JP2019010716A - 挟持工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】劣化を防ぎ、厚さの薄い挟持対象を適切に挟持できる挟持工具を提供する。【解決手段】両アーム1の各アゴ部の対向面の前端側に位置する領域である第一領域5は、両アゴ部4を閉じた状態で接触し、両アーム1の各アゴ部の対向面の、第一領域5よりも後方に位置する領域である第二領域6には、横挟み歯11が形成されており、横挟み歯11は、前後方向に配列された複数の凸条111および凹条112で構成されており、両アゴ部4に設けられた凸条同士は、前後方向に位置ずれした状態で配置されており、第一領域5が接触するよう両アゴ部4を閉じた状態で、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111が、他方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111に隣接する凹条内に入り込むとともに、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111が、他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112に非接触となるよう構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、連結部により連結されたアゴ部とハンドルとを有する一対のアームを備えた挟持工具に関するものである。
従来の技術として、両アームの各あご部の対向面の前部に横挟み歯が形成されている挟持工具であって、両アームの間には、握り柄を握り込み操作した際に両アームのあご部の握り込み限界を規制するためのストッパーが設けられており、横挟み歯は、前後方向に走る工具中心軸と交差する向きに延びる、山谷状に連続する複数の横リブ歯で構成されており、ストッパーは、両あご部の最後端に位置する横リブ歯よりも前方寄りの前方領域を除く部分に設けられており、一方のあご部に設けた横リブ歯と、他方のあご部に設けた横リブ歯とは前後に位置ずれした状態で配置されており、両アームをストッパーによる握り込み限界まで握込み操作した閉姿勢において、一方のあご部の横リブ歯の山部が、他方のあご部の横リブ歯の谷部内に入り込むと共に、横リブ歯を含む両あご部の前方領域どうしが、非接触の正対姿勢を取るように構成されている挟持工具が開示されている。(例えば、特許文献1参照)。
上記のような従来技術においては、握り柄を握り込んだ際に、ストッパ−によって握り込み限界が規制され、横リブ歯を含む両あご部の前方領域どうしが接触しないようにして、両アゴ部に設けられた横挟み歯どうしが接触することによる劣化(例えば、摩耗等の劣化や、位置ずれ等の劣化等)を防いで、工具の劣化を防ぐことができる。また、両アームをストッパーによる握り込み限界まで握込み操作した閉姿勢において、一方のあご部の横リブ歯の山部が、他方のあご部の横リブ歯の谷部内に入り込むため、シート体などの肉厚の小さな挟持対象に対して、対向する横リブ歯の山部の先端を挟持対象の両表面に互い違いに当接させて、挟持対象を強固には挟み固定することができる。
特開2016−120582号公報(第1頁、第1図等)
しかしながら、従来の挟持工具においては、アゴ部の横挟み歯よりも後方に設けられたストッパーによって、握り込み限界を規制を行なって、横リブ歯を含む両あご部の前方領域どうしが接触しないようにしているため、両アームをストッパーによる握り込み限界まで握込み操作して両アゴ部を閉じた状態で、ストッパーよりも先端側となる両アゴ部の先端近傍においても対向面間に間隙が生じてしまい、挟持工具の先端近傍でこの間隙よりも厚さの薄い挟持対象(例えば、薄いシート材等)を挟持することができなかった。このため、挟持対象を横挟み歯で挟み込み可能な位置に配置できない場合、挟持対象を挟むことができなかった。このように、従来の保持工具においては、厚さの薄い挟持対象を適切に挟持することができない、という課題があった。
本発明は、上記のような課題を解消するためになされたものであり、劣化を防ぐことができるとともに、厚さの薄い挟持対象を適切に挟持することができる挟持工具を提供することを目的とする。
本発明の挟持工具は、前端側にアゴ部を有し、後端側にハンドルを有する一対のアームと、両アームを回転可能に連結するための連結部とを備え、両アームの各アゴ部の対向面の前端側に位置する領域である第一領域は、両アゴ部を閉じた状態で接触し、両アームの各アゴ部の対向面の、第一領域よりも後方に位置する領域である第二領域には、横挟み歯が形成されており、横挟み歯は、前後方向に配列された複数の凸条および凹条で構成されており、両アゴ部に設けられた凸条同士は、前後方向に位置ずれした状態で配置されており、第一領域が接触するよう両アゴ部を閉じた状態で、一方のアゴ部の横挟み歯の凸条が、他方のアゴ部の横挟み歯の凸条に隣接する凹条内に入り込むとともに、一方のアゴ部の横挟み歯の凸条が、他方のアゴ部の横挟み歯の凹条に非接触となるよう構成されている挟持工具である。
かかる構成により、両アゴ部を閉じた状態で、横挟み歯同士が接触しないようにして、劣化を防ぐことができる。また、両アゴ部の前端側でも厚さの薄い挟持対象を挟持できるとともに、凸条が凹条に入り込むことによって横挟み歯で厚さの薄い挟持対象を挟持することができるため、適切に厚さの薄い挟持対象を挟持することができる。
また、本発明の挟持工具は、前記挟持工具において、各アゴ部の第一領域は、第一領域内の平面が、両アゴ部を閉じた状態で互いに接触する挟持工具である。
かかる構成により、アゴ部の前端側の第一領域内の平面で挟持対象を挟み込むことができる。また、両アゴ部を閉じた場合に、第一領域内の平面同士が接触することで、接触部分の劣化を抑えることができる。
また、本発明の挟持工具は、前記挟持工具において、横挟み歯は、両アゴ部を閉じた状態であって、一方のアゴ部の横挟み歯の凸条の突端と、この凸条が入り込む他方のアゴ部の横挟み歯の凹条の底端とが、凸条の高さ方向において正対するよう両アゴ部を組み付けた状態において、一方のアゴ部の横挟み歯の凸条と、当該凸条が入り込む他方のアゴ部の横挟み歯の凹条との対向する側面間の間隔が、当該凸条の突端と当該凹条の底端との間隔よりも広くなるような形状を有している挟持工具である。
かかる構成により、両アゴ部の位置関係が、前後方向にずれた場合においても、凸条の突端が、この凸条が入り込む凹条の側面に接触しにくくなるようにすることができる。
また、本発明の挟持工具は、前記挟持工具において、両アゴ部に設けられた横挟み歯を構成する複数の凸条は、配置される位置が後方になるにしたがって段階的に、ピッチが広く、高さが高くなっており、第一領域が接触するよう両アゴ部を閉じた状態で、一方のアゴ部の横挟み歯の凸条の突端と、他方のアゴ部の横挟み歯の凹条の底端とが、凸条の高さ方向において、非接触状態で正対するように構成されている挟持工具である。
かかる構成により、横挟み歯によって挟持対象を挟む際の挟み込み位置によって、用途に合わせた挟み方を実現できる。
また、本発明の挟持工具は、前記挟持工具において、両アゴ部に設けられた横挟み歯は、形状と大きさが同じである複数の凸条であって、同ピッチで配列された複数の凸条で構成されており、一方のアゴ部の横挟み歯は、他方のアゴ部の横挟み歯に対して、横挟み歯の凸条の配列ピッチの半ピッチ分だけ前後方向にずらして設けられており、第一領域が接触するよう両アゴ部を閉じた状態で、一方のアゴ部の横挟み歯の凸条の突端と、他方のアゴ部の横挟み歯の凹条の底端とが、凸条の高さ方向において、非接触状態で正対するように構成されている挟持工具である。
かかる構成により、挟持対象に加わる力を適切に分散させて、挟持対象を適切に挟持することができる。
また、本発明の挟持工具は、前記挟持工具において、各アゴ部の第二領域の、前後方向に対して両側となる位置に、横挟み歯が設けられ、各アゴ部の対向面には、第二領域の前後方向に対して両側となる位置に設けられた横挟み歯に挟まれた領域からアゴ部の前端に達するまで延びる凹部が形成されており、凹部に、アゴ部の前端から後方に向かって伸びる凸条を有する縦挟み歯を備えている挟持工具である。
かかる構成により、縦挟み歯の前端側によって、ネジ頭等を強固に挟み込むことができる。
