以下、添付の図面を参照して本発明に係る情報処理システムの実施の形態を説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
(実施形態1)
実施形態1では、図1から図5を参照して、船舶10が航行可能な航路の案内表示を行う情報処理システム1について説明する。
本実施形態に係る情報処理システム1は、図1に示すように、モバイル端末2と、サーバ装置3と、船舶10の操縦支援装置11とを備える。以下では、情報処理システム1を本システム1ともいう。本システム1では、船舶10の搭乗者がモバイル端末2を所持することを想定している。モバイル端末2とサーバ装置3とは、インターネット等のネットワーク15を介して情報通信を行う。モバイル端末2は、操縦支援装置11等の船舶10中の通信機器とも情報通信を行うことができるように構成されている。
本システム1は、モバイル端末2を介して、船舶10の航行に関する情報を取得し、取得された情報をサーバ装置3に蓄積する。船舶10の航行に関する情報としては、例えば、軌跡ログが挙げられる。本システム1は、サーバ装置3に蓄積された情報を分析することにより、船舶10が航行した実績があり、航行可能と考えられる航路を示す航路情報を生成する。航路情報は、サーバ装置3によって管理され、モバイル端末2にダウンロードして表示できる。
操縦支援装置11は、船舶10の操縦を支援するための情報処理装置の一例である。操縦支援装置11は、船舶10に備え付けられる。操縦支援装置11は、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を行う通信部、若しくは各種情報を表示する表示部を含む。操縦支援装置11は、通信部を介してモバイル端末2に通信接続し、船舶10に関する情報をモバイル端末2に送信したり、モバイル端末2から航路情報等を受信したりする。なお、操縦支援装置11は適宜、本システム1から省略されてもよい。
以下、本実施形態におけるモバイル端末2とサーバ装置3の構成をそれぞれ説明する。
(モバイル端末2)
情報処理システム1におけるモバイル端末2の構成について、図2を参照して説明する。
モバイル端末2は、本実施形態における情報処理装置の一例である。モバイル端末2は、例えばスマートフォンであり、タブレット端末、携帯電話、ノートPC(Personal Computer)等の種々の情報処理装置であってもよい。モバイル端末2は、図2に示すように、端末制御部20と、端末記憶部21と、ネットワーク通信部22と、機器通信部23と、入力部24と、表示部25と、位置情報取得部26と、を備える。
端末制御部20は、例えば、ソフトウェアと協働して所定の機能を実現するCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)を含む。端末制御部20は、モバイル端末2の動作を制御する。端末制御部20は、端末記憶部21に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行い、所定の機能を実現する。端末制御部20は、計時機能等の各種機能を有してもよい。端末制御部20によって実行されるプログラムは、ネットワーク15等から提供されてもよいし、可搬性を有する記録媒体に格納されていてもよい。
なお、端末制御部20は、所定の機能を実現するように設計された専用の電子回路、若しくは再構成可能な電子回路等のハードウェア回路で構成されてもよい。サーバ制御部30は、種々の半導体集積回路で構成されてもよい。種々の半導体集積回路としはCPU、MPU、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等が挙げられる。以下、マイクロコンピュータをマイコンとも称する。
端末記憶部21は、モバイル端末2の機能を実現するために必要なプログラム及びデータを記憶する記憶媒体である。端末記憶部21は、例えばフラッシュメモリを含む。端末記憶部21は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等を含む。端末記憶部21は、各種情報を一時的に記憶してもよい。端末記憶部21は、端末制御部20の作業エリアとして機能するように構成されもよい。
例えば、端末記憶部21は、地図情報格納部40及び軌跡ログ格納部41を有している。地図情報格納部40は、地図情報を格納できるように構成されている。地図情報は、地図を示す情報である。地図情報は、例えば、予め地図情報格納部40に記憶されていてもよい。地図情報は、例えば、ネットワーク15を介して、サーバ装置3等から取得されてもよい。軌跡ログ格納部41は、船舶10の軌跡の履歴を示す履歴情報を格納できるように構成されている。軌跡ログ格納部41に格納された履歴情報は、例えばサーバ装置3に送信される。端末記憶部21は、タイドグラフ情報を保持していてもよい。
