JP2019001688A - 水硬性組成物用添加剤、水硬性組成物 - Google Patents

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邦昭 桜井
Kuniaki Sakurai
邦昭 桜井
隆祥 平田
Takayoshi Hirata
隆祥 平田
竜介 玉石
Ryusuke Tamaishi
竜介 玉石
谷所 美明
Yoshiaki Yadokoro
美明 谷所
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Abstract

【課題】土木工事で標準的に用いられる普通コンクリートにおいて、少ない単位セメント量のままブリーディングを抑制し、スランプ保持性を高め、かつ比較的コストの低い減水剤、およびそれを用いてなる水硬性組成物用添加剤を提供すること。【解決手段】JIS A 6204により評価される減水率が18%未満である減水剤と、多糖誘導体とを含有することを特徴とする、水硬性組成物用添加剤。また、上記水硬性組成物用添加剤と、セメントと、水と、粗骨材と、細骨材とを含有することを特徴とする、水硬性組成物。このような水硬性組成物を用いてなるレディミクストコンクリートは、JIS A 5308で規定された普通コンクリートとしての粗骨材寸法とスランプと呼び強度との関係を満たす。【選択図】なし

Description

本発明は、減水剤を含有する水硬性組成物用添加剤、およびそれを用いてなるコンクリートをはじめとした水硬性組成物に関する。
土木工事で標準的に用いられる普通コンクリートは、たとえば水/セメント比が約55%(重量比。特段の記載がない限り以下同じ)、スランプ値が約8cmで、単位セメント量が約300kg/m3と少ない。そのため、ブリーディングが多い、スランプロスが大きいなどの課題がある。
昨今では、鉄筋が高密度に配置される部材も多く、高スランプのコンクリートを用いる必要性も高まっている。高スランプのコンクリートを作成するためには、単位水量および単位セメント量を増大させる必要があり、材料コストの増大や、硬化後の収縮ひび割れが生じる危険性が高まる。
また、ブリーディングの低減、圧送性の改善、およびスランプロスの低下を実現するためにも、単位セメント量を増大させる必要があり、上記と同様の課題が生じる。
一方で、流動性を著しく高めた高流動コンクリートや中流動コンクリートも汎用化されてはいるが、コスト増大や硬化後の収縮ひび割れ等の問題は同様に生じる。
特開平11−1355号公報
流動性を高める方法としては、高性能減水剤を用いる方法もあるが、単に減水率の高い混和剤を用いても、材料分離抵抗性が低下するため、ブリーディングの増大等が生じてしまう。また、材料単価も高いという課題がある。
ここで、引用文献1には、高い減水率を有する高性能減水剤を含有する水硬性組成物用添加剤(混和剤)が開示されている。
しかしながら、前述した通り、このような高性能減水剤は材料コストが高いことにくわえ、土木工事で標準的に用いられる普通コンクリートに対しては減水性能が高すぎるという課題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、標準的に用いられる普通コンクリートにおいて使用でき、少ない単位セメント量のままブリーディングを抑制し、スランプロスが少なく、かつ比較的コストの低い減水剤、およびそれを用いてなる水硬性組成物用添加剤を提供することを目的とする。
本発明者は、前述の目的を達成するため、鋭意検討の結果、減水率が18%未満である減水剤と、多糖誘導体とを含有する水硬性組成物用添加剤を用いることにより、普通コンクリートにおいても、少ない単位セメント量のまま上記効果を発揮することができ、かつ高性能減水剤と比較してコストを抑えることにも成功した。
すなわち本発明は、JIS A 6204により評価される減水率が18%未満である減水剤と、多糖誘導体とを含有することを特徴とする、水硬性組成物用添加剤に関する。
また本発明は、水硬性組成物用添加剤と、セメントと、水と、粗骨材と、細骨材とを含有することを特徴とする、水硬性組成物に関し、かかる水硬性組成物は、水/セメント比55〜60%であるとき、JIS A 1101によって測定評価されるスランプが21cm以下の条件を満たす普通コンクリートとして好適に用いられる。
さらに本発明は、上記水硬性組成物を用いてなる、JIS A 5308で規定された普通コンクリートとしての粗骨材寸法とスランプと呼び強度との関係を満たすことを特徴とする、レディミクストコンクリートに関する。
なお、これらのJIS条件は、規格改正にかかわらず、本願出願時の規格を基準とするものとする。
くわえて本発明は、スランプ5〜15cm、かつ水/セメント比55〜60%(重量比)の配合設計を行った材に対し、上記添加剤を添加してなることを特徴とする、レディミクストコンクリートの製造方法に関する。
本発明によれば、コストの高い高流動コンクリートではない普通コンクリートにおいても、少ない単位セメント量のままブリーディングを抑制し、スランプロスを減少させることが可能となった。また、コスト面においても優れるものである。
