JP2019004254A - 車両用撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】湿度センサを用いることなく窓ガラスの曇りを判定可能な装置を提供する。【解決手段】車両の窓1を介して車両の外部を撮影するカメラ100と、窓1のうちカメラ100の視界v1に対応する位置に配置され、窓1を加熱するヒータ11と、カメラ100で撮影された画像を処理する画像処理部20とを備え、画像処理部20は、画像に基づいて、窓1の曇り状態を判定する。ヒータ11の作動を制御する制御部14とを備え、制御部14は、窓1が曇る可能性が高い、または窓1が曇っていると画像処理部20が判定した場合、窓1を加熱するようにヒータ11を制御する。制御部14は、ヒータ11が窓1を加熱しても窓1の曇りが晴れないと画像処理部20が判定した場合、窓1の曇りの原因が結露以外であることを乗員に報知する。【選択図】図3
Description
本発明は、車両の窓を介して車両の外部を撮影する車両用撮影装置に関する。
従来、特許文献1には、車両の窓ガラスの曇りを防止する車両用空調装置が記載されている。この従来技術の車両用空調装置は、湿度センサと演算回路と空調用電子制御装置と室内空調ユニットとを備えている。
湿度センサは、窓ガラスの表面の湿度を検出する。演算回路は、湿度センサの検出値等に基づいて窓ガラス表面の相対湿度を演算する。空調用電子制御装置は、演算回路が演算した窓ガラス表面の相対湿度等に基づいて、窓ガラスに曇りが生じやすいか否かを判定する。
空調用電子制御装置は、窓ガラスに曇りが生じやすいと判定した場合、強制的に窓ガラスの曇りを消すために室内空調ユニットに対して防曇制御を行い、デフロスタ吹出口から窓ガラスに向けて送風させる。
この従来技術によると、窓ガラスの曇りを判定するために湿度センサが必要であるため、部品点数が増加したり、窓ガラスの見栄えが悪くなったりするという問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、湿度センサを用いることなく窓の曇り状態を推定可能な装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の車両用撮影装置では、
車両の窓(1)を介して車両の外部を撮影するカメラ(100)と、
窓(1)のうちカメラ(100)の視界(v1)に対応する位置に配置され、窓(1)を加熱するヒータ(11)と、
カメラ(100)で撮影された画像を処理する画像処理部(20)とを備え、
画像処理部(20)は、画像に基づいて、窓(1)の曇り状態を判定する。
車両の窓(1)を介して車両の外部を撮影するカメラ(100)と、
窓(1)のうちカメラ(100)の視界(v1)に対応する位置に配置され、窓(1)を加熱するヒータ(11)と、
カメラ(100)で撮影された画像を処理する画像処理部(20)とを備え、
画像処理部(20)は、画像に基づいて、窓(1)の曇り状態を判定する。
これにより、湿度センサを用いることなく窓の曇り状態を推定できる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、実施形態について図に基づいて説明する。図中、上下前後の矢印は、車両の上下前後方向を示している。
図1に示すように、車両用撮影装置のカメラユニット10は、車両のフロントガラス1のうち車室内側の面に取り付けられている。カメラユニット10は、車両のフロントガラス1の上部かつ左右方向の略中央部に取り付けられている。カメラユニット10は、図示しないバックミラーの近傍に位置している。
図2に示すように、カメラユニット10は、カメラ100および筐体101を有している。カメラ100は、車両の窓(本例ではフロントガラス1)を介して車両の前方の外部を撮影する。カメラ100が撮影した画像データは画像処理装置20に入力される。
画像処理装置20は、カメラ100の画像データを処理して、車両前方の物体を検知する画像処理部である。画像処理装置20の検知結果は、衝突安全制御装置21に出力される。衝突安全制御装置21は、画像処理装置20の検知結果に基づいて車両のブレーキ等を制御して、車両の衝突を防止する。
カメラ100は、筐体101に収容されている。筐体101は、カメラユニット10の外殻を構成する部材である。筐体101は、フロントガラス1に対して密着してもよいし、フロントガラス1との間に所定の隙間が設けられていてもよい。
