JP3793433B2 - 流通型微小混合器及び混合装置並びに液体混合方法 - Google Patents

流通型微小混合器及び混合装置並びに液体混合方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小な流路を用いて液体を混合させる、流通型微小混合器及び混合装置並びに液体混合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、微少な流路断面積の流路を用いて複数の流体を流通させながら混合させ種々の微小化学反応を起こさせる装置が注目されており、この装置には、流通型微小混合器(以下、単に微小混合器ともいう)が不可欠となる。微小混合器には、流路断面積が微少であることから、試薬,検体の体積が少量で十分であることに加え、合流路での流体の比表面積(単位体積当たりの表面積)が大きくなるので高い除熱効率が得られ反応を効率的に行なわせることができるというメリットがある。このため、微小混合器は、所定物質の生産を目的とした合成反応或いは検査を目的とした試薬と検査体との反応を行なわせるために使用されることが多い。
【0003】
図11は微小混合器の一般的な構成の一例である。この微小混合器は、複数(ここでは2つ)の導入流路101A,101B及び導入流路101A,101Bが合流して形成される合流路102とをそなえて構成されており、導入流路101A,101Bにそれぞれ導入された液体FA,FBが合流路102で合流する。液体FA,FBの流通は、流路101A,101B,102が微小断面の流路であるため毛細管現を利用して行なわせたり、シリンジポンプ等の圧力駆動装置を用いて行なわせたりする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図12に示すように一方の液体FAが他方の液体FBよりも早期に合流部に到達すると、液体FAの上流端と液体FBの上流端との間に気体が密閉され、この気体により上記ギャップGが形成されてしまう。そして、このようなギャップGが液体FA,FB間に形成されてしまうと、これらの液体FA,FBの流通や拡散/混合や化学反応に悪影響が生じてしまうため、液体FA,FBの流通を適宜制御して複数の液体を略同時に合流部に到達させることが好ましいが、このような精度の高い流通制御は極めて困難である。
【0005】
つまり、毛細管現象を利用して液体を移動させる場合には、毛細管現象は、周囲の環境(圧力,温度)や、流路に面する壁面の濡れ性,接触角,自由エネルギー等や、液体の粘度,密度,表面張力や、流路に面する壁面と液体との界面張力や、流路断面積や、流路幅や、流路深さ等の種々の要素により微妙に変化してしまうため、上記のような高精度の流通制御は困難である。
【0006】
また、このように毛細管現象を利用する場合には、液体の導入流路への導入と同時に自ずと液体が移動を開始してしまうので、複数の液体を略同時に合流部に到達させるためには、複数の流路をそれぞれ対応する導入流路に適宜のタイミングで導入する必要があり、この点でも、複数の液体を略同時に合流部に到達させるのは難しい。
【0007】
また、単に電気浸透流における電圧調整や圧力駆動における圧力調整により流通を制御する場合には、制御遅れがあるため上記のような高精度の流通制御は困難である。特に圧力駆動においては微細流路では圧力損失が高くなるので液体を高圧で駆動することとなり、このような高圧下において高精度に流通制御を行なうことは難しい。
【0008】
この他、各導入流路の下流端近傍(合流部の直上流部)に、ピエゾ素子や弾性体(例えばエストラマ等のポリマ)を微小変位させて流路を開閉するマイクロバルブを設け、このマイクロバルブの作動を制御して、各導入流路内の液体を同時に合流部に流入させることが考えられる。つまり、各マイクロバルブを閉弁した状態で液体を移動させ、全ての液体が合流部の直上流部で一旦停止してから各導入流路のマイクロバルブを一斉に開弁することにより各導入流路内の液体を同時に合流部に流入させるのである。
【0009】
しかしながら、マイクロバルブは、微小であるが故に高度な設計が必要であるとともに製造に手間が掛かるため高価なものとなり、また、微小流路への取り付け作業が微妙な作業となり、さらに複雑な制御機構が必要となってしまう。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、製造を容易に行なえ、簡素な構成で効率的に液体の混合を行なえるようにした、微小混合器及び混合装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の流通型微小混合器(請求項1)は、それぞれ微小な相当直径の断面を有する複数の導入流路と、微小な相当直径の断面を有し上記の複数の導入流路が合流して形成される合流路とをそなえ、上記の複数の導入流路から導入された液体を該合流路で合流/反応させる、流通型微小混合器において、該導入流路を形成する内壁面よりも、該液体に対する親和性の低い低親和部が、該導入流路の合流部の直ぐ上流側において該内壁面の一部に設けられていることを特徴としている。
【0011】