ネットワーク通信部22は、無線、又は有線の通信回線を介して、モバイル端末2をネットワーク15に接続するためのモジュールである。ネットワーク通信部22は、所定の通信規格にしたがい通信を行う通信部の一例である。所定の通信規格には、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.3,IEEE802.11a/11b/11g/11ac等の通信規格が含まれる。
機器通信部23は、操縦支援装置11等の外部機器にモバイル端末2を通信接続するためのモジュールである。機器通信部23は、所定の通信規格にしたがい通信を行う通信部の一例である。所定の通信規格には、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)、IEEE1395、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。
入力部24は、ユーザによる種々の操作を入力するユーザインタフェースである。本実施形態において、入力部24は、表示部25と共にタッチパネルを構成する。入力部24はタッチパネルに限らず、キーボード、ボタン、スイッチ、及びこれらの組み合わせであってもよい。入力部24は、本実施形態における取得部の一例である。
表示部25は、例えば、液晶ディスプレイ若しくは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成される。表示部25は、例えば航路情報等の種々の情報を表示する。
位置情報取得部26は、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信して、受信した地点の緯度及び経度を測位するGPSモジュールである。位置情報取得部26は、GPSモジュールだけでなく、例えば、ジャイロセンサと加速度センサと船舶10の推進から位置を推定する構成でも良い。位置情報取得部26は、受信した地点の緯度及び経度に加え、高度を測位するように構成されてもよい。以下では、GPS衛星からの電波に含まれる情報を、GPS情報とも称する。位置情報取得部26は、測位した緯度等の現在地を示す位置情報を検出する現在地検出部の一例である。
(サーバ装置3)
以下、情報処理システム1におけるサーバ装置3の構成について、図3を参照して説明する。
サーバ装置3は、本実施形態における情報管理装置の一例である。サーバ装置3は、図3に示すように、サーバ制御部30と、サーバ記憶部31と、サーバ通信部32と、を備える。
サーバ制御部30は、例えば、ソフトウェアと協働して所定の機能を実現するCPU、若しくはGPU(Graphics Processing Unit)を含んで構成される。サーバ制御部30は、サーバ装置3の動作を制御する。サーバ制御部30は、サーバ記憶部31に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行い、所定の機能を実現する。サーバ制御部30は、計時機能等の各種機能を有してもよい。サーバ制御部30によって実行されるプログラムは、ネットワーク15等から提供されてもよいし、可搬性を有する記録媒体に格納されていてもよい。
なお、サーバ制御部30は、所定の機能を実現するように設計された専用の電子回路、若しくは再構成可能な電子回路等のハードウェア回路で構成されてもよい。サーバ制御部30は、CPU、GPU、TPU、MPU、マイコン、DSP、FPGA、ASIC等の種々の半導体集積回路で構成されてもよい。
サーバ記憶部31は、サーバ装置3の機能を実現するために必要なプログラム及びデータを記憶する記憶媒体である。サーバ記憶部31は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、若しくはSSD(Solid State Drive)を含んで構成される。また、サーバ記憶部31は、例えばDRAM、若しくはSRAMを含んで構成されてもよい。サーバ記憶部31は、例えば、サーバ制御部30の作業エリアとして機能するように構成されてもよい。
サーバ記憶部31は、例えば、航行実績データベース42、案内航路データベース43、及びタイドグラフデータベース44を記憶する。以下では、「データベース」を「DB」と略記する場合がある。航行実績DB42は、過去の軌跡ログなどの種々の船舶で航行が行われた航行実績の情報を蓄積するデータベースである。案内航路DB43は、モバイル端末2等に案内する航路情報を管理するデータベースである。案内航路DB43は、例えば、特定の水域ごとに分類されている。タイドグラフDB44は、特定の水域における潮位の時間変化をグラフ状に示すタイドグラフで構成される潮位情報を管理するデータベースである。
サーバ通信部32は、所定の通信規格にしたがい通信を行う通信インタフェースであり、ネットワーク15や外部機器にサーバ装置3を通信接続する。
以上のようにサーバ装置3の構成の一例を説明したが、サーバ装置3はこれに限定されず、種々の構成を有してもよい。例えば、サーバ装置3は、ASP(Application Server Provider)サーバ等であってもよく、クラウドコンピューティングにおける各種の処理を実行してもよい。