以下、本発明の形態について説明するが、本発明の範囲は、実施例を含めた当該記載に限定されるものではない。
<減水剤>
まず、減水剤について説明する。減水剤は、セメント粒子を分散させ、凝集を防ぐ役割を果たす。
(減水率)
本発明において用いられる減水剤の減水率は、18%未満である。なお、本発明における上記減水率は、JIS A 6204によって測定評価されるものである。減水率が18%未満である減水剤を用いることによって、一般コンクリートにおいても、少ない単位セメント量であるにもかかわらずスランプの大きいコンクリートを作製することが可能である。
減水率が18%以上の減水剤では、普通コンクリートに用いた場合に、スランプの大きいコンクリートは製造できるが、ブリーディングの防止やスランプロスを抑えるといった本発明所期の効果をじゅうぶんに発揮することができない。
なお、減水率の下限については特に限定されるものではないが、取扱いの容易さや経済的観点から、12%以上のものが通常用いられる。
本発明において用いられる減水剤の組成としては、減水率18%未満を満たす限り、特に限定されるものではないが、たとえば、ナフタレン、メラミン、フェノール、尿素およびアニリンの何れかのメチロール化物およびスルホン化物の群から選ばれる1種又は2種以上の化合物のホルムアルデヒド縮合物が挙げられる。さらにまた他の例として、エチレン系不飽和モノカルボン酸、そのアルキレンオキシド付加物又はその誘導体、並びにエチレン系不飽和ジカルボン酸、そのアルキレンオキシド付加物又はその誘導体からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有する単量体を重合して得られる重合体又は共重合体が挙げられる。これらは単独で用いても併用しても良い。
さらに、本発明において用いられる減水剤としては、下記一般式(1)で表される単量体と、下記一般式(2)及び(3)で表される化合物の中から選ばれる一種以上を含有する単量体とを重合して得られる、オキシアルキレン基を有する水溶性ビニル共重合体が特に好ましく用いられる。
[式中、R1,R2:水素原子又はメチル基
m1:0〜2の数
AO:炭素数2〜3のオキシアルキレン基
n:2〜300の数
X:水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基
を表す。]
[式中、R3,R4,R5:水素原子、メチル基又は(CH2m2COOM2
6:水素原子又はメチル基
M1,M2,Y:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム又は置換アルキルアンモニウム
m2:0〜2の数
を表す。]
上記の好ましい減水剤として用いられる共重合体において、上記一般式(1)で表される単量体としては、メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリエチレンポリプロピレングリコール、エトキシポリエチレングリコール、エトキシポリエチレンポリプロピレングリコール、プロポキシポリエチレングリコールおよびプロポキシポリエチレンポリプロピレングリコール等の片末端アルキル封鎖ポリアルキレングリコールとアクリル酸、メタクリル酸又は脂肪酸の脱水素(酸化)反応物とのエステル化物や、アクリル酸、メタクリル酸又は脂肪酸の脱水素(酸化)反応物へのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド付加物が用いられる。またポリアルキレングリコールのモノマーの繰り返し単位としては、エチレンオキサイド単独、プロピレンオキサイド単独、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのランダム、ブロック、交互付加の何れでも用いることができる。ポリアルキレングリコールのモノマーの繰り返し単位の付加モル数が、110〜300であると、硬化遅延の短縮、高流動性、高充填性、高分離低減性の面で特に好ましい。
上記一般式(2)で表される化合物としては、不飽和モノカルボン酸系単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、又はこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、置換アミン塩が挙げられる。また、不飽和ジカルボン酸系単量体として、無水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン酸、無水シトラコン酸、シトラコン酸、フマル酸、又はこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、置換アミン塩が挙げられる。
また、上記一般式(3)で表される化合物としては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、又はこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、置換アミン塩が挙げられる。
