JP2018535213A - IgG軽鎖におけるN末端切断の防止 - Google Patents

IgG軽鎖におけるN末端切断の防止 Download PDF

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Abstract

本発明者らは、マウス分泌リーダー配列およびN末端のSYEモチーフを有する組換え抗体軽鎖が、翻訳後プロセシング中に切断されることを発見した。本開示は2つのタンパク質工学の解決策:LcN末端のSYEアミノ酸配列を他の代替物に変更すること、または分泌リーダーペプチド配列を変化させることを提供する。本発明者らは、これらの解決策の両方が、N末端軽鎖切断を防止するのに有効であることを示した。

Description

免疫グロブリンG(IgG)抗体は、2つの重鎖(He)および2つの軽鎖(Lc)からなる。モノクローナル抗体(mAb)は、過去30年間にわたって医薬品としてますます開発されており、治療薬の最も急速に成長するクラスを代表する(非特許文献1;非特許文献2)。これは、抗体発見のための技術、例えばファージおよびリボソームディスプレイ、ならびにヒト抗体レパートリーを有するトランスジェニックマウスの開発によって可能になった(非特許文献3)。バイオ医薬品環境においては、抗体を、DNAの分子操作および哺乳動物宿主細胞のトランスフェクションによって産生し、特異的に標的化された生物療法剤を産生することができる。発見プロセスから得られるリード抗体分子は、開発および臨床応用に使用するために、かなりの量で産生する必要がある。一般的に、組換え抗体の大規模産生には、CHOまたはNS0のような安定な組換え哺乳動物細胞株を用いるが、これらの宿主細胞が抗体を正確に折り畳み、組み立てる能力および必要な翻訳後修飾を行うためである(非特許文献1)。一般に、目的の抗体遺伝子をコードする発現プラスミドの組み込みのために、トランスフェクションおよび選択することによって、宿主細胞株を操作する。例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞は、LcおよびHe可変ドメインおよび定常ドメインのコード領域を含むDNAでトランスフェクトすることができる。このDNAは、CHO宿主細胞ゲノムに安定に組み込まれ、次いで転写され翻訳されて、それぞれが分泌リーダー配列を含むLcおよびHeポリペプチドを産生する。
分泌リーダー配列は、新生ポリペプチドを細胞質からトランスロコンを介して小胞体(ER)に向ける、ペプチドの「郵便番号」として働く。詳細には、新生ポリペプチドが細胞質中のリボソームから出現すると、シグナルペプチドはシグナル認識粒子(SRP)に結合し、この複合体は小胞体のトランスロコンを標的とする(非特許文献4)。次いで、ポリペプチドが膜を横切って細胞質からERに移行すると、シグナルペプチド自体がシグナルペプチダーゼによって切断され、したがってシグナルペプチドは成熟タンパク質の一部ではない。HeおよびLcポリペプチドは、細胞機構によって最終の抗体タンパク質産物にプロセシングされ、抗体は細胞上清中に分泌される。
真核生物シグナルペプチドは、有意な配列保存ではなく、構造的相同性によって特徴付けられ、3つのドメイン構造:正電荷を持つN末端ドメイン(N−ドメイン)、中心疎水性領域(h−ドメイン)およびより極性のC末端領域(C−ドメイン)を持つ(非特許文献5)。hドメインはSRP認識および結合の主要な特徴であり、疎水性はER膜を横切る移行にとって重要である(非特許文献6)。C−ドメインは切断部位を規定し、「−3、−1規則」を満たさなければならず(非特許文献7;非特許文献8)、ここでシグナルペプチドの−1位(すなわち、切断部位の前の最後の残基)がA/S/G/C/T/Qアミノ酸残基によって占有されなければならず、−3位に芳香族化合物(F/H/W)、荷電(D/Q/K/R)、または巨大極性残基(N/Q)があってはならず、ならびに−3から+1までにPはない。切断部位の直前の同様のシグナルペプチダーゼ認識部位A−X−Bもまた仮定されている(非特許文献9)。位置Aは、A/G/S残基またはより大きな脂肪族アミノ酸L/V/Iからなり、位置BはA/G/Sによって占有されている。シグナルペプチドの−1位を占めるアミノ酸は、シグナルペプチダーゼ切断部位にとって重要である(非特許文献10)。さらに、−1位および−3位ならびにh/Cドメイン接合の上流のアミノ酸残基の同一性は、切断の部位および効率に影響を及ぼす(非特許文献11)。NドメインとHドメインとの間の接合部の位置もまた、切断部位に影響を与える(非特許文献12)。
治療用抗体が着実に産生されることが必須である;トランスフェクトされた細胞株は、安定であり、再現可能な製品品質特性を有するタンパク質を産生しなければならない。例えば、最終的な治療用タンパク質製品中に不純物(すなわち、最終的な無傷のモノクローナル抗体または最終製剤緩衝液の一部ではない任意の物質)を有することは望ましくない。不純物は、製品の不安定性につながる可能性があり、免疫原性を引き起こし、製品の有効性を低下させ、および/または患者の安全性を損なうオフターゲット効果を有する可能性がある。不純物は、未加工細胞培養採取物の後工程によって除去することができる;しかし、このプロセスは、時間および費用の両方において高価である。したがって後工程の前に、最終的な培養採取物に存在する不純物を、できる限り確実に少なくすることが有益である。IgG製品に非常に似ている不純物を検出および除去することも困難である。このように、これらの製品関連の変異体は、培養採取において最小限に抑えることが望ましい。
シグナルペプチドの切断プロセスは、一般に、抗体に対して非常に効率的であり、正確に切断された重鎖および軽鎖ポリペプチドの割合を高くする。しかし、切断部位が可変であり、その結果、mAb重鎖および軽鎖の切断または伸長を生じる例がいくつか確認された(非特許文献13;非特許文献14;非特許文献15;非特許文献16)。本発明者らは、多種多様なヒト抗体の重鎖および軽鎖の分泌のために、マウス重鎖シグナルペプチド配列(非特許文献17;非特許文献18)を使用し、非常に均一なN末端配列をもたらすシグナルペプチドの正確なプロセシングを観察した。ここで本発明者らは、マウス重鎖シグナルペプチド配列とN末端SYEアミノ酸モチーフを有するラムダ軽鎖との組合せに関連する、以前に文献に詳述されていない組換えヒトIgG軽鎖切断の特徴付けおよび防止を記載する。
具体的には、(特許文献1)に開示され、その内容全体を参照によって本明細書に組み入れる、治療用IgG(MEDI8490)の開発の過程で、本発明者らは、約3〜8%の最終抗体製品は切断されたLcペプチドを含むことを観察した。切断されたLcは、そのN末端の3つのアミノ酸:セリン−チロシン−グルタミン酸(SYE)を欠いていた。切断されたLcは、脱グリコシル化IgGの液体クロマトグラフィ−質量分析(LC−MS)解析によって検出され、還元ペプチドマッピング解析によって確認された。切断されたLcは、製品関連変異体であると考えられる。製品の均質性を高め、製品開発の危険性を低減するために、本発明者らは、LcSYE切断が生成されないようにする方法を研究した。2つの異なるタンパク質工学的解決策を探索した:(1)LcN末端SYEアミノ酸配列の他の選択肢への変更;(2)分泌リーダーペプチド配列に変化させる。本発明者らは、これらの解決策の両方が、MEDI8490抗体および他のIgGタンパク質におけるN末端Lc切断を防止するのに有効であることを示した。このことは、これらがIgG産生に関するこの問題点に対して広く適用可能な解決策であることを実証する。
米国特許出願第14/435,520号