以下、本実施形態に係る情報処理システム1における各種データベースについて、図4(a),図4(b),図4(c),図5を参照して説明する。
図4(a)は、航行実績DB42の一例を示す。図4(b)は、軌跡ログ格納部41に格納された軌跡ログの一例を示す。図4(c)は、案内航路DB43の一例を示す。図5は、タイドグラフDB44に記憶されたタイドグラフ情報の一例を示す。
図4(a)の例では、航行実績DB42は、「軌跡ログ番号」と、「日付」と、「出航時刻」と、を関連付けて記録している。「軌跡ログ番号」は、軌跡ログの管理番号を示す。「日付」には、軌跡ログが得られた日付が設定される。「出航時刻」は、例えば軌跡ログの記録の開始時刻を表す。「日付」及び「出航時刻」は、軌跡ログが得られた航行時の潮位を特定するための情報の一例である。
図4(a),図4(b)の例では、サーバ装置3は、軌跡ログ番号により航行実績DB42に関連付けして、サーバ記憶部31に蓄積された軌跡ログを管理している。図4(b)に示すように、軌跡ログは、「時刻」と、「緯度」と、「経度」と、を関連付けて記録している。
図4(c)の例では、案内航路DB43は、「潮位」と「航路情報」との関連付けにより、複数の航路情報を記録している。「潮位」には、例えば所定間隔をあけた複数の潮位L1,L2,L3が設定される。所定間隔は、例えば10cmである。以下、L1>L2>L3とする。各航路情報は、関連付けされた潮位以上の状態において航行可能な航路を示している。
図5に例示するタイドグラフ情報において、縦軸は潮位であり、横軸は時間である。図5の例では、タイドグラフ情報は、特定の水域の3日分の潮位の時間変化を表している。タイドグラフ情報に含まれる時間の範囲は、例えば現在時刻を基準として過去及び未来を含む。本システム1では、タイドグラフ情報を参照することにより、軌跡ログが得られた日時の潮位を特定したり、種々の潮位に関連付けされた航路情報を利用可能な時間帯を特定したりすることができる。
以上のようなタイドグラフ情報は、サーバ装置3において定期的に更新されてもよいし、図3に示すサーバ記憶部31に一時的に記憶されてもよい。タイドグラフ情報は、サーバ装置3の外部からサーバ通信部32を介して取得されてもよいし、サーバ制御部30によって算出されてもよい。タイドグラフ情報の一部は、ネットワーク15を介して、現実に測定された現時点の潮位を含んでいても良い。現実に測定された現時点の潮位は、例えば、日本の海上保安庁、若しくは気象庁で測定された潮位観測データを利用されてもよい。
また、以上のようなタイドグラフ情報は、例えば大阪湾と東京湾など複数の地理上の領域間で別々に設定され得る。以下では、地理上の領域を「地域」という場合がある。本システム1では、複数の地域に関するタイドグラフ情報が用いられてもよい。以下では、特定の水域を含んだ一の地域を航路情報の提示対象として、当該地域に関するタイドグラフ情報を用いる例について説明する。
以下、本実施形態に係る情報処理システム1の動作の概要を、図6を用いて説明する。
本実施形態に係る情報処理システム1では、モバイル端末2がサーバ装置3から航路情報をダウンロードして、航路情報をモバイル端末2の表示部25に表示する。図6(a)は、表示部25に表示される航路情報の第1の表示例を示す。
図6(a)に示すように、地図画像60上に、現在地アイコン100と、航路画像61とが表示される。現在地アイコン100は、船舶10の現在地を示すアイコンである。地図画像60は、地図情報格納部40において、船舶10の現在地を含む所定範囲の地図を示す画像である。航路画像61は、航路情報によって規定される航路を示す画像である。ユーザは、地図画像60上に表示される航路画像61及び現在地アイコン100により、航行可能な航路の位置や範囲、現在地と航路との位置関係等を確認することができる。モバイル端末2の表示部25は、地図画像60上に現在地アイコン100の他、船舶10の軌跡を所定の間隔で表示させてもよい。表示部25は、地図画像60上に現在地アイコン100の他、船舶10の出発地を表示させてもよい。
本システム1では、航路情報が示す航路が、船舶が航行可能な範囲に合致するように、航行実績DB42のデータ分析を行って、案内航路DB43において航路情報を管理する。船舶10が航行可能な範囲等は、潮の満ち引きによって変動すると想定される。図6(b)に、航路情報の第2の表示例を示す。
図6(b)の表示例は、図6(a)の場合から1時間後に対応する航路情報の表示例である。図6(b)の航路画像62では、図6(a)の航路画像61から一部の領域63の範囲が狭くなっている。このように、モバイル端末2に表示する航路情報を、潮位の時間変化に連動させるために、本実施形態では、図5に示すように、潮位の時間変化を示すタイドグラフ情報を用いて航路情報を管理する。本実施形態では、タイドグラフDB44にある複数のタイドグラフ情報のうち、位置情報取得部26で取得された位置から所定の範囲にある特定の領域のタイドグラフ情報が選択される。