この場合、該液体に対する親和性の低い低親和部を、該導入流路への該液体の注入点を挟むようにして一組設けても良い(請求項2)。
また、該低親和部が、水に対する接触角が80度以上の材料により構成されていることが好ましい(請求項3)。
また、該低親和部を、温度変化に応じて該親和性の度合いが変化する親和度変化部材により構成してもよい(請求項4)。
【0012】
本発明の混合装置(請求項5)は、請求項1〜4の何れかの項に記載の流通型微小混合器と、該流通型微小混合器内の該液体を輸送するための液体輸送手段とをそなえて構成されていることを特徴としている。
この場合、該液体輸送手段が、該導入流路内に取り付けられた1対の電極と、該電極間の電圧を制御する電圧制御手段により構成されていることが好ましい(請求項6)。
【0013】
又は、該液体輸送手段が、圧力により駆動を行なう圧力駆動手段により構成されていることが好ましい(請求項7)。
或いは、該液体輸送手段が、該親和度変化部材と該親和度変化部材の温度を制御する温度制御手段とにより構成されていることが好ましい(請求項8)。
本発明の流通型微小混合器を使用した液体混合方法(請求項9)は、請求項1〜4の何れか1項に記載の流通型微小混合器において、該複数の導入流路に該液体をそれぞれ導入するステップと、 該各複数の導入流路に設けられた該低親和部上で、該複数の導入流路内の該液体がそれぞれ流通を停止した後、該液体の該合流路への輸送を再開するステップとをそなえて構成されていることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の各実施形態では微小混合器により混合させる液体を水溶性の液体として説明する。また、ここでいう液体とはサスペンション、コロイド等の分散系も含む。また、以下でいう疎水部とは、微小流路を流通する液体に対し微小流路を形成する固相壁面(内壁面)よりも親和度が低い部分をいい、定常的に親和度が固相壁面よりも低いものは勿論、親和度が温度によっては固相壁面よりも低くなるものを含む。
【0015】
まず、本発明の第1実施形態としての、微小混合器及び混合装置について説明する。図1〜図6は本実施形態の微小混合器及び混合装置について示す図である。
本発明の第1実施形態としての混合装置は、複数種類(ここでは2種類)の異なる液体FA,FBを混合させ合成反応させるためのもので、図1を用いて後述する微小混合器と、微小混合器の導入流路11A,11Bのそれぞれについて設けられる図示しない液体輸送手段とをそなえて構成されている。液体輸送手段は、微小混合器内に注入された液体FA,FBを輸送するための手段であり、ここでは圧力駆動により輸送を行なう例えばシリンジポンプのような圧力駆動手段により構成されており、微小混合器の注入口11Aa,11Baのそれぞれに取り外し可能に接続されている。
【0016】
なお、液体輸送手段を、圧力駆動手段の代わりに、疎水部14(これについては後述する)の上流側に設けられた図1中に二点差線で示す一対の電極(電気駆動部)E1,E2及びこれらの電極E1,E2間の電圧を調整する電圧制御手段から構成するようにしても良い。このような構成では、電極E1,E2間に所定電圧をかけることにより、液体FA,FBに対して電気浸透流を発生させて液体FA,FBを流路内で移動させることができるようになっている。
【0017】
さて、微小混合器は、図1に示すように、上記液体FA,FBをそれぞれ流通させるための複数(ここでは2つの)微小な導入流路11A,11Bと、上記液体FA,FBを混合/反応させる微小な反応路(合流路)12とをそなえて構成されている。
ここでいう微小とは、毛細管現象により液体を各流路内で確実に輸送しうる程度の大きさを意味し、流路断面の相当直径(=4×流路断面積/流路断面周囲長)は、0.01mm〜2mmの範囲にあることが好ましく、0.05mm〜1mmの範囲にあることがさらに好ましい。
【0018】
合流路12は導入流路11A,11Bを合流させて形成され、導入流路11A,11Bの下流端を結合させてなる合流部12aを上流端として形成される。
また、導入流路11A,11Bの上流端には外部から液体を注入する注入口11Aa,11Baがそれぞれ設けられ、合流路12の下流端には、拡大部12bが、液体FA,FBの混合物を貯めておく貯蓄部として設けられている。拡大部12bには、流路11A,11B,12内の液体が移動できるように通気口12cが設けられている。
【0019】
各流路11A,11B,12は、ここでは、図2(a)に示すように、所定形状の溝20aが設けられた基板20に対し、この溝20aがある側に蓋21を取り付けることにより、基板20と蓋21との間に形成される矩形の横断面を有する閉空間として形成される。或いは、図2(b)に示すように所定形状の貫通穴22aが形成された薄膜状物22を基板20に貼り付け、薄膜状物22の基板20に接しない側にさらに蓋21を取り付けることにより、基板20,蓋21,薄膜状物22間に形成される閉空間を流路11A,11B,12として形成するようにしても良い。何れにしても、流路11A,11B,12は、基板20,蓋21〔図2(b)に示す構成ではさらに薄膜状物22〕からなる内壁面(固相壁面)13により構成されることとなる。
【0020】
