図1は、実施形態にかかる入出金システム100の外観斜視図である。入出金システム100は、釣銭機1と、POS端末2とを備えている。
POS端末2は、客が購入する商品の商品情報に基づいて、売上データ(販売データ)を登録する販売データ処理装置である。図1に示すように、POS端末2は制御部40(図4参照)を内蔵した筐体20を備える。筐体20の上部にはキーボード25が設けられている。また、POS端末2は、筐体20の上部でキーボード25より奥側に、表面にタッチパネル28を配設した店員用表示器27を備えている。さらに店員用表示器27の上方には、筐体20の上面から突出して、客用表示器29が設けられている。また、POS端末2は、店員用表示器27の左隣に、レシートやジャーナルを印字するためのプリンタ21を備えている。また、POS端末2には、レーザ式のハンドスキャナ、あるいは、光学読取式の縦型スキャナ等のスキャナ26(図4参照)が接続されて用いられる。
POS端末2は、スキャナ26が読み取った情報と、商品マスタ63(図4参照)とに基づいて売上商品の商品情報を読み込む。そしてPOS端末2は、売上個数や売上金額や値引率等に基づいて小計および合計金額等を含む売上データを生成し、売上ファイル64(図4参照)に登録する。また、店員がキーボード25で客からの預り金額を入力すると、POS端末2は売上合計金額から預り金額を差し引いて釣り金額を算出し、この釣り金額を出金するよう釣銭機1に出金指示(出金コマンド)を出力する。また、POS端末2は、売上合計金額、釣り金額を店員用表示器27、客用表示器29に表示する。尚、客からの預り金額の入力については、釣銭機1が計数した入金額をPOS端末2に通知し、POS端末2がこの入金額に基づいて釣り金額を算出してもよい。
釣銭機1は、客からの預り金などを金種別に収納し、入金額をPOS端末2に通知する入金処理を行う。また、釣銭機1は、POS端末2から釣銭の出金指示を受けると、金種ごとの出金枚数を決定し、各金種の紙幣または硬貨を出金する出金処理を行う。
図1に示すように釣銭機1は、紙幣釣銭機110と、硬貨釣銭機120とを備えている。尚、釣銭機1は紙幣釣銭機110、または硬貨釣銭機120のいずれか一方を備える構成でもよい。
加えて、釣銭機1はコイントレー130を備えている。尚、コイントレー130はオプション品であり、釣銭機1に必須の構成ではない。コイントレー130は、コイントレー130を収納する筐体139に対して引き出し可能に設けられている。コイントレー130は、トレー内部に棒金や商品券を収納しておくための収納部である。コイントレー130は、図示しないロック機構により筐体139から引き出せないようにロックされている。また、コイントレー130は、当該ロック機構が開錠状態となると、筐体139の手前側に引き出して内部の棒金や商品券を出し入れすることができる。コイントレー130のロック機構の構成としては、後述するロック機構116a、116b等と同様、メカニカルロックタイプの電磁ロックを用いることができる。
紙幣釣銭機110は、その筐体19の上面にディスプレイ11と、操作部12と、入金口13と、出金口14とを備えている。ディスプレイ11は、動作モード、エラー通知などの情報を表示する。操作部12は、動作モードを選択するための操作ボタンや、エラー通知を解除するための操作ボタン等を備えている。
また、紙幣釣銭機110の前面パネル19aは、筐体19に対して取り外し可能に設けられており、通常は筐体19から取り外せないようロック機構116a(図2参照)により施錠されている。紙幣釣銭機110において紙幣詰まり等が発生した際には、ロック機構116aを開錠し、前面パネル19aを取り外して紙幣詰まりを解消する作業を行う。
また、紙幣釣銭機110は、筐体19内部の紙幣を外部に露出せずに回収するための回収ボックス71を備えている。筐体19には回収ボックス71を収納するための収納部(不図示)が設けられており、通常、回収ボックス71は収納部に嵌め込まれて用いられる。また、回収ボックス71は、筐体19に対して取り外し可能に設けられているが、通常は、筐体19から引き出せないようにロック機構116b(図2参照)により施錠されている。また、回収ボックス71は、ロック機構116bが開錠状態となると、筐体19から取り外して持ち運べるようになっている。尚、回収処理の手順については、図6および図7において説明する。
硬貨釣銭機120は、その筐体39の上面にディスプレイ15と、操作部16とを備えている。筐体39の上面の右手前端部には、複数枚の硬貨を一度に投入できる入金口17が設けられている。筐体39の左手前端部には、硬貨を装置内から出金する出金口18が設けられている。また、筐体39の前面パネル39aは、筐体39に対して取り外し可能に設けられており、通常は筐体39から取り外せないようロック機構126a(図2参照)により施錠されている。硬貨釣銭機120において硬貨詰まり等が発生した際には、ロック機構126aを開錠し、前面パネル39aを取り外して硬貨詰まりを解消する作業を行う。
また、出金口18の下方の筐体39は、筐体39に対して手前側に引き出すことができるスライド部72を備えている。スライド部72は、ロック機構126b(図2参照)が施錠状態にあれば、筐体39から引き出せないようにロックされている。また、スライド部72は、ロック機構126bが開錠状態となると、筐体39から引き出すことができる。筐体39から引き出されたスライド部72には、硬貨釣銭機120の内部に収納されている硬貨を回収するための回収袋をセットすることができる。硬貨の回収作業を行う店員(例えば、店長などの権限を有する店員)は、回収袋を用いて硬貨釣銭機120内の硬貨を一気に回収することができる。
