JP2019006434A - 流路形成部材および包装袋 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、簡単な操作で、片手でも注出方向と注出量を制御可能な流路形成部材および包装袋を提供する。
【解決手段】本発明の流路形成部材は、内容物を収容する収容部の注出側に設けられる流路形成部材であって、収容部の端部に固定される基部と、基部の一端側から収容部の外側へ突出するノズル部と、基部およびノズル部を貫通するとともに収容部の収容空間に連通する流路と、流路形成部材に取り付けられ流路の開口側を閉塞するキャップと、を備え、基部およびノズル部のうちキャップと重ならない部分に、流路の径方向の内側へ向かって変形可能な弾性変形部を有している。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の流路形成部材は、内容物を収容する収容部の注出側に設けられる流路形成部材であって、収容部の端部に固定される基部と、基部の一端側から収容部の外側へ突出するノズル部と、基部およびノズル部を貫通するとともに収容部の収容空間に連通する流路と、流路形成部材に取り付けられ流路の開口側を閉塞するキャップと、を備え、基部およびノズル部のうちキャップと重ならない部分に、流路の径方向の内側へ向かって変形可能な弾性変形部を有している。
【選択図】図1
Description
本発明は、流路形成部材および包装袋に関するものである。
近年、コスト面や生活者の環境意識の高まり等から、液体洗剤や柔軟剤等の液体製品分野において本体ボトルに対する詰め替え容器を用いる比率が高まってきている。詰め替え容器としては、例えば、フィルムからなる収容部と、収容部内に収容された内容物を注出するスパウト(流路形成部材)とを備えた詰め替え用パウチ(包装袋)等が知られている。
複数回の詰め替えを可能にする大容量の詰め替え用パウチでは、特に初回の詰め替え時には製品重量が重いため、非力な女性、年少者や高齢者にとっては、詰め替え用パウチを支えながら内容物の注出量を制御することが難しい。そのため、スパウトの注ぎ口から思わぬ方向に内容液が飛び出してしまったり、注出量が多すぎたりして、本体ボトルの口元の周囲にこぼしたり、液を垂らしたりしてしまう。
特許文献1,2には、初期状態では注ぎ口が閉塞されたスパウトの構成が開示されている。このようなスパウトを備えたパウチでは、詰め替え作業を行う際に、パウチの収容部を押圧することによって流路を開口させて注出を行う。
上記した構成では、内容物の注出量をスパウトで制御することは難しく、詰め替え用パウチの傾き具合でしか制御することができない。
本発明の一つの態様は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、簡単な操作で、片手でも注出方向を制御しつつ、かつ注出量を制御可能な流路形成部材および包装袋を提供することを目的とする。
本発明の一態様における流路形成部材は、内容物を収容する収容部の注出側に設けられる流路形成部材であって、前記収容部の端部に固定される基部と、前記基部の一端側から前記収容部の外側へ突出するノズル部と、前記基部および前記ノズル部を貫通するとともに前記収容部の収容空間に連通する流路と、前記流路形成部材に取り付けられ前記流路の開口側を閉塞するキャップと、を備え、前記基部および前記ノズル部のうち前記キャップと重ならない部分に、前記流路の径方向の内側へ向かって変形可能な弾性変形部を有している。
本発明の一態様における流路形成部材は、前記弾性変形部は、前記基部あるいは前記ノズル部の周壁の厚さが部分的に薄く形成された薄肉部分からなる構成としてもよい。
本発明の一態様における流路形成部材は、前記弾性変形部の内側には前記径方向に突出する突起部が設けられている構成としてもよい。
本発明の一態様における流路形成部材は、前記突起部が一対設けられており、前記径方向で互いに間隔をおいて対向している構成としてもよい。
本発明の一態様における流路形成部材は、前記基部は、内側に前記流路が形成される円筒形状の中央部と、前記中央部の径方向両外側へ突出する一対の突出部と、を有し、前記一対の突起部は、前記一対の突出部が存在する方向とは交差する方向で互いに対向している構成としてもよい。
本発明の一態様における流路形成部材は、前記流路形成部材の少なくとも一部が、硬質樹脂からなる第1部分と、軟質樹脂からなる第2部分とから構成され、前記弾性変形部が前記第2部分で形成されている構成としてもよい。
本発明の一態様における流路形成部材は、前記第1部分は、前記流路形成部材の周方向の少なくとも一部に設けられ、前記第1部分と前記第2部分とが前記径方向で重なる位置があるように設けられている構成としてもよい。