フロントガラス1にはヒータ11が設けられている。ヒータ11は、発熱することによってフロントガラス1を加熱し、フロントガラス1の車室内側の面の曇りを晴らしたり、フロントガラス1の車室外側の面の雪や霜を融かしたりする役割を果たす。
ヒータ11は、透明薄膜状の部材である。ヒータ11は、フロントガラス1のうち車室内側の面に貼り付けられている。ヒータ11は、フロントガラス1の内部に埋め込まれていてもよい。
図3に示すように、ヒータ11は、カーボンナノチューブ111とバインダ112とを有している。カーボンナノチューブ111は、電流が流れると発熱する発熱体である。図3では、図示の都合上、カーボンナノチューブ111を破線の直線で示している。
カーボンナノチューブ111(CNTとも呼ばれる)は、中空円筒の構造をした炭素の結晶である。カーボンナノチューブ111の直径は、0.7〜70nmと髪の毛の約数万分の一である。カーボンナノチューブ111は、長さが数十μm以下のチューブ形状の物質である。
バインダ112は、カーボンナノチューブ111を保持する保持部である。バインダ112の材質は、透明な樹脂である。
例えば、ヒータ11は、バインダ112内にカーボンナノチューブ111を分散させた薄膜である。ヒータ11は、カーボンナノチューブ111を用いて形成したワイヤを用いた複数の線分状の発熱線を有していてもよい。カーボンナノチューブ111を用いて形成したワイヤの線径は数μm程度である。
カーボンナノチューブ111は、肉眼では識別できないほど細い部材である。カーボンナノチューブ111を用いて形成したワイヤも、肉眼では識別できないほど細い部材である。そのため、ヒータ11は、肉眼では透明に見える。カーボンナノチューブ111は、光りを吸収し、光の散乱を防止できる。
ヒータ11は、一対の電極113a、113bを有している。電極113a、113bはカーボンナノチューブ111に接続されている。
電極113a、113bに車両のバッテリ12から直流電圧が印加されることによって、カーボンナノチューブ111に電流が流れてカーボンナノチューブ111が発熱する。電極113a、113bは、ヒータ11の縁部に沿って細長い形状に形成されている。
通電部13は、バッテリ12から電極113a、113bへの直流電圧の印加と遮断を切り替える。通電部13は、リレーまたはスイッチを有している。通電部13の作動は、ヒータ制御装置14によって制御される。
ヒータ11は、カメラ100の視界v1の全範囲と重なるように配置されている。図3では、理解を容易にするために、カメラ100の視界v1を二点鎖線で示している。ヒータ11は、カメラ100の視界v1よりも一回り広い範囲まで配置されている。
ヒータ11の電極113a、113bは、カメラ100の視界v1の外に配置されている。これにより、カメラ100の視界v1がヒータ11によって妨げられることを回避している。
ヒータ制御装置14は、ヒータ11の作動を制御する制御部である。ヒータ制御装置14は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種機器の作動を制御する。
ヒータ制御装置14には、画像処理装置20の画像処理結果が入力される。画像処理装置20は、カメラ100の撮影画像に基づいて、フロントガラス1の曇り状態を判定し、その判定結果をヒータ制御装置14に出力する。
画像処理装置20は、カメラ100が撮影した画像データを処理して、フロントガラス1に曇りがあるか否かを判定する。図5は、撮影画像v1に曇りc1がある例を示している。図5では、図示の都合上、曇りc1を多数のドットで図示している。
例えば、画像処理装置20は、撮影画像v1の時間軸の前後における変化の差異によって、フロントガラス1に曇りがあるか否かを判定する。例えば、画像処理装置20は、撮影画像v1中の白色領域の割合によって、フロントガラス1に曇りがあるか否かを判定する。
画像処理装置20は、フロントガラス1に曇りがあるか否かの判定結果を、ヒータ制御装置14に出力する。
ヒータ制御装置14は、図4のフローチャートに示す制御処理を実行する。図4のフローチャートは、ヒータ制御装置14が実行する制御プログラムのサブルーチンを示している。
まず、ステップS100では、画像処理装置20から画像処理結果を取得する。具体的には、フロントガラス1が曇る可能性が高いか否かの判定結果、またはフロントガラス1が曇っているか否かの判定結果を取得する。