次に、紙幣釣銭機110の筐体19内部に設けられた構成、硬貨釣銭機120の筐体39内部に設けられた構成、および各部の電気的接続例について図2を用いて説明する。
図2は、釣銭機1の各部の電気的接続例を示すブロック図である。紙幣釣銭機110は、制御部として機能するCPU31、ROM32、RAM33を備えている。ROM32は、本実施形態の釣銭機1が実行するプログラムを格納している。RAM33は、その一部に、釣銭機1の電源を切っても記憶内容が消失しない不揮発性メモリ領域を備えている。
図2に示すように、紙幣釣銭機110のCPU31はバスラインにより、ディスプレイ11、操作部12、通信I/F(Interface)36、接続I/F37に接続されている。また、CPU31はバスラインにより、入金センサ131、識別センサ132、収納センサ133、払出センサ134、出金センサ135等の各種センサに接続されている。また、CPU31はバスラインにより、入金機構111、選別機構112、紙幣収納部113、払出機構114、出金機構115、ロック機構116a、116bに接続されている。通信I/F36は、POS端末2と接続するためのインタフェースである。接続I/F37は硬貨釣銭機120と接続するためのインタフェースである。
入金センサ131は、入金口13(図1参照)に差し込まれた紙幣を検出する。入金機構111は、入金センサ131が紙幣を検出すると、入金口13に差し込まれた紙幣を筐体19内部の紙幣搬入経路に取り込む機構である。
識別センサ132は、紙幣搬入経路に取り込まれた紙幣の金種や正偽を識別し、紙幣以外の異物を検出する。選別機構112は、識別センサ132の識別結果に応じて、偽貨を選別してリジェクト部(不図示)に排出する。また、選別機構112は、識別センサ132の識別結果に応じて、正貨を金種別に選別し、金種ごとの収納庫に収納する機構である。
紙幣収納部113は、金種別の収納庫を備えている。収納センサ133は、紙幣収納部113に設けられた金種ごとの収納庫に収納される紙幣を検出し、金種ごとの入金枚数を計上する。選別機構112により選別された各金種の紙幣は、該当する金種用の収納庫に収納される。
払出機構114は、操作部12またはPOS端末2から受けた出金指示(出金コマンド)に応じて、紙幣収納部113から必要な金種の紙幣を必要枚数分だけ払い出し、筐体19内部に設けられた紙幣搬出経路に搬出する機構である。払出センサ134は、紙幣収納部113に設けられた金種ごとの収納庫が払い出す紙幣を検出し、金種ごとの払出枚数を計上する。
出金機構115は、紙幣搬出経路の終端、すなわち、出金口14近傍に設けられている。出金機構115は、紙幣搬出経路により出金口14に向けて送り出されてきた紙幣を重ねて、出金口14に送り出す機構である。出金センサ135は、出金口14に設けられ、出金口14に払い出された紙幣の取り残しを検出する。
ロック機構116aは、前面パネル19aを筐体19にロックし、筐体19内の紙幣を不正に取り出せないように施錠するための機構である。
ロック機構116bは、回収ボックス71を筐体19に設けられた回収ボックス71の収納部(不図示)にロックし、回収ボックス71を不正に抜き取れないように施錠するための機構である。
ロック機構116a、116bとしては、例えばメカニカルロックタイプ(スプリングロック)の電磁ロックを用いることができる。ロック機構116a、116bは、ロックピンとピン固定機構、ロックピンを往復駆動するソレノイド等を備えている。前面パネル19aあるいは回収ボックス71が筐体19に嵌め込まれると、ロックピンがピン固定機構に嵌って自動的に施錠状態となる。また、ソレノイドに通電すると、ロックピンがピン固定機構から離間する方向に駆動されてロックピンがピン固定機構から外れ、開錠状態となる。
このようにロック機構116a、116bは、前面パネル19aまたは回収ボックス71が収納されると自動的にロックが掛かり、開錠時に限って電力を使用する。従って、電源遮断時には施錠状態が保たれ、安全性を確保することができる。
また、回収ボックス71の収納部は圧縮バネ等の弾性体を備えている。ロックピンが外れると、その弾性により回収ボックス71は筐体19の外部に向かって押し出される。オペレータは筐体19の手前側に突出した回収ボックス71を把持して筐体19から抜き取り、店舗のバックヤードへ持ち運ぶことができる。
紙幣釣銭機110の接続I/F37は、硬貨釣銭機120の接続I/F38と接続されている。紙幣釣銭機110のCPU31は、接続I/F37、接続I/F38および各種バスラインを介して、硬貨釣銭機120の各部と接続し、これら各部の動作を制御する。
CPU31は、硬貨釣銭機120のディスプレイ15、操作部16に接続されている。また、CPU31は、入金センサ141、識別センサ142、収納センサ143、払出センサ144、出金センサ145等の各種センサに接続されている。また、CPU31は、入金機構121、選別機構122、硬貨収納部123、払出機構124、出金機構125、ロック機構126a、126bに接続されている。
入金センサ141は、入金口17に投入された硬貨を検出する。入金機構121は、入金センサ141が硬貨を検出すると、入金口17に投入された硬貨を筐体39内部の硬貨搬入経路に取り込む機構である。