本発明において用いられる減水剤は、各種分散剤を含有させることができる。前記分散剤としても、減水率18%未満を満たす限り、特に限定されるものではないが、たとえば、リグニンスルホン酸またはその塩、オキシカルボン酸またはその塩、およびポリアルキル無水カルボン酸またはその塩などが挙げられ、これらは単独で用いても併用しても良い。なお、減水率は、当業者が前記縮合物、(共)重合体、および分散剤の組成、比率などを選択することによって適宜調節することが可能である。
これらは予め混合しておいても良く、また、一方を水硬性粉体または水硬性組成物に配合した後に、あるいは一方を水硬性粉体または水硬性組成物に配合して練っておいてから他方を配合しても良い。
本発明における減水剤の添加量は、所望とする流動性に応じて適宜決定することができるが、一般に水硬性粉体に対して0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%である。
なお、本発明において、水硬性粉体とは、水和反応により硬化する物性を有する粉体のことであり、セメント、石膏などが挙げられる。好ましくはセメントであり、またこれらに高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム等が添加されたものでもよい。なお、後述する通り、これらの粉体に骨材として砂、砂及び砂利が添加されて最終的に得られる水硬性組成物が、一般にそれぞれモルタル、コンクリートなどと呼ばれている。
<多糖誘導体>
次に、本発明における多糖誘導体は、増粘剤として用いられる。このような多糖誘導体としても、特に限定されるものではないが、一例としては、多糖類又はそのアルキル化若しくはヒドロキシアルキル化誘導体の一部又は全部の水酸基の水素原子が、疎水性置換基(A)及びイオン性親水性置換基(B)で置換されてなるものが挙げられる。
この場合、疎水性置換基(A)は、炭素数8〜40の炭化水素鎖を部分構造として有するが、これはより具体的には、炭素数8〜40、好ましくは12〜36、より好ましくは16〜24の直鎖又は分岐のアルキル基を有するアルキルグリセリルエーテル基、又は同様な炭素数の直鎖又は分岐のアルケニル基を有するアルケニルグリセリルエーテル基、又はヒドロキシル基が置換していてもよく、オキシカルボニル基が挿入されていてもよい炭素数8〜40、好ましくは12〜36、より好ましくは16〜24の直鎖又は分岐のアルキル基、アルケニル基又はアシル基などである。製造上の容易性その他の観点から、好ましくはアルキルグリセリルエーテル基、長鎖アルキル基、2−ヒドロキシ長鎖アルキル基であり、特にアルキルグリセリルエーテル基が好ましい。ここでアルキルグリセリルエーテル基とは、アルキルグリセリルエーテルの水酸基を1個除いた残余の部分の構造をいうものである。アルキルグリセリルエーテル基としてより具体的には、2−ヒドロキシ−3−アルコキシプロピル基、2−アルコキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル基、2−ヒドロキシ−3−アルケニルオキシプロピル基、2−アルケニルオキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル基が挙げられる。これらの疎水性置換基(A)は多糖分子に結合しているヒドロキシエチル基やヒドロキシプロピル基の水酸基の水素原子と置換していてもよい。
イオン性親水性置換基(B)は、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、及び硫酸エステル基からなる群から選ばれる1種以上の基を部分構造として含有する置換基であり、これらは塩を形成していてもよい。具体的には、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基又はその塩、カルボキシアルキル基又はその塩、リン酸アルキル基又はその塩、硫酸エステルアルキル基又はその塩等が挙げられる。好ましくは、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基である。より具体的には、2−スルホエチル基、3−スルホプロピル基、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基、2−スルホ−1−(ヒドロキシメチル)エチル基などが挙げられ、その全てあるいは一部がNa、K等のアルカリ金属、Ca、Mg等のアルカリ土類金属類、アミン類などの有機カチオン基、アンモニウムイオンなどとの塩になっていてもよい。
本発明に係るこれらの多糖誘導体は、疎水性置換基(A)とイオン性親水性置換基(B)による置換の度合いにより、混練水への溶解性や増粘性が変化する。即ち、疎水性置換基(A)とイオン性親水性置換基(B)の置換度を好ましい範囲のものとすることにより、混練水への適度な溶解性や増粘性を得ることができ、従って水硬性組成物に対し、優れた分離抵抗性と共に、優れた流動性を与えることができる。こうした観点から、疎水性置換基(A)による置換度は、構成単糖残基1単位あたり0.0001〜1であり、0.0005〜0.01がより好ましい。またイオン性極性置換基(B)による置換度は、構成単糖残基1単位あたり0.001〜2であり、0.01〜1がより好ましい。特に好ましい置換度は、疎水性置換基(A)が0.0007〜0.005であり、イオン性親水性置換基(B)が0.02〜0.15である。
