JP2019011691A - 排ガス浄化装置 - Google Patents

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進 武並
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Takumi Suzawa
匠 須沢
矢羽田 茂人
Shigeto Yabaneta
茂人 矢羽田
良彦 松井
Yoshihiko Matsui
良彦 松井
浩之 成田
Hiroyuki Narita
浩之 成田
翔太 河野
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翔太 河野
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Abstract

【課題】NOx吸蔵還元触媒へのNOxの吸着性を確保しつつ、消費エネルギーの低減を図ることができる排ガス浄化装置を提供すること。【解決手段】排ガス浄化装置は排気通路とNOx吸蔵還元触媒とオゾン供給部とオゾン供給量制御部とNO排出量取得部と触媒温度取得部とを有する。NOx吸蔵還元触媒は排気通路内の排ガスを浄化する。オゾン供給部は排気通路内におけるNOx吸蔵還元触媒の上流側からNOx吸蔵還元触媒にオゾンを供給する。オゾン供給量制御部はオゾン供給部によるオゾンの供給量を制御する。NO排出量取得部は内燃機関から排出されるNOxの量を取得する。触媒温度取得部はNOx吸蔵還元触媒の温度を取得する。触媒温度取得部が取得するNOx吸蔵還元触媒の温度が所定の低温領域であるとき、オゾン供給量制御部はNO排出量取得部により取得するNOの量に対するオゾンのモル比を0超1未満とするようオゾン供給部を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、排ガス浄化装置に関する。
例えば特許文献1に記載されているように、内燃機関の排気管には、内燃機関から排出される排ガスを浄化する排ガス浄化装置が設けられる。特許文献1に記載の排ガス浄化装置は、排気管に、排ガス中のNOxを浄化するためのNOx吸蔵還元触媒を配している。NOx吸蔵還元触媒は、そこに流入されるガスがリーンのときにNOxを吸蔵し、流入ガスがリッチのときにNOxを還元するよう構成されている。
ここで、NOxのうちのNOは、二次以上の窒素酸化物(例えばNO2)に比べNOx吸蔵還元触媒への吸着性が低い。そのため、NOx吸蔵還元触媒は、そこに担持したPt(白金)等の貴金属によって、NOをより吸着性の高い二次以上の窒素酸化物に酸化している。
しかしながら、内燃機関の始動時等の比較的NOx吸蔵還元触媒の温度が低い場合においては、担持した貴金属が活性化されず、NOの酸化反応が促進され難い。
そこで、特許文献1に記載の排ガス浄化装置は、内燃機関の低温始動時等に、NOx吸蔵還元触媒に、NOの量に対するオゾンのモル比が1以上となるようオゾンを供給している。これにより、NOの酸化を促進してNOx吸蔵還元触媒へのNOx吸着率を向上させようとしている。
特開2008−163887号公報
しかしながら、特許文献1に記載の排ガス浄化装置においては、NOx吸蔵還元触媒が低温の時に、前述のごとくモル比1以上のオゾンを供給しなければならず、消費電力の削減を図り難い。また、例えばエンジン始動直後等は、NOx吸蔵還元触媒が低温となるが、エアコン等の補機の作動のための電力等が必要であるため、エンジン始動直後等において消費エネルギーの増大は好ましくない。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、NOx吸蔵還元触媒へのNOxの吸着性を確保しつつ、消費エネルギーの低減を図ることができる排ガス浄化装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、内燃機関(10)から排出される排ガスが流通する排気通路(2)と、
