JP2019007956A - マイクロ流路チップ、試薬の混合方法、及び光学検査システム - Google Patents

マイクロ流路チップ、試薬の混合方法、及び光学検査システム Download PDF

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辰典 ▲高▼松
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延彦 乾
Nobuhiko Inui
延彦 乾
隆昌 河野
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隆昌 河野
一彦 今村
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Abstract

【課題】マイクロ流路チップ内において、試薬を簡便にかつ均一に混合することができる、マイクロ流路チップを提供する。【解決手段】流体が送液されるマイクロ流路5と、マイクロ流路5の途中に設けられており、複数の試薬の混合が行われる試薬混合空間4と、を備え、マイクロ流路5が、試薬混合空間4より上流側の入口側流路5aと、試薬混合空間4より下流側の出口側流路5bとを有し、試薬混合空間4に試薬固着部6が設けられており、試薬固着部6の表面粗さRzが、10μm以上、100μm以下である、マイクロ流路チップ1。【選択図】図1

Description

本発明は、流体が送液されるマイクロ流路を備えるマイクロ流路チップ、並びに該マイクロ流路チップを用いた試薬の混合方法及び光学検査システムに関する。
近年、微細なマイクロ流路が設けられたマイクロ流路チップを用いて、各種検体又は試料の送液や反応を制御することにより血液検査や遺伝子検査などを行なう方法が検討されている。
下記の特許文献1には、マイクロ流路内に核酸増幅反応の反応場となる複数のウェルが設けられたマイクロ流路チップが開示されている。上記複数のウェル内には、それぞれ、反応に必要な複数の試薬が配置されている。特許文献1では、このようなマイクロ流路チップの導入口から導入された液体試薬がマイクロ流路を通って各ウェルに送液される。それによって、液体試薬とウェル内に配置された試薬とが混合され、核酸増幅反応が行われている。
また、下記の特許文献2には、液体導入口と、液体導入口に接続された流路とを有するマイクロ流路チップが開示されている。上記流路内には、試薬が固体状態で入っている。また、上記マイクロ流路チップは、所定の温度に保温されている。特許文献2では、このようなマイクロ流路チップの液体導入口から液体試薬が導入され、流路内に送液されている。それによって、液体試薬と固体状態の試薬が混合され、反応が行われている。
特開2011−160728号公報 特開2007−43998号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2のように、単に流路内に配置された試薬に液体試薬を合流させるだけでは、試薬を均一に混合できず、精密な反応が進まない場合がある。また、予め液体試薬を加熱させる方法では、更に加熱工程が必要となることから、簡便に試薬の混合が行えないという問題がある。
本発明の目的は、マイクロ流路チップ内において、試薬を簡便かつ均一に混合することができる、マイクロ流路チップ、並びに該マイクロ流路チップを用いた試薬の混合方法及び光学検査システムを提供することにある。
本発明に係るマイクロ流路チップは、流体が送液されるマイクロ流路と、該マイクロ流路の途中に設けられており、複数の試薬の混合が行われる試薬混合空間と、を備え、前記マイクロ流路が、前記試薬混合空間より上流側の入口側流路と、前記試薬混合空間より下流側の出口側流路とを有し、前記試薬混合空間に試薬固着部が設けられており、前記試薬固着部の表面粗さRzが、10μm以上、100μm以下である。
本発明に係るマイクロ流路チップのある特定の局面では、前記試薬固着部に試薬が固着されている。
本発明に係る試薬の混合方法は、本発明に従って構成されるマイクロ流路チップを用いた試薬の混合方法であって、前記入口側流路から前記試薬混合空間に液体試薬を送液する工程と、前記試薬混合空間において、前記液体試薬と、前記試薬固着部に固着されている試薬と混合する工程と、を備える。
本発明に係る光学検査システムは、本発明に従って構成されるマイクロ流路チップと、前記試薬混合空間で混合された試薬間の反応を光学的に検出する検出器と、を備える。
本発明に係る光学検査システムのある特定の局面では、前記試薬混合空間で混合された試薬間の反応が核酸の増幅反応であり、前記検出器において核酸の増幅反応を検出する。
