JP6625715B1 - プライヤー - Google Patents

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Abstract

【課題】ねじの取り外し作業時における縦掴み歯とねじの頭部外周面との間の滑りの発生を抑制して、ねじの頭部を確実に挟持できるプライヤーを提供する。【解決手段】プライヤーのあご部20に、縦掴み歯22の各条歯22aが、ねじBを緩ませる回転方向の側に歯先が倒れている構成を採用する。ねじが滑る方向とは逆向きに条歯22aの歯先が切り立っていることになるため、ねじの頭部hの外周面に歯先が食い込みやすくなっている。【選択図】図4

Description

本発明は、ねじ回し用のプライヤーに関する。
壁面等にねじ込まれたねじを取り外す際に、ねじの頭部が錆び付いていたり、頭部のビット穴が潰れているなどして、ビット穴にドライバーを係合させるのが困難なことがある。そのような場合に、ねじの頭部を外周から挟み込み、緩み方向に強制的に回転させることで取り外しを可能とする、特許文献1および2のようなねじ回し用のプライヤーが知られている。
特許文献1および2のプライヤーは、前端にあご部を有し後端に柄部を有する一対のアームからなる。一対のアームは、あご部同士が対向し柄部同士が対向するように、交差状(X字状)にかつ揺動可能に連結される。
柄部を握って一対のアームを揺動操作して、あご部同士を接近および離反させることで、一対のあご部間にねじの頭部を挟み込んだり、挟み込みを解除したりできるようになっている。
一対のアームのあご部の対向する係合面には、ねじの頭部の外周面を縦掴み可能な、すなわち、ねじの軸方向とアームの前後方向とが略一致する状態で挟持可能な縦掴み歯が設けられている。
縦掴み歯は、あご部の前後方向に延びる条歯が、あご部の左右方向に複数並列することで形成されており、条歯の歯先がねじの頭部の外周面に食い込むようになっている。
ねじを取り外す際には、プライヤー全体を回転操作することになるが、横掴みの場合、すなわちねじの軸方向とアームの前後方向とが略直交する状態で挟持する場合には、その回転領域はアームの前後方向の長さに相当する半径を有する円となるため、作業に比較的広いスペースが必要となる。
これに対し、縦掴みの場合には、プライヤーの回転領域は格段に小さいため、狭いスペースで操作することができるようになっている。
ところで、従来のこの種のプライヤーでは、縦掴み歯の条歯の形状が、あご部の左右方向にほぼ対称形状をなしていた(特許文献1の図7、特許文献2の図4等参照)。
このように条歯が左右対称形状の場合、条歯の歯先がプライヤーの回転方向に対して中立であるため、ねじが緩む方向に回転操作しても、歯先のねじの頭部外周への食い込みが促進されるわけではなかった。
したがって、ねじの取り外し作業をおこなう際に、縦掴み歯の条歯がねじの頭部の外周面にうまく食い込まなかったり、食い込みが不十分となったりして、滑りが生じやすい問題があった。
こうして、縦掴み歯の条歯とねじの頭部の外周面の間に滑りが生じやすい状態にあると、プライヤーが空回りして回転操作を余分におこなう必要があり、作業効率が低下するおそれがあった。
特許第4471315号公報 特許第3486776号公報
そこで本発明の解決すべき課題は、縦掴みが可能なプライヤーについて、ねじの取り外し作業時における縦掴み歯とねじの頭部外周面との間の滑りの発生を抑制して、ねじの頭部を確実に挟持できるようにすることである。
上記した課題を解決するため、発明にかかるプライヤーについて、縦掴み歯の各条歯が、ねじを緩ませる回転方向の側に歯先が倒れている構成を採用したのである。
