JP2019002498A - 玉軸受用保持器及び玉軸受 - Google Patents

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貴之 山本
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Abstract

【課題】 玉軸受内部におけるグリースの封入量を増やしても、グリース漏れを防ぐ玉軸受用保持器及びそれを用いた玉軸受を提供することを課題とする。
【解決手段】 保持器7は、一側面に一部が開口されて内部に玉を保持するポケット部71が、円周方向の複数箇所に連結板部73を介して形成された環状体70からなり、前記環状体70のポケット部71の内径側の開口縁72の周方向開両側に凹み部74が設けられた玉軸受用保持器において、環状体70の内径側連結板部73に凹み部74と繋がるグリース保持溝75が設けられている。
【選択図】 図3

Description

この発明は、玉軸受用保持器及びその保持器を用いた玉軸受に関する。
従来の密封型玉軸受では、軸受内部に封入したグリースの漏れ防止や外部からの異物の侵入を防止するために、内輪と外輪との開口部がシール部材で密封されている。
従来の密封型玉軸受90では、図9に示すように、外輪91の内径面両端部に一対のシール嵌合溝92が設けられ、この一対のシール嵌合溝92にシール部材95の外径部が嵌合される。そのシール部材95の内周部に形成されたシールリップ95aの先端部を内輪93の外径面両端部に形成されたシール溝94の内側面に弾性接触させて、軸受空間を密閉している。
この密封型玉軸受90では、内輪93と外輪91との間に複数の玉96が組み込まれ、この玉96が保持器100により保持されている。
このような密封型玉軸受90は、回転時、玉96に付着したグリースが自転により、保持器100の内径側に掻き取られて保持器100に付着する。保持器100に付着しているグリースが増加すると、内輪93の外径面にグリースが付着する。そして、回転に伴い内輪93の外径面に付着したグリースが増加し、保持器100のポケット部にぶつかり、シール部材95のシールリップ95a部分にグリースが溜まることになる。この状態で軸受温度が上昇すると、軸受内部の空気の膨張によって軸受内部の圧力が上昇するため、軸受外部との圧力差により、シールリップ95a部分が開いて軸受内のグリース又は空気が軸受外部へ漏洩する現象が生じる。
そこで、保持器の形状を変更してグリース漏れ対策を行った冠型樹脂保持器が提案されている(特許文献1)。この特許文献1は、保持器内径面に付着するグリース量を減らし、内輪外径部へグリースが付着することを防止している。図10〜図12に従い、特許文献1の冠型樹脂保持器について説明する。
図10は、従来の保持器100の斜視図である。図10に示すように、保持器100は、周方向に等間隔に形成された複数のポケット部102と、ポケット部102間に連結板部111を有する環状体110を備える。環状体110の軸方向の一方の側面に玉96(図9参照)を挿入するための開口部が設けられている。ポケット部102は、玉96の直径よりも僅かに大きな直径を有する球の表面に沿った凹状の形状を有している。そして、このポケット部102に玉96が収容され、回転自在に保持される。
図11は保持器100の一部を拡大した斜視図、図12はポケット部部分を拡大した斜視図である。環状体110の内径側のポケット底部102aの両側に凹み部103が設けられている。
この凹み部103を設けることにより、玉に付着しているグリースが保持器100の内径面で掻き取られる量を減少させ、当該内径面に付着するグリースを減少させることができる。これにより、内輪の外径部へのグリース付着を防止することができるので、内輪の外径面へのグリースの流動を防止し、グリース漏れを防いでいる。
上記した特許文献1では、保持器内径面に付着するグリースを減少させているが、グリース封入量が多い軸受に使用された場合に対して保持器の形状を改善する余地があることを本願発明者は見出した。
