JP2018536387A - びまん性大細胞型b細胞性リンパ腫(dlbcl)を亜型決定するための方法 - Google Patents

びまん性大細胞型b細胞性リンパ腫(dlbcl)を亜型決定するための方法 Download PDF

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Abstract

DLBCLの亜型の分類、ならびに分類の結果の、診断、予後判定、および療法選択のための使用に関する革新が本明細書に記載されている。このように、分類指標により、DLBCLの亜型を有効に分類し、医療上の実施およびDLBCL患者の利益のために意味のあるアウトプットをもたらすことができる。DLBCLシグネチャー遺伝子の発現を測定するために使用することができるアレイおよびキットも記載されている。本発明の一局面では、DLBCLを、活性化B細胞様(ABC)、胚中心B細胞様(GCB)、または未分類に分類する。

Description

関連出願への相互参照
この出願は、2015年9月29日に出願された米国仮出願第62/234,491号(これは、参考として本明細書に援用される)に対する優先権を主張する。
本開示は、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)の亜型を区別するための分類指標(classifier)、アレイおよびキット、ならびに分類の結果の、診断、予後判定(prognosis)、および/または療法選択のための使用に関する。
リンパ腫は、最も一般的な血液がんである。リンパ腫の2つの主要な形態は、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫である。びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)は非ホジキンリンパ腫の最も一般的な形態であり、新しく診断される症例の30パーセントまでを占める。DLBCLは、遺伝子発現マーカーに基づいて、胚中心B細胞様(GCB)亜型としてまたは非GCB様(活性化B細胞様(ABC)を含む)亜型としてさらに特徴付けることができる。GCBおよび非GCB(ABCなど)亜型決定(subtyping)は、(i)非GCB(またはABC)亜型よりも予後が良好であるGCB様リンパ腫を有するリンパ腫患者の予後を予測する、および/あるいは(ii)例えば、GBCもしくはABC標的化療法を用いた、または疾患の侵攻性に基づいた(一般にABCがGBC疾患よりも侵攻的である)、リンパ腫患者に対する処置を決定するために使用することができる。
GCB DLBCL亜型と非GCB(例えば、ABC)DLBCL亜型を区別するため、および/またはDLBCL患者についての予後もしくは処置(複数可)を決定するための、受け入れられている診断検査は1つも存在しない。Colomoら(Blood、101巻(1号):78〜84頁、2003年)、Hansら(Blood、103巻:275〜282頁、2004年)、Murisら(J. Pathol.、208巻(5号):714〜23頁、2006年)、Choiら(Mod. Pathol.、21巻:250A頁、2008年)、およびTally(Meyerら、J. Clin. Oncol.、29巻(2号):200頁、2011年)の検査を含めた少数の免疫組織化学(IHC)に基づく検査が臨床上の実施において利用可能である。
DLBCLの臨床転帰は多種多様であるので、疾患の分子基盤も同等に複雑であると考えられており、臨床的に有用なバイオマーカーの発見が進められている。そのような研究の1つの目標は、「この臨床的に不均一な診断カテゴリーを、より均一な臨床的挙動を有する分子的に別個の疾患に細分すること」(Alizadehら、Nature、403巻:503頁、2000年)である。その点で、IHCは、少なくとも、ほんの限られた数のタンパク質バイオマーカーしか同時検出することができないという理由により、本質的に限定された技術である。同様に、ゲノム(例えば、DNA)分析は、少なくとも、ゲノム事象が、生物系に対する機能的影響を有するように発現されるかどうか不明であるという理由により、限定されている。
mRNA発現は、ゲノム活性のスナップショットをもたらし、同じ試料において多くのバイオマーカーを検出するための多重化に適するので、mRNAトランスクリプトーム分析にはタンパク質分析およびDNA分析のどちらと比較しても利点がある。DLBCL試料において示差的に発現するいくつかのmRNAが報告されている(例えば、Alizadehら、Nature、403巻:503頁、2000年;Rosenwaldら、NEJM、346巻(25号):1937頁、2002年;Wrightら、Proc. Natl. Acad. Sci.、100巻:9991頁、2003年;およびRobertsら、Lab. Invest.、78巻:979頁、2007年)。しかし、この分野における有意かつ重要なギャップはまだ解決されていない。
Alizadehら、Nature(2000年)403巻:503頁 Rosenwaldら、NEJM(2002年)346巻(25号):1937頁 Wrightら、Proc. Natl. Acad. Sci.(2003年)100巻:9991頁
種々の検出技術にわたって発現がDLBCLに特有であるバイオマーカーの同定は、重要な最初のステップである(例えば、Robertsら、Lab. Invest.、78巻:979頁、2007年)。しかし、実用的および臨床的展望から、残る重大な問題は、膨大な量の難解な発現データを合成して、医療上の実施およびDLBCL患者の利益のために意味のあるアウトプット(複数可)にすることである。
本開示は、DLBCLの亜型を分類すること、ならびに分類の結果を、診断、予後判定および療法選択のために使用することに関する革新を記載する。例えば、分類指標(コンピューターで実装することができるもの)により、DLBCLの亜型を、DLBCLを有する対象由来の試料中の2種またはそれよりも多いシグネチャー遺伝子の発現レベルなどの遺伝子発現に基づいて決定する。一部の例では、発現を、読み取りの総数(読み取りは、シークエンサーによって読み取ることができる特異的な配列(例えば、プローブに由来する)の相補的なコピーの数である)のうちの所与の遺伝子についての配列決定読み取りの比例的な数(proportional number)によって測定する。分類指標により、DLBCLの亜型を有効に分類し、医療上の実施およびDLBCL患者の利益のために意味のあるアウトプットをもたらすことができる。
革新の一態様によると、方法により、試料中の複数のDLBCLシグネチャー遺伝子についての発現レベル(例えば、核酸またはタンパク質)を測定する。例えば、方法により、CD47、CD86、IL16、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSのうちの少なくとも2種、またはCD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSのうちの少なくとも2種の発現を測定すること(これらの遺伝子16種全ての発現を測定することなど)ができる。各遺伝子について結果として得られた発現値に重み付けし、重み付き発現値を合計することができる。合計重み付き発現値を使用して確率スコアを決定することができる。方法または分類指標により、確率スコアをDLBCL分類指標についての対応する閾値に対してスコア化または比較する。次いで、方法により、スコア化の結果に少なくとも一部基づいて、DLBCL試料を活性化B細胞様(ABC)、胚中心B細胞様(GCB)、または未分類に分類する。DLBCLの亜型の分類は、方法の一部として、方法の実施に適合させた計算処理システムの一部として、または、計算処理システムに方法を実施させるための、コンピューターで実行可能な指示が記憶された有形コンピューター可読媒体の一部として実装することができる。
本明細書に記載の革新は、分類の結果の、DLBCLを有する対象に対する診断、予後判定、および/または療法選択のための使用も含む。本明細書には、DLBCLシグネチャー遺伝子の発現を決定するために使用することができるアレイおよびキットも記載されている。
本開示の前述および他の特色は、添付の図面を参照して進められる以下の詳細な説明からより明らかになろう。
図1は、DLBCLの亜型を分類するための一般化された技法を例示するフローチャートである。
図2は、DLBCL分類指標モデルの訓練および検証のために使用された事例を示す流れ図である。
図3は、分類指標の実施形態を訓練および検証するために使用した、DLBCLアッセイに含まれる試料にわたる96種の遺伝子の発現の分布を示すグラフである。
図4は、未分類の試料についての下限を決定するための手段を示すグラフである。
図5は、以前に、臨床的に受け入れられている方法によってABC(黒色の点)またはGBC(赤色の点)として特徴付けられたDLBCL試料の検証セットの分類(すなわち、ABC、GBC、または未分類)を示すグラフである。試料はx軸に沿って識別される。y軸は、各事例についての遺伝子発現プロファイリングに基づく予測確率を示す。この実施形態では、GCB試料についての推定される確率のカットオフは0.57であり(予測確率>0.57がGCB)、ABC分類についてのカットオフは0.43未満(予測確率<0.43)であり、未分類の試料は、ABCカットオフとGCBカットオフを含め、その間のものとした(0.43≦予測確率≧0.57)。
図6は、GCB FFPE試料から調製した溶解物中のCD274(PDL−1)およびPDCD1(PD1)についてのLog2 CPMを示すグラフである。
図7は、ABC FFPE試料から調製した溶解物中のCD274(PDL−1)およびPDCD1(PD1)についてのLog2 CPMを示すグラフである。
図8は、各反復および条件についての分類プロットを示すグラフである。 図9Aである。 図9B、図9Cおよび図9Dである。
配列表
本明細書において列挙されている核酸配列は、ヌクレオチド塩基については37C.F.R.1.822において定義されている標準の文字略語を使用して示されている。各核酸配列の一方の鎖のみが示されているが、示されている鎖へのあらゆる言及によって相補鎖が含まれると理解される。本明細書と共に出願される配列表は参照により組み込まれる(2016年9月1日作成、3.62KB)。提供されている配列中:
配列番号1〜16は、例示的なプローブ核酸配列である。
詳細な説明
特に断りのない限り、技術用語は、従来の使用法に従って使用されている。分子生物学における一般用語の定義は、Benjamin Lewin、Genes V、Oxford University Pressにより出版、1994年(ISBN 0−19−854287−9);Kendrewら(編)、The Encyclopedia of Molecular Biology、Blackwell Science Ltd.より出版、1994年(ISBN 0−632−02182−9);およびRobert A. Meyers(編)、Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference、VCH Publishers, Inc.より出版、1995年(ISBN 1−56081−569−8)において見いだすことができる。
文脈によりそうでないことが明白に示されない限り、単数形の用語「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は複数の指示対象を含む。同様に、文脈によりそうでないことが明白に示されない限り、「または(or)」という単語は「および(and)」を含むものとする。「含む(comprising)」は、「含む(including)」を意味する。したがって、「AまたはBを含む(comprising A or B)」は、A、またはB、またはAおよびBを含むことを意味する。さらに、核酸またはポリペプチドに関して示されている全ての塩基サイズまたはアミノ酸サイズ、および全ての分子量または分子質量の値は、概算値であり、説明のために提供されていることが理解されるべきである。本開示の実施またはテストには本明細書に記載のものと同様または同等である方法および材料を使用することができるが、適切な方法および材料が下に記載されている。本明細書において言及されている全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、その全体が参照により組み込まれ、GenBank(登録商標)受託番号(2015年9月29日時点で存在する配列に関して)も同様である。矛盾する場合は、用語の説明を含めた本明細書が支配する。さらに、材料、方法および例は単に例示的なものであり、それに限定されるものではない。
特に断りがなければ、本開示の方法および技法は、一般に、当技術分野で周知であり、本明細書全体を通して引用され、考察されている種々の一般的なおよびより具体的な参考文献に記載されている従来の方法に従って実施される。例えば、そのそれぞれがそれら全体で参照により具体的に本明細書に組み込まれる、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989年;Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第3版、Cold Spring Harbor Press、2001年;Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology、Greene Publishing Associates、1992年(および2000年の補遺);Ausubelら、Short Protocols in Molecular Biology: A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology、第4版、Wiley & Sons、1999年;HarlowおよびLane、Antibodies: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1990年;ならびにHarlowおよびLane、Using Antibodies: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1999年を参照されたい。
概要
DLBCLは、成人における非ホジキンリンパ腫の最も一般的な型である。DLBCLには2種の主要な亜型、胚中心B細胞様(GCB)および非GCB(一般には、活性化B細胞様(ABC))が存在する。GCBには一般に好ましい予後が伴い、ABCまたは非GBCには一般に不良な予後が伴う(例えば、より侵攻的な疾患である)。原発性縦隔B細胞性リンパ腫(PMBCL)は一部の実務者からは別のDLBCLの亜型であると考えられている(Lossos, J. Clin. Oncol.、23巻:6351〜6357頁、2005年)。PMBCLは胸腺において生じ、一般には縦隔内に塊として存在する。DLBCLの非GCB亜型には、GCB亜型以外の全てのDLBCL亜型が含まれる。同様に、DLBCLの非ABC亜型にはABC亜型以外の全てのDLBCL亜型が含まれる。
DLBCLの亜型を分類すること、ならびに分類の結果を診断、予後判定、および/または療法選択に使用することに関する革新が本明細書に記載されている。分類指標の例では、DLBCLの亜型が、DLBCLを有する対象由来の試料中の2種またはそれより多いシグネチャー遺伝子の遺伝子発現レベルに基づいて決定される。分類指標により、DLBCLの亜型を有効に決定することによって医療上の実施およびDLBCL患者の利益のために意味のあるアウトプットがもたらされる。
本明細書に記載の革新は、分類方法(完全にまたは部分的にコンピューターで実装することができる)、そのような方法を実施するための、コンピューターで実行可能な指示が記憶されたコンピューター可読媒体、およびそのような方法の実施に適合させた計算処理システムを含む。本明細書に記載の革新は、そのような分類の結果の、予後判定、療法選択および/または他の目的のための使用、ならびに分類のためのインプットとしてシグネチャー遺伝子の発現レベルを定量化する値をもたらすアレイおよびキットをさらに含む。
本明細書に記載の例に対する種々の代替物が可能である。例えば、本明細書に記載の方法はいずれも、記載されている方法行為の順序を変えることによって、ある特定の方法行為を分割すること、繰り返すこと、または省略することなどによって、変更することができる。開示されている技術の種々の態様は、組み合わせてまたは別々に使用することができる。種々の実施形態で記載の革新の1つまたは複数が使用される。本明細書に記載の革新の一部は、背景技術において示されている問題の1つまたは複数に対処する。一般には、所与の技法/ツールによりそのような問題の全ては解決されない。
DLBCLの亜型決定の方法
DLBCLの亜型(例えば、GCBまたは非GCB(例えば、ABC)亜型)を、DLBCLを有する対象由来の試料中の2種またはそれより多い遺伝子(2種またはそれより多いDLBCLシグネチャー遺伝子など)の遺伝子発現に基づいて決定する方法が本明細書に開示されている。一般に、評価された各シグネチャー遺伝子の発現データに値を割り当てる(例えば、所与の試料についての総読み取りのうちの比例的な数量に基づいてまたは数量の割合として表す)。評価されたシグネチャー遺伝子に割り当てられた値に重み付けし、組み合わせてスコア(または確率スコア)をもたらす。次いで、スコアから、カットオフ、閾値、または他の判定基準に基づいてDLBCLの亜型を決定する(例えば、GCBまたは非GCBのコール(call))。
一例では、本開示は、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)を分類するための方法を提供する。そのような方法は、対象から得た試料(固定試料、例えば、FFPE試料など)中の複数のDLBCLシグネチャー遺伝子、例えば、CD47、CD86、IL16、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSのうちの少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、もしくは全て、またはCD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSのうちの少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、または全ての発現(核酸発現またはタンパク質発現など)を直接的または間接的に検出または測定することを含み得る。したがって、各DLBCLシグネチャー遺伝子についての発現値(定量的であってよい)、例えば、CD47、CD86、IL16、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8のうちの少なくとも2種(または全て)について、またはCD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSのうちの少なくとも2種(または全て)についての発現値を得る。各DLBCLシグネチャー遺伝子について結果として得られた発現値に重み付けし(例えば、表5に示されているものなどの係数値を掛けることによって)、それにより、少なくとも2つの重み付き発現値を生成することができる。結果として得られた重み付き発現値を合計または加算し、それにより、合計重み付き発現値を生成する。合計重み付き発現値を使用して(例えば、確率的モデルにおいて)、確率スコアを算出し、これを閾値またはカットオフ値と比較する。一例では、確率スコアの算出には、式
(式中、β0は、定数であり、βは、シグネチャー遺伝子(表1中のものなど)に対する重みであり、xは、そのようなシグネチャー遺伝子についての値である)を使用する。一例では、DLBCL試料は、確率スコアがABCについての確立されたスコアを下回る場合には活性化B細胞様(ABC)に、確率スコアがGCBについての確立されたカットオフを上回る場合には胚中心B細胞様(GCB)に、または確率スコアが未分類に対するスコアの範囲内の値の場合には未分類に分類され、未分類に対するスコアは、一般には、ABCについてのカットオフスコアとGBCについてのカットオフスコアを含め、その間に入る。
一部の例では、mRNAなどの核酸分子の発現を測定する。一部の例では、タンパク質分子の発現を測定する。一部の例では、発現測定は、定量的または半定量的である。一部の例では、発現の測定には配列決定を利用し、各DLBCLシグネチャー遺伝子についての発現値は、試料中に存在する標的核酸(例えば、mRNA)/タンパク質の数(相対的または絶対的)を表す計数である。
一部の例では、開示されている方法およびDLBCL分類指標は、試料の6%未満を未分類に、例えば、5%未満、または4〜6%を未分類に分類する。対照的に、他のDLBCL分類指標(これらの12種の遺伝子:BCL6、CCND2、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IRF4、ITPKB、LMO2、LRMP、MME、MYBL1、およびSERPINA9の発現を測定するものなど)は未分類の試料のより高い率、例えば、少なくとも10%、少なくとも11%、または少なくとも12%、例えば、10〜12%を有する。したがって、開示されているDLBCL分類指標により、以前の方法によって分類不能であった試料の約4〜8%が今ではABCまたはGCBに分類することが可能である。一部の例では、開示されている方法により、少なくとも90%、例えば少なくとも92%の正確度でDLBCLが亜型決定される(例えば、GCBまたはABCなどの非GCBとして)。
一部の例では、方法は、ヌクレアーゼに基づくアッセイを使用して発現を測定する。例えば、発現値は、試料を、(1)隣接配列を含む、少なくとも2つのヌクレアーゼ保護プローブ(NPPF)と、各NPPFがその標的核酸分子(例えば、DLBCLシグネチャー遺伝子)に特異的に結合するのに十分な条件下で、(2)隣接配列と相補的な配列(CFS)を含む核酸分子と、隣接配列がCFSに特異的に結合するのに十分な条件下で、および(3)一本鎖核酸分子に特異的なヌクレアーゼと、結合していない核酸分子を除去するために十分な条件下で接触させる(例えば、直接物理的に会合させる)ことによって得ることができる。本明細書で使用される場合、十分な条件とは、所望の活性を可能にする、例えば、2つの核酸分子(例えば、プローブと標的核酸)の間の特異的な結合もしくはハイブリダイゼーションを可能にする、または結合していない核酸のヌクレアーゼによる除去(または消化)を可能にする任意の(例えば、Na、Cl、Mg++、Zn++、もしくは他の特定のイオン(複数可)、カオトロピック剤(複数可)、もしくは界面活性物質(複数可)を含むもしくはそれが除かれた、または任意のそのようなイオン(複数可)、カオトロピック剤(複数可)もしくは界面活性物質(複数可)を特定の濃度で有する、または特定のイオン強度、pH、緩衝液の型もしくは濃度、もしくは温度を有する、水性)環境を指す。この結果、標的核酸分子およびCFS(複数可)とハイブリダイズしたNPPFを含む消化された試料がもたらされる。
任意選択で、結合していないまたは一本鎖である分子を試料から除去する。標的と、かつCFSとハイブリダイズしたNPPFを、1つまたは複数の適切な増幅プライマーを用いて増幅し、それにより、NPPFアンプリコンを生成する。NPPFアンプリコンの少なくとも一部分について配列決定する(例えば、それがハイブリダイズした標的核酸分子(例えば、DLBCLシグネチャー遺伝子)を決定するため)。NPPFアンプリコンの数を計数するまたは値に割り当て、それにより、試料中のCD47、CD86、IL16、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8のうちの少なくとも2種(または全て)、またはCD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSのうちの少なくとも2種(または全て)のそれぞれについての発現値を決定することができる。したがって、アッセイに使用したNPPFにより、mRNAなどの標的核酸分子の検出、および一部の例では定量化が可能になる。
開示されている方法は、DLBCL分類に応じて、治療有効量の適切な療法を投与するステップをさらに含んでよい。例えば、DLBCLがGCBに分類される場合に、対象に、治療有効量の(1)シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、およびプレドニゾンもしくはプレドニゾロン(CHOP)化学療法、(2)リツキシマブ+CHOP(R−CHOP)化学療法、または(3)エトポシド+R−CHOP(R−EPOCH)化学療法を投与することができる。別の例では、DLBCLがABCまたは非GCBに分類される場合に、対象に、治療有効量の、ベンダムスチン、ピキサントロン、ゲムシタビン/オキサリプラチン、リポソームビンクリスチン、抗CD20 mAb、抗CD22 mAb、抗CD74 mAb、抗CD40 mAb、単鎖二重特異性抗CD19およびCD3 mAb構築物、I−131トシツモマブ(抗CD20放射免疫療法)、イノツズマブオゾガマイシン(CMC−544)(CD22標的化細胞傷害性免疫コンジュゲート)、90Y−エプラツズマブテトラキセタン(放射性標識されたヒト化抗CD22 mAb、ブレンツキシマブベドチン(SGN−35)(抗チューブリンモノメチルアウリスタチンE抗CD30 mAbコンジュゲート)、サリドマイド、レナリドマイド、ボルテゾミブ(プロテアソーム阻害剤)、NPI−0052(プロテアソーム阻害剤)、エベロリムス(mTOR阻害剤)、テムシロリムス(mTOR阻害剤)、ボリノスタット(脱アセチル化酵素阻害剤)、オブリメルセンナトリウム(Bcl−2アンチセンスオリゴヌクレオチド)、PF−3512676(TLR9−アンタゴニスト)、17−AAG(HSP90阻害剤)、ベバシズマブ(抗VEGF mAb)、アフリベルセプト(VEGF融合タンパク質)、CAL−101(PI3K阻害剤)、バルプロ酸(HDACI)、ジナシクリブ(CDK1、2、5、9阻害剤)、ホスタマチニブ(Fostamatinib)(Syk阻害剤)、ダサチニブ(BCR−ABL、SRC、c−Kit、PDGFおよびエフリン受容体キナーゼのRTK阻害剤)、エンザスタウリン(プロテインキナーゼベータ阻害剤)、PCI−32765(ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤)、SB1518(JAK2阻害剤)、ソラフェニブ(RAF/MEK/ERK/c−kit/Flt3、種々のVEGFR、種々のPDGFR、RETRのTKI阻害剤)または当技術分野で公知の任意の他の療法(例えば、Foonら、Adv. Hematology、論文ID302570、2012年、doi:10.1155/2012/302570を参照されたい)を投与することができる。
プログラムされたときにそれにより計算処理システムに本明細書において提供されるDLBCL分類方法を実施させるための、コンピューターで実行可能な指示が記憶された1つまたは複数のコンピューター可読記憶媒体も提供される。本明細書において提供されるDLBCL分類方法の実施に適合させた計算処理システムも提供される。
開示されているDLBCL分類方法と共に有用なキットが提供される。一部の例では、そのようなキットは、少なくとも2種の異なるNPPFおよび対応するCFSを含む容器を有し、少なくとも2種の異なるNPPFは、CD47、CD86、IL16、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、もしくはTNFRSF8の2種もしくはそれより多く(例えば、全て)に特異的である、またはCD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの2種もしくはそれより多く(例えば、全て)に特異的である。一部の例では、そのようなキットは、少なくとも2種の異なるNPPを含む容器を有し、少なくとも2種の異なるNPPは、CD47、CD86、IL16、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、もしくはTNFRSF8の2種もしくはそれより多く(例えば、全て)に特異的である、またはCD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの2種もしくはそれより多く(例えば、全て)に特異的である。キットは、少なくとも2種の異なるNPPFのアンプリコンに特異的に結合することが可能なビーズを含む容器、一本鎖核酸に特異的なヌクレアーゼを含む容器、溶解緩衝液を含む容器、pHを6より高く上昇させることができる緩衝液などの、ヌクレアーゼを中和することが可能な緩衝液を含む容器、洗浄緩衝液を含む容器、PCR用試薬を含む容器、エタノールを含む容器、変性用油を含む容器、ライゲーション緩衝液(例えば、リガーゼを含むもの)を含む容器、およびプロテイナーゼKを含む容器の1つまたは複数をさらに含んでよい。一部の例では、キットは、NPPまたはNPPFまたはCSFの3’末端または5’末端または両末端に実験タグ、および/または配列決定アダプターを付加することができるものなどの、NPPまたはNPPFの一部分に特異的なプライマーも含む。一部の例では、キットは、2種またはそれより多いDLBCLシグネチャー遺伝子についての発現値を受信し、多数の値を各遺伝子についての対応する閾値に対してスコア化し、試料を、試料のDLBCLの亜型を示すフレームワーク内に分類するソフトウェアまたはコンピューター可読媒体などの、DLBCLの亜型に対する分類指標を実装する計算処理システムも含む。
図1は、DLBCL試料を分類するための一般化された方法または技法(100)を示す。方法(100)の行為の少なくとも一部は、特殊用途診断ツール、デスクトップコンピューター、ラップトップコンピューター、タブレットもしくはスレートコンピューター、スマートフォン、または他のモバイル計算処理デバイスなどの計算処理システムによって実施することができる。そのような計算処理システムは、試料についてのDLBCLシグネチャー遺伝子の遺伝子発現レベルを定量化する値を受信するリーダー(例えば、ネットワーク接続、ストレージデバイスへのインターフェース、ユーザーのインプットを直接受信するためのユーザーインターフェース、または遺伝子発現レベルを定量化する値を受信する他のインターフェース)、遺伝子発現値を分類のための閾値に対してスコア化し、スコア化の結果に少なくとも一部基づいて試料を分類する分類指標)、データ記憶装置(情報(例えば、測定されたDLBCLシグネチャー遺伝子の遺伝子発現レベル、分類指標を動作させるためのソフトウェア、カットオフ値)を非一過性に記憶させるために使用することができ、計算処理システム内にアクセスすることができる、取り外し可能または取り外し不能であり、そして磁気ディスク、磁気テープもしくはカセット、CD−ROM、DVD、または任意の他の媒体を含む記憶装置など)、ならびにアウトプットモジュール(例えば、試験した試料がABC、GCB、または未分類であるかに関する決定などの、計算処理システムからのアウトプットを提供するオーディオアウトプットデバイス、ディスプレイ、タッチスクリーン、プリンター、CDライター、または別のデバイス)を含んでよい。アーキテクチャは、データ記憶装置内に記憶された閾値またはカットオフをコンピューター処理する訓練モジュールも含んでよい。分類指標は、データプロセッサー(例えば、各遺伝子発現値に特定の重み値を掛け、重み付き値をスコア総計器(score totaller)に提供するためのもの)、スコア総計器(算出された重み付き値を合計し、それらを確率モジュールに提供するためのもの)、および確率モジュール(例えば、合計重み付き値を使用して特定の分類の確率を決定するため、および確率またはDLBCL亜型をアウトプットモジュールに提供するためのもの)を含んでよい。例えば、確率モジュールにより、算出された確率の値(複数可)をABC、GCB、および未分類についての対応する閾値と比較することができる。分類指標は、DLBCL分類指標についての閾値が記憶されたデータ記憶装置から確率閾値/カットオフ値を得る。分類の結果として、分類指標により、非GCB(例えば、ABC)、GCBまたは未分類などの簡潔な分類をもたらすことができる。
図1に戻り、初めに、システムは、試料についての多数のDLBCLシグネチャー遺伝子の遺伝子発現レベル(例えば、タンパク質および/またはmRNA)をそれぞれ定量化する多数の値(例えば、検出された標的の相対発光量もしくは計数または相対的な読み取りもしくは比例的な読み取り)を受信する(110)(例えば、リーダーまたはシークエンサーから、したがって、記憶された状態から受信することができる)。一部の例では、CD47、CD86、IL16、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの2種またはそれより多く、例えば、CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの2種またはそれより多くの遺伝子発現値を受信する。本明細書に記載されているまたは当業者に公知の手法のいずれかを使用して、試験試料についてDLBCLシグネチャー遺伝子の遺伝子発現レベルの値を測定することができる。一部の例では、任意選択で、生のデータを、「調整する(condition)」ことができる、例えば、データからバックグラウンド値を差し引くことができ、かつ/またはデータを対数変換(例えば、log変換)することができる。システムは、任意選択で、分類が、訓練中に閾値を決定するために使用したものと同じ手法(または同様の手法)を正規化に使用する限り、スコア化の前に本明細書に記載されているいずれかの手法を使用して多数の値を正規化することができる。
各遺伝子について、その発現値に、例えば、試料のABC、GBCまたは未分類への分類に対するその遺伝子の発現の寄与を反映する重み値を掛けることにより、重み付けする(120)。したがって、例えば、全ての分類指標遺伝子の重み付けがそれぞれ1.0である場合、そのような遺伝子は、分類指標アウトプットにおいて同等の重みを有することになる。例示的な重み値およびそれらの対応する遺伝子は表5に提供されている。システムは、重み付き遺伝子発現値を合計する(130)。すなわち、分析した各遺伝子についての重み付き値を合計し、その結果、重み付き合計がもたらされる。次いで、重み付き合計を使用し(例えば、統計学的モデルにおいて)、例えば、実施例1における方程式1を使用して確率スコアを得る(140)。分類指標を実装する計算処理システムを使用してこれらのタスクの1つまたは複数を実施することができる。
確率スコアを、試料がABCもしくはGBCに分類されるまたはいずれにも分類されない(すなわち、未分類)予測確率(150)に関して、対応する閾値と比較する。スコア化のために使用する閾値および規則は実装に依存する。閾値の例は本明細書に記載されており、スコア化規則の例は下に記載されている。あるいは、システムは、他の閾値および/または他のスコア化規則を使用する。一例では、カットオフは、下の点が0.43であり、上の点が0.57である。
システムは、スコア化の結果に少なくとも一部基づいて試料を分類する(160)。分類のために使用する規則は実装に依存する。分類規則の例は下に記載されている。あるいは、システムは他の分類規則を使用する。一例では、予測確率が<0.43であればシステムは試料をABCに分類し、予測確率が>0.57であればシステムは試料をGCBに分類し、予測確率が両端を含んで0.43〜0.57内であればシステムは試料を未分類に分類する。
I.遺伝子発現データを得るための調製
遺伝子発現は、ゲノム(遺伝子)内にコードされている情報が対応する遺伝子産物(例えば、RNAおよびタンパク質)(これらは、相互に関連して機能して、特徴のセット(別称、表現型)を生じさせる)に変換される(例えば、転写および翻訳プロセスによって)プロセスである。本開示の目的に関して、遺伝子発現は、現在公知のまたは今後公知になる任意の技法によって測定することができる。一般に、遺伝子発現は、目的の対象(DLBCLを有する対象など)から収集した試料中の発現された遺伝子の産物(例えば、RNAおよび/またはタンパク質)を検出することによって測定する。したがって、2種またはそれより多いDLBCLシグネチャー遺伝子またはマーカーなどの2種またはそれより多い標的遺伝子の発現を測定することができる。一例では、遺伝子発現を、標的mRNAに特異的に結合する1種または複数のプローブを検出し(例えば、配列決定によって)、mRNA標的に結合したプローブの数(相対的または絶対的)を決定することによって測定する。したがって、検出されるプローブの数が、遺伝子発現の尺度としての機能を果たす。DLBCLマーカー(複数可)の例としては、CD47、CD86、IL16、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの2種またはそれより多く、例えば、CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの2種もまたはそれより多く(例えば、全て)が挙げられる。DLBCLマーカー(複数可)の他の具体的な例としては、CD47、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、NF2、PIM1、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの2種もしくはそれより多く(2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、または10種など)(ABC分類に関連付けられる)、またはCD86、ITPKB、LRMP、MME、PTPRC、およびRELの2種もしくはそれより多く(2種、3種、4種、5種、または6種など)(GCB分類に関連付けられる)が挙げられる。開示されている方法を用いて分析することができる対象としては、ヒトおよび非ヒト哺乳動物(例えば、ネコ、イヌ、およびマウスなどの獣医学の対象)が挙げられる。一例では、対象は、腫瘍、例えば、DLBCLなどのリンパ腫を有することが分かっているまたはその疑いがある。
A.対象および試料
本明細書に開示されている方法における使用に適した試料としては、遺伝子またはタンパク質発現(表1のものなど)に関する情報が望まれる腫瘍(例えば、リンパ節、脾臓、肝臓、骨髄、脳および/または脊髄における腫瘍)に由来する細胞(例えば、B細胞)を含有する対象由来の任意の生体試料が挙げられる。試料として、対象から得た試料、例えば、対象(健康なもしくは見たところ健康なヒト対象、または、DLBCL、より詳細にはABCもしくはGCBなどの、診断もしくは調査すべき状態もしくは疾患に罹患したヒト患者に由来する試料を含む)から得た臨床試料などが挙げられる。一例では、対象はDLBCLを有することが分かっているまたは有する疑いがある。例示的な試料は、正常細胞もしくは組織(例えば、対照試料として)から、および/または腫瘍細胞もしくは組織から得ることができる。特定の例では、生体試料として、リンパ腫の細胞を含有する試料などの腫瘍試料が挙げられる。一例では、試料として、mRNAなどのRNAが挙げられる。一部の実施形態では、試料は、以前に、本明細書に記載されている以外の組織学または臨床的方法(例えば、IHCまたはin situハイブリダイゼーション(ISH))によってDLBCLと診断された対象に由来する。
開示されているDLBCLシグネチャーの2種またはそれより多い遺伝子の発現を決定するために使用される試料としては、核酸(例えば、ゲノムDNA、cDNA、ウイルスDNAまたはRNA、rRNA、tRNA、mRNA、miRNA、オリゴヌクレオチド、核酸断片、修飾された核酸、合成核酸など)またはタンパク質を含む任意の生物検体が挙げられる。一部の例では、非ホジキンリンパ腫(例えば、DLBCL)などのリンパ腫を有する対象を、例えば、対象に対する診断もしくは予後を決定するためまたは1種もしくは複数の療法の選択のために選択する。
例示的な試料としては、限定することなく、細胞、細胞溶解物、血液塗抹標本、細胞遠心調製物、細胞診塗抹標本、体液(例えば、血液、血清、唾液、痰、尿など)、組織生検材料(例えば、腫瘍生検材料)、リンパ節組織もしくは生検材料、液体生検材料、細針吸引物、外科的検体、骨髄、羊水穿刺試料、剖検材料、および/または組織切片(例えば、クリオスタット組織切片および/またはパラフィン包埋組織切片)が挙げられる。対象から試料(組織など)を得る任意の方法を利用できること、および使用する方法の選択は、組織の型、対象の年齢、または実務者が利用可能な手順などの様々な因子に依存することを理解されたい。記載されている試料を取得するための標準の技法が利用可能である。例えば、TubbsおよびStoler、Cell and Tissue Based Molecular Pathology、Philadelphia: Churchill Livingstone(2009年)を参照されたい。例えば、細胞性材料を含有する腫瘍由来の試料は、腫瘍の全部または一部の外科的切除によって、腫瘍から細針吸引物を収集することによって、ならびに当技術分野で公知の他の方法によって得ることができる。
開示されている方法は、感度が高くかつ特異的であり、ほんの限られた数の細胞を含有する試料中の標的核酸分子の検出を可能にする。少数の細胞、例えば、250,000個未満の細胞(例えば、100,000個未満、50,000個未満、10,000個未満、1,000個未満、500個未満、200個未満、100未満の細胞、または10個未満の細胞を含む試料としては、これだけに限定されないが、FFPE試料、細針吸引物(リンパ液または脾臓からのものなど)、パンチ生検材料、針生検材料、(例えば、FACS)選別された細胞の小集団、少数のレーザーキャプチャーもしくはマクロダイセクションされた細胞、エキソソームおよび他の細胞内粒子、または体液(髄液など)が挙げられる。例えば、わずか1000個の細胞(例えば、1000個またはそれより多い細胞、例えば、1000個、2000個、3000個、4000個、5000個、6000個、7000個、8000個、9000個、10,000個、15,000個、20,000個、50,000個、またはそれより多い細胞を含む試料)において標的RNAを検出することができる。一部の例では、約1000〜100,000個の細胞、例えば、約1000〜50,000個、1000〜15,000個、1000〜10,000個、1000〜5000個、3000〜50,000個、6000〜30,000個、または10,000〜50,000個の細胞において標的RNAの発現を検出することができる。一部の例では、約100〜250,000個の細胞、例えば、約100〜100,000個、100〜50,000個、100〜10,000個、100〜5000個、100〜500個、100〜200個、または100〜150個の細胞において標的RNAの発現を検出することができる。他の例では、約1〜1000個の細胞(例えば、約1〜500個の細胞、約1〜250個の細胞、約1〜100個の細胞、約1〜50個の細胞、約1〜25個の細胞、または約1個の細胞)において標的RNAの発現を検出することができる。
