JP2019001716A - アミノグリコシド系抗生物質の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、アミノグリコシド系抗生物質の新規な製造方法に関する。
近年、感染症の治療に用いられる抗菌剤に対して抵抗性を示す薬剤耐性菌が出現し、その耐性菌を起因菌とする感染症の治療が医療現場で大きな問題となっている。特にMRSAは、院内感染により急速に伝播し、臨床上重篤な感染症を引き起こす主要な薬剤耐性菌のひとつであることが知られており、その治療薬剤の開発が盛んに行われている。
このような技術状況下、アミノグリコシド系抗生物質は、グラム陽性菌からグラム陰性菌までの幅広い抗菌スペクトラムを有しかつ優れた殺菌力を有することから、MRSAを含めた各種耐性菌を克服する有望な薬剤になるものと期待され、その誘導体の研究が継続的に行われている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法を用いて(2S)−2−ヒドロキシジベカシンから2S−ヒドロキシアルベカシンを製造すると、脱保護反応またはアシル化反応において複数の副生成物が発生することが本発明者らの検討から明らかとなった。(2S)−2−ヒドロキシアルベカシンの工業的生産の観点からは、副生成物を低減することが望ましい。したがって、副生成物を低減して、(2S)−2―ヒドロキシジベカシンから(2S)−2-ヒドロキシアルベカシンを効率的に取得するための新たな方法を創出することが望まれているといえる。
本発明は、(2S)−2―ヒドロキシジベカシンから(2S)−2-ヒドロキシアルベカシンを効率的に製造するための新たな方法を提供することをその目的としている。
本発明者らは、今般、鋭意検討した結果、特定の合成中間体を介した製造方法により、下式に示される通り、(2S)−2−ヒドロキシジベカシン(式I)から(2S)−2−ヒドロキシアルベカシン(式II)を効率的に取得しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づくものである。
本発明によれば、以下の発明を提供される。
(1)式Iに記載の化合物またはその塩から式IIに記載の化合物またはその塩を製造するための、式IIIに記載の化合物またはその塩からなる、合成中間体:
[式中、R1は、置換されていてもよいC1〜6アルキルオキシカルボニル基または置換されていてもよいアリールアルキルオキシカルボニル基を表す]。
(1)式Iに記載の化合物またはその塩から式IIに記載の化合物またはその塩を製造するための、式IIIに記載の化合物またはその塩からなる、合成中間体:
(2)式Iに記載の化合物またはその塩から式IIに記載の化合物またはその塩を製造するための、式IIIに記載の化合物またはその塩の使用:
[式中、R1は、置換されていてもよいC1〜6アルキルオキシカルボニル基または置換されていてもよいアリールアルキルオキシカルボニル基を表す]。
(3)式IIIに記載の化合物またはその塩を合成中間体として用いることを特徴とする、式Iに記載の化合物またはその塩から式IIに記載の化合物またはその塩を製造する方法:
[式中、R1は、置換されていてもよいアルキルオキシカルボニル基またはまたは置換されていてもよいアリールアルキルオキシカルボニル基を表す]。
(4)式Iに記載の化合物またはその塩における1位および3位以外のアミノ基に保護基R1を銅イオンの存在下で導入して、式IIIに記載の化合物またはその塩を得ることを含んでなる、(3)に記載の方法。
(5)式IIIに記載の化合物またはその塩と、式IVに記載の化合物またはその塩とを反応させて、式Vに記載の化合物またはその塩を得、
[式中、R2は置換されていてもよいアリールアルキルオキシカルボニル基を表し、Fは水素原子またはカルボン酸活性化基を表し、*の炭素原子の立体配置はRまたはSを表す]
式Vに記載の化合物またはその塩におけるアミノ基を脱保護し、式IIに記載の化合物またはその塩を得ること
を含んでなる、(3)または(4)に記載の方法。
を含んでなる、(3)または(4)に記載の方法。
(6)式IIIに記載の化合物またはその塩における1位および3位のアミノ基にそれぞれ、保護基R3およびR1を導入して、式VIに記載の化合物またはその塩を得、
[式中、保護基R3は、置換されていてもよいアルキルカルボニル基を表す]
式VIに記載の化合物またはその塩における1位を脱保護し、該1位のアミノ基と式IVに記載の化合物またはその塩とを反応させて、式VIIに記載の化合物またはその塩を得、
[式中、R2は置換されていてもよいアリールアルキルオキシカルボニル基を表し、Fは水素原子またはカルボン酸活性化基を表し、*の炭素原子の立体配置はRまたはSを表す]
式VIIに記載の化合物またはその塩におけるアミノ基を脱保護し、式IIに記載の化合物またはその塩を得ることを含んでなる、(3)または(4)に記載の方法。
式VIに記載の化合物またはその塩における1位を脱保護し、該1位のアミノ基と式IVに記載の化合物またはその塩とを反応させて、式VIIに記載の化合物またはその塩を得、