識別センサ142は、入金された硬貨の金種や、硬貨の正偽を識別し、硬貨以外の異物を検出する。選別機構122は、識別センサ142の識別結果に応じて、偽貨を選別してリジェクト部(不図示)に排出する。また、選別機構122は、正貨については金種別に選別して、金種ごとの収納庫に収納する機構である。
硬貨収納部123は、金種別の収納庫を備えている。収納センサ143は、硬貨収納部123に設けられた金種ごとの収納庫に収納される硬貨を検出し、金種ごとの入金枚数を計上する。選別機構122により選別された各金種の硬貨は、該当する金種用の収納庫に収納される。
払出機構124は、操作部16またはPOS端末2から受けた出金指示(出金コマンド)に応じて、硬貨収納部123から必要な金種の硬貨を必要枚数分だけ払い出し、筐体39内部に設けられた硬貨搬出経路に搬出する機構である。払出センサ144は、硬貨収納部123に設けられた金種ごとの収納庫が払い出す硬貨を検出し、金種ごとの払出枚数をカウントする。
出金機構125は、硬貨搬出経路の終端、すなわち、出金口18近傍に設けられている。出金機構125は、硬貨搬出経路により出金口18に向けて送り出されてきた硬貨をまとめて出金口18に送り出す機構である。出金センサ145は、出金口18に設けられ、出金口18に払い出された硬貨の取り残しを検出する。
ロック機構126aは、前面パネル39aを筐体39にロックし、筐体39内の硬貨を不正に取り出せないように施錠するための機構である。
ロック機構126bは、スライド部72を筐体39に設けられたスライド部72の収納部(不図示)にロックし、筐体39から引き出せないように施錠するための機構である。
ロック機構126a、126bとしては、ロック機構116a、116bと同様に、メカニカルロックタイプの電磁ロックを用いることができる。ロック機構126a、126bの構成および動作は、上述したロック機構116a、116bと同様である。
例えば、スライド部72が筐体39の収納部に嵌め込まれると、ロック機構126bは自動的に施錠状態となる。また、ロック機構126bのソレノイドに通電すると、ロック機構126bは開錠状態となり、筐体39の収納部が有する圧縮バネの弾性によりスライド部72が外部に押し出される。オペレータは、筐体39の手前側に突出したスライド部72を収納部から完全に引き出して、硬貨回収用の袋をセットすればよい。なお、圧縮バネによる自動押し出し機構は必須ではなく、開錠した後、オペレータが手動でスライド部72を引き出す構成でもよい。
尚、図2では、紙幣釣銭機110が制御部として機能するCPU31、ROM32、RAM33を備えて、硬貨釣銭機120を制御する構成とした。但し、制御部の構成はこれに限定されない。例えば、硬貨釣銭機120に制御部を設け、硬貨釣銭機120と紙幣釣銭機110とを制御する構成でもよい。あるいは、紙幣釣銭機110、硬貨釣銭機120のそれぞれに制御部を設け、各制御部が各ユニットの動作をそれぞれ制御してもよい。
次に、釣銭機1が実行するプログラムと、このプログラムにより実現される釣銭機1の機能構成について説明する。
図3は、釣銭機1の機能構成例を示すブロック図である。図3に示すように、釣銭機1が実行するプログラムは、入力受付部51、ランク読込部52、入金制御部53、出金制御部54、ロック制御部55、エラー出力部56、ログ記録部57を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしてはCPU31(プロセッサ)がROM32からプログラムを読み出して実行することにより、上記各部を主記憶装置上にロードして各部の機能を実現する。
尚、図3では、本実施形態の釣銭機1が実行するプログラムが、ROM32等に予め組み込まれて提供されるとした。尚、本実施形態の釣銭機1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施形態の釣銭機1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の釣銭機1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
入力受付部51は、紙幣釣銭機110の操作部12、および、硬貨釣銭機120の操作部16(ともに図1参照)に対する操作を受付ける。また、入力受付部51は、POS端末2から、釣銭機1が有するロック機構の開錠を伴う業務にかかる指示を受付ける。指示の例としては、貨幣の回収指示、貨幣詰まり解消作業のためのロック開錠の指示などであえる。
ランク読込部52は、POS端末2のログイン情報格納部62(図4参照)から、POS端末2にログインしているオペレータのランクを示したランク情報を読み込む。以下では、ランク情報として、
ロック機構116a、116b、126a、126bをそれぞれ開錠できるオペレータについては「1」、
ロック機構116a、116b、126a、126bのいずれも開錠することができないオペレータについては「2」、
と設定する場合について説明する。
入金制御部53は、紙幣収納部113または硬貨収納部123への入金動作を制御する。例えば、入金制御部53は、収納センサ133、143がカウントした金種ごとの入金枚数に基づいて、入金合計額を算出する。そして、入金制御部53は、入金合計額をPOS端末2に通知する。
出金制御部54は、紙幣収納部113または硬貨収納部123からの出金動作を制御する。例えば、出金制御部54は、POS端末2から受信した釣り金額分の出金コマンド、または、自装置の操作部12、16から入力された出金額に基づいて、各金種の出金枚数を決定する。そして、出金制御部54は、出金機構115、125に各金種の出金枚数を指示する。出金機構115は、出金指示に基づいて各金種の紙幣を出金口14に送り出す。出金機構125は、出金指示に基づいて各金種の硬貨を出金口18に送り出す。