そして、本発明の大きな特徴として、図1に示すように、導入流路11A,11Bの一部であって合流部12aの直ぐ上流側にはそれぞれ疎水部(低親和部)14が設けられている。ここでは、疎水部14は導入流路11A,11Bの流路断面を囲うように固相壁面13の全周にわたって形成されている。ここでいう疎水とは、基板20等からなる固相壁面13よりも液体FA,FBに対する親和性(ここでは親水性)が低いことを意味する。即ち、固相壁面13の液体FA,FBに対する親和性を基準に決定される相対的な性質を意味しているのである。
【0021】
このように疎水部14を設けることにより、図3(a)に示すように液体FA,FBを例えばスポイト等により注入口11Aa,11Baから導入流路11A,11Bに注入すると(この状態では圧力駆動手段は注入口11Aa,11Baから取り外されている)、図3(b)に示すように液体FA,FBは毛細管現象により合流路12に向かって移動する。そして、図3(c)に示すように疎水部14に到達すると、液体FA,FBは疎水部14よりも親和性の高い導入流路11A,11Bに留まろうとして、この結果、液体FA,FBは、毛細管現象に抗して疎水部14の上流側(即ち合流部12aの直ぐ上流側)で停止するようになっている。
【0022】
そして、図3(c)に示すように液体FA,FBが何れも疎水部14で停止した後、液体FA,FBが合流部12aの極近傍に停止したこの状態から、圧力駆動手段を注入口11Aa,11Baに接続して作動させれば液体FA,FBを略同時に合流部12aに流入させることができるようになっている。
このような毛細管現象に抗して液体FA,FBを停止させるのに必要な流通抑制力は、主に液体FA,FBに対する疎水部14の疎水性(親和性)により決定されるもので、疎水部14の材質としては後述の実施例で説明するように液体FA,FBに対する接触角が70度以上のものを使用することが好ましい。
【0023】
さらに詳細には、疎水部14の流通抑制力は、接触角の他に、導入流路11A,11Bの相当直径Dや、流路断面の周囲長に対する疎水部14が設けられる周長さの比(疎水部長さ比率、低親和部長さ比率)α〔ここでは疎水部14が流路断面の全周にわたって設けられているのでα=1、例えば図4に示す例では、α=L1/(2L2+2L3)〕に大きく依存する。したがって、疎水部14の材質及び疎水部長さ比率αは、導入流路11A,11B内を毛細管現象により流通する液体FA,FBを停止させるべく例えば以下の条件1〜条件3を満たすようにように設定することが好ましい。
【0024】
(条件1)導入流路11A,11Bの相当直径Dが0.2mm〜2mmである場合には、疎水部長さ比率αを0.2以上に設定し、且つ、疎水部14の材質には、固相壁面13よりも疎水性が高いことを前提として、液体FA,FBに対する接触角θが70度以上である材質を疎水部に用いることが好ましい。
(条件2)また、導入流路11A,11Bの相当直径Dが0.02mm〜0.2mmである場合には、疎水部長さ比率αを0.25以上に設定し、且つ、疎水部14の材質に、固相壁面13よりも疎水性が高いことを前提として、液体FA,FBに対する接触角θが70度以上である材質を疎水部に用いることが好ましい。
【0025】
(条件3)さらには、導入流路11A,11Bの相当直径Dが0.01mm〜0.02mmである場合には、疎水部長さ比率αを0.4以上に設定し、且つ、疎水部14の材質に、固相壁面13よりも疎水性が高いことを前提として、液体FA,FBに対する接触角θが70度以上である材質を疎水部として用いることが好ましい。
【0026】
なお、液体FA,FBとして使用される液体の種類が特定されない場合には、上記条件1〜3を満たすべく、使用が予想される液体の何れについても接触角θが70度以上である材質を疎水部として用いることが好ましい。
この他、導入流路11A,11Bよりも疎水性が高いことを前提として、水に対する接触角θが80度以上であることが、疎水部14の材質として使用できる材料の大きな目安となり、接触角80度以上の材質としては例えばポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ろう等である。水に対する接触角θが90度以上の材質を疎水部14に使用することがより好ましい。
【0027】
なお、本発明において接触角θとは、協和界面化学(株)製の型番CA−Aの装置を使用して、周囲温度21.2〜23.7℃、周囲湿度30〜38%の条件下で測定されたものをいう。
固相壁面13の材質,流路11A,11B,12の形成方法について説明すると、固相壁面13、即ち基板20及び蓋21〔図2(b)に示す構成ではさらに薄膜状物22〕の材質は、樹脂,セラミックス,ガラス,金属等,その種類は特に限定されないが、疎水部14よりも液体FA,FBに対する親和性が高いものである必要があるため、かかる親和性特性を把握しておく必要がある。
【0028】
流路11A,11B,12の代表的な形成方法としては、上述したように、図2(a)に示すように基板20に溝20aを設けて形成する方法と、図2(b)に示すように所定形状の貫通穴22aが形成された薄膜状物22を基板20に貼り付けて形成する方法とがある。また、光造形法などの一体成型によりチップ基板(以下、単に基板とも言う)20と一体に形成する方法もある。
