JP2008256493A - 化学検査プレート - Google Patents

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Abstract

【課題】チャンバー部の内壁の疎水特性が低下した場合でも、DNAサンプル液を第一の流路からチャンバーを通過して第二の流路に流すことができる化学検査プレートを提供する。
【解決手段】回転力を利用して所定の液体を送り込むための第一の流路と、前記第一の流路に第一の接続口を介して接続された前記所定の液体を保持するための円筒チャンバーと、前記第一の接続口と対抗する位置に設けられた円筒チャンバー内の第二の接続口を介して接続された第二の流路と、前記回転力の方向とは逆方向で、且つ前記第一の接続口と前記第二の接続口との間に設けられた第三の接続口を介して接続された第三の流路と、前記第一の接続口の開口部を前記回転力の方向に広げるように構成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えばDNAやタンパクその他の生態サンプル液を遠心力でプレート内部のチャンバーに移送し、計測する化学検査プレートに関するものである。
一般的な生体サンプルを考えた場合、大きくはDNAとタンパクが存在している。そして、近年、分子生物学の急速な進展によって、様々な疾患において遺伝子の関与がかなり正確に理解されるようになり、遺伝子をターゲットにした医療に注目が集まるようになってきている。
DNAに関しては、現在SNPs(single nucleotide polymorphismの略で「1塩基多型」と一般に訳されており、遺伝子における1暗号(1塩基)の違いの総称である。)が注目されている。タンパク質は、細胞、組織、生体液中に存在し、生体活動の調節、細胞へのエネルギー供給、重要な物質の合成、生物構造体の維持、さらには細胞間でのコミュニケーションや細胞内情報伝達に関与している。現在では、タンパク質が様々な環境や、相互作用する他のタンパク質の存在、タンパク質が受けた修飾の程度や種類に応じて、複数の機能を有することが明らかになってきている。
これらの遺伝子情報を得る測定手段のひとつとして、キャピラリー電気泳動を用いた化学検査プレートがある(例えば特許文献1を参照)。電気泳動測定方法では、生体サンプル、分析物、緩衝剤、及び試薬等の液体を化学検査プレートに載せ、前記液体を移動させた際に得られる輸送反応を検出して、該サンプルの分析、判別、判定等を行う。
図11〜図16を用いてDNAサンプルのSNPs(1塩基多型)の有無を判別する従来例を説明する。
図11で示す断面A−Aを現したのが図12である。化学検査プレート1には図16の流路パターン2が、図15に示すように軸心5を中心に放射線状に形成されている。化学検査プレート1の外形は8cm四方の正方形で4角のうち3角にはコーナーRが設けられ、残りの1角は面取りがされている。さらに位置決め穴4を設けており、前記面取りと合わせて、外形を非対称にして流路パターンの場所が特定できる。
図12において化学検査プレート1のプレート基板56はアクリル系樹脂で厚みは2mmである。流路形成面には多数の溝が彫られており、これが流路として機能する。さらに厚さ50μmのアクリル製フィルム27を接着することで密閉流路が形成されている。
そしてアクリル系樹脂の表面は接触角θ0が90度以上になるよう疎水処理されている。またアクリル製フィルム27も疎水処理されている。これは粘性係数の異なる生体サンプル液と緩衝剤の流路内流れを制御するために重要な処置である。
緩衝剤であるDNAコンジュゲート液31は図16に示す緩衝剤注入口6から注入し、緩衝剤注入部7は注入された緩衝剤を一旦保持するための注入部である。同様にサンプル注入口8はDNAサンプル液32の注入口、サンプル注入部9は注入されたDNAサンプル液を一旦保持するための注入部である。
正電極部12、負電極部13は、流路14を介して接続され、さらには流路1 0 , 1 1 により緩衝剤注入部7とも接続されている。チャンバー部16は、流路15によりサンプル注入部9と接続されている。
