JP2019012184A - マスクブランク、転写用マスクの製造方法及び半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

マスクブランク、転写用マスクの製造方法及び半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】EB欠陥修正を行った場合に透光性基板の表面荒れの発生を抑制でき、遮光膜のパターンに自発性エッチングが発生することを抑制できる、マスクブランク、転写用マスクの製造方法、半導体デバイスの製造方法を提供する。【解決手段】透光性基板上に転写パターンを形成するための遮光膜を備え、遮光膜は、ケイ素と窒素とからなる材料、または半金属元素および非金属元素から選ばれる1以上の元素をさらに含む材料で形成され、遮光膜は、前記透光性基板の主表面に接して設けられ、ArFエキシマレーザーの露光光に対する光学濃度が2.5以上であり、遮光膜の透光性基板との界面の近傍領域と透光性基板とは反対側の表層領域を除いた内部領域におけるケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率が2.4以上4.0以下であり、内部領域は、ケイ素および窒素の合計含有量が97原子%以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、マスクブランク、そのマスクブランクを用いて製造された転写用マスクの製造方法に関するものである。また、本発明は、上記の転写用マスクを用いた半導体デバイスの製造方法に関するものである。
半導体デバイスの製造工程では、フォトリソグラフィー法を用いて微細パターンの形成が行われている。また、この微細パターンの形成には通常何枚もの転写用マスクが使用される。半導体デバイスのパターンを微細化するに当たっては、転写用マスクに形成されるマスクパターンの微細化に加え、フォトリソグラフィーで使用される露光光源の波長の短波長化が必要となる。近年、半導体装置を製造する際の露光光源にArFエキシマレーザー(波長193nm)が適用されることが増えてきている。
転写用マスクには、様々な種類があるが、その中でもバイナリマスクとハーフトーン型位相シフトマスクが広く用いられている。従来のバイナリマスクは、透光性基板上にクロム系材料からなる遮光膜パターンを備えたものが一般的であったが、近年、遷移金属シリサイド系材料で遮光膜が形成されたバイナリマスクが用いられ始めている。しかし、特許文献1に開示されている通り、遷移金属シリサイド系材料の遮光膜は、ArFエキシマレーザーの露光光(ArF露光光)に対する耐性(いわゆるArF耐光性)が低いということが近年判明している。特許文献1では、遷移金属シリサイドに炭素または水素を含有させた材料を遮光膜に適用することによってArF耐光性を高めることが行われている。
一方、特許文献2では、SiNxの位相シフト膜を備える位相シフトマスクが開示されている。特許文献3では、SiNxの位相シフト膜は高いArF耐光性を有することが確認されたことが記されている。他方、特許文献4には、遮光膜の黒欠陥部分に対して、二フッ化キセノン(XeF)ガスを供給しつつ、その部分に電子線を照射することで黒欠陥部分をエッチングして除去する欠陥修正技術(以下、このような電子線等の荷電粒子を照射して行う欠陥修正を単にEB欠陥修正という。)が開示されている。
国際公開2010/092899公報 特開平6−75361号公報 特開2014−137388号公報 特表2004−537758号公報
特許文献2や特許文献3に開示されているような遷移金属を含有しないケイ素と窒素を含有する材料(以下、SiN系材料という。)からなる位相シフト膜は、ArF耐光性が高いことが既に知られている。本発明者らは、バイナリマスクの遮光膜にこのSiN系材料を適用することを試みたところ、遮光膜のArF耐光性を高めることができた。しかし、SiN系材料の遮光膜のパターンに見つかった黒欠陥部分に対してEB欠陥修正を行ったところ、2つの大きな問題が生じることが判明した。
1つの大きな問題は、EB欠陥修正を行って遮光膜の黒欠陥部分を除去したときに、黒欠陥が存在していた領域の透光性基板の表面が大きく荒れてしまう(表面粗さが大幅に悪化する)ことであった。EB欠陥修正後のバイナリマスクにおける表面が荒れた領域は、ArF露光光を透過させる透光部になる領域である。透光部の基板の表面粗さが大幅に悪化するとArF露光光の透過率の低下や乱反射などが生じやすく、そのようなバイナリマスクは露光装置のマスクステージに設置して露光転写に使用するときに転写精度の大幅な低下を招く。
もう1つの大きな問題は、EB欠陥修正を行って遮光膜の黒欠陥部分を除去するときに、黒欠陥部分の周囲に存在する遮光膜パターンが側壁からエッチングされてしまうことであった(この現象を自発性エッチングという。)。自発性エッチングが発生した場合、遮光膜パターンがEB欠陥修正前の幅よりも大幅に細くなってしまうことが生じる。EB欠陥修正前の段階で幅が細い遮光膜パターンの場合、パターンの脱落や消失が発生する恐れもある。このような自発性エッチングが生じやすい遮光膜のパターンを備えるバイナリマスクは、露光装置のマスクステージに設置して露光転写に使用するときに、転写精度の大幅な低下を招く。
そこで、本発明は、従来の課題を解決するためになされたものであり、SiN系材料で形成された遮光膜の黒欠陥部分に対してEB欠陥修正を行った場合に、透光性基板の表面荒れの発生を抑制でき、かつ遮光膜のパターンに自発性エッチングが発生することを抑制できるマスクブランクを提供することを目的とする。また、本発明は、このマスクブランクを用いた転写用マスクの製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、この転写用マスクを用いた半導体デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
前記の課題を達成するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
透光性基板上に、転写パターンを形成するための遮光膜を備えたマスクブランクであって、
前記遮光膜は、ケイ素と窒素とからなる材料、または半金属元素および非金属元素から選ばれる1以上の元素とケイ素と窒素とからなる材料で形成され、
前記遮光膜は、前記透光性基板の主表面に接して設けられ、
前記遮光膜は、ArFエキシマレーザーの露光光に対する光学濃度が2.5以上であり、
前記遮光膜の前記透光性基板との界面の近傍領域と前記透光性基板とは反対側の表層領域を除いた内部領域におけるケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率が2.4以上4.0以下であり、
前記内部領域は、ケイ素および窒素の合計含有量が97原子%以上であることを特徴とするマスクブランク。
(構成2)
前記遮光膜の前記表層領域を除いた領域は、酸素含有量が3原子%以下であることを特徴とする構成1記載のマスクブランク。
(構成3)
前記表層領域は、前記遮光膜における前記透光性基板とは反対側の表面から前記透光性基板側に向かって5nmの深さまでの範囲にわたる領域であることを特徴とする構成1または2に記載のマスクブランク。
(構成4)
前記近傍領域は、前記透光性基板の界面から前記表層領域側に向かって5nmの深さまでの範囲にわたる領域であることを特徴とする構成1から3のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成5)
前記遮光膜は、ケイ素、窒素および非金属元素からなる材料で形成されていることを特徴とする構成1から4のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成6)
前記表層領域は、前記遮光膜の表層領域を除いた領域よりも酸素含有量が多いことを特徴とする構成1から5のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成7)
前記遮光膜は、ArFエキシマレーザーの露光光に対する消衰係数kが2.00以上2.40以下であることを特徴とする構成1から6のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成8)
前記遮光膜は、ArFエキシマレーザーの露光光に対する屈折率nが1.25以上1.55以下であることを特徴とする構成1から7のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成9)
構成1から8のいずれかに記載のマスクブランクを用いた転写用マスクの製造方法であって、ドライエッチングにより前記遮光膜に転写パターンを形成する工程を備えることを特徴とする転写用マスクの製造方法。
(構成10)
構成9記載の転写用マスクの製造方法により製造された転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を備えることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
本発明のマスクブランクは、SiN系材料で形成された遮光膜パターンの黒欠陥部分に対してEB欠陥修正を行った場合に、透光性基板の表面荒れの発生を抑制でき、かつ遮光膜パターンに自発性エッチングが発生することを抑制できる。