前記排気通路に設けられ、前記排ガスを浄化するNOx吸蔵還元触媒(3)と、
前記排気通路内における前記NOx吸蔵還元触媒の上流側から前記NOx吸蔵還元触媒にオゾンを供給するオゾン供給部(4)と、
前記オゾン供給部によるオゾンの供給量を制御するオゾン供給量制御部と、
前記内燃機関から排出されるNOの量を取得するNO排出量取得部と、
前記NOx吸蔵還元触媒の温度を取得する触媒温度取得部と、を有し、
前記触媒温度取得部が取得する前記NOx吸蔵還元触媒の温度が所定の温度以下の低温領域にあるとき、前記オゾン供給量制御部は、前記NO排出量取得部により取得するNOの量に対するオゾンのモル比が0超、1未満となるよう前記オゾン供給部によるオゾンの供給量を制御するよう構成されている、排ガス浄化装置(1)にある。
前記排ガス浄化装置において、NOx吸蔵還元触媒が所定の低温領域にあるとき、オゾン供給量制御部は、NO排出量取得部により取得するNOの量に対するオゾンのモル比が0超、1未満となるようオゾン供給部によるオゾンの供給量を制御するよう構成されている。それゆえ、低温領域において、オゾン供給による消費電力の増大を抑制することができる。さらに、NOx吸蔵還元触媒にオゾンを供給することにより、低温領域においても、NOx吸蔵還元触媒へのNOxの吸着率を確保することができる。
以上のごとく、前記態様によれば、NOx吸蔵還元触媒へのNOxの吸着性を確保しつつ、消費エネルギーの低減を図ることができる排ガス浄化装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、排ガス浄化装置において実施される制御のフローチャート。 実施形態1における、排ガス浄化装置全体の構成を示す図。 NSRにオゾンを供給しない場合の、触媒温度と、NSRから排出されるNOxの濃度との関係を示す線図。 実験例における、内燃機関から排出されるNOの量に対する供給オゾンのモル比と、NSRへのNOxの吸着率との関係を示す線図。 実施形態2における、排ガス浄化装置において実施される制御のフローチャート。 実施形態3における、排ガス浄化装置において実施される制御のフローチャート。 実施形態3における、時間とNSRの下流側のNOx濃度との関係、及び、時間と、NSRの下流側のオゾン濃度との関係、を示す線図。
(実施形態1)
排ガス浄化装置の実施形態につき、図1〜図3を用いて説明する。
本実施形態の排ガス浄化装置1は、図2に示すごとく、排気通路2とNOx吸蔵還元触媒(以後、NSR3という。)とオゾン供給部4とオゾン供給量制御部とNO排出量取得部と触媒温度取得部とを有する。排気通路2は、内燃機関10から排出される排ガスが流通する。NSR3は、排気通路2に設けられ、内燃機関10から排出される排ガスを浄化する。オゾン供給部4は、排気通路2内におけるNSR3の上流側からNSR3にオゾンを供給する。オゾン供給量制御部は、オゾン供給部4によるオゾンの供給量を制御する。NO排出量取得部は、内燃機関10から排出されるNOの量を取得する。本実施形態において、NO排出量取得部は、エンジンの運転状態を示すパラメータに基づいて予め作成したマップに従って、NO排出量を推測することにより、内燃機関10から排出されるNOの量を取得する。触媒温度取得部は、NSR3の温度を取得する。
触媒温度取得部が取得するNSR3の温度が所定の温度以下の低温領域であるとき、オゾン供給量制御部は、NO排出量取得部により取得するNOの量に対するオゾンのモル比が0超、1未満となるようオゾン供給部4によるオゾンの供給量を制御するよう構成されている。以下、本実施形態の排ガス浄化装置1につき詳説する。
排ガス浄化装置1は、自動車の内燃機関10において発生した排ガスを浄化するために用いることができる。まず、排ガス浄化装置1の基本構造につき、説明する。
排気通路2には、NSR3、オゾン供給部4、及び触媒温度取得部が配されている。