ロック制御部55は、入力受付部51が受付けた指示内容と、ランク読込部52が読み込んだランク情報とに応じて、開錠対象のロック機構を開錠する。開錠対象のロック機構は、入力受付部51が受付けた指示内容、即ち、指示された業務の種類によって異なる。ロック制御部55は、指示された業務において開錠すべき箇所のロック機構を開錠対象とする。例えば、紙幣の回収指示を受付けた際には、紙幣釣銭機110の回収ボックス71のロック機構116bが開錠対象となる。紙幣詰まりの解消作業のための開錠指示を受付けた際には、紙幣釣銭機110の前面パネル19aのロック機構116aが開錠対象となる。
硬貨の回収指示を受付けた際には、硬貨釣銭機120のスライド部72のロック機構126bが開錠対象となる。硬貨詰まりの解消作業のための開錠指示を受付けた際には、硬貨釣銭機120の前面パネル39aのロック機構126aが開錠対象となる。
ロック制御部55は、ランク読込部52が読み込んだランク情報が「1」であれば、開錠対象のロック機構が有するソレノイドに通電して、開錠対象のロック機構を開錠する。一方、ロック制御部55は、ランク読込部52が読み込んだランク情報が「2」であれば、開錠対象として指示されたロック機構を開錠せず、施錠したままとする。
エラー出力部56は、エラー発生時に、当該エラー内容をディスプレイ11またはディスプレイ15に表示し、オペレータにエラー発生を報知する。また、エラー出力部56は、POS端末2にエラー内容を通知する。尚、エラー報知方法はこれに限定されず、ブザー出力、音声出力、外部へのエラー出力など、その他の出力方法を用いてもよい。外部のエラー出力先の例としては、POS端末2に接続されたストアコンピュータ等や監視装置を用いることができる。
ログ記録部57は、釣銭機1における各種動作のログを、RAM33内の不揮発性メモリ領域に記録する。また、ログ記録部57は、POS端末2から釣銭機1のロック機構の開錠を伴う業務にかかる指示(例えば、回収指示、貨幣詰まりの解消作業のための開錠指示)を受付けると、受付けた指示内容をログに記録する。これにより、指示直後に行われた開錠動作が、指示に伴っての開錠動作であることを分かり易くログに残すことができる。
次に、POS端末2について説明する。
図4は、POS端末2の機能構成例を示すブロック図である。図4に示すように、POS端末2は、CPU、ROM、RAMを有するコンピュータ構成の制御部40を備えている。RAMは、その一部に、POS端末2の電源を切っても記憶内容が消失しない不揮発性メモリ領域を備えている。
制御部40は、バス22により、通信I/F23と、接続I/F34と、HDD60と、I/O機器制御部24と接続している。I/O機器制御部24は、各種インタフェースやバスラインにより、キーボード25と、スキャナ26と、店員用表示器27と、タッチパネル28と、客用表示器29と、プリンタ21とに接続している。
通信I/F23は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介してストアサーバ(不図示)などの上位機種と接続するためのインタフェースである。接続I/F34は、釣銭機1と接続するためのインタフェースである。
HDD60は、ランク設定テーブル61と、ログイン情報格納部62と、商品マスタ63と、売上ファイル64とを格納している。
ランク設定テーブル61は、各店員の店員コードと、その店員のランクを示すランク情報とを対応付けて設定したテーブルである。ログイン情報格納部62は、POS端末2にログインしているオペレータのランク情報を格納しておくためのメモリ領域である。商品マスタ63は、商品コードと、商品名、価格等の商品情報を対応付けたマスタファイルである。売上ファイル64は、POS端末2が登録した売上データを格納するためのデータファイルである。
次に、POS端末2が実行するプログラムについて説明する。本実施形態のPOS端末2で実行されるプログラムは、HDD60等の記憶装置に予め組み込まれて提供される。但し、POS端末2で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施形態のPOS端末2で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のPOS端末2で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
図4に示すように、POS端末2が実行するプログラムは、入力受付部41、登録部42、指示出力部43、ログ記録部44、エラー出力部45を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしては制御部40のCPU(プロセッサ)がHDD60からプログラムを読み出して実行することにより、上記各部を主記憶装置上にロードして各部の機能を実現する。
入力受付部41は、キーボード25、スキャナ26、タッチパネル28を介して入力された情報を受付ける。例えば、入力受付部41は、ログイン時に店員コードの入力を受付ける。また、入力受付部41は、キーボード25を介して、客からの預り金の金額入力を受付ける。また、入力受付部41は、接続I/F34を介して接続されている釣銭機1から、釣銭機1が計上した入金額を受信する。また、入力受付部41は、接続I/F34を介して接続されている釣銭機1から、釣銭機1で発生したエラーを示したエラー情報等を受信する。