続くステップS110では、画像処理装置20の画像処理結果に基づいて、ヒータ11を発熱させるか否かを決定する。
ステップS110にてフロントガラス1が曇る可能性が高い、またはフロントガラス1が曇っていると画像処理装置20が判定した場合、ステップS120へ進み、ヒータ11を発熱させる。具体的には、ヒータ制御装置14は、車両のバッテリ12からヒータ11の電極113a、113bに直流電圧を印加させる。
これにより、フロントガラス1が曇る可能性が高い場合、またはフロントガラス1が曇っている場合、ヒータ11によってフロントガラス1を加熱してフロントガラス1の曇りを防止したり、フロントガラス1が曇った場合、ヒータ11によってフロントガラス1を加熱してフロントガラス1の曇りを晴らしたりすることができる。
続くステップS130では、ヒータ11の作動時間が所定時間以上であるか否かを判定する。ヒータ11の作動時間とは、ヒータ11が発熱を開始してからの経過時間のことである。
ステップS130にてヒータ11の作動時間が所定時間以上でないと判定した場合、ステップS100へ戻る。
ステップS130にてヒータ11の作動時間が所定時間以上であると判定した場合、ステップS140へ進み、結露以外の原因(鳥の糞など)でフロントガラス1が曇っているとの警告を乗員に報知する。この報知は、音声や警告灯などによる報知である。
一方、ステップS110にてフロントガラス1が曇る可能性が高くない、またはフロントガラス1が曇っていないと画像処理装置20が判定した場合、ステップS150へ進み、ヒータ11の発熱を停止させる。具体的には、ヒータ制御装置14は、ヒータ11の電極113a、113bへの直流電圧の印加を遮断する。
本実施形態では、車両のフロントガラス1を介して車両の外部を撮影するカメラ100と、カメラ100で撮影された画像を処理する画像処理装置20とを備え、画像処理装置20は、カメラ100の撮影画像に基づいて、フロントガラス1の曇り状態を判定する。これにより、湿度センサを用いることなく窓の曇り状態を推定できる。
本実施形態では、フロントガラス1のうちカメラ100の視界v1に対応する位置に配置され、フロントガラス1を加熱するヒータ11と、ヒータ11の作動を制御するヒータ制御装置14とを備え、ヒータ制御装置14は、フロントガラス1が曇る可能性が高い、またはフロントガラス1が曇っていると画像処理装置20が判定した場合、フロントガラス1を加熱するようにヒータ11を制御する。
これにより、カメラ100の撮影画像に基づいて、フロントガラス1の曇りを自動で晴らすことができる。
本実施形態では、ヒータ制御装置14は、ヒータ11がフロントガラス1を加熱してもフロントガラス1の曇りが晴れないと画像処理装置20が判定した場合、フロントガラス1の曇りの原因が結露以外であることを乗員に報知する。
これによると、結露以外の原因(鳥の糞など)によってフロントガラス1が曇っていて、カメラ100による撮影に支障が出ていることを乗員に認識させることができる。
本実施形態では、画像処理装置20は、ヒータ11が作動を開始してからの経過時間が所定時間以上になってもフロントガラス1が曇っていると判定した場合、ヒータ11がフロントガラス1を加熱してもフロントガラス1の曇りが晴れないと判定する。
これにより、結露以外の原因(鳥の糞など)によってフロントガラス1が曇っていることを良好に判定できる。
本実施形態では、画像処理装置20は、画像の時間変化量に基づいてフロントガラス1の曇り状態を判定する。これにより、フロントガラス1の曇り状態を良好に判定できる。
(他の実施形態)
上記実施形態を例えば以下のように種々変形可能である。
上記実施形態を例えば以下のように種々変形可能である。
(1)ステップS140において、結露以外の原因でフロントガラス1が曇っているとの警告を乗員に報知するとともに、結露以外の原因でフロントガラス1が曇っているという判定結果をワイパー制御装置22に出力するようにしてもよい。
この判定結果が出力された場合、ワイパー制御装置22が車両のワイパーを作動させるようにすれば、結露以外の原因によるフロントガラス1の曇りを除去できる。
(2)上記実施形態では、カメラ100の撮影画像に基づいてフロントガラス1の曇りを防止するが、カメラ100の撮影画像に基づいて車両のワイパーを制御するようにしてもよい。