NSR3は、ハニカム構造をなしている。NSR3は、塩基性のNOx吸着材(本実施形態においてはBaとする。)と、NOxを還元させる貴金属(本実施形態においてはRhとする。)と、NOを酸化させる貴金属(本実施形態においてはPtとする。)とを、多孔質構造を有するセラミック材料(本実施形態においてはアルミナ(Al23)とする。)に担持している。Rhの活性温度は略300℃である。すなわち、略300℃以上において、RhはNOxを還元することができる。
NSR3の上流側に、オゾン供給部4が配されている。オゾン供給部4は、排気通路2の下流側に向ってオゾンを供給できるよう構成されている。
オゾン供給部4は、オゾンを生成するオゾン生成部6に連通している。オゾン生成部6は、例えば誘電体バリア放電によりオゾンを発生するものとすることができるが、オゾンを生成可能であればこれに限られない。
NSR3には、温度センサ51が取り付けられている。触媒温度取得部は、温度センサ51からNSR3の温度の情報を取得する。そして、図示は省略するが、NSR3の上流側若しくは下流側、又は、NSR3の上流側と下流側との双方に、NOxの量を検出するNOxセンサ11が取り付けられている。本実施形態においては、NSR3の上流側及び下流側の双方にNOxセンサ11が取り付けられている。温度センサ51によって取得した温度情報、及びNOxセンサ11によって取得したNOx量の情報は、エンジンコントロールユニット(以後、ECU5という。)に送られる。ECU5は、内燃機関10の各部に取り付けられた各種センサから取得した情報に基づき、内燃機関10の運転を制御する。ECU5は、オゾン供給量制御部、NO排出量取得部、及び触媒温度取得部を構成している。
次に、本実施形態の排ガス浄化装置1が実行する制御につき、説明する。
まず、図1に示すごとく、ステップS1において、NSR3の温度を取得する。次いで、ステップS2において、NSR3の温度が、予め設定した低温領域であるか否かを判定する。低温領域は、図3に示すごとく、NSR3にオゾンを供給しない場合において、NSR3の温度が上がると、NSR3から下流側に排出されるNOxの量が急激に上昇し始める温度を基準とし、当該温度以下とすることができる。例えば、NSR3にオゾンを供給しない場合において、温度変化に伴ってNSR3の下流側のNOx濃度が図3に示すように変化するような場合を考える。この場合、NSR3の温度が150℃を超えると、温度上昇に伴うNOx濃度の上昇が急激になりはじめていることから、「低温領域」を「150℃以下」とすることができる。
ステップS2において、NSR3の温度が低温領域ではないと判定された場合、制御は終了する。
一方、ステップS2において、NSR3の温度が低温領域であると判定された場合、ステップS3において、NO排出量取得部により内燃機関10から排出されるNOの量を取得する。次いで、ステップS4で、ステップS3で取得したNOの量に対するオゾンのモル比が1未満となるよう、オゾン供給量制御部でオゾンの供給量を算出する。本実施形態においては、ステップS4で、ステップ3で取得したNOの量に対するオゾンのモル比が0.2以上1未満となるよう、オゾン供給量制御部でオゾンの供給量を算出する。そして、ステップS5において、ステップS4で算出した量のオゾンを、排気通路2に供給する。すなわち、触媒温度取得部が取得するNSR3の温度が低温領域にあるとき、オゾン供給量制御部は、NOの量に対するオゾンのモル比が0.2以上1未満となるようオゾン供給部4によるオゾンの供給量を制御するよう構成されている。そして、ステップS5を終えると、制御を終了する。以上の制御を、常時、連続的に行う。
次に、本実施形態の作用効果につき説明する。
本実施形態の排ガス浄化装置1において、NSR3が所定の低温領域にあるとき、オゾン供給量制御部は、NO排出量取得部により取得するNOの量に対するオゾンのモル比が0超、1未満となるようオゾン供給部4によるオゾンの供給量を制御するよう構成されている。それゆえ、低温領域において、オゾン供給による消費電力の増大を抑制することができる。さらに、NSR3にオゾンを供給することにより、低温領域においても、NSR3へのNOxの吸着率を確保することができる。
