JP2019009172A - 化合物半導体装置及び化合物半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】化合物半導体装置において、低いゲート抵抗を得ながら、ゲートリーク電流を抑制する。
【解決手段】化合物半導体装置100は、化合物半導体積層構造体と、化合物半導体積層構造体の上方に設けられたソース電極108と、化合物半導体積層構造体の上方に設けられたドレイン電極109と、化合物半導体積層構造体の上方に設けられた第1絶縁膜と、ソース電極108とドレイン電極109との間であって、化合物半導体積層構造体の上方に設けられたゲート電極110と、を備える。ゲート電極110は、化合物半導体積層構造体に接し第1の結晶の配向を有する第1領域110aと、第1絶縁膜の上方に接し第2の結晶の配向を有する第2領域110bとを含む第1金属と、第1金属の上方であって、第1領域と第2領域との境界から離間した位置に設けられた、第1金属と電気的に接続されている第2金属と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、化合物半導体装置及び化合物半導体装置の製造方法に関する。
高周波、高出力の特性を得ることができる化合物半導体装置の一つの例として、高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor:HEMT)がある。HEMTは電子親和力の異なる半導体層を有し、それらの半導体層の界面において、バンドの不連続により2次元電子ガス(2 Dimensional Electron Gas:2DEG)が発生する。2DEGが発生した半導体層を電子走行層と呼び、電子走行層よりも電子親和力が小さいもう一つの半導体層を電子供給層と呼ぶ。HEMTは電子走行層或いは電子供給層の上方にソース、ゲート、ドレインの3つの金属電極を有し、ゲート電極に印加するゲート電圧を変えることによりHEMTのオン・オフを切り替える。
ゲート電極のゲート抵抗を下げるために、ゲート電極は少なくとも2種類以上の金属で形成される場合がある。例えば、半導体層に接して形成される第1金属と、第1金属の上方に形成され第1金属よりも抵抗が低い低抵抗な第2金属が形成される。
特開2008−288289号公報 特開2013−141000号公報
しかしながら、少なくとも2種類以上の金属を積層したゲート電極を用いたHEMTでは、HEMTのオフ時においてゲートリーク電流が発生し、結果として得られる化合物半導体装置の信頼性が低くなる。
本発明の1つの側面では、低いゲート抵抗を得ながら、ゲートリーク電流を抑制できる化合物半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本実施の形態の一観点によれば、化合物半導体装置は、化合物半導体積層構造体と、前記化合物半導体積層構造体の上方に設けられたソース電極と、前記化合物半導体積層構造体の上方に設けられたドレイン電極と、前記化合物半導体積層構造体の上方に設けられた第1絶縁膜と、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間であって、前記化合物半導体積層構造体の上方に設けられたゲート電極と、を備え、前記ゲート電極は、前記化合物半導体積層構造体に接し第1の結晶の配向を有する第1領域と、前記第1絶縁膜の上方に接し第2の結晶の配向を有する第2領域とを含む第1金属と、前記第1金属の上方であって、前記第1領域と前記第2領域との境界から離間した位置に設けられた、前記第1金属と電気的に接続されている第2金属と、を備える、ことを特徴とする。
本発明の1つの側面では、化合物半導体積層構造体の上方にソース電極を形成し、前記化合物半導体積層構造体の上方にドレイン電極を形成し、前記化合物半導体積層構造体の上方に第1絶縁膜を形成し、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間において、前記化合物半導体積層構造体まで到達する開口を前記第1絶縁膜に形成し、前記開口を埋め込み、前記第1絶縁膜の上方に第1金属を形成し、前記第1金属の上方であって、上面視で前記開口と異なる位置に前記第1金属と電気的に接続されている第2金属を形成することを特徴とする。
本発明によれば、低いゲート抵抗を得ながら、ゲートリーク電流を抑制できる。
従来の化合物半導体装置の構造の一例を示す断面図である。 第1の実施形態に係る化合物半導体装置を例示する断面図である。 第1の実施形態に係る化合物半導体装置を上から見た上面図である。 第1の実施形態に係る化合物半導体装置及び従来の化合物半導体装置のI−V特性を示すグラフである。 第1の実施形態に係る化合物半導体装置の製造工程を例示する図(その1)である。 第1の実施形態に係る化合物半導体装置の製造工程を例示する図(その2)である。 第1の実施形態に係る化合物半導体装置の製造工程を例示する図(その3)である。 第1の実施形態に係る化合物半導体装置の製造工程を例示する図(その4)である。 第1の実施形態に係る化合物半導体装置の製造工程を例示する図(その5)である。 第1の実施形態に係る化合物半導体装置の製造工程を例示する図(その6)である。 第1の実施形態に係る化合物半導体装置の製造工程を例示する図(その7) 第1の実施形態の変形例に係る化合物半導体装置を例示する断面図である。 第2の実施形態に係る化合物半導体装置を例示する断面図である。 第2の実施形態の変形例に係る化合物半導体装置を例示する断面図である。 第3の実施形態に係る化合物半導体装置を例示する断面図である。 第3の実施形態の変形例に係る化合物半導体装置を例示する断面図である。 第4の実施形態に係るディスクリートパッケージを示す図である。 第5の実施形態に係るPFC回路を示す結線図である。 第6の実施形態に係る電源装置を示す結線図である。 第7の実施形態に係る増幅器を示す結線図である。
