JP2019003802A - 端子金具固定構造、ワイヤハーネス及び圧着装置 - Google Patents

端子金具固定構造、ワイヤハーネス及び圧着装置 Download PDF

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Abstract

【課題】圧着部分におけるバリの発生を低減しつつ、ダイスの寿命の低下を低減することができる端子金具固定構造、ワイヤハーネス及び圧着装置を提供すること。【解決手段】端子金具固定構造50は、編組体16と、端子金具20と、スリーブ30とを含む。編組体16は、電線10の一部を被覆する。端子金具20は、筒状の圧着部22、及び、グラウンド接続部24を有し、編組体16が貫通する。スリーブ30は、筒状の本体部32、及び、本体部32の径方向の外側に突出して設けられた一対の凸状部34を有する。スリーブ30は、一方の端部20aの側において折り返された編組体16の一方の端部16aが径方向に挟まれた状態で、圧着部22が貫通する。スリーブ30は、径方向の内側に向かって変形され、端子金具20とスリーブ30との間で編組体16の圧着状態を形成する。【選択図】図10

Description

本発明は、端子金具固定構造、ワイヤハーネス及び圧着装置に関する。
従来、非シールド電線が、車両に搭載された電源と各種電子機器とを電気的に接続するために使用される場合がある。非シールド電線は、導電性を有する芯線と、芯線を被覆する絶縁体とを有する。非シールド電線は、電源から出力された高圧の電流が流れることで、電磁ノイズが発生する場合がある。このため、非シールド電線は、外周面の一部が編組体で被覆される。編組体は、車両の車体と電気的に接続する端子金具が両端部に取り付けられる。非シールド電線は、編組体が端子金具を介して車体と電気的に接続されることで、発生した電磁ノイズが例えばラジオなどの電子機器に影響を及ぼすことが抑制される。
端子金具を編組体に固定する端子金具固定構造は、端子金具に非シールド電線および編組体を挿入して貫通させ、貫通した編組体の端部を軸方向において折り返し、さらにスリーブに端子金具を挿入して、端子金具との間に折り返した編組体の端部が挟まれた状態でスリーブを端子金具に圧着する構造が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2006−269666号公報 特開2011−171057号公報
特許文献1の発明に係る端子金具固定構造は、スリーブを端子金具に圧着する際に使用する圧着装置のダイスの隙間に、押しつぶされたスリーブの一部が入り込むことで、バリが発生する可能性があった。そこで、特許文献2の発明に係る圧着装置は、ダイスに規制突起及び突起挿入穴を設けることで、ダイスの合わせ面の隙間を生じないようにすることにより、バリの発生を低減する。
しかしながら、特許文献2の発明に記載の圧着装置は、ダイスの押圧力に対するスリーブからの反作用の圧力が規制突起の部分にも加えられてしまうので、寿命が低下する傾向があった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、圧着部分におけるバリの発生を低減しつつ、ダイスの寿命の低下を低減することができる端子金具固定構造、ワイヤハーネス及び圧着装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する為、本発明に係る端子金具固定構造は、芯線及び前記芯線を被覆する絶縁体を有する電線の一部を被覆し、かつ金属線を編み込んで形成される編組体と、軸の方向における一方の端部の側に設けられた筒状の圧着部、及び、前記軸の方向における他方の端部の側に設けられ、アース部材と電気的に接続されるグラウンド接続部を有し、前記編組体が貫通する端子金具と、筒状の本体部、及び、前記本体部の軸に対象の位置に、前記軸の方向に延びて前記本体部の径方向の外側に突出して設けられた一対の凸状部を有し、前記端子金具の軸の方向における一方の端部の側において、前記端子金具の内周面から外周面へ折り返された前記編組体の一方の端部が径方向に挟まれた状態で、前記圧着部が貫通するスリーブと、を含み、前記スリーブが前記径方向の内側に向かって変形され、前記端子金具と前記スリーブとの間で前記編組体の圧着状態を形成することを特徴とする。
上記の端子金具固定構造において、前記編組体は、前記一方の端部の少なくとも一部が前記グラウンド接続部に接触することが好ましい。
また、上記の端子金具固定構造において、前記一対の凸状部は、前記スリーブが前記径方向の内側に向かって変形される際に、一対の支持棒が挿入されて支持されることが好ましい。
また、上記目的を達成する為、本発明に係るワイヤハーネスは、芯線及び前記芯線を被覆する絶縁体を有する電線と、前記電線の一部を被覆し、かつ金属線を編み込んで形成される編組体と、軸の方向における一方の端部の側に設けられた筒状の圧着部、及び、軸の方向における他方の端部の側に設けられ、アース部材と電気的に接続されるグラウンド接続部を有し、前記編組体が貫通する端子金具と、筒状の本体部、及び、前記本体部の軸に対象の位置に、前記軸方向に延びて前記本体部の径方向の外側に突出して設けられた一対の凸状部を有し、前記端子金具の軸の方向における一方の端部の側において、前記端子金具の内周面から外周面へ折り返された前記編組体の一方の端部が径方向に挟まれた状態で、前記圧着部が貫通するスリーブと、を含み、前記スリーブが前記径方向の内側に向かって変形され、前記端子金具と前記スリーブとの間で前記編組体の圧着状態を形成することを特徴とする。
また、上記目的を達成する為、本発明に係る圧着装置は、筒状の本体部、及び、前記本体部の軸に対象の位置に、前記軸の方向に延びて前記本体部の径方向の外側に突出して設けられた一対の凸状部を有し、電線及び編組体が貫通する端子金具の内周面から外周面へ折り返された前記編組体の一方の端部を、前記端子金具との間で径方向に挟み込むスリーブを、前記径方向の内側に向かって変形させて、前記スリーブの外周面を前記軸の方向から見て六角形以上の偶数多角形状に変形させることで、前記端子金具と前記スリーブとの間で前記編組体を圧着させる圧着装置であって、前記スリーブに対し、主動方向の他方に相対的に移動することで、前記スリーブの前記外周面の一方の側を変形させる第1ダイスと、前記スリーブに対し、主動方向の一方に相対的に移動することで、前記スリーブの前記外周面の他方の側を変形させる第2ダイスと、前記一対の凸状部に挿入することで、前記スリーブを支持する一対の支持棒と、前記一対の支持棒を支持する支持台と、を含むことを特徴とする。