【0029】
基板20に溝20aを形成する方法としては、例えば、機械加工,射出成型や圧縮成型に代表される転写技術,ドライエッチング(RIE,IE,IBE,プラズマエッチング,レーザーエッチング,レーザーアブレーション,ブラスト加工,放電加工,LIGA,電子ビームエッチング,FAB),ウエットエッチング(化学浸食)などによる流路あるいは溝部分のエッチング、光造形やセラミックス敷詰等の一体成型、各種物質を層状にコート,蒸着,スパッタリング,堆積し部分的に除去することにより微細構造物を形成するSurface Micro−machining等がある。
【0030】
また、薄膜状物22を基板20に貼り付けて流路を形成する場合の薄膜状物22の貼り付け方法としては、接着剤による接着,プライマーによる樹脂接合,拡散接合,陽極接合,共晶接合,熱融着,超音波接合,レーザー溶融,溶剤・溶解溶媒による貼り合わせ,粘着テープ,接着テープ,圧着,自己吸着剤による結合,物理的な保持,凹凸による組み合わせが挙げられる。
【0031】
疎水部14の形成方法について説明すると、疎水部14の形成方法は、例えば、固相壁面13(基板20等)を部分的に疎水化(低親和化)する方法と、これとは逆に固相壁面13(基板20等)の所定部分(疎水部14)を除いた部分を親水化(高親和化)する方法とがある。
固相壁面13に、アクリル樹脂,ポリカーボネート,ポリスチレン,シリコン,ポリウレタン,ポリオレフィン,ポリテトラフルオロエチレン,ポリプロピレン,ポリエチレン,熱可塑性エラストマーなどの疎水性材料を用いる場合、これを親水化する方法としては、表面コーティング,湿式化学的改質,ガス改質,界面活性剤処理,コロナ放電,疎面化,金属の蒸着,金属のスパッタリング,紫外線処理,加工雰囲気に依存する親水性官能基または親水性分子の表面への付与を伴う方法(プラズマ法,イオン注入法,レーザー処理等)が挙げられる。
【0032】
また、固相壁面13に、ガラス,金属,セラミックスなどの親水性材料を用いる場合、これを部分的に疎水化する方法としては、接着剤,ロウなどの疎水性物質の表面コーティング,表面グラフト法,加工雰囲気に依存する,疎水性官能基または疎水性分子の表面への付与を伴う方法(プラズマ法,イオン注入法,レーザー処理等)が挙げられる。
【0033】
このように固相壁面13の改質(親水化又は疎水化)を行なう場合には、改質部分に直接処理を行ってもよいし,マスクなどで非改質部分を覆ってから開口部に処理を施してよい。
つまり、図5(a),(b)に示すように、流路30を親水性の固相壁面より形成し、この固相壁面の所定箇所31,32だけに上記改質方法を使用して疎水部を形成したり、或いは、流路30を疎水性の固相壁面より形成し、この固相壁面の所定箇所31,32を除いた箇所だけに上記親水化方法を直接使用して相対的に疎水部31,32を形成しても良い。
【0034】
また、図6(a),(b),(c)に示すように、流路30を親水性の固相壁面より形成し、固相壁面に対し所定箇所に開口部33,34を有するマスク35を取り付けてから固相壁面全体にわたる範囲に対し上記疎水化方法を実施することにより、開口部33,34内、即ち所定箇所31,32だけを疎水部として形成するようにしても良い。或いは、所定箇所31,32だけをマスクした後、固相壁面全体にわたる範囲に対し上記親水化方法を使用することにより、所定箇所31,32を除いた箇所を親水化して相対的に疎水部31,32を形成しても良い。
【0035】
なお、別種の親水性,疎水性材料を組み立てることで,部分的パターンを形成することも可能である。即ち、例えば親水性の固相壁面13に疎水性の材質を貼り付けて疎水部を形成するようにしてもよい。
本発明の第1実施形態としての微小混合器及び混合装置は上述したように構成されているので、液体の混合が以下の手法(本発明の第1実施形態としての微小混合器を使用した液体混合方法)により行なわれる。以下、図1を参照して説明を進める。
【0036】
先ず、シリンジポンプを注入口11Aa,11Baから取り外した状態で液体FA,FBを例えばスポイト等により注入口11Aa,11Baから導入流路11A,11Bに注入する。導入流路11A,11Bに注入されたこの液体FA,FBは毛細管現象により合流部12aへ向かって移動し、疎水部14で停止する。
そして、液体FA,FBが何れも疎水部14で停止した後、シリンジポンプを注入口11Aa,11Baに接続して作動させると、シリンジポンプによりエアが供給され、このエアを介して液体FA,FBが駆動される。これにより、液体FA,FBが合流部12aの極近傍から液体FA,FBを略同時に合流部12aに流入させることができる。
【0037】
或いは、液体FA,FBが合流部12aに到達するタイミングに差が生じたとしても、各疎水部14と合流部12aとの距離が極僅かなものであることから、かかるタイミング差も極僅かなものとなり、液体FA,FB間にエアが混入することはない。つまり、液体FAが合流部12aに到達する時間と、液体FBが合流部12aに到達する時間との間に大きな差があり、従来技術の課題として用いた図12に示すように液体FAの先端(下流端)が合流部12aを完全に通過した時点で液体FBの先端が合流部12aに到達していないと、液体FA,FBにエアが密封され混入してしまうこととなる(この密封されたエアをエアプラグという)。