(従来の構造)
図1は、従来の化合物半導体装置900を例示する断面図である。従来の化合物半導体装置900は、基板101と、バッファ層102と、電子走行層103と、スペーサ層105と、電子供給層106とを含む化合物半導体積層構造体を有する。更に、電子供給層106の上方に保護膜107と、ソース電極108と、ドレイン電極109と、ゲート電極910とを有する。バッファ層102は基板101の上方に設けられ、電子走行層103はバッファ層102の上方に設けられる。スペーサ層105は電子走行層103の上方に設けられ、電子供給層106はスペーサ層105の上方に設けられる。ソース電極108、ドレイン電極109は電子供給層106の上方に互いに離間して設けられ、ゲート電極910はソース電極108及びドレイン電極109との間であって電子供給層106の上方に設けられる。保護膜107は電子供給層106を覆い、ソース電極108及びゲート電極910の間とゲート電極910及びドレイン電極109の間とに設けられる。電子走行層103において電子供給層106(スペーサ層105)と電子走行層103との界面近傍には、2DEG104が発生している。
ゲート電極910は電子供給層106とショットキー接触を行う第1金属の第1領域910a、第1金属の第2領域910bと、ゲート抵抗の低減を行う第2金属910cとを有する。第1金属の第1領域910a、第1金属の第2領域910bは例えばNiにより形成され、第2金属910cは例えばAuにより形成される。第1金属の第1領域910a、第1金属の第2領域910bが、電子供給層106とショットキー接触すると共に保護膜107上に形成され、第1金属の第1領域910a、第1金属の第2領域910bの上方に第2金属910cが積層される。本願発明者は、保護膜107上と電子供給層106上とで第1金属の第1領域910a、第1金属の第2領域910bが異なる結晶の配向となっていることを見出し、第2金属910cに含まれる金属原子が第1金属の第1領域910a、第1金属の第2領域910bの異なる結晶の配向の境界部分を伝って電子供給層106へと拡散する問題があることを実験により発見した。
保護膜107の表面と開口から露出する電子供給層106の表面との性質の違いにより、第1金属の第1領域910a、第1金属の第2領域910bは保護膜107上と電子供給層106上とで結晶の配向が異なる。この異なる結晶の配向の境界部分が、第1金属の第1領域910a、第1金属の第2領域910b上の第2金属910cに含まれる金属原子が電子供給層106に拡散する経路となる。電子供給層106内部へと拡散した第2金属910cに含まれる金属原子は、電子供給層106の表層付近に留まる。その結果、ゲート電極910から電子供給層106内へ拡散した第2金属910cに含まれる金属原子を経てドレイン電極109からゲート電極110へ漏れ出るゲートリーク電流が発生する。
以下、上記問題を解決するための本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る化合物半導体装置の構造について図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態に係る化合物半導体装置を例示する断面図である。
図2に示されるように、第1の実施形態に係る化合物半導体装置100は、基板101とバッファ層102と、電子走行層103と、スペーサ層105と、電子供給層106とを含む化合物半導体積層構造体と、保護膜107と、ソース電極108と、ドレイン電極109及びゲート電極110とを有する。バッファ層102は基板101の上方に設けられ、電子走行層103はバッファ層102の上方に設けられる。スペーサ層105は電子走行層103の上方に設けられ、電子供給層106はスペーサ層105の上方に設けられる。ソース電極108、ドレイン電極109及びゲート電極110は電子供給層106の上方に設けられる。保護膜107は電子供給層106を覆い、ソース電極108及びゲート電極110の間とゲート電極110及びドレイン電極109との間に設けられる。電子走行層103において電子供給層106(スペーサ層105)と電子走行層103との界面近傍には、2DEG104が発生している。化合物半導体積層構造体には電子供給層106の上方にキャップ層を含んでいても良い。キャップ層の材料としては、例えばn−GaN或いはi−GaNが用いられる。化合物半導体積層構造体がキャップ層を含む場合は、ゲート電極110はキャップ層の上方にキャップ層と接して形成されても良いし、キャップ層に開口を形成し当該開口を埋め込み電子供給層106の上方に電子供給層106と接して形成されても良い。
基板101は、例えばSi、SiC、GaN、サファイア等の材料により形成される。基板101の導電性は、半絶縁性、導電性のどちらであっても良い。本実施形態では、基板101は例えば半絶縁性のSiCにより形成される。基板101の材料にSiCを用いることで、基板101と基板101の上方に設けられた化合物半導体積層構造体との格子整合性が良くなり、化合物半導体装置100の転位や欠陥が少なくなる。基板101の材料にSiCを用いることで、SiCの高い熱伝導率より化合物半導体装置100の動作時の熱を効率よく逃がすことができるため、化合物半導体装置100の信頼性が高くなる。基板101に半絶縁性の材料を用いることで、基板101と2DEG104との間での容量成分を小さくすることができ、化合物半導体装置100の高周波利得特性が高くなる。
