JP2018534319A - 疼痛の治療のためのオピオイドアゴニスト及び非経皮的に送達されるオピオイドアンタゴニストのn−オキシド誘導体を含む乱用防止性の経皮的送達デバイス及び組成物 - Google Patents

疼痛の治療のためのオピオイドアゴニスト及び非経皮的に送達されるオピオイドアンタゴニストのn−オキシド誘導体を含む乱用防止性の経皮的送達デバイス及び組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2018534319A
JP2018534319A JP2018526061A JP2018526061A JP2018534319A JP 2018534319 A JP2018534319 A JP 2018534319A JP 2018526061 A JP2018526061 A JP 2018526061A JP 2018526061 A JP2018526061 A JP 2018526061A JP 2018534319 A JP2018534319 A JP 2018534319A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide derivative
opioid
oxide
formula
transdermal delivery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018526061A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018534319A5 (ja
Inventor
スティーヴ・ホワイトロック
Original Assignee
ユーロ−セルティーク エス.エイ.
ユーロ−セルティーク エス.エイ.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ユーロ−セルティーク エス.エイ., ユーロ−セルティーク エス.エイ. filed Critical ユーロ−セルティーク エス.エイ.
Publication of JP2018534319A publication Critical patent/JP2018534319A/ja
Publication of JP2018534319A5 publication Critical patent/JP2018534319A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/435Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom
    • A61K31/47Quinolines; Isoquinolines
    • A61K31/485Morphinan derivatives, e.g. morphine, codeine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/70Web, sheet or filament bases ; Films; Fibres of the matrix type containing drug
    • A61K9/7023Transdermal patches and similar drug-containing composite devices, e.g. cataplasms
    • A61K9/703Transdermal patches and similar drug-containing composite devices, e.g. cataplasms characterised by shape or structure; Details concerning release liner or backing; Refillable patches; User-activated patches
    • A61K9/7038Transdermal patches of the drug-in-adhesive type, i.e. comprising drug in the skin-adhesive layer
    • A61K9/7046Transdermal patches of the drug-in-adhesive type, i.e. comprising drug in the skin-adhesive layer the adhesive comprising macromolecular compounds
    • A61K9/7053Transdermal patches of the drug-in-adhesive type, i.e. comprising drug in the skin-adhesive layer the adhesive comprising macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon to carbon unsaturated bonds, e.g. polyvinyl, polyisobutylene, polystyrene
    • A61K9/7061Polyacrylates
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/04Centrally acting analgesics, e.g. opioids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Emergency Medicine (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

本発明は、オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体又はその塩、及びオピオイドアゴニスト又はその塩を含む医薬組成物を含む経皮的送達デバイスを提供する。