本発明によれば、マイクロ流路チップ内において、試薬を簡便にかつ均一に混合することができる、マイクロ流路チップを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係るマイクロ流路チップの要部を示す模式的平面図である。 図1のA−A線に沿う部分の模式的断面図である。 図1のB−B線に沿う部分の模式的断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態に係るマイクロ流路チップにおいて試薬固着部に試薬が固着される状態を説明するための模式的断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るマイクロ流路チップの要部を示す模式的断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るマイクロ流路チップの要部を示す模式的断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るマイクロ流路チップの要部を示す模式的断面図である。 本発明の第5の実施形態に係るマイクロ流路チップの要部を示す模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係る反応システムの要部を示す模式的断面図である。 実施例の回収率の結果を示すグラフである。 (a)〜(c)は、試薬固着部が設けられていないマイクロ流路チップにおいて試薬が乾燥する状態を説明するための模式的断面図である。 実施例1の蛍光強度曲線を示す図である。 実施例2の蛍光強度曲線を示す図である。 比較例1の蛍光強度曲線を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
なお、本明細書に記載の各実施形態は、例示的なものであり、異なる実施形態間において、構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることを指摘しておく。
[マイクロ流路チップ]
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るマイクロ流路チップの要部を示す模式的平面図である。図2は、図1中のA−A線に沿う部分の模式的断面図である。図3は、図1中のB−B線に沿う部分の模式的断面図である。
マイクロ流路チップ1は、特に限定されないが、本実施形態では、板状の基板2と、カバー部材3とを有する。基板2は、対向し合う第1の主面2a及び第2の主面2bを有する。基板2の第1の主面2a側には、凹部2cが設けられている。凹部2cは、第1の主面2a側に開口するように設けられている。
基板2を構成する材料は、特に限定されず、例えば、合成樹脂、ゴム、金属などを用いることができる。なかでも、基板2は、合成樹脂の成形体からなることが好ましい。より好ましくは、合成樹脂の射出成形体からなることが望ましい。もっとも、基板2は、複数枚の合成樹脂のシートを積層することにより形成されていてもよい。
合成樹脂としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂であることが好ましい。なかでも、合成樹脂としては、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン、シクロオレフィンポリマー、環状オレフィンコポリマー、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート、又はアモルファスポリオレフィンであることがより好ましい。これらは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
基板2の第1の主面2a上には、カバー部材3が設けられている。カバー部材3は、基板2の凹部2c及びマイクロ流路5を閉成するように設けられている。カバー部材3が、基板2の凹部2cを閉成することにより、試薬混合空間4が構成されている。試薬混合空間4において、複数の試薬の混合が行われる。
カバー部材3は、例えば、柔軟性を有する材料により構成されていることが好ましい。柔軟性を有する材料としては、特に限定されないが、エラストマーであることが好ましい。なお、カバー部材3は、樹脂フィルムであってもよい。また、本発明において、基板2とカバー部材3とは、一体的に構成されていてもよい。