すなわち、発明にかかるプライヤーは、前端にあご部を有し後端に柄部を有する一方のアームと、前端にあご部を有し後端に柄部を有し、そのあご部が前記一方のアームのあご部に対向し、その柄部が前記一方のアームの柄部に対向するように、前記一方のアームに対して交差状にかつ揺動可能に連結される他方のアームと、を備える。
前記一対のアームのあご部は、その対向する係合面に、ねじの頭部の外周面を、前記ねじの軸方向と前記アームの前後方向とが略一致する状態で挟持可能な縦掴み歯をそれぞれ有している。
また、その縦掴み歯は、前記係合面に設けられた窪み内に、前記あご部の前後方向に延びる条歯が、前記あご部の左右方向に複数並列することで形成されている。ここで、あご部の左右方向に並列する条歯の歯先を結ぶ仮想線は、円弧状をなしている。
そして、縦掴み歯の各条歯は、前記ねじを緩ませる回転方向の側に歯先が倒れている。
以上のように構成すると、縦掴み歯の各条歯は、ねじの滑り方向とは逆向きに歯先が切り立っていることになる。
したがって、ねじの取り外し作業時にねじ頭部の外周面に条歯の歯先が食い込みやすくなっており、ねじの頭部の外周面と条歯との間に滑りが生じることが抑制され、プライヤーによるねじの取り外し作業を効率よく行うことができる。
発明にかかるプライヤーにおいて、前記縦掴み歯は、前記あご部の左右方向に並列する条歯の間に、前記あご部の前後方向に延びる条溝を有する構成を採用するのが好ましい。
このように構成すると、縦掴み歯でねじ頭部を挟持した際に、ねじ頭部の外周に条歯が食い込むことで、ねじ頭部が変形し、条歯が食い込んでいる箇所が小径に、条歯が食い込んでいない箇所が大径に膨出するが、その膨出した箇所が条溝内に入り込む(収容される)ことになる。
条溝が存在しない場合、膨出しようとする箇所があご部の係合面の底に突き当たるなどして変形が阻害されるため、条歯の食い込み量も少なくなるが、条溝が存在することで、ねじの頭部の変形量を大きくすることができ、条歯のねじ頭部の外周面への食い込みが促進され、滑りの発生が一層抑制される。
発明にかかるプライヤーにおいて、前記縦掴み歯の条歯は、前記歯先から前記ねじを緩ませる回転方向に対して先行する側の歯元にかけての先行歯面と、前記歯先から前記ねじを緩ませる回転方向に対して後続する側の歯元にかけての後続歯面を有し、前記先行歯面と、前記複数の条歯の歯先を結ぶ円弧状の仮想線とのなす角度が、83〜87度である構成を採用するのが好ましい。
先行歯面と、前記複数の条歯の歯先を結ぶ円弧状の仮想線(の接線)とのなす角度が、83度を下回ると、歯先のねじを緩ませる方向への倒れ量が少なくなり、従来のあご部の左右方向に対称形の歯条との間に顕著な差が見られなくなる。また、87度を上回ると、歯先のねじを緩ませる方向へ歯先が寝過ぎて、ねじの頭部外周に引っかかりにくくなって、逆効果となる。83〜87度とすることで、縦掴み歯の、ねじの頭部外周に対する特に良好な食い込み性能が得られる。
発明にかかるプライヤーにおいて、前記縦掴み歯の条歯の後続歯面は、前記ねじを締める回転方向に向けて凸となるように屈曲している構成を採用するのが好ましい。
このように構成すると、条歯の後続歯面が、歯先から後続側の歯元を直線状に結ぶ平坦な面である場合に比べて、凸のぶんだけ条歯のあご部左右方向への幅を大きくすることができるため、強度が向上し、作業時における条歯の折れや欠けが抑制される。
発明にかかるプライヤーにおいて、前記両あご部は、その係合面の前記縦掴み歯よりも後方に、ねじの頭部の外周面を、前記ねじの軸方向と前記アームの前後方向とが略直交する状態で挟持可能な横掴み歯を有しており、その横掴み歯は、前記係合面に設けられた窪み内に、前記あご部の左右方向に延びる条歯が、前記あご部の前後方向に複数並列することで形成されている構成を採用することができる。ここで、あご部の前後方向に並列する条歯の歯先を結ぶ仮想線は、円弧状をなしている。