【0038】
しかし、本微小混合器では、上述したように、液体FA,FBが合流部12aに到達するタイミングに大きな差が生じることはなく、何れか一方の液体の先端が合流部12aを完全に通過する時点では既に他方の液体の先端が合流部12aに到達するようになるので、液体間にエアプラグが発生することはないのである。
したがって、導入流路11A,11Bに疎水部14を設けるという簡素な構成で、液体FA,FB間のギャップの発生を実質的に防止でき、液体FA,FBの混合ひいては、その後行なわれる輸送過程や合成反応を安定して行なえるという利点がある。
【0039】
また構成が簡素なので製造を容易に行なえ、大量生産を容易に行なえるという利点がある。
次に、本発明の第2実施形態としての微小混合器について説明する。図7は本実施形態の微小混合器及び混合装置について示す図である。なお、上述の第1実施形態で説明した部材については同一の符号を付しその説明を省略する。また、上述の第1実施形態で使用した図1についても流用して説明する。
【0040】
本発明の第2実施形態としての微小混合器は、図1に示す第1実施形態の微小混合器に対し、疎水部14を親和度変化部材により構成したものである。
親和度変化部材とは温度変化に応じて導入流路11A,11Bを流通する液体FA,FBに対する親和性が変化するものをいい、ここでは、温度変化に応じて親水性が変化する高分子ゲルである温度感応ゲル(親和度変化部材)を使用し、特に、このような温度感応ゲルとして代表的なものである、PIPAAm〔ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)〕ゲルを使用している。
【0041】
このPIPAAmゲルは、低温になると水和化し、高温になると脱水和化するため、これに応じてき低温になると親水化し、高温になると疎水化する。PIPAAmの線状ポリマーの水溶液は、LCST(Lower Critical Solution Temperature)以下の温度で親水化し、LCSTよりも高い温度では疎水化する特徴を持つ。
【0042】
PIPAAmのLCSTは約32℃であり、通常の加熱冷却機構により容易に温度制御が可能である。即ち、LCSTが大気温度TATM周辺であるため、親水/疎水を反転させるのに必要な温度制御幅(即ちLCST−TATM)が小さいため温度制御を行ないやすいのである。
この他の温度感応性ゲルとしては、DEAAm(N,N−ジエチルアクリルアミド)ゲル(LCST=25〜32℃)、pAPP(ポリ−N−アクリロイルピペリジル)ゲル(LCST≒5℃)、及び上記ポリマーの共重合体が挙げられる。また、使用環境のpH,共重合比などによってLCSTを調整することも可能である。
【0043】
また、本実施形態の混合装置は、上記の微小混合器に加え、導入流路11A,11B内の液体FA,FBを輸送する液体輸送手段として、導入流路11A,11B内の各疎水部(ここでは温度感応ゲル)14部毎に設けられ疎水部14の温度を制御する温度制御装置(温度制御手段)40をそなえて構成されている。
各温度制御装置40は、図7(a)に示すように、基板20内に埋め込まれ疎水部14にそれぞれ接続された電熱板(例えば銅板等)41と、この電熱板41に取り付けられた熱電対(温度センサ)41aと、電熱板41aを介して疎水部14を加熱/冷却するペルチェ素子42と、ペルチェ素子42に重合されたヒートシンク(放熱板)43と、制御装置44とをそなえて構成されている。
【0044】
ペルチェ素子42は供給される電圧に応じて発熱/吸熱するものであり、制御装置44は、疎水部14が、図示しない入力手段から入力された所定温度になるように、熱電対41aにより検出された疎水部温度情報に基づき、ペルチェ素子42に供給する電圧をフィードバック制御するようになっている。
なお、温度制御装置40において、温度センサとして、図7(b)に示すように、熱電対41aの代わりに赤外線センサ41bを用いても良い。また、図7(c)に示すように、電熱板41を介することなくペルチェ素子42を基板40内に埋め込んで疎水部14に直接接続してもよい。
【0045】
本発明の第2実施形態としての微小混合器及び混合装置は上述したように構成されているので、以下のようにして液体の混合が行なわれる。つまり、先ず、必要であれば制御装置44を介して、疎水部14の温度を疎水化するように制御した後、液体FA,FBを例えばスポイト等により注入口11Aa,11Baから導入流路11A,11Bに注入する。導入流路11A,11Bに注入されたこの液体FA,FBは毛細管現象により合流部12へ向かって移動し、疎水部14で停止する。
【0046】