特定の例では、試料を直接(例えば、新鮮または凍結させて)使用する、または使用前に、例えば固定(例えば、ホルマリン固定(中性緩衝ホルマリン、亜鉛ホルマリンおよび酸性ホルマリンなど)、エタノール固定)によって、および/もしくは固形媒体中に包埋することによって保存することができる。包埋用媒体は、一般には、不活性であり、水分をはじくことができ、また、組織を透過することができる(例えば、蝋、パラフィン、セロイジン、OCT(商標)化合物、寒天、プラスチック、およびアクリル)。有用な試料のいくつかは、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織試料である。具体的な例では、分析する組織試料を、固定するか、より詳細には、固定し蝋(パラフィン)包埋する。脱パラフィンまたは脱蝋という用語は、あらゆる型の包埋用媒体の生体試料からの部分的なまたは完全な除去(例えば、開示されている方法を使用して分析する前)を指す。例えば、パラフィン包埋組織切片を、トルエン、キシレン、リモネン、または他の適切な溶媒などの有機溶媒に通すことによって脱蝋することができる。他の例では、パラフィン包埋組織切片を直接(例えば、脱蝋ステップを伴わずに)利用する。
組織は、灌流または固定液中への浸漬によるものを含めた任意の適切なプロセスによって固定することができる。固定液は、架橋結合剤(例えば、アルデヒド、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、およびグルタルアルデヒド、ならびに非アルデヒド架橋結合剤)、酸化剤(例えば、四酸化オスミウムおよびクロム酸などの金属イオンならびに錯体)、タンパク質変性剤(例えば、酢酸、メタノール、およびエタノール)、機構が分かっていない固定液(例えば、塩化第二水銀、アセトン、およびピクリン酸)、組み合わせ試薬(例えば、カルノア固定液、メタカン(methacarn)、ブアン液、B5固定液、ロスマン液、およびジャンドル液)、マイクロ波、および種々雑多な固定液(例えば、排除体積固定および蒸気固定)に分類することができる。緩衝液、界面活性剤、タンニン酸、フェノール、金属塩(塩化亜鉛、硫酸亜鉛、およびリチウム塩など)、ならびにランタンなどの添加剤も固定液中に含めることができる。
組織試料または細胞試料の調製において一般に使用される固定液は、ホルムアルデヒドであり、一般に、ホルマリン溶液(10%緩衝ホルマリンと称される、緩衝溶液中4%ホルムアルデヒド)の形態である。一例では、固定液は、10%中性緩衝ホルマリンである。
固定(例えば、FFPE)組織または細胞を含めたいくつかの試料は、試料を、そのような試料中に存在するmRNAのいかなる精製および/または逆転写も伴わずに、適切な溶液中に懸濁させることによって調製することができる(例えば、以下の実施例に記載されている通り)。固体表面(例えば、顕微鏡スライド)に付加した試料の全部または一部(例えば、予め測定された面積または体積)を直接適切な溶液中にこすり取り、穏やかに混合して(例えば、ピペッターを使用して)、試料の大きな片を分散させ、かつ/または破壊し、大部分が少なくとも懸濁物を適切な試薬と接触させている期間中は懸濁したままになる、細胞性材料を含む懸濁物を創出することができる。一部の実施形態では、試料のmRNAを部分的に分解することができる(しかし必要ではない)、または試料のmRNAの不完全な分解がいくらか生じていても問題はない。
一部の実施形態では、試料は、腫瘍または組織から得た細胞および/または組織の溶解物である。細胞溶解物は、細胞中に含有されるタンパク質および核酸の多くを含有し、それらとして、例えば、表1に示されているバイオマーカーが挙げられる。細胞溶解物を得るまたは調製するための方法は当技術分野で周知であり、例えば、Ausubelら(In Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons、New York、1998年)において見いだすことができる。一部の例では、試料中の細胞を水溶液中で溶解させるまたは透過処理する(例えば、溶解緩衝液を使用して)。水溶液または溶解緩衝液は、界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウムなど)および1つまたは複数のカオトロピック剤(ホルムアミド、グアニジニウムHCl、グアニジニウムイソチオシアネート、または尿素など)を含んでよい。溶液は、緩衝液(例えば、SSC)も含有してよい。一部の例では、溶解緩衝液は、約8%〜60%ホルムアミド(v/v)、約0.01%〜0.5%SDS、および約0.5〜6×SSC(例えば、約3×SSC)を含む。緩衝液は、任意選択で、約0.001〜約2.0mg/mlのtRNA、またはリボヌクレアーゼ;DNAアーゼ;プロテイナーゼK;タンパク質、マトリックス、炭水化物、脂質、もしくは1つの種のオリゴヌクレオチドを分解する酵素(例えば、コラゲナーゼまたはリパーゼ)、またはこれらの組み合わせを含んでよい。溶解緩衝液は、フェノールレッドなどのpH指示薬も含んでよい。細胞を水溶液中で十分な期間(例えば、約1分〜約60分、例えば、約5分〜約20分、または約10分)、十分な温度(例えば、約22℃〜約115℃、例えば、約37℃〜約105℃、または約50℃〜約95℃または約65℃〜約100℃)でインキュベートして、細胞を溶解させるまたは透過処理する。一部の例では、例えば、検出しようとする核酸がRNAである場合には、溶解を約50℃、65℃、または95℃で実施する。他の例では、例えば、検出しようとする核酸がDNAである場合には、約105℃で溶解を実施する。一部の例では、溶解条件は、ゲノムDNAはプローブに接近できないのに対してRNA(例えば、mRNA)はできるようなものであってよい。一部の例では、粗製細胞溶解物を、さらなる精製を行わずに直接使用する。
一部の例では、組織試料または細胞試料を基材(substrate)に適用し、分析して、1種または複数の標的核酸の存在を決定する。開示されている方法において有用な固体支持体は、生体試料を担持するだけでよく、任意選択で、しかし有利には、試料中の成分(例えば、タンパク質および/または核酸配列)の都合のよい検出を可能にする。例示的な支持体としては、顕微鏡スライド(例えば、ガラス顕微鏡スライドまたはプラスチック顕微鏡スライド)、カバーガラス(例えば、ガラスカバーガラスまたはプラスチックカバーガラス)、組織培養ディッシュ、マルチウェルプレート、メンブレン(例えば、ニトロセルロースまたはポリフッ化ビニリデン(PVDF))またはBIACORE(商標)チップが挙げられる。
標的(RNAなど)を試料から単離または抽出し、それにより、試料中の他の非標的生物学的成分から離して精製することができる。しかし、ステップなどは任意選択である。精製とは、標的を、同じく試料中に見いだされる1つまたは複数の外来成分から分離することを指す。例えば、多くの場合、mRNAの標的特異的プライマーの対を用いたPCRに基づく検出の前に、総mRNAまたは可溶性mRNA(標的mRNAを含む)を試料中の細胞タンパク質および他の核酸から分離する。混合検体または試料から単離、抽出、または精製される成分は、一般には、精製されていないまたは抽出されていない試料と比較して、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも90%、または少なくとも98%またはさらには少なくとも99%富化されている。
一部の例では、試料中の核酸分子を、分析前に、例えばPCR(例えば、リアルタイムRT−PCR)を使用して増幅する。一例では、定量的PCR法を使用する。
B.対照試料
対照試料を開示されている方法と並行して使用することができ、対照試料としては、表1に示されているバイオマーカーの発現と比較する任意の適切な対照試料を挙げることができる。一部の実施形態では、対照試料は、複数の非腫瘍組織試料などの非腫瘍組織である。一例では、非腫瘍組織は、組織学的に正常なリンパ組織などの、良性であることが分かっている組織である。一部の例では、非腫瘍組織は、正常だと思われるリンパ系または骨髄試料を含む、すなわち、細胞異形成または他の公知の疾患(例えば、DLBCLなどのリンパ腫)の指標が存在しない。一部の例では、非腫瘍組織は、リンパ系悪性疾患(DLBCLなど)に近接するまたはさらには遠位の非腫瘍組織などの、同じ対象から得られる。他の例では、非腫瘍組織は、健康な対照対象または数体の健康な対照対象から得られる。例えば、非腫瘍組織は、複数の健康な対照対象(例えば、リンパ腫がん(例えば、DLBCL)を含めたいかなるがんも有さない対象から、例えば、複数のそのような対象由来の正常細胞または組織(例えば、リンパ節、脾臓、肝臓、骨髄、脳および/または脊髄に由来する)を含有する試料から得ることができる。一部の実施形態では、表1に示されているバイオマーカーの発現レベルについての参照(例えば、正常対照)値または値の範囲を得るために、1種または複数(例えば、複数の)対照試料を使用する。一部の実施形態では、対照試料から得る参照値は、母集団中心傾向(population central tendency)(平均(mean)、中央値または平均値(average)など)、または母集団中心傾向の周囲±0.5、1.0、1.5もしくは2.0標準偏差(複数可)などの値の参照範囲であってよい。
C.試料分析の選択肢
一部の方法の実施形態では、固定された試料(例えば、FFPE組織試料)を使用する。固定技法は、場所ごと、国ごと、研究者ごとなどで変動し得(Dissecting the Molecular Anatomy of Tissue、Emmert−Buck、GillespieおよびChuaqui編、New York: Springer−Verlag、244頁(2010年))、検出しようとする遺伝子産物(複数可)の完全性および/またはそれへの接近可能性に影響を及ぼす可能性がある。一部のそのような方法(例えば、PCRを伴う)では、RNA回収(例えば、可逆的な架橋結合剤、エタノールに基づく固定液および/またはRNA抽出もしくは精製(全体的にまたは部分的に)を使用)が有利であり得、一方、他の代表的な方法(例えば、qNPAまたはqNPSを伴う)では、RNA回収は任意選択であるまたはRNA回収は特に必要ない。同様に、固定された組織からタンパク質遺伝子産物を回収し、それにより、そのようなタンパク質産物の検出を補助するために、組織前処理(tissue conditioning)を使用することができる。
生体試料中の腫瘍(例えば、DLBCL)の百分率は変動し得、したがって、一部の開示されている実施形態では、試料面積(または試料体積)の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも80%もしくは少なくとも90%または試料中の総細胞が腫瘍(例えば、DLBCL)である。他の例では、試料を、例えば、主に腫瘍(例えば、DLBCL)であるまたはそうであると思われる試料からエリアまたは細胞をマクロダイセクションすることによって、腫瘍細胞について富化することができる。任意選択で、病理学者または他の適切に訓練された専門家が試料(例えば、H&E染色された組織切片)を精査して、テストするために十分な腫瘍が試料中に存在するかどうかを決定することおよび/またはマクロダイセクションすべきエリア(例えば、最も高密度の腫瘍エリア)にしるしを付けることができる。具体的な例では、腫瘍(例えば、DLBCL)のマクロダイセクションにより壊死性および/または出血性エリアができる限り回避される。一部の開示されている方法において有用な試料は、試料体積もしくは面積または総細胞の25%、15%、10%、5%、2%、または1%未満の壊死を有する。
試料負荷は、検出に利用可能な遺伝子産物(例えば、表1のバイオマーカー)の量および/または濃度に影響を及ぼす可能性がある。特定の実施形態では、少なくとも1ng、10ng、100ng、1μg、10μg、100μg、500μg、1mgの総RNA、少なくとも1ng、10ng、100ng、1μg、10μg、100μg、500μg、1mgの総DNA、または少なくとも0.01ng、0.1ng、1ng、10ng、100ng、1μg、10μg、100μg、500μg、または1mgの総タンパク質が試料(試料溶解物など)から単離される、かつ/またはその中に存在する。一部の実施形態では、厚さが少なくとも3、5、8、または10μm(例えば、約3〜約10μm)、および/または面積が少なくとも0.15、0.2、0.5、1、1.5、2、5または10cmである組織試料(例えば、FFPEリンパ節、脾臓、肝臓、骨髄、脳および/または脊髄組織)を使用する。一部の方法の実施形態において緩衝液中に懸濁させる試料の濃度は、少なくとも0.006cm/μl(例えば、緩衝液(例えば、溶解緩衝液)25μL当たりFFPE組織0.15cm)である。
II.遺伝子および遺伝子セット
本明細書に開示されている革新の中には、DLBCLの亜型を区別するために有用な遺伝子(バイオマーカーとも称される)および遺伝子のセット(遺伝子シグネチャーとも称される)がある。特定の実施形態では、ABC DLBCLおよびGCB DLBCLの亜型決定するための遺伝子および遺伝子セットが開示されている(表1参照)。そのような遺伝子および遺伝子のセットの発現は、DLBCLの分類指標およびアルゴリズムにおいて、ならびに/またはアレイもしくは他の開示されている組成物に対する、分析物に特異的な試薬(例えば、核酸プローブまたは抗体)を設計するために有用である。
一部の実施形態では、生体試料(腫瘍生検材料など)中の発現レベルを決定することは、表1に示されている2種またはそれより多い遺伝子産物(例えば、RNAまたはタンパク質)を、例えば、本明細書に記載の通り、試料中のそのような核酸(またはタンパク質)の相対的な量または実際の量を決定することによって検出することを含む。
A.DLBCLシグネチャー遺伝子
例示的なDLBCLシグネチャー遺伝子としては、表1に示されているものが挙げられる。一部の実施形態では、DLBCL遺伝子シグネチャーとして、CD47、CD86、IL16、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの2種またはそれより多く(例えば、これらのうちの少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、少なくとも8種、少なくとも9種または10種全て)、例えば、CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの2種またはそれより多く(例えば、これらのうちの少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、少なくとも8種、少なくとも9種、少なくとも10種、少なくとも11種、少なくとも12種、少なくとも13種、少なくとも14種、少なくとも15種、または16種全て)が挙げられる。
インテグリン関連タンパク質としても公知の表面抗原分類47(CD47)(例えば、OMIM601028)は、膜インテグリンとパートナーになり、また、リガンドであるトロンボスポンジン−1およびシグナル調節タンパク質アルファにも結合する膜貫通タンパク質である。この遺伝子について、転写物バリアント(例えば、代替的にスプライシングされた転写物)が同定されている。CD47の核酸配列およびタンパク質配列は公的に入手可能である。例えば、GenBank(登録商標)受託番号NM_001777.3、NM_198793.2、およびLN680437.1により、例示的なヒトCD47核酸配列が開示され、GenBank(登録商標)受託番号NP_001768.1、NP_942088.1、およびCEJ95640.1により、例示的なヒトCD47タンパク質配列が開示される。そのようなCD47配列のバリアント、例えば、DLBCLにおいて(例えば、ABCおよび/またはGCBにおいて)発現が変化するもの、例えば、本明細書において提供される任意のCD47 GenBank(登録商標)受託番号に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を、DLBCLを分類するために使用することができることが当業者には理解されよう。
B7−2としても公知の表面抗原分類86(CD86)(例えば、OMIM601020)は、抗原提示細胞上に発現し、T細胞の活性化および生存に関する共刺激シグナルをもたらす。この遺伝子について、転写物バリアント(例えば、代替的にスプライシングされた転写物)が同定されている。CD86の核酸配列およびタンパク質配列は公的に入手可能である。例えば、GenBank(登録商標)受託番号NM_175862.4、NG_029928.1、NM_176892.1、NM_001206924.1、およびNM_001206925.1により、例示的なヒトCD86核酸配列が開示され、GenBank(登録商標)受託番号NP_787058.4、NP_008820.3、NP_795711.1、NP_001193853.1、およびNP_001193854.1により、例示的なヒトCD86タンパク質配列が開示される。そのようなCD86配列のバリアント、例えば、DLBCLにおいて(例えば、ABCおよび/またはGCBにおいて)発現が変化するもの、例えば、本明細書において提供される任意のCD86 GenBank(登録商標)受託番号に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を、DLBCLを分類するために使用することができることが当業者には理解されよう。
CD39、ATPDase、およびNTPDase−1としても公知のエクトヌクレオシド三リン酸ジホスホヒドロラーゼ1(ENTPD1)(例えば、OMIM601752)は、ATPおよびADPをAMPに加水分解し、アデノシンの生成を開始する酵素(EC 3.6.1.5)である。ENTPD1は、血管および免疫系の細胞を含め、広範に発現する。この遺伝子について、転写物バリアント(例えば、代替的にスプライシングされた転写物)が同定されている。ENTPD1の核酸配列およびタンパク質配列は公的に入手可能である。例えば、GenBank(登録商標)受託番号NM_001776.5;NM_001098175.1;NM_001164178.1;NM_001164179.1;NM_001164181.1;およびNM_001164182.1;NM_001164183.1により、例示的なヒトENTPD1核酸配列が開示され、GenBank(登録商標)受託番号AAH47664.1、NP_001091645.1、NP_001157650.1、NP_001157653.1、NP_001767.3、NP_001157651.1、NP_001157654.1、およびNP_001157655.1により、例示的なヒトENTPD1タンパク質配列が開示される。そのようなENTPD1配列のバリアント、例えば、DLBCLにおいて(例えば、ABCおよび/またはGCBにおいて)発現が変化するもの、例えば、本明細書において提供される任意のENTPD1 GenBank(登録商標)受託番号に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を、DLBCLを分類するために使用することができることが当業者には理解されよう。
フォークヘッドボックスタンパク質P1(FOXP1)(例えば、OMIM605515)は、DNA結合性ドメインおよびタンパク質−タンパク質結合性ドメインを含有する転写因子であり、転写リプレッサーとして機能する。FOXP1は、肺、脳、胸腺および心臓の組織発生を含めた発生の種々の重要な面を調節する。この遺伝子について、転写物バリアント(例えば、代替的にスプライシングされた転写物)が同定されている。Foxp1の核酸配列およびタンパク質配列は公的に入手可能である。例えば、GenBank(登録商標)受託番号NM_001012505.1;NM_032682.5;NM_001244808.1;NM_001244812.1;NM_001244814.1;NM_001244815.1、NM_001244813.1;NM_001244810.1およびNM_001244816.1により、例示的なヒトFoxp1核酸配列が開示され、GenBank(登録商標)受託番号AAG47632.1、NP_001231743.1;NP_001012523.1;NP_001231737.1、NP_001231739.1、NP_001231741.1、NP_001231742.1、およびNP_001231744.1により、例示的なヒトFoxp1タンパク質配列が開示される。そのようなFoxp1配列のバリアント、例えば、DLBCLにおいて(例えば、ABCおよび/またはGCBにおいて)発現が変化するもの、例えば、本明細書において提供される任意のFoxp1 GenBank(登録商標)受託番号に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を、DLBCLを分類するために使用することができることが当業者には理解されよう。
GDP−L−Fuc:N−アセチル−ベータ−D−グルコサミニドアルファ1,6−フコシルトランスフェラーゼ;GDP−フコース−糖タンパク質フコシルトランスフェラーゼ;およびアルファ−(1,6)−フコシルトランスフェラーゼとしても公知のフコシルトランスフェラーゼ8(アルファ(1,6)フコシルトランスフェラーゼ)(FUT8)(例えば、OMIM602589)は、GDP−フコースからN結合型複合グリコペプチドへのフコースの転移を触媒する酵素(EC 2.4.1.68)である。この遺伝子について、転写物バリアント(例えば、代替的にスプライシングされた転写物)および非コードRNAが同定されている。FUT8の核酸配列およびタンパク質配列は公的に入手可能である。例えば、GenBank(登録商標)受託番号NM_178155.2、NM_004480.4、NM_178156.2、NR_038167.1、およびNR_038170.1により、例示的なヒトFUT8核酸配列が開示され、GenBank(登録商標)受託番号AAI42959.1、NP_835368.1、NP_004471.4、およびNP_835369,1により、例示的なヒトFUT8タンパク質配列が開示される。そのようなFUT8配列のバリアント、例えば、DLBCLにおいて(例えば、ABCおよび/またはGCBにおいて)発現が変化するもの、例えば、本明細書において提供される任意のFUT8 GenBank(登録商標)受託番号に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を、DLBCLを分類するために使用することができることが当業者には理解されよう。
インターロイキン16(IL16)(例えば、OMIM603035)は、CD4を発現するいくつかの免疫細胞に対する化学誘引物質として機能するサイトカインである。この遺伝子について、転写物バリアント(例えば、代替的にスプライシングされた転写物)が同定されている。IL16の核酸配列およびタンパク質配列は公的に入手可能である。例えば、GenBank(登録商標)受託番号NM_004513.5、NM_172217.3、NM_001172128.1、XM_011521520.1、およびXR_931805.1により、例示的なヒトIL16核酸配列が開示され、GenBank(登録商標)受託番号AAI36661.1、AAD15990.1、NP_001165599.1、ACI00236.1、およびXP_011519821.1により、例示的なヒトIL16タンパク質配列が開示される。そのようなIL16配列のバリアント、例えば、DLBCLにおいて(例えば、ABCおよび/またはGCBにおいて)発現が変化するもの、例えば、本明細書において提供される任意のIL16 GenBank(登録商標)受託番号に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を、DLBCLを分類するために使用することができることが当業者には理解されよう。
IP3 3−キナーゼB、IP3K B、および増殖誘導タンパク質37としても公知のイノシトール1,4,5−三リン酸3−キナーゼB(ITPKB)(例えば、OMIM147522)は、イノシトール1,4,5−三リン酸をIns(1,3,4,5)P4にリン酸化する。ITPKBの核酸配列およびタンパク質配列は公的に入手可能である。この遺伝子について、転写物バリアント(例えば、代替的にスプライシングされた転写物)が同定されている。例えば、GenBank(登録商標)受託番号NM_002221.3およびXM_005273120.1により、例示的なヒトITPKB核酸配列が開示され、GenBank(登録商標)受託番号NP_002212.3およびAAH15009.1により、例示的なヒトITPKBタンパク質配列が開示される。そのようなITPKB配列のバリアント、例えば、DLBCLにおいて(例えば、ABCおよび/またはGCBにおいて)発現が変化するもの、例えば、本明細書において提供される任意のITPKB GenBank(登録商標)受託番号に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を、DLBCLを分類するために使用することができることが当業者には理解されよう。
JAW1としても公知のリンパ系限局膜タンパク質(LRMP)(例えば、OMIM602003)は、リンパ系細胞株および組織において発現する。この遺伝子について、転写物バリアント(例えば、代替的にスプライシングされた転写物)が同定されている。LRMPの核酸配列およびタンパク質配列は公的に入手可能である。例えば、GenBank(登録商標)受託番号NM_006152.3、NM_001204127.1、NM_001204126.1、XM_006719076.2、XM_011520668.1、XM_011520669.1、XM_005253374.2、およびXM_011520670.1により、例示的なヒトLRMP核酸配列が開示され、GenBank(登録商標)受託番号NP_006143.2、NP_001191056.1、XP_011518971.1、XP_011518972.1、Q12912.3、およびNP_001191055.1により、例示的なヒトLRMPタンパク質配列が開示される。そのようなLRMP配列のバリアント、例えば、DLBCLにおいて(例えば、ABCおよび/またはGCBにおいて)発現が変化するもの、例えば、本明細書において提供される任意のLRMP GenBank(登録商標)受託番号に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を、DLBCLを分類するために使用することができることが当業者には理解されよう。
CD10、アトリオペプチダーゼ(atriopeptidase)、共通急性リンパ球性白血病抗原、エンケファリナーゼ、ネプリライシン、および中性エンドペプチダーゼとしても公知の膜メタロ−エンドペプチダーゼ(MME)(例えば、OMIM120520)は、ペプチドを疎水性残基のアミノ側で切断し、グルカゴン、エンケファリン、サブスタンスP、ニューロテンシン、オキシトシン、およびブラジキニン(bradyknin)を含めたいくつかのペプチドホルモンを不活性化する中性エンドペプチダーゼ(EC 3.4.24.11)である。この遺伝子について、転写物バリアント(例えば、代替的にスプライシングされた転写物)が同定されている。MMEの核酸配列およびタンパク質配列は公的に入手可能である。例えば、GenBank(登録商標)受託番号NM_000902.3、NM_007287.2、NM_007288.2、BC143465.1、およびNM_007289.2により、例示的なヒトMME核酸配列が開示され、GenBank(登録商標)受託番号AAI43466.1、AAI01659.1、NP_000893.2、NP_009218.2、NP_009219.2、およびNP_009220.2により、例示的なヒトMMEタンパク質配列が開示される。そのようなMME配列のバリアント、例えば、DLBCLにおいて(例えば、ABCおよび/またはGCBにおいて)発現が変化するもの、例えば、本明細書において提供される任意のMME GenBank(登録商標)受託番号に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を、DLBCLを分類するために使用することができることが当業者には理解されよう。
マーリンとしても公知のニューロフィブロミン2(NF2)(例えば、OMIM607379)は、腫瘍抑制因子の特性を有する細胞骨格タンパク質である。この遺伝子について、転写物バリアント(例えば、代替的にスプライシングされた転写物)が同定されている。NF2の核酸配列およびタンパク質配列は公的に入手可能である。例えば、GenBank(登録商標)受託番号NM_000268.3、NM_016418.5、NM_181828.2、およびNM_181831.2により、例示的なヒトNF2核酸配列が開示され、GenBank(登録商標)受託番号NP_000259.1、NP_057502.2、NP_861966.1、およびNP_861969.1により、例示的なヒトNF2タンパク質配列が開示される。そのようなNF2配列のバリアント、例えば、DLBCLにおいて(例えば、ABCおよび/またはGCBにおいて)発現が変化するもの、例えば、本明細書において提供される任意のNF2 GenBank(登録商標)受託番号に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を、DLBCLを分類するために使用することができることが当業者には理解されよう。
癌原遺伝子セリン/トレオニン−プロテインキナーゼPim−1(PIM1)(例えば、OMIM164960)は、サイトカインシグナル伝達に関与する癌原遺伝子である。この遺伝子について、転写物バリアント(例えば、代替的にスプライシングされた転写物)が同定されている。PIM1の核酸配列およびタンパク質配列は公的に入手可能である。例えば、GenBank(登録商標)受託番号NM_001243186.1、M24779.1、およびNM_002648.3により、例示的なヒトPIM1核酸配列が開示され、GenBank(登録商標)受託番号NP_001230115.1、NP_002639.1、およびAAH20224.1により、例示的なヒトPIM1タンパク質配列が開示される。そのようなPIM1配列のバリアント、例えば、DLBCLにおいて(例えば、ABCおよび/またはGCBにおいて)発現が変化するもの、例えば、本明細書において提供される任意のPIM1 GenBank(登録商標)受託番号に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を、DLBCLを分類するために使用することができることが当業者には理解されよう。
CD45とも称されるタンパク質チロシンホスファターゼ、受容体型、C(PTPRC)(例えば、OMIM151460)は、T細胞およびB細胞抗原受容体シグナル伝達を調節する、造血細胞において発現する酵素(EC 3.1.3.48)である。この遺伝子について、転写物バリアント(例えば、代替的にスプライシングされた転写物)が同定されている。この遺伝子は、34エクソンを含有し、一次転写産物の3エクソンが代替的にスプライシングされて最大8種の異なる成熟mRNAが生成され、そして翻訳後に8種の異なるタンパク質産物が生成される。これらの3エクソンは、RAアイソフォーム、RBアイソフォームおよびRCアイソフォームを生じる。PTPRCの核酸配列およびタンパク質配列は公的に入手可能である。例えば、GenBank(登録商標)受託番号NM_002838.4、NM_080921.3、NR_052021.1およびNM_001267798.1により、例示的なヒトPTPRC核酸配列が開示され、GenBank(登録商標)受託番号NP_002829.3、NP_563578.2、P08575.2およびNP_001254727.1により、例示的なヒトPTPRCタンパク質配列が開示される。そのようなPTPRC配列のバリアント、例えば、DLBCLにおいて(例えば、ABCおよび/またはGCBにおいて)発現が変化するもの、例えば、本明細書において提供される任意のPTPRC GenBank(登録商標)受託番号に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を、DLBCLを分類するために使用することができることが当業者には理解されよう。
v−relトリ細網内皮症ウイルス癌遺伝子ホモログ(REL)(例えば、OMIM164910)は、Rel相同性ドメインを含有し、B細胞の生存および増殖において役割を果たす転写因子である。REL遺伝子はDLBCLにおいて増幅または変異している。この遺伝子について、転写物バリアント(例えば、代替的にスプライシングされた転写物)が同定されている。RELの核酸配列およびタンパク質配列は公的に入手可能である。例えば、GenBank(登録商標)受託番号NM_002908.3、NM_001291746.1、およびDQ314888.1により、例示的なヒトREL核酸配列が開示され、GenBank(登録商標)受託番号NP_002899.1、NP_001278675.1、およびAAI43886.1により、例示的なヒトRELタンパク質配列が開示される。そのようなREL配列のバリアント、例えば、DLBCLにおいて(例えば、ABCおよび/またはGCBにおいて)発現が変化するもの、例えば、本明細書において提供される任意のREL GenBank(登録商標)受託番号に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を、DLBCLを分類するために使用することができることが当業者には理解されよう。
シグナル伝達性転写因子(STAT3)(例えば、OMIM102582)は、腫瘍の遺伝的背景に応じて腫瘍形成性または腫瘍抑制因子の役割を有し得る転写活性化因子である。この遺伝子について、転写物バリアント(例えば、代替的にスプライシングされた転写物)が同定されている。STAT3の核酸配列およびタンパク質配列は公的に入手可能である。例えば、GenBank(登録商標)受託番号NM_139276.2、NM_003150.3、NM_213662.1、およびNG_007370.1により、例示的なヒトSTAT3核酸配列が開示され、GenBank(登録商標)受託番号NP_644805.1、NP_003141.2、およびNP_998827.1により、例示的なヒトSTAT3タンパク質配列が開示される。そのようなSTAT3配列のバリアント、例えば、DLBCLにおいて(例えば、ABCおよび/またはGCBにおいて)発現が変化するもの、例えば、本明細書において提供される任意のSTAT3 GenBank(登録商標)受託番号に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を、DLBCLを分類するために使用することができることが当業者には理解されよう。
CD30としても公知の腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー、メンバー8(TNFRSF8)(例えば、OMIM153243)は、活性化T細胞およびB細胞によって発現される。この遺伝子について、転写物バリアント(例えば、代替的にスプライシングされた転写物)が同定されている。TNFRSF8の核酸配列およびタンパク質配列は公的に入手可能である。例えば、GenBank(登録商標)受託番号NM_001243.4、XM_011542442.1、XM_011542444.1、XM_011542443.1、およびAY498860.1により、例示的なヒトTNFRSF8核酸配列が開示され、GenBank(登録商標)受託番号NP_001234.3、XP_011540746.1、およびNP_001268359.2により、例示的なヒトTNFRSF8タンパク質配列が開示される。そのようなTNFRSF8配列のバリアント、例えば、DLBCLにおいて(例えば、ABCおよび/またはGCBにおいて)発現が変化するもの、例えば、本明細書において提供される任意のTNFRSF8 GenBank(登録商標)受託番号に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を、DLBCLを分類するために使用することができることが当業者には理解されよう。
チミジル酸シンテターゼ(TYMS)(例えば、OMIM188350)は、デオキシウリジン一リン酸(dUMP)のデオキシチミジン一リン酸(dTMP)への変換を触媒する酵素(EC 2.1.1.45)である。この遺伝子について、転写物バリアント(例えば、代替的にスプライシングされた転写物)が同定されている。TYMSの核酸配列およびタンパク質配列は公的に入手可能である。例えば、GenBank(登録商標)受託番号NM_001071.2およびNG_028255.1により、例示的なヒトTYMS核酸配列が開示され、GenBank(登録商標)受託番号NP_001062.1、EAX01716.1、およびEAX01717.1により、例示的なヒトTYMSタンパク質配列が開示される。そのようなTYMS配列のバリアント、例えば、DLBCLにおいて(例えば、ABCおよび/またはGCBにおいて)発現が変化するもの、例えば、本明細書において提供される任意のTYMS GenBank(登録商標)受託番号に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を、DLBCLを分類するために使用することができることが当業者には理解されよう。
DLBCLを亜型決定するために有用な具体的な実施形態は、限定することなく、以下:
a.CD47、CD86、IL16、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの1種または複数(例えば、少なくともまたはそれに固定して、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、または10種);
b.CD47、CD86、IL16、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの全て;
c.CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの1種または複数(例えば、少なくともまたはそれに固定して、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、11種、12種、13種、14種、15種、または16種);
d.CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの1種または複数(例えば、少なくともまたはそれに固定して、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、または10種);
e.CD86、ITPKB、LRMP、MME、PTPRC、およびRELの1種または複数(例えば、少なくともまたはそれに固定して、2種、3種、4種、5種、または6種);
f.以下の2種の遺伝子の組み合わせの任意の1つまたは任意の2つ(重複しない範囲で)を含む、またはそれからなる任意の遺伝子セット:{CD47、CD86}{CD47、IL16}{CD47、NF2}{CD47、PIM1}{CD47、PTPRC}{CD47、REL}{CD47、STAT3}{CD47、TNFRSF8}{CD47、TYMS}{CD86、IL16}{CD86、NF2}{CD86、PIM1}{CD86、PTPRC}{CD86、REL}{CD86、STAT3}{CD86、TNFRSF8}{CD86、TYMS}{IL16、NF2}{IL16、PIM1}{IL16、PTPRC}{IL16、REL}{IL16、STAT3}{IL16、TNFRSF8}{IL16、TYMS}{NF2、PIM1}{NF2、PTPRC}{NF2、REL}{NF2、STAT3}{NF2、TNFRSF8}{NF2、TYMS}{PIM1、PTPRC}{PIM1、REL}{PIM1、STAT3}{PIM1、TNFRSF8}{PIM1、TYMS}{PTPRC、REL}{PTPRC、STAT3}{PTPRC、TNFRSF8}{PTPRC、TYMS}{REL、STAT3}{REL、TNFRSF8}{REL、TYMS}{STAT3、TNFRSF8}{STAT3、TYMS}{TNFRSF8、TYMS};
g.以下の3種の遺伝子の組み合わせの任意の1つまたは任意の2つ(重複しない範囲で)を含む、またはそれからなる任意の遺伝子セット:{CD47、CD86、IL16}{CD47、CD86、NF2}{CD47、CD86、PIM1}{CD47、CD86、PTPRC}{CD47、CD86、REL}{CD47、CD86、STAT3}{CD47、CD86、TNFRSF8}{CD47、CD86、TYMS}{CD47、IL16、NF2}{CD47、IL16、PIM1}{CD47、IL16、PTPRC}{CD47、IL16、REL}{CD47、IL16、STAT3}{CD47、IL16、TNFRSF8}{CD47、IL16、TYMS}{CD47、NF2、PIM1}{CD47、NF2、PTPRC}{CD47、NF2、REL}{CD47、NF2、STAT3}{CD47、NF2、TNFRSF8}{CD47、NF2、TYMS}{CD47、PIM1、PTPRC}{CD47、PIM1、REL}{CD47、PIM1、STAT3}{CD47、PIM1、TNFRSF8}{CD47、PIM1、TYMS}{CD47、PTPRC、REL}{CD47、PTPRC、STAT3}{CD47、PTPRC、TNFRSF8}{CD47、PTPRC、TYMS}{CD47、REL、STAT3}{CD47、REL、TNFRSF8}{CD47、REL、TYMS}{CD47、STAT3、TNFRSF8}{CD47、STAT3、TYMS}{CD47、TNFRSF8、TYMS}{CD86、IL16、NF2}{CD86、IL16、PIM1}{CD86、IL16、PTPRC}{CD86、IL16、REL}{CD86、IL16、STAT3}{CD86、IL16、TNFRSF8}{CD86、IL16、TYMS}{CD86、NF2、PIM1}{CD86、NF2、PTPRC}{CD86、NF2、REL}{CD86、NF2、STAT3}{CD86、NF2、TNFRSF8}{CD86、NF2、TYMS}{CD86、PIM1、PTPRC}{CD86、PIM1、REL}{CD86、PIM1、STAT3}{CD86、PIM1、TNFRSF8}{CD86、PIM1、TYMS}{CD86、PTPRC、REL}{CD86、PTPRC、STAT3}{CD86、PTPRC、TNFRSF8}{CD86、PTPRC、TYMS}{CD86、REL、STAT3}{CD86、REL、TNFRSF8}{CD86、REL、TYMS}{CD86、STAT3、TNFRSF8}{CD86、STAT3、TYMS}{CD86、TNFRSF8、TYMS}{IL16、NF2、PIM1}{IL16、NF2、PTPRC}{IL16、NF2、REL}{IL16、NF2、STAT3}{IL16、NF2、TNFRSF8}{IL16、NF2、TYMS}{IL16、PIM1、PTPRC}{IL16、PIM1、REL}{IL16、PIM1、STAT3}{IL16、PIM1、TNFRSF8}{IL16、PIM1、TYMS}{IL16、PTPRC、REL}{IL16、PTPRC、STAT3}{IL16、PTPRC、TNFRSF8}{IL16、PTPRC、TYMS}{IL16、REL、STAT3}{IL16、REL、TNFRSF8}{IL16、REL、TYMS}{IL16、STAT3、TNFRSF8}{IL16、STAT3、TYMS}{IL16、TNFRSF8、TYMS}{NF2、PIM1、PTPRC}{NF2、PIM1、REL}{NF2、PIM1、STAT3}{NF2、PIM1、TNFRSF8}{NF2、PIM1、TYMS}{NF2、PTPRC、REL}{NF2、PTPRC、STAT3}{NF2、PTPRC、TNFRSF8}{NF2、PTPRC、TYMS}{NF2、REL、STAT3}{NF2、REL、TNFRSF8}{NF2、REL、TYMS}{NF2、STAT3、TNFRSF8}{NF2、STAT3、TYMS}{NF2、TNFRSF8、TYMS}{PIM1、PTPRC、REL}{PIM1、PTPRC、STAT3}{PIM1、PTPRC、TNFRSF8}{PIM1、PTPRC、TYMS}{PIM1、REL、STAT3}{PIM1、REL、TNFRSF8}{PIM1、REL、TYMS}{PIM1、STAT3、TNFRSF8}{PIM1、STAT3、TYMS}{PIM1、TNFRSF8、TYMS}{PTPRC、REL、STAT3}{PTPRC、REL、TNFRSF8}{PTPRC、REL、TYMS}{PTPRC、STAT3、TNFRSF8}{PTPRC、STAT3、TYMS}{PTPRC、TNFRSF8、TYMS}{REL、STAT3、TNFRSF8}{REL、STAT3、TYMS}{REL、TNFRSF8、TYMS}{STAT3、TNFRSF8、TYMS;
