JP2019000860A - 給湯用電磁ポンプの制御方法 - Google Patents

給湯用電磁ポンプの制御方法 Download PDF

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【課題】きれいで温かい溶湯を高精度・高速かつ安全に供給することができる給湯用電磁ポンプの制御方法を提供する。【解決手段】下端が溶湯内に浸漬するように斜めに設置された保持管と、前記保持管の上端から斜め下方に向かって連設された給湯管とを有し、予め決めた前記保持管のベース位置まで前記溶湯を上げるための第1コイル、及び前記保持管のベース位置から上端まで前記溶湯を上げてさらに前記給湯管に送出するための第2コイルを制御する方法であって、前記第2コイルに印加する保持電圧を、前記溶湯の湯面高さに応じてレベル補正するとともに、前記保持管に上がった前記溶湯の変動を抑えてベース位置に近づくように保持位置補正し、さらに、前記第2コイルに印加する給湯電圧を、前記溶湯の湯面高さに応じてレベル補正するとともに、前記保持電圧にした補正の比率に応じて保持位置補正する。【選択図】図1

Description

本発明は、保持炉から鋳型やダイカストマシーンのスリーブに溶湯を供給するための給湯用電磁ポンプの制御方法に関する。
ダイカストマシーン等の鋳造装置においては、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金等の金属を溶解し、保持炉に溜められた溶湯を必要な量だけ鋳型やダイカストマシーンのスリーブを介して鋳型に注入して冷却することにより目的の形状に成形する。保持炉から鋳型やダイカストマシーンのスリーブへの溶湯の移送には、ラドルや空圧又は電磁ポンプ等を使用する。なお、特許文献1に記載されているように、移送中の溶湯の酸化やガス吸収等を防止する溶湯移送ポンプの発明も開示されている。また、特許文献2に記載されているように、電磁ポンプを使用した鋳造装置の発明も開示されている。
特開2005−88070号公報 特開2000−71059号公報
しかしながら、特許文献1に記載の溶湯移送ポンプは、サイホン作用により溶湯を移送するため、中継炉から保持炉に移送するような場合には良いが、鋳型に注湯するような場合には給湯量の細かい調整が困難である。また、特許文献2に記載の電磁ポンプは、電圧に応じた給湯量が安定して得られるが、溶湯中の水素量や配管内の酸化膜などを要因とする湯面の上下位置の変動や揺れを考慮しないと適正な速度と時間で注湯することはできない。
そこで、本発明は、きれいで温かい溶湯を高精度・高速かつ安全に供給することができる給湯用電磁ポンプの制御方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明である給湯用電磁ポンプの制御方法は、下端が溶湯内に浸漬するように斜めに設置された保持管と、前記保持管の上端から斜め下方に向かって連設された給湯管とを有し、予め決めた前記保持管のベース位置まで前記溶湯を上げるための第1コイル、及び前記保持管のベース位置から上端まで前記溶湯を上げてさらに前記給湯管に送出するための第2コイルを制御する方法であって、前記第1コイルで前記溶湯を押し上げた後に前記第1コイルの出力を弱めながら前記第2コイルの出力を上げていき前記第2コイルだけで前記溶湯を保持した上で、前記第2コイルに印加する保持電圧を、前記溶湯の湯面高さに応じてレベル補正するとともに、前記保持管に上がった前記溶湯の変動を抑えてベース位置に近づくように保持位置補正し、さらに、前記第2コイルに印加する給湯電圧を、前記溶湯の湯面高さに応じてレベル補正するとともに、前記保持電圧にした補正の比率に応じて保持位置補正することにより、指定した給湯量を送出するための給湯速度となるように前記給湯電圧が調整される、ことを特徴とする。