Description

本発明は、式(I)のオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体又はその塩、及びオピオイドアゴニスト又はその塩を含む経皮的送達デバイスに関する。本発明は、式(I)のオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体又はその塩、オピオイドアゴニスト又はその塩、接着剤及び/又はマトリックス形成ポリマーを含む経皮的送達のための医薬組成物、並びに組成物を作製する方法にも関する。本発明は、経皮的送達デバイス及び組成物の医学的用途にも関する。
医薬品が意図された方法で摂取される機会を最大にするために、乱用抑止性、不正開封防止性の形状で組成物を含む医薬品及び送達デバイスを提供することが一般に望ましい。これにより、医薬品が所望の完全な薬理学的効果を有することが確実になる。更に重要なことに、不正開封防止性の形状の医薬品及び送達デバイスを提供することは、それらを乱用することがより困難であることを意味する。
特定のタイプの薬物を含む医薬品は、もちろん、他の薬物よりも乱用の標的になる可能性が高い。オピオイドアゴニストを含む経皮的送達デバイスは、長期間にわたって放出するために比較的多量のオピオイドアゴニストを含む傾向があるため、乱用の標的である頻度が高い。
オピオイドアゴニストは、疼痛の治療及び管理に重要な医薬品である。乱用者は、一般に、オピオイドアゴニストを含む送達デバイス、特に比較的多量のオピオイドアゴニストを含む経皮的送達デバイスを改変し、次いで、高いインビボ濃度が短時間に達成され、陶酔効果を経験するようにオピオイドアゴニストを投与することを意図する。経皮的送達デバイス中に存在するオピオイドアゴニスト含有組成物は、例えば、デバイスから抽出され、単回投与で経口投与してよい。生じる別の形態の乱用は、経皮的送達デバイスからのオピオイドアゴニスト含有組成物の抽出であり、次いで注入によって粗雑に投与される場合がある溶液を得るためである。
乱用が起こる可能性を最小限に抑えるために、オピオイドアゴニスト、及び特に経皮的送達デバイスを不正開封防止性の形状で提供するための様々な戦略が開発されている。例えば、非浸透性バリアによって分離されたオピオイドアゴニスト及びオピオイドアンタゴニストを含む経皮的パッチが提案されており、アンタゴニストは、パッチが抽出プロセスにおいて咀嚼された又は溶媒に浸漬された場合にのみ放出される。オピオイドアゴニスト及びオピオイドアンタゴニストが物理的に分離された他の送達デバイスも開示される。
しかし、このタイプの不正開封防止性の経皮的送達デバイスの欠点は、乱用者がオピオイドアゴニストを抽出しようと試みる前にオピオイドアゴニストを含む送達デバイスの部分又は一部をうまく単離する場合があることである。成功した場合、乱用者が単離された部分を咀嚼する又は抽出すると、オピオイドアンタゴニストの非存在下で比較的多量のオピオイドアゴニストの送達が達成され、所望の陶酔効果がもたらされる。
US2004/0033253は、オピオイド又はその塩、及びアシルオピオイドアンタゴニスト又はその塩を含む不正開封防止性の経皮的送達デバイスを開示する。経皮的送達デバイスは、鎮痛有効量のオピオイドを対象に経皮的に投与することを可能にする。アシルオピオイドアンタゴニストは実質的に皮膚非透過性であるので、デバイスを意図された通りに、すなわち経皮的に使用する場合、アシルオピオイドアンタゴニストはオピオイドアゴニストの鎮痛効果に影響しない。しかし、他方では、デバイスが不正開封され、乱用者がデバイスからオピオイドを抽出しようとすると、アシルオピオイドアンタゴニストもまた抽出され、インビボで加水分解されて、オピオイドの陶酔効果を阻害するオピオイドアンタゴニストを生じる。
US2004/0033253のアシルオピオイドアンタゴニストは、ヒドロキシル基のプロトンがアシル基で置換された1つ又はそれ以上のヒドロキシル基を有するオピオイドアンタゴニストとして記載されている。US2004/0033253に列挙された具体例は、異なるヒドロキシル部分にアシル基を含む。広範囲のアシル基も記載されている。
WO2009/120889は、オピオイド、オピオイドアゴニスト-アンタゴニスト又はそれらのプロドラッグを、オピオイドアンタゴニストと組み合わせて含む組成物及び経皮的送達デバイスを記載する。オピオイドアンタゴニストは、剤形中で不溶性であるか、又は皮膚全体にわたって治療速度若しくは範囲で吸収性ではない。これは、アンタゴニストを封入若しくはコーティングすることによって、又はナノ粒子若しくは微小粒子の形で提供することによって達成される。しかし、組成物又はデバイスが乱用される場合、封入層又はコーティングが溶解され、オピオイドアゴニストの効果を打ち消すためにアンタゴニストが放出される。
US2004/0033253 WO2009/120889 US4722928 CH683005
「Guideline on Bioanalytical Method Validation」、EMA、CHMP、EWP、2011年7月 「Reflection paper for laboratories that perform the analysis or evaluation of clinical trial samples、2012年2月28日、EMA/INS/GCP/532137/2010」 「Guidance for Industry, Bioanalytical Method Validation」、U.S. Department of Health and Human Services、Food and Drug Administration、Center for Drug Evaluation and Research (CDER)、Center for Veterinary Medicine (CVM)の勧告、2001年5月、BP
それにもかかわらず、不正開封防止性の組成物、特にオピオイドアゴニストの不正開封防止性の経皮的送達デバイスが依然として必要である。
第1の態様から見ると、本発明は、医薬組成物を含む経皮的送達デバイスであって、前記組成物は式(I):
Figure 2018534319
[式中、
R1は、置換されていてもよいC1〜8アルキル及び置換されていてもよいC2〜8アルケニルから選択され、
R2は、OH、H、OC1〜8アルキル、NHCOR、NR1COR、CONR1R及びCONHRから選択され、Rはヒドロカルビル基であるか、又はR2は、R3が結合している炭素への架橋を形成し、
R3は、破線の結合が存在する場合、O、CH2、N-NH2又はオピオイドアンタゴニストの第2のN-オキシド誘導体若しくはその塩への連結基から選択され、破線の結合が存在しない場合、OH、H、OC1〜8アルキル、OCOR1、O(CH2CH2(CH2)yO)xCH3(式中、xは、1〜10であり、yは、0〜3である)、N(R1)2、NR1COR、NHCOR、CONR1R、CONHR(式中、Rはヒドロカルビル基である)、又はオピオイドアンタゴニストの第2のN-オキシド誘導体若しくはその塩への連結基から選択され、R4は、H、CONHR、CONR1R、NHCOR、NR1COR及びC(OH)(R1)2(式中、Rはヒドロカルビル基である)から選択されるか、又は、
R3及びR4は、それらが結合している炭素原子と一緒に、複素環、又はオピオイドアンタゴニストの第2のN-オキシド誘導体若しくはその塩への連結基を形成し、
R5は、OH、OC1〜8アルキル、OCOR1、H及びCONH2から選択され、
R6及びR7は、各々独立してH、OH及びOC1〜8アルキルから選択されるか、又はR6及びR7は、それらが結合している炭素原子と一緒にジヒドロフラン環を形成し、
シクロヘキシル環中の各破線の結合は、存在する場合もあり、又は存在しない場合もあり、ただし、両方とも存在しない場合もある]
のオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体又はその塩、及びオピオイドアゴニスト又はその塩を含む経皮的送達デバイスを提供する。
更なる態様から見ると、本発明は、式(I)のオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体又はその塩、オピオイドアゴニスト又はその塩、及び接着剤、及び/又はマトリックス形成ポリマーを含む医薬組成物を提供する。
更なる態様から見ると、本発明は、上文に記載された式(I)のオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体又はその塩、オピオイドアゴニスト又はその塩、及び接着剤、及び/又はマトリックス形成ポリマーを混合する工程を含む、上文に規定された組成物を作製する方法を提供する。
更なる態様から見ると、本発明は、上文に記載された組成物含む経皮的剤形を提供する。
更なる態様から見ると、本発明は、医学の分野で使用するための上文に規定された組成物を提供する。
更なる態様から見ると、本発明は、疼痛の治療で使用するための上文に規定された組成物を提供する。
更なる態様から見ると、本発明は、疼痛の治療のための医薬の製造のための上文に規定された組成物の使用を提供する。
更なる態様から見ると、本発明は、疼痛緩和を必要とする対象を治療する方法であって、前記対象に上文に規定された医薬組成物又は経皮的送達デバイスを投与することを含む方法を提供する。
更なる態様から見ると、本発明は、オピオイドアンタゴニストの新規のN-オキシド又はその塩を提供する。
定義
本明細書で使用される場合、特別の定めのない限り、「不正開封防止性(tamper resistant)」及び「乱用抑止性(abuse deterrent)」という用語は交換可能である。
本明細書で使用される場合、「N-オキシド」という用語は、アミンオキシド又はアミンN-オキシドを表す。N-オキシドは、3個の追加の水素及び/又は窒素に結合するヒドロカルビル鎖と併せてN-O結合を含む。
本明細書で使用される場合、「アンタゴニスト」という用語は、オピオイド受容体に結合し、それによってアゴニストが受容体に結合するのをブロックする化合物を表す。本明細書で使用される場合、この用語は、受容体を全く活性化しない完全アンタゴニス、及び弱いオピオイドアゴニスト効果を生じる部分アンタゴニストを包含する。
本明細書で使用される場合、「オピオイドアンタゴニスト」という用語は、Rがヒドロカルビル基であるコア構造(A):
Figure 2018534319
を含む化合物を表す。
好ましいオピオイドアンタゴニストは、Rがヒドロカルビル基であるコア構造(B):
Figure 2018534319
を含む。
本明細書で使用される場合、「オピオイドアゴニスト」という用語は、オピオイド受容体に結合し、受容体を活性化して疼痛緩和及び鎮静のような効果を誘導する任意の天然、半合成又は合成化合物を表す。
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、飽和、直鎖、分枝又は環状の基を表す。アルキル基は、置換されていても置換されていなくてもよい。
本明細書で使用される場合、「アルケニル」という用語は、二重結合を含む直鎖、分岐又は環状の基を表す。アルケニル基は、置換されていても置換されていなくてもよい。
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、3〜10個の炭素原子を含む飽和又は部分飽和の単環式又は二環式アルキル環系を表す。シクロアルキル基は、置換されていても置換されていなくてもよい。
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、少なくとも1つの芳香族環を含む基を表す。アリールという用語は、ヘテロアリール、並びに1つ又はそれ以上の芳香族環がシクロアルキル環に縮合した縮合環系を包含する。アリール基は、置換されていても置換されていなくてもよい。
本明細書で使用される場合、「ヒドロカルビル」という用語は、炭化水素基から誘導された一価の基を表す。「炭化水素基」とは、炭素、水素及び場合により他の原子、例えば、ハロ原子を含む基である。
本明細書で使用される場合、「ハロ」という用語は、F、CI、Br及びIからなる群から選択される原子を包含する。
本明細書で使用される場合、「複素環」という用語は、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む環状基を表す。本明細書で使用される場合、この用語は、芳香族環状基及び非芳香族環状基の両方を包含する。複素環基は、置換されていても置換されていなくてもよい。
本明細書で使用される場合、「連結基」という用語は、2つ又はそれ以上の他の基を一緒に連結する原子及び/又は結合の集合を表す。
本明細書で使用される場合、「経皮的送達」という用語は、化合物、例えば、オピオイドアゴニストを、個体の皮膚表面を通過させて、その薬剤が皮膚組織を通過して個体の血流に入るようにする投与を表す。
本明細書で使用される場合、「経皮的送達デバイス」とは、患者の皮膚と接触すると、鎮痛有効量のオピオイド又は薬学的に許容されるその塩を、皮膚を通過して全身循環へ経皮的に送達することができる任意のデバイスを意味する。「経皮的」という用語は、経粘膜的投与、すなわち個体の粘膜(例えば、舌下腺、頬、膣、直腸)表面への化合物の投与を含むことを意図し、その結果、化合物は粘膜組織を通過して個体の血流へ入る。
本明細書で使用される場合、「疼痛の治療」という用語は、患者における疼痛の改善又は疼痛の消失を包含する。
本明細書で使用される場合、「疼痛の予防」というは、患者における疼痛の発症の回避を包含する。
本発明は、オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体又はその塩、及びオピオイドアゴニスト又はその塩を含む医薬組成物に関する。組成物は、経皮的送達デバイスに使用するために設計される。このデバイスを意図した通りに、すなわち皮膚を通して経皮的にオピオイドアゴニストを送達するために使用する場合、医薬組成物中に存在するオピオイドアゴニストは、あたかもN-オキシドアンタゴニストが存在していないかのように、例えば、疼痛緩和を提供するために送達される。重要なことに、オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体は、皮膚を通して、全く、又はかなりの程度まで同時に送達されるわけではない。これは、N-オキシド誘導体中に荷電したN-O結合が存在し、皮膚を通過することを著しく制限又は防止するためである。したがって、正常な操作においては、本発明の組成物を含む経皮的送達デバイスは、オピオイドアゴニストのみを提供し、それによって疼痛緩和を提供する。
しかし、組成物が、例えば経口又は非経口投与による非経皮的経路を介した投与のために経皮送達デバイスから除去される又は抽出される場合、オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体並びにオピオイドアゴニストが血流中に送達される。血流中でオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体はオピオイドアンタゴニストへ迅速に変換され、共投与されたオピオイドアゴニストの効果に拮抗する。実際には、そうでなければオピオイドアゴニストの投与によって達成される陶酔効果を、オピオイドアンタゴニストは阻害する。したがって、本発明の組成物は内部不正開封防止機構を提供する。
オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体は既知の化合物である。例えば、US4722928では、麻薬アンタゴニストを含む様々な化合物のN-オキシド誘導体を開示する。ナルトレキソンN-オキシド及びナロキソンN-オキシドは両者共に詳細に開示される。US4722928は、N-オキシド誘導体の経口バイオアベイラビリティーは、対応するアミノ化合物のものより良好であると教示されている。
CH683005も、様々な薬物のN-オキシド誘導体がいくつかのオピオイドアンタゴニストを含むことを開示する。CH683005は、N-オキシドオピオイド誘導体が血液中で安定であり、排出物中に存在することを教示しているようである。