また、触媒温度取得部が取得するNSR3の温度が低温領域にあるとき、オゾン供給量制御部は、NO排出量取得部により取得するNOの量に対するオゾンのモル比が0.2以上1未満となるようオゾン供給部4によるオゾンの供給量を制御するよう構成されている。それゆえ、低温領域において、排ガス中のNOをすべて二次以上のNOxに酸化させる場合よりも、NSR3へのNOxの吸着率が上昇する。この数値に関しては、後述の実験例において裏付けられる。
以上のごとく、本実施形態によれば、NOx吸蔵還元触媒へのNOxの吸着性を確保しつつ、消費エネルギーの低減を図ることができる排ガス浄化装置を提供することができる。
(実験例)
本例は、図4に示すごとく、NOの量に対するオゾンのモル比とNOx吸着率との関係を示す例である。
本例においては、実施形態1で示した排ガス浄化装置1と同様の排ガス浄化装置で、内燃機関10を運転させ、NSR3の温度を80℃に保ちつつ、内燃機関10から排出されるNOxの量を、NSR3の下流側において検出した。そして、測定したNOx中のNO2の量の割合、すなわち「NO2濃度/NOx濃度」を算出した。ここで、NSR3の下流側の「NO2濃度/NOx濃度」は、内燃機関10から排出されるNOのモル量に対する、供給オゾンのモル量の割合、(すなわち、mol(O3)/mol(NO))と対応している(但し、[mol(O3)/mol(NO)]≦1の領域。)。
また、NSR3の上流側と下流側とで、NOx量をそれぞれ測定し、上流側のNOx量に対する下流側のNOx量の割合である「NOx吸着率」を算出した。結果を図4に示す。
図4に示すごとく、mol(O3)/mol(NO)を0超1未満とすることにより、オゾンを供給しない場合(すなわちmol(O3)/mol(NO)=0の場合)と比べてNOx吸着率が向上していることがわかる。また、mol(O3)/mol(NO)を0.2以上1未満とすることにより、mol(O3)/mol(NO)=1よりもNOx吸着率が向上していることがわかる。それゆえ、mol(O3)/mol(NO)を0.2以上1未満とすることにより、オゾンの供給量を減らしつつも、NOx吸着率を向上させることができる。これは、排気通路2中のNOをすべてNO2にするのではなく、排気通路2中にNOをある程度残しておくことにより、NO+NO2→N23、の反応が促進され、これに基づいてNSR3へのNOxの吸着率が増大したものと想定される。また、mol(O3)/mol(NO)が0.4以上0.6以下であることにより、NSR3への高いNOx吸着率を確保することができている。特に、NOとNO2との量が同等となるmol(O3)/mol(NO)=0.5、のときにNOx吸着率が顕著に高いことがわかる。
(実施形態2)
本実施形態は、図5に示すごとく、実施形態1の制御に、別の制御を追加した実施形態である。
低温領域において不安定なN23から生成してNSR3に吸着されたNO2が、NSR3がNOxを還元できる温度(Rhの場合は300℃)よりも低い温度から分解され、NSR3から脱離してしまう。本実施形態は、このことを考慮した制御を追加している。
本実施形態において、触媒温度取得部が取得するNSR3の温度が、低温領域よりも高温の所定の温度領域である高温領域にあるとき、オゾン供給量制御部は、NO排出量取得部により取得するNOの量に対するオゾンのモル比を増加させるようオゾン供給部4におけるオゾンの供給量を制御するよう構成されている。
本実施形態においては、実施形態1のステップS2において、NSR3が低温領域ではないと判定された場合、ステップS6において、NSR3の温度が、予め設定した高温領域であるか否かを判定する。高温領域は、低温領域よりも高い温度領域であって、NSR3が、NOxを還元できる温度未満とすることができる。例えば、NOxを還元させるRhは、活性温度が300℃であることから、高温領域は、低温領域(本実施形態においても150℃以下)超、300℃未満とすることができる。本実施形態において、高温領域は、150℃超、300℃未満としている。
