以下、図面を参照し、本発明の車両の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、車両制御装置100が搭載された車両(自車両)の構成要素を示す機能ブロック図である。この車両には、例えば、通信ユニット32と、GNSS(Global Navigation Satellite System)ユニット34と、ファインダ40と、カメラ42と、レーダ装置44と、車両センサ46と、走行駆動力出力装置50と、ステアリング装置52と、ブレーキ装置54と、切替スイッチ56と、情報入出力部58と、操作デバイス60と、操作検出センサ62と、車両制御装置100とが搭載される。
通信ユニット32は、携帯電話網を構成する基地局や、Wi−Fiアクセスポイント、他の車両の通信ユニットと通信するための通信インターフェースである。また、通信ユニット32は、放送局から発信された放送波を受信する。GNSSユニット34は、GNSS(全地球型測位システム)を構成する複数の衛星から衛星軌道情報(エフェメリスやアルマナク)や、時計の補正値、電離層の補正係数等が重畳されている航法メッセージを受信する。GNSSユニット34は、受信した航法メッセージから衛星軌道情報や、時計の補正値を取り出して、取り出した情報に基づいて、自車両の位置を特定する。GNSSは、例えばGPSや、GLONASS、Galileo等の測位システムである。
ファインダ40は、例えば照射光に対する散乱光を測定し、対象までの距離を測定するLIDAR(Light Detection and Ranging、或いはLaser Imaging Detection and Ranging)である。例えばファイダ40は、自車両の複数箇所に取り付けられる。ファインダ40は、例えばフロントグリルや、車体の側面、前照灯内部、尾灯内部、側方灯付近、ドアミラー、トランクリッド等に取り付けられる。これらのファインダ40は、例えば、水平方向に関して150度程度の検出範囲を有している。また、ファインダ40は、ルーフ等に取り付けられる。このファインダ40は、例えば水平方向に関して360度の検出範囲を有している。
カメラ42は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ42は、例えばフロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。カメラ42は、例えば、所定周期で自車両の前方を繰り返し撮像する。
レーダ装置44は、例えば、自車両のエンブレムの裏側や、バンパー、フロントグリルの周辺等に取り付けられ、自車両の前方にミリ波などの周波数帯域の電磁波を放射する。また、車両には、レーダ装置44に加えて超音波センサ等が搭載されてもよい。
車両センサ46は、例えば三軸式の加速度センサや、車速センサ、ヨーレートセンサ等を含む。加速度センサは、自車両に生じた加速度を検出する。車速センサは、各車輪に取り付けられた車輪速センサと、これらの検出結果を統合するコントローラとを含む。ヨーレートセンサは、車両重心の上下方向軸回りの回転角度を検出する。車両センサ46は、検出値を車両制御装置100に出力する。
走行駆動力出力装置50、ステアリング装置52、およびブレーキ装置54は、車両制御装置100の走行制御部150によって制御される。走行制御部150は、運転者が手動で運転する手動運転モードと、運転者が操作を行わない(或いは手動運転モードに比して操作量が小さい、または操作頻度が低い)自動運転モードとを切り替えて制御を行う。この切り替えは、運転者による切替スイッチ56の操作によって実行される。自動運転モードの場合、走行制御部150は、ナビ部120により決定された走行経路、行動計画部130により生成された行動計画、および判定部140の判定結果に基づいて、走行駆動力出力装置50、ステアリング装置52、およびブレーキ装置54を制御し、自動運転を行う。
走行駆動力出力装置50は、例えば、エンジンと走行用モータのうち一方または双方を含む。走行駆動力出力装置50がエンジンのみを有する場合、エンジンを制御するエンジンECU(Electronic Control Unit)が、走行制御部150から入力される情報に従い、スロットル開度やシフト段等を調整することで、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を制御する。走行駆動力出力装置50が走行用モータのみを有する場合、走行用モータを駆動するモータECUが、走行用モータに与えるPWM信号のデューティ比を調整することで、車両が走行するための走行駆動力を制御する。走行駆動力出力装置50が双方を含む場合は、エンジンECUとモータECUの双方が協調して走行駆動力を制御する。
ステアリング装置52は、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更可能な電動モータ、ステアリングトルクセンサ、ステアリング操舵角(または実舵角)を検出する操舵角センサ等を備える。ステアリング装置52は、走行制御部150から入力される情報に従い所望の方向および大きさ(トルク)で電動モータを駆動する。