本発明に係る端子金具固定構造、ワイヤハーネス及び圧着装置は、スリーブが本体部の軸に対象の位置に、軸の方向に延びて本体部の径方向の外側に突出して設けられた一対の凸状部を有する。このため、ダイスの押圧力に対するスリーブからの反作用の圧力を一対の凸状部に逃がすことができるので、圧着部分におけるバリの発生を低減しつつ、ダイスの寿命の低下を低減することができる。
図1は、実施形態に係る端子金具固定構造に使用される電線及び編組体を示す斜視図である。 図2は、実施形態に係る端子金具固定構造に使用される端子金具を示す斜視図である。 図3は、実施形態に係る端子金具固定構造に使用されるスリーブを示す斜視図である。 図4は、実施形態に係る圧着装置を示す斜視図である。 図5は、実施形態に係る端子金具固定構造及びワイヤハーネスの製造方法を示すフローチャートである。 図6は、実施形態に係る圧着前の端子金具固定構造、ワイヤハーネス及び圧着装置を示す斜視図である。 図7は、実施形態に係る圧着装置に挿入された、実施形態に係る圧着前の端子金具固定構造及びワイヤハーネスを示す斜視図である。 図8は、実施形態に係る圧着装置に挿入された、実施形態に係る圧着前の端子金具固定構造及びワイヤハーネスを示す断面図である。 図9は、実施形態に係る圧着装置に押圧された、実施形態に係る圧着後の端子金具固定構造及びワイヤハーネスを示す斜視図である。 図10は、実施形態に係る圧着装置に押圧された、実施形態に係る圧着後の端子金具固定構造及びワイヤハーネスを示す断面図である。 図11は、実施形態に係る圧着装置による押圧から開放された、実施形態に係る圧着後の端子金具固定構造及びワイヤハーネスを示す斜視図である。 図12は、実施形態に係る圧着装置による押圧から開放された、実施形態に係る圧着後の端子金具固定構造及びワイヤハーネスを示す断面図である。 図13は、実施形態に係る圧着装置から取り出された、実施形態に係る圧着後の端子金具固定構造及びワイヤハーネスを示す斜視図である。
以下に、本発明に係る端子金具固定構造、ワイヤハーネス及び圧着装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、下記の実施形態における構成要素は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
[実施形態]
まず、実施形態に係る端子金具固定構造50(図9から図13参照)及びワイヤハーネスWH(図9から図13参照)に使用される電線10、編組体16、端子金具20及びスリーブ30について説明する。図1は、実施形態に係る端子金具固定構造50に使用される電線10及び編組体16を示す斜視図である。図2は、実施形態に係る端子金具固定構造50に使用される端子金具20を示す斜視図である。図3は、実施形態に係る端子金具固定構造50に使用されるスリーブ30を示す斜視図である。図1から図3におけるAの方向は、それぞれ、電線10及び編組体16の軸の方向、端子金具20の軸の方向、及びスリーブ30の軸の方向である。図1から図3におけるRの方向は、それぞれ、図1から図3におけるAの方向と直交する方向であり、電線10及び編組体16の周の方向、端子金具20の周の方向、及びスリーブ30の周の方向である。
電線10は、図1に示すように、芯線12及び絶縁体14を有する。芯線12は、電源から供給される電流を各種電子機器に対して送電する。芯線12は、導電性を有する金属製の素線が例示される。絶縁体14は、芯線12の外周を全面に渡って被覆する。絶縁体14は、芯線12の外周が外部に露出することを防止する。絶縁体14は、絶縁性を有する塩化ビニルなどの合成樹脂などが例示される。絶縁体14は、例えば、インサート成型等により形成される。
電線10は、高圧の電流が流れることで、電磁ノイズを発生させる。電線10は、可撓性を有する非シールド電線である。非シールド電線は、電磁ノイズを遮断する編組体16等のシールド部材により外周が前面に渡って被覆されているシールド電線とは異なり、構成要素として編組体16等のシールド部材を含まない電線である。電線10は、例えば、車両に搭載された電源と、電源からの電力により動作する各種電子機器との間に設けられ、電源と各種電子機器との間を電気的に接続する。
編組体16は、図1に示すように、電線10のうち、軸Aの方向における一部を被覆するように設けられる。編組体16は、複数の金属線、つまり金属製の素線を網目状に編み込んで形成される。編組体16は、電線10を被覆した部分において、電線10から外部へ放射しようとする電磁ノイズを遮断するシールド部材として機能する。編組体16は、シールド部材として機能することで、電磁ノイズがラジオ等に例示される電子機器に影響を及ぼすことを抑制する。編組体16は、可撓性を有する。編組体16は、電線10の屈曲に追従して、屈曲する。
編組体16は、一方の端部16aを有する。編組体16は、一方の端部16aにおいて、後述する端子金具20が取り付けられ、固定される。編組体16は、他方の端部においても、一方の端部16aと同様に、別の端子金具20が取り付けられ、固定される。編組体16は、電線10における一方の端部16aと他方の端部との間の部分について、すなわち、電線10における一対の端子金具20が設けられた間の部分について、電線10を被覆し、電線10からの電磁ノイズを遮断する。
編組体16は、一方の端部16aが、軸Aの方向において折り返されて、端子金具20の内周面20i及び外周面20oに対して径方向に対向して取り付けられる。編組体16は、一方の端部16aのうち外周面20oに対して径方向に対向して取り付けられた部分が、さらに、スリーブ30の内周面30iに対して径方向に対向して取り付けられる。すなわち、編組体16は、一方の端部16aのうちの一部が、端子金具20の外周面20oとスリーブ30の内周面30iとの間で径方向に挟まれた状態に取り付けられる。