本発明において多糖類としてはセルロース;スターチ;コンニャクマンナン、トロロアオイ粘着物等の根茎多糖類;アラビアガム、トラガカントガム、カラヤガム等の樹液多糖類;ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンドガム等の種子多糖類;寒天、カラギーナン、アルギン等の海草多糖類;キチン、キトサンヘパリン、コンドロイチン硫酸等の動物性多糖類;デキストラン、キサンタンガム等の微生物多糖類が挙げられる。また、イオン性基が置換したものとしてカルボキシメチルセルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロース、亜リン酸セルロース等のアニオン性基置換体が挙げられる。多糖類のアルキル化もしくはヒドロキシアルキル化誘導体としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシエチルスターチ、メチルセルロース、メチルグアーガム、メチルスターチ、エチルセルロース、エチルグアーガム、エチルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルグアーガム、ヒドロキシエチルメチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルグアーガム、ヒドロキシプロピルメチルスターチ等が挙げられ、なかでもセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等セルロース及びその誘導体が好ましい。また、これらの多糖類のメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等の置換基は、単一の置換基で置換されたものでもよいし、複数の置換基で置換されたものでもよく、その構成単糖残基当たりの置換度は0.1〜5、特に0.5〜3が好ましい。また置換基がアルキレンオキシ基の場合には、置換度、即ちその構成単糖残基当たりの付加モル数は、0.1〜10、特に0.5〜5が好ましい。また、これらの多糖類又はその誘導体の重量平均分子量は1万〜1000万であり、特に10万〜500万の範囲のものが好ましい。
本発明の置換された多糖誘導体は、多糖類又はそのアルキル化若しくはヒドロキシアルキル化誘導体の水酸基の水素原子を部分的に疎水化(疎水性置換基(A)の導入)又は親水化(イオン性親水性置換基(B)の導入)した後、残りの水酸基の一部又は全部の水素をそれぞれ親水化又は疎水化することにより、又は疎水化及び親水化を同時に行うことにより得られる。
置換基の導入は、一例として次のようにして行うことができる。すなわち、多糖類又はその誘導体を、アルカリの存在下で、アルキル炭素数が8〜40のアルキル又はアルケニルグリシジルエーテル、炭素数が8〜40の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和アルキルのエポキシド、ハライド、ハロヒドリン、アシルハライド、或いは炭素数が8〜40のアシル基を有するエステル又はカルボン酸無水物と反応させることにより疎水性置換基(A)を導入し、更にアルカリの存在下でビニルスルホン酸またはヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数1〜5のハロアルカンスルホン酸、ハロカルボン酸、ハロリン酸エステル、ハロ硫酸エステル又はそれらの塩などと反応させることにより行うことができる。
本発明における多糖誘導体の添加量は、目的とする増粘の程度に応じ適宜決めればよいが、例えば水硬性組成物を製造する際に必要な水硬性粉体量に対して0.0001〜3重量%、好ましくは0.001〜0.5重量%、特に好ましくは0.01〜0.1重量%が適している。
<コンクリート>
本発明のコンクリートは、上記水硬性組成物用添加剤と、セメントと、水と、粗骨材と、細骨材とを混ぜ合わせて硬化してなるものである。
本発明において用いられるセメントの種類については、水硬性のセメントであれば特に制限はない。セメントと水との比率についても、当業者が条件に応じて適宜選択することができるが、背景技術の項で述べた通り、普通コンクリートの一例としては、水/セメント比55%程度として用いられる。
骨材としては、砂や砂利が挙げられ、陸、山、海、川で適宜採集されたものを用いてよいし、人工のものでも差支えない。ここで、前記骨材は、当業者の定義のひとつとしては、粒子径(5mmふるいを通るか否か)によって、粗骨材と細骨材とに分類される。
本発明の水硬性組成物用添加剤は、上述した通り、普通コンクリートにおいて、スランプロスが小さく、かつブリーディングを防ぐことができる目的で好適に用いられる。ここでは、水/セメント比55〜60%において、JIS A 1101によって測定評価されるコンクリートのスランプが21cm以下を満たすコンクリートを、その一例とする
