JP4294121B2 - ピリドンカルボン酸誘導体の製造方法およびその中間体 - Google Patents

ピリドンカルボン酸誘導体の製造方法およびその中間体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下記構造を有するピリドンカルボン酸誘導体(以下、最終目的化合物または化合物(C)ということもある)を製造するための中間体、その中間体自体の製造方法およびその中間体から最終目的化合物またはその生理的に許容される塩を製造する方法に関するものである。
【0002】
【化12】
【0003】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
特開平9−221424号公報には、前記〔化12〕で表されるピリドンカルボン酸誘導体〔化合物(C)〕が抗ガン剤として極めて優れていることが記載されている。この化合物(C)は、7−クロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エチルエステルと(+)−トランス−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メトキシピロリジン(B’)とを反応させることにより製造され、ここにおける後者の原料(B’)は、次の〔化13〕に示される反応式に従って製造されることが、同公開公報の実施例B−2に記載されている。
【0004】
なお、本明細書において、「Boc」とあるのはtert−ブトキシカルボニル基を意味し、「Ph」とあるのはフェニル基を意味する。
【0005】
【化13】
【0006】
しかし、前記反応式〔化13〕で表される従来法は、工業的製法としては、必ずしも満足できる方法ではない。
例えば、全体としてN−メチル化とO−メチル化とを別個に行っている点において、更に従来法における光学分割における収率(52%)がやや低いものである点において、この従来法は工業的製法として満足なものではなかった。
【0007】
なお、光学分割における収率は、用いたラセミ体の半量の光学活性体が得られたときを100 %として計算することにする。
【0008】
また、前記の従来法における出発物質たる化合物(A’)は、特開平2−69474号公報に記載の方法、すなわち、次の〔化14〕で表される方法によって製造することができる。
【0009】
【化14】
【0010】
前記、〔化14〕で示される中間体の製造方法は、各生成物の精製にカラム精製法を使わざるを得ない点において、そして、アジド基からアミノ基への変換に取扱が容易でない水素化リチウムアルミニウムを使用している点において、工業的製法としては採用しがたいものであった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、かかる従来法における問題点の解決を目指して鋭意検討した結果、工業的製法として優れた本発明を完成した。
【0012】
本発明は、次式(A)
【0013】
【化15】
【0014】
で表される1−tert−ブトキシカルボニル−トランス−3−ベンジルアミノ−4−ヒドロキシピロリジンまたはその酸付加塩に関するものである。
【0015】
前記化合物(A)は、文献に具体的に記載されたことがないと信じられる化合物であり、本発明方法、すなわち、以下の製造方法(I)または(II) により工業的にに製造することができる。
【0016】
製造方法(I):中間体(A)の製造−−
製造方法(I)は以下の工程1−3から構成され、各工程の反応条件などの詳細は後記実施例に記載されている。
【0017】
〔工程1〕:本工程は閉環反応により3−ピロリンを形成させる工程である。すなわち、本工程は水素化ナトリウムの存在下、次式(1)
【0018】
【化16】
【0019】
で表されるシス−1,4−ジクロロ−2−ブテンにtert−ブチルカルバメイトを反応させて1−tert−ブトキシカルボニル−3−ピロリンとなすことにより実施できる。本工程の収率は約50−60%である。
【0020】
〔工程2}:本工程はブロム化とヒドロキシル化に関する工程である。すなわち、本工程は工程1で得られた化合物にN−ブロモスクシンイミドを反応させて次式(2)
【0021】
【化17】
【0022】
で表される1−tert−ブトキシカルボニル−トランス−3−ブロモ−4−ヒドロキシピロリジンとなすことにより実施できる。得られる化合物(2)は、通常、精製することなく次の工程の原料として使用される。