本発明の転写用マスクの製造方法は、その転写用マスクの製造途上で遮光膜パターンの黒欠陥部分に対してEB欠陥修正を行った場合においても、透光性基板の表面荒れの発生が抑制でき、かつ黒欠陥部分の近傍の遮光膜パターンに自発性エッチングが発生することを抑制できる。
このため、本発明の転写用マスクの製造方法で製造された転写用マスクは転写精度の高い転写用マスクとなる。
本発明の実施形態におけるマスクブランクの構成を示す断面図である。 本発明の実施形態における転写用マスクの製造工程を示す断面図である。
先ず、本発明の完成に至った経緯を述べる。
本発明者らは、SiN系材料で形成された遮光膜の黒欠陥部分に対してEB欠陥修正を行った場合に、透光性基板の表面荒れの発生が抑制され、かつ遮光膜のパターンに自発性エッチングが発生することが抑制された遮光膜の構成について鋭意研究を行った。まず、SiN系材料で形成された位相シフト膜のパターンに対してEB欠陥修正を行ったところ、修正レートが大幅に遅いという問題はあったが、自発性エッチングに係る実質的な問題は生じなかった。
EB欠陥修正で用いられるXeFガスは、ケイ素系材料に対して等方性エッチングを行うときの非励起状態のエッチングガスとして知られている。そのエッチングは、ケイ素系材料への非励起状態のXeFガスの表面吸着、XeとFに分離、ケイ素の高次フッ化物の生成、揮発というプロセスで行われる。ケイ素系材料の薄膜パターンに対するEB欠陥修正では、薄膜パターンの黒欠陥部分に対してXeFガス等の非励起状態のフッ素系ガスを供給し、黒欠陥部分の表面にそのフッ素系ガスを吸着させてから、黒欠陥部分に対して電子線を照射する。これにより、黒欠陥部分のケイ素は励起してフッ素との結合が促進され、電子線を照射しない場合よりも大幅に速くケイ素の高次フッ化物となって揮発する。黒欠陥部分の周囲の薄膜パターンにフッ素系ガスが吸着しないようにすることは困難であるため、EB欠陥修正時に黒欠陥部分の周囲の薄膜パターンもエッチングはされる。窒素と結合しているケイ素をエッチングする場合、XeFガスのフッ素がケイ素と結合してケイ素の高次フッ化物を生成するには、ケイ素と窒素の結合を断ち切る必要がある。電子線が照射された黒欠陥部分は、ケイ素が励起されるため、窒素との結合を断ち切ってフッ素と結合して揮発しやすくなる。一方、他の元素と未結合のケイ素は、フッ素と結合しやすい状態といえる。このため、他の元素と未結合のケイ素は、電子線の照射を受けず励起していない状態のものや、黒欠陥部分の周辺の遮光膜パターンであって電子線の照射の影響をわずかに受けた程度のものでも、フッ素と結合して揮発しやすい傾向がある。これが自発性エッチングの発生メカニズムと推測される。
ケイ素膜は、ArF露光光に対する屈折率nが大幅に小さく、消衰係数kが大きいため、位相シフト膜の材料には適さない。位相シフト膜の材料には、SiN系材料のうち、窒素を多く含有させて屈折率nを大きくし、消衰係数kを小さくしたSiN系材料が適している。このようなSiN系材料で形成された位相シフト膜は、膜中のケイ素が窒素と結合している比率が高く、他の元素と未結合のケイ素の比率は大幅に低いといえる。このため、このようなSiN系材料で形成された位相シフト膜は、EB欠陥修正時に自発性エッチングの問題が実質的に生じなかったと考えられる。一方、バイナリマスクの遮光膜は、ArF露光光に対する高い遮光性能、すなわち所定以上の光学濃度(OD:Optical Density)を有しつつ、厚さが薄いことが求められる。このため、遮光膜の材料は消衰係数kが大きい材料が求められる。これらの事情から、遮光膜に用いられるSiN系材料は、位相シフト膜に用いられるSiN系材料に比べて窒素含有量が大幅に少ない。そして、SiN系材料の遮光膜は、膜中のケイ素が窒素と結合している比率が低く、他の元素と未結合のケイ素の比率は高いといえる。このため、SiN系材料の遮光膜は、EB欠陥修正時に自発性エッチングの問題が生じやすくなっていると考えられる。
次に、本発明者らは、遮光膜を形成するSiN系材料の窒素含有量を増やすことを検討した。位相シフト膜のSiN系材料のように窒素含有量を大幅に増やすと、消衰係数kが大幅に小さくなり、遮光膜の厚さが大幅に厚くなる必要が生じ、EB欠陥修正時の修正レートが低下する。これらのことを考慮し、窒素含有量をある程度増やしたSiN系材料の遮光膜を透光性基板上に形成し、EB欠陥修正を試みた。その結果、その遮光膜は、黒欠陥部分の修正レートが十分に大きく、かつ自発性エッチングの発生を抑制することができていたが、修正後の透光性基板の表面に顕著な荒れが発生していた。遮光膜の黒欠陥部分の修正レートが十分に大きいということは、透光性基板との間でのエッチング選択性が十分に高くなっており、透光性基板の表面を顕著に荒らすようなことは生じないはずであった。
本発明者らは、さらに鋭意研究を行った結果、SiN系材料の遮光膜中は、窒素含有量が比較的少ないことから、窒化していないケイ素と窒化しているケイ素の大きく分けて2つの窒化状態のケイ素が混在した状態になっていること、さらに、このようなSiN系材料の遮光膜において、窒化しているケイ素がある程度以上存在し、かつ窒化しているケイ素の分布のばらつきが大きいと、EB欠陥修正時における透光性基板の表面の荒れが顕著となることを突き止めた。
これらのことから、本発明者らは以下の仮説を立てた。すなわち、窒化しているケイ素がある程度以上存在し、かつ窒化しているケイ素の分布のばらつきが大きい遮光膜の黒欠陥部分に対し、上方から電子線を照射してEB欠陥修正を行うと、窒化しているケイ素の分布のばらつきによって修正レートに差が生じる。これによって、平面視において黒欠陥部分の膜厚方向の除去量に大きな差が生じる。このような平面視での除去量の差が膜厚方向の各所で生じた状態でEB欠陥修正を継続すると、電子線が照射される黒欠陥部分において、EB欠陥修正が透光性基板まで早期に到達して透光性基板の表面が露出している領域と、EB欠陥修正が透光性基板まで到達せずに黒欠陥部分がまだ透光性基板の表面上に残っている領域が生じてしまう。そして、この黒欠陥部分が残っている領域にだけ電子線を照射することは技術的に困難であるため、黒欠陥部分が残っている領域を除去するEB欠陥修正を継続している間、透光性基板の表面が露出している領域も電子線の照射を受け続ける。EB欠陥修正に対して透光性基板は全くエッチングされないわけではないので、EB欠陥修正が完了するまでに透光性基板の表面が荒らされてしまう。
SiN系材料の位相シフト膜は、窒素含有量がかなり多く、窒化していないケイ素はほとんど存在しない。よって、位相シフト膜中における窒化しているケイ素の分布は比較的均一でまばらになりにくい。一方、遮光膜は、ArF露光光に対する所定以上の光学濃度を薄い膜厚で確保することが求められる。このため、SiN系材料の遮光膜の窒素含有量は、SiN系材料の位相シフト膜の窒素含有量よりも大分少ない。EB欠陥修正を行ったときに自発性エッチングが発生するような窒素含有量が大幅に少ないSiN系材料の遮光膜の場合、窒化しているケイ素の存在比率は非常に少なくなっている。この場合、遮光膜中の窒化しているケイ素の分布のばらつきが大きくはなっているが、窒化しているケイ素の存在比率自体が非常に少ないため、EB欠陥修正を行っても透光性基板の表面の荒れの問題は発生しにくい。これに対し、SiN系材料の遮光膜の窒素含有量を自発性エッチングが発生しにくいように多くした場合、窒化しているケイ素に比べて窒化していないケイ素の存在比率の方が多い状態ではあるが、窒化しているケイ素の存在比率は比較的多くなる。このような場合、遮光膜中の窒化しているケイ素の分布のばらつきが大きくなりやすく、窒化していないケイ素と窒化しているケイ素の分布のばらつきによって修正レートに差が生じやすくなるため、EB欠陥修正を行ったときに透光性基板の表面の荒れの問題は発生しやすくなる。
この仮説を基に鋭意研究を行った結果、遮光膜を形成するSiN系材料において、ケイ素と窒素の含有量の比率を一定値以上とすれば、その遮光膜の黒欠陥部分に対してEB欠陥修正を行ったときに、黒欠陥部分が存在していた領域の透光性基板の表面荒れが、転写用マスクとして用いられるときの露光転写時に実質的な影響がない程度に低減させることができることを突き止めた。SiN系材料の遮光膜は、大気中に露出する側の表層領域(透光性基板とは反対側の表層領域)の酸化が避けられない。しかし、この表層の酸化は平面視でほぼ均等に進むものであり、酸化したケイ素は、窒化したケイ素に比べ、結合を断ち切ってフッ素と結合させるのに多くのエネルギーが必要になる。これらのことから、この酸化した表層領域の平面視したときの窒化したケイ素との分布の不均一性が、EB欠陥修正時の平面視での除去量の不均一に与える影響は小さい。さらに、透光性基板との界面の近傍領域については、この近傍領域と表層領域とを除いた内部領域と同様に構成されることが推定されるものの、ラザフォード後方散乱分析(RBS:Rutherford Back−Scattering Spectrometry)やX線光電子分光分析(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)のような組成分析を行っても、透光性基板の組成の影響を不可避的に受けてしまうため、組成や結合の存在数についての数値の特定が困難である。また、仮にこの近傍領域で窒化したケイ素の分布が不均一であったとしても、遮光膜の全体膜厚に対する比率が小さいため、その影響は小さい。よって、遮光膜の透光性基板との界面の近傍領域と透光性基板とは反対側の表層領域を除いた内部領域におけるケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率が2.4以上であれば、EB欠陥修正に係る透光性基板の表面荒れを大幅に抑制することができるといえる。