ステップS6において、NSR3の温度が高温領域ではないと判定された場合、すなわち、低温領域及び高温領域よりも高い温度領域であると判定された場合、制御は終了する。
一方、ステップS6において、NSR3の温度が高温領域であると判定された場合、ステップS7において、NO排出量取得部により内燃機関10から排出されるNOの量を取得する。次いで、ステップS8で、ステップS7で取得したNOの量に対するオゾンのモル比を、それまで供給していたオゾンのモル比よりも大きいモル比となるよう、オゾン供給量制御部でオゾンの供給量を算出する。本実施形態においては、ステップS8で、ステップS7で取得したNOの量に対するオゾンのモル比が1以上となるよう、オゾン供給量制御部でオゾンの供給量を算出する。そして、ステップS9において、ステップS8で算出した量のオゾンを、排気通路2に供給する。すなわち、触媒温度取得部が取得するNSR3の温度が高温領域にあるとき、オゾン供給量制御部は、NOの量に対するオゾンのモル比が1以上となるようオゾン供給部4によるオゾンの供給量を制御するよう構成されている。そして、ステップS9を終えると、制御を終了する。以上の制御を、常時、連続的に行う。
その他は、実施形態1と同様である。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
次に、本実施形態の作用効果につき説明する。
本実施形態において、触媒温度取得部が取得するNSR3の温度が高温領域にあるとき、オゾン供給量制御部は、NO排出量取得部により取得するNOの量に対するオゾンのモル比を増加させるようオゾン供給部4によるオゾンの供給量を制御するよう構成されている。それゆえ、低温領域において不安定なN23から生成してNSR3に吸着されたNO2が、高温領域で分解されてNSR3から脱離することを抑制することができる。すなわち、NSR3に吸着しているNOxを、より吸着されやすい高次の窒素酸化物に酸化し、NOxの脱離を防止している。
また、触媒温度取得部が取得するNSR3の温度が高温領域にあるとき、オゾン供給量制御部は、NO排出量取得部により取得するNOの量に対するオゾンのモル比が1以上となるようオゾン供給部4によるオゾンの供給量を制御するよう構成されている。それゆえ、高温領域において、吸着力の弱いNOを、吸着力の強い高次の窒素酸化物に酸化させ、高温領域におけるNOxの脱離を防止することができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態3)
本実施形態は、図6に示すごとく、実施形態2の制御に、別の制御を更に追加した実施形態である。
NSR3にオゾンを供給すると、NSR3に吸着されていたNOxの一部がオゾン供給開始時から染み出す現象が生じる。そして、NSR3にオゾンを供給し続けると、NOxが、硝酸バリウム(Ba(NO32)のような硝酸塩の形でNSR3に吸着され、硝酸化が終了するとNSR3からのNOxの染み出しが終了する。NOxの硝酸化が終了した後に、オゾンを過剰供給し続けることは、エネルギーの無駄な消費となる。そこで、本実施形態は、前述のような無駄をなくすような制御を追加している。
本実施形態においては、NOx脱離量取得部と硝酸化判定部とを更に有する。NOx脱離量取得部は、NSR3から脱離するNOx量を取得する。硝酸化判定部は、脱離量取得部により取得するNOxの脱離量に基づいて、NSR3上のNOxの硝酸化が終了したか否かを判定する。硝酸化判定部においてNSR3上のNOxの硝酸化が終了したと判定されたとき、オゾン供給量制御部は、オゾン供給部4によるオゾンの供給量を減少させるよう構成されている。NOx脱離量取得部は、NSR3の下流側に配置したNOxセンサ11(図2参照)及びECU5によって構成されている。また、硝酸化判定部は、NSR3の下流側に配置したオゾンセンサ12(図2参照)及びECU5によって構成されている。
