JP2019007750A

JP2019007750A - 磁歪軸の製造方法

Info

Publication number: JP2019007750A
Application number: JP2017120831A
Authority: JP
Inventors: 敬英能村; Takahide Nomura
Original assignee: Bridgestone Cycle Co Ltd
Current assignee: Bridgestone Cycle Co Ltd
Priority date: 2017-06-20
Filing date: 2017-06-20
Publication date: 2019-01-17

Abstract

【課題】本発明は、磁歪層が精度良く位置決めされた模様を有するものとすることのできる、磁歪軸の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の磁歪軸の製造方法は、回転軸の外周面に、所定の模様を有する磁歪層を有する磁歪軸の製造方法であって、前記回転軸の外周面に前記磁歪層を形成する、磁歪層形成工程と、前記磁歪層の前記所定の模様として残す部分を樹脂でマスキングする、マスキング工程と、前記磁歪層の、前記樹脂によりマスキングされていない部分を除去する、磁歪層一部除去工程と、を含み、前記マスキング工程において、前記樹脂は、型を用いて成形されることを特徴とする。【選択図】図１

Description

本発明は、磁歪軸の製造方法に関するものである。

従来、例えば電動アシスト自転車等の回転軸に作用するトルクの大きさを、その回転軸の表面に設けた磁歪層の透磁率の変化によって検出する形式の磁歪軸が知られている。当該磁歪層は、回転軸の回転により透磁率が変化するような模様とし、一般的には軸に対して略斜めの縞模様である。

例えば、特許文献１では、回転軸に磁歪層を溶射し、マスキングを行った後、マスキングで覆われていない磁歪層の部分をショットブラスト又はエッチングし、マスキングを除去して、上記の模様を有する磁歪層を備える磁歪軸を製造することが提案されている。

特許第５９４０５３１号公報

しかしながら、上記の技術によれば、マスキングの位置決めや形状制御性の精度が低いことにより、磁歪層の磁気特性の個体差が大きくなり磁歪層を上記の模様に形成することが困難であるという問題があった。

そこで、本発明は、磁歪層が精度良く位置決めされた模様を有するものとすることのできる、磁歪軸の製造方法を提供することを目的とする。

本発明の要旨構成は、以下の通りである。
本発明の磁歪軸の製造方法は、回転軸の外周面に所定の模様を有する磁歪層を有する磁歪軸の製造方法であって、
前記回転軸の外周面に前記磁歪層を形成する、磁歪層形成工程と、
前記磁歪層の前記所定の模様として残す部分を樹脂でマスキングする、マスキング工程と、
前記磁歪層の、前記樹脂によりマスキングされていない部分を除去する、磁歪層一部除去工程と、を含み、
前記マスキング工程において、前記樹脂は、型を用いて成形されることを特徴とする。
本発明の磁歪軸の製造方法によれば、磁歪層が精度良く位置決めされた模様を有するものとすることができる。

本発明の磁歪軸の製造方法では、前記樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
この方法によれば、より一層、磁歪層の模様を精度良く位置決めすることができる。

本発明の磁歪軸の製造方法では、前記熱可塑性樹脂は、熱可塑性ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリオレフィン樹脂、及び湿気硬化型ウレタン樹脂のいずれかであることが好ましい。
上記の材料は、マスキング工程で成型しやすく、マスキング除去工程において除去が容易なため、特に適している。

本発明の磁歪軸の製造方法によれば、磁歪層が精度良く位置決めされた模様を有する磁歪軸を得ることができる。

（ａ）〜（ｄ）本発明の一実施形態にかかる磁歪軸の製造方法のフロー図である。

以下の、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に例示説明する。

図１（ａ）〜（ｄ）は、本発明の一実施形態にかかる磁歪軸の製造方法のフロー図である。図１（ａ）〜（ｄ）に示すように、本実施形態においては、まず、回転軸１の外周面に磁歪層２を形成する（磁歪層形成工程（図１（ａ））。

回転軸１は、任意の既知の材料を用いることができ、例えば、炭素鋼、クロムモリブデン鋼、又はステンレス鋼とすることが好ましい。回転軸１のサイズ等は特に限定されず、用途等に応じて適宜設定することができる。

磁歪層２は、任意の既知の材料を用いることができ、磁性合金や金属ガラス材料等を用いることが好ましい。

また、回転軸１の外周面上への磁歪層２の形成は、溶射により行うことが好ましく、火炎噴射等により、磁歪層２の材料である磁性合金や金属ガラス材料等を溶融し、溶融した材料を冷却（放置による室温での冷却を含む）により固化することができる。