さらに、遮光膜の内部領域におけるケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率が4.0以下であれば、遮光膜の内部領域中に窒化したケイ素が一定比率以上存在することになり、その遮光膜の黒欠陥部分に対してEB欠陥修正を行ったときに、黒欠陥部分の周囲の遮光膜のパターン側壁に自発性エッチングが生じることを大幅に抑制することができることも突き止めた。
本発明は、以上の鋭意検討の結果、完成されたものである。
次に、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るマスクブランク100の構成を示す断面図である。
図1に示すマスクブランク100は、透光性基板1上に、遮光膜2およびハードマスク膜3がこの順に積層された構造を有する。
[[透光性基板]]
透光性基板1は、ケイ素と酸素を含有する材料からなり、合成石英ガラス、石英ガラス、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、低熱膨張ガラス(SiO−TiOガラス等)などのガラス材料で形成することができる。これらの中でも、合成石英ガラスは、ArF露光光に対する透過率が高く、マスクブランクの透光性基板を形成する材料として特に好ましい。
[[遮光膜]]
遮光膜2は、窒化ケイ素系材料で形成された単層膜である。本発明における窒化ケイ素系材料は、ケイ素と窒素とからなる材料、または半金属元素および非金属元素から選ばれる1以上の元素とケイ素と窒素とからなる材料である。また、単層膜とすることにより、製造工程数が少なくなって生産効率が高くなるとともに欠陥を含む製造時の品質管理が容易になる。また、遮光膜2は、窒化ケイ素系材料で形成されるため、ArF耐光性が高い。
遮光膜2は、ケイ素に加え、いずれの半金属元素を含有してもよい。この半金属元素の中でも、ホウ素、ゲルマニウム、アンチモン及びテルルから選ばれる1以上の元素を含有させると、スパッタリングターゲットとして用いるケイ素の導電性を高めることが期待できるため、好ましい。
また、遮光膜2は、窒素に加え、いずれの非金属元素を含有してもよい。本発明における非金属元素は、狭義の非金属元素(窒素、炭素、酸素、リン、硫黄、セレン、水素)、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)および貴ガスを含むものをいう。この非金属元素の中でも、炭素、フッ素及び水素から選ばれる1以上の元素を含有させると好ましい。遮光膜2は、後述の表層領域23を除き、酸素の含有量を3原子%以下とすることが好ましく、積極的に酸素を含有させることをしない(X線光電子分光分析等による組成分析を行ったときに検出下限値以下。)ことがさらに好ましい。遮光膜2の酸素含有量が多いと、EB欠陥修正を行ったときの修正レートが大幅に遅くなる。
貴ガスは、反応性スパッタリングで遮光膜2を成膜する際に成膜室内に存在することによって成膜速度を大きくし、生産性を向上させることができる元素である。この貴ガスがプラズマ化し、ターゲットに衝突することでターゲットからターゲット構成元素が飛び出し、途中、反応性ガスを取りこみつつ、透光性基板1上に遮光膜2が形成される。このターゲット構成元素がターゲットから飛び出し、透光性基板1に付着するまでの間に成膜室中の貴ガスがわずかに取り込まれる。この反応性スパッタリングで必要とされる貴ガスとして好ましいものとしては、アルゴン、クリプトン、キセノンが挙げられる。また、遮光膜2の応力を緩和するために、原子量の小さいヘリウム、ネオンを遮光膜2に積極的に取りこませてもよい。
遮光膜2は、ケイ素、窒素および非金属元素からなる材料で形成されることが好ましい。貴ガスは、上記のように、反応性スパッタリングで遮光膜2を成膜する際にわずかに取り込まれる。しかしながら、貴ガスは、遮光膜2に対してラザフォード後方散乱分析(RBS:Rutherford Back−Scattering Spectrometry)やX線光電子分光分析(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)のような組成分析を行っても検出することが容易ではない元素である。このため、上記のケイ素と窒素とからなる材料には、貴ガスを含有する材料も包含しているとみなすことができる。
遮光膜2の内部は、透光性基板1側から基板近傍領域(近傍領域)21、内部領域22および表層領域23の順に3つの領域に分けられる。基板近傍領域21は、遮光膜2と透光性基板1との界面から透光性基板1とは反対側の表面側(すなわち、表層領域23側)に向かって5nmの深さ(より好ましくは4nmの深さであり、さらに好ましくは3nmの深さ)までの範囲にわたる領域である。この基板近傍領域21に対してX線光電子分光分析を行った場合、その下に存在する透光性基板1の影響を受けやすく、取得された基板近傍領域21のSi2pナロースペクトルにおける光電子強度の最大ピークの精度が低い。
表層領域23は、透光性基板1とは反対側の表面から透光性基板1側に向かって5nmの深さ(より好ましくは4nmの深さであり、さらに好ましくは3nmの深さ)までの範囲にわたる領域である。表層領域23は、遮光膜2の表面から取り込まれた酸素を含んだ領域であるため、膜の厚さ方向で酸素含有量が組成傾斜した構造(透光性基板1から遠ざかっていくに従って膜中の酸素含有量が増加していく組成傾斜を有する構造。)を有している。すなわち、表層領域23は、内部領域22に比べて酸素含有量が多い。このため、この酸化した表層領域23のEB欠陥修正時の平面視での除去量の不均一は生じにくい。
内部領域22は、基板近傍領域21と表層領域23を除いた遮光膜2の領域である。この内部領域22では、ケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率が2.4以上4.0以下である。ここで、内部領域22では、ケイ素および窒素の合計含有量が97原子%以上であることが求められ、98原子%以上である材料で形成されることがより好ましい。すなわち、内部領域22は、酸素等のバイナリマスクに対して不利に作用する元素を内部領域22から除外するため、不可避的に導入される元素や意図的に導入される元素(半金属元素および非金属元素)を除き、ケイ素および窒素からなるように構成されている。一方、内部領域22は、その内部領域22を構成する各元素の含有量の膜厚方向での差が、いずれも10%未満であることが好ましい。内部領域22をEB欠陥修正で除去するときの修正レートのバラつきを小さくするためである。
透光性基板1との界面の基板近傍領域21は、ラザフォード後方散乱分析(RBS:Rutherford Back−Scattering Spectrometry)やX線光電子分光分析(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)のような組成分析を行っても、透光性基板1の組成の影響を不可避的に受けてしまうため、組成や結合の存在数についての数値の特定が困難である。しかしながら、上述した内部領域22と同様に構成されることが推定される。
遮光膜2は、エッチングでパターンを形成したときのパターンエッジラフネスが良好になるなどの理由からアモルファス構造であることが最も好ましい。遮光膜2をアモルファス構造にすることが難しい組成である場合は、アモルファス構造と微結晶構造が混在した状態であることが好ましい。
遮光膜2の厚さは、80nm以下であり、70nm以下であると好ましく、60nm以下であるとより好ましい。厚さが80nm以下であると微細な遮光膜のパターンを形成しやすくなり、また、この遮光膜を有するマスクブランクから転写用マスクを製造するときの負荷も軽減される。また、遮光膜2の厚さは、40nm以上であると好ましく、45nm以上であるとより好ましい。厚さが40nm未満であると、ArF露光光に対する十分な遮光性能が得られにくくなる。一方、内部領域22の厚さは、遮光膜2の全体の厚さに対する比率が0.7以上であることが好ましく、0.75以上であるとより好ましい。
ArF露光光に対する遮光膜2の光学濃度は、2.5以上であることが求められ、3.0以上であると好ましい。光学濃度が2.5以上であると十分な遮光性能が得られる。このため、このマスクブランクを用いて製造された転写用マスクを用いて露光を行ったとき、その投影光学像(転写像)の十分なコントラストが得られやすくなる。また、ArF露光光に対する遮光膜2の光学濃度は、4.0以下であると好ましく、3.5以下であるとより好ましい。光学濃度が4.0を超えると、遮光膜2の膜厚が厚くなり、微細な遮光膜のパターンを形成しにくくなる。
ArF露光光に対する遮光膜2の屈折率nは、1.25以上であると好ましい。屈折率nを1.25未満にするためには、遮光膜2の窒素含有量を大幅に少なくする必要がある。このため、屈折率が1.25未満であると、EB欠陥修正を行うときに自発性エッチングが発生しやすくなる。また、屈折率nは、遮光膜2のEMF(ElectroMagnetic Field)バイアスを低減する観点で、1.55以下であると好ましい。