(7)式IIIに記載の化合物またはその塩における1位および3位のアミノ基に保護基R3を導入して、式VIIIに記載の化合物またはその塩を得、
[式中、保護基R3は、置換されていてもよいアルキル基を表す]
式VIIIに記載の化合物またはその塩における1位のアミノ基を脱保護し、該1位のアミノ基と式IVに記載の化合物またはその塩とを反応させて、式IXに記載の化合物またはその塩を得、
[式中、R2は置換されていてもよいアリールアルキルオキシカルボニル基を表し、Fは水素原子またはカルボン酸活性化基を表し、*の炭素原子の立体配置はRまたはSを表す]
式IXに記載の化合物またはその塩におけるアミノ基を脱保護し、式IIに記載の化合物またはその塩を得ること
を含んでなる、(3)または(4)に記載の方法。
式VIIIに記載の化合物またはその塩における1位のアミノ基を脱保護し、該1位のアミノ基と式IVに記載の化合物またはその塩とを反応させて、式IXに記載の化合物またはその塩を得、
を含んでなる、(3)または(4)に記載の方法。
本発明によれば、従来の製造方法に比べて、(2S)−2−ヒドロキシジベカシン(式I)から顕著に高い収率の(2S)−2−ヒドロキシアルベカシン(式II)を効率的に取得することができる。
本明細書において、特に断らない限り、基または基の一部としての「アルキル」とは、基が直鎖状、分枝鎖状、または環状のアルキルを意味する。また、特に断らない限り、「アリール」とは、フェニルまたはナフチルを意味する。また、「アリールアルキル」とは、1以上の水素がアリール基で置換されたアルキルを意味する。
本明細書において、化合物の「塩」とは、大気中に放置したりまたは再結晶をすることにより、水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物となったりする場合があり、本発明には、そのような各種の水和物、溶媒和物および結晶多形の化合物も包含する。
式IIIに記載の化合物またはその塩(合成中間体)
本発明において、合成中間体として用いられる式IIIに記載の化合物は、1位および3位以外のアミノ基にいずれも保護基R1が導入されており、R1は、置換されていてもよいアルキルオキシカルボニル基または置換されていてもよいアリールアルキルオキシカルボニル基を表すことを特徴とする。
本発明において、合成中間体として用いられる式IIIに記載の化合物は、1位および3位以外のアミノ基にいずれも保護基R1が導入されており、R1は、置換されていてもよいアルキルオキシカルボニル基または置換されていてもよいアリールアルキルオキシカルボニル基を表すことを特徴とする。
R1で表されるアルキルオキシカルボニル基は、好ましくはC1〜6アルキルオキシカルボニル基であり、より好ましくはC1〜4アルキルオキシカルボニル基であり、さらに好ましくはメトキシカルボニル基またはtert−ブトキシカルボニル基であり、さらに好ましくはtert−ブトキシカルボニル基である。
R1で表されるアルキルオキシカルボニル基の1以上の水素原子は置換されていてもよく、かかる置換基としては塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子、メトキシ基、トリフルオロアルキル基またはニトロ基が挙げられる。
また、R1で表されるアリールアルキルオキシカルボニル基は、好ましくはアリールC1〜4アルキルオキシカルボニル基あり、より好ましくはアリールC1〜2アルキルオキシカルボニル基であり、さらに好ましくはベンジルオキシカルボニル基である。
R1で表されるアリールアルキルオキシカルボニル基の1以上の水素原子は置換されていてもよく、かかる置換基としては塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基またはニトロ基等が挙げられる。
また、式IIIに記載の化合物は、塩として存在することができる。その塩としては、特に限定されないが、例えば、アミノ基の酸付加塩が挙げられる。かかる塩は、薬学的に許容可能な塩により構成することができる。また、塩の具体例としては、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩またはヨウ化水素酸塩等のハロゲン化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩または炭酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ヒドロキシ酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、安息香酸塩、マンデル酸塩、酪酸塩、マレイン酸塩、プロピオン酸塩、ギ酸塩またはリンゴ酸塩等のカルボン酸塩、アルギニン酸塩、アスパラギン酸塩またはグルタミン酸塩等のアミノ酸塩、あるいはメタンスルホン酸塩またはp―トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩等が挙げられる。上述の塩は、本発明における他の化合物においても同様である。
また、式IIIに記載の化合物は目的化合物の製造用用剤として提供することができる。
また、式IIIに記載の化合物は目的化合物の製造用用剤として提供することができる。