h.以下の4種の遺伝子の組み合わせの任意の1つまたは任意の2つ(重複しない範囲で)を含む、またはそれからなる任意の遺伝子セット:{CD47、CD86、IL16、NF2}{CD47、CD86、IL16、PIM1}{CD47、CD86、IL16、PTPRC}{CD47、CD86、IL16、REL}{CD47、CD86、IL16、STAT3}{CD47、CD86、IL16、TNFRSF8}{CD47、CD86、IL16、TYMS}{CD47、CD86、NF2、PIM1}{CD47、CD86、NF2、PTPRC}{CD47、CD86、NF2、REL}{CD47、CD86、NF2、STAT3}{CD47、CD86、NF2、TNFRSF8}{CD47、CD86、NF2、TYMS}{CD47、CD86、PIM1、PTPRC}{CD47、CD86、PIM1、REL}{CD47、CD86、PIM1、STAT3}{CD47、CD86、PIM1、TNFRSF8}{CD47、CD86、PIM1、TYMS}{CD47、CD86、PTPRC、REL}{CD47、CD86、PTPRC、STAT3}{CD47、CD86、PTPRC、TNFRSF8}{CD47、CD86、PTPRC、TYMS}{CD47、CD86、REL、STAT3}{CD47、CD86、REL、TNFRSF8}{CD47、CD86、REL、TYMS}{CD47、CD86、STAT3、TNFRSF8}{CD47、CD86、STAT3、TYMS}{CD47、CD86、TNFRSF8、TYMS}{CD47、IL16、NF2、PIM1}{CD47、IL16、NF2、PTPRC}{CD47、IL16、NF2、REL}{CD47、IL16、NF2、STAT3}{CD47、IL16、NF2、TNFRSF8}{CD47、IL16、NF2、TYMS}{CD47、IL16、PIM1、PTPRC}{CD47、IL16、PIM1、REL}{CD47、IL16、PIM1、STAT3}{CD47、IL16、PIM1、TNFRSF8}{CD47、IL16、PIM1、TYMS}{CD47、IL16、PTPRC、REL}{CD47、IL16、PTPRC、STAT3}{CD47、IL16、PTPRC、TNFRSF8}{CD47、IL16、PTPRC、TYMS}{CD47、IL16、REL、STAT3}{CD47、IL16、REL、TNFRSF8}{CD47、IL16、REL、TYMS}{CD47、IL16、STAT3、TNFRSF8}{CD47、IL16、STAT3、TYMS}{CD47、IL16、TNFRSF8、TYMS}{CD47、NF2、PIM1、PTPRC}{CD47、NF2、PIM1、REL}{CD47、NF2、PIM1、STAT3}{CD47、NF2、PIM1、TNFRSF8}{CD47、NF2、PIM1、TYMS}{CD47、NF2、PTPRC、REL}{CD47、NF2、PTPRC、STAT3}{CD47、NF2、PTPRC、TNFRSF8}{CD47、NF2、PTPRC、TYMS}{CD47、NF2、REL、STAT3}{CD47、NF2、REL、TNFRSF8}{CD47、NF2、REL、TYMS}{CD47、NF2、STAT3、TNFRSF8}{CD47、NF2、STAT3、TYMS}{CD47、NF2、TNFRSF8、TYMS}{CD47、PIM1、PTPRC、REL}{CD47、PIM1、PTPRC、STAT3}{CD47、PIM1、PTPRC、TNFRSF8}{CD47、PIM1、PTPRC、TYMS}{CD47、PIM1、REL、STAT3}{CD47、PIM1、REL、TNFRSF8}{CD47、PIM1、REL、TYMS}{CD47、PIM1、STAT3、TNFRSF8}{CD47、PIM1、STAT3、TYMS}{CD47、PIM1、TNFRSF8、TYMS}{CD47、PTPRC、REL、STAT3}{CD47、PTPRC、REL、TNFRSF8}{CD47、PTPRC、REL、TYMS}{CD47、PTPRC、STAT3、TNFRSF8}{CD47、PTPRC、STAT3、TYMS}{CD47、PTPRC、TNFRSF8、TYMS}{CD47、REL、STAT3、TNFRSF8}{CD47、REL、STAT3、TYMS}{CD47、REL、TNFRSF8、TYMS}{CD47、STAT3、TNFRSF8、TYMS}{CD86、IL16、NF2、PIM1}{CD86、IL16、NF2、PTPRC}{CD86、IL16、NF2、REL}{CD86、IL16、NF2、STAT3}{CD86、IL16、NF2、TNFRSF8}{CD86、IL16、NF2、TYMS}{CD86、IL16、PIM1、PTPRC}{CD86、IL16、PIM1、REL}{CD86、IL16、PIM1、STAT3}{CD86、IL16、PIM1、TNFRSF8}{CD86、IL16、PIM1、TYMS}{CD86、IL16、PTPRC、REL}{CD86、IL16、PTPRC、STAT3}{CD86、IL16、PTPRC、TNFRSF8}{CD86、IL16、PTPRC、TYMS}{CD86、IL16、REL、STAT3}{CD86、IL16、REL、TNFRSF8}{CD86、IL16、REL、TYMS}{CD86、IL16、STAT3、TNFRSF8}{CD86、IL16、STAT3、TYMS}{CD86、IL16、TNFRSF8、TYMS}{CD86、NF2、PIM1、PTPRC}{CD86、NF2、PIM1、REL}{CD86、NF2、PIM1、STAT3}{CD86、NF2、PIM1、TNFRSF8}{CD86、NF2、PIM1、TYMS}{CD86、NF2、PTPRC、REL}{CD86、NF2、PTPRC、STAT3}{CD86、NF2、PTPRC、TNFRSF8}{CD86、NF2、PTPRC、TYMS}{CD86、NF2、REL、STAT3}{CD86、NF2、REL、TNFRSF8}{CD86、NF2、REL、TYMS}{CD86、NF2、STAT3、TNFRSF8}{CD86、NF2、STAT3、TYMS}{CD86、NF2、TNFRSF8、TYMS}{CD86、PIM1、PTPRC、REL}{CD86、PIM1、PTPRC、STAT3}{CD86、PIM1、PTPRC、TNFRSF8}{CD86、PIM1、PTPRC、TYMS}{CD86、PIM1、REL、STAT3}{CD86、PIM1、REL、TNFRSF8}{CD86、PIM1、REL、TYMS}{CD86、PIM1、STAT3、TNFRSF8}{CD86、PIM1、STAT3、TYMS}{CD86、PIM1、TNFRSF8、TYMS}{CD86、PTPRC、REL、STAT3}{CD86、PTPRC、REL、TNFRSF8}{CD86、PTPRC、REL、TYMS}{CD86、PTPRC、STAT3、TNFRSF8}{CD86、PTPRC、STAT3、TYMS}{CD86、PTPRC、TNFRSF8、TYMS}{CD86、REL、STAT3、TNFRSF8}{CD86、REL、STAT3、TYMS}{CD86、REL、TNFRSF8、TYMS}{CD86、STAT3、TNFRSF8、TYMS}{IL16、NF2、PIM1、PTPRC}{IL16、NF2、PIM1、REL}{IL16、NF2、PIM1、STAT3}{IL16、NF2、PIM1、TNFRSF8}{IL16、NF2、PIM1、TYMS}{IL16、NF2、PTPRC、REL}{IL16、NF2、PTPRC、STAT3}{IL16、NF2、PTPRC、TNFRSF8}{IL16、NF2、PTPRC、TYMS}{IL16、NF2、REL、STAT3}{IL16、NF2、REL、TNFRSF8}{IL16、NF2、REL、TYMS}{IL16、NF2、STAT3、TNFRSF8}{IL16、NF2、STAT3、TYMS}{IL16、NF2、TNFRSF8、TYMS}{IL16、PIM1、PTPRC、REL}{IL16、PIM1、PTPRC、STAT3}{IL16、PIM1、PTPRC、TNFRSF8}{IL16、PIM1、PTPRC、TYMS}{IL16、PIM1、REL、STAT3}{IL16、PIM1、REL、TNFRSF8}{IL16、PIM1、REL、TYMS}{IL16、PIM1、STAT3、TNFRSF8}{IL16、PIM1、STAT3、TYMS}{IL16、PIM1、TNFRSF8、TYMS}{IL16、PTPRC、REL、STAT3}{IL16、PTPRC、REL、TNFRSF8}{IL16、PTPRC、REL、TYMS}{IL16、PTPRC、STAT3、TNFRSF8}{IL16、PTPRC、STAT3、TYMS}{IL16、PTPRC、TNFRSF8、TYMS}{IL16、REL、STAT3、TNFRSF8}{IL16、REL、STAT3、TYMS}{IL16、REL、TNFRSF8、TYMS}{IL16、STAT3、TNFRSF8、TYMS}{NF2、PIM1、PTPRC、REL}{NF2、PIM1、PTPRC、STAT3}{NF2、PIM1、PTPRC、TNFRSF8}{NF2、PIM1、PTPRC、TYMS}{NF2、PIM1、REL、STAT3}{NF2、PIM1、REL、TNFRSF8}{NF2、PIM1、REL、TYMS}{NF2、PIM1、STAT3、TNFRSF8}{NF2、PIM1、STAT3、TYMS}{NF2、PIM1、TNFRSF8、TYMS}{NF2、PTPRC、REL、STAT3}{NF2、PTPRC、REL、TNFRSF8}{NF2、PTPRC、REL、TYMS}{NF2、PTPRC、STAT3、TNFRSF8}{NF2、PTPRC、STAT3、TYMS}{NF2、PTPRC、TNFRSF8、TYMS}{NF2、REL、STAT3、TNFRSF8}{NF2、REL、STAT3、TYMS}{NF2、REL、TNFRSF8、TYMS}{NF2、STAT3、TNFRSF8、TYMS}{PIM1、PTPRC、REL、STAT3}{PIM1、PTPRC、REL、TNFRSF8}{PIM1、PTPRC、REL、TYMS}{PIM1、PTPRC、STAT3、TNFRSF8}{PIM1、PTPRC、STAT3、TYMS}{PIM1、PTPRC、TNFRSF8、TYMS}{PIM1、REL、STAT3、TNFRSF8}{PIM1、REL、STAT3、TYMS}{PIM1、REL、TNFRSF8、TYMS}{PIM1、STAT3、TNFRSF8、TYMS}{PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8}{PTPRC、REL、STAT3、TYMS}{PTPRC、REL、TNFRSF8、TYMS}{PTPRC、STAT3、TNFRSF8、TYMS}{REL、STAT3、TNFRSF8、TYMS};
i.以下の2種の遺伝子の組み合わせの任意の1つまたは任意の2つ(重複しない範囲で)を含む、またはそれからなる任意の遺伝子セット:{CD47、CD86}{CD47、ENTPD1}{CD47、FOXP1}{CD47、FUT8}{CD47、IL16}{CD47、ITPKB}{CD47、LRMP}{CD47、MME}{CD47、NF2}{CD47、PIM1}{CD47、PTPRC}{CD47、REL}{CD47、STAT3}{CD47、TNFRSF8}{CD47、TYMS}{CD86、ENTPD1}{CD86、FOXP1}{CD86、FUT8}{CD86、IL16}{CD86、ITPKB}{CD86、LRMP}{CD86、MME}{CD86、NF2}{CD86、PIM1}{CD86、PTPRC}{CD86、REL}{CD86、STAT3}{CD86、TNFRSF8}{CD86、TYMS}{ENTPD1、FOXP1}{ENTPD1、FUT8}{ENTPD1、IL16}{ENTPD1、ITPKB}{ENTPD1、LRMP}{ENTPD1、MME}{ENTPD1、NF2}{ENTPD1、PIM1}{ENTPD1、PTPRC}{ENTPD1、REL}{ENTPD1、STAT3}{ENTPD1、TNFRSF8}{ENTPD1、TYMS}{FOXP1、FUT8}{FOXP1、IL16}{FOXP1、ITPKB}{FOXP1、LRMP}{FOXP1、MME}{FOXP1、NF2}{FOXP1、PIM1}{FOXP1、PTPRC}{FOXP1、REL}{FOXP1、STAT3}{FOXP1、TNFRSF8}{FOXP1、TYMS}{FUT8、IL16}{FUT8、ITPKB}{FUT8、LRMP}{FUT8、MME}{FUT8、NF2}{FUT8、PIM1}{FUT8、PTPRC}{FUT8、REL}{FUT8、STAT3}{FUT8、TNFRSF8}{FUT8、TYMS}{IL16、ITPKB}{IL16、LRMP}{IL16、MME}{IL16、NF2}{IL16、PIM1}{IL16、PTPRC}{IL16、REL}{IL16、STAT3}{IL16、TNFRSF8}{IL16、TYMS}{ITPKB、LRMP}{ITPKB、MME}{ITPKB、NF2}{ITPKB、PIM1}{ITPKB、PTPRC}{ITPKB、REL}{ITPKB、STAT3}{ITPKB、TNFRSF8}{ITPKB、TYMS}{LRMP、MME}{LRMP、NF2}{LRMP、PIM1}{LRMP、PTPRC}{LRMP、REL}{LRMP、STAT3}{LRMP、TNFRSF8}{LRMP、TYMS}{MME、NF2}{MME、PIM1}{MME、PTPRC}{MME、REL}{MME、STAT3}{MME、TNFRSF8}{MME、TYMS}{NF2、PIM1}{NF2、PTPRC}{NF2、REL}{NF2、STAT3}{NF2、TNFRSF8}{NF2、TYMS}{PIM1、PTPRC}{PIM1、REL}{PIM1、STAT3}{PIM1、TNFRSF8}{PIM1、TYMS}{PTPRC、REL}{PTPRC、STAT3}{PTPRC、TNFRSF8}{PTPRC、TYMS}{REL、STAT3}{REL、TNFRSF8}{REL、TYMS}{STAT3、TNFRSF8}{STAT3、TYMS}{TNFRSF8、TYMS};ならびに
j.以下の3種の遺伝子の組み合わせの任意の1つまたは任意の2つ(重複しない範囲で)を含む、またはそれからなる任意の遺伝子セット:{CD47、CD86、ENTPD1}{CD47、CD86、FOXP1}{CD47、CD86、FUT8}{CD47、CD86、IL16}{CD47、CD86、ITPKB}{CD47、CD86、LRMP}{CD47、CD86、MME}{CD47、CD86、NF2}{CD47、CD86、PIM1}{CD47、CD86、PTPRC}{CD47、CD86、REL}{CD47、CD86、STAT3}{CD47、CD86、TNFRSF8}{CD47、CD86、TYMS}{CD47、ENTPD1、FOXP1}{CD47、ENTPD1、FUT8}{CD47、ENTPD1、IL16}{CD47、ENTPD1、ITPKB}{CD47、ENTPD1、LRMP}{CD47、ENTPD1、MME}{CD47、ENTPD1、NF2}{CD47、ENTPD1、PIM1}{CD47、ENTPD1、PTPRC}{CD47、ENTPD1、REL}{CD47、ENTPD1、STAT3}{CD47、ENTPD1、TNFRSF8}{CD47、ENTPD1、TYMS}{CD47、FOXP1、FUT8}{CD47、FOXP1、IL16}{CD47、FOXP1、ITPKB}{CD47、FOXP1、LRMP}{CD47、FOXP1、MME}{CD47、FOXP1、NF2}{CD47、FOXP1、PIM1}{CD47、FOXP1、PTPRC}{CD47、FOXP1、REL}{CD47、FOXP1、STAT3}{CD47、FOXP1、TNFRSF8}{CD47、FOXP1、TYMS}{CD47、FUT8、IL16}{CD47、FUT8、ITPKB}{CD47、FUT8、LRMP}{CD47、FUT8、MME}{CD47、FUT8、NF2}{CD47、FUT8、PIM1}{CD47、FUT8、PTPRC}{CD47、FUT8、REL}{CD47、FUT8、STAT3}{CD47、FUT8、TNFRSF8}{CD47、FUT8、TYMS}{CD47、IL16、ITPKB}{CD47、IL16、LRMP}{CD47、IL16、MME}{CD47、IL16、NF2}{CD47、IL16、PIM1}{CD47、IL16、PTPRC}{CD47、IL16、REL}{CD47、IL16、STAT3}{CD47、IL16、TNFRSF8}{CD47、IL16、TYMS}{CD47、ITPKB、LRMP}{CD47、ITPKB、MME}{CD47、ITPKB、NF2}{CD47、ITPKB、PIM1}{CD47、ITPKB、PTPRC}{CD47、ITPKB、REL}{CD47、ITPKB、STAT3}{CD47、ITPKB、TNFRSF8}{CD47、ITPKB、TYMS}{CD47、LRMP、MME}{CD47、LRMP、NF2}{CD47、LRMP、PIM1}{CD47、LRMP、PTPRC}{CD47、LRMP、REL}{CD47、LRMP、STAT3}{CD47、LRMP、TNFRSF8}{CD47、LRMP、TYMS}{CD47、MME、NF2}{CD47、MME、PIM1}{CD47、MME、PTPRC}{CD47、MME、REL}{CD47、MME、STAT3}{CD47、MME、TNFRSF8}{CD47、MME、TYMS}{CD47、NF2、PIM1}{CD47、NF2、PTPRC}{CD47、NF2、REL}{CD47、NF2、STAT3}{CD47、NF2、TNFRSF8}{CD47、NF2、TYMS}{CD47、PIM1、PTPRC}{CD47、PIM1、REL}{CD47、PIM1、STAT3}{CD47、PIM1、TNFRSF8}{CD47、PIM1、TYMS}{CD47、PTPRC、REL}{CD47、PTPRC、STAT3}{CD47、PTPRC、TNFRSF8}{CD47、PTPRC、TYMS}{CD47、REL、STAT3}{CD47、REL、TNFRSF8}{CD47、REL、TYMS}{CD47、STAT3、TNFRSF8}{CD47、STAT3、TYMS}{CD47、TNFRSF8、TYMS}{CD86、ENTPD1、FOXP1}{CD86、ENTPD1、FUT8}{CD86、ENTPD1、IL16}{CD86、ENTPD1、ITPKB}{CD86、ENTPD1、LRMP}{CD86、ENTPD1、MME}{CD86、ENTPD1、NF2}{CD86、ENTPD1、PIM1}{CD86、ENTPD1、PTPRC}{CD86、ENTPD1、REL}{CD86、ENTPD1、STAT3}{CD86、ENTPD1、TNFRSF8}{CD86、ENTPD1、TYMS}{CD86、FOXP1、FUT8}{CD86、FOXP1、IL16}{CD86、FOXP1、ITPKB}{CD86、FOXP1、LRMP}{CD86、FOXP1、MME}{CD86、FOXP1、NF2}{CD86、FOXP1、PIM1}{CD86、FOXP1、PTPRC}{CD86、FOXP1、REL}{CD86、FOXP1、STAT3}{CD86、FOXP1、TNFRSF8}{CD86、FOXP1、TYMS}{CD86、FUT8、IL16}{CD86、FUT8、ITPKB}{CD86、FUT8、LRMP}{CD86、FUT8、MME}{CD86、FUT8、NF2}{CD86、FUT8、PIM1}{CD86、FUT8、PTPRC}{CD86、FUT8、REL}{CD86、FUT8、STAT3}{CD86、FUT8、TNFRSF8}{CD86、FUT8、TYMS}{CD86、IL16、ITPKB}{CD86、IL16、LRMP}{CD86、IL16、MME}{CD86、IL16、NF2}{CD86、IL16、PIM1}{CD86、IL16、PTPRC}{CD86、IL16、REL}{CD86、IL16、STAT3}{CD86、IL16、TNFRSF8}{CD86、IL16、TYMS}{CD86、ITPKB、LRMP}{CD86、ITPKB、MME}{CD86、ITPKB、NF2}{CD86、ITPKB、PIM1}{CD86、ITPKB、PTPRC}{CD86、ITPKB、REL}{CD86、ITPKB、STAT3}{CD86、ITPKB、TNFRSF8}{CD86、ITPKB、TYMS}{CD86、LRMP、MME}{CD86、LRMP、NF2}{CD86、LRMP、PIM1}{CD86、LRMP、PTPRC}{CD86、LRMP、REL}{CD86、LRMP、STAT3}{CD86、LRMP、TNFRSF8}{CD86、LRMP、TYMS}{CD86、MME、NF2}{CD86、MME、PIM1}{CD86、MME、PTPRC}{CD86、MME、REL}{CD86、MME、STAT3}{CD86、MME、TNFRSF8}{CD86、MME、TYMS}{CD86、NF2、PIM1}{CD86、NF2、PTPRC}{CD86、NF2、REL}{CD86、NF2、STAT3}{CD86、NF2、TNFRSF8}{CD86、NF2、TYMS}{CD86、PIM1、PTPRC}{CD86、PIM1、REL}{CD86、PIM1、STAT3}{CD86、PIM1、TNFRSF8}{CD86、PIM1、TYMS}{CD86、PTPRC、REL}{CD86、PTPRC、STAT3}{CD86、PTPRC、TNFRSF8}{CD86、PTPRC、TYMS}{CD86、REL、STAT3}{CD86、REL、TNFRSF8}{CD86、REL、TYMS}{CD86、STAT3、TNFRSF8}{CD86、STAT3、TYMS}{CD86、TNFRSF8、TYMS}{ENTPD1、FOXP1、FUT8}{ENTPD1、FOXP1、IL16}{ENTPD1、FOXP1、ITPKB}{ENTPD1、FOXP1、LRMP}{ENTPD1、FOXP1、MME}{ENTPD1、FOXP1、NF2}{ENTPD1、FOXP1、PIM1}{ENTPD1、FOXP1、PTPRC}{ENTPD1、FOXP1、REL}{ENTPD1、FOXP1、STAT3}{ENTPD1、FOXP1、TNFRSF8}{ENTPD1、FOXP1、TYMS}{ENTPD1、FUT8、IL16}{ENTPD1、FUT8、ITPKB}{ENTPD1、FUT8、LRMP}{ENTPD1、FUT8、MME}{ENTPD1、FUT8、NF2}{ENTPD1、FUT8、PIM1}{ENTPD1、FUT8、PTPRC}{ENTPD1、FUT8、REL}{ENTPD1、FUT8、STAT3}{ENTPD1、FUT8、TNFRSF8}{ENTPD1、FUT8、TYMS}{ENTPD1、IL16、ITPKB}{ENTPD1、IL16、LRMP}{ENTPD1、IL16、MME}{ENTPD1、IL16、NF2}{ENTPD1、IL16、PIM1}{ENTPD1、IL16、PTPRC}{ENTPD1、IL16、REL}{ENTPD1、IL16、STAT3}{ENTPD1、IL16、TNFRSF8}{ENTPD1、IL16、TYMS}{ENTPD1、ITPKB、LRMP}{ENTPD1、ITPKB、MME}{ENTPD1、ITPKB、NF2}{ENTPD1、ITPKB、PIM1}{ENTPD1、ITPKB、PTPRC}{ENTPD1、ITPKB、REL}{ENTPD1、ITPKB、STAT3}{ENTPD1、ITPKB、TNFRSF8}{ENTPD1、ITPKB、TYMS}{ENTPD1、LRMP、MME}{ENTPD1、LRMP、NF2}{ENTPD1、LRMP、PIM1}{ENTPD1、LRMP、PTPRC}{ENTPD1、LRMP、REL}{ENTPD1、LRMP、STAT3}{ENTPD1、LRMP、TNFRSF8}{ENTPD1、LRMP、TYMS}{ENTPD1、MME、NF2}{ENTPD1、MME、PIM1}{ENTPD1、MME、PTPRC}{ENTPD1、MME、REL}{ENTPD1、MME、STAT3}{ENTPD1、MME、TNFRSF8}{ENTPD1、MME、TYMS}{ENTPD1、NF2、PIM1}{ENTPD1、NF2、PTPRC}{ENTPD1、NF2、REL}{ENTPD1、NF2、STAT3}{ENTPD1、NF2、TNFRSF8}{ENTPD1、NF2、TYMS}{ENTPD1、PIM1、PTPRC}{ENTPD1、PIM1、REL}{ENTPD1、PIM1、STAT3}{ENTPD1、PIM1、TNFRSF8}{ENTPD1、PIM1、TYMS}{ENTPD1、PTPRC、REL}{ENTPD1、PTPRC、STAT3}{ENTPD1、PTPRC、TNFRSF8}{ENTPD1、PTPRC、TYMS}{ENTPD1、REL、STAT3}{ENTPD1、REL、TNFRSF8}{ENTPD1、REL、TYMS}{ENTPD1、STAT3、TNFRSF8}{ENTPD1、STAT3、TYMS}{ENTPD1、TNFRSF8、TYMS}{FOXP1、FUT8、IL16}{FOXP1、FUT8、ITPKB}{FOXP1、FUT8、LRMP}{FOXP1、FUT8、MME}{FOXP1、FUT8、NF2}{FOXP1、FUT8、PIM1}{FOXP1、FUT8、PTPRC}{FOXP1、FUT8、REL}{FOXP1、FUT8、STAT3}{FOXP1、FUT8、TNFRSF8}{FOXP1、FUT8、TYMS}{FOXP1、IL16、ITPKB}{FOXP1、IL16、LRMP}{FOXP1、IL16、MME}{FOXP1、IL16、NF2}{FOXP1、IL16、PIM1}{FOXP1、IL16、PTPRC}{FOXP1、IL16、RE
L}{FOXP1、IL16、STAT3}{FOXP1、IL16、TNFRSF8}{FOXP1、IL16、TYMS}{FOXP1、ITPKB、LRMP}{FOXP1、ITPKB、MME}{FOXP1、ITPKB、NF2}{FOXP1、ITPKB、PIM1}{FOXP1、ITPKB、PTPRC}{FOXP1、ITPKB、REL}{FOXP1、ITPKB、STAT3}{FOXP1、ITPKB、TNFRSF8}{FOXP1、ITPKB、TYMS}{FOXP1、LRMP、MME}{FOXP1、LRMP、NF2}{FOXP1、LRMP、PIM1}{FOXP1、LRMP、PTPRC}{FOXP1、LRMP、REL}{FOXP1、LRMP、STAT3}{FOXP1、LRMP、TNFRSF8}{FOXP1、LRMP、TYMS}{FOXP1、MME、NF2}{FOXP1、MME、PIM1}{FOXP1、MME、PTPRC}{FOXP1、MME、REL}{FOXP1、MME、STAT3}{FOXP1、MME、TNFRSF8}{FOXP1、MME、TYMS}{FOXP1、NF2、PIM1}{FOXP1、NF2、PTPRC}{FOXP1、NF2、REL}{FOXP1、NF2、STAT3}{FOXP1、NF2、TNFRSF8}{FOXP1、NF2、TYMS}{FOXP1、PIM1、PTPRC}{FOXP1、PIM1、REL}{FOXP1、PIM1、STAT3}{FOXP1、PIM1、TNFRSF8}{FOXP1、PIM1、TYMS}{FOXP1、PTPRC、REL}{FOXP1、PTPRC、STAT3}{FOXP1、PTPRC、TNFRSF8}{FOXP1、PTPRC、TYMS}{FOXP1、REL、STAT3}{FOXP1、REL、TNFRSF8}{FOXP1、REL、TYMS}{FOXP1、STAT3、TNFRSF8}{FOXP1、STAT3、TYMS}{FOXP1、TNFRSF8、TYMS}{FUT8、IL16、ITPKB}{FUT8、IL16、LRMP}{FUT8、IL16、MME}{FUT8、IL16、NF2}{FUT8、IL16、PIM1}{FUT8、IL16、PTPRC}{FUT8、IL16、REL}{FUT8、IL16、STAT3}{FUT8、IL16、TNFRSF8}{FUT8、IL16、TYMS}{FUT8、ITPKB、LRMP}{FUT8、ITPKB、MME}{FUT8、ITPKB、NF2}{FUT8、ITPKB、PIM1}{FUT8、ITPKB、PTPRC}{FUT8、ITPKB、REL}{FUT8、ITPKB、STAT3}{FUT8、ITPKB、TNFRSF8}{FUT8、ITPKB、TYMS}{FUT8、LRMP、MME}{FUT8、LRMP、NF2}{FUT8、LRMP、PIM1}{FUT8、LRMP、PTPRC}{FUT8、LRMP、REL}{FUT8、LRMP、STAT3}{FUT8、LRMP、TNFRSF8}{FUT8、LRMP、TYMS}{FUT8、MME、NF2}{FUT8、MME、PIM1}{FUT8、MME、PTPRC}{FUT8、MME、REL}{FUT8、MME、STAT3}{FUT8、MME、TNFRSF8}{FUT8、MME、TYMS}{FUT8、NF2、PIM1}{FUT8、NF2、PTPRC}{FUT8、NF2、REL}{FUT8、NF2、STAT3}{FUT8、NF2、TNFRSF8}{FUT8、NF2、TYMS}{FUT8、PIM1、PTPRC}{FUT8、PIM1、REL}{FUT8、PIM1、STAT3}{FUT8、PIM1、TNFRSF8}{FUT8、PIM1、TYMS}{FUT8、PTPRC、REL}{FUT8、PTPRC、STAT3}{FUT8、PTPRC、TNFRSF8}{FUT8、PTPRC、TYMS}{FUT8、REL、STAT3}{FUT8、REL、TNFRSF8}{FUT8、REL、TYMS}{FUT8、STAT3、TNFRSF8}{FUT8、STAT3、TYMS}{FUT8、TNFRSF8、TYMS}{IL16、ITPKB、LRMP}{IL16、ITPKB、MME}{IL16、ITPKB、NF2}{IL16、ITPKB、PIM1}{IL16、ITPKB、PTPRC}{IL16、ITPKB、REL}{IL16、ITPKB、STAT3}{IL16、ITPKB、TNFRSF8}{IL16、ITPKB、TYMS}{IL16、LRMP、MME}{IL16、LRMP、NF2}{IL16、LRMP、PIM1}{IL16、LRMP、PTPRC}{IL16、LRMP、REL}{IL16、LRMP、STAT3}{IL16、LRMP、TNFRSF8}{IL16、LRMP、TYMS}{IL16、MME、NF2}{IL16、MME、PIM1}{IL16、MME、PTPRC}{IL16、MME、REL}{IL16、MME、STAT3}{IL16、MME、TNFRSF8}{IL16、MME、TYMS}{IL16、NF2、PIM1}{IL16、NF2、PTPRC}{IL16、NF2、REL}{IL16、NF2、STAT3}{IL16、NF2、TNFRSF8}{IL16、NF2、TYMS}{IL16、PIM1、PTPRC}{IL16、PIM1、REL}{IL16、PIM1、STAT3}{IL16、PIM1、TNFRSF8}{IL16、PIM1、TYMS}{IL16、PTPRC、REL}{IL16、PTPRC、STAT3}{IL16、PTPRC、TNFRSF8}{IL16、PTPRC、TYMS}{IL16、REL、STAT3}{IL16、REL、TNFRSF8}{IL16、REL、TYMS}{IL16、STAT3、TNFRSF8}{IL16、STAT3、TYMS}{IL16、TNFRSF8、TYMS}{ITPKB、LRMP、MME}{ITPKB、LRMP、NF2}{ITPKB、LRMP、PIM1}{ITPKB、LRMP、PTPRC}{ITPKB、LRMP、REL}{ITPKB、LRMP、STAT3}{ITPKB、LRMP、TNFRSF8}{ITPKB、LRMP、TYMS}{ITPKB、MME、NF2}{ITPKB、MME、PIM1}{ITPKB、MME、PTPRC}{ITPKB、MME、REL}{ITPKB、MME、STAT3}{ITPKB、MME、TNFRSF8}{ITPKB、MME、TYMS}{ITPKB、NF2、PIM1}{ITPKB、NF2、PTPRC}{ITPKB、NF2、REL}{ITPKB、NF2、STAT3}{ITPKB、NF2、TNFRSF8}{ITPKB、NF2、TYMS}{ITPKB、PIM1、PTPRC}{ITPKB、PIM1、REL}{ITPKB、PIM1、STAT3}{ITPKB、PIM1、TNFRSF8}{ITPKB、PIM1、TYMS}{ITPKB、PTPRC、REL}{ITPKB、PTPRC、STAT3}{ITPKB、PTPRC、TNFRSF8}{ITPKB、PTPRC、TYMS}{ITPKB、REL、STAT3}{ITPKB、REL、TNFRSF8}{ITPKB、REL、TYMS}{ITPKB、STAT3、TNFRSF8}{ITPKB、STAT3、TYMS}{ITPKB、TNFRSF8、TYMS}{LRMP、MME、NF2}{LRMP、MME、PIM1}{LRMP、MME、PTPRC}{LRMP、MME、REL}{LRMP、MME、STAT3}{LRMP、MME、TNFRSF8}{LRMP、MME、TYMS}{LRMP、NF2、PIM1}{LRMP、NF2、PTPRC}{LRMP、NF2、REL}{LRMP、NF2、STAT3}{LRMP、NF2、TNFRSF8}{LRMP、NF2、TYMS}{LRMP、PIM1、PTPRC}{LRMP、PIM1、REL}{LRMP、PIM1、STAT3}{LRMP、PIM1、TNFRSF8}{LRMP、PIM1、TYMS}{LRMP、PTPRC、REL}{LRMP、PTPRC、STAT3}{LRMP、PTPRC、TNFRSF8}{LRMP、PTPRC、TYMS}{LRMP、REL、STAT3}{LRMP、REL、TNFRSF8}{LRMP、REL、TYMS}{LRMP、STAT3、TNFRSF8}{LRMP、STAT3、TYMS}{LRMP、TNFRSF8、TYMS}{MME、NF2、PIM1}{MME、NF2、PTPRC}{MME、NF2、REL}{MME、NF2、STAT3}{MME、NF2、TNFRSF8}{MME、NF2、TYMS}{MME、PIM1、PTPRC}{MME、PIM1、REL}{MME、PIM1、STAT3}{MME、PIM1、TNFRSF8}{MME、PIM1、TYMS}{MME、PTPRC、REL}{MME、PTPRC、STAT3}{MME、PTPRC、TNFRSF8}{MME、PTPRC、TYMS}{MME、REL、STAT3}{MME、REL、TNFRSF8}{MME、REL、TYMS}{MME、STAT3、TNFRSF8}{MME、STAT3、TYMS}{MME、TNFRSF8、TYMS}{NF2、PIM1、PTPRC}{NF2、PIM1、REL}{NF2、PIM1、STAT3}{NF2、PIM1、TNFRSF8}{NF2、PIM1、TYMS}{NF2、PTPRC、REL}{NF2、PTPRC、STAT3}{NF2、PTPRC、TNFRSF8}{NF2、PTPRC、TYMS}{NF2、REL、STAT3}{NF2、REL、TNFRSF8}{NF2、REL、TYMS}{NF2、STAT3、TNFRSF8}{NF2、STAT3、TYMS}{NF2、TNFRSF8、TYMS}{PIM1、PTPRC、REL}{PIM1、PTPRC、STAT3}{PIM1、PTPRC、TNFRSF8}{PIM1、PTPRC、TYMS}{PIM1、REL、STAT3}{PIM1、REL、TNFRSF8}{PIM1、REL、TYMS}{PIM1、STAT3、TNFRSF8}{PIM1、STAT3、TYMS}{PIM1、TNFRSF8、TYMS}{PTPRC、REL、STAT3}{PTPRC、REL、TNFRSF8}{PTPRC、REL、TYMS}{PTPRC、STAT3、TNFRSF8}{PTPRC、STAT3、TYMS}{PTPRC、TNFRSF8、TYMS}{REL、STAT3、TNFRSF8}{REL、STAT3、TYMS}{REL、TNFRSF8、TYMS}{STAT3、TNFRSF8、TYMS}
の発現を決定または測定することを含む。
III.遺伝子発現情報の入手
遺伝子発現は、生物体のゲノム内の遺伝した情報(例えば、遺伝子;DNA領域)が具体的な機能的産物(時には遺伝子産物と呼ばれる)に変換されるプロセスである。遺伝子産物としては、RNA(リボ核酸)およびタンパク質が挙げられる。特定の生体試料中の遺伝子発現は、そのような試料中のRNA(mRNA、tRNA、rRNAおよび/またはmiRNAなど)またはタンパク質を含めた遺伝子産物の発現を検出することによって測定することができる。一部の例では、遺伝子発現を、標的核酸(例えば、mRNA)に結合する1種または複数のプローブについて配列決定することによって測定する。
目的の試料中の遺伝子発現を測定するための様々な技法が利用可能である(または利用可能になり得る)。しかし、本開示は、遺伝子発現を得る、測定する、または検出する、特定の方法に限定されない。そのような技法の多くは、そのような試料中で発現する遺伝子の産物(例えば、核酸(RNAなど)および/またはタンパク質)を検出することを伴う。遺伝子の活性または染色体DNAの活性(例えば、転写速度)を、それによりもたらされる遺伝子産物の測定とは独立して直接検出することも可能であり得(または可能になり得)、そのような技法も、本明細書に開示されている方法において有用である。
DLBCL亜型の決定に遺伝子発現を利用することができる。例えば、2種またはそれより多い遺伝子(2種またはそれより多いDLBCLシグネチャー遺伝子など)の遺伝子発現を、DLBCL腫瘍がGCB亜型のものであるか非GCB(例えば、ABC)亜型のものであるか、または未分類であるかを決定することに利用する。一部の実施形態では、DLBCLシグネチャーは、(1)CD47、CD86、IL16、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの2種もしくはそれより多く、または(2)CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの2種もしくはそれより多く(例えば、全て)を含む。DLBCLマーカー(複数可)の他の具体的な例としては、CD47、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、NF2、PIM1、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの2種もしくはそれより多く(2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、または10種など)(ABC分類に関連付けられる)、またはCD86、ITPKB、LRMP、MME、PTPRC、およびRELの2種もしくはそれより多く(2種、3種、4種、5種、または6種など)(GCB分類に関連付けられる)が挙げられる。
A.核酸遺伝子産物の検出
核酸遺伝子産物は、名称が示す通り、核酸である遺伝子発現の産物である。例示的な核酸としては、DNAまたはRNA、例えば、cDNA、タンパク質コードRNA(例えば、mRNA)または非コードRNA(例えば、長い、非コード(lnc)RNA)が挙げられる。RNAまたはDNAの相補鎖間の塩基対合(すなわち、核酸ハイブリダイゼーション)により、核酸遺伝子産物を検出するための技法の大きな代表的なクラスについて基礎の全部または一部が形成される。他の代表的な検出技法は、核酸配列決定を伴い、これは、ハイブリダイゼーションステップおよび/またはバイオインフォマティクスステップ(例えば、核酸配列情報をその対応する遺伝子に関連付けるため)を伴っても伴わなくてもよい。これらおよび他の核酸を検出する方法は、当技術分野で公知であり、代表的な技法が本明細書に記載されているが、本開示は特定の核酸検出方法に限定されない。
1.任意選択の核酸単離
一部の例では、核酸を、試料中のそのような核酸を相補的な核酸プローブもしくはプライマーと接触させ、かつ/または他の様式で試料中のそのような核酸を検出する前に、試験試料から単離または抽出する。核酸(RNA(例えば、mRNAまたはlncRNA)またはDNAなど)は、いくつかの方法のいずれかに従って試料から単離することができる。核酸を単離および精製する代表的な方法は、Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology: Hybridization With Nucleic Acid Probes, Part I. Theory and Nucleic Acid Preparation、P. Tijssen編、Elsevier、N.Y.(1993年)の第3章およびLaboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology: Hybridization With Nucleic Acid Probes、Part I. Theory and Nucleic Acid Preparation, P. Tijssen編、Elsevier、N.Y.(1993年)の第3章に詳しく記載されている。RNA(例えば、mRNAまたはlncRNA)抽出の代表的な方法も同様に当技術分野で周知であり、Ausubelら、Current Protocols of Molecular Biology、John Wiley and Sons(1997年)を含めた分子生物学の標準的な教本に開示されている。
核酸(例えば、RNA(mRNAまたはlncRNAなど)またはDNA)を試料から単離または抽出した後、単離された核酸の濃度の測定、分解されたもしくは損傷を受けたRNAの修復(または回復)、RNA逆転写、および/またはRNAもしくはDNAの増幅を含めた、いくつかの任意選択の他のステップのいずれかを実施して、そのような核酸を検出のために調製することができる。
他の例では、試料(例えば、FFPE組織試料)を緩衝液(例えば、溶解緩衝液)に懸濁させ、懸濁試料中に存在する核酸(RNAまたはDNAなど)をそのような懸濁試料から単離または抽出(例えば、全体的にまたは部分的に精製)せずにそのような懸濁物中で1種または複数の相補的な核酸プローブ(例えば、NPPまたはNPPF)と接触させ、それにより、試料から核酸(例えば、RNA)を単離または抽出する必要性を排除する。この実施形態は、懸濁試料中に存在する核酸(RNAまたはDNAなど)が細胞構造に架橋結合するかまたは固定されており、容易に単離可能または抽出可能ではない場合に特に有利である。一部の非抽出方法の実施形態では、比較的短い(例えば、100塩基対未満、例えば、75〜25塩基対または50〜25塩基対)検出用プローブが有用である。試料中の核酸(例えば、RNA)を、そのような核酸を事前に抽出せずに検出するための具体的な方法(例えば、qNPAおよびqNPS)が本明細書に記載されている。
2.核酸ハイブリダイゼーション