US4722928もCH683005も、経皮的送達デバイスにおけるオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体の使用を開示していない。更にUS4722928もCH683005も、乱用抑止性としてのオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体の使用を開示していない。むしろ両文書において、N-オキシド誘導体はプロドラッグとして使用される。
本発明の好ましい組成物及び経皮的送達デバイスにおいて、N-オキシド誘導体は、オピオイドアゴニストの陶酔効果を阻害するのに十分な量で存在する。オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体は、オピオイドアゴニストの陶酔効果を完全に又は部分的に阻害する場合があるが、好ましくは陶酔効果を完全に阻害する。阻害を提供するために必要とされるオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体の量は、オピオイドアゴニストの同一性、存在するオピオイドアゴニストの量及びオピオイドアンタゴニストの同一性を含む様々な要因に依存する。
本発明の組成物及び経皮的送達デバイスに存在するオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体は、Rがヒドロカルビル基であるコア構造(A):
Figure 2018534319
を含む。
本発明の組成物及び経皮的送達デバイスに存在するオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体は、Rがヒドロカルビル基であるコア構造(B):
Figure 2018534319
を含む。
本発明の組成物及び経皮的送達デバイスは、式(I):
Figure 2018534319
[式中、
R1は、置換されていてもよいC1〜8アルキル及び置換されていてもよいC2〜8アルケニルから選択され、
R2は、OH、H、OC1〜8アルキル、NHCOR、NR1COR、CONR1R及びCONHRから選択され、Rはヒドロカルビル基であるか、又はR2は、R3が結合している炭素への架橋を形成し、
R3は、破線の結合が存在する場合、O、CH2、N-NH2又はオピオイドアンタゴニストの第2のN-オキシド誘導体若しくはその塩への連結基から選択され、破線の結合が存在しない場合、OH、H、OC1〜8アルキル、OCOR1、O(CH2CH2(CH2)yO)xCH3(式中、xは、1〜10であり、yは、0〜3である)、N(R1)2、NR1COR、NHCOR、CONR1R、CONHR(式中、Rはヒドロカルビル基である)、又はオピオイドアンタゴニストの第2のN-オキシド誘導体若しくはその塩への連結基から選択され、R4は、H、CONHR、CONR1R、NHCOR、NR1COR及びC(OH)(R1)2(式中、Rはヒドロカルビル基である)から選択されるか、又は
R3及びR4は、それらが結合している炭素原子と一緒に、複素環、又はオピオイドアンタゴニストの第2のN-オキシド誘導体若しくはその塩への連結基を形成し、
R5は、OH、OC1〜8アルキル、OCOR1、H及びCONH2から選択され、
R6及びR7は、各々独立してH、OH及びOC1〜8アルキルから選択されるか、又はR6及びR7は、それらが結合している炭素原子と一緒にジヒドロフラン環を形成し、
シクロヘキシル環中の各破線の結合は、存在する場合もあり、又は存在しない場合もあり、ただし、両方とも存在しない場合もある]
のN-オキシド誘導体又はその塩を含む。
更により好ましくは、本発明の組成物及び経皮的送達デバイスは、式(II):
Figure 2018534319
のN-オキシド誘導体を含み、
R1、R2、R3、R4、R5及び破線の結合の各々は上文に規定の通りである。
上記の式(I)及び(II)に示すように、本発明の組成物及び経皮的送達デバイスに存在するオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体中に存在するシクロヘキシル環は、飽和又は部分的に不飽和であってもよい。好ましくは、シクロヘキシル環は飽和である。したがって好ましくは、本発明の組成物及び経皮的送達デバイスに存在するオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体は、式(IIIa):
Figure 2018534319
を有し、R1、R2、R3、R4及びR5の各々は上文に規定の通りである。
しかし、シクロヘキシル環が部分的に不飽和である場合、次いで好ましくはオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体は、式(IIIb)又は(IIIc):
Figure 2018534319
を有し、R1、R2及びR5の各々は上文に規定の通りであり、並びにR3は、OH、H、C1〜8アルキル、OCOR1、O(CH2CH2(CH2)yO)xCH3(式中、xは、1〜10であり、yは、0〜3である)、N(R1)2、NR1COR、NHCOR、CONR1R、CONHR(式中、Rはヒドロカルビル基である)、又はオピオイドアンタゴニストの第2のN-オキシド誘導体若しくはその塩への連結基から選択され、R4は、H、CONHR、CONR1R、NHCOR、NR1COR及びC(OH)(R1)2(式中、Rはヒドロカルビル基である)から選択されるか、又はR3及びR4は、それらが結合している炭素原子と一緒に、複素環、又はオピオイドアンタゴニストの第2のN-オキシド誘導体若しくはその塩への連結基を形成する。
本発明の組成物及び経皮的送達デバイスに存在するオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体は、単量体又は二量体であってもよい。好ましくは、N-オキシド誘導体は単量体であり、特に好ましくは、本明細書で規定された式(I)〜(III)及び(V)〜(VII)の単量体である。しかし、場合によっては、N-オキシド誘導体が二量体であることが好ましい場合がある。二量体は、強力なオピオイドアゴニストとの使用に有益であり得る化合物の、1モル当たり2分子のアンタゴニストを提供する。更に、二量体は比較的高分子量であり、対応する単量体のN-オキシド化合物よりも経皮的送達に対して更に耐性であることを意味する。本発明の組成物及び経皮的送達デバイスに存在するオピオイドアンタゴニストの好ましい二量体のN-オキシド誘導体は、式(IV):
Figure 2018534319
を有し、Lは、連結基であり、
R1、R2及びR5の各々は独立して上文に規定の通りである。好ましい連結基は、複素環を含む。この場合、複素環は、好ましくは、式(IVb):
Figure 2018534319
[式中、Hは複素環を示す]
に示されるように、両方のN-オキシド誘導体に縮合される。
好ましい複素環は、N-オキシド誘導体の2個の縮合シクロヘキシル環から誘導された原子を含む5又は6個、特に5個の原子を含む。更に好ましい複素環は、少なくとも1個の、例えば1個の窒素原子を含む。適した複素環は、フラン、チオフェン、ピロール、ピロリン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、イミダゾリジン、ピラゾール、ピラゾリン、イソキサゾール及びイソチアゾールを含む。好ましい複素環連結基は、ピロールである。本発明の組成物及び経皮的送達デバイスに存在するオピオイドアンタゴニストの特に好ましい二量体のN-オキシド誘導体は、式(IVc):
Figure 2018534319
を有し、R1、R2及びR5の各々は上文に規定の通りである。
本発明の特に好ましい組成物及び経皮的送達デバイスは、式(V):
Figure 2018534319
のN-オキシド誘導体を含み、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及び破線の結合の各々は上文に規定の通りである。
本発明の更に好ましい組成物及び経皮的送達デバイスは、式(VI):
Figure 2018534319
のN-オキシド誘導体を含み、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及び破線の結合の各々は上文に規定の通りである。
本発明の更に好ましい組成物及び経皮的送達デバイスは、式(VII):
Figure 2018534319
のN-オキシド誘導体を含み、
R1、R2、R3、R4、R5及び破線の結合の各々は上文に規定の通りである。
本発明の更に好ましい組成物及び経皮的送達デバイスは、式(VIII):
Figure 2018534319
のN-オキシド誘導体を含み、R1、R2、R3、R4、R5及び破線の結合の各々は上文に規定の通りである。
本発明の更に好ましい組成物及び経皮的送達デバイスは、式(IX):
Figure 2018534319
のN-オキシド誘導体を含み、
R1、R2、R3、R4、R5及び破線の結合の各々は上文に規定の通りである。
本発明の更に好ましい組成物及び経皮的送達デバイスは、式(X):
Figure 2018534319
のN-オキシド誘導体を含み、
R1、R2、R3、R4及びR5の各々は上文に規定の通りである。
本発明の更に好ましい組成物及び経皮的送達デバイスは、式(XI):
Figure 2018534319
のN-オキシド誘導体を含み、
R1、R2、R3、R4及びR5の各々は上文に規定の通りである。
本発明の更に好ましい組成物及び経皮的送達デバイスは、式(XII):
Figure 2018534319
のN-オキシド誘導体を含み、
R1、R2、R3、R4及びR5の各々は上文に規定の通りである。
式(I)〜(XII)の好ましい化合物において、R5はOH又はOC1〜8アルキル、及び特に好ましくはOHから選択される。
式(I)〜(XII)の好ましい化合物において、R2はOH、H、OC1〜8アルキルから選択されるか、又はR2はR3が結合している炭素への架橋を形成する。R2が架橋を形成する場合、好ましくは-CH2CH2-架橋が形成される。しかし、より好ましくは、R2はOH、H、OC1〜8アルキルであり、更により好ましくは、R2はOHである。
式(I)〜(XII)の更に好ましい化合物において、R1は、置換されたC1〜8アルキル又は非置換のC2〜8アルケニルから選択される。好ましいアルキル基は、C1〜3アルキル、例えばメチル、エチル又はプロピルであり、特にメチルである。R1基、特にC1〜8アルキル基に存在する好ましい置換基には、C3〜8シクロアルキル、C6〜12アリール及びハロ(例えば、Cl、Br及びF)が含まれる。特に好ましい置換基はC3〜8シクロアルキル及びハロであり、特にC3〜8シクロアルキルである。好ましいシクロアルキル置換基は、シクロプロピル及びシクロブチルであり、特にシクロプロピルである。特に好ましいR1基は、-CH2-シクロプロピルである。
好ましいC2〜8アルケニル基は、C2〜4アルケニルであり、より好ましくはC2又はC3アルケニルであり、更により好ましくはC3アルケニルである。更に特に好ましいR1基は、プロペン-1-イル、すなわち-CH2CH=CH2である。別の好ましいR1基は、-CH2CH=C(CH3)2である。
式(I)〜(III)及び(V)〜(XII)の好ましい化合物において、R4はH若しくはC(OH)(R1)2から選択されるか、又はR3及びR4は、それらが結合している炭素原子と一緒に複素環を形成する。R4がC(OH)(R1)2である場合、R1は各々同一でも異なっていてもよい。R1は各々好ましくはC1〜8アルキルであり、更により好ましくは、メチル、エチル、プロピル又はブチルである。R3及びR4が、それらが結合している炭素原子と一緒に複素環を形成する場合、複素環は、好ましくはインドール(例えば、インドール又は5'-グアニジノインドール)又はベンゾフランで置換されていてもよい。しかし、より好ましくは、R4はHである。
式(I)〜(III)及び(V)〜(XII)の好ましい化合物において、R3は、破線の結合が存在する場合、O、CH2、N-NH2又はオピオイドアンタゴニストの第2のN-オキシド誘導体若しくはその塩への連結基から選択され、破線の結合が存在しない場合、OH、H、OC1〜8アルキル、OCOR1、O(CH2CH2(CH2)yO)xCH3(式中、xは、1〜10であり、yは、0〜3である)、N(R1)2、NR1COR、NHCOR、CONR1R、CONHR(式中、Rはヒドロカルビル基である)、又はオピオイドアンタゴニストの第2のN-オキシド誘導体若しくはその塩への連結基から選択されるか、又はR3及びR4は、それらが結合している炭素原子と一緒に上記に提示された複素環を形成する。式(I)〜(III)及び(V)〜(XII)の更に好ましい化合物において、R3は、破線の結合が存在する場合、O、CH2、N-NH2から選択され、破線の結合が存在しない場合、OH、H、OC1〜8アルキル、OCOR1、O(CH2CH2(CH2)yO)xCH3(式中、xは、1〜10であり、yは、0〜3である)、N(R1)2、NR1COR、NHCOR、CONR1R、CONHR(式中、Rはヒドロカルビル基である)から選択される。式(I)〜(III)及び(V)〜(XII)の更に好ましい化合物において、R3は、破線の結合が存在する場合、O又はCH2から選択され、破線の結合が存在しない場合、OH又はOC1〜8アルキルから選択される。式(I)〜(III)及び(V)〜(XII)の特に好ましい化合物において、R3はOであり、破線の結合は存在する。
本発明の特に好ましい組成物及び経皮的送達デバイスにおいて、N-オキシド誘導体は、ナロキソン、ナロキソール、ナロキセゴール、ナロキサゾン、ナルメフェン、ナルブフィン、ナルメキソン、ナルトレキソン、ナルトレキソール、クロルナルトレキサミン、クロシンナモックス、ナルフラフィン、ナルデメジン、ナルトリンドール、5'-グアニジノナルトリンドール、ナルトリベン、ナロルフィン、ジアセチルナロルフィン、ナロキソナジン、ノルビナルトルフィミン、ビナルトルフィミン、ブプレノルフィン、ジプレノルフィン、レバロルファン、シプロジム、オキシロルファン、サミドルファン、シクラゾシンから選択されるアンタゴニストの誘導体、薬学的に許容されるそれらの塩、及びそれらの混合物である。本発明の更に好ましい組成物及び経皮的送達デバイスにおいてN-オキシド誘導体は、ナロキソン、ナロキソール、ナロキセゴール、ナロキサゾン、ナルメフェン、ナルトレキソン、ナルトレキソール、クロルナルトレキサミン、クロシンナモックス、ナルフラフィン、ナルデメジン、ナルトリンドール、5'-グアニジノナルトリンドール、ナルトリベン、ナロルフィン、ジアセチルナロルフィン、ナロキソナジン、ノルビナルトルフィミン、ビナルトルフィミン、レバロルファン、シプロジム、オキシロルファン、サミドルファン、シクラゾシンから選択されるアンタゴニストの誘導体、薬学的に許容されるそれらの塩、及びそれらの混合物である。これらの化合物の各々の系統名は、以下の表に示されている。これらの化合物の各々の構造は、図1に示されている。
Figure 2018534319
Figure 2018534319
本発明の更に好ましい組成物及び経皮的送達デバイスにおいて、N-オキシド誘導体は、ナロキソン、ナロキソール、ナロキセゴール、ナロキサゾン、ナルメフェン、ナルブフィン、ナルメキソン、ナルトレキソン、ナルトレキソール、クロルナルトレキサミン、ナルフラフィン、ナルトリベン、ナロルフィン、ジアセチルナロルフィン、レバロルファン、シプロジム、オキシロルファン、サミドルファンから選択されるアンタゴニストの誘導体、薬学的に許容されるそれらの塩、及びそれらの混合物である。本発明の更に更なる好ましい組成物及び経皮的送達デバイスにおいて、N-オキシド誘導体は、ナロキソン、ナロキソール、ナロキセゴール、ナロキサゾン、ナルメフェン、ナルブフィン、ナルメキソン、ナルトレキソン、ナルトレキソール、クロルナルトレキサミン、ナルフラフィン、ナルトリベン、ナロルフィン、ジアセチルナロルフィンから選択されるアンタゴニストの誘導体、薬学的に許容されるそれらの塩、及びそれらの混合物である。本発明の更に更なる好ましい組成物及び経皮的送達デバイスにおいて、N-オキシド誘導体は、ナロキソン、ナルトレキソンから選択されるアンタゴニストの誘導体、薬学的に許容されるそれらの塩、及びそれらの混合物である。形成され得る任意の薬学的に許容される塩が本明細書に含まれる。
