(第1実施形態)
以下、図1〜図5を参照して、この発明を腕時計に適用した第1実施形態について説明する。
この腕時計は、図1〜図3に示すように、腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1は、本体ケース2と第1外装ケース3と第2外装ケース4とによって構成されている。本体ケース2は、硬質の合成樹脂からなり、その内部に補強用の金属部材2aが埋め込められた構成になっている。
第1外装ケース3は、図1〜図3に示すように、軟質の合成樹脂からなり、本体ケース2の外周に、これを覆って取り付けられるように構成されている。第2外装ケース4は、軟質の合成樹脂からなり、本体ケース2の上部外周および第1外装ケース3の上部外周に、これらを覆って取り付けられるように構成されている。
腕時計ケース1の上部開口部、つまり本体ケース2の上部開口部には、図2および図3に示すように、時計ガラス5がパッキン5aを介して取り付けられている。この場合、時計ガラス5の上面における外周縁は、図1〜図3に示すように、第2外装ケース4によって覆われている。また、この腕時計ケース1の下部、つまり本体ケース2の下部には、裏蓋6が防水リング6aを介して取り付けられている。
この腕時計ケース1の内部、つまり本体ケース2の内部には、図2および図3に示すように、時計モジュール7が押え部材8によって配置されている。時計モジュール7は、指針を駆動するための時計ムーブメントや、時刻などの情報を電気光学的に表示する表示パネルなど、時計機能に必要な各種の部品(いずれも図示せず)を備えている。押え部材8は、時計モジュール7と裏蓋6との間に配置されることにより、時計モジュール7を腕時計ケース1内に組み付けるように構成されている。
この場合、時計モジュール7と時計ガラス5との間には、図2および図3に示すように、リング状の見切り部材12が設けられている。この見切り部材12は、その上面が外周側から内周側に向けて傾斜する傾斜面に形成され、この傾斜面に時字(図示せず)が円周方向に沿って等間隔で設けられた構成になっている。また、この見切り部材12と時計モジュール7との間には、その上方を指針が運針する第1文字板13と第2文字板14とが上下に重なった状態で配置されている。
ところで、腕時計ケース1の12時側と6時側との各側部には、図1に示すように、バンド取付部15がそれぞれ外部に突出して設けられている。また、この腕時計ケース1の3時側の側部には、スイッチ装置16が設けられており、この腕時計ケース1の2時側、4時側、8時側、および10時側の各側部には、押釦スイッチ17がそれぞれ設けられている。
スイッチ装置16は、図2〜図4に示すように、腕時計ケース1の本体ケース2に設けられた貫通孔18に嵌め込まれた筒状部材20と、この筒状部材20にスライド可能に挿入されて本体ケース2の外部に突出する操作部材21と、を備えている。この場合、貫通孔18は、本体ケース2の内部側が小径孔部18aに形成され、外部側が大径孔部18bに形成され、この大径孔部18bの外端部に座ぐり部18cが形成された構成になっている。
筒状部材20は、図2〜図4に示すように、本体ケース2の貫通孔18の小径孔部18aに挿入する小径筒部20aと、本体ケース2の貫通孔18の大径孔部18bに挿入する中径筒部20bと、本体ケース2の外部に突出する大径筒部20cと、を有し、これらが金属や硬質の合成樹脂で一体に形成されている。
この場合、小径筒部20aは、図2および図3に示すように、その軸方向の長さが貫通孔18の小径孔部18aの軸方向の長さよりも長く形成され、その内端部が本体ケース2内に突出するように構成されている。また、本体ケース2内に突出する小径筒部20aの内端部には、Eリングなどの抜止め部材22が取り付けられている。これにより、小径筒部20aは、抜止め部材22が本体ケース2の内周面に当接することにより、筒状部材20が本体ケース2の外部に抜け出さないように構成されている。
また、中径筒部20bは、図2および図3に示すように、その軸方向の長さが貫通孔18の大径孔部18bの軸方向の長さと同じ長さに形成されている。これにより、中径筒部20bは、貫通孔18の大径孔部18b内に嵌着するように構成されている。また、この中径筒部20bの外周面には、貫通孔18の大径孔部18bの内周面に圧接する複数の防水リング23がそれぞれ環状に設けられている。
さらに、大径筒部20cは、図2および図3に示すように、その外径が貫通孔18の大径孔部18bの内径よりも大きく、かつ貫通孔18の座ぐり部18cの内径よりも小さい大きさで形成されている。この大径筒部20cの内端部、つまり中径筒部20bとの境界部には、貫通孔18の座ぐり部18cに配置されるフランジ部20dが設けられている。
この場合、筒状部材20の内部には、図2および図3に示すように、小径孔部20eと大径孔部20fとが設けられている。小径孔部20eは、本体ケース2内に突出する小径筒部20a内に設けられている。大径孔部20fは、小径孔部20eを除いて、小径筒部20aから大径筒部20cの外端部に亘って設けられている。
これにより、筒状部材20は、図2および図3に示すように、中径筒部20bが本体ケース2の貫通孔18の大径孔部18bに嵌着された状態で、小径筒部20aの内端部に取り付けられた抜止め部材22が本体ケース2の内周面に当接し、かつ大径筒部20cのフランジ部20dが貫通孔18の座ぐり部18cに配置されることにより、本体ケース2の貫通孔18内にその軸方向にガタツクことなく取り付けられるように構成されている。
一方、操作部材21は、図2〜図4に示すように、本体ケース2の貫通孔18に嵌め込まれた筒状部材20にスライド可能に挿入される軸部24と、この軸部24の外端部に設けられた頭部25と、を有している。頭部25は、全体がほぼ円筒状に形成され、本体ケース2の外部に突出した筒状部材20の大径筒部20cの外周にスライド可能に配置されるように構成されている。
すなわち、この頭部25は、図2および図3に示すように、その内径が筒状部材20の大径筒部20cの外径よりも大きく形成されている。また、この頭部25は、その外径が筒状部材20のフランジ部20dの外径よりも大幅に大きく、かつ本体ケース2の上下方向の長さよりも短く形成されている。さらに、この頭部25は、その外周部の軸方向の長さが筒状部材20の大径筒部20cの軸方向の長さよりも長く形成され、かつ内周部の軸方向の長さが筒状部材20の大径筒部20cの軸方向の長さとほぼ同じ長さに形成されている。