編組体16は、一方の端部16aがこのように取り付けられた状態で、圧着される。編組体16は、一方の端部16aのうちの一部が、電線10の絶縁体14の外周面と端子金具20の内周面20iとの間で径方向に圧着され、一方の端部16aのうちのその他の一部が、端子金具20の外周面20oとスリーブ30の内周面30iとの間で径方向に圧着されることで、圧着状態を形成する。編組体16は、このような圧着状態において、一方の端部16aの少なくとも一部が、端子金具20のグラウンド接続部24に接触する。
端子金具20は、図2に示すように、圧着部22及びグラウンド接続部24を有する。圧着部22は、筒状であり、軸Aの方向における一方の端部20aの側に設けられている。グラウンド接続部24は、圧着部22よりも厚い筒状であり、軸Aの方向における他方の端部20bの側に設けられている。
端子金具20は、図2に示すように、筒状であり、内周面20iと、外周面20oと、を有する。内周面20iは、端子金具20の内側における円筒状の側面であり、圧着部22の部分とグラウンド接続部24の部分とで同径である。内周面20iは、端子金具20において、軸Aの方向に沿って、一方の端部20aから他方の端部20bまで連通した貫通孔を形成する。内周面20iによって形成された貫通孔は、電線10に被覆された編組体16が貫通する。内周面20iによって形成された貫通孔の孔径は、電線10に被覆された編組体16の直径と同じに、または、編組体16の直径よりも若干大きく形成される。
外周面20oは、端子金具20の外側における円筒状の側面であり、圧着部22の部分の直径は、グラウンド接続部24の部分の直径よりも小さい。すなわち、外周面20oは、圧着部22の部分とグラウンド接続部24の部分との間で、段差を有する。
圧着部22は、編組体16の一方の端部16aが圧着される部分である。圧着部22は、編組体16の一方の端部16aが、一方の端部20aの側において、端子金具20の内周面20iから外周面20oへ折り返されて取り付けられる部分である。
圧着部22は、図9から図13を用いて後述するように、圧着状態を形成する際に、径方向の外側から内側に向かって変形する。具体的には、圧着部22は、編組体16の一方の端部16aが取り付けられた状態で、径方向の外側から内側に向かって変形する。これに伴って、内周面20i及び外周面20oは、圧着状態を形成する際に、径方向の外側から内側に向かって変形する。
圧着部22は、圧着状態を形成する際に、外周面20oが軸Aの方向から見て六角形以上の偶数多角形状となっているものが例示される。圧着部22は、変形後の外周面20oの六角形以上の偶数多角形状の角部が、軸Aの方向から見て変形前の外周面20oが形成する外周円に内接する、もしくは、外周円よりも径方向の内側に位置するように、変形される。
圧着部22は、これらの変形により、内周面20iと径方向に対向する編組体16の一方の端部16aの一部と、この編組体16の一方の端部16aの一部と径方向に対向する電線10の一部と、の相対移動を抑制し、編組体16の一方の端部16aを圧着する圧着状態を形成する。
グラウンド接続部24は、アース部材と電気的に接続される部分である。グラウンド接続部24は、端子金具20の圧着部22に取り付けられた編組体16の一方の端部16aの少なくとも一部が、接触する部分である。
端子金具20は、導電性を有する金属によって形成されている。端子金具20は、グラウンド接続部24を介して、圧着部22に取り付けられた編組体16によって遮断された電線10からの電磁ノイズを、車体側に伝達することができる。端子金具20は、シールドシェルに収容され、シールドシェルと電気的に接続される。シールドシェルは、車体と電気的に接続されているため、端子金具20は車体と間接的に電気的に接続されている。
一対の端子金具20は、編組体16の一方の端部16aと、編組体16の他方の端部とを、電線10において固定する。すなわち、一対の端子金具20は、編組体16の一方の端部16aの電線10における位置と、編組体16の他方の端部の電線10における位置と、を決定する。一対の端子金具20は、所定の位置に固定されることで、編組体16が電線10からの電磁ノイズを遮断する部分を固定する。
スリーブ30は、図3に示すように、筒状の本体部32及び一対の凸状部34を有する。一対の凸状部34は、本体部32の軸Aに対象の位置に、軸Aの方向に延びて本体部32の径方向の外側に突出して設けられている。筒状の本体部32と、一対の凸状部34とは、同じ素材かつ同じ厚さであり、押圧力に応じて変形可能な板により形成されている。
スリーブ30は、図3に示すように、筒状であり、内周面30iと、外周面30oと、を有する。内周面30iは、スリーブ30の内側における筒状の側面であり、本体部32の部分に対し、一対の凸状部34の部分が径方向の外側に突出した形状である。外周面30oは、スリーブ30の外側における円筒状の側面であり、本体部32の部分に対し、一対の凸状部34の部分が径方向の外側に突出した形状である。
内周面30iは、スリーブ30において、軸Aの方向に沿って、一方の端部から他方の端部まで連通した貫通孔を形成する。内周面30iによって形成された貫通孔は、上記したように端子金具20に編組体16の一方の端部16aが取り付けられ、編組体16の一方の端部16aが端子金具20とスリーブ30との間で径方向に挟まれた状態で、端子金具20の圧着部22が貫通する。内周面30iによって形成された貫通孔の孔径は、端子金具20に取り付けられた編組体16の一方の端部16aにおける端子金具20の外周面20oに対して径方向に対向する部分の直径と同じに、または、この部分の直径よりも若干大きく形成される。
スリーブ30の本体部32は、図9から図13を用いて後述するように、圧着状態を形成する際に、径方向の外側から内側に向かって変形する。具体的には、本体部32は、上記したように端子金具20に編組体16の一方の端部16aが取り付けられ、編組体16の一方の端部16aが端子金具20とスリーブ30との間で径方向に挟まれた状態で、径方向の外側から内側に向かって変形する。これに伴って、内周面30i及び外周面30oは、圧着状態を形成する際に、径方向の外側から内側に向かって変形する。
本体部32は、圧着状態を形成する際に、外周面30oが軸Aの方向から見て六角形以上の偶数多角形状となっているものが例示される。本体部32は、変形後の外周面30oの六角形以上の偶数多角形状の角部が、軸Aの方向から見て変形前の外周面30oが形成する外周円に内接する、もしくは、外周円よりも径方向の内側に位置するように、変形される。