本発明の一態様における包装袋は、内容物を収容する収容部と、前記収容部の注出側に設けられた流路形成部材と、を備え、前記流路形成部材として、上記の流路形成部材を備えた構成となっている。
本発明によれば、簡単な操作で、片手でも注出方向を制御しつつ、かつ注出量を制御可能な流路形成部材および包装袋を提供することができる。
[包装袋]
まず、本発明の一実施形態における包装袋について説明する。
なお、以下の各図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
図1は、本発明に係る詰め替え用パウチ1の構成を示す平面図である。図2は、本発明に係るスパウト4の構成を示す斜視図である。図3は、本発明に係る詰め替え用パウチ1内の内容物を本体ボトルに詰め替える様子を示す図である。
まず、本発明の一実施形態における包装袋について説明する。
なお、以下の各図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
図1は、本発明に係る詰め替え用パウチ1の構成を示す平面図である。図2は、本発明に係るスパウト4の構成を示す斜視図である。図3は、本発明に係る詰め替え用パウチ1内の内容物を本体ボトルに詰め替える様子を示す図である。
詰め替え用パウチ(包装袋)1は、図1に示すように、内容物が収容される収容部3と、収容部3に連通し、収容部3内の内容物を注出するスパウト(流路形成部材)4と、を有して構成されている。スパウト4は、収容部3内に収容された内容物を注出させる部位である。
収容部3は、複数の可撓性フィルム3a,3bが重ね合わされ、各可撓性フィルム3a,3bの周縁のうち、一部を除くその他の部分がヒートシールによって封止されて一体に形成され、袋体が構成されている。なお、各可撓性フィルム3a,3bの周縁のうちヒートシールされなかった部分には、スパウト4が取り付けられる。
なお、互いに重ね合せた2枚の可撓性フィルム3a,3bの周縁をシールして一体に形成する方法に限られず、1枚の可撓性フィルムを折り返して重ねた部分の周縁をシールすることで一体に形成する方法でもよい。
また、2枚の可撓性フィルム3a,3bの間に2つ折りにした底側可撓性フィルム3cを介在させてもよい。このとき、底側可撓性フィルム3cをその折り返し部3dが収容部3の内側に向くように配置させることによって、収容部3に収容される内容物の重さによって底側可撓性フィルム3cが下方へ押し拡げられることで、詰め替え用パウチ1が自立可能になる。
収容部3を構成する可撓性フィルム3a,3b,3cの各々は、少なくとも基材とシール層とを積層してなる積層体であってもよい。
基材の材質としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはその鹸化物などが挙げられる。可撓性フィルム3a,3b,3cは、無延伸のものであってもよいし、一軸延伸したものであってもよいし、二軸延伸したものであってもよい。材質がナイロン、ポリエチレンテレフタレートの場合には、機械的強度が向上することから、二軸延伸したものが好ましい。
シール層としては、ヒートシールのしやすさから、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン)等の材料が挙げられる。
また、収容部3のガスバリア性向上のために、可撓性フィルム3a,3b,3cの各々は、基材およびシール層の他に金属箔がさらに積層された積層体であってもよい。
基材の材質としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはその鹸化物などが挙げられる。可撓性フィルム3a,3b,3cは、無延伸のものであってもよいし、一軸延伸したものであってもよいし、二軸延伸したものであってもよい。材質がナイロン、ポリエチレンテレフタレートの場合には、機械的強度が向上することから、二軸延伸したものが好ましい。
シール層としては、ヒートシールのしやすさから、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン)等の材料が挙げられる。
また、収容部3のガスバリア性向上のために、可撓性フィルム3a,3b,3cの各々は、基材およびシール層の他に金属箔がさらに積層された積層体であってもよい。
スパウト4は、図1に示すように、2枚の可撓性フィルム3a,3bの周縁のうち未接着とされた部分に配置され、その後、可撓性フィルム3a,3bとともにヒートシールされることによって各可撓性フィルム3a,3bと一体とされる。
