まれる複数の外部接続端子365〜377の各々とワイヤーボンディング等によって接続されるパッド335〜347が形成されている。パッド335〜347の各々と半導体基板301の第2辺301b(集積回路装置300の第2辺300b)との最短距離は、パッド335〜347の各々と半導体基板301の第1辺301a(集積回路装置300の第1辺300a)との最短距離よりも短い。すなわち、パッド335〜347は、半導体基板301の第2辺301b(集積回路装置300の第2辺300b)に沿って形成されている。より詳細には、半導体基板301の第2辺301bに沿って、第1辺301aに近い側からパッド335〜347がこの順に配置されている。パッド335は、リニア増幅器280の一部である増幅制御回路257が出力する増幅制御信号CTLAを出力するパッドである。また、パッド338,339,340は、それぞれリニア増幅帰還信号LAO_FB、帰還信号ain3、帰還信号ain2が入力されるパッドである。また、パッド341〜345は、それぞれ駆動データdAの各ビットが入力されるパッドである。また、パッド346,347は、それぞれ制御信号OEa,OCaが入力されるパッドである。また、パッド336,337は、例えば、アナログ回路の電源電圧等が入力されるパッドである。
駆動回路ブロック311に含まれるゲートドライバー255a,255b,255c,255dは、半導体基板301の第1辺301aに沿って、第2辺301bに近い側からこの順に配置されている。また、駆動回路ブロック311に含まれるセレクター256は、ゲートドライバー255a,255b,255c,255dよりも第1辺301aから遠い場所に配置されている。また、駆動回路ブロック311に含まれるD/A変換回路251、コンパレーター252、タイミング信号生成回路253及び増幅制御回路257等の低電圧で動作するアナログブロックは、セレクター256よりも第1辺301aから遠い場所に配置されている。すなわち、セレクター256は、ゲートドライバー255a,255b,255c,255dとアナログブロックとの間に設けられている。また、駆動回路ブロック311に含まれるゲートドライバー制御回路254等で構成されるロジックブロックは、アナログブロックよりも第1辺301aから遠い場所に配置されている。
ここで、リニア増幅帰還信号LAO_FB、帰還信号ain3及び帰還信号ain2に着目したとき、帰還信号ain2は、コンパレーター252による比較の基準となる信号であるため、高電圧かつ高周波でスイッチング動作を行うゲートドライバー255a〜255dが発生するノイズに対して最も敏感な(ノイズに最も弱い)信号である。逆に、リニア増幅帰還信号LAO_FBは、駆動信号COMAが一定電圧となる期間に必要な信号であるが、その期間はゲートドライバー255a〜255dがスイッチング動作を行わないため、ノイズの影響を受けにくい。
そこで、本実施形態では、図15に示されるように、制御信号Gt2aを出力するパッド322と帰還信号ain2が入力されるパッド340との最短距離d1はパッド322とリニア増幅帰還信号LAO_FBが入力されるパッド338との最短距離d3よりも長くなっている。また、制御信号Gt2aを出力するパッド322と帰還信号ain2が入力されるパッド340との最短距離d1はパッド322と帰還信号ain3が入力されるパッド339との最短距離d2よりも長くなっている。さらに、制御信号Gt2aを出力するパッド322と帰還信号ain3が入力されるパッド339との最短距離d2はパッド322とリニア増幅帰還信号LAO_FBが入力されるパッド338との最短距離d3よりも長くなっている。