ArF露光光に対する遮光膜2の消衰係数kは、2.40以下であると好ましい。消衰係数kが2.40を超えるようにするためには、遮光膜2の窒素含有量を大幅に少なくする必要がある。このため、消衰係数kが2.40を超えると、EB欠陥修正を行うときに自発性エッチングが発生しやすくなる。また、消衰係数kは、遮光膜2の薄膜化の観点で、2.00以上であるとより好ましい。
なお、遮光膜2は、透光性基板1とは反対側の表層の酸化が進行している。このため、この遮光膜2の表層は、それ以外の遮光膜2の領域とは組成が異なっており、光学特性も異なっている。
また、遮光膜2の上部には、反射防止膜が積層されていてもよい。反射防止膜は、表面から取り込まれた酸素を含み、遮光膜2よりも酸素を多く含有するため、EB欠陥修正時の平面視での除去量の不均一は生じにくい。
遮光膜2は、スパッタリングによって形成されるが、DCスパッタリング、RFスパッタリングおよびイオンビームスパッタリングなどのいずれのスパッタリングも適用可能である。導電性が低いターゲット(ケイ素ターゲット、半金属元素を含有しないあるいは含有量の少ないケイ素化合物ターゲットなど)を用いる場合においては、RFスパッタリングやイオンビームスパッタリングを適用することが好ましいが、成膜レートを考慮すると、RFスパッタリングを適用することがより好ましい。マスクブランク100を製造する方法は、ケイ素ターゲットまたはケイ素に半金属元素および非金属元素から選ばれる1以上の元素を含有する材料からなるターゲットを用い、窒素系ガスと貴ガスを含むスパッタリングガス中での反応性スパッタリングによって、透光性基板1上に遮光膜2を形成する工程を少なくとも有することが好ましい。
遮光膜2の屈折率nおよび消衰係数kは、その遮光膜2の組成だけで決まるものではない。その遮光膜2の膜密度および結晶状態なども、屈折率nおよび消衰係数kを左右する要素である。このため、反応性スパッタリングで遮光膜2を成膜するときの諸条件を調整して、ArF露光光に対する屈折率nおよび消衰係数kが規定の値に収まるように成膜する。遮光膜2の屈折率nおよび消衰係数kを規定の範囲にするには、反応性スパッタリングで成膜する際に、貴ガスと反応性ガスの混合ガスの比率を調整することだけに限られない。反応性スパッタリングで成膜する際における成膜室内の圧力、ターゲットに印加する電力、ターゲットと透光性基板との間の距離等の位置関係など多岐にわたる。また、これらの成膜条件は成膜装置に固有のものであり、形成される遮光膜2が所望の屈折率nおよび消衰係数kになるように適宜調整されるものである。
遮光膜2を形成する際にスパッタリングガスとして用いる窒素系ガスは、窒素を含有するガスであればいずれのガスも適用可能である。上記の通り、遮光膜2は、その表層を除いて酸素含有量を低く抑えることが好ましいため、酸素を含有しない窒素系ガスを適用することが好ましく、窒素ガス(Nガス)を適用することがより好ましい。また、遮光膜2を形成する際にスパッタリングガスとして用いる貴ガスの種類に制限はないが、アルゴン、クリプトン、キセノンを用いることが好ましい。また、遮光膜2の応力を緩和するために、原子量の小さいヘリウム、ネオンを遮光膜2に積極的に取りこませることができる。
[[ハードマスク膜]]
遮光膜2を備えるマスクブランク100において、遮光膜2の上に遮光膜2をエッチングするときに用いられるエッチングガスに対してエッチング選択性を有する材料で形成されたハードマスク膜3をさらに積層させた構成としてもよい。遮光膜2は、所定の光学濃度を確保する必要があるため、その厚さを低減するには限界がある。ハードマスク膜3は、その直下の遮光膜2にパターンを形成するドライエッチングが終わるまでの間、エッチングマスクとして機能することができるだけの膜の厚さがあれば十分であり、基本的に光学特性の制限を受けない。このため、ハードマスク膜3の厚さは遮光膜2の厚さに比べて大幅に薄くすることができる。そして、有機系材料のレジスト膜は、このハードマスク膜3にパターンを形成するドライエッチングが終わるまでの間、エッチングマスクとして機能するだけの膜の厚さがあれば十分であるので、従来よりも大幅にレジスト膜の厚さを薄くすることができる。このため、レジストパターン倒れなどの問題を抑制することができる。
ハードマスク膜3は、クロム(Cr)を含有する材料で形成されていることが好ましい。クロムを含有する材料は、SFなどのフッ素系ガスを用いたドライエッチングに対して特に高いドライエッチング耐性を有している。クロムを含有する材料からなる薄膜は、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスによるドライエッチングでパターニングされるのが一般的である。しかし、このドライエッチングは異方性があまり高くないため、クロムを含有する材料からなる薄膜をパターニングするときのドライエッチング時、パターンの側壁方向へのエッチング(サイドエッチング)が進行しやすい。
クロムを含有する材料を遮光膜に用いた場合は、遮光膜2の膜厚が相対的に厚いので、遮光膜2のドライエッチングの際にサイドエッチングの問題が生じるが、ハードマスク膜3としてクロムを含有する材料を用いた場合は、ハードマスク膜3の膜厚が相対的に薄いので、サイドエッチングに起因する問題は生じにくい。
クロムを含有する材料としては、クロム金属のほか、クロムに酸素、窒素、炭素、ホウ素およびフッ素から選ばれる1以上の元素を含有する材料、たとえばCrN、CrC、CrON、CrCO、CrCONなどが挙げられる。クロム金属にこれらの元素が添加されるとその膜はアモルファス構造の膜になりやすく、その膜の表面ラフネスおよび遮光膜2をドライエッチングしたときのラインエッジラフネスが抑えられるので好ましい。
また、ハードマスク膜3のドライエッチングの観点からも、ハードマスク膜3を形成する材料としては、クロムに酸素、窒素、炭素、ホウ素およびフッ素から選ばれる1以上の元素を含有する材料を用いることが好ましい。
クロム系材料は、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスでエッチングされるが、クロム金属はこのエッチングガスに対するエッチングレートがあまり高くない。クロムに酸素、窒素、炭素、ホウ素およびフッ素から選ばれる1以上の元素を含有させることによって、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスのエッチングガスに対するエッチングレートを高めることが可能になる。
なお、CrCOからなるハードマスク膜3は、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスによるドライエッチングに対し、サイドエッチングが大きくなりやすい窒素を含有せず、サイドエッチングを抑制する炭素を含有し、さらにエッチングレートが向上する酸素を含有しているため、特に好ましい。また、ハードマスク膜3を形成するクロムを含有する材料に、インジウム、モリブデンおよびスズのうち1以上の元素を含有させてもよい。インジウム、モリブデンおよびスズのうち1以上の元素を含有させることで、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスに対するエッチングレートをより高くすることができる。
マスクブランク100において、ハードマスク膜3の表面に接して、有機系材料のレジスト膜が100nm以下の膜厚で形成されていることが好ましい。DRAM hp32nm世代に対応する微細パターンの場合、ハードマスク膜3に形成すべき転写パターンに、線幅が40nmのSRAF(Sub−Resolution Assist Feature)が設けられることがある。しかし、この場合でも、レジストパターンの断面アスペクト比が1:2.5と低くすることができるので、レジスト膜の現像時、リンス時等にレジストパターンが倒壊することや脱離することを抑制することができる。なお、レジスト膜は、膜厚が80nm以下であるとより好ましい。
マスクブランク100においてハードマスク膜3を設けず遮光膜2に接してレジスト膜を直接形成することも可能である。この場合は、構造が簡単で、転写用マスクを製造するときもハードマスク膜3のドライエッチングが不要になるため、製造工程数を削減することが可能になる。なお、この場合、遮光膜2に対してHMDS(hexamethyldisilazane)等の表面処理を行ってからレジスト膜を形成することが好ましい。
また、本発明のマスクブランクは、下記に記載するように、バイナリマスク用途に適するマスクブランクであるが、バイナリマスク用に限るものではなく、レベンソン型位相シフトマスク用のマスクブランク、あるいはCPL(Chromeless Phase Lithography)マスク用のマスクブランクとしても使用できる。
[転写用マスク]
図2に、本発明の実施形態であるマスクブランク100から転写用マスク(バイナリマスク)200を製造する工程の断面模式図を示す。
図2に示す転写用マスク200の製造方法は、上記のマスクブランク100を用いるものであって、ドライエッチングによりハードマスク膜3に転写パターンを形成する工程と、転写パターンを有するハードマスク膜3(ハードマスクパターン3a)をマスクとするドライエッチングにより遮光膜2に転写パターンを形成する工程と、ハードマスクパターン3aを除去する工程とを備えることを特徴とするものである。