基板2内には、流体が送液されるマイクロ流路5が設けられている。マイクロ流路5とは、流体の搬送に際し、マイクロ効果が生じるような微細な流路をいう。このようなマイクロ流路5では、液体は、表面張力の影響を強く受け、通常の大寸法の流路を流れる液体とは異なる挙動を示す。
マイクロ流路5の横断面形状及び大きさは、上記のマイクロ効果が生じる流路であれば特に限定はされない。例えば、マイクロ流路5に流体を流す際、ポンプや重力を用いるときに、流路抵抗を低下させる観点から、マイクロ流路5の横断面形状がおおむね長方形(正方形を含む)の場合には、小さい方の辺の寸法で、20μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましく、100μm以上がさらに好ましい。マイクロ流路チップ1を用いたマイクロ流体デバイスのより一層小型化の観点より、小さい方の辺の寸法で、5mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、500μm以下がさらに好ましい。
また、マイクロ流路5の横断面形状がおおむね円形の場合には、直径(楕円の場合には、短径)が、20μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましく、100μm以上がさらに好ましい。上記マイクロ流体デバイスをより一層小型化にする観点より、直径(楕円の場合には、短径)は、5mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、500μm以下がさらに好ましい。
一方、例えば、マイクロ流路5に流体を流す際、毛細管現象を有効に活用するときに、マイクロ流路5の横断面形状がおおむね長方形(正方形を含む)の場合には、小さい方の辺の寸法で、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましい。また、小さい方の辺の寸法で、200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがさらに好ましい。
マイクロ流路5の途中に、上述の試薬混合空間4が設けられている。マイクロ流路5は、入口側流路5aと、出口側流路5bとを有する。なお、本明細書において、流体は、液体である。
入口側流路5aは、試薬混合空間4より、上流側に設けられている上流側マイクロ流路である。入口側流路5aの一端は、試薬混合空間4に接続されている。一方、入口側流路5aの他端が設けられている入口側から、流体やガスを流入させることができる。なお、複数の流体やガスを試薬混合空間4に流入させる場合は、全て同じ入口から流入してもよく、流入する流体やガスごとに個別の入口や入口側流路5aが設けられていてもよい。
出口側流路5bは、試薬混合空間4より、下流側に設けられている下流側マイクロ流路である。出口側流路5bの一端は、試薬混合空間4に接続されている。出口側流路5bの下流側に設けられている他端から、流体やガスを他の部位に送り出すことができる。なお、入口側流路5aと、出口側流路5b以外に必要に応じてその他の流路が接続されていてもよい。また、マイクロ流路5の形状としては、特に限定されず、目的の検査、反応に合わせて流路、混合・反応部等を配置することができる。
試薬混合空間4は、底面を有する。本実施形態では、基板2の凹部2cにおける底面2dが、試薬混合空間4の底面となっている。この底面2d上に、試薬固着部6が設けられている。
試薬固着部6は、試薬が固着される部分である。試薬固着部6の表面粗さRzは、10μm以上、100μm以下である。なお、表面粗さRzは、JIS B 0601−2001に準拠して測定することができる。
試薬固着部6は、基板2の凹部2cにおける底面2dに凹凸を設けることにより形成することができる。基板2の底面2dに凹凸を設ける方法としては、特に限定されないが、例えば基板2を射出成形により形成するときは、射出成形時の金型に表面粗さ加工(シボ加工)する方法が挙げられる。
本発明においては、表面粗さRzが上記範囲内にある試薬固着部6に試薬が固着されるので、この固着された試薬と、入口側流路5aを通って試薬固着部6に送液された液体試薬とを簡便かつ均一に混合することができる。このように試薬を均一に混合できる理由については、図4及び図11を用いて以下のように説明することができる。