これにより、頭部25は、図2および図3に示すように、本体ケース2の外部に突出した筒状部材20の大径筒部20cの外周に、これを覆った状態で、軸方向に沿ってスライド可能に配置され、本体ケース2側に位置する頭部25の内側端面25aが本体ケース2の外面に接離可能に接近するように構成されている。
軸部24は、図2および図3に示すように、円筒状に形成され、筒状部材20の大径孔部20f内に、スライド可能で、かつ回転可能に挿入されている。この軸部24の外端部には、頭部25が一体に設けられている。すなわち、この軸部24は、その外径が筒状部材20の大径孔部20fの内径とほぼ同じ大きさで、軸方向の長さが大径孔部20fの軸方向の長さとほぼ同じ長さに形成されている。
この場合、軸部24の外周には、図2および図3に示すように、複数の防水リング26が摺動可能に圧接している。これら複数の防水リング26は、筒状部材20の大径孔部20fの内周面に環状に設けられ、軸部24が筒状部材20の大径孔部20fに挿入された際に、軸部24の外周面に圧接した状態で、軸部24がスライド可能に摺動するように構成されている。
また、この軸部24の内部は、図2および図3に示すように、連結穴27が軸部24の軸方向に沿って設けられている。この連結穴27は、本体ケース2の内部側に位置する個所に形成された断面四角形の角孔部27aと、本体ケース2の外部側に位置する個所に形成されて角孔部24aに内接する断面円形の丸孔部27bと、を有している。この軸部24の連結穴27には、連動部材28がスライド可能に配置されている。
この連動部材28は、図2および図3に示すように、その外径が軸部24の連結穴27における丸孔部27bの内径よりも小さく、かつ筒状部材20の小径孔部20eの内径と同じ大きさの棒状に形成されている。また、この連動部材28は、その軸方向の長さが連結穴27の軸方向の長さよりも短く、かつ連結穴27の角孔部27aの軸方向の長さよりも長く形成されている。さらに、この連動部材28の中間部には、連結穴27の角孔部27a内にスライド可能に配置される四角形状の角板部28aが設けられている。
これにより、連動部材28は、図2および図3に示すように、角板部28aが軸部24の連結穴27の角孔部27a内をスライドすると共に、操作部材21の頭部25の回転に伴って軸部24が回転する際に、連結穴27の角孔部27aに配置された角板部28aによって、軸部24と共に回転するように構成されている。
この場合、連動部材28は、図2および図3に示すように、頭部25側に位置する丸孔部27bの奥端部(図2では右端部)と角板部28aとの間に配置されたコイルばね29のばね力によって、本体ケース2内に向けて押し込まれる方向に付勢されている。また、この連動部材28には、巻真30が一体的に取り付けられている。
この巻真30は、図2および図3に示すように、その一端部30aが本体ケース2の内部側に位置する連動部材28の端部に螺着され、本体ケース2の内部側に位置する他端部30bが筒状部材20の小径孔部20eを通して本体ケース2内に挿入され、この挿入された他端部30bが本体ケース2内に組み込まれた時計モジュール7内に差し込まれるように構成されている。
すなわち、この巻真30は、図2および図3に示すように、その他端部30bが時計モジュール7内に差し込まれた状態で、操作部材21の頭部25の回転に伴って軸部24が回転し、この軸部24の回転によって連動部材28の角板部28aが連結穴27の角孔部27aと共に回転した際に、連動部材28が回転し、この連動部材28と共に一体的に回転するように構成されている。
また、この巻真30は、図2および図3に示すように、その他端部30bが時計モジュール7内に差し込まれた状態で、操作部材21の頭部25が本体ケース2の外部に向けて引き出され、これに伴って軸部24が本体ケース2の外部に向けてスライドする際に、連動部材28の角板部28aがコイルばね29のばね力によって本体ケース2の内部側に向けて付勢されていることにより、連動部材28が軸部24と共にスライドせず、連動部材28と共に同じ状態(ニュートラル状態)を維持するように構成されている。
すなわち、この巻真30は、図2および図3に示すように、操作部材21の軸部24が本体ケース2の外部に向けスライドする際に、連動部材28の角板部28aが軸部24の連結穴27の角孔部27a内を相対的に移動することにより、連動部材28が軸部24と共にスライドせず、連動部材28と共に同じ状態(ニュートラル状態)を維持するように構成されている。
また、この巻真30は、図3に示すように、連動部材28の角板部28aが軸部24の連結穴27の端部に設けられた当接部27cに当接した状態で、操作部材21の頭部25が本体ケース2の外部に向けて引き出され、これに伴って軸部24がコイルばね29のばね力に抗して本体ケース2の外部に向けスライドする際に、連動部材28が軸部24と共にスライドし、この連動部材28と共にスライドして、時計モジュール7の時計ムーブメントを操作可能な状態にするように構成されている。
さらに、この巻真30は、図3に示す状態で、操作部材21の頭部25が本体ケース2の外部に向けて引き出され、これに伴って連動部材28と共にスライドして、時計モジュール7の時計ムーブメントを操作可能な状態になった際に、操作部材21の回転に伴って軸部24と共に回転して、時計モジュール7の時計ムーブメントを操作することにより、指針によって指示される時刻などを修正するように構成されている。
一方、操作部材21は、図2に示すように、操作部材21の頭部25が本体ケース2の内部に向けて押し込まれて、頭部25が本体ケース2の外面に接近した際に、ロック機構31によって筒状部材20に対してロックされるように構成されている。すなわち、このロック機構31は、図2〜図4に示すように、操作部材21の頭部25の内部に設けられたロック部材32と、筒状部材20に設けられてロック部材32を係脱可能に係止するロック係止部33と、を備えている。
ロック部材32は、図2および図3に示すように、操作部材21の頭部25の内周に嵌め込まれた筒状部32aと、この筒状部32aにその円周方向に沿って120度の間隔で設けられた複数(この実施形態では3個)のフック部32bと、を有している。