圧着部22は、本体部32の変形に伴って、径方向の外側から内側に向かって変形する押圧力が加えられ、圧着状態を形成する際に、径方向の外側から内側に向かって変形する。これに伴って、内周面20i及び外周面20oは、圧着状態を形成する際に、径方向の外側から内側に向かって変形する。
本体部32は、上記した圧着部22と共にする変形により、内周面30i及び外周面20oと径方向に対向する編組体16の一方の端部16aの一部と、内周面20iと径方向に対向する編組体16の一方の端部16aの一部と、この編組体16の一方の端部16aの一部と径方向に対向する電線10の一部と、の相対移動を抑制し、編組体16の一方の端部16aを圧着する圧着状態を形成する。
一対の凸状部34は、圧着状態を形成する際に圧着部22及び本体部32を変形するために加えられる押圧力に対する反作用の圧力を、逃がすことができる。このため、一対の凸状部34は、圧着部22及び本体部32の変形による圧着部分におけるバリの発生を低減することができる。また、一対の凸状部34は、これらの変形がダイスの押圧力による場合、ダイスが圧着部22及び本体部32から受ける反作用の圧力を低減することができるので、ダイスの寿命の低下を低減することができる。
一対の凸状部34は、図3における水平方向のうち軸Aの方向に直交する方向に、後述する一対の支持棒48と同等の距離だけ離間して設けられている。このため、一対の凸状部34は、圧着状態を形成する際に、一対の支持棒48が挿入されて支持されることができる。スリーブ30及びスリーブ30を含む構造は、圧着状態を形成する際に、一対の凸状部34に一対の支持棒48が挿入されて支持されることで、一対の支持棒48に回転不能に支持されることができる。このため、一対の凸状部34は、圧着状態を形成する際に、一対の支持棒48によって、スリーブ30及びスリーブ30を含む構造を回転不能に安定して支持することを可能にする。これにより、一対の凸状部34は、後述する圧着装置40によるスリーブ30及びスリーブ30を含む構造に対する加圧、変形及び圧着の精度を向上させることができ、加圧、変形及び圧着後のスリーブ30を含む構造の品質を向上させることができる。
次に、実施形態に係る端子金具固定構造50(図9から図13参照)及びワイヤハーネスWH(図9から図13参照)の製造に使用される、実施形態に係る圧着装置40について説明する。図4は、実施形態に係る圧着装置40を示す斜視図である。図4におけるAの方向は、一対の支持棒48の延びる方向である。図4におけるRの方向は、一対の支持棒48の周の方向である。圧着装置40は、図4に示すように、第1ダイス42と、第2ダイス44と、支持台46と、一対の支持棒48と、を含む。
第1ダイス42は、一対の支持棒48により支持されているスリーブ30に対し、図4における鉛直方向上側の方向、すなわち主動方向の一方の側に設置されている。第1ダイス42は、アクチュエータに例示される移動機構が接続されており、一対の支持棒48により支持されているスリーブ30に対し、図4における鉛直方向下側の方向、すなわち主動方向の他方に相対的に移動する。第1ダイス42は、一対の支持棒48により支持されているスリーブ30に対し、主動方向の他方に相対的に移動することで、一対の支持棒48により支持されているスリーブ30に、主動方向の一方の側から接近し、接触する。
第1ダイス42は、加圧シリンダに例示される加圧機構が接続されており、一対の支持棒48により支持されているスリーブ30に、主動方向の一方の側から接触し、押圧力を加えることで、一対の支持棒48により支持されているスリーブ30の外周面30oにおける主動方向の一方の側を変形させる。
第2ダイス44は、一対の支持棒48により支持されているスリーブ30に対し、図4における鉛直方向下側の方向、すなわち主動方向の他方の側に設置されている。第2ダイス44は、アクチュエータに例示される移動機構が接続されており、一対の支持棒48により支持されているスリーブ30に対し、図4における鉛直方向上側の方向、すなわち主動方向の一方に相対的に移動する。第2ダイス44は、一対の支持棒48により支持されているスリーブ30に対し、主動方向の一方に相対的に移動することで、一対の支持棒48により支持されているスリーブ30に、主動方向の他方の側から接近し、接触する。
第2ダイス44は、加圧シリンダに例示される加圧機構が接続されており、一対の支持棒48により支持されているスリーブ30に、主動方向の他方の側から接触し、押圧力を加えることで、一対の支持棒48により支持されているスリーブ30の外周面30oにおける主動方向の他方の側を変形させる。
支持台46は、第1ダイス42よりも図4における鉛直方向下側の方向、すなわち主動方向の他方の側に固定して設置されている。また、支持台46は、第2ダイス44よりも図4における鉛直方向上側の方向、すなわち主動方向の一方の側に固定して設置されている。すなわち、支持台46は、図4における鉛直方向、すなわち主動方向において、第1ダイス42と第2ダイス44との間に、固定して設置されている。支持台46は、図4における鉛直方向に対して直交する水平方向に沿う一方向、すなわち軸Aの方向に沿う方向に向けて、一対の支持棒48を支持する。
一対の支持棒48は、支持台46に支持されて、設置されている。一対の支持棒48は、図4における鉛直方向に対して直交する水平方向に沿う一方向、すなわち軸Aの方向に沿う方向に延びて設置されている。一対の支持棒48は、図4における水平方向のうち軸Aの方向に直交する方向に、すなわち一対の支持棒48の延びる方向に直交する水平な方向に、一対の凸状部34と同等の距離だけ離間して設置されている。一対の支持棒48は、一対の凸状部34に挿入することで、スリーブ30を支持する。
次に、実施形態に係る圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´と、実施形態に係る圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHと、実施形態に係る圧着装置40の動作方法の一例である、実施形態に係る端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHの製造方法について説明する。