また、入力受付部41は、オペレータから各種業務に関する指示を受付ける。例えば、入力受付部41は、紙幣詰まりが発生した際には、紙幣釣銭機110の前面パネル19aのロック機構116aを開錠する開錠指示を受付ける。また、入力受付部41は、硬貨詰まりが発生した際には、硬貨釣銭機120の前面パネル39aのロック機構126aを開錠する開錠指示を受付ける。
また、入力受付部41は、キーボード25またはタッチパネル28に設けられた貨幣回収キーが操作されると、釣銭機1内の貨幣を回収する旨の回収指示を受付ける。より詳細には、入力受付部41は、紙幣回収キーが操作されると、紙幣釣銭機110内の紙幣を回収する旨の紙幣回収指示を受付ける。また、入力受付部41は、硬貨回収キーが操作されると、硬貨釣銭機120内の硬貨を回収する旨の硬貨回収指示を受付ける。
登録部42は、ログイン時に店員コードが入力されると、当該店員コードに対応するランク情報をランク設定テーブル61から読み込む。そして登録部42は、読み込んだランク情報を、現在ログインしているユーザのランク情報としてログイン情報格納部62に設定する。
また、登録部42は、商品の売上データを売上ファイル64に登録する処理を制御する。例えば売上データには、商品名、単価、個数、小計、合計金額、客からの預り金額、釣り金額等の情報が含まれる。また、登録部42は、合計金額から預り金額を減算して釣り金額を算出する。
指示出力部43は、登録部42が算出した釣り金額を出金させるための出金指示(出金コマンド)を、釣銭機1に出力する。また、指示出力部43は、入力受付部41が受付けた各種操作に応じて、釣銭機1に各種指示を出力する。例えば、入力受付部41が上述のように貨幣の回収指示を受付けると、指示出力部43は紙幣釣銭機110または硬貨釣銭機120に対して貨幣の回収指示を出力する。また、指示出力部43は釣銭機1に対して、釣銭機1の貨幣詰まりを解消するために開錠が必要なロック機構を開錠する指示(開錠指示)を出力する。
ログ記録部44は、POS端末2における各種動作のログを、HDD60に記録する。
エラー出力部45は、各種エラー出力を制御する。エラー出力は例えば、店員用表示器27にエラーメッセージを表示したり、音声出力によりエラー内容を報知したりすればよい。その他にも、ブザー音を動作させたり、LED(Light Emitting Diode)を発光させたりしてもよい。
次に、入出金システム100の動作例について説明する。まず、図5を用いて、POS端末2がログインユーザのランク情報をログイン情報格納部62に設定する際の手順例を説明する。
図5は、入出金システム100が実行する商品登録処理の手順例を示すフローチャートである。POS端末2の操作を開始する際に、オペレータとなる店員はIDカードに付されたコードシンボルをスキャナ26で読み取る。尚、IDカードのコードシンボルには、当該店員の店員コードがエンコードされている。POS端末2の入力受付部41は、スキャナ26が読み取ったコードシンボルをデコードして店員コードを読み取り、その入力を受付ける(ステップS1)。次に、登録部42は、ランク設定テーブル61を参照して、ステップS1で受付けた店員コードのランク情報を読み込み、ログイン情報格納部62に格納する(ステップS2)。これにより、ログイン情報格納部62には、現在POS端末2にログインしているオペレータのランク情報が登録される。
次に、POS端末2の登録部42は、商品の売上データを売上ファイル64に登録する商品登録処理を行う(ステップS3)。即ち、入力受付部41がスキャナ26等の入力装置を介して受付けた商品コードに対応する商品情報(商品名、価格等)を、商品マスタ63から読み込む。そして、キーボード25において現計キーが操作されると、登録部42は商品の合計金額を計算し、店員用表示器27および客用表示器29に表示する。店員は、客からの預り金を受け取ると、紙幣を紙幣釣銭機110の入金口13に差し込み、硬貨を硬貨釣銭機120の入金口17に投入する。紙幣釣銭機110の入金センサ131または硬貨釣銭機120の入金センサ141が貨幣を検出すると、釣銭機1は入金処理(ステップS11)を開始する。
即ち、紙幣釣銭機110の入金機構111は、入金口13に差し込まれた紙幣を搬送経路内に送り込む。選別機構112は、識別センサ132による識別結果に応じて、各金種の紙幣を選別し、紙幣収納部113に金種ごとに分別して収納する。硬貨釣銭機120の入金機構121は、入金口17に投入された硬貨を搬送経路内に送り込む。選別機構122は、識別センサ142による識別結果に応じて、各金種の硬貨を選別し、硬貨収納部123に金種ごとに分別して収納する(ステップS11)。
そして、釣銭機1の入金制御部53は、収納センサ133、143が計上した貨幣枚数およびその金種に基づいて、釣銭機1に入金された合計額を計上し、当該合計額をPOS端末2に通知する(ステップS12)。POS端末2の登録部42は、通知された合計金額、即ち客からの預り金額から、商品の合計金額を減算して、客への釣り金額を算出する(ステップS4)。そして指示出力部43は、釣り金額の出金指示を釣銭機1に対して出力する(ステップS5)。釣銭機1は出金指示に応じて、出金処理(ステップS13)を開始する。