以下、図2に示す製造工程にしたがって、転写用マスク200の製造方法の一例を説明する。なお、この例では、遮光膜2にはケイ素と窒素を含有する材料を適用し、ハードマスク膜3にはクロムを含有する材料を適用している。
まず、マスクブランク100(図2(a)参照)を準備し、ハードマスク膜3に接して、レジスト膜をスピン塗布法によって形成する。次に、レジスト膜に対して、遮光膜2に形成すべき転写パターンを露光描画し、さらに現像処理等の所定の処理を行い、レジストパターン4aを形成する(図2(b)参照)。なお、このとき、電子線描画したレジストパターン4aには、遮光膜2に黒欠陥が形成されるように、本来形成されるべき遮光膜パターンの他にプログラム欠陥を加えておいた。
続いて、レジストパターン4aをマスクとし、塩素と酸素との混合ガスなどの塩素系ガスを用いたドライエッチングを行い、ハードマスク膜3にパターン(ハードマスクパターン3a)を形成する(図2(c)参照)。塩素系ガスとしては、Clが含まれていれば特に制限はなく、たとえば、Cl、SiCl、CHCl、CHCl、BCl等を挙げることができる。塩素と酸素との混合ガスを用いる場合は、たとえば、そのガス流量比をCl:O=4:1にするとよい。
次に、アッシングやレジスト剥離液を用いてレジストパターン4aを除去する(図2(d)参照)。
続いて、ハードマスクパターン3aをマスクとし、フッ素系ガスを用いたドライエッチングを行い、遮光膜2にパターン(遮光膜パターン2a)を形成する(図2(e)参照)。フッ素系ガスとしては、Fを含むものであれば用いることができるが、SFが好適である。SF以外に、たとえば、CHF、CF、C、C等を挙げることができるが、Cを含むフッ素系ガスは、ガラス材料の透光性基板1に対するエッチングレートが比較的高い。SFは透光性基板1へのダメージが小さいので好ましい。なお、SFにHeなどを加えるとさらによい。
その後、クロムエッチング液を用いてハードマスクパターン3aを除去し、洗浄等の所定の処理を経て、転写用マスク200を得る(図2(f)参照)。なお、このハードマスクパターン3aの除去工程は、塩素と酸素との混合ガスを用いたドライエッチングで行ってもよい。ここで、クロムエッチング液としては、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸を含む混合物を挙げることができる。
図2に示す製造方法によって製造された転写用マスク200は、透光性基板1上に、転写パターンを有する遮光膜2(遮光膜パターン2a)を備えたバイナリマスクである。製造した実施例1の転写用マスク200に対してマスク検査装置によってマスクパターンの検査を行ったところ、プログラム欠陥を配置していた箇所の遮光膜パターン2aに黒欠陥の存在が確認された。このため、EB欠陥修正によりその黒欠陥部分を除去した。
このように転写用マスク200を製造することにより、その転写用マスク200の製造途上で遮光膜パターン2aの黒欠陥部分に対してEB欠陥修正を行った場合においても、黒欠陥部分の近傍の透光性基板1の表面荒れの発生が抑制でき、かつ遮光膜パターン2aに自発性エッチングが発生することを抑制できる。
なお、ここでは転写用マスク200がバイナリマスクの場合を説明したが、本発明の転写用マスクはバイナリマスクに限らず、レベンソン型位相シフトマスクおよびCPLマスクに対しても適用することができる。すなわち、レベンソン型位相シフトマスクの場合は、その遮光膜に本発明の遮光膜を用いることができる。また、CPLマスクの場合は、主に外周の遮光帯を含む領域に本発明の遮光膜を用いることができる。
さらに、本発明の半導体デバイスの製造方法は、前記の転写用マスク200または前記のマスクブランク100を用いて製造された転写用マスク200を用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写することを特徴としている。
本発明の転写用マスク200やマスクブランク100は、上記の通りの効果を有するため、ArFエキシマレーザーを露光光とする露光装置のマスクステージに転写用マスク200をセットし、半導体デバイス上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する際、半導体デバイス上のレジスト膜に、高いCD精度で転写パターンを転写することができる。このため、このレジスト膜のパターンをマスクとして、その下層膜をドライエッチングして回路パターンを形成した場合、精度不足に起因する配線短絡や断線のない高精度の回路パターンを形成することができる。
以下、実施例により、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
[マスクブランクの製造]
主表面の寸法が約152mm×約152mmで、厚さが約6.35mmの合成石英ガラスからなる透光性基板1を準備した。この透光性基板1は、端面及び主表面が所定の表面粗さに研磨され、その後、所定の洗浄処理および乾燥処理を施されたものであった。
次に、枚葉式RFスパッタ装置内に透光性基板1を設置し、ケイ素(Si)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)、窒素(N)およびヘリウム(He)の混合ガスをスパッタリングガスとし、RF電源による反応性スパッタリング(RFスパッタリング)により、透光性基板1上に、ケイ素および窒素からなる遮光膜2を41.5nmの厚さで形成した。なお、実施例2〜4、比較例1、2においても、実施例1で用いたものと同じ枚葉式RFスパッタ装置を用いた。
次に、膜の応力調整を目的に、この遮光膜2が形成された透光性基板1に対し、大気中において加熱温度500℃、処理時間1時間の条件で加熱処理を行った。
分光光度計(アジレントテクノロジー社製 Cary4000)を用いて、波長193nmにおける加熱処理後の遮光膜2の光学濃度(OD)を測定したところ、その値は2.58であった。この結果から、実施例1のマスクブランクは、必要とされる遮光性能を有している。
また、分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製 M−2000D)を用いて、波長193nmにおける加熱処理後の遮光膜2の屈折率nと消衰係数kを測定した。波長193nmにおける屈折率nは1.29、消衰係数kは2.39であった。
別の透光性基板の主表面上に、上記の実施例1の遮光膜2と同じ成膜条件で別の遮光膜を形成し、さらに同じ条件で加熱処理を行った。次に、その加熱処理後の別の透光性基板の遮光膜に対して、X線光電子分光分析を行った。このX線光電子分光分析では、遮光膜の表面に対してX線(AlKα線:1486eV)を照射してその遮光膜から放出される光電子の強度を測定し、Arガススパッタリングで遮光膜の表面を所定時間だけ約0.65nmの深さだけ掘り込み、掘り込んだ領域の遮光膜に対してX線を照射してその領域から放出される光電子の強度を測定するというステップを繰り返すことで、遮光膜の各深さにおける組成をそれぞれ取得した。その結果、この遮光膜の内部領域の平均の組成は、Si:N:O=78.7:19.7:1.6(原子%比)であることがわかった。これにより、内部領域におけるケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率は、3.995であり、内部領域におけるケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率の条件(2.4以上4.0以下)を満たしていることがわかった。なお、内部領域の各深さにおける組成は、上記の平均の組成とほぼ同じであり、ケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率も、いずれの深さにおいても、平均の組成から算出したものとほぼ同じ数値であった。
次に、枚葉式DCスパッタ装置内に加熱処理後の遮光膜2が形成された透光性基板1を設置し、クロム(Cr)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)と窒素(N)との混合ガス雰囲気で反応性スパッタリング(DCスパッタリング)を行い、膜厚5nmのCrN膜からなるハードマスク膜3を成膜した。XPSで測定したこの膜の膜組成比は、Crが75原子%、Nが25原子%であった。そして、遮光膜2で行った加熱処理より低い温度(280℃)で熱処理を行い、ハードマスク膜3の応力調整を行った。
以上の手順により、透光性基板1上に、遮光膜2およびハードマスク膜3が積層した構造を備えるマスクブランク100を製造した。
[転写用マスクの製造]
次に、この実施例1のマスクブランク100を用い、以下の手順で実施例1の転写用マスク(バイナリマスク)200を製造した。
まず、実施例1のマスクブランク100(図2(a)参照)を準備し、ハードマスク膜3の表面に接して、電子線描画用化学増幅型レジストからなるレジスト膜を膜厚80nmで形成した。次に、このレジスト膜に対して、遮光膜2に形成すべき転写パターンを電子線描画し、所定の現像処理および洗浄処理を行い、レジストパターン4aを形成した(図2(b)参照)。なお、このとき、電子線描画したレジストパターン4aには、遮光膜2に黒欠陥が形成されるように、本来形成されるべき遮光膜パターンのほかにプログラム欠陥を加えておいた。