このように構成すると、一つのプライヤーで作業状況等に応じて、ねじの掴み方の態様を、縦掴みと横掴みで適宜に使い分けることができる。たとえば、縦掴み歯の場合、あご部の左右方向寸法に制約されて、頭部の径の大きなねじの取り外しには、あまり適しておらず、いわゆるビスなど頭部の径の小さなねじの取り外しに適している。一方、横掴みの場合、あご部の前後方向の寸法は左右方向の寸法よりも通常は有意に大きいため、頭部の径の大きなねじを取り外すのに適したものとすることができる。
発明にかかるプライヤーにおいて、前記横掴み歯の各条歯は、前記ねじを緩ませる回転方向の側に歯先が倒れている構成を採用することが好ましい。
このように構成すると、縦掴み歯の各条歯がねじを緩ませる回転方向に歯先が倒れる向きに傾斜しているのと同様に、滑りを妨げる向きに条歯の歯先が切り立っているため、ねじの頭部外周への条歯の食い込みが促進され、ねじの頭部を確実に挟持することが可能となる。
発明にかかるプライヤーにおいて、前記横掴み歯の条歯は、前記歯先から前記ねじを緩ませる回転方向に対して先行する側の歯元にかけての先行歯面と、前記歯先から前記ねじを緩ませる回転方向に対して後続する側の歯元にかけての後続歯面を有し、前記先行歯面と前記複数の条歯の歯先を結ぶ円弧状の仮想線とのなす角度が、83〜87度である構成を採用するのが好ましい。
このように構成すると、縦掴み歯の場合と同様に、横掴み歯のねじの頭部外周に対する特に良好な食い込み性能が得られる。
発明にかかるプライヤーにおいて、前記横掴み歯の条歯は、前記あご部の左右方向に対して斜めに延びている構成を採用するのが好ましい。
一般に、プライヤーでねじの取り外し作業をおこなう際には、ねじにその回転を妨げるような斜めの力が加わらないように、条歯の延びる方向とねじの軸方向とが略一致する状態で掴み歯でねじの頭部を挟持するのが好ましい。
したがって、横掴み歯の条歯の延びる方向があご部の左右方向と完全に一致している場合には、プライヤーのアームの前後方向とねじの軸方向とが完全に直交した状態になるが、ねじの頭部のそのねじが締結された壁面等からの突出量が小さいと、壁面にプライヤーのアームの側面が接触するか極めて近接することになる。
このような状態では、壁面とアームの柄の間に指をもぐりこませる隙間がなく、柄を手で握ることが困難となり、ねじの取り外し作業を円滑に行うことができない。
横掴み歯の条歯の延びる方向をあご部の左右方向に対して若干傾斜させることで、条歯の延びる方向とねじの軸方向とが一致するようにしてねじの頭部を挟持すると、壁面に対してアームが傾いた状態となるため、アームの柄部と壁面の間に指をもぐりこませることが可能な隙間が生まれる。
したがって、柄部を手で握りやすく、プライマーの操作が容易となり、ねじの取り外し作業をスムーズに行うことができる。
発明にかかるプライヤーにおいて、前記横掴み歯の条歯の延びる方向の、前記あご部の左右方向に対するする傾斜角度は、15〜30度である構成を採用するのが好ましい。
傾斜角度が15度を下回ると、横掴み歯の条歯の延びる方向とあご部の左右方向とがほぼ一致してしまうため、アームの柄部とねじが締結された壁面との隙間が小さすぎて、指をもぐりこませることが困難となる。また、傾斜角度が30度を上回ると、横掴み歯の条歯の延びる方向とあご部の左右方向とがかけ離れた方向になってしまうため、壁面に対してアームを極端に傾けて操作することになってしまう。
傾斜角度を15〜30度とすることで、アームの柄部と壁面の間に指をもぐりこませるのに必要十分な隙間が生まれ、かつ壁面に対してアームを極端に傾けて操作する必要もなく、ねじの取り外し作業を一層スムーズに行うことができる。
発明にかかるプライヤーを以上のように構成したので、ねじの取り外し作業時における縦掴み歯とねじの頭部外周面との間の滑りの発生を抑制して、ねじの頭部を確実に挟持することが可能になった。