即ち、釣銭機1の出金制御部54は、POS端末2の出金指示に基づいて、紙幣釣銭機110による金種ごとの払い出し枚数、および、硬貨釣銭機120による金種ごとの払い出し枚数を算出する。払出機構114は、指示枚数分の紙幣を紙幣収納部113から搬送経路に払い出す。出金機構115は、搬送機構(不図示)が出金口14近傍まで搬送した紙幣を出金口14へと送り出す。また、払出機構124は、指示枚数分の硬貨を硬貨収納部123から搬送経路に払い出す。出金機構125は、搬送機構(不図示)が出金口18近傍まで搬送した硬貨を出金口18へと送り出す(ステップS13)。
一方、POS端末2の登録部42は、プリンタ21によりレシートを発行する(ステップS6)。店員は、出金口14、18に送り出された釣り金額分の貨幣と、レシートとを客に手渡して、その取引の精算を終了する。POS端末2の入力受付部41は、キーボード25又はタッチパネル28からオペレータを変更する操作を受付けたか判定する(ステップS7)。オペレータ変更の操作を受付けた場合には(ステップS7:Yes)、ステップS1に移行する。
オペレータ変更の操作を受付けなければ(ステップS7:No)、ステップS8に移行する。入力受付部41は、スキャナ26が商品のコードシンボルを読み取って、次の取引が開始されたか判定する(ステップS8)。次の取引が開始された場合には(ステップS8:Yes)、ステップS3に移行する。次の取引が開始されなければ(ステップS8:No)、処理を終了する。
次に、入出金システム100が実行する貨幣回収処理と、当該処理における釣銭機1のロック開錠の動作例について、図6および図7を用いて説明する。
図6および図7は、入出金システム100が実行する貨幣回収処理の手順例を示すフローチャートである。
POS端末2において、キーボード25或いはタッチパネル28において回収キーが選択操作されると、その操作に応じて指示出力部43は、貨幣(紙幣または硬貨)の回収指示を釣銭機1に出力する(ステップS21)。また、POS端末2のログ記録部44は、回収指示を出力した日時、ログインしているオペレータの店員コード、回収対象の貨幣種類(紙幣または硬貨)等をログに記録する(ステップS22)。
釣銭機1は回収指示を受付けると(ステップS21)、POS端末2のログイン情報格納部62からログインユーザのランク情報を読み込む(ステップS31)。ロック制御部55は、ステップS31で読み込んだランク情報が「1」であれば、開錠対象とするロック機構(回収ボックス71のロック機構116b、または、スライド部72のロック機構126b)を開錠可能であると判定する(ステップS32:Yes)。一方、ステップS31で読み込んだランク情報が「2」であれば、当該ロック機構を開錠できないと判定する(ステップS32:No)。
そして、ステップS32:Yesであれば、ロック制御部55は、回収対象の貨幣種類に応じて、ロック機構116bまたはロック機構126bを開錠する(ステップS33)。また、ログ記録部57は、回収処理のログとして、POS端末2から受けた回収指示の内容、解除したロック機構を示した情報、POS端末2のログインユーザのランク情報等を記録する(ステップS34)。
尚、紙幣の回収においては、ロック機構116bの開錠の前に、紙幣釣銭機110が、回収分の紙幣を紙幣収納部113から回収ボックス71に回収する。即ち、紙幣釣銭機110は、紙幣収納部113、払出機構114を制御して、回収対象の金種の紙幣を指示枚数分、紙幣収納部113から払い出し、搬送機構(不図示)により回収ボックス71内に移動させる。そして、紙幣の移動後に、回収ボックス71のロック機構116bを開錠する。店員は、回収ボックス71をバックヤード等まで持ち運び、回収ボックス71内の紙幣を回収する。そして店員が、空にした回収ボックス71を筐体19の収納部に嵌め込んで収納すると、ロック機構116bが自動で施錠される。
硬貨の回収については、スライド部72のロック機構126bを解除した後に、店員はスライド部72を手前側に完全に引き出して、スライド部72に硬貨回収袋を取り付ける。そして店員は、硬貨釣銭機120の回収キーまたは払い出しキー(POS端末2からの指示を再度受付けてもよい)を操作する。硬貨釣銭機120は、硬貨収納部123、払出機構124、出金機構125を制御して、回収対象の金種の硬貨を指示枚数分、硬貨収納部123から出金口18に払い出す。出金口18から払い出された硬貨は硬貨回収袋に投入される。店員はこの回収袋をスライド部72から取り外して、バックヤード等まで持ち運び、回収袋内の硬貨を回収する。また、店員は回収袋をスライド部72から外した後、スライド部72を筐体39内に押し込んで収納する。スライド部72が筐体39の収納部に嵌めこまれると、ロック機構126bが自動で施錠される。
ロック制御部55は、開錠した箇所のロック機構が施錠されたか否かを判定する(ステップS35)。例えば回収ボックス71が筐体19内の収納部(不図示)に収納されると、ロック機構116bのロックピンが押し込まれて、ロック機構116bが施錠状態となる。施錠の検出については、ロックピンが係合する箇所に光センサやマイクロスイッチ等による検出部を設けておけばよい。そして、ロックピンがロックされると当該検出部が施錠状態となったことを検出すればよい。
施錠されたことが検出されない間は(ステップS35:No)、待機する。施錠されたことが検出されると(ステップS35:Yes)、ログ記録部57は施錠したことをログに記録する(ステップS36)。
一方、ステップS32:Noであれば、ロック制御部55はいずれのロック機構も開錠せず、POS端末2にエラーを通知する(図7のステップS51)。また、釣銭機1のエラー出力部56は、ディスプレイ11またはディスプレイ15においてエラー表示を出力する。