特に、自動車電装補機では小型化が進み、それに伴って軸受の高速回転化も進んでいる。軸受が高速回転となることで、グリース潤滑を良好にすることが求められる。グリース封入量を増やせば潤滑は確保されるが、封入量が多くなる分だけ内輪の外径部に付着するグリース量が多くなり、グリース漏れが発生しやすくなる可能性がある。
特許第5500837号公報
この発明は、玉軸受内部におけるグリースの封入量を増やしても、グリース漏れを防ぐ玉軸受用保持器及びそれを用いた玉軸受を提供することを課題とするものである。
前記の課題を解決するために、この発明は、一側面に一部が開口されて玉を保持する複数のポケット部と、隣り合う前記ポケット部を連結する連結板部とを有する環状体からなる玉軸受用保持器において、前記ポケット部は、その内面に設けられて軸受運転中に前記玉に掻き取られたグリースが溜まる凹み部を含み、前記連結板部は、その内径面に前記凹み部と連通するグリース保持溝を含むことを特徴とする。
また、前記連結板部は、その内径面に前記グリース保持溝と連通して保持器軸方向に延びるグリース排出溝を更に含むように構成することができる。
また、保持器軸方向のうちポケット先端側に向かうに連れて保持器外径側へ深くなる勾配を設けるとよい。
また、この発明は、外輪と、内輪と、外輪と内輪との間に組み込まれた複数の玉と、玉を保持する保持器と、を備え、前記保持器は、前記に記載の玉軸受用保持器であることを特徴とする。
この発明は、グリース漏れを防ぐ玉軸受用保持器及びそれを用いた玉軸受を提供することができる。
この発明の実施形態に係る保持器を用いた複列の玉軸受の一部を拡大して示す縦断正面図である。 この発明の実施形態に係る保持器の斜視図である。 この発明の実施形態に係る保持器の一部を拡大した斜視図である。 この発明の実施形態に係る保持器のポケット部を拡大した斜視図である。 この発明の実施形態に係る保持器を示し、(a)は部分拡大斜視図、(b)は(a)図に仮想円筒を加えた状態を示す斜視図である。 この発明の他の実施形態に係る保持器のポケット部を拡大した斜視図である。 この発明の玉軸受をプーリ支持軸受として用いたコンプレッサを示す模式図である。 この発明の玉軸受をアイドラプーリに用いた例を示す模式図である。 従来の密封型玉軸受の一部を拡大して示す縦断正面図である。 従来の保持器の斜視図である。 従来の保持器の一部を拡大した斜視図である。 従来の保持器のポケット部を拡大した斜視図である。
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1は、この発明の実施形態に係る保持器を用いた複列の玉軸受の一部を拡大して示す縦断正面図である。
図1に示すように、この実施形態の保持器7を備えた玉軸受1では、外輪2の内径面に2列の軌道溝4が形成され、これら軌道溝4に対向する2列の軌道溝5が内輪3の外径面に形成されている。外輪2の軌道溝4と内輪3の軌道溝5との間に2列の玉(転動体)6が組み込まれている。各列の玉6は、それぞれこの実施形態に係る保持器7で保持されている。本実施形態の玉軸受1は、後述する電磁クラッチ又はアイドラプーリ等の自動車の電装補機用軸受として用いられる。
外輪2と内輪3との間の軸受内部空間は、シール部材10で密封されている。外輪2及び内輪3によって形成される環状の軸受内部空間には、グリース(図示せず)が封入されている。
ここで、玉軸受1のシール部材10の内側と外輪2と内輪3間で囲まれる空間を全空間容積とし、この全空間容積から、玉軸受1が回転した際に、玉6及び保持器7が回転運動を行う空間を除いた空間を「静止空間」とする。そして、グリースの封入率は、外輪2と内輪3間の静止空間に対して100%未満であり、具体的には、グリース封入率の上限値は、静止空間に対して70〜80%の範囲に設定されている。
玉6は鋼球からなり、保持器7は、合成樹脂からなる樹脂製保持器である。保持器7は、例えばポリエチレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、熱硬化性ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の合成樹脂からなる。