また、本発明の挟持工具は、前記挟持工具において、各アゴ部の縦挟み歯が有する凸条の少なくとも前端側は、第一領域が接触するよう両アゴ部を閉じた状態において、アゴ部の前端から離れるにつれて、対向する縦挟み歯の凸条との距離が離れるように傾斜している挟持工具である。
かかる構成により、縦挟み歯の前端側によって、ネジ頭等をより強固に挟み込むことができる。
本発明による挟持工具によれば、劣化を防ぐことができるとともに、厚さの薄い挟持対象を適切に挟持することができる。
本発明の実施の形態1に係るペンチの要部を示す図(図1(a))、およびその拡大図(図1(b)) 同ペンチの斜視図 同ペンチの両アゴ部近傍を示す図 同ペンチの両アゴ部近傍の斜視図 図1におけるA−A線の断面図を示す図 同ペンチの前端側で挟持対象を挟持している状態を示す図(図6(a))、ペンチの横挟み歯でシート体を挟持し始めた状態を示す図(図6(b))、及びシート体を挟持し終えた状態を示す図(図6(c)) 同ペンチの両アゴ部を閉じた状態の平面図(図7(a))、正面図(図7(b))、左側面図(図7(c))、右側面図(図7(d))、底面図(図7(e))、背面図(図7(f))、両アゴ部前端近傍の拡大側面図(図7(g))、およびアゴ部の対向面の前端近傍の平面図(図7(h)) 同ペンチの変形例1を示す図(図8(a))、変形例2を示す図(図8(b))、変形例3を示す図(図8(c)) 同ペンチの変形例4を示す図(図9(a))、変形例5を示す図(図9(b))、変形例6を示す図(図9(c)) 本発明の実施の形態2に係るペンチの斜視図を示す図 同ペンチの両アゴ部近傍の斜視図 同ペンチの両アゴ部前端近傍を示す図 同ペンチの両アゴ部を閉じた状態の平面図(図13(a))、正面図(図13(b))、左側面図(図13(c))、右側面図(図13(d))、底面図(図13(e))、背面図(図13(f))、両アゴ部前端近傍の拡大側面図(図13(g))、およびアゴ部の対向面の前端近傍の平面図(図13(h)) 本発明の実施の形態1に係るペンチの横挟み歯の変形例を説明するための図(図14(a))、拡大図(図14(b))、横挟み歯の変形例を説明するための図(図14(c))、拡大図(図14(d))
以下、挟持工具の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、挟持工具がペンチである場合を例に挙げて説明する。
図1は、実施の形態1に係るペンチの要部の、連結軸の軸方向(以下、連結軸方向と称す)から見た図(図1(a))およびその一点鎖線で囲んだ領域Aの拡大図(図1(b))である。
図2は、実施の形態1に係るペンチの斜視図である。
図3は、実施の形態1に係るペンチの両アゴ部を閉じた状態の、両アゴ部近傍の連結軸方向から見た図である。
図4は、実施の形態1に係るペンチの両アゴ部を開いた状態の、両アゴ部近傍の斜視図である。
図5は、図1におけるV−V線の断面図である。
図6は、実施の形態1に係るペンチの前端側で挟持対象を挟持している状態を示す連結軸方向から見た図(図6(a))、ペンチの横挟み歯でシート体を挟持し始めた状態を示す連結軸方向から見た図(図6(b))、及び横挟み歯でシート体を挟持し終えた状態を示す連結軸方向から見た図(図6(c))である。
図7は、実施の形態1に係るペンチの両アゴ部を閉じた状態の平面図(図7(a))、正面図(図7(b))、左側面図(図7(c))、右側面図(図7(d))、底面図(図7(e))、背面図(図7(f))、前端近傍の領域Bで示した部分の拡大図(図7(g))、およびアゴ部4の対向面14の前端近傍の平面図(図7(h))である。図7(h)は、図7(b)中において下方に位置するアゴ部4、即ちアーム1bのアゴ部4の対向面14の平面図である。なお、図7(h)において、実線で示した部分であって、一点鎖線で区切られた部分が、アゴ部4の挟持対象を挟む部分の、前後方向に向かって側部に位置する部分であることから、ここでは、この部分を挟み部側部7aと呼ぶ。また、ここでは、前後方向に垂直な方向である幅方向に伸びる点線は、凸条111の突端111aを示し、他の点線は、縦挟み歯12が配置される凹部16、および縦挟み歯12の凸条121等を示している。
図2に示すように、ペンチ100は、一対のアーム1である第一アーム1aおよび第二アーム1bと、この第一アーム1aおよび第二アーム1bを相対回動自在に連結する連結部3とを備えている。第一アーム1aおよび第二アーム1bは、それぞれ、前端側にアゴ部4を有し、後端側にハンドル2を有する。なお、第一アーム1aおよび第二アーム1bを区別しない場合、以下、単にアーム1と呼ぶ場合がある。また、一対のアーム1を両アーム1と呼ぶ場合がある。また、一対のアーム1に設けられたアゴ部4を合わせて両アゴ部4と呼ぶ場合がある。連結部3は、X字状に配置した第一アーム1a及び第二アーム1bを連結している。連結部3は、第一アーム1aおよび第二アーム1bのアゴ部4の基端に設けられたボス部3aと、連結軸3bとにより構成されている。各ボス部3aは、挿通孔3cを有しており、各挿通孔3cの中心軸が一致するよう第一アーム1aおよび第二アーム1bをX字状に配置した状態で、連結軸3bが、第一アーム1aおよび第二アーム1bのボス部3aの挿通孔3cに嵌合されることにより、第一アーム1aおよび第二アーム1bが連結されている。連結軸3bは、例えば、第一アーム1aに固定されて、第二アーム1bのボス部3aによりアーム1を相対回転自在に軸支するが、連結軸3bは両アーム1・2のどちらに固定してもよい。
なお、ここでは、連結部3が、ボス部3aと連結軸3bとにより構成されている場合を例に挙げて示したが、連結部3は、上記以外の構成であっても良い。また、連結部3を設ける位置は問わない。ここでは、第一アーム1aと第二アーム1bとが、連結軸3bの中心軸の長手方向の中心を通る軸であって、連結軸3bの中心軸の中心において、この中心軸に垂直に交わる軸である工具中心軸8に対して対称な形状を有している場合を例に挙げて示している。ただし、対称でなくても良い。
アーム1の材質は、通常、金属であるが、ペンチとして利用可能な材質であれば他の材質であっても良い。ここでは、アーム1が鍛造品である場合を例に挙げて説明する。
両アーム1の各アゴ部4の対向面14は、図4等に示すように、第一領域5と第二領域6とを有している。対向面14は、例えば、挟持対象を挟持する面である。
第一領域5は、両アーム1の各アゴ部4の対向面14の前端側に位置する領域である。第一領域5は、各アゴ部4の対向面14の、最も前端側に位置する領域である。第一領域5は、例えば、各アゴ部4の前端21に接する領域であっても良い。ここでの前端21は、アゴ部4の前端に位置する面と考えてもよい。両アーム1の各アゴ部4の第一領域5は、両アゴ部4を閉じた状態で接触する領域である。両アゴ部4を閉じるということは、例えば、第一アーム1aのハンドル2と、第二アーム1bのハンドル2とを握って、両アゴ部4間の間隔を最も狭めることや、両アゴ部4の当接面同士を最も近づけることである。第一領域5が接触するように両アゴ部4を閉じた状態とは、例えば、第一アーム1aのハンドル2と、第二アーム1bのハンドル2とを、握込み限界まで握った状態と考えてもよく、ペンチ100を閉姿勢とした状態と考えてもよい。第一領域5は、例えば、アゴ部4の前端から前後方向に向かって10mm以内の領域であることが好ましい。ただし、この好ましい距離は、ペンチ100の大きさによって異なっていても良い。
第一領域5が接触するということは、両アゴ部4の第一領域5同士が接触することであり、言い換えれば、一方のアゴ部4の第一領域5が他方のアゴ部4の第一領域5と接触することである。第一領域5は、両アゴ部4を閉じた状態で、第一領域5の全体または少なくとも一部が接触すればよい。第一領域5同士は、面で接触してもよく、線で接触しても良く、点で接触してもよいが、面で接触することが好ましい。両アゴ部4が有する第一領域5は、第一領域5の少なくとも一部に設けられた対向する面同士が、両アゴ部4を閉じた状態で互いに接触することが好ましい。面同士の接触は、面同士の密着であることが好ましい。ここでの面は、通常は、平面である。第一領域5の接触は、例えば、第一領域5が有する平面同士の接触である。例えば、第一領域5の接触は、第一領域5が有する全ての平面同士の接触であることが好ましいが、一部の平面同士の接触であってもよい。ここでの平面とは、例えば、連結軸3bの中心軸を有する平面上に位置する平面である。第一領域5が有する全ての平面は、例えば、第一領域5から、後述する凹部16が設けらている領域を除いた領域に設けられている平面である。なお、ここでの平面同士の接触は、誤差等のずれや平面の微少な凹凸等によって、部分的に接触しない場合も、平面同士が接触することと考えてもよい。