バッファ層102は、例えばAlGa(1−x)N(0≦x≦1)の組成比で表される材料により形成される。本実施形態では、バッファ層102は例えばAlGaNにより形成される。バッファ層102にAlを含む材料を用いることで電極側から基板側への縦方向の耐圧が高くなる。
本実施形態では、バッファ層102としてAlGaNの単層を用いて説明したが、AlGaNの単層の代わりにAlNの単層を用いても良いし、低温成長で形成したGaNの単層を用いても良い。或いは、Alx1Ga(1−x1)N(0≦x1≦1)層とAlx2Ga(1−x2)N(0≦x2≦1)層とを交互に積層した超格子構造を用いても良い。
電子走行層103は例えばi−GaN(intentionally un−doped GaN)により形成される。電子走行層103は例えば1nm〜5000nmの厚みで設けられている。電子走行層103の厚みが1nm未満であると、シート抵抗が大きくなり化合物半導体装置100の出力が低下する。電子走行層103の厚みが5000nmを超えると、ピンチオフリーク電流が大きく化合物半導体装置100の特性が悪化する。
スペーサ層105は例えばAlGaNにより形成される。スペーサ層105は例えば1nm〜10nmの厚みで形成される。スペーサ層105の厚みが1nm未満であると、シート抵抗が大きくなり化合物半導体装置100の出力が低下する。スペーサ層105の厚みが10nmを超えると、スペーサ層105の結晶性が悪くなりクラックや転位が発生することでゲートリーク電流が発生し、化合物半導体装置100の信頼性が低くなる。スペーサ層105は電子の移動度が低下しない場合においては形成しなくてもよい。
電子供給層106は例えばAlGaNにより形成される。電子供給層106のAlGaNと電子走行層103のGaNとの格子定数差に起因した歪みがAlGaNに生じる。AlGaNの自発分極と格子定数差に起因して発生したピエゾ分極とにより、高濃度の2DEG104が電子走行層103に発生する。
ソース電極108及びドレイン電極109は、例えばTi/Alにより形成される。電極材料としてはTi/Alに限らず、電子供給層106、スペーサ層105、電子走行層103の何れかとオーミック接触がとれる材料であれば、どのような材料であっても良い。本実施形態では電子供給層106の上方にソース電極108及びドレイン電極109が設けられているが、オーミック接触がとれるのであれば本実施形態の構造に限らない。例えば、電子供給層106に溝が設けられ、当該溝に電極材料を埋め込んでスペーサ層105と接するようにソース電極108或いはドレイン電極109が設けられていてもよい。電子供給層106及びスペーサ層105に溝が設けられ、当該溝に電極材料を埋め込んで電子走行層103と接するようにソース電極108或いはドレイン電極109が設けられていてもよい。
ゲート電極110は、例えばNiとAuとを有する。電子供給層106とショットキー接触する金属としてNiが形成され、ゲート抵抗を低減する金属としてNiの上方にAuが形成される。Niは電子供給層に接する領域上と保護膜に接する領域上とで結晶の配向が異なる。図2の点線で囲まれた領域で示されるように、第1の結晶の配向を有する第1領域110aと第2の結晶の配向を有する第2領域110bとの間には結晶粒界が存在する。Niの第2領域110b上であって、結晶粒界から離間した領域にAu110cが形成される。Au110cとは必ずしもAu110cのみで形成されるわけではなく、例えば、不純物やその他の金属が混じっている状態になっていてもよい。このような構成を採ることで、Au110cが結晶粒界上に存在しないため、Au110cに含まれるAu原子が結晶粒界を伝って電子供給層106へ拡散することを抑制することができる。したがって、電子供給層106の表層付近にAu原子が存在しないためゲート電極110からドレイン電極109へと向かうAu110cの拡散経路を遮断しゲートリーク電流を抑制することができる。
図3は、第1の実施形態に係る化合物半導体装置100を上から見た上面図である。ゲートパッド110dに電圧が印加されると、ゲート電極110に電圧が印加され、ソース電極108からドレイン電極109へと電子が移動する。これらトランジスタとして機能する領域を活性領域111として示す。
図4は、第1の実施形態に係る化合物半導体装置及び従来の化合物半導体装置のI−V特性を示すグラフである。本実施形態における化合物半導体装置100の特性を調べるため、化合物半導体装置100(図2)及び従来の構造における化合物半導体装置900(図1)のゲート電圧に対するドレイン電流量(I−V特性)をシミュレーションした。図4における横軸は夫々の化合物半導体装置のゲート電極に印加した電圧を表し、縦軸は夫々の化合物半導体装置のドレイン電極に流れるドレイン電流量を表している。実線は図1で示される従来の構造におけるI−V特性を表し、破線は図2で示される本実施形態の構造におけるI−V特性を表す。ゲート電圧が0(V)或いはゲート電極に正電圧を印加しているときのドレイン電流は、ドレイン電極からソース電極へと流れる電流量と、電流量は小さいがドレイン電極からゲート電極へと流れるリーク電流量の合算の電流量である。
ゲート電圧を0(V)から負電圧へと印加していくと、ゲート電極から半導体層の活性領域へと空乏層が延びていくため、ドレイン電極からソース電極へと流れる電流量は小さくなり、測定されるドレイン電流も小さくなっていく。そして、更にゲート電圧を負電圧へと印加していくと、ゲート電極から半導体層へと延びた空乏層によりドレイン電極からソース電極へと向かう電流がなくなり、ドレイン電極からゲート電極へとリークする、所謂ゲートリーク電流が支配的になる。図4においては、本実施形態の化合物半導体装置100及び従来の化合物半導体装置900共にゲート電圧が凡そ−1.3(V)以下の時にゲートリーク電流が支配的となっており、図4のグラフの縦軸の値が凡そのゲートリーク電流量を示している。