【0023】
〔工程3〕:本工程はベンジルアミノ化に関するものである。すなわち、本工程は工程2で得た化合物に水酸化ナトリウムの如き塩基、次いでベンジルアミンを反応させて目的とする1−tert−ブトキシカルボニル−トランス−3−ベンジルアミノ−4−ヒドロキシピロリジン(A)となすことにより実施できる。前工程2から本工程3までの収率は50%前後である。
【0024】
製造方法( II ):中間体Aの製造−−
製造方法(II)は以下の工程4および5から構成され、各工程の反応条件などの詳細は後記実施例に記載されている。
【0025】
〔工程4〕:本工程はBoc基の導入に関する工程である。すなわち、本工程は次式(3)
【0026】
【化18】
【0027】
で表される3−ピロリンの1位にBoc基を導入して1−tert−ブトキシカルボニル−3−ピロリンとなすことにより実施できる。Boc基の導入は、例えば、二炭酸ジtert−ブチルを用いることにより行われる。
【0028】
〔工程5〕:本工程は酸化とベンジルアミノ化に関するものである。すなわち、本工程は工程4で得られた化合物を酸化して次式(4)
【0029】
【化19】
【0030】
で表される化合物となし、これにベンジルアミンを反応させて1−tert−ブトキシカルボニル−トランス−3−ベンジルアミノ−4−ヒドロキシピロリジン(A)となすことにより実施できる。酸化は、通常、m−クロロ過安息香酸を用いて行われる。
【0031】
前記の工程4と5は、途中の生成物を精製することなく連続して行うことができ、この場合の全収率は約40%である。
【0032】
製造方法 (III) :中間体Bの製造−−
また、本発明は、ピリドンカルボン酸の製造における直接の中間体である(3S,4S)−3−メトキシ−4−メチルアミノピロリジン(B)またはその酸付加塩の製造方法に関するものである。すなわち、本発明は以下の工程6−9を順次行うことを特徴とする次式(B)
【0033】
【化20】
【0034】
で表される(3S,4S)−3−メトキシ−4−メチルアミノピロリジンまたはその酸付加塩の製造方法を提供するものである。
【0035】
〔工程6〕;本工程は光学分割に関するものであり、次式(A)
【0036】
【化21】
【0037】
で表される1−tert−ブトキシカルボニル−トランス−3−ベンジルアミノ−4−ヒドロキシピロリジンを(+)−マンデル酸により光学分割を行った後、塩基処理して遊離の(+)−1−tert−ブトキシカルボニル−(3S,4S)−3−ベンジルアミノ−4−ヒドロキシピロリジンとなすことにより実施できる。
【0038】
本工程6では、化合物(A)とやや過剰量の(+)−マンデル酸とをアセトニトリルおよび水からなる混液などの溶媒に溶解し、数時間室温で放置し、析出するマンデル酸塩を数回の再結晶により精製し、精製したマンデル酸塩を炭酸カリウムの如き塩基で処理することにより化合物(A)の光学活性体、すなわち、遊離の(+)−1−tert−ブトキシカルボニル−(3S,4S)−3−ベンジルアミノ−4−ヒドロキシピロリジンを得ることができる。マンデル酸塩の再結晶は、通常、アセトニトリルと水の混液(20:1、V/V )を用いて行われる。本工程の収率は約70−80%である。
【0039】
〔工程7〕:本工程はベンジル基の脱離とBoc基の導入に関するものである。すなわち、本工程は工程6で得た化合物を脱ベンジル化反応およびBoc基導入反応に付して次式(5)
【0040】
【化22】
【0041】
で表される(+)−1−tert−ブトキシカルボニル−(3S,4S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−ヒドロキシピロリジンとなすことにより実施できる。
【0042】
ここにおける脱ベンジル化反応は、例えば、パラジウム−炭素を触媒とする接触還元により実施でき、Boc基の導入には二炭酸ジtert−ブチルが用いられる。本工程は、ほぼ定量的に行える。
【0043】
〔工程8〕:本工程はメチル化に関するものである。すなわち、本工程は水素化ナトリウムの存在下、工程7で得た化合物をメチル化して次式(6)
【0044】
【化23】
【0045】