ここでは、両アゴ部4の各第一領域5の、前後方向に対して両側に設けられた平面5a同士が両アゴ部4を閉じた状態で接触するようになっているものとする。前後方向とは、アーム1の後端側から前端側に向かう方向、または前端側から後端側に向かう方向である。なお、上述した工具中心軸8の伸びる方向を、前後方向と考えてもよい。両アゴ部4を閉じた状態で、一方のアゴ部4の第一領域5の平面5aは、この平面5aに対して対向する位置に設けられた他方のアゴ部4の第一領域5の平面5aと接触する。なお、両アゴ4を閉じた状態で接触する部分と接触しない部分の両方を含む領域を第一領域5と考えてもよいが、両アーム1の各アゴ部4の対向面14の前端側に位置する領域であって、アゴ部を閉じた状態で接触する部分(例えば、平面5a等の面)が設けられている領域のみを、第一領域と考えるようにし、接触しない領域(例えば、後述する凹部16が設けられている領域等)を、第一領域と考えないようにしてもよい。
なお、この両アゴ部4の第一領域5の、両アゴ部4を閉じた状態で接触する部分は、ハンドル2を握った場合に、先当たりすることで、第一アーム1aおよび第二アーム1bの握込み限界を規定するストッパーとして機能するものと考えてもよい。例えば、本実施の形態におけるペンチ100においては、両アゴ部4の第一領域5の対向する位置に設けられた平面5aが、握り込み限界において接触(例えば、密着)することで、これ以上の握り込みができないようになっている。
第二領域6は、両アーム1の各アゴ部4の対向面14の、第一領域5よりも後方に位置する領域である。ここでは、第二領域6が、前後方向において第一領域5の直後となる位置に設けられている場合を例に挙げて示しているが、直後に位置していなくても良い。
両アーム1の各アゴ部4の第二領域6は、横挟み歯11が形成されている領域である。横挟み歯11は、各アゴ部4の対向面14に設けられた複数の凸条111および凹条112を有している。この凹条112は、例えば、凸条111に隣接している。この凹条112は、例えば、隣り合って配列される凸条111間に形成される凹条であってもよい。横挟み歯11は、前後方向に配列された複数の凸条111および凹条112を有している。凸条111同士および凹条112同士は、ここでは前後方向に平行に配列されている。ただし、平行に配置しないようにしてもよい。ここでの横とは、例えば、対向面14に平行な面内においてペンチ100の前後方向に対して垂直となる方向である。ここでの横方向は、対向面14やペンチ100の幅方向と考えてもよい。各凸条111および各凹条112は、ここでは、前後方向に対して垂直な方向に直線状に伸びている。前後方向に垂直な方向は、例えば、アゴ部4の対向面14の幅方向等と考えてもよい。横挟み歯11は、例えば、前後方向に山谷状に連続して配置された複数の凸条111および凹条112を有している。例えば、横挟み歯11においては、凸条111と凹条112とが前後方向に交互に配列されている。横挟み歯11は、例えば、前後方向に配列された複数の山谷状に構成されている。横挟み歯11は、前後方向に対して垂直な方向に伸びる山谷状に連続する横リブ歯と考えても良い。ここでの前後方向に対して垂直な方向とは、例えば、図2に示したペンチ100の前後方向に伸びる工具中心軸8に対して垂直な方向と考えてもよい。ただし、凸条111および凹条112は、前後方向に対して垂直な方向に伸びていてもよく、垂直な方向に伸びていなくても良い。また、凸条111および凹条112の伸びる形状は、直線状であっても良く、直線状でなくても良い。
第二領域6は、例えば、前後方向において、前端から後端までの全範囲に横挟み歯11が設けられている領域である。例えば、第二領域6は、第一領域5の後方に位置する領域であって、全域に横挟み歯11が設けられた領域であってもよい。ただし、第二領域6は、幅方向においては、横挟み歯11が設けられていない領域を含んでいても良い。例えば、第二領域6は、第一領域5の後方に位置する領域であって、前後方向に向かって両側となる領域の全域に横挟み歯が設けられた領域であってもよい。本実施の形態においては、図4および図5に示すように、横挟み歯11は、対向面14の前後方向に向かって両側となる位置に設けられている例を示している。図5において、斜線で示されている部分は両アゴ部4の凸条111の、両アゴ部4の対向面14から等距離にある平面による断面を表しており、第一アーム1aの凸条111の断面と、第二アーム1bの凸条111bの断面とが、前後方向において交互に配列されている。なお、第一領域5の後方に設けられている横挟み歯11の前端および後端と、前後方向における位置が同じとなる位置に、前端および後端が位置するアゴ部4の対向面14の領域を、第二領域6と考えても良い。
ここでは、第一アーム1aの横挟み歯11が有する凸条111の数が8つであり、第二アーム1bの横挟み歯11が有する凸条の数が7つである場合を例に挙げて示しているが、凸条111の数は問わない。
一の横挟み歯11を構成する各凸条111に対して、前後方向において隣接する位置には、凹条112が形成されている。凹条112は、凸条111と交互に前後方向に配列されている。各凹条112は、ここでは、前後方向に対して垂直な方向に直線状に伸びている。この凹条112は、その一部が隣接する凸条111の一部を兼ねていても良い。例えば、凹条112は、隣接する凸条111の側面(例えば、斜面)を、底端112aに連続する側面として有する凹条である。ここでの側面は、各凸条11の、凸条111が伸びる方向に向かって両側に位置する側面である。凹条112は、例えば、隣り合う2つの凸条111の間に形成される凹条である。例えば、凹条112は、例えば、隣り合う2つの凸条111の対向する2つの側面(例えば斜面)を、底端112aに連続する2つの対向する斜面として有する凹条である。凸条111および凹条112の形状は問わない。凸条111の突端111aは、角を有していてもよく、曲面であってもよく、平坦面であっても良い。また、凹条112の底端112aは、角を有していてもよく、曲面であってもよく、平坦であっても良い。
両アゴ部4の横挟み歯11は、第一領域5が接触するよう両アゴ部4を閉じた状態で、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111が、他方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111に隣接する凹条112内に入り込むとともに、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111が、他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112に非接触となるよう構成されている。なお、横挟み歯11の凸条111を横挟み歯の山部と考えるようにし、凹条112を谷部と考えてもよく、この場合、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111が、他方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111に隣接する凹条112内に入り込む、ということは、一方のアゴ部4の横挟み歯11の山部が、他方のアゴ部4の横挟み歯11の山部に隣接する谷部内に入り込むことと考えてもよい。
