JP2019006681A - エルデカルシトール含有医薬組成物及びそれを含むエルデカルシトール含有固形製剤 - Google Patents

エルデカルシトール含有医薬組成物及びそれを含むエルデカルシトール含有固形製剤 Download PDF

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Abstract

【課題】安定性に優れたエルデカルシトール含有医薬組成物及びそれを含むエルデカルシトール含有固形製剤を提供する。
【解決手段】本発明に一実施形態に係るエルデカルシトール含有医薬組成物は、エルデカルシトールと、pHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤と、有機溶媒に可溶性を有するポリマーと、を含有することを特徴とする。また、前記ケイ酸系吸着剤がメタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、及び合成ケイ酸アルミニウムからなる群から選択される一つ以上のケイ酸系吸着剤であってもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、エルデカルシトール含有医薬組成物に関する。特に、本発明は、安定性に優れたエルデカルシトール含有医薬組成物及びそれを含むエルデカルシトール含有固形製剤に関する。
エルデカルシトール((1R,2R,3R,5Z,7E)-2-(3-Hydroxypropyloxy)-9,10-secocholesta-5,7,10(19)-triene-1,3,25-triol)は活性型ビタミンD3誘導体である(特許文献1)。活性型ビタミンD3誘導体は、慢性腎不全、副甲状腺機能低下症、ビタミンD抵抗性クル病、骨軟化症におけるビタミンD代謝異常に伴う諸症状(低カルシウム血症、テタニー、骨痛、骨病変等)の改善や、骨粗鬆症の治療に使用されている。活性型ビタミンD3誘導体は化学的には熱、光、酸素、水分等に対して不安定である(特許文献2)。
また、特許文献2には、界面活性剤で水に可溶化した状態での活性型ビタミンD3類の分解反応速度が、pHが低い領域で大きいが、pHの上昇とともに減少しpHが6.5〜8.0付近で極小となり、pHが更に上昇すると再び増加する傾向にあることが記載され、有機溶媒に対して易溶性の賦形剤中に分散された活性型ビタミンD3類組成物と塩基性物質とからなる活性型ビタミンD3類固型製剤であって、塩基性物質が、クエン酸ナトリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸3ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウムからなる群から選ばれる一種又は二種以上であり、そして塩基性物質の量が該活性型ビタミンD3類に対して1〜5,000,000重量倍である活性型ビタミンD3類固型製剤が記載されている。特許文献2の実施例では、活性型ビタミンD3類の溶液と有機溶媒に易溶性の賦形剤は、乳糖または結晶セルロースに吸着されており、この場合に安定性を向上させるためには、塩基性物質を加える必要があり、また加える塩基性物質は上記の特定の物質に限られることがわかる。
特許第5529104号 特許第2525478号
本発明の一つの目的は、安定性に優れたエルデカルシトール含有医薬組成物及びそれを含むエルデカルシトール含有固形製剤を提供することである。
本発明の一実施形態によると、エルデカルシトールと、pHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤と、有機溶媒に可溶性を有するポリマーと、を含有することを特徴とするエルデカルシトール含有医薬組成物が提供される。
前記pHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤がメタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、及び合成ケイ酸アルミニウムからなる群から選択される一つ以上のケイ酸系吸着剤であってもよい。
前記エルデカルシトールと、前記有機溶媒に可溶性を有するポリマーとは、前記pHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤の表面及び/又は空孔内に吸着していてもよい。
本発明の一実施形態によると、前記何れかエルデカルシトール含有医薬組成物を含有し、前記エルデカルシトールの含有量が0.5μg又は0.75μgであることを特徴とするエルデカルシトール含有固形製剤が提供される。
本発明の一実施形態によると、安定性に優れたエルデカルシトール含有医薬組成物及びそれを含むエルデカルシトール含有固形製剤が提供される。
以下、本発明に係るエルデカルシトール含有医薬組成物及びそれを含むエルデカルシトール含有固形製剤について説明する。但し、本発明のエルデカルシトール含有医薬組成物及びそれを含むエルデカルシトール含有固形製剤は、以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
特許文献2には、活性型ビタミンD3類組成物を分散させるために用いられる、有機溶媒に対して易溶性である賦形剤の水溶液あるいは水懸濁液は、弱酸性であるが、固型製剤に添加しうる通常の添加物の水溶液あるいは水懸濁液のpHを調べたところ、デンプン類:約4.5〜6.0,結晶セルロース:約5.5〜6.5、乳糖:約4.0〜6.0,マンニトール:約5.5〜6.5,ショ糖:約7.0、ゼラチン:約4.0〜7.0、リン酸Ca:約6.5、ケイ酸アルミニウム:約7、カオリン:約4.0〜6.0等であり、多くが該水溶液あるいは該水懸濁液の弱酸性を中和できないこと、又水酸化アルミニウムゲル、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム等は中和能力を有するがもともと含水量が多いのでこれらを含有する固型製剤中の活性型ビタミンD3類の含量が高温多湿の条件にさらされる以前に若干低下すること、従って有機溶媒に対して易溶性の賦形剤に分散された活性型ビタミンD3類組成物とともに活性型ビタミンD3固型製剤の成分として添加しうる中和能のある物質は塩基性を有する含水量が少ない条件を満たすものでなければならないことが記載されている。