本実施形態においては、NSR3の温度が高温領域である場合、ステップS7以降の制御が、実施形態2の制御と異なる。すなわち、ステップS6において、NSR3の温度が高温領域であると判定された場合、NO排出量取得部により内燃機関10から排出されるNOの量を取得するまでは、実施形態2と同一である。
本実施形態においては、ステップS7の次に、ステップSaを行う。ステップSaにおいては、硝酸化判定部で、NSR3上のNOxの硝酸化が終了したか否かを判定する。図7の例を用いて、硝酸化終了の判定の仕方を説明する。なお、図7において、横軸は時間を示している。また、図7において、線L1に関しては、縦軸をNSR3の下流側におけるNOxの濃度としており、線L2に関しては、縦軸をNSR3の下流側におけるオゾンの濃度としている。また、図7において、オゾンを供給し始めたときの時刻をt0とし、NSR3に吸着されたNOxの硝酸化が終了した時刻をt1としている。
まず、NSR3の下流側におけるNOx濃度に基づいて、硝酸化の終了を判定する方法を説明する。図7に示すごとく、NSR3にオゾンを供給し続けると、オゾンを供給し始めた時刻t0から、NSR3に吸着されているNOxの一部が染み出す。それゆえ、図7においては、時刻t0以降において、NSR3の下流側において脱離したNOxが検出されている。その後、NSR3に吸着されているNOxの硝酸化が終了したとき、その後のNOxの検出量の低下が大きくなる。すなわち、図7に示すごとく、NSR3に吸着されているNOxの硝酸化が終了した時刻t1の後においては、時刻t0とt1との間の時間よりも、グラフの傾きが少し大きくなる。このように、グラフの傾きが大きくなり始める時刻t1を、硝酸化が終了した時刻とすることができる。
次に、NSR3の下流側におけるオゾン濃度に基づいて、硝酸化の終了を判定する方法を説明する。図7に示すごとく、NSR3にオゾンを供給し始めのときは、オゾンは、NSR3のNOxを硝酸化することに用いられるため、NSR3の下流側において、オゾンはほぼ検出されていない。そして、オゾンを供給し続け、NSR3上に吸着されたNOxがすべて硝酸化された時刻t1の後、オゾンは、NOxの硝酸化に使われず、NSR3の下流側において検出される。それゆえ、オゾン濃度が時間経過とともに増加し始める時刻を、硝酸化が終了した時刻とすることもできる。
さらに、NSR3の下流側のNOx濃度とオゾン濃度との双方から、硝酸化の終了を判定してもよい。
図6に示すごとく、ステップSaにおいて、NOxの硝酸化が終了したと判定された場合、ステップSbに進む。ステップSbにおいては、ステップS7で取得したNOの量に対するオゾンのモル比を、それまで供給していたオゾンのモル比よりも小さいモル比となるよう、オゾン供給量制御部でオゾンの供給量を算出する。本実施形態においては、ステップSbで、ステップS7で取得したNOの量に対するオゾンのモル比が1となるよう、オゾン供給量制御部でオゾンの供給量を算出する。そして、ステップScにおいて、ステップSbで算出した量のオゾンを、排気通路2に供給する。すなわち、硝酸化判定部においてNSR3上のNOxの硝酸化が終了したと判定されたとき、オゾン供給量制御部は、NO排出量取得部により取得するNOの量に対するオゾンのモル比が1となるようオゾン供給部4によるオゾンの供給量を制御するよう構成されている。
また、ステップSaにおいて、NOxの硝酸化が終了していないと判定された場合、実施形態2と同様の制御を行う。
その他、実施形態2と同様である。
次に、本実施形態の作用効果につき説明する。
本実施形態においては、硝酸化判定部においてNSR3上のNOxの硝酸化が終了したと判定されたとき、オゾン供給量制御部は、オゾン供給部4によるオゾンの供給量を減少させるよう構成されている。それゆえ、NSR3に吸着されたNOxの硝酸化が終了した後において、オゾンの過剰供給によるエネルギーの無駄を低減することができる。
また、硝酸化判定部においてNSR3上のNOxの硝酸化が終了したと判定されたとき、オゾン供給量制御部は、NO排出量取得部により取得するNOの量に対するオゾンのモル比が1となるようオゾン供給部4によるオゾンの供給量を制御するよう構成されている。それゆえ、NSR3の硝酸化が終了した後において、NSR3へのNOxの吸着を維持しやすい。