サンプル保持部20は、流路高さが80μmで流路幅が100μmの流路17と、流路高さは80μmで流路幅が200μmの流路18により、チャンバー部16と接続されている。チャンバー部16の高さは200μmであり、図12の断面A−Aに示すように、流路15(流路高さ80μm、流路幅100μm)および流路17と比較して深い形状となっている。
図16の通りバッファ部21は、流路17、流路18、流路19、流路54、流路55により、チャンバー部16、サンプル保持部20とそれぞれ接続される。またバッファ部21は、流路22とつながっているサンプル注入部9によって空気抜きができる。
緩衝剤は、緩衝剤注入部7、流路10、流路11、正電極部12、負電極部13、流路14で構成される閉じた流路内を流れており、以降、これらの連結した流路を緩衝剤流路と呼ぶことが有る。また生体サンプル液は、サンプル注入部9、流路15、チャンバー部16、流路17、流路18、流路19、サンプル保持部20、流路55、バッファ部21、流路22で構成される流路内を流れており、これらの連結した流路を以降サンプル流路と呼ぶ場合が有る。緩衝剤流路とサンプル流路とはサンプル定量分取部23で合流し、このサンプル定量分取部23において定量されたDNAサンプルを実際に判別する。
次にサンプル注入口8から注入したDNAサンプル液32をサンプル定量分取部23まで移送する一連の動きを、図13、図14、図15を用いて説明する。
まず1マイクロリットルのDNAサンプル液32を、ピペッター等により化学検査プレートのサンプル注入口8からサンプル注入部9へ注入する。同じく3マイクロリットルのDNAコンジュゲート液31を緩衝剤注入口6から緩衝剤注入部7に注入する。この状態が図11の状態aである。
次に化学検査プレート1の回転部固定用穴3とモーター軸(図省略)と勘合させながら、化学検査プレート1をモーターと固定し、軸芯5の周りに図14の回転プロファイルに従い回転させる。定常時の回転数は2000rpmで、回転方向57は図15にて反時計回りである。
DNAサンプル液32とDNAコンジュゲート液31は回転による遠心力で外周方向へと移動する。その様子を表したのが図13の状態b、状態cである。回転開始から2分後にDNAサンプル液32、DNAコンジュゲート液31とも流路の中を動かなくなる(図13の状態d)。このときDNAサンプル液32はサンプル保持部20まで達するが、サンプル保持部20には空気抜き用の穴が無く、サンプル保持部20に残った空気34は抜けることなく加圧された状態になる。
次に回転を急停止する(例えば2秒で2000rpmより停止)。するとサンプル保持部に存在していたDNAサンプル液32は遠心力がなくなったため空気の圧力により流路18へ逆流し始め流路19を通って定量分取部23とバッファ部21に流れ込む(図13の状態e)。特に定量分取部23では充填されたDNAサンプル液とDNAコンジュゲート液31と接する(図13の状態f)。
そして化学検査プレート1を中速回転にて数秒間もう一度回転させる。遠心力によりバッファ部21に入っていたDNAサンプル液32が流路54を通り、チャンバー16に戻り始める(図13の状態g、図13の状態h)。回転を停止することにより、不要なDNAサンプル液はチャンバーに廃棄され、SNPsの判定を行うための最終試料を定量分取部に残存することができる(図13の状態i)。
次に電気泳動を行う。正電極部12と負電極部13にそれぞれ電極を挿入し数百ボルトの電圧を印加すると定量分取部23に残存したDNAサンプル液32は流路14の中を正電極部12の方向へ泳動する。その泳動を蛍光検出することでSNPsが判別できる。
特開2006−220531号公報