なお、本発明において、「回転軸１の外周面」とは、回転軸１の外周面の一部である場合も全部である場合も含まれる。

次に、磁歪層形成工程の後、磁歪層２の所定の模様（なお、簡略化のため、図示では省略しているが、本実施形態において、「所定の模様」は、回転軸１の回転により透磁率が変化するように構成されたものであり、軸に対して略斜めの縞模様である。）として残す部分を樹脂３でマスキングする（マスキング工程（図１（ｂ））。

本実施形態では、図１（ｂ）に示すように、マスキング工程において、樹脂３は、型４を用いて成形される。型４としては金型を用い、磁歪層の模様を精度よく位置決めすることが特に好ましい。図１（ｂ）に示す例では、型４は、この断面で凹部（図示例では３つの凹部）を有しており、この凹部の形状と樹脂３の形状が対応する。このため、凹部の位置は、磁歪層２の上記の模様に対応する。

上記マスキング工程においては、より具体的には、溶融した樹脂を型４に流し込み、溶融した樹脂を冷却（放置による室温での冷却を含む）により固化する。上記樹脂は固化時間が短いため、サイクルタイムの短縮、生産性向上につながる。

次に、マスキング工程の後、型４を外し、磁歪層２の、樹脂３によりマスキングされていない部分を除去する（磁歪層一部除去工程（図１（ｃ））。

この磁歪層一部除去工程は、例えば、ショットブラスト、化学処理によるエッチング、切削等の機械加工などで行うことができる。

次に、磁歪層一部除去工程の後、樹脂３のマスキングを除去する（マスキング除去工程（図１（ｄ））。樹脂３のマスキングの除去は、熱処理、水やアルカリ溶液による洗浄等により行うことができる。

そして、図１（ｄ）に示すように、回転軸１の外周面に上記の模様を有する磁歪層２が形成された磁歪軸５が得られる。
以下、本実施形態の磁歪軸の製造方法の作用効果について説明する。

本実施形態の磁歪軸の製造方法によれば、回転軸１と型４の位置を正確に定めることにより、樹脂３が型４を用いて形成する際に、型４により樹脂３の位置が精度良く位置決めされる。これにより、マスキングの位置が精度良く位置決めされるため、磁歪層一部除去工程において、樹脂３の除去される部分と除去されない部分とを所期した位置のものとすることができる。
このように、本発明の磁歪軸の製造方法によれば、磁歪層２が精度良く位置決めされた模様を有する磁歪軸５を得ることができる。

本発明においては、樹脂３は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂を用いることにより、型４に溶融した樹脂３を流し込む際には、流動性が高いため、型４に応じた形状にしやすく、一方で、冷却により固化した後には硬度が大きくなるため、型４により位置決めされた位置が固定されてずれにくい。従って、マスキングをより一層所期した形状及び位置とすることができ、また、より一層位置ずれが生じづらくなるので、磁歪層２が精度良く位置決めされた模様を有するものとすることができる。また、この場合、マスキング除去工程においては、熱処理を行うことが好ましく、これにより樹脂３が溶融し、再び流動性が高くなって容易に除去することができる状態となる。さらに、一般的な熱可塑性樹脂は、コストも廉価であり、取り扱いも容易である。

また、本発明の磁歪軸の製造方法では、前記熱可塑性樹脂は、熱可塑性ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリオレフィン樹脂、及び湿気硬化型ウレタン樹脂のいずれかであることが好ましい。
上記の材料は、上述した作用効果を得るのに適しており、磁歪層２の模様を精度良く位置決めするのに特に適しているからである。

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではない。

１：回転軸、２：磁歪層、３：樹脂、４：型、５：磁歪軸

Claims

回転軸の外周面に、所定の模様を有する磁歪層を有する磁歪軸の製造方法であって、
前記回転軸の外周面に前記磁歪層を形成する、磁歪層形成工程と、
前記磁歪層の前記所定の模様として残す部分を樹脂でマスキングする、マスキング工程と、
前記磁歪層の、前記樹脂によりマスキングされていない部分を除去する、磁歪層一部除去工程と、を含み、
前記マスキング工程において、前記樹脂は、型を用いて成形されることを特徴とする、磁歪軸の製造方法。
前記樹脂は、熱可塑性樹脂である、請求項１に記載の磁歪軸の製造方法。
前記熱可塑性樹脂は、熱可塑性ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリオレフィン樹脂、及び湿気硬化型ウレタン樹脂のいずれかである、請求項２に記載の磁歪軸の製造方法。