スパウト4は、図2に示すように、収容部3の端部に固定される基部41と、基部41の一端側から収容部3の外側へ突出するノズル部42と、基部41およびノズル部42を貫通するとともに収容部3の収容空間Kに連通する流路43と、ノズル部42に取り付けられることで流路43の開口側を閉塞するキャップ44と、を有して構成されている。
ノズル部42の外周面には、螺旋状の雄ネジ部11と、周方向に亘って形成された環状凸部12とが形成されている。この雄ネジ部11にキャップ44側の雌ネジ部(不図示)を螺合させることによって、ノズル部42にキャップ44が装着される。この際、キャップ44の下端側が環状凸部12に当接することで回り止めがなされる。
ノズル部42の基部41側の端部には、フランジ部14が設けられている。フランジ部14は、軸方向から見て横長八角形の平板状をなし、ノズル部42の下端部を構成している。フランジ部14よりも下端側に基部41が形成されている。
基部41は、円筒形状をなす中央部41aと、中央部41aの径方向両側から外側へ突出する一対の突出部41e,41eとを有している。軸方向から見た基部41の長手方向は、一対の突出部41e,41eが延在する方向(X方向)であり、収容部3の可撓性フィルム3a,3bの貼り合わせ面に沿う方向(X方向)に一致する。また、突出部41e,41eは、先端側(径方向外側)へ行くにしたがって厚みが薄くなるように形成されている。これにより、収容部3を構成する2枚の可撓性フィルム3a,3bどうしの間に挿入した状態で隙間なく熱溶着させることができる。
スパウト4は、フランジ部14を含むノズル部42の全体を収容部3から露出させるとともに基部41を収容部3の端部に熱溶着した状態で、収容部3に固定されている。具体的には、ノズル部42におけるフランジ部14の下面に収容部3の上端が当接した状態で、スパウト4が収容部3に対して熱溶着で固定されている。
スパウト4は、様々な形態の収容部3に取り付けることができ、自立型であってもよいし、そうでなくてもよい。
このような構成の詰め替え用パウチ1では、図3に示すように、本体ボトル108に対して内容物の詰め替え作業を行う際は、まず、スパウト4のキャップ44(図1)を取り、片方の手で詰め替え用パウチ1の収容部3を把持し、もう片方の手で詰め替え用パウチ1のスパウト4を把持する。そして、詰め替え用パウチ1を傾けながらその姿勢を調整することにより、スパウト4を本体ボトル108の口元107に近づける。そして、口元107に狙いを定めて内容物を注ぎいれる。
次に、上述したスパウト4の各実施形態(10,20,30)の構成について述べる。
なお、以下の各図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。なお、以下の説明において、先の構成と共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1および図2と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
なお、以下の各図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。なお、以下の説明において、先の構成と共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1および図2と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
[第1実施形態のスパウト10]
以下、本発明の第1実施形態のスパウト(流路形成部材)10について説明する。
図4は、第1実施形態のスパウト10の構成を示す図であって、図6のA−A線に沿う断面図である。図5は、第1実施形態のスパウト10の構成を示す図であって、図6のB−B線に沿う断面図である。図6は、第1実施形態のスパウト10の構成を示す底面図である。
以下、本発明の第1実施形態のスパウト(流路形成部材)10について説明する。
図4は、第1実施形態のスパウト10の構成を示す図であって、図6のA−A線に沿う断面図である。図5は、第1実施形態のスパウト10の構成を示す図であって、図6のB−B線に沿う断面図である。図6は、第1実施形態のスパウト10の構成を示す底面図である。
第1実施形態のスパウト10は、図4、図5および図6に示すように、ノズル部42Aの軸方向における一部に弾性変形部15を有しており、径方向内側へ弾性変形可能な構成とされている。弾性変形部15は、図4に示すように、ノズル部42Aのうちキャップ44(図1)と重ならない部分に形成されており、軸方向で環状凸部12とフランジ部14との間の領域に形成されている。