本発明の組成物及び経皮的送達デバイスは、オピオイドアゴニスト又はその塩も含む。好ましくは、オピオイドアゴニストは、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、カルフェンタニル、クロニタゼン、コデイン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デゾシン、ジアムプロミド、ジアモルフォン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジヒドロモルフォン、ジヒドロイソモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルフィン、エトニタゼン、エトルフィン、ジヒドロエトルフィン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロモルフォドン(hydromorphodone)、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルフィン、ミロフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ナルブフィン、ノルモルフィン、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パントポン、パパベレタム、パレゴリック、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェンジメトラジン、フェンジメトラゾン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、プロピルヘキセドリン、スフェンタニル、チリジン、トラマドール、薬学的に許容されるそれらの塩、及びそれらの混合物から選択される。
本発明の好ましい組成物及び経皮的送達デバイスにおいて、オピオイドアゴニストは、アルフェンタニル、スフェンタニル、エトルフィン、ジヒドロエトルフィン、ヒドロコドン、モルフィン、ヒドロモルフォン、オキシコドン、カルフェンタニル、コデイン、レボルファノール、メペリジン、メタドン、オキシモルフォン、ブプレノルフィン、フェンタニル、ジピパノン、ヘロイン、トラマドール、エトルフィン、ジヒドロエトルフィン、ブトルファノール、レボルファノール、薬学的に許容されるそれらの塩、及びそれらの混合物から選択される。本発明の更に更なる好ましい組成物及び経皮的送達デバイスにおいて、オピオイドアゴニストは、アルフェンタニル、フェンタニル、スフェンタニル、エトルフィン、ジヒドロエトルフィン、ブプレノルフィン、薬学的に許容されるそれらの塩、及びそれらの混合物から選択される。
好ましい組成物、特に受動的経皮的送達デバイスに使用するために設計された組成物において、オピオイドアゴニストは、遊離塩基オピオイドであり、すなわちオピオイドの薬学的に許容される塩ではない。しかし、オピオイドアゴニスト塩が所望される場合、任意の薬学的に許容される塩を使用してもよい。好ましい塩は、本発明の化合物の生物学的有効性及び特性を保持し、適切な非毒性の有機酸又は無機酸から形成される塩である。
オピオイドアゴニストの塩は、酸及びオピオイドの塩基性窒素基から形成され得る。適した塩は、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物塩、臭化物塩、ヨウ化物塩、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、及びパモ酸塩(すなわち、1,1'-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフト酸)塩)を含む。オピオイドアゴニストの塩は、カルボン酸又はスルホン酸のような酸性官能基、及び薬学的に許容される無機又は有機塩基を有するオピオイドから形成されてもよい。適した塩基は、ナトリウム、カリウム及びリチウムのようなアルカリ金属の水酸化物;カルシウム及びマグネシウムのようなアルカリ土類金属の水酸化物;アルミニウム及び亜鉛のような他の金属の水酸化物;非置換の又はヒドロキシ置換されたモノ-、ジ-、又はトリアルキルアミンのようなアンモニア及び有機アミン;ジシクロヘキシルアミン;トリブチルアミン;ピリジン;N-メチル、N-エチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;モノ-、ビス-、又はトリス-(2-ヒドロキシエチル)アミンのようなモノ-、ビス-、又はトリス-(2-ヒドロキシ-低級アルキルアミン)、2-ヒドロキシ-tert-ブチルアミン、又はトリス-(ヒドロキシメチル)メチルアミン、N,N,-ジメチル-N-(2-ヒドロキシエチル)アミン、又はトリ-(2-ヒドロキシエチル)アミンのような、N,N,-ジ-低級アルキル-N-(ヒドロキシ低級アルキル)-アミン;N-メチル-D-グルカミン;及びアルギニン及びリジンのようなアミノ酸を含む。
本発明の組成物及び経皮的送達デバイスに存在するオピオイドアンタゴニスト及びオピオイドアゴニストのN-オキシド誘導体は、1つ又はそれ以上の不斉炭素原子によって光学活性型又はラセミ型で存在し得る。本発明は、すべてのそのような光学活性型又はラセミ型を含む。特定の化合物、中間体及び/又は出発物質が互変異性型で存在してもよく、また本発明は化合物の任意の及びすべての互変異性型及びそれらの使用にも関することも理解されるべきである。
本発明の組成物及び経皮的送達デバイスに存在するオピオイドアンタゴニスト及びオピオイドアゴニストのN-オキシド誘導体は、誘導体の形で提供されてよい。本明細書で使用される場合、誘導体は、体内で分解性であり本発明の化合物を生産する化合物である。代表的な誘導体の例は、エステルを含む。本発明の化合物に多くの場合存在するヒドロキシ基に適したエステル形成基は、C1〜6アルカノイル、C1〜6アルコキシカルボニル及びアリールアルカノイル(例えばベンゾイル)を含む。
当業者は、本発明の組成物及び経皮的送達デバイスにおいてN-オキシド誘導体対オピオイドアゴニストの適切なモル比を決定することができる。使用される正確な比は、オピオイドアゴニストのタイプ、N-オキシド化合物中に存在するオピオイドアンタゴニストのタイプ、それらの相対的効能及び半減期を含む多数の因子に依存する。使用される比では、存在するアンタゴニストの量は、組成物又はそれが存在する経皮的送達デバイスが乱用される場合、オピオイドアゴニストの陶酔効果を阻害するのに一般に十分である。
組成物及び経皮的送達デバイス中のオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体及びオピオイドアゴニストの各々の量は、存在する特定のオピオイドアゴニスト及びN-オキシドオピオイドアンタゴニスト、組成物が使用されるデバイス又は剤形のタイプ、デバイス又は剤形を製造するために使用される材料、並びにオピオイドアゴニストが患者に送達される期間に依存する。当業者は、N-オキシド誘導体及びオピオイドアゴニストの適した量を決定することができる。しかし、組成物中のオピオイドアゴニスト及びオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体は、別々に又は一緒に混合されてもよく、好ましい組成物においてそれらは一緒に混合される。
本発明の好ましい組成物は、薬学的に許容される賦形剤を更に含む。任意の従来の薬学的に許容される賦形剤を使用してよい。本発明の組成物は、好ましくは液体(例えば、溶液又は分散体)又はポリマーマトリックスである。使用される正確な賦形剤は、一般に、組成物が使用するために設計された経皮的送達デバイスのタイプに依存する。本発明の組成物は、例えば、接着剤及び/又はマトリックス形成ポリマーを含んでもよい。
本発明はまた、式(I)のオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体又はその塩、及びオピオイドアゴニスト又はその塩を混合することを含む、上文に記載された組成物の作製方法にも関する。当技術分野において慣用の任意のミキサーを使用してもよい。本発明の組成物は、当技術分野でよく知られた技術にしたがって、1つ又はそれ以上の生理学的に許容される担体又は希釈剤を用いて任意の従来の方法で製剤化してもよい。本発明の組成物に使用することができる適した賦形剤(例えば、担体及び希釈剤)並びに他の材料は、医薬技術分野の当業者によく知られ、所与の組成物が適用される特定の組織に依存する。
上記のように、本発明の組成物は、経皮的送達デバイスへの取り込みに適している。したがって、本発明の経皮的送達デバイスは、上文に記載の組成物を含む。本発明の組成物は、オピオイドアゴニストが送達され、ほとんど又はすべてのオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体が、デバイスが意図された通りに経皮的に使用される場合に、経皮的送達デバイスを介して患者に送達されないというものである。しかし、本発明の組成物が非経皮的に、例えば、非経口的に又は経口で投与される場合、オピオイドアゴニスト及びオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体の両方が、患者の血流に送達されることが好ましい。この場合、オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体は、それ自体オピオイドアンタゴニストに変換され、オピオイドアンタゴニストは、さもなければオピオイドアゴニストによって達成される陶酔効果を阻害する。N-オキシド誘導体のオピオイドアンタゴニストそれ自体への変換は、肝臓及び/又は血液中の内因性レダクターゼ酵素によって促進されると考えられる。これらの不正開封防止及び乱用抑止特性は、組成物それ自体の結果である。
したがって好ましくは、本発明の組成物及び送達デバイスは、オピオイドアゴニスト又はその薬学的に許容されるその塩の経皮的投与を可能にするが、(a)オピオイドアゴニストの鎮痛効果を阻害するには効果のないオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体の量のみの経皮的投与を可能にするか、又は(b)オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体の経皮的投与を可能にしないかのいずれかである。他方では、しかし、本発明の組成物又は送達デバイスを使用して、経皮的、特に経口又は非経口以外の経路を介してオピオイドアゴニストを送達する場合、オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体は、オピオイドアゴニストの陶酔効果を阻害又は最小限にする。
乱用者が陶酔効果を得るために経皮的経路以外の経路、例えば、経口又は非経口を介して組成物を投与しようとする場合に、乱用者がオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体をオピオイドアゴニストと一緒に同時に自己投与するので、本発明の組成物は、不正開封防止性であり、組成物が組み込まれる経皮的送達デバイス又は剤形も、不正開封防止性である。
例えば、乱用者が組成物を溶媒中に置くことによってオピオイドアゴニストを抽出しようとする場合、オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体もまた抽出される。オピオイドアゴニストとオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体との混合物を、意図した経皮的経路以外の経路(例えば、注入による)を介して続いて投与する場合、オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体は、血流中でオピオイドアンタゴニストそれ自体に変換し、オピオイドの陶酔効果を阻害する。
本発明の組成物が非経口的に投与される場合、オピオイドアゴニスト及びオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体の両方が血流に入る。その後、オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体はオピオイドアンタゴニストそれ自体に変換し、別な方法でオピオイドアゴニストの投与によって得られる陶酔効果に対する阻害作用を有する。
経皮的剤形は、経皮的送達を提供する単位である。経皮的剤形における式(I)の化合物の使用は、これらの化合物が不正開封防止機構を提供するため有利である。したがって、本発明の好ましい組成物及び経皮的剤形、例えば、経皮的送達デバイスは不正開封防止性である。本発明の経皮的剤形は、スプレー、軟膏、膏薬、エアロゾル、クリーム、ローション、軟膏、ゲル、溶液、粉末、エマルション、懸濁剤、又は当業者に既知の他の形状を含む。
しかし、より好ましくは、経皮的剤形は経皮的送達デバイスである。本発明の組成物の経皮的送達のため、及び経皮的送達デバイスとして、治療薬を患者に経皮的に送達するための当技術分野において慣用の任意のデバイスを使用することができる。例えば、経皮的送達デバイスは、リザーバータイプの経皮的送達デバイス、ポリマーマトリックスタイプの経皮的送達デバイス、又は薬物入り接着剤タイプの経皮的送達デバイスであり得る。経皮的送達デバイスは、患者の皮膚と接触すると、オピオイドアゴニストが、例えば、治療有効量で、患者に経皮的に投与されるように設計される。一方オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体は、経皮的送達デバイス中に残存して患者に投与されないか、又はオピオイドアゴニストの鎮痛効果を阻害するのに不十分な量で患者に投与される。
リザーバータイプの経皮的送達デバイスは、好ましくは、非透過性支持フィルムと感圧性接着剤皮膚接触層で覆われた速度制御膜との間に位置するリザーバー、通常は液体を含む。リザーバーは溶液又は分散体であってよく、本発明の組成物を含む。経皮的送達デバイスは、好ましくは、非透過性支持フィルムによって支持され、接着剤表面は、剥離ライナー(release liner)によって保護される。オピオイドアゴニストを投与するために、剥離ライナーを除去して感圧性接着剤を露出させ、感圧性接着剤を皮膚と接触させる。オピオイドアゴニストは、速度制御膜を通して透過性であり、それを透過して接着剤を透過し、皮膚に接触し、次いで皮膚に浸透する。オピオイドアゴニストの送達速度は、オピオイドアゴニストが速度制御膜を透過する速度によって通常測定される。オピオイドアゴニストと対照的に、オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体は、荷電したN-O結合の存在のために、かなりの程度まで、速度制御膜及び/又は皮膚を透過しない。
リザーバータイプの経皮的送達デバイスの変形形態は、ポリマーマトリックス設計である。ポリマーマトリックス設計において、オピオイドアゴニスト及びオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体は、オピオイドアゴニストの送達速度を制御するポリマーマトリックス中に分散される。好ましくは、ポリマーマトリックスリザーバーは、非透過性支持層(backing layer)上に支持される。しかし、連続的な接着剤層を有するのではなく、好ましくは、ポリマーマトリックス設計は、マトリックスの縁の周りに位置する接着剤の周辺リングを含む。剥離ライナーは、好ましくは、接着剤表面及びポリマーマトリックスの表面を保護する。オピオイドアゴニストを投与するために、剥離ライナーを除去してポリマーマトリックス及び感圧性接着剤のリングを露出させ、デバイスを皮膚と接触させる。接着剤のリングは、ポリマーマトリックスが皮膚に直接接触するように皮膚に対してデバイスを保持する。ポリマーマトリックスが皮膚と接触すると、オピオイドアゴニストはポリマーマトリックスから拡散し、患者の皮膚に接触し、皮膚に浸透する。オピオイドアゴニストの送達速度は、ポリマーマトリックスからのオピオイドの拡散速度によって通常測定される。オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体は、ポリマーマトリックス中のいずれの場所に存在していてもよいが、他方では、ポリマーマトリックスから及び/又は皮膚へ拡散しないか、そうであればオピオイドアゴニストの鎮痛効果を阻害するには不十分な量である。
