JP2019011473A - 地盤注入用固結材 - Google Patents

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【課題】良好な固結強度を有し、従来品に比して環境に優しくエコノミーな地盤注入用固結材を提供する。【解決手段】珪酸ソーダ、コロイダルシリカ及び酸成分を含有する地盤注入用固結材であって、当該コロイダルシリカは、シリカ含有地熱水由来のシリカを含有する、ことを特徴とする地盤注入用固結材。【選択図】なし

Description

本発明は、地盤改良、液状化現象の防止、耐震補強等の幅広い用途に有用な地盤注入用固結材に関し、特にコロイダルシリカがシリカ含有地熱水由来のシリカを含有する、環境に優しくエコノミーな地盤注入用固結材に関する。
従来、コロイダルシリカ及び珪酸ソーダを含有する地盤注入用固結材は知られている。例えば、特許文献1の請求項1には、「コロイダルシリカと、水ガラス(珪酸ソーダ)とを含み、地盤への注入前にはそれ自体でゲル化しないアルカリ性シリカ溶液からなる地盤注入用固結材。」が記載されている。
上記特許文献1には、コロイダルシリカと水ガラスの混合物(アルカリ性シリカ溶液)に反応剤として硫酸、リン酸等の酸性反応剤を添加し、液状化防止用の注入用固結材として使用できることが記載されている。この点について、特許文献1の[0029]段落には「例えば、アルカリ性シリカ溶液に酸性反応剤を添加して該溶液を酸性〜中性領域に調整して所定のゲル化時間を有するグラウトとすることができる。」と記載されている。
特開2001−3047号公報
従来の地盤注入用固結材に含まれるコロイダルシリカは、珪酸ソーダをイオン交換して製造するため、ナトリウム、中和後の芒硝(硫酸ナトリウム10水和物)などの廃棄物が大量に副生するという問題がある。また、金属珪素(Si)から製造する方法もあるが、製造時に水素が発生し、安全管理の点から商業ベースの製造ではコスト的に不利であり、前者の製法が主流である。
このような廃棄物を大量に副生することなく、コスト的にも有利にコロイダルシリカを調製することができれば、環境に優しくエコノミーな地盤注入用固結材が得られると考えられるが、未だそのような要求を満足する製品は得られていない。
よって、本発明は、良好な固結強度を有し、従来品に比して環境に優しくエコノミーな地盤注入用固結材を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、地盤注入用固結材の調製に使用するコロイダルシリカに含まれるシリカとして特定のシリカを用いる場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の地盤注入用固結材に関する。
1.珪酸ソーダ、コロイダルシリカ及び酸成分を含有する地盤注入用固結材であって、当該コロイダルシリカは、シリカ含有地熱水由来のシリカを含有する、
ことを特徴とする地盤注入用固結材。
2.前記酸成分は、硫酸、リン酸及び有機酸からなる群から選択される少なくとも一種である、上記項1に記載の地盤注入用固結材。
3.前記シリカ含有地熱水由来のシリカの平均粒子径は10〜20nmである、上記項1又は2に記載の地盤注入用固結材。
4.前記シリカ含有地熱水由来のシリカの動的光散乱法により求めた体積分布の尖度が0.0〜6.0の範囲である、上記項1〜3のいずれかに記載の地盤注入用固結材。
5.前記珪酸ソーダは、SiO/NaOで表されるモル比が3〜5であり、且つ、SiO濃度が10〜30質量%である、上記項1〜4のいずれかに記載の地盤注入用固結材。
6.前記コロイダルシリカは、SiO濃度が20〜50質量%である、上記項1〜5のいずれかに記載の地盤注入用固結材。
本発明の地盤注入用固結材は、珪酸ソーダ、コロイダルシリカ及び酸成分を含有する地盤注入用固結材であって、当該コロイダルシリカはシリカ含有地熱水由来のシリカを含有することにより、従来品に比して環境に優しくエコノミーである。特にシリカ含有地熱水由来のシリカは、地熱発電所の生産井から噴出する多量の地熱水中のシリカを限外濾過で濾過することにより簡便に得ることができるため、従来品のような大量の廃棄物を発生させないばかりか、むしろ天然資源を有効利用するものである。また、地熱水中のシリカを濾過により回収することにより、地熱発電所の地熱水配管において熱水が冷却された際に析出するシリカを含むスケールの付着を抑制できる点でも多大な利点がある。また、本発明の地盤注入用固結材を用いた固化体は、従来品と同等の良好な一軸圧縮強さを発揮するとともに従来品よりも顕著に大きい三軸強度(粘着力)を有しており、各種用途に幅広く適用することができる。