図5は、実施形態に係る端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHの製造方法を示すフローチャートである。図6は、実施形態に係る圧着前の端子金具固定構造50´、ワイヤハーネスWH´及び圧着装置40を示す斜視図である。図7は、実施形態に係る圧着装置40に挿入された、実施形態に係る圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´を示す斜視図である。図8は、実施形態に係る圧着装置40に挿入された、実施形態に係る圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´を示す断面図である。図8は、図7において、圧着装置40を通過し、軸Aの方向に直交する断面を、軸Aの方向から見た断面図である。
図9は、実施形態に係る圧着装置40に押圧された、実施形態に係る圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHを示す斜視図である。図10は、実施形態に係る圧着装置40に押圧された、実施形態に係る圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHを示す断面図である。図10は、図9において、圧着装置40を通過し、軸Aの方向に直交する断面を、軸Aの方向から見た断面図である。図11は、実施形態に係る圧着装置40による押圧から開放された、実施形態に係る圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHを示す斜視図である。図12は、実施形態に係る圧着装置40による押圧から開放された、実施形態に係る圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHを示す断面図である。図12は、図11において、圧着装置40を通過し、軸Aの方向に直交する断面を、軸Aの方向から見た断面図である。図13は、実施形態に係る圧着装置40から取り出された、実施形態に係る圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHを示す斜視図である。
図6から図13におけるAの方向は、それぞれ、電線10及び編組体16の軸の方向、端子金具20の軸の方向、スリーブ30の軸の方向、及び一対の支持棒48の延びる方向である。すなわち、図6から図8におけるAの方向は、それぞれ、実施形態に係る圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´の軸の方向である。また、図9から図13におけるAの方向は、それぞれ、実施形態に係る圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHの軸の方向である。
図6から図13におけるRの方向は、それぞれ、図1から図3におけるAの方向と直交する方向であり、電線10及び編組体16の周の方向、端子金具20の周の方向、スリーブ30の周の方向、及び一対の支持棒48の周の方向である。すなわち、図6から図8におけるRの方向は、それぞれ、実施形態に係る圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´の周の方向である。また、図9から図13におけるRの方向は、それぞれ、実施形態に係る圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHの周の方向である。
実施形態に係る圧着前のワイヤハーネスWH´は、図6から図8に示すように、電線10と、実施形態に係る圧着前の端子金具固定構造50´とを含む。圧着前の端子金具固定構造50´は、圧着装置40によって圧着状態が形成されることで、圧着後の端子金具固定構造50となるものである。圧着前のワイヤハーネスWH´は、圧着装置40によって圧着状態が形成されることで、圧着後のワイヤハーネスWHとなるものである。
圧着前の端子金具固定構造50´は、それぞれ上記した編組体16と、端子金具20と、スリーブ30と、を含む。圧着前の端子金具固定構造50´は、電線10の一部を被覆する編組体16に端子金具20を固定する固定構造を形成する前の状態である。電線10は、ワイヤハーネスWH´の構成要素の一部である。
圧着前の端子金具固定構造50´は、端子金具20が、編組体16の一方の端部16aに、編組体16を貫通させて、取り付けられている。詳細には、圧着前の端子金具固定構造50´は、編組体16の一方の端部16aが、端子金具20の軸Aの方向における一方の端部20aの側において、端子金具20の内周面20iから外周面20oへ折り返された状態で、端子金具20が取り付けられている。
圧着前の端子金具固定構造50´は、さらにスリーブ30が、端子金具20が取り付けられた編組体16の一方の端部16aに、端子金具20の圧着部22を貫通させて、取り付けられている。詳細には、圧着前の端子金具固定構造50´は、編組体16の一方の端部16aが、端子金具20の軸Aの方向における一方の端部20aの側において、端子金具20の内周面20iから外周面20oへ折り返され、端子金具20の外周面20oとスリーブ30の内周面30iとの間で径方向に挟まれた状態で、スリーブ30が取り付けられている。
実施形態に係る圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´は、いずれも、編組体16の一方の端部16aのうちの一部が、電線10の絶縁体14の外周面と端子金具20の内周面20iとの間で径方向に挟まれている。実施形態に係る圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´は、いずれも、編組体16の一方の端部16aのうちのその他の一部が、端子金具20の外周面20oとスリーブ30の内周面30iとの間で径方向に挟まれている。
実施形態に係る圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHは、それぞれ、図9から図13に示すように、実施形態に係る圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´において、圧着装置40によって圧着状態が形成されたものである。