具体的には、画像処理装置20は、カメラ100の撮影画像に基づいて、フロントガラス1に雨が付着しているか否かを判定し、判定結果をワイパー制御装置22に出力する。図6は、撮影画像v1に雨の水滴w1が付着している例を示している。ワイパー制御装置22は、フロントガラス1に雨が付着しているという判定結果である場合、車両のワイパーを作動させる。
これにより、雨滴センサーを用いることなく、ワイパーを自動で作動させることができる。
本実施形態では、画像処理装置20は、フロントガラス1に雨が付いているか否かを判定し、判定結果を、車両のワイパーを制御するワイパー制御装置22に出力し、ワイパー制御装置22は、フロントガラス1に雨が付いているという判定結果が入力された場合、ワイパーを作動させる。
これにより、フロントガラス1に雨が付くとワイパーを自動で作動させることができる。
(3)上記実施形態では、ヒータ11は、フロントガラス1のうちカメラ100の視界v1よりも一回り広い範囲まで配置されているが、ヒータ11は、フロントガラス1の全体に配置されていてもよい。これにより、フロントガラス1が曇ることを良好に防止できる。ヒータ11は透明であるので、ヒータ11が乗員の視界を妨げることを抑制できる。
(4)上記実施形態では、カメラユニット10およびヒータ11は、フロントガラス1に配置されているが、カメラユニット10およびヒータ11は、例えばリヤガラス等、フロントガラス1以外の窓に配置されていてもよい。
(5)上記実施形態では、ヒータ11の発熱体としてカーボンナノチューブ111が用いられているが、ヒータ11の発熱体として金属粒子、カーボン粒子、金属酸化物粒子等の肉眼では識別できない部材が用いられていてもよい。
(6)上記実施形態では、車両の衝突を防止するためにカメラ100の画像データを利用するが、これに限定されるものではなく、車線逸脱防止や車間距離測定等、種々の用途にカメラ100の画像データを利用してもよい。
1 フロントガラス(窓)
11 ヒータ
14 ヒータ制御装置(制御部)
20 画像処理装置(画像処理部)
22 ワイパー制御装置
100 カメラ
11 ヒータ
14 ヒータ制御装置(制御部)
20 画像処理装置(画像処理部)
22 ワイパー制御装置
100 カメラ
Claims (6)
- 車両の窓(1)を介して車両の外部を撮影するカメラ(100)と、
前記カメラ(100)で撮影された画像を処理する画像処理部(20)とを備え、
前記画像処理部(20)は、前記画像に基づいて、前記窓(1)の曇り状態を判定する車両用撮影装置。 - 前記窓(1)のうち前記カメラ(100)の視界(v1)に対応する位置に配置され、前記窓(1)を加熱するヒータ(11)と、
前記ヒータ(11)の作動を制御する制御部(14)とを備え、
前記制御部(14)は、前記窓(1)が曇る可能性が高い、または前記窓(1)が曇っていると前記画像処理部(20)が判定した場合、前記窓(1)を加熱するように前記ヒータ(11)を制御する請求項1に記載の車両用撮影装置。 - 前記制御部(14)は、前記ヒータ(11)が前記窓(1)を加熱しても前記窓(1)の曇りが晴れないと前記画像処理部(20)が判定した場合、前記窓(1)の曇りの原因が結露以外であることを前記乗員に報知する請求項2に記載の車両用撮影装置。
- 前記画像処理部(20)は、前記ヒータ(11)が作動を開始してからの経過時間が所定時間以上になっても前記窓(1)が曇っていると判定した場合、前記ヒータ(11)が前記窓(1)を加熱しても前記窓(1)の曇りが晴れないと判定する請求項3に記載の車両用撮影装置。
- 前記画像処理部(20)は、前記画像の時間変化量に基づいて前記窓(1)の曇り状態を判定する請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用撮影装置。
- 前記画像処理部(20)は、前記窓(1)に雨が付いているか否かを判定し、判定結果を、車両のワイパーを制御するワイパー制御装置(22)に出力し、
前記ワイパー制御装置(22)は、前記窓(1)に雨が付いているという判定結果が入力された場合、前記ワイパーを作動させる請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用撮影装置。
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