しかしながら、前記従来の構成では、化学検査プレート1成形後の疎水処理工程で微小な流路やチャンバーに処理液が均等に浸透しないため、DNAサンプル液32を保持するチャンバー部16内の疎水特性が低下する。化学検査プレート1を樹脂成形するとき使う離型剤と疎水処理剤との組み合わせで疎水特性が低下することもある。化学検査プレート1の流路とチャンバー部16を切削加工で形成することもあるが、加工時に用いる切削油の種類や加工時の表面粗さのバラツキによって疎水特性が低下することもある。
上述した疎水特性が低下したときに回転を行うと、流路15から流れてきたDNAサンプル液32は疎水処理不十分により生じる表面張力でチャンバー部16内壁部を伝い始める。内壁部を伝うDNAサンプル液32には遠心力に加えて、回転方向57と反対向きに慣性モーメント60が作用し、DNAサンプル液32は回転方向57と反対方向のチャンバー部16の内壁を伝いながら遠心方向に移動する。このDNAサンプル液32の移動方向に流路54があり、本来流れては困る流路54に流れてしまう課題を有していた。流路54にDNAサンプル液が流れると、本来のサンプル液移送プロセスより早い段階で定量分取部23にDNAサンプル液32が流入してしまい、正確な化学検査が出来ない。
ところで化学検査プレート1に形成されたチャンバー部16は微小であって、化学検査プレート1使用前に接触角θ0測定で疎水特性を計測することは難しい。ここでプレート基板56の疎水特性と接触角θ0の関係を説明しておく。液体(ここではDNAサンプル液)と固体(ここではプレート基板)が接するとき、これらの表面がある角度をなす。この角度が接触角θ0であり、θ0<90度なら疎水特性が低下し親水性になる。θ0>90度で疎水特性を持つ。
一方で抜き取り検査にてDNAサンプル液32を用いて化学検査プレート1を事前テストすると、化学検査プレートの流路とチャンバー部16はDNAサンプル液32で濡れてしまうためテスト前と同じ疎水状態を保つことができず、化学検査プレート1を再利用できない課題もある。従って成形した化学検査プレート1のロットについて、抜き取り検査で疎水特性が低下していると判明すればロット全部を廃棄することになる。
以降に、図を用いて課題を詳細説明する。
図10は、図16におけるチャンバー近傍領域53につき、チャンバー部16の疎水特性が適切処理されたときのDNAサンプル液32の流れ、およびDNAサンプル液32に加わる力を表した模式図である。なお図10は図13の状態bに対応する。DNAサンプル液は回転による遠心力59と、回転方向57と反対向きに生じる慣性モーメント60による合成力62が作用するため、DNAサンプル液は合成力の方向に沿って流れ、チャンバー部の下流側内壁部に到達したあとは内壁部に沿って流路17に向かう。
図9はチャンバー部の疎水性が低下したときのDNAサンプル液の流れ、力を表した模式図である。疎水性が低下して生じる表面張力により、流路15とチャンバー部16の接合部に到達したDNAサンプル液32は二つの流れ63、流れ64となりチャンバー部の内壁を伝い始める。DNAサンプル液32に作用する合成力62は慣性モーメント60側に傾斜しているため、慣性モーメント60と反対方向の流れ64は表面張力と慣性モーメント60が釣り合う位置で流れが留まり、一方で流れ63は慣性モーメント60と表面張力がほぼ同方向なので流れが成長して、流れてはならない流路54に流れてしまう。
以降、DNAサンプル液32がチャンバー部16から流路54に流れる課題を逆流現象58と呼ぶ。この逆流現象58は回転数Nが低速になるほど顕著になる。その理由を以下に示す。単位長さ当たりの表面張力をγ、接触角をθ0、液面のふち長さをL、回転数Nから求まる角速度をω、停止状態から回転数Nになるまでの時間をΔT、軸心5から半径rの位置に微小な質量mのDNAサンプル液32があるとしたとき、慣性モーメント60はM=m×r2×ω/ΔT、遠心力59はF=m×r×ω2になる。DNAサンプル液32がチャンバー部16の内壁を伝わろうとする表面張力はF=γ×cosθ0×Lである。したがって、表面張力は角速度ωに依存しないが慣性モーメントは角速度ωに比例して減少し、遠心力59は角速度ωの2乗に比例するため、遠心力59は慣性モーメント60と比較して回転数Nが小さくなると急激に減少する。したがって回転数Nが低下すると、遠心力59に対して慣性モーメント60が大きくなり、図9示す逆流現象58が顕著となる。