以下、玉軸受1の軸受中心軸に沿った方向を軸方向、軸方向に直交する方向を径方向という。また、軸受中心軸回りの円周方向を周方向という。
外輪2の内径面の両端部には、一対のシール嵌合溝8が形成され、一方、内輪3の外径面には、上記一対のシール嵌合溝8と径方向に対向する一対のシール溝9が形成されている。なお、シール嵌合溝8及びシール溝9は軸方向両側に一対形成されていなくてもよく、軸方向片側のみに形成されていてもよい。
シール部材10は、環状の芯金11と、この芯金11に加硫成型により一体に形成されたゴム製部材12とで構成され、外輪2のシール嵌合溝8にゴム製部材12の外径部12aが嵌め込まれて取り付けられる。シール部材10の内径側にはシールリップ12bが設けられ、このシールリップ12bが内輪3のシール溝9に摺接する。
図2〜図4に示すように、保持器7は、冠型保持器である。保持器7は、周方向に等間隔で形成されて内部に玉6を保持する複数のポケット部71と、隣り合うポケット部71、71を連結する連結板部73とを有する環状体70からなる。各ポケット部71は、玉6を挿入するために、環状体70の軸方向の一方の側面に開口部72が設けられている。各ポケット部71の内面は、玉6の外面に沿った凹球面状に形成されている。開口部72の周方向両端には、周方向に対面する一対のつの部72aが設けられている。尚、この明細書において、軸受軸方向のポケット部開放側をポケット側といい、その反対側を背面側という。
各ポケット部71は、その内面のうち底面部の一部をポケット側から背面側へと凹ませた凹み部74を有している。凹み部74は、ポケット内径側の開口縁71aから保持器外径側へと延びている。この凹み部74は、保持器半径方向につき、保持器内径側のポケット開口縁71aから玉配列ピッチ円PCDの付近まで延びていて、保持器内径縁から玉配列ピッチ円PCDに近づくに従って徐々に小さく、つまり徐々に浅くかつ幅狭となる形状である。なお、玉配列ピッチ円PCDはポケットPCDとも呼ぶ。凹み部74には、軸受運転中に玉6に掻き取られたグリースが溜まる。この凹み部74を設けることにより、玉6に付着しているグリースが保持器7の内径面で掻き取られる量を減少させ、内輪3の外径部へのグリース付着を防止する。
凹み部74の内面形状は、保持器円周方向に沿う断面形状(すなわち保持器中心軸に垂直な平面での断面形状)が、ポケット部71の内面となる凹球面の曲率半径Raよりも小さな曲率半径Rbの円弧状であり、詳しくは同図(b)に示すように、保持器7の半径方向の直線Lを中心とする各仮想円筒Vの表面に略沿う円筒面状の形状である。
本実施形態では、凹み部74は、各ポケット部71において複数設けられている。図3及び図5に示すように、複数の凹み部74は、保持器7の周方向に対して、ポケット部71の開口縁71aにおける保持器円周方向の中心OW11も両側に位置する2箇所としている。2つの凹み部74の位置は、例えば、ポケット部71の開口縁71aにおける保持器円周方向の中心OW11に対する周方向の配向角度を40°±15°とした対称な2箇所である。凹み部74の深さは、ポケット内面の凹球面の中心O11から凹み部74の最深位置までの距離Rcが、玉6の半径の1.05倍以上となる深さであることが好ましい(丁度1.05倍であって良い)。
尚、この実施形態では、凹み部74は、ポケット部71の両側に設けられているが、片側だけに設けてもよい。
凹み部74、74内には、掻き取られたグリースが溜まる。
連結板部73の内径面には、凹み部74と連通するグリース保持溝75が設けられている。グリース保持溝75は、図3及び図4に示すように、断面矩形状の溝が環状体70に沿って凹み部74と連通して設けられている。この実施形態では、連結板部73に設けられたグリース保持溝75は、隣り合うポケット部71に設けられている凹み部74同士が連通されている。軸受運転中に、凹み部74に溜まったグリースはグリース保持溝75へと案内されて、当該グリース保持溝75で保持される。このように、グリース保持溝75は、凹み部74に溜まったグリースが案内されるグリース案内溝としても機能する。そして、このグリース保持溝75と繋がって軸方向に延びるグリース排出溝75bが連結板部73の内径面に設けられている。グリース排出溝75bはグリース保持溝75から軸方向に直交して矩形形状の溝がポケット部側に向かって軸方向へ延びている。グリース排出溝75bはグリース保持溝75に保持されたグリースを軸受内部に戻し、グリースの良好な潤滑環境を維持するように機能する。