例えば、ペンチ100の第二領域6には、図1に示すように、前方に同じピッチP1で配置された同じ高さの複数の凸条111が配置され、その後方には、ピッチP1よりも広いピッチであって、配置位置が後ろになるに従って順次、ピッチと高さとが大きくなる複数の凸条111が配置された横挟み歯11を有している。ここでの凸条111の高さは、凸条の丈と考えてもよい。各凸条111は、凸条111が伸びる方向に垂直な断面が三角形状を有しており、凸条111の突端111aと、凹条112の底端112aとは丸められており、凹条112の底端112aから隣接する凸条111の突端111aまでの高さが0.6mmであるときの、突端111aの半径を0.2mmとし、底端112aの半径を0.3mmとした。なお、横挟み歯11の凸条111の突端111aは、横挟み歯11の山部の突端と考えても良く、横挟み歯11の凹条112の底端112aは、横挟み歯11の谷部の底端と考えても良い。
横挟み歯11を、凸条111の伸びる方向に向かって見た場合、第一アーム1aのアゴ部4の横挟み歯11と、第二アーム1bのアゴ部4の横挟み歯11とは、高さ方向と、前後方向の位置とが異なる点を除けば、略同形状を有している。例えば、第二アーム1bのアゴ部4の横挟み歯11は、第一アーム1aのアゴ部4の横挟み歯11を連結軸3bの中心軸を含む平面に対して対称に移動した横挟み歯11を前後方向にずらした形状とほぼ同様の形状を有している。
第一アーム1aの横挟み歯11前方の同じピッチP1で配列されている複数の凸条111と、第二アーム1bの横挟み歯11前方の同じピッチP1で配置されている複数の凸条111とは、第一領域5が接触するよう両アゴ部4を閉じた状態で、図1に示すようにこのピッチの半ピッチ分だけ前後方向に位置がずれるように設けられている。同様に、第一アーム1aの横挟み歯11内の後方の複数の凸条111と、第二アーム1bの横挟み歯11内の後方の複数の凸条111とは、第一領域5が接触するよう両アゴ部4を閉じた状態で、図1に示すようにそれぞれの半ピッチ分だけ前後方向に位置がずれるように設けられている。
これにより、第一領域5が接触するよう両アゴ部4を閉じた状態で、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111を、他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112内に入り込ませることができる。また、ここでは、上記のようにピッチを半ピッチ分だけずらすことで、第一領域5が接触するよう両アゴ部4を閉じた状態で、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111の突端111aと、他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112の底端112aとを、凸条111の高さ方向において正対させることができる。このように正対させることで、対向する横挟み歯11間でシート材等等の挟持対象を挟む際の、凸条111の突端111aが当接される位置の分布の偏りを低減させて、挟む力を適切に分散させることができ、挟持対象に与えるダメージを減らすことができる。ただし、必要に応じて、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111の突端111aと、他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112の底端112aとを、凸条111の高さ方向において正対させなくても良い。
また、両アゴ部4の横挟み歯11は、第一領域5が接触するよう両アゴ部4を閉じた状態で、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111が、他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112内に非接触となるよう構成されている。なお、両アゴ部4の横挟み歯11は、第一領域5が接触するよう両アゴ部4を閉じた状態で、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111が、他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112内に、均一な間隙を隔てて入り込むよう構成されているようにすることが好ましい。ただし、ここでは、横挟み歯11の前端側の部分(例えば、第一領域5とつながっている部分)を除いた領域の、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111が、他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112内に、均一な間隙を隔てて入り込むよう構成されていれば、両アゴ部4の横挟み歯11が、第一領域5が接触するよう両アゴ部4を閉じた状態で、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111が、他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112内に、均一な間隙を隔てて入り込む横挟み歯11が上記のように、均一な間隔を隔てて入り込んでいると考えてよい。この間隙の長さは、例えば、0.1〜0.4mmが好ましく、0.25〜0.35mmがより好ましい。なお、ここでの均一な間隔とは、誤差程度のずれ等を含んでいても良い。
図3に示すように、各アゴ部4の対向面14には、第二領域6の前後方向に対して両側となる位置に設けられた横挟み歯11に挟まれた領域から、各アゴ部4の前端に達するまで延びる凹部16が形成されている。凹部16の前後方向に対して垂直な断面は凹弧形状を有している。各凹部16には、縦挟み歯12が設けられている。縦挟み歯12は、アゴ部4の前端から後方に向かって伸びる4つの凸条121を有している。ただし、凹条の121の数は、1以上であれば数は問わない。各凸条121は、例えば、上述した横挟み歯11の凸条111と同様の断面形状を有していてもよい。ここでは、各凸条121の突端が尖っている場合を例に挙げて示している。
各アゴ部4の縦挟み歯12が有する各凸条121の少なくとも前端側は、第一領域5が接触するよう両アゴ部4を閉じた状態において、アゴ部4の前端から離れるにつれて、対向するアゴ部4の縦挟み歯11が有する凸条121との距離が離れるように傾斜している。ここでは、図3に示すように、各凹部16に設けられた縦挟み歯12が有する凸条121は、それぞれ、対向する位置に凸条121を有しており、各凸条121は、アゴ部4の前端から後方にわたって、対向する凸条121とは反対側に凸となる凹弧形状を有している。
このように、各凸条121の少なくとも前端側が、第一領域5が接触するよう両アゴ部4を閉じた状態において、アゴ部4の前端から離れるにつれて、対向するアゴ部4の縦挟み歯11が有する凸条121との距離が離れるように傾斜しているようにすることで、アゴ部4の前端21と縦挟み歯12の凸条121の前部が挟む角度θ(図1参照)を狭くして、縦挟み歯12の凸条121の前部でビス頭の円弧周面を確実に挟持できるようにしている。ただし、各凸条121が、上記のように傾斜していないようにしてもよい。
縦挟み歯12が有する複数の凸条121の前部は、全てアゴ部4の前端21に臨んでおり、第一領域5が接触するよう両アゴ部4を閉じた状態において、縦挟み歯12の凸条121の突端(即ち、尾根に相当する部分)は、両アゴ部4の第一領域5に設けられた互いに接触する平面5aを含む平面を挟んで、間隙を介して対向している。ただし、対向していないようにしても良い。各縦挟み歯12の各凸条121の凹部16からの高さは、凸条121の前後方向の任意の位置において常に同じとしている。ただし、常に同じとならないようにしてもよい。アゴ部4の前端21の左右には、アゴ部4の前端へ向かって先すぼまり状に傾斜する傾斜逃げ面22が形成されている。なお、縦挟み歯12の凸条121の突端は、横挟み歯11の凹条112よりも低い位置に形成されている。
上記のように、前後方向に垂直な断面が凹弧形状である凹部16に、前後方向に伸びる複数の凸条121を設け、その前部をアゴ部4の前端21に臨ませるようにすると、アゴ部4を開いて一対の縦挟み歯12でビス頭を挟持する際に、ビス頭の円弧周面を縦挟み歯12の凸条121で確実に捕捉し挟持することができる。従って、ビス頭に設けた十字状の操作溝が潰れたビス、または、ねじ山が錆付いたビスを取外す際に、縦挟み歯12の凸条121をビス頭の円弧周面に圧接ないし食込ませて、ビスを緩み方向へ確実に回転操作できる。とくに、ビス頭の円弧周面のビス締結面からの高さが小さいトラスねじや、丸子ねじを除去する場合であっても、両アゴ部4の前端21の凹部16近傍を、ビス締結面に密着させることにより、凸条121の前部をビス頭の円弧周面に食込ませて、小さいトラスねじや、丸子ねじを確実に除去できる。