で表される(+)−1−tert−ブトキシカルボニル−(3S,4S)−3−〔(N−tert−ブトキシカルボニル−N−メチル)アミノ〕−4−メトキシシピロリジンとなすことにより実施できる。
【0046】
さらに詳細には、本工程は水素化ナトリウムを懸濁した無水ジメチルホルムアルデヒドにヨウ化メチルを加え、これに前工程で得た化合物を含む溶液をゆっくりと滴下することにより実施でき、N−メチル化とO−メチル化が同時に、かつ、ほぼ定量的に行える。
【0047】
〔工程9〕:本工程はBoc基の脱離に関するものである。すなわち、本工程は工程8で得られた化合物のBoc基を脱離して目的化合物(B)となし、次いで所望により、遊離塩基が得られたときは酸付加塩に変換し、酸付加塩が得られたときは遊離塩基に変換することにより実施できる。
【0048】
本工程は、常法により実施できるが、前工程で得られた化合物をp−トルエンスルホン酸で処理してBoc基を脱離すると同時に結晶性に優れた二p−トルエンスルホン酸塩として目的物を得るのが好ましい。本工程の収率は約90%以上である。
【0049】
製造方法(III) の総収率は、約55−65%である。
【0050】
製造方法 (IV) :最終目的物(C)の製造−−
かくして得られる中間体(B)、すなわち(3S,4S)−3−メトキシ−4−メチルアミノピロリジンまたはその酸付加塩は、その3位のアミノ基が保護されていないにももかかわらず、その1位において、ピリドンカルボン酸の7位と結合することができる。
【0051】
すなわち、本発明は、次の工程10および11を順次行うことを特徴とする次式(C)
【0052】
【化24】
【0053】
で表される(+)−1,4−ジヒドロ−7−〔(3S,4S)−3−メトキシ−4−メチルアミノ−1−ピロリジニル〕−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸またはその生理的に許容される塩の製造方法に関するものである。
【0054】
〔工程10〕:本工程は、製造方法(III) により製造された(3S,4S)−3−メトキシ−4−メチルアミノピロリジン(B)またはその酸付加塩と次式(7)
【0055】
【化25】
【0056】
(式中、Lは脱離基を意味し、Rは水素原子または低級アルキル基を意味する)で表される化合物またはその塩とを反応させることから構成される。本工程10で得た化合物は、精製して、または精製することなく次の工程11の原料として用いられる。
【0057】
〔工程11〕:本工程は前工程10で得た化合物が低級アルキルエステルであるときはこれを加水分解し、遊離体が得られたときは所望によりこれを生理的に許容される塩に変換し、塩が得られたときは所望によりこれを遊離体に変換することから構成される。
【0058】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
【0059】
製造方法(I):中間体(A)の製造−−
〔工程1〕:1 −tert−ブトキシカルボニル−3 −ピロリンの製造−−
水素化ナトリウム(60%鉱油中) 4.20gをn−ヘキサン40mlで洗浄して鉱油を除き、無水ジメチルホルムアミド60mLを加え、懸濁液とした。この懸濁液にシス−1,4 −ジクロロ−2 −ブテン(純度95%) 8.28gを加えた後、無水ジメチルホルムアミド60mlに溶解したtert−ブチルカルバメイト5gを滴下した。室温にて40分撹拌後、65℃で5時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水にて中和し、酢酸エチルにて 3回抽出した。飽和食塩水にて4回洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、1−tert−ブトキシカルボニル−3−ピロリンと酢酸エチルとの混合物7.5gを油状物として得た。
1H-NMRの結果から収率55%と算出された。
【0060】
1H NMR (200MHz, CDCl3)δ: 1.48(s, 9H), 4.06-4.19(m, 4H), 5.70-5.84(m, 2H)
【0061】
〔工程2〕:1−tert−ブトキシカルボニル−トランス−3−ブロモ−4−ヒドロキシピロリジン(2)の製造−−