図5に示すように、潮位は、1日の間に満潮になったり干潮になったりする。潮位は、日毎にも変化する。例えば、大潮の日は他の日よりも満潮時の潮位が高くなり、干潮時の潮位が低くなる。タイドグラフ情報によると、各々の日の様々な潮の状態に関して、同じ潮位を有する時間帯が分かる。本システム1では、タイドグラフ情報を利用して、潮位毎に航行可能な航路の航路情報を管理できる。以下、本実施形態に係る情報処理システム1の動作の詳細について説明する。
(航路情報の表示処理)
本実施形態に係る情報処理システム1では、モバイル端末2が、航行時の潮位に応じた航路情報を表示するために、潮位を特定するための情報をサーバ装置3に送信して、対応する航路情報をダウンロードする。航路情報の表示処理について、図7を用いて説明する。
図7は、本実施形態における航路情報の表示処理を説明するためのシーケンス図である。図7に示す処理は、例えばモバイル端末2において所定のプログラムが立ち上がったとき、或いは所定のユーザ操作が入力されたとき等に開始される。
まず、モバイル端末2は、例えば現在の日時を示す時刻情報を取得する(ステップ1)。以下では、ステップをSで表示する場合もある。ステップ1で取得される時刻情報は、航行時の潮位を特定するための情報の一例である。航行時とは、例えば、航路情報の表示対象の時点である。また、モバイル端末2は、例えば、現在の位置を示す位置情報を取得する(S2)。ステップS2で取得される位置情報は、航行時の潮位を特定するための情報の一例である。ステップ1とステップS2とは何れを先に行ってもよい。また、GPS情報から位置情報と時刻情報を同時に取得してもよい。
次に、モバイル端末2の端末制御部20は、ネットワーク通信部22を介してサーバ装置3に、取得した時刻情報及び位置情報と共に、航路情報を要求するリクエストを送信する(S3)。モバイル端末2による航路情報のリクエストは、例えばモバイル端末2の識別情報などを含む。
サーバ装置3は、モバイル端末2からネットワーク15を介して、航路情報のリクエストと時刻情報と位置情報とを受信する(S11)。
次に、サーバ装置3は、受信した時刻情報と位置情報とタイドグラフ情報とに基づいて、航行時の潮位を特定する(S12)。具体的に、サーバ装置3は、タイドグラフDB44にある複数のタイドグラフ情報のうち、受信した位置情報が示す位置を含む特定の領域のタイドグラフ情報を選択する。サーバ装置3は、選択したタイドグラフ情報のグラフにおいて、受信した時刻情報が示す日時に対応する潮位を算出する。
次に、サーバ装置3は、案内航路DB43における複数の航路情報の中から、特定した潮位に応じた航路情報を取得する(S13)。例えば、サーバ装置3は、案内航路DB43において、算出した潮位に最も近い潮位に関連付けられた航路情報を取得する。なお、サーバ装置3は、算出した潮位以下の範囲内で最も近い潮位に関連付けされた航路情報を取得してもよい。
次に、サーバ装置3は、ネットワーク15を介してモバイル端末2に、取得した航路情報を送信する(S14)。この際、サーバ装置3は、受信したリクエスト中の識別情報等を参照して、同リクエストを送信したモバイル端末2への情報送信を行う。
モバイル端末2の端末制御部20は、ネットワーク通信部22を介して、サーバ装置3からの航路情報を受信する(S4)。
次に、モバイル端末2は、表示部25において、受信した航路情報を表示する(S6)。例えば、モバイル端末2の端末制御部20は、端末記憶部21に記憶された地図情報40を参照して、地図画像60と、受信した航路情報が示す航路の航路画像61とを、緯度及び経度が合致するように重畳して、表示部25に表示させる。
次に、モバイル端末2の端末制御部20は、航行時の時間変更、すなわち航路情報の表示対象の日時の変更があるか否かを判断する(S6)。例えば、ユーザが変更後の日時を指定する操作を入力部24に入力した場合や、航路情報の表示中(S5)に所定期間(例えば5分)が経過した場合に、端末制御部20は、航行時の時間変更があると判断する(S6でYES)。
端末制御部20は、航行時の時間変更があると判断すると(S6でYES)、変更後の日時を示す時刻情報に基づいて、ステップ1以降の処理を行う。この際、モバイル端末2は新たな航路情報をサーバ装置3から取得して(S4)、表示部25に表示する(S5)。
端末制御部20は例えば、特に航行時の時間変更がないときに(S6でNO)、航路情報の表示終了の操作が入力部24に入力されたか否かを判断する(S7)。表示終了の操作が入力されていない場合(S7でNO)、端末制御部20は、ステップS5以降の処理を繰り返して、航路情報の表示を継続する。
端末制御部20は、表示終了の操作が入力されたと判断すると(S7でYES)、図7に示す処理を終了する。
以上の処理によると、モバイル端末2からのリクエストに応じて航行時の潮位がタイドグラフ情報から特定され(S12,S22)、種々の日時において適切な潮位に応じた航路情報が、モバイル端末2にダウンロードされて表示される(S4,S5)。また、航行時の時間変更により(S6でYES)、図6(a),図6(b)に示すように、表示部25に表示する航路情報を変化させることができる。本実施形態では、複数の地域のタイドグラフ情報を用いる場合、サーバ装置3は、受信した位置情報が示す場所を含む地域を判定して、判定した地域のタイドグラフ情報を用いて潮位を特定することができる。