次に、ペンチ100の両アゴ部4による挟持対象を挟持する機能について、図6等を参照して説明する。
ペンチ100の両アーム1のハンドル2を握ると、両アゴ部4の開く間隔が狭くなっていく。両アゴ部4の間に、挟持対象がない場合、両アゴ部4の第一領域5同士が接触して先当たりした時点で、両アゴ部4が閉じた状態となる。この状態は、ハンドル2が握り込み限界に達した状態である。この閉じた状態において、両アゴ部4の一方の横挟み歯11の凸条111が、他方の横挟み歯11の凹条112に入り込むとともに、横挟み歯11同士は非接触の状態となる。これにより、横挟み歯11の劣化等を防ぐことができる。
ペンチ100の両アゴ部4の前端側に設けられた第一領域5は、ハンドル2を握り込み限界まで握って両アゴ部4を閉じた状態で互いに接触する部分(例えば、接触する平面5a)を有しているため、シート体等の厚さの薄い挟持対象であっても、両アゴ部4を閉じることで、第一領域5の接触する部分において挟持することができ、両アゴ部4の前端側のみで、厚さの薄い挟持対象を挟持することができる。例えば、図6(a)に示すように、厚さの薄いシート体50を、第一領域5により挟持することができる。なお、挟持対象としては、例えば、金属製シート体、プラスチックシート、金属線材、コード、皮革シート、ゴムシート、プラスチック片、布帛などを挙げることができる。シート体50は、例えば、金属製シート体、プラスチックシート、皮革シート、ゴムシート等である。
また、両アゴ部4の対向する一対の横挟み歯11で、厚さの薄い挟持対象の一例であるシート体50を挟持する場合においては、図6(b)に示すように、ハンドル2を握って、一対の横挟み歯11でシート体50の端部の上下面を挟持すると、横挟み歯11がシート体50に接触して、シート体50が半ピッチずれた位置にある上下の凸条111の突端111aで受止められる。この状態からハンドル2をさらに握込むと、シート体50は、第一領域5によって挟まれるとともに、図6(c)に示すように一方のアゴ部4の横挟み歯11の複数の凸条111の突端111a側が、それぞれ、対向する位置に設けられた他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112内へ入り込み、シート体50を連続する山谷状に塑性変形させることができる。これにより、対向する横挟み歯11でシート体50を強固に挟持することができるので、第一領域5の間だけでシート体50を挟む場合に比べて、より確実にシート体50を挟持することができる。また、第一領域5と、複数の凸条111の突端111a近傍で挟持対象を挟持することによって、複数の位置で挟持対象を挟持することができ、安定的に挟持することが可能となる。また、シート体50を強固に挟持した状態のままで、シート体50を引張り操作して、シート体50の全体を装着部分から引きずり出す作業や、挟持部分を折り曲げる作業などの2次作業を的確に行うことができる。
また、横挟み歯11の後方の凸条111が配置されるピッチを、前方の凸条111が配置されるピッチP1よりも広くし、後方の凸条111の高さを、前方の凸条の高さよりも高くすることで、図6(b)および図6(c)に示すように、横挟み歯11の前方の、ピッチP1が小さく、高さが低い凸条111のみによって、シート体50を挟持する使用形態と、横挟み歯11の全体でシート体50を挟持する使用形態を使い分けることができる。例えば、横挟み歯一一全体でシートを挟持する場合、ピッチが大きく、高さが高い凸条111でシート体50を挟持することにより、凸条111とシート体50の接触面積を大きくして、凸条111とシート体50とが相対的に滑るのを確実に防止できる。
以上、本実施の形態によれば、第一領域5が接触するよう両アゴ部4を閉じた状態で、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111が、他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112内に入り込むとともに、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111が、他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112に非接触となるよう構成されているようにすることにより、両アゴ部4を閉じた状態で、横挟み歯11を接触させないようにすることができ、横挟み歯11の劣化等を防いで、工具の劣化を防ぐことができる。
また、本実施の形態に寄れば、シート状の部材等の厚さの薄い挟持対象であっても、両アゴ部4の前端側に設けられた第一領域5の、両アゴ部4を閉じた場合に接触する部分(例えば、平面5a等)において挟持することによって、両アゴ部4の前端側のみで、厚さの薄い挟持対象を挟持することができ、厚さの薄い挟持対象を適切に挟持することができる。
また、挟持対象を、両アゴ部4の対向する横挟み歯11ではさみ込むようにすることで、第一領域5で挟持対象を挟むだけでなく、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111が、対向する他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112に入り込んで挟持対象を山谷状に塑性変形させることにより、厚さの薄い挟持対象であっても確実に挟持することができる。
なお、上記実施の形態においては、ピッチP1で配置された複数の凸条111を前方に有し、ピッチP1よりも広いピッチで配置された前方の凸条111よりも高さが高い複数の凸条111を後方に有する横挟み歯11を両アゴ部4の対向面14に設けた場合について説明したが、本発明においては、配置される位置が後方になるにしたがって段階的に、ピッチが広く、高さが高くなっている複数の凸条111を備えた横挟み歯11を、両アゴ部4の対向面14に設けるようにすればよく、このような場合においても、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。ここでの段階的とは、二段階以上の段階であり、横挟み歯11が有する凸条111全体において、ピッチおよび高さが、二段階以上変化し手入れがよく、例えば、ピッチおよび高さが変化しない隣接する2以上の凸条111を有していても良い。例えば、一の横挟み歯11において、ピッチおよび高さが全体で二段階以上大きくなっていれば、ピッチおよび高さの少なくとも一方が同じである凸条111が連続して部分的に配置されていてもよいことを意味すると考えてもよい。かかることは、ピッチおよび高さの一方が段階的に変化する場合についても同様である。
なお、本発明においては、横挟み歯11の、ピッチおよび高さが同じである複数の凸条111や、ピッチおよび高さの少なくとも一方が異なる複数の凸条111の配置形態や素の組合わせ等は、上記実施の形態1に示した形態である必要はなく、必要に応じて自由に変更できる。
以下、横挟み歯11の変形例について図8および図9を用いて説明する。なお、以下の説明においては、実施の形態1と同じ部材には、同じ符号を付してその説明を省略する。
(変形例1)
図8(a)は、横挟み歯11の変形例1を説明するための横挟み歯11の近傍を、連結軸方向から見た図である。この変形例11においては、横挟み歯11を、形状および大きさが同じである複数の凸条111であって、同じピッチで前後方向に配列された複数の凸条111で構成し、一方のアゴ部4の横挟み歯11を、他方のアゴ部4の横挟み歯に対して、横挟み歯の凸条の配列ピッチの半ピッチ分だけ前後方向にずらして設けられているようにし、第一領域が接触するよう両アゴ部を閉じた状態で、一方のアゴ部の横挟み歯の凸条の突端と、他方のアゴ部の横挟み歯の凹条の底端とが、凸条の高さ方向において、非接触状態で正対するように構成されているたものである。