第1実施形態のプライヤーの側面図 (a)は第1実施形態のプライヤーにおける閉じた状態のあご部の正面図、(b)は(a)の要部拡大図 第1実施形態のプライヤーにおけるあご部の係合面の平面図 (a)は第1実施形態のプライヤーにおける開いた状態のあご部の正面図、(b)は(a)の要部拡大図 第2実施形態のプライヤーの側面図 (a)は第2実施形態のプライヤーにおける開いた状態のあご部の側面図、(b)は(a)の要部拡大図 (a)は第2実施形態のプライヤーにおけるあご部の係合面の平面図、(b)は第2実施形態のプライヤーにおけるあご部の係合面の変形例を示す平面図 第2実施形態のプライヤーにおける使用状態の模式図
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1から図4に示す第1実施形態のプライヤー1は、壁面等に締結されたねじBの頭部hを挟み込み、ねじBを回転させてその壁面等から取り外すのに好適に用いられる。
図示のように、第1実施形態のプライヤー1は、上下一対のアーム10からなる。
一対のアーム10は、それぞれその前後方向(長手方向)の前端寄りにあご部20を有し、後端寄りに柄部30を有する。
図1のように、一対のアーム10は、その前後方向の中央部の連結部40において交差状にかつ揺動可能に連結されている。連結部40の具体的構成は特に限定されないが、一方のアーム10に揺動軸を設け、他方のアーム10に揺動軸を支持可能なボス部を設けることが例示できる。
プライヤー1を使用する際には、一対のアーム10の柄部30を握って揺動操作することで、あご部20同士を接近および離反させることが可能になっている。これにより、あご部20の間に対象物を挟み込んだり、また挟み込みを解除したりすることができる。
アーム10は、金属の鋳造品または鍛造品からなり、その柄部30には、滑り止め等のために、合成樹脂が被覆されている。柄部30は握りやすいように湾曲し、その後端には、左右方向に貫通する紐孔31が設けられている。
図1から図3のように、アーム10のあご部20は、上面および下面、左右の側面、前端面を有するブロック形状をなしており、後部は柄部30に連続している。
上下一対のアーム10の上側のあご部20の上面と左右の側面との境界、および下側のあご部20の下面と左右の側面との境界は、それぞれ面取りが施されている。また上側のあご部20の上面は前端面に向けて下り勾配に傾斜し、下側のあご部20の下面は前端面に向けて上り勾配に傾斜している。このため、あご部20の上下の厚みは、前端面に向けて漸減している。
図示のように、上下一対のアーム10の上側のあご部20の下面と下側のあご部20の上面とは対向し、この対向面は、あご部20同士を接近させた際に重なり合う係合面となっている。
この係合面の前部には、それぞれ鋸歯状の横挟み歯21および縦掴み歯22が設けられ、後部には、切断刃23が設けられている。
図2および図3のように、横挟み歯21は、係合面の前部において、あご部左右方向の両側に位置し、縦掴み歯22は、係合面の前部において、あご部左右方向の中央、すなわち両側の横挟み歯21の中間に位置している。
係合面の横挟み歯21が形成された箇所は、横挟み歯21の凹凸を除くと平坦になっている。一方、係合面の縦掴み歯22が形成された箇所は、あご部20の左右方向に円弧状をなすように窪んでおり、その窪みはあご部20の前部と後部との境界から前方に延びてあご部20の前端面へと達している。
したがって、図2のように、あご部20を閉じた際にも、その前端面には左右方向を長軸とする略長円形の開口が形成されるようになっている。
図1および図3のように、横挟み歯21は、複数の条歯21aからなり、この条歯21aは、あご部20の左右方向に延び、かつ前後方向に並列している。条歯21aの大きさはほぼ等しく、その歯先を結ぶ仮想線はほぼ直線状となる。