(2S)−2−ヒドロキシアルベカシン(式IIに記載の化合物)またはその塩
本発明によれば、式IIIに記載の化合物またはその塩を合成中間体として用いた製造方法により、(2S)−2−ヒドロキシアルベカシン(式IIに記載の化合物)またはその塩を効率的に取得することができる。本発明の1つの態様によれば、式IIに記載の化合物は、以下の式II-aで表される。
本発明によれば、式IIIに記載の化合物またはその塩を合成中間体として用いた製造方法により、(2S)−2−ヒドロキシアルベカシン(式IIに記載の化合物)またはその塩を効率的に取得することができる。本発明の1つの態様によれば、式IIに記載の化合物は、以下の式II-aで表される。
(2S)−2−-ヒドロキシアルベカシン(式IIに記載の化合物)の製造方法
本発明によれば、式IIIに記載の化合物を合成中間体として用いて、(2S)−2−ヒドロキシジベカシン(式Iに記載の化合物)から(2S)−2−ヒドロキシアルベカシン(式IIに記載の化合物)を、以下の3つのルートA〜Cにより有利に取得することができる。なお、ルートA〜Cに記載の方法において、温度、溶媒および試薬の種類・量等の反応条件の詳細は特段の記載のない限り、当業者によって適宜決定することができる。
本発明によれば、式IIIに記載の化合物を合成中間体として用いて、(2S)−2−ヒドロキシジベカシン(式Iに記載の化合物)から(2S)−2−ヒドロキシアルベカシン(式IIに記載の化合物)を、以下の3つのルートA〜Cにより有利に取得することができる。なお、ルートA〜Cに記載の方法において、温度、溶媒および試薬の種類・量等の反応条件の詳細は特段の記載のない限り、当業者によって適宜決定することができる。
ルートAによれば、式Iに記載の化合物またはその塩における1位および3位以外のアミノ基に保護基R1を導入して式IIIに記載の化合物またはその塩を取得し(ステップa)、次に、式IIIに記載の化合物と式IVに記載の化合物とを反応させて式Vに記載の化合物またはその塩を得(ステップb)、アミノ基を脱保護して式IIの化合物を得る(ステップc)。
ルートAのステップaでは、上述の通り、銅イオンの存在下、式Iに記載の化合物またはその塩における1位および3位以外のアミノ基に保護基R1を導入する。銅カチオンの存在下、式Iに記載の化合物またはその塩の1位および3位以外のアミノ基にR1基が高選択的に導入されることは意外な事実である。
銅イオンは、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、2価の銅イオンであることが好ましい。かかる銅イオンを生成する試薬としては、好ましくは第二銅の有機塩または無機塩であり、より好ましくは酢酸銅である。
また、ルートAのステップbでは、アシル化剤として式IVに記載の化合物が用いられる。
式IVに記載の化合物におけるR2で表されるアリールアルキルオキシカルボニル基は、好ましくはアリールC1〜4アルキルオキシカルボニル基であり、より好ましくはアリールC1〜2アルキルオキシカルボニル基であり、さらに好ましくはベンジルオキシカルボニル基である。
式IVに記載の化合物におけるR2で表されるアリールアルキルオキシカルボニル基は、好ましくはアリールC1〜4アルキルオキシカルボニル基であり、より好ましくはアリールC1〜2アルキルオキシカルボニル基であり、さらに好ましくはベンジルオキシカルボニル基である。
また、R2で表されるアリールアルキルオキシカルボニル基の1以上の水素原子は置換されていてもよく、かかる置換基としては塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基またはニトロ基等が挙げられ、好ましくはメトキシ基である。
また、式IVに記載の化合物において、Fは水素原子またはカルボン酸活性化基を表す。カルボン酸活性化基とのエステルは、好ましくはスクシンイミドエステル体である。式IVに記載の化合物の具体例としては、4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ酪酸スクシンイミドエステルが挙げられる。
また、式IVに記載の化合物の*の炭素原子の立体配置はRまたはSを表し、好ましくはSを表す。
ルートAによれば、後述する例1〜4に示される通り、特許文献1に記載の方法と比較して約2倍の収率(約34%)が達成される。したがって、ルートAは、従来の方法と比較して、(2S)−2−ヒドロキシアルベカシンの工業生産上有利である。
ルートBによれば、ステップaで得られた式IIIに記載の化合物またはその塩における1位および3位のアミノ基にそれぞれ、保護基R3およびR1を導入して、式VIに記載の化合物またはその塩を得(ステップdおよびステップe)、式VIに記載の化合物またはその塩における1位のアミノ基を脱保護し(ステップf)、該1位のアミノ基と式IVに記載の化合物またはその塩とを反応させて、式VIIに記載の化合物またはその塩を得(ステップg)、式VIIに記載の化合物またはその塩におけるアミノ基を脱保護し、式IIに記載の化合物またはその塩を得る(ステップh)。