本発明者が検討した結果、特許文献2において好ましくない添加剤として記載されたケイ酸アルミニウム等のケイ酸系の添加剤を、エルデカルシトールと有機溶媒に可溶性を有するポリマーとの混合物を吸着させるための吸着剤として用いることにより、エルデカルシトールの安定化に有効であることを見出した。
本発明の一実施形態に係るエルデカルシトール含有医薬組成物は、エルデカルシトールと、pHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤と、有機溶媒に可溶性を有するポリマーと、を含有する。エルデカルシトールの含有量は、期待される治療効果に応じて適宜選択可能であるが、例えば、エルデカルシトール錠又はカプセル剤の1錠に対して、0.5μg又は0.75μgであるが、これらに限定されない。
本発明の一実施形態に係るpH6.0以上であるケイ酸系吸着剤は、例えば、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、及び合成ケイ酸アルミニウムからなる群から選択される一つ以上である。ここでいうpHは、試料2gを量り、水を加えて全量を50mlとし、撹拌した後にpHメーターで測定したときのpH値である。メタケイ酸アルミン酸マグネシウムは、エルデカルシトールの安定化に優れ、特に好ましい。本実施形態において、pHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤は、エルデカルシトールと有機溶媒に可溶性を有するポリマーとの混合物を吸着させることにより、エルデカルシトールの類縁物質の生成を抑制し、エルデカルシトールの安定性に寄与する。
本発明の一実施形態に係る有機溶媒に可溶性を有するポリマーは、有機溶媒に易溶性を有するポリマーであることが好ましく、エタノールに可溶性、特に易溶性を有するポリマーであることが好ましい。このような有機溶媒に可溶性を有するポリマーは、例えば、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマー、エチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、コポリビドン、酢酸ビニル樹脂、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーS、メタクリル酸コポリマーLD、アクリル酸エチル・メタクリル酸コポリマー分散液等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのポリマーは、エルデカルシトール含有医薬組成物における類縁物質の生成を抑制し、エルデカルシトールの残存率を向上させることができる。
なお、エルデカルシトールは水にはほとんど溶けないため、有機溶媒に溶解させて、有機溶媒に可溶性を有するポリマーとともに、pHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤に吸着させる必要がある。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコールが挙げられる。一実施形態において、有機溶媒としてエタノールを好適に用いることができる。
本発明の一実施形態に係るエルデカルシトール含有医薬組成物は、ケイ酸系吸着剤が多孔性添加剤であるため、ケイ酸系吸着剤の表面及び/又は空孔内にエルデカルシトールと有機溶媒に可溶性を有するポリマーとが吸着した構造を有する。
また、本発明に係るエルデカルシトール含有医薬組成物は、一実施形態において、他の賦形剤、結合剤、崩壊剤、抗酸化剤、着色剤、滑沢剤等ともに、錠剤、カプセル剤、顆粒剤又は散剤等とすることができる。
賦形剤としては、例えば、デンプン、結晶セルロース、セルロース誘導体およびその塩、デキストリン、乳糖、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、トレハロース、メタクリル酸コポリマー、無水リン酸水素カルシウム、白糖、タルク(天然合水ケイ酸マグネシウム)、カオリン、沈降炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、酸化チタン、軽質無水ケイ酸、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
結合剤としては、例えば、デンプン、デキストリン、トラガント、ゼラチン、ポビドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、ヒプロメロース、エチルセルロース、カルメロース、メタクリル酸コポリマー、白糖、水あめ、アラビアゴム等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
崩壊剤としては、例えば、デンプン、結晶セルロース、カルメロースカルシウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カンテン末等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
抗酸化剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、レシチン、α−トコフェロール、ヒドロキノン、没食子酸オクチル、没食子酸ドデシル、没食子酸イソアミル、ノルジヒドログアイアレティック酸、グアヤク脂、α−ナフチルアミン、プロトカテキュ酸エチル(EPG)、アスコルビン酸、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、システイン塩酸塩、アスコルビン酸ステアリン酸ナトリウム、チオグリセロール、チオソルビトール等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