この横挟み歯21は、線材を挟んで曲げるなど、ねじを取り外すのとは異なる用途に通常は使用される。
図2から図4のように、縦掴み歯22は、複数の条歯22aからなり、この条歯22aは、あご部20の前後方向に延び、かつ左右方向(幅方向)に並列している。条歯22aの歯先を結ぶ仮想線L1は、あご部20の左右方向に湾曲して円弧状をなしている。
縦掴み歯22は、ねじBの頭部hの外周面を、ねじBの軸方向とアーム10の前後方向とが略一致する状態で挟持可能となっている。
仮想線L1の曲率半径は、縦掴み歯22で挟持されるねじの頭部外周面に、条歯22aの歯先が沿いやすいように、想定されるねじの頭部の径に準じて設定される。
また、図2および図4のように、条歯22aは、その歯先から、ねじBの緩ませる回転方向(時計回り、図4の矢印で示す)に対して先行する側の歯元にかけての先行歯面と、後続する側の歯元にかけての後続歯面を有する。
ここで先行歯面と条歯22aの歯先を結ぶ仮想線L1(の接線)とのなす角度r1は、後続歯面と仮想線L1とのなす角度r2よりも大きくなっている。
すなわち、条歯22aは、その歯先がねじの緩ませる回転方向の側に倒れた(寝た、傾斜した)形状となっている。
これにより、図4のように、縦掴み歯22に、ねじBの頭部hを挟んでねじの取り外し作業をおこなう際に、条歯22aの歯先がねじBの頭部hの外周面に食いこみやすくなっている。したがって、条歯22aとねじBの頭部hの間に、滑りが生じにくくなっており、プライヤーの空回りが防がれている。また、条歯22aをねじBに食い込ませるために大きな握力を必要としないため、女性や子供などでもねじBの取り外し作業をスムーズに行うことができる。
条歯22aの倒れの大きさを示す角度r1は、特に限定されないが、ねじ頭部への食い込み性が特に良好なものとして、83〜87度が例示できる。さらに好ましくは、約85度である。
また、図2および図4のように、あご部20の左右方向に並列する3つの条歯22aのうち、ねじBを緩ませる回転方向に先行する2つの条歯22aの後続歯面は、歯先側の傾斜面と歯元側の傾斜面とからなる。ねじBを緩ませる回転方向に後続する残る1つの条歯22aの後続歯面は、歯先から歯元にかけて直線状に傾斜している。
ここで、後続歯面が歯先側の傾斜面と歯元側の傾斜面とからなる条歯22aにおいて、歯先側の傾斜面と仮想線L1とのなす角度r2が、歯元側の傾斜面を歯先側に延長した延長線と仮想線L1とのなす角度よりも小さくなっている。
なお、角度r2は特に限定されないが、r2が大きすぎると条歯22aの歯先の厚みを確保できず強度が不十分となる恐れがあり、r2が小さすぎると条歯22aの後続歯面のうち歯先側の傾斜面がねじBの頭部hへ突き当たりやすくなり歯先の食い込みの妨げとなる恐れがあるため、13〜17度であることが好ましい。さらに好ましくは、約15度である。
すなわち、条歯22aの後続歯面は、ねじの緩ませる回転方向とは逆側に相当する、ねじを締める方向(反時計回り、図4の矢印とは逆方向)に凸となるように屈曲している。
これにより後続歯面の全体が角度r2で傾斜している場合に比べて、条歯22aのあご部左右方向の幅を大きくすることができ、ねじの頭部に特に食い付きやすい、あご部20の左右方向中央に位置する条歯22aについて、強度が確保されている。ねじBを緩ませる回転方向に後続する条歯22aについては、先行する条歯22aほどの回転抵抗がかからないため、後続歯面を凸に屈曲させなくとも強度が足りる。
図2から図4のように、縦掴み歯22のあご部左右方向に並列する条歯22aと条歯22aの間には、条溝22bが形成されている。条溝22bはあご部左右方向に円弧状に窪み、かつあご部の前後方向に延びている。