従来の構造においては、ゲート電圧に−2(V)を印加したときのドレイン電流値は凡そ1×10−6(A/mm)であった。一方で、本実施形態の構造においては、ゲート電圧に−2(V)を印加したときのドレイン電流値は凡そ1×10−7(A/mm)であり、従来の構造と比較して約1/10程度までゲート電圧オフ時におけるドレイン電流を抑制できる。本実施形態の構造のように結晶の配向の異なるNi間の結晶粒界上にAuを形成せず、保護膜上のNi上であって該結晶粒界から離間した領域にAuを形成することでゲートリーク電流が抑制できる。
第1の実施形態の化合物半導体装置100において、ゲート電極110を構成する金属材料としてNiとAuとの積層構造を例に挙げて説明したが、金属材料はNiとAuとには限らない。すなわち、第1の実施形態として化合物半導体積層構造体上で化合物半導体積層構造体と接触する第1金属としてNiを一例に挙げたが、化合物半導体積層構造体上で化合物半導体積層構造体に接触する金属であればNi以外の金属材料でも良い。また、第1の実施形態としてNi上に形成された第2金属としてAuを一例に挙げたが、Niよりも抵抗が低い金属材料であればAu以外の例えばAl等の金属材料でも良い。
(第1の実施形態に係る化合物半導体装置の製造方法)
次に、第1の実施形態に係る化合物半導体装置の製造方法について図5〜図10を用いて説明する。図5〜図10は、第1の実施形態に係る化合物半導体装置の製造工程を例示する図である。
図5に示されるように、成長用基板として、例えば半絶縁性のSiC基板101上に、バッファ層102、電子走行層103、スペーサ層105、電子供給層106を順次形成する。
成長用基板としては、SiC基板の代わりに、Si基板、GaN基板、サファイア基板、GaAs基板等を用いても良い。また、基板の導電性は、半絶縁性、導電性のどちらでも良い。
半絶縁性のSiC基板101の上方に、例えば有機金属気相成長(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy:MOVPE)法により、AlGaNのバッファ層102を形成する。MOVPE装置のチャンバー内には、原料ガスとしてTMA(トリメチルアルミニウム)、TMG(トリメチルガリウム)、NHが供給される。超格子構造を形成する、或いは、組成の異なるAlGaN層を複数層形成する場合にはTMAとTMGの供給量を調整することにより形成する。
MOVPE法により、電子走行層103は、バッファ層102の上方に例えばGaNにより形成する。GaNの成長条件としては原料ガスとしてTMGガス及びNHガスの混合ガスを用いる。電子走行層103は1nm〜5000nmの厚みに形成する。本実施形態の電子走行層103の厚みは、例えば3000nm以上で形成する。
MOVPE法を用いて、スペーサ層105は、電子走行層103の上方に例えばAlGaNにより形成する。AlGaNの成長条件としては原料ガスとしてTMGガス、TMAガス及びNHガスの混合ガスを用いて、例えば1nm程度で形成する。
MOVPE法を用いて、電子供給層106は、スペーサ層105の上方に例えばAlGaNにより形成する。AlGaNの成長条件としては原料ガスとしてTMAガス、TMGガス及びNHガスの混合ガスを用いる。AlGaNの組成比に応じて、Al源であるTMAガス、Ga源であるTMGガスの供給の有無及び流量を適宜設定することにより調整する。電子供給層106の成長中に、例えばSi、Ge等のドナー不純物をドープすることにより、導電型をn型としても良い。
電子供給層106を形成した後、例えばアルゴン(Ar)を注入することにより素子分離領域を形成する(不図示)。化合物半導体積層構造体へのアルゴンの注入は、少なくとも電子供給層106とスペーサ層105とが接する部分よりも深い部分まで行う。電子供給層106と、スペーサ層105とが接する部分よりも深い部分までアルゴンを注入することで、2DEG104が発生しない素子分離領域が確定される。素子分離領域により化合物半導体積層構造体においての活性領域が確定される。素子分離は、2DEG104が発生しない領域を形成できればよく、上記の注入法の代わりに、例えばSTI法(Shallow Trench Isolation)を用いて行っても良い。このとき、化合物半導体積層構造体のドライエッチングには、例えば塩素系のエッチングガスを用いる。STI法を用いる場合においても、電子供給層106と、スペーサ層105または電子走行層103とが接する部分までエッチングにより溝を形成して素子分離を行う。
図6に示されるように、電子供給層106上にソース電極108及びドレイン電極109を形成する。ソース電極108及びドレイン電極109の具体的な形成方法は、先ず電子供給層106の全面にレジストをスピンコート法により塗布する。ソース電極108を形成する領域を開口する開口部と、ドレイン電極109を形成する領域を開口する開口部とをレジストに形成する。レジストパターンが形成されている面に、真空蒸着により、Ti膜を形成し、形成されたTi膜の上にAl膜を形成することにより金属の多層膜を形成する。その後、多層の金属膜を表面に有する化合物半導体積層構造体を有機溶媒等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に形成されている金属の多層膜をレジストパターンと共にリフトオフにより除去する。これにより、レジストパターンの開口部が形成されていた領域において残存している金属の多層膜によりソース電極108およびドレイン電極109が形成される。電子供給層106上にソース電極108及びドレイン電極109が形成された化合物半導体積層構造体を、窒素雰囲気中にて熱処理を行い、ソース電極108及びドレイン電極109と電子供給層106との間におけるオーミックコンタクトを確立する。