弾性変形部15の形成範囲としては、図4および図5に示すように、軸方向における長さLが15〜20mmの範囲内が好ましい。上記範囲内が好ましい理由としては、人体の寸法データ(第2指遠位関節幅)を参照し、女性の97.5パーセントタイル、男性の10パーセントタイルの人が、第2指遠位関節幅が15mmであり、男性の97.5パーセントタイルの人が、第2指遠位関節幅が20mmであることが挙げられる。そのため、弾性変形部15の軸方向長さLを上記範囲内に設定することによって、あらゆる人が、ノズル部42Aの弾性変形部15を親指と人差し指等で容易に摘まむことができる。
弾性変形部15は、円筒形状をなすノズル部42Aの周壁42bの厚さが部分的に薄く形成された薄肉部分からなる。この場合、図4に示すように、弾性変形部15における流路径を変えずに周壁42bの外側から厚みを削るように形成することが好ましい。
弾性変形部15の内側には、図4、図5および図6に示すように、周壁42bの内面から径方向に沿って突出する一対の突起部15a,15aが設けられている。各突起部15a,15aは、径方向両側の周壁42bの円弧に沿って設けられている。径方向に間隔Dをおいて対向する各突起部15a,15aは、互いの端部15b,15bどうしが互いに平行している。
ここで、図5および図6に示すように、一方の突起部15aと他方の突起部15aとの径方向における間隔Dは、3〜5mmの範囲内が好ましい。上記範囲内が好ましい理由としては、試作による検証の結果、間隔Dが3mm以下の場合では、突起部15a,15aの間を通過する流量が著しく低下して詰め替え作業が悪化していまい、間隔Dが5mm以上の場合では、流路43の閉塞が困難であることが分かったことが挙げられる。
一対の突起部15a,15aは、流路方向から見て、基部41Aの突出部41e,41eが存在する方向(X方向)とは交差する方向(Y方向)で、互いに対向するように設けられている。そのため、突出部41e,41eに邪魔されることなく、突起部15a,15aどうしを近接させる方向に弾性変形部15を弾性変形させることができ、流路43の開口率を調整することが可能である。
本実施形態のスパウト10を備えた詰め替え用パウチ1では、図3に示したように本体ボトル108に対して内容物の詰め替え作業を行う際は、収容部3を把持した手で詰め替え用パウチ1の把持姿勢(把持角度)を調整しつつ、スパウト10のうちノズル部42Aを把持した手で弾性変形部15の押圧具合を調整する。弾性変形部15を外側から図5中の矢印で示す方向へ押圧することによって、弾性変形部15の内側に形成された一対の突起部15a,15aどうしを近接させる方向(流路43を閉塞させる方向)に弾性変形させて、流路43の断面積を減少させる。
このように、スパウト10の弾性変形部15を押圧変形させることで流路43の開口率を調整することにより、内容物の注出量を制御し、本体ボトル108へ注ぎ入れる内容物の流量を適切な流量にすることが可能となる。よって、製品の重量が重い初回の詰め替えのとき、非力な女性、年少者や高齢者であっても、詰め替え用パウチ1を支えながら、注出方向の制御と注出液量の制御操作を片手で確実かつ容易に行うことができ、本体ボトル108の周囲に液をこぼしたり、液を垂らしてしまったりすることを防ぐことができる。
また、本実施形態によれば、弾性変形部15の各突起部15a,15a(端部15b,15b)を当接させることにより、流路43をほぼ完全に閉塞することも可能なため、詰め替え作業時における内容物の注出流量の制御をより確実に行うことができるとともに、詰め替え終了時の液切れ性も向上できる。
一方で、使用者が、キャップ44をした状態で詰め替え用パウチ1を把持しようとする時に弾性変形部15を摘まむと、弾性変形部15が押圧変形される。この際、雄ネジ部11にまで変形が伝播してしまうと、キャップ44との間の液密閉性が低下して、思わぬ液漏れに繋がる虞がある。また、キャップ44を開閉する際に、弾性変形部15を摘んだ状態でキャップ44を開閉しようとした場合、雄ネジ部11にまで変形が伝播していると開閉し難くなるという不具合を生じる。
これに対して本実施形態では、弾性変形部15の内側に設けられた突起部15a,15aによって上述したような不具合が生じるのが抑制される。つまり、突起部15a,15aどうしが当接した後は、押圧することができないため、これら突起部15a,15aが押圧操作に対するストッパーとしても機能し、過度な押圧変形によって弾性変形部15の変形が雄ネジ部11へ伝搬してしまうことを防止することができる。