実施形態に係る圧着後のワイヤハーネスWHは、図9から図13に示すように、電線10と、実施形態に係る圧着後の端子金具固定構造50とを含む。ワイヤハーネスWHは、車両の構成要素間を電気的に接続するものであり、端子金具固定構造50が適用された電線10を含む電線、コネクタ、電気接続箱などによって構成される。圧着後の端子金具固定構造50は、圧着前の端子金具固定構造50´と同様に、それぞれ上記した編組体16と、端子金具20と、スリーブ30と、を含む。圧着後の端子金具固定構造50は、電線10の一部を被覆する編組体16に端子金具20を固定する固定構造である。電線10は、ワイヤハーネスWHの構成要素の一部である。
圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHは、それぞれ、圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´において、圧着装置40によってスリーブ30の本体部32が外周面30oの側から径方向の内側に向かって押圧されて変形が加えられたものである。圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHは、それぞれ、圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´において、スリーブ30の本体部32が上記した変形が加えられたものとなることで、編組体16が圧着された圧着状態を形成している。
圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHは、それぞれ、圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´において、スリーブ30の本体部32が外周面30oの側から変形されて、外周面30oが軸Aの方向から見て六角形以上の偶数多角形状となっているものが例示される。
圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHは、それぞれ、圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´において、変形後の外周面30oの六角形以上の偶数多角形状の角部が、軸Aの方向から見て変形前の外周面30oが形成する外周円に内接する、もしくは、外周円よりも径方向の内側に位置するように、本体部32が変形されたものである。
圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHは、それぞれ、圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´において、スリーブ30の本体部32が外周面30oの側から変形されることに伴って、端子金具20の圧着部22が外周面20oの側から変形されたものである。圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHは、それぞれ、圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´において、端子金具20の圧着部22が外周面20oの側から変形されて、外周面20oが軸Aの方向から見て六角形以上の偶数多角形状となっているものが例示される。
圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHは、それぞれ、圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´において、変形後の外周面20oの六角形以上の偶数多角形状の角部が、軸Aの方向から見て変形前の外周面20oが形成する外周円に内接する、もしくは、外周円よりも径方向の内側に位置するように、圧着部22が変形されたものである。
実施形態に係る圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHは、いずれも、編組体16の一方の端部16aのうちの一部が、電線10の絶縁体14の外周面と端子金具20の内周面20iとの間で径方向に圧着されている。実施形態に係る圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHは、いずれも、編組体16の一方の端部16aのうちのその他の一部が、端子金具20の外周面20oとスリーブ30の内周面30iとの間で径方向に圧着されている。
実施形態に係る圧着装置40の動作方法の一例である、実施形態に係る端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHの製造方法は、図5に示すように、端子金具装着ステップ(ステップS12)と、スリーブ装着ステップ(ステップS14)と、挿入ステップ(ステップS16)と、圧着ステップ(ステップS18)と、取出ステップ(ステップS20)と、を含む。
まず、編組体16によって被覆された状態の電線10を準備する。この編組体16によって被覆された状態の電線10を、端子金具20の軸Aの方向に沿って形成された貫通孔に貫通させる。そして、端子金具20の一方の端部20aの側にある編組体16の一方の端部16aを電線10に対してめくりあげ、端子金具20の一方の端部20aの側において、端子金具20の内周面20iから外周面20oへ折り返す。これにより、編組体16の一方の端部16aに端子金具20が装着される(ステップS12)。
ステップS12により端子金具20が装着された編組体16の一方の端部16aを、電線10と共に、一方の端部20aの側から、スリーブ30の軸Aの方向に沿って形成された貫通孔に貫通させる。そして、編組体16の一方の端部16aが、端子金具20の軸Aの方向における一方の端部20aの側において、端子金具20の内周面20iから外周面20oへ折り返され、端子金具20の外周面20oとスリーブ30の内周面30iとの間で径方向に挟まれた状態で、スリーブ30が装着される(ステップS14)。