一部の例では、本明細書において提供される方法において、2種またはそれより多い開示されているDLBCLバイオマーカー(表1のDLBCLバイオマーカーの2種またはそれより多くなど)の発現レベルを決定することは、試料を、それぞれが表1のバイオマーカーに特異的でありそれと相補的である複数の核酸プローブ(NPPまたはNPPF+CFSなど)または増幅プライマーの対と、複数の核酸プローブまたはプライマーの対が、表1の、それ/それらの相補的なバイオマーカーとハイブリダイズすることが可能になる条件下で接触させることを含んでよい。一例では、方法は、試料を複数の核酸プローブ(NPPまたはNPPF+CFSなど)と接触させた後、試料を、一本鎖核酸分子を消化するヌクレアーゼと接触させることも含んでよい。他の例では、表2の少なくとも2種のバイオマーカーのそれぞれを、そのようなバイオマーカーのそれぞれに特異的な多数の(例えば、少なくとも2種、少なくとも5種、または少なくとも10種のプローブ、例えば、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、または10種の)プローブ(例えば、NPPまたはNPPF)からなる「タイル状プローブ」と接触させ、この設計は、例えば、そのような遺伝子産物から得られるシグナルを増大させるため、または同じ遺伝子産物の多数のバリアントを検出するために有用であり得る。例えば、タイル状プローブセット内の各プローブは、標的核酸分子の異なる領域に結合し得る(またはわずかに重複する)。
一部の例では、核酸を、核酸ハイブリダイゼーションによって検出する。核酸ハイブリダイゼーションは、プローブおよび標的核酸(例えば、表1の標的核酸のうちの少なくとも2種)を、プローブと、その相補的な標的が、相補的な塩基対合によって安定なハイブリッド2重鎖を形成することが可能な条件下で提供することを伴う。一部の例では、次いで、ハイブリッド2重鎖を形成していない核酸を除去し(例えば、洗い流すか、ヌクレアーゼによって消化するかまたは物理的に除去し)、ハイブリダイズした核酸は、例えば、(直接的または間接的に)付着させた検出可能な標識の検出によって検出されるように残す。具体的な例では、ハイブリッド2重鎖を形成していない核酸、例えば、そのそれぞれの標的とハイブリダイズしない任意の過剰なプローブ、および標的配列のプローブと相補的ではない領域を、ヌクレアーゼを添加することによって消化し、相補的なプローブの標的配列のハイブリッド2重鎖だけを残すことができる。
核酸を含有する緩衝液の温度を上昇させることおよび/または塩濃度を低下させることにより核酸が変性することが一般に認識されている。低ストリンジェンシー条件下(例えば、低温および/または高塩濃度)では、アニーリングされる配列が完全に相補的でない場合であってもハイブリッド2重鎖(例えば、DNA:DNA、RNA:RNA、またはRNA:DNA)が形成される。したがって、ハイブリダイゼーションの特異性は、より低いストリンジェンシーでは低下する。逆に、より高いストリンジェンシー(例えば、より高い温度またはより低い塩濃度)では、上首尾のハイブリダイゼーションにはミスマッチがより少ないことが必要になる。種々の程度のストリンジェンシーがもたらされるようにハイブリダイゼーション条件を設計できることが当業者には理解されよう。プローブ内に非天然塩基を含めることによって、例えば、ロックド核酸またはペプチド核酸を含めることによって、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを低下させることなくハイブリダイゼーションの強度を増加させることができ、したがって、高ストリンジェンシー緩衝液におけるハイブリダイゼーションの特異性を維持することができる。
これらの方法によって検出される核酸の発現および/または核酸の存在の変化としては、例えば、そのような核酸のレベル(量)もしくは機能活性の、それらの発現もしくはタンパク質への翻訳の、またはそれらの局在化もしくは安定性の増大もしくは低減を挙げることができる。例えば、正規化バイオマーカーと比較した増大または低減は、例えば、少なくとも1倍、少なくとも2倍、または少なくとも5倍、例えば、約1倍、2倍、3倍、4倍、5倍の、表1に示されているバイオマーカーに対応する核酸などの特定の核酸の発現および/または存在の変化(増大または低減)であり得る。
一例では、多重化された方法体系を使用して遺伝子発現を測定する。そのような方法では、単一の試料において複数の測定(例えば、遺伝子発現測定)を行うことができる。単一の試料における多数の遺伝子のモニタリングを可能にする種々の技術が発展してきた(例えば、従来のマイクロアレイ、多重化PCR、遺伝子発現連鎖分析(SAGE;例えば、米国特許第5,866,330号)、多重ライゲーション依存性プローブ増幅(MLPA)、ハイスループットな配列決定、標識されたビーズに基づく技術(例えば、米国特許第5,736,330号および同第6,449,562号)、デジタル分子バーコード化技術(例えば、米国特許第7,473,767号)。
アレイは、遺伝子発現の多重検出のためのツールのセットの1つである。アレイは、値(例えば、遺伝子発現値)のセットを同定の鍵と関連付けることができる、エレメント(例えば、分析物捕捉試薬(標的特異的オリゴヌクレオチドプローブ、アプタマー、または抗体など))の系統的な配置である。整列されたエレメントは、別々に同定可能な表面(例えば、フローチャネルまたはビーズ)を使用して、またはその組み合わせによって、単一の表面上で系統的に同定することができる(例えば、空間的マッピングによってまたは示差的なタグ付けによって)。
他の有用な実施形態は、多数の試料を一度に照会することができる、ハイスループットな方法体系を伴う。ハイスループットな多重化実施形態(複数の試料中の複数の遺伝子の発現を同時に測定すること)も意図されている。開示されているバイオマーカーを検出するために使用することができる方法およびアッセイ系の例は、ハイスループットなアッセイ技法が記載されている限りは参照により本明細書に組み込まれる、国際特許公開第WO2003/002750号および同第WO2008/121927号、同第WO1999/032663号、同第WO2000/079008号、同第WO/2000/037684号、および同第WO2000/037683号ならびに米国特許第6,232,066号、同第6,458,533号、同第6,238,869号、および同第7,659,063号に開示されているハイスループットなアッセイ技法である。
一部のアレイの実施形態では、2種またはそれより多い、表1に示されている遺伝子の産物を捕捉(直接的または間接的に)するために設計された目的の核酸配列(オリゴヌクレオチドなど)をマイクロチップ基材上にプレーティングするかまたは整列させる。例えば、アレイは、表2に示されている遺伝子のうちの少なくとも2種(表1に示されている遺伝子のうちの少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、少なくとも8種、少なくとも9種、少なくとも10種、または16種全てなど)に対して十分な相補性を有するオリゴヌクレオチドを含んでよい。他の例では、アレイは、CD47、CD86、IL16、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSのうちの少なくとも2種、例えば、CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8の2種またはそれより多く、例えば、表1に示されている遺伝子のうちの少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、少なくとも8種、少なくとも9種、少なくとも10種、または16種全ての産物と相補的な部分を有するヌクレアーゼ保護プローブ(NPP)の一部分と相補的なオリゴヌクレオチドを含んでよい。
次いで、整列させた配列を、試験試料(例えば、ABCまたはGCBとしての特徴付けが望まれる対象から得たDLBCL試料)に由来するcDNAまたはRNA(例えば、mRNA、miRNAおよび/またはlncRNA)などの核酸とハイブリダイズさせる。一例では、試験試料由来の核酸(単離することができる)を標識し、その結果、それらと、アレイ上の特異的な相補的オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションを決定することができる。あるいは、試験試料核酸を標識せず、例えば、標識された、標的と相補的な追加的なオリゴヌクレオチドを使用したサンドイッチアッセイを使用してアレイ上のオリゴヌクレオチドと標的核酸とのハイブリダイゼーションを検出する。
一実施形態では、試料核酸に付着させたまたは標的核酸と直接的もしくは間接的にハイブリダイズする核酸プローブに付着させた1種または複数の標識を検出することによって、ハイブリダイズした核酸を検出する。標識は、いくつかの方法のいずれかによって組み入れることができる。一例では、試料核酸の調製における増幅ステップの間に標識を同時に組み入れる。したがって、例えば、標識されたプライマーまたは標識されたヌクレオチドを用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、標識された増幅産物がもたらされる。一実施形態では、標識されたヌクレオチド(フルオレセインで標識されたUTPおよび/またはCTPなど)を使用した転写増幅により、転写される核酸に標識が組み入れられる。
開示されている方法(例えば、核酸またはタンパク質の検出または配列決定のための)のいずれかにおける使用に適した検出可能な標識としては、別の分子(核酸分子またはヌクレオチドなど)と、その分子の検出を容易にするために直接的または間接的にコンジュゲートした、例えば、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的または化学的な手段によって検出可能な任意の化合物または組成物が挙げられる。標識の非限定的な例としては、蛍光および蛍光発生部分、色素形成部分、ハプテン、アフィニティータグ、酵素、ならびに放射性同位元素が挙げられる。有用な標識としては、標識されたストレプトアビジンコンジュゲートを用いた染色用のビオチン、磁気ビーズ(例えば、DYNABEADS(商標))、蛍光色素(例えば、フルオレセイン、テキサスレッド、ローダミン、緑色蛍光タンパク質など)、放射性標識(例えば、H、125I、35S、14C、または32P)、酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼおよびELISAに一般に使用される他のもの)、およびコロイド金または色ガラスまたはプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)ビーズなどの比色標識が挙げられる。そのような標識の使用が教示されている特許として、米国特許第3,817,837号;米国特許第3,850,752号;米国特許第3,939,350号;米国特許第3,996,345号;米国特許第4,277,437号;米国特許第4,275,149号;および米国特許第4,366,241号が挙げられる。
そのような標識を検出する手段も周知である。したがって、例えば、放射性標識は、写真フィルムまたはシンチレーションカウンターを使用して検出することができ、蛍光マーカーは、放出された光を検出する光検出器を使用して検出することができる。酵素標識は、一般には、酵素に基質を提供し、基質に対する酵素の作用によって生成される反応産物を検出することによって検出され、比色標識は、単に呈色した標識を可視化することによって検出される。
標識は、ハイブリダイゼーションの前に、またはその後に標的(試料)核酸(複数可)に付加することができる。いわゆる「直接標識」は、ハイブリダイゼーション前に標的(試料)核酸に直接付着させるまたは組み入れる、検出可能な標識である。対照的に、いわゆる「間接標識」は、ハイブリダイゼーション後にハイブリッド2重鎖に接合させる。多くの場合、間接標識は、ハイブリダイゼーション前に標的核酸に付着させた結合性部分に付着させる。したがって、例えば、標的核酸を、ハイブリダイゼーション前にビオチン化することができる。ハイブリダイゼーション後、アビジンとコンジュゲートしたフルオロフォアは、ビオチンを有するハイブリッド2重鎖に結合し、これは、容易に検出される標識を提供する(Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology、24巻: Hybridization With Nucleic Acid Probes、P. Tijssen編、Elsevier、N.Y.、1993年を参照されたい)。
色素形成in situハイブリダイゼーション(CISH)および銀in situハイブリダイゼーション(SISH)などのin situハイブリダイゼーション(ISH)は、目的の遺伝子(表1の遺伝子のうちの少なくとも2種など)の発現を検出し、比較するための例示的な方法である。ISHは、相補的な核酸を使用して1種または複数の特異的な核酸配列を組織(in situ)の一部分もしくは切片に、または、組織が十分に小さな場合には組織全体(ホールマウントISH)に局在化させる、ハイブリダイゼーションの一種である。RNA ISHを使用して、表1のバイオマーカーの発現など、組織における発現パターンをアッセイすることができる。DNA ISH(CISHおよびSISHなど)を使用して、核酸をゲノムレベルで検出することができる。
試料細胞または組織を、表1のバイオマーカーに特異的なプローブなどのプローブの細胞への侵入を可能にするそれらの透過性が増大するように処理する。処理した細胞にプローブを添加し、適切な温度でハイブリダイズさせ、過剰なプローブを洗い流す。相補的なプローブは、放射性タグ、蛍光タグまたは抗原性タグなどの検出可能な標識で標識することができ、したがって、例えば、オートラジオグラフィー、蛍光顕微鏡またはイムノアッセイを使用して組織内のプローブの位置および数量を決定することができる。
in situ PCRは、ISH前の、標的核酸配列のPCRに基づく増幅である。RNAの検出に関しては、in situ PCRの前に細胞内逆転写ステップを導入してRNA鋳型から相補DNAを生成する。これにより、低コピーRNA配列の検出が可能になる。in situ PCRの前に、細胞または組織試料を固定し、透過処理して形態を保存し、増幅する細胞内配列へのPCR試薬の接近を可能にする。次に、標的配列のPCR増幅を、懸濁物中に保持されたインタクトな細胞において、または直接ガラススライド上の細胞遠心調製物もしくは組織切片において実施する。前者の手法では、PCR反応混合物に懸濁させた固定細胞を、従来のサーマルサイクラーを使用して熱サイクルにかける。PCRの後、細胞をガラススライド上で細胞遠心し、それと共に、細胞内PCR産物をISHまたは免疫組織化学によって可視化する。カバーガラスの下、PCR混合物で試料の表面を覆い、次いでそれを密閉して反応混合物の蒸発を防止することにより、ガラススライド上でのin situ PCRを実施する。熱サイクルは、ガラススライドを従来のもしくは特別に設計されたサーマルサイクラーの加熱ブロックの上部に直接置くことによって、または熱サイクルオーブンを使用することによって達成される。
細胞内PCR産物の検出は、一般に、2種の異なる技法、PCR産物特異的プローブを用いたISHによる間接in situ PCR、または、熱サイクルの間にPCR産物中に組み入れられた標識されたヌクレオチド(ジゴキシゲニン−11−dUTP、フルオレセイン−dUTP、3H−CTPまたはビオチン−16−dUTPなど)を直接検出することによる、ISHを伴わない直接in situ PCR、の一方により達成される。
3.核酸の増幅
一部の例では、標的核酸分子(核酸遺伝子産物(例えば、mRNAまたはlncRNA)など)を、それらを検出するための手段として(またはそれらの検出におけるステップとして)増幅する。一部の例では、増幅の間に、例えば、リアルタイムRT−PCRを使用することによって核酸発現レベルを決定する。したがって、増幅方法および適切なプライマーを使用して試料中の表1のDLBCLバイオマーカーの1種または複数を検出することができる(例えば、定量的に)。
使用することができるin vitro増幅方法の例としては、これだけに限定されないが、定量的リアルタイムPCR、リアルタイム定量的RT−PCR、鎖置換増幅;無転写等温増幅;修復鎖反応増幅;リガーゼ連鎖反応増幅;ギャップ充填リガーゼ連鎖反応増幅;カップリングしたリガーゼ検出およびPCRおよびNASBA(商標)RNA無転写増幅が挙げられる。一例では、ライゲーションに基づく増幅方法を使用する。
4.RNA配列決定
RNA配列決定を使用して、多重化され、かつ一部の実施形態ではハイスループットな、遺伝子発現情報、例えば、表1のマーカーの発現に関する情報を得ることができる。RNA配列決定の方法は公知である(例えば、ChuおよびCorey、Nuc. Acid Therapeutics、22巻:271頁(2012年)を参照されたい)。全トランスクリプトーム配列決定および標的化RNA配列決定技法のそれぞれが、開示されている方法において利用可能であり、有用である。配列決定に基づく遺伝子発現分析のための代表的な方法としては、遺伝子発現連鎖分析(SAGE)、大規模並列処理シグネチャー配列決定(MPSS)による遺伝子発現分析、全トランスクリプトームショットガン配列決定(別称、WTSSまたはRNA−Seq)、またはヌクレアーゼ保護配列決定(別称、qNPSまたはNPSeq;PCT公開第WO2012/151111号参照;以下でより詳細に考察されている)が挙げられる。
5.定量的ヌクレアーゼ保護アッセイ(qNPA)
一部の例では、試料中の、発現を測定しようとする核酸分子を、例えば、全て、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際特許公開第WO99/032663号;同第WO00/037683号;同第WO00/037684号;同第WO00/079008号;同第WO03/002750号;同第WO08/121927号;および同第WO2012/151111号ならびに米国特許第6,238,869号;同第6,458,533号;同第7,659,063号、および同第8,741,564号に記載されている通り、定量的ヌクレアーゼ保護アッセイを利用して試料中で検出する。Martelら、Assay and Drug Development Technologies.、2002年、1巻(1−1号):61〜71頁;Martelら、Progress in Biomedical Optics and Imaging、2002年、3巻:35〜43頁;Martelら、Gene Cloning and Expression Technologies、Q. LuおよびM. Weiner編、Eaton Publishing、Natick(2002年);Seligmann PharmacoGenomics、2003年、3巻:36〜43頁;Martelら、「Microarray Technologies and Applications」中の「Array Formats」、U.R. MullerおよびD. Nicolau編、Springer−Verlag、Heidelberg(2005年);Sawadaら、Toxicology in Vitro、20巻:1506〜1513頁、2006年;Bakirら、Bioorg. & Med. Chem Lett、17巻:3473〜3479頁、2007年;Krisら、Plant Physiol.、144巻:1256〜1266頁、2007年;Robertsら、Laboratory Investigation、87巻:979〜997頁、2007年;Rimszaら、Blood、2008年10月15日、112巻(8号):3425〜3433頁;Pechholdら、Nature Biotechnology、27巻:1038〜1042頁、2009年も参照されたい。これらの全てが参照により本明細書に完全に組み込まれる。
qNPA法を使用して、ヌクレアーゼ保護プローブ(NPP)を標的配列(表1の配列など)にハイブリダイズさせ、その後、試料を、一本鎖核酸分子を消化するヌクレアーゼと一緒にインキュベートする。したがって、NPPが検出された場合には(例えば、ヌクレアーゼによって消化されない)、プローブの標的、例えば、表1に示されている標的核酸が試料中に存在し、この存在を定量化することができる。NPPを個々の標的に対して設計し、同定(例えば、アレイ上での(qNPAと称される)または配列決定による(qNPSと称される))のためのカクテルとしてアッセイに添加することができる。したがって、多数の遺伝子標的を同じアッセイおよび/またはアレイ内で測定することができる(例えば、多数のNPPを使用することによって)。
NPPは、標的核酸(例えば、mRNA)に対して、標的核酸と特異的にハイブリダイズすることを可能にする十分な相補性を有する核酸分子(DNAまたはRNAなど)である。NPPにより、相補的な標的核酸分子が一本鎖核酸に特異的なヌクレアーゼなどのヌクレアーゼによる切断から保護される。一部の例では、NPPは、少なくとも35ヌクレオチド(40〜80または50〜150ヌクレオチドなど)であり、標的核酸分子と少なくとも90%、少なくとも95%、または100%の相補性を共有する。NPPは、非天然塩基を含み得る。一部の例では、開示されている方法を使用して、試料中のいくつかの異なる標的核酸分子(表1に列挙されているものなど)を複数のNPP(NPPFなど、以下を参照されたい)を使用して検出(または配列決定)し、ここで、各NPP(またはNPPF)は特定の標的核酸分子に特異的に結合する。
具体的な例では、NPPは、5’末端および/または3’末端に1つまたは複数の隣接配列をさらに含み、NPPFと称される(U.S.8,741,564参照)。NPPFは、標的核酸分子の全部または一部分と相補的な配列を含み、したがって、標的核酸分子とNPPFの間の特異的な結合またはハイブリダイゼーションが可能になる。例えば、標的核酸分子の領域と相補的なNPPFの領域は、高い特異性を有する標的核酸分子の領域と結合するまたはハイブリダイズする(また、一部の例では、二機能性リンカーの領域にも結合し得る)。標的核酸分子の領域と相補的なNPPFの部分は、少なくとも6ヌクレオチドの長さ、例えば、少なくとも10、少なくとも25、または少なくとも60、例えば、6〜60ヌクレオチドの長さであり得る。NPPFは、NPPFの5’末端および/または3’末端に1つまたは複数の隣接配列をさらに含む。したがって、1つまたは複数の隣接配列は、標的核酸分子と相補的な配列に対して5’側、3’側、またはその両方に位置する。一部の例では、NPPFが5’末端と3’末端の両方に隣接配列を含む場合、各NPPFの配列は異なり、相補的ではない。隣接配列(複数可)は、試料中に存在する核酸分子には見いだされない配列(例えば、少なくとも6ヌクレオチド、少なくとも12ヌクレオチド、または少なくとも25ヌクレオチド、例えば、12〜50ヌクレオチドの配列)を有するいくつかの連続したヌクレオチドを含み、ユニバーサルハイブリダイゼーションおよび/または増幅配列をもたらす。このユニバーサルハイブリダイゼーションおよび/または増幅配列が増幅プライマーの少なくとも一部分と相補的な配列を有する場合、同じ増幅プライマーを使用して異なる標的核酸分子に特異的なNPPFを増幅することができるので、多重化が可能になる。それにより、検出可能な標識をNPPFに付加するため、またはNPPFを捕捉し濃縮するために使用することができる全てのNPPFに対するユニバーサルハイブリダイゼーション配列ももたらされる。例えば、異なる標的核酸分子に特異的なNPPF上に同じ隣接配列が存在する場合、NPPFが異なる核酸分子を標的とするものであっても、同じ隣接配列を有する任意のNPPFを増幅するために同じプライマーを使用することができる。例えば、隣接配列を使用して、NPPFを、例えば表面上に捕捉することができる。隣接配列は、特異的なNPPFそれぞれに対して特異的な配列などの可変配列を含有していてもよく、表面上のそのNPPFを捕捉するため、または他の目的、例えば、NPPFを同定するために使用することができる。一部の例では、NPPFは、少なくとも35ヌクレオチド、例えば、40〜80または50〜150ヌクレオチドである。一部の例では、NPPFは、2つの隣接配列を含み、一方は5’末端にあり、他方は3’末端にある。一部の例では、5’末端にある隣接配列は、3’末端にある隣接配列とは異なる。さらに、NPPFが2つの隣接配列を含む場合、2つの隣接配列は同様の融解温度(Tm)、例えば、+/−5℃のTmを有することが理想的である。
一部の実施形態では、NPPまたはNPPFは、標的配列の全部または一部と特異的にハイブリダイズする、および/またはそれと相補的である。したがって、NPPおよびNPPFは、標的核酸分子と相補的な少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも45個、少なくとも50個、少なくとも55個、少なくとも60個、少なくとも65個、少なくとも70個、少なくとも75個、またはそれより多い連続的ヌクレオチドを含み得る。一部の例では、NPPおよびNPPFは、標的核酸分子と相補的な500ヌクレオチド以下、例えば、400個以下、300個以下、250個以下、200個以下、100個以下、50個以下、もしくはさらには25個以下の連続的ヌクレオチド(例えば、標的核酸分子と相補的な10〜500ヌクレオチド、10〜400ヌクレオチド、10〜250ヌクレオチド、10〜200ヌクレオチド、10〜100ヌクレオチド、25〜75ヌクレオチド、10〜60ヌクレオチド、40〜80ヌクレオチド、100〜200ヌクレオチドなど)、または10〜50個の連続的ヌクレオチドである。特定の例では、NPPおよびNPPFは、本明細書に開示されている標的配列(例えば、表1のもの)などの標的核酸配列またはその一部分と相補的な、少なくとも10ヌクレオチドの長さ、例えば、少なくとも10個の連続したヌクレオチドである。本開示の方法を実施するために使用することができる特定の長さのNPPおよびNPPFは、標的核酸分子またはその一部分と相補的な少なくとも10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、30個、31個、32個、33個、34個、35個、36個、37個、38個、39個、40個、41個、42個、43個、44個、45個、46個、47個、48個、49個、50個、51個、52個、53個、54個、55個、56個、57個、58個、59個、60個、61個、62個、63個、64個、65個、66個、67個、68個、69個、70個、71個、72個、73個、74個、75個、またはそれより多い連続したヌクレオチドを有するプローブを含む。一部の例では、NPPおよびNPPFは、標的配列の逆相補物に対して少なくとも95%の配列同一性(例えば、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、またはさらには100%の配列同一性)を有する核酸配列を含む(またはNPPはそれからなる)。一部の例では、NPPおよびNPPFは、標的核酸分子の逆相補物と比較して1カ所、2カ所、3カ所、またはそれより多いミスマッチを含み得る。
一部の例では、NPPおよびNPPFは、1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、またはそれより多く)の合成塩基または代替塩基(イノシンなど)を含み得る。他の例では、NPPは、1つまたは複数の修飾されたヌクレオチドまたは核酸類似体、例えば、1つもしくは複数のロックド核酸(例えば、米国特許第6,794,499号を参照されたい)または1つもしくは複数のペプチド核酸を含み得る。修飾されたヌクレオチド、非天然ヌクレオチド、合成または代替ヌクレオチドは、NPPまたはNPPFの1つまたは複数の位置(例えば、1カ所、2カ所、3カ所、4カ所、5カ所、またはそれより多い位置)に使用することができる。NPPおよびNPPF、例えば、NPPまたはNPPF内の指定の位置にヌクレオチドの混合物(例えば、2、3、または4ヌクレオチド)を含むNPPまたはNPPFはまた、1つまたは複数の位置(例えば、1カ所、2カ所、3カ所、4カ所、5カ所、またはそれより多い位置)において縮重していてもよい。
一部の実施形態では、対象由来の試料(例えば、RNAなどの核酸を含む試料)を複数のNPPまたはNPPFと接触させることができ、ここで、NPPおよびNPPFの少なくとも一部は、少なくとも2種の異なる標的核酸分子(例えば、表1に示されているもの)に特異的に結合する。一部の例では、NPPまたはNPPFは、CD47、CD86、IL16、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSのうちの少なくとも2種(例えば、これらの1種、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、または10種全て)、例えば、CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの2種またはそれより多く(例えば、これらの1種、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、11種、12種、13種、14種、15種、または16種全て)に特異的に結合する。一部の実施形態では、対象由来の試料(例えば、RNAなどの核酸を含む試料)を、1種または複数のハウスキーパー/正規化遺伝子に特異的な1種または複数のNPPまたはNPPF(例えば、ANTに特異的な1種または複数のNPPまたはNPPF)とも接触させる。
一部の例では、複数のNPPまたはNPPFは、それぞれが単一の標的mRNAまたは標的mRNAの独特の領域に特異的な1種より多く(例えば、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、11種、12種、13種、14種、15種、または16種またはそれより多く)の異なるNPPまたはNPPFを含む(例えば、表2のNPPF配列の標的特異的部分を参照されたい)。複数のNPPまたはNPPFを試料と一緒に、NPPまたはNPPFがそれらのそれぞれの標的mRNAと特異的にハイブリダイズするのに十分な条件下でインキュベートする。NPPFを使用する場合、方法は、試料を、隣接配列と相補的な配列(CFS)を含む核酸分子(複数可)と、NPPFの隣接配列(複数可)がCFSに特異的に結合するのに十分な条件下で接触させることを含む。試料を一本鎖核酸に特異的なヌクレアーゼ(例えば、S1ヌクレアーゼ)と接触させ、各NPPまたはNPPFの存在を検出(または配列決定)する。一部の例では、NPPまたはNPPFを検出(または配列決定)の前に増幅する。mRNA(複数可)を、それらのそれぞれのNPP(複数可)またはNPPF(複数可)が検出されたら、試料中に存在するものと同定し、かつ/または定量化する。
a.試料の処理
一部の例では、対象に由来する試料(例えば、細胞または組織)をまず水溶液中で溶解させるまたは透過処理する(例えば、溶解緩衝液を使用して)。細胞を水溶液中で十分な期間(例えば、約1分〜約60分、例えば、約5分〜約20分、または約10分)、十分な温度(例えば、約22℃〜約115℃、例えば、約37℃〜約105℃、または約90℃〜約110℃)でインキュベートして、細胞を溶解させるまたは透過処理する。一部の例では、溶解を約95℃で実施する。一部の例では、溶解ステップは、試料を約95℃で約5〜15分間インキュベートして、試料中のRNAを変性させ、しかしゲノムDNAは変性させないことを含む。他の例では、溶解ステップは、試料を約105℃で約5〜15分間インキュベートして試料中の核酸を変性させることを含む。一例では、溶解緩衝液中にプロテイナーゼKを含める。
一部の例では、1種または複数の標的と相補的な1種または複数のNPPまたはNPPF(配列番号1〜16に示されている配列を含むまたは有するものなど)を、NaCl、KCl、HPO、EDTA、0.05% Triton X−100、もしくはこれらの組み合わせ(例えば、6×SSPE−T:0.9MのNaCl、60mMのNaHPO、6mMのEDTA、および0.05% Triton X−100)を含有するものなどの緩衝液または溶解緩衝液中約10pM〜約10nM(約30pM〜5nM、約100pM〜約1nMなど)の範囲の濃度で試料に添加することができる。一例では、各NPPまたはNPPFを少なくとも10pM、例えば、少なくとも20pM、少なくとも30pM、少なくとも50pM、少なくとも100pM、少なくとも150pM、少なくとも200pM、少なくとも500pM、少なくとも1nM、または少なくとも10nMの最終濃度で試料に添加する。一例では、各NPPまたはNPPFを約30pMの最終濃度で試料に添加する。別の例では、各NPPまたはNPPFを約167pMの最終濃度で試料に添加する。さらなる例では、各NPPまたはNPPFを約1nMの最終濃度で試料に添加する。一例では、NPPFを使用する場合、各CFSをプローブの量のおよそ少なくとも6倍、例えば、プローブの量の少なくとも10倍または少なくとも20倍(例えば、プローブの量の6〜20倍)の最終濃度で試料に添加する。一例では、各CFSを少なくとも1nM、少なくとも5nM、少なくとも10nM、少なくとも50nM、少なくとも100nM、または少なくとも200nm、例えば、1〜100、5〜100または5〜50nMで添加する。例えば、6種のプローブがそれぞれ166pMで存在する場合、各CFSを5〜50nMで添加することができる。そのような例では、NPPまたはNPPFが標的配列などの相補配列とハイブリダイズ(2重鎖を形成)していれば、NPPまたはNPPFは、S1などのヌクレアーゼによって消化されない。
b.例示的なハイブリダイゼーション条件
当業者は、NPPまたはNPPF(+CFS)が試験試料中に存在するその標的と特異的にハイブリダイズするのに十分な条件を同定することができる。例えば、当業者は、選択されたストリンジェンシーの条件下で核酸(例えば、融合プローブ)が別の核酸(例えば、表2〜8のいずれかの標的核酸)とハイブリダイズすることを可能にする一方で、他の物質または分子との非特異的なハイブリダイゼーションを最小化する特色(長さ、塩基組成、および相補性の程度など)を実験的に決定することができる。一般には、NPPの核酸配列は、対応する標的配列に対して、選択されたストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすること、例えば、約37℃またはそれより高く(例えば、約37℃、42℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、またはそれより高く)でハイブリダイズすることを可能にするために十分な相補性を有する。変動し得るハイブリダイゼーション反応パラメーターの中では、塩濃度、緩衝液、pH、温度、インキュベーションの時間、ホルムアミドなどの変性剤の量および型がある。
試料中の核酸分子を変性させ(例えば、約95℃〜約105℃で約5〜15分間)、複数のNPPまたはNPPF(+CFS)と、約10分〜約72時間の間(例えば、約10分〜約24時間の間、例えば、少なくとも約1時間〜20時間、または約6時間〜16時間)、約4℃〜約70℃(例えば、約37℃〜約65℃、約42℃〜約60℃、または約50℃〜約60℃)の範囲の温度でハイブリダイズさせる。一部の例では、複数のNPPまたはNPPF(+CFS)を、試料と一緒に、少なくとも約37℃、少なくとも約40℃、少なくとも約45℃、少なくとも約50℃、少なくとも約55℃、少なくとも約60℃、少なくとも約65℃、または少なくとも約70℃の温度でインキュベートする。一例では、複数のNPPまたはNPPF(+CFS)を試料と一緒に約37℃でインキュベートする。別の例では、複数のNPPまたはNPPF(+CFS)を試料と一緒に約42℃でインキュベートする。さらなる例では、複数のNPPまたはNPPF(+CFS)を試料と一緒に約50℃でインキュベートする。これらのハイブリダイゼーション温度は例示的なものであり、当業者は、NPPまたはNPPF(+CFS)の長さおよびヌクレオチド組成などの因子に応じて、適切なハイブリダイゼーション温度を選択することができる。
一部の実施形態では、方法は、核酸精製を含まない(例えば、試料をNPPもしくはNPPF(+CFS)と接触させる前に核酸精製を実施せず、かつ/または試料をNPPもしくはNPPF(+CFS)と接触させた後に核酸精製を実施しない)。一部の例では、方法は、核酸の増幅を含まない(例えば、試料をNPPもしくはNPPF(+CFS)と接触させる前に核酸の増幅を実施せず、かつ/または試料をNPPもしくはNPPF(+CFS)と接触させた後に核酸の増幅を実施しない)。一部の例では、細胞溶解以外に試料の前処理は必要ない。一部の例では、細胞溶解と、試料を複数のNPPまたはNPPF(+CFS)に接触させることは逐次的に行われる。他の例では、細胞溶解と、試料を複数のNPPまたはNPPF(+CFS)と接触させることは同時に行われ、一部の非限定的な例では、間にいかなるステップも介在しない。
c.ヌクレアーゼを用いた処理
試料中で1種または複数のNPPまたはNPPF(+CFS)と核酸をハイブリダイズさせた後、試料をヌクレアーゼ保護手順に供する。標的核酸とハイブリダイズしたNPPまたはNPPFはヌクレアーゼによって加水分解されず、後で検出することができる。
1つまたは複数のヌクレアーゼを用いた処理により、全てのss核酸分子(NPPまたはNPPFとハイブリダイズしていない(したがって、それによって保護されていない)試料中のRNAおよびDNA、標的核酸とハイブリダイズしていないNPPまたはNPPF、ならびに、NPPFとハイブリダイズしていないCFS(使用した場合)を含む)は破壊されるが、CFSおよび試料中に存在する標的核酸分子とハイブリダイズしたNPPFならびに試料中に存在する標的核酸分子とハイブリダイズしたNPPなどのds核酸分子は破壊されない。例えば、試料が細胞抽出物または溶解物を含む場合、mRNAまたはDNA核酸標的が大多数の核酸標的配列を構成する場合では、非標的ゲノムDNA、tRNA、rRNA、mRNA、miRNA、および相補的なNPPまたはNPPF配列とハイブリダイズしていない標的核酸分子(複数可)の一部分(突出部など)などの不要な核酸をこのステップにおいて実質的に破壊することができる。これにより、化学量論量の標的核酸/NPP2重鎖または標的核酸/CFS/NPPF2重鎖が残る。標的分子が固定により生じた組織と架橋結合している場合、NPPまたはNPPFは、架橋結合した標的分子と、架橋結合を逆転させる、または他の様式で標的核酸をそれが架橋結合している組織から放出させることを必要とせずに、ハイブリダイズする。
ハイブリダイズした複合体の性質および試料中に存在する望ましくない核酸の性質に応じて、膵臓RNAse、リョクトウヌクレアーゼ、S1ヌクレアーゼ、RNAse A、リボヌクレアーゼT1、エキソヌクレアーゼIII、エキソヌクレアーゼVII、RNAse CLB、RNAse PhyM、RNAse U2などを含めた種々のヌクレアーゼのいずれかを使用することができる。特定の例では、ヌクレアーゼは、一本鎖核酸に対して特異的な、例えば、S1ヌクレアーゼである。本明細書に開示されている一部の方法の実施形態において一本鎖核酸に特異的なヌクレアーゼを使用することの有利な点は、そのような一本鎖(「粘着性」)分子が、望ましくないバックグラウンドまたは交差反応性を導く可能性のあるその後の反応ステップから除去されることである。S1ヌクレアーゼは、例えば、Promega、Madison、WI(カタログ番号M5761);Life Technologies/Invitrogen、Carlsbad、CA(カタログ番号18001−016);Fermentas、Glen Burnie、MD(カタログ番号EN0321)、および他から市販されている。これらの酵素の反応条件は、当技術分野で周知であり、経験的に最適化することができる。
一部の例では、緩衝液(酢酸ナトリウム、NaCl、KCl、ZnSO、KATHON、またはこれらの組み合わせを含有するものなど)中に希釈したS1ヌクレアーゼをハイブリダイズしたプローブ/試料混合物に添加し、約37℃〜約60℃(約50℃など)で10〜120分間(例えば、10〜30分、30〜60分、60〜90分、または120分)インキュベートして、試料に由来するハイブリダイズしていない核酸およびハイブリダイズしていないNPPまたはNPPFを消化する。
任意選択で、試料を、ハイブリダイズしていない材料を他の様式で除去するため、および/または残留する酵素を不活性化もしくは除去するために処理することができる(例えば、加熱、フェノール抽出、沈殿、カラム濾過、プロテイナーゼKの添加、ヌクレアーゼ阻害剤の添加、ヌクレアーゼの活性に必要な二価カチオンのキレート化、またはこれらの組み合わせによって)。一部の例では、任意選択で、試料を、標的核酸およびCFS(複数可)が相補的なNPPFから、または標的核酸が相補的なNPPから解離するように処理する(例えば、塩基加水分解および熱を使用して)。一部の例では、ハイブリダイゼーションおよびヌクレアーゼ処理後、NPPまたはNPPFとハイブリダイズした標的核酸分子を、例えば、塩基中でNPPまたはNPPFとの2重鎖を解離させ、次いで、核酸をヌクレアーゼによってまたは高温での塩基加水分解などの化学的/物理的処理によって破壊することにより分解し、NPPまたはNPPFが、標的核酸とどれだけハイブリダイズしたかに正比例させることができる。あるいは、試料を、標的核酸の(一本鎖)ハイブリダイズした部分、またはハイブリダイズした標的核酸およびプローブによって形成された2重鎖を、さらに分析するために残すように処理することができる。
一部の例では、ヌクレアーゼと一緒にインキュベートした後、塩基(NaOHまたはKOHなど)を添加してpHを約9〜12に上昇させ、試料を加熱する(例えば、95℃まで、10分間)。これにより、二量体が解離し、一本鎖状態のNPPまたはNPPFを残し、RNAの場合ではRNA標的分子が加水分解される。このステップでは、例えばpHを約6を超えて上昇させることによって、ヌクレアーゼを中和または非活性化することもできる。
一部の例では、試料を、例えば、酸(HClなど)を添加することによって処理してpHを約7〜約8に調整する。一部の例では、pHをTris緩衝液で約7〜約8まで上昇させる。pHの上昇により、DNAの脱プリンを防止することができ、また、多くのss特異的ヌクレアーゼ(例えば、S1)が完全に機能することも防止される。
一部の例では、試料を、例えばゲル精製または他の分離方法によって精製または分離して、望まれない核酸または他の分子を除去する。
d.任意選択の増幅
一部の例では、NPPまたはNPPFの検出の前にそれらを増幅する。例えば、結果として得られたNPP、NPPF、またはNPPもしくはNPPFから分離された結果として得られた標的核酸分子を、例えば、PCRもしくは他の形態の酵素的増幅またはライゲーションに基づく増幅方法などの常套的な方法を使用して増幅することができる。
使用することができるin vitro増幅方法の例としては、これだけに限定されないが、定量的リアルタイムPCR、鎖置換増幅;無転写等温増幅;修復鎖反応増幅;リガーゼ連鎖反応増幅;ギャップ充填リガーゼ連鎖反応増幅;カップリングしたリガーゼ検出およびPCR;ならびにNASBA(商標)RNA無転写増幅が挙げられる。一例では、ライゲーションに基づく増幅方法を使用し、ここで、プライマーはNPPF特異的であり、突き合わさる(butt up)ものであり、したがって、一連のサイクルにわたり一緒にライゲーションし、融解させ、次いで、新たなプライマーを一緒にライゲーションすることができる。ライゲーションは、酵素的なものであっても非酵素的なものであってもよい。NPPF隣接配列をプライマーのハイブリダイゼーションに使用する場合、増幅はユニバーサルなものであってよい。