すなわち、リニア増幅帰還信号LAO_FBが入力されるパッド338、帰還信号ain3が入力されるパッド339及び帰還信号ain2が入力されるパッド340に着目したとき、パッド322から遠い順に、パッド340、パッド339、パッド338が配置されている。この配置順は、制御信号Gt1a〜Gt1d,Gt2b〜Gt2dをそれぞれ出力するパッド323,326,329,332,325,328,331に対しても同じである。このように、ノイズに最も敏感な帰還信号ain2が入力されるパッド340が、高電圧かつ高周波の信号である制御信号Gt1a〜Gt1d,Gt2a〜Gt2dを出力するパッドのいずれに対しても(すなわち、高電圧かつ高周波で動作するゲートドライバー255a〜255dのいずれに対しても)、最も遠い場所に配置されており、帰還信号ain2に対する高電圧かつ高周波のノイズの影響が低減されるようになっている。なお、パッド338,339,340のうち、ゲートドライバー255a〜255dが発生するノイズの影響を受けにくいリニア増幅帰還信号LAO_FBが入力されるパッド338が、ゲートドライバー255a〜255dに最も近い場所に配置されていることで、パッド340をゲートドライバー255a〜255dから離すことに貢献している。
このようなレイアウトにすることで、ノイズに敏感な帰還信号ain2に対するゲートドライバー255a〜255dが発生させる高電圧かつ高周波のノイズの影響が低減され、駆動回路50a−1が出力する駆動信号COMAの駆動波形の歪みが低減される。
さらに、ノイズに敏感な帰還信号ain2に対する高周波ノイズの影響を低減させるためには、帰還信号ain2が伝搬する配線はできるだけ短い方が望ましい。逆に、高周波ノイズの影響を受けにくいリニア増幅帰還信号LAO_FBが伝搬する配線は相対的に長くてもよい。そこで、図15に示されるように、本実施形態では、帰還信号ain2が入力されるパッド340とコンパレーター252との最短距離d4は、帰還信号ain3が入力されるパッド339とタイミング信号生成回路253との最短距離d5よりも短い。また、帰還信号ain3が入力されるパッド339とタイミング信号生成回路253との最短距離d5は、リニア増幅帰還信号LAO_FBが入力されるパッド338とリニア増幅器280の一部である増幅制御回路257との最短距離d6よりも短い。
すなわち、コンパレーター252、タイミング信号生成回路253及び増幅制御回路257に着目したとき、パッド338,339,340が配置されている半導体基板301の第2辺301bから近い順に、コンパレーター252、タイミング信号生成回路253及び増幅制御回路257が配置されている。そのため、パッド340とコンパレーター252とを接続する配線391、パッド339とタイミング信号生成回路253とを接続する配線392及びパッド338と増幅制御回路257とを接続する配線393のうち、ノイズに最も敏感な帰還信号ain2が伝搬する配線391が最も短くなっている。逆に、高周波ノイズの影響を受けにくいリニア増幅帰還信号LAO_FBが伝搬する配線393が最も長くなっている。このようなレイアウトにより、ノイズに最も敏感な帰還信号ain2に対する周辺回路からのノイズの影響を低減させるとともに、集積回路装置300の小型化を実現することができる。
また、本実施形態では、図15に示されるように、集積回路装置300において、アナログブロック(D/A変換回路251、コンパレーター252、タイミング信号生成回路253、増幅制御回路257等)は、4つのトランジスター対のスイッチング動作を制御する制御信号Gt1a〜Gt1d,Gt2a〜Gt2dを生成するため、アナログブロックに対するゲートドライバー255a,255b,255c,255dからのノイズの影響が大きいと駆動信号COMAの精度が低下する可能性がある。これに対して、セレクター256は、ゲートドライバー255a,255b,255c,255dをそれぞれ動作可能にする期間を選択するため、セレクター256に対するノイズが駆動信号COMAの精度に与える影響は相対的に小さい。そこで、本実施形態では、高電圧かつ高周波で動作するゲートドライバー255a,255b,255c,255dと低電圧で動作するアナログブロック(D/A変換回路251、コンパレーター252、タイミング信号生成回路253、増幅制御回路257等)との間にセレクター256が設けられており、ゲートドライバー255a,255b,255c,255dが発生させる高電圧かつ高周波のノイズのアナログブロックへの伝搬が低減されている。