ブレーキ装置54は、ブレーキペダルになされたブレーキ操作が油圧として伝達されるマスターシリンダー、ブレーキ液を蓄えるリザーバータンク、各車輪に出力される制動力を調節するブレーキアクチュエータ等を備える。ブレーキ装置54の制御部は、走行制御部150から入力される情報に従い、所望の大きさのブレーキトルクが各車輪に出力されるように、マスターシリンダーが発生させる圧力を制御して、ブレーキアクチュエータ等を制御する。なお、ブレーキ装置54は、上記説明した油圧により作動する電子制御式ブレーキ装置に限らず、電動アクチュエーターにより作動する電子制御式ブレーキ装置であってもよい。
情報入出力部58は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)表示装置などの表示装置と、座標検出機構により操作者のタッチ位置が検出可能な入力部とが重畳して構成されるタッチパネル式表示装置である。情報入出力部58は、利用者のタッチ操作の位置(座標)を示す信号を車両制御装置100に出力する。情報入出力部58は、車両制御装置100の指示に基づいて、車両制御装置100に格納された地図情報に対応する画像上に、目的地までの走行経路や所要時間等を表示する。
操作デバイス60は、例えば、アクセルペダルやステアリングホイール、ブレーキペダル、シフトレバー等を含む。操作デバイス60には、運転者による操作の有無や量を検出する操作検出センサ62が取り付けられている。操作検出センサ62は、例えば、アクセル開度センサ、ステアリングトルクセンサ、ブレーキセンサ、シフト位置センサ等を含む。操作検出センサ62は、検出結果としてのアクセル開度、ステアリングトルク、ブレーキ踏量、シフト位置等を走行制御部150に出力する。なお、これに代えて、操作検出センサ62の検出結果が、直接的に走行駆動力出力装置50、ステアリング装置52、またはブレーキ装置54に出力されてもよい。
車両制御装置100は、認識部110と、ナビ部120と、行動計画部130と、判定部140と、走行制御部150と、制御切替部160とを備える。これらの機能部のうち、認識部110と、ナビ部120、行動計画部130、判定部140、走行制御部150および制御切替部160は、例えば、車両制御装置100が備えるCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサがプログラムメモリに格納されたプログラムを実行することで機能するソフトウェア機能部である。また、認識部110と、ナビ部120、行動計画部130、判定部140、走行制御部150および制御切替部160は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。また、ナビ部120は、車両制御装置100の他の機能部とは別体のプロセッサにより実現されてもよい。すなわち、ナビ部120は、車両制御装置100に含まれないものとしてもよい。この場合、ナビ部120は、ユーザの保有するスマートフォンやタブレット端末等の端末装置の一機能によって実現されてもよい。端末装置と車両制御装置100との間では、無線または通信によって情報の送受信が行われる。
認識部110は、外界認識部112と、自車位置認識部114とを備える。外界認識部112は、ファインダ40、カメラ42、レーダ装置44、車両センサ46等の出力に基づいて、周辺車両等の物体の位置、および速度等の状態を認識する。物体の位置は、当該物体の重心やコーナ等の代表点で表されてもよいし、物体の輪郭で表現された領域で表されてもよい。物体の「状態」とは、物体が周辺車両である場合、周辺車両の加速度、車線変更をしているか否か(或いはしようとしているか否か)を含んでもよい。この場合、外界認識部112は、周辺車両の位置の履歴や方向指示器の作動状態等に基づいて、車線変更をしているか否か(或いはしようとしているか否か)を認識する。外界認識部112は、周辺車両に加えて、ガードレールや電柱、駐車車両、歩行者その他の物体の位置を認識してもよい。また、外界認識部112は、更に、周辺車両との通信によって、周辺車両の位置や速度等の状態を認識してもよい。
自車位置認識部114は、車両制御装置100に格納された地図情報(ナビ地図126、高精度地図136)と、ナビ部120、GPNSSユニット34と、ファインダ40、カメラ42、レーダ装置44、または車両センサ46から入力される情報とに基づいて、車両が走行している車線(走行車線)、および走行車線に対する自車両の相対位置を認識する。図2は、自車位置認識部114により走行車線に対する自車両Mの相対位置が認識される様子を示す図である。自車位置認識部114は、例えば、自車両Mの基準点(例えば重心)の走行車線中央CLから乖離OS、および自車両Mの進行後方の走行車線中央CLを連ねた線に対してなす角度θを、走行車線に対する自車両Mの相対位置として認識する。なお、これに代えて、自車位置認識部114は、走行車線L1のいずれかの側端部に対する自車両Mの基準点の位置などを、走行車線に対する自車両Mの相対位置として認識してもよい。
ナビ部120は、経路探索部122と、車両誘導部124と、ナビ側記憶部125とを有する。経路探索部122は、ナビ側記憶部125に格納されたナビ地図(第1地図)126を参照しつつ、自車両Mの現在位置から運転者等のユーザによって入力された目的地に至る走行経路を導出する。経路探索部122は、渋滞情報などの道路情報等を加味して経路を導出してもよい。また、走行経路の探索は、通信ユニット32が通信する外部装置からの情報で補完等されてもよい。