POS端末2のエラー出力部45は、ブザー音を出力するとともに、店員用表示器27にエラーメッセージを表示し、エラー報知する(図7のステップS41)。エラーメッセージとしては、「回収業務を行う権限のオペレータがログインし直してください」等のメッセージを用いればよい。
POS端末2のログ記録部44は、エラー日時、エラー時のログインユーザの店員コード、ランク情報等をログに記録する(ステップS42)。そして、入力受付部41は、ログインユーザが変更されて、変更後のログインユーザの店員コードを受付けると(ステップS43:Yes)、ステップS44に移行する。変更を受付けない場合、または、変更後の店員コードを受け付けない間(ステップS43:No)は、ステップS43で入力を待つ。
登録部42は、ステップS43で受付けた店員コードのランク情報を、ランク設定テーブル61から読み込む。そして登録部42は、読み込んだランク情報により、ログイン情報格納部62に設定されているランク情報を書き換えて更新する。その後、指示出力部43は、再度、釣銭機1に貨幣の回収指示を出力するとともに、新たに設定されたランク情報を通知する(ステップS44)。その後、ログ記録部44は、出力した回収指示について、ログインユーザの店員コード、ランク情報とともにログを記録する(ステップS45)。
釣銭機1のランク読込部52は、POS端末2から通知されたランク情報を受信する(ステップS44)。ロック制御部55は、受信したランク情報が「1」であれば、開錠対象とするロック機構を開錠可能であると判定する(ステップS52:Yes)。一方、ステップS44で受信したランク情報が「2」であれば、当該ロック機構を開錠できないと判定する(ステップS52:No)。ステップS52:Noであれば、ステップS51に移行する。
ステップS52:Yesであれば、ロック制御部55は、回収対象の貨幣種類に応じて、ロック機構116bまたはロック機構126bを開錠する(ステップS53)。釣銭機1が行う回収処理については上述と同様である。ログ記録部57は、回収指示に伴う開錠を実施したことをログに記録する(ステップS54)。記録内容はステップS34で上述した内容と同様とすればよい。ステップS54の処理が終わると、図6のステップS35の判定に移行する。
次に、入出金システム100が実行する貨幣詰まり解消処理と、当該処理における釣銭機1のロック開錠の動作例について、図8を用いて説明する。
図8は、入出金システム100が実行する貨幣詰まり解消処理の手順例を示すフローチャートである。
釣銭機1が貨幣詰まりを検出すると(ステップS71)、エラー出力部56は、詰まりを起こした貨幣種類に応じて、紙幣釣銭機110のディスプレイ11または硬貨釣銭機120のディスプレイ15に、貨幣詰まりを報知するエラー表示を行う。また、エラー出力部56は、紙幣釣銭機110または硬貨釣銭機120において貨幣詰まりが発生したことを示すエラー内容をPOS端末2に通知する(ステップS72)。
尚、エラー出力部56は、エラー内容として、貨幣詰まりが発生した釣銭機(紙幣釣銭機110または硬貨釣銭機120)、当該釣銭機内において貨幣詰まりが発生した箇所を示す情報などを通知する。エラー出力部56は、貨幣詰まりを解消するために開錠する必要があるロック機構を判別した上で、当該ロック機構を示す情報をPOS端末2に通知してもよい。
POS端末2のエラー出力部45は、店員用表示器27にエラーメッセージあるいはつまり箇所をイラスト等で示したエラー画面を表示し、エラー内容をオペレータに報知する(ステップS61)。例えば、エラー出力部45は、「エラー:硬貨詰まり 前面パネルを開錠してください」等のエラーメッセージを店員用表示器27にポップアップ表示すればよい。
入力受付部41は、POS端末2のキーボード25あるいはタッチパネル28に設けられたロック開錠キーを介して、開錠対象とするロック機構の開錠指示を受付ける。例えば、紙幣詰まりであれば、紙幣釣銭機110の前面パネル19aのロック機構116aが開錠対象となる。また、硬貨詰まりであれば、硬貨釣銭機120の前面パネル39aのロック機構126aが開錠対象となる。
尚、上述のようにポップアップ画面を表示するのであれば、そのメッセージボックス内に「開錠」或いは「詰まり解消作業を行う」等と表示した操作子を設けてもよい。そして入力受付部41は、タッチパネル28から当該操作子に対する操作を介して、開錠指示を受付けてもよい。
POS端末2の指示出力部43は、開錠対象とするロック機構を指定した上で、当該ロック機構の開錠指示を釣銭機1に出力する(ステップS62)。ログ記録部44は、開錠指示の内容、指示の出力日時、ログインオペレータの店員コードおよびランク情報をログに記録する(ステップS63)。
尚、ここではPOS端末2が開錠対象のロック機構を指定するとしたが、実施形態はこれに限定されない。上述のように釣銭機1が開錠対象のロック機構を判別するのであれば、ここで開錠対象とするロック機構を指定する必要はない。指示出力部43は、単に通知されたロック機構に対して開錠指示を出力すればよい。
釣銭機1のランク読込部52は、POS端末2から開錠指示を受信すると(ステップS62)、POS端末2のログイン情報格納部62からログインユーザのランク情報を読み込む(ステップS73)。ロック制御部55は、読み込んだランク情報が「1」であれば、開錠対象とするロック機構(紙幣釣銭機110の前面パネル19aのロック機構116a、または、硬貨釣銭機120の前面パネル39aのロック機構126a)を開錠可能であると判定する(ステップS74:Yes)。一方、ランク情報が「2」であれば、当該ロック機構を開錠できないと判定する(ステップS74:No)。