条溝22bは、条歯22aの後続歯面の歯先側斜面を歯元側に延長した延長線L2よりも深く窪んでいる。すなわち、条溝22bは、並列する条歯22aの歯元同士を単純に連続させた場合よりも深くえぐれた状態となっている。
図4(b)に示すように、縦掴み歯22でねじの頭部hを挟持すると、条歯22aの食い込みに伴ない、頭部hが変形して条歯22aと条歯22aの間の箇所は膨出するが、この膨らんだ箇所が条溝22bに収容されるようになっている。これにより、ねじの頭部hの外周面と条歯22aとのすべりが一層防止される。
図1のように、切断刃23は、あご部20の後部において、左右方向の一側のみに位置しており、左右方向の他側は開口23bとなっている。
あご部20を閉じた際には、一対の切断刃23の刃先が合致するようになっている。
この切断刃23は、線材を切断するなど、ねじを取り外すのとは異なる用途に使用される。
切断刃23には、あご部前後方向に並列する半円形の皮むき孔23aが設けられている。一対の切断刃23の刃先が合致した状態で皮むき孔23aは円形になり、ここにコアとコアを被覆するシースからなるコードの、コアだけを挟み込みこんで、引き抜くことでコードからシースを剥がせるようになっている。並列する皮むき孔23aの径は異なっているため、コードの径に応じて使い分けることができる。
図5から図7(a)に示す第2実施形態のプライヤー2は、あご部20の係合面の横挟み歯21および縦掴み歯22よりも後部に横掴み歯24を設けた点で、同じ個所に切断刃23を設けた第1実施形態のプライヤー1と異なる。
取り外し対象となるねじBの頭部hの大きさや取り外し作業に必要となるスペースの大きさ等に応じて、縦掴み歯22を用いるか横掴み歯24を用いるかを、適宜に使い分けることができる。
以下、主として第1実施形態のプライヤー1と異なる点を説明する。
上下一対のアーム10の上側のあご部20の上面と左右の側面との境界、および下側のあご部20の下面と左右の側面との境界には、面取りが施されていない。また上側のあご部20の上面および下側のあご部20の下面は湾曲し、あご部20の上下の厚みが前端面に向けて漸減している。
図5および図6のように、係合面の横掴み歯24が形成された箇所は、あご部20の前後方向に円弧状をなすように窪んでおり、その窪みはあご部20の左右の側面へと達している。したがって、あご部20を閉じた際にも、その左右の側面には前後方向を長軸とする略長円形の開口が形成されるようになっている。
図7(a)のように、横掴み歯24は、複数の条歯24aからなり、この条歯24aは、あご部20の左右方向に延び、かつ前後方向に並列している。図6のように、条歯24aの歯先を結ぶ仮想線L3は、あご部20の前後方向に湾曲して円弧状をなしている。
横掴み歯24は、ねじBの頭部hの外周面を、ねじBの軸方向とアーム10の前後方向とが略一致する状態で挟持可能となっている。
仮想線L3の曲率半径は、横掴み歯24で挟持されるねじBの頭部hの外周面に、条歯24aの歯先が沿いやすいように、想定されるねじの頭部の径に準じて設定される。
また、図5および図6のように、条歯24aは、その歯先から、ねじBの緩ませる回転方向(図6中、矢印で示す)に対して先行する側の歯元にかけての先行歯面と、後続する側の歯元にかけての面を後続歯面を有する。
ここで先行歯面と条歯24aの歯先を結ぶ仮想線L3(の接線)とのなす角度r3は、後続歯面と仮想線L3とのなす角度r4よりも大きくなっている。
すなわち、条歯24aは、その歯先がねじの緩ませる回転方向の側に倒れた形状となっている。
これにより、図6のように、横掴み歯24に、ねじBの頭部hを挟んでねじの取り外し作業をおこなう際に、条歯24aがねじBの頭部hの外周面に食い付きやすく、滑りが生じにくくなっている。