車両誘導部124は、少なくとも手動運転モードにおいて、経路探索部122により導出された走行経路に基づいて、目的地までの走行経路や所要時間等を利用者に画像や音声で提示するための情報を情報入出力部58に出力させる。
ナビ側記憶部125は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの読書き可能な不揮発性の記憶装置によって実現される。ナビ側記憶部125は、ナビ地図126を格納する。ナビ地図126は、道路レイヤーにより構成される。道路レイヤーは、道路ノードテーブル127と、道路リンクテーブル128と、POI(Point Of Interest;各種設備等の物標の地点情報(座標点))と、POIに関する情報、リンクコスト等が含まれる。POIの各種設備とは、例えば信号や、標識、建物、看板等である。また、POIに関する情報とは、標識の内容や、建物の名称等である。建物および看板は、自動運転に影響しない物標である。リンクコストは、ある地点からある地点までの最短走行経路を示す情報である。また、ナビ地図126には、情報鮮度を示すバージョン情報が対応付けられている(後述する図8参照)。ナビ地図126のバージョン情報は、ナビ地図126が更新された度に、その更新状況を示すものとしてナビ側記憶部125に記憶される。なお、本実施形態において、座標点とは、例えば緯度と経度である。
道路ノードテーブル127は、道路に沿った道路基準線上の基準点である道路ノードを規定する情報の一覧である。道路基準線とは、例えば道路の中央線である。図3は、道路ノードテーブル127の一例を示す図である。道路ノードテーブル127には、複数の道路ノードIDに対して座標点、接続道路リンク数、および接続道路リンクIDが対応付けられて格納されている。
道路リンクテーブル128は、複数の道路ノード間における道路の区間態様を示す情報の一覧である。図4は、道路リンクテーブル128の一例を示す図である。道路リンクテーブル128には、複数の道路リンクIDに対して、道路リンクの始点として接続される道路ノードID(始点道路ノードID)、道路リンクの終点として接続される道路ノードID(終点道路ノードID)、道路の幅員情報、および車線数が対応付けられて格納されている。
行動計画部130は、行動計画生成部132と、行動計画側記憶部135とを有する。行動計画生成部132は、ファインダ40、カメラ42、レーダ装置44、および車両センサ46の検出結果、ナビ部120により決定された走行経路、行動計画側記憶部135に格納された地図情報、および判定部140により判定された判定結果に基づいて、行動計画を生成する。行動計画とは、自動運転を実現するための自車両Mの進行方向や、速度、位置等を規定したものである。行動計画には、例えば要求レーン情報と、目標地物情報とが含まれる。要求レーン情報とは、自車両Mが走行する車線を示す情報である。目標地物情報とは、ナビ部120により決定された目標とする場所等である。
行動計画側記憶部135は、高精度地図136(第2地図)と、道路車線対応テーブルと、バージョン対応テーブル139とが格納されている。また、行動計画側記憶部135には、経路探索部122により決定された走行経路と、通信ユニット32により取得された交通情報と、GNSSユニット34により特定された自車両Mの位置とが格納されている。
高精度地図136とは、ナビ地図126より詳細な情報を含む地図である。高精度地図136は、行動計画生成部132が行動計画を生成する際に参照される。高精度地図136は、車線レイヤーと、物標レイヤーとにより構成される。また、高精度地図136には、情報の鮮度を示すバージョン情報が対応付けられている(後述する図8参照)。高精度地図136のバージョン情報は、高精度地図136が更新された度に、その更新状況を示すものとして行動計画側記憶部135に記憶される。
車線レイヤーには、車線ノードテーブル137と、車線リンクテーブル138とが含まれる。車線ノードテーブル137は、車線基準線上の基準点である車線ノードを規定する情報の一覧である。図5は、車線ノードテーブル137の一例を示す図である。車線基準線とは、例えば車線間の中央線である。車線ノードテーブル137には、複数の車線ノードIDに対して座標点、接続車線リンク数、および接続車線リンクIDが対応付けられて格納されている。
車線リンクテーブル138は、複数の車線ノード間における車線の区間態様の情報を示す一覧である。図6は、車線リンクテーブル138の一例を示す図である。車線リンクテーブル138は、複数の車線リンクIDに対して、車線リンクの始点として接続される車線ノードID(始点車線ノードID)、車線リンクの終点として接続される車線ノードID(終点車線ノードID)、車線の車両進行方向に向かって左から何番目の車線であるかを示す車線番号、車線種類、車線の幅員情報、車線の車両進行方向に向かって左側と右側との車線の線種を示す線種(右側線種、左側線種)、車線における交通規制の状況を示す交通規制情報、および車線リンクが示す車線区間の車線基準線の形状の座標点列が対応付けられて格納されている。また、車線リンクテーブル138は、車線の形状が特殊の場合は、車線の形状の描写するための情報(曲率等)を格納してもよい。
物標レイヤーは、物標テーブルを有する。物標テーブルは、道路上に存在する物標を示す情報の一覧である。物標レイヤーにおける道路上に存在する物標とは、例えば看板や、建物、信号、ポール、電柱等である。物標テーブルには、複数の物標IDに対して、物標の名称、物標の輪郭を示す座標点列、および物標が存在する車線ノードIDが対応付けられて格納されている。
