JP2018538494A - 摩擦フェーシングを製造する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、摩擦フェーシング、特に乾式のクラッチ摩擦フェーシングをブランクから製造する方法であって、ブランクをホットプレス内で加熱しつつ加圧する方法に関する。本発明は、ホットプレス内で多段のホットプレス工程においてブランクを加熱しつつ加圧することを特徴とする。

Description

本発明は、摩擦フェーシング(摩擦ライニング)、特に乾式のクラッチ摩擦フェーシングをブランクから製造する方法であって、ブランクをホットプレス内で加熱しつつ加圧する方法に関する。
独国特許出願公開第102009013406号明細書において、摩擦フェーシングをホットプレスからまだ高温の状態で取り出すステップと、まだ高温の摩擦フェーシングを冷却プレス内に導入するステップとを含む、摩擦フェーシングを製造する方法が公知である。
本発明の課題は、ホットプレス内で加熱しつつ加圧するブランクから製造される摩擦フェーシング、特に乾式のクラッチ摩擦フェーシングの摩擦値特性を改善することである。
上記課題は、摩擦フェーシング、特に乾式のクラッチ摩擦フェーシングをブランクから製造する方法であって、ブランクをホットプレス内で加熱しつつ加圧する方法において、ホットプレス内で多段のホットプレス工程においてブランクを加熱しつつ加圧することによって解決される。本発明に係る方法の適用時、好ましくは、1つだけのブランクを多段のホットプレス工程において加熱しつつ加圧するわけではない。本発明に係る方法の適用時、好ましくは、複数のブランクを一度に、1つの好適なホットプレス内または複数のホットプレス内で多段のホットプレス工程において加熱しつつ加圧する。多段のホットプレス工程により、最小の摩擦値の上昇と同時に、摩擦値の推移の制限を、簡単に実現することができる。ブランクは、好ましくは巻成により製造される。好ましくは巻成により製造されるブランクは、樹脂から形成されており、樹脂には、繊維成分および/または充填剤成分が埋め込まれる。樹脂は、例えばフェノール樹脂/メラミン樹脂である。ブランクは、好ましくは、成分としてゴム、ガラス繊維、有機の繊維、銅の少なくとも1つ、複数またはすべてを含む。銅の代わりに、場合によっては黄銅を使用してもよい。多段のホットプレス工程後、ブランクもしくは半製品または摩擦フェーシングをさらに硬化する。硬化は、好ましくは炉内で行われる。摩擦フェーシングは、好ましくは乾式のクラッチ摩擦フェーシングである。本発明に係る方法により、従来慣用の乾式のクラッチ摩擦フェーシングよりも高いレベルの摩擦値を有する乾式のクラッチ摩擦フェーシングを製造することができる。多段のホットプレス工程により、特に乾式のクラッチ摩擦フェーシングの最小の摩擦値を上昇させることができる。これにより、望ましくない摩擦値のばらつきを大幅に低減することができる。これにより、有利には、圧着力が上昇したときの、乾式のクラッチ摩擦フェーシングに課される将来的な性能要求をより良好にカバーすることができる。
本方法の好ましい一実施例は、ホットプレス内での多段のホットプレス工程において、ブランクをそれぞれ異なるプロセスパラメータでプレスすることを特徴とする。それぞれ異なるプロセスパラメータを有する多段のホットプレスにより、有利には、摩擦フェーシングの摩擦値特性に肯定的に作用する摩擦フェーシング材料構造が形成される。
本方法の別の好ましい一実施例は、ホットプレス内での多段のホットプレス工程において、ブランクをそれぞれ異なる温度に曝すことを特徴とする。本発明の範囲内で実施された試験では、意想外にも、多段のホットプレス工程におけるそれぞれ異なる温度により摩擦値特性に対して肯定的な影響を及ぼし得ることが判明した。
本方法の別の好ましい一実施例は、ブランクをホットプレス内での多段のホットプレス工程においてそれぞれ異なる高さの圧力に曝すことを特徴とする。それぞれ異なる高さの圧力は、任意選択的なプロセスパラメータである。多段のホットプレス工程は、同じ圧力で実施されてもよい。
本方法の別の好ましい一実施例は、ホットプレス工程の個々の段をそれぞれ異なる長さとすることを特徴とする。それぞれ異なる長さは、特に2つよりも多くの段を有する多段のホットプレス工程の点で有利であることが判明した。
本方法の別の好ましい一実施例は、第1のホットプレス段と第2のホットプレス段とを略同じ長さとすることを特徴とする。本発明に係る方法は、本発明の別の一態様によれば、2つのホットプレス段しか有しない。2つのホットプレス段の使用時、意想外にも、両ホットプレス段の長さを同じとすると、有利であることが判明した。
本方法の別の好ましい一実施例は、第1のホットプレス段および第2のホットプレス段の長さをそれぞれ80±20秒とすることを特徴とする。これらの値により、本発明の範囲内で実施された試験および実験において、最良の結果が得られた。
本方法の別の好ましい一実施例は、任意のまたは第1のホットプレス段において、ブランクを、第2のホットプレス段における温度よりも低い温度に曝すことを特徴とする。ホットプレス工程が2段であるとき、本発明の範囲内で実施された試験および実験では、第1のホットプレス段における温度を第2のホットプレス段における温度よりも低く維持すると、有利であることが判明した。
本方法の別の好ましい一実施例は、任意のまたは第1のホットプレス段において、ブランクを200±50℃の温度に曝すことを特徴とする。本発明の範囲内で実施された試験および実験では、第1のホットプレス段においてブランクを約210±10℃の温度に曝すと、特に有利であることが判明した。
本方法の別の好ましい一実施例は、任意のまたは第2のホットプレス段において、ブランクを250±50℃または280±50℃の温度に曝すことを特徴とする。本発明の範囲内で実施された試験および実験では、第2のホットプレス段においてブランクを約280±20℃の温度に曝すと、特に有利であることが判明した。
本発明は、上述の方法にしたがって、好ましくは巻成により形成されたブランクから製造された摩擦フェーシング、特に乾式のクラッチ摩擦フェーシングにも関する。乾式のクラッチ摩擦フェーシングは、好ましくは摩擦クラッチ内で使用される。摩擦クラッチは、好ましくは、自動車内に設けられる手動操作される摩擦クラッチまたは操作が自動化された摩擦クラッチである。本発明の別の一態様によれば、本発明に係る乾式のクラッチ摩擦フェーシングは、自動車のデュアルクラッチ内で使用される。
本発明のさらなる利点、特徴および詳細は、以下の説明から看取可能である。以下、それぞれ異なる実施例について詳細に説明する。
乾式のクラッチフェーシングは、例えば樹脂成分、ゴム成分、繊維成分および充填剤成分からなる。乾式のクラッチフェーシングは、例えば18%の樹脂、10%のゴム、30%のガラス繊維、13%の有機の繊維、7%の銅、4%の架橋剤、3%のプロセス助剤および15%の充填剤を含む。ここでの%表示は、質量パーセント表示である。
この種のクラッチ摩擦フェーシングは、特に自動車の摩擦クラッチ内で使用される。この目的で、クラッチ摩擦フェーシングは、フェーシング支持体としての金属製の支持体プレートに堅固に結合あるいはクラッチディスクにリベット止めされ、これにより、クラッチが接続された状態では、相手側回転部材と結合され、原動機とトランスミッションとの間でのトルク伝達を可能にし、クラッチが開放されているときには、遮断することができる。
ブランクまたはプレス予備成形体は、例えば巻成により製造される。ブランクは、ホットプレス型内に収容され、ホットプレス工程で目標形状にプレスされ、プレス成形体ともいうブランクの圧縮が行われる。
ホットプレス後、既に摩擦フェーシングと称してもよい予備成形体またはプレス成形体は、さらに硬化される。硬化時、プレス成形体または摩擦フェーシングは、炉内で何時間にもわたって高温に曝される。
硬化時の温度は、例えば200〜300℃である。硬化は、例えば20時間かかる。硬化時、樹脂の架橋は完全に終了する。さらに、硬化時、揮発性の成分は排出される。
本発明は、ホットプレスの作業工程に関する。ホットプレスの作業工程における適合により、摩擦値の上昇と同時に、摩擦値の推移の制限が実現される。適合は、それぞれ異なるプロセスパラメータを有する多段のホットプレスにより、摩擦値特性に肯定的に作用する摩擦フェーシング材料構造が形成されることにある。
ホットプレス工程は、2つのホットプレス段に分割される。第1のホットプレス段では、ホットプレスのホットプレス型内で、ブランクを約80秒間約210℃の温度に曝す。
第2のホットプレス段は、第1のホットプレス段に直結して実施される。第2のホットプレス段では、ホットプレスのホットプレス型内で、ブランクを約80秒間280℃の温度に曝す。
第2のホットプレス段後、ブランク(ホットプレス後は、成形体または既に摩擦フェーシングと称してもよい)をさらに硬化する。その後、硬化を、例えば高温空気を作用させつつ、炉内にて200〜300℃で実施する。