また、前記給湯用電磁ポンプの制御方法は、下端が溶湯内に浸漬するように斜めに設置された保持管と、前記保持管の上端から斜め下方に向かって連設された給湯管とを有し、予め決めた前記保持管のベース位置まで前記溶湯を上げるためのガス吸引機、及び前記保持管のベース位置から上端まで前記溶湯を上げてさらに前記給湯管に送出するための上部コイルを制御する方法であって、前記ガス吸引機で前記溶湯を吸い上げた後に前記上部コイルで前記溶湯を保持した上で、前記上部コイルに印加する保持電圧を、前記溶湯の湯面高さに応じてレベル補正するとともに、前記保持管に上がった前記溶湯の変動を抑えてベース位置に近づくように保持位置補正し、さらに、前記上部コイルに印加する給湯電圧を、前記溶湯の湯面高さに応じてレベル補正するとともに、前記保持電圧にした補正の比率に応じて保持位置補正することにより、指定した給湯量を送出するための給湯速度となるように前記給湯電圧が調整される、ことを特徴とする。
また、前記給湯用電磁ポンプの制御方法において、前記保持管のベース位置は、前記保持管に備えたレベル計により設定される、ことを特徴とする。
また、前記給湯用電磁ポンプの制御方法は、前記給湯電圧で給湯したときのビスケット厚を基に、次回の給湯電圧をフィードバック補正する、ことを特徴とする。
また、前記給湯用電磁ポンプの制御方法において、前記給湯電圧は、前記溶湯の湯面高さが基準位置から変動した差分に対して、指定した給湯量と給湯速度から導出された補正係数を用いてレベル補正される、ことを特徴とする。
また、前記給湯用電磁ポンプの制御方法において、前記給湯電圧は、前記保持電圧の保持位置補正量を用いて前記保持電圧と前記給湯電圧の比率を基に算出された補正量で保持位置補正される、ことを特徴とする。
本発明によれば、きれいで熱い溶湯を高精度・高速かつ安全に供給することができる。ラドルを使用せず電磁ポンプで直接に給湯するので、溶湯の温度低下を抑制することができる。炉内の脱ガスやノロ掻きにより溶湯中の水素量や酸化膜などを所定以下にする定期的保全をすることで、表面の酸化物を巻き込まず炉内のきれいな溶湯を安定して供給することができる。
さらに、溶湯を配管(保持管)内のベース位置まで持ち上げて保持する電圧と、そこから溶湯を送り出して給湯するための電圧について、保持炉内の湯面の高さやベース位置で保持されている湯面の変化を考慮した補正をすることにより、給湯速度と給湯時間が正確に求められ、保持炉から適切な給湯量で注湯することができる。また、注湯ごとにフィードバック制御することにより誤差を調整して精度を向上させることができる。
本発明である給湯用電磁ポンプの制御方法を用いる保持炉と第1コイルの無い給湯用電磁ポンプを示す縦断面図である。 本発明である給湯用電磁ポンプの制御方法を用いる保持炉と第1コイルの有る給湯用電磁ポンプを示す縦断面図である。 本発明である給湯用電磁ポンプの制御方法を示すフローチャートである。 本発明である給湯用電磁ポンプの制御方法における炉レベル補正について説明するためのグラフである。 本発明である給湯用電磁ポンプの制御方法におけるビスケット厚補正について説明するためのグラフである。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
まず、本発明である給湯用電磁ポンプの制御方法を用いる給湯装置について説明する。図1は、給湯用電磁ポンプの制御方法を用いる保持炉と第1コイルの無い給湯用電磁ポンプを示す縦断面図である。図2は、給湯用電磁ポンプの制御方法を用いる保持炉と第1コイルの有る給湯用電磁ポンプを示す縦断面図である。
給湯装置は、アルミニウム(Al)等の金属を溶解するための溶解炉(図示せず)、溶解炉で溶解させた溶湯120を加温保持するための保持炉100、保持炉100に保持された溶湯120を流し込んで成形するための鋳型(図示せず)、保持炉100から鋳型やダイカストマシーンのスリーブ(注湯管)230に溶湯120を移送するための電磁ポンプ200、201等を有する。なお、図1の電磁ポンプ200は、第1コイルの無い電磁ポンプであり、図2の電磁ポンプ201は、第1コイルの有る電磁ポンプである。図1に示すように、保持炉100は、溶解炉から移送された溶湯120を加温するために加熱ヒータ110を備える。