薬物入り接着剤タイプの経皮的送達デバイスは、感圧性接着剤マトリックス中に直接分散されたオピオイドアゴニスト及びオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体を含む。接着性マトリックスは、好ましくは、非透過性支持フィルムで上面に支持され、非透過性剥離ライナーで皮膚に面する側に支持される。オピオイドアゴニストを投与するために、剥離ライナーを除去して接着剤マトリックスを露出させ、デバイスを皮膚と接触させる。接着剤マトリックスは、デバイスを皮膚に接着させ、一般的に、オピオイドアゴニストの送達速度を制御するように機能する。ポリマーマトリックス設計と同様に、薬物入り接着剤設計は、オピオイドアゴニストが接着マトリックスから拡散し、患者の皮膚に接触し、皮膚に浸透することを可能にする。オピオイドアゴニストの送達速度は、接着剤マトリックスからのオピオイドアゴニストの拡散速度によって通常測定される。送達速度は、鎮痛有効量のオピオイドアゴニストが患者に送達されるようなものである。一方、オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体は、接着剤マトリックス中のいずれの場所に存在していてもよいが、接着剤マトリックスから及び皮膚へ拡散しないか、そうであればオピオイドアゴニストの鎮痛効果を阻害するには不十分な量である。
当業者に既知の任意の速度制御膜を、本発明の経皮的送達デバイスにおいて使用することができる。速度制御膜に適した材は、ポリエチレン;ポリプロピレン;エチレン/プロピレンコポリマー;エチレン/エチルアクリレートコポリマー;エチレン/酢酸ビニルコポリマー;ポリアクリレート;ポリメタクリレート;シリコーンエラストマー;医療グレードポリジメチルシロキサン;ネオプレンゴム;ポリイソブチレン;塩素化ポリエチレン;ポリ塩化ビニル;塩化ビニル-酢酸ビニルコポリマー;ポリメタクリレートポリマー(ハイドロゲル);ポリ塩化ビニリデン;ポリ(エチレンテレフタレート);ブチルゴム;エピクロルヒドリンゴム;エチレン-ビニルアルコールコポリマー;エチレン-ビニルオキシエタノールコポリマー;シリコーンコポリマー、例えば、ポリシロキサン-ポリカーボネートコポリマー、ポリシロキサン-ポリエチレンオキシドコポリマー、ポリシロキサン-ポリメタクリレートコポリマー、ポリシロキサン-アルキレンコポリマー(例えば、ポリシロキサン-エチレンコポリマー)、ポリシロキサン-アルキレンシランコポリマー(例えば、ポリシロキサンエチレンシランコポリマー);セルロースポリマー、例えば、メチル又はエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びセルロースエステル;ポリカーボネート;ポリテトラフルオロエチレン;デンプン;ゼラチン;天然の及び合成ゴム;任意の他の天然又は合成ポリマー又は繊維;及びそれらの組合せを含む。
支持層は、リザーバー区画、ポリマーマトリックス、又は接着剤マトリックスの内容物に非透過性の任意の適した材料であり得る。支持層は、好ましくは、保護カバーとして機能し、支持機能を提供する場合もある。支持フィルムに適した材料は、当業者によく知られ、ポリウレタンのような密封ポリマー、ポリ(エチレンフタレート)のようなポリエステル、ポリエーテルアミド、コポリエステル、ポリイソブチレン、ポリエステル、高密度及び低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、金属ホイル、及び適したポリマーフィルムの金属ホイルラミネートを含む。
支持層は、所望の保護及び支持機能を提供する、任意の適した厚さであり得る。適した厚さは、約10から約200ミクロンである。望ましい材料及び厚さは当業者に明らかである。
ポリマーマトリックスは、好ましくは式(I)の化合物、活性剤(例えば、オピオイドアゴニスト)及びポリマーを含む。ポリマーは、式(I)の化合物及び活性剤、例えば、オピオイドアゴニストが均一に分布することができるマトリックスを提供するように機能する。一般に、薬物層中に存在するポリマーは、医薬品が制御された速度で通過することができる薄い壁又はコーティングを形成することができる生物学的に許容されるポリマーである。ポリマーマトリックスに適した材料は、当業者によく知られ、ポリエチレン;ポリプロピレン;エチレン/プロピレンコポリマー;エチレン/エチルアクリレートコポリマー;エチレン/酢酸ビニルコポリマー;シリコーンエラストマー、特に医療グレードポリジメチルシロキサン;ネオプレンゴム;ポリイソブチレン;塩素化ポリエチレン;ポリ塩化ビニル;塩化ビニル-酢酸ビニルコポリマー;ポリメタクリレートポリマー(ハイドロゲル);ポリ塩化ビニリデン;ポリ(エチレンテレフタレート);ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム;エチレン-ビニルアルコールコポリマー;エチレン-ビニルオキシエタノールコポリマー;シリコーンコポリマー、例えば、ポリシロキサン-ポリカーボネートコポリマー、ポリシロキサン-ポリエチレンオキシドコポリマー、ポリシロキサン-ポリメタクリレートコポリマー、ポリシロキサン-アルキレンコポリマー(例えば、ポリシロキサン-エチレンコポリマー),ポリシロキサン-アルキレンシランコポリマー(例えば、ポリシロキサンエチレンシランコポリマー);セルロースポリマー、例えば、メチル又はエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びセルロースエステル;ポリカーボネート;ポリテトラフルオロエチレン;並びにそれらの組合せを含む。一実施形態では、ポリマーマトリックスは室温以下のガラス転移点を有する。ポリマーは、必ずしもそうである必要はないが、室温で結晶化度を有する可能性がある。
架橋性単量体単位又は部位をポリマーに組み込むことができる。例えば、架橋性単量体をポリアクリレートポリマーに組み込むことができる。例えば、架橋性単量体は、オピオイドアゴニスト及びオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体をポリマーへ分散させた後、ポリマーマトリックスに架橋する部位を提供してもよい。既知のポリアクリレートポリマーの架橋性単量体は、例えば、ブチレンジアクリレート、ブチレンジメタクリレート及びトリメチロールプロパントリメタクリレートのようなポリオールのポリメタクリルエステルを含む。架橋部位を提供する他の単量体は、アリルアクリレート、アリルメタクリレート及びジアリルマレートを含む。
ポリマーマトリックスは、所望の量の式(I)の化合物及び活性剤、例えば、活性成分を提供し、治療効果が得られるような速度で活性剤を経皮的に送達する任意の適切な厚さであり得る。望ましい材料及び厚さは、当業者に明らかである。
感圧性接着剤マトリックスに適した材料は当業者によく知られ、例えば、ポリイソブチレン、ポリシロキサン、ポリアクリレートコポリマー(ポリアクリル酸エステル)、天然ゴム/カラヤゴムベースの接着剤、ハイドロゲル、親水性ポリマー、及びポリウレタンを含む。接着剤は、所望の接着剤特性を与えるために、修飾性単量体、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、ワックス、オイル、及び他の添加物を更に含んでもよい。
接着剤層は、患者の皮膚に必要な接着を提供する、任意の適した厚さであり得る。望ましい材料及び厚さは、当業者に明らかである。
好ましい経皮的送達デバイスは、除去可能な保護層又は剥離ライナーも含む。除去可能な保護層は、適用前に除去され、好ましくは、例えば、シリコーン処理によって除去可能な状態になるならば、上記の支持層の製造に使用されるのと同じ材料を含む。他の除去可能な保護層は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、表面加工紙、アロフェン及びポリ塩化ビニルである。好ましくは、除去可能な保護層は接着剤層と接触しており、所望の適用時間まで接着剤層の完全性を維持するための便利な手段を提供する。
除去可能な保護層は、適用より前に接着剤層に必要な保護を提供する、任意の適した厚さであり得る。望ましい材料及び厚さは、当業者に明らかである。
経皮的送達デバイスは、オピオイドアゴニストが患者の皮膚を通過する速度を増加させる1つ又はそれ以上の浸透促進剤を含んでもよい。好ましくは、浸透促進剤は、オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体の浸透を促進しない。好ましくは、患者の皮膚に接触し、患者の皮膚を通過してオピオイドアゴニストの浸透を改善することができるように、浸透促進剤は速度制御膜に浸透する、又はポリマーマトリックス若しくは接着マトリックスから拡散する。本発明の経皮的送達デバイス及び組成物において使用する適した浸透促進剤は、例えば、C2〜4アルコール、例えば、エタノール及びイソプロパノール、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコール-3-ラウラミド、ジメチルラウラミド、ソルビタントリオレエート、脂肪酸、約10から約20個の炭素原子を有する脂肪酸のエステル、モノグリセリド又はモノエステルが10から20個の炭素原子を有し、少なくとも51%の総モノエステル含量を有する脂肪酸のモノグリセリドの混合物、並びに脂肪酸のモノ-、ジ-及びトリ-グリセリドの混合物を含む。適した脂肪酸は、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸及びパルミチン酸を含む。モノグリセリド浸透促進剤は、例えば、グリセロールモノオレエート、グリセロールモノラウレート及びグリセロールモノリノレートを含む。
組成物は、経皮的送達デバイスに使用するように設計された組成物に従来使用されている1つ又はそれ以上の添加剤を更に含んでもよい。例えば、組成物は1つ又はそれ以上の防腐剤若しくは静菌剤、例えばメチルヒドロキシ安息香酸、プロピルヒドロキシ安息香酸、クロロクレゾール、塩化ベンザルコニウム;又は抗菌性の薬剤、特に抗生物質のような他の活性成分;麻酔薬;他の鎮痛剤;及びかゆみ止め薬を含んでもよい。
一般にデバイスのサイズは、約1cm2から200cm2より大きく変えることができ、一般的には約5〜50cm2である。経皮的送達デバイスの製造方法は、当業者によく知られている。
当業者は経皮的送達デバイスに含む本発明の組成物の適量を容易に決定してもよい。提供されるオピオイドアゴニストの総量は、一般に鎮痛を提供するのに十分な量である。ある用量の患者に投与されるオピオイドアゴニストの総量は、オピオイドアゴニストの特質、患者の体重、疼痛の重症度、投与される他の治療薬の特質等を含む多数の要因に依存して変化する。
提供されるオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体の総量は、一般に、組成物が経皮的、特に経口又は非経口以外の経路によって投与される場合に達成されるであろうオピオイドアゴニスト誘発陶酔効果を阻害又は最小限にするのに十分な量である。オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体の総量は、存在するオピオイドアゴニストの特質、オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体の特質、患者の体重、全体的な治療レジメン等を含む様々な因子によって変化する。
本発明の好ましい経皮的送達デバイスは、活性剤、例えばオピオイドアゴニストを制御された放出速度で放出する。正確な放出プロファイルは、例えば、デバイスのサイズ、その組成及び/又は存在するオピオイドアゴニストの濃度を変えることによって変更することができる。更に好ましい経皮的送達デバイスは、経皮的に使用される場合、式(I)の化合物を基本的に放出しない。本発明の系を皮膚に72〜168時間、例えば168時間適用した場合に、本来デバイスに存在する式(I)の化合物の好ましくは10質量%未満、より好ましくは5質量%未満、更により好ましくは1質量%未満が経皮的に送達される。
本発明の好ましい組成物及び経皮的送達デバイスは、不正開封防止性である。本明細書で使用される場合、「不正開封防止性」という用語は、溶媒でその内容物を抽出し、陶酔効果のある得られた溶液を注入する乱用者に提供しない組成物及び経皮的送達デバイスを表す。
本発明は、更に、上文に記載された医学の分野、特に疼痛の治療に使用するための、オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体又はその塩、及びオピオイドアゴニスト又はその塩を含む医薬組成物に関する。したがって本発明は、疼痛の治療のための医薬の製造のための上文に記載された組成物の使用にも関する。
本発明は、疼痛緩和を必要とする対象を治療する方法であって、上文に記載された医薬組成物を対象に投与することを含む方法にも関する。本発明の好ましい方法は、本発明の経皮的送達デバイスを用いて鎮痛有効量の上文に記載の組成物を、それを必要とする患者に経皮的に投与することによって患者の疼痛を治療又は防止する方法である。本発明は更に、それを必要とする患者の皮膚を上文に記載された経皮的送達デバイスに接触させることを含む、患者の疼痛を治療又は防止する方法に関する。好ましくは、本発明のデバイスに存在する組成物は、鎮痛有効量のオピオイドアゴニスト、又はその薬学的に許容される塩、及びオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体、又はその薬学的に許容される塩を、オピオイドの陶酔効果を阻害するのに十分な量で含み、接触は、疼痛を治療又は防止するのに十分な時間である。好ましくは、患者はヒトである。
上文に記載されたように、治療又は防止される疼痛は、急性疼痛又は慢性疼痛であり得る。例えば、疼痛はがん疼痛、中枢性疼痛、陣痛、心筋梗塞疼痛、膵臓疼痛、疝痛、術後疼痛、頭痛、筋肉痛及び骨疼痛であり得る。
本発明の好ましい方法では、組成物は、好ましくは経皮的送達デバイスを介して患者の皮膚と接触され、オピオイドアゴニストは放出され、患者の皮膚を通して吸収される。一度吸収されると、オピオイドアゴニストは患者の循環系に入り、鎮痛有効量のオピオイドアゴニストを提供する。好ましくは、約12時間から約2週間、より好ましくは約24時間から約1週間、経皮的送達デバイスを患者の皮膚と接触させる。別の実施形態では、約3日から約1週間、経皮的送達デバイスを患者の皮膚と接触させる。