表1は、化学検査プレート1のチャンバー部16の内壁の接触角θ0と前記逆流現象58の発生有無を検証した結果である。
Figure 2008256493
接触角θ0≦70度の条件で逆流現象58が発生する。表面張力はF=γ×cosθ0×Lであり、接触角θ0が小さいほど表面張力は大きくなり、チャンバー内壁を伝う傾向が顕著になる。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、チャンバー部16内壁の疎水特性が低下した場合でも、DNAサンプル液32を流路15からチャンバー16を通過して流路17に流すことができる化学検査プレート1を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の化学検査プレートは、回転力を利用して所定の液体を送り込むための第一の流路と、前記第一の流路に第一の接続口を介して接続された前記所定の液体を保持するための円筒チャンバーと、前記第一の接続口と対抗する位置に設けられた円筒チャンバー内の第二の接続口を介して接続された第二の流路と、前記回転力の方向とは逆方向で、且つ前記第一の接続口と前記第二の接続口との間に設けられた第三の接続口を介して接続された第三の流路と、前記第一の接続口の開口部を前記回転力の方向に広げるように構成したことを特徴とする。
以上のように本発明の化学検査プレート1によれば、チャンバー部16の内部の疎水特性が低下した場合でも、DNAサンプル液32が本来流れてはならない流路54に流れることなく、DNAサンプル液が流路15からチャンバー16を通過して流路17に流れる化学検査プレート1を提供することが出来る。
以下に、本発明の化学検査プレートの実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
(実施の形態1)
以下に本発明の実施の形態1について図1〜図8を用いて説明する。
まず化学検査プレート1の概要を説明する。図1は本発明を用いた化学検査プレート1であり、図1中の破線で囲った流路パターン2が軸心5を中心に放射線状に複数個配置されている。化学検査プレート1の外形は8cm四方の正方形で4角のうち3角にはコーナーRが設けられ、残りの1角は面取りがされている。さらに位置決め穴4を設けており、前記面取りと合わせて、外形を非対称にして流路パターン2の場所が特定できる。
図5は流路パターン2の拡大図であり、図6は図5で定義した断面B−Bについて断面図である。図2は、図5中において破線で囲ったチャンバー近傍領域53を表したもので形状寸法を説明する図である。図3は同じくチャンバー近傍領域53について、DNAサンプル液32に加わる力を表した図である。図4はチャンバー近傍領域53を三次元で表した斜視図である。図4の毛細管力発生領域70は、DNAサンプル液32が流路15からチャンバー部16に進行したとき、慣性モーメント60に逆らって流路54に流れず流路17に進むための力の源になっている。
本発明の構成要素であるチャンバー部16は直径2mmで高さ200μmであり、流路17、流路54は、いずれも流路幅が100μmで流路高さは80μmになっている。図2に示す通り、流路15についてはサンプル注入部9から点80までの流域に関して、幅69は100μmである。そして点80からチャンバー部16までの流域が毛細管力発生領域70であって、回転方向側に流路幅が広がっていく。化学検査プレート1の回転方向57は図1に示す通り反時計回りで、回転数Nは2000rpmである。
化学検査プレート1の板厚方向については、図6のように、アクリル系樹脂で厚みは2mmのプレート基板56に厚さ50μmのアクリル製フィルム27に接着することで密閉流路が形成されている。その他については従来構成と同様なので割愛する。