上述したように、本実施形態のマイクロ流路チップ1では、表面粗さRzが上記の範囲内にあり、表面に凹凸を有する試薬固着部6が設けられている。この試薬固着部6に、例えば、図4(a)に示すように、液体試薬7を載置すると、液体試薬7は中央側の部分から乾燥する。そのため、図4(b)に示すように、液体試薬7は乾燥するにつれて、基板2の凹部2cにおける側面2e側に移動する。この際、マイクロ流路チップ1では、表面に凹凸を有する試薬固着部6が設けられているので、試薬固着部6の凹凸部においても乾燥した液体試薬7(試薬7)が固着され残存することとなる。従って、図4(c)に示すように、マイクロ流路チップ1では、乾燥後も試薬固着部6に試薬7が均一に固着されることとなる。よって、この試薬固着部6に入口側流路5aを経て他の液体試薬を送液することで、試薬固着部6に固着された試薬7と他の液体試薬とを均一に混合することができる。
なお、比較のため、図11(a)〜(c)では、試薬固着部が設けられていないマイクロ流路チップにおいて試薬が乾燥する状態を説明するための模式的断面図を示している。
図11(a)に示すように、このマイクロ流路チップにおいては、基板2の凹部2cにおける底面2dに表面粗さRzが上記の範囲外にあり、表面に凹凸を有する試薬固着部6が設けられていない。このような基板2の底面2dに液体試薬7を載置した場合、図11(b)に示すように、液体試薬7は中央部から乾燥し、分断される。分断された液体試薬7は、図11(c)に示すように、基板2の凹部2cにおける側面2e側に偏った状態で乾燥する。従って、このように側面2e側に偏った状態で乾燥した液体試薬7(試薬7)に、他の液体試薬を送液しても均一に混合することが難しい。
以上より、本実施形態のように、表面粗さRzが上記の範囲内にあり、表面に凹凸を有する試薬固着部6を設けることで、試薬固着部6に固着された試薬と他の液体試薬とを均一に混合することが可能となる。
本発明においては、試薬固着部6の表面粗さRzが、10μm以上、より好ましくは15μm以上、好ましくは75μm以下、より好ましくは30μm以下である。表面粗さRzが、上記下限値以上である場合、試薬固着部6に試薬をより一層確実に固着させることができ、より一層均一に試薬を混合することができる。表面粗さRzが、上記上限値以下である場合、表面粗さのバラツキを抑えてより一層加工しやすく、より一層均一に試薬を混合することができる。
また、試薬固着部6の算術平均粗さRaは、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。算術平均粗さRaが、上記下限値以上である場合、試薬固着部6に試薬をより一層確実に固着させることができ、より一層均一に試薬を混合することができる。算術平均粗さRaが、上記上限値以下である場合、表面粗さのバラツキを抑えてより一層加工しやすく、より一層均一に試薬を混合することができる。なお、算術平均粗さRaは、JIS B 0601−2001に準拠して測定することができる。
また、試薬固着部6に送液される液体試薬は、マイクロ流路チップ1の内部又は外部に設けられた送液手段により送液することができる。送液手段としては、特に限定されず、例えば、マイクロポンプが挙げられる。具体的には、マイクロポンプを用いて、入口側流路5aに液体や空気、又は所定のガスを送り込むことにより、試薬混合空間4側へ液体試薬を送液する手段が挙げられる。この場合、マイクロポンプは、マイクロ流路チップ1の内部に設けられていてもよいし、マイクロ流路チップ1の外部に設けられていてもよい。
また、他の送液手段としては、入口側流路5aより上流側に連結された空間に配置されたガス発生部材が挙げられる。ガス発生部材とは、光や熱等の外力によりガスを発生する部材である。ガス発生部材に所定のタイミングで外力を加えることによりガスを発生させ、入口側流路5aにガスを送り込むことができる。それによって、入口側流路5aから試薬混合空間4側へ液体試薬を送液することができる。ガス発生部材としては、例えば、ガス発生テープが挙げられる。
第1の実施形態では、試薬固着部6が基板2の側面2eに至っていない。そのため、試薬固着部6に固着された試薬と液体試薬とをより一層均一に混合することができる。もっとも、以下に示す第2及び第3の実施形態のように、試薬固着部6が基板2の側面2eに至っていてもよい。
(第2及び第3の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係るマイクロ流路チップの要部を示す模式的断面図である。なお、図5は、マイクロ流路チップ1のB−B線に沿う断面、すなわち基板2の厚み方向及び幅方向に沿う断面の変形例である。幅方向は、流路方向に直交する方向のうち基板2の厚み方向とは異なる方向である。図5に示すように、マイクロ流路チップ11では、基板2の凹部2cにおける底面2dと側面2eのなす角部が丸くなっている。また、試薬固着部6が基板2の側面2eに至っている。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
