JP2019001729A - 化粧料組成物 - Google Patents
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Description
しかし、化粧料組成物は様々な環境下で長期間保存されるため、更なる保存安定性の向上が望まれている。
本実施形態に係る化粧料組成物に配合されるポリオキシエチレンアルキルエーテルは、高級アルコールに酸化エチレンが付加されたものである。本実施形態の化粧料組成物に1種又は2種以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルを配合すれば、化粧料組成物に配合された(C)成分の分散性が高まる。
そのような組み合わせの一例としては、例えば、1種又は2種以上のポリオキシエチレンラウリルエーテル(酸化エチレンの付加モル数が1〜50)、及び、1種又は2種以上のポリオキシエチレンセチルエーテル(酸化エチレンの付加モル数が100〜200)の組み合わせが挙げられる。
本実施形態の化粧料組成物は、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーンから選ばれる1種又は2種以上が配合されたものである。上記ポリエーテル変性シリコーンは、シロキサンの一部にポリエーテル基が導入されたものである。また、上記ポリグリセリン変性シリコーンはシロキサンの一部にポリグリセリン基が導入されたものである。
化粧料組成物にポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーンから選ばれる1種又は2種以上を化粧料組成物に配合すれば、化粧料組成物に配合された(C)成分の分散性が高まる。
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体としては、下記式(2)で表されるポリエーテル変性シリコーン、下記式(3)で表されるポリエーテル変性シリコーンが挙げられる。
なお、上記(B)成分の配合量は、(B)成分全体の合計量であり、(B)成分としてポリエーテル変性シリコーン及びポリグリセリン変性シリコーンの両者が配合された場合は両者の合計量を表し、(B)成分としてポリエーテル変性シリコーン又はポリグリセリン変性シリコーンのいずれかが配合された場合は、ポリエーテル変性シリコーン又はポリグリセリン変性シリコーンのいずれかの合計量を表す。
本実施形態に係る化粧料組成物に配合される前記(B)以外のシリコーンの種類は、特に限定されず、例えば、ジメチルシリコーン、環状ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーン、アミノフェニル変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、シラノール基含有シリコーン、長鎖アルキル変性シリコーン、シリコーン3次元架橋物等が挙げられる。本実施形態の化粧料組成物に1種又は2種以上の(C)成分が配合されたものとすれば良い。
なお、化粧料組成物を毛髪に用いた後の毛髪の指通りに優れる観点から、20〜45質量%が好ましく、23〜40質量%がより好ましく、25〜35質量%が特に好ましい。
本実施形態に係る化粧料組成物は、1種又は2種以上の天然又は合成(半合成を含む)のノニオン性多糖類が配合されたものである。化粧料組成物にノニオン性多糖類を配合すれば、増粘により保存安定性が向上する。
本実施形態に係る化粧料組成物のpHは、5.0以下である。pHを5.0以下とすれば、(A)〜(D)成分が配合された化粧料組成物の保存安定性が向上する。pHは、25℃における測定値が採用される。
本実施形態に係る化粧料組成物は、上記(A)〜(D)成分以外に、下記の任意成分を配合されたものとしても良い。好適な任意成分は、(E)脂肪酸が挙げられる。
(A)〜(D)成分以外の任意成分としては、脂肪酸、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、上記(A)成分以外のノニオン界面活性剤、アルコール、多価アルコール、糖類、油脂、エステル油、炭化水素、ロウ、上記(D)成分以外の高分子化合物、蛋白、アミノ酸、動植物抽出物、微生物由来物、無機化合物、香料、防腐剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤、色素、還元剤、酸化剤、染料、顔料、酸、アルカリなどである。
本実施形態に係る化粧料組成物は、保存安定性をより向上させるため、1種又は2種以上の脂肪酸が配合されたものとしても良い。
上記脂肪酸は、特に限定されないが、炭素数が8〜22の脂肪酸を用いることができる。そのような脂肪酸としては、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、リノール酸等が挙げられる。
本実施形態に係る化粧料組成物は、粘度調整や毛髪の感触改善のため、1種又は2種以上のカチオン界面活性剤が配合されたものとしても良い。
上記カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、脂肪酸アミドアミン塩、エステル含有3級アミン塩、アーコベル型3級アミン塩などのアミン塩;長鎖アルキルトリメチル4級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキルジメチル4級アンモニウム塩、トリ長鎖アルキルモノメチル4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩、モノアルキルエーテル型4級アンモニウム塩などのアルキル4級アンモニウム塩;等が挙げられる。上記カチオン界面活性剤の配合量は、例えば、0.1〜3質量%である。
本実施形態に係る化粧料組成物の粘度は、特に限定されないが、例えば、1,000mPa・s以上20,000mPa・s以下である。なお、上記粘度は、B型粘度計を使用し、適宜なローターを用いて、25℃でローター回転数12rpmとして計測したときの、計測開始から60秒後の値を意味している。