その他、実施形態2と同様の作用効果を有する。
本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1 排ガス浄化装置
10 内燃機関
2 排気通路
3 NOx吸蔵還元触媒(NSR)
4 オゾン供給部

Claims (6)

  1. 内燃機関(10)から排出される排ガスが流通する排気通路(2)と、
    前記排気通路に設けられ、前記排ガスを浄化するNOx吸蔵還元触媒(3)と、
    前記排気通路内における前記NOx吸蔵還元触媒の上流側から前記NOx吸蔵還元触媒にオゾンを供給するオゾン供給部(4)と、
    前記オゾン供給部によるオゾンの供給量を制御するオゾン供給量制御部と、
    前記内燃機関から排出されるNOの量を取得するNO排出量取得部と、
    前記NOx吸蔵還元触媒の温度を取得する触媒温度取得部と、を有し、
    前記触媒温度取得部が取得する前記NOx吸蔵還元触媒の温度が所定の温度以下の低温領域にあるとき、前記オゾン供給量制御部は、前記NO排出量取得部により取得するNOの量に対するオゾンのモル比が0超、1未満となるよう前記オゾン供給部によるオゾンの供給量を制御するよう構成されている、排ガス浄化装置(1)。
  2. 前記触媒温度取得部が取得する前記NOx吸蔵還元触媒の温度が前記低温領域にあるとき、前記オゾン供給量制御部は、前記NO排出量取得部により取得するNOの量に対するオゾンのモル比が0.2以上1未満となるよう前記オゾン供給部によるオゾンの供給量を制御するよう構成されている、請求項1に記載の排ガス浄化装置。
  3. 前記触媒温度取得部が取得する前記NOx吸蔵還元触媒の温度が、前記低温領域よりも高温の所定の温度領域である高温領域にあるとき、前記オゾン供給量制御部は、前記NO排出量取得部により取得するNOの量に対するオゾンのモル比を増加させるよう前記オゾン供給部によるオゾンの供給量を制御するよう構成されている、請求項1又は2に記載の排ガス浄化装置。
  4. 前記触媒温度取得部が取得する前記NOx吸蔵還元触媒の温度が、前記低温領域よりも高温の所定の温度領域である高温領域にあるとき、前記オゾン供給量制御部は、前記NO排出量取得部により取得するNOの量に対するオゾンのモル比が1以上となるよう前記オゾン供給部によるオゾンの供給量を制御するよう構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
  5. 前記NOx吸蔵還元触媒から脱離するNOx量を取得するNOx脱離量取得部と、前記脱離量取得部により取得するNOxの脱離量に基づいて、前記NOx吸蔵還元触媒上のNOxの硝酸化が終了したか否かを判定する硝酸化判定部と、を更に有し、前記硝酸化判定部において前記NOx吸蔵還元触媒上のNOxの硝酸化が終了したと判定されたとき、前記オゾン供給量制御部は、前記オゾン供給部によるオゾンの供給量を減少させるよう構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
  6. 前記NOx吸蔵還元触媒から脱離するNOx量を取得するNOx脱離量取得部と、前記脱離量取得部により取得するNOxの脱離量に基づいて、前記NOx吸蔵還元触媒上のNOxの硝酸化が終了したか否かを判定する硝酸化判定部と、を更に有し、前記硝酸化判定部において前記NOx吸蔵還元触媒上のNOxの硝酸化が終了したと判定されたとき、前記オゾン供給量制御部は、前記NO排出量取得部により取得するNOの量に対するオゾンのモル比が1となるよう前記オゾン供給部によるオゾンの供給量を制御するよう構成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
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