保持炉100では、大気中の水分と溶湯120が反応して水素ガスが溶湯120中に取り込まれると、鋳型に流し込んで冷却したときに気泡となって品質を低下させるので、溶湯120に対して脱ガス処理を施す。また、大気中の酸素や水分と溶湯120が反応して酸化アルミニウム(Al)等の酸化膜(ノロ)が溶湯120の表面を覆い比重の関係で溶湯120内に入ると、溶湯120の流れを阻害して品質を低下させるので、定期的にノロ掻きを行う。
電磁ポンプ200、201は、溶湯120など導電性流体を圧送する管状のポンプである。例えば、管の方向と直角に磁場を掛け、管と磁場の双方に直角に電流が流れるようにコイルを巻くことにより、誘導電流と磁場との相互作用(フレミングの左手則)により溶湯120を移動させる。
図1に示す電磁ポンプ200は、図2に示す第1コイル240が無いので、図示しないガス吸引機を保持管210の上部先端に接続し、ガス吸引機の圧力を計測しながらガス吸引機のモータをインバータにて回転数制御して、保持管210の上部に取り付けたレベル計281の所定の位置まで溶湯120を吸い上げた後、ガス吸引機のモータを回転数制御して減圧を弱めながら電磁ポンプ200の上部コイル251の出力を上げて溶湯120を所定の位置に上部コイル251だけで保持する。給湯時には電磁ポンプ200の上部コイル251の出力を更に上げて保持管210の先端から必要な溶湯120を図示しない樋を介して鋳型等に給湯する。尚、レベル計281は、差動トランス型誘導式レベル計や一時的に電極が上部先端から差し込まれる電極式等でもよい。
電磁ポンプ200、201とも溶湯120を引き上げた後又は押し上げた後、保持炉100の溶湯120より上方にあるコイル(図1では電磁ポンプ200の上部コイル251、図2では電磁ポンプ201の第2コイル250)を用いての湯面保持及び給湯制御は同じなので、以後は主に図2を基に説明する。
図2に示すように、電磁ポンプ201は、下端が溶湯120内に浸漬するように保持炉100から斜め上方に向かって設置された保持管210、保持管210の上端から折れ曲がるように斜め下方に向かって連設された給湯管220、給湯管220に送り込まれた溶湯120をダイカスト用金型に注入するためのスリーブ(注湯管)230等を有する。さらに、保持管210には、内部を上がってきた溶湯120を所定の高さ(例えば、上端から70mm下の位置)まで押し上げるための第1コイル240、所定の高さを測定するレベル計280、所定の高さに押し上げた後に第1コイル240の出力を弱めつつ所定の高さを維持するとともに、更に溶湯120を所定の高さの保持位置から上げて給湯管220に送り込むための第2コイル250等を備える。
保持管210及び給湯管220には、内部を通過する溶湯120の温度を維持するためのヒータ260を備える。ヒータ260は、例えば、保持管210及び給湯管220の周りに螺旋状に巻いたコイルヒータ等を使用すれば良い。
給湯管220には、保持管210の上端に達しそれを越えた溶湯120が流れ落ちるが、給湯を止める際に保持管210の上端付近の溶湯120が保持管210と給湯管220のどちらに流れ落ちるかで給湯量が変動するので、溶湯120を切るためのエアブロー等の湯切り手段を備える。また、給湯時間を計るために、給湯管220に溶湯120が流れ込んだことを検知する光電スイッチ等の湯流れセンサを備えても良い。給湯管220からスリーブ(注湯管)230に流下してきた溶湯120は、プランジャー270でダイカスト用鋳型に射出(ショット)される。
保持炉100には、溶湯120の表面(湯面)の高さを検知するためのフロート130を設置する。フロート130には、湯面が基準となる位置から低下したときにその差分値を取得させれば良い。また、湯面が上限位置や下限位置その他任意の位置となったことを検知させても良い。