着色剤としては、例えば、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、タール色素等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
滑沢剤としては、例えば、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ホウ酸、パラフィン、ココアバター、マクロゴール、ロイシン、安息香酸ナトリウム等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
[医薬組成物の製造方法]
一実施形態において、エルデカルシトールを有機溶媒、例えばエタノールに溶解させる。エルデカルシトール溶液に有機溶媒に可溶性のポリマー(有機溶媒がエタノールである場合には、エタノールに可溶性のポリマー)を溶解させる。
エルデカルシトールと有機溶媒に可溶性を有するポリマーとの溶液を、pHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤に吸着させる。このとき、他の添加剤をpHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤と混合し、この混合物に、エルデカルシトールと有機溶媒に可溶性を有するポリマーとの溶液を吸着させてもよい。
pHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤にエルデカルシトールと有機溶媒に可溶性を有するポリマーの溶液とを吸着させる方法としては、pHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤にエルデカルシトールと有機溶媒に可溶性を有するポリマーとの溶液を添加した後に、乾燥により有機溶媒を除去する方法、エルデカルシトールと有機溶媒に可溶性を有するポリマーとの溶液にpHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤を混合して噴霧乾燥する方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。以上の工程により、本発明に係るエルデカルシトール含有医薬組成物を製造することができる。
また、エルデカルシトール含有医薬組成物に、上述した他の添加剤を添加して、常法により、錠剤、カプセル剤、顆粒剤又は散剤等の固形製剤とすることができる。
エルデカルシトールとの接触安定性を以下の方法で確認した。
<エルデカルシトール水溶液の調製>
水と界面活性剤にエルデカルシトールおよび4−ヒドロキシ安息香酸ヘプチル(内部標準物質)を溶解させた。このとき、エルデカルシトールの重量を3として、4−ヒドロキシ安息香酸ヘプチルの重量が2となるように調整し、エルデカルシトール水溶液を得た。
(参考例1)
参考例1として、pHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤として、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(富士化学工業株式会社、ノイシリンUFL2)を0.75g用いた。エルデカルシトール水溶液をメタケイ酸アルミン酸マグネシウムに添加、混合した後に、40℃で20時間加温して溶媒を除去して乾燥するとともに、乾燥物を保管した。このとき、エルデカルシトールの重量を1として、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの重量が2,500となるように調製し、参考例1のエルデカルシトール含有医薬組成物を得た。
(参考例2)
参考例2として、pHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤に、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(富士化学工業株式会社、ノイシリンFH2)を0.75g用いたこと以外は、参考例1と同様に、参考例2のエルデカルシトール含有医薬組成物を得た。
(参考例3)
参考例3として、pHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤に、軽質無水ケイ酸(フロイント産業株式会社、アドソリダー101)を0.75g用いたこと以外は、参考例1と同様に、参考例3のエルデカルシトール含有医薬組成物を得た。
(参考例4)
参考例4として、pHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤に、合成ケイ酸アルミニウム(協和化学工業)を0.75g用いたこと以外は、参考例1と同様に、参考例4のエルデカルシトール含有医薬組成物を得た。
(参考例5)
参考例5として、pHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤の代わりに、含水二酸化ケイ素(フロイント産業株式会社、アドソリダー102)を0.75g用いたこと以外は、参考例1と同様に、参考例5のエルデカルシトール含有医薬組成物を得た。
(参考例6)
参考例6として、pHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤の代わりに、結晶セルロース(旭化成株式会社、セオラス(登録商標)KG−802)を0.75g用いたこと以外は、参考例1と同様に、参考例6のエルデカルシトール含有医薬組成物を得た。
参考例1〜6のエルデカルシトール含有医薬組成物のエルデカルシトールの残存率を測定した。エルデカルシトールの残存率の測定は以下の方法で実施した。なお、参考例1〜4のケイ酸系吸着剤、参考例5の含水二酸化ケイ素及び参考例6の結晶セルロースのpHは、試料2gを量り、水を加えて全量を50mlとし、撹拌した後にpHメーターで測定した。
<標準溶液の調製>
エルデカルシトールとして2.5μg含有する量をエルデカルシトール水溶液から量りとり、メタノールを加え正確に10mLとしたものを標準溶液とした。
<試料溶液の調製>
エルデカルシトールとして2.5μg含有する量をエルデカルシトール含有組成物から量りとり、メタノールを加えて正確に10mLとしたものを試料溶液とした。