図6は、本発明の第3の実施形態に係るマイクロ流路チップの要部を示す模式的断面図である。なお、図6も、マイクロ流路チップ1のB−B線に沿う断面、すなわち基板2の厚み方向及び幅方向に沿う断面の変形例である。図6に示すように、マイクロ流路チップ21では、基板2の凹部2cにおける底面2dの全体が丸くなっている。また、試薬固着部6が基板2の側面2eに至っている。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
第2及び第3の実施形態に示すように、基板2の凹部2cにおける底面2dの角部又は全体が丸い形状を有していてもよい。この場合、試薬が側面2eにより一層偏り難くなり、試薬固着部6により一層均一に試薬を固着させることができる。従って、第2及び第3の実施形態においても、この試薬固着部6に液体試薬を送液することで、試薬固着部6に固着された試薬と液体試薬とを簡便かつ均一に混合することができる。
また、本発明においては、図5及び図6に示すR、すなわち基板2の凹部2cにおける側面2eと底面2dとのなす距離Rと、凹部2cの幅Wとの比(R/W)が、0.3以上、0.5以下であることが好ましい。比(R/W)が上記範囲内にある場合、試薬の量が少量である場合も側面2eにより一層偏り難くなり、試薬固着部6により一層均一に試薬を固着させることができる。なお、側面2eと底面2dとのなす距離Rは、図5に示すように、側面2eの曲線開始点2e1から延ばした側面2eに対する垂線と、底面2dの曲線開始点2d1から延ばした底面2dに対する垂線との交点Xをとり、この交点Xと側面2eとの距離を示すものとする。
(第4及び第5の実施形態)
図7は、本発明の第4の実施形態に係るマイクロ流路チップの要部を示す模式的断面図である。図7に示すように、マイクロ流路チップ31では、入口側流路5aが基板2内に設けられており、底面2dと同じ高さ位置に設けられている。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
図8は、本発明の第5の実施形態に係るマイクロ流路チップの要部を示す模式的断面図である。図8に示すように、マイクロ流路チップ41では、出口側流路5bが基板2内に設けられており、底面2dと同じ高さ位置に設けられている。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
第4及び第5の実施形態に示すように、入口側流路5a及び出口側流路5bは基板2内に設けられていてもよく、試薬混合空間4との連結位置は特に限定されない。
第4及び第5の実施形態においても、表面粗さRzが上記範囲内にある試薬固着部6に試薬が固着されるので、この固着された試薬と、入口側流路5aを通って試薬固着部6に送液される液体試薬とを簡便かつ均一に混合することができる。
[試薬の混合方法]
以下、本発明の試薬の混合方法の一例について説明する。
本発明の試薬の混合方法の一例では、図1〜図3に示す上述のマイクロ流路チップ1を用いて試薬を混合する。
まず、試薬固着部6に試薬を固着させる。試薬を固着させる方法としては、特に限定されず、例えば、液体試薬を試薬固着部6上に載置し、乾燥させる方法が挙げられる。この際、試薬固着部6の表面における凹凸を液体試薬で完全に浸すことが望ましい。液体試薬の乾燥方法としては、特に限定されず、例えば、風乾、真空乾燥、凍結乾燥が挙げられる。また、試薬粘性により固着させてもよく、固体の試薬を固着させてもよい。
次に、固着させた試薬と異なる液体試薬を、入口側流路5aから試薬固着部6に送液する。液体試薬は、上述の送液手段によって、送液することができる。なお、固着させた試薬と同じ液体試薬を試薬固着部6に送液してもよい。
このようにして液体試薬を試薬固着部6に送液することにより、送液された液体試薬と試薬固着部6に固着された試薬とを混合することができる。試薬固着部6では、上述したように表面粗さRzが上記の範囲内であるため、送液された液体試薬と試薬固着部6に固着された試薬とを簡便かつ均一に混合することができる。
[光学検査システム]
図9は、本発明の一実施形態に係る反応システムの要部を示す模式的断面図である。
反応システム51は、マイクロ流路チップ1と温度調節装置53と、検出器52とを備える。