前工程で得られた化合物3.75g (酢酸エチルを含む)をジメチルスルホキシド10mlおよび水0.5ml に溶解し、氷冷下、1N−ブロモスクシンイミド2.4gを少しずつ加えた。室温で1時間撹拌した後、酢酸エチルにて抽出し、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、1−tert−ブトキシカルボニル−トランス−3−ブロモ−4−ヒドロキシピロリジン3.4gを油状物として得た。
【0062】
〔工程3〕:1−tert−ブトキシカルボニル−トランス−3−ベンジルアミノ−4−ヒドロキシピロリジン(A)の製造−−
前工程で得られた粗生成物に1N−水酸化ナトリウム水溶液14mlを加え、室温で1時間撹拌した。次いでベンジルアミン3.1gを加え、65℃で一夜撹拌した。反応液を氷冷後、析出結晶を濾取し、アセトニトリルで洗浄して中間体(A)、すなわち1−tert−ブトキシカルボニル−トランス−3−ベンジルアミノ−4−ヒドロキシピロリジン1.6g(工程2からの収率49%)を得た。
【0063】
融点:141 −143 ℃。
IR(KBr) :3250, 1670, 1605 cm -1
1H NMR (200MHz, CDCl3)δ: 1.46(s, 9H), 3.10-3.35(m, 3H), 3.57-3.75(m, 2H), 3.82(d, 2H, J=5.0Hz), 4.06-4.15(m, 1H),7.21-7.38(m, 5H)
【0064】
製造方法( II ):中間体(A)の製造−−
工程4および5を連続して行った。すなわち、3−ピロリン(純度 93.9 %)399gをクロロホルム5800mlに溶解し、氷冷攪拌下、二炭酸ジtert−ブチル1.32kgを1.5 時間かけて加えた。温度を室温まで上げ、さらに17時間撹拌した後、氷冷下、m−クロロ過安息香酸(純度 75 %) 1.46kg を6時間かけて加えた。温度を室温まで上げ2日間撹拌し、析出物を濾過し、濾液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液1000mlを加えて30分撹拌した。有機層を分液し、5%炭酸カリウム水溶液5000mlにて2回、更に飽和食塩水3000mlにて洗浄後、減圧下で溶媒を留去した。室温にて残渣に水1540mlおよびベンジルアミン1540mlを加えた。反応液を2時間撹拌した後、65℃にて3時間撹拌した。反応液に水2000mlおよび酢酸エチル9000mlを加え撹拌後、有機層を分液し、水2500mlにて2回洗浄し、減圧下で溶媒を留去した。残渣にジイソプロピルエーテル6000mlを加えて析出する1−tert−ブトキシカルボニル−トランス−3−ベンジルアミノ−4−ヒドロキシピロリジン(収率42%)を得た。
【0065】
融点: 140−141 ℃。
IR(KBr) :3250, 1670, 1605 cm -1
1H NMR (200MHz, CDCl3)δ: 1.46(s, 9H), 3.10-3.35(m, 3H), 3.57-3.75(m, 2H), 3.82(d, 2H, J=5.0Hz), 4.06-4.15(m, 1H), 7.21-7.38(m, 5H)
【0066】
製造方法 (III) :中間体(B)の製造−−
〔工程6−1〕:(+)−1−tert−ブトキシカルボニル−(3S ,4S) −3−ベンジルアミノ−4−ヒドロキシピロリジンのマンデル酸塩の製造−−
製造方法(I)または(II)のいずれかにおいて製造された1−tert−ブトキシカルボニル−トランス−3−ベンジルアミノ−4−ヒドロキシ−3−ピロリジン(A)714gおよび(+)−マンデル酸 411g をアセトニトリル7500mlと水 62ml の混液に溶解し、室温で3.5 時間放置した。析出した結晶を濾取し、アセトニトリルと水の混液(20:1、V/V )から3回再結晶して(+)−1−tert−ブトキシカルボニル−(3S ,4S) −3−ベンジルアミノ−4−ヒドロキシピロリジンのマンデル酸塩を得た。
【0067】
融点:189 −191 ℃。
1H NMR(200MHz, DMSO-d6) δ: 1.39(s, 9H), 2.91-3.18(m, 3H), 3.22-3.50(m, 4H), 3.72(s, 1H), 3.95-4.02(m, 1H), 4.98(s, 1H), 4.98-5.18(m, 1H), 7.19-7.44(m, 10H)
【0068】
〔工程6−2〕:(+)−1−tert−ブトキシカルボニル−(3S ,4S) −3−ベンジルアミノ−4−ヒドロキシピロリジンの製造−−