図3に示すように、グリース排出溝75bは、軸方向のポケット先端側に向かうに連れて保持器外径側へ深くなる勾配が設けられている。
凹み部74に溜まったグリースはグリース保持溝75からグリース排出溝75bに向かって流れて行き、軸受内側へグリースが移動する。そして、グリース排出溝75bには勾配が設けられているので、遠心力を受けることにより、軸受内側へのグリースの流れが促進される。これにより、軸受内部において、良好なグリース潤滑環境が保たれる。
このように、保持器7の内径面に凹み部74とグリース保持溝75を設けることで、グリースが凹み部74に溜まり、溜まったグリースはグリース保持溝75に移動し、グリース保持溝75で保持され、保持器7のポケット部71の内径面にグリースが溜まることが防止できる。この結果、グリース封入量を増やしてもグリースが内輪3の外径面に付着することが防止され、グリース漏れの発生を防止できる。
また、連結板部73の内径面には、グリース保持溝75と連通して軸受内側へとグリースを排出するグリース排出溝75bが設けられていることにより、良好なグリース潤滑環境を維持することができる。よって、本実施形態の保持器7を玉軸受1に用いることによって、グリース潤滑環境を適切に保ちつつ、軸受外部へのグリース漏れを防ぐことができる。
図6は、この発明の他の実施形態に係る保持器のポケット部を拡大した斜視図である。上記した実施形態は、連結板部73にグリース保持溝75とグリース排出溝75bとを設けている。これに対して、図6の実施形態では、連結板部73には凹み部74と連通するグリース保持溝75だけ設けている。このグリース保持溝75は断面矩形状の溝が環状体70に沿って一つの凹み部74と連通している。このように、グリース保持溝75だけ設けた場合にも、凹み部74に溜まるグリースがグリース保持溝75に送られ、グリース保持溝75で保持されることにより、ポケット部71内の保持器内径面にグリースが溜まることが抑制できる。その結果、内輪3の外径面へのグリースの付着が抑制され、グリース漏れを防ぐことができる。
ここで、本実施形態の玉軸受1の用途例の一つである自動車の電装補機は、近年、自動車の省スペース化に伴い、小型化が進んでいる。そして、小型化に伴う出力低下を補うために、電装補機は高速回転する傾向にあり、当該電装補機に使用される軸受も高速回転する傾向にある。軸受が高速回転することに伴い、グリース封入量を増やして、グリース潤滑を良好にすることが考えられる。グリース封入量を増やすと、グリース漏れが生じやすくなるが、この発明の玉軸受1を用いれば軸受の高速回転に対応してグリース封入量を増やしても、保持器内径面に付着するグリース量を減少させることができる。したがって、グリース漏れの発生を防ぐことができ、軸受の高速回転のニーズにも容易に対応することができる。以下、複列の玉軸受1をプーリ支持軸受として採用したコンプレッサ21につき、図7を参照して説明する。
図7に示すように、コンプレッサ21は、ケーシング22と、回転軸29と、斜板30と、ピストン31と、電磁クラッチ32とを備える。このコンプレッサ21は、自動車用空気調和装置の蒸気圧縮式冷凍機等に組み込まれる。
ケーシング22は、低圧室26および高圧室27を有するヘッドケース23と、ピストン31が往復運動する複数のシリンダ28を有するシリンダケース24と、斜板30を収容する斜板ケース25とをボルト(図示省略)によって固定している。
低圧室26は、ヘッドケース23に設けられた吸入ポート(図示省略)と、各シリンダ28に連通する吸入孔26aと、吸入孔26aから冷媒蒸気の逆流を防止する弁26bとを有する。また、吸入ポートは蒸気圧縮式冷凍機を構成するエバポレータ(図示省略)の出口に連通する。そして、吸入ポートから吸入した冷媒蒸気は吸入孔26aを通じてシリンダ28に供給される。