本実施形態では、上述したマイクロ流路チップ1の試薬混合空間4内でPCR反応が行なわれる。すなわち、本実施形態では、この試薬混合空間4において核酸の増幅反応が行われる。検出器52は、この核酸の増幅反応を検出するために設けられている。検出器52は、光学的検出装置など様々な測定原理による検出装置で構成することができる。
検出器52は、非接触式に試薬混合空間4内のPCR反応を測定し得るものが望ましい。従って、本実施形態では、検出器52は、マイクロ流路チップ1から隔てられて設けられている。
もっとも、検出器52は、マイクロ流路チップ1のカバー部材3側の表面やその反対側の表面に接触されていてもよい。
なお、マイクロ流路チップ1及び反応システム51の用途は、PCR反応を利用して核酸などを検出する用途に限定されるものではない。もっとも、PCR反応では、反応液を加熱し冷却する工程を繰り返すことにより核酸を増幅させるので、マイクロ流路チップ1及び反応システム51では、このようなPCR反応を行なった場合においても精度よく蛍光検出することができる。
次に、反応システム51を用いた検出方法の操作を説明する。
まず、マイクロ流路チップ1内の送液手段としてマイクロポンプを駆動する。続いて、液体試薬を、入口側流路5aから試薬固着部6に送液する。液体試薬を試薬固着部6に送液することにより、送液された液体試薬と試薬固着部6に固着された試薬とを混合する。試薬固着部6は、表面粗さRzが上記の範囲内であるため、送液された液体試薬と試薬固着部6に固着された試薬とを均一に混合することができる。次に、液体試薬と固着された試薬を均一に混合した状態で、温度調整装置53を用いて加熱及び冷却を繰り返し、PCR反応を進める。設定温度については特に限定されず、PCR反応に必要な高温状態と低温状態とを繰り返せばよい。
次に、検出器52を用いて試薬混合空間4内において増幅された核酸などの濃度を光学的に検出する。この場合、試薬混合空間4内において均一に試薬が混合されているので、核酸などを高精度に検出することができる。
なお、本実施形態では、試薬混合空間4が、検出部を兼ねているが検出部は別途下流側に設けられていてもよい。また、試薬混合空間4が、回収部を兼ねていてもよい。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、以下のようにして図1〜図3に示すマイクロ流路チップ1を作製した。
基板2を構成する材料として、シクロオレフィンポリマー(日本ゼオン社製、商品名「ゼオノア1420R」)を用い、これを射出成形することにより、凹部2cを有する基板2を作製した。射出成形に際しては、予め射出金型に表面粗さ加工(シボ加工)を施した。それによって、表面粗さRzが15μm(14.950μm)である試薬固着部6を形成した。試薬固着部6には、プライマーとしての「PCR Forward Primer(50μM)」0.2μL及び「PCR Reverse Primer(50μM)」0.2μL、並びにプローブ(10μM)1.5μLを塗布し、25℃で2時間乾燥させた。それによって、試薬固着部6にプライマー及びプローブを固着させた。なお、カバー部材3には、日本ゼオン社製「ゼオノアフィルムZF14−188(シクロオレフィンポリマー)」(フィルムの厚み0.188mm)を用い、これを基板2の表面に重ねて熱融着し、マイクロ流路チップ1を作製した。
作製したマイクロ流路チップ1の入口側流路5aから、PCR試薬6μLを試薬固着部6に送液した。それによって、PCR試薬と試薬固着部6に固着された試薬とを混合させ、下記の表1に示す温度条件下でPCR反応を行なった。その結果、実施例1のPCRの蛍光強度曲線では、蛍光強度が指数関数的に増幅していた(図12)。このことから、実施例1では、試薬が均一に混合され、蛍光検出の精度が高められていることが確認できた。
Figure 2019007956
(実施例2)
実施例2では、射出金型に表面粗さ加工(シボ加工)を施す際、サンドブラストに用いる研磨剤(砂等)の粒の大きさを調整することで表面粗さRzが26μm(25.667μm)である試薬固着部6を形成した。その他の点は、実施例1と同様にしてPCR反応を行なった。その結果、実施例2のPCRの蛍光強度曲線でも、蛍光強度が指数関数的に増幅していた(図13)。このことから、実施例2においても、試薬が均一に混合され、蛍光検出の精度が高められていることが確認できた。
(比較例1)
比較例1では、射出金型に表面粗さ加工(シボ加工)を施さなかった。その結果、表面粗さRzが4μm(4.327μm)であった。比較例1では、実施例1で試薬固着部6が形成されている場所に試薬を塗布し乾燥させた。その他の点は、実施例1と同様にしてPCR反応を行なった。その結果、比較例1のPCRの蛍光強度曲線では、蛍光強度が指数関数的に増幅しなかった(図14)。このことから、比較例1においては、試薬が均一に混合されず、PCR反応が進行していないことが確認できた。