前工程で得た化合物に9%炭酸カリウム水溶液3000mlを加えてアルカリ性となし、酢酸エチル(合わせて7000ml) にて3回抽出した。飽和食塩水1500mlにて洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣にジイソプロピルエーテル1700mlを加えて結晶化させ、結晶を濾取して(+)−1−tert−ブトキシカルボニル−(3S,4 S ) −3−ベンジルアミノ−4−ヒドロキシピロリジン274g(工程6−1からの収率77%)を得た。
【0069】
融点: 69 −70℃。
〔α〕D 29= +18.0°(c= 0.50, MeOH)。
IR(KBr) : 3250, 1670, 1605 cm-1
1H NMR (200MHz,CDCl3) δ:1.46(s, 9H), 3.10-3.35(m, 3H), 3.57-3.75(m, 2H), 3.82(d, 2H, J=5.0Hz), 4.06-4.15(m, 1H), 7.21-7.38(m, 5H)
【0070】
〔工程7〕:(+)−1−tert−ブトキシカルボニル−(3S ,4S) −3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−ヒドロキシピロリジン(5)の製造−−
前工程で得た化合物274gをn−ブタノ−ル1200mlに溶解し、5%パラジウム−炭素 13.7gを加え、15−50℃にて水素添加した。触媒を吸引濾過し、濾液にエタノール 800mlを加えた後、氷冷下、二炭酸ジtert−ブチル 215g を10分間かけて加えた。温度を室温まで上げ16時間撹拌し、反応液を減圧下乾固した。残渣にジイソプロピルエーテル1800mlを加えて結晶化させ、結晶を濾取して(+)−1−tert−ブトキシカルボニル−(3S ,4S) −3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−ヒドロキシピロリジン278g(収率98%)を得た。
【0071】
融点: 148− 149℃。
〔α〕D 29= +1.80°(c= 1.00, MeOH ) 。
IR(KBr) :3470, 3300, 1670 cm -1
1H NMR (200MHz,CDCl3 )δ: 1.45(s, 9H), 1.46(s, 9H), 3.10-3.38(m, 2H), 3.61-4.01(m, 3H), 4.16-4.29(m, 1H), 4.59-4.85(m, 1H)
【0072】
〔工程8〕:(+)−1−tert−ブトキシカルボニル−(3S ,4S) −3−〔(N−tert−ブトキシカルボニル−N−メチル)アミノ〕−4−メトキシピロリジン(6)の製造−−
水素化ナトリウム(60%鉱油中) 66.4gをn−ヘキサン700 mlで2回洗浄して鉱油を除き、ついで無水ジメチルホルムアミド1400mlを加え懸濁液とした。この懸濁液に氷冷にてヨウ化メチル283gを加えた後、工程7で得た化合物200gを溶解した無水ジメチルホルムアミド1000mlを1時間かけて滴下した。温度を室温まで上げ19時間撹拌し、2%酢酸水溶液2700mlにて中和し、トルエン(合わせて4500ml)にて3回抽出した。飽和食塩水1000mlにて3回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、(+)−1−tert−ブトキシカルボニル−(3S ,4S) −3−tert−〔(N−ブトキシカルボニル−N−メチル)アミノ〕−4−メトキシピロリジン218gを無色油状物として定量的に得た。
【0073】
〔α〕D 29= +9.03°(c= 0.55, MeOH )。
IR(NaCl): 2980, 1690 cm-1
1H NMR(200MHz, CDCl3) δ: 1.47(s, 9H), 1.48(s, 9H), 2.79(s, 3H), 3.21-3.39(m, 2H), 3.39(s, 3H), 3.53-3.74(m, 2H), 3.80-3.89(m, 1H), 4.40-4.52(m, 1H)
【0074】
〔工程9〕:(3S ,4S) −3−メトキシ−4−メチルアミノピロリジン(B)の二p−トルエンスルホン酸塩の製造−−
