JP2019009880A - 超音波モータ、ロボットアーム、およびメッシュロボット - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の超音波モータは、円筒形状の第一シャフトと、円筒形状の第二シャフトと、を有するロータシャフトと、前記第一シャフトの基端側の開口部である第一開口部と、前記第二シャフトの基端側の開口部である第二開口部とを、近づける方向に力を加える弾性部材と、直方体状で、ロータシャフトが貫通する貫通孔を有するステータと、前記ステータの外側面に取り付けられた超音波発生素子と、を備え、前記第一シャフトと前記第二シャフトとは、前記第一開口部と前記第二開口部とを対向させて設けられており、前記ステータの内周面はテーパ加工されており、前記第一シャフトは基端側の外周にテーパ形状に加工された第一係合部を有し、前記第二シャフトは基端側の外周にテーパ形状に加工された第二係合部を有し、前記ステータの内周面と、第一係合部および第二係合部とが係合する。
本発明の第一実施形態について、図1から図6を参照して説明する。なお、図面を見やすくするため、各構成要素の厚さや寸法の比率は適宜調整されている。
超音波モータ100は、ステータ1と、圧電素子(超音波発生素子)2と、ロータシャフト3と、バネ固定部材4と、バネ(弾性部材)5と、を備える。
超音波モータ100は、ロータシャフト3が、ロータシャフト3の長手軸を中心に回転する回転モータとして動作する。以降の説明において、ロータシャフト3の軸方向を「軸方向A」と称し、ロータシャフト3の回転方向を「回転方向R」と称す。
ステータ1は、例えば2〜3mm角の直方体に形成されている。また、ステータ1の構成材料は、金属材料(鉄,ステンレス,アルミニウム,銅等)が一般であるが、必ずしも金属である必要はなく、プラスチックでもよい。
図3および図4に示すように、ステータ1の内周面10には、軸方向Aに沿って複数の溝Tが形成されている。複数の溝Tは、ステータ1の内周面10の周方向に沿って等間隔に配置されている。溝Tの形状は、互いに等しく、略円柱形状である。
図5および図6が示すように、ステータ1の貫通孔Hは略円柱形状である。貫通孔Hの両端の開口部の径寸法が最も大きく、両端の開口部から軸方向Aの中心部に向かうに従って径寸法が小さくなるように、ステータ1の内周面10はテーパ形状に加工されている。図6が示すように、ステータ1の軸方向Aに水平な断面は、内周面10がくさび形に形成されている。テーパの角度は、軸方向Aに対して2度〜15度程度である。
なお、第一シャフト31の先端開口部31bおよび第二シャフト32の先端開口部32bは必ずしも必要ではなく、設けられなくてもよい。
もちろん、バネ5自体を異なる弾性力を有するバネ5に変更することで、第一シャフト31と第二シャフト32とを互いに近づける弾性力の大きさを調整してもよい。
第一係合部31dは、図3および図6に示すように、基端開口部31aに向かうに従って径寸法が小さくなるようにテーパ形状に加工されている。第一係合部31dのテーパ形状は、対向して配置される第一内周面11のテーパ形状と係合するように形成されている。
第二係合部32dは、図3および図6に示すように、基端開口部32aに向かうに従って径寸法が小さくなるようにテーパ形状に加工されている。第二係合部32dのテーパ形状は、対向して配置される第二内周面12のテーパ形状と係合するように形成されている。
第一凸部31eと第二凸部32eとは、第一シャフト31および第二シャフト32が、軸方向Aを回転軸として回転した際、回転方向Rの両端部のうち少なくとも一方の端部が係合する。
圧電素子2に超音波領域の交流電圧が入力され、圧電素子2は超音波を発生する。四つの圧電素子2には90度ずつ位相がずれた超音波が発生するように交流電圧が入力される。その結果、貫通孔Hの内周面10に回転方向Rの進行波が発生する。
一方、本実施形態のステータ1のように内周面10にテーパ形状が形成されている場合、軸方向Aと垂直な方向だけでなく、軸方向Aと水平な方向にも振動を伝達することができる。
従来、振動伝達効率を向上させる場合、軸方向Aと垂直な方向のみに対する振動伝達効率を改善するしか方法がなかった。本実施形態のステータ1では、軸方向Aと垂直な方向と合わせて、軸方向Aと水平な方向に対する振動伝達効率を改善することで、振動伝達効率全体を向上させることができる。
本実施形態の超音波モータ100によれば、ステータ1の軸方向Aに水平な断面にくさび形状を設け、ロータシャフトに対する振動伝達効率を改善できる。また、ロータシャフト3を、第一シャフト31と第二シャフト32とから構成し、バネ5で結合することで、ステータ1の内周面10とロータシャフト3の係合部(31d、32d)とを隙間なく接触させることができる。また、その接触力をバネ5により調整することができる。
本実施形態の超音波モータ100によれば、バネ5およびバネ固定部材4により、第一シャフト31と第二シャフト32とを互いに近づける力を調整し、振動伝達効率を調整することができる。
以上、本発明の第一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の第一実施形態および以下で示す変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