なお、実施例1,2及び比較例1における試薬固着部6の表面粗さRz及び算術平均粗さRaを下記の表2に示す。表面粗さRz及び算術平均粗さRaは、JIS B 0601−2001に準拠して測定した。なお、表面粗さRz及び算術平均粗さRaの測定に際しては、レーザー顕微鏡(KEYENCE社製、装置名「VK−X100」)を用いた。
Figure 2019007956
(実施例3)
実施例3では、図6に示すマイクロ流路チップ21を作製した。具体的には、基板2の底面2d全体に丸みをつけるように射出成形を行った。その結果、基板2の凹部2cにおける側面2eと底面2dとのなす距離Rと、凹部2cの幅Wとの比(R/W)が、0.5であった。また、試薬固着部6に固着させる試薬の量を極微小量の0.5μLとした。その他の点は、実施例1と同様にして、試薬固着部6を蛍光顕微鏡(Axio Vision Rel.4.6、シャッター速度:0.5秒)により観察したところ、さらに一層均一に試薬が混合されていることが確認できた。
(実施例4)
流路幅0.8mm、流路深さ0.2mm及び流路長さ100mmの流路が基板内に設けられたマイクロ流路チップを射出成形により作製した。射出成形に際しては、予め射出金型に表面粗さ加工(シボ加工)を施した。それによって、流路中央の5mmの範囲に表面粗さRzが10μmである試薬固着部を形成した。基板を構成する材料としては、シクロオレフィンポリマー(日本ゼオン社製、商品名「ゼオノア1420R」)を用いた。
次に、試薬固着部に内部標準RNA(1×10コピー)2μLを塗布し、4時間デシケータ内で乾燥させた。しかる後、試薬固着部に液体試薬(Lysis Buffer)60μLを送液した。次に、試薬固着部に送液された液体試薬を回収し、QIAGEN kitによりRNAを精製し、RT−PCRで回収率を算出した。なお、回収率の算出にあたり、液体試薬(Lysis Buffer)60μLに直接内部標準RNA2μLを添加し、QIAGEN kitによりRNAを精製したものを比較対象として用いた。
(比較例2)
射出成形に際して、射出金型に表面粗さ加工(シボ加工)を施さず、流路中央の5mmの範囲に内部標準RNA(1×10コピー)2μLを塗布したこと以外は、実施例5と同様にして回収率を算出した。
実施例4(凹凸有り)及び比較例2(凹凸無し)の回収率の結果を図10に示す。図10に示すように、比較例2(凹凸無し)では、比較対象と比較して回収率がばらつき、低下していた。一方、実施例4(凹凸有り)では、比較対象と同等の回収率を有していた。
1,11,21,31,41…マイクロ流路チップ
2…基板
2a,2b…第1,第2の主面
2c…凹部
2d…底面
2e…側面
2d1,2e1…曲線開始点
3…カバー部材
4…試薬混合空間
5…マイクロ流路
5a…入口側流路
5b…出口側流路
6…試薬固着部
7…液体試薬(試薬)
51…反応システム
52…検出器
53…温度調節装置

Claims (5)

  1. 流体が送液されるマイクロ流路と、
    該マイクロ流路の途中に設けられており、複数の試薬の混合が行われる試薬混合空間と、
    を備え、
    前記マイクロ流路が、前記試薬混合空間より上流側の入口側流路と、前記試薬混合空間より下流側の出口側流路とを有し、
    前記試薬混合空間に試薬固着部が設けられており、
    前記試薬固着部の表面粗さRzが、10μm以上、100μm以下である、マイクロ流路チップ。
  2. 前記試薬固着部に試薬が固着されている、請求項1に記載のマイクロ流路チップ。
  3. 請求項1又2に記載のマイクロ流路チップを用いた試薬の混合方法であって、
    前記入口側流路から前記試薬混合空間に液体試薬を送液する工程と、
    前記試薬混合空間において、前記液体試薬と、前記試薬固着部に固着されている試薬と混合する工程と、
    を備える、試薬の混合方法。
  4. 請求項1又は2に記載のマイクロ流路チップと、
    前記試薬混合空間で混合された試薬間の反応を光学的に検出する検出器と、
    を備える、光学検査システム。
  5. 前記試薬混合空間で混合された試薬間の反応が核酸の増幅反応であり、前記検出器において核酸の増幅反応を検出する、請求項4に記載の光学検査システム。
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