ルートBのステップdでは、保護基R3を用いると、3位のアミノ基を残したまま1位のアミノ基を選択的に保護しうることが本発明者らの検討により明らかとなった。さらにルートBのステップeおよびステップfに示される通り、化合物の3位のアミノ基をR1基で保護した後に、1位のアミノ基のR3基のみを選択的に脱保護できることを見出した。このようなルートBによれば、アミノ基を選択的に保護または脱保護しうることから、副生成物の発生を防ぎ、効率的に目的物を製造することが可能となる。
また、後述する例5〜7および8〜10によれば、ルートAに比べ3工程増えているにもかかわらず、ルートBの収率(約46%)はルートAよりも向上している。したがって、ルートBは、式IIに記載の化合物の工業生産上一層有利であるといえる。
ルートCによれば、ステップaで得られた式IIIに記載の化合物またはその塩における1位および3位のアミノ基に保護基R3を導入して、式VIIIに記載の化合物またはその塩を得(ステップi)、式VIIIに記載の化合物またはその塩における1位のアミノ基を脱保護し(ステップj)、該1位のアミノ基と式IVに記載の化合物またはその塩とを反応させて、式IXに記載の化合物またはその塩を得(ステップk)、式IXに記載の化合物またはその塩におけるアミノ基を脱保護し、式IIに記載の化合物またはその塩を得る(ステップlおよびステップm)。
ルートCのステップiでは、式IIIに記載の化合物における1位および3位のアミノ基に2個のR3基を導入している。このR3保護体を脱保護反応にかけると、1位のR3基のみが選択的に脱離することが本発明者らの検討により明らかとなった。このようなルートCによれば、1位のアシル化(ステップk)も選択的に実施しうることから、副生成物の発生を防ぎ、効率的に目的物を製造することが可能となる。
後述する例11〜19によれば、ルートAに比べ工程数が増えているにもかかわらず、ルートCの収率(約55%)は、ルートAおよびルートBと比較しても向上している。したがって、ルートCは、式IIに記載の化合物の工業生産上一層有利であるといえる。
本発明を下記実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
WO2007/142150(特許文献1)に記載の方法に準じて得た(2S)−2−ヒドロキシジベカシン(遊離塩基)1g(2.13ミリモル)と酢酸銅1水和物469mg(2.34ミリモル)の混合物にメタノール20mlを加えて均一溶液になるまで撹拌した。この溶液にN−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンシミド1.75g(7.03ミリモル)を室温で加え、同温で16時間放置した。反応液を濃縮しクロロホルムを加えた後、濃アンモニア水で2回洗浄した。これを濃縮することにより表題化合物1.84g(99%)を得た。
ESIMS:m/z 892 [M+Na]+
1H−NMR(Pyridine-d5):δ7.15−7.50(m, 15H),5.75(d, 1H,J = 3 Hz), 5.67(d, 1H,J = 3 Hz),5.15−5.45(m, 6H)
1H−NMR(Pyridine-d5):δ7.15−7.50(m, 15H),5.75(d, 1H,J = 3 Hz), 5.67(d, 1H,J = 3 Hz),5.15−5.45(m, 6H)
例1の表題化合物1.74g(2ミリモル)をピリジン3mlに溶解し、この溶液にKawaguchiらの報告(Journal of Antibiotics. Vol. 25. pp695−708(1972))に従って合成した(S)−4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ酪酸スクシンイミドエステル980mg(2.8ミリモル)を−10〜−5℃で5分間かけて加え、1時間後室温に戻し16時間撹拌した。反応液に濃アンモニア水0.5mlを加え室温で1時間撹拌後、濃縮し得られた残渣をクロロホルムに溶解し2回水洗後、濃縮した。残渣を1,4−ジオキサン−酢酸−水(4:1:1)の混合溶媒20mlに溶解し、パラジウムブラックを加え常温、常圧で6時間水素雰囲気下、接触還元を行った。反応液からパラジウムブラックを除去後、濃縮を行い、得られた残渣を水20mlに溶解した。この水溶液をアンバーライトCG−50アンモニアタイプの陽イオン交換樹脂カラム100mlに吸着し水洗後、0.1Nから1Nのアンモニア水溶液で溶離を行った。相当する画分を濃縮後凍結乾燥を行い表題化合物:(2S)−2−ヒドロキシアルベカシン376mg(33%)を得た。
ESIMS:m/z 569 [M+H]+
1H−NMR(26%ND4OD):δ5.13(d, 1H,J = 3.5 Hz),5.03(d, 1H, J = 4 Hz)4.16(dd, 1H, J = 4, 9.5 Hz),3.98(m, 1H),3.83−3.90(m, 2H), 3.65−3.77(m, 2H),3.37(t, 1H, J = 10, 10 Hz), 2.82(m, 1H), 2.70−2.78(m, 2H),2.65(dd,1H, J = 7, 13 Hz), 2.62(dd,1H, J = 7, 13 Hz), 1.86−1.96(m, 1H), 1.69−1.80(m, 3H), 1.61(dq,1H, J = 4, 13 Hz), 1.37(dq,1H, J = 4, 13 Hz)