道路車線対応テーブルとは、道路ノードまたは道路リンクに対応する車線ノードまたは車線リンクの一覧である。例えば道路車線対応テーブルには、道路ノードの近傍にある車線リンクIDと車線リンクIDとを示す情報が格納されている。
このような地図情報に基づき、行動計画生成部132は、所定の区間における行動計画を生成する。所定の区間とは、例えば、ナビ部120により導出された走行経路のうち、高速道路等の有料道路を通る区間である。なお、これに限らず、行動計画生成部132は、任意の区間について行動計画を生成してもよい。
行動計画は、例えば、順次実行される複数のイベントで構成される。イベントには、例えば、自車両Mを減速させる減速イベントや、自車両Mを加速させる加速イベント、走行車線を逸脱しないように自車両Mを走行させるレーンキープイベント、走行車線を変更させる車線変更イベント、自車両Mに前方車両を追い越させる追い越しイベント、分岐ポイントにおいて所望の車線に変更させたり、現在の走行車線を逸脱しないように自車両Mを走行させたりする分岐イベント、車線合流ポイントにおいて自車両Mを加減速させ、走行車線を変更させる合流イベント等が含まれる。例えば、有料道路(例えば高速道路等)においてジャンクション(分岐点)が存在する場合、車両制御装置100は、自動運転モードにおいて、自車両Mを目的地の方向に進行するように車線を変更したり、車線を維持したりする必要がある。従って、行動計画生成部132は、高精度地図136を参照して走行経路上にジャンクションが存在していると判明した場合、現在の自車両Mの位置(座標)から当該ジャンクションの位置(座標)までの間に、目的地の方向に進行することができる所望の車線に車線変更するための車線変更イベントを設定する。
図7は、ある区間について生成された行動計画の一例を示す図である。図示するように、行動計画生成部132は、目的地までの走行経路に従って走行した場合に生じる場面を分類し、個々の場面に即したイベントが実行されるように行動計画を生成する。なお、行動計画生成部132は、自車両Mの状況変化に応じて動的に行動計画を変更してもよい。
走行制御部150は、制御切替部160による制御によって、制御モードを自動運転モードあるいは手動運転モードに設定し、設定した制御モードに従って制御対象を制御する。走行制御部150は、自動運転モード時において、行動計画生成部132によって生成された行動計画を読み込み、読み込んだ行動計画に含まれるイベントに基づいて制御対象を制御する。例えば、行動計画に含まれるイベントがレーンチェンジイベントである場合、走行制御部150は、高精度地図136に含まれる車線の幅員等を参照してステアリング装置52における電動モータの制御量(例えばトルク)と、走行駆動力出力装置50におけるエンジンの制御量(例えばエンジンのスロットル開度やシフト段等)とを決定する。走行制御部150は、イベントごとに決定した制御量を示す情報を、対応する制御対象に出力する。これによって、制御対象の各装置は、走行制御部150から入力された制御量を示す情報に従って、自装置を制御することができる。また、走行制御部150は、車両センサ46の検出結果に基づいて、決定した制御量を適宜調整する。
また、走行制御部150は、手動運転モード時において、操作デバイス60から出力される操作検出信号に基づいて制御対象を制御する。例えば、ブレーキペダルの操作量を示す操作検出信号が操作デバイス62から出力された場合、走行制御部150は、操作デバイス60から出力された操作検出信号をブレーキ装置54にそのまま出力する。アクセルペダルやステアリングホイール、シフトレバーの操作量を示す操作検出信号が操作デバイス60から出力された場合も同様である。
制御切替部160は、行動計画生成部132によって生成された行動計画に基づいて、走行制御部150による自車両Mの制御モードを自動運転モードから手動運転モードに、または手動運転モードから自動運転モードに切り換える。また、制御切替部160は、切替スイッチ56から入力される制御モード指定信号に基づいて、走行制御部150による自車両Mの制御モードを自動運転モードから手動運転モードに、または手動運転モードから自動運転モードに切り換える。すなわち、走行制御部150の制御モードは、運転者等の操作によって走行中や停車中に任意に変更することができる。
また、制御切替部160は、操作デバイス60から入力される操作検出信号に基づいて、走行制御部150による自車両Mの制御モードを自動運転モードから手動運転モードに切り換える。例えば、制御切替部160は、操作検出信号に含まれる操作量が閾値を超える場合、すなわち運転者等によって操作デバイス80が閾値を超えた操作量で操作を受けた場合、走行制御部150の制御モードを自動運転モードから手動運転モードに切り換える。例えば、自動運転モードに設定された走行制御部150によって自車両Mが自動走行している場合において、運転者によってステアリングホールと、アクセルペダルまたはブレーキペダルとが閾値を超える操作量で操作された場合、制御切替部160は、走行制御部150の制御モードを自動運転モードから手動運転モードに切り換える。これを受けて走行制御部150は、操作デバイス80から受けた操作検出信号を、走行駆動力出力装置50、ステアリング装置52、および/またはブレーキ装置54に出力する。これによって、車両制御装置100は、人間等の物体が車道に飛び出して来たり、前方車両が急停止したりした際に運転者により咄嗟になされた操作によって、切替スイッチ56の操作を介さずに直ぐに手動運転モードに切り替えることができる。この結果、車両制御装置100は、運転者による緊急時の操作に対応することができ、走行時の安全性を高めることができる。