電磁ポンプ200、201では、保持炉100から上がってきた溶湯120を所定の高さで保持しておくが、保持炉100における湯面高さが低くなっていると、より強い力が必要になる。また、溶湯120中の水素ガスが増えたり、保持管210内に酸化膜が入り込んだりすると、溶湯120の見かけ上の電気抵抗が増減するので保持する位置が上下に変動する場合がある。そのため、第1コイル240による溶湯120の立ち上げ時及び第2コイル250に掛ける電圧を調整する必要がある。
次に、本発明である給湯用電磁ポンプの制御方法について説明する。図3は、給湯用電磁ポンプの制御方法を示すフローチャートである。図4は、給湯用電磁ポンプの制御方法における炉レベル補正について説明するためのグラフである。図5は、給湯用電磁ポンプの制御方法におけるビスケット厚補正について説明するためのグラフである。
図3に示すように、制御方法300の例としては、まず、ベース位置設定S310、溶湯保持S320、保持電圧のレベル補正S330、保持電圧の保持位置補正S340等のステップにより、溶湯120を保持管210のベース位置まで上げて保持する。次に、給湯量指定S350、給湯電圧のレベル補正S360、給湯電圧の保持位置補正S370、ビスケット厚補正S380、給湯電圧印加S390等のステップにより、溶湯120を給湯管220に送出する。そして、指定した給湯量に達したら、湯切りS400等のステップにより、溶湯120の供給を止める。
なお、溶湯120を保持管210内の所定の高さで保持するのに必要な電圧を保持電圧(V)とし、そこから溶湯120を給湯管220に送り出すのに必要な電圧を給湯電圧(V)とする。また、保持電圧は標準保持電圧を補正したもの、給湯電圧は標準給湯電圧を補正したものであり、保持電圧と給湯電圧の加算された電圧が電磁ポンプ200への印加電圧となる。
ベース位置設定S310では、保持管210における溶湯120の保持位置としてベース位置を設定しておく。例えば、ベース位置を保持管210の上端から下に70mmの位置とすれば、溶湯120を給湯管220に送り込むために、上端から下の70mmの位置まで上げる力と上端を越える力を毎回発生させれば良い。
溶湯保持S320では、第1コイル240に標準保持電圧より僅かに少ない電圧を印加し、レベル計280の下限位置まで溶湯120を保持炉100から保持管210内に導入させ、第1コイル240の出力を下げながら第2コイル250の出力を標準保持電圧より僅かに少ない電圧まで上げていくと、第2コイル250だけでベース位置より僅かに低い位置まで上がり、その後徐々にベース位置まで上げて維持する。このベース位置まで徐々に上げていく方式は、オーバーフロー防止のためである。標準保持電圧は、溶湯120をベース位置まで上げる力を発生させるための溶湯120の種類と温度毎の電圧であるが、溶湯120中の水素ガスや酸化物などの要因等を考慮していないので、必ずしも溶湯120の高さがベース位置になるとは限らない。そのため、溶湯120の保持位置を検知してベース位置にないときは電圧を補正する。
保持電圧のレベル補正S330では、保持炉100の湯面高さが低いと標準保持電圧では溶湯120が保持管210のベース位置まで達しないので、湯面高さが基準位置から低下した分に応じて電圧を上げる。逆に、保持炉100の湯面高さが高いときは、基準位置からの差分に応じて電圧を下げれば良い。基準位置は、湯面高さの上限から下限の間の任意の位置であり、フロート130により湯面高さを把握してその差分を得れば良い。
保持電圧の保持位置補正S340では、溶湯120中の水素量や酸化膜によって、溶湯120の保持位置がベース位置に対して上下に10mmほど違いを生じるので、その変化を抑えてベース位置に近づくように、保持管210の上部先端に付いているレベル計280の信号で以って電磁ポンプ200、201へ印加する電圧を補正する。なお、予め、脱ガス処理やノロ掻きをしたきれいな溶湯120にすることが好ましい。
この保持位置補正は、フロート130により保持炉100の湯面高さの補正だけでは溶湯120の電気抵抗などの変化が分からないので、実際に電磁ポンプ200、201で保持管210内に溶湯120を上昇させてレベル計280、281で規定されたベース位置との違いを補正するものである。