13を取り付けることもできる。また、それぞれの側面に複数の圧電素子を取り付けることもできる。貫通孔Hの内周面10に進行波を発生させる構成であれば、どのような構成態様であっても構わない。
本発明の第二実施形態について、図7および図8を参照して説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
第二実施形態に係る超音波モータ100Bは、超音波モータ100と比較して、バネが、第一シャフト31の内部空間と第二シャフト32の内部空間とを連通する内部空間ではなく、外部空間に配置されている点が異なる。
超音波モータ100Bは、図7および図8が示すように、ステータ1と、圧電素子(超音波発生素子)2と、ロータシャフト3と、バネ固定部材4Bと、バネ(弾性部材)5Bと、を備える。
皿バネ50は、中心に貫通孔を有する円盤状の板を略円錐状に形成したものである。皿バネ50の貫通孔方向の両側には、中心に貫通孔を有する一対の円盤状部材(51、52)が、皿バネ50の一部と接触するように設けられている。具体的には、皿バネ50の円錐形状の上側部分が円盤状部材52と接触しており、バネ5Bの円錐形状の下側部分が円盤状部材51と接触している。
バネ5Bは、円盤状部材51と円盤状部材52とを近づける方向に荷重が加わると、円盤状部材51と円盤状部材52とを遠ざける方向に弾性力を加えるバネ効果を有する。
ナット43は、ナット43の貫通孔の中心軸が、バネ5Bの貫通孔の中心軸と一致するように、ナット43の貫通孔を有する面が円盤状部材52の貫通孔を有する面に接合されている。また、ナット43は、ナット43の貫通孔が、バネ5Bの貫通孔と連通するようにバネ5Bに接合されている。
ナット43が嵌合するボルト44の位置を変更することで、ナット43とボルト44との相対位置を調整することができる。
また、ボルト44の頭部44bは、第二シャフト32の先端開口部32bを有する面に接合されている。
ボルト44が貫通する第一シャフト31と、第二シャフト32と、バネ5Bとは、ナット43とボルト44の頭部44bとに挟まれているため、軸方向Aへの移動範囲が制限される。
すなわち、ナット43およびボルト44は、バネ5Bと第一シャフト31との接続を補助する補助部材である。
すなわち、ナット43およびボルト44は、バネ5Bと第二シャフト32との接続を補助する補助部材である。
圧電素子2に超音波領域の交流電圧が入力され、圧電素子2は超音波を発生する。四つの圧電素子2には90度ずつ位相がずれた超音波が発生するように交流電圧が入力される。その結果、貫通孔Hの内周面10に回転方向Rの進行波が発生する。
本実施形態の超音波モータ100Bによれば、第一実施形態の超音波モータ100と同様、ステータ1の軸方向Aに水平な断面にくさび形状を設け、ロータシャフトに対する振動伝達効率を改善できる。また、ロータシャフト3を、第一シャフト31と第二シャフト32とから構成し、バネ5Bで両者を近付けることで、ステータ1の内周面10とロータシャフト3の係合部(31d、32d)とを隙間なく接触させることができる。また、その接触力をバネ5Bにより調整することができる。
本発明の第三実施形態について、図9および図10を参照して説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
なお、ロボットアーム200は6自由度のロボットアームに限定されない。ロボットアーム200は、6自由度以外の多自由度ロボットアームでもよい。
本実施形態のロボットアーム200によれば、超小型で出力トルクが大きい超音波モータ100を接続して組み合わせることで、6自由度の超小型のロボットアーム200を実現することができる。ロボットアーム200は、低速で高トルクが出せることや電源を切っても自己保持特性が保たれること、小型軽量、減速機不要、応答性が高いこと、磁界や電界の影響を受けない等のメリットを有し、ロボット関節や医療機器などに好適に使用することができる。
本発明の第四実施形態について、図11から図18を参照して説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
メッシュロボット300は、円板形状のプレート8と、隣り合うプレート8を接続するロボットアーム200Bと、を備える。
ロボットアーム200Bは、第二実施形態のロボットアーム200と比較して、第一シャフトの構成が異なっている。ロボットアーム200Bの第一シャフト31Bには、先端開口部32bは設けられていない。また、先端は軸方向Aから見て半円形状の切り欠き31eが形成されている。
プレート8は、円板形状であり、四個の分割プレート80から構成されている。分割プレート80は、図13が示すように、円板形状を中心角90度ごとに4分割した形状となっている。隣り合う分割プレート80同士は、接辺を中心軸として回転可能に接続されており、その接続部は隣り合う分割プレート80の法線が平行になるようにバネ等により付勢されている。そのため、プレート8は、板バネのような可撓性を有する。プレート8は可撓性を有することで、ロボットアーム200Bの姿勢や位置の制御誤差を吸収できる。