本発明の好ましい組成物及び経皮的送達デバイス中に存在するオピオイドアンタゴニストの好ましいN-オキシド誘導体の構造を示す図である。 本発明の好ましい組成物及び経皮的送達デバイス中に存在するオピオイドアンタゴニストの好ましいN-オキシド誘導体の構造を示す図である。 本発明の好ましい組成物及び経皮的送達デバイス中に存在するオピオイドアンタゴニストの好ましいN-オキシド誘導体の構造を示す図である。 本発明の好ましい組成物及び経皮的送達デバイス中に存在するオピオイドアンタゴニストの好ましいN-オキシド誘導体の構造を示す図である。 本発明の好ましいリザーバータイプの経皮的送達デバイスの概略図である。 本発明の好ましいポリマーマトリックス経皮的送達デバイスの概略図である。 本発明の好ましい薬物入り接着剤経皮的送達デバイスの概略図である。 オピオイドアゴニスト及びナロキソンN-オキシドを含むプロトタイプの経皮的パッチからのオピオイドアゴニストのインビトロ皮膚浸透を示すグラフである。 37℃で2時間にわたるヒト血漿中のナロキソンの平均濃度(10ng/mlのナロキソンN-オキシド)を示すグラフである。 37℃で2時間にわたるヒト血漿中のナロキソンN-オキシドの平均濃度(10ng/mlのナロキソンN-オキシド)を示すグラフである。 37℃で2時間にわたるヒト血漿中のナロキソンの平均濃度(50ng/mlのナロキソンN-オキシド)を示すグラフである。 37℃で2時間にわたるヒト血漿中のナロキソンN-オキシドの平均濃度(50ng/mlのナロキソンN-オキシド)を示すグラフである。 37℃で2時間にわたるヒト血漿中のナロキソンの平均濃度(250ng/mlのナロキソンN-オキシド)を示すグラフである。 37℃で2時間にわたるヒト血漿中のナロキソンN-オキシドの平均濃度(250ng/mlのナロキソンN-オキシド)を示すグラフである。 37℃で2時間にわたるヒト全血中のナロキソンの平均濃度(10ng/mlのナロキソンN-オキシド)を示すグラフである。 37℃で2時間にわたるヒト全血中のナロキソンN-オキシドの平均濃度(10ng/mlのナロキソンN-オキシド)を示すグラフである。 37℃で2時間にわたるヒト全血中のナロキソンの平均濃度(50ng/mlのナロキソンN-オキシド)を示すグラフである。 37℃で2時間にわたるヒト全血中のナロキソンN-オキシドの平均濃度(50ng/mlのナロキソンN-オキシド)を示すグラフである。 37℃で2時間にわたるヒト全血中のナロキソンの平均濃度(250ng/mlのナロキソンN-オキシド)を示すグラフである。 37℃で2時間にわたるヒト全血中のナロキソンN-オキシドの平均濃度(250ng/mlのナロキソンN-オキシド)を示すグラフである。
図の詳細な説明
図2は、本発明の好ましいリザーバータイプの経皮的送達デバイスを図示する。経皮的送達デバイス10は、一般的に溶液の形態であるリザーバー11、又は上文に記載の組成物、すなわち、オピオイドアゴニスト又は薬学的に許容されるその塩13、及びオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体又は薬学的に許容されるその塩14を含む組成物をその中に分散させたものを有する分散体12、を含む。
リザーバー11は、非透過性支持フィルム15、速度制御膜16、及び感圧性接着剤17の間に配置されている。剥離ライナー18は、感圧性接着剤層17に貼り付けられ、使用前に除去される。好ましい一実施形態では、オピオイドアゴニスト及びオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体は、リザーバー全体に均一に分散される。
図3は、本発明の好ましいポリマーマトリックス経皮的送達デバイスを図示する。経皮的送達デバイス20は、上文に記載の組成物、すなわち、オピオイドアゴニスト又は薬学的に許容されるその塩23、及びオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体又は薬学的に許容されるその塩24を含む組成物をその中に分散させたものを有するポリマーマトリックス22状のリザーバー21を含む。好ましくは、オピオイドアゴニスト及びオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体は、ポリマーマトリックス全体に均一に分散される。ポリマーマトリックス22は、非透過性支持層25上に支持され、パッチの縁の周りに配置された接着剤の周辺リング26を有する。剥離ライナー28は、接着剤の周辺リング26及びポリマーマトリックス22に貼り付けられ、使用前に除去される。
図4は、本発明の好ましい薬物入り接着剤経皮的送達デバイスを図示する。経皮的送達デバイス30は、上文に記載の組成物、すなわち、オピオイドアゴニスト又は薬学的に許容されるその塩32、及びオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体又は薬学的に許容されるその塩33を含む組成物を介して分散された接着剤マトリックス31を含む。好ましくは、オピオイドアゴニスト及びオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体は、接着剤マトリックス全体に均一に分散される。接着剤マトリックス31は、非透過性支持層34上に支持され、使用前に除去される皮膚に面する側に非透過性の剥離ライナー35を有する。
ナロキソン遊離塩基及びナロキソンN-オキシドのpK2及びlogPの測定
pKa解析は、pH測定法を用いて行った。
試料は、水性条件下で、ナロキソン遊離塩基について1.6〜1.2mMの濃度で、ナロキソンN-オキシドについて1.7〜1.4mMの濃度で、pH2.0〜12.0のpH測定三重滴定で滴定した。沈殿又は分解は観察されず、電位差データから2つのpKasを測定した。
LogPは、電位差を用いて測定した(pH測定法)。
試料を1.9〜1.1mMの濃度で2.0〜12.0のpH範囲をカバーする2回滴定でオクタノール/水の様々な比で滴定した。オクタノールの存在下での水性pKasのシフトを使用して中性種のlogPを決定した。
結果を以下の表に示す。
Figure 2018534319
約3のlogP値は、受動経皮的送達によって送達される化合物にとって一般に望ましいと考えられる。ナロキソン遊離塩基はlogP値が1.97であり、したがって皮膚を通過する可能性がある。しかし、ナロキソンN-オキシドは、-0.42のlogP値を有し、これは、受動経皮的送達によって皮膚を通過して送達できないことを示す。
ナロキソン及びナロキソンN-オキシドの内因性インビトロ皮膚浸透の測定
インビトロ皮膚浸透の測定は、それぞれのアンタゴニスト種の飽和溶液を用いて行った。したがって、過剰のアンタゴニストをpH5.0のリン酸緩衝液中で秤量し、一晩攪拌した。pHをモニターし、必要な場合に調整した。細胞を32℃でインキュベートした。拡散セルへ適用する前に、溶液をシリンジフィルター(1μm PTFE)で濾過した。溶液の濃度を測定した。
垂直型拡散セル(ガラス製)、体積5mlを使用した。解析に使用したヒト皮膚は、審美手術より入手した。女性ドナー由来の腹部皮膚は、美容整形手術から供給された。到着後、皮膚に傷痕及びストレッチマークがないかどうかを目視で確認した。200〜400μmの層を採皮刀で裁断した。0.82cm2の浸透面積を皮膚から打ち抜いた。
拡散セルは、ドナーチャンバー及びレセプター区画からなり、皮膚は両者の間に固定される。サンプリング及び容量置換はオートサンプラーを介して実施した。設定の詳細は以下の表である。
Figure 2018534319
インビトロ皮膚浸透試料(レセプター相)のアクセプター媒体中のナロキソン及びナロキソンN-オキシドの測定は、UV検出を有するHPLCによって行った。飽和溶液濃度及びレセプター溶媒中の浸透アンタゴニスト濃度を以下の表に示す。
Figure 2018534319
ND=検出されなかった
ナロキソンN-オキシドは皮膚に浸透しなかった。
ナロキソンN-オキシド及びオピオイドアゴニストを含むプロトタイプの経皮的パッチ
ナロキソンN-オキシドを、オピオイドアゴニストと一緒にプロトタイプの経皮的パッチに組み込んだ。パッチ中のナロキソンN-オキシドのオピオイドアゴニストに対する比は、質量で1:1、3:1又は5:1であった。適切な量のオピオイドアゴニスト、ナロキソンN-オキシド及びポリ(メタ)アクリレートの乾燥パッチマトリックスを秤量し、酢酸エチルに溶解することによってパッチのバッチを調製した。マトリックス溶媒系を加え、マグネチックスターラーで30分間攪拌して均質な混合物を得た。混合後、薬物/ポリマー混合物を剥離ライナー、Loparex社Prime Liner FL2000上に手で流した。可変幅の鋳造ナイフを用いて鋳造を行い、55g/m2の目標乾燥面積質量マトリックスを達成した次いで、鋳造物を室温で10分間乾燥し、対流式オーブンに移し、70℃で15分間、100℃で5分間乾燥した。最後に、乾燥したキャストを密封支持、Scotchpak 9738に手でラミネートし、皮膚浸透実験のために0.82cm2の打ち抜き及び安定性実験のために5cm2の打ち抜きで、ラミネートからパッチを切り出した。
オピオイドアゴニストを含有するパッチ、薬物充填4.5%(ナロキソンN-オキシドなし)もまた、同一の方法を用いて調製した。
各パッチからのオピオイドアゴニストのインビトロ皮膚浸透を、上記のようなフランツセルを用いて検定した。結果を図5に提示する。結果は、オピオイドアゴニストが、ナロキソンN-オキシドの様々な比の存在下で皮膚に浸透することを示す。比にかかわらず、検出可能なレベルのN-オキシドは皮膚に浸透しなかったことも確認された。
60℃で6日間にわたる各パッチの安定性も検定した。結果を以下の表に要約し、ナロキソンN-オキシドがパッチの安定性に影響しないことを示す。
Figure 2018534319
ヒト血漿及び血液試料におけるナロキソン及びナロキソンN-オキシドの安定性の測定
本実験の目的は、LC-MS/MSによる、ヒト血漿におけるナロキソン及びナロキソン-N-オキシド濃度測であった。目的は、ヒト血漿及び血液におけるナロキソン-N-オキシドのインビトロ安定性を評価することであった。
その後の分析手順は、「Guideline on Bioanalytical Method Validation」、EMA、CHMP、EWP、2011年7月、及び「Guidance for Industry, Bioanalytical Method Validation」、U.S. Department of Health and Human Services, Food and Drug Administration、Center for Drug Evaluation and Research (CDER)、Center for Veterinary Medicine (CVM)の勧告、2001年5月、BPを参照した「Reflection paper for laboratories that perform the analysis or evaluation of clinical trial samples、2012年2月28日、EMA/INS/GCP/532137/2010」に概説される手順に基づく。
参照標準
Figure 2018534319
対照でブランクのヒト血漿及びK2EDTAを抗凝固剤として含有する血液は、Clinical Trials Laboratory Service又はBASボランティアから入手し、使用していないときはそれぞれ名目上-20℃及び+4℃で保存した。
使用した質量分析計は、以下の設定のApplied Biosystems社API5000である。
イオン化/インターフェイス ポジティブTurboIonSpray
イオン源温度 +650℃
GS1 50psi
GS2 50psi
カーテンガス設定 30psi
衝突ガス設定 12psi
イオンスプレー電圧 1000eV
手順
ヒト血漿中のナロキソン及びナロキソンN-オキシドの濃度を、それぞれ0.1〜25ng/mL及び0.5〜500ng/mLの校正範囲にわたってタンパク質沈殿抽出後、LC-MS/MSによって測定した。本アッセイの目的は、ヒト血漿及び全血におけるナロキソンN-オキシドの安定性を評価することであった。10、50及び250ng/mLのナロキソンN-オキシドの安定性サンプル(各時点及び濃度についてn=3)を+37℃でインキュベートした。血漿及び全血から生成した血漿を、ナロキソンN-オキシド及びナロキソンの両方について、t=0、10、20、30、45、60及び120分間の遠心分離後に分析した。
ヒト血漿中のナロキソンは、+22℃及び-20℃でそれぞれ24時間及び156日間安定であることが証明された。
データ取得及び処理
すべての機器の制御、データ収集、ピーク面積の統合及び保存は、Analyst(バージョン1.5.2)を用いて行った。次いで、ピーク面積を回帰及び定量化するためにWatsonLIMS(バージョン7.2.0.02)にインポートした。各校正標準の質量分析計応答(検体の内部標準に対するピーク面積比)をWatson LIMSによって計算し、公称(調製した)濃度に対してプロットした。加重(1/x2)最小二乗線形回帰分析を用いて校正ラインの方程式を算出した。血漿試料中のナロキソン及びナロキソンN-オキシドの濃度を、校正ラインから3桁の有効数字に逆算した。
分析バッチの受容性及び再分析
引用されたすべての結果は、以下の基準を満たしたバッチからのものである。
Figure 2018534319
- 目標濃度の+15%RE以内(定量限界(LLOQ)で+20%RE以内)で校正標準の少なくとも75%
- QC試料の少なくとも3分の2がそれぞれの目標値の+15%RE以内で、各濃度で少なくとも50%
アッセイ成績
報告されたすべてのバッチは、上記の合格基準を満たしていた。
安定性試料
すべての試験試料について得られた結果をTable1(表7)〜Table12(表18)に示し、プロットした結果を図6〜図17に示した。ヒト血漿中のナロキソン及びナロキソンN-オキシドの定量限界(LLOQ)は、それぞれ0.1及び0.5ng/mLであった。このレベル以下の濃度は、定量限界以下(BLQ)として報告される。定量上限(25及び500mg/mL)を上回る初期濃度を有する試料を、注入体積を減らして再注入し(注入体積を減らしたQC Highと一緒に)、試料濃度を通常の注入体積で注入した校正曲線に対して補間した。
血漿試料
t=0では、ナロキソンN-オキシドスパイク血漿試料中に存在するナロキソンの量は、ナロキソンN-オキシドスパイク溶液中に存在する量に相当した。2時間の経時変化にわたって、血漿中のナロキソンN-オキシドのナロキソンへの変換がわずかにあったが有意ではなく、分析された安定性試料は血漿中のナロキソンN-オキシドの安定性を示した。
血液試料
ナロキソンN-オキシドスパイク全血試料を遠心分離し、得られた血漿を分析した。t=0では、血漿と比較して多量のナロキソンが存在し、ナロキソンの即時放出を示唆した(血漿生成ステップの間)。ナロキソンN-オキシド及びナロキソンの合計したt=0濃度は、ナロキソンN-オキシドの理論的スパイク量よりも大きい。理論上の最大値よりも大きいのは、血液中のナロキソンN-オキシドの分配効果に起因する可能性が高く、すなわち、ナロキソンN-オキシドでスパイクされた血液は、血漿と全血液細胞体積とを平衡させるのにしばらく時間がかかり、より多くの化合物が血液細胞よりも血漿中で自由に利用可能であるからである。2時間の経時変化にわたって、全血中のナロキソンN-オキシドが大幅に減少し、同一期間にナロキソンが増加した。このことは、全血中でナロキソンN-オキシドがナロキソンへ迅速に変換することを示す。
Figure 2018534319
Figure 2018534319
Figure 2018534319
Figure 2018534319
Figure 2018534319
Figure 2018534319
Figure 2018534319
Figure 2018534319
Figure 2018534319
Figure 2018534319
Figure 2018534319
Figure 2018534319
10 経皮的送達デバイス
11 リザーバー
12 分散体
13 オピオイドアゴニスト又は薬学的に許容されるその塩
14 オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体又は薬学的に許容されるその塩
15 非透過性支持フィルム
16 速度制御膜
17 感圧性接着剤
18 剥離ライナー
20 経皮的送達デバイス
21 リザーバー
22 ポリマーマトリックス
23 オピオイドアゴニスト又は薬学的に許容されるその塩
24 オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体又は薬学的に許容されるその塩
25 非透過性支持層
26 接着剤の周辺リング
28 剥離ライナー
30 経皮的送達デバイス
31 接着剤マトリックス
32 オピオイドアゴニスト又は薬学的に許容されるその塩
33 オピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体又は薬学的に許容されるその塩
34 非透過性支持層
35 非透過性の剥離ライナー