再び図2を用いて毛細管力発生領域70の形状について説明する。液体は表面張力を持っており、狭い空間なら、加圧手段無しで液体が自然に流れる特性があり、これを毛細管現象あるいは毛細管力61と呼ぶ。狭い空間の大きさとしては1mm以下と言われている。流路15とチャンバー部16の接続部で回転方向57と反対側の点を点74、点74から軸心5側に毛細管長さ79(略0.64mm)だけ戻った点を点80、点80との対面に位置する点を点76とする。点74からチャンバー中心72に向かって直線81を引く。点76を基点に前記直線81に対して傾斜角73がθ2である直線77をチャンバーに向かって引き、前記直線77と前記チャンバー部16の交点を75とする。毛細管力発生領域70は前記で定義した点74、点75、点76、点80で構成される概略閉じた領域である。
続いて毛細管力発生領域70が逆流現象58を解決できる力のバランスについて図3を用いて説明する。DNAサンプル液32に加わる力は、遠心力59、慣性モーメント60、そして毛細管力61であり、これらの合成されたものが合成力62になる。
今、たとえば軸心5から毛細管力発生領域70内部で半径rの位置にある微小なDNAサンプル液32の質量をm、所定の回転数Nから求まる角速度をωとすると、遠心力59はF=m×r×ω2になる。化学検査プレート1が停止している状態から角速度ωに到達する時間をΔTとすると、慣性モーメント60はM=m×r2×ω/ΔT、毛細管力61はF=γ×cosθ0×Lである。ここでLはDNAサンプル液32のふちの長さである。なお慣性モーメント60を構成する慣性力65は、慣性モーメント60を前記距離rで割り算すれば求まりF=m×r×ω/ΔTとなる。慣性力65は軸芯5から前記半径rに位置する微小なDNAサンプル液の領域を結ぶ直線に垂直で慣性モーメント60の方向に働く。
毛細管力61の毛細管力発生領域70は進行方向からみて回転方向側に拡がって行くため、概ね慣性モーメント60と逆方向となって慣性モーメント60を弱める効果が有る。したがって毛細管力≧慣性力の範囲ならば、毛細管力発生領域70を進行してきたDNAサンプル液32は、チャンバー部16内を流路17目指して遠心方向に進行するか、回転方向側にチャンバー部の内壁伝いに進行することとなり、流路54方向に流れることは無い。
表2は、実施の形態1において傾斜角73のθ2をパラメータにDNAサンプル液32が流路54に流れる逆流現象58が発生するかを検証した結果である。
Figure 2008256493
このときの化学検査プレート1の疎水特性が低下していることを想定して、チャンバー部16の内壁の接触角θ0は20度で検証している。表2によれば傾斜角73のθ2は17度から30度の範囲が好適である。好適な範囲が存在する理由については、傾斜角73のθ2が30度以上になると幅68が広くなりすぎてDNAサンプル液32が凹んだ曲面になることができず、毛細管力61が弱まる。その結果を表したのが図8で、毛細管力発生領域70でDNAサンプル液32の流れが2つに分かれて、流れ63の方が流路54に流れ込み逆流現象58が発生する。一方で、傾斜角θ2が17度以下になると毛細管力61のベクトルが遠心力方向に近づいて慣性力65を弱めることが出来なくなくなる。
したがって本実施の形態1においては、傾斜角73のθ2が17度から30度の範囲においてサンプル液が本来流れてはならない流路54に流れることなく、DNAサンプル液32が流路15からチャンバー16を通過して流路17に流れる化学検査プレート1を提供することが出来る。図7は、傾斜角73のθ2が17度から30度の範囲でDNAサンプル液32が設計意図通りに逆流現象58無く流路17に流れる状態を表した図である。
なお本実施の形態1は、塑性特性が低下している接触角θ0が20度で効果があるとともに、接触角θ0が20〜100度の範囲でも効果がある。
本発明にかかる化学検査プレートは、プレート基板に形成されたチャンバーの疎水特性が低下したときでもサンプル液を所定の流路に送るものとして有用である。