なお、本実施形態では、パッド321〜333がそれぞれ接続される外部接続端子351〜363の各々と集積回路装置300の第1辺300aとの最短距離は、外部接続端子351〜363の各々と集積回路装置300の第2辺300bとの最短距離よりも短い。同様に、パッド335〜347がそれぞれ接続される外部接続端子365〜377の各々と集積回路装置300の第2辺300bとの最短距離は、外部接続端子365〜377の各々と集積回路装置300の第1辺300aとの最短距離よりも短い。また、制御基板100は、集積回路装置300が実装された場合に、外部接続端子351〜363がそれぞれ接続される電極401〜413の各々と集積回路装置300の第1辺300aとの最短距離が、電極401〜413の各々と集積回路装置300の第2辺300bとの最短距離よりも短い。同様に、制御基板100は、集積回路装置300が実装された場合に、外部接続端子365〜377がそれぞれ接続される電極415〜427の各々と集積回路装置300の第2辺300bとの最短距離が、電極415〜427の各々と集積回路装置300の第1辺300aとの最短距離よりも短い。
また、集積回路装置300において、外部接続端子群Pa1xに含まれる外部接続端子351〜363は、第2辺300bに近い側からこの順に並んでおり、外部接続端子群Pa1yに含まれる外部接続端子365〜377は、第1辺300aに近い側からこの順に並んでいる。従って、パッド322,323,325,326,328,329,331,332がそれぞれ接続される外部接続端子352,353,355,356,358,359,361,362とパッド340が接続される外部接続端子370との最短距離は、外部接続端子352,353,355,356,358,359,361,362とパッド338が接続される外部接続端子368との最短距離よりも長い。また、外部接続端子352,353,355,356,358,359,361,362と外部接続端子370との最短距離は、外部接続端子352,353,355,356,358,359,361,362とパッド339が接続される外部接続端子369との最短距離よりも長い。さらに、外部接続端子352,353,355,356,358,359,361,362と外部接続端子369との最短距離は、外部接続端子352,353,355,356,358,359,361,362と外部接続端子368との最短距離よりも長い。
また、制御基板100において、外部接続端子352,353,355,356,358,359,361,362がそれぞれ接続される電極402,403,405,406,408,409,411,412と外部接続端子370が接続される電極420との最短距離は、電極402,403,405,406,408,409,411,412と外部接続端子368が接続される電極418との最短距離よりも長い。また、電極402,403,405,406,408,409,411,412と電極420との最短距離は、電極402,403,405,406,408,409,411,412と外部接続端子369が接続される電極419との最短距離よりも長い。さらに、電極402,403,405,406,408,409,411,412と電極419との最短距離は、電極402,403,405,406,408,409,411,412と電極418との最短距離よりも長い。
このように、本実施形態では、集積回路装置300の外部接続端子の配置や制御基板100に形成される電極の配置が集積回路装置300のパッドの配置と同様であるため、制御基板100においてノイズに敏感な帰還信号ain2が伝搬する配線と高電圧かつ高周波の制御信号Gt1a〜Gt1d,Gt2a〜Gt2dが伝搬する配線とを離すことが容易であり、帰還信号ain2に対するノイズの影響が低減され、駆動回路50a−1が出力する駆動信号COMAの駆動波形の歪みが低減される。
なお、図15に示されるように、駆動回路ブロック311と駆動回路ブロック312とは左右対称(半導体基板301の第1辺301aの中点と第4辺301dの中点とを結ぶ線分に対して線対称)に配置されており、駆動回路ブロック311と接続される各パッドと、駆動回路ブロック312と接続される各パッドとは左右対称に配置されている。また、図15では、図示が省略されているが、駆動回路ブロック311と駆動回路ブロック314とは上下対称(半導体基板301の第2辺301bの中点と第3辺301cの中点とを結ぶ線分に対して線対称)に配置されており、駆動回路ブロック311と接続される各パッドと、駆動回路ブロック314と接続される各パッドとは上下対称に配置されている。