例えば、図8(a)には、各横挟み歯11の凸条111が、それぞれ同じ大きさの同じ三角形状に形成されて、配列されるピッチPが同じに設定されている例を示している。この例においては、凸条111の突端111aと、凸条111に隣接する凹条112の底端112aは、いずれも丸められている。例えば、凹条112の底端112aから凸条111の突端111aまでの高さが0.6mmであるとき、凸条111の突端111aの半径値は0.2mmであり、凹条112の底端112aの半径値は0.3mmとした。
(変形例2)
図8(b)は、横挟み歯11の変形例2を説明するための横挟み歯11の近傍を、連結軸方向から見た図である。この変形例2は、変形例1の凸条111の突端111aを丸められていない出隅とし、凹条112の底端112aを丸められていない入隅としたものであり、これにより、挟持したものをずれにくくすることができる。
(変形例3)
図8(c)は、横挟み歯11の変形例3を説明するための横挟み歯11の近傍を、連結軸方向から見た図である。この変形例3は、変形例1において、凸条111の突端111a近傍と、凹条112の底端近傍との丸みの半径を大きくして、横挟み歯11の表面の前後方向に沿った断面形状を、連続する波形形状としたものである。このように、横挟み歯11を連続波形に形成すると、シート体50等の挟持対象を横挟み歯11で挟持した状態において、挟持対象を確りと挟持しながら、緩やかに変形させることができるので、挟持対象の表面を傷付けたくない場合に適している。
(変形例4)
図9(a)は、横挟み歯11の変形例4を説明するための横挟み歯11の近傍を、連結軸方向から見た図である。この変形例は、上記実施の形態1の横挟み歯11において、凸条111のピッチはすべて同じであるが、その高さHを、横挟み歯11の前方から後方に向かうにつれて段階的に小さくしたものである。このように、高さHの異なる複数の凸条111で横挟み歯11を構成すると、本実施の形態と同様に、高さHが大きな凸条111を有する横挟み歯11の前半部分でシート体50等の挟持対象を挟持する使用形態と、横挟み歯11の全体でシート体50等の挟持対象を挟持する使用形態とを使い分けることができる。また、高さHが大きな凸条111でシート体50等の挟持対象を挟持することにより、凸条111とシート体50等の挟持対象との接触面積を大きくして、横挟み歯11とシート体50等の挟持対象とが相対的に滑るのを確実に防止できる。
(変形例5)
図9(b)は、横挟み歯11の変形例5を説明するための横挟み歯11の近傍を、連結軸方向から見た図である。この変形例は、変形例1において、連結軸3bの軸方向からみた形状が、等脚台形状の凸条111と凹条112とで横挟み歯11を構成したものである。
(変形例6)
図9(c)は、横挟み歯11の変形例6を説明するための横挟み歯11の近傍を、連結軸方向から見た図である。この変形例は、変形例1において、連結軸3bの軸方向からみた形状が、四角形状の凸条111と凹条112とで横挟み歯11を構成したものである。
(変形例7)
図14は、横挟み歯11の変形例7を説明するための、両アゴ部4を閉じた状態の、両アゴ部4の前端近傍を示す図(図14(a))、図14(a)の領域Dで示した部分の拡大図(図14(b))、両アゴ部4が前後方向にずれた場合の両アゴ部4の前端近傍を示す図(図14(c))、図14(a)の領域Eで示した部分の拡大図(図14(d))である。
この変形例は、上記実施の形態において、図14(a)、および図14(b)に示すように、第一領域5が接触するよう両アゴ部4を閉じた状態であって、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111の突端111aと、この凸条111が入り込む他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112の底端112aとが、凸条111の高さ方向において正対するよう両アゴ部4を組み付けた状態において、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111と、この凸条111が入り込む他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112との対向する側面間の間隔130が、この凸条111の突端111aとこの凹条112の底端112aとの間隔131よりも広くなるような形状を横挟み歯11が有するようにしたものである。一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111と、この凸条111が入り込む他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112との対向する側面間の間隔130とは、例えば、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111の2つの側面111bと、この凸条111が入り込む他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112の2つの側面112bとのうちの、間隙を隔てて互いに対向する側面111bおよび112b間の間隔130である。ここでの側面111bと側面112bとの間隔130は、例えば、側面111bと側面112bとの最も間隔が広い部分の間隔と考えてもよい。
両アゴ部4を組み付けた状態とは、例えば、第一アーム1aおよび第二アーム1bを連結部3で連結した状態と考えてもよい。ここでの一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111の突端111aと、この凸条111が入り込む他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112の底端112aとが、凸条111の高さ方向において正対するよう両アゴ部4を組み付けた状態とは、このような状態を仮定した場合と考えても良く、両アゴ部4は、製造時の誤差等によって、必ずしもこのような状態となるよう組み付けられなくても良い。第一領域5が接触するよう両アゴ部4を閉じた状態であって、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111の突端111aと、この凸条111が入り込む他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112の底端112aとが、凸条111の高さ方向において正対するよう両アゴ部4を組み付けた状態とは、例えば、第一領域5が接触するよう両アゴ部4を閉じた状態であって、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111の突端111aと、この凸条111が入り込む他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112の底端112aとの距離が最も短くなるよう両アゴ部4を組み付けた状態と考えてもよい。
上記実施の形態のペンチにおいて、例えば、加工誤差や組立て誤差等によって、第一アーム1aと、第二アーム1bとの連結位置等がずれ、両アゴ部4の横挟み歯11の位置関係等が凸条111の高さ方向にずれて、設計よりも両アゴ部4同士が近接するよう配置されたとしても、両アゴ部4を閉じた際には、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111の突端111aと、この凸条111が入り込む他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112の底端112aとが互いに接触することは起こりにくい。この場合、両アゴ部4が連結部3を中心として回転するため、凸条111の突端111aは、接触するとしても、この凸条111が入り込む凹条112の側面112bに接触するものと考えられる。このため、例えば、両アゴ部4を閉じた状態の、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111の突端111aと、この凸条111が入り込む他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112の底端112aとの、凸条111の高さ方向の間隔131は、薄い挟持対象を挟みやすくするため等に、予め狭く設定することが可能である。