前工程で得た化合物218gをテトラヒドロフラン−メタノール(3:1,V/V )混液3300mlに溶解し、p−トルエンスルホン酸一水和物289gを加えた。30分間撹拌後、60℃で3時間撹拌し、室温にて放置した。氷冷後、析出結晶を濾取し、(+)−(3S,4S)−3−メトキシ−4−メチルアミノピロリジン二p−トルエンスルホン酸286g(収率91%)を得た。
【0075】
融点:163 − 164℃。
〔α〕D 29= +10.4°(c= 1.05, MeOH )。
IR(KBr) : 3060, 1617, 1570 cm-1
1H NMR (200MHz,DMSO-d6) δ: 2.70(s, 3H), 3.22-3.48(m, 3H), 3.32(s, 3H), 3.60-4.71(m, 1H), 3.79-3.90(m, 1H), 4.19-4.26(m, 1H)
【0076】
製造方法( IV ):最終目的物(C)の製造−−
〔工程10〕:7位置換反応−−
工程9で得た(+)−(3S,4S)−3−メトキシ−4−メチルアミノピロリジン二p−トルエンスルホン酸95.3g をアセトニトリル600ml に懸濁させ、氷冷下、トリエチルアミン120ml を加えた。15分間攪拌した後、7−クロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エチルエステル60.3gを加えた。室温で1時間攪拌した後、アセトニトリル150ml を加え、同温度にて1日間攪拌した。析出結晶を濾取し、アセトニトリルで洗浄して(−)−1,4−ジヒドロ−7−〔(3S,4S)−3−メトキシ−4−メチルアミノ−1−ピロリジニル〕−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エチルエステルを得た。
【0077】
融点:184−185℃。
〔α〕D 28= -16.9°(c= 0.50, クロロホルム)
【0078】
〔工程11〕:最終目的物の製造−−
前工程で得たエステルに0.5N水酸化ナトリウム水溶液430ml とエタノール12mlを加え、室温で2日間攪拌した。反応液に28%アンモニア水21mlと50%酢酸水34.5mlを加え、80℃で2時間攪拌した。氷冷後、析出結晶を濾取し、水およびエタノールで順次洗浄して(+)−1,4−ジヒドロ−7−〔(3S,4S)−3−メトキシ−4−メチルアミノ−1−ピロリジニル〕−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸64.8g(工程10からの収率90%)を得た。
【0079】
融点:278 −280 ℃(分解)。
〔α〕D 29= +58.5°(c=1.00, 1N NaOH)
【0080】
【発明の効果】
本発明方法は、工業的製法として従来法よりもはるかに優れている。

Claims (1)

  1. 以下の工程6−9を順次行うことを特徴とする次式(B)
    で表される(3S,4S)−3−メトキシ−4−メチルアミノピロリジンの二p−トルエンスルホン酸塩の製造方法:
    〔工程6〕:次式(A)
    (式中、Bocはtert−ブトキシカルボニル基を意味し、Phはフェニル基を意味する。本項において以下同様。)で表される1−tert−ブトキシカルボニル−トランス−3−ベンジルアミノ−4−ヒドロキシピロリジン(A)を(+)−マンデル酸により光学分割を行った後、塩基処理して遊離の(+)−1−tert−ブトキシカルボニル−(3S,4S)−3−ベンジルアミノ−4−ヒドロキシピロリジンとなす工程、
    〔工程7〕:工程6で得た化合物を脱ベンジル化反応およびBoc基導入反応に付して次式(5)
    で表される(+)−1−tert−ブトキシカルボニル−(3S,4S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−ヒドロキシピロリジンとなす工程、
    〔工程8〕:水素化ナトリウムの存在下、工程7で得た化合物をメチル化して次式(6)
    で表される(+)−1−tert−ブトキシカルボニル−(3S,4S)−3−〔N−tert−ブトキシカルボニル−N−メチル)アミノ〕−4−メトキシピロリジンとなす工程、
    〔工程9〕:p−トルエンスルホン酸の存在下、工程8で得られた化合物のBoc基を脱離して、(3S,4S)−3−メトキシ−4−メチルアミノピロリジンの二p−トルエンスルホン酸塩となす工程。
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