Walsh、Biopharmaceutical Benchmarks、2014 Reichert、mAbs、2:84〜100、2010 Strohl、Curr.Drug Discov.Technol.、11:1〜2、2014 Nyathiら、Molec.Cell Res.、1833:2392〜2402、2013 Von Heijne、J.Molec.Biol.、184:99〜105、1985 Nilssonら、J.Molec.Biol.、427:1191〜1201、2015 Von Heijne、J.Molec.Biol.、173:243〜251、1984 Von Heijne、Eur.J.Biochem.、133:17〜21、1983 Perlmanら、J.Molec.Biol.、167:391〜409、1983 Folzら、J.Biol.Chem.、263:2070〜2078、1988 Nothwehrら、J.Biol.Chem.、264:3979〜3987、1989 Nothwehrら、J.Biol.Chem.、265:21797〜21803、1990 Ambrogellyら、mAbs、4:701〜709、2012 Kotiaら、Anal.Biochem.、399:190〜195、2010 Yingら,Immunol.Lett.、111:66〜68、2007 Shawら、Molec.Immunol、29:525〜529、1992 Persicら、Gene、187:9〜18、1997 Orlandiら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、86:3833〜3837、1989
本発明の主な態様のいくつかは、以下に要約される。追加の態様は、本開示の発明を実施するための形態、実施例、図、および特許請求の範囲の節に記載される。本開示の各節における説明は、他の節と併せて読むことが意図されている。さらに、本開示の各節に記載された様々な実施形態は、様々な異なる方法で組み合わせることができ、そのような組合せはすべて本発明の範囲内に含まれるものとする。
一態様では、本発明者らは、切断されていない成熟抗体Lcポリペプチドを産生する方法であって、(a)配列番号5[マウスリーダー+Ser−Tyr−Glu]に示された第1の新生N末端配列を含む第1の抗体Lcアミノ酸配列を同定する工程;および(b)第1の新生N末端配列の代わりに、第2の抗体Lcポリペプチドは、配列番号6[マウスリーダー+Ser−Ser−Glu]、配列番号7[マウスリーダー+Ser−Tyr−Val]、配列番号8[マウスリーダー+Gln−Ser−Val]、配列番号9[マウスリーダー+Gin−Ala−Val]、配列番号10[マウスリーダー+Gln−Ser−Ala]、配列番号11[マウスリーダー+Gln−Tyr−Val]、配列番号12[V−ラムダ3リーダー+Ser−Tyr−Glu]、配列番号13[V−ラムダ1リーダー+Ser−Tyr−Glu]、および配列番号14[V−カッパ1リーダー+Ser−Tyr−Glu]からなる群から選択される第2の新生N末端配列を含むことを除いて、第1の抗体Lcポリペプチドと同一のアミノ酸配列を有する第2の抗体Lcポリペプチドを培養細胞中で発現させる工程を含み;それによって、第1の3つのアミノ酸(SYE)を切断しない切断されていない成熟抗体Lcポリペプチドを産生する方法を提供する。
別の態様では、本発明者らは、抗体LcポリペプチドのN末端切断を防止する方法であって、(a)配列番号5[マウスリーダー+Ser−Tyr−Glu]に示された第1の新生N末端配列を含むアミノ酸配列を有する第1の抗体Lcポリペプチドを工程であって、第1の新生N末端配列は本質的にリーダー配列および成熟N末端トリペプチドからなり、培養細胞中での第1の抗体Lcポリペプチドの発現は、培養細胞中で発現する第1の抗体Lcポリペプチドの少なくとも約3%において成熟N末端トリペプチドの切断をもたらす工程;および(b)第1の新生N末端配列の代わりに、第2の抗体Lcポリペプチドは配列番号6[マウスリーダー+Ser−Ser−Glu]、配列番号7[マウスリーダー+Ser−Tyr−Val]、配列番号8[マウスリーダー+Gln−Ser−Val]、配列番号9[マウスリーダー+Gin−Ala−Val]、配列番号10[マウスリーダー+Gln−Ser−Ala]、配列番号11[マウスリーダー+Gln−Tyr−Val]、配列番号12[V−ラムダ3リーダー+Ser−Tyr−Glu]、配列番号13[V−ラムダ1リーダー+Ser−Tyr−Glu]、および配列番号14[V−カッパ1リーダー+Ser−Tyr−Glu]からなる群から選択される第2の新生N末端配列を含むことを除いて、第1の抗体Lcポリペプチドと同一のアミノ酸配列を有する第2の抗体Lcポリペプチドを培養細胞中で発現させる工程であって;第2の新生N末端配列は本質的にリーダー配列および成熟N末端トリペプチドからなり;培養細胞中での第2の抗体Lcポリペプチドの発現は、成熟N末端トリペプチドの非切断をもたらす工程を含み;それによって、抗体LcポリペプチドのN末端切断を防止する方法を提供する。
さらなる態様では、本発明者らは、抗体Lcポリペプチドの均質集団を含む組成物を産生する方法であって:(a)配列番号5[マウスリーダー+Ser−Tyr−Glu]に示された第1の新生N末端配列を含むアミノ酸配列を有する第1のLcポリペプチドを同定する工程;(b)第2のLcポリペプチドを培養細胞中で発現させる工程であって、第2のLcポリペプチドは配列番号6[マウスリーダー+Ser−Ser−Glu]、配列番号7[マウスリーダー+Ser−Tyr−Val]、配列番号8[マウスリーダー+Gln−Ser−Val]、配列番号9[マウスリーダー+Gln−Ala−Val]、配列番号10[マウスリーダー+Gln−Ser−Ala]、配列番号11[マウスリーダー+Gln−Tyr−Val]、配列番号12[V−ラムダ3リーダー+Ser−Tyr−Glu]、配列番号13[V−ラムダ1リーダー+Ser−Tyr−Glu]、および配列番号14[V−カッパ1リーダー+Ser−Tyr−Glu]からなる群から選択される第2の新生N末端配列を含むことを除いて、第2のLcポリペプチドは第1のLcポリペプチドと同一のアミノ酸配列を有し;第2のLcポリペプチドは、培養細胞によって上清へ分泌され、上清は第2のLcポリペプチドのアミノ酸配列変異体を少なくとも98%含まない工程;ならびに(c)上清から第2のLcポリペプチドを採取する工程を含み;それによって、均質集団の抗体Lcポリペプチドを含む組成物を産生する方法を提供する。好ましくは、組成物は医薬組成物である。一部の実施形態では、第1のLcポリペプチドおよび/または第2のLcポリペプチドは、抗体の一部である。好ましくは、抗体は治療用抗体である。好ましくは、上清は第2のLcポリペプチドのアミノ酸配列変異体を少なくとも99%、または100%含まない。アミノ酸配列変異体は、逆相液体クロマトグラフィ−質量分析(LC−MS)を用いて検出できる。
培養細胞は、真核動物細胞であり、好ましくは哺乳動物細胞である。場合によっては、培養細胞はCHO細胞である。
場合によっては、第2の新生N末端配列は配列番号6である。場合によっては、第2の新生N末端配列は配列番号7である。場合によっては、第2の新生N末端配列は配列番号8である。場合によっては、第2の新生N末端配列は配列番号9である。場合によっては、第2の新生N末端配列は配列番号10である。場合によっては、第2の新生N末端配列は配列番号11である。場合によっては、第2の新生N末端配列は配列番号12である。場合によっては、第2の新生N末端配列は配列番号13である。場合によっては、第2の新生N末端配列は配列番号14である。