普通コンクリートとしては、JIS A 5308で規定された普通コンクリートとしての粗骨材寸法とスランプと呼び強度との関係を満たすことをその定義とする。なお、これらのJIS条件は、規格改正にかかわらず、本願出願時の規格を基準とするものとする。
すなわち、その粗骨材寸法とスランプと呼び強度との関係は、表1で示すようなものである。JISマーク表示認証の製品を製造する工場が、表1「○」の規格品を出荷する場合に限って、レディミクストコンクリート納入書にJISマークを付して出荷することができる。
ここで、呼び強度とは、呼び強度に単位(N/mm2)をつけた強度値を意味する。
また、実施例で後述するように、スランプ5〜15cm、かつ水/セメント比55〜60%(重量比)の配合設計を行った材に対し、本発明にかかる添加剤を添加することにより、普通コンクリートにおいても、少ない単位セメント量のままブリーディングを抑制し、スランプロスを減少させることのできるレディミクストコンクリートを製造することが可能である。
次に、実施例により本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表2で示すような組成で、水硬性組成物用添加剤を普通コンクリートに添加した。
なお、表2中、
C:普通ポルトランドセメント(太平洋/住友大阪=1/1)密度=3.16g/m3
細骨材S1:川砂(岐阜県揖斐川産)表乾密度=2.61g/m3
細骨材S2:砕砂(兵庫県家島産)表乾密度=2.55g/m3
細骨材S3:砕砂(東京都西多摩産)表乾密度=2.65g/m3
細骨材S4:山砂(千葉県君津産)表乾密度=2.59g/m3
粗骨材G1:砕石2010(高知県鳥形山産)最大寸法20mm、表乾密度=2.70g/m3
粗骨材G2:砕石1005(高知県鳥形山産)最大寸法20mm、表乾密度=2.70g/m3
粗骨材G3:砕石(埼玉県飯能産)最大寸法20mm、表乾密度=2.65g/m3
粗骨材G4:砕石4020(兵庫県西島産)最大寸法40mm、表乾密度=2.63g/m3
粗骨材G5:砕石2005(高知県鳥形山産)最大寸法20mm、表乾密度=2.71g/m3
(なお、G1とG2とは粒度のみ異なるものである。また、ここでの最大寸法は、JIS A 5308基準に使用するコンクリートとしての最大寸法である。)
W:水(上水道水、密度1.00g/cm3
表2に示す通り、実施例1〜9における水硬性組成物用添加剤としてはM−1000Vを、比較例1〜5における水硬性組成物用添加剤としてはP−#70を、比較例6〜12における水硬性組成物用添加剤としてはP−15Sを、それぞれ使用した。
なお、上記3種類の水硬性組成物用添加剤の正式名称、組成等は、次の通りである。
<マイティ1000V>(M−1000V)
リグニンスルホン酸化合物とポリカルボン酸エーテルとの複合体と、多糖誘導体として、ステアリルグリセリルエーテル基と3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基で置換されたヒドロキシエチルセルロース誘導体である多糖誘導体とを含有する添加剤(花王社製)。JIS A 6204によって測定評価された減水率は15%である。なお、前記多糖誘導体については、以下(1)(2)のようにして合成したものである。
(1)攪拌機、温度計及び冷却管を備えた1000mlのガラス製セパラブル反応容器に、重量平均分子量約80万、ヒドロキシルエチル基の置換度1.8のヒドロキシエチルセルロース(HEC−QP4400、ユニオンカーバイド社製)50g、88%イソプロピルアルコール400g及び48%水酸化ナトリウム水溶液3.5gを加えてスラリー液を調整し、窒素雰囲気下室温で30分間攪拌した。これにステアリルグリシジルエーテル4.0gを加え、80℃で7時間反応させて疎水化を行った。疎水化反応終了後、反応液を酢酸で中和し、反応生成物をろ別した。反応生成物を80%アセトン500gで2回、次いでアセトン500gで2回洗浄し、減圧下70℃で1昼夜乾燥し、疏水化されたヒドロキシルエチルセルロース誘導体49.4gを得た。
(2)攪拌機、温度計及び冷却管を備えた500mlのガラス製セパラブル反応容器に、(1)で得られた疏水化されたヒドロキシエチルセルロース誘導体10.0g、イソプロピルアルコール80.0g及び48%水酸化ナトリウム水溶液0.33gを仕込んでスラリー液を調整し、窒素雰囲気下室温で30分間攪拌した。反応液に3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム6.4g、48%水酸化ナトリウム水溶液2.7g及び水20.0gからなる混合液を加え、50℃で9時間スルホン化を行った。反応終了後、反応液を酢酸で中和し生成物をろ別した。生成物を80%アセトン(水20g)500gで3回、次いでアセトン500gで2回洗浄後、減圧下70℃で1昼夜乾燥し、ステアリルグリセリルエーテル基と3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基で置換されたヒドロキシエチルセルロース誘導体7.2gを得た。得られたヒドロキシエチルセルロース誘導体のステアリルグリセリルエーテル基の置換度は0.008、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基の置換度は0.15であった。