しかしながら、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111と、この凸条111が入り込む他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112との対向する側面間の間隔130を、この凸条111の突端111aと、凹条112の底端112aとの凸条111の高さ方向における間隔131以下とした場合、加工誤差や組立て誤差等によって、第一アーム1aと、第二アーム1bとの連結位置等がずれ、両アゴ部4の相対的な位置関係が前後方向においてずれてしまうと、両アゴ部4を閉じた状態で、一方のアゴ部4の凸条111の突端111aが、この凸条111が入り込む他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112の側面112bに当たってしまい、突端111aが劣化してしまうことが考えられる。両アゴ部4の前後方向における相対的な位置関係のずれとは、例えば、一方のアゴ部4の凸条111の突端111aが、この凸条111が入り込む他方のアゴ部4の凹条112の底端112aに、凸条111の高さ方向において正対する状態を、ずれがない状態とした場合のずれと考えてもよい。両アゴ部4は前後方向においてずれるということは、例えば、第一領域5が接触するよう両アゴ部4を閉じた状態において、一方のアゴ部4の凸条111の突端111aが、この凸条111が入り込む他方のアゴ部4の凹条112の底端112aに、凸条111の高さ方向において正対しないようになった状態である。
このため、この変形例のように、両アゴ部4を閉じた状態であって、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111の突端111aと、この凸条111が入り込む他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112の底端112aとが凸条111の高さ方向において正対するよう両アゴ部4を組み付けた状態において、横挟み歯11が、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111と、この凸条111が入り込む他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112との対向する側面間の間隔130が、この凸条111の突端111aとこの凹条112の底端112aとの間隔131よりも広くなるような形状を有するようにすることで、アゴ部4の横挟み歯11の凸条111の突端111aと、この凸条111が入り込む他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112の底端112aとの、凸条111の高さ方向の間隔131を狭くして、薄い挟持対象を横挟み歯で挟みやすくすること等が可能となるとともに、第一アーム1aと、第二アーム1bとに生じる加工誤差や組立て誤差等によって、両アゴ部4の相対的な位置関係が前後方向にずれた場合(例えば、図14(c)および図14(d)に示すような場合)等においても、一方のアゴ部4の凸条111の突端111aが、この凸条111が入り込む他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112の側面112bに当たりにくくするようにして、突端111aの劣化を防ぐことができる。同様に、第一アーム1aと、第二アーム1bとに生じる加工誤差や組立て誤差等によって、両アゴ部4の相対的な位置関係が凸条の高さ方向においてずれた場合においても、一方のアゴ部4の凸条111の突端111aが、この凸条111が入り込む他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112の側面112bに当たりにくくするようにして、突端111aの劣化を防ぐことができる。
なお、この変形例においては、例えば、対向する側面111bおよび側面112b間の間隔130は、凸条111の突端111aと、両アゴ部4を閉じた状態で、この凸条111が入り込む凹条112の底端112aとの、凸条111の高さ方向における間隔131に対して、0.02mm以上広いことが好ましく、0.04mm以上広いことが好ましい。例えば、間隔131が0.1mmである場合に、間隔131を、0.148mmとしても良い。また、この場合の、対向する側面111bおよび側面112b間の前後方向の距離132を、例えば、0.202mmとしてもよい。ただし、上記で述べた数値は一例であり、これら以外の値であっても良いことはいうまでもない。例えば、上記の間隔130、131,および132は、ペンチの大きさや形状等によって適宜設定可能である。
なお、この変形例において説明した構成は、例えば、両アゴ部を閉じた状態で一方のアゴ部の横挟み歯の凸条が、他方のアゴ部の横挟み歯の凸条に隣接する凹条内に入り込むとともに、一方のアゴ部の横挟み歯の凸条が、他方のアゴ部の横挟み歯の凹条に非接触となるよう構成されている挟持工具であれば、上記実施の形態のペンチ以外の挟持工具にも適用可能なものである。例えば、両アゴ部を閉じた状態で接触する接触部と、接触部が接触するよう両アゴ部を閉じた状態で、一方のアゴ部の横挟み歯の凸条が、他方のアゴ部の横挟み歯の凸条に隣接する凹条内に入り込むとともに、一方のアゴ部の横挟み歯の凸条が、他方のアゴ部の横挟み歯の凹条に非接触となるよう構成されている挟持工具であれば、上記実施の形態のペンチ以外の挟持工具にも適用可能なものである。ここでの両アゴ部を閉じた状態とは、例えば、アームのハンドルを握り込み限界まで握った状態と考えてもよい。
例えば、この挟持工具は、前端側にアゴ部を有し、後端側にハンドルを有する一対のアームと、両アームを回転可能に連結するための連結部とを備え、両アームが、両アゴ部を閉じた状態で接触する接触部を有し、両アームの各アゴ部の対向面(例えば対向面の前部)には、横挟み歯が形成されており、横挟み歯は、前後方向に配列された複数の凸条で構成されており、両アゴ部に設けられた凸条同士は、前後方向に位置ずれした状態で配置されており、接触部が接触するよう両アゴ部を閉じた状態で、一方のアゴ部の横挟み歯の凸条が、他方のアゴ部の横挟み歯の凸条に隣接する凹条内に入り込むとともに、一方のアゴ部の横挟み歯の凸条が、他方のアゴ部の横挟み歯の凹条に非接触となるよう構成されている挟持工具であってもよい。両アゴ部に設けられた凸条同士は、前後方向に位置ずれした状態で配置されている、ということは、凸条に隣接して設けられた凹条同士も、前後方向に位置ずれした状態で配置されていると考えてもよい。
なお、ここでの接触部は、両アゴ部を閉じた状態で接触して、両アゴ部を閉じた状態の、凸条の高さ方向における両アゴ部の相対的な位置関係を規制する接触部と考えても良く、両アゴ部を閉じた状態で接触して、両アゴ部を閉じた状態において、一方のアゴ部の、他方のアゴ部方向への移動を妨げる接触部と考えてもよい。また、ここでの接触部は、例えば、接触することによってアーム1の握り込み限界を規制するもの、例えば、握り込み限界を規制するストッパーと考えてもよい。例えば、ここでの接触部は、本実施の形態の、両アゴ部4を閉じた場合に接触する第一領域5に相当するものであってもよい。また、この接触部は、例えば、挟持工具の両アゴ部の横挟み歯と、連結部と、の間の対向面に設けられ、両アゴ部を閉じた状態で刃先同士が接触する一対の切断刃等であっても良い。また、この接触部は、例えば、挟持工具の両アゴ部の横挟み歯と、連結部との間の対向面にそれぞれ設けられ、両アゴ部を閉じた状態で先端部分が接触する一対の突起部等であっても良い。また、この接触部は、両アームの連結部よりもハンドル側に設けられた両アゴ部を閉じた状態で刃先同士が接触する一対の切断刃等であっても良い。なお、この接触部として、例えば、特許文献1におけるストッパー等と同様の構成が利用可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態2のペンチは、上記実施の形態において説明したペンチにおいて、縦挟み歯12を省略し、両アゴ部4の第二領域6の縦挟み歯12が設けられていた領域にも横挟み歯11を設けたものである。また、第一領域5の縦挟み歯12が設けられていた領域も、両アゴ部4を閉じた状態で接触するようにしたものである。