Claims (40)

  1. 医薬組成物を含む経皮的送達デバイスであって、前記組成物が、式(I):
    Figure 2018534319
    [式中、
    R1は、置換されていてもよいC1〜8アルキル及び置換されていてもよいC2〜8アルケニルから選択され、
    R2は、OH、H、OC1〜8アルキル、NHCOR、NR1COR、CONR1R及びCONHRから選択され、Rは、ヒドロカルビル基であるか、又はR2は、R3が結合している炭素への架橋を形成し、
    R3は、破線の結合が存在する場合、O、CH2、N-NH2又はオピオイドアンタゴニストの第2のN-オキシド誘導体若しくはその塩への連結基から選択され、破線の結合が存在しない場合、OH、H、OC1〜8アルキル、OCOR1、O(CH2CH2(CH2)yO)xCH3(式中、xは、1〜10であり、yは、0〜3である)、N(R1)2、NR1COR、NHCOR、CONR1R、CONHR(式中、Rは、ヒドロカルビル基である)、又はオピオイドアンタゴニストの第2のN-オキシド誘導体若しくはその塩への連結基から選択され、R4は、H、CONHR、CONR1R、NHCOR、NR1COR及びC(OH)(R1)2(式中、Rは、ヒドロカルビル基である)から選択されるか、又は
    R3及びR4は、それらが結合している炭素原子と一緒に、複素環、又はオピオイドアンタゴニストの第2のN-オキシド誘導体若しくはその塩への連結基を形成し、
    R5は、OH、OC1〜8アルキル、OCOR1、H及びCONH2から選択され、
    R6及びR7は、各々独立してH、OH及びOC1〜8アルキルから選択されるか、又はR6及びR7は、それらが結合している炭素原子と一緒にジヒドロフラン環を形成し、
    シクロヘキシル環中の各破線の結合は、存在する場合もあり、又は存在しない場合もあり、ただし、両方とも存在しない場合もある]
    のオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体又はその塩、及びオピオイドアゴニスト又はその塩を含む、デバイス。
  2. 前記N-オキシド誘導体が、式(II):
    Figure 2018534319
    を有し、R1、R2、R3、R4、R5及び破線の結合の各々が、請求項1に規定の通りである、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記N-オキシド誘導体が、式(IIIa):
    Figure 2018534319
    を有し、R1、R2、R3、R4及びR5の各々が、請求項1に規定の通りである、請求項1又は2に記載のデバイス。
  4. 前記N-オキシド誘導体が、式(IIIb)又は(IIIc):
    Figure 2018534319
    を有し、R1、R2及びR5の各々が、請求項1に規定の通りであり、
    R3は、OH、H、OC1〜8アルキル、OCOR1、O(CH2CH2(CH2)yO)xCH3(式中、xは、1〜10であり、yは、0〜3である)、N(R1)2、NR1COR、NHCOR、CONR1R、CONHR(式中、Rは、ヒドロカルビル基である)、又はオピオイドアンタゴニストの第2のN-オキシド誘導体若しくはその塩への連結基から選択され、R4は、H、CONHR、CONR1NR、NHCOR、NR1COR及びC(OH)(R1)2(式中、Rは、ヒドロカルビル基である)から選択されるか、又は
    R3及びR4は、それらが結合している炭素原子と一緒に、複素環、又はオピオイドアンタゴニストの第2のN-オキシド誘導体若しくはその塩への連結基を形成する、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
  5. 前記N-オキシド誘導体が、式(IV):
    Figure 2018534319
    を有し、
    Lは、連結基であり、
    R1、R2及びR5の各々が、独立して、請求項1に規定の通りである、請求項1又は2に記載のデバイス。
  6. 前記N-オキシド誘導体が、式(V):
    Figure 2018534319
    を有し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及び破線の結合の各々が、請求項1に規定の通りである、請求項1から5のいずれか一項に記載のデバイス。
  7. 前記N-オキシド誘導体が、式(VI):
    Figure 2018534319
    を有し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及び破線の結合の各々が、請求項1に規定の通りである、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
  8. 前記N-オキシド誘導体が、式(VII):
    Figure 2018534319
    を有し、R1、R2、R3、R4、R5及び破線の結合の各々が、請求項1に規定の通りである、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
  9. 前記N-オキシド誘導体が、式(VIII):
    Figure 2018534319
    を有し、R1、R2、R3、R4、R5及び破線の結合の各々が、請求項1に規定の通りである、請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイス。
  10. 前記N-オキシド誘導体が、式(IX):
    Figure 2018534319
    を有し、R1、R2、R3、R4、R5及び破線の結合の各々が、請求項1に規定の通りである、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
  11. 前記N-オキシド誘導体が、式(X):
    Figure 2018534319
    を有し、R1、R2、R3、R4及びR5の各々が、請求項1に規定の通りである、請求項1から10のいずれか一項に記載のデバイス。
  12. 前記N-オキシド誘導体が、式(XI):
    Figure 2018534319
    を有し、R1、R2、R3、R4及びR5の各々が、請求項1に規定の通りである、請求項1から11のいずれか一項に記載のデバイス。
  13. 前記N-オキシド誘導体が、式(XII):
    Figure 2018534319
    を有し、R1、R2、R3、R4及びR5の各々が、請求項1に規定の通りである、請求項1から12のいずれか一項に記載のデバイス。
  14. 式(I)〜(XII)の前記N-オキシド誘導体において、R5が、OHである、請求項1から13のいずれか一項に記載のデバイス。
  15. 式(I)〜(III)及び(V)〜(XII)の前記N-オキシド誘導体において、R4が、Hである、請求項1から4及び6から14のいずれか一項に記載のデバイス。
  16. 式(I)〜(XII)の前記N-オキシド誘導体において、R2が、OHである、請求項1から15のいずれか一項に記載のデバイス。
  17. 式(I)〜(III)及び(V)〜(XII)の前記N-オキシド誘導体において、R3は、破線の結合が存在する場合、O、CH2、N-NH2から選択され、破線の結合が存在しない場合、OH、H、C1〜8アルキル、OCOR1、O(CH2CH2(CH2)yO)xCH3(式中、xは、1〜10であり、yは、0〜3である)、N(R1)2、NR1COR、NHCOR、CONR1R、及びCONHR(式中、Rは、ヒドロカルビル基である)から選択される、請求項1から4及び6から16のいずれか一項に記載のデバイス。
  18. 式(I)〜(III)及び(V)〜(XII)の前記N-オキシド誘導体において、R3は、破線の結合が存在する場合、O又はCH2から選択され、破線の結合が存在しない場合、OH又はOC1〜8アルキルから選択される、請求項17に記載のデバイス。
  19. 式(I)〜(III)及び(V)〜(XII)の前記N-オキシド誘導体において、R3は、Oであり、破線の結合が存在する、請求項18に記載のデバイス。
  20. 前記N-オキシド誘導体が、ナロキソン、ナロキソール、ナロキセゴール、ナロキサゾン、ナルメフェン、ナルブフィン、ナルメキソン、ナルトレキソン、ナルトレキソール、クロルナルトレキサミン、クロシンナモックス、ナルフラフィン、ナルデメジン、ナルトリンドール、5'-グアニジノナルトリンドール、ナルトリベン、ナロルフィン、ジアセチルナロルフィン、ナロキソナジン、ノルビナルトルフィミン、ビナルトルフィミン、ブプレノルフィン、ジプレノルフィン、レバロルファン、シプロジム、オキシロルファン、サミドルファン及びシクラゾシンから選択されるアンタゴニストの誘導体である、請求項1に記載のデバイス。
  21. 前記N-オキシド誘導体が、ナロキソン及びナルトレキソンから選択されるアンタゴニストの誘導体である、請求項1に記載のデバイス。
  22. 前記オピオイドアゴニストが、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、カルフェンタニル、クロニタゼン、コデイン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デゾシン、ジアムプロミド、ジアモルフォン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジヒドロモルフォン、ジヒドロイソモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルフィン、エトニタゼン、エトルフィン、ジヒドロエトルフィン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロモルフォドン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルフィン、ミロフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ナルブフィン、ノルモルフィン、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パントポン、パパベレタム、パレゴリック、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェンジメトラジン、フェンジメトラゾン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、プロピルヘキセドリン、スフェンタニル、チリジン、トラマドール、及びそれらの混合物から選択される、請求項1から21のいずれか一項に記載のデバイス。
  23. 前記組成物が、薬学的に許容される賦形剤を更に含む、請求項1から22のいずれか一項に記載のデバイス。
  24. 前記組成物が、接着剤を更に含む、請求項1から23のいずれか一項に記載のデバイス。
  25. 前記組成物が、マトリックス形成ポリマーを更に含む、請求項1から24のいずれか一項に記載のデバイス。
  26. リザーバータイプの経皮的送達デバイス、ポリマーマトリックスタイプの経皮的送達デバイス又は薬物入り接着剤タイプの経皮的送達デバイスである、請求項1から25のいずれか一項に記載のデバイス。
  27. 薬物入り接着剤タイプの経皮的送達デバイスである、請求項26に記載のデバイス。
  28. (i)式(I)のオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体又はその塩、
    (ii)オピオイドアゴニスト又はその塩、及び
    (iii)接着剤及び/又はマトリックス形成ポリマー
    を含む医薬組成物であって、
    前記式(I)の化合物が、
    Figure 2018534319
    [式中、
    R1は、置換されていてもよいC1〜8アルキル及び置換されていてもよいC2〜8アルケニルから選択され、
    R2は、OH、H、OC1〜8アルキル、NHCOR、NR1COR、CONR1R及びCONHRから選択され、Rは、ヒドロカルビル基であるか、又はR2は、R3が結合している炭素への架橋を形成し、
    R3は、破線の結合が存在する場合、O、CH2、N-NH2又はオピオイドアンタゴニストの第2のN-オキシド誘導体若しくはその塩への連結基から選択され、破線の結合が存在しない場合、OH、H、OC1〜8アルキル、OCOR1、O(CH2CH2(CH2)yO)xCH3(式中、xは、1〜10であり、yは、0〜3である)、N(R1)2、NR1COR、NHCOR、CONR1R、CONHR(式中、Rはヒドロカルビル基である)、又はオピオイドアンタゴニストの第2のN-オキシド誘導体若しくはその塩への連結基から選択され、R4は、H、CONHR、CONR1R、NHCOR、NR1COR及びC(OH)(R1)2(式中、Rは、ヒドロカルビル基である)から選択されるか、又は
    R3及びR4は、それらが結合している炭素原子と一緒に、複素環、又はオピオイドアンタゴニストの第2のN-オキシド誘導体若しくはその塩への連結基を形成し、
    R5は、OH、OC1〜8アルキル、OCOR1、H及びCONH2から選択され、
    R6及びR7は、各々独立して、H、OH及びOC1〜8アルキルから選択されるか、又はR6及びR7は、それらが結合している炭素原子と一緒に、ジヒドロフラン環を形成し、
    シクロヘキシル環中の各破線の結合は、存在する場合もあり、又は存在しない場合もあり、ただし、両方とも存在しない場合もある]
    である、医薬組成物。
  29. 式(I)のオピオイドアンタゴニストの前記N-オキシド誘導体が、請求項2から21のいずれか一項に規定の通りである、請求項28に記載の組成物。
  30. 前記オピオイドアゴニストが、請求項22に規定の通りである、請求項28又は29に記載の組成物。
  31. 薬学的に許容される賦形剤を更に含む、請求項28から30のいずれか一項に記載の組成物。
  32. 接着剤を更に含む、請求項28から31のいずれか一項に記載の組成物。
  33. マトリックス形成ポリマーを更に含む、請求項28から32のいずれか一項に記載の組成物。
  34. 請求項28から33のいずれか一項に記載の組成物を含む経皮的剤形。
  35. 請求項28から34のいずれか一項に記載の組成物を作製する方法であって、前記組成物を形成するために、請求項1から21のいずれか一項に規定の式(I)のオピオイドアンタゴニストのN-オキシド誘導体又はその塩、オピオイドアゴニスト又はその塩、及び接着剤、及び/又はマトリックス形成ポリマーを混合する工程を含む、方法。
  36. 医学の分野で使用するための請求項28から34のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  37. 疼痛の治療、例えば経皮的治療に使用するための請求項28から34のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  38. 疼痛の治療のための医薬の製造のための請求項28から34のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  39. 疼痛緩和を必要とする対象を治療する方法であって、前記対象に、有効量の請求項28から34のいずれか一項に記載の医薬組成物を、例えば経皮的に、投与することを含む、方法。
  40. 疼痛緩和を必要とする対象を治療する方法であって、前記対象に、請求項1から27のいずれか一項に記載の経皮的送達デバイスを投与することを含む、方法。
JP2018526061A 2015-11-19 2016-11-18 疼痛の治療のためのオピオイドアゴニスト及び非経皮的に送達されるオピオイドアンタゴニストのn−オキシド誘導体を含む乱用防止性の経皮的送達デバイス及び組成物 Pending JP2018534319A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB1520390.4 2015-11-19
GBGB1520390.4A GB201520390D0 (en) 2015-11-19 2015-11-19 Composition
PCT/GB2016/053600 WO2017085502A1 (en) 2015-11-19 2016-11-18 Abuse resistant transdermal delivery devices and compositions comprising an opioid agonist and a non-transdermally delivered n-oxide derivative of an opioid antagonist for the treatment of pain