1H−NMR(26%ND4OD):δ5.13(d, 1H,J = 3.5 Hz),5.03(d, 1H, J = 4 Hz)4.16(dd, 1H, J = 4, 9.5 Hz),3.98(m, 1H),3.83−3.90(m, 2H), 3.65−3.77(m, 2H),3.37(t, 1H, J = 10, 10 Hz), 2.82(m, 1H), 2.70−2.78(m, 2H),2.65(dd,1H, J = 7, 13 Hz), 2.62(dd,1H, J = 7, 13 Hz), 1.86−1.96(m, 1H), 1.69−1.80(m, 3H), 1.61(dq,1H, J = 4, 13 Hz), 1.37(dq,1H, J = 4, 13 Hz)
WO2007/142150(特許文献1)に記載の方法に準じて得た(2S)−2−ヒドロキシジベカシン(遊離塩基)1g(2.13ミリモル)と酢酸銅1水和物469mg(2.34ミリモル)の混合物にメタノール20mlを加えて均一溶液になるまで撹拌した。この溶液に二炭酸ジ−t−ブチル1.53g(7.03ミリモル)を室温で加え、同温で16時間放置した。反応液を濃縮しクロロホルムを加えた後、濃アンモニア水で2回洗浄した。これを濃縮することにより表題化合物1.86g(定量)を得た。
ESIMS:m/z 790 [M+Na]+
1H−NMR(Pyridine-d5): 5.79(d, 1H,J = 3 Hz), 5.68(d, 1H,J = 3 Hz),1.48(s, 27H)
1H−NMR(Pyridine-d5): 5.79(d, 1H,J = 3 Hz), 5.68(d, 1H,J = 3 Hz),1.48(s, 27H)
例3の表題化合物1.61g(2.1ミリモル)をピリジン3mlに溶解し、この溶液に(S)−4−(4−メトキシベンジルオキシ)カルボニルアミノ−2−ヒドロキシ酪酸スクシンイミドエステル1.12g(2.94ミリモル)を−10〜−5℃で5分間かけて加え、1時間後室温に戻し16時間撹拌した。濃アンモニア水0.5mlを加え室温で1時間撹拌後、濃縮し得られた残渣をクロロホルムに溶解し2回水洗後、濃縮した。残渣にトリフルオロ酢酸5mlを加え室温で1時間撹拌した。濃縮を後得られた残渣を水20mlに溶解し濃アンモニア水で中和した。この水溶液を例1と同様の処理を行い表題化合物:(2S)−2−ヒドロキシアルベカシン407mg(34%)を得た。
ESIMS:m/z 569 [M+H]+
1H−NMR(26%ND4OD):δ5.13(d, 1H,J = 3.5 Hz),5.03(d, 1H, J = 4 Hz)4.16(dd, 1H, J = 4, 9.5 Hz),3.98(m, 1H),3.83−3.90(m, 2H), 3.65−3.77(m, 2H),3.37(t, 1H, J = 10, 10 Hz), 2.82(m, 1H), 2.70−2.78(m, 2H),2.65(dd,1H, J = 7, 13 Hz), 2.62(dd,1H, J = 7, 13 Hz), 1.86−1.96(m, 1H), 1.69−1.80(m, 3H), 1.61(dq,1H, J = 4, 13 Hz), 1.37(dq,1H, J = 4, 13 Hz)
1H−NMR(26%ND4OD):δ5.13(d, 1H,J = 3.5 Hz),5.03(d, 1H, J = 4 Hz)4.16(dd, 1H, J = 4, 9.5 Hz),3.98(m, 1H),3.83−3.90(m, 2H), 3.65−3.77(m, 2H),3.37(t, 1H, J = 10, 10 Hz), 2.82(m, 1H), 2.70−2.78(m, 2H),2.65(dd,1H, J = 7, 13 Hz), 2.62(dd,1H, J = 7, 13 Hz), 1.86−1.96(m, 1H), 1.69−1.80(m, 3H), 1.61(dq,1H, J = 4, 13 Hz), 1.37(dq,1H, J = 4, 13 Hz)
ルートB
例5:2’、6’、3”−トリ−N−ベンジルオキシカルボニル−1−N−トリフルオロアセチル−(2S)−2−ヒドロキシジベカシンの製造
例1の表題化合物1g(1.15ミリモル)をメタノール2mlに溶解し、この溶液にトリフルオロ酢酸エチル0.16ml(1.38ミリモル)を−10〜−5℃で加え、室温に戻し1時間撹拌し、濃縮して、例5の表題化合物1.10g(99%)を得た。
例5:2’、6’、3”−トリ−N−ベンジルオキシカルボニル−1−N−トリフルオロアセチル−(2S)−2−ヒドロキシジベカシンの製造
ESIMS:m/z 988 [M+Na]+
δ7.15−7.50(m, 15H),5.75(d, 1H,J = 3 Hz), 5.67(d, 1H,J = 3 Hz),5.15−5.45(6H, m)
δ7.15−7.50(m, 15H),5.75(d, 1H,J = 3 Hz), 5.67(d, 1H,J = 3 Hz),5.15−5.45(6H, m)