図10は、実施の形態2に係るペンチの両アゴ部を閉じた状態のアゴ部近傍の斜視図である。
図11は、実施の形態2に係るペンチの両アゴ部を開いた状態のアゴ部近傍の斜視図である。
図12は、実施の形態2に係るペンチの両アゴ部の前端近傍を連結軸方向からみた図である。
図13は、実施の形態2に係るペンチの両アゴ部を閉じた状態の平面図(図13(a))、正面図(図13(b))、左側面図(図13(c))、右側面図(図13(d))、底面図(図13(e))、背面図(図13(f))、両アゴ部4の前端近傍の領域Cで示した部分の拡大図(図13(g))、およびアゴ部4の対向面14の前端近傍の平面図(図13(h))である。図13(h)は、図13(b)中において下方に位置するアゴ部4、即ちアーム1bのアゴ部4の対向面14の平面図である。なお、図13(h)において、実線で示した部分であって、一点鎖線で区切られた部分を、挟み部側部7bと呼ぶ。また、ここでは、また、ここでは、幅方向に伸びる点線は、前端に位置する点線を除いて凸条の突端111aを示している。
ペンチ200においては、両アゴ部4の第一領域5の全域に、両アゴ部4を閉じた状態で互いに接触する平面5aが形成されている。
また、両アゴ部4の第二領域6の全域には、前後方向に平行に凸条111が配置されて、横挟み歯11が構成されている。この両アゴ部4の横挟み歯11も、上記実施の形態1の挟み歯11と同様に、第一領域5が接触するよう両アゴ部4を閉じた状態で、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111が、他方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111に隣接する凹条112内に入り込むとともに、一方のアゴ部4の横挟み歯11の凸条111が、他方のアゴ部4の横挟み歯11の凹条112に非接触となるよう構成されている。
このような本実施の形態においても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。
なお、上記実施の形態1および2においては、本発明を挟持工具であるペンチに適用した場合について説明したが、本発明は、プライヤー、コンビネーションプライヤー、ラジオペンチ、およびウォーターポンププライヤー等のペンチ以外の挟持工具にも適用可能なものであり、このような場合においても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。
例えば、本発明においては、第一アームおよび第二アームに係止された眼鏡穴状に結合した2個の連結孔と連結軸とにより構成された両アームを回動自在に連結する連結部を備えており、連結軸を連結孔のどちらのに係合するかによって、両アゴ部の開き角度を大小に異ならせることができるコンビネーションプライヤーであって、両アゴ部の対向面の前端側に、連結軸を、連結孔の、両アゴ部4の開き角度が小さくなる方に係合させた状態で、両アゴ部を閉じた場合に接触する第一領域を、上記実施の形態2のペンチ200と同様に設けるとともに、第一領域の後方に、第一領域が接触するよう両アゴ部を閉じた状態で、一方のアゴ部の対向面の凸条が、他方のアゴ部の対向面の凹条に非接触となるよう入り込む横挟み歯を備えた第二領域を、上記実施の形態2のペンチ200と同様に設けたコンビネーションプライヤー(図示せず)においても適用できるものであり、このような場合においても上記実施の形態と同様の効果を奏する。
また、本発明は、上記実施の形態2のペンチ200において、第一アーム1aと第二アーム1bのアゴ部4を非対称形状に形成して、両アゴ部4の対向面14から等距離にある仮想の平面が、連結軸の中心軸を有さないように、第一アームと第二アームとを連結したペンチ(図示せず)や、上記実施の形態2のペンチ200において、第一アーム1aのハンドル2と、第二アーム1bのハンドル2とから等距離にある平面と、両アゴ部4の対向面14から等距離にある仮想の平面とが同一平面とならないように第一アーム1aと第二アーム1bとを構成するようにしたペンチ(図示せず)においても適用できるものであり、このような場合においても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
以上のように、本発明にかかる挟持工具は、横挟み歯を有する挟持工具として適しており、特に、厚さの薄い挟持対象を挟持可能な挟持工具等として有用である。
1 アーム
1a 第一アーム
1b 第二アーム
2 ハンドル
3 連結部
3a ボス部
3b 連結軸
4 アゴ部
5 第一領域
5a 平面
6 第二領域
11 横挟み歯
12 縦挟み歯
14 対向面
16 凹部
111、121 凸条
111a 突端
112 凹条
112a 底端

Claims (7)

  1. 前端側にアゴ部を有し、後端側にハンドルを有する一対のアームと、両アームを回転可能に連結するための連結部とを備え、
    両アームの各アゴ部の対向面の前端側に位置する領域である第一領域は、両アゴ部を閉じた状態で接触し、
    両アームの各アゴ部の対向面の、前記第一領域よりも後方に位置する領域である第二領域には、横挟み歯が形成されており、
    前記横挟み歯は、前後方向に配列された複数の凸条および凹条で構成されており、
    前記両アゴ部に設けられた凸条同士は、前後方向に位置ずれした状態で配置されており、
    前記第一領域が接触するよう両アゴ部を閉じた状態で、一方のアゴ部の横挟み歯の凸条が、他方のアゴ部の横挟み歯の凸条に隣接する凹条内に入り込むとともに、一方のアゴ部の横挟み歯の凸条が、他方のアゴ部の横挟み歯の凹条に非接触となるよう構成されている挟持工具。
  2. 各アゴ部の第一領域は、当該第一領域内の平面が、両アゴ部を閉じた状態で互いに接触する請求項1記載の挟持工具。
  3. 前記横挟み歯は、両アゴ部を閉じた状態であって、一方のアゴ部の横挟み歯の凸条の突端と、この凸条が入り込む他方のアゴ部の横挟み歯の凹条の底端とが、凸条の高さ方向において正対するよう両アゴ部を組み付けた状態において、一方のアゴ部の横挟み歯の凸条と、当該凸条が入り込む他方のアゴ部の横挟み歯の凹条との対向する側面間の間隔が、当該凸条の突端と当該凹条の底端との間隔よりも広くなるような形状を有している請求項1または請求項2記載の挟持工具。
  4. 両アゴ部に設けられた横挟み歯を構成する複数の凸条は、配置される位置が後方になるにしたがって段階的に、ピッチが広く、高さが高くなっており、
    前記第一領域が接触するよう両アゴ部を閉じた状態で、一方のアゴ部の横挟み歯の凸条の突端と、他方のアゴ部の横挟み歯の凹条の底端とが、凸条の高さ方向において、非接触状態で正対するように構成されている請求項1から請求項3いずれか一項記載の挟持工具。
  5. 両アゴ部に設けられた横挟み歯は、形状と大きさが同じである複数の凸条であって、同ピッチで配列された複数の凸条で構成されており、
    一方のアゴ部の横挟み歯は、他方のアゴ部の横挟み歯に対して、前記横挟み歯の凸条の配列ピッチの半ピッチ分だけ前後方向にずらして設けられており、
    前記第一領域が接触するよう両アゴ部を閉じた状態で、一方のアゴ部の横挟み歯の凸条の突端と、他方のアゴ部の横挟み歯の凹条の底端とが、凸条の高さ方向において、非接触状態で正対するように構成されている請求項1から請求項3いずれか一項記載の挟持工具。
  6. 各アゴ部の第二領域の、前後方向に対して両側となる位置に、前記横挟み歯が設けられ、
    各アゴ部の対向面には、前記第二領域の前後方向に対して両側となる位置に設けられた横挟み歯に挟まれた領域からアゴ部の前端に達するまで延びる凹部が形成されており、
    当該凹部に、アゴ部の前端から後方に向かって伸びる凸条を有する縦挟み歯を備えている請求項1から請求項5いずれか一項記載の挟持工具。
  7. 各アゴ部の前記縦挟み歯が有する凸条の少なくとも前端側は、前記第一領域が接触するよう両アゴ部を閉じた状態において、アゴ部の前端から離れるにつれて、対向する縦挟み歯の凸条との距離が離れるように傾斜している請求項6記載の挟持工具。
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