そして、液体FA,FBが何れも疎水部14で停止した後、制御装置24を介して疎水部14の温度を制御して疎水部14を親水性に反転させる。これにより、液体FA,FBが毛細管現象により移動を再開し、略同時に合流部12aに流入し、したがって、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、微小混合器は、微小混合器を形成する基板等が微小で熱容量が小さいため、比較的短い応答時間で、熱感応ゲル(疎水部)14の温度制御即ち液体FA,FBの流通制御を行なえ、各導入流路11A,11Bにおける流通制御を同期させて行なわせ易いという利点がある。
【0047】
次に、本発明の第3実施形態としての微小混合器について説明する。図8は本発明の第3実施形態としての微小混合器について示す図である。なお、上述の第1実施形態及び第2実施形態で説明した部材については同一の符号を付しその説明を省略する。
本実施形態の微小混合器は、検査チップとして構成されている。ここでいう検査チップとは、サンプル液体に対して所定の検査を行なうべく抗原抗体反応,タンパク質とタンパク質との結合,タンパク質と低分子の結合等の生化学反応等を行なわせるためのものであり、サンプル液体と試薬との反応状態に基づき所定の検査を行なうためのものである。
【0048】
このため、検査チップは、図8に示すように、第1実施形態と同様に導入流路11Aと導入流路11Bと合流路12と疎水部14とをそなえるとともに、各導入流路11A,11Bには試薬CA,CBがそれぞれ点着/保持される試薬保持部15,15がそれぞれそなえられ、また、合流路12には、サンプル液体と試薬との混合液体に対して例えば光学的な検出等を行なうための拡大部16が検出部として設けられている。
【0049】
そして、本実施形態の混合装置は、図8に示す検査チップと、検査チップの注入口11Aa,11Abにそれぞれ接続されるシリンジポンプ(液体輸送手段,圧力駆動手段)とをそなえて構成される。
本発明の第3実施形態としての検査チップは上述したように構成されているので以下のようにして検査が行なわれる。
【0050】
つまり、先ず、導入流路11Aには注入口11Aaからサンプル液体FSが例えば注入口11Aaから注入され、同様に、導入流路11Bには、上述した保持部15に保持される試薬CA,CBとは異なる試薬CCが注入口11Baから注入される。注入されたサンプル液体FS及び試薬CCは、それぞれ毛細管現象により移動し、試薬保持部15で試薬CA,CBと混合した後、疎水部14で停止する。
【0051】
そして、注入口11Aa,11Abにシリンジポンプがそれぞれ接続され、シリンジポンプからエアが送り込まれて導入流路11A,11B内のサンプル液体及び試薬の輸送が開始されると、これらのサンプル液体及び試薬が合流路12に略同時に流入する。したがって、上記各実施形態と同様に、サンプル液体及び試薬を安定して効率良く混合できる。次いで、この混合液について検出部16において所定の検出が行なわれる。サンプル液体及び試薬が安定して混合されるので、かかる検出も精度良く行なうことができる。
【0052】
そして、混合液は、合流路12の下流端に形成される拡大部(廃液部)12bにまとめて回収される。
なお、本実施形態では液体輸送手段としてシリンジポンプ(圧力駆動手段)を用いた例を示したが、液体輸送手段として、一対の電極を導入流路11A,11B内に挿入し、電気浸透流により液体を輸送するようにしても良い。或いは、疎水部14を温度感応ゲルにより構成し、液体輸送手段として温度感応ゲルの温度を制御する温度制御装置を用いるようにしても良い。
【0053】
次に、本発明の第4実施形態としての微小混合器について説明する。図9は本発明の第4実施形態としての微小混合器について示す図である。なお、上述の各実施形態で説明した部材については同一の符号を付しその説明を省略する。
本実施形態の微小混合器は、第3実施形態と同様に検査チップとして構成されており、第3実施形態の検査チップに対し、図9に示すように、各導入流路11A,11Bの上流部には、それぞれ疎水部14と同様に構成される一組(2個)の疎水部14a,14bが設けられている。
【0054】
導入流路11Aには、サンプル注入口11Aaからサンプル液体FSが注入されるようになっており、例えばスポイト等によりサンプル注入口11Aaから注入されたサンプル液体FSは、毛細管現象により導入流路11A内を流通するが、サンプル注入口11Aa両側の疎水部14a,14bで停止する。つまり、これらの疎水部14a,14bによりサンプル注入口11Aaから注入できるサンプル液体FSの注入量が規定されることとなる。即ち、疎水部14a,14b間の距離に応じて決定される所定量にサンプル液体FSを自動的に秤量できるようになっているのである。
【0055】
また、導入流路11Bの疎水部14a,14b間には予め試薬CCが注入されている。
なお、各導入流路11A,11Bには、液体が流通できるように疎水部14aの上流側に通気口(図示略)がそれぞれ設けられている。
また、本発明の第4実施形態としての混合装置は、この検査チップと、各導入流路11A,11Bに対して疎水部14a,14b間に設けられた電極(電気駆動部)E1,E2と、これらの電極(電気駆動部)E1,E2間の電圧を制御する図示しない電圧制御手段とをそなえて構成されている。
【0056】
本発明の第4実施形態としての検査チップ及び混合装置は上述したように構成されているので、以下のようにして検査が行なわれる。