同様に、図示が省略されているが、駆動回路ブロック312と駆動回路ブロック313とは上下対称(駆動回路ブロック314と駆動回路ブロック313とは左右対称)に配置されており、駆動回路ブロック312と接続される各パッドと、駆動回路ブロック313と接続される各パッドとは上下対称(駆動回路ブロック314と接続される各パッドと、駆動回路ブロック313と接続される各パッドとは左右対称)に配置されている。従って、駆動回路50a−2が出力する駆動信号COMAの駆動波形の歪みや駆動回路50b−1,50b−2がそれぞれ出力する駆動信号COMBの駆動波形の歪みも同様に低減される。なお、集積回路装置300のテスト等に必要なパッドや外部接続端子が存在する場合があるが、その場合でも上述した、各パッドや外部接続端子の並び順、および最短距離の関係は保たれる。
8.作用効果
以上に説明したように、本実施形態に係る液体吐出装置1によれば、3つの集積回路装置300の各々において、相対的に発熱量の大きい2つの駆動回路ブロックが対角位置にあり、相対的に発熱量の小さい他の2つの駆動回路ブロックが対角位置にあるので、4つの駆動回路ブロックから発生した熱が分散されて温度分布の偏りが低減されるため、4つの駆動回路ブロックの動作が安定する。従って、本実施形態に係る液体吐出装置1によれば、駆動回路50a−1〜50a−6,50b−1〜50b−6が歪みの少ない駆動波形を有する駆動信号COMA,COMBを生成することができるので、各吐出部600からの液体の吐出精度を向上させることができる。
以上に説明したように、本実施形態に係る液体吐出装置1によれば、3つの集積回路装置300の各々において、相対的に発熱量の大きい2つの駆動回路ブロックが対角位置にあり、相対的に発熱量の小さい他の2つの駆動回路ブロックが対角位置にあるので、4つの駆動回路ブロックから発生した熱が分散されて温度分布の偏りが低減されるため、4つの駆動回路ブロックの動作が安定する。従って、本実施形態に係る液体吐出装置1によれば、駆動回路50a−1〜50a−6,50b−1〜50b−6が歪みの少ない駆動波形を有する駆動信号COMA,COMBを生成することができるので、各吐出部600からの液体の吐出精度を向上させることができる。
さらに、本実施形態に係る液体吐出装置1によれば、3つの集積回路装置300の各々が4つの駆動回路ブロックを搭載しているので、1つ又は2つの駆動回路ブロックが別々の集積回路装置に搭載される場合と比較して必要な集積回路装置の数が減るため、駆動回路50a−1〜50a−6,50b−1〜50b−6の総配置面積の削減や低コスト化が可能である。
また、本実施形態に係る液体吐出装置1によれば、各集積回路装置300において、ノイズに敏感な信号(帰還信号ain2,ain3等)や低電圧で動作するアナログブロックに対する、高電圧かつ高周波で動作する回路(ゲートドライバー255a〜255d等)からのノイズの影響が低減される。さらに、制御基板100において、ノイズに敏感な信号(帰還信号ain2,ain3等)に対する高電圧かつ高周波の信号(制御信号Gt1a〜Gt1d,Gt2a〜Gt2d等)に基づくノイズの影響が低減される。従って、本実施形態に係る液体吐出装置1によれば、駆動回路50a−1〜50a−6,50b−1〜50b−6が歪みの少ない駆動波形を有する駆動信号COMA,COMBを生成することができるので、各吐出部600からの液体の吐出精度を向上させることができる。
9.変形例
上記の実施形態では、駆動回路50a−1〜50a−6,50b−1〜50b−6は、制御基板100に設けられているが、ヘッド基板101に設けられていてもよいし、制御基板100及びヘッド基板101とは異なる基板(中継基板)に設けられていてもよい。
上記の実施形態では、駆動回路50a−1〜50a−6,50b−1〜50b−6は、制御基板100に設けられているが、ヘッド基板101に設けられていてもよいし、制御基板100及びヘッド基板101とは異なる基板(中継基板)に設けられていてもよい。