増幅中に、実験タグ、および/または配列決定アダプターを、例えばプライマーおよび伸長構築物の一部として、例えば、NPPまたはNPPFの3’末端または5’末端または両末端に組み入れることができる。一部の例では、そのようなタグまたはアダプターを増幅前に付加する。生成されたNPPもしくはNPPFアンプリコン(例えば、NPPもしくはNPPFが最初に標識されていない場合または追加的な標識付けが望まれる場合)、または検出もしくはクエンチを可能にする他の分子に検出可能な標識を導入するために増幅を使用することもできる。例えば、増幅プライマーは、増幅中にNPPまたはNPPFに組み入れられる検出可能な標識、ハプテン(haptan)、またはクエンチャーを含んでよい。そのような標識、ハプテン、またはクエンチャーは、NPPもしくはNPPFアンプリコンの末端のいずれか(または両末端)、または間のどこにでも導入することができる。
一部の例では、結果として得られたNPPまたはNPPFアンプリコンを検出または配列決定の前に浄化する。例えば、増幅反応混合物を、当技術分野で周知の方法(例えば、ゲル精製、ビオチン/アビジン捕捉および放出、キャピラリー電気泳動)を使用して浄化することができる。一例では、NPPまたはNPPFアンプリコンをビオチン化し(または別のハプテンを含めて)、アビジンまたは抗ハプテンコーティングしたビーズまたは表面上に捕捉し、洗浄し、次いで、検出または配列決定のために放出させる。増幅された産物を増幅の最後のステップの後、なお二本鎖である間に、一本鎖オリゴヌクレオチドを加水分解するヌクレアーゼ(エキソヌクレアーゼIなど)を使用する方法によって浄化することもでき、このヌクレアーゼを今度は表面へのハイブリダイゼーションなどの次のステップを続ける前に不活性化することができる。
e.標識を使用したNPPまたはNPPFの検出
NPPまたはNPPF(または残存する標的、標的:NPP複合体、または標的:NPPF:CFS複合体)、NPPアンプリコン、またはNPPFアンプリコンの存在を検出することができる。NPPもしくはNPPFプローブまたはアンプリコン(または残存する標的 標的:NPP複合体、または標的:NPPF:CFS複合体)の検出のために、任意の適切な方法を使用することができる。一部の例では、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)は検出可能な標識を含み、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)の存在の検出は、検出可能な標識を検出することを含む。一部の例では、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)を同じ検出可能な標識で標識する。他の例では、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)を異なる検出可能な標識(各標識に対して異なる標識など)で標識する。他の例では、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)を間接的に、例えば、標識された核酸を用いたハイブリダイゼーションによって検出する。
具体的な非限定的な例では、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)は、ビオチン標識を含む。この例では、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)は、それらをアビジン−HRPまたはストレプトアビジン−HRP、またはアルカリホスファターゼなどの別の適切な酵素とのコンジュゲートと一緒にインキュベートし(例えば、支持体、例えば、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)を含有するアレイまたはビーズ上で)、次いで、支持体を色素形成基質、化学発光基質、または蛍光発生基質に接触させることによって検出することができる。1つの非限定的な例では、基質は、TMA−3(Lumigen、Southfield、MI)である。追加的な化学発光基質は、LumiGlo(登録商標)(KPL、Gaithersburg、MD)、SuperSignal(登録商標)(Pierce、Rockford、IL)、およびECL(商標)(Amersham/GE Healthcare、Piscataway、NJ)など、市販されている。基質から生じるシグナルを、例えば、マイクロアレイイメージャー(OMIX、OMIX HD、CAPELLA、またはSUPERCAPELLAイメージャー、HTG Molecular Diagnostics、Tucson、Arizonaなど)スキャナーを利用して、または、側方流動デバイスにおいてなど視覚的に、検出する。ユウロピウムに基づく発光、ならびにエレクトロルミネセンスまたは光散乱、または電気的性質(例えば、導電率(conductivity)または抵抗)を使用することができる。
別の例では、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)は、Cy−3またはCy−5などの蛍光標識を含む。標準のマイクロアレイイメージャー(Typhoon(商標)イメージャー(GE Life Sciences、Piscataway、NJ)、GenePix(登録商標)マイクロアレイスキャナー(Molecular Devices、Sunnyvale、CA)、GeneChip(登録商標)スキャナー(Affymetrix、Santa Clara、CA)、フローサイトメトリー法、または蛍光顕微鏡法などを利用してNPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)を検出することができる。当業者は、これらまたは他の検出可能な標識に対する適切な検出方法および試薬を選択することができる。
f.捕捉用分子を使用したNPPまたはNPPFの検出
一部の実施形態では、ハイブリダイゼーションおよびヌクレアーゼ処理(および任意選択の増幅)の後、試料を、それぞれが捕捉用分子を含む多数の空間的に別個の領域を含む表面と接触させる、または、それぞれが捕捉用分子を含む複数の表面と接触させる。例えば、表面は、ビーズの集団であり、ここで、ビーズの亜集団がそれぞれ少なくとも1種の捕捉用分子を含む。例えば、第1の亜集団は少なくとも1種の捕捉用分子を含んでよく、一方、第2の亜集団は第1のものとは異なる配列を有する少なくとも1種の捕捉用分子を含んでよく、他も同様である。一部の例では、捕捉用分子は、二機能性リンカー(「プログラミングリンカー」とも称される)と結びついた少なくとも1種のアンカーを含む。あるいは、捕捉用分子は、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)の少なくとも一部分と相補的な配列、例えば、NPPFまたはそのアンプリコンの隣接領域の全部または一部分と相補的な配列を有する核酸捕捉用プローブを含む。
捕捉用分子が二機能性リンカーと結びついた少なくとも1種のアンカーを含む例では、アンカーと二機能性リンカーは、ハイブリダイゼーション、アニーリング、共有結合による連結、または他の結合によって結びついている。二機能性リンカーは、アンカーに特異的に結合する(例えば、それと相補的である)第1の部分と、複数のNPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)の1つに特異的に結合する(例えば、それと相補的である)第2の部分とを含む。
一部の実施形態では、開示されている方法は、表面上(例えば、アレイ上)のアンカーを含み、これは、ヌクレアーゼまたは増幅ステップ後にNPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)を捕捉するために利用される二機能性リンカーと結びついている。一部の例では、アンカーは、約8〜150ヌクレオチドの長さ(例えば、約8〜100、15〜100、20〜80、25〜75、または25〜50、例えば、約15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、または150ヌクレオチド)のオリゴヌクレオチドである。1つの非限定的な例では、アンカーは、約25ヌクレオチドの長さである。一部の例では、アンカーは、二機能性リンカーの第1の部分に特異的に結合する第1の部分と、表面とアンカーの第1の部分の間のスペーサーとして作用する第2の部分とを含む。一部の例では、アンカーの第2の部分は、約6〜60炭素原子またはヌクレオチドの長さ(例えば、約6、12、24、30、36、42、48、54、または60炭素原子またはヌクレオチド)である。他の例では、アンカーの第2の部分は、約5〜100炭素原子またはヌクレオチドの長さ(例えば、約10〜50、15〜40、20〜30、または約25炭素原子またはヌクレオチド)である。
開示されている方法のアンカーの塩基組成は、アンカーと二機能性リンカーの対形成の熱力学的安定性が高くなるようなものである。一部の例では、アンカーの塩基組成の百分率は、Gが約30〜40%、Cが30〜40%、Aが10〜20%、およびTが10〜20%である。一部の例では、アンカーにおける最近接頻度により、G−GまたはC−C最近接を最小にして、G四重鎖(G quartet)形成により媒介される副反応を低減する。他の例では、非天然塩基、またはペプチド核酸をアンカーまたは二機能性リンカーに組み入れて、その特性を改変することができる。
開示されている方法において使用するアンカーを設計および合成する方法は、例えば、参照により本明細書に組み込まれるPCT公開第WO98/24098号に記載されている。一部の例では、他のものと実質的に相違があるアンカーのセットが望ましい。相違があるアンカーのセットを得るための例示的なアルゴリズムは以下の通りである:
1)セットのサイズを定義する。一部の実施形態では、16、24、36、48、49、64、81、96、および100により有用なサイズが構成される。
2)アンカーセットの全体的な配列構造を定義する。上記の長さおよび塩基組成を使用してそのようなパラメーターを定義する。一般に、G塩基とC塩基の数は同等に保持され、A塩基とT塩基の数も同様である。この同等性により、最終的なセットの立体配置的な多様性が最適化される。したがって、そのようなセットは、方程式Gにより記載される。
3)mおよびnによって定義されるセットの構造について、乱数発生器を用いてランダムな配列異性体のセットを生成する。
4)ランダムな配列のセットの1メンバーを選択してセットのエレメント#1として使用する。
5)セットのメンバーの間で許容される最大類似性を定義する。局所ペアワイズ塩基比較の観点から類似性を定義する。例えば、同一長さnである2つのオリゴマー鎖を5’末端および3’末端が合うようにアラインメントした場合、ミスマッチの欠如は、全ての位置1−nにおいて2つの鎖の塩基が同一であるという状況を指す。完全なミスマッチは、全ての位置1−nにおいて2つの鎖の塩基が異なるという状況を指す。例えば、有用な最大類似性は、16のセット、16merの捕捉用プローブ内のミスマッチが10またはそれより多い場合がある。
6)ランダムな配列のセットの第2のメンバーを選択し、エレメント#1に対するその類似性を決定する。エレメント#2がエレメント#1に対して最大許容類似性に満たない類似性を有する場合、セット内に保持する。エレメント#2が最大許容類似性を超える類似性を有する場合、廃棄し、新しい配列を比較のために選択する。このプロセスを、第2のエレメントが決定されるまで繰り返す。
7)以前に選択されたエレメント全てに関して、逐次的に、相違制約を満たすランダムな配列のセットの追加的なメンバーを選択する。
他の例では、捕捉用分子は、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)の少なくとも一部分と相補的な、例えば、NPPFアンプリコンの隣接領域の全部または一部分と相補的な配列を有する少なくとも1種の核酸捕捉用プローブを含む。例えば、核酸捕捉用プローブは、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)と相補的な領域を含んでよく、かつ、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)と相補的でない領域(表面へのプローブの付着を可能にする領域など)を含んでよい。核酸捕捉用プローブは、表面に直接付着させることができる。例えば、核酸捕捉用プローブは、表面への共有結合による付着のためのアミンを含んでよい。一部の例では、核酸捕捉用プローブは、少なくとも8ヌクレオチドの長さ、例えば、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも50、または少なくとも100ヌクレオチドの長さ(例えば、約8〜100、15〜100、20〜80、25〜75、または25〜50、例えば、約15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、または150ヌクレオチド)のオリゴヌクレオチドである。NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)の領域と相補的な核酸捕捉用プローブの領域は、核酸捕捉用プローブと適切なNPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)の間でハイブリダイゼーションが起こり得る限りは、100%相補的である必要はないことが当業者には理解されよう。一部の例では、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)の領域と相補的な核酸捕捉用プローブの領域は、少なくとも8ヌクレオチドの長さ、例えば、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも50、または少なくとも100ヌクレオチドの長さ(例えば、約8〜100、15〜100、20〜80、25〜75、または25〜50、例えば、約15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、または150ヌクレオチドの長さ)である。
一部の例では、NPPまたはNPP(またはそのアンプリコン)を含有する試料を、アレイの表面に接触させる前に変性させる(例えば、95℃まで、5分間加熱し、試料を氷上で急速に冷却することによって)。一部の例では、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)を含有する試料を、表面と接触させる前に調整する(例えば、塩またはホルムアミドの濃度を調整するため)。NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)を含有する試料を、表面(例えば、アレイまたはビーズ)と一緒に、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)が捕捉用分子に特異的に結合する(例えば、ハイブリダイズする)のに十分な期間インキュベートする。一部の例では、試料を表面と一緒に約37℃〜約65℃(例えば、約45℃〜約60℃、または約50℃〜約60℃、例えば50℃)で少なくとも1時間(例えば、1〜8時間、1〜36時間、12〜24時間、または16〜24時間、または終夜)インキュベートしてNPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)を捕捉用分子にハイブリダイズさせる。捕捉時間は、例えば、マイクロ流体デバイスもしくはマクロ流体デバイス、側方流動デバイスを使用する場合、または拡散を低減し、能動的な流動もしくは混合を使用することによって、短縮することができる。
開示されている方法において使用することができる表面(または基材)のいくつかは、商業的な供給者から容易に入手可能である。一部の実施形態では、表面は、96ウェル、384ウェル、または1536ウェルマイクロタイタープレート、例えば、Corning Costarにより販売されている改変プレートである。他の実施形態では、基材として、1種または複数のビーズ(例えばフローサイトメトリーにより、サイズまたは色によって弁別することができるビーズの集団など)が挙げられる。あるいは、アルミニウムまたはスチールなどの物質を微細加工して鋳型を調製し、次いで、プラスチックまたは同様の材料を鋳型に微量注入して構造を形成することにより、くぼみまたは「小さなくぼみ」を含むウェルを含む表面を形成することができる。あるいは、ガラス、プラスチック、セラミックなどで構成される構造を組み立てることができる。セパレーターは、例えば、全体を通して一定の間隔で置かれた穴を有する材料、例えば、シリコーンの一片であってよく、したがって、3つの片が接合すると各穴が試験ウェルの壁を形成する。サブディバイダーは、例えば、スクリーンまたは細かい網目構造の形態に形づくられた材料、例えば、シリコーンの薄片であってよい。異なる反応物を分離する表面上のディバイダーは、溶液が接着しないコーティングされた表面、またはナノ構造、または単に個別の液滴、またはキャピラリーまたはマイクロ流体チャネルもしくは位置であってよい。一部の例では、基部は、例えば、生化学的アッセイに使用される典型的なマイクロプレートの下部の形状の材料(例えば、ガラスまたはプラスチック)の平らな片である。基部の上面は、平らであってもよく、またはサブディバイダーの形状と整列させて、各試料ウェル内において完全な細区分もしくはウェルをもたらすくぼみを有するように形成することもできる。3つの片を標準の手順、例えば、シリコンウェーハの組立てに使用される手順によって接合することができる。
アンカーを配置するための多種多様なアレイ形式を本開示に従って用いることができる。1つの適切な形式は、別個の細胞の2次元パターン(64×64アレイにおける4096個の四角など)を含む。当業者には理解される通り、これだけに限定されないが、スロット(長方形)および環状アレイを含めた他のアレイ形式も使用に同等に適する(米国特許第5,981,185号を参照されたい)。一部の例では、アレイはマルチウェルプレートである。
一実施形態では、予め形成した核酸アンカー(例えば、オリゴヌクレオチドアンカー)またはNPPもしくはNPPF(もしくはそのアンプリコン)の少なくとも一部分と相補的な配列を有する核酸捕捉用プローブを、フォトリソグラフィもしくはシルクスクリーンによる化学的付着、インクジェット技術、キャピラリー、スクリーンもしくは流体チャネルチップによる配置、電極アレイを使用した電気化学的パターン化、ピンもしくはクイルに接触させること、または、変性させ、その後、ベーキングもしくはフィルターへのUV照射を含めた、種々の従来の技法のいずれかによって試験領域の表面上または内部に位置させることができる(例えば、Ravaら(1996年)、米国特許第5,545,531号;Fodorら(1996年)、米国特許第5,510,270号;Zanzucchiら(1997年)、米国特許第5,643,738号;Brennan(1995年)、米国特許第5,474,796号;PCT WO92/10092;PCT WO90/15070を参照されたい)。オリゴヌクレオチドアンカーまたはプローブを試験領域の上面に置くこともでき、例えばポリアクリルアミドゲルパッドの場合では、表面に、アンカーまたはプローブの一部がゲル構造からゲル内およびゲル表面の水性部分に突出し、リンカー、NPP、NPPF(またはそのアンプリコン)との相互作用に利用可能になるように包埋することもできる。これは、二機能性リンカー、NPP、またはNPPFを含有する溶液と接触している表面のエリアなどの第1の部分は浸透性であるが、例えば表面までにいくらかの距離がある第2の部分は浸透性ではない表面などの、浸透性の表面および部分的に浸透性の表面に当てはまる。一実施形態では、予め形成したオリゴヌクレオチドアンカーまたはプローブを5’末端において遊離のアミノ基で誘導体化し、50mMのリン酸緩衝液、pH8.5および1mMのEDTAなどの緩衝液中、常套的に経験的に決定された濃度(例えば、約1μM)で溶解させ、Pixusナノジェットディスペンサー(Cartesian Technologies)を用いて約10.4ナノリットルの小滴として、上部表面が新たな乾燥したDNA Bind plate(Corning Costar)のものである試験ウェル内の特定の場所に分配する。オリゴヌクレオチドの付着および蒸発の相対的な速度に応じて、調製中ウェル内の湿度を制御することが必要になり得る。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドアンカーまたはプローブを、例えば、成長しているオリゴヌクレオチド鎖の光により活性化される脱保護などの従来の方法を使用して(例えば、部位特異的「マスク」の使用と併せて)、またはナノジェットディスペンサーを使用して非活性化化合物のナノリットル小滴をパターン化分散させることによって、試験領域の表面上で直接合成することができる。例えば、単一ヌクレオチドを受け取るはずの全ての成長しているオリゴヌクレオチドの脱保護を行うことができ、次いで、ヌクレオチドを表面全体にわたって添加することができる。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドアンカーまたはプローブを、従来の方法体系を使用してオリゴヌクレオチドの3’末端を介して表面に付着させる。
g.代替方法を利用したNPPまたはNPPFの検出
一部の実施形態では、ハイブリダイゼーション、ヌクレアーゼ処理、および任意選択の増幅の後、ハイスループットなプラットフォームなどの代替方法を利用してNPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)を検出する。一部の例では、ゲル電気泳動、クロマトグラフィー、質量分析、配列決定、従来のマイクロアレイ分析、増幅中の検出、またはハイブリッド捕捉を利用してNPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)を検出する。一部の実施形態では、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)は検出可能な標識を含まず、間接的な検出方法を利用する。そのような方法は、当業者には公知であり、それらとして、これだけに限定されないが、本明細書に記載の方法が挙げられる。
一例では、ビーズアレイなどの、ビーズに基づくアッセイを利用してNPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)を検出する。ビーズに基づくアッセイの1つの例では、X−MAP(登録商標)ビーズ(Luminex、Austin、TX)、例えば、QBEADアッセイを利用する。一部の例では、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)をX−MAP(登録商標)ビーズまたは他のビーズ上でビーズと結びついたオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションによって捕捉する(例えば、約50℃で約1時間)。NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)に含まれる検出可能な標識を、例えば、フローサイトメトリーによって検出することができる(Luminex 200、Flexmap 3D、または他の適切な計器を利用するなど)。
別の例では、標準のマイクロアレイを利用してNPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)を検出する。そのようなアレイの1つの例は、Nimblegenマイクロアレイ(Nimblegen、Madison、WI)である。一部の例では、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)を、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)に特異的に結合するオリゴヌクレオチドを含むアレイとハイブリダイズさせる。NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)に含まれる検出可能な標識を検出することができる。
一部の例では、「バーコード」アッセイを用いてNPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)を検出する。そのようなアッセイの1つの例はnCounter(登録商標)Analysis System(Nanostring Technologies、Seattle、WA)である。一部の例では、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)を1つまたは複数の色分けされたタグ(「バーコード」)を含むプローブとハイブリダイズさせる。色分けされたタグの検出により、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)の同定がもたらされる。例えば、WO07/0761282;WO07/076129;WO07/139を参照されたい。
h.アンプリコン(qNPS)の配列決定
一部の例では、結果として得られたNPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)について、例えば、NPPもしくはNPPF(もしくはそのアンプリコン)全体、またはその一部分(標的核酸分子の同定を可能にするために十分な量など)について配列決定することによって配列決定する。本開示は特定の配列決定方法に限定されない。一部の例では、多数の異なるNPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)について単一反応において配列決定する。一例では、特定の標的配列に対応するように設計することができるNPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)の実験タグについて配列決定することができる。したがって、NPPFアンプリコンの3’末端が末端の2〜25ヌクレオチド(例えば、末端の2〜5または2〜7、例えば、末端の2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチド)に、測定される各標識に独特の配列を表す配列を有する場合には、これは、配列決定して標的を同定する必要があるNPPFアンプリコンの全てであり、配列決定されたそのような実験タグの数を計数することにより、試料中の各標的の量を決定することができる。
一例では、DNAで構成されるものなどの、結果として得られたNPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)について、連鎖停止方法を使用して配列決定する。結果として得られた断片を、例えば、スラブポリアクリルアミドゲル、または粘性ポリマーを満たした細いガラスチューブ(キャピラリー)における電気泳動によってサイズ分離する。代替方法は、ダイターミネーター配列決定である。別の例では、Biotage(ロースループットな配列決定用)および454 Life Sciences(ハイスループットな配列決定用)によって商業化されている方法などのパイロシークエンシングを使用する。別の例では、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)について、ブリッジPCR(例えば、Illumina(登録商標))(例えば、HiSeq)またはIon Torrent(登録商標)、454(登録商標)、Helicos(登録商標)、PacBio(登録商標)、Solid(登録商標)(Applied Vioasystems)または任意の数の他の商業的な配列決定システムを使用して配列決定する。配列決定アダプター(例えばPCRを使用して導入された、NPPまたはNPPF(またはそのアンプリコン)上に存在するポリAまたはポリT尾部など)を捕捉のために使用する。
6.直接定量的ヌクレアーゼ保護配列決定(qNPS)
一部の例では、発現を測定しようとする試料中の核酸分子を、試料において、例えば、米国仮出願第62/294,143号、2016年2月11日出願(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている通り、上記の定量的ヌクレアーゼ保護アッセイの代替法を利用して検出する(図9A)。この方法でもNPPFおよびCFSを使用するが、NPPF代理物を検出または配列決定する代わりに、この方法では、標的核酸分子の直接配列決定が可能になる。
方法は、試料を、少なくとも1種のNPPFに、NPPFが標的核酸分子と特異的に結合するまたはハイブリダイズするのに十分な条件下で接触させることを含む。NPPFが5’末端および3’末端の両方に隣接配列を含む場合、一部の例では、各NPPFの配列は、異なり、互いと相補的ではない。一例では、(例えば、隣接配列の一方もしくは両方および/または標的核酸分子の全部または一部分と相補的な領域の配列における)NPPFは、少なくとも1つのdUTP、例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つのdUTPを含む。一例では、NPPFの「T」の全てを「U」に置き換える。そのような塩基が存在することにより、後のステップにおいて(例えば、ライゲーションした標的由来のNPPFを変性させた後であるが配列決定の前、例えば、ライゲーションした標的の増幅前または増幅中に)ウラシルDNAデグリコシラーゼ(UDG)を用いて一本鎖のNPPFを分解または破壊することが可能になる。
隣接配列(複数可)はCFSと相補的である。一部の例では、少なくとも1つの隣接配列は、少なくとも1つのdUTPを含む。一部の例では、NPPFは、2つの隣接配列を含み、それぞれが少なくとも1つのdUTPを有する。一部の例では、NPPFは、2つの隣接配列を含むが、一方のみが少なくとも1つのdUTPを有する。一部の例では、NPPFは、少なくとも1つのdUTPを有する単一の隣接配列を含む。一部の例では、dUTPの位置は、標的核酸分子の領域と相補的な配列の近く、例えば、標的核酸分子の領域と相補的な配列から1、2、3、4、5塩基離れたところ(例えば、1、2、3、4、5塩基以内)である。一部の例では、dUTPの位置は、標的核酸分子の領域と相補的な配列から少なくとも2塩基(少なくとも3、少なくとも4、または少なくとも5塩基など)離れたところである。
方法は、試料を、隣接配列に対して相補性を有する少なくとも1つの核酸分子(CFS)と、CFSがNPPFの隣接配列と特異的に結合するまたはハイブリダイズするのに十分な条件下で接触させることをさらに含む。例えば、NPPFが5’隣接配列を有する場合、試料を、5’隣接配列に相補的な配列(5CFS)および5’末端リン酸を有する核酸分子と、5’隣接配列が5CFSに特異的に結合するのに十分な条件下で接触させる。同様に、NPPFが3’隣接配列を有する場合、試料を、3’隣接配列に相補的な配列(3CFS)を有する核酸分子と、3’隣接配列が3CFSに特異的に結合するのに十分な条件下で接触させる。一例では、3CFSおよび5CFSの少なくとも一方が、標的配列の捕捉、分離、回収、または単離を可能にする捕捉用部分を含む。単一のCFSを使用して隣接配列を保護する代わりに、多数のCFSを使用して隣接配列を保護することができる(例えば、多数の5CFSを使用して5’隣接配列を保護することができる)ことが当業者には理解されよう。一部の例では、標的核酸分子はDNAであり、5CFSおよび3CFSはDNAであるか、または5CFSはDNAであり3CFSはRNAである。一部の例では、標的核酸分子はRNAであり、5CFSはDNAであり3CFSはRNAであるか、または5CFSはRNAであり3CFSはRNAである。一部の例では、標的核酸分子はRNAまたはDNAであり、5CFSおよび/または3CFSはRNA−DNAハイブリッドオリゴである、例えば、5CFSの5’塩基(単数または複数)および/または3CFSの3’塩基(単数または複数)はRNAであり、5CFSおよび3CFSの残りはDNAである。
これにより、標的核酸分子(またはその一部分)、ならびにCFS(複数可)が結合したNPPF分子の生成がもたらされ、それにより、標的およびCFS上の相補的な塩基とのハイブリダイゼーションに関与するNPPFの塩基を含む二本鎖分子が生成する。CFS(複数可)をその対応する隣接配列とハイブリダイズさせ、したがって、隣接配列をその後のステップにおけるヌクレアーゼを用いた消化から保護する。一部の例では、各CFSはちょうどその対応する隣接配列の長さである。一部の例では、CFSは、その対応する隣接配列と完全に相補的である。しかし、5’末端隣接配列を保護する5CFSの3’末端または3’末端隣接配列を保護する3CFSの5’末端には、これらの位置のそれぞれにおける1ヌクレオチドなどの差異があってよいことが当業者には理解されよう。
標的核酸分子およびCFS(複数可)をNPPFと結合させた後、方法は、試料を、一本鎖(ss)核酸分子または核酸分子のss領域に特異的なヌクレアーゼ、例えばS1ヌクレアーゼと、相補的な塩基とハイブリダイズしていない核酸塩基を除去するために十分な条件下で接触させることをさらに含む。したがって、例えば、標的核酸分子またはCFSと結合していないNPPF、ならびに結合していない標的核酸分子、試料中の他のss核酸分子、および結合していないCFSが分解される。これにより、5CFS、3CFS、またはその両方、および標的核酸の一部分とハイブリダイズした二本鎖付加生成物として存在するインタクトなNPPFを含む消化された試料が生成する。一部の例では、例えば、NPPFがDNAで構成される場合、ヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ、またはこれらの組み合わせを含んでよい。
その後、CFS(複数可)を標的核酸とライゲーションすることができ、例えば、5CFSの5’リン酸を標的核酸分子の3’末端とライゲーションし、3CFSの3’末端を標的核酸分子の5’末端とライゲーションし、それにより、ライゲーションした標的核酸分子(本明細書では、ライゲーションした標的と称される)が生成する。
二本鎖NPPF:ライゲーションした標的核酸分子をss核酸分子に分離して(例えば、試料を加熱することまたは試料のpHを上昇させることによって)、それにより、ssのNPPFとssのライゲーションした標的核酸分子の混合物が生成する。ssのライゲーションした標的核酸分子を、任意選択で、例えばハイブリダイゼーションまたは捕捉用部分(例えば、5CFSまたは3CFS上)の使用によって、例えば捕捉することにより、回収する。一部の例では、ssのNPPFとssのライゲーションした標的核酸分子の混合物をウラシルDNAデグリコシラーゼ(UDG)と一緒に、少なくとも1つのdUTPを有するssのNPPFを分解または破壊するために十分な条件下でインキュベートする。
方法は、配列決定しようとする標的を、例えば、NPPF、5CFSまたは3CFSを使用することによって捕捉または回収することを可能にする1つまたは複数のステップを含んでよい。例えば、図9B〜9Dに示されている通り、そのような捕捉は、ハイブリダイゼーション中、ヌクレアーゼ消化後、またはハイブリダイゼーション後であるがライゲーション前に行うことができる。図9Aおよび9Cは、ヌクレアーゼ消化後に捕捉を行う例を示す。さらに、追加的な捕捉ステップを、例えばライゲーション後に含めることができる。一例では、NPPF、5CFSまたは3CFSを固体基材(マルチウェルプレートなど)に付着させることにより、分子が、係留されたNPPF、5CFSまたは3CFSとハイブリダイズしたときにそれらを捕捉することが可能になる。別の例では、捕捉用部分(標的、NPPF、5CFSまたは3CFSに付着させた粒子または標識など)を使用して、捕捉用部分を含有する分子に付着またはハイブリダイズした分子を試料の他の成分と物理的に分離することを可能にし得る。捕捉方法に応じて、そのような方法は、固体捕捉用部分を収集するための遠心分離、磁気ビーズ捕捉、固体支持体への結合またはハイブリダイゼーション、濾過などを含んでよい。さらに、そのような捕捉ステップは、捕捉された核酸分子を洗浄することを含んでよい(それにより、ハイブリダイズしていないNPPFおよびハイブリダイズしていないCFSなどの捕捉されない分子を分離または除去することを可能にする)。そのような方法は、捕捉された核酸分子を、マルチウェルプレートのウェルまたは単一の反応チューブもしくは器(vessel)などの固体支持体から放出させることを含んでもよく、捕捉された核酸分子を固体支持体に付加したままもしくはその内部にあるままにしてもよい。一部の例では、このステップは、例えば標的核酸分子を器またはチューブの底部に捕捉するための遠心分離、および望まれないまたは不必要な薬剤の除去を可能にするための洗浄を含む。一部の例では、このステップは、標的核酸分子の磁気ビーズ捕捉、および望まれないまたは不必要な薬剤の除去を可能にするための洗浄を含む。一部の例では、このステップは、標的核酸分子を捕捉するための濾過、および望まれないまたは不必要な薬剤の除去を可能にするための洗浄を含む。このステップは、標的核酸分子の洗浄を含んでよく、これは、一部の例では、もはや必要ない薬剤(例えば、ヌクレアーゼ)を除去し、かつ/または標的核酸分子を別の溶液に懸濁させることを可能にし、これにより、特定の方法の実施形態では1つまたは複数の次のステップを容易にすることができる。
一部の例では、方法の多数のステップ(図9Aに示されているステップの2つ、3つ、または4つなど)を同じ器または容器中で実施する。例えば、開示されている方法では、所望の成分(複数可)を多数のステップの間、同じ器中に残すと同時に、望まれないまたは不必要な成分を除去すること(例えば、捕捉および洗浄ステップの反復を使用して)が可能になる。例えば、分析しようとする試料を器中で溶解させることができる。適切なNPPFおよびCFSをその器に添加し、ヌクレアーゼをその器に添加し、器中でds核酸分子を捕捉する(例えば、器の底部に引き付けられる磁気ビーズを用いて)。捕捉されたds核酸分子を洗浄して望まれない薬剤を除去し、所望の緩衝液または試薬を器に添加する(例えば、リガーゼ緩衝液)。次いで、ssのライゲーションした標的核酸分子を器中で捕捉し、洗浄することができる。
任意選択で、ライゲーションした標的核酸分子を、例えばPCR増幅を使用して増幅する。そのような方法を使用して、実験タグおよび/もしくは配列アダプターをライゲーションした標的に付加すること、ならびに/またはライゲーションした標的のコピーの数を増大させることができる。ssのライゲーションした標的核酸分子(またはそのアンプリコン)の少なくとも一部分について配列決定し、それにより、試料中の少なくとも1つの標的核酸分子の配列を決定する。一部の例では、標的核酸分子はRNAであり、方法は、配列決定前にそれらをDNAに逆転写することを含む。
ライゲーションした標的を、1つまたは複数の増幅プライマーを使用して増幅し、それにより、ライゲーションした標的アンプリコンを生成することができる。少なくとも1つの増幅プライマーは、標的とライゲーションしたCFSと相補的な領域を含む。一部の例では、標的を5CFSとその5’末端において、3CFSとその3’末端においてライゲーションし、2つの増幅プライマーを使用し、ここで、一方の増幅プライマーは5CFSの領域と相補的な領域を有し、他方の増幅プライマーは3CFSの領域と相補的な領域を有する。一部の例では、標的を5CFSまたは3CFSのいずれかと、それぞれその5’末端および3’末端においてライゲーションし、1つの増幅プライマーを使用し(例えば、急速増幅またはcDNA末端を使用する)、ここで、増幅プライマーは5CFSまたは3CFSの領域と相補的な領域を有する。増幅プライマーの一方または両方が、増幅中にライゲーションした標的アンプリコンに実験タグおよび/または配列決定アダプターを付着させることを可能にする配列を含んでよく、NPPFアンプリコンの標識付けを可能にするために、プライマーの一方または両方を標識することができる。一部の例では、実験タグおよび配列決定アダプターの両方を、例えば、ライゲーションした標的アンプリコンの反対側の末端に付加する。例えば、そのようなプライマーを使用することにより、ライゲーションした標的アンプリコンの5’末端もしくは3’末端から、または3’末端および5’末端の両方から伸長した実験タグおよび/または配列アダプターを生成して、可能性のある多重化の程度を増大させることができる。実験タグは、試料、対象、または標的核酸配列の同定を可能にする独特の核酸配列を含んでよい。配列決定アダプターは、結果として得られた、ライゲーションした標的アンプリコンを配列決定プラットフォームに捕捉することを可能にする核酸配列を含んでよい。一部の例では、プライマーを配列決定前に混合物から除去する。
ライゲーションした標的またはライゲーションした標的アンプリコン(またはその一部分)について、例えば、上記の方法を使用して配列決定する。ライゲーションした標的またはライゲーションした標的アンプリコンの配列決定のために任意の方法を使用することができ、本開示は特定の配列決定方法に限定されない。一部の例では、使用される配列決定方法は、連鎖停止配列決定、ダイターミネーション配列決定、パイロシークエンシング、ナノポア配列決定、または大規模並列処理配列決定(次世代配列決定(またはNGS)とも呼ばれる)であり、ThermoFisher Ion Torrent(商標)Personal Genome Machine(PGM(商標))、IlluminaブランドのNGSシークエンサー(例えば、MiSeq(商標)、HiSeq(商標))(または他のSolexa(商標)配列決定に由来するもの)、およびRoche Life Sciencesから入手可能な454配列決定によって例示される。一部の例では、単一分子配列決定を使用する。一部の例では、方法は、例えば、標的変異が存在するか否かを決定するために、得られた標的配列を配列データベースと比較することも含む。一部の例では、方法は、得られた各標識配列の数を決定する(例えば、計数する)ことを含む。
図9Aは、開示されている方法に関してNPPF 202を核酸分子の配列決定に使用することに関するある実施形態の概要を示す概略図である。ステップ1に示されている通り、試料破壊または溶解緩衝液を用いて処理した(例えば、溶解させた、または他の様式で核酸に接近可能になるように処理した)試料(標的核酸、200を含有することが分かっているまたは含有する疑いがある試料など)を、第1の標的核酸200(標的DNAまたはRNAなど)に特異的に結合する少なくとも1種のNPPFを含む1つまたは複数の隣接配列(ここでは5’隣接配列および3’隣接配列の両方、それぞれ204および206と共に示されている)を有する複数のヌクレアーゼ保護プローブ(NPPF)202に接触させるまたはそれと一緒にインキュベートする。反応物は、第2の標的核酸などに特異的に結合する他のNPPFも含んでよい。例えば、方法では、CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSのそれぞれに特異的なNPPFなどの、独特の各標的核酸分子に特異的であるように設計された1つまたは複数の異なるNPPFを使用することができる。一部の例では、複数のNPPFは、単一の標的核酸分子に特異的な1種より多い(例えば、2種、3種、4種、5種、10種、20種、50種またはそれよりも多い)NPPF(NPPFのタイル状セットと称される)を含んでよい。反応物は、隣接配列と相補的な核酸分子(CFS)208、210も含む。したがって、NPPFが5’隣接配列204を有する場合、反応物は、5’隣接配列と相補的な配列(5CFS)208を含み、NPPFが3’隣接配列、206を有する場合、反応物は、3’隣接配列と相補的な配列(3CFS)210を含む。一部の例では、5CFS 208は、後のステップにおいて標的200とのライゲーションを可能にする5’末端リン酸を有する。一部の例では、CFSの少なくとも1つは、所望の時点での標的の回収を可能にする捕捉用部分212を含む。捕捉用部分212は5CFS 208内に示されているが、それが存在する実施形態では、3CFS 210、NPPF 202または標的200上に代替的にあってよいことが理解されよう。CFSの配列は存在する隣接配列に応じて変動することが当業者には理解されよう。さらに、隣接領域が保護されることを確実にするために、1種より多いCFSを使用することができる(例えば、単一の隣接配列の異なる領域に結合する少なくとも2種のCFSを使用することができる)。CFSは、天然または非天然塩基を含んでもよい。