SYE LcおよびマウスHeリーダー配列(配列番号5)をコードする発現コンストラクトから産生されたMEDI8490 Lcのデコンボリューションされた質量分析解析を示す図である。切断されていないLcと一致する主要ピーク(22,692Da)に加えて、切断されたLc種の理論的分子量と一致する22,313Daの種が検出された。 一過性発現したCHO材料のペプチドマッピング解析を示す図であり、切断は最初の3つのN末端アミノ酸(SYE)を欠いていることが確認される。 マウスシグナルペプチド(灰色の配列)の正しいおよび代替切断部位(↓)を有するMEDI8490 Lc(黒色の配列)のN末端を図式的に示す図である。 異なるバイオリアクタースケールおよび発現プラットフォームから産生されたMEDI8490の切断されたLc(黒棒)および完全長Lc(灰色棒)の相対割合(%)を示す図である。5Lスケールにおける一過性発現、2つの独立した初代形質転換体の50Lおよび250Lスケールにおける安定な発現を示す。 5Lバイオリアクタースケールの6つの独立した安定な形質転換体系統由来の7クローンから産生されたMED18490を示す図である。切断されたLc(黒棒)および完全長Lc(灰色棒s)の相対割合(%)を還元IgGのLC−MS解析によって測定した。 SYE Lcおよびイントロンを除去したマウスHeリーダー配列(配列番号5)をコードする発現コンストラクトから産生されたMEDI8490 Lcの電荷デコンボリューションされたマススペクトルを示す図である。 SSE Lcおよびイントロンを除去したマウスHeリーダー配列(配列番号6)をコードする発現コンストラクトから産生されたMEDI8490 Lcの電荷デコンボリューションされたマススペクトルを示す図である。 SYV Lcおよびイントロンを除去したマウスHeリーダー配列(配列番号7)をコードする発現コンストラクトから産生されたMEDI8490 Lcの電荷デコンボリューションされたマススペクトルを示す図である。 QSV Lcおよびイントロンを除去したマウスHeリーダー配列(配列番号8)をコードする発現コンストラクトから産生されたMEDI8490 Lcの電荷デコンボリューションされたマススペクトルを示す図である。 SYE Lcおよびイントロンを除去したV−ラムダ3リーダー配列(配列番号12)をコードする発現コンストラクトから産生されたMEDI8490Lcの電荷デコンボリューションされたマススペクトルを示す図である。 SYE Lcおよびイントロンを除去したV−ラムダ1リーダー配列(配列番号13)をコードする発現コンストラクトから産生されたMEDI8490 Lcの電荷デコンボリューションされたマススペクトルを示す図である。 SYE Lcおよびイントロンを除去したカッパリーダー配列(配列番号14)をコードする発現コンストラクトから産生されたMEDI8490 Lcの電荷デコンボリューションされたマススペクトルを示す図である。 異なるシグナルペプチド(表5に列挙した)を用いて、一過性および安定な発現システムによって産生されたMEDI8490の切断された(黒棒)および完全長(灰色棒)Lcの相対割合(%)を示す図である。 異なるLc N末端アミノ酸配列を用いた、MEDI8490の切断された(黒棒)および完全長(灰色棒)Lcの相対割合(%)を示す図である。 マウス(シグナルペプチド1、配列番号1)または代替(シグナルペプチド、配列番号3)シグナルペプチドのいずれかを有するSYE N末端を有する2つの関係がないmAbs(AおよびB)の切断された(黒棒)および完全長(灰色棒)Lcの相対割合(%)を示す図である。切断されたおよび完全長Lcの相対割合を還元IgGのLC−MS解析によって測定した。 MEDI8490 SYE Lc(配列番号15)のアミノ酸配列を示す図である。N末端SYEモチーフに下線を引いた。SYEモチーフは、SSE LcのSer−Ser−Gluに、SYV LcのSer−Tyr−Valに、QSV LcのGln−Ser−Valに、QAVLcのGin−Ala−Valに、QSALcのGln−Ser−Alaに、およびQYV LcのGln−Tyr−Valに置換される。
本発明は、LcポリペプチドのN末端切断を防止する方法を提供する。治療用mAbの開発の初期段階では、分子の品質に関連する特性が、開発および製造の適合性を確実にするための日常的な評価中に評価される。そのような発展性評価の間、MEDI8490の切断された軽鎖変異体、組換えヒトIgG1が還元IgGのLC−MS解析によって観察された。LC−MSおよびペプチドマッピング解析は、成熟軽鎖のN末端からの最初の3つのアミノ酸(SYE)は分子の約3〜8%で切断され、一過性の安定した発現プラットフォームならびに異なるバイオリアクタースケールおよびCHO細胞系統由来の製品に一貫して存在することを明らかにした。シグナルペプチドのC末端に隣接するアミノ酸は切断部位に影響を及ぼす可能性があることが実証された(Nothwehrら、1990;Nothwehrら、1989;Folzら、1988)。
切断されたLcを生じさせた元のリーダー配列は、アミノ酸配列MGWSCIILFLVATATGVHS(配列番号1)を有していた。これはマウス重鎖リーダーであり、多くの場合組換えmAb生産に使用される(Persicら、1997)。マウスシグナルペプチドは、それぞれ−3またはAにV、および−1またはBにSを有する、切断部位の「−3、−1」および「A−X−B」規則に従う(Von Heijne、1983、1984;PerlmanおよびHalvorson、1983)。Lc切断はN末端にSYEモチーフを有する分子(SYE Lc)に特異的である。この発見は予想外であった;マウスHeリーダー配列は、広い範囲の治療用IgG分子のためのヒトHeおよびLcポリペプチドの産生に広く使用されており、切断の問題は以前に観察されていない。
切断されたポリペプチドが存在することは、除去するための追加の後工程を必要とする可変量の製品関連変異体を創出し、それによって製品収量が低減されて不都合である。さらに、いくつかの抗体について、N末端でのHeの切断は、結合特異性に影響を及ぼすことが報告されている(Shawら、1992)。MEDI8490 Lcにおける切断は、有効性に影響を及ぼさなかった。しかしMEDI8490製品関連の変異体は、製品品質特性による潜在的なバッチ間の変動があるため望ましくない(Ambrogellyら、2012;Kotiaら、2010;Yingら、2007)。好ましい戦略は、精製中にMEDI8490 Lcタンパク質を制御または除去するのではなく、供給源、すなわち細胞培養プロセスにおけるMEDI8490 Lcタンパク質の切断を防止することであった。したがって、本発明者らは、この切断の発生を回避するための2つの方法として、代替的なV−ラムダ3生殖細胞系列Lc N末端および3つの代替シグナルペプチドの使用を研究した。
本発明者らは、LcのN末端で分泌リーダーペプチド配列を変化させることにより、この切断の発生を防止できることを見出した。本発明者らは標準的なマウスリーダー配列を3つの異なるリーダー配列:V−ラムダファミリーからの2つのリーダー配列、MAWTPLLLPLLTFCTSEA(配列番号2)およびMAGFPLLLTLLTHCAGSWA(配列番号3)、ならびにカッパLcリーダー配列、MDMRVPAQLLGLLLLWLPGAKC(配列番号4)と置換した。これらの代替リーダー配列ではSYE切断は起こらず、いずれの場合も100%の所望の生成物となった。本発明者らは、軽鎖切断を回避するこの方法を、SYEN末端配列を有する他のIgG軽鎖へ適用し、これらの分子についてはLc切断は検出されず、この解決策は一般に適用可能であり、元のMEDI8490分子に特異的ではないことを示す。
標準的なマウスリーダー配列を保持し、LcN末端の最初の3つのアミノ酸を、例えばSYV、SSE、QSV、QAV、QSA、またはQYVに変更することによって、切断を防ぐことも可能である。さらに、当業者は、当技術分野で一般的に使用されるSYEではない他の3つのアミノ酸開始配列が、本発明によって企図されることを理解するであろう。さらに、この方法を使用して、分子の特性、例えば特異性、標的結合、および/または製品安定性を著しく変化させない3つのアミノ酸配列を選択することにより、アミノ酸配列の変化に影響されない追加の配列を開発することができる。