図7に示されるように、電子供給層106、ソース電極108及びドレイン電極109上に保護膜107が形成される。保護膜107の具体的な形成方法は、先ず電子供給層106、ソース電極108及びドレイン電極109上に、プラズマCVD法により、原料ガスとして、例えば、シラン、アンモニア等を用いて、シリコン窒化膜(SiN膜)が形成される。その後、保護膜107上にレジストを塗布し、ゲート電極110を形成する予定の領域に対応するレジストの領域を露光、現像することにより、レジストに開口部が形成される。パターニングされたレジストをマスクとし、フッ素系或いは塩素系ガスを用いたドライエッチングにより保護膜107に開口を形成する。保護膜107の除去方法においてはドライエッチングではなく、例えばフッ酸やバッファードフッ酸等を用いたウェットエッチングにより除去してもよい。続いて、レジストを除去する。以上により、ゲート電極110形成予定領域に開口部を有する保護膜107が形成される。
その後、図8に示されるように、ゲート電極110を形成する予定の領域に整合する開口部120aを備えた下層レジストパターン120及び開口部120aより狭い開口部121aを備えた上層レジストパターン121を保護膜107上に形成する。これらの下層レジストパターン120及び上層レジストパターン121の形成にあたっては、先ず、アルカリ可溶性樹脂(ポリメチルグルタルイミド:PMGI)を、例えばスピンコート法により塗布し、熱処理することにより、レジストを形成する。更に、感光性レジスト剤を、例えばスピンコート法により塗布し、熱処理を行うことにより、レジストを形成する。次いで、紫外線露光により開口部121aを上層のレジストに形成する。この結果、開口部を備えた上層レジストパターン121が得られる。その後、上層レジストパターン121をマスクとして、アルカリ現像液を用いて下層のレジストをウェットエッチングする。この結果、開口部120aを備えた下層レジストパターン120が得られる。これらの処理により、図8に示される、庇構造の多層レジストが得られる。
図9に示されるように、下層レジストパターン120及び上層レジストパターン121の形成後、開口部内に蒸着法によりNi膜を形成する。Ni膜は電子供給層106に接している第1領域110aと保護膜107に接している第2領域110bとを有する。Ni膜中の第1領域110aと第2領域110bとは異なる結晶の配向を有する。
次に、図10に示されるように、保護膜107、Ni膜の第1領域110a及び第2領域110b上にレジストを塗布する。塗布されたレジストのNi膜の第1領域110a上以外の領域と、Ni膜中の第1領域110aと第2領域110bとの境界である結晶粒界がNi膜の表面に現れている領域上以外の領域とを露光、現像することにより、開口を有するレジストパターン122を形成する。続いて、Ni膜の第2領域110b及びレジストパターン122の上に真空蒸着等によりAuを成膜する。その後、有機溶媒等によりレジストパターン122の上に形成されているAuをレジストパターン122と共にリフトオフにより除去する。図11に示されるように、Ni膜の第2領域110b上に残存するAuによりAu110cが形成される。
そして、保護膜107及びゲート電極110上に必要に応じて、誘電率の低い材料により層間絶縁膜及び配線等を形成される。以上の工程により、本実施形態における化合物半導体装置を製造することができる。
(第1の実施形態の変形例)
図12は第1の実施形態の変形例に係る化合物半導体装置199の断面図である。図12に示されるように、第1の実施形態に係る化合物半導体装置100のNi膜中の第1領域110aと第2領域110bとの境界である結晶粒界を覆う絶縁膜130が設けられている。化合物半導体を材料に用いたHEMTの動作中にHEMTが高温となる場合がある。HEMTが高温になると、ゲート電極110のAu110cに含まれるAu原子がマイグレーションを起こし、第1領域110aと第2領域110bとの境界である結晶粒界まで到達する虞がある。
そこで、第1の実施形態の変形例のように、異なる結晶の配向状態の境界をNi膜と密着性の高い絶縁膜130で被覆することによりNi膜上に設けられた金属原子のマイグレーションによる化合物半導体積層構造体への拡散を抑制することができる。
絶縁膜130としては、例えば、窒化シリコン(Si)、酸化シリコン(SiO、酸窒化シリコン(Si)等のNi膜と密着性が高いシリコンを含有した絶縁膜が挙げられる。特に酸化シリコン、酸窒化シリコンは容量が小さいため、絶縁膜130として好適である。絶縁膜130として、容量が小さい絶縁膜を用いることで良好な高周波利得特性を有する化合物半導体装置199を得ることができる。
絶縁膜130を形成する工程は、Au110cを形成後に不図示のレジストパターンを形成し、絶縁膜130を形成すればよい。絶縁膜130として窒化シリコンを用いる場合はプラズマCVD法を用いて絶縁膜130を形成する。絶縁膜130として酸化シリコンを用いる場合は、プラズマCVD法またはスパッタ法を用いて絶縁膜130を形成する。絶縁膜130として酸窒化シリコンを用いる場合はスパッタ法を用いて絶縁膜130を形成する。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る化合物半導体装置200の構造について図13を用いて説明する。図13は、第2の実施形態に係る化合物半導体装置200を例示する断面図である。第1の実施形態と同様の構成については第1の実施形態と同じ番号を付し、説明を省略する。