図2Aの捕捉用部分、212は、任意選択であるか、または3CFS 210もしくは標的200上にあってもよい。試料、NPPFおよびCFSを、NPPFがそれらのそれぞれの標的核酸分子に特異的に結合し(例えば、ハイブリダイズし)、かつCFSがNPPF隣接配列上のそれらの相補配列と結合する(例えば、ハイブリダイズする)のに十分な条件下でインキュベートする。一部の例では、NPPF 202よりも過剰のCFS 208、210、例えば、NPPFの少なくとも5倍のCFS(モル過剰)、例えば、NPPFの少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍のCFSを添加する。一部の例では、試料中の全核酸分子よりも過剰のNPPF 202、例えば、試料中の全核酸分子の少なくとも50倍のNPPF(モル過剰)、例えば、試料中の全核酸分子の少なくとも75倍、少なくとも100倍、少なくとも200倍、少なくとも500倍、または少なくとも1000倍のNPPFを添加する。実験の利便性のために、測定される最も豊富な核酸標的に対して、その核酸標的の少なくとも50倍、例えば、少なくとも100倍過剰のNPPFが存在するように、同様の濃度の各NPPFを含めてカクテルを作製することができる。使用される全てのNPPFの実際の過剰量および総量は、ヌクレアーゼ(例えば、S1ヌクレアーゼ)の、標的核酸標的とハイブリダイズしていない全てのNPPFを破壊する能力によってのみ限定される。一部の例では、反応物を加熱する、例えば、50℃で終夜(16時間など)インキュベートする。
図9Aのステップ2に示されている通り、結合/ハイブリダイゼーション反応物を生じさせた後、試料を、一本鎖(ss)核酸分子に特異的な試薬(ヌクレアーゼなど)と、結合していない核酸分子(例えば、結合していないNPPF、結合していないCFS、および結合していない標的核酸分子、または一本鎖のままであるそのような分子の一部分、例えばNPPFに結合していない標的核酸分子の一部分)などのss核酸分子を除去する(または消化する)ために十分な条件下で接触させる。これにより、ds NPPF/標的のハイブリダイズした複合体(または2重鎖)214が生成する。図9Aに示されている通り、試料をss核酸分子に特異的なヌクレアーゼと一緒にインキュベートすることにより、存在するあらゆるss核酸分子の分解がもたらされ、それに結合したNPPFおよびCFSおよび標的核酸分子を含めたインタクトな二本鎖核酸分子が残る。例えば、反応物をS1ヌクレアーゼと一緒に50℃で1.5時間インキュベートすることができる(しかし、加水分解は他の温度でも起こり、他の期間にわたり行うことができ、また、一部において、必要な時間および温度は、ヌクレアーゼの量、および加水分解される必要がある核酸の量、ならびに保護されている二本鎖領域のTmの関数である)。
図9Aのステップ3に示されている通り、NPPF/標的複合体214(ライゲーション前のある時点で捕捉または回収され(図9B〜9D参照)、かつ、ハイブリダイズしていない材料は除去される)を、標的配列200(DNAであってもRNAであってもよい)がCFS(例えば、5CFS 208、3CFS 210、またはその両方)とライゲーションするのを可能にし、それにより、ライゲーションした標的216が生成するライゲーション条件に曝露する。DNAリガーゼまたはRNAリガーゼ、例えば、T4 DNAリガーゼ、T4 RNAリガーゼ、またはTaqリガーゼなどの、標的配列とCFS(複数可)を共有結合により接合することが可能な任意のリガーゼを使用することができる(したがって、そのようなリガーゼは、本明細書において提供されるキット中に、例えば単独でまたはライゲーション緩衝液中で存在してよい)。使用されるリガーゼは、標的配列に最も近いCFS上に存在するヌクレオチド(リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチド)に左右され得る。一部の例では、リガーゼを緩衝液(例えば、NAD+またはATPなどの必須な補因子、緩衝剤を含有するもの)中に希釈し、陽イオンを、NPPF/標的2重鎖を含有する混合物に添加し、約4℃〜60℃(リガーゼに応じて)(例えば、少なくとも4℃、少なくとも20℃、少なくとも25℃、少なくとも30℃、少なくとも37℃、少なくとも50℃、または少なくとも60℃、例えば、4〜37℃、4〜25℃、または20〜25℃)で、少なくとも15分、少なくとも30分、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、または少なくとも16時間インキュベートして、CFSと標的核酸分子をライゲーションさせる(CFSおよび標的はすでにNPPFとハイブリダイズしている)。一例では、T4 DNAリガーゼの緩衝液は、50mMのTris−HCl、pH7.5、10mMのMgCl、10mMのジチオスレイトール、1mMのATPを含む。5CFS 208は、標的200の3’末端とライゲーションすることができる5’末端リン酸を含んでよい。3CFS 210は、標的の5’末端リン酸とライゲーションすることができる3’末端(3’末端ヌクレオチドなど)を含んでよい。NPPF上に隣接配列が1つのみ存在する場合、1つのCFSのみがNPPF/標的複合体に結合しており、標的は、1つのCFSのみとライゲーションする。CFSはDNAまたはRNA(または両方のヌクレオチド型の混合物)であってよい。CFSまたは標的がDNAである場合、DNAとのライゲーションのための5’末端リン酸ドナーはリボヌクレオチドであることはできない。一例では、標的がRNAである場合、5CFS 208はDNAまたはRNAであり、3CFS 210はRNAである。一例では、標的がDNAである場合、5CFS 208はDNA(または少なくとも5CFS 208の5’末端ヌクレオチドが標的の3’末端とライゲーションするdNTPである)またはRNAであり、3CFS 210はRNAである。
図9Aのステップ4に示されている通り、CFS(複数可)を標的とライゲーションした後、NPPF 202を、ライゲーションした標的216から分離する。すなわち、NPPF/標的複合体214(例えば、二本鎖核酸分子)を2つの一本鎖核酸分子、NPPF 202とライゲーションした標的216とに分離する。このステップにより、ライゲーションしていない核酸分子(例えば、ライゲーションしていないCFS)を除去することもできる。例えば、反応物を、NPPF 202がライゲーションした標的216から解離し、その結果、一本鎖のNPPF 202と、一本鎖のライゲーションした標的216の混合集団が生じることが可能になる条件下で加熱することまたはpHを変更すること(例えば、塩基性のpHを有する反応物がもたらされる)ができる。一部の例では、ライゲーションした標的216を、CFS上の捕捉用部分212を使用することによってこの混合物から分離する。本明細書に記載の捕捉方法を使用して、ライゲーションした標的216を捕捉することができる。例えば、捕捉用部分212がビーズである場合、ライゲーションした標的216を、遠心分離を使用して回収することができる。捕捉用部分212が金属ビーズである場合、ライゲーションした標的216を、磁石を使用して回収することができる。捕捉用部分212がカルボキシル基を含む場合、ライゲーションした標的216を、適切にアミンで標識された固体基材を使用して捕捉することができる。ライゲーションした標的216の捕捉後、反応物の残り(例えば、NPPF 202)を除去することができる(例えば、洗浄することによって)。一部の例では、ライゲーションした標的216を、濾過を使用して捕捉する。
図9Aのステップ5に示されている通り、次いで、単離されたライゲーションした標的216(またはそのアンプリコン)について配列決定する。一部の例では、複数のライゲーションした標的について並行して、例えば、同時にまたは同時期に配列決定する。したがって、この方法を使用して、複数のライゲーションした標的配列について配列決定することができる。
任意選択で、ライゲーションした標的216を、配列決定前に増幅する(例えば、PCRを使用して)、洗浄する、またはその両方を行う。一部の例では、例えば、少なくとも1つの隣接配列または捕捉用配列がdUTPを含む場合、NPPF 202を、ウラシルDNAデグリコシラーゼ(UDG)を用いて分解する。そのような分解は、増幅前または増幅中に生じさせることができる。標的がRNAである場合などの一部の例では、逆転写ステップを増幅の一部として含めることができる。したがって、次いで、結果として得られた、ライゲーションした標的アンプリコン226について配列決定することができる。PCRプライマーまたはプローブは、1つまたは複数の実験タグ222、224および/または配列決定アダプター218、220(例えば、ライゲーションした標的について特定の配列決定プラットフォームによって配列決定することを可能にするものであり、したがって、そのようなアダプターは、配列決定チップ上の捕捉用配列と相補的である)を含んでよい。PCRプライマー/プローブの少なくとも一部分は、5CFS 208および/または3CFS 210に特異的である。一部の例では、プライマーの濃度は、ライゲーションした標的216よりも過剰であり、例えば、少なくとも10,000倍、少なくとも50,000倍、少なくとも100,000倍、少なくとも150,000倍、少なくとも200,000倍、少なくとも400,000倍、少なくとも500,000倍、少なくとも600,000倍、少なくとも800,000倍、または少なくとも1,000,000倍過剰である。一部の例では、反応物中のプライマー208の濃度は、少なくとも200nM(少なくとも400nM、少なくとも500nM、少なくとも600nM、少なくとも750nM、または少なくとも1000nMなど)である。
図9B〜9Dに示されている通り、ライゲーション(例えば、図9Aのステップ3)前の時点(複数可)で、標的(図9Aの200)および標的に付着/ハイブリダイズした他の分子を回収または捕捉し(ステップ320)、したがって、試料中の残りの薬剤(例えば、ハイブリダイズしていない材料)を除去し、新しい試薬を添加することが可能になる。さらに、標的を捕捉することにより、その後、標的にハイブリダイズしたまたは他の様式で付着した核酸分子を洗浄すること(例えば、残留する酵素を不活性化または除去するため)が可能になる。
一例では、標的を、ハイブリダイゼーション時に回収または捕捉する(図9B)。図9Bに示されている通り、任意選択の変性300の後、標的を含有する試料を、NPPFおよびCFS(複数可)と一緒に、ハイブリダイゼーション310が可能になり、それにより、ハイブリダイズした複合体が生じる条件下でインキュベートする。そのような例では、標的を、それがハイブリダイズするNPPF、およびNPPFとハイブリダイズすることができるCFS(複数可)と一緒に、結果として得られたハイブリダイズした複合体320の捕捉を可能にする材料を含有する固体支持体の存在下でインキュベートする。例えば、3CSF、5CSF、および/またはNPPF上に存在する捕捉用部分(例えば、図9Aの212)を固体支持体として利用することができる。例えば、捕捉用部分がビーズまたはプレート(例えば、CFS上のアミノ基とビーズ上のカルボキシなどのカルボキシ−アミン連結を使用してCFSに付着させる)である場合、固体支持体は、ビーズまたはプレートである。この場合、捕捉用部分/固体支持体により、ハイブリダイズした複合体が固体支持体と結合することが可能になる(例えば、NPPFが固体支持体に付着したCFSとハイブリダイズし、標的および他のCFSがNPPFにハイブリダイズするので)。方法は、ハイブリダイゼーションの後に洗浄ステップを含んでよい。ヌクレアーゼ消化330、洗浄340、ライゲーション350、UDG消化370(任意選択、NPPFがdUTPを含む場合のみ)、および/またはPCR増幅380などのその後のステップの1つまたは複数を、試薬を除去し、そして試薬を捕捉された標的に添加することを可能にする固体支持体の存在下で行うことができる。
一例では、標的を、ヌクレアーゼ処理の後(例えば、図9Aのステップ2の後)であるが、ライゲーションの前(例えば、図9Aのステップ3の前)に回収または捕捉する(図9C)。図9Cに示されている通り、任意選択の変性400、ハイブリダイゼーション410、およびヌクレアーゼ消化430(NPPF/標的複合体(図9Aの214)が生じる)の後、NPPF/標的複合体をステップ420において試料混合物から回収する。一部の例では、NPPF/標的複合体を、CFS上の捕捉用部分を使用することにより、NPPF/標的2重鎖のss核酸分子への分離を伴わずに回収する。例えば、3CSF、5CSF、および/またはNPPF上に存在する捕捉用部分(例えば、図9Aの212)を固体支持体として利用することができる。例えば、捕捉用部分がビーズまたはプレート(例えば、CFS上のアミノ基とビーズ上のカルボキシなどのカルボキシ−アミン連結を使用してCFSに付着させる)である場合、固体支持体は、ビーズまたはプレートである。この場合、捕捉用部分/固体支持体は、NPPF/標的複合体の一部であり、これにより、その捕捉または回収が可能になる。方法は、回収の後に洗浄ステップ440を含んでよい。ライゲーション450、洗浄460、UDG消化470(任意選択、NPPFがdUTPを含む場合のみ)、および/またはPCR増幅480などのその後のステップの1つまたは複数を、試薬を除去し、そして試薬を捕捉された標的に添加することを可能にする固体支持体の存在下で行うことができる。
一例では、標的を、ハイブリダイゼーションの後(例えば、図9Aのステップ1の後)であるがヌクレアーゼ消化の前(例えば、図9Aのステップ2の前)に回収または捕捉する(図9D)。図9Dに示されている通り、ハイブリダイズした複合体を生じる、任意選択の変性500およびハイブリダイゼーション510の後、結果として得られたハイブリダイズした複合体をステップ520において試料混合物から回収する。一部の例では、ハイブリダイズした複合体を、CFS上の捕捉用部分を使用することによって回収する。例えば、3CSF、5CSF、および/またはNPPF上に存在する捕捉用部分(例えば、図9Aの212)を固体支持体として利用することができる。例えば、捕捉用部分がビーズまたはプレート(例えば、CFS上のアミノ基とビーズ上のカルボキシなどのカルボキシ−アミン連結を使用してCFSに付着させる)である場合、固体支持体は、ビーズまたはプレートである。この場合、捕捉用部分/固体支持体は、ハイブリダイズした複合体の一部であり、これにより、その捕捉または回収が可能になる。方法は、回収後に洗浄ステップを含んでよい。ヌクレアーゼ消化530、ライゲーション550、洗浄540、560、UDG消化570(任意選択、NPPFがdUTPを含む場合のみ)、および/またはPCR増幅580などのその後のステップの1つまたは複数を、試薬を除去し、そして試薬を捕捉された標的に添加することを可能にする固体支持体の存在下で行うことができる。
B.遺伝子発現を検出するためのタンパク質
開示されている方法の一部の実施形態では、試料中の遺伝子発現レベルを決定するステップは、試料中の1つまたは複数のタンパク質を検出すること(例えば、そのようなタンパク質の相対的なまたは実際の量を決定することによって)を含む。常套的なタンパク質の検出方法は、当技術分野で公知であり、本開示は特定のタンパク質検出方法に限定されない。
ELISAアッセイ、免疫ブロットアッセイ、フローサイトメトリーアッセイ、免疫組織化学的アッセイ、酵素イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ、ウエスタンブロットアッセイ、免疫蛍光アッセイ、化学発光アッセイおよび他のペプチド検出戦略などのイムノアッセイにおいて使用される標的タンパク質(表1のものなど)に特異的なタンパク質特異的結合剤(抗体またはアプタマーなど)によって認識される新規のエピトープにより、試料中のタンパク質遺伝子産物(例えば、表1のもの)を検出することができ、タンパク質発現のレベルを決定することができる。一般に、これらの方法では、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体が利用される。
したがって、一部の実施形態では、生体試料中に存在する標的タンパク質発現のレベル(表1のものなど)、したがって、発現したタンパク質の量を、検出可能に標識することが可能な抗体またはその断片などの標的タンパク質特異的結合剤を使用して検出する。一部の実施形態では、特異的な結合剤は、標的タンパク質(表1のものなど)に特異的に結合する、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体などの抗体である。したがって、ある特定の実施形態では、生体試料中のタンパク質のレベルまたは量を決定するステップは、対象由来の試料をタンパク質特異的結合剤(表1に示されているタンパク質に特異的に結合する抗体など)と接触させること、結合剤と試料が結合したかどうかを検出し、それにより、試料中に存在するタンパク質の量を測定することを含む。一実施形態では、特異的な結合剤は、標的タンパク質(表1のものなど)に特異的に結合するモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である。表1のものなどの標的タンパク質に対する抗体に関しては商業的供給源が存在することが当業者には理解されよう。
標的タンパク質(表1のものなど)の存在は、1種、2種、3種、またはそれより多い特異的な結合剤などの多数の特異的な結合剤を用いて検出することができる。したがって、方法では、1種より多い抗体を利用することができる。一部の実施形態では、抗体の1つをマルチウェルプレート(マイクロタイタープレートなど)、ビーズ、メンブレンなどの固体支持体に付着させる。実際には、マイクロタイタープレートを固相として都合よく利用することができる。しかし、抗体反応を液相で行うこともできる。
一部の例では、方法は、試料を、標的タンパク質(表1のものなど)に特異的に結合する第1の抗体に特異的に結合する第2の抗体に接触させることを含んでよい。一部の例では、第2の抗体を、例えば、フルオロフォア(例えば、FITC、PE、蛍光タンパク質など)、酵素(HRPなど)、放射性標識、またはナノ粒子(例えば、金粒子または半導体ナノ結晶、例えば、量子ドット(QDOT(登録商標)))を用いて検出可能に標識する。この方法では、抗体に結合している酵素を、色素形成基質などの適切な基質と、例えば、分光光度測定によって、蛍光定量的に、または視覚的手段によって検出することができる化学的部分が生じるように反応させる。抗体を検出可能に標識するために使用することができる酵素としては、これだけに限定されないが、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、デルタ−5−ステロイドイソメラーゼ、酵母アルコールデヒドロゲナーゼ、アルファ−グリセロリン酸、デヒドロゲナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオキシダーゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼおよびアセチルコリンエステラーゼが挙げられる。検出は、酵素に対する色素形成基質を用いる比色法によって達成することができる。
検出は、基質の酵素反応の程度を同様に調製した標準物質と比較する視覚的な比較によって達成することもできる。蛍光化合物を用いて抗体を標識することも可能である。例示的な蛍光標識用化合物としては、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o−フタルアルデヒド(o−phthaldehyde)、Cy3、Cy5、Cy7、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、フィコエリトリン、アロフィコシアニン、テキサスレッドおよびフルオレスカミンが挙げられる。抗体はまた、152Eu、またはランタニド系列の他のものなどの蛍光放出性金属を使用して検出可能に標識することもできる。抗体とコンジュゲートすることができる他の金属化合物としては、これだけに限定されないが、フェリチン、コロイド金、例えばコロイド超常磁性ビーズが挙げられる。これらの金属は、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)またはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)などのような金属キレート化基を使用して抗体に付着させることができる。抗体はまた、化学発光化合物とカップリングすることによって検出可能に標識することもできる。化学発光標識用化合物の例は、ルミノール、イソルミノール、セロマティックアクリジニウムエステル(theromatic acridinium ester)、イミダゾール、アクリジニウム塩およびシュウ酸エステルである。同様に、生物発光化合物を使用して抗体を標識することができる。一例では、抗体を、ルシフェリン、ルシフェラーゼまたはエクオリンなどの生物発光化合物を用いて標識する。抗体とコンジュゲートすることができるハプテンとして、これだけに限定されないが、ビオチン、ジゴキシゲニン、オキサゾロン(oxazalone)、およびニトロフェノールが挙げられる。抗体とコンジュゲートするまたはそれに組み入れられることができる放射性化合物としては、これだけに限定されないが、テクネチウム99m(99Tc)、125I、ならびに、これだけに限定されないが、14C、Hおよび35Sを含めた任意の放射性ヌクレオチドを含むアミノ酸が挙げられる。
一般に、タンパク質(表1のものなど)についてのイムノアッセイは、一般には、生体試料を抗体の存在下でインキュベートし、結合した抗体を当技術分野で周知のいくつかの技法のいずれかによって検出することを含む。一例では、生体試料(メラニン細胞を含有するものなど)を、ニトロセルロースもしくはマルチウェルプレートなどの固相支持体もしくは担体、または細胞、細胞粒子もしくは可溶性タンパク質を固定化することが可能な他の固体支持体と接触させ、その上に固定化することができる。次いで、支持体を適切な緩衝液で洗浄し、その後、標的タンパク質(表1のものなど)に特異的に結合する抗体を用いて処理することができる。次いで、固相支持体を緩衝液で二度目に洗浄して、結合していない抗体を除去することができる。抗体が直接標識されている場合、次いで、固体支持体に結合した標識の量を従来の手段によって検出することができる。抗体が標識されていない場合、標的タンパク質(表1のものなど)に特異的に結合する抗体を検出する、標識された第2の抗体を使用することができる。
あるいは、抗体を固体支持体に固定化し、次いで、組織生検材料などの生体試料から単離されたタンパク質と、抗体とタンパク質が互いと特異的に結合することが可能になる条件下で接触させる。次いで、結果として得られた抗体:タンパク質複合体を、例えば、タンパク質に特異的な別の抗体を添加すること(したがって、抗体:タンパク質:抗体サンドイッチを形成させること)によって検出することができる。添加された第2の抗体が標識されている場合、複合体を検出することができ、あるいは、添加された第2の抗体に対して特異的である、標識された二次抗体を使用することができる。
固相支持体または担体としては、試料、抗原または抗体を結合させることが可能な材料が挙げられる。例示的な支持体として、ガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然および変性セルロース、ポリアクリルアミド、斑糲岩ならびに磁鉄鉱が挙げられる。担体の性質は、ある程度まで可溶性であるか不溶性であるかのいずれであってもよい。支持材料は、カップリングした分子がその標的(抗体またはタンパク質など)と結合することが可能である限りは、事実上あらゆる可能性のある構造的構成を有してよい。したがって、支持体の構成は、ビーズのように球状であっても、試験管の内面または棒の外面のように円柱状であってもよい。あるいは、表面は、シートまたは試験ストリップなど、平らであってもよい。
一実施形態では、標的タンパク質(複数可)を検出するために酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)を利用する。ELISAは、試料中のタンパク質の存在を、例えば標的タンパク質(表1のものなど)に特異的に結合する抗体を使用することによって検出するために使用することができる。一部の例では、抗体を酵素と、例えば、直接コンジュゲートするかまたは二次抗体を通じて連結し、酵素により検出可能なシグナルに変換することが可能な物質を添加する。したがって、蛍光ELISAの場合では、試料に適切な波長の光を放つと、あらゆる抗原:抗体複合体が蛍光を発し、したがって、蛍光の大きさによって試料中の抗原の量を推定することができる。タンパク質(メラニン細胞を含有する試料から抽出または単離されたタンパク質など)を、通常、非特異的に(例えば、表面への吸着によって)または特異的に(例えば、「サンドイッチ」ELISAにおいて同じ抗原に特異的な別の抗体による捕捉によって)、固体支持体(例えば、ポリスチレンマイクロタイタープレート)上に固定化する。一般には、各ステップの間に、プレートを、NP40またはTWEENを伴うまたは伴わないリン酸緩衝食塩水などの弱い界面活性剤溶液を用いて洗浄して、特異的に結合していないあらゆるタンパク質または抗体を除去する。最終的な洗浄ステップの後、プレートを、酵素の基質を添加することによって展開して、試料中のタンパク質の数量を示す可視シグナルを生じさせる。
検出は、種々の他のイムノアッセイのいずれかを使用して達成することもできる。例えば、抗体または抗体断片を放射性標識することにより、ラジオイムノアッセイ(RIA)を使用することによってフィンガープリント遺伝子野生型または変異体ペプチドを検出することが可能になる。別の例では、感度が高く特異的なタンデムイムノラジオメトリックアッセイを使用することができる(ShenおよびTai、J. Biol. Chem.、261巻:25号、11585〜11591頁、1986年を参照されたい)。放射性同位元素は、ガンマカウンターもしくはシンチレーションカウンターの使用などの手段によって、またはオートラジオグラフィーによって検出することができる。
一例では、分光測定法を利用して標的タンパク質(表1のものなど)の発現レベルを検出または定量化する。例示的な分光測定法としては、質量分析、核磁気共鳴分光測定、およびこれらの組み合わせが挙げられる。一例では、質量分析を使用して生体試料中の標的タンパク質(表1のものなど)の存在を検出する。
標的タンパク質(表1のものなど)は、免疫親和性アッセイとカップリングさせた質量分析アッセイ、2次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動(2D−PAGE)によって分離されたタンパク質のマトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型(MALDI−TOF)質量マッピングおよび液体クロマトグラフィー/四重極飛行時間型エレクトロスプレーイオン化タンデム質量分析(LC/Q−TOF−ESI−MS/MS)配列タグの使用によって検出することもできる。
SELDIなどの定量的質量分光法を使用して、試料中のタンパク質発現を分析することができる。一例では、例えば、ProteinChip(Ciphergen Biosystems、Palo Alto、CA)を使用することにより、表面増強レーザー脱離−イオン化飛行時間型(SELDI−TOF)質量分析を使用して、タンパク質発現を検出する。そのような方法は当技術分野で周知である。SELDIは、分析物が、分析物の捕捉または脱離を増強する表面上のエネルギーの流れに提示される、脱離の固相方法である。
簡単に述べると、SELDIの1つのバージョンでは、表2〜8のいずれかのものなどの目的の分析物を選択的に捕捉する化学的性質を有するクロマトグラフィー表面を使用する。クロマトグラフィー表面は、疎水性、親水性、イオン交換、固定化された金属、または他の化学物質で構成されていてもよい。例えば、表面の化学的性質としては、分析物の共有結合または非共有結合による固定化の酸素依存性、炭素依存性、硫黄依存性、および/または窒素依存性手段に基づく結合機能性が挙げることができる。タンパク質−タンパク質相互作用およびタンパク質−DNA相互作用などの生体分子相互作用研究に使用されることも多い抗体、受容体、またはオリゴヌクレオチドなどの特定の「ベイト」分子を共有結合により固定するために活性化された表面を使用する。
表面の化学的性質により、結合した分析物を保持し、結合していない材料を洗い流すことが可能になる。その後、表面に結合した分析物(表1のものなど)を脱離させ、いくつかの手段のいずれかによって、例えば、質量分析を使用して分析することができる。レーザー脱離/イオン化質量分析においてなど、脱離のプロセスにおいて分析物をイオン化する場合、検出器はイオン検出器であってよい。質量分析計は、一般に、脱離したイオンの飛行時間を決定するための手段を含む。この情報を質量に変換する。しかし、脱離したイオンを分解し検出するためにその質量を決定する必要はない。イオン化された分析物が違う時間に検出器に衝突するという事実から、それらの検出および分解がもたらされる。あるいは、分析物を検出可能に標識することができる(例えば、フルオロフォアまたは放射性同位元素を用いて)。これらの場合、検出器は、蛍光検出器であっても放射能検出器であってもよい。アレイ内の各位置に保持される分子と会合する分析物の成分および機能を十分に調べるために、複数の検出手段を順次実装することができる。
したがって、特定の例では、クロマトグラフィー表面は、標的タンパク質(表1のものなど)に特異的に結合する抗体を含む。他の例では、クロマトグラフィー表面は、標的タンパク質(表1のものなど)に特異的に結合する抗体から本質的になる、またはそれからなる。一部の例では、クロマトグラフィー表面は、正規化タンパク質(例えば、表1のもの)などの他の分子に結合する抗体を含む。
別の例では、細菌Fc結合性支持体を使用して抗体を表面上に固定化する。クロマトグラフィー表面を母斑の試料などの試料と一緒にインキュベートする。試料中に存在する抗原は、クロマトグラフィー表面上の抗体を認識することができる。結合していないタンパク質および質量分析に干渉する化合物を洗い流し、クロマトグラフィー表面上に保持されているタンパク質をSELDI−TOFによって分析し、検出する。次いで、試料からのMSプロファイルを、示差的なタンパク質発現マッピングを使用して比較し、それによって、特定の分子量のタンパク質の相対的な発現レベルを種々の統計学的技法およびはバイオインフォマティクスソフトウェアシステムによって比較することができる。
あるいは、標的タンパク質の量は、蛍光法を使用して決定することができる。例えば、量子ドット(例えば、Qdots(登録商標)標識)は、増大している免疫組織化学、フローサイトメトリー、およびプレートに基づくアッセイを含めた適用の一覧において有用であり、したがって、本開示と併せて使用することができる。量子ドットナノ結晶は、感度および定量化に関しては非常に明るいシグナル;ならびにイメージングおよび分析に関しては高い光安定性を含めた独特の光学的特性を有する。単一の励起源が必要であり、増大している様々なコンジュゲート(例えば、抗体コンジュゲート)により、それらが広範囲の適用において有用になっている。量子ドットからの放出は狭く対称的であり、これは、はるかに多くの色を同時に使用することができるという事実にもかかわらず、他の色との重複が最小化され、その結果、近接する検出チャネルへの流出が最小になり、クロストークが減弱することを意味する。例えば、IHCは、量子ドットとコンジュゲートした二次抗体またはストレプトアビジンとコンジュゲートした量子ドットをビオチン標識された一次抗体または二次抗体と組み合わせて用いて実施することができる。
C.任意選択のアッセイ制御措置
任意選択で、遺伝子発現産物(例えば、核酸(mRNA、lncRNAなど)またはタンパク質)を検出するために使用するアッセイは、アッセイの性能を評価するために使用される陽性および陰性プロセス対照エレメントを含む。
陽性対照は、アッセイ(または試料)に含まれ、標的(複数可)と並行して検出することができ、そのような標的(複数可)の検出に干渉(例えば、交差反応)しない、好ましくは標的と同様の性質の任意の公知のエレメントであってよい(例えば、RNA標的であれば、RNA(またはcDNA)陽性対照)。一例では、陽性対照は、別の試料として並行して実行される、または各試料中に既知量で「スパイク」されるin vitro転写物(IVT)である。そのようなin vitro転写物についての陽性結果を確実にするために、IVTに特異的な結合剤(例えば、NPPまたはNPPFなどのオリゴヌクレオチドプローブ)、該当する場合にはIVTに特異的な検出剤も各アッセイに含める。
一部の状況では、例えば、正規化群を分析することにより、そうでなければ制御されない予想外のプロセスに関連する問題から異常なシグナルがもたらされる可能性があり、したがって、一部の実施形態では、任意の検体に対するアッセイの成功または失敗を、検体の安定性、完全性、またはインプットレベルに関係なく示すために、試料に依存しないプロセス対照エレメント(複数可)を含めることが有用である。核酸遺伝子発現産物を検出する方法の実施形態は、アッセイごとに既知濃度のRNA試料(例えば、in vitro転写物RNAまたはIVT)を含んでよい。そのような対照エレメント(例えば、IVT)は、各アッセイにおいて測定することができ、アッセイプロセス品質管理として機能する。
RNA遺伝子発現産物を伴う一部の開示されている方法の実施形態は、ユニバーサルヒト参照RNAを含有する並行処理された試料を含む必要はないが、含んでもよい。そのようなユニバーサルRNA試料が、適用可能なアッセイによる検出のために標的化されるRNAの全部または一部を含む場合、そのような含められたRNAについての陽性シグナルを予想することができ、これは、ある1つの(または別の)アッセイプロセス品質管理としての機能を果たし得る。
陰性プロセス対照エレメントとしては、試験試料中で発現することが予想されない遺伝子産物を検出するために設計または選択された分析物に特異的な結合剤(例えば、オリゴヌクレオチドまたは抗体)を挙げることができる。例えば、ヒトトランスクリプトームまたはプロテオームにおける任意の遺伝子発現産物を認識する分析物に特異的な結合剤を多重化アッセイに含めることができる(それぞれヒト遺伝子発現産物が所望の標的である植物または昆虫または線形動物のRNAまたはタンパク質に特異的なオリゴヌクレオチドプローブまたは抗体など)。この陰性対照エレメントは、適用可能なアッセイにおいてシグナルを生じさせないはずである。そのような陰性プロセス対照エレメントについてのバックグラウンドを超えるシグナルはいずれもアッセイ失敗の指標である。一例では、陰性対照はANTである。
IV.遺伝子発現データ
遺伝子発現データは、「疾患の予防および治癒、生物学的進化機構ならびに薬物の発見に関する基本的な問題に取り組むための鍵を含有する」(LuおよびHan、Information Systems、28巻:243〜268頁(2003年))。一部の例では、そのようなデータから情報を引き出すことは、検出された1種または複数の遺伝子産物の有無または定性的な量(例えば、高い、中程度である、低い)から定性的決定を行うほど単純である。他の例では、未加工の遺伝子発現データを前処理すること(例えば、バックグラウンドを差し引くこと、対数変換すること、および/または補正すること)、正規化すること、および/または分類アルゴリズムに適用することができる。しかし、そのようなデータの前処理は任意選択である。
多くの生物学的変数(例えば、遺伝子発現データ)は、パラメトリックな統計的検定の仮定に合わず、例えば、そのような変数は、正規分布しないか、分散が均一でないか、またはその両方である(Durbinら、Bioinformatics、18巻:S105頁(2002年)。一部の場合では、データを変換することにより、統計学的仮定により良好にフィットするようになる。一部の方法の実施形態では、有用なデータ変換は、(i)各観察の対数、例えば、10を底とする対数、2を底とする対数、eを底とする対数(自然対数としても公知)をとること;そのような対数は定数因子により異なるので対数選択による差異はない;または、例えばDurbin(上記)により記載されている分散安定化変換(variance−stabilizing transformation)からなる対数変換を含んでよい。具体的な例では、そのような方法において検出された各バイオマーカー(例えば、表1の少なくとも2つのバイオマーカー)についての未加工の発現値を対数(例えば、log2またはlog10)変換する。発現の計数/読み取りを算出する場合、変換は、各試料についての総読み取りを含んでよく、この値を百万の読み取り当たりにスケール調整する:遺伝子レベルの読み取りを試料についての総読み取りと比較して比例的に評価し、log変換し、百万当たりの計数(CPM)の2が底の対数、
(式中、rgiは、各試料についてマッピングされた読み取りの数(ライブラリー計数)(R、比例的な読み取り 対 ライブラリーサイズの比がゼロよりも大きくなることを確実にするために定数1でスケール調整したもの)について調整した、各プローブ(g)および試料(i)についての配列読み取りの数(ゼロ計数を回避するためにスケール調整したもの)である)を得る。
V.方法の実装
本明細書に記載の分類指標を伴うものなどの方法は、多数の様式で実装することができる。いくつかの代表的な非限定的な実施形態が下に記載されている。一部の方法の実施形態では、遺伝子発現データを、多数の遺伝子発現データ点を収集し、処理する場合に特に有利である、本明細書に記載の種々のアルゴリズムを適用するためのコンピューターまたは他のデバイス、マシンもしくは器具にインプットする(例えば、手動でまたは自動的に)。したがって、一部の例では、開示されている方法を使用して得られる遺伝子発現データまたは確率の値をコンピューターメモリに記憶させる。他の実施形態は、通信基盤、例えば、インターネットの使用を伴う。特定の分類指標および方法の実施形態を実装するために様々な形態のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、プロセッサー、またはこれらの組み合わせが有用である。ソフトウェアは、プログラムストレージデバイス、または、ユーザーの計算処理環境(例えば、アプレットとして)および関連するリモートサイト(例えば、サービス提供者の施設)に位置していてよいレビュアーの計算処理環境で実装されるソフトウェアの異なる部分に明確に具体化されたアプリケーションプログラムとして実装することができる。
例えば、ユーザーによるデータインプット中またはその後に、ユーザー側の計算処理環境においてデータ処理の一部分を実施することができる。例えば、ユーザー側の計算処理環境を、可能性「スコア」を示す定義された試験コードがもたらされるようにプログラムすることができ、スコアは、レビュアーの計算処理環境に、処理されたまたは部分的に処理された応答として、レビュアーの計算処理環境において結果を提供し、かつ/またはレポートを作成するためのその後の1つまたは複数のアルゴリズムの実行のための試験コードの形態で伝達される。スコアは、数値スコア(数値を表す)であっても数値または数値の範囲を表す非数値スコア(例えば、ある転帰の可能性が90〜95%であることを表す「A」)であってもよい。
本明細書に記載のアルゴリズムを実行するためのアプリケーションプログラムを任意の適切なアーキテクチャを含むマシンにアップロードし、それにより実行させることができる。一般に、マシンは、1つまたは複数の中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、およびインプット/アウトプット(I/O)インターフェース(複数可)などのハードウェアを有するコンピュータープラットフォームを伴う。コンピュータープラットフォームは、オペレーティングシステムおよびマイクロ命令コードも含む。本明細書に記載の種々のプロセスおよび機能は、オペレーティングシステムを介して実行されるマイクロ命令コードの一部またはアプリケーションプログラムの一部のいずれか(またはこれらの組み合わせ)であってよい。さらに、追加的なデータストレージデバイスおよび印刷デバイスなどの種々の他の周辺機器をコンピュータープラットフォームに接続することができる。
コンピューターシステムとして、システムは、一般に、プロセッサーユニットを含む。プロセッサーユニットは、情報を受信するように作動し、情報は、試験データ(例えば、応答遺伝子のレベル、参照遺伝子産物(複数可)のレベル;応答遺伝子の正規化されたレベルを含んでよく、また、患者データなどの他のデータも含んでよい。この受信された情報をデータベース内に少なくとも一時的に記憶させ、上記の通りデータを分析してレポートを作成することができる。
インプットデータおよびアウトプットデータの一部または全部を電子的に送信することもでき、ある特定のアウトプットデータ(例えば、レポート)を電子的にまたは電話によって(例えば、ファックスバックなどのデバイスを使用してファクシミリによって)送信することができる。例示的なアウトプット受信デバイスとしては、ディスプレイエレメント、プリンター、ファクシミリデバイスなどを挙げることができる。伝達および/またはディスプレイの電子形式としては、電子メール、インタラクティブテレビなどを挙げることができる。一実施形態では、インプットデータの全部もしくは一部分および/または、アウトプットデータ(例えば、通常は少なくとも最終的なレポート)の全部もしくは一部分を、典型的なブラウザーを用いたアクセス、好ましくは機密アクセス用のウェブサーバー上で維持する。所望の通り、医療従事者がデータにアクセスするまたは医療従事者にデータを送信することができる。最終的なレポートの全部または一部分を含むインプットデータおよびアウトプットデータを使用して患者の医療記録を格納する(populate)ことができ、これは、健康管理施設における機密のデータベース内に存在してよい。一部の例では、方法は、レポートを作成することを含む。一部の例では、レポートは、ABC DLBCLに対して「ABC」またはGCB DLBCLに対して「GCB」などの、試料の分類を示すアイコンを含む。
本明細書に記載の方法において使用するためのシステムは、一般に、少なくとも1つのコンピュータープロセッサー(例えば、方法の全体が単一の場所において行われる場合)または少なくとも2つのネットワーク化されたコンピュータープロセッサー(例えば、ユーザー(本明細書では「クライアント」とも称される)によりデータがインプットされ、分析用の第2のコンピュータープロセッサーのためにリモートサイトに伝達される場合、第1のコンピュータープロセッサーと第2のコンピュータープロセッサーがネットワークによって、例えば、イントラネットまたはインターネットを介して接続される場合)を含む。システムは、インプットのためのユーザーコンポーネント(複数可);ならびにデータ、作成されたレポートの精査および手動介入のためのレビュアーコンポーネント(複数可)も含んでよい。システムの追加的なコンポーネントとして、サーバーコンポーネント(複数可);およびデータを記憶するためのデータベース(複数可)(例えば、レポートエレメント、例えば、解釈のレポートエレメントのデータベース、またはユーザーによるデータインプットおよびデータアウトプットを含んでよいリレーショナルデータベース(RDB)におけるような)を挙げることができる。コンピュータープロセッサーは、一般には、パーソナルデスクトップコンピューター(例えば、IBM、Dell、Macintosh)、携帯型コンピューター、メインフレーム、ミニコンピューター、タブレット、または他の計算処理デバイスに見られるプロセッサーであってよい。