これに対して本実施形態では、弾性変形部15の内側に設けられた突起部15a,15aによって上述したような不具合が生じるのが抑制される。つまり、突起部15a,15aどうしが当接した後は、押圧することができないため、これら突起部15a,15aが押圧操作に対するストッパーとしても機能し、過度な押圧変形によって弾性変形部15の変形が雄ネジ部11へ伝搬してしまうことを防止することができる。
[第2実施形態のスパウト20]
以下、本発明の第2実施形態のスパウト(流路形成部材)20について説明する。
図7は、第2実施形態のスパウト20の構成を示す図であって、図9のC−C線に沿う断面図である。図8は、第2実施形態のスパウト20の構成を示す図であって、図9のD−D線に沿う断面図である。図9は、第2実施形態のスパウト20の構成を示す底面図である。
以下、本発明の第2実施形態のスパウト(流路形成部材)20について説明する。
図7は、第2実施形態のスパウト20の構成を示す図であって、図9のC−C線に沿う断面図である。図8は、第2実施形態のスパウト20の構成を示す図であって、図9のD−D線に沿う断面図である。図9は、第2実施形態のスパウト20の構成を示す底面図である。
本実施形態のスパウト20は、基部41B側に弾性変形部25が設けられた構成である。
図7,図8および図9に示すように、弾性変形部25は、基部41Bの軸方向長さの全体に形成されている。そのため、基部41Bの軸方向長さは、上述した弾性変形部25の形成範囲(軸方向における長さLが15〜20mmの範囲内)と一致していることが好ましい。
図7,図8および図9に示すように、弾性変形部25は、基部41Bの軸方向長さの全体に形成されている。そのため、基部41Bの軸方向長さは、上述した弾性変形部25の形成範囲(軸方向における長さLが15〜20mmの範囲内)と一致していることが好ましい。
弾性変形部25は、基部41Bの周壁41bの厚さが部分的に薄く形成された薄肉部分41d,41dからなる。本実施形態では、流路43の径を拡げるように、周壁41bの内側から厚みを削るように形成されている。基部41Bには一対の突出部41e,41eが設けられていることから、周壁41bのうち突出部41e,41eが存在する径方向(X方向)の両側の領域を除く、その他の領域が薄肉部分41d,41dとなる。すなわち、基部41Bのうち、突出部41e,41eが存在しない径方向(Y方向)の両側にそれぞれ形成された薄肉部分41d,41dが、弾性変形部25として機能する。
基部41Bの内側には、図7,図8および図9に示すように、薄肉部分41d,41dに対応する周壁41bの内面に一対の突起部25a,25aが設けられており、各突起部25a,25a(端部25b,25b)が径方向(Y方向)に上述した所定の間隔D(図6)をおいて対向している。そのため、突起部25a,25aどうしを近接させる方向に薄肉部分41d、41dを弾性変形させることにより、流路43の開口率を調整することが可能である。
一方、ノズル部42Bは薄肉に形成された部分はなく、内側に形成される流路43の流路径が軸方向で一定となっている。また、本実施形態においては、弾性変形部25が基部41B側に設けられた構成のため、ノズル部42Bの環状凸部12とフランジ部14との間の軸方向の長さLが図4及び図5に図示した長さよりも短い構成でも構わない。
本実施形態のスパウト20を備えた詰め替え用パウチ1では、本体ボトル108に対して内容物の詰め替え作業を行う際は、スパウト20のノズル部42Bを把持するのではなく、収容部3の端部に固定された基部41B側を把持する。そして、基部41Bに形成された弾性変形部25(薄肉部分41d,41d)を径方向(Y方向)の両側から、図9中の矢印で示す方向へ押圧することによって、弾性変形部25の内側に形成された一対の突起部25a,25aどうしを近接させる方向に弾性変形させて、流路43の開口率を調整することにより、内容物の注出量を制御することが可能である。本実施形態のスパウト20においても、本体ボトル108へ注ぎ入れる内容物の流量を適切な流量にすることが可能である。
[第3実施形態のスパウト30]
以下、本発明の第3実施形態のスパウト(流路形成部材)30について説明する。
図10は、第3実施形態のスパウト30の構成を示す図であって、図12のE−E線に沿う断面図である。図11は、第3実施形態のスパウト30の構成を示す図であって、図12のF−F線に沿う断面図である。図12は、第3実施形態のスパウト30の構成を示す底面図である。図13は、第3実施形態のスパウト30の構成を示す図であって、図11のG−G線に沿う断面図である。
以下、本発明の第3実施形態のスパウト(流路形成部材)30について説明する。