次に、レジストパターン4aをマスクとし、塩素と酸素との混合ガス(ガス流量比 Cl:O=4:1)を用いたドライエッチングを行い、ハードマスク膜3にパターン(ハードマスクパターン3a)を形成した(図2(c)参照)。
次に、レジストパターン4aを除去した(図2(d)参照)。続いて、ハードマスクパターン3aをマスクとし、フッ素系ガス(SFとHeの混合ガス)を用いたドライエッチングを行い、遮光膜2にパターン(遮光膜パターン2a)を形成した(図2(e)参照)。
その後、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸を含むクロムエッチング液を用いてハードマスクパターン3aを除去し、洗浄等の所定の処理を経て、転写用マスク200を得た(図2(f)参照)。
製造した実施例1の転写用マスク200に対してマスク検査装置によってマスクパターンの検査を行ったところ、プログラム欠陥を配置していた箇所の遮光膜パターン2aに黒欠陥の存在が確認された。その黒欠陥部分に対してEB欠陥修正を行ったところ、透光性基板1に対する遮光膜パターン2aの修正レート比(透光性基板1の修正レートに対する遮光膜パターン2aの修正レート)が十分に高く、透光性基板1の表面へのエッチングを最小限にとどめることができた。
次に、このEB欠陥修正後の実施例1の転写用マスク200に対し、AIMS193(Carl Zeiss社製)を用いて、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したときにおける転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションの露光転写像を検証したところ、設計仕様を十分に満たしていた。また、EB欠陥修正を行った部分の転写像は、それ以外の領域の転写像に比べてそん色のないものであった。この結果から、実施例1の転写用マスク200に対し、遮光膜パターン2aの黒欠陥部分に対してEB欠陥修正を行った場合に、透光性基板1の表面荒れの発生を抑制でき、かつ遮光膜パターン2aに自発性エッチングが発生することを抑制できるといえる。また、EB欠陥修正を行った後の実施例1の転写用マスク200を露光装置のマスクステージをセットし、半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写した場合でも、最終的に半導体デバイス上に形成される回路パターンは高精度で形成できるといえる。このため、実施例1の転写用マスクの製造方法で製造された転写用マスク200は転写精度の高い転写用マスクとなるといえる。
(実施例2)
[マスクブランクの製造]
実施例2のマスクブランクは、遮光膜を下記のようにした以外は、実施例1のマスクブランク100と同様の手順で製造された。
実施例2の遮光膜の形成方法は以下の通りである。
枚葉式RFスパッタ装置内に透光性基板1を設置し、ケイ素(Si)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)、窒素(N)およびヘリウム(He)の混合ガスをスパッタリングガスとし、RF電源による反応性スパッタリング(RFスパッタリング)により、透光性基板1上に、ケイ素および窒素からなる遮光膜2を50.0nmの厚さで形成した。
実施例1と同様に、この遮光膜2が形成された透光性基板1に対し加熱処理を行い、加熱処理後の遮光膜2の光学濃度(OD)を測定したところ、その値は3.02であった。この結果から、実施例2のマスクブランクは、必要とされる高い遮光性能を有している。
また、分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製 M−2000D)を用いて、波長193nmにおける加熱処理後の遮光膜2の屈折率nと消衰係数kを測定した。波長193nmにおける屈折率nは1.40、消衰係数kは2.25であった。
実施例1と同様に、別の透光性基板の主表面上にこの実施例2の遮光膜2と同じ成膜条件で別の遮光膜を形成し、その別の遮光膜に対して同じ条件で加熱処理を行った。さらに、実施例1と同様に、その加熱処理後の別の透光性基板の遮光膜に対してX線光電子分光分析を行った。このX線光電子分光分析の結果から、この遮光膜の内部領域の平均の組成は、Si:N:O=75.4:23.5:1.1(原子%比)であることがわかった。これにより、内部領域におけるケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率は、3.208であり、内部領域におけるケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率の条件(2.4以上4.0以下)を満たしていることがわかった。また、内部領域の各深さにおける組成は、上記の平均の組成とほぼ同じであり、ケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率も、いずれの深さにおいても、平均の組成から算出したものとほぼ同じ数値であった。
その後、実施例1と同様の手順で、透光性基板1上に、遮光膜2およびハードマスク膜3が積層した構造を備えるマスクブランク100を製造した。
[転写用マスクの製造]
次に、この実施例2のマスクブランクを用い、実施例1と同様の手順で、実施例2の転写用マスク(バイナリマスク)を製造した。
製造した実施例1の転写用マスク200に対してマスク検査装置によってマスクパターンの検査を行ったところ、プログラム欠陥を配置していた箇所の遮光膜パターン2aに黒欠陥の存在が確認された。その黒欠陥部分に対してEB欠陥修正を行ったところ、透光性基板1に対する遮光膜パターン2aの修正レート比が十分に高く、透光性基板1の表面へのエッチングを最小限にとどめることができた。
このEB欠陥修正後の実施例2の転写用マスク200に対し、AIMS193(Carl Zeiss社製)を用いて、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したときにおける転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションの露光転写像を検証したところ、設計仕様を十分に満たしていた。また、EB欠陥修正を行った部分の転写像は、それ以外の領域の転写像に比べてそん色のないものであった。この結果から、実施例2の転写用マスク200に対し、遮光膜パターン2aの黒欠陥部分に対してEB欠陥修正を行った場合に、透光性基板1の表面荒れの発生を抑制でき、かつ遮光膜パターン2aに自発性エッチングが発生することを抑制できるといえる。また、EB欠陥修正を行った後の実施例2の転写用マスク200を露光装置のマスクステージをセットし、半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写した場合でも、最終的に半導体デバイス上に形成される回路パターンは高精度で形成できるといえる。このため、実施例2の転写用マスクの製造方法で製造された転写用マスク200は転写精度の高い転写用マスクとなるといえる。
(実施例3)
[マスクブランクの製造]
実施例3のマスクブランクは、遮光膜を下記のようにした以外は、実施例1のマスクブランク100と同様の手順で製造された。
実施例3の遮光膜の形成方法は以下の通りである。
枚葉式RFスパッタ装置内に透光性基板1を設置し、ケイ素(Si)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)、窒素(N)およびヘリウム(He)の混合ガスをスパッタリングガスとし、RF電源による反応性スパッタリング(RFスパッタリング)により、透光性基板1上に、ケイ素および窒素からなる遮光膜2を52.4nmの厚さで形成した。
実施例1と同様に、この遮光膜2が形成された透光性基板1に対し加熱処理を行い、加熱処理後の遮光膜2の光学濃度(OD)を測定したところ、その値は3.05であった。この結果から、実施例3のマスクブランクは、必要とされる高い遮光性能を有している。
また、分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製 M−2000D)を用いて、波長193nmにおける加熱処理後の遮光膜2の屈折率nと消衰係数kを測定した。波長193nmにおける屈折率nは1.52、消衰係数kは2.09であった。
実施例1と同様に、別の透光性基板の主表面上にこの実施例3の遮光膜2と同じ成膜条件で別の遮光膜を形成し、その別の遮光膜に対して同じ条件で加熱処理を行った。さらに、実施例1と同様に、その加熱処理後の別の透光性基板の遮光膜に対してX線光電子分光分析を行った。このX線光電子分光分析の結果から、この遮光膜の内部領域の平均の組成は、Si:N:O=71.1:27.8:1.1(原子%比)であることがわかった。これにより、内部領域におけるケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率は、2.555であり、内部領域におけるケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率の条件(2.4以上4.0以下)を満たしていることがわかった。また、内部領域の各深さにおける組成は、上記の平均の組成とほぼ同じであり、ケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率も、いずれの深さにおいても、平均の組成から算出したものとほぼ同じ数値であった。