一方、高圧室27は、ヘッドケース23に設けられた吐出ポート(図示省略)と、シリンダ28に連通する吐出口27aと、吐出口27aから冷媒蒸気の逆流を防止する弁27bとを有する。また、吐出ポートは蒸気圧縮式冷凍機を構成するコンデンサ(図示省略)の入り口に連通する。そして、ピストン31によって圧縮されたシリンダ28内部の冷媒蒸気が吐出口27aを通じて高圧室27に供給される。
回転軸29は、ケーシング22および電磁クラッチ32に連通し、ラジアル針状ころ軸受29aおよびスラスト針状ころ軸受29bによって、シリンダケース24および斜板ケース25の2箇所で回転自在に支持されている。また、斜板ケース25の内部で斜板30を保持している。
斜板30は、回転軸29の回転軸線に直交する平面に対して所定角度傾いた状態で回転軸29に固定連結されている。また、その円周上の複数箇所にはピストン31がスライディングシュー30aによって連結されている。
ピストン31は、斜板30に連結されており、回転軸29の回転に伴って、シリンダ28の内部を軸線方向(図7中の左右方向)に往復運動する。また、シリンダ28とピストン31と囲まれる領域には、冷媒蒸気を圧縮する圧縮室28aが形成されている。
電磁クラッチ32は、プーリ33と、ソレノイド34と、磁性環状板35と、プーリ支持軸受としての玉軸受1とを有する。
プーリ33は、その外径面に無端ベルト33aを保持する溝33bと、一方側端面にソレノイド34を収容する凹み部33cとを有し、玉軸受1によってケーシング22に回転自在に支持されている。電磁クラッチ32に使用される玉軸受1は、内輪が固定されて、外輪が回転する外輪回転用軸受である。
ソレノイド34は、凹み部33cの内部に所定の隙間を設けた状態で配置されており、ケーシング22に固定されている。磁性環状板35は、磁性材料によって形成された円環形状の部材であって、プーリ33を挟んでソレノイド34と対面するように配置されている。また、板ばね35aによって回転軸29に固定されている。この板ばね35aは、磁性環状板35をプーリ33から遠ざける方向に付勢する。
次に、上記構成のコンプレッサ21の動作を説明する。まず、無端ベルト33aはエンジン(図示省略)によって回転駆動される駆動プーリ(図示省略)に掛け渡されている。そのため、プーリ33は、エンジンの回転に伴って回転する。
ソレノイド34の非通電時には、プーリ33と磁性環状板35との間には隙間が形成されている。その結果、プーリ33の回転は回転軸29に伝達されない。
一方、ソレノイド34の通電時には、ソレノイド34の吸着力によって磁性環状板35が板ばね35aに逆らってプーリ33に当接する。その結果、プーリ33の回転が磁性環状板35を介して回転軸29に伝達される。
回転軸29が回転すると、斜板30に取り付けられたピストン31がシリンダ28の内部を往復運動する。ピストン31が圧縮室28aの容積を大きくする方向(図6中の左方向)に移動すると、弁26bが開放されて冷媒蒸気が低圧室26から吸入孔26aを通って圧縮室28aに移動する。このとき、弁27bは閉鎖されて高圧室27内の冷媒蒸気が圧縮室28aに逆流するのを防止している。
次に、ピストン31が圧縮室28aの容積を小さくする方向(図6中の右方向)に移動すると、ピストン31が圧縮室28a内の冷媒蒸気を圧縮すると共に、弁27bが開放されて圧縮された冷媒蒸気が吐出口27aを通って高圧室27に移動する。このとき、弁26bは閉鎖されて圧縮室28a内の冷媒蒸気が低圧室26に逆流するのを防止している。
コンプレッサ21の小型化が進むことで、プーリ33を回転自在に支持する玉軸受1は高速回転する。この発明の玉軸受1によれば、グリースが内輪3の外径面に付着することが防止され、グリース漏れの発生を防止できるので、グリース潤滑を良好に維持でき、玉軸受1の高速回転のニーズに対応することができる。そして、グリース排出溝75bからグリースが軸受内部へ移動することで、よりグリースの良好な潤滑環境を維持することができる。
さらに、上記の実施形態における軸受1は、電磁クラッチ32のプーリ33を支持するために用いられた例を示したが、これに限ることなく、無段変速機(CVT)等の任意の用途に用いることもできる。