<HPLC分析>
試料溶液および標準溶液50μLを、下記の条件でHPLC分析に供した。
カラム:オクタデシルシリル(ODS)カラム(250×4.6mm,5μm)
移動相:アセトニトリル・水混液(1:1)
流速:1.2 mL/分
検出波長:265 nm
カラム温度:30℃
分析結果を表1に示す。エルデカルシトールとプレ体のピーク面積の総和と内部標準のピーク面積の相対比から、エルデカルシトールの残存率を評価した。このとき、標準溶液における、エルデカルシトールとプレ体のピーク面積の総和と内部標準のピーク面積の相対比を残存率100%の値とした。なお、プレ体とは、6Z−(1R,2R,3R)−2−(3ヒドロキシプロポキシ)−9,10−セココレスタ−5(10),6,8(9)−トリエン−1,3,25−トリオールのことであり、エルデカルシトールと、油液中、水溶液中または有機溶媒中において平衡関係にある異性体として存在する化合物である。なお、表1においては、pHは、カタログ値または規格値と実測値を併記した。
Figure 2019006681
表1より、pHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤を用いた参考例1〜4のエルデカルシトール含有医薬組成物では、エルデカルシトールの残存率が高く、pHが3.6のケイ酸系吸着剤を用いた参考例5および、ケイ酸系吸着剤ではない、結晶セルロースを用いた参考例6のエルデカルシトール含有医薬組成物では十分な安定性が得られないことが明らかとなった。したがって、ケイ酸系吸着剤を吸着剤に用いる場合であっても酸性のケイ酸系吸着剤、pH6.0以上をとりうるものであっても結晶セルロースではエルデカルシトールの安定性を確保できない。
エルデカルシトール含有固形製剤を以下の方法で作成した。
<エルデカルシトールエタノール溶液の調整>
エタノールにエルデカルシトールおよび4−ヒドロキシ安息香酸ヘプチル(内部標準物質)を溶解させた。このとき、エルデカルシトールの重量を3として、4−ヒドロキシ安息香酸ヘプチルの重量が2となるように調整し、エルデカルシトールエタノール溶液を得た。
(実施例1)
本発明の実施例1として、pHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤として、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(富士化学工業株式会社、ノイシリンUFL2)を12.6g用い、有機溶媒に可溶性を有するポリマーとして、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE(Evonik Roehm GmbH、オイドラギットEPO)を3.2g用いた。エルデカルシトールを1.6mg含有する量をエルデカルシトールエタノール溶液から量りとり、有機溶媒に可溶性を有するポリマーを溶解させた溶液を調製した。調製した溶液をメタケイ酸アルミン酸マグネシウムと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業株式会社、L−HPC(21))8.8gに添加、混合した後に、50℃で1.5時間乾燥させて溶媒を除去した。このエルデカルシトール組成物と、D−マンニトール、ポリビニルアルコール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースからなる造粒物291.8gおよびステアリン酸マグネシウム1.0gを混合して打錠し、実施例1のエルデカルシトール含有固形製剤を得た。
(比較例1)
比較例1として、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムに替えて、結晶セルロース(旭化成株式会社、セオラス(登録商標)KG−802)を用いたこと以外は、実施例1と同様に、比較例1のエルデカルシトール含有固形製剤を得た。
実施例1及び比較例1のエルデカルシトール含有固形製剤のエルデカルシトールの残存率を測定した。標準溶液の調製において、エルデカルシトール水溶液に替えて、エルデカルシトールエタノール溶液を用いたこと以外は、エルデカルシトールの残存率の測定は上述した方法を用いた。
分析結果を表2に示す。なお、表2においては、pHは、カタログ値または規格値と実測値を併記した。
Figure 2019006681
比較例1では残存率が低下しており、製剤化による有効成分含量の低下が認められたが、実施例1では製剤化による有効成分含量の低下はなかった。表2の結果から、pHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤を用いた実施例1のエルデカルシトール含有固形製剤は安定性に優れることが明らかとなった。

Claims (4)

  1. エルデカルシトールと、
    pHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤と、
    有機溶媒に可溶性を有するポリマーと、を含有することを特徴とするエルデカルシトール含有医薬組成物。
  2. 前記pHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤がメタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、及び合成ケイ酸アルミニウムからなる群から選択される一つ以上のケイ酸系吸着剤であることを特徴とする請求項1に記載のエルデカルシトール含有医薬組成物。
  3. 前記エルデカルシトールと、前記有機溶媒に可溶性を有するポリマーとは、前記pHが6.0以上であるケイ酸系吸着剤の表面及び/又は空孔内に吸着していることを特徴とする請求項2に記載のエルデカルシトール含有医薬組成物。
  4. 請求項1乃至3の何れか一に記載のエルデカルシトール含有医薬組成物を含有し、
    前記エルデカルシトールの含有量が0.5μg又は0.75μgであることを特徴とするエルデカルシトール含有固形製剤。
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