図10は、第3実施形態のスパウト30の構成を示す図であって、図12のE−E線に沿う断面図である。図11は、第3実施形態のスパウト30の構成を示す図であって、図12のF−F線に沿う断面図である。図12は、第3実施形態のスパウト30の構成を示す底面図である。図13は、第3実施形態のスパウト30の構成を示す図であって、図11のG−G線に沿う断面図である。
第3実施形態のスパウト30は、少なくともノズル部42Cの一部が異材質成形(2色成形)されてなる。ノズル部42Cは、軸方向の先端側に位置する同材質成形部46と、軸方向の基部41C側に位置する異材質成形部47とを有して構成されている。同材質成形部46は、キャップ44が装着された際にキャップ44と重なる部位であって、外周面に雄ネジ部11と環状凸部12とを有する。異材質成形部47は、キャップ44が装着された際にキャップ44から露出する部位である。
異材質成形部47は、硬質樹脂からなる一対の第1部分47aと、軟質樹脂からなる第2部分47bとから構成されている。第1部分47a,47aは、ノズル部42Cの径方向両側に設けられ、流路43を介して互いに対向している。第1部分47a,47aの配置方向は、基部41Cの突出部41e,41eが存在する方向(X方向)と一致している。同材質成形部46と、異材質成形部47の第1部分47aとは、同材質であり構造上連続している。
第2部分47bは、第1部分47a,47aを径方向外側から覆うようにして、ノズル部42Cの周方向全体に亘って設けられている。つまり、第1部分47a,47aと第2部分47bとが径方向で重なる位置においては、第1部分47a,47aの径方向の外側に第2部分47bが存在し、第1部分47a,47aと一体的に構成されている。第2部分47bの内面47b1,47b1は、第1部分47a,47aの内面47a1,47a1とともにノズル部42Cの内壁面を構成し、軸方向に交差する断面形状が円形状の流路43を形成する。
異材質成形部47における第1部分47a,47aの肉厚は、同材質成形部46の周壁の肉厚よりも薄肉とされている。また、第2部分47bのうち、径方向で第1部分47a,47aと重ならない部分の肉厚は、同材質成形部46の周壁の肉厚と略等しい肉厚とされている。異材質成形部47の少なくとも一部(第2部分47b)を部分的に薄肉に成形することも可能である。
異材質成形部47のうち、第1部分47a,47aと第2部分47bとが径方向で重なり合う部位は、硬質樹脂からなる第1部分47a,47aが存在するため径方向内側へ弾性変形させることができないが、第1部分47a,47aが存在しない部位、つまり軟質樹脂からなる第2部分47bのみからなる部位は径方向内側へ弾性変形させることができる。本実施形態では、第2部分47bのうち第1部分47a,47aと径方向で重なり合わない領域48を弾性変形部35として機能させることができる。そのため、第1部分の配置方向(X方向)に交差する径方向(Y方向)の内側に弾性変形部35を弾性変形させることにより、流路43の開口率を調整することが可能である。
本実施形態のスパウト30を備えた詰め替え用パウチ1では、図3に示したように本体ボトル108に対して内容物の詰め替え作業を行う際は、収容部3を把持した手で詰め替え用パウチの把持姿勢(把持角度)を調整しつつ、スパウト30のうちノズル部42Cを把持した手で弾性変形部35の押圧部材を調整する。弾性変形部35(領域48,48)を外側から図13中の矢印で示す方向へ押圧することによって、弾性変形部35として機能する領域48,48どうしを互いに近接させる方向(流路43を閉塞させる方向)に弾性変形させて、流路43の断面積を減少させる。
このように、弾性変形部35を変形させることで流路43の断面積を調整することにより、内容物の注出量を制御し、本体ボトル108へ注ぎ入れる内容物の流量を適切な流量にすることが可能となる。本実施形態のスパウト30により、簡単な操作で、片手でも内容物の注出方向の制御と注出量の制御が可能であり、本体ボトル108に無駄なく内容物を詰め替えることができる。
なお、本実施形態では、弾性変形部35の内側に突起部が設けられていないが、各領域48,48の内面側にそれぞれ突起部を設けるように構成してもよい。これにより、少ない力で内容物の注出量を制御することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
図14および図15、図16、図17は、弾性変形部の変形例を示す図である。
例えば、第1実施形態では、弾性変形部15の内側に突起部15a,15aが設けられた構成となっていたが、図14に示すように突起部15a,15aが設けられていなくてもよい。ノズル部42の周壁42bのうち一部が薄肉に形成されているだけでも、径方向内側に変形可能な弾性変形部150とすることができる。この弾性変形部150を径方向内側に向かって押圧し、その押圧具合を調整することによって、内容物の注出量を調整することが可能である。