つまり、本発明者らは、N末端Lc切断を防止し、配列番号5を含む新生N末端Lc配列を配列番号6〜14のいずれか1つを含む新生N末端Lc配列に置換することによって、切断されていない、すなわち完全長成熟抗体Lcを産生する、幅広く適用可能な方法を提供する。本発明者らはまた、配列番号5を含む新生N末端Lc配列を、配列番号6〜14のいずれか1つを含む新生N末端Lc配列で置換することによって、抗体分子の均質集団を含む組成物を製造し、培養細胞中に置換された新生配列を含むLcポリペプチドを発現させ、細胞培養上清からLcポリペプチドを採取する方法を提供し、それらのすべては当業者に公知の方法を用いて達成することができる。抗体が産生される実施形態では、抗体重鎖もまた培養細胞中で発現する。
本研究の結果として、「SYE」Lc N末端配列は、IgG分子の開発のための配列障害として同定されている。リード単離および最適化工程中に分子に有害作用を及ぼさずに「SYE」を変更することができる場合は、変更される。これが不可能である場合、「SYE」N末端 Lcモチーフが出現する場合、マウスHeリーダー配列ではなく、代替リーダー配列(例えばV−ラムダ1ファミリーリーダー配列)が使用される。結果として、Lc切断が防止される。
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられるように、単数形「a」、「an」および「the」は、状況が明らかに別の方法で指示しなければ、複数の指示対象を含む。「a」(または「an」)という用語、ならびに「1つまたはそれ以上」および「少なくとも1つ」という用語は、同じ意味で使用することができる。
さらに、「および/または」は、2つの特定の特徴または構成要素のそれぞれが、他者の有無にかかわらず、具体的な開示として解釈されるべきである。したがって、「Aおよび/またはB」のようなフレーズで使用される「および/または」という用語は、AおよびB、AまたはB、A(単独)およびB(単独)を含むことが意図される。同様に、「A、Bおよび/またはC」のようなフレーズで使用される「および/または」という用語は、A、BおよびC;A、BまたはC;AまたはB;AまたはC;BまたはC;AおよびB;AおよびC;BおよびC;A(単独);B(単独);ならびにC(単独)を含むことが意図される。
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が関係する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。例えば、The Dictionary of Cell and Molecular Biology(第5版、J.M.Lackie編、2013)、Oxford Dictionary of Biochemistry and Molecular Biology(第2版、R.Cammackら編、2008)、およびThe Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology(第2版、P−S.Juo、2002)は本明細書で使用されるいくつかの用語の一般的な定義を当業者に提供することができる。
単位、接頭辞および記号は、Systeme International de Unites(SI)に受け入れられた形式で示されている。数値範囲は、範囲を定義する数字を含む。本明細書で提供される見出しは、本明細書全体を参照することによって有することができる本発明の様々な態様または実施形態の限定ではない。したがって、すぐ下に定義された用語は、明細書の内容全体を参照することにより十分に定義される。
実施形態が「含む(comprising)」という言語で記載される場合は、「からなる(consisting of)」および/または「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語で記載される別の類似の実施形態が含まれる。
アミノ酸は、本明細書では、一般的に知られている3文字の記号またはIUPAC−IUB Biochemical Nomenclature Commissionによって推奨された1文字の記号によって表される。同様に、ヌクレオチドは、一般に認められている1文字コードによって表される。
「抗体」または「免疫グロブリン」という用語は、本明細書では同じ意味で使用される。代表的な抗体は、ジスルフィド結合によって相互連結された少なくとも2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含む。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではVHと略す)および重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2、およびCH3を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではVLと略す)および軽鎖定常領域(CL)を含む。軽鎖定常領域は、1つのドメイン、C1を含む。VHおよびVL領域は、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変領域と、フレームワーク(FW)領域と呼ばれるより保存された領域が点在する領域にさらに細分することができる。各VHおよびVLは、以下の順序:FW1、CDR1、FW2、CDR2、FW3、CDR3、FW4の順でアミノ末端からカルボキシ末端に配置された3つのCDRおよび4つのFWから構成される。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、免疫システムの種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的補体システムの第1成分(C1q)を含む宿主組織または因子への免疫グロブリンの結合を媒介することができる。
「抗体」という用語は、免疫グロブリン分子の可変領域内の少なくとも1つの抗原認識部位を介して、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質またはこれらの組合せのような標的を認識し、特異的に結合する免疫グロブリン分子を表すことができる。本明細書において使用する場合、「抗体」という用語は、無傷ポリクローナル抗体、無傷モノクローナル抗体、抗体フラグメント(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2およびFvフラグメント)、一本鎖Fv(scFv)突然変異体、少なくとも2つの無傷抗体から生成された二重特異性抗体のような多特異性抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、抗体の抗原決定部分を含む融合タンパク質、および抗体が所望の生物学的活性を示す限り抗原認識部位を含む任意の他の修飾免疫グロブリン分子を含む。抗体は、アルファ、デルタ、イプシロン、ガンマおよびミューとそれぞれ呼ばれるそれらの重鎖定常ドメインの同一性に基づいて、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM、またはそのサブクラス(アイソタイプ)(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)の5つの主要クラスの免疫グロブリンのいずれかであり可能性がある。免疫グロブリンの異なるクラスは、異なった周知のサブユニット構造および三次元構造を有する。哺乳類の軽鎖にはラムダとカッパという2つのクラスがある。抗体は、むき出しであるか、または、毒素、放射性同位元素、その他のような他の分子に結合している可能性がある。