ところで、ナビ地図126と高精度地図136との情報鮮度が一致しない場合、行動計画そのものが不適切になる場合がある。図7に示すように、行動計画は、ナビ地図126に基づく走行経路と、高精度地図136に基づく車線情報とに基づいて生成されるからである。そこで、本実施形態の車両制御装置100は、ナビ地図126の情報鮮度と高精度地図136の情報鮮度とを比較し、比較結果に基づいて、自車両Mが自動運転を実施できるか否かを判定する。これによって、車両制御装置100は、不正確な自動運転を行わないようにすることできる。
バージョン対応テーブル139は、高精度地図136の情報鮮度であるバージョン情報と、ナビ地図126の情報鮮度であるバージョン情報との対応関係の一覧である。このバージョン対応テーブル139は、例えば他装置(サーバ装置)から送信され、車両制御装置100が行動計画側記憶部135に格納する。
図8は、バージョン対応テーブル139の一覧である。バージョン対応テーブル139は、ナビ地図126の情報鮮度であるバージョン情報と、高精度地図136の情報鮮度であるバージョン情報との対応関係を示した図である。情報鮮度は、対象となる領域を基準となる大きさで分割したメッシュ領域ごとに規定されている。また、ナビ地図126のバージョン情報または高精度地図136のバージョン情報のうち一方のバージョン情報に対して、他方の1つ以上のバージョン情報が対応付けられている。対応付けられたバージョン情報は、情報鮮度が合致することを示している。図示するように、例えばメッシュ領域「M1」では、ナビ地図126のバージョン情報「1」に対しては、高精度地図136のバージョン情報「1」「2」が対応付けられている。この場合、地図のバージョン情報「1」と高精度地図136のバージョン情報「1」「2」との情報鮮度が合致することを示している。
判定部140は、ナビ側記憶部125に格納されたナビ地図126の情報鮮度と、行動計画側記憶部135に格納された高精度地図136の情報鮮度とを比較し、比較結果に基づいて、自動運転を実施できるか否かを判定する。判定部140は、判定結果をナビ部120、行動計画部130、および走行制御部150に出力する。制御切替部160は、運転者による切替スイッチ56の操作に基づいて、手動運転モードと自動運転モードとを、走行制御部150に切り替えさせる。
図9は、車両制御装置100が実行する処理の流れを示すフローチャートである。まず、ナビ部120の経路探索部122が、利用者によって情報入出力部58に入力された情報に基づいて、自車両Mの目的地を設定する(ステップS100)。次に、経路探索部122が、ステップS100で設定された目的地までの走行経路を探索し、探索した走行経路から最適な走行経路を決定する(ステップS102)。
次に、判定部140が、ステップS102で決定された走行経路をメッシュ領域に分割する(ステップS104)。次に、次に、判定部140は、ステップS104で分割されたメッシュ領域のうち1つのメッシュ領域を選択する(ステップS106)。
次に、判定部140は、ステップS106で選択したメッシュ領域に対応するナビ地図126の情報鮮度と、ステップS106で選択したメッシュ領域に対応する高精度地図136の情報鮮度とが合致するか否かを判定する(ステップS108)。判定部140は、バージョン対応テーブル139を参照し、ナビ地図126のメッシュ領域の情報鮮度と、高精度地図136のメッシュ領域の情報鮮度とが合致するか否かを判定する。
図10は、走行経路に含まれるメッシュ領域を説明するための図である。図示するM1からM9はメッシュ領域を示している。経路探索部122により決定された走行経路が、メッシュ領域M1の「START」を始点として、メッシュ領域M2を経由して、メッシュ領域M5の「DESTINATION」を終点とするものとする。このとき、判定部140は、ナビ地図126のメッシュ領域M1、M2、およびM5の情報鮮度と、高精度地図136のメッシュ領域M1、M2、およびM5の情報鮮度とがそれぞれ合致するか否かを判定する。なお、ナビ地図記憶部125または行動計画側記憶部135は、ナビ地図126のメッシュ領域と高精度地図136のメッシュ領域とが対応していない場合の変換表等を有してもよい。
ステップS106で選択したメッシュ領域に対応するナビ地図126の情報鮮度と、ステップS106で選択したメッシュ領域に対応する高精度地図136の情報鮮度とが合致する場合、判定部140は、ステップS102で決定された走行経路を含むメッシュ領域を自動運転の許可領域と設定する(ステップS110)。
ステップS106で選択したメッシュ領域に対応するナビ地図126の情報鮮度と、ステップS106で選択したメッシュ領域に対応する高精度地図136の情報鮮度とが合致しない場合、判定部140は、ステップS102で決定された走行経路に対応するナビ地図126のメッシュ領域と高精度地図136のメッシュ領域との間で、自動運転に影響しない物標に関する情報以外の項目に関する情報鮮度が合致するか否かを判定する(ステップS112)。