本実施形態に係る化粧料組成物の用途は、特に限定されないが、毛髪の感触向上の点から毛髪に用いるのが好適である。毛髪用途としては、例えば、洗い流さないトリートメント、洗い流すトリートメント(リンス、コンディショナーを含む意味)、スタイリング剤が挙げられる。
本実施形態に係る化粧料組成物の剤型は、特に限定されず、例えば、液状、乳液状、ローション状、クリーム状、ワックス状、ゲル状が挙げられる。クリーム状であれば、毛髪への塗布を行い易い。
実施例1a〜1c、比較例1aの化粧料組成物(クリーム状のO/W型エマルジョン)を、表1に示す成分と水と混合して調製した。調製した実施例1a〜1c、比較例1aの化粧料組成物について、保存安定性の評価を下記に示す方法により行った。
調製した実施例1a〜1c、比較例1aの化粧料組成物を密栓ガラス管(直径:40mm、高さ:120mm)にそれぞれ収容し、50℃の恒温器内に静置し1ヶ月間保存した。1ヶ月経過後、実施例1a〜1c、比較例1aを収容した各ガラス管について、目視によりガラス管下部の離水の有無を確認した。離水が確認されたものは、「密栓ガラス管下部からの離水部の高さ(離水部の高さ)」と「密栓ガラス管に収容した化粧料組成物の高さ(化粧料組成物の高さ)」をそれぞれ測定した後、下記に示す式に従って離水部の割合を算出した。
「離水部の割合(%)」=(「離水部の高さ(mm)」/「化粧料組成物の高さ(mm)」)×100
なお、離水部の割合は、数値が大きいものの方が、数値が小さいものに比べて保存安定性が悪いことを示す。
実施例2a、2b、比較例2aの化粧料組成物(クリーム状のO/W型エマルジョン)を、表2に示す成分と水と混合して調製した。調製した各化粧料組成物について、保存安定性の評価を下記に示す方法により行った。
上記実施例1a〜1c、比較例1aの化粧料組成物における保存安定性の評価と同様に、実施例2a、2b、比較例2aの化粧料組成物をそれぞれ密栓ガラス管に収容し、50℃で1ヶ月間保存して、保存安定性の評価(離水の有無の確認と離水部の割合の算出)を行った。つづいて、50℃で1ヶ月間保存後、さらに暗所にて室温で4ヶ月間保存し、保存安定性の評価(離水の有無の確認と離水部の割合の算出)を行った。
なお、図1に50℃で1ヶ月保存後の実施例2a、2b、比較例2aのガラス管下部の写真を示すが、比較例2aにおいてガラス管下部に離水が確認できる。
ここで、ポリエーテル変性シリコーンのPEG−11メチルエーテルジメチコンが配合された実施例2aに比べて、ポリグリセリン変性シリコーンのポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコンが配合された実施例2bのほうが、離水部の割合の値が小さくなっており、ポリグリセリン変性シリコーンの配合により長期の保存安定性に優れたものであることが理解できる。
なお、図2に50℃で1ヶ月保存後に室温で4ヶ月間保存した実施例2a、2b、比較例2aのガラス管下部の写真を示す。
実施例3a〜3cの化粧料組成物(クリーム状のO/W型エマルジョン)を、表3に示す成分と水と混合して調製した。調製した各化粧料組成物について、保存安定性の評価を上記に示す実施例2a、2b、比較例2aと同様に行った。
これらの結果から、脂肪酸であるステアリン酸又はミリスチン酸を配合すれば、長期間の保存安定性が向上したことが理解できる。さらに脂肪酸の中でも、ステアリン酸を配合すれば、より長期間の保存安定性に優れることが分かる。
上記の保存安定性の評価以外に、化粧料組成物を毛髪に用いて官能評価を行った。
上記表2で調製した実施例2a、2b、比較例2aの化粧料組成物を用いて次に示す毛髪処理を行い、毛髪の「柔らかさ」、「まとまり」について評価した。
同一人物から採取した毛髪から各7gとなるように複数の毛束を作成し、それらの毛束に対して次に示す毛髪処理を行った。
毛束をアニオン界面活性剤が配合されたシャンプーで洗浄した後、濡れた毛束に対して各実施例又は比較例の化粧料組成物をそれぞれ0.15g塗布し、毛束から化粧料組成物を洗い流さずに、ドライヤーで毛束を乾燥させた。
上記毛髪処理後の毛束について、「柔らかさ」、「まとまり」について触診又は目視により官能評価を行った。ここで、「柔らかさ」とは毛束を手で曲げたときに柔らかいと感じる感触であり、「まとまり」とは、目視による毛先のまとまりである。
1点:基準と較べて、良いと回答。
0点:基準とほぼ同等。
−1点:基準と較べて、悪いと回答。
−2点:基準と較べて、とても悪いと回答。
上記表3で調製した実施例3a〜3cについて、上記の実施例2a、2b、比較例2aにおける評価方法と同様に、毛髪の「柔らかさ」、「まとまり」について官能評価した。
Claims (5)
- (A)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
(B)ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーンから選ばれる1種又は2種以上、
(C)前記(B)以外のシリコーン油、
(D)ノニオン性多糖類が配合され、
pHが5.0以下であることを特徴とする化粧料組成物。 - 前記(B)として、ポリグリセリン変性シリコーンが配合された請求項1に記載の化粧料組成物。
- (E)脂肪酸が配合された請求項1又は請求項2に記載の化粧料組成物。
- 毛髪に用いられるものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
- (C)前記(B)以外のシリコーン油の配合量が、20質量%以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
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