そして、ステップS74:Yesであれば、ロック制御部55は、詰まり箇所に応じて、ロック機構116a、または、ロック機構126aを開錠する(ステップS75)。ログ記録部57は、貨幣詰まり解消作業に伴う開錠動作をログに記録する(ステップS76)。ログ記録部57は、ログ内容として、POS端末2から受けた指示内容、解除したロック機構を示した情報、POS端末2のログインユーザのランク情報等を記録する。
ロック制御部55は、開錠した箇所のロック機構が施錠されたか否かを判定する(ステップS77)。例えば、紙幣釣銭機110の前面パネル19aが、筐体19の収納部(不図示)に嵌め込まれると、ロックピンが押し込まれてロック機構116aが施錠状態となる。施錠されたことが検出されなければ(ステップS77:No)、貨幣詰まりの解消作業が続行している状態であるから、待機する(ステップS77)。施錠されたことが検出されると(ステップS77:Yes)、ログ記録部57は施錠の動作をログに記録する。また、エラー出力部56は、貨幣詰まりが解消したか否かを判定する(ステップS78)。
貨幣詰まりが解消していなければ(ステップS78:No)、ステップS71に戻る。貨幣詰まりが解消していれば(ステップS78:Yes)、エラー出力部56は、貨幣詰まりが解消したことをPOS端末2に通知する(ステップS79)。ログ記録部57は、貨幣詰まりが解消したことをログに記録する。POS端末2のログ記録部44は、エラーの解除、即ち、貨幣詰まりが解消したことをログに記録する(ステップS64)。
一方、ステップS74:Noであれば、ロック制御部55はいずれのロック機構も開錠せず、図7のステップS51以降で上述した手順と同様の手順を踏んで、エラー処理を行う。尚、ステップS45、S54の後、図8のステップS77の判定に移行すればよい。
以上説明した通り、本実施形態の釣銭機1は、POS端末2から開錠を伴う業務にかかる指示を受付けると、当該POS端末2にログインしているオペレータのランクに応じて、開錠対象とするロック機構を開錠する。即ち、本実施形態においては、POS端末2からの各種業務の指示に追随してロック機構を開錠できるので、指示の後、鍵を用いて開錠する手間を省くことができる。また、鍵を必要としないので、鍵を管理する手間を省くことができる。そしてこのように貨幣の回収作業や貨幣詰まりの解消作業における利便性を向上する際にも、権限を有する店員が鍵を管理していた際と同様のセキュリティを確保することができる。
また、本実施形態の釣銭機1は、POS端末2から受付けた回収指示や、貨幣詰まり時の解除指示、そして、開錠動作についてログを残す。従って、回収時の開錠、出金についてはそれが回収作業であることを識別でき、詰まり解消作業の開錠についてはそれがエラー発生時の開錠であることを識別できる。このように本実施形態の釣銭機1は、開錠動作時の状況を分かり易くログに残すものである。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上述では、従来設けられていた鍵穴および鍵を用いたロック機構を釣銭機1に設けない形態について説明したが、実施形態はこれに限定されない。従来の釣銭機に設けられていた鍵穴およびロック機構を流用して、POS端末2においてログインしているユーザのランクに応じて鍵による開錠を可能としたり不可能としたりする形態としてもよい。このような場合にも、上述と同様に開錠する際のセキュリティを向上させることができる。
また、上述では、ランクを単純に2段階に分け、各ロック機構を開錠できる権限を有する店員について「1」、いずれのロック機構も開錠できない店員は「2」と設定したが、ランク情報の設定方法はこれに限定されない。
例えば、前面パネル19a、39aを取り外しても、奥側の収納庫に容易にアクセスできないようパネルやロック機構が多段階に設けられている釣銭機もある。このような釣銭機においては、手前側(外側)のロック機構を開錠できるランクと、より奥側(内部側)のロック機構まで開錠できるランクとを設けて、開錠できる権限を段階的に設定してもよい。ランク「3」として、外側のロック機構、すなわち収納庫から遠い側のロック機構を開錠できるが、内側のロック機構、すなわち収納庫に近い側のロック機構は開錠できないランクを設ける。そして、ロック制御部55は、ランク情報が「3」であれば、外側のロック機構は開錠するが、内側のロック機構は施錠したままとする。これにより、ランク「3」のオペレータは、入出金口近傍の貨幣詰まりは自分で対処することができ、ランク「1」のオペレータを呼ばずに作業を開始することができる。
また、貨幣詰まりの解消作業に伴うロック機構の開錠は許容するが、貨幣の回収作業に伴うロック機構の開錠は許容しないランクを設けて、一般の店員をこのランクに設定するなどしてもよい。
また、ロック機構116a、116b、126a、126bと同様の開錠制御を、上述したコイントレー130のロック機構(不図示)に適用してもよい。
また、上述では、釣銭機1のログ記録部57が、POS端末2から受付けた指示内容とともにオペレータのランク情報を記録するとしたが、オペレータに関するその他の情報を読み込んで記録してもよい。例えば、ログ記録部57は、オペレータの店員コードや、氏名をログに残してもよい。