ここで、ステップS110における判定の具体例について説明する。図11は、ナビ地図126の更新情報と高精度地図136の更新情報とを比較した一例を示す図である。図11の例では、ナビ地図126のバージョン「1」が高精度地図136のバージョン「1」に、ナビ地図126のバージョン「2」が高精度地図136のバージョン「2」に、ナビ地図126のバージョン「3」が高精度地図136のバージョン「3」に、それぞれ1対1に対応するものとして説明する。図10の例では、バージョン「3」まで更新されているナビ地図126の方が、高精度地図136に比して、情報鮮度が新しいことが分かる。
ナビ地図126が高精度地図136に比して新しい部分は、バージョン「2」に相当する更新情報と、バージョン「3」に相当する更新情報である。バージョン「2」に相当する更新情報は、自動運転に影響しない物標である建物Cと看板Fである。従って、相違部分が自動運転に影響しない物標だけであれば、判定部140は、ナビ地図126のメッシュ領域と高精度地図136のメッシュ領域との間で、自動運転に影響しない物標に関する情報以外の項目に関する情報鮮度が合致すると判定する。建物や、看板などの物標の追加、削除、または変更があった場合であっても道路の構造や車線等に変更がないため、行動計画部130が行動計画を生成する際に影響しないためである。
ところが、バージョン「3」に相当する更新情報は、自動運転に影響する物標である信号Hである。また、更新情報は自動運転に影響する道路ノードおよび道路リンクである。この場合、判定部140は、ナビ地図126のメッシュ領域と高精度地図136のメッシュ領域との間で、自動運転に影響しない物標に関する情報以外の項目に関する情報鮮度が合致しないと判定する。高精度地図136を参照して行動計画を生成する行動計画部130は、実際に存在する信号や、道路等の情報が高精度地図136にない場合、そもそも行動計画を生成できない、或いは不適切な行動計画を生成する場合があるためである。
図12は、ナビ地図126の更新情報と高精度地図136の更新情報とを比較した他の一例を示す図である。図12の例では、ナビ地図126のバージョン「1」が高精度地図136のバージョン「1」に、ナビ地図126のバージョン「2」が高精度地図136のバージョン「2」に、ナビ地図126のバージョン「3」が高精度地図136のバージョン「3」に、それぞれ1対1に対応するものとして説明する。図12の例では、バージョン「3」まで更新されている高精度地図136の方が、ナビ地図126に比して、情報鮮度が新しいことが分かる。
高精度地図136がナビ地図126に比して新しい部分は、バージョン「2」に相当する更新情報と、バージョン「3」に相当する更新情報である。バージョン「2」に相当する更新情報は、自動運転に影響しない物標である建物Cと看板Fである。従って、相違部分が自動運転に影響しない物標だけであれば、判定部140は、ナビ地図126のメッシュ領域と高精度地図136のメッシュ領域との間で、自動運転に影響しない物標に関する情報以外の項目に関する情報鮮度が合致すると判定する。建物や、看板などの物標の追加、削除、または変更があった場合であっても、行動計画部130が行動計画を生成する場合に影響しないためである。また、ナビ部120が走行経路を探索するのに支障がないためである。
ところが、バージョン「3」に相当する更新情報は、自動運転に影響する物標である信号Hである。また、更新情報は自動運転に影響する道路ノードおよび道路リンクである。この場合、判定部140は、ナビ地図126のメッシュ領域と高精度地図136のメッシュ領域との間で、自動運転に影響しない物標に関する情報以外の項目に関する情報鮮度が合致しないと判定する。ナビ部120は、実際に存在する信号や、道路、車線等の情報がナビ地図126にない場合、新たに設置された信号や、新たな設けられた道路および車線(道路への合流地点も含む)を考慮せずに走行経路を決定する。この場合に自動運転が実施されると、情報入出力部58の表示装置に表示されるナビ地図126の画像上に信号や道路が表示されていないにも関わらず、自車両Mが停車していたり、走行していたりしている状態で表示される。この結果、運転者に、違和感を与える場合がある。
なお、判定部140は、バージョン情報に関わらず、ナビ地図126と高精度地図136とのそれぞれから導出される道路形状の比較に基づいて、ナビ地図126と高精度地図136との情報鮮度が合致するか否かを判定してもよい。図13は、ナビ地図126に基づいて導出される道路形状と、高精度地図136に基づいて導出される道路形状とを比較する様子を示す図である。図中、Rは、ナビ地図126に基づいて導出される道路形状であり、道路ノード1Aから4Aの座標点、道路リンク1aから3aのそれぞれの幅員に基づいて導出される道路形状を表す。図中、R1は高精度地図136に基づいて導出される道路形状であり、車線ノード1Zから12Zの座標点、車線リンク1zから9zのそれぞれの幅員に基づいて導出される道路形状を表す。