ネットワーク化されたクライアント/サーバーアーキテクチャを所望の通り選択することができ、これは、例えば、古典的な2段または3段クライアントサーバーモデルであってよい。アプリケーションサーバーコンポーネントの一部としてまたは別のコンポーネント(RDBマシン)としてのリレーショナルデータベース管理システム(RDMS)により、データベースにインターフェースがもたらされる。
一例では、アーキテクチャは、クライアントアプリケーションが、一般に、データベース(またはデータベースサーバー)に必要に応じて種々のレポートエレメント、特に解釈のレポートエレメント、とりわけ解釈テキストおよびアラートを有するレポートを格納するように要求するアプリケーションサーバーからのサービスを要求する、データベースセントリッククライアント/サーバーアーキテクチャとして提供される。サーバー(複数可)(例えば、アプリケーションサーバーマシンの一部または別のRDB/リレーショナルデータベースマシンとして)がクライアントの要求に応答する。
インプットクライアントコンポーネントは、アプリケーションを実行するための最大限の電源および特徴を提供する完全な独立型のパーソナルコンピューターであってよい。クライアントコンポーネントは、通常、任意の所望のオペレーティングシステムの下で作動し、通信エレメント(例えば、ネットワークに接続するためのモデムまたは他のハードウェア)、1つまたは複数のインプットデバイス(例えば、キーボード、マウス、キーパッド、または情報もしくはコマンドを転送するために使用する他のデバイス)、ストレージエレメント(例えば、ハードドライブまたは他のコンピューター可読のコンピューターに書き込み可能な記憶媒体)、およびディスプレイエレメント(例えば、モニター、テレビ、LCD、LED、または情報をユーザーに伝える他のディスプレイデバイス)を含む。ユーザーは、コンピュータープロセッサーにインプットデバイスを通じてインプットコマンドを入力する。一般に、ユーザーインターフェースは、ウェブブラウザーアプリケーションのために書かれたグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)である。
サーバーコンポーネント(複数可)は、パーソナルコンピューター、ミニコンピューター、またはメインフレームであってよく、データ管理、クライアント間での情報共有、ネットワーク管理およびセキュリティを提供する。使用するアプリケーションおよび任意のデータベースは、同じまたは異なるサーバー上にあってもよい。
メインフレームなどの単一のマシン上での処理、マシンの集合、または他の適切な構成を含めた、クライアントおよびサーバー(複数可)に対する他の計算処理アレンジメントが意図されている。一般に、クライアントおよびサーバーマシンは共に働いて本開示の処理を達成する。
使用される場合、データベース(複数可)は、通常、データベースサーバーコンポーネントに接続され、データを保持する任意のデバイスであってよい。例えば、データベースは、コンピューター用の任意の磁気または光学記憶デバイス(例えば、CDROM、内部ハードドライブ、テープドライブ)であってよい。データベースは、サーバーコンポーネントに対してリモートに(ネットワーク、モデムなどを介してアクセスする)、またはサーバーコンポーネントに対してローカルに設置することができる。
システムおよび方法に使用される場合、データベースは、データ項目間の関係に応じて組織化され、アクセスされるリレーショナルデータベースであってよい。リレーショナルデータベースは、一般に、複数の表(実体)で構成される。表の行は、記録(別々の項目に関する情報の集合)を表し、列はフィールド(記録の特定の属性)を表す。その最も単純な概念では、リレーショナルデータベースは、少なくとも1つの共通するフィールドを通じて互いと「関連する」データエントリーの集合である。
データを入力するサービスの時点で、および、一部の実施形態では、所望であれば適切なレポートを作成する時点で、コンピューターおよびプリンターを備えた追加的なワークステーションを使用することができる。コンピューター(複数可)は、アプリケーションを起動して、所望の通り、データエントリー、伝達、分析、レポート受信などの開始を容易にするためのショートカット(例えば、デスクトップ上に)を有してよい。
1.コンピューター可読記憶媒体
本開示は、計算処理環境において実行されると本明細書に記載の応答可能性評価の結果の全部または一部分を行うためのアルゴリズムの実装をもたらすプログラムが記憶されたコンピューター可読記憶媒体(例えば、CD−ROM、メモリキー、フラッシュメモリカード、ディスケットなど)も意図している。コンピューター可読媒体が本明細書に記載の方法を行うための完全なプログラムを含有する場合、プログラムは、アウトプットを収集、分析、および生成するためのプログラム指示を含み、一般に、本明細書に記載の通りユーザーと対話し、そのデータを分析情報と併せて処理し、そのユーザーに対する独特の印刷されたまたは電子媒体を生成するためのコンピューター可読コードデバイスを含む。
記憶媒体が、本明細書に記載の方法の一部分(例えば、方法のユーザー側面(例えば、データインプット、レポート受信能など)の実装をもたらすプログラムを提供する場合、プログラムにより、ユーザーによるデータインプットの伝達(例えば、インターネットを介して、イントラネットを介してなど)がリモートサイトにおける計算処理環境にもたらされる。データの処理または処理の完了をリモートサイトで行ってレポートを作成することができる。完全なレポートをもたらすためのレポートの精査および任意の必要な手動介入の完了後、次いで、完全なレポートをユーザーに電子文書または印刷された文書(例えば、ファックスまたは郵送される紙レポート)として伝達し戻すことができる。本明細書に記載のプログラムを含有する記憶媒体は、適切な基材に記録された指示(例えば、プログラムのインストール、使用などに関するもの)またはそのような指示を得ることができるウェブアドレスと共にパッケージ化することができる。コンピューター可読記憶媒体はまた、応答可能性評価を行うための1種または複数の試薬(例えば、プライマー、プローブ、アレイ、または他のそのようなキット成分)と組み合わせて提供することもできる。
2.アウトプット
一部の実施形態では、特定の試料(患者)についてのスコアが決定されたら、そのスコアの表示を臨床医または他の介護者に提示および/または伝えることができる。例えば、試験の結果を、ユーザー(臨床医または他の医療関係者、検査室職員、または患者など)に、試験の結果に関する情報をもたらす知覚可能なアウトプットで提供する。一部の例では、アウトプットは、紙アウトプット(例えば、書面によるまたは印刷されたアウトプット)、スクリーン上での提示、図式的なアウトプット(例えば、グラフ、チャート、または他の図表)、または可聴アウトプットである。したがって、アウトプットは、作成されたレポートを含んでよい。
例えば、アウトプットは、テキスト(任意選択で、対応する)スコアであってよい。例えば、テキストアウトプットは、「ABC」など、または「GCB」など、または「不確定」などであってよい。そのようなテキストアウトプットは、例えば、DLBCL亜型GCBであるかDLBCL亜型ABCであるかの診断をもたらすために使用することもでき、単に臨床医が亜型ABCとGCBを区別するのを補助するために使用することもできる。
他の例では、アウトプットは、予測確率の値などの数値(例えば、定量的アウトプット)である。追加的な例では、アウトプットは、グラフ表示、例えば、予測確率を示すグラフである。特定の例では、アウトプット(図式的なアウトプットなど)は、試験した試料をABCまたはGCBとして特徴付けるカットオフ値またはレベルを示すまたは提供する。他の例では、アウトプットは、アイコン、例えば、試料がABCに分類される場合には「ABC」、試料がGCBに分類される場合には「GCB」、または、試料が未分類に分類される(例えば、ABCまたはGCBのいずれとも一致しない)場合には「U」もしくは「?」である。一部の例では、アウトプットをユーザーに、例えば、アウトプットを物理的、可聴、または電子的手段を介して提供することによって(例えば、郵便物、電話、ファクシミリ伝達、電子メール、または電子医療記録への通信によって)通信する。
一部の例では、アウトプットには、データを解釈するためのガイドライン、例えば、DLBCLがABCまたはGCBであることを示す数値または他の限界値が伴う。ガイドラインは、DLBCLがABCであるかGCBであるかを特定する必要はないが、そのような診断を含んでよい。アウトプットにおける指標は、例えば、正常なもしくは異常な範囲またはカットオフを含んでよく、次いで、アウトプットの受信者が、例えば、診断または処置計画に達するために、それを使用して結果を解釈する。他の例では、アウトプットは、推奨される治療レジメンを提供してもよい。一部の例では、試験は、他の臨床的情報の決定(試料中の1種または複数の追加的なDLBCLバイオマーカーの量の決定など)を含み得る。
VI.遺伝子セットおよび分類指標アウトプットの臨床使用
開示されている遺伝子セットまたは分類指標により、DLBCL試料をGCB亜型または非GCB亜型(ABCなど)、または不確定として特徴付ける(例えば、診断する)ことができる。これら(および他の可能性のある)結果のそれぞれは、訓練された臨床専門家にとって有用である。一部の代表的な臨床使用を以下により詳細に記載する。これだけに限定されないが、物理的、可聴、または電子的手段(例えば、郵便物、電話、ファクシミリ伝達、電子メール、または電子医療記録への通信による)を含めた任意の適切な手段によって診断または予後判定を対象(例えば、患者または医師)に提供することができる。
A.診断指標
診断により、対象(例えば、患者)に、どんな疾患または状態を有しているまたは有している可能性があるかが通知される。本開示全体にわたってより詳細に記載されている通り、DLBCL亜型を分類する任意の開示されている方法の任意の結果を、例えば対象または医療従事者に、診断として提供することができる。したがって、診断は、DLBCLがGCB亜型であるか非GCB亜型(ABCなど)であるか、または不確定であるかを決定することを含む。
B.予後判定指標
予後判定は、その試料について特定の試験結果(例えば、DLBCLのGCB亜型または非GCB亜型(ABCなど))を受け取った対象についての可能性のある健康転帰である。予後不良とは、対象についての長期間の見通しが良好でないこと、例えば、1年、2年、3年または5年生存率が50%またはそれ未満(例えば、40%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、2%または1%またはそれ未満)であることを意味する。他方では、予後良好とは、対象についての長期間の見通しがまあまあ〜良好である、例えば、1年、2年、3年または5年生存率が30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%または90%より高いことを意味する。
ABC亜型のDLBCLなどの非GCB亜型のDLBCLは、GCB亜型のDLBCLよりも予後が不良であることが示されている。したがって、開示されている方法のいずれかによるABC亜型のDLBCLなどの非GCB亜型のDLBCLの所見を使用して、試験試料を採取した対象について比較的に予後不良であると予測することができる。逆に、開示されている方法のいずれかによるGCB亜型のDLBCLの所見を使用して、対応する対象について比較的に予後良好であると予測することができる。
C.治療的(予測的)指標
開示されている方法は、対象を、それらの対応する試料がGCB亜型のDLBCLまたはABC亜型のDLBCLなどの非GCB亜型のDLBCLとして亜型決定された場合、GCB亜型のDLBCLまたはABC亜型のDLBCLなどの非GCB亜型のDLBCLに対する処置のために選択すること(または選択しないこと)をさらに含んでよい。例示的な処置方法を以下のセクションに提供する。したがって、一例では、試料がGCB亜型のDLBCLであると決定される場合、試料を得た対象を、(1)シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、およびプレドニゾンもしくはプレドニゾロン(CHOP)化学療法、(2)リツキシマブ+CHOP(R−CHOP)化学療法、または(3)エトポシド+R−CHOP(R−EPOCH)を用いて処置する。別の例では、試料がABC亜型のDLBCLであることが決定される場合、試料を得た対象は、CHOPまたはR−CHOP療法に応答する可能性が低く、そのような対象を、1種または複数の代替療法(本明細書に開示されているものなど)を用いた処置のために選択することができる。
一部の実施形態では、開示されている方法は、患者の診断に応じて、以下の1つまたは複数も含んでよい:a)対象の決定された診断がGCB亜型のDLBCLである場合、対象に対して処置レジメン(例えば、1種または複数の化学療法剤または全身性療法;例えば、CHOP、R−CHOP、またはR−EPOCHを用いた処置)を処方すること;b)対象の決定された診断がABC亜型のDLBCLである場合、対象に対して処置レジメンを処方すること;またはc)対象の決定された診断がABC亜型のDLBCLである場合、対象に対して処置レジメンを処方しないこと(CHOP、R−CHOP、またはR−EPOCHを処方しないことなど)。
VII.DLBCLを有する対象を処置する方法
一部の実施形態では、DLBCL亜型の分類後、例えば、対象由来の試料がGCB DLBCLまたは非GCB(例えば、ABC)DLBCLとしてスコア化された場合、対象を、1種または複数の療法を用いた処置のために選択することができる。さらに、その後、選択された対象に1種または複数の療法を投与することができる。
一部の例では、対象に、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、およびプレドニゾンもしくはプレドニゾロン(CHOP)化学療法またはリツキシマブ+CHOP(R−CHOP)化学療法を投与する。一例では、対象に、R−CHOPに対するエトポシドも投与し、その結果、R−EPOCHと呼ばれる薬物の組み合わせをもたらす。
他の例では、対象に、抗CD20(例えば、リツキシマブ、オファツムマブ、オクレリズマブ、GA101、トシツモマブ、またはイブリツモマブチウキセタン)、抗CD22(例えば、エプラツズマブ)、抗CD19(例えば、SAR3419またはブリナツモマブ(blinatumumab))、抗CD30(例えば、ブレンツキシマブベドチン)、抗CD40(例えば、ダセツズマブまたはルカツムマブ(lucatumumab))、または抗CD70(例えば、SGN−75)などの1種または複数のモノクローナル抗体を投与する。一部の例では、モノクローナル抗体を毒素、放射性標識、または薬物とコンジュゲートする。追加的な例では、対象に、1種または複数のBcl−2阻害剤(例えば、ABT−737、オバトクラックス、またはオブリメルセンナトリウム)、mTOR阻害剤(例えば、ラパマイシン、エベロリムス、テムシロリムス、またはデフォロリムス(リダフォロリムス))、Syk阻害剤(例えば、ホスタマチニブ(タマチニブ))、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、プロテインキナーゼC阻害剤(例えば、エンザスタウリンまたはソトラスタウリン)、免疫調節剤(例えば、レナリドマイドおよびポマリドマイド)、オーロラAキナーゼ阻害剤(例えば、アリセルチブ)、またはヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(例えば、ボリノスタット、ロミデプシン、パノビノスタット、ベリノスタット、モセチノスタット、アベキシノスタット、またはエンチノスタット)を投与する。
一部の例では、対象に、CHOP、R−CHOP、またはR−EPOCHを第一選択の療法として投与し、再発またはDLBCLがCHOP、R−CHOP、もしくはR−EPOCHによる処置に対して不応性の際、上記のものなどの追加的な療法(および一部の例では、幹細胞移植)を投与する。他の例では、R−CHOPまたはR−EPOCHおよび上に列挙されている追加的な療法の1つまたは複数をDLBCLを有する対象に投与することができる。リツキシマブおよび上に列挙されている追加的な療法の1つまたは複数を対象に投与することもできる。
GCBまたは非GCB DLBCLを有する対象を処置するために使用することができる追加的な療法としては、放射線療法および/または1種もしくは複数の化学療法薬が挙げられる。一部の例では、化学療法剤としては、これだけに限定されないが、アルキル化剤、例えば、ナイトロジェンマスタード(例えば、クロラムブシル、クロルメチン、シクロホスファミド、イホスファミド、およびメルファラン)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン、フォテムスチン、ロムスチン、およびストレプトゾシン)、白金化合物(例えば、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、およびBBR3464)、ブスルファン、ダカルバジン、メクロレタミン、プロカルバジン、テモゾロミド、チオテパ、およびウラムスチン;代謝拮抗物質、例えば、葉酸(例えば、メトトレキセート、ペメトレキセド、およびラルチトレキセド)、プリン(例えば、クラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、およびチオグアニン)、ピリミジン(例えば、カペシタビン)、シタラビン、フルオロウラシル、およびゲムシタビン;植物アルカロイド、例えば、ポドフィルム(例えば、エトポシド、およびテニポシド)、タキサン(例えば、ドセタキセルおよびパクリタキセル)、ビンカ(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビン);細胞傷害性/抗腫瘍抗生物質、例えば、アントラサイクリンファミリーメンバー(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、およびバルルビシン)、ブレオマイシン、ヒドロキシウレア、およびマイトマイシン;トポイソメラーゼ阻害剤、例えば、トポテカンおよびイリノテカン;モノクローナル抗体、例えば、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ゲムツズマブ、リツキシマブ、パニツムマブ、およびトラスツズマブ;光増感剤、例えば、アミノレブリン酸、アミノレブリン酸メチル、ポルフィマーナトリウム、およびベルテポルフィン;ならびに、他の薬剤、例えば、アリトレチノイン、アルトレタミン、アムサクリン、アナグレリド、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、ベキサロテン、ボルテゾミブ、セレコキシブ、デニロイキンジフチトクス、エルロチニブ、エストラムスチン、ゲフィチニブ、ヒドロキシカルバミド、イマチニブ、ペントスタチン、マソプロコール、ミトタン、ペグアスパラガーゼ、およびトレチノインが挙げられる。
対象を、上記の療法の1つまたは複数を含めた療法の組み合わせを用いて処置することができる。具体的な例では、対象に、プロテインキナーゼC阻害剤を、リツキシマブ、ゲムシタビン、およびオキサリプラチン(R−GEMOX)と組み合わせて投与することができる。別の具体的な例では、対象に、プロテアソーム阻害剤(ボルテゾミブなど)を、R−CHOPと組み合わせてまたはエトポシド、ビンクリスチン、およびドキソルビシン+シクロホスファミドおよびプレドニゾン(EPOCH)と組み合わせて投与することができる。具体的な例では、対象に、R−ACVBP(リツキシマブ+ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンデシン、ブレオマイシン、およびプレドニゾン)を投与する。
当業者は、対象に対して適切な療法、投与量、および投薬スケジュールを選択することができる。必要な用量は、対象の種、年齢、体重および全身状態、使用される特定の治療剤(複数可)、ならびに投与の形式(複数可)に応じて対象間で変動する。
発現を検出するためのアレイ
例えば、DLBCLを有する対象におけるDLBCL亜型の決定における使用のための、遺伝子発現(表1のバイオマーカーの2種またはそれより多い発現など)を検出または測定するために使用することができるアレイが本明細書に開示されている。一部の実施形態では、1種または複数の対照遺伝子(例えば、正規化バイオマーカー)の発現を検出するためにも開示されているアッセイを使用することができる。特定の例では、アレイ表面は、プレート、ビーズ、またはフローセルを含む。
一部の実施形態では、アレイは、特異的に別個になった領域またはアドレス可能な位置を含む固体表面を含んでよく、各領域は、表1のバイオマーカーと直接的または間接的にハイブリダイズすることが可能な少なくとも1つの固定化されたオリゴヌクレオチドを有する(したがって、アレイは、それぞれが例えば表1のバイオマーカーに特異的な複数の領域を有してよい)。例えば、アレイは、特異的に別個になった領域を含んでよく、各領域は、表1のバイオマーカーの少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも5種、少なくとも10種、または16種全てと直接的または間接的に特異的にハイブリダイズすることが可能な少なくとも1つまたは少なくとも2つの固定化された捕捉用プローブ(CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSのそれぞれと直接的または間接的に特異的にハイブリダイズすることが可能な捕捉用プローブなど)を有する。一部の例では、オリゴヌクレオチドは、アレイ上のそれらの位置によって同定可能である。他の例では、オリゴヌクレオチドは、検出可能な標識(オリゴヌクレオチドと直接的または間接的に結びついたもの)によって同定可能である。別の例では、アレイは、特異的に別個になった領域を含んでよく、各領域は、少なくとも1つまたは少なくとも2つの固定化されたオリゴヌクレオチドを有する。
一部の例では、アレイは、DLBCLシグネチャー遺伝子または対照遺伝子のNPPと直接的または間接的に特異的にハイブリダイズすることが可能な2種またはそれより多い捕捉用プローブを含む。例えば、アレイは、表1のDLBCLシグネチャー遺伝子のうちの少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、少なくとも8種、少なくとも9種、少なくとも10種、少なくとも11種、少なくとも12種、少なくとも13種、少なくとも14種、少なくとも15種、または16種全てと相補的なオリゴヌクレオチドを含むまたはそれらからなるオリゴヌクレオチド(例えば、CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSのそれぞれと相補的なオリゴヌクレオチドを含むまたはそれらからなるオリゴヌクレオチド、例えば、配列番号1〜16に示されているもの)を含んでよい。一部の例では、アレイ(CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSのそれぞれと直接的または間接的に特異的にハイブリダイズすることが可能な捕捉用プローブを含むものなど)は、少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、少なくとも8種、または少なくとも9種の対照遺伝子と相補的なオリゴヌクレオチドを含むまたはそれらからなるオリゴヌクレオチドをさらに含む。
特定の例では、アレイは、表1に開示されている標的核酸の領域の全部または一部分を含む核酸などの標的核酸配列(またはそのような配列と相補的なオリゴヌクレオチド)を含むオリゴヌクレオチド(例えば、プログラミングリンカー)を含む。一部の例では、プログラミングリンカーは、基材に結びついたオリゴヌクレオチド(アンカーなど)と相補的な部分およびNPPの少なくとも一部分と相補的な部分を含む二機能性オリゴヌクレオチドである。
一部の実施形態では、アレイは、空間的に別個の領域(マルチウェル表面上のウェル、ビーズ、またはフローセル中のチャネルなど)を有する表面を含んでよく、各領域は表面およびオリゴヌクレオチド(例えば、プログラミングリンカー)に安定に(例えば、共有結合により)付着したアンカーを含み、プログラミングリンカーは、アンカーと相補的な第1の部分およびNPPと相補的な第2の部分を有するヘテロ二機能性リンカーであり、NPPは、標的核酸(例えば、CD47、CD86、IL16、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの2種またはそれより多く、例えば、CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの2種またはそれより多く、例えば、CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの全て)と相補的である。一部の実施形態では、アレイは、第1の部分がアンカーと相補的であり、第2の部分がNPPと相補的である二機能性リンカーを含むまたはそれから本質的になる。一部の例では、アレイは、第1の部分がアンカーと相補的であり、第2の部分が対照マーカーと相補的なNPPと相補的である二機能性リンカーをさらに含む。追加的な例では、アレイは、第1の部分がアンカーと相補的であり、第2の部分が陰性対照(ANTなど)と相補的なNPPと相補的である二機能性リンカーもさらに含む。そのようなアレイには、少なくともNPPと相補的でない二機能性リンカーのセグメントとハイブリダイズしたアンカーが付着している。そのようなアレイは、(1)プログラミングリンカーの第1の部分とハイブリダイズしたアンカープローブ、(2)プログラミングリンカーの第2の部分とハイブリダイズしたNPP、(3)NPPとハイブリダイズした第1の部分および検出用プローブとハイブリダイズした第2の部分を有する二機能性検出用リンカー、(4)検出用プローブ;(5)標識(アビジンHRPなど)、またはこれらの組み合わせをさらに含んでよい。
キット
例えば、試料を本明細書で考察されている通りABC、GCB、または未分類のDLBCLとして特徴付けることにおいて使用するために、DLBCLシグネチャー遺伝子のレベル(例えば、表1のバイオマーカーの2種またはそれより多い発現など)を検出または測定するために使用することができるキットも本明細書に開示されている。一部の実施形態では、開示されているキットを、1種または複数の対照マーカー(例えば、ANT)の発現を検出するために使用することもできる。特定の例では、キットは、CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSのそれぞれと直接的または間接的に特異的にハイブリダイズすることが可能な捕捉用プローブを含むアレイなどの、本明細書において提供されるアレイの1つまたは複数を含む。
一部の例では、キットは、核酸発現を検出するため、例えば、CD47、CD86、IL16、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの2種もしくはそれより多く、例えば、CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの2種もしくはそれより多く、または例えば、CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの全てを検出するための、プローブ(例えば、NPPまたはNPPF)および/またはプライマーを含む。例えば、キットは、少なくとも2種の異なるNPPFおよび対応するCFSを含んでよく、少なくとも2種の異なるNPPFは、CD47、CD86、IL16、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、もしくはTNFRSF8の2種もしくはそれより多く(少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、少なくとも8種、少なくとも9種、または10種全てなど)に特異的であるか、または、CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの2種もしくはそれより多く(少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、少なくとも8種、少なくとも9種、少なくとも10種、少なくとも11種、少なくとも12種、少なくとも13種、少なくとも14種、少なくとも15種または16種全てなど)に特異的である。例えば、キットは、CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSのそれぞれに特異的なNPP(またはNPPF)、例えば、配列番号1〜16に示されている配列を含む、またはそれらからなるNPPを含んでよい。
一部の例では、キットは、1種または複数の対照バイオマーカーをさらに含む。一部の例では、キットは、1種または複数の対照バイオマーカー(例えば、ANT)を検出するためのプローブおよび/またはプライマーをさらに含む。
キット内に含まれるプローブは、配列番号1〜16に示されている配列を含むプローブなどの、本明細書に開示されている標的配列と相補的であるまたはそれと特異的にハイブリダイズする1種または複数のNPPまたはNPPFを含んでよい。一部の例では、キットは、本明細書に開示されているバイオマーカーを検出するためのアレイを構築するために必要とされた1種または複数の核酸プローブを含んでよい。
一部の例では、キットは、表1に列挙されている1種または複数のバイオマーカーに特異的に結合する抗体、および任意選択で、1種または複数の対照バイオマーカーに特異的に結合する抗体を含む。例えば、キットは、タンパク質発現を検出するため、例えば、CD47、CD86、IL16、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの2種またはそれより多く、例えば、CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの2種またはそれより多く(CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの全てなど)、ならびに一部の例では1種または複数の対照バイオマーカーを検出するための抗体(例えば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、および/または抗体断片)を含んでよい。
一部の例では、キットは、緩衝液(溶解緩衝液、ハイブリダイゼーション緩衝液、洗浄緩衝液、および/または配列決定緩衝液など)を含有する容器;一本鎖核酸に特異的なヌクレアーゼ(S1ヌクレアーゼなど)を含有する容器;核酸プログラミングリンカーを含有する容器;エタノールを含有する容器;変性用油を含有する容器;プロテイナーゼKを含有する容器;少なくとも2種の異なるNPPFのアンプリコンに特異的に結合することが可能なビーズを含有する容器;およびPCR用の試薬(PCR緩衝液、ポリメラーゼ、dNTPなど)を含有する容器(複数可)の1つまたは複数を追加的に含む。一部の例では、キットは、特定の分量のCD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMS核酸またはタンパク質などの対照試料をさらに含む。
一例では、キットは、CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSと相補的であるまたはそれと特異的にハイブリダイズするNPPまたはNPPF、例えば、配列番号1〜16に示されている配列を含む、またはそれらからなるNPPを含む。キットがNPPFを含む場合、キットは、対応するCFSをさらに含んでよい。一部の例では、そのようなキットは、溶解緩衝液、ヌクレアーゼ溶液(S1を含むものなど)、終結緩衝液(例えば、ヌクレアーゼを中和または非活性化できるもの、例えば、pHを6より高く、例えば約9〜12に上昇させることができるもの)をさらに含む。一部の例では、そのようなキットは、プロテイナーゼK;変性用油;ならびに任意選択で、マイクロアレイプレートおよびピペットチップをさらに含む。一部の例では、そのようなキットは、ライゲーション緩衝液(例えば、リガーゼを含むもの)をさらに含む。一部の例では、キットは、NPPまたはNPPFまたはCFSの一部分に特異的なプライマー、例えば、NPPまたはNPPFの3’末端または5’末端または両末端に実験タグ、および/または配列決定アダプターを付加することが可能なプライマーも含む。
一例では、キットは、DLBCLシグネチャー遺伝子(例えば、CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの2種またはそれより多く)のmRNA発現を測定または検出する多数の値を受信し、方程式1を使用して多数の値を処理し、予測確率を計算し、試料を、試料のDLBCLの亜型を示すフレームワーク内に分類する(例えば、ABC、GCB、または未分類)、本明細書に記載のソフトウェアまたはコンピューター可読媒体などの、DLBCLの亜型に対する分類指標を実装する計算処理システムを含む。
一例では、キットは、DLBCL ABCおよび/またはGCB亜型、ならびに任意選択で未分類の試料において予想される予想値または値の範囲(予測確率値など)を示すグラフまたは表を含む。
キットは、説明用材料および追加的な試薬、例えば、酵素に基づく検出系(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼおよび適切な基質を含む検出用試薬)などの検出用試薬などの追加的な成分をさらに含んでよい。キットは、キットが設計される特定の適用を容易にするための追加的な成分(例えば、マイクロタイタープレート、ピペットチップなど)も含んでよい。キットは、二次抗体(例えば、表1のタンパク質に特異的に結合する一次抗体に特異的に結合する抗体、または対照タンパク質に特異的に結合する一次抗体に特異的に結合する抗体)、または抗体を標識するための手段も含んでよい。一例では、キットは、対照核酸および/または対照タンパク質をさらに含む。そのようなキットおよび適切な含有量は、当業者に周知である。説明用材料は、書面、電子形式(コンピューターディスケットまたはコンパクトディスクなど)であってもよく、視覚的(ビデオファイルなど)であってもよい。
本開示を以下の非限定的な実施例によってさらに例示する。
(実施例1)
DLBCLシグネチャー遺伝子一覧の同定
本実施例では、DLBCLを2つのクラス、ABCおよびGCBに亜型決定するための分類指標を構築するために使用した統計学的方法を記載する。さらに、未分類と表示される、不確実な領域を含む第3の亜型を分類に追加した。データ分析は全てRプログラミング言語バージョン3.2.2およびBioconductorパッケージバージョン3.1(64ビットバージョン)を使用して実施した。
推定性能の開発およびテストの両方に単一のデータのセットを使用する場合、Hastie、Tibshirani、およびFreidman(The Elements of Statistical Learning: Data Mining, Inference and Prediction Springer Science and Business Media, Inc.、2009年)において概説されているものと同様の戦略を使用して一般的な統計学的設計手順を展開した。亜型分類指標の開発に2つの一般的なステップ、モデル開発およびモデル評価を使用した。モデル開発は、モデル/変数の選択、パラメーター調整、および亜型を定義する最終的なモデルのテストの内部評価を含む。評価は、予測誤差の推定を含む。これらのステップはどちらも、専門臨床医によって評価された関連するDLBCLステータスを有するDLBCL FFPEカール(curl)の前向きに得た単一施設簡便試料を利用して実施した。
品質管理
配列決定の完了後、3つの品質管理(QC)測定基準(metrics)を各試料に適用した。順番に評価した相互排他的QC測定基準のそれぞれについて故障モード(failure mode)を同定した。第1のQC測定基準は、プローブ配列に対してマッピングされた読み取りのアラインメント率(Bowtieに基づく)である。期待値は、全アラインメントが≧85%であることであり、これが満たされない場合、試料はQC1の故障モードを有する。QC1品質測定基準を満たす全事例に適用される第2のQC測定基準は、試料が示差的な発現を有することである。発現は、発現の第1の四分位数(Q1)におけるプローブと発現の第3の四分位数(Q3)におけるプローブの間の発現差異を評価することによって確立され、発現の平均値間の比が2.0未満(Q1/Q3<2.0)であれば、試料は第2のQC測定基準(QC2)に不合格となる(S1不良または数の壁と称される)。QC1およびQC2に合格した試料/事例に適用される第3のQC測定基準(QC3)には、陰性対照:ANTプローブ(ANT1、ANT2、ANT3)が関与した。陰性対照に対する統計的プロセス制御(SPC)測定基準は、SUDHL6細胞株溶解物からの90ウェルの単一の技術的反復について配列決定したベースライン研究において確立した。SPC特徴付け研究により、陰性対照についての許容値の上限が確立され、次いで、この許容値を新しい試料全てに適用して、期待性能の範囲内に入る性能を実証した。期待性能を、ANTシグナル変動性の平均値を評価することによって確立した。期待値は、平均レベルと比較したANTの平均値が所定のカットオフを超えて変動しないというものである。カットオフは、log(CPM)で7.75であった。試料のANTの平均値がこの値を超える試料はいずれも第3のQC測定基準(QC3)に不合格になる。これらの故障モードのいずれかを有する試料は全て、分類指標コールを損なう可能性がある。
試料
全部で257の事例が、配列決定のために十分な代表的な組織を有し、上記の配列決定の品質管理手順に合格し、遺伝子発現プロファイリング(GEP)によって確認されたDLBCLステータスを有した。分析に使用した試料は、ANT値(陰性対照)の平均値についての品質管理測定基準に合格し、配列アラインメントが≧85%のプローブを有した。RNAseqは、特定の配列にマッピングされる読み取りの数を計数する方法体系である。アラインメント率は、PCRにより生成されたRNAコピーに正確にマッピングされている塩基対の数を定量化するための方法であり、試料中で入手可能な読み取りの少なくとも85%がマッピングされることが予想される。この量を下回ることは、マッピングされていない産物が試料中に存在することを暗示する。図2は、入手可能な全事例からの事例選択についてのデータフロー図を示す。
DLBCL組織溶解物をFFPE組織切片から調製した。組織切片を測定し、次いで、かみそりの刃を使用し、スライド上のあらゆる過剰なパラフィンを回避しながらこすり取り、標識されたエッペンドルフチューブ中に入れた。試料の面積を使用して、添加する溶解緩衝液の量を計算した:総面積(cm)×/28μl/0.25cm組織または総面積(cm)×/25μl/0.25cm組織。試料を溶解緩衝液(予熱した(50℃)、ホルムアミドおよびSDSを含むSSC緩衝液)に懸濁させた。次いで、界面活性物質(例えば、Brij−97)(「非水層」)を含有する鉱油500μlを組織懸濁物にオーバーレイし、この溶解反応物を95℃で10〜20分間インキュベートした。反応混合物を軽く冷却した後、プロテイナーゼKを溶解緩衝液の体積の20分の1の比になるように添加し、インキュベーションを50℃で60〜120分間継続した。溶解反応物は、すぐに使用することも、−70℃〜−80℃で凍結させ、保管することもできる。凍結させた溶解反応物は、その後に使用する前に50℃で10〜15分間解凍する。試料インプットは公知の試料インプットを有する試料について0.02cm/28μlであった。
qNPSアッセイ
各溶解した反応混合物28μlを96ウェルプレートのウェルに入れ、非水層70μlをオーバーレイした。各ウェルに、5’および3’隣接配列ならびに各隣接配列に対する適切な相補的な隣接配列(CFS)を有するヌクレアーゼ保護プローブ(NPPF)を含有する混合物5μlを添加した。NPPFの配列は、標的、ならびに3’および5’隣接配列に特異的に結合する捕捉用配列を含んだ。表2は、DLBCL分類指標の16種の遺伝子に対するNPPFの捕捉用配列部分を示す。したがって、標的配列は、示されている配列の相補物である。ミックス中には、検出しようとする複数のmRNA標的のそれぞれと相補的なNPPFを1nM(過剰量)で存在させた。各96ウェルプレートに30例(それぞれ3連)の異なるDLBCL溶解物および6例の対照試料(2例の非試料対照および4例の細胞株溶解物)を含めた。DLBCL試料をプレート上に盲検式でランダム化した(すなわち、盲検試料アノテーション)。
96ウェル試験プレートを85℃で10分間加熱して核酸を変性させ、次いで、52℃で16時間インキュベートしてNPPFをそれらのそれぞれのmRNA標的とハイブリダイズさせ、かつ、CFSをそれらのそれぞれの隣接配列標的とハイブリダイズさせた。
ハイブリダイゼーションステップ後、酢酸ナトリウム緩衝液中の過剰なS1ヌクレアーゼ(2.5U/μl)20μlを各ウェルの水相に添加した。S1反応を52℃で90分間進行させて、結合していないmRNAおよび結合していないNPPFおよび結合していないCFSを消化した。
S1消化ステップの間に、1MのTris−HCL(pH9.0)を含有する溶液5μlを96ウェル試験プレート中の反応物に対応する各ウェルに添加することによって96ウェル「停止」プレートを調製した。96ウェル試験プレート中の各反応物40μlを第2の96ウェル停止プレートの対応するウェルに移し、非水層70μlをオーバーレイした。停止プレートを100℃で20分間インキュベートし、次いで、室温で30分間冷却した。
捕捉反応の完了後、プレートを−20℃で保管することも、PCRタグ付けに直接使用することもできる。プレートを凍結保管した場合、PCRに使用する前に室温で30〜40分間穏やかに振とうしながら解凍することができる。
以下の通り、ライブラリー調製物の配列決定のためにPCRタグ付けを実施した。水6μl、NEB OneTaq(登録商標)HotStart X2 Master Mix GC緩衝液15μl、フォワードプライマー3μl、リバースプライマー3μl、および試料3μlを含むPCR試薬をきれいなチューブに添加した。陰性対照として、一部の試料には単に水を与えた。PCRを20サイクル実施した。
PCR後に過剰なプライマーを除去するために、各PCR試料(PCR陰性対照を除く)15μlを微量遠心チューブ中にプールした。プールしたPCR反応物350μlを5MのNaCl、135μl、40%PEG溶液137μl、およびAMPureビーズ35μlと混合した。チューブをボルテックスし、室温で5分インキュベートした。チューブを磁石スタンドに5分間置いてビーズを収集した。上清を廃棄した。ビーズに、10mMのTris−HCl、pH8.0、30μLおよびAMPure XP、75μLを添加した。チューブをボルテックスし、室温で5分間インキュベートした。チューブを磁石スタンドに5分間置いてビーズを収集した。上清を廃棄した。ビーズを80%エタノールで2回洗浄し、ビーズを37℃で5分間乾燥させた。ビーズを10mMのTris−HCl、pH8.0、40に懸濁させた。上清30μlを新しいチューブに添加し、これは浄化したものを含有した。ライブラリー10μLを2%アガロースゲル上に流すことによってプライマーの除去を確認した。