水ガラスをイオン交換することにより得られる従来品のコロイダルシリカ(シリカ濃度40質量%)と本発明で用いるコロイダルシリカ類似品(GeoSol、シリカ濃度30質量%)の粒子径の体積分布及び累積頻度分布を示す図である。 (a)前記従来品のコロイダルシリカの乾燥物の走査型電子顕微鏡(SEM:型番「SU800」、株式会社日立製作所製)による観察像を示す図である。(b)本発明で用いるコロイダルシリカ類似品(GeoSol)の乾燥物のSEMによる観察像を示す図である。
以下、本発明の地盤注入用固結材について詳細に説明する。
本発明の地盤注入用固結材は、珪酸ソーダ、コロイダルシリカ及び酸成分を含有する地盤注入用固結材であって、当該コロイダルシリカは、シリカ含有地熱水由来のシリカを含有することを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の地盤注入用固結材は、当該コロイダルシリカがシリカ含有地熱水由来のシリカを含有することにより、従来品のようにコロイダルシリカの調製に際し大量の廃棄物を発生させないばかりか、むしろ天然資源を有効利用するものであり、従来品に比して環境に優しくエコノミーである。
本発明の地盤注入用固結材は、コロイダルシリカに含まれるシリカとしてシリカ含有地熱水由来のシリカを含有する限り、その他の構成は限定的ではなく、珪酸ソーダ、酸成分等については従来の地盤注入用固結材に使用しているものが幅広く使用できる。
珪酸ソーダとしては、市販品やそれに水を加えて希釈した希釈溶液を使用できる。
珪酸ソーダのモル比(SiO/NaO)は限定されないが、3〜5程度が好ましく、汎用の珪酸ソーダが使えるため、3.1〜3.8程度がより好ましい。
珪酸ソーダに含まれるシリカ濃度(SiO濃度)としては、10〜30質量%程度が好ましく、20〜30質量%程度がより好ましい。
珪酸ソーダとしては、JIS K1408に示されている1号〜3号珪酸ソーダに加えて、モル比(SiO/NaO)3.1〜4程度の工業品が知られている。その中でも、高モル比の珪酸ソーダを用いることにより、部分ゲルの発生をより抑制することができ、得られる地盤注入用固結材の固結後の強度向上及び収縮抑制の効果が得られ易い。本発明では高モル比の珪酸ソーダの中でも、モル比が3.7、SiO濃度が25.6質量%である珪酸ソーダを使用することが好ましい。なお、モル比が3.5〜3.8、SiO濃度が24〜30質量%の珪酸ソーダを用いる場合には、上記珪酸ソーダと同様の良好な効果が得られ易い。
コロイダルシリカは、コロイド状の性状を示し、それ単独では長期的にゲル化しない安定な物質である。本発明では、当該コロイダルシリカとして、シリカ含有地熱水由来のシリカを含有するものを用いる。
シリカ含有地熱水由来のシリカ(SiO)の平均粒子径としては、10〜20nmが好ましく、10〜15nmがより好ましい。なお、本明細書に記載の平均粒子径は、STEMによる観察により測定した値である。但し、STEMにより測定困難な微粒子はBET法、シアーズ滴定法又は動的光散乱法による測定値とし、測定法を明記する。また、シリカ含有地熱水由来のシリカ(SiO)の粒子径の体積分布は<100nmにわたり広く分布している。幅広い体積分布の尖度は0.0〜6.0の範囲であることが好ましく、2.0〜4.0の範囲であることがより好ましい。この粒子径の体積分布及び尖度の点でシリカ含有地熱水由来のシリカは、水ガラスをイオン交換することにより得られる従来品のコロイダルシリカとは明確に区別される。
シリカ含有地熱水由来のシリカは、地熱流体である地熱水に含まれるシリカを回収及び精製することにより得られるものが例示でき、具体的には、地熱発電所の生産井から噴出する多量の地熱水中のシリカを限外濾過で濾過することにより簡便に得ることができる。