ステップS12及びステップS14を経ると、図6に示すような圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´が得られる。圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´では、いずれも、編組体16の一方の端部16aのうちの一部が、電線10の絶縁体14の外周面と端子金具20の内周面20iとの間で径方向に挟まれており、編組体16の一方の端部16aのうちのその他の一部が、端子金具20の外周面20oとスリーブ30の内周面30iとの間で径方向に挟まれている。
ステップS12及びステップS14を経て得られた圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´を、一方の端部20aの側へ向けて軸Aの方向に沿って、圧着装置40における第1ダイス42と第2ダイス44との間の空間に挿入する(ステップS16)。これにより、図7及び図8に示すように、スリーブ30の本体部32の外周面30oの主動方向の一方の側と、第1ダイス42の主動方向の他方の側に向けられた押圧面とが、主動方向に沿う方向に対向している状態となる。また、スリーブ30の本体部32の外周面30oの主動方向の他方の側と、第2ダイス44の主動方向の一方の側に向けられた押圧面とが、主動方向に沿う方向に対向している状態となる。また、スリーブ30は、一対の凸状部34に一対の支持棒48が挿入された状態となることで、一対の支持棒48によって回転不能に安定して支持された状態となる。
ステップS16で第1ダイス42と第2ダイス44との間の空間に挿入された圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´に対して、第1ダイス42を主動方向の他方の方向に相対的に移動させることで、第1ダイス42の主動方向の他方の側に向けられた押圧面を、スリーブ30の本体部32の外周面30oの主動方向の一方の側に接触させる。これと同時に、ステップS16で第1ダイス42と第2ダイス44との間の空間に挿入された圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´に対して、第2ダイス44を主動方向の一方の方向に相対的に移動させることで、第2ダイス44の主動方向の一方の側に向けられた押圧面を、スリーブ30の本体部32の外周面30oの主動方向の他方の側に接触させる。
さらに、図9及び図10に示すように、この圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´に対して、第1ダイス42を主動方向の他方の方向に押し付けて、第1ダイス42の主動方向の他方の側に向けられた押圧面で、スリーブ30の本体部32の外周面30oの主動方向の一方の側を押圧して、変形させる。これと同時に、図9及び図10に示すように、この圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´に対して、第2ダイス44を主動方向の一方の方向に押し付けて、第2ダイス44の主動方向の一方の側に向けられた押圧面で、スリーブ30の本体部32の外周面30oの主動方向の他方の側を押圧して、変形させる。
第1ダイス42及び第2ダイス44の押圧及び変形の作用により、スリーブ30の本体部32を外周面30oの側から変形して、外周面30oを軸Aの方向から見て六角形以上の偶数多角形状とする。また、第1ダイス42及び第2ダイス44の押圧及び変形の作用により、変形後の外周面30oの六角形以上の偶数多角形状の角部が、軸Aの方向から見て変形前の外周面30oが形成する外周円に内接する、もしくは、外周円よりも径方向の内側に位置するように、本体部32を変形する。
これと同時に、スリーブ30の本体部32の変形に伴って、端子金具20の圧着部22を外周面20oの側から変形して、外周面20oを軸Aの方向から見て六角形以上の偶数多角形状とする。変形後の外周面20oの六角形以上の偶数多角形状の角部が、軸Aの方向から見て変形前の外周面20oが形成する外周円に内接する、もしくは、外周円よりも径方向の内側に位置するように、圧着部22を変形する。
本体部32及び圧着部22が変形する際、一対の凸状部34によって、圧着状態を形成する際に圧着部22及び本体部32を変形するために加えられる押圧力に対する反作用の圧力が、逃がされる。このため、一対の凸状部34によって、圧着部22及び本体部32の変形による圧着部分におけるバリの発生が低減する。また、一対の凸状部34によって、ダイスが圧着部22及び本体部32から受ける反作用の圧力が低減されるので、ダイスの寿命の低下が低減される。
このようなスリーブ30の本体部32の変形と、端子金具20の圧着部22の変形とにより、電線10の絶縁体14の外周面と端子金具20の内周面20iとの間で径方向に挟まれていた編組体16の一方の端部16aのうちの一部を、電線10の絶縁体14の外周面と端子金具20の内周面20iとの間で径方向に圧着する。また、端子金具20の外周面20oとスリーブ30の内周面30iとの間で径方向に挟まれていた編組体16の一方の端部16aのうちのその他の一部を、端子金具20の外周面20oとスリーブ30の内周面30iとの間で径方向に圧着する。このように、圧着前の端子金具固定構造50´及びワイヤハーネスWH´において圧着状態を形成して、圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHが得られる(ステップS18)。
ステップS18を経て得られた圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHに対して、第1ダイス42を主動方向の一方の方向に相対的に移動させることで、第1ダイス42の主動方向の他方の側に向けられた押圧面を、スリーブ30の本体部32の外周面30oの主動方向の一方の側から離間させる。これと同時に、ステップS18を経て得られた圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHに対して、第2ダイス44を主動方向の他方の方向に相対的に移動させることで、第2ダイス44の主動方向の一方の側に向けられた押圧面を、スリーブ30の本体部32の外周面30oの主動方向の他方の側から離間させる。
これにより、圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHは、図11及び図12に示すように、第1ダイス42及び第2ダイス44と互いに離間した状態であり、かつ、一対の凸状部34に一対の支持棒48が挿入されているために、スリーブ30が一対の支持棒48によって回転不能に安定して支持された状態となる。