条歯24aの倒れの程度を表す角度r3は、特に限定されないが、角度r2と同様に、ねじ頭部への食い込み性が特に良好なものとして、83〜87度が例示できる。さらに好ましくは、約85度である。
横掴み歯24の条歯24aは、縦掴み歯22の条歯22aよりも寸法が大きい。すなわち、条歯24aの歯元から歯先に至る上下の高さは、条歯22aの高さよりも高く、条歯24aの両歯元間の左右の幅は、条歯22aの両歯元間の幅よりも広くなっている。
条歯24aは、条歯22aとは異なり、後続歯面が屈曲しておらず、歯先から歯元にかけて直線状に延びている。これは、条歯24aは条歯22aよりも左右方向の幅が大きいため、後続歯面を屈曲させなくても強度を保てるからである。
図7(a)のように、横掴み歯24の条歯24aは、概ねあご部20の左右方向に延びているが、左右方向に対して角度r5をもってわずかに傾斜している。
図8のように、プライヤー2の横掴み歯24を使用する際には、ねじBに軸方向以外の余分な力がかからないように、横掴み歯24の条歯24aの延びる方向と、ねじBの軸方向とが略一致する状態でねじBの頭部hを挟持する。
このとき、アーム10は、ねじBの締結面に対して傾斜し、その柄部30と締結面の間には、柄部30を手で握る際に指を潜りこませる充分な隙間が生じる。したがって、ねじBの取り外し作業をスムーズに行うことができる。
条歯24aの傾斜角度r5は、特に限定されないが、取り外し作業を特にスムーズに行えるものとして、15〜30度が例示できる。20〜25度がより好ましい。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲内およびこれと均等の意味でのすべての修正と変形を含む。
たとえば第1実施形態では、縦掴み歯22の一部の条歯22aのみ、その後続歯面が屈曲している(ねじを締める方向に凸になっている)構成を採用しているが、すべての条歯22aについて、後続歯面を屈曲させる構成を採用することもできる。逆に、すべての条歯22aについて、後続歯面を屈曲させない構成を採用することもできる。また、条溝22bを省略することもできる。縦掴み歯22の条歯22aの数は、図示したものに限定されない。
第1実施形態では、切断刃23をあご部20の左右方向の一側のみに設けているが、両側に設ける構成を採用することもできる。また、切断刃23に設けられた皮むき孔23aの数は実施形態に限定されないし、皮むき孔23aを設けない構成を採用することもできる。さらには、切断刃23自体を設けない構成を採用することもできる。
同様に、横挟み歯21を設けない構成を採用することもできるし、横挟み歯21や切断刃23以外の歯や刃を追加的に設ける構成を採用することもできる。
一対のあご部20の間にばねを装填して、あご部20が開く向きまたは閉じる向きに付勢することもできる。
あご部20の係合面を除いた外面の形状および柄部30の形状については、図示したものに限定されない。あご部20の係合面の、縦掴み歯22が設けられた窪みの形状も、図示したものに限定されない。
ねじの緩み方向が通常とは逆方向の特殊なねじを取り外す用途に用いられるプライヤー1として、条歯22aの歯先の倒れる方向を図示したものとは逆側とする構成を採用することもできる。
第2実施形態では、横掴み歯24の条歯24aの歯先が、ねじを緩ませる回転方向の側に歯先が倒れる構成を採用しているが、条歯24aの歯先が回転方向に対して中立の構成を採用することもできる。
第2実施形態では、横掴み歯24の条歯24aがあご部20の左右方向に対して斜めに延びる構成を採用しているが、図7(b)のように、条歯24aの延びる方向とあご部20の左右方向とが一致する構成を採用してもよい。
第2実施形態では、横掴み歯24の条歯24aの後続歯面が歯先から歯元にかけて直線状の構成を採用しているが、その一部または全部について、縦掴み歯22の条歯22aと同様に後続歯面を屈曲させる構成を採用してもよい。