「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」という用語は、任意の長さのアミノ酸のポリマーを表すために本明細書では同じ意味で使用される。ポリマーは直鎖状または分枝鎖状である場合があり、修飾されたアミノ酸を含むことができ、非アミノ酸はそれを中断することができる。これらの用語はまた、天然にまたは介入によって修飾されたアミノ酸ポリマーを包含する;例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、または標識成分との抱合のような他の任意の操作もしくは修飾が挙げられる。この定義には、例えば、アミノ酸(例えば、非天然アミノ酸、その他を含む)の1つまたはそれ以上のアナログ、ならびに当技術分野で既知の他の修飾を含むポリペプチドも含まれる。ある特定の実施形態では、ポリペプチドは一本鎖または関連鎖として存在することができる。
「リーダー配列」は、細胞膜を横切って輸送される新たに合成されたポリペプチドのN末端に存在する短いペプチド(一般的に約5〜30アミノ酸長)である。リーダー配列は、ポリペプチドを小胞体(ER)に、トランスロコンと呼ばれるタンパク質透過チャネルを介して誘導する。リーダー配列はER中のポリペプチドから切断され、成熟タンパク質の一部を形成しない。リーダー配列は、時々、分泌配列、リーダーペプチド、分泌リーダーペプチド、シグナルペプチド、シグナル配列、標的シグナル、局在化シグナル、局在化配列または輸送ペプチドと呼ばれる;これらの用語は本明細書で同じ意味で使用される。
「成熟」ポリペプチドまたは配列(例えば、成熟抗体Lc)は、分泌リーダー配列を除去するために細胞内翻訳後プロセシングを受けたものを意味する。「新生」ポリペプチドまたは配列(例えば新生N末端配列)は、リーダー配列が切断されていないものを意味する。「切断されていない」ポリペプチドは、リーダーペプチドが切断されているが、成熟ポリペプチドのN末端アミノ酸は翻訳後プロセシングの過程で切断されていないものである。
「治療用抗体」は、疾患または状態を治療または予防するために対象に投与することができるものである。「対象」は、診断、予後または療法が望まれる任意の個体、特に哺乳動物である。哺乳動物対象は、ヒト、家庭内動物、家畜、スポーツ動物および動物園の動物、例えばヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、マウス、ウマ、ウシ、その他を含む。「治療する」とは、診断された病状または疾患の治癒、減速、症状の緩和および/または進行の停止を意味する治療手段を表す。したがって、治療を必要とする対象には、既にその疾患がある対象が含まれる。「防止する」とは、標的とされた病状または疾患.の進行を防止および/または遅らせる予防的または防止手段を表す。したがって、防止が必要な対象には、その疾患に罹患しやすい対象が含まれる。
「医薬組成物」という用語は、活性成分の生物学的活性が効果的であるような形態であり、組成物が投与される対象に対して容認し難いほど毒性である追加の成分を含まない製剤を表す。そのような組成物は滅菌され、生理食塩水のような薬学的に許容される担体を含むことができる。適した医薬組成物は、1つまたはそれ以上の緩衝液(例えば酢酸緩衝液、リン酸緩衝液またはクエン酸緩衝液)、界面活性剤(例えばポリソルベート)、安定剤(例えばヒトアルブミン)、防腐剤(例えばベンジルアルコール)、バイオアベイラビリティを増強するための吸収促進剤および/または他の従来の可溶化剤または分散剤を含むことができる。
本開示に引用されたすべての参考文献は、参照によってその全体を組み入れる。さらに、本明細書に引用または言及された製品の製造業者の取扱説明書またはカタログは、参照によって組み入れる。本明細書に参照によって組み入れられた文献またはその中の教示は、本発明の実施において使用可能である。本明細書に参照によって組み入れられた文献は、先行技術であると認められていない。
本発明は、以下の非限定的な実施例においてさらに記載される。
材料および方法
発現コンストラクト
特定のリーダーおよび/または変更されたN末端可変Lc領域をコードするDNAを用いて、一過性および安定したトランスフェクションのためにプラスミドを構築した(Gene Art(登録商標)、Life Technologies、Carlsbad、CA)。DNAを制限消化およびライゲーションに供して、必要な機能的構成要素を適切なプラスミド骨格に組み立てた。
一過性発現のためのpEUベクターおよび安定な発現のためのGSタンデムベクターの酵素消化およびライゲーションを用いてプラスミドを構築した。pEUベクターは、以下の要素:AmpR、polyA、oriP、pUCori、EBNA−1、EF−1アルファプロモーターおよび適したHc/LcDNAフラグメントを含んでいた。一過性トランスフェクションに使用したIgG発現プラスミドは、Persicら、(1997)およびDaramolaら、(Biotechnol.Progress、30:132〜141、2014)によって記載された発現ベクターに基づいていた。安定なトランスフェクションに使用したIgG発現プラスミドは、pEE12.4発現プラスミドに基づいていた(Lonza Group、Basel、Switzerland)。GSタンデムベクターは、以下の要素:ベータラクタマーゼ、SV40およびSV40 poly A、グルタミンシンセターゼcDNA、hCMV−MIEプロモーター、pEE6 oriおよび適したHc/LcDNAフラグメントを含んでいた。
一過性トランスフェクション
ヒトmAb MEDI8490、mAb AおよびmAb B(すべてのIgG γ1 TM、λ;Organesyanら、Acta Crystallogr.D Biol.Crystallogr.、64:700〜704、2008)の発現プラスミドを、一過性発現によって評価した。一過性トランスフェクションは、Daramolaら、(Biotechnol.Progress、30:132〜141、2014)によって記載された方法に従って、HeおよびLcベクター、ポリエチレンイミン(PEI;Polysciences Inc.、Warrington、PA)およびCHO細胞をCD−CHO培地(Life Technologies、Carlsbad、CA)または独自の培地中で使用して実行した。独自の栄養供給を、培養期間中急速静注添加として補充した。
安定なCHOプールトランスフェクション
CHOKISV細胞中で、Amaxa(登録商標)Nucleofector(登録商標)システムおよび試薬(Lonza Group、Basel、Switzerland)を用いて安定なトランスフェクションを実行した。トランスフェクトした細胞を選択し、メチオニンスルホキシイミン(MSX)の存在下のCDCHOにおいて維持した。細胞のプールを拡大し、次いで、CD CHOを用いた14〜17日フェドバッチプロセスでの組換えタンパク質産生のために使用した。独自の栄養供給を、培養期間中急速静注添加として補充した。
安定なCHO一次トランスフェクタントおよびクローン細胞株
安定なプールについて上記したように、CHOKISV細胞をトランスフェクトすることにより、安定なCHO一次トランスフェクタントを生成した。次いで、トランスフェクトした細胞を希釈し、MSXの存在下のCD CHO中で選択した。個々のコロニーを増殖させ、次いで、上記のプールについて記載したように、フェドバッチプロセスにおける力価、細胞密度および生存率について評価した。クローン細胞株は、96ウェルプレート中でMSXの存在下のCD CHO中で限界希釈法クローニングによって、一次トランスフェクタントから単離された。独自の栄養供給を急速静注添加した独自の培地を用いて、個々のコロニーを増殖させ、14日間のフェドバッチプロセスで増殖および生産性について評価した。
IgGの精製および定量