また、上記の実施形態では、駆動回路50a−1〜50a−6は同じ波形の駆動信号COMAを生成しているが、駆動回路50a−1〜50a−6の少なくとも1つが生成する駆動信号COMAの波形と駆動回路50a−1〜50a−6の他の少なくとも1つが生成する駆動信号COMAの波形とが異なってもよい。同様に、上記の実施形態では、駆動回路50b−1〜50b−6は、同じ波形の駆動信号COMBを生成しているが、駆動回路50b−1〜50b−6の少なくとも1つが生成する駆動信号COMBの波形と駆動回路50b−1〜50b−6の他の少なくとも1つが生成する駆動信号COMBの波形とが異なってもよい。例えば、第1ノズル列650a及び第2ノズル列650b(図2参照)に対応して設けられる各吐出部600が吐出するインクの色と第3ノズル列650c及び第4ノズル列650d(図2参照)に対応して設けられる各吐出部600が吐出するインクの色とが異なる場合、色毎のインクの粘度の違いに応じて、駆動回路50a−1が生成する駆動信号COMAの波形と駆動回路50a−2が生成する駆動信号COMAの波形とが異なり、駆動回路50b−1が生成する駆動信号COMBの波形と駆動回路50b−2が生成する駆動信号COMBの波形とが異なってもよい。
また、上記の実施形態では、駆動回路が12個(駆動回路50a−1〜50a−6,50b−1〜50b−6)であり、集積回路装置300が3個であり、1つの集積回路装置300に含まれる駆動回路が4個であるが、これらの数は、上記の実施形態で例示したものに限られない。
また、上記の実施形態では、駆動回路50a−1〜50a−6,50b−1〜50b−6の各々において、最大の電源電圧V5と最小の電源電圧V1との間を第1範囲〜第4範囲に分割して4つのゲートドライバー255a〜255dを動作させているが、電源電圧を分割する範囲の数(ゲートドライバーの数)は4つに限られず、5つ以上であってもよい。
また、駆動回路50a−1〜50a−6,50b−1〜50b−6の構成は、上記の実施形態で例示したものに限られず、例えば、駆動データdA,dBを変調(例えば、パルス密度変調)してD級増幅することにより駆動信号COMA,COMBを生成する構成等、公知の種々の構成を適用可能である。
また、上記の実施形態では、各駆動回路は、容量性負荷である圧電素子60を駆動する駆動信号を生成する容量性負荷駆動回路であるが、本発明における駆動回路は、圧電素子以外の容量性負荷を駆動する容量性負荷駆動回路にも適用可能である。
また、上記の実施形態では、駆動回路が駆動素子としての圧電素子(容量性負荷)を駆動するピエゾ方式の液体吐出装置を例に挙げたが、本発明は、駆動回路が容量性負荷以外の駆動素子を駆動する液体吐出装置にも適用可能である。このような液体吐出装置としては、例えば、駆動回路が駆動素子としての発熱素子(例えば、抵抗)を駆動し、発熱素子が加熱されることにより発生するバブルを利用して液体(インク)を吐出するサーマル方式(バブル方式)の液体吐出装置等が挙げられる。
また、上記の実施形態では、液体吐出装置として、液体吐出ヘッドが移動して印刷媒体に印刷を行うシリアルスキャン型(シリアル印刷型)のインクジェットプリンターを例に挙げたが、本発明は、液体吐出ヘッドが移動せずに印刷媒体に印刷を行うラインヘッド型のインクジェットプリンターにも適用可能である。
また、上記の実施形態では、液体吐出装置としてプリンター(印刷装置)を例に挙げたが、本発明は、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材吐出装置、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料吐出装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物吐出装置、立体造形装置(いわゆる3Dプリンター)、捺染装置等の液体吐出装置にも適用可能である。