本発明では、例えば、上記手法により得られたシリカ含有地熱水由来のシリカに水などの分散媒を混合することによりコロイダルシリカを調製してもよく、地熱発電所の生産井から噴出するシリカを含む多量の地熱水を回収し、それを粒子成長及び濃縮し、粒径及び固形分濃度を調整することによりコロイダルシリカを調製してもよい。
シリカ含有地熱水由来のシリカを含有するコロイダルシリカ(又は類似品)の公知品としては、例えば、商品名「GeoSol」(Geo40 Limited製)がある。このように、地熱流体である地熱水に含まれる天然資源のシリカを回収して地盤注入用固結材の材料とし、施工現場で地盤に戻すことにより地盤改良などを行う点で、本発明の地盤注入用固結材は非常に環境に優しくエコノミーである。
コロイダルシリカに含まれるSiO濃度としては限定的ではないが、20〜50質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。
酸成分としては限定されず、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、その他の鉱酸等、クエン酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、その他の有機酸等を幅広く使用することができるが、その中でも硫酸、リン酸及び有機酸の少なくとも一種が好ましい。これらの酸は単独で使用してもよく、複数種類を混合して使用することもできる。これらの酸は、市販の酸原液又はそれを水希釈した酸水溶液がそのまま使用できる。
上記酸成分及び水の混合割合は、地盤注入用固結材の所望のSiO含有量、pH及びゲルタイムに応じて適宜設定することができる。本発明では、地盤注入用固結材のSiO含有量は限定的ではないが、2〜15質量%が好ましく、3〜12質量%がより好ましい。また、pHとゲルタイムは関連しており、地盤注入用固結材の用途が液状化防止用である場合には、pH2〜4程度、ゲルタイム10時間以上に設定することが好ましい。他方、地盤注入用固結材が瞬結〜緩結タイプ(ゲルタイム10秒〜1時間程度)の場合には、pH4〜8程度に設定することが好ましい。なお、当該ゲルタイムは、室温下、500mlビーカーに地盤注入用固結材150ml及び38.4mm×φ8mm回転子を入れて、初速40rpmで回転させ、回転が停止した時間を意味する。
よって、水の混合割合は地盤注入用固結材のSiO含有量の調整の点で設定し、酸成分の混合割合はpH及びゲルタイムの調整の点で設定すればよい。なお、水は酸成分の希釈のみならず、前述の珪酸ソーダ及び/又はコロイダルシリカの希釈にも使用できる。
本発明の地盤注入用固結材は、従来から地盤注入用固結材の技術分野で公知の添加剤を適宜含有することができる。添加剤の種類及び含有量は常法に従って選択できる。
本発明の地盤注入用固結材の粘度は限定されないが、1〜10mPa・s以下が好ましく、4mPa・s以下程度がより好ましい。
本発明の地盤注入用固結材は、地盤改良(地盤補強も含む)、液状化現象の防止、耐震補強等の幅広い用途に適用することができる。また、特に地盤注入用固結材のSiO濃度が10質量%を超える場合には大きな固結強度を発揮でき、液状化現象の防止の用途よりも高強度を要求される既存の岸壁、護岸又は構造物の耐震補強及び/又は周囲の地盤改良(特に海辺地域などの海水の影響を受ける砂質地盤)に適用することもできる。
より具体的には、既存の岸壁、護岸又は構造物(タンク、建造物、橋脚、滑走路等)の耐震補強(レベル2地震動対応)、岸壁増深時の岸壁前面の地盤改良、岸壁背面地盤の土圧低減、既存の構造物の下部地盤の支持力増加などの用途に適用できる。なお、「レベル2地震動」とは、土木学会が定義する構造物の耐震設計に用いる入力地震動であり、「現在から将来にわたって当該地点で考えられる最大級の強さをもつ地震動」を意味する。
本発明の地盤注入用固結材の製造方法は限定的ではないが、例えば、調製用容器に水の一部を入れておき、当該水を撹拌しながら酸成分、珪酸ソーダ及びコロイダルシリカを順不同で添加・混合することにより調製することが好ましい。このような混合方法を採用することにより、各成分を効率的に混合することができるとともに酸成分の供給による調製用容器の腐食等の発生を効果的に抑制することができる。