例えば、第1実施形態では、弾性変形部15の内側に突起部15a,15aが設けられた構成となっていたが、図14に示すように突起部15a,15aが設けられていなくてもよい。ノズル部42の周壁42bのうち一部が薄肉に形成されているだけでも、径方向内側に変形可能な弾性変形部150とすることができる。この弾性変形部150を径方向内側に向かって押圧し、その押圧具合を調整することによって、内容物の注出量を調整することが可能である。
また、図15に示すように、ノズル部42あるいは基部41に設けられた弾性変形部151の外周面に、径方向両外側に突出する一対の押圧部49,49を設けてもよい。この場合、弾性変形部151の内側に突起部を設けても設けていなくてもよい。弾性変形部151を把持する際には、外側から押圧部49,49を押圧することによって、弾性変形部151を少ない力で径方向内側へ変形させることができる。また、押圧位置が分かりやすく、操作し易いという利点もある。
また、図16、図17に示すように、ノズル部42あるいは基部41に設けられた弾性変形部15の内側に径方向に亘って直線状に延在する1つの突起部15aを設け、流路43を二分する構成としてもよい。弾性変形部15を径方向内側へ変形させた際に突起部15aの短手方向両側に存在する分岐された流路43a,43aの断面積をそれぞれ減少させることによって、注出する内容物の流量を制御することができる。
1…詰め替え用パウチ(包装袋)、3…収容部、4,10,20,30…スパウト(流路形成部材)、15,25,35,45,150,151…弾性変形部、15a,25a…突起部、41,41A,41B,41C…基部、41b,42b…周壁、41d…薄肉部分、42,42A,42B,42C…ノズル部、43…流路、44…キャップ、47a…第1部分、47b…第2部分、D…間隔、K…収容空間
Claims (9)
- 内容物を収容する収容部の注出側に設けられる流路形成部材であって、
前記収容部の端部に固定される基部と、
前記基部の一端側から前記収容部の外側へ突出するノズル部と、
前記基部および前記ノズル部を貫通するとともに前記収容部の収容空間に連通する流路と、
前記流路形成部材に取り付けられ前記流路の開口側を閉塞するキャップと、を備え、
前記基部および前記ノズル部のうち前記キャップと重ならない部分に、前記流路の径方向の内側へ向かって変形可能な弾性変形部を有している、流路形成部材。 - 前記弾性変形部は、前記基部あるいは前記ノズル部の周壁の厚さが部分的に薄く形成された薄肉部分からなる、
請求項1に記載の流路形成部材。 - 前記弾性変形部の内側には前記径方向に突出する突起部が設けられている、
請求項1または2に記載の流路形成部材。 - 前記突起部が一対設けられており、前記径方向で互いに間隔をおいて対向している、
請求項3に記載の流路形成部材。 - 前記一対の突起部は、前記径方向における前記基部の長手方向とは交差する方向で互いに対向している、
請求項4に記載の流路形成部材。 - 前記流路形成部材の少なくとも一部が、硬質樹脂からなる第1部分と、軟質樹脂からなる第2部分とから構成され、前記弾性変形部が前記第2部分で形成されている、
請求項1に記載の流路形成部材。 - 前記第1部分は、前記流路形成部材の周方向の少なくとも一部に設けられ、
前記第1部分と前記第2部分とが前記径方向で重なる位置があるように設けられている、
請求項6に記載の流路形成部材。 - 前記突起部は、前記流路の径方向に亘って設けられている、
請求項3に記載の流路形成部材。 - 内容物を収容する収容部と、
前記収容部の注出側に設けられた流路形成部材と、を備え、
前記流路形成部材として、請求項1から8のいずれか一項に記載の流路形成部材を備えた包装袋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017122279A JP2019006434A (ja) | 2017-06-22 | 2017-06-22 | 流路形成部材および包装袋 |
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-
2017
- 2017-06-22 JP JP2017122279A patent/JP2019006434A/ja active Pending
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