つまり、サンプル注入口11Aaからサンプル液体FSが導入流路11Aの疎水部14a,14bに注入され秤量される。そして、導入流路11A,11Bの電極E1,E2に所定期間電圧が掛けられると、疎水部14a,14b間のサンプル液体FS及び試薬CCは駆動され疎水部14bを乗り越える。
【0057】
そして、サンプル液体FS及び試薬CCは、疎水部14bを乗り越えると、その後、電極E1,E2から離隔するが、毛細管現象により移動を持続する。サンプル液体FS及び試薬CCは、それぞれ試薬保持部15で試薬CA,CBと混合した後、この時点では電極E1,E2には電圧が掛けられていないので疎水部14で停止する。疎水部14aと疎水部14bとの間隔は、疎水部14bと疎水部14との間隔よりも十分に大きく設定されているので、この時点では、各導入流路11A,11Bにおいて疎水部14a,14b間にサンプル液体FS又は試薬CCが存在する状態となる。
【0058】
このように、各導入流路11A,11Bの疎水部14でサンプル液体FS及び試薬CCが何れも停止した後、再び電極E1,E2に所定期間電圧を掛けると、疎水部14a,14b間のサンプル液体FS及び試薬CCが駆動されて、疎水部14bを乗り越える。そして、このサンプル液体FS及び試薬CCと、合流路12の直ぐ上流側の疎水部14でそれぞれ停止していた液体が一体となって駆動され、合流路12に流入して混合する。この混合液体は、検出部16を通過する過程で所定の検出が行なわれた後、廃液部12bに回収される。
【0059】
なお、導入流路11Aを移動するサンプル液体FSの上流端が、疎水部14bを乗り越えた時点で、サンプル液体FSは電極E1,E2から分離されるため、この時点で疎水部14b,14間にあるサンプル液体FSは駆動されなくなってしまい検出部16を通過しないこととなるが、疎水部14b,14間は、疎水部14a,14b間に比べて十分に小さく設定されているので(即ち導入流路11A内に注入されたサンプル液体FSの量に対し、疎水部14,14b間に残留し検査に寄与しないサンプル液体FSの量は十分少ないので)、十分な量のサンプル液体FSを使用して検査を制度良く行なえる。
【0060】
上述したように疎水部14a,14bを設けることによりサンプル液体FSを秤量できるようになっているが、この秤量は、疎水部14,14b間に残留するサンプル液体FSを見込んだ量である。勿論、疎水部14を温度感応ゲルにより構成して親水性に反転させたり、シリンジポンプにより駆動したりして、疎水部14b,14間に液体を残留させないように構成することも可能である。
【0061】
なお、導入流路11A内のサンプル液体や導入流路11B内の試薬に対し悪影響がないように、図10に示すように、導入流路11A,11Bのそれぞれについて、電極E1,E2の周囲にこれらのサンプル液体及び試薬に対して不溶性の流体(液体は勿論、気体でも良い)FXを充填し、この流体FXを介してサンプル液体及び試薬を駆動するようにしても良い。
【0062】
本発明の微小混合器及び混合装置は上述した各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形を行なうことが可能である。例えば上述した各実施形態では、導入流路を2つ設けた構成としたが、導入流路を三つ以上設けるような構成であってもよい。
また、上述した図1に示す第1実施形態の微小混合器は、合成反応用のチップとして説明したが、サンプル液体FS及び試薬を注入口11Aa,11Abからそれぞれ注入し、拡大部12bを検出部とすることにより検査チップとして使用することができる。この場合、拡大部12bを設けずに、合流路12の一部を検出部として使用し、合流路12の下流端に設けられた排出口より廃液を外部へ排出するようにしても良い。或いは、拡大部12bを設けずに、合流路12の下流端に設けられた排出口よりサンプル液体FSと試薬との混合液を外部に排出し、検査チップの外部で所定の検出を行なうようにしても良い。
【0063】
同様に、図8に示す第3実施形態の微小混合器(検査チップ)においても、検出部として拡大部16を設けず、合流路12の一部を検出部として使用するようにしても良い。
また、図9に示す第4実施形態の微小混合器(検査チップ)において、導入流路11Bの疎水部14a,14b間に、試薬ではなく溶媒を注入するようにしても良い。また、サンプル液体FS及び試薬CCが疎水部14bを乗り越えた後も、電極E1,E2に電圧を掛け続けて電気駆動を持続するようにしても良い。この場合、サンプル液体FS及び試薬CCが疎水部14に到達した時点で電気駆動を停止しても良いが、サンプル液体FS及び試薬CCが疎水部14に到達する直前で電気駆動を停止し、サンプル液体FS及び試薬CCを、疎水部14に到達するまで毛細管現象により移動させる方が好ましい。
【0064】
また、一組の電極対で液体に掛けられる電圧が必要量よりも小さい場合には、複数組の電極対を用いても良い。
【0065】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、各導入流路内に注入された液体は毛細管現象により導入流路内を移動するが、低親和部を設けることにより合流部の直ぐ上流側で一端停止させることができるので、かかる液体を直ぐ下流側の合流部へ略同時に流入させることを容易に行なうことが可能となり、これらの液体の混合を効率良く行なわせることができるという利点がある。