<マスターポリヒード15S>(P−15S)
リグニンスルホン酸化合物とポリカルボン酸エーテルとの複合体である添加剤(BASFジャパン社製)。JIS A 6204によって測定評価された減水率は15%である。
<マスターポゾリスNo.70>(P−#70)
AE減水剤である、リグニンスルホン酸化合物とポリオールとの複合体である添加剤(BASFジャパン社製)。JIS A 6204によって測定評価された減水率は12%である。
また、表2の一部の実施例における「任意」とは、たとえば実施例1の「任意(8→15)」は、目標スランプを「15くらいを目安」にして調合設計・製造したものである。これに対して実施例4の「15(8→15)」は、目標スランプを「15」にして調合設計・製造したものであり、いわば実施例1は、実施例4の予備実験としての位置付けといえる。実施例2と実施例5、実施例3と実施例6との関係も、それぞれ同様である。
実施例および比較例において作成したコンクリートの評価結果を、表3および4に示す。
なお、表3および4中、スランプについては、JIS A 1101によって、スランプフローについては、JIS A 1150によって、それぞれ測定評価を行ったものである。
また、試験結果については、JIS A 5308に従い、スランプについては、目標スランプが8〜18cmの場合は±2.5cm、目標スランプが21cmの場合には±1.5cmを許容範囲とする。空気量については、±1.5%を許容範囲とする。
なお、荷卸し地点でのスランプとは、スランプの経時にともなう低下を勘案してJIS A 5308で規定されているものであるが、本実施例(室内試験)のコンクリートにもJIS A 5308を適用していることから、練混ぜ直後のスランプが荷卸し時点でのスランプを満たしていることはいうまでもない。
減水率が15%である減水剤と、多糖誘導体とを含有する添加剤を用いて作製した実施例1〜9にかかるコンクリートは、普通コンクリートであるにもかかわらず、少ない添加量でブリーディングおよびスランプロスが少ない(スランプを長時間保持できる)ことがわかる。
これに対して、多糖誘導体を含有せず、ポリカルボン酸エーテルを構成要素として含まない従来の減水剤である添加剤を用いて作製した比較例1〜5にかかるコンクリートは、高いブリーディングが見られ、スランプロスも大きいことがわかる。
また、リグニンスルホン酸化合物とポリカルボン酸エーテルとの複合体を用いているが、多糖誘導体を用いていない添加剤を用いて作製した比較例6〜8にかかるコンクリートは、スランプロスは比較例1〜5よりは抑えられるものの、ブリーディングの改善はみられないことがわかる。比較例9〜12においても、同様にブリーディングの改善はみられないことがわかる。なお、比較例12のブリーディング値は低いように見受けられるものの、比較例12は実施例9との比較である。すなわち、実施例9は、マイティ1000Vを用いることによって、同じ単位水量・セメント量のまま、スランプを(許容誤差含)15cmから21cmに向上させることができ、さらに、ブリーディング値も半減できていることがわかる。
上記の結果から、減水率が18%未満である減水剤と、多糖誘導体とを併用した水硬性組成物用添加剤を用いることによって、コストの比較的低い普通コンクリートにおいても、少ない単位セメント量のままブリーディングを抑制し、スランプロスを減少させることが可能となった。
さらに、上記普通コンクリートは、JIS A 5308で規定された普通コンクリートとしての粗骨材寸法とスランプと呼び強度との関係を全て満たすものである。

Claims (5)

  1. JIS A 6204により評価される減水率が18%未満である減水剤と、多糖誘導体とを含有することを特徴とする、水硬性組成物用添加剤。
  2. 請求項1記載の水硬性組成物用添加剤と、セメントと、水と、粗骨材と、細骨材とを含有することを特徴とする、水硬性組成物。
  3. 水/セメント比55〜60%(重量比)において、JIS A 1101によって測定評価されるスランプが21cm以下であることを特徴とする、請求項2記載の水硬性組成物。
  4. 請求項2または3記載の水硬性組成物を用いてなる、JIS A 5308で規定された普通コンクリートとしての粗骨材寸法とスランプと呼び強度との関係を満たすことを特徴とする、レディミクストコンクリート。
  5. セメントと、水と、粗骨材と、細骨材とを含有する、スランプ5〜15cm、かつ水/セメント比55〜60%(重量比)の配合設計を行った材に対し、請求項1記載の添加剤を添加してなることを特徴とする、レディミクストコンクリートの製造方法。
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