ロック係止部33は、図4に示すように、筒状部材20の大径筒部20cの外周における本体ケース2の外部側に位置する端部にその円周方向に沿って120度の間隔で設けられた複数(この実施形態では3個)のカム突起33aと、これらカム突起33aに隣接した状態で円周方向に沿って環状に設けられたカム溝部33bと、を有している。
この場合、ロック部材32は、図2に示すように、操作部材21の頭部25が本体ケース2の内部に向けて押し込まれて、頭部25が本体ケース2の外面に接近した状態のときに、操作部材21の頭部25の回転に伴って筒状部32aが筒状部材20の大径筒部20cの外周に沿って回転すると共に、複数のフック部32bがロック係止部33のカム溝部33b内を回転移動するように構成されている。
これにより、ロック機構31は、図2に示すように、操作部材21の頭部25が本体ケース2の外面に接近した状態で、操作部材21の頭部25の回転に伴ってロック部材32の筒状部32aが回転した際に、ロック部材32の複数のフック部32bがロック係止部33のカム溝部33b内を移動してロック係止部33の複数のカム突起33aに対面し、この状態でコイルばね29のばね力によって複数のフック部32bが複数のカム突起33aに押し当てられて係止されることにより、操作部材21の頭部25をロックするように構成されている。
また、このロック機構31は、図2に示す状態で、操作部材21の頭部25の回転に伴ってロック部材32の筒状部32aが回転して、ロック部材32の複数のフック部32bがロック係止部33の複数のカム突起33a間に位置した際に、複数のフック部32bに対する複数のカム突起33aの係止が解除され、この状態でコイルばね29のばね力によって複数のフック部32bが複数のカム突起33a間を通り抜けることにより、図3に示すように、操作部材21の頭部25が本体ケース2の外部に向けて押し出されるように構成されている。
ところで、本体ケース2の外面と操作部材21の頭部25との間には、図2〜図4に示すように、頭部25が接離可能に弾接するパッキン部材34が設けられている。このパッキン部材34は、本体ケース2の外面に設けられた環状のベース部35と、このベース部35に設けられた環状の弾性部36と、を備えている。
ベース部35は、弾性部36よりも硬質の合成樹脂で形成されている。このベース部35は、図2〜図4に示すように、本体ケース2の外面に筒状部材20の中径筒部20bの外周に沿って設けられた取付凹部2bに配置され、この状態で筒状部材20のフランジ部20dによって押え付けられた状態で、取付凹部2b内に取り付けられるように構成されている。
弾性部36は、ベース部35よりも軟質の合成樹脂からなり、図5(a)および図5(b)に示すように、2色成型によってベース部35に一体に形成されている。この場合、弾性部36は、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エラストマなどの合成樹脂で形成されている。また、ベース部35は、弾性部36と異なる硬質の合成樹脂で形成されていても良いが、弾性部36よりも硬度が高ければ、弾性部36と同じ合成樹脂で形成されていても良い。
また、この弾性部36は、図2〜図5に示すように、断面がほぼ半円形状で、全体がリング形状に形成されている。この弾性部36は、ベース部35の一面(図5(b)では上面)における外周側に設けられ、本体ケース2の取付凹部2b内にベース部35が配置された際に、本体ケース2の外面から外部に向けて突出するように構成されている。
これにより、パッキン部材34は、図2に示すように、操作部材21の頭部25が本体ケース2側に押し込まれてロック機構31によってロックされた際に、本体ケース2の外面に接近した頭部25の内面が弾性部36に弾力的に圧接することにより、本体ケース2の外面と頭部25の内面との間の防水を図り、水や泥などの異物の侵入を防ぐように構成されている。
この場合、ベース部35は、図4および図5に示すように、本体ケース2の取付凹部2b内に配置された際に、回転止め部37によって取付凹部2b内で筒状部材20の円周方向に回転しないように位置規制されている。すなわち、この回転止め部37は、ベース部35の内周縁に設けられた切欠き部37aと、本体ケース2の取付凹部2b内に設けられて切欠き部37aが係合する係合突起37bと、を有している。
これにより、パッキン部材34は、図2に示すように、操作部材21の頭部25が弾性部36に弾力的に圧接した状態で、頭部25が回転操作された際に、本体ケース2の係合突起37bがベース部35の切欠き部37aに係合していることにより、本体ケース2の取付凹部2b内でベース部35が弾性部36と共に筒状部材20の円周方向に回転することがなく、頭部25のみが弾性部36に圧接した状態で摺動回転するように構成されている。
次に、このような腕時計におけるスイッチ装置16の作用について説明する。
このスイッチ装置16は、通常の状態のときに、図2に示すように、操作部材21の頭部25が本体ケース2側に向けて押し込まれてロック機構31によってロックされている。すなわち、頭部25が押し込まれた状態で、頭部25に設けられたロック部材32の複数のフック部32bが、筒状部材20に設けられたロック係止部33の複数のカム突起33aに係止されている。これにより、頭部25が筒状部材20に対してロックされている。
このときには、頭部25が本体ケース2側に向けて押し込まれていることにより、頭部25が本体ケース2の外面に接近し、この状態で頭部25が本体ケース2の外面に設けられたパッキン部材34の弾性部36を弾性変形させた状態で、弾性部36に圧接している。これにより、本体ケース2の外面とこれに対面する頭部25の内面との間がパッキン部材34の弾性部36によって防水される。
このため、このスイッチ装置16では、通常の状態のときに、本体ケース2の外面とこれに対面する頭部25の内面との間から、水や泥、あるいはゴミなどの異物の侵入を防ぐことができる。また、この状態では、頭部25が落下などによる外部からの衝撃を受けた際に、その衝撃がパッキン部材34の弾性部36で緩衝されるので、衝撃から本体ケース2内の時計モジュール7を保護することができる。
また、このスイッチ装置16で時刻修正をする場合には、まず、ロック機構31による頭部25のロックを解除する。このときには、頭部25を所定角度、例えば約60度回転させて、頭部25内のロック部材32の筒状部32aを所定角度、例えば約60度の角度だけ回転させる。すると、このロック部材32の複数のフック部32bが回転移動して、筒状部材20に設けられたロック係止部33の複数のカム突起33a間の中間部に対応する。