第2の実施形態に係る化合物半導体装置200は、ゲート電極においてNi膜上のAuが設けられている領域が第1の実施形態と異なる。ゲート電極210は、電子供給層106と接し第1の結晶の配向を有する第1領域210aと、保護膜107と接し第2の結晶の配向を有する第2領域210bと、第2領域210bの上方であって第1領域210aよりもソース電極108に近い領域のみにAu210cが形成される。このような構成を採ることにより、ゲート−ドレイン間容量(Cgd)を低減することができる。ゲート−ドレイン間容量を小さくすることにより、増幅された出力信号の入力側への帰還を抑制し、良好な高周波利得特性を有する化合物半導体装置200を得ることができる。
(第2の実施形態の変形例)
図14は第2の実施形態の変形例に係る化合物半導体装置299の断面図である。図14に示されるように、第2の実施形態に係る化合物半導体装置200のNi膜中の領域210aと210bとの境界である結晶粒界を覆う絶縁膜230が設けられている。化合物半導体を材料に用いたHEMTの動作中にHEMTが高温となる場合がある。HEMTが高温になると、ゲート電極210のAu210cに含まれるAu原子がマイグレーションを起こし、第1領域210aと第2領域210bとの境界である結晶粒界まで到達する虞がある。
そこで、第2の実施形態の変形例のように、異なる結晶の配向状態の境界をNi膜と密着性の高い絶縁膜230で被覆することによりNi膜上に設けられた金属原子のマイグレーションによる化合物半導体積層構造体への拡散を抑制することができる。
図14はNi膜上に絶縁膜230が設けられているが、絶縁膜230はゲート−ドレイン間上の電子供給層106上まで延伸して設けられていても良い。Ni膜上と電子供給層106上とまで設けられていることにより、Ni膜と保護膜107との間への水分の侵入を抑制することができるためゲート電極の劣化を起こりにくくし、耐圧の低下を抑制することができる。保護膜107と絶縁膜230とが同じ材料で形成されている場合は、保護膜107と絶縁膜230との密着性が高いためNi膜と保護膜107との間への水分の侵入をより一層抑制することができる。
絶縁膜230としては、例えば、窒化シリコン(Si)、酸化シリコン(SiO、酸窒化シリコン(Si)等のNi膜と密着性が高いシリコンを含有した絶縁膜が挙げられる。特に酸化シリコン、酸窒化シリコンは容量が小さいため、絶縁膜230として好適である。絶縁膜230として、容量が小さい絶縁膜を用いることで良好な高周波利得特性を有する化合物半導体装置299を得ることができる。
絶縁膜230を形成する工程は、Au110cを形成後に不図示のレジストパターンを形成し、絶縁膜230を形成すればよい。絶縁膜230として窒化シリコンを用いる場合はプラズマCVD法を用いて絶縁膜230を形成する。絶縁膜230として酸化シリコンを用いる場合は、プラズマCVD法またはスパッタ法を用いて絶縁膜230を形成する。絶縁膜230として酸窒化シリコンを用いる場合はスパッタ法を用いて絶縁膜230を形成する。
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る化合物半導体装置300の構造について図15を用いて説明する。図15は、第3の実施形態に係る化合物半導体装置300を例示する断面図である。第1の実施形態と同様の構成については第1の実施形態と同じ番号を付し、説明を省略する。
第3の実施形態に係る化合物半導体装置300は、ゲート電極においてNi膜上のAuが設けられている領域が第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる。ゲート電極310は、電子供給層106と接し第1の結晶の配向を有する第1領域310aと、保護膜107と接し第2の結晶の配向を有する第2領域310bと、第2領域310bの上方であって第1領域310aよりもドレイン電極109に近い領域のみにAu310cが形成される。このような構成を採ることにより、ソース−ゲート間容量を低減することができる。ソース−ゲート間容量を小さくすることにより、良好な高周波利得特性を有する化合物半導体装置300を得ることができる。
(第3の実施形態の変形例)
図16は第3の実施形態の変形例に係る化合物半導体装置399の断面図である。図16に示されるように、第3の実施形態に係る化合物半導体装置300のNi膜中の領域310aと310bとの境界である結晶粒界を覆う絶縁膜330が設けられている。化合物半導体を材料に用いたHEMTの動作中にHEMTが高温となる場合がある。HEMTが高温になると、ゲート電極310のAu310cに含まれるAu原子がマイグレーションを起こし、第1領域310aと第2領域310bとの境界である結晶粒界まで到達する虞がある。
そこで、第3の実施形態の変形例のように、異なる結晶の配向状態の境界をNi膜と密着性の高い絶縁膜330で被覆することによりNi膜上に設けられた金属原子のマイグレーションによる化合物半導体積層構造体への拡散を抑制することができる。
図16はNi膜上に絶縁膜330が設けられているが、絶縁膜330はソース−ゲート間上の電子供給層106上まで延伸して設けられていても良い。Ni膜上と電子供給層106上とまで設けられていることにより、Ni膜と保護膜107との間への水分の侵入を抑制することができるためゲート電極の劣化を起こりにくくし、耐圧の低下を抑制することができる。保護膜107と絶縁膜330とが同じ材料で形成されている場合は、保護膜107と絶縁膜330との密着性が高いためNi膜と保護膜107との間への水分の侵入をより一層抑制することができる。
絶縁膜330としては、例えば、窒化シリコン(Si)、酸化シリコン(SiO、酸窒化シリコン(Si)等のNi膜と密着性が高いシリコンを含有した絶縁膜が挙げられる。特に酸化シリコン、酸窒化シリコンは容量が小さいため、絶縁膜330として好適である。絶縁膜330として、容量が小さい絶縁膜を用いることで良好な高周波利得特性を有する化合物半導体装置399を得ることができる。