メッシュロボット300は、図16および図17が示すように、プレート8の傾きおよび変位を、ロボットアーム200により変更することで、複数のプレート8の表面8aが作り出す面を様々な3次元形状に変形させることができる。
メッシュロボット300を制御する不図示のコントローラは、各プレート8の傾きおよび変位を求め、その傾きおよび変位から各ロボットアーム200Bの姿勢や位置を求める。ロボットアーム200Bの姿勢や位置から、隣り合う超音波モータ100がなす角度を、逆運動学から算出する。隣り合う超音波モータ100がなす角度が算出した角度となるように、各超音波モータ100のロータシャフト3を回転させる。
コントローラは、変位が所定のXmmとなるまでは、反力が変位と比例して大きくなるように制御する。コントローラは、変位が所定のXmmを超えると、反力が一定となるように制御する。
本実施形態のメッシュロボット300によれば、超小型で出力トルクが大きい超音波モータ100を搭載したロボットアーム200により、複数のプレート8を任意の位置・姿勢に変形できる超小型のメッシュ状の面を実現することができる。
以上、本発明の第四実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の第四実施形態および以下で示す変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
10 内周面
11 第一内周面
12 第二内周面
2 圧電素子(超音波発生素子)
3 ロータシャフト
31,31B 第一シャフト
31a 基端開口部(第一開口部)
31b 先端開口部
31c 第一係止孔
31d 第一係合部
31e 第一凸部
32 第二シャフト
32a 基端開口部(第二開口部)
32b 先端開口部
32c 第二係止孔
32d 第二係合部
32e 第二凸部
4,4B バネ固定部材
41 第一バネ固定部材
42 第二バネ固定部材
5,5B バネ(弾性部材)
7 接続部材
8 プレート
8a プレート表面
8b プレート裏面
80 分割プレート
81 凹部
100,100B 超音波モータ
200,200B ロボットアーム
300 メッシュロボット
Claims (9)
- 円筒形状の第一シャフトと、円筒形状の第二シャフトと、を有するロータシャフトと、
前記第一シャフトの基端側の開口部である第一開口部と、前記第二シャフトの基端側の開口部である第二開口部と、を近づける方向に力を加える弾性部材と、
直方体状で、前記ロータシャフトが貫通する貫通孔を有するステータと、
前記ステータの外側面に取り付けられた超音波発生素子と、
を備え、
前記第一シャフトと前記第二シャフトとは、前記第一開口部と前記第二開口部とを対向させて設けられており、
前記ステータの内周面はテーパ加工されており、
前記第一シャフトは基端側の外周にテーパ形状に加工された第一係合部を有し、
前記第二シャフトは基端側の外周にテーパ形状に加工された第二係合部を有し、
前記ステータの内周面と、第一係合部および第二係合部とが係合する、
超音波モータ。 - 前記第一係合部は、前記第一開口部に向かうに従って径寸法が小さくなるようにテーパ形状に加工され、
前記第二係合部は、前記第二開口部に向かうに従って径寸法が小さくなるようにテーパ形状に加工された、
請求項1に記載の超音波モータ。 - 前記第一シャフトは、前記第一開口部に、長手軸方向に突出する第一凸部を有し、
前記第二シャフトは、前記第二開口部に、長手軸方向に突出する第二凸部を有し、
前記第一シャフトおよび前記第二シャフトが長手軸方向を回転軸として回転した際、回転方向の両端部のうち少なくとも一方の端部が係合する、
請求項1または請求項2に記載の超音波モータ。 - 前記ステータの内周面には、長手軸方向に沿って複数の溝が形成されている、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の超音波モータ。 - 前記弾性部材の一方の端部が取り付けられ、前記第一シャフトに係止される第一バネ固定部材と、
前記弾性部材の他方の端部が取り付けられ、前記第二シャフトに係止される第二バネ固定部材と、をさらに有し、
前記第一バネ固定部材は、前記第一シャフトの複数の位置のうち、いずれか一か所で係止される、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の超音波モータ。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の超音波モータを複数有し、
前記超音波モータどうしを接続する接続部材と、を備えるロボットアーム。 - 請求項6に記載のロボットアームを複数有し、
可撓性を有し、複数の前記ロボットアームが接続されたプレートと、
を備えるメッシュロボット。 - 前記プレートは、四つの分割プレートから構成され、
四つの分割プレートのそれぞれに、一つの前記ロボットアームが接続される、
請求項7に記載のメッシュロボット。 - 前記プレートが外力による変位が所定の値になるまで、前記外力に比例して反力を生成し、
前記変位が前記所定の値を超えたとき、前記反力は一定となる、
請求項7または請求項8に記載のメッシュロボット。
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