このときには、コイルばね29のばね力によってロック部材32の筒状部32aが本体ケース2の外部に向けて押し出されるので、ロック部材32の複数のフック部32bが複数のカム突起33a間を通り抜けて、図3に示すように、頭部25が本体ケース2の外部に向けて押し出される。
この場合には、操作部材21の軸部24が本体ケース2の外部に向けスライドし、軸部24の連結穴27内に配置された連動部材28の角板部28aが、軸部24の連結穴27の角孔部27a内を相対的に移動する。すなわち、このときには、軸部24がスライドしても、連動部材28はコイルばね29のばね力によって押えられているので、軸部24と共にスライドしない。
このため、巻真30は連動部材28と共に同じ状態(ニュートラル状態)を維持する。この状態で、操作部材21の頭部25を回転させ、この回転に伴って軸部24と共に連動部材28を回転させ、この回転に伴って巻真30を回転させても、巻真30は空転するだけで、巻真30によって時計モジュール7の時計ムーブメントは動作せず、指針の時刻修正は行われない。
そこで、頭部25を本体ケース2の外部に向けて更に引き出すと、これに伴って軸部24がコイルばね29のばね力に抗して本体ケース2の外部に向けてスライドする。このときには、連動部材28が軸部24と共にスライドし、この連動部材28と共に巻真30が本体ケース2の外部に向けてスライドして、時計モジュール7の時計ムーブメントを操作可能な状態になる。
この状態で、操作部材21の頭部25を回転させると、この頭部25の回転に伴って軸部24が連動部材28を回転させる。これにより、巻真30が連動部材28と共に回転するので、この巻真30によって時計モジュール7の時計ムーブメントが操作され、指針が運針して、この指針によって指示される時刻が修正される。
このように、この腕時計のスイッチ装置16によれば、本体ケース2の貫通孔18に設けられた筒状部材20と、この筒状部材20に挿入する軸部24、およびこの軸部24の外端部に設けられて本体ケース2の外面に接離可能に接近する頭部25を有する操作部材21と、本体ケース2の外面と操作部材21の頭部25との間に筒状部材20の外周に沿って環状に配置され、頭部25が接離可能に弾接するパッキン部材34と、を備えているので、頭部25をパッキン部材34に弾接させることにより、異物の侵入を防いで、耐衝撃性を確保でき、かつ操作部材21の操作性を向上させることができる。
すなわち、この腕時計のスイッチ装置16では、本体ケース2の貫通孔18に設けられた筒状部材20に操作部材21の軸部24を押し込んで、操作部材21の頭部25を本体ケース2の外面に接近させた際に、頭部25をパッキン部材34に弾接させることができるので、本体ケース2の外面と操作部材21の頭部25との間における防水性を確保することができると共に、外部からの衝撃をパッキン部材34によって緩衝することができる。
このため、このスイッチ装置16では、通常の状態のときに、頭部25をパッキン部材34に弾接させることができるので、本体ケース2の外面とこれに対面する頭部25の内面との間から、水や泥、あるいはゴミなどの異物の侵入を確実に防ぐことができると共に、頭部25が落下などによる外部からの衝撃を受けた際に、その衝撃をパッキン部材34によって緩衝することができるので、衝撃から本体ケース2内の時計モジュール7を良好に保護することができる。
また、このスイッチ装置16では、操作部材21の軸部24を筒状部材20から外部に向けて引き出し、操作部材21の頭部25をパッキン部材34から離した状態で、操作部材21を操作することができ、これにより操作部材21がパッキン部材34の影響を受けることがないので、操作部材21の操作性を向上させることができる。
この場合、このスイッチ装置16では、操作部材21の頭部25が本体ケース2の外面に接近した状態で、頭部25を筒状部材20に対してロックするロック機構31を備えていることにより、頭部25を押し込んで本体ケース2の外面に接近させた状態で、ロック機構31によって頭部25を筒状部材20に対してロックすることができるので、頭部25をパッキン部材34に確実に圧接させることができ、これによりパッキン部材34によって本体ケース2の外面とこれに対面する頭部25の内面との間を確実に防水することができる。
すなわち、ロック機構31は、頭部25の内周部に設けられたロック部材32と、筒状部材20の大径筒部20bの外周部に設けられたロック係止部33と、を有し、ロック部材32の複数のフック部32bがロック係止部33の複数のカム突起33aに係脱可能に係止されて、頭部25を筒状部材20に対してロックする構成であることにより、筒状部材20に対して頭部25を簡単にかつ確実にロックすることができると共に、筒状部材20に対する頭部25のロックを簡単にかつ容易に解除することができる。
この場合、ロック機構31は、頭部25が本体ケース2側に向けて押し込まれる際に、ロック係止部33の複数のカム突起33a間を通してロック部材32の複数のフック部32bを本体ケース2側に移動させることができるので、頭部25を本体ケース2の外面に接近させてパッキン部材34に確実に圧接させることができ、この状態で頭部25を所定角度だけ回転させて、複数のフック部32bを複数のカム突起33aに対応させて係合させることができるので、頭部25を簡単にかつ確実にロックすることができる。
また、このロック機構31は、頭部25のロックを解除する際に、頭部25を所定角度だけ回転させて、ロック部材32の複数のフック部32bをロック係止部33の複数のカム突起33a間の中間部に対応させるだけで、複数のカム突起33a間を通して複数のフック部32bを本体ケース2の外部側に移動させることができるので、筒状部材20に対する頭部25のロックを簡単にかつ容易に解除することができる。
さらに、このスイッチ装置16では、パッキン部材34が、本体ケース2の外面に配置される環状のベース部35と、このベース部35に設けられて操作部材21の頭部25が接離可能に弾接する環状の弾性部36と、を備えていることにより、操作部材21の頭部25が本体ケース2側に向けて押し込まれて本体ケース2の外面に接近した際に、頭部25を弾性部36に弾力的に圧接させることができ、これにより本体ケース2の外面と頭部25の内面との間における異物の侵入を防いで、耐衝撃性を確保することができる。