以上の説明では、航行時の潮位を特定するための情報として、モバイル端末2が時刻情報を取得する例を説明した(S1)。上記の潮位を特定するための情報はこれに限らず、例えば船舶10が航行する場所が特定される場合、位置情報を含んでいなくともよい。
また、モバイル端末2で取得された時刻情報(S1)の代わりに、サーバ装置3が上記のリクエストを受信した日時(S11)を計時してもよい。即ち、モバイル端末2からの航路情報のリクエスト自体が、航行時の潮位を特定するための情報として用いられてもよい。サーバ装置3は、リクエストを受信した日時を計時する場合、計時部を備えていれば良い。
また、上記のステップS5において、端末制御部20は、図6(a)、図6(b)に示すように、現在地アイコン100をさらに表示させてもよい。例えば、端末制御部20は、位置情報取得部26から位置情報を取得し、現在地アイコン100を、上記の画像において取得した位置情報に対応する位置に重畳して、表示部25に表示させる。例えば、端末制御部20は、所定の時間間隔で位置情報を取得して、リアルタイムに現在地アイコン100を移動させるように表示制御を行ってもよい。
(航路情報の更新処理)
本実施形態に係る情報処理システム1において、図7に示した航路情報の表示処理で利用される航路情報は、サーバ装置3により管理される。具体的に、サーバ装置3は、種々のモバイル端末2等から軌跡ログを、航行時の潮位を特定するための情報と共に収集する。サーバ装置3は、収集した情報に基づき潮位に応じた航路情報を生成、更新する。航路情報の更新処理の一例を、図8〜図10を用いて説明する。
図8は、情報処理システム1における航路情報の更新処理を説明するためのシーケンス図である。図8では、軌跡ログがモバイル端末2からサーバ装置3にアップロードされた際に航路情報が更新される更新処理の例を説明する。
まず、モバイル端末2は、船舶10の航行中に、軌跡ログを記録する(S21)。例えば、モバイル端末2において、位置情報取得部26は所定の時間間隔毎にGPS情報を受信して、GPS情報が示す位置情報及び時刻情報を端末制御部20に出力する。位置情報としては、例えば、緯度及び経度である。位置情報は、緯度及び経度に加え、高度が含まれていてもよい。位置情報取得部26がGPS情報を取得する所定の時間間隔としては、例えば、1秒である。端末制御部20は逐次、時刻と緯度と経度とを関連付けて、端末記憶部21に軌跡ログとして記録する。軌跡ログの記録は、例えばユーザによる終了操作が入力されるまで繰り返される。
次に、モバイル端末2は、ネットワーク通信部22を介してサーバ装置3に、軌跡ログを所定の時間間隔で送信する(S22)。
サーバ装置3は、モバイル端末2からネットワーク15を介して、軌跡ログを受信する(S31)。
次に、サーバ装置3は、航行実績DB42において、新たな軌跡ログ番号等を設定して、受信した軌跡ログを記録する(S32)。
次に、サーバ装置3は、タイドグラフDB44を参照して、案内航路DB43における特定の水域の複数の航路情報の中で、更新対象の航路情報を特定する(S33)。案内航路DB43における航路情報は、例えば、関連付けされた潮位以下の所定範囲内の潮位であった軌跡ログを用いて生成、更新される。所定範囲は、例えば10cmが挙げられる。
具体的に、サーバ装置3はステップS33において、まず、タイドグラフ情報のグラフ上で、軌跡ログの日時における潮位を算出する。例えば、算出された潮位がL3以上で且つL2以下であれば、サーバ装置3は、特定の水域の案内航路DB43において潮位「L2」に関連付けされた航路情報を更新対象として特定する。
次に、サーバ装置3は、特定した航路情報を更新する(S34)。例えば、潮位「L2」に応じた航路情報が更新対象の場合、サーバ装置3は、タイドグラフ情報を参照して、過去の所定期間中で潮位がL3以上L2以下であった時間区間を算出する。所定期間は、例えば、1年間である。さらに、サーバ装置3は、航行実績DB42における日付及び出航時刻を参照し、算出した時間区間内の日時に関連付けされた軌跡ログを検索する。検索した軌跡ログに基づいて、サーバ装置3は、軌跡ログによる軌跡を航路に含めるように、新たな航路情報を生成する。
図9は、航路情報の生成方法を説明するための図である。例えば、サーバ装置3は、図9(a)に示すように、緯度と経度の2次元座標系において、検索された軌跡ログの各々が示す複数の軌跡をトレースする。サーバ装置30は、検索された軌跡ログのうち、所定の回数以上の軌跡をトレースしてもよい。サーバ装置3は、所定の領域(区画)毎に軌跡を管理している。サーバ装置3は、トレースした軌跡に基づいて、図9(b)に示すように、航路情報における航路の範囲として提示される領域70を決定する。