給湯量指定S350では、鋳型の容量を基に保持位置から給湯管220に送り出すべき給湯量(kg)が設定される。さらに、その給湯量を得るための給湯速度(kg/s)と時間(s)が設定され、その給湯速度を出すための標準給湯電圧(V)が算出される。この標準給湯電圧も溶湯120と温度毎で決定されるものである。なお、給湯速度は1秒あたりに流れる溶湯120の重量で表され、給湯速度又は時間の何れかが指定されれば、必要な給湯量を基に算出される。
なお、給湯速度(kg/s)は、最も給湯精度が良い範囲から設定される。出湯口にできる酸化物等により流路断面が一定せずゆっくり流しても給湯精度が悪く、保持管210の上部先端から空間に飛び出すように給湯しても慣性力により湯切り位置が一定せず給湯精度が悪いので、最適な給湯速度を設定する必要がある。
給湯電圧のレベル補正S360では、電磁ポンプ200、201の出力が僅かに非線形のため保持炉100の湯面高さにより標準給湯電圧も影響を受けるので、標準保持電圧と同様に補正する。補正方法の例としては、まず、図4(a)に示すような補正係数を設定しておく。補正係数は、図4(b)に示すように、湯面高さのレベル偏差(mm)と補正値(V)の相関を表す係数である。補正係数は、給湯量と給湯電圧の関係から、給湯速度ごとに給湯量との関係を導出すれば良い。例えば、15kgの溶湯120を5kg/sの給湯速度で移動させる場合、図4(a)から補正係数は0.0346となり、補正値をY、レベル偏差をXとして、図4(b)に示すY=0.0346Xの式から、レベル偏差が100mmのとき補正値は3.46Vとなる。
給湯電圧の保持位置補正S370では、保持位置のバラつきにより標準給湯電圧も影響を受けるので、保持電圧の保持位置補正S340における補正量を基に補正する。補正方法の例としては、標準保持電圧に対する保持電圧の保持位置補正値の比率を標準給湯電圧に掛けたものを給湯電圧とする。例えば、標準保持電圧が120Vで、保持電圧の保持位置補正値が4Vであった場合、標準給湯電圧が30Vであれば、給湯電圧の保持位置補正値は1V(=30×4/120)となる。
ビスケット厚補正S380では、前ショット(給湯)におけるビスケット厚を基に給湯電圧を補正する。ビスケットは、ダイカストマシーンのスリーブ230内に供給された溶湯120がプランジャー270で金型に押し込まれた後にスリーブ230内に残る凝固したアルミニウム合金を指しており、プランジャー270の先端のチップ271が鋳型の湯口に直接衝突しないように設けられたものである。ビスケットは、鋳物にとっては余分に付いた部分であり、鋳型の鋳込口の部分に形成され、鋳型から取り出した後に除去されるが、その厚さで給湯量を判断することが一般的である。ビスケット厚は、電磁ポンプ200、201や保持管210以外の給湯管220も含めたすべての配管系が影響したものなので、最終的にはこのビスケット厚で補正する必要がある。
補正方法の例としては、図5に示すような許容値を設定しておく。許容値は、ビスケット厚の差に応じて、段階的に補正値を設定したものである。例えば、基準のビスケット厚が40mmで、前ショットのビスケット厚が45mmであったとき、ビスケット厚の差が5mmであることから第2許容の0.15Vが補正値となる。
給湯電圧印加S390では、第2コイル250(図1では上部コイル251)に給湯電圧を印加し、ベース位置に保持された溶湯120を給湯電圧に応じた給湯速度で上昇させる。給湯管220に溶湯120が流れ込んだことを光電スイッチ等で検知し、給湯の開始時間とすれば良い。
湯切りS400では、給湯管220に溶湯120が流れた時間を計り、設定された給湯量に達する時間で第2コイル250(図1では上部コイル251)への印加を止めるとともに、エアブロー等で保持管210と給湯管220の境(両上端)における溶湯120を分ける。なお、給湯精度を上げるために、湯切れがバラつかない給湯速度(例えば、4〜5kg/s)とすることが好ましい。