絶縁膜330を形成する工程は、Au110cを形成後に不図示のレジストパターンを形成し、絶縁膜330を形成すればよい。絶縁膜330として窒化シリコンを用いる場合はプラズマCVD法を用いて絶縁膜330を形成する。絶縁膜330として酸化シリコンを用いる場合は、プラズマCVD法またはスパッタ法を用いて絶縁膜330を形成する。絶縁膜330として酸窒化シリコンを用いる場合はスパッタ法を用いて絶縁膜330を形成する。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、HEMTのディスクリートパッケージに関する。図17は、第4の実施形態に係るディスクリートパッケージを示す図である。
第4の実施形態では、図17に示すように、第1〜第3の何れかの実施形態或いは変形例のHEMTのHEMTチップ1210の裏面がはんだ等のダイアタッチ剤1234を用いてランド(ダイパッド)1233に固定される。また、ドレイン電極109が接続されたドレインパッド1226dに、Alワイヤ等のワイヤ1235dが接続され、ワイヤ1235dの他端が、ランド1233と一体化しているドレインリード1232dに接続される。ソース電極108に接続されたソースパッド1226sにAlワイヤ等のワイヤ1235sが接続され、ワイヤ1235sの他端がランド1233から独立したソースリード1232sに接続される。ゲート電極110またはゲート電極210またはゲート電極310に接続されたゲートパッド1226gにAlワイヤ等のワイヤ1235gが接続され、ワイヤ1235gの他端がランド1233から独立したゲートリード1232gに接続される。そして、ゲートリード1232gの一部、ドレインリード1232dの一部及びソースリード1232sの一部が突出するようにして、ランド1233及びHEMTチップ1210等がモールド樹脂1231によりパッケージングされる。
このようなディスクリートパッケージは、例えば、次のようにして製造することができる。先ず、HEMTチップ1210をはんだ等のダイアタッチ剤1234を用いてリードフレームのランド1233に固定する。次いで、ワイヤ1235g、1235d及び1235sを用いたボンディングにより、ゲートパッド1226gをリードフレームのゲートリード1232gに接続し、ドレインパッド1226dをリードフレームのドレインリード1232dに接続し、ソースパッド1226sをリードフレームのソースリード1232sに接続する。その後、トランスファーモールド法にてモールド樹脂1231を用いた封止を行う。続いて、リードフレームを切り離す。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態は、HEMTを備えたPFC(Power Factor Correction)回路に関する。PFC回路とは、力率を改善し、例えば高調波の発生を抑制することができる回路のことである。図18は、第5の実施形態に係るPFC回路を示す結線図である。
PFC回路1250には、スイッチ素子(トランジスタ)1251、ダイオード1252、チョークコイル1253、コンデンサ1254及び1255、ダイオードブリッジ1256、並びに交流電源(AC)1257が設けられている。そして、スイッチ素子1251のドレイン電極109と、ダイオード1252のアノード端子及びチョークコイル1253の一端子とが接続される。スイッチ素子1251のソース電極と、コンデンサ1254の一端子及びコンデンサ1255の一端子とが接続される。コンデンサ1254の他端子とチョークコイル1253の他端子とが接続される。コンデンサ1255の他端子とダイオード1252のカソード端子とが接続される。また、スイッチ素子1251のゲート電極にはゲートドライバが接続される。コンデンサ1254の両端子間には、ダイオードブリッジ1256を介してAC1257が接続される。コンデンサ1255の両端子間には、直流電源(DC)が接続される。そして、本実施形態では、スイッチ素子1251に、第1〜第3の何れかの実施形態のHEMTが用いられることで、PFC回路の特性がよくなる。
PFC回路1250の製造に際しては、例えば、はんだ等を用いて、スイッチ素子1251をダイオード1252及びチョークコイル1253等に接続する。
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。第6の実施形態は、HEMTを備えた電源装置に関する。図19は、第6の実施形態に係る電源装置を示す結線図である。
電源装置には、高圧の一次側回路1261及び低圧の二次側回路1262、並びに一次側回路1261と二次側回路1262との間に配設されるトランス1263が設けられている。
一次側回路1261には、第5の実施形態に係るPFC回路1250、及びPFC回路1250のコンデンサ1255の両端子間に接続されたインバータ回路、例えばフルブリッジインバータ回路1260が設けられている。フルブリッジインバータ回路1260には、複数(ここでは4つ)のスイッチ素子1264a、1264b、1264c及び1264dが設けられている。
二次側回路1262には、複数(ここでは3つ)のスイッチ素子1265a、1265b及び1265cが設けられている。
本実施形態では、一次側回路1261を構成するPFC回路1250のスイッチ素子1251、並びにフルブリッジインバータ回路1260のスイッチ素子1264a、1264b、1264c及び1264dに、第1〜第3の何れかの実施形態のHEMTが用いられることで電源装置の特性が良くなる。一方、二次側回路1262のスイッチ素子1265a、1265b及び1265cには、シリコンを用いた通常のMIS型FET(電界効果トランジスタ)が用いられている。