第1ダイス42及び第2ダイス44と互いに離間した状態であり、かつ、スリーブ30が一対の支持棒48によって回転不能に安定して支持された状態となっている圧着後の端子金具固定構造50及びワイヤハーネスWHを、一方の端部20aの側から軸Aの方向に沿って引き抜くことで、図13に示すように、圧着装置40から取り出す(ステップS20)。ステップS20により、一対の凸状部34に挿入されていた一対の支持棒48が引き抜かれ、スリーブ30が一対の支持棒48から支持された状態から脱する。
端子金具固定構造50、ワイヤハーネスWH及び圧着装置40は、スリーブ30が本体部32の軸Aに対象の位置に、軸Aの方向に延びて本体部32の径方向の外側に突出して設けられた一対の凸状部34を有する。このため、端子金具固定構造50、ワイヤハーネスWH及び圧着装置40は、第1ダイス42及び第2ダイス44の押圧力に対するスリーブ30からの反作用の圧力を一対の凸状部34に逃がすことができるので、圧着部分におけるバリの発生を低減しつつ、第1ダイス42及び第2ダイス44の寿命の低下を低減することができる。
端子金具固定構造50、ワイヤハーネスWH及び圧着装置40は、編組体16の一方の端部16aの少なくとも一部がグラウンド接続部24に接触する。このため、端子金具固定構造50、ワイヤハーネスWH及び圧着装置40は、端子金具20がグラウンド接続部24を介して、圧着部22に取り付けられた編組体16によって遮断された電線10からの電磁ノイズを、車体側に伝達することができる。
端子金具固定構造50、ワイヤハーネスWH及び圧着装置40は、一対の凸状部34のスリーブ30が径方向の内側に向かって変形される際に、一対の支持棒48が挿入されて支持される。このため、端子金具固定構造50、ワイヤハーネスWH及び圧着装置40は、圧着状態を形成する際に、スリーブ30及びスリーブ30を含む構造を回転不能に安定して支持することができる。これにより、端子金具固定構造50、ワイヤハーネスWH及び圧着装置40は、圧着装置40によるスリーブ30及びスリーブ30を含む構造に対する加圧、変形及び圧着の精度を向上させることができ、加圧、変形及び圧着後のスリーブ30を含む構造の品質を向上させることができる。
10 電線
12 芯線
14 絶縁体
16 編組体
16a,20a 一方の端部
20 端子金具
20b 他方の端部
20i,30i 内周面
20o,30o 外周面
22 圧着部
24 グラウンド接続部
30 スリーブ
32 本体部
34 凸状部
40 圧着装置
42 第1ダイス
44 第2ダイス
46 支持台
48 支持棒
50,50´ 端子金具固定構造
WH,WH´ ワイヤハーネス

Claims (5)

  1. 芯線及び前記芯線を被覆する絶縁体を有する電線の一部を被覆し、かつ金属線を編み込んで形成される編組体と、
    軸の方向における一方の端部の側に設けられた筒状の圧着部、及び、前記軸の方向における他方の端部の側に設けられ、アース部材と電気的に接続されるグラウンド接続部を有し、前記編組体が貫通する端子金具と、
    筒状の本体部、及び、前記本体部の軸に対象の位置に、前記軸の方向に延びて前記本体部の径方向の外側に突出して設けられた一対の凸状部を有し、前記端子金具の軸の方向における一方の端部の側において、前記端子金具の内周面から外周面へ折り返された前記編組体の一方の端部が径方向に挟まれた状態で、前記圧着部が貫通するスリーブと、
    を含み、
    前記スリーブが前記径方向の内側に向かって変形され、前記端子金具と前記スリーブとの間で前記編組体の圧着状態を形成する、
    ことを特徴とする端子金具固定構造。
  2. 前記編組体は、前記一方の端部の少なくとも一部が前記グラウンド接続部に接触する、
    請求項1に記載の端子金具固定構造。
  3. 前記一対の凸状部は、前記スリーブが前記径方向の内側に向かって変形される際に、一対の支持棒が挿入されて支持される、
    請求項1または請求項2に記載の端子金具固定構造。
  4. 芯線及び前記芯線を被覆する絶縁体を有する電線と、
    前記電線の一部を被覆し、かつ金属線を編み込んで形成される編組体と、
    軸の方向における一方の端部の側に設けられた筒状の圧着部、及び、軸の方向における他方の端部の側に設けられ、アース部材と電気的に接続されるグラウンド接続部を有し、前記編組体が貫通する端子金具と、
    筒状の本体部、及び、前記本体部の軸に対象の位置に、前記軸方向に延びて前記本体部の径方向の外側に突出して設けられた一対の凸状部を有し、前記端子金具の軸の方向における一方の端部の側において、前記端子金具の内周面から外周面へ折り返された前記編組体の一方の端部が径方向に挟まれた状態で、前記圧着部が貫通するスリーブと、
    を含み、
    前記スリーブが前記径方向の内側に向かって変形され、前記端子金具と前記スリーブとの間で前記編組体の圧着状態を形成する、
    ことを特徴とするワイヤハーネス。
  5. 筒状の本体部、及び、前記本体部の軸に対象の位置に、前記軸の方向に延びて前記本体部の径方向の外側に突出して設けられた一対の凸状部を有し、電線及び編組体が貫通する端子金具の内周面から外周面へ折り返された前記編組体の一方の端部を、前記端子金具との間で径方向に挟み込むスリーブを、前記径方向の内側に向かって変形させて、前記スリーブの外周面を前記軸の方向から見て六角形以上の偶数多角形状に変形させることで、前記端子金具と前記スリーブとの間で前記編組体を圧着させる圧着装置であって、
    前記スリーブに対し、主動方向の他方に相対的に移動することで、前記スリーブの前記外周面の一方の側を変形させる第1ダイスと、
    前記スリーブに対し、主動方向の一方に相対的に移動することで、前記スリーブの前記外周面の他方の側を変形させる第2ダイスと、
    前記一対の凸状部に挿入することで、前記スリーブを支持する一対の支持棒と、
    前記一対の支持棒を支持する支持台と、
    を含むことを特徴とする圧着装置。
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