図10は、航路情報における航路の領域70の決定方法を説明するための図である。航路の領域70は、図10(a)及び図10(b)に示すように、例えば、2次元座標系を所定サイズで領域分割するメッシュを用いて決定される。複数のメッシュの各々は、例えば、同じ大きさの矩形状に設定されている。メッシュのサイズは、例えば、図6に示す航路情報の航路画像61としての解像度の観点から適宜、設定される。メッシュのサイズは、例えば5km×5kmを表示するように設定される。メッシュのサイズは、例えば、20m×20mを表示するように設定されてもよい。メッシュのサイズは、解像度の観点から設定される場合だけに限られない。メッシュのサイズは、船舶10の大きさに合わせて、船舶10ごとに複数のサイズに設定されてもよい。複数のメッシュの各々は、地図画像60上にレイヤーとして重ねて表示されるように構成される。複数のメッシュの各々は、地図画像60上に各々重複しないように配置される。複数のメッシュの各々は、地図画像60上に各々重複しないように、経度情報及び緯度情報を有している。複数のメッシュの各々は、例えば、矩形のメッシュの中心、或いは矩形のメッシュの四隅の経度情報及び緯度情報を有している。各メッシュの経度情報及び緯度情報と地図画像60における経度情報及び緯度情報がそれぞれ一致するように、各メッシュを地図画像60上に表示できるように構成される。
サーバ制御部30は、2次元座標系に含まれる複数のメッシュの中で、所定数以上の軌跡ログの軌跡が通過するメッシュを、航路の領域70に設定する。所定数としては、例えば、1つに設定される。サーバ制御部30は、航路の領域70に設定された各々のメッシュについて、通過する軌跡の数すなわち通過頻度を算出する。各メッシュの通過頻度は、過去に船舶が航行した航行実績に対応している。サーバ制御部30は、航路の領域70に設定したメッシュに算出した通過頻度を関連付けて、航路情報を生成する。これにより、航路情報の表示時(図7のS5)に、図10(b)のように通過頻度が高いメッシュを強調表示することができる。強調表示は、例えば明度、彩度、若しくは色相等を変えることで行うことができる。
図8に戻り、サーバ装置3は、新たに生成した航路情報に書き換えて案内航路DB43を更新し(S34)、図8に示す航路情報の更新処理を終了する。
以上の処理によると、情報処理システム1が、タイドグラフ情報に基づき潮位に応じた航路情報を適切に管理することができる。
以上の説明では、軌跡ログが記録された航行時の潮位を特定するための情報として、出航日時の時刻情報を用いる例を説明したが、これに限らず、例えば、軌跡ログに含まれる一つ又は複数の点の時刻が、潮位の特定対象として用いられてもよい。
また、軌跡ログにおいてモバイル端末2が取得した位置情報が、サーバ装置3における潮位の特定に用いられてもよい。例えば、サーバ装置3は、別々の地域に関する複数のタイドグラフ情報を用いて航路情報を管理する場合、上記の位置情報に基づき、軌跡ログの航行が行われた場所を含む地域を判定し、判定した地域のタイドグラフ情報を参照して潮位を特定する。サーバ装置3は、タイドグラフ情報が異なる地域毎に、別々の案内航路DBを用いて地域毎の航路情報を管理してもよい。
以上の説明では、軌跡ログがアップロードされた際に、対応する航路情報が更新される例を説明した。航路情報の更新処理はこれに限らず、例えば所定周期で各種航路情報の更新が実行されてもよい。所定周期は、例えば1日毎とすることができる。
例えば、サーバ装置3は、更新タイミングの間の期間中、随時、受信される軌跡ログを記録し、航行実績DB42に蓄積する。サーバ装置3は、更新タイミングを基準に、過去の所定期間内の軌跡ログを用いて、各航路情報を更新する。サーバ装置3は、例えば航路情報を更新する毎に、使用した軌跡ログの組を記録してもよい。サーバ装置3は次回の更新時に、新たに得られた軌跡ログを、前回に用いた軌跡ログの中でより古い軌跡ログの代わりに使用して航路情報を更新してもよい。
以上の説明において、ステップS34で生成された航路情報は、航路の通過頻度を含んでいる。航路情報には、さらに他の情報が含まれてもよい。例えば、船舶10が、航路を移動する際に掛かる移動時間を示す情報が含まれてもよい。
サーバ制御部30は、例えば、ステップS34において、軌跡ログに記録された時刻の情報に基づき、航路中のメッシュ毎に、所定の基準位置(特定のメッシュ等)から各メッシュに到達するまでに掛かった時間差を算出する。サーバ制御部30は、メッシュ毎に算出した時間差を、移動時間を示す情報として航路情報に含めることができる。複数の軌跡が同じメッシュを通過する場合、サーバ制御部30は、各々の軌跡による移動時間の平均値を算出してもよい。複数の軌跡が同じメッシュを通過する場合、サーバ制御部30は、代表的な軌跡の移動時間を算出してもよい。
上記のような航路情報によると、モバイル端末2は、航路情報の表示処理において、図11に示すように、航路情報の航路と共に移動時間を表示させることができる。