細胞培養上清を遠心分離によって採取した。浄化された採取物を、MabSelect SuRe(商標)(GE Healthcare Life Sciences、Piscataway、NJ)を用いた標準Protein Aアフィニティクロマトグラフィによって精製した。細胞培養上清中のIgGは、Lc切断の有無を検出するためのQTOF質量分析によって特徴付けられ、または各試料からのピークサイズを校正曲線と比較することによって、Agilent HP1100 SeriesもしくはHP1200 Series(Agilent Technologies、Santa Clara、CA)でのProtein A HPLCアフィニティクロマトグラフィにより定量化された。
質量分析:還元IgG解析
SYNAPT(登録商標)G1 QTOFスペクトロメーター(Waters Corporation、Milford、CT)と連結したACQUITY UPLC(登録商標)システムを用いて逆相LC−MS解析を行った。1mg/mlの精製したタンパク質を、10mM DTT、10mMトリスHC1、pH8で37℃、30分間インキュベーションすることによって還元し、2μgを50mm×2.1mm BEHC4分析カラム(粒径1.7μm)に注入し、65℃で保持した(Waters Corporation、Milford、CT)。タンパク質は、15分間のバイナリグラジエントを用いて0.15mL/分の一定流速で溶出した;溶媒Bを最初に5%で3分間保持し、続いて25%に増加させ、次いで45%で10分以上増加させた後、最終時間にわたって95%に増加させた。高濃度(95%)と低濃度(5%)の間で7分間溶媒Bを振動させることにより、次の注入前にカラムを洗浄した。溶媒A(水)および溶媒B(アセトニトリル)に0.01%(v/v)トリフルオロ酢酸および0.1%(v/v)ギ酸を添加した。スペクトルは500〜4500Thの間で取得した。機器パラメータには、+veイオン化モード、3.4kVの電源電圧、50Vの試料コーン電圧、140℃のイオン源温度、および400℃の脱溶媒温度が含まれた。タンパク質電荷エンベロープを、MaxEnt1を用いてデコンボリューションした。所与のサンプルについて、非切断LCおよび切断種の定量的評価は、SYE切断種について検出されたイオン電流を、非切断LCおよび切断種について検出されたイオン電流の合計で除すことによって決定した。切断されたLCの割合は全LCの%で報告され、他のLC修飾を考慮しなかった。
質量分析:還元ペプチドマップ解析
各試料について、1.6mg/mlのタンパク質100μgを変性させ、5.2Mグアニジン、85mMトリス、0.7mM EDTAおよび16mM DTT、pH7.6で30分間、37℃で還元した。還元後、試料を40mMヨードアセトアミドと共に暗所、室温で30分間インキュベートした。還元されアルキル化されたタンパク質を、2M尿素、100mMトリス、pH7.6に緩衝液交換し、トリプシンを用いて酵素対基質比1:20、37℃で4時間インキュベートした。
SYNAPT(登録商標)G2 QTOFスペクトロメーター(Waters Corporation、Milford、CT)質量分析計(Waters Corporation、Milford、CT)に連結したACQUITY UPLC(登録商標)システムを用いて、逆相LC−MSによってタンパク質消化物を分析した。各試料について、5μgのGlu−Cトリプシン消化物を150mm×2.1mm BEH300 C18分析カラム(粒径1.7μm)に注入し、55℃で保持した(Waters Corporation、Milford、CT)。ペプチドは75分間のバイナリグラジエントを用いて0.2mL/分の一定流速で溶出した;溶媒Bを0%から35%まで増加させた。高濃度(95%)と低濃度(5%)の間で5分間溶媒Bを振動させることにより、次の注入前にカラムを洗浄した。溶媒A(水)および溶媒B(アセトニトリル)に0.02%(v/v)トリフルオロ酢酸を添加した。スペクトルは、データ独立取得モードを用いて50〜2500m/zの間で取得した。低エネルギーおよび高エネルギースペクトルは、BiopharmaLynx(商標)ソフトウェア(Waters Corporation、Milford、CT)を用いて加工した。
cDNA配列解析
安定にトランスフェクトされたCHO細胞株からの個々のMEDI8490 Lc転写物の配列解析を、RNeasy Mini Kit(Qiagen、Germantown、MD)を用いてCHO細胞からRNAを単離することによって実行し、続いてTranscriptor One−Step RT−PCR Kit(Roche Diagnostics Corporation、Indianapolis、IN)を用いてLc mRNAのRT−PCRを、Invitrogen(商標)TOPO(登録商標)−TAクローニングキット(Thermo Fisher Scientific,Inc.、Waltham、MA)を用いて得られたcDNAのクローニングを、および大腸菌(E.coli)の形質転換を行い、すべては製造業者の取扱説明書に従った。得られた個々のコロニー中のクローニングされた配列を、配列決定のためのサンガー法を用いて配列検証した。
一過性発現したMEDI8490の細胞培養採取における軽鎖切断の同定
MEDI8490は、一過性トランスフェクションによってマウスHeリーダーとともに発現し、この分子の所定の発展性評価研究を支援した(Yangら、mAbs、5:787〜794、2013)。トランスフェクトされたCHO細胞をCD−CHO(Life Technologies、Carlsbad、CA)で13日間培養し、遠心分離により細胞上清を採取することにより材料を生成した。浄化した採取物を、MabSelectSuRe(商標)(GE Healthcare Life Sciences、Piscataway、NJ)を用いたProtein Aアフィニティクロマトグラフィによって精製し、還元LC−MSによって分析した(図1A)。検出された主要ピークは、無傷mAb Lcの理論的質量と一致した。異常にも、最初の3つのアミノ酸(SYE)を欠く切断されたLc変異体と一致する低分子量種も検出され、総シグナルの8%を占めた。ペプチドマッピング解析は、Lc切断を確認した(図1Bおよび図1C)。
発現プラットフォーム、細胞培養プロセスおよびクローン系統のMEDI8490 Lc切断への影響
切断されたLc変異体の生成がプロセス駆動型であるかどうかを調べるために、5Lスケールでの一過性トランスフェクションからのMEDI8490を発現するCHO細胞、ならびに50Lおよび250Lスケールでの2つの独立した安定な一次トランスフェクタントをフェドバッチプロセスで実行した。さらに、5Lスケールで6つの独立した安定な一次トランスフェクタントから単離されたMEDI8490を発現する7つのクローンから材料を生成し、クローン系統のLc切断への影響を調べた。すべてのスケールからの細胞培養物は14日目に採取した。MEDI8490を精製し、還元された抗体LC−MS解析によって特徴付けた(図2Aおよび図2B)。結果は、Lcの2つの形態:92〜97%の所望の完全長Lcおよび全Lc分子の3〜8%の切断されたLc変異体が検出されたことを示す。すべてのバイオリアクタースケール、発現プラットフォームおよびクローン系統において、2つのLcの形態の割合における変動は最小限であり、切断されたLc変異体の生成は、これらの因子から独立していることを示す。
Lc切断の原因としてのMEDI8490 Lc mRNAプロセシングの研究