以下に実施例、比較例及び試験例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1及び比較例1(地盤注入用固結材の調製)
下記表1に示す配合でA液、B液及びC液を混合して実施例1及び比較例1の地盤注入用固結材(全シリカ濃度は10質量%)を調製した。実施例1はコロイダルシリカとして、シリカ含有地熱水由来のシリカを含有するコロイダルシリカ類似品(GeoSol、シリカ濃度30質量%、Geo40 Limited製)を使用し、比較例1はコロイダルシリカとして、水ガラスをイオン交換することにより得られる従来品のコロイダルシリカ(シリカ濃度40質量%)を使用して地盤注入用固結材を調製した。以下、各コロイダルシリカは「GeoSol」及び「従来品のコロイダルシリカ」と略記する。
上記で使用した珪酸ソーダの物性は次の通りである。
SiO:25.6質量%、NaO:7.1質量%、モル比:3.7
上記で使用したGeoSol及び従来品のコロイダルシリカについて、粒径測定システム(大塚電子製:ELSZ−2000)を用いて各液中のシリカ粒子の体積分布を動的光散乱法により測定した。
体積分布(粒子径の体積分布及び累積頻度分布)の測定結果を図1に示す。また、図1のヒストグラムから求めた体積分布の尖度を下記表2に示す。
図1及び表2の結果から明らかなように、シリカ含有地熱水由来のシリカは、水ガラスをイオン交換することにより得られる従来品のコロイダルシリカと比べて幅広い体積分布を持つことが分かった。特に体積分布の鋭さを示す尖度については、シリカ含有地熱水由来のシリカは従来品のコロイダルシリカと比べて1/4程度であり、このことからもシリカ含有地熱水由来のシリカが幅広い体積分布を持つことが分かる。
また、従来品のコロイダルシリカとGeoSolとを走査型電子顕微鏡(SEM;型番「SU800」、株式会社日立製作所製)により観察した。具体的には、従来品のコロイダルシリカとGeoSolのサンプルをSEMのステージ上に滴下し、乾燥させて観察を行った。各観察像をそれぞれ図2(a)及び(b)に示す。
図2(a)の結果から分かるように、従来品のコロイダルシリカの乾燥物は球形の一次粒子が凝集した構造であり、粒子間の隙間も確認された。これは、体積分布が鋭い点で粒子径が揃っており、凝集すると粒子間の隙間が認められ易いからと考えられる。これに対して、図2(b)の結果から分かるように、シリカ含有地熱水由来のシリカの乾燥物は一次粒子が密に充填されており、隙間は殆ど認められなかった。これは、体積分布が幅広い点で、凝集すると幅広い粒径の一次粒子が密に充填した凝集物が得られ易いからと考えられる。かかる密な凝集構造が、後記の優れた粘着力の発現に寄与すると考えられる。
試験例1(実施例1及び比較例1の地盤注入用固結材を用いた供試体の固結強度)
実施例1及び比較例1で調製した地盤注入用固結材及び豊浦砂を用いて、内径5cm×高さ10cm、相対密度50%の供試体を作製した。この供試体の材齢1週間のサンドゲルの一軸圧縮強さを測定した。
供試体の作製方法及び一軸圧縮強さの測定方法は次の通りとした。
(1)円柱の型(内径5cm、高さ10cm)からその円柱の体積を求める。
(2)豊浦砂を、上記体積に対して相対密度50%になるように計量する。相対密度は砂の種類により異なり、相対密度100%はその砂を限界まで密に詰めた状態、0%はできる限り緩く詰めた状態であり、50%はその中間の状態である。
(3)上記円柱の型に地盤注入用固結材を入れ、そこに計量した豊浦砂が均一になるように流し込む。
(4)地盤注入用固結材がゲル化して材齢1週間となるまで静置して待つ。
(5)ゲル化した後、円柱を高さ10cmになるように整えて供試体とする。
(6)供試体を圧縮強さ測定機で圧縮し、供試体が壊れた時の一軸圧縮強さを測定する。一軸圧縮強さの単位は(圧力/単位面積)である。
強度測定結果を表3に示す。両者はほぼ同等であり、コロイダルシリカとしてシリカ含有地熱水由来のシリカを含有するコロイダルシリカを用いる場合でも、従来品のコロイダルシリカを用いる場合と同等の固結強度(一軸圧縮強さ)を発現することが分かった。
実施例2及び比較例2、3(地盤注入用固結材の調製)