以上、本実施形態あるいは変形例について説明したが、本発明はこれら本実施形態あるいは変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例えば、上記の実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…液体吐出装置、2…本体、3…支持スタンド、4…供給部、6…排出部、7…操作部、8…インク貯留部、9…インクチューブ、20…ヘッドユニット、21…ヘッド、24…キャリッジ、32…キャリッジガイド軸、33…プラテン、35…キャッピング機構、50,50a−1〜50a−6,50b−1〜50b−6,…駆動回路、60…圧電素子、80…メンテナンス機構、100…制御基板、101…ヘッド基板、111…制御部、112…電源回路、113…制御信号送信部、115…制御信号受信部、120,120−1〜120−6…駆動信号選択回路、130…コネクター、140…コネクター、201…ケーブル、220…選択制御部、222…シフトレジスター、224…ラッチ回路、226…デコーダー、230…選択部、232a,232b…インバーター、234a,234b…トランスファーゲート、251…D/A変換回路、252…コンパレーター、253…タイミング信号生成回路、254…ゲートドライバー制御回路、255a〜255d…ゲートドライバー、256…セレクター、257…増幅制御回路、258…増幅回路、259…帰還回路、260…スイッチ、271a〜271d,272a〜272d…トランジスター、280…リニア増幅器、300…集積回路装置、300a…第1辺、300b…第2辺、300c…第3辺、300d…第4辺、301…半導体基板、301a…第1辺、301b…第2辺、301c…第3辺、301d…第4辺、311〜314…駆動回路ブロック、321〜333…パッド、335〜347…パッド、351〜353…外部接続端子、353〜377…外部接続端子、391〜393…配線、600…吐出部、601…圧電体、611,612…電極、621…振動板、631…キャビティー、632…ノズルプレート、641…リザーバー、650…ノズル列、650a〜650l…第1ノズル列〜第12ノズル列、651…ノズル、661…供給口、C0…コンデンサー、R1,R2,R3,R4…抵抗素子、Ea1x,Ea1y,Ea2x,Ea2y,Eb1x,Eb1y,Eb2x,Eb2y…電極群、Pa1x,Pa1y,Pa2x,Pa2y,Pb1x,Pb1y,Pb2x,Pb2y…外部接続端子群
Claims (10)
- 第1駆動回路ブロックと、第2駆動回路ブロックと、第3駆動回路ブロックと、第4駆動回路ブロックと、を備え、前記第1駆動回路ブロックは、前記第2駆動回路ブロック及び前記第4駆動回路ブロックと隣り合って配置され、前記第2駆動回路ブロックは、前記第1駆動回路ブロック及び前記第3駆動回路ブロックと隣り合って配置され、前記第3駆動回路ブロックは、前記第2駆動回路ブロック及び前記第4駆動回路ブロックと隣り合って配置されている、集積回路装置の動作方法であって、
前記第1駆動回路ブロックが、第1容量性負荷を駆動するための第1駆動信号の波形を制御する第1制御信号を生成し、
前記第2駆動回路ブロックが、前記第1容量性負荷を駆動するための前記第1駆動信号よりも最大振幅が小さい第2駆動信号の波形を制御する第2制御信号を生成し、
前記第3駆動回路ブロックが、第2容量性負荷を駆動するための第3駆動信号の波形を制御する第3制御信号を生成し、
前記第4駆動回路ブロックが、前記第2容量性負荷を駆動するための前記第3駆動信号よりも最大振幅が小さい第4駆動信号の波形を制御する第4制御信号を生成する、
ことを特徴とする、集積回路装置の動作方法。 - 前記第1駆動信号の最大振幅は、前記第4駆動信号の最大振幅よりも大きく、
前記第3駆動信号の最大振幅は、前記第2駆動信号の最大振幅よりも大きい、
ことを特徴とする、請求項1に記載の集積回路装置の動作方法。 - 前記第1駆動回路ブロックにおいて消費される電力は、前記第2駆動回路ブロックにおいて消費される電力よりも大きく、
前記第3駆動回路ブロックにおいて消費される電力は、前記第4駆動回路ブロックにおいて消費される電力よりも大きい、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の集積回路装置の動作方法。 - 第1容量性負荷を駆動するための第1駆動信号の波形を制御する第1制御信号を生成する第1駆動回路ブロックと、
前記第1容量性負荷を駆動するための前記第1駆動信号よりも最大振幅が小さい第2駆動信号の波形を制御する第2制御信号を生成する第2駆動回路ブロックと、
第2容量性負荷を駆動するための第3駆動信号の波形を制御する第3制御信号を生成する第3駆動回路ブロックと、
前記第2容量性負荷を駆動するための前記第3駆動信号よりも最大振幅が小さい第4駆動信号の波形を制御する第4制御信号を生成する第4駆動回路ブロックと、を備え、