MEDI8490の一過性および安定な発現プラスミドは、LcおよびHeのシグナルペプチドコード領域内にイントロン配列を含んでいた(Persicら、1997;Orlandi、1989)。Lc SYE切断が、Lc mRNAの非効率的または誤ったスプライシングのために転写産物でコードされたかどうかを評価するために、MEDI8490を発現する安定なクローンCHO細胞株についてcDNA配列解析が実行された。RNAを4つの細胞株から単離し、続いてLcmRNAのRT−PCRおよび個々の得られたcDNA分子のTOPO(登録商標)ベクターへのクローニングを行った。327個の個々のクローンのシークエンシングは、N末端「SYE」アミノ酸モチーフを含む完全長軽鎖配列はLc転写産物によってコードされることを示した。さらに、GeneSplicerスプライス部位予測アルゴリズムによって分析した場合、MEDI8490Lc配列内に代替スプライス部位は同定されなかった(Perteaら、Nucleic Acids Res.、29:1185〜1190、2001)。
代替N末端アミノ酸配列の研究:一過性トランスフェクションを使用
本発明者らは、LcのN末端の配列は、MEDI8490 Lc変異体の生産に影響を及ぼすかどうか研究した。MEDI8490のLc配列とN末端の1つのアミノ酸(SYVおよびSSE)が異なる、V−ラムダ3ファミリーからの2つの代替Lc配列が、MEDI8490の生産のために選択された。MEDI8490 Lcの遺伝的に切断された型も、N末端SYEアミノ酸をコードするDNA配列が欠失したLc切断の対照として構築された。
代替N末端アミノ酸配列を研究するための一過性トランスフェクションを行った。内生の天然のリーダーイントロンの有無にかかわらず、マウスHeリーダー(配列番号1)を有する代替Lc配列をコードするDNA配列を合成し、一過性MEDI8490Lc発現プラスミドにクローニングした。材料は、トランスフェクトされたCHO細胞をCD−CHO(Life Technologies、Carlsbad、CA)中で10〜14日間、フェドバッチプロセスで培養することによって産生され、遠心分離によって細胞上清を採取した。浄化された採取物を、MabSelect SuRe(商標)(GE Healthcare Life Sciences、Piscataway、NJ)を用いたProtein A アフィニティクロマトグラフィによって精製し、QTOF質量分析によって特徴付けて、Lc切断の有無を検出した。
シグナルP4.1を用いて、マウスシグナルペプチドを含む各未成熟ポリペプチドのインシリコ解析を、代替Lc配列で行った。(Petersenら、Nat.Methods、8:785〜786、2011)。すべての場合において、N末端アミノ酸配列は、シグナルペプチドとして同定され、予測された切断部位は位置−1と+1との間(すなわち、シグナルペプチドの最後の残基および成熟タンパク質の最初の残基)にあることを解析は示し、シグナルペプチドは完全に無傷のLcを残して切断されることを示している。
結果を表1に要約し、代表的な結果を図1Aおよび図3〜6に示す。
Lc切断は、操作されたLcのN末端のいずれかを用いて産生された精製された材料では検出されなかった(図10B)。分泌リーダー配列中のイントロンの有無は、SYE切断が生じるかどうかに影響を及ぼさない。このことは、切断はイントロンを含むリーダーの転写産物のミススプライシングによるものではなく、リーダーSYEアミノ酸配列の組合せに固有のものであることを示している。N末端Lcアミノ酸配列がSSE、SYV、またはQSVへ突然変異した場合、切断は起きなかった。
MEDI8490 Lcの遺伝的に切断された型(ΔSYE)も検定した;これは、意図的に除去されたSYE N末端を有するように操作された。したがって、Lcアミノ酸配列は、MEDI8490 Lc配列の第4番目のアミノ酸から開始した(配列番号12)。この対照分子は、100%の産物が切断されるという予測された結果をもたらした(図10B)。本発明者らがLcのさらなる切断を観察しなかったことに注目するのは興味深かった。
一過性トランスフェクションを用いた代替リーダー配列の研究
Lcの「SYE」N末端アミノ酸開始配列を用いて代替リーダー配列を研究するための一過性トランスフェクションを行った。V−ラムダ1、V−ラムダ3およびV−カッパ1ファミリー由来の3つの異なる天然に存在するヒトシグナルペプチドを、マウスシグナルペプチドと並行して解析のために選択した。表2に示すように、すべてのLc配列が「SYE」N末端モチーフを含み、リーダー配列が変化したことを除いて、上記の方法を用いて材料を産生し、分析した。イントロンの有無は、切断された材料の産生と無関係であることが以前に示されているので、マウス標準スタンダードを除いて、すべてのリーダー配列はcDNA型式であった(すなわち、イントロンを含まなかった)。上記のように、N末端アミノ酸配列は、シグナルペプチドとして同定され、予測された切断部位は位置−1と+1との間(すなわち、シグナルペプチドの最後の残基および成熟タンパク質の最初の残基)にあることを解析は示し、シグナルペプチドは完全に無傷のLcを残して切断されることを示している。V−ラムダ3、V−ラムダ1またはV−カッパ1ファミリー由来の代替リーダー配列を使用した場合、Lcの切断は観察されなかった。
精製されたMEDI8490試料のLC−MS解析は、Lc分子の93〜96%の間で測定された無傷のLcを主たる種として明らかにした。4%および7%の低レベルのSYE Lc切断は、天然に存在するイントロンを有する(シグナルペプチド1)または無い(シグナルペプチド2)マウスシグナルペプチドを用いて産生された材料においてのみ検出された(図10A)。SYE切断のレベルは前の結果(図1A)と一致し、マウスシグナルペプチド配列におけるイントロンの有無はSYE切断の存在に影響を与えなかった。Lc切断は、代替シグナルペプチドのいずれかを用いて産生された精製された材料では検出されなかった(図10A)。これらのデータは、切断はイントロンを含むリーダーのミススプライシングによるものではなく、マウスシグナルペプチド−SYEアミノ酸の組合せに固有のものであることをさらに示している。
安定なトランスフェクションを用いた代替N末端軽鎖アミノ酸配列および代替リーダー配列の研究
上記の実施例は、LcのN末端アミノ酸配列を変更するか、または分泌リーダーペプチド配列を変化させることが、一過性トランスフェクションにおけるLcペプチドの「SYE」切断を防止する上で成功していることを示す。安定にトランスフェクトされたCHOプールも研究した。マウスおよび代替リーダーの両方は、可変Lc配列の存在下でコドン最適化され、プラスミドを構築するために、両方とも同一プラスミドに組み込まれたMEDI8490重鎖および軽鎖遺伝子と、安定な細胞株選択のための選択マーカーとともに使用された。リーダーはDNA型式(すなわちイントロンがない)であった。抗体材料はフェドバッチプロセスを用いて蓄積された。MEDI8490を精製し、LC−MSによってLc切断の存在を分析した(図10A)。マウスシグナルペプチドを用いて産生された材料について、マススペクトルデータは、それぞれプール1およびプール2についての全Lc分子の5%および7%の小さなピークを同定し、SYE Lc切断に起因した。一方、ヒトV−ラムダ1シグナルペプチドを用いて産生された材料においては、SYE Lc切断は検出されなかった。したがって、安定なプールは、一時的にトランスフェクトされた材料によって予測される発現は、安定な細胞株において確認されることを示した(表3)。
SYE Lcを有する代替mAbにおけるLc切断に対するシグナルペプチドの影響
Lc切断の生産および防止がMEDI8490に独特であるかどうかを調べるために、本発明者らは、マウス(シグナルペプチド1、配列番号1)およびヒトV−ラムダ1(シグナルペプチド4、配列番号3)シグナルペプチドを、SYE Lc N末端モチーフを有する2つの関係がないモノクローナル抗体、mAb AおよびmAb B、で評価した。シグナルペプチドをコードするDNA配列を合成し、一過性mAb AおよびmAb B Lc発現プラスミドにクローニングした。それぞれの得られたLc発現プラスミドは、対応するHe発現プラスミドとともに、CHO細胞を一時的にトランスフェクトするために使用された。浄化されたフェドバッチ採取物は、Protein A アフィニティクロマトグラフィによって精製された。LC−MSによる解析(図10C)は、マウスシグナルペプチドを使用した場合、mAb AおよびmAb BにおいてLc切断が存在するが、ヒトV−ラムダ1シグナルペプチドを使用した場合には存在しないことを明らかにした。結果を表4に要約する。