その後、実施例1と同様の手順で、透光性基板1上に、遮光膜2およびハードマスク膜3が積層した構造を備えるマスクブランク100を製造した。
[転写用マスクの製造]
次に、この実施例3のマスクブランクを用い、実施例1と同様の手順で、実施例3の転写用マスク(バイナリマスク)を製造した。
製造した実施例3の転写用マスク200に対してマスク検査装置によってマスクパターンの検査を行ったところ、プログラム欠陥を配置していた箇所の遮光膜パターン2aに黒欠陥の存在が確認された。その黒欠陥部分に対してEB欠陥修正を行ったところ、透光性基板1に対する遮光膜パターン2aの修正レート比が十分に高く、透光性基板1の表面へのエッチングを最小限にとどめることができた。
このEB欠陥修正後の実施例3の転写用マスク200に対し、AIMS193(Carl Zeiss社製)を用いて、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したときにおける転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションの露光転写像を検証したところ、設計仕様を十分に満たしていた。また、EB欠陥修正を行った部分の転写像は、それ以外の領域の転写像に比べてそん色のないものであった。この結果から、実施例3の転写用マスク200に対し、遮光膜パターン2aの黒欠陥部分に対してEB欠陥修正を行った場合に、透光性基板1の表面荒れの発生を抑制でき、かつ遮光膜パターン2aに自発性エッチングが発生することを抑制できるといえる。また、EB欠陥修正を行った後の実施例3の転写用マスク200を露光装置のマスクステージをセットし、半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写した場合でも、最終的に半導体デバイス上に形成される回路パターンは高精度で形成できるといえる。このため、実施例3の転写用マスクの製造方法で製造された転写用マスク200は転写精度の高い転写用マスクとなるといえる。
(実施例4)
[マスクブランクの製造]
実施例4のマスクブランクは、遮光膜を下記のようにした以外は、実施例1のマスクブランク100と同様の手順で製造された。
実施例4の遮光膜の形成方法は以下の通りである。
枚葉式RFスパッタ装置内に透光性基板1を設置し、ケイ素(Si)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)、窒素(N)およびヘリウム(He)の混合ガスをスパッタリングガスとし、RF電源による反応性スパッタリング(RFスパッタリング)により、透光性基板1上に、ケイ素および窒素からなる遮光膜2を45.1nmの厚さで形成した。
実施例1と同様に、この遮光膜2が形成された透光性基板1に対し加熱処理を行い、加熱処理後の遮光膜2の光学濃度(OD)を測定したところ、その値は2.54であった。この結果から、実施例4のマスクブランクは、必要とされる遮光性能を有している。
また、分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製 M−2000D)を用いて、波長193nmにおける加熱処理後の遮光膜2の屈折率nと消衰係数kを測定した。波長193nmにおける屈折率nは1.54、消衰係数kは2.05であった。
実施例1と同様に、別の透光性基板の主表面上にこの実施例4の遮光膜2と同じ成膜条件で別の遮光膜を形成し、その別の遮光膜に対して同じ条件で加熱処理を行った。さらに、実施例1と同様に、その加熱処理後の別の透光性基板の遮光膜に対してX線光電子分光分析を行った。このX線光電子分光分析の結果から、この遮光膜の内部領域の平均の組成は、Si:N:O=69.0:28.2:2.8(原子%比)であることがわかった。これにより、内部領域におけるケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率は、2.447であり、内部領域におけるケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率の条件(2.4以上4.0以下)を満たしていることがわかった。また、内部領域の各深さにおける組成は、上記の平均の組成とほぼ同じであり、ケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率も、いずれの深さにおいても、平均の組成から算出したものとほぼ同じ数値であった。
その後、実施例1と同様の手順で、透光性基板1上に、遮光膜2およびハードマスク膜3が積層した構造を備えるマスクブランク100を製造した。
[転写用マスクの製造]
次に、この実施例4のマスクブランクを用い、実施例1と同様の手順で、実施例4の転写用マスク(バイナリマスク)を製造した。
製造した実施例1の転写用マスク200に対してマスク検査装置によってマスクパターンの検査を行ったところ、プログラム欠陥を配置していた箇所の遮光膜パターン2aに黒欠陥の存在が確認された。その黒欠陥部分に対してEB欠陥修正を行ったところ、透光性基板1に対する遮光膜パターン2aの修正レート比が十分に高く、透光性基板1の表面へのエッチングを最小限にとどめることができた。
このEB欠陥修正後の実施例4の転写用マスク200に対し、AIMS193(Carl Zeiss社製)を用いて、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したときにおける転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションの露光転写像を検証したところ、設計仕様を十分に満たしていた。また、EB欠陥修正を行った部分の転写像は、それ以外の領域の転写像に比べてそん色のないものであった。この結果から、実施例4の転写用マスク200に対し、遮光膜パターン2aの黒欠陥部分に対してEB欠陥修正を行った場合に、透光性基板1の表面荒れの発生を抑制でき、かつ遮光膜パターン2aに自発性エッチングが発生することを抑制できるといえる。また、EB欠陥修正を行った後の実施例4の転写用マスク200を露光装置のマスクステージをセットし、半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写した場合でも、最終的に半導体デバイス上に形成される回路パターンは高精度で形成できるといえる。このため、実施例4の転写用マスクの製造方法で製造された転写用マスク200は転写精度の高い転写用マスクとなるといえる。
(比較例1)
[マスクブランクの製造]
比較例1のマスクブランクは、遮光膜を下記のようにした以外は、実施例1のマスクブランク100と同様の手順で製造された。
比較例1の遮光膜の形成方法は以下の通りである。
枚葉式RFスパッタ装置内に透光性基板を設置し、ケイ素(Si)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)、窒素(N)およびヘリウム(He)の混合ガスをスパッタリングガスとし、RF電源による反応性スパッタリング(RFスパッタリング)により、透光性基板上に、ケイ素および窒素からなる遮光膜を52.8nmの厚さで形成した。
実施例1と同様に、この遮光膜が形成された透光性基板に対し加熱処理を行い、加熱処理後の遮光膜の光学濃度(OD)を測定したところ、その値は2.98であった。この結果から、比較例1のマスクブランクは、必要とされる遮光性能を有している。
また、分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製 M−2000D)を用いて、波長193nmにおける加熱処理後の遮光膜の屈折率nと消衰係数kを測定した。波長193nmにおける屈折率nは1.58、消衰係数kは1.99であった。
実施例1と同様に、別の透光性基板の主表面上にこの比較例1の遮光膜と同じ成膜条件で別の遮光膜を形成し、その別の遮光膜に対して同じ条件で加熱処理を行った。さらに、実施例1と同様に、その加熱処理後の別の透光性基板の遮光膜に対してX線光電子分光分析を行った。このX線光電子分光分析の結果から、この遮光膜の内部領域の平均の組成は、Si:N:O=68.3:28.5:3.2(原子%比)であることがわかった。これにより、内部領域におけるケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率は、2.396であり、内部領域におけるケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率の条件(2.4以上4.0以下)を満たすものではなかった。また、内部領域の各深さにおける組成は、上記の平均の組成とほぼ同じであり、ケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率も、いずれの深さにおいても、平均の組成から算出したものとほぼ同じ数値であった。
その後、実施例1と同様の手順で、透光性基板上に、遮光膜およびハードマスク膜が積層した構造を備えるマスクブランクを製造した。
[転写用マスクの製造]