前記第1駆動回路ブロックは、前記第2駆動回路ブロック及び前記第4駆動回路ブロックと隣り合って配置され、
前記第2駆動回路ブロックは、前記第1駆動回路ブロック及び前記第3駆動回路ブロックと隣り合って配置され、
前記第3駆動回路ブロックは、前記第2駆動回路ブロック及び前記第4駆動回路ブロックと隣り合って配置されている、
ことを特徴とする、集積回路装置。 - 前記第1駆動信号の最大振幅は、前記第4駆動信号の最大振幅よりも大きく、
前記第3駆動信号の最大振幅は、前記第2駆動信号の最大振幅よりも大きい、
ことを特徴とする、請求項4に記載の集積回路装置。 - 前記第1駆動回路ブロックにおいて消費される電力は、前記第2駆動回路ブロックにおいて消費される電力よりも大きく、
前記第3駆動回路ブロックにおいて消費される電力は、前記第4駆動回路ブロックにおいて消費される電力よりも大きい、
ことを特徴とする、請求項4又は5に記載の集積回路装置。 - 第1容量性負荷を駆動するための第1駆動信号を生成する第1駆動回路と、
前記第1容量性負荷を駆動するための前記第1駆動信号よりも最大振幅が小さい第2駆動信号を生成する第2駆動回路と、
第2容量性負荷を駆動するための第3駆動信号を生成する第3駆動回路と、
前記第2容量性負荷を駆動するための前記第3駆動信号よりも最大振幅が小さい第4駆動信号を生成する第4駆動回路と、を備え、
前記第1駆動回路の一部である第1駆動回路ブロック、前記第2駆動回路の一部である第2駆動回路ブロック、前記第3駆動回路の一部である第3駆動回路ブロック及び前記第4駆動回路の一部である第4駆動回路ブロックは、集積回路装置に集積され、
前記集積回路装置において、
前記第1駆動回路ブロックは、前記第2駆動回路ブロック及び前記第4駆動回路ブロックと隣り合って配置され、
前記第2駆動回路ブロックは、前記第1駆動回路ブロック及び前記第3駆動回路ブロックと隣り合って配置され、
前記第3駆動回路ブロックは、前記第2駆動回路ブロック及び前記第4駆動回路ブロックと隣り合って配置されている、
ことを特徴とする、駆動回路ユニット。 - 前記第1駆動信号の最大振幅は、前記第4駆動信号の最大振幅よりも大きく、
前記第3駆動信号の最大振幅は、前記第2駆動信号の最大振幅よりも大きい、
ことを特徴とする、請求項7に記載の駆動回路ユニット。 - 前記第1駆動回路ブロックにおいて消費される電力は、前記第2駆動回路ブロックにおいて消費される電力よりも大きく、
前記第3駆動回路ブロックにおいて消費される電力は、前記第4駆動回路ブロックにおいて消費される電力よりも大きい、
ことを特徴とする、請求項7又は8に記載の駆動回路ユニット。 - 請求項7乃至9のいずれか1項に記載の駆動回路ユニットと、
前記第1容量性負荷を含み、前記第1駆動信号又は前記第2駆動信号が選択されて前記第1容量性負荷に印加されることにより液体を吐出する第1吐出部と、
前記第2容量性負荷を含み、前記第3駆動信号又は前記第4駆動信号が選択されて前記第2容量性負荷に印加されることにより液体を吐出する第2吐出部と、を備えている、
ことを特徴とする、液体吐出装置。
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JP2017132515A JP2019014124A (ja) | 2017-07-06 | 2017-07-06 | 集積回路装置の動作方法、集積回路装置、駆動回路ユニット及び液体吐出装置 |
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JP2020189448A (ja) * | 2019-05-22 | 2020-11-26 | キヤノン株式会社 | 素子基板、液体吐出ヘッド、及び記録装置 |
JP7392466B2 (ja) | 2019-12-26 | 2023-12-06 | セイコーエプソン株式会社 | 液体吐出装置、駆動回路、及び集積回路 |
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2017
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