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態について説明する。第7の実施形態は、HEMTを備えた増幅器に関する。図20は、第7の実施形態に係る増幅器を示す結線図である。
増幅器には、ディジタル・プレディストーション回路1271、ミキサー1272a及び1272b、並びにパワーアンプ1273が設けられている。
ディジタル・プレディストーション回路1271は、入力信号の非線形歪みを補償する。ミキサー1272aは、非線形歪みが補償された入力信号と交流信号とをミキシングする。パワーアンプ1273は、第1〜第3の何れかの実施形態のHEMTを備えており、交流信号とミキシングされた入力信号を増幅する。第1〜第3の何れかの実施形態のHEMTを備えていることで増幅器の特性が良くなる。なお、本実施形態では、例えば、スイッチの切り替えにより、出力側の信号をミキサー1272bで交流信号とミキシングしてディジタル・プレディストーション回路1271に送出できる。この増幅器は、高周波増幅器、高出力増幅器として使用することができる。
(その他)
なお、第1の実施形態の基板、バッファ層、電子走行層、スペーサ層、電子供給層、保護膜等の種々の変形例は、第2〜第3の実施形態における化合物半導体装置にも適用可能である。
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
100 化合物半導体装置
101 基板
102 バッファ層
103 電子走行層
104 2次元電子ガス(2DEG)
105 スペーサ層
106 電子供給層
107 保護膜
108 ソース電極
109 ドレイン電極
110 ゲート電極
110a 第1領域
110b 第2領域
110c Au
110d ゲートパッド
120 下層レジストパターン
120a 開口部
121 上層レジストパターン
121a 開口部
130 絶縁膜
199 化合物半導体装置
200 化合物半導体装置
210 ゲート電極
210a 第1領域
210b 第2領域
210c Au
230 絶縁膜
299 化合物半導体装置
300 化合物半導体装置
310 ゲート電極
310a 第1領域
310b 第2領域
310c Au
330 絶縁膜
399 化合物半導体装置
900 従来の化合物半導体装置
910 ゲート電極
910a 第1金属の第1領域
910b 第1金属の第2領域
910c 第2金属

Claims (10)

  1. 化合物半導体積層構造体と、
    前記化合物半導体積層構造体の上方に設けられたソース電極と、
    前記化合物半導体積層構造体の上方に設けられたドレイン電極と、
    前記化合物半導体積層構造体の上方に設けられた第1絶縁膜と、
    前記ソース電極と前記ドレイン電極との間であって、前記化合物半導体積層構造体の上方に設けられたゲート電極と、
    を備え、
    前記ゲート電極は、
    前記化合物半導体積層構造体に接し第1の結晶の配向を有する第1領域と、前記第1絶縁膜の上方に接し第2の結晶の配向を有する第2領域とを含む第1金属と、
    前記第1金属の上方であって、前記第1領域と前記第2領域との境界から離間した位置に設けられた、前記第1金属と電気的に接続されている第2金属と、
    を備えることを特徴とする化合物半導体装置。
  2. 前記第2金属は前記第1金属の前記第2領域の上方であって前記第1領域よりも前記ドレイン電極に近い領域のみに設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の化合物半導体装置。
  3. 前記第2金属は前記第1金属の前記第2領域の上方であって前記第1領域よりも前記ソース電極に近い領域のみに設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の化合物半導体装置。
  4. 前記第1金属上に前記境界を覆って設けられ、前記第2金属よりも前記第1金属との密着性の高い第2絶縁膜を有することを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1項に記載の化合物半導体装置。
  5. 前記第2絶縁膜は、窒化シリコン、酸化シリコン、酸窒化シリコンの何れかを含むことを特徴とする請求項4に記載の化合物半導体装置。
  6. 前記第1金属はNiであることを特徴とする、請求項1乃至5の何れか1項に記載の化合物半導体装置。
  7. 前記第2金属はAuであることを特徴とする、請求項1乃至6の何れか1項に記載の化合物半導体装置。
  8. 前記第1絶縁膜は窒化シリコンであることを特徴とする、請求項1乃至7の何れか1項に記載の化合物半導体装置。
  9. 前記化合物半導体積層構造体は、電子走行層と、前記電子走行層よりも電子親和力が小さい電子供給層とを含むことを特徴とする、請求項1乃至8の何れか1項に記載の化合物半導体装置。
  10. 化合物半導体積層構造体の上方にソース電極を形成し、
    前記化合物半導体積層構造体の上方にドレイン電極を形成し、
    前記化合物半導体積層構造体の上方に第1絶縁膜を形成し、
    前記ソース電極と前記ドレイン電極との間において、前記化合物半導体積層構造体まで到達する開口を前記第1絶縁膜に形成し、
    前記開口を埋め込み、前記第1絶縁膜の上方に第1金属を形成し、
    前記第1金属の上方であって、上面視で前記開口と異なる位置に前記第1金属と電気的に接続されている第2金属を形成することを特徴とする化合物半導体装置の製造方法。
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