Claims (10)

  1. 摩擦フェーシング、特に乾式のクラッチ摩擦フェーシングをブランクから製造する方法であって、ブランクをホットプレス内で加熱しつつ加圧する方法において、前記ホットプレス内で多段のホットプレス工程において前記ブランクを加熱しつつ加圧することを特徴とする方法。
  2. 前記ホットプレス内での前記多段のホットプレス工程において、前記ブランクをそれぞれ異なるプロセスパラメータでプレスすることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記ホットプレス内での前記多段のホットプレス工程において、前記ブランクをそれぞれ異なる温度に曝すことを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記ホットプレス内での前記多段のホットプレス工程において、前記ブランクをそれぞれ異なる高さの圧力に曝すことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 前記ホットプレス工程の個々の段をそれぞれ異なる長さとすることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 第1のホットプレス段と第2のホットプレス段とを略同じ長さとすることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 前記第1のホットプレス段および前記第2のホットプレス段の長さをそれぞれ80±20秒とすることを特徴とする、請求項6記載の方法。
  8. 任意のまたは前記第1のホットプレス段において、前記ブランクを、前記第2のホットプレス段における温度よりも低い温度に曝すことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 任意のまたは前記第1のホットプレス段において、前記ブランクを200±50℃の温度に曝すことを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 任意のまたは前記第2のホットプレス段において、前記ブランクを250±50℃または280±50℃の温度に曝すことを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
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