例5の表題化合物1.05g(1.09ミリモル)を1,4−ジオキサン2mlに溶解し、この溶液にトリエチルアミン0.2mlとN−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド298mg(1.2ミリモル)を室温で加え、同温で1時間撹拌した。反応液に濃アンモニア水1mlを加え室温で16時間撹拌した。反応液を濃縮後クロロホルムに溶解し2回水洗後に濃縮し、例6の表題化合物1.09g(定量)を得た。
ESIMS:m/z 1026 [M+Na]+
1H−NMR(Pyridine-d5):δ7.15−7.55(m, 20H),5.86(d, 1H,J = 3 Hz), 5.66(d, 1H,J = 3 Hz),5.25−5.45(m, 8H)
1H−NMR(Pyridine-d5):δ7.15−7.55(m, 20H),5.86(d, 1H,J = 3 Hz), 5.66(d, 1H,J = 3 Hz),5.25−5.45(m, 8H)
例6の表題化合物990mg(0.99ミリモル)を用い例2と同様に処理し表題化合物:(2S)−2−ヒドロキシアルベカシン253mg(45%)を得た。
ESIMS:m/z 569 [M+H]+
1H−NMR(26%ND4OD):δ5.13(d, 1H,J = 3.5 Hz),5.03(d, 1H, J = 4 Hz)4.16(dd, 1H, J = 4, 9.5 Hz),3.98(m, 1H),3.83−3.90(m, 2H), 3.65−3.77(m, 2H),3.37(t, 1H, J = 10, 10 Hz), 2.82(m, 1H), 2.70−2.78(m, 2H),2.65(dd,1H, J = 7, 13 Hz), 2.62(dd,1H, J = 7, 13 Hz), 1.86−1.96(m, 1H), 1.69−1.80(m, 3H), 1.61(dq,1H, J = 4, 13 Hz), 1.37(dq,1H, J = 4, 13 Hz)
1H−NMR(26%ND4OD):δ5.13(d, 1H,J = 3.5 Hz),5.03(d, 1H, J = 4 Hz)4.16(dd, 1H, J = 4, 9.5 Hz),3.98(m, 1H),3.83−3.90(m, 2H), 3.65−3.77(m, 2H),3.37(t, 1H, J = 10, 10 Hz), 2.82(m, 1H), 2.70−2.78(m, 2H),2.65(dd,1H, J = 7, 13 Hz), 2.62(dd,1H, J = 7, 13 Hz), 1.86−1.96(m, 1H), 1.69−1.80(m, 3H), 1.61(dq,1H, J = 4, 13 Hz), 1.37(dq,1H, J = 4, 13 Hz)
例3の表題化合物1g(1.3ミリモル)をメタノール2mlに溶解し、この溶液にトリフルオロ酢酸エチル0.18ml(1.56ミリモル)を−10〜−5℃で加え、室温に戻し1時間撹拌した。濃縮し例8の表題化合物1.12g(定量)を得た。
ESIMS:m/z 886 [M+Na]+
1H−NMR(Pyridine-d5): 5.76(d, 1H,J = 3 Hz), 5.66(d, 1H,J = 3 Hz),1.47(s, 27H)
1H−NMR(Pyridine-d5): 5.76(d, 1H,J = 3 Hz), 5.66(d, 1H,J = 3 Hz),1.47(s, 27H)
例8の表題化合物1.1g(1.27ミリモル)を1,4−ジオキサン2mlに溶解し、この溶液にトリエチルアミン0.2mlと二炭酸ジ−t−ブチル330mg(1.52ミリモル)を室温で加え、同温で1時間撹拌した。反応液に濃アンモニア水1mlを加え室温で16時間撹拌した。反応液を濃縮後クロロホルムに溶解し2回水洗後、濃縮して、例9の表題化合物1.11g(定量)を得た。
ESIMS:m/z 890 [M+Na]+
1H−NMR(Pyridine-d5): 5.84(d, 1H,J = 3 Hz), 5.73(d, 1H,J = 3 Hz),1.48(s, 36H)
1H−NMR(Pyridine-d5): 5.84(d, 1H,J = 3 Hz), 5.73(d, 1H,J = 3 Hz),1.48(s, 36H)
例10:(2S)−2−ヒドロキシアルベカシンの製造
例9の表題化合物1.06g(1.22ミリモル)を用い例4と同様に処理し、表題化合物:(2S)−2−ヒドロキシアルベカシン319mg(46%)を得た。
ESIMS:m/z 569 [M+H]+
1H−NMR(26%ND4OD):δ5.13(d, 1H,J = 3.5 Hz),5.03(d, 1H, J = 4 Hz)4.16(dd, 1H, J = 4, 9.5 Hz),3.98(m, 1H),3.83−3.90(m, 2H), 3.65−3.77(m, 2H),3.37(t, 1H, J = 10, 10 Hz), 2.82(m, 1H), 2.70−2.78(m, 2H),2.65(dd,1H, J = 7, 13 Hz), 2.62(dd,1H, J = 7, 13 Hz), 1.86−1.96(m, 1H), 1.69−1.80(m, 3H), 1.61(dq,1H, J = 4, 13 Hz), 1.37(dq,1H, J = 4, 13 Hz)