この場合、ベース部35は、本体ケース2の外面に筒状部材20の中径筒部20bの外周に沿って設けられた取付凹部2bに配置され、この状態で筒状部材20のフランジ部20dによって押え付けられた状態で、取付凹部2b内に取り付けられる構成であるから、ベース部35を本体ケース2の外面に簡単にかつ確実に取り付けることができる。
また、弾性部36は、ベース部35よりも軟質の合成樹脂によって断面がほぼ半円形状で、全体がリング形状に形成され、かつ2色成型によってベース部35に一体に形成され、この状態でベース部35が本体ケース2の取付凹部2b内に配置された際に、本体ケース2の外面から外部に向けて突出する構成であるから、頭部25が本体ケース2の外面に接近した際に、頭部25によって弾性部36を確実にかつ良好に弾性変形させることができ、これにより弾性部36に頭部25を確実に圧接させることができる。
さらに、このスイッチ装置16では、筒状部材20の外周に沿うベース部35の回転移動を規制する回転止め部37を備えていることにより、頭部25が弾性部36に圧接した状態で回転する際に、回転止め部37によってベース部35が筒状部材20の外周に沿って回転移動するのを阻止することができ、これにより頭部25のみを弾性部36に圧接させた状態で円滑に摺動回転させることができるので、異物の侵入を防いで、耐衝撃性を確保した状態で、操作部材21を円滑にかつ良好に操作することができる。
(第2実施形態)
次に、図6(a)および図6(b)を参照して、この発明を腕時計に適用した第2実施形態について説明する。なお、図1〜図5に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この腕時計は、スイッチ装置16のパッキン部材40が第1実施形態と異なる構成であり、これ以外は第1実施形態と同じ構成になっている。
すなわち、このパッキン部材40は、図6(a)および図6(b)に示すように、本体ケース2の外面に設けられた環状のベース部41と、このベース部41に設けられた弾性部42と、を備えている。ベース部41は、弾性部42よりも硬い軟質の合成樹脂によって環状に形成された板状の本体部41aと、この本体部41aの一面(図6(b)では上面)に環状に形成されて本体ケース2の外部に向けて突出する突起部41bと、を有している。
この場合にも、ベース部41は、第1実施形態と同様、本体部41aが本体ケース2の外面に筒状部材20の中径筒部20bの外周に沿って設けられた取付凹部2bに配置され、この状態で本体部41aが筒状部材20のフランジ部20dによって押え付けられるように構成されている。この場合、突起部41bは、その突出した先端が本体ケース2の外面と同じ位置か、それよりも外部に向けて少し突出した状態で配置されるように構成されている。
弾性部42は、ベース部41よりも柔らかい軟質の合成樹脂からなり、図6(b)に示すように、ベース部41の突起部41bの外面にこれを覆った状態で、2色成型によって一体に形成されている。この弾性部42は、ベース部41の本体部41aが本体ケース2の取付凹部2b内に配置された際に、本体ケース2の外面から外部に向けて突出するように構成されている。
これにより、パッキン部材40は、図2に示したように、操作部材21の頭部25が本体ケース2側に押し込まれてロック機構31によってロックされた際に、本体ケース2の外面に接近した頭部25の内面が弾性部42に弾力的に圧接することにより、本体ケース2の外面と頭部25の内面との間の防水を図るように構成されている。
この場合にも、ベース部41は、図6(a)および図6(b)に示すように、本体ケース2の取付凹部2b内に配置された際に、回転止め部37によって取付凹部2b内で筒状部材20の円周方向に回転しないように構成されている。すなわち、この回転止め部37は、第1実施形態と同様、ベース部41の内周縁に設けられた切欠き部37aと、本体ケース2の取付凹部2b内に設けられて切欠き部37aが係合する係合突起37bとを有している。
このような腕時計のスイッチ装置16においても、第1実施形態と同様の作用効果があるほか、パッキン部材40が、ベース部41と弾性部42とを備え、ベース部41が本体ケース2の外面に配置される環状の本体部41aと、この本体部41aに一体に形成されて本体ケース2の外部に向けて突出する環状の突起部41bとを有し、弾性部42が突起部41bの外面に設けられていることにより、頭部25を弾性部36に弾力的に圧接させることができ、これにより本体ケース2の外面と頭部25の内面との間における異物の侵入を防いで、耐衝撃性を確保することができる。
この場合、ベース部41は、弾性部42よりも硬い軟質の合成樹脂で形成され、弾性部42がベース部41よりも柔らかい軟質の合成樹脂で形成されていることにより、操作部材21の頭部25が本体ケース2側に向けて押し込まれて本体ケース2の外面に接近した際に、頭部25によって弾性部36を弾性変形させることができると共に、ベース部41の突起部41bも弾性変形させることができる。
このため、このパッキン部材40によっても、頭部25を弾性部42に確実にかつ良好に圧接させることができ、これにより本体ケース2の外面と頭部25の内面との間における異物の侵入を、第1実施形態のパッキン部材34よりも、確実に防ぐことができると共に、耐衝撃性を確保することができる。
(第3実施形態)
次に、図7および図8を参照して、この発明を腕時計に適用した第3実施形態について説明する。この場合にも、図1〜図5に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この腕時計は、スイッチ装置16のパッキン部材45が第1実施形態と異なる構成であり、これ以外は第1実施形態と同じ構成になっている。
すなわち、このパッキン部材45は、図7および図8に示すように、本体ケース2の外面に設けられた環状のベース部46と、このベース部46に環状に設けられた弾性部47と、ロック機構31によって操作部材21の頭部25をロックする際およびそのロックを解除する際における頭部25の回転操作力を制動する制動部48と、を備えている。
ベース部46は、第2実施形態と同様、弾性部47よりも硬い軟質の合成樹脂によって環状の板状に形成されている。この場合にも、ベース部46は、第1実施形態と同様、本体ケース2の外面に筒状部材20の中径筒部20bの外周に沿って設けられた取付凹部2bに配置され、この状態で筒状部材20のフランジ部20dによって押え付けられるように構成されている。