モバイル端末2は、図7のステップS4で移動時間を含んだ航路情報を取得すると、例えば、端末制御部20が現在時刻、現在位置、及び航路情報に含まれるメッシュ毎の移動時間等に基づき、現在位置から所定の時間間隔で到達するメッシュを算出する。所定の時間間隔としては、例えば、10分とすることができる。これにより、表示部25は、図11に示すように、航路情報の航路画像61上に、移動時間を表示することができる(S5)。
以上の説明では、図10のように、メッシュを用いて航路情報を生成する例を説明したが、航路情報は、メッシュを用いずに生成されてもよい。この変形例を、図12を用いて説明する。
図12の変形例において、サーバ制御部30は、例えば、図12(a)に示すように、トレースした複数の軌跡(図9(a))が、互いに所定幅W1の範囲内にあるか否かを判定する。サーバ制御部30は、所定幅W1の範囲内にあると判定した場合、図12(b)に示すように、航路情報において各々の軌跡を纏めるように航路を設定する。サーバ制御部30は、所定幅W1の範囲内にある軌跡の数を計数する。サーバ制御部30は、計数した軌跡の数が多いほど、図12(c)及び図12(d)に示すように、航路情報における航路の幅を太く設定する。これにより、航路情報の表示時(図7のS5)に、船舶の通過頻度の高さに応じて航路の幅が太くなるように、航路情報を表示部25等に表示させることができる。情報処理システム1は、トレースした複数の軌跡を、所定の閾値ごとに各々の軌跡を纏めるように構成されていてもよい。
以上のように、本実施形態に係る情報処理システム1は、サーバ装置3と、モバイル端末2とを備える。サーバ装置3は、船舶が航行可能な航路を示す航路情報を管理する。モバイル端末2は、サーバ装置3から取得した航路情報を表示する。サーバ装置3は、潮位の時間変化を示す潮位情報の一例であるタイドグラフ情報に基づく複数の潮位に関連付けて複数の航路情報を管理する。モバイル端末2は、潮位を特定するための情報をサーバ装置3に送信して、サーバ装置3から特定の潮位に応じた船舶が航行可能な特定の航路情報を取得するネットワーク通信部22と、特定の航路情報を表示する表示部25と、を備える。本システム1によると、潮位情報に基づき種々の潮位に関連付けられた各航路情報を用いることで、潮の状態に応じて航行可能な航路を精度良く提示することができる。
本実施形態において、サーバ装置3は、複数の地域(地理上の領域)に関する潮位情報に基づいて、地域毎の潮位に応じた航路情報を管理してもよい。モバイル端末2は、現在の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部26を更に備えてもよい。ネットワーク通信部22は、特定の領域の潮位に応じた航路情報を取得してもよい。これにより、地域毎に変化の仕方が異なる潮の状態に応じて航行可能な航路を精度良く提示することができる。
本実施形態において、潮位情報の一例であるタイドグラフ情報は、タイドグラフで構成される。本システム1では、タイドグラフ情報における潮位の時間変化に連動するように航路情報を表示させることができる。
本実施形態において、航行時の潮位を特定するための情報は、航行の日時と場所の少なくとも一方を示す情報を含む。このような情報に基づき航行時の潮位を特定して、特定された潮位に応じた航路情報を提示することができる。
本実施形態において、モバイル端末2は、ユーザの操作によって時刻情報を入力する入力部24をさらに備える。表示部25は、入力された時刻情報に応じて、表示する航路情報を変化える。これにより、ユーザは本システム1において潮の満ち引きに応じた航路の変化を確認することができる。
本実施形態において、表示部25は、船舶情報に対応する船舶10が航路情報における航路を移動する移動時間を表示してもよい(図11)。
本実施形態において、航路情報においては、航路が複数のメッシュで構成されてもよい。表示部25は、船舶10の通過頻度がより高いメッシュほど強調するように、航路情報を表示してもよい。表示部25は強調表示として、例えば通過頻度がより高いメッシュほどより高い明度になるように、航路情報を表示する。メッシュの強調表示はこれに限らず、例えば通過頻度が高いメッシュほど明度をより低くしてもよいし、色味が変更されてもよい。
本実施形態において、表示部25は、船舶10の通過頻度の高さに応じて航路の幅が太くなるように、航路情報を表示してもよい。
本実施形態において、モバイル端末2は、地図を示す地図情報を記憶する地図情報格納部40をさらに備えてもよい。表示部25は、地図情報格納部40による地図画像60上に航路情報が示す航路の航路画像61を表示してもよい。
本実施形態において、モバイル端末2は、船舶10の現在地を検出する現在地検出部として位置情報取得部26をさらに備えてもよい。表示部25は、航路情報が示す航路と共に船舶10の現在地を現在地アイコン100等により表示してもよい。
本実施形態では、以上のようなモバイル端末2の機能を実現するために端末制御部20によって実行されるプログラムが、提供されてもよい。また、サーバ装置3の機能を実現するためにサーバ制御部30によって実行されるプログラムが、提供されてもよい。例えば、船舶10の航路を示す複数の航路情報のうち、特定の航路情報を表示部25に表示するモバイル端末2のためのプログラムが提供されてもよい。複数の航路情報は、潮位の時間変化を示す潮位情報に基づく潮位に関連付けされている。表示部25が、潮位に応じて船舶10が航行可能な特定の航路情報を表示する。