1H−NMR(26%ND4OD):δ5.13(d, 1H,J = 3.5 Hz),5.03(d, 1H, J = 4 Hz)4.16(dd, 1H, J = 4, 9.5 Hz),3.98(m, 1H),3.83−3.90(m, 2H), 3.65−3.77(m, 2H),3.37(t, 1H, J = 10, 10 Hz), 2.82(m, 1H), 2.70−2.78(m, 2H),2.65(dd,1H, J = 7, 13 Hz), 2.62(dd,1H, J = 7, 13 Hz), 1.86−1.96(m, 1H), 1.69−1.80(m, 3H), 1.61(dq,1H, J = 4, 13 Hz), 1.37(dq,1H, J = 4, 13 Hz)
例3の表題化合物208g(0.27モル)をメタノール1600 mlに溶解し、この溶液にトリエチルアミン88mlとトリフルオロ酢酸エチル175 ml(1.48モル)を加え、室温で終夜撹拌した。反応液を酢酸エチル3200 mlで希釈後、水3200 ml及び5%重曹水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム脱水後に濃縮して、例11の表題化合物208g(80%)を得た。
例11の表題化合物208g(0.22モル)をメタノール4000mlに溶解し、この溶液に1モル水酸化ナトリウム水溶液420mlを加え、室温で終夜撹拌した。反応液をクロロホルム8000mlで希釈後、水4000mlで洗浄した。水層をクロロホルム4000 mlで抽出後、有機層を合わせ硫酸マグネシウム脱水後に濃縮して、例12の表題化合物171g(90%)を得た。
例13:2’、6’、3”−トリ−N−t−ブトキシカルボニル−4”’−N−p−メトキシベンジルオキシカルボニル−(2S)−2−ヒドロキシアルベカシンの製造
例12の表題化合物171 g(0.198モル)をTHF1200 mlに溶解し、この溶液に(S)−4−(4−メトキシベンジルオキシ)カルボニルアミノ−2−ヒドロキシ酪酸スクシンイミドエステル228g(0.6モル)のTHF溶液3500mlとトリエチルアミン117mlを加え、室温で終夜撹拌した。反応液に1モル水酸化ナトリウム水溶液2100mlとベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(BTEAC)47.8gを加え、室温で7時間撹拌した。反応液をクロロホルム4800mlで希釈後、水4800 mlで洗浄した。水層をクロロホルム2400mlで抽出後、有機層を合わせ硫酸マグネシウム脱水後に濃縮して、例13の表題化合物250g(120 %)を得た。
例13の表題化合物250gをメタノール2000mlに溶解し、5℃に冷却し6モル塩酸2000 mlを加え室温で6時間撹拌した。反応液を濃アンモニア水で中和後、析出物を除去後900mlまで濃縮した。この溶液を酢酸エチル2000mlで希釈後、水500ml抽出を行った。水層を濃アンモニア水で中和後、例2と同様にイオン交換樹脂で精製を行い、例14の表題化合物53.7g(40%)を得た。
ESIMS:m/z 569 [M+H]+
1H−NMR(26%ND4OD):δ5.13(d, 1H,J = 3.5 Hz),5.03(d, 1H, J = 4 Hz)4.16(dd, 1H, J = 4, 9.5 Hz),3.98(m, 1H),3.83−3.90(m, 2H), 3.65−3.77(m, 2H),3.37(t, 1H, J = 10, 10 Hz), 2.82(m, 1H), 2.70−2.78(m, 2H),2.65(dd,1H, J = 7, 13 Hz), 2.62(dd,1H, J = 7, 13 Hz), 1.86−1.96(m, 1H), 1.69−1.80(m, 3H), 1.61(dq,1H, J = 4, 13 Hz), 1.37(dq,1H, J = 4, 13 Hz)
1H−NMR(26%ND4OD):δ5.13(d, 1H,J = 3.5 Hz),5.03(d, 1H, J = 4 Hz)4.16(dd, 1H, J = 4, 9.5 Hz),3.98(m, 1H),3.83−3.90(m, 2H), 3.65−3.77(m, 2H),3.37(t, 1H, J = 10, 10 Hz), 2.82(m, 1H), 2.70−2.78(m, 2H),2.65(dd,1H, J = 7, 13 Hz), 2.62(dd,1H, J = 7, 13 Hz), 1.86−1.96(m, 1H), 1.69−1.80(m, 3H), 1.61(dq,1H, J = 4, 13 Hz), 1.37(dq,1H, J = 4, 13 Hz)