弾性部47は、第2実施形態と同様、ベース部46よりも柔らかい軟質の合成樹脂からなり、2色成型によってベース部46と一体に形成されている。また、この弾性部47は、第1実施形態と同様、ベース部46が本体ケース2の取付凹部2b内に配置された際に、本体ケース2の外面から外部に向けて突出するように構成されている
制動部48は、図7および図8(c)に示すように、ベース部46の一面(図8(c)では上面)にその環状方向に沿って所定間隔で山形状に形成された複数の制動突起部48aと、弾性部47の一面(図8(c)では下面)にその環状方向に沿って所定間隔でほぼ台形の山形状に形成されて複数の制動突起部48a間にそれぞれ嵌合する複数の嵌合突起部48bと、を備えている。
この場合、ロック機構部31は、第1実施形態と同様、頭部25に設けられたロック部材32の複数のフック部32bが筒状部材20に設けられたロック係止部33のカム溝部33b内を回転移動して、ロック係止部33の複数のカム突起33aに対して複数のフック部32bが係脱することにより、頭部25をロックし、かつそのロックを解除するように構成されている。
このため、複数の制動突起部48aそれぞれは、図7および図8(c)に示すように、操作部材21の頭部25によってロック機構部31のフック部32bがカム突起33aに係止されるロック方向に回転移動する際に、その回転方向に沿って緩やかに傾斜する第1傾斜面S1と、フック部32bがカム突起33aから離脱するロック解除方向に回転移動する際に、その回転方向に沿って急峻に傾斜する第2傾斜面S2と、を有し、これらによって全体が山形状に形成されている。
複数の嵌合突起部48bそれぞれは、図7および図8(c)に示すように、制動突起部48aの緩やかに傾斜する第1傾斜面S1に弾接する第1弾接面D1と、制動突起部48aの急峻に傾斜する第2傾斜面S2に弾接する第2弾接面D2と、制動突起部48a間に位置するベース部46の一面(図8(c)では上面)に弾接する第3弾接面D3と、を有し、これらによって全体がほぼ台形の山形状に形成されている。
これにより、複数の嵌合突起部48bそれぞれは、図7および図8(c)に示すように、操作部材21の頭部25が弾性部47に圧接した状態でロック機構31によってロックされるロック方向(図7では時計回り方向)に向けて回転する際に、第1弾性面D1が制動突起部48aの緩やかに傾斜する第1傾斜面S1に押し付けられる方向に弾性変形することにより、弾性変形がしやすくなるように構成されている。
また、これら複数の嵌合突起部48bそれぞれは、図7および図8(c)に示すように、操作部材21の頭部25が弾性部47に圧接した状態で、ロック機構31によってロックされた頭部25のロックを解除するロック解除方向(図7では反時計回り方向)に回転する際に、第2弾性面D2が制動突起部48aの急峻に傾斜する第2傾斜面S2に押し付けられる方向に弾性変形することにより、弾性変形がしにくくなるように構成されている。
このため、この制動部48は、図7および図8に示すように、操作部材21の頭部25を弾性部47に圧接させた状態で回転させる際に、ロック機構31によって頭部25をロックする際のロック操作力と、ロック機構31による頭部25のロックを解除する際のロック解除操作力とが、複数の嵌合突起部48bそれぞれの弾性変形に応じて異なるように構成されている。
すなわち、この制動部48は、ロック機構31によって頭部25をロックする際に、複数の嵌合突起部48bそれぞれが弾性変形し易いため、頭部25におけるロック操作力が軽く、またロック機構31による頭部25のロックを解除する際に、複数の嵌合突起部48bそれぞれが弾性変形し難いため、頭部25におけるロック解除操作力が重くなるように構成されている。
この場合にも、ベース部46は、図7および図8に示すように、本体ケース2の取付凹部2b内に配置された際に、回転止め部37によって取付凹部2b内で筒状部材20の円周方向に回転しないように構成されている。すなわち、この回転止め部37は、第1実施形態と同様、ベース部46の内周縁に設けられた切欠き部37aと、本体ケース2の取付凹部2b内に設けられて切欠き部37aが係合する係合突起37bと、を有している。
このような腕時計のスイッチ装置16においても、第1実施形態と同様の作用効果があるほか、パッキン部材45が、ベース部46と弾性部47とのほかに、制動部48を備えているので、操作部材21の頭部25を弾性部47に圧接させた状態で回転させる際に、ロック機構31によって頭部25をロックする際のロック操作力と、ロック機構31による頭部25のロックを解除する際のロック解除操作力とを、制動部48によって変えることができる。
すなわち、この制動部48は、ベース部46に形成された複数の制動突起部48aと、弾性部47に形成されて複数の制動突起部48a間にそれぞれ嵌合する複数の嵌合突起部48bと、を備え、制動突起部48aが緩やかな第1傾斜面S1と急峻な第2斜面S2とを有し、嵌合突起部48bが第1傾斜面S1に弾接する第1弾接面D1と第2斜面S2に弾接する第2弾接面D2とを有しているので、頭部25を弾性部47に圧接させた状態で回転させる際に、その回転方向によって嵌合突起部48bの弾性変形状態を変えることができる。
このため、このスイッチ装置16では、ロック機構31によって頭部25をロックする際に、複数の嵌合突起部48bそれぞれを弾性変形し易くすることにより、頭部25におけるロック操作力を軽くすることができ、またロック機構31による頭部25のロックを解除する際に、複数の嵌合突起部48bそれぞれを弾性変形し難くすることにより、頭部25におけるロック解除操作力を重くすることができ、これにより不用意に頭部25が回転してロックが解除されないようにすることができる。
(第4実施形態)
次に、図9および図10を参照して、この発明を腕時計に適用した第4実施形態について説明する。この場合にも、図1〜図5に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この腕時計は、スイッチ装置16のパッキン部材50が第1実施形態と異なる構成であり、これ以外は第1実施形態とほぼ同じ構成になっている。
すなわち、このパッキン部材50は、図9および図10に示すように、本体ケース2の外面に設けられた環状のベース部51と、このベース部51に環状に設けられた弾性部52と、ベース部51の捩れを規制する捩れ規制部53と、を備えている。ベース部51は、弾性部52よりも硬い軟質の合成樹脂によって環状の板状に形成されている。