次に、この比較例1のマスクブランクを用い、実施例1と同様の手順で、比較例1の転写用マスク(バイナリマスク)を製造した。
製造した比較例1の転写用マスクに対してマスク検査装置によってマスクパターンの検査を行ったところ、プログラム欠陥を配置していた箇所の遮光膜パターンに黒欠陥の存在が確認された。その黒欠陥部分に対してEB欠陥修正を行ったところ、透光性基板に対する遮光膜パターンの修正レート比が低く、透光性基板の表面へのエッチング(表面荒れ)が進んでいた。
このEB欠陥修正後の比較例1の転写用マスクに対し、AIMS193(Carl Zeiss社製)を用いて、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したときにおける転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションの露光転写像を検証したところ、EB欠陥修正を行った部分以外でも、遮光膜にパターンを形成するときのドライエッチングでのエッチングレートの遅さに起因すると見られる遮光膜パターンのCDの低下が発生していた。さらに、EB欠陥修正を行った部分の転写像は、透光性基板の表面荒れの影響等に起因して転写不良が発生するレベルのものであった。この結果から、EB欠陥修正を行った後の比較例1の転写用マスクを露光装置のマスクステージをセットし、半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写した場合、最終的に半導体デバイス上に形成される回路パターンには、回路パターンの断線や短絡が発生することが予想される。
(比較例2)
[マスクブランクの製造]
比較例2のマスクブランクは、遮光膜を下記のようにした以外は、実施例1のマスクブランク100と同様の手順で製造された。
比較例2の遮光膜の形成方法は以下の通りである。
枚葉式RFスパッタ装置内に透光性基板を設置し、ケイ素(Si)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)、窒素(N)およびヘリウム(He)の混合ガスをスパッタリングガスとし、RF電源による反応性スパッタリング(RFスパッタリング)により、透光性基板上に、ケイ素および窒素からなる遮光膜を48.0nmの厚さで形成した。
実施例1と同様に、この遮光膜が形成された透光性基板に対し加熱処理を行い、加熱処理後の遮光膜の光学濃度(OD)を測定したところ、その値は3.04であった。この結果から、比較例2のマスクブランクは、必要とされる高い遮光性能を有している。
また、分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製 M−2000D)を用いて、波長193nmにおける加熱処理後の遮光膜の屈折率nと消衰係数kを測定した。波長193nmにおける屈折率nは1.23、消衰係数kは2.48であった。
実施例1と同様に、別の透光性基板の主表面上にこの比較例2の遮光膜と同じ成膜条件で別の遮光膜を形成し、その別の遮光膜に対して同じ条件で加熱処理を行った。さらに、実施例1と同様に、その加熱処理後の別の透光性基板の遮光膜に対してX線光電子分光分析を行った。このX線光電子分光分析の結果から、この遮光膜の内部領域の平均の組成は、Si:N:O=80.9:16.7:2.4(原子%比)であることがわかった。これにより、内部領域におけるケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率は、4.844であり、内部領域におけるケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率の条件(2.4以上4.0以下)を満たすものではなかった。また、内部領域の各深さにおける組成は、上記の平均の組成とほぼ同じであり、ケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率も、いずれの深さにおいても、平均の組成から算出したものとほぼ同じ数値であった。
その後、実施例1と同様の手順で、透光性基板上に、遮光膜およびハードマスク膜が積層した構造を備えるマスクブランクを製造した。
[転写用マスクの製造]
次に、この比較例2のマスクブランクを用い、実施例1と同様の手順で、比較例2の転写用マスク(バイナリマスク)を製造した。
製造した比較例2の転写用マスクに対してマスク検査装置によってマスクパターンの検査を行ったところ、プログラム欠陥を配置していた箇所の遮光膜パターンに黒欠陥の存在が確認された。その黒欠陥部分に対してEB欠陥修正を行ったところ、修正レートが速すぎてアンダーカットが発生していた。さらに、黒欠陥部分の周囲の遮光膜パターンの側壁がEB修正時に供給される非励起状態のXeFガスが接触することによってエッチングされる現象、すなわち自発性エッチングが進んでいた。
このEB欠陥修正後の比較例2の転写用マスクに対し、AIMS193(Carl Zeiss社製)を用いて、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したときにおける転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションの露光転写像を検証したところ、EB欠陥修正を行った部分以外での透光性基板の表面荒れは発生していなかった。しかし、EB欠陥修正を行った部分の周囲の転写像は、自発性エッチングの影響等に起因して転写不良が発生するレベルのものであった。この結果から、EB欠陥修正を行った後の比較例2の位相シフトマスクを露光装置のマスクステージをセットし、半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写した場合、最終的に半導体デバイス上に形成される回路パターンには、回路パターンの断線や短絡が発生することが予想される。
1 透光性基板
2 遮光膜
2a 遮光膜パターン
21 基板近傍領域
22 内部領域
23 表層領域
3 ハードマスク膜
3a ハードマスクパターン
4a レジストパターン
100 マスクブランク
200 転写用マスク(バイナリマスク)

Claims (10)

  1. 透光性基板上に、転写パターンを形成するための遮光膜を備えたマスクブランクであって、
    前記遮光膜は、ケイ素と窒素とからなる材料、または半金属元素および非金属元素から選ばれる1以上の元素とケイ素と窒素とからなる材料で形成され、
    前記遮光膜は、前記透光性基板の主表面に接して設けられ、
    前記遮光膜は、ArFエキシマレーザーの露光光に対する光学濃度が2.5以上であり、
    前記遮光膜の前記透光性基板との界面の近傍領域と前記透光性基板とは反対側の表層領域を除いた内部領域におけるケイ素の含有量[原子%]を窒素の含有量[原子%]で除した比率が2.4以上4.0以下であり、
    前記内部領域は、ケイ素および窒素の合計含有量が97原子%以上であることを特徴とするマスクブランク。
  2. 前記遮光膜の前記表層領域を除いた領域は、酸素含有量が3原子%以下であることを特徴とする請求項1記載のマスクブランク。
  3. 前記表層領域は、前記遮光膜における前記透光性基板とは反対側の表面から前記透光性基板側に向かって5nmの深さまでの範囲にわたる領域であることを特徴とする請求項1または2に記載のマスクブランク。
  4. 前記近傍領域は、前記透光性基板の界面から前記表層領域側に向かって5nmの深さまでの範囲にわたる領域であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のマスクブランク。
  5. 前記遮光膜は、ケイ素、窒素および非金属元素からなる材料で形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のマスクブランク。
  6. 前記表層領域は、前記遮光膜の表層領域を除いた領域よりも酸素含有量が多いことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のマスクブランク。
  7. 前記遮光膜は、ArFエキシマレーザーの露光光に対する消衰係数kが2.00以上2.40以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のマスクブランク。
  8. 前記遮光膜は、ArFエキシマレーザーの露光光に対する屈折率nが1.25以上1.55以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のマスクブランク。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載のマスクブランクを用いた転写用マスクの製造方法であって、ドライエッチングにより前記遮光膜に転写パターンを形成する工程を備えることを特徴とする転写用マスクの製造方法。
  10. 請求項9記載の転写用マスクの製造方法により製造された転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を備えることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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