(他の実施形態)
上記の各実施形態において、航路情報は、タイドグラフ情報に基づく潮位に関連付けて管理された。船舶が航行可能な航路は、船舶間でも異なることが考えられることから、航路情報は、船舶の大きさや型式などの船舶の分類を示す船舶情報に基づき管理されてもよい。例えば、情報処理システム1では、船舶10の操縦支援装置11からモバイル端末2を介して各種の船舶情報を取得し、サーバ装置3に適宜、アップロードすることができる。サーバ装置3は、船舶の分類を示す船舶情報に基づいて、船舶の分類毎に航路情報を管理することで、各種船舶が種々の潮位に応じて航行可能な航路を精度良く提示することができる。
上記の各実施形態では、航路情報の更新処理(図8)において、モバイル端末2が軌跡ログを生成して、サーバ装置3にアップロードした(S23)。これに限らず、例えばモバイル端末2は、位置情報を逐次、サーバ装置3に送信して、サーバ装置3が、軌跡ログを生成するようにしてもよい。
上記の各実施形態では、航路情報の表示処理(図7)において、モバイル端末2は、航路情報のリクエストに基づき(S3)、特定の航路に応じた航路情報を、サーバ装置3から受信した(S4)。これに限らず、モバイル端末2が、航路情報のリクエストに基づきサーバ装置3から複数の航路情報を一括してダウンロードして、ダウンロードした航路情報の中から、表示する航路情報を特定するようにしてもよい。例えば、端末記憶部21にタイドグラフ情報を格納しておき、端末制御部20がタイドグラフ情報を参照して、表示対象の時点の潮位を特定するようにしてもよい。
例えば、モバイル端末2にタイドグラフ情報が記憶されている場合、モバイル端末2は、特定の潮位を示す情報と共に軌跡ログや航路情報のリクエストをサーバ装置3に送信してもよい。このような特定の潮位を示す情報は、サーバ装置3が航行時の潮位を特定するための情報の一例である。
上記の各実施形態では、航路情報をモバイル端末2の表示部25に表示したが、これに限らず、例えば船舶10の操縦支援装置11の表示部等に航路情報を表示するようにしてもよい。また、上述したモバイル端末2の各種機能は、操縦支援装置11等の情報処理装置において実現されてもよい。例えば、操縦支援装置11が、位置情報取得部を備えて船舶10の現在地を検出してもよいし、ネットワーク通信部を備えて、ネットワーク15を介してサーバ装置3と情報通信を行ってもよい。本実施形態における情報処理装置は、モバイル端末2及び操縦支援装置11に限らず、種々の情報処理装置が用いられてもよい。
上記の各実施形態では、情報処理装置は、航行時の潮位を特定するための情報を情報管理装置に送信して、情報管理装置から当該潮位に応じた航路情報を取得した。このような情報管理装置は必ずしも用いられなくてもよく、例えば、操縦支援装置11のような情報処理装置に、予め複数の潮位情報が設定されていてもよい。
すなわち、船舶が航行可能な航路を示す航路情報を表示する情報処理装置は、航路情報を表示する表示部と、表示部を制御するプロセッサなどの制御部と、潮位の時間変化を示す潮位情報に基づく潮位と航路情報とを関連付けて記憶する記憶部と、を備えてもよい。制御部は、例えば現在時刻の計時やGPS情報の測位、ユーザの入力などにより、潮位を特定するための情報を取得する。制御部は、記憶部に記憶された情報を参照して、特定の潮位に応じた航路情報を表示部に表示する。これによっても、潮の状態に応じて航行可能な航路を精度良く提示することができる。
また、上記のような情報処理装置の機能を実現するために制御部によって実行されるプログラムが提供されてもよい。
上記の各実施形態では、特定した航路情報に基づいて、表示部25が特定の潮位に関連付けられた1つの航路画像を表示する例を説明した。表示部25は、特定の潮位に関連づいた航路画像と、時間的に進んだ将来の潮位に関連づいた航路画像と、を表示させてもよい。情報処理装置は、例えば、現在時刻の航路画像を表示させ、且つ別の航路情報としてタイドグラフ情報に基づいて10分後の航路画像を同時に表示させてもよい。情報処理装置は、現在の潮位に関連付けられた航路画像と将来の潮位に関連付けられた航路画像とを同時に表示部25に表示させることで、船舶10が航行可能な航路の案内表示を先読みして行うことができる。情報処理装置は、現在の潮位に基づいた航路画像と将来の潮位に基づいた航路画像とを同時に表示部25に表示させる場合、それぞれの別の航路画像の違いが明確になるように、例えば、将来の航路画像を着色した破線で示すことができる。
以上のように、本発明の具体的な実施形態及び変形例について説明したが、本発明は上述した実施形態等に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更を行ってもよい。例えば、上記の個々の実施形態の内容を適宜組み合わせたものを本発明の一実施形態とすることができる。