判定部140は、道路形状Rと、道路形状R1とを比較し、比較した結果に基づいてナビ地図126と高精度地図136との情報鮮度が合致するか否かを判定してもよい。この場合、判定部140は、例えば道路形状Rと道路形状R1とを重畳させた場合に、道路形状の向き、および大きさの差異が基準値以内であるか否によって判定を行う。判定部140は、道路形状の向き、および大きさの差異が基準値以内である場合、ナビ地図126と高精度地図136とにおける対応する道路の情報鮮度は合致すると判定する。判定部140は、道路形状の向き、および大きさの差異が基準値を超える場合、ナビ地図126と高精度地図136とにおける対応する道路の情報鮮度は合致しないと判定する。
図9のフローチャートの説明に戻る。ステップS112でナビ地図126のメッシュ領域と高精度地図136のメッシュ領域との間で、自動運転に影響しない物標に関する情報以外の項目に関する情報鮮度が合致する場合、判定部140は、ステップS110の処理に進める。ステップS112でナビ地図126の領域と高精度地図136の領域との間で、自動運転に影響しない物標に関する情報以外の項目に関する情報鮮度が合致しない場合、判定部140は、ステップS102で決定された走行経路を含むメッシュ領域を自動運転の不許可領域と設定する(ステップS114)。
次に、判定部140は、ステップS102で決定された走行経路を含む全てのメッシュ領域について自動運転の許可領域または不許可領域に設定するための判定を行ったか否かを判定する(ステップS116)。全てのメッシュ領域について判定を行っていない場合、ステップS106の処理に戻る。全てのメッシュ領域について判定を行った場合、行動計画生成部132が、ステップS110で設定された自動運転の許可領域についての行動計画を生成する(ステップS118)。これにより本フローチャートは終了する。
こうしてメッシュ領域毎にナビ地図126の情報鮮度と高精度地図136の情報鮮度とが合致するか否かを判定すると、車両制御装置100は、判定結果に基づいて自動運転モードのオンオフ制御等を行う。
以上説明した第1実施形態の車両制御装置100によれば、判定部140が、ナビ地図126に基づいて決定された自車両Mの走行経路と、ナビ地図126よりも詳細な情報を含む高精度地図136とを比較して、比較結果に基づいて、駆動制御、制動制御、または操舵制御のうち少なくとも一部を行う自動運転を実施できるか否かを判定することにより、情報鮮度を考慮し、不正確な自動運転を行わないようにすることができる。
<第2実施形態>
以下、図面を参照し、第2実施形態に係る車両制御装置100について説明する。第2実施形態の車両制御装置100は、第1実施形態と同様の処理を行う他、ナビ部120が、判定部140の判定結果に基づいて、情報入出力部58の表示装置に自動運転が実施できる区間と実施できない区間とを運転者に視認可能に表示する。以下では、係る相違点を中心に説明する。
判定部140は、ナビ地図126と高精度地図136におけるメッシュ領域ごとに、自動運転が実施できるメッシュ領域と自動運転が実施できないメッシュ領域とを判定する。ナビ部120の車両誘導部124は、判定部140の判定結果に基づいて、自動運転が実施できるメッシュ領域に含まれる走行経路と、自動運転が実施できないメッシュ領域に含まれる走行経路とを決定する。車両誘導部124は、情報入出力部58の表示装置に表示させた地図上に自動運転が実施できる区間と、自動運転が実施できない区間とを視認可能に表示させる。
図14は、情報入出力部58の表示装置に表示される自動運転が実施できる区間と、自動運転が実施できない区間とを示す画像IMの一例である。図中、区間SEC1からSEC3は、経路探索部122により決定された走行経路を示している。図中、実線の矢印で示すSEC1およびSEC3は、自動運転が実施できる区間を示し、破線の矢印で示すSEC2は、自動運転が実施できない区間を示している。
判定部140は、ナビ地図126の区間SEC1およびSEC3を含むメッシュ領域(図中、M1およびM3)の情報鮮度と、高精度地図136の区間SEC1およびSEC3を含むメッシュ領域(図中、M1およびM3)の情報鮮度とは合致すると判定したものとする。また、判定部140は、ナビ地図126の区間SEC2を含むメッシュ領域(図中、M2)の情報鮮度と、高精度地図136の区間SEC2を含むメッシュ領域(図中、M2)の情報鮮度とは合致しないと判定したものとする。このとき、車両誘導部124は、判定部140の判定結果に基づいて、区間SEC1およびSEC3(メッシュ領域M1およびM3)は自動運転が実施できる区間であることを示す画像を、情報入出力部58の表示装置に表示させる。また、車両誘導部124は、判定部140の判定結果に基づいて、区間SEC2(メッシュ領域M2)は自動運転が実施できない区間であることを示す画像を、情報入出力部58の表示装置に表示させる。
また、車両誘導部124は、判定部140の判定結果に基づいて、操作用のGUI(Graphical User Interface)スイッチを情報入出力部58に表示させる。車両誘導部124は、自動運転が実施できる区間に対して自動運転モードをオンにするかオフにするかを選択入力させるためのGUIスイッチを情報入出力部58に表示させる。車両誘導部124は、例えば自動運転が実施できる区間SEC1およびSEC3に対して自動運転モードをオンにするかオフにするかを選択入力させるためのGUIスイッチG1およびG3を、それぞれ情報入出力部58に表示させる。区間SEC2は自動運転ができない区間である。車両誘導部124は、区間SEC2に対応するGUIスイッチG2に対しては自動で自動運転モードをオフに設定する。