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018534319A true JP2018534319A (ja) 2018-11-22
JP2018534319A5 JP2018534319A5 (ja) 2020-01-09

Family

ID=55133015

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018526061A Pending JP2018534319A (ja) 2015-11-19 2016-11-18 疼痛の治療のためのオピオイドアゴニスト及び非経皮的に送達されるオピオイドアンタゴニストのn−オキシド誘導体を含む乱用防止性の経皮的送達デバイス及び組成物

Country Status (14)

Country Link
US (1) US20180344726A1 (ja)
EP (1) EP3377048B1 (ja)
JP (1) JP2018534319A (ja)
KR (1) KR20180074797A (ja)
CN (1) CN108601747A (ja)
AU (1) AU2016355113A1 (ja)
BR (1) BR112018009886A2 (ja)
CA (1) CA3005775A1 (ja)
ES (1) ES2799516T3 (ja)
GB (1) GB201520390D0 (ja)
IL (1) IL259457A (ja)
MX (1) MX2018006157A (ja)
SG (1) SG11201803913RA (ja)
WO (1) WO2017085502A1 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62138429A (ja) * 1985-12-02 1987-06-22 ザ・デュポン・メルク・ファーマシュウティカル・カンパニー 経口投与のための麻薬拮抗剤
JP2002193835A (ja) * 2000-10-25 2002-07-10 Euro Celtique Sa 経皮的な剤型
JP2003522144A (ja) * 2000-02-08 2003-07-22 ユーロ−セルティーク,エス.エイ. オピオイドアゴニストおよびアンタゴニストを含む制御放出組成物
JP2006502967A (ja) * 2002-02-19 2006-01-26 ユーロ−セルティーク エス.エイ. 不正使用防止機能付きの経皮的オピオイド送給装置
JP2007523167A (ja) * 2004-02-23 2007-08-16 ユーロ−セルティーク エス.エイ. 乱用抵抗性の経皮的オピオイド送達デバイス
WO2009067275A1 (en) * 2007-11-21 2009-05-28 Progenics Pharmaceuticals, Inc N-oxides of 4,5-epoxy-morphinanium analogs
JP2011515495A (ja) * 2008-03-26 2011-05-19 オールトランツ インコーポレイティド オピエートアゴニスト及びアゴニスト−アンタゴニストの乱用抑制経皮製剤
JP2013523780A (ja) * 2010-04-02 2013-06-17 オールトランツ インコーポレイティド オピエートアゴニスト及びアゴニスト−アンタゴニストの乱用抑止性経皮製剤

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EA007240B1 (ru) * 2002-06-10 2006-08-25 Еуро-Селтик С. А. Системы дезактивации активного вещества в трансдермальном средстве
JP2010510326A (ja) * 2006-11-22 2010-04-02 プロジェニックス ファーマスーティカルス インコーポレーテッド 4,5−エポキシ−モルフィナニウム類似体のn−オキシド類
US8829020B2 (en) * 2009-07-16 2014-09-09 Mallinckrodt Llc Compounds and compositions for use in phototherapy and in treatment of ocular neovascular disease and cancers

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62138429A (ja) * 1985-12-02 1987-06-22 ザ・デュポン・メルク・ファーマシュウティカル・カンパニー 経口投与のための麻薬拮抗剤
JP2003522144A (ja) * 2000-02-08 2003-07-22 ユーロ−セルティーク,エス.エイ. オピオイドアゴニストおよびアンタゴニストを含む制御放出組成物
JP2002193835A (ja) * 2000-10-25 2002-07-10 Euro Celtique Sa 経皮的な剤型
JP2006502967A (ja) * 2002-02-19 2006-01-26 ユーロ−セルティーク エス.エイ. 不正使用防止機能付きの経皮的オピオイド送給装置
JP2007523167A (ja) * 2004-02-23 2007-08-16 ユーロ−セルティーク エス.エイ. 乱用抵抗性の経皮的オピオイド送達デバイス
WO2009067275A1 (en) * 2007-11-21 2009-05-28 Progenics Pharmaceuticals, Inc N-oxides of 4,5-epoxy-morphinanium analogs
JP2011515495A (ja) * 2008-03-26 2011-05-19 オールトランツ インコーポレイティド オピエートアゴニスト及びアゴニスト−アンタゴニストの乱用抑制経皮製剤
JP2013523780A (ja) * 2010-04-02 2013-06-17 オールトランツ インコーポレイティド オピエートアゴニスト及びアゴニスト−アンタゴニストの乱用抑止性経皮製剤

Also Published As

Publication number Publication date
EP3377048A1 (en) 2018-09-26
BR112018009886A2 (pt) 2018-11-13
KR20180074797A (ko) 2018-07-03
AU2016355113A1 (en) 2018-05-24
CN108601747A (zh) 2018-09-28
SG11201803913RA (en) 2018-06-28
CA3005775A1 (en) 2017-05-26
GB201520390D0 (en) 2016-01-06
US20180344726A1 (en) 2018-12-06
MX2018006157A (es) 2019-04-04
EP3377048B1 (en) 2020-04-22
IL259457A (en) 2018-07-31
ES2799516T3 (es) 2020-12-18
WO2017085502A1 (en) 2017-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4642467B2 (ja) 活性剤及び塩並びに副作用物質の遊離塩基形を含む経皮剤形
CA2955247C (en) Abuse deterrent opiod/opiod-antagonist transdermal patch
US8481560B2 (en) Abuse deterrent transdermal formulations of opiate agonists and agonist-antagonists
US20080020028A1 (en) Transdermal dosage form comprising an active agent and a salt and a free-base form of an adverse agent
AU2016244249B2 (en) Systems and methods for treating an opioid-induced adverse pharmacodynamic response
US20200276187A1 (en) Systems and methods for attenuating opioid-induced euphoria
JP2018534319A (ja) 疼痛の治療のためのオピオイドアゴニスト及び非経皮的に送達されるオピオイドアンタゴニストのn−オキシド誘導体を含む乱用防止性の経皮的送達デバイス及び組成物
US10406154B2 (en) Transdermal dosage form
US20160106735A1 (en) Systems and Methods for Treating an Opioid-Induced Adverse Pharmacodynamic Response
WO2020009685A1 (en) Transdermal dosage form

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191118

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200923

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201105

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210802