このベース部51は、図10(a)〜図10(c)に示すように、その外周側の厚みが内周側の厚みよりも厚く形成され、これにより外周側と内周側との境界部に段差部51aが形成されている。このベース部51は、図9に示すように、本体ケース2の外面に筒状部材20の中径筒部20bの外周に沿って設けられた取付凹部54に配置され、この状態で、第1実施形態と同様、筒状部材20のフランジ部20dによって押え付けられるように構成されている。
弾性部52は、ベース部51よりも柔らかい軟質の合成樹脂からなり、図10(a)〜図10(c)に示すように、ベース部51の外周面に、段差部51aを跨いだ状態で、2色成型によって一体に形成されている。この弾性部52は、ベース部51が本体ケース2の取付凹部54内に配置された際に、本体ケース2の外面から外部に向けて突出するように構成されている。
捩れ規制部53は、図9および図10に示すように、ベース部51の外周にその径方向に突出して形成された複数の放射突起部53aを有している。これら複数の放射突起部53aは、その厚みがベース部51の外周側の厚みと同じ厚みで、ベース部51の外周から放射状に突出して形成されている。
この場合、本体ケース2の取付凹部54は、図9に示すように、ベース部51が配置されるベース装着凹部54aと、このベース装着凹部54aの外周に放射状に設けられて複数の放射突起部53aが配置される複数の規制装着凹部54bと、を有している。
これにより、捩れ規制部53は、図9および図10に示すように、複数の放射突起部53aと複数の規制装着凹部54bとを備え、複数の放射突起部53aが複数の規制装着凹部54bに装着することにより、操作部材21の頭部25が弾性部52に圧接した状態で回転する際に、その頭部25の回転に伴うベース部51の捩れを規制して阻止するように構成されている。
この場合にも、パッキン部材50は、図2に示したように、操作部材21の頭部25が本体ケース2側に押し込まれてロック機構31によってロックされた際に、本体ケース2の外面に接近した頭部25の内面が弾性部52に弾力的に圧接することにより、本体ケース2の外面と頭部25の内面との間の防水を図るように構成されている。
また、この場合にも、ベース部51は、図9および図10に示すように、本体ケース2の取付凹部54内に配置された際に、回転止め部37によって取付凹部54内で筒状部材20の円周方向に回転しないように構成されている。すなわち、この回転止め部37は、第1実施形態と同様、ベース部51の内周縁に設けられた切欠き部37aと、本体ケース2の取付凹部54内に設けられて切欠き部37aが係合する係合突起37bとを有している。
このような腕時計のスイッチ装置16においても、第1実施形態と同様の作用効果があるほか、パッキン部材50が、ベース部51と弾性部52とのほかに、捩れ規制部53を備えているので、操作部材21の頭部25が弾性部52に圧接した状態で回転する際に、その頭部25の回転に伴うベース部51の捩れを捩れ規制部53によって規制して確実に阻止することができる。
すなわち、このパッキン部材50の捩れ規制部53は、ベース部51の外周にその径方向に突出して形成された複数の放射突起部53aと、本体ケース2の取付凹部54に設けられて複数の放射突起部53aが配置される複数の規制装着凹部54bと、を備え、複数の放射突起部53aが複数の規制装着凹部54bに装着する構成であるから、操作部材21の頭部25が弾性部52に圧接した状態で回転する際に、その頭部25の回転に伴うベース部51の捩れを確実に規制して阻止することができる。
この場合、パッキン部材50のベース部51は、その外周側の厚みが内周側の厚みよりも厚く形成され、これにより外周側と内周側との境界部に段差部51aが形成され、このベース部51の外周面に弾性部52が段差部51aを跨いだ状態で、2色成型によって一体に形成されていることにより、ベース部51に対する弾性部52の接合面積を段差部51aによって広くすることができ、これにより第1実施形態の場合よりも、弾性部52をベース部51に対して強固に設けることができる。
(第5実施形態)
次に、図11および図12を参照して、この発明を腕時計に適用した第5実施形態について説明する。この場合にも、図1〜図5に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この腕時計は、スイッチ装置16のパッキン部材60が第1実施形態と異なる構成であり、これ以外は第1実施形態とほぼ同じ構成になっている。
すなわち、このパッキン部材60は、図11および図12に示すように、本体ケース2の外面に設けられた環状のベース部61と、このベース部61に環状に設けられた弾性部62と、ベース部61の捩れを規制する捩れ規制部63と、を備えている。
ベース部61は、図12に示すように、弾性部62よりも硬い軟質の合成樹脂によって環状の板状に形成されている。このベース部61は、図11に示すように、本体ケース2の外面に筒状部材20の中径筒部20bの外周に沿って設けられた取付凹部64に配置され、この状態で、第1実施形態と同様、筒状部材20のフランジ部20dによって押え付けられるように構成されている。
弾性部62は、第1実施形態と同様、ベース部61よりも柔らかい軟質の合成樹脂からなり、ベース部61の外周面に2色成型によって一体に形成されている。この弾性部62は、ベース部61が本体ケース2の取付凹部64内に配置された際に、本体ケース2の外面から外部に向けて突出するように構成されている。
捩れ規制部63は、図11および図12に示すように、ベース部61の一面(図12(b)では下面)に、本体ケース2に向けて突出して形成された一対の規制突起部63aを有している。この場合、本体ケース2の取付凹部64は、図11に示すように、ベース部61が配置されるベース装着凹部64aと、このベース装着凹部64a内に設けられて一対の規制突起部63aが配置される一対の規制装着凹部64bと、を有している。
これにより、捩れ規制部63は、図11および図12に示すように、一対の規制突起部63aと一対の規制装着凹部64bとを備え、一対の規制突起部63aが一対の規制装着凹部64bに装着することにより、操作部材21の頭部25が弾性部52に圧接した状態で回転する際に、その頭部25の回転に伴うベース部61の捩れを規制して阻止するように構成されている。