DIW 4.8Lと2−OH−DKB 1.2Kgをポリ容器に投入し、溶解した。この溶液に酢酸銅一水和物490gを加え、MeOH 4.8Lで洗いこみ、キレート溶液を調製した。MeOH 18Lを反応釜に投入し、続いて調製したキレート溶液を加え、MeOH 18Lで洗いこんだ。内温を15℃以下に冷却し、(Boc)2O 2.41Kgを内温が20℃を超えないように加え、MeOH 2.4Lで洗いこみ、内温を20〜25℃で終夜撹拌した。反応の終点を確認した後、濃アンモニア水を2.51L加え、30分間撹拌した。0.1N EDTA水溶液を49.1 L加えた。この混合液にクロロホルム 24 Lを加え、有機層を分け取った。水層からクロロホルム 24Lを用いて抽出し、得られた有機層を併せ定量を行い、2.29 Kgの標記化合物が得られたことを確認した。EtOHで12Lまで置換濃縮し、次工程に使用した。
LC Mass:m/s 768.5[M+H]+
LC Mass:m/s 768.5[M+H]+
例15化合物のEtOH溶液にTEA 1.03Lを投入しEtOH 1.2Lで洗浄した。この溶液に更にTFAOEt 2.92Lを加えEtOH 1.2Lで洗浄し、40℃で終夜撹拌した。反応の終点を確認した後、この溶液をそのまま次工程に使用した。
LC Mass:m/s 960.4[M+H]+
LC Mass:m/s 960.4[M+H]+
例16のEtOH溶液に0.5N NaOH水溶液24Lを、pHが9.5を超えないように注意しながら加えた。この混合液に0.3N NaOH水溶液を加えpHを10.90に調整した。0.3N NaOH水溶液は22 L要した。30分ごとにpHをチェックし、反応時間2時間まではpHが10.70以下ならば0.3N NaOHでpHを10.90に調整し、た。2時間以降はpHが10.65以下であったら.3N NaOHでpHを10.80に調整し、反応終点を3.5時間後に確認した。加温を停止し、即座に1N HClを用いてpHを9.0に調整した。この混合液にクロロホルム24Lを加え、有機層を分け取った。水層からクロロホルム24Lを用いて抽出し、得られた有機層を併せ定量を行い、2.07Kgの標記化合物が得られたことを確認した。DMFで12Lまで置換濃縮し、次工程に使用した。
LC Mass:m/s 864.4[M+H]+
LC Mass:m/s 864.4[M+H]+
例17化合物にTHF 3.6Lを加え、続いて(S)−4−(4−メトキシベンジルオキシ)カルボニルアミノ−2−ヒドロキシ酪酸スクシンイミドエステルのTHF溶液を加え、THF 3.6Lで洗いこんだ。混合液を15℃以下に冷却し、内温が20℃を超えないようにTEA 1.37Lを加え、THF 1.2Lで洗いこんだ。反応温度を20℃に昇温し、その温度で終夜撹拌した。反応の終点を確認した後、1N NaOH水溶液 24.6Lを内温30℃以下で加えた。この混合液にDMF 12Lを加え、30℃で3時間撹拌した。5N NaOH水溶液 2.46Lを1時間ごとに混合液に加えた。反応の終点を確認した後、6N塩酸水でpHを10.0に調整し、クロロホルム24Lを加え有機層を分け取り、得られた水層をクロロホルム24Lで抽出した。有機層を併せた後、DMFで12Lまで置換濃縮し、この溶液を次工程に使用した。
LC Mass:m/s 1033.5[M+H]+
LC Mass:m/s 1033.5[M+H]+
例19:(2S)−2−ヒドロキシアルベカシンの製造
例18の溶液にMeOH 24Lを加え、この溶液に6N塩酸水24Lを内温が30℃を上回らないように加え、内温25〜30℃で4.5時間撹拌し、反応の終点を確認した。内温約25℃を維持しながら濃アンモニア水でpHを5.8付近に調整した。この溶液を酢酸エチル24Lを用いて洗浄後、得られた水層を定量し、1.052Kgの粗(2S)−2−ヒドロキシアルベカシンが生成していることを確認した。
ESIMS:m/z 569 [M+H]+
さらに、レジン(WK−100,FPC−3500)を用い、アンモニア水で溶出した後に硫酸塩化し、(2S)−2−ヒドロキシアルベカシン硫酸塩として568g得た。
ESIMS:m/z 569 [M+H]+
さらに、レジン(WK−100,FPC−3500)を用い、アンモニア水で溶出した後に硫酸塩化し、(2S)−2−ヒドロキシアルベカシン硫酸塩として568g得た。
Claims (7)
- 式Iに記載の化合物またはその塩における1位および3位以外のアミノ基に保護基R1を銅イオンの存在下で導入して、式IIIに記載の化合物またはその塩を得ることを含んでなる、請求項3に記載の方法。
- 式IIIに記載の化合物またはその塩における1位および3位のアミノ基にそれぞれ、保護基R3およびR1を導入して、式VIに記載の化合物またはその塩を得、
式VIに記載の化合物またはその塩における1位のアミノ基を脱保護し、該1位のアミノ基と式IVに記載の化合物またはその塩とを反応させて、式VIIに記載の化合物またはその塩を得、
- 式IIIに記載の化合物またはその塩における1位および3位のアミノ基に保護基R3を導入して、式VIIIに記載の化合物またはその塩を得、
式VIIIに記載の化合物またはその塩における1位を脱保護し、該1位のアミノ基と式IVに記載の化合物またはその塩とを反応させて、式IXに記載の化合物またはその塩を得、
を含んでなる、請求項3または4に記載の方法。
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