以上説明した第2実施形態の車両制御装置100によれば、車両誘導部124が、判定部140の判定結果に基づいて、自動運転が実施できる区間または自動運転が実施できない区間であることを示す画像を、情報入出力部58の表示装置に表示させることにより、第1実施形態と同様の効果を奏する他、利用者の利便性を向上させることができる。
<第3実施形態>
以下、図面を参照し、第3実施形態の変形例に係る車両制御装置100Aについて説明する。第3実施形態では、ナビ部120の経路探索部122を省略し、車両制御装置100Aは、サーバ装置220に現在位置と目的地を送信して、サーバ装置220において生成された走行経路を受信する。以下、この相違点を中心に説明する。
図15は、車両制御装置100Aおよびサーバ装置220を含む車両制御システムの構成図である。車両制御システムは、基地局210と、サーバ装置220と、自車両Mに搭載される車両制御装置100Aとを備える。基地局210と車両制御装置100Aとの間では、例えば携帯電話網やWi−Fi網等を利用した無線通信が行われる。
基地局210と、サーバ装置220との間では、ネットワークNWを介した通信が行われる。ネットワークNWは、例えば、WAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)、インターネット、公衆回線、VPN(Virtual Private Network)などを含む。
サーバ装置220は、サーバ側通信部222と、サーバ側経路探索部224と、サーバ側記憶部226とを備える。サーバ側通信部222は、例えばネットワークNWに接続するためのネットワークカード等を含む。サーバ側通信部222は、道路上に設置されたセンサにより検出された道路の状況や天候などの道路情報を取得する。サーバ側通信部222は、サーバ側通信部222が取得した情報、サーバ側経路探索部224に記憶されている情報またはサーバ側経路探索部224により導出された走行経路を、自車両Mへ送信する。
サーバ側経路探索部224は、例えばサーバ側記憶部226に格納されている情報を、定期的または自車両Mの要求に応じて自車両Mに送信する。サーバ側経路探索部224は、サーバ側記憶部226に格納されたナビ地図(第1地図)227や、道路情報等を解析することで、自車両Mが目的地に到着することができる走行経路を導出する。サーバ側経路探索部224は、サーバ側通信部222を用いて導出した走行経路および走行経路を導出するのに用いたナビ地図227のバージョン情報を自車両Mに送信する。
サーバ側記憶部226には、ナビ地図227や、ナビ地図227のバージョン情報、サーバ側通信部222を介して取得された道路情報等が格納される。なお、ナビ地図227は、ナビ地図126と同様に道路レイヤーにより構成される地図である。また、本実施形態ではサーバ側記憶部226に格納されるナビ地図227は、最新のバージョンのものであるものとする。
車両制御装置100Aの車両誘導部124は、ナビ側記憶部125に格納されたナビ地図126を参照し、サーバ装置220により導出された走行経路に基づいて、目的地までの走行経路や所要時間等を利用者に画像や音声で提示するための情報を情報入出力部58に出力する。
判定部140は、まず、ナビ側記憶部125に格納されたナビ地図126のバージョンと、サーバ側記憶部226に格納されたナビ地図227のバージョンとが合致するか否かを判定する。判定部140は、ナビ側記憶部125に格納されたナビ地図126のバージョンと、サーバ側記憶部226に格納されたナビ地図227のバージョンとが合致しない場合、サーバ装置220に最新のバージョン、且つサーバ側経路探索部224により導出された走行経路を含む領域のナビ地図227を車両制御装置100Aに送信するように要求する。車両制御装置100Aは、サーバ装置220から送信された最新バージョンのナビ地図227を取得する。
次いで、判定部140は、第1実施形態または第2実施形態と同様に、ナビ側記憶部125に格納されたナビ地図126のバージョンと、行動計画側記憶部135に格納された高精度地図136のバージョンとを比較し、比較結果に基づいて、自動運転を実施できるか否かを判定する。判定部140は、判定結果をナビ部120、行動計画部130、および走行制御部150に出力する。以降の処理については、第1実施形態または第2実施形態と同様である。
なお、係る処理に代えて、判定部140は、サーバ側記憶部226に格納されたナビ地図227のバージョンと行動計画側記憶部135に格納された高精度地図136のバージョンとを比較してもよい。
以上説明した第3実施形態の車両制御装置100Aは、サーバ装置220のサーバ側経路探索部224により導出された目的地までの走行経路を取得し、取得した走行経路に基づいて自車両Mを誘導するため、車両制御装置100Aの処理負荷を軽減させることができる。また、車両制御装置100Aは、ナビ側記憶部125に最新バージョンのナビ地図126を格納していない場合、サーバ装置220から最新バージョンのナビ地図227を取得することができる。これによりナビ地図126(または227)の情報鮮度と、行動計画側記憶部135に格納された高精度地図136の情報鮮度とが合致する頻度を高めることができるため、自動運転を実施することができる度合を高めることができる。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。