これらのデータは、Lc切断の生成はMED18490に固有ではなく、LcがN末端SYEアミノ酸モチーフを有する他のmAbでも起きる可能性があることを示している。
さらにMEDI8490と同様に、マウスシグナルペプチドの代替物を用いることにより、他のmAbにおいてSYE切断の産生を防止することができる。
配列
表5は、本明細書で使用されるアミノ酸配列およびヌクレオチド配列のリストを示す。
特定の実施形態の前述の説明は、過度の実験をすることなく、当業者の通常の技術の範囲内にある知識を適用して、本発明の一般的な概念から逸脱することなく、様々な応用のためのそのような特定の実施形態を容易に修正および/または適合させることができるように、本発明の一般的な性質を完全に明らかにするであろう。したがって、そのような適合および修正は、本明細書に提示された教示および手引きに基づいて、開示された実施形態の均等物の意味および範囲内にあることが意図される。本明細書の表現または用語は、本明細書の用語または表現が教示および指針に照らして当業者によって解釈されるように、限定ではなく説明のためのものであることを理解されたい。本発明は、次の特許請求の範囲にさらに記載される。

Claims (22)

  1. 切断されていない成熟抗体軽鎖(Lc)ポリペプチドを産生する方法であって:
    a.配列番号5に示された第1の新生N末端配列を含む第1の抗体Lcアミノ酸配列を同定する工程;および
    b.第1の新生N末端配列の代わりに、第2の抗体Lcポリペプチドは:
    配列番号6、
    配列番号7、
    配列番号8、
    配列番号9、
    配列番号10、
    配列番号11、
    配列番号12、
    配列番号13;および
    配列番号14
    からなる群から選択される第2の新生N末端配列を含むことを除いて、第1の抗体Lcポリペプチドと同一のアミノ酸配列を有する第2の抗体Lcポリペプチドを培養細胞中で発現させる工程
    を含み、
    それによって、切断されていない成熟抗体Lcポリペプチドを産生する前記方法。
  2. 抗体軽鎖(Lc)ポリペプチドのN末端切断を防止する方法であって:
    a.配列番号5に示された第1の新生N末端配列を含むアミノ酸配列を有する第1の抗体Lcポリペプチドを同定する工程であって、該第1の新生N末端配列は本質的にリーダー配列および成熟N末端トリペプチドからなり;
    培養細胞中での該第1の抗体Lcポリペプチドの発現は、培養細胞中で発現する第1の抗体Lcポリペプチドの少なくとも約3%において成熟N末端トリペプチドの切断をもたらす工程;および
    b.第1の新生N末端配列の代わりに、第2の抗体Lcポリペプチドは:
    配列番号6、
    配列番号7、
    配列番号8、
    配列番号9、
    配列番号10、
    配列番号11、
    配列番号12、
    配列番号13、および
    配列番号14
    からなる群から選択される第2の新生N末端配列を含むことを除いて、第1の抗体Lcポリペプチドと同一のアミノ酸配列を有する第2の抗体Lcポリペプチドを培養細胞中で発現させる工程であって;
    該第2の新生N末端配列は本質的にリーダー配列および成熟N末端トリペプチドからなり;
    培養細胞中での該第2の抗体Lcポリペプチドの発現は、成熟N末端トリペプチドの非切断をもたらす工程
    を含み、
    それによって、抗体LcポリペプチドのN末端切断を防止する前記方法。
  3. 抗体軽鎖(Lc)ポリペプチドの均質集団を含む組成物を産生する方法であって:
    a.配列番号5に示された第1の新生N末端配列を含むアミノ酸配列を有する第1の抗体Lcポリペプチドを同定する工程;
    b.第2のLcポリペプチドを培養細胞中で発現させる工程であって、該第2のLcポリペプチドは、
    配列番号6、
    配列番号7、
    配列番号8、
    配列番号9、
    配列番号10、
    配列番号11、
    配列番号12、
    配列番号13、および
    配列番号14
    からなる群から選択される第2の新生N末端配列を含むことを除いて、該第2のLcポリペプチドは第1のLcポリペプチドと同一のアミノ酸配列を有し;
    該第2のLcポリペプチドは、培養細胞によって上清へ分泌され、該上清は第2のLcポリペプチドのアミノ酸配列変異体を少なくとも98%含まない工程;ならびに
    c.該上清から該第2のLcポリペプチドを採取する工程
    を含み、
    それによって、均質集団の抗体Lcポリペプチドを含む組成物を産生する前記方法。
  4. 第2の新生N末端配列は配列番号6である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 第2の新生N末端配列は配列番号7である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  6. 第2の新生N末端配列は配列番号8である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  7. 第2の新生N末端配列は配列番号9である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  8. 第2の新生N末端配列は配列番号10である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  9. 第2の新生N末端配列は配列番号11である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  10. 第2の新生N末端配列は配列番号12である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  11. 第2の新生N末端配列は配列番号13である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  12. 第2の新生N末端配列は配列番号14である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  13. 培養細胞はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  14. N末端切断は液体クロマトグラフィ−質量分析(LC−MS)解析によって検出される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  15. N末端切断は還元ペプチドマッピング解析によって確認される、請求項14に記載の方法。
  16. 第2のLcポリペプチドおよび上清中のアミノ酸配列変異体の割合はLC−MS解析によって測定される、請求項3に記載の方法。
  17. 上清は第2のLcポリペプチドのアミノ酸配列変異体を少なくとも99%含まない、請求項3に記載の方法。
  18. 上清は第2のLcポリペプチドのアミノ酸配列変異体を100%含まない、請求項3に記載の方法。
  19. 組成物は医薬組成物である、請求項3に記載の方法。
  20. 第1のLcポリペプチドは抗体の一部である、請求項3に記載の方法。
  21. 第2のLcポリペプチドは抗体の一部である、請求項3に記載の方法。
  22. 抗体は治療用抗体である、請求項21に記載の方法。
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