この場合にも、パッキン部材60は、図2に示したように、操作部材21の頭部25が本体ケース2側に押し込まれてロック機構31によってロックされた際に、本体ケース2の外面に接近した頭部25の内面が弾性部62に弾力的に圧接することにより、本体ケース2の外面と頭部25の内面との間の防水を図るように構成されている。
また、この場合にも、ベース部61は、図11および図12に示すように、本体ケース2の取付凹部64内に配置された際に、回転止め部37によって取付凹部64内で筒状部材20の円周方向に回転しないように構成されている。すなわち、この回転止め部37は、第1実施形態と同様、ベース部61の内周縁に設けられた切欠き部37aと、本体ケース2の取付凹部64内に設けられて切欠き部37aが係合する係合突起37bとを有している。
このような腕時計のスイッチ装置16においても、第1実施形態と同様の作用効果があるほか、パッキン部材60が、ベース部61と弾性部62とのほかに、捩れ規制部63を備えているので、操作部材21の頭部25が弾性部62に圧接した状態で回転する際に、その頭部25の回転に伴うベース部61の捩れを捩れ規制部63によって規制して確実に阻止することができる。
すなわち、このパッキン部材60の捩れ規制部63は、ベース部61に本体ケース2側に向けて突出して形成された一対の規制突起部63aと、本体ケース2の取付凹部64に設けられて一対の規制突起部63aが配置される一対の規制装着凹部64bと、を備え、一対の規制突起部63aが一対の規制装着凹部64bに装着する構成であるから、操作部材21の頭部25が弾性部62に圧接した状態で回転する際に、その頭部25の回転に伴うベース部61の捩れを確実に規制して阻止することができる。
なお、上述した第1〜第5の各実施形態では、操作部材21の軸部24に連動部材28を設け、この連動部材28に巻真30を設け、この巻真30で時計モジュール7の時計ムーブメントを操作するように構成した場合について述べたが、必ずしも連動部材28や巻真30を備えている必要はなく、操作部材21の軸部24で時計モジュール7を操作するように構成したものであっても良い。
また、上述した第1〜第5の各実施形態では、ロック機構31が操作部材21の頭部25に設けられたロック部材32と、筒状部材20に設けられたロック係止部33と、を備え、ロック部材32の複数のフック部32bをロック係止部33の複数のカム突起33aが係脱可能に係止する構成である場合について述べたが、これに限らず、例えば操作部材21の頭部25の内周面に雌ねじ部を設け、筒状部材20の大径筒部20bに頭部25の雌ねじが螺合する雄ねじ部を設けたねじ式のロック機構であっても良い。
また、上述した第1〜第5の各実施形態では、ロック機構31を備えている場合について述べたが、必ずしもロック機構を備えている必要はない。
さらに、上述した第1〜第5の各実施形態では、腕時計に適用した場合について述べたが、必ずしも腕時計である必要はなく、例えばトラベルウオッチ、目覚まし時計、置き時計、掛け時計などの各種の時計に適用することができる。また、必ずしも時計である必要はなく、携帯電話機や携帯情報端末機などの電子機器にも広く適用することができる。
以上、この発明のいくつかの実施形態について説明したが、この発明は、これらに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
請求項1に記載の発明は、貫通孔を有するケースと、前記ケースの前記貫通孔に設けられた筒状部材と、前記筒状部材に挿入する軸部、およびこの軸部の外端部に設けられて前記ケースの外面に接離可能に接近する頭部を有する操作部材と、前記ケースの外面と前記操作部材の前記頭部との間に前記筒状部材の外周に沿って環状に配置され、前記頭部が接離可能に弾接するパッキン部材と、を備えていることを特徴とするスイッチ装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスイッチ装置において、前記操作部材の前記頭部が前記ケースの外面に接近した状態で、前記頭部を前記筒状部材に対してロックするロック機構を備えていることを特徴とするスイッチ装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のスイッチ装置において、前記パッキン部材は、前記ケースの外面に配置される環状のベース部と、このベース部に設けられて前記頭部が接離可能に弾接する環状の弾性部と、を備えていることを特徴とするスイッチ装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のスイッチ装置において、前記ベース部には、前記ケースの外部に向けて突出する突起部が環状に設けられており、前記弾性部は、前記突起部の外面に設けられていることを特徴とするスイッチ装置である。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載のスイッチ装置において、前記パッキン部材は、前記ロック機構によって前記頭部をロックする際のロック操作力と、前記ロック機構による前記頭部のロックを解除する際のロック解除操作力と、が異なるように制動する制動部を備えていることを特徴とするスイッチ装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のスイッチ装置において、前記パッキン部材は、前記ケースの外面に前記筒状部材に設けられたフランジ部によって押え付けられた状態で配置されることを特徴とするスイッチ装置である。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載のスイッチ装置において、前記パッキン部材は、前記筒状部材の外周に沿う回転移動を規制する回転止め部を備えていることを特徴とするスイッチ装置である。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載のスイッチ装置において、前記パッキン部材は、前記頭部が圧接した状態で回転する際における前記パッキン部材の捩れを規制する捩れ規制部を備えていることを特徴とするスイッチ装置である。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載されたスイッチ装置を備えていることを特徴とする時計である。