【0066】
また、導入流路に低親和部を配置するだけの簡素な構成なので、容易に製造できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態及び第2実施形態としての微小混合器の構成を示す模式的な平面図である。
【図2】本発明の第1実施形態としての微小混合器の構成を示す図であり、(a)は模式的な横断面図であり図1のX−X断面に相当する図、(b)は模式的な側面図であって(a)の変形例を示す図である。
【図3】(a),(b),(c)は本発明の第1実施形態としての微小混合器の作用を説明するための図であって微小混合器の模式的な平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかる疎水部長さ比率(低親和部長さ比率)αの定義を説明するための模式図であって、図1のX−X断面に相当する模式図である。
【図5】(a),(b)は本発明の第1実施形態にかかる固相壁面の改質方法を説明するための図であって微小混合器の要部平面図である。
【図6】(a),(b),(c)は本発明の第1実施形態にかかる固相壁面の改質方法を説明するための図であって微小混合器の要部平面図である。
【図7】(a),(b),(c)は本発明の第2実施形態としての混合装置にかかる温度制御装置の構成を示す図であって、図1のY−Y断面に相当する模式図である。
【図8】本発明の第3実施形態としての微小混合器の構成を示す模式的な平面図である。
【図9】本発明の第4実施形態としての微小混合器の構成を示す模式的な平面図である。
【図10】本発明の第4実施形態としての微小混合器の変形例の構成を示す模式的な平面図である。
【図11】従来の微小混合器の構成を示す模式的な平面図である。
【図12】従来の微小混合器の課題を説明するための図であって微小混合器の合流部を示す模式的な平面図である。
【符号の説明】
11A,11B 導入路
11Aa,11Ba 注入口
12 合流路
12a 合流部
12b 拡大部
12c 通気口
13 固体壁面
14,14a,14b 疎水部(低親和部)
15 試薬保持部
16 検出部
20 基板
20a 溝
21 蓋
22 薄膜状物
22a 貫通穴
30 流路
31,32 流路30の所定個所
33,34 開口部
35 マスク
40 温度制御装置
41 電熱板
41a 熱電対
41b 赤外線センサ
42 ペルチェ素子
43 ヒートシンク
44 制御装置
E1,E2 電極(電気駆動部)

Claims (9)

  1. それぞれ微小な相当直径の断面を有する複数の導入流路と、微小な相当直径の断面を有し上記の複数の導入流路が合流して形成される合流路とをそなえ、上記の複数の導入流路から導入された液体を該合流路で合流/反応させる、流通型微小混合器において、
    該導入流路を形成する内壁面よりも、該液体に対する親和性の低い低親和部が、該導入流路の合流部の直ぐ上流側において該内壁面の一部に設けられている
    ことを特徴とする、流通型微小混合器。
  2. 該液体に対する親和性の低い低親和部が、該導入流路への該液体の注入点を挟むようにしてさらに一組設けられている
    ことを特徴とする、請求項1記載の流通型微小混合器。
  3. 該低親和部が、水に対する接触角が80度以上の材料により構成されていることを特徴とする、請求項1又は2記載の流通型微小混合器。
  4. 該低親和部が、温度変化に応じて該親和性の度合いが変化する親和度変化部材により構成されている
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の流通型微小混合器。
  5. 請求項1〜4の何れかの項に記載の流通型微小混合器と、該流通型微小混合器内の該液体を輸送するための液体輸送手段とをそなえて構成されている
    ことを特徴とする、混合装置。
  6. 該液体輸送手段が、該導入流路内に取り付けられた1対の電極と、該電極間の電圧を制御する電圧制御手段により構成されている
    ことを特徴とする、請求項5記載の混合装置。
  7. 該液体輸送手段が、圧力により駆動を行なう圧力駆動手段により構成されている
    ことを特徴とする、請求項5記載の混合装置。
  8. 該液体輸送手段が、該親和度変化部材と該親和度変化部材の温度を制御する温度制御手段とにより構成されている
    ことを特徴とする、請求項5記載の混合装置。
  9. 請求項1〜4の何れか1項に記載の流通型微小混合器において、該複数の導入流路に該液体をそれぞれ導入するステップと、
    該各複数の導入流路に設けられた該低親和部上で、該複数の導入流路内の該液体がそれぞれ流通を停止した後、該液体の該合流路への輸送を再開するステップとを
    そなえて構成されている
    ことを特徴とする、流通型微小混合器を使用した液体混合方法。
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