このような制御方法300により電磁ポンプ200、201を制御することにより、きれいで熱い溶湯120を高精度・高速かつ安全に供給することができる。ラドルを使用せず電磁ポンプ200、201で直接に給湯するので、表層の酸化物のない溶湯120を酸化させず且つ溶湯120の温度低下を抑制することができる。炉内の脱ガスやノロ掻きにより溶湯120中の水素量や酸化膜などを所定以下にする定期的保全をすることで、表面の酸化物を巻き込まず炉内のきれいな溶湯120を安定して供給することができる。
さらに、溶湯120を配管(保持管210)内のベース位置まで持ち上げて保持する電圧と、そこから溶湯120を送り出して給湯するための電圧について、保持炉100内の湯面の高さやベース位置で保持されている湯面の変化を考慮した補正をすることにより、給湯速度と給湯時間が正確に求められ、保持炉100から適切な給湯量で注湯することができる。また、注湯ごとにフィードバック制御することにより誤差を調整して精度を向上させることができる。
以上、本発明の実施例を述べたが、これらに限定されるものではない。
100:保持炉
110:加熱ヒータ
120:溶湯
130:フロート
200:電磁ポンプ(第1コイルの無い電磁ポンプ)
201:電磁ポンプ(第1コイルの有る電磁ポンプ)
210:保持管
220:給湯管
230:スリーブ(注湯管)
240:第1コイル
250:第2コイル
251:上部コイル
260:ヒータ
270:プランジャー
271:チップ
280:レベル計
281:レベル計
300:制御方法

Claims (6)

  1. 下端が溶湯内に浸漬するように斜めに設置された保持管と、前記保持管の上端から斜め下方に向かって連設された給湯管とを有し、予め決めた前記保持管のベース位置まで前記溶湯を上げるための第1コイル又はガス吸引機、及び前記保持管のベース位置から上端まで前記溶湯を上げてさらに前記給湯管に送出するための第2コイル又は上部コイルを制御する方法であって、
    前記第2コイル又は上部コイルに印加する保持電圧を、前記溶湯の湯面高さに応じてレベル補正するとともに、前記保持管に上がった前記溶湯の変動を抑えてベース位置に近づくように保持位置補正し、
    さらに、前記第2コイル又は上部コイルに印加する給湯電圧を、前記溶湯の湯面高さに応じてレベル補正するとともに、前記保持電圧にした補正の比率に応じて保持位置補正することにより、指定した給湯量を送出するための給湯速度となるように前記給湯電圧が調整される、
    ことを特徴とする給湯用電磁ポンプの制御方法。
  2. 前記保持管のベース位置は、前記保持管に備えたレベル計により設定される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の給湯用電磁ポンプの制御方法。
  3. 前記給湯電圧で給湯したときのビスケット厚を基に、次回の給湯電圧をフィードバック補正する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の給湯用電磁ポンプの制御方法。
  4. 前記給湯電圧は、前記溶湯の湯面高さが基準位置から変動した差分に対して、指定した給湯量と給湯速度から導出された補正係数を用いてレベル補正される、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の給湯用電磁ポンプの制御方法。
  5. 前記給湯電圧は、前記保持電圧の保持位置補正量を用いて前記保持電圧と前記給湯電圧の比率を基に算出された補正量で保持位置補正される、
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載の給湯用電磁ポンプの制御方法。
  6. 請求項1乃至5の何れか一に記載の制御方法により制御される、
    ことを特徴とする給湯用電磁ポンプ。
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