きれいにしたアンプリコンを、KapaQuantキット(Kapa Biosystems、カタログ番号10176100)を使用し、製造業者の指導に従って1:10,000に希釈した。
きれいにしたアンプリコンについて、MiSeqシークエンサー(Illumina)を使用して配列決定した。ライブラリーの変性およびシークエンサーのセットアップおよびローディングに関する製造業者の指示に従ってライブラリー30pMをMiSeq 150bp V3キットにロードした。
モデル開発
分類指標アルゴリズムの構築における第1のステップとして、遺伝子発現(GEP)コールが入手可能であった257例の品質管理されたDLBCL試料を、分類指標の開発のための172例のランダムな試料を含む2つの重複しないデータセットにランダムにサブセット(subset)し、残りの86例を検証セットとして使用した。ランダムな選択によって偏りが導入されていないことを確実にするために、これらの2例のランダムな試料の類似性を評価した。表3に、GEPコールによるこれらの2つのサブセットの分布を記載する。
最初に、qNPSを使用してDLBCL試料の全てにおける96種の遺伝子の発現を決定した。図3は、2つのセットにわたる陰性、陽性、およびハウスキーピング遺伝子を除去した後の、可能性のある分類指標となる遺伝子のランダムな性質を示す;図3の通り偏りは重複ではなくlog(CPM)計数の差異に現れる。ハウスキーピングおよび対照プローブ(表4)は統計分析を実施する前に除去した。これらのプローブを除去した結果、83種の遺伝子が分類指標とみなされた。
ロジスティック回帰としても公知のロジットリンク関数を用いた一般化線形モデルを使用して分類指標の開発を実施した。ロジスティック回帰は、応答(転帰)データが、二成分とも呼ばれる2つのカテゴリーを有する場合に使用されるモデルであり、この場合、2つのカテゴリーは、ABC分類/亜型およびGCB分類/亜型である。所与の分類の確率を推定するために使用される統計学的モデルは、以下の通り記載される:
式中、βは、切片を示し、βは、プローブのベクトル、xに関連するパラメーター推定値である。開発試料を使用して(1)に記載されているロジスティックモデルにフィットさせて、「重み」と呼ばれるパラメーター推定値
を得た。任意の新しい(開発データセットとは独立した)データのセットにおいて、これらの重みを各遺伝子についての発現レベル計数の値と併せて使用してABCまたはGCBに分類される予測確率Pr(Y=y|x)を決定する。最終的なモデルは、確率を計算するために使用したプローブと同数の
値を有し得る。推定確率は0と1との間に制限され、確率についての最適なカットオフを使用して今後の患者を分類する。
モデルの開発部分は2つのステップ、訓練およびテストを含んだ。テスト相は、最適なプローブ/標的を同定し、標的/プローブの選択および係数の縮小/スケール調整の後にパラメーター(重み)を得るために使用した内部測定基準を指す。これは、3つのランダムなデータのセット:訓練、テスト、検証を使用すべきであると示唆している一部の統計学の文献(Tibshirani、J. Royal Statistical Society(Series B)58巻:267〜288頁、2006年)とはわずかに異なる。本分類指標の目的に関して、訓練およびテストを同じ開発セットにおいて実施した。ABC、GCBおよび未分類の患者分類についての確率の最適なカットオフの決定をテスト相において実施した。これらのステップの全てを、事例の開発セットを使用して実施した。
重みの最適化と共に確率的計算に使用する83種の標的の選択を、「lasso」と呼ばれるアルゴリズムを使用して実施した。統計学的に、これらの方法は、最適化の一部として適用される「ペナルティ」の型によって群分けされ、このペナルティは、サンプルサイズが小さいことに基づく潜在的な偏りを調整するために重みを縮小する。この手法を記載する方法は公開されている(例えば、Tibshirani、J. Royal Statistical Society(Series B)58巻:267〜288頁、2006年を参照されたい)。本分類指標の開発のために用いられるlassoアルゴリズムは、Rの「glmnet」パッケージにおいて実装され、Friedmanら(J. Statistical Software、33巻(1号):1〜22頁、2010年)に記載されている。再サンプリングとして10倍交差検証を使用して最適な変数を決定した。これは、最初の開発データセットを、サイズ10の同等のサイズにしたサブサンプルに分ける方法であり、そのようなサブサンプルを100個創出した。これらのサブサンプルを、2つの亜型(すなわち、ABC、GCB)への分類が最も良好なモデル(例えば、フィットさせた回帰パラメーター)を見いだすため、ならびに、重み(例えば、生じ得る任意のスケール調整および縮小後の係数)として使用する値を決定するために使用した。
この方法を使用して、83種の標的のフィールドを表5の16種の標的まで狭めた。表5には、最適な係数のセットに対する「重み」(
)(すなわち、各標的について)も列挙されている。1未満(すなわち、負)の重みを有する標的はABC分類に関連付けられ、1より大きい重みを有する標的はGCB分類に関連付けられる。
予測確率カットオフ
最適な標的および重みが得られたら、予測確率のためのカットオフを得た。ちょうど2つの分類が存在する場合、クラスを定義する確率は、予測確率の範囲全体にわたって感度(試料がABCと正確に特定される確率)および特異性(試料がGCBと正確に特定される確率)を最大にすることによって得られる。DLBCL分類指標は、「未分類」の試料のサブセットも含んだ。これらの試料は、おそらくABCでもGCBでもなく、それにより、別の亜型(例えば、ABCまたはGCBコールを行うことができない)に潜在的に入る試料のセットとして同定される。感度+特異性(これらの組み合わせは正確度と呼ばれる)が、誤分類率(misclassification rate)が上昇するのと同じ点である、最大点から低下し始める点を決定した。これを下限と呼んだ。上限は、この値に関連して対称となる最高点(high point)である。図4は、この決定点(decision point)を図表で示す。数値的には、カットオフは下の点が0.43であり、上の点が0.57である。結果として得られたABC/GCBコールは、推定確率<0.43である事例がABCであり、推定確率>0.57である事例がGCBであり、両端を含んで0.43〜0.57の間に入る全てが未分類である。
(実施例2)
独立した試料へのDLBCL分類指標の適用
本実施例は、実施例1において開発されたDLBCL分類指標により、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)試料においてDLBCLのGCB亜型およびABC亜型を同定することが可能になることを実証する。
分類指標の最終的なテストから、「過剰フィット(over−fitting)」(例えば、過大評価(over−optimism))の傾向が低いことが示され、結果として得られた重みを検証セットに適用して性能を実証した。したがって、このデータのセットに対する分類指標の開発が完了した。
分類指標の開発に使用しなかった残りの86例のDLBCL試料を検証セットとして使用した。表5の16種の遺伝子のqNPS分析を上記の通り実施した。結果として得られたデータを分類指標に供した(例えば、qNPSを使用して得られた各遺伝子についての値を、方程式1を用いて分析し、予測確率を決定した)。本明細書の他の箇所に記載の通り、CD86、ITPKAB、LRMP、MME、PTPRCおよびRELは、DLBCLのGCB亜型に関連する傾向がある遺伝子であり、CD47、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、NF2、PIM1、STAT3、TNFRSF8およびTYMSは、DLBCLのABC亜型に関連する傾向がある遺伝子である。qNPSから得られた16種の遺伝子のそれぞれについてのアウトプット値に、表5に示されている重み値を掛け、これらの16種の遺伝子の総和を決定し、予測確率を決定し、ここで、結果として得られた予測確率の値により、試料がABC、GCB、または未分類であるかが決定される。
分類指標の性能についての測定基準は、分類指標によりGEPコールと同じABC/GCBコールを得ることができた事例の割合として定義される誤分類率を含む。追加的な測定基準には、陽性的中率(predictive value positive)および陰性的中率(negative predictive value)(それぞれPPVおよびNPV;すなわち、ABCまたはGCBのいずれかに正確に分類される事例)が含まれた。未分類の試料はこれらの測定基準の評価には含めないことに留意されたい。表6は、検証セットに適用した分類指標の検証の要約を示し、図5は、各試料についての分類を示す。
(実施例3)
in vitroにおけるDLBCL診断アッセイ
本実施例では、Illumina MiSeq次世代シークエンサーで実施する検出を伴うHTG EdgeSeqシステムを使用してFFPE組織からびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)腫瘍の起源細胞(COO)亜型を決定するために使用することができる方法を記載する。プロファイルされたデータを、分類アルゴリズムによって評価し、腫瘍が、活性化B細胞様(ABC)、胚B細胞様(GCB)、または未分類の亜型のものであるかを決定する。
HTG EdgeSeqシステムは、定量的ヌクレアーゼ保護アッセイ(qNPA)化学と次世代配列決定(NGS)プラットフォームを組み合わせて、96種の標的化遺伝子を単一のアッセイで半定量的に分析することを可能にする(図1)。qNPA化学では、大多数の試料からの核酸抽出が必要なく、それにより、試料インプットの必要量が有意に低減する。qNPA化学ではまた、核酸抽出、サイズ選択、cDNAの合成、およびアダプターライゲーションに関連する偏りも排除される。自動化された手順により、操作誤差が低減し、それにより、FFPE組織のような貴重な試料から調製された配列決定ライブラリーを確実に再現性よく生成できることが補助される。HTG EdgeSeqシステムの使用により、実験者が生の試料から配列決定の準備が整ったライブラリーまで、3時間未満の実施時間でおよそ36時間以内にたどり着くことが可能になる。
qNPA技術(例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,741,564号を参照されたい)により、抽出を伴わない、非RNA増幅形式でのmRNAの定量化が可能になる。HTG EdgeSeq化学プロセスの2つの主要エレメントは、DNAとRNAのハイブリダイゼーションおよびS1ヌクレアーゼ消化である。ユニバーサルウイング配列が隣接する機能的DNAヌクレアーゼ保護プローブを標的RNAとハイブリダイズさせ、これらはどちらも可溶性であり、生物学的マトリックス内で架橋結合することが可能である。ユニバーサルDNAウイングメンプローブをウイングとハイブリダイズさせてS1ヌクレアーゼ消化を防止する。S1ヌクレアーゼを添加して過剰なハイブリダイズしていないDNAプローブおよびハイブリダイズしていないRNAを消化し、唯一残っている完全にインタクトな機能的DNA保護プローブは、標的RNAとハイブリダイズしたプローブである。これにより、本質的に1:1の比であるDNAの検出用プローブと試料中の最初に標的化されたRNAが生じる。熱変性により保護プローブをDNA:RNA2重鎖から放出させる。放出されたDNA保護プローブは数え上げる準備が整っている。
DNA保護プローブを、サーモサイクラーにおいて配列決定アダプターおよびタグで標識する。標識されたDNA保護プローブを濃縮し、プールし、Illumina MiSeqプラットフォームにおける標準のNGSプロトコールを使用した配列決定の準備を整える。NGS計器からの遺伝子発現データを、例えば、HTG EdgeSeqホストシステムソフトウェアによって処理し、レポートする。
標的mRNA内の相補配列とハイブリダイズする特別に設計されたオリゴヌクレオチド(プローブ)を、mRNAのレベルを測定するための手段として使用する。これらのオリゴヌクレオチドは、潜在的な二次構造が確実に存在しないことが確認された配列に対して設計し、他のレポートされたヒト配列に対してBLAST検索に供して、アッセイ内の他の遺伝子との有意な相同性または相補性がないことを確実する。各オリゴヌクレオチドは、100merであり、5’末端における25merの「ウイング」、3’末端における25merの「ウイング」、および、それらの間の、標的mRNAと相補的な50mer配列で構成される。
HTG EdgeSeq DLBCL Cell of Origin Assayは、4つの主要なステップを含む。(1)試料の調製(手作業によるステップ):HTG溶解緩衝液を添加してFFPE組織試料を溶解および/または透過処理することにより、RNAをその後の対応する標的特異的ヌクレアーゼ保護プローブ(NPP)への結合に利用可能にする。溶解させた試料を、試料プレートと称される標準の96ウェルマイクロタイタープレートに移す。(2)HTG EdgeSeq化学による標的捕捉(自動化されたステップ):標的捕捉をHTG EdgeSeq化学によって行う。簡単に述べると、ヌクレアーゼ保護プローブ(NPP)を試料プレート中の溶解させた試料に過剰量で添加し、標的mRNAとハイブリダイズさせる。次いで、S1ヌクレアーゼを添加してハイブリダイズしていないmRNAおよび過剰なNPPを消化し、したがって、化学量論量の標的−mRNA/NPP2重鎖を生じさせる。S1消化が完了した後、処理された試料を停止プレートと称されるV底を有する新しい96ウェルマイクロタイタープレートに移し、終結溶液を添加し、その後、S1酵素を熱変性させることによってS1消化を終結させる。(3)アダプターおよびバーコードの付加のためのPCR増幅(手作業によるステップ):停止プレートからの処理された試料のそれぞれを、タグと称される特別に設計されたプライマーを用いたPCR反応をセットアップするための鋳型として使用する。これらのタグは、プローブの5’末端および3’末端「ウイング」配列と相補的な共通の配列ならびにIllumina MiSeq配列決定プラットフォームにおけるクラスター生成のために必要な共通のアダプターを共有する。さらに、各タグは、試料の同定および多重化のために使用される独特のバーコードを含有する。Illumina配列決定プラットフォームにおいて12種のフォワードプライマータグおよび8種のリバースプライマータグを使用することができ、したがって、最大96例の試料を同時に分析することができる。8例、24例、または96例の試料をIllumina MiSeq計器で同時に分析するように、HTG EdgeSeq DLBCL Cell of Origin Assayを構成する。PCR増幅の完了後、清浄化手順を実施して、組み入れられなかったタグをPCR産物(ライブラリーと称される)から除去する。次いで、個々のPCR反応物を用いてPCR清浄化を実施する。(4)ライブラリーの定量化および配列決定(半自動化されたステップ):Illumina MiSeqプラットフォームにおいてMiSeq v3キットを使用して配列決定を実施する。適切なクラスター生成が確実になるように試料ライブラリーの濃度を平衡化し、調整する。標的遺伝子のmRNA発現に関する配列決定データをHTG EdgeSeqパーサーソフトウェアにインポートし、そこで、DLBCL COO亜型を実験者に表の形式でレポートすることができる。
試料の処理:FFPE試料に関しては、試験する切片は、厚さ4〜6ミクロンであるべきであり、ガラス顕微鏡スライド上に載せる。試験する切片のエリア(複数可)はDLBCLであることが決定されているべきである。各試料について、目的のエリアに明白に印が付けられたH&E染色したスライドまたはスキャン画像1枚がスライドからの目的のエリアのマクロダイセクションをガイドするよう強く示唆されている。一般には、染色していない切片が1つ必要である。切片中に含有される腫瘍部分が非常に小さい場合、多数の切片をこすり取り、テストのために合わせて単一のチューブに入れることができる。
腫瘍のサイズを測定する際、あらゆる正常な他の非腫瘍または壊死性組織を組織切片から排除する。排除が実用的でない状況では、非腫瘍組織をサイズ計算に含めない。組織切片により最大推奨試料インプットよりも大きな表面積がもたらされる場合、関連する腫瘍部分全体をこすり取り、溶解緩衝液を使用して適切な作用濃度に希釈する。非常に小さな組織をテストする場合、多数の切片を合わせて単一のチューブに入れて所望の組織インプット量を達成し、単一の試料として処理することができる。変性用油は、室温で保管した場合、白色沈殿物を形成し得る。変性用油を50℃で10分間温め、ビンを軽く混合して沈殿物を溶解させる。すぐに使用しない溶解させた試料は、最大1週間、微量遠心チューブ中−80℃で凍結させておくことができる。試料は、96ウェル試料プレート中で凍結させるべきではない。
FFPE組織の処理を以下の通り実施することができる。試験する適切なエリア(複数可)を、H&E染色、IHC、または他の適切な手段で同定し、このエリアに、スライドの裏側から消えないマーカーを使用して印をつける。印をつけたエリアに包含される総表面積(mm単位)を測定し、計算する。低細胞充実性、非標的組織、壊死性である、または他の点で試験結果を損なう可能性がある組織エリアを排除する。HTG EdgeSeq DLBCL Cell of Origin Assayについて許容されるインプット量は、試験当たり1.56〜12.5mmの組織である。非常に小さな試料(例えば、針コア生検材料)の場合では、多数の組織切片を合わせて同じチューブに入れて必要な試料量を達成することができる。溶解緩衝液および変性用油を50℃で30分間解凍する。プロテイナーゼKは、使用する準備が整うまで−20℃で維持すべきである。染色していない切片から開始して、印をつけたスライドをガイドとして使用し、染色していないスライドの適切な組織のエリアをかみそりの刃でこすり取る。組織を適切に標識したRNAseフリー微量遠心チューブに入れる(かみそりの刃から取り、微量遠心チューブ中に入れるのを補助するためにピペットを使用することができる)。軽く遠心分離して(約20秒間)FFPE組織をチューブの底部に引き寄せる。組織の標的化エリア当たり35μLのHTG溶解緩衝液をチューブに添加する。例えば:
非常に大きな切片は、上に列挙されている溶解緩衝液体積の倍数を使用して処理することができる。各チューブに変性用油500μLを添加し、チューブに蓋をする。ボルテックスはしない。試料を95℃まで、15分間加熱し、試料を室温で10分間冷却する。プロテイナーゼKを各チューブの下層(赤色)に溶解緩衝液の体積の1/20の比で添加する。例えば:
溶液を6回ピペットで吸引排出することによってプロテイナーゼKを混合する。溶解させた試料を50℃で3時間、オービタルシェーカー上でまたは30分ごとにピペットで混合しながらインキュベートする。試料を処理することも、−70〜−80℃で凍結させて最大4週間保管することもできる。
HTG EdgeSeqプロセッサーでの実行の開始:HTG EdgeSeq Assay Reagent Packをパッケージから取り出し、室温で80分間解凍する。
試薬トレーを振とうしたり逆さにしたりせず、使用前に試薬を計器上で混合する。10%ブリーチ、その後、70%イソプロピルアルコールを使用してHTG EdgeSeq Assay Reagent Packをきれいにする。溶解させた試料が凍結している場合、50℃で45分間解凍し、使用前に各試料の水相をピペットで混合する。試料を軽く遠心分離して全ての液体をチューブの底部に戻す。各試料35μLを試料プレートの適切なウェル中にピペットで入れる。HTG EdgeSeqシステムバーコードスキャナーを使用して、HTG EdgeSeq Plate Packからの試料プレートをスキャンする。次いで、HTG EdgeSeqプロセッサーを始動させ、およそ20時間実行させる。処理後、停止プレートを取り出し、分析する。
ライブラリー処理:PCRマスターミックスを、例えば、NEB OneTaq(登録商標)HotStart 2X Master Mix GC緩衝液、分子グレードの水、および配列決定タグを使用して調製することができる。この混合物をリバースプライマーと一緒に停止プレート中の適切な試料の一部分に添加し、PCRを以下の通り実施する:95℃で4分間、次いで、95℃で15秒間、56℃で45秒間、および68℃で45秒間を20サイクル、次いで、68℃で10分間、そして、4℃で保持する。結果として得られた反応物は、すぐに処理することも、−20℃で保管することもできる。ライブラリーを以下の通りプールし、浄化することができる。各PCR産物15μLを新しい予め標識された96ウェルPCRプレートに移す。ウェル当たり37.5μLのAMPure XPビーズを添加する(室温に予め温めておき、1分間ボルテックスすることによって十分に混合する)。ウェルを混合し、室温(RT)で5分間インキュベートする。試料を磁石スタンドに置き、3分間ビーズを収集する。目に見えるビーズのペレットが形成されるはずである。上清を取り出し、ビーズペレットは乱さない。ビーズペレットが緩い場合には、ビーズによるコンタミネーションを防ぐために、残留液体5〜10μLを残すことができる。新たに調製した80%エタノール200μLを添加し、30秒〜1分間放置する。各ウェルからエタノールを除去する。エタノール洗浄を繰り返し、合計で2回の洗浄を行う。プレートを磁石スタンドから取り、室温で5分間乾燥させる。10mMのTris−HCl、pH8.0、40μLを各ウェルに添加し、ピペットで混合してビーズを再懸濁させる。室温で5分間放置する。プレートを磁石スタンドに2分間置き、ビーズを収集する。各ライブラリー上清30μLを新たなウェルに移す。
配列決定前に、例えばKAPA Quantitationシステムを使用して、以下の通り、創出された個々の試料ライブラリーを定量化し、個々のライブラリー濃度を平衡化させることができる。1:100段階希釈を実施する(例えば、3連で)。10mMのTris/0.05% Tween、297μLを1:100希釈物の各ウェルに添加する。浄化したライブラリー3μLをディープウェルプレートの対応するウェルに添加する。試料を混合する。第2の1:100希釈を実施して、最終的な希釈因子1:10,000を達成する。10mMのTris/0.05% Tween、297μLを1:10,000希釈物の各ウェルに添加する。「1:100希釈」プレートからの試料3μLを「1:10,000希釈」プレートの対応するウェルに添加する。十分に混合する。1:100,000希釈物が必要な場合、追加的な1:10希釈を実施する。KAPAライブラリー定量化キットを室温で30分間解凍する。初回使用では、10×Primer Premix、1mLを2×KAPA SYBR FAST qPCR Master Mix(5ml)のビンに添加し、混合する。HTG EdgeSeq試料および標準物質に対する2×Mastermix、50×ROX High Dye(必要な場合)、および分子生物学グレードのHOの体積を製造業者の指示に従って計算する。利用するqPCRシステムに適した命令入力およびプロトコールを創出する。製造業者の指示に従ってqPCR計器をロードし、試料をサイクルさせる。サイクルが完了した後、結果をMicrosoft Excel(登録商標)ファイルとしてエクスポートする。検量線についてのQC測定基準が製造業者の仕様書に適合することを確実にする。
例えば、HTG EdgeSeq IVD Library Calculatorを使用して、プールしたライブラリーを創出することができる。
Illumina MiSeq Systemにおける配列決定:プールしたライブラリーの配列決定を以下の通り、例えばIllumina MiSeq計器を製造業者の指示に従って使用して実施することができる。各Illumina MiSeq計器に対する最適な最終的なプールされたライブラリー濃度は変動し得る。結果として得られた配列決定データを分析することができる。
HTG EdgeSeq DLBCL Cell of Origin Assay分類システムでは、試料分類を作成する前にデータ品質評価を実施する。これらの要件に合格しない試料は、番号を付して「QC不合格」としてレポートされる。分類するためには不十分な配列決定読み取りが得られた場合には、ライブラリーのプールおよび定量化の段階で試料が適正に定量化され、十分なライブラリーが添加されたことを確実にし、残りのあらゆる試料溶解物からの試料について再度実行し、FFPE組織の新たな切片からの試料を再度溶解させる。組織を再度評価して利用されたエリアが腫瘍であることを確実にする、またはこれらの組み合わせを行う。データのプロファイルがDLBCLから得られる発現の典型的なパターンを反映しない場合、これは、潜在的な試料の調製またはプロセッサーの問題を示す。この状況では、残りのあらゆる試料溶解物からの試料について再度実行し、かつ/またはFFPE組織の新たな切片からの試料を再度溶解させ、組織を再度評価して利用されたエリアが腫瘍であることを確実にする。
HTG EdgeSeq DLBCL Cell of Origin Assayの実施:HTG EdgeSeq DLBCL Cell of Origin Assayと共に提供される凍結成分を、試薬を混合も撹拌もせずに、室温で80分間解凍する。あらゆる凍結試料溶解物を50℃で30分間加熱することによって解凍した後、試料を試料プレートにピペットで入れる。HTG EdgeSeqプロセッサー内への消耗品の配置は、処理される試料の数に伴って変動し得る。
アッセイ結果:アッセイレポートにより、DLBCL事例と一致する3つの潜在的な結果(1)「ABC」もしくは活性化B細胞亜型、(2)「GCB」もしくは胚B細胞亜型、(3)遺伝子発現のパターンがABCもGCBも示さない場合の「未分類」、または(4)試料から、分類前に試料−レベル品質管理測定基準に合格する結果がもたらされず、試料に対して再度実行すべきであることを示す「QC不合格」がもたらされる。
ABC亜型を示す腫瘍は、一般に、予後および標準治療のDLBCL療法への応答がGCB亜型のものよりも不良である。DLBCL腫瘍の亜型決定により、臨床医を、再発した患者における代替的な療法の形態に導くことができる(Vose、J Clin Oncol、2011年、29巻:4065〜4066頁;Thieblemontら、J Clin Oncol、2011年、29巻:4079〜87頁)。最近、これらの差異を認識するため、およびABC亜型に対するより有効な処置に関する調査を容易にするために、World Health Organization DLBCL分類に関して変更がなされた(Swerdlowら、Blood、2016年;127巻:2375〜90頁)。これらの選択肢には多数の新しい治療薬に関する治験が含まれる。
性能特徴
試料インプット:FFPE試料からの反復試料溶解物(1つのABCおよび1つのGCB)をウェル当たり12.5〜0.39mmの間の2倍希釈物にわたって試験した。分類は、6つの試験した希釈点の100%で、推奨される1.56mmを下回る組織であっても一貫したままであった。この一貫性を2種の低発現プローブ、CD274(PD−L1)およびPDCD1(PD−1)でも評価した。図6および7は、試料発現を、ABC試料およびGCB試料のどちらにおいても低試料インプット量から高試料インプット量まで示す。
アッセイ再現性:日ごとの再現性を、Affymetrix(商標)遺伝子発現プロファイリング(GEP)によって以前に特徴付けられた80例の試料(40例のABC、40例のGCB)を使用して評価した。以前に「未分類」として特徴付けられた試料は意図的に排除した。およそ5mmの等価のFFPE組織が各試料ウェルに存在し、3つの別々の日に単一のHTG EdgeSeqプロセッサーおよびMiSeqシークエンサーで配列決定した。生じた240例の総データセットのうち、236例(98.33%)が予備分類QCに合格した。1例のABCおよび1例のGCB試料が1日目に、2例のABC試料が2日目にQC不合格になり、3日目にQC不合格になった試料はなかった。表9に、HTG EdgeSeq DLBCL Cell of Origin Assayによる試料亜型決定の最終的な結果をGEPと比較して記載し、全体的な一致率は全日にわたって100%であった。
IHCに対するアッセイの一致:HTG EdgeSeq DLBCL Cell of Origin AssayのIHC方法体系と比較した一致を、2つの独立したコホートを使用した遡及的研究によって実施した。第1のコホートは、Visco−Young法(Lenzら、N Engl J Med 2008年;359巻(22号):2313〜23頁)によって以前にABCまたはGCBとして特徴付けられた132例の試料からなった。第2のコホートの24例の試料は、Choi法(Rosenwaldら、N Engl J Med 2002年;346巻(25号):1937〜47頁)を使用して特徴付けられた。各コホートについて未分類の試料を除いた一致率を計算した。GEPに対して最適化されたHTG EdgeSeq DLBCL Cell of Origin Assayは、Choi IHCアルゴリズムにより一貫して実施され、全体的な一致は91%であった(表10)。HTG EdgeSeq DLBCL Cell of Origin AssayとVisco−Young IHCの間の全体的な一致は83%であった(表11)。IHCアルゴリズムには未分類の亜型分類カテゴリーが含まれないので、いずれの全体的な一致率にも未分類の試料は含めなかった。
診断再現性:14例の以前に特徴付けられた臨床試料を2つの試料インプット量で溶解させた。全ての試料について3回の反復を3つのHTG EdgeSeqプロセッサーにわたって行い、単一の日に配列決定した。全ての条件にわたってプールして合計で252のGCB/ABC分類コールが生成した。
合計で試料の97%(244/252)がその後の分類のためのQC測定基準に合格した。未分類の試料を排除した場合、99パーセント(99%)の一致が得られた(総誤分類が1例);未分類の結果を含めた場合には97%の一致が得られた。未分類の結果は合計で8例であり、これらのうちの6例は単一の試料から得られた。これらの一致率を表12に要約する。各反復についての分類のグラフ表示が図8に示されている。
本開示の原理を適用することができる多くの可能性のある実施形態を考慮して、例示されている実施形態は単に例であり、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではないことが認識されるべきである。そうではなく、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義される。したがって、これらの特許請求の範囲の範囲および主旨に入る全てが本発明者らの発明であることを主張する。

Claims (24)

  1. びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)を分類する方法であって、
    対象から得た試料中のCD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSの発現を測定し、それにより、CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSについての発現値を得るステップと、
    各発現値に重み付けし、それにより、重み付き発現値を生成するステップと、
    前記重み付き発現値を合計し、それにより、合計重み付き発現値を生成するステップと、
    前記合計重み付き発現値を使用して確率スコアを算出するステップと、
    前記確率スコアを閾値と比較するステップと、
    前記確率スコアがABCの範囲内の値であれば前記DLBCLを活性化B細胞様(ABC)に分類する、
    前記確率スコアがGCBの範囲内の値であれば前記DLBCLを胚中心B細胞様(GCB)に分類する、または
    前記確率スコアが未分類の範囲内の値であれば前記DLBCLを未分類に分類するステップと
    を含む、方法。
  2. 核酸発現を測定する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記核酸が、mRNAおよび/またはmiRNAである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記試料が、固定された試料である、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 発現を測定するステップが、ヌクレアーゼに基づくアッセイを使用して前記試料を分析することを含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 発現を測定するステップが、配列決定することを含み、前記発現値が、前記試料中に存在する分子の数を表す計数である、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 発現を測定するステップが、発現を定量化することを含む、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
  8. 各発現値に重み付けするステップが、前記発現値に表5に示されている係数を掛けることを含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  9. 確率スコアを算出するステップが、式:
    を使用し、ここで式中、β0は定数であり、βは、分類指標となる遺伝子に対する重みのベクトルであり、xは、所与の試料についての前記分類指標となる遺伝子の測定値のベクトルである、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記閾値が、確率スコアtカットオフである、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記確率スコアtカットオフが、ABCについて<0.43、GCBについて>0.57、未分類について0.43〜0.57である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記対象が、DLBCLを有することが分かっているまたは有する疑いがある、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記試料の6%未満を未分類に分類する、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記発現値が、
    前記試料を、隣接配列を含むヌクレアーゼ保護プローブ(NPPF)と、各NPPFがその標的核酸分子に特異的に結合するのに十分な条件下で接触させること、
    前記試料を、前記隣接配列と相補的な配列(CFS)を含む核酸分子と、前記隣接配列が前記CFSに特異的に結合するのに十分な条件下で接触させること、
    前記試料を、一本鎖核酸分子に特異的なヌクレアーゼと、結合していない核酸分子を除去するために十分な条件下で接触させ、それにより、前記標的核酸分子および前記CFS(複数可)とハイブリダイズしたNPPFを含む消化された試料を生成すること、
    前記消化された試料中のNPPFを、増幅プライマーを用いて増幅し、それにより、NPPFアンプリコンを生成すること、
    前記NPPFアンプリコンの少なくとも一部について配列決定すること、ならびに
    NPPFアンプリコンの数を計数し、それにより、前記試料中のCD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSについての発現値を決定すること、
    によって得られる、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記発現値が、
    前記試料を、CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMS標的核酸分子に特異的なNPPFと接触させることであって、
    各NPPFが、
    5’末端および3’末端、
    前記NPPFと前記標的核酸分子との特異的な結合を可能にする、前記CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMS標的核酸分子の領域と相補的な配列
    を含み、
    前記隣接配列が、前記標的核酸分子と相補的な配列に対して5’側、3’側、またはその両方に位置し、5’隣接配列は前記標的核酸分子と相補的な配列の5’側にあり、3’隣接配列は前記標的核酸分子と相補的な配列の3’側にあり、
    前記隣接配列が、前記試料中に存在する核酸分子には見いだされない少なくとも12個の連続したヌクレオチドを含み、
    前記NPPFが5’隣接配列を含む場合には、前記試料を、前記5’隣接配列と相補的な配列(5CFS)、5’末端リン酸を含む核酸分子と、前記5’隣接配列が前記5CFSと特異的にハイブリダイズするのに十分な条件下で接触させ、
    前記NPPFが3’隣接配列を含む場合には、前記試料を、前記3’隣接配列と相補的な配列(3CFS)を含む核酸分子と、前記3’隣接配列が前記3CFSと特異的にハイブリダイズするのに十分な条件下で接触させ、
    前記3CFSおよび前記5CFSの少なくとも一方が、捕捉用部分を含む、接触させること、
    前記標的核酸分子とハイブリダイズした、前記3CFSとハイブリダイズした、前記5CFSとハイブリダイズした、または前記3CFSおよび前記5CFSの両方とハイブリダイズしたNPPFを生成すること、
    前記試料を、一本鎖核酸分子に特異的なヌクレアーゼと、結合していない核酸分子を除去するために十分な条件下で接触させ、それにより、前記標的核酸分子とハイブリダイズした、前記3CFSとハイブリダイズした、前記5CFSとハイブリダイズした、または前記3CFSおよび前記5CFSの両方とハイブリダイズしたNPPFを含む、消化された試料を生成すること、
    前記標的核酸分子とハイブリダイズした、前記3CFSとハイブリダイズした、前記5CFSとハイブリダイズした、または前記3CFSおよび前記5CFSの両方とハイブリダイズした前記NPPFを捕捉すること、
    前記3CFSの5’リン酸と前記標的核酸分子の3’末端をライゲーションし、そして前記5CFSの3’末端と前記標的核酸分子の5’末端をライゲーションし、それにより、ライゲーションした標的核酸分子を生成すること、
    前記ライゲーションした標的核酸分子から前記NPPFを分離し、それにより、一本鎖のNPPFと一本鎖のライゲーションした標的核酸分子とを含む混合物を生成すること、ならびに
    前記一本鎖のライゲーションした標的核酸分子の少なくとも一部分の配列決定をして、それにより、前記試料中の前記CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMS標的核酸分子の配列を決定すること
    によって得られる、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記NPPFが少なくとも1つのdUTPを含み、前記方法が、変性後かつ配列決定前に、一本鎖のNPPFと一本鎖のライゲーションした標的核酸分子とを含む前記混合物を、ウラシルDNAデグリコシラーゼ(UDG)と、前記一本鎖のNPPFを分解するために十分な条件下で接触させるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記DLBCLがGCBに分類される場合に、前記対象に、治療有効量の(1)シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、およびプレドニゾンもしくはプレドニゾロン(CHOP)化学療法、(2)リツキシマブ+CHOP(R−CHOP)化学療法、または(3)エトポシド+R−CHOP(R−EPOCH)化学療法を投与するステップをさらに含む、請求項1から16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記DLBCLがABCに分類される場合に、前記対象に、治療有効量の、ベンダムスチン、ピキサントロン、ゲムシタビン/オキサリプラチン、リポソームビンクリスチン、抗CD20 mAb、抗CD22 mAb、抗CD74 mAb、抗CD40 mAb、単鎖二重特異性抗CD19およびCD3 mAb構築物、I−131トシツモマブ、イノツズマブオゾガマイシン、90Y−エプラツズマブテトラキセタン、サリドマイド、レナリドマイド、ボルテゾミブ、NPI−0052、エベロリムス、テムシロリムス、ボリノスタット、オブリメルセンナトリウム、PF−3512676、17−AAG、ベバシズマブ、アフリベルセプト、CAL−101、バルプロ酸、ジナシクリブ、ホスタマチニブ、ダサチニブ、エンザスタウリン、PCI−32765、SB1518、ならびにソラフェニブの1つまたは複数を投与するステップをさらに含む、請求項1から16のいずれかに記載の方法。
  19. プログラムされたときにそれにより計算処理システムに請求項1から16のいずれか一項に記載の方法を実施させるための、コンピューターで実行可能な指示が記憶された1つまたは複数のコンピューター可読記憶媒体。
  20. 請求項1から16のいずれか一項に記載の方法の実施に適合させた計算処理システム。
  21. 以下:
    少なくとも16種の異なるNPPFおよび対応するCFSを含む容器であって、前記少なくとも16種の異なるNPPFが、CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSに特異的である、容器、ならびに、
    前記少なくとも16種の異なるNPPFのアンプリコンに特異的に結合することが可能なビーズを含む容器、
    一本鎖核酸に特異的なヌクレアーゼを含む容器、
    溶解緩衝液を含む容器、
    洗浄緩衝液を含む容器、
    PCR用試薬を含む容器、
    エタノールを含む容器、
    リガーゼを含む容器、
    ライゲーション緩衝液を含む容器、
    変性用油を含む容器、および
    プロテイナーゼKを含む容器
    の1つまたは複数
    を含む、キット。
  22. 少なくとも16種の異なるNPPFおよび対応するCFSを含む前記容器であって、前記少なくとも16種の異なるNPPFが、CD47、CD86、ENTPD1、FOXP1、FUT8、IL16、ITPKB、LRMP、MME、NF2、PIM1、PTPRC、REL、STAT3、TNFRSF8、およびTYMSに特異的である、容器、
    一本鎖核酸に特異的なヌクレアーゼを含む容器、
    溶解緩衝液を含む容器、ならびに
    ヌクレアーゼ終結緩衝液を含む容器
    を含む、請求項21に記載のキット。
  23. DLBCLの亜型に対する分類指標を実装する計算処理システムをさらに含む、請求項21または22に記載のキット。
  24. 前記計算処理システムが、2種またはそれより多いDLBCLシグネチャー遺伝子についての発現値を受信し、多数の値を各遺伝子についての対応する閾値に対してスコア化し、試料を前記試料のDLBCLの亜型を示すフレームワーク内に分類するソフトウェアまたはコンピューター可読媒体を含む、請求項23に記載のキット。
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