また、上記した実施形態では、複列の玉軸受にこの発明を適用したが、単列の玉軸受にも適用することもできる。図8は、単列の玉軸受をアイドラプーリに用いた例を示す模式図である。図8は、自動車補機の駆動ベルトのベルトテンショナーとして用いられる。アイドラプーリ(以下、単にプーリと呼ぶ)は、例えば、オルタネータ又はコンプレッサ等の自動車補機の駆動ベルトを案内する。
図8に示す通り、プーリは、鋼板製のプーリ本体51と、プーリ本体51の内径に嵌合された玉軸受1とで構成されている。プーリ本体51と玉軸受1とでプーリ付き軸受が構成される。プーリ本体51は、環状体である。プーリ本体51は、内径円筒部51aと、内径円筒部51aの一端から外側に延びたフランジ部51bと、フランジ部51bから軸方向に延びた外径円筒部51cと、内径円筒部51aの他端から内径側に延びた鍔部51dとを有している。内径円筒部51aの内径には、密封型転がり軸受1の外輪2が嵌合され、外径円筒部51cの外径にはエンジンによって駆動されるベルトと接触するプーリ周面51eが設けられている。このプーリ周面51eをベルトに接触させることにより、プーリがアイドラとしての役割を果たす。
また、プーリ用の玉軸受1は、高速回転の条件が使用されることが多い。特に、近年では、自動車の省スペース化に伴い、玉軸受のサイズはそのままでプーリの内径を縮小する傾向にある。エンジンの回転数自体に変更はないので、エンジンクランクとプーリの比率のみが増え、プーリの回転数の増加に伴い、玉軸受の回転数も増加する。この発明の玉軸受1によれば、グリースが内輪3の外径面に付着することが防止され、グリース漏れの発生を防止できるので、グリース潤滑を良好に維持でき、玉軸受1の高速回転のニーズに対応することができる。
この発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲において、さらに種々の形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内の全ての変更を含む。
1 :玉軸受
2 :外輪
3 :内輪
4、5 :軌道溝
6 :玉
7 :保持器
10 :シール部材
70 :環状体
71 :ポケット部
71a :開口縁
73 :連結板部
74 :凹み部
75 :グリース保持溝
75b :グリース排出溝

Claims (4)

  1. 一側面に一部が開口されて玉を保持する複数のポケット部と、隣り合う前記ポケット部を連結する連結板部とを有する環状体からなる玉軸受用保持器において、
    前記ポケット部は、その内面に設けられて軸受運転中に前記玉に掻き取られたグリースが溜まる凹み部を含み、
    前記連結板部は、その内径面に前記凹み部と連通するグリース保持溝を含むことを特徴とする玉軸受用保持器。
  2. 前記連結板部は、その内径面に前記グリース保持溝と連通して保持器軸方向に延びるグリース排出溝を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の玉軸受用保持器。
  3. 前記グリース排出溝は、保持器軸方向のうちポケット先端側に向かうに連れて保持器外径側へ深くなる勾配が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の玉軸受用保持器。
  4. 外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に組み込まれた複数の玉と、玉を保持する保持器と、を備え、
    前記保持器は、請求項1〜3の何れか1項に記載の玉軸受用保持器であることを特徴とする玉軸受。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023095639A1 (ja) * 2021-11-29 2023-06-01 Ntn株式会社 転がり軸受
WO2023153386A1 (ja) * 2022-02-10 2023-08-17 Ntn株式会社 グリース封入玉軸受

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