第2実施形態では、横掴み歯24の条歯24aの寸法を縦掴み歯22の条歯22aの寸法よりも大きくしているが、寸法関係はこれに限定されず、条歯24aを条歯22aとほぼ同じ大きさとしたり、逆に条歯24aを条歯22aよりも小さくしたりすることもできる。横掴み歯24の条歯24aの数は、図示したものに限定されない。
1 第1実施形態のプライヤー
2 第2実施形態のプライヤー
10 アーム
20 あご部
21 横挟み歯
21a 条歯
22 縦掴み歯
22a 条歯
22b 条溝
23 切断刃
23a 皮むき孔
23b 開口
24 横掴み歯
24a 条歯
30 柄部
31 紐孔
40 連結部
L1、L2、L3 仮想線
r1〜r5 傾斜角度
B ねじ
h 頭部

Claims (8)

  1. 前端にあご部を有し後端に柄部を有する一方のアームと、
    前端にあご部を有し後端に柄部を有し、そのあご部が前記一方のアームのあご部に対向し、その柄部が前記一方のアームの柄部に対向するように、前記一方のアームに対して交差状にかつ揺動可能に連結される他方のアームと、を備え、
    前記一対のアームのあご部は、
    その対向する係合面に、ねじの頭部の外周面を、前記ねじの軸方向と前記アームの前後方向とが略一致する状態で挟持可能な縦掴み歯をそれぞれ有しており、
    その縦掴み歯は、前記係合面に設けられた窪み内に、前記あご部の前後方向に延びる条歯が、前記あご部の左右方向に歯先を結ぶ仮想線が円弧状をなすように複数並列することで形成されており、
    前記縦掴み歯の各条歯は、
    前記ねじを緩ませる回転方向の側に歯先が倒れており、かつ、
    前記歯先から前記ねじを緩ませる回転方向に対して先行する側の歯元にかけての先行歯面と、前記歯先から前記ねじを緩ませる回転方向に対して後続する側の歯元にかけての後続歯面を有し、前記後続歯面は、前記ねじを締める回転方向に向けて凸となるように屈曲しているプライヤー。
  2. 前記縦掴み歯は、
    前記あご部の左右方向に並列する条歯の間に、前記あご部の前後方向に延びる条溝を有する請求項1に記載のプライヤー。
  3. 前記縦掴み歯の条歯は、
    前記先行歯面と、前記複数の条歯の歯先を結ぶ円弧状の仮想線とのなす角度が、83〜87度である請求項1または2に記載のプライヤー。
  4. 前記両あご部は、
    その係合面の前記縦掴み歯よりも後方に、
    ねじの頭部の外周面を、前記ねじの軸方向と前記アームの前後方向とが略直交する状態で挟持可能な横掴み歯を有しており、
    その横掴み歯は、前記係合面に設けられた窪み内に、前記あご部の左右方向に延びる条歯が、前記あご部の前後方向に歯先を結ぶ仮想線が円弧状をなすように複数並列することで形成されている、請求項1から3のいずれかに記載のプライヤー。
  5. 前記横掴み歯の各条歯は、前記ねじを緩ませる回転方向の側に歯先が倒れている請求項4に記載のプライヤー。
  6. 前記横掴み歯の条歯は、
    前記歯先から前記ねじを緩ませる回転方向に対して先行する側の歯元にかけての先行歯面と、前記歯先から前記ねじを緩ませる回転方向に対して後続する側の歯元にかけての後続歯面を有し、
    前記先行歯面と前記複数の条歯の歯先を結ぶ円弧状の仮想線とのなす角度が、83〜87度である、請求項5に記載のプライヤー。
  7. 前記横掴み歯の条歯は、前記あご部の左右方向に対して斜めに延びている請求項4から6のいずれかに記載のプライヤー。
  8. 前記横掴み歯の条歯の延びる方向の、前記あご部の左右方向に対する傾斜角度は、15〜30度である、請求項7に記載のプライヤー。
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