本発明の実施の形態1における化学検査プレートの基板外形を示す図 本発明の実施の形態1においてチャンバー部近傍部の形状、とくに毛細管力発生領域を定義する図 本発明の実施の形態1においてチャンバー部に到達したサンプル液がチャンバー内を進行して次の流路へ流れていく状態を示す図 本発明の実施の形態1における化学検査プレートのチャンバー近傍部に関する3次元斜視図 本発明の実施の形態1における化学検査プレートで、チャンバー近傍部に関する板厚方向の断面B−Bを定義する図 本発明の実施の形態1における化学検査プレートで、図5で定義したチャンバー近傍部の断面B−Bを示す図 本発明の実施の形態1における化学検査プレートで、傾斜角θ2が適切で従来の技術課題が解決できたときのDNAサンプル液の流れを示す図 本発明の実施の形態1における化学検査プレートで、傾斜角θ2が不適切 で従来の技術課題が解決できなかったときのDNAサンプル液の流れを示す図 従来技術における化学検査プレートにおいてチャンバー部に到達したサンプル液が本来流れてはならない流路に流れ込んでいく状態を示す図 従来技術における化学検査プレートにおいてチャンバー部に到達したサンプル液がチャンバー内を進行して次の流路へ流れていく状態を示す図 従来技術における化学検査プレートで、チャンバー近傍部に関する板厚方向の断面A−Aを定義する図 従来技術における化学検査プレートで、図11で定義したチャンバー近傍部の断面A−Aを示す図 従来技術における化学検査プレートでサンプル液がサンプル定量分取部まで移送する一連の動きを、サンプル液及び緩衝剤の液流れの時間変化で示す図 従来技術における化学検査プレートでサンプル液がサンプル定量分取部まで移送する一連の動きを、時間と基板の回転数で示す図 従来技術における化学検査プレートの基板外形を示す図 従来技術における化学検査プレートの流路パターンを示す図
符号の説明
1 化学検査プレート
2 流路パターン
3 回転部固定用穴
4 位置決め穴
5 軸心
6 緩衝剤注入口
7 緩衝剤注入部
8 サンプル注入口
9 サンプル注入部
10 流路
11 流路
12 正電極部
13 負電極部
14 流路
15 流路
16 チャンバー部
17 流路
18 流路
19 流路
20 サンプル保持部
21 バッファ部
22 流路
23 定量分取部
27 フィルム
31 DNAコンジュゲート液
32 DNAサンプル液
34 空気
53 チャンバー近傍領域
54 流路
55 流路
56 プレート基板
57 回転方向
58 逆流現象
59 遠心力
60 慣性モーメント
61 毛細管力
62 合成力
63 流れ
64 流れ
65 慣性力
68 幅
69 幅
70 毛細管力発生領域
72 チャンバー中心
73 傾斜角θ2
74 点
75 点
76 点
77 直線
78 点
79 毛細管部長さ
80 点
81 直線

Claims (4)

  1. 回転力を利用して所定の液体を送り込むための第一の流路と、
    前記第一の流路に第一の接続口を介して接続された前記所定の液体を保持するための円筒チャンバーと、
    前記第一の接続口と対抗する位置に設けられた円筒チャンバー内の第二の接続口を介して接続された第二の流路と、
    前記回転力の方向とは逆方向で、且つ前記第一の接続口と前記第二の接続口との間に設けられた第三の接続口を介して接続された第三の流路と、
    前記第一の接続口の開口部を前記回転力の方向に広げるように構成した化学検査プレート。
  2. 前記開口部の広さを、前記第一の接続口の前記第三の接続口側の内壁から前記チャンバーの中心を結ぶ直線と前記第一の流路の前記回転力の方向の内壁とがなす角度が17度から30度までとした請求項1に記載の化学検査プレート。
  3. 前記チャンバーの内径は略2mmとし、最大高さは200μmとした請求項1に記載の化学検査プレート。
  4. 前記第一の流路の高さは略80μmとし、第一の流路は最小幅が0.1mmであって前記チャンバーに近づくにつれて前記角度で回転方向側に拡がる請求項2に記載の化学検査プレート。
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