下記表4に示す配合でA液、B液及びC液を混合して実施例2及び比較例2、3の地盤注入用固結材(全シリカ濃度は7質量%)を調製した。実施例2はコロイダルシリカとして、シリカ含有地熱水由来のシリカを含有するコロイダルシリカ類似品(GeoSol、シリカ濃度30質量%、Geo40 Limited製)を使用し、比較例2はコロイダルシリカとして、水ガラスをイオン交換することにより得られる従来品のコロイダルシリカ(シリカ濃度40質量%)を使用して地盤注入用固結材を調製した。前記同様、各コロイダルシリカは「GeoSol」及び「従来品のコロイダルシリカ」と略記する。
試験例2(実施例2及び比較例2、3の地盤注入用固結材を用いた供試体の三軸強度(CD)試験)
実施例2及び比較例2、3で調製した地盤注入用固結材及び豊浦砂を用いて、浸透注入法により内径5cm×高さ10cm、相対密度50%の供試体を作製した。具体的には、豊浦砂をモールドに充填後、炭酸ガス、水の順で流した後に地盤注入用固結材を通液し、脱型後、乾燥しないように湿潤状態で28日間養生した。
三軸強度(CD)試験の条件を下記表5に示す。
下記表6に三軸強度(CD)試験の結果を示す。
地盤の強度qは、下記式(1)により、内部摩擦角φ(°)と粘着力c(kN/m2)により付与される。
=q/2×tan(45°−φ/2) (1)
ここで、内部摩擦角φに由来する強度は、剪断時に砂の粒子同士が擦れるときの摩擦により発現し、粘着力cは砂の粒子間に働く静電引力、付着力等により発現する。溶液型注入材を用いた薬液注入工法では砂の間隙をゲルで満たすことで付着力が高まり、粘着力が増加する。これによって改良地盤は強度発現するため、粘着力を検討することは固結材の性能を評価する上で重要であり、粘着力が大きいと地盤の強度が大きくなる。
表6の結果から明らかなように、実施例2で作製した供試体は、比較例2、3で作製した供試体と比べて粘着力が顕著に大きく、シリカ含有地熱水由来のシリカを用いることにより地盤改良により地盤の強度を大きく改善することができる。よって、シリカ含有地熱水由来のシリカは特に液状化対策に用いる地盤注入用固結材に含まれるシリカ成分として好適であることが分かる。
即ち、本発明は、下記の地盤注入用固結材に関する。
1.珪酸ソーダ、コロイダルシリカ及び酸成分を含有する地盤注入用固結材であって、
(1)前記コロイダルシリカは、シリカ含有地熱水由来のシリカを含有
(2)前記シリカ含有地熱水由来のシリカの動的光散乱法により求めた体積分布の尖度が0.0〜6.0の範囲である、
ことを特徴とする地盤注入用固結材。
2.前記酸成分は、硫酸、リン酸及び有機酸からなる群から選択される少なくとも一種である、上記項1に記載の地盤注入用固結材。
3.前記シリカ含有地熱水由来のシリカの平均粒子径は10〜20nmである、上記項1又は2に記載の地盤注入用固結材。
.前記珪酸ソーダは、SiO/NaOで表されるモル比が3〜5であり、且つ、SiO濃度が10〜30質量%である、上記項1〜のいずれかに記載の地盤注入用固結材。
.前記コロイダルシリカは、SiO濃度が20〜50質量%である、上記項1〜のいずれかに記載の地盤注入用固結材。

Claims (6)

  1. 珪酸ソーダ、コロイダルシリカ及び酸成分を含有する地盤注入用固結材であって、当該コロイダルシリカは、シリカ含有地熱水由来のシリカを含有する、
    ことを特徴とする地盤注入用固結材。
  2. 前記酸成分は、硫酸、リン酸及び有機酸からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1に記載の地盤注入用固結材。
  3. 前記シリカ含有地熱水由来のシリカの平均粒子径は10〜20nmである、請求項1又は2に記載の地盤注入用固結材。
  4. 前記シリカ含有地熱水由来のシリカの動的光散乱法により求めた体積分布の尖度が0.0〜6.0の範囲である、請求項1〜3のいずれかに記載の地盤注入用固結材。
  5. 前記珪酸ソーダは、SiO/NaOで表されるモル比が3〜5であり、且つ、SiO濃度が10〜30質量%である、請求項1〜4のいずれかに記載の地盤注入用固結材。
  6. 前記コロイダルシリカは、SiO濃度が20〜50質量%である、請求項1〜5のいずれかに記載の地盤注入用固結材。
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