JP2018532793A - シクロペンタジエン及び/又はジシクロペンタジエンを製造する方法及びシステム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、2015年11月4日に出願の米国特許出願第62/250,702号および2016年2月2日出願の欧州出願第16153729.5号の優先権および利益を主張する。
本発明は、シクロペンタジエンおよび/またはジシクロペンタジエンを含む、環式C5を製造(making)する方法およびシステムに関する。特に、本発明は、非環式C5炭化水素からシクロペンタジエンおよびジシクロペンタジエンを製造する方法およびシステムに関する。
したがって、需要に応じたCPD生成、すなわち、少量の副生物として生成するCPDとは対照的に、フィードストックから主要生成物として生成するCPDが必要とされている。米国特許第5,633,421号は、C2−C5パラフィンを脱水素化して、対応するオレフィンを得る方法を全般的に開示している。同様に、米国特許第2,982,798号は、3〜6個(これらを含む)の炭素原子を含む脂肪族炭化水素を脱水素化する方法を全般的に開示している。しかし、米国特許第5,633,421号も米国特許第2,982,798号も、豊富で低コストであるので、フィードストックとして望ましい非環式C5炭化水素からのCPD生成を開示していない。さらに、需要に応じたCPD生成法の設計には、多数の難題が存在する。例えば、C5炭化水素をCPDに変換する反応は非常に吸熱性であり、低圧および高温が好都合であるが、n−ペンタンおよび他のC5炭化水素の大幅なクラッキングが比較的低温(例えば、450℃〜500℃)で起こる恐れがある。他の難題には、生成プロセスの間のコーキングによる触媒活性の損失が挙げられ、触媒からコークスを除去するさらなる処理が必要であり、触媒を害することなく反応器に熱の導入を直接行うために、酸素含有ガスを使用することができない。
CPDを製造する従来的な方法は、通常、中程度の濃度のCPD、かなり高い濃度の非環式ジオレフィン、およびモノオレフィンを含むC5炭化水素ストリームを生成する。C5化学種の多数が、沸点が近く、共沸混合物を形成し、かつ蒸留温度において反応性であり、従来的な蒸留による生成物混合物からのCPD回収は、工業的に実現可能ではない。従来の回収スキームでは、CPDは、二量化法を利用する他のC5炭化水素から回収され、この二量化法により、CPDはディールス−アルダー反応を受けて、従来的な蒸留によって、C5炭化水素から容易に分離することができるDCPDが生成される。不運なことに、CPDはまた、ストリーム中に存在する他のジオレフィンと反応して、DCPDが混入した、共二量体を生成する恐れもある。さらに、高次オリゴマーを含む反応も、中温から高温で起こる。これらの副反応により、望ましくない共二量体および高次のオリゴマーが生成され、これらは、さらなる下流において、多くの用途に要求される十分な純度を有するDCPDを生成するために、多段階クラッキングの繰り返しおよび二量化などの、処理ステップを必要とする。このようなプロセスは高価であり、収率は低く、ファウリングを引き起こす傾向があり得る。さらに、第1の反応器が大気圧未満で稼働している場合に起こる恐れがある、空気および酸素のCPD反応器、ならびに下流のプロセスおよび設備に入り込むことは、非常に望ましくない。しかし、CPDおよび/または水素分圧が上昇している場合、熱力学的平衡の制約により、非環式C5炭化水素のCPDへの変換が抑制される。
本発明の第1の態様は、シクロペンタジエン(CPD)および/またはジシクロペンタジエン(DCPD)を製造する方法であって、(I)少なくとも1つの非環式C5炭化水素を含むC5フィードストック、少なくとも1つのC1−C4炭化水素を含む軽質炭化水素共フィードストックを第1の反応器にフィードするステップであって、水素共フィードストックをフィードしてもよいステップ、(II)変換条件下で、少なくとも1つの非環式C5炭化水素を触媒と接触させて、第1の反応器の出口から、CPDおよび非環式ジオレフィンを含むC5成分(components);水素およびC1−C4炭化水素を含む軽質成分;単環芳香族化合物;および多環芳香族化合物を含む第1の反応器の炭化水素流出物を得るステップを含む方法に関し、ステップ(I)において、(i)出口における第1の反応器の炭化水素流出物の全絶対圧がP(fre)であり、(ii)出口における第1の反応器の炭化水素流出物中のC5炭化水素の全分圧がP(C5)であり、(iii)出口における第1の反応器の炭化水素流出物中の水素分圧がP(H2)であり、[P(C5)+P(H2)]÷P(fre)≦0.90であり、(iv)P(fre)は、絶対圧で100キロパスカル超となるよう、十分な軽質炭化水素共フィードストックが与えられる。
元素の周期表に対するすべての数および言及は、別段の指定がない限り、Chemical and Engineering News, 63(5), 27 (1985)に説明されている、新しい表記法に基づいている。
定義
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的のため、以下の用語が定義される。
用語「非環式」は、以下に限定されないが、線状および分岐状の飽和体(saturate)および非飽和体を含む。
用語「芳香族化合物」は、ベンゼンなどの、共役二重結合を有する平面の環式ヒドロカルビルを意味する。本明細書で使用する場合、芳香族化合物という用語は、以下に限定されないが、ナフタレン、アントラセン、クリセンおよびそれらのアルキル化体を含む、以下に限定されないが、ベンゼン、トルエンおよびキシレンおよび多核芳香族化合物(PNA)を含む、1つまたは複数の芳香族環を含有する化合物を包含する。用語「C6+芳香族化合物」は、以下に限定されないが、ナフタレン、アントラセン、クリセンおよびそれらのアルキル化体を含む、以下に限定されないが、ベンゼン、トルエンおよびキシレンおよび多核芳香族化合物(PNA)を含む、6個以上の環原子を有する芳香族環に基づく化合物を含む。
用語「BTX」は、以下に限定されないが、ベンゼン、トルエンおよびキシレン(オルトおよび/またはメタおよび/またはパラ)の混合物を含む。
本明細書で使用する場合、用語「低減した」は、あるステップ前の混合物またはストリームから生成した所与の混合物またはストリーム中の成分を記載するために使用される場合、この成分が、このステップ前の混合物またはストリーム中のその濃度よりも低い所与の混合物またはストリーム中に、(無視し得る)濃度で存在していることを意味する。したがって、あるステップ前のストリームから生成した水素が低減したフラクションとは、このステップ前のストリーム中の水素の濃度よりも低い、(無視し得る)濃度で水素を含むフラクションである。
本明細書で使用する場合、「質量%」は、質量基準の割合を意味し、「体積%」は、体積基準の割合を意味し、「mol%」は、モル基準の割合を意味する。本明細書において表されている範囲はすべて、指定しない限り、または反対の記載がない限り、2つの特定の実施形態として、終端の両方を含むべきである。
用語「軽質炭化水素」は、それらの分子構造中に1〜4個の炭素原子を含む炭化水素を意味する。用語「軽質成分」は、水素、およびそれらの分子構造中に1〜4個の炭素原子を含む炭化水素を意味する。用語「水素」は、H2分子を意味する。
用語「通常の沸点」は、101キロパスカルの圧力下での沸点を意味する。用語「蒸気」および「ガス」はどちらも、完全に蒸気である、完全にガスである、およびガスと蒸気との混合物である、相を意味することを含む。
用語「モーガス」は、ガソリンの内燃機関において使用するのに燃料として好適な、有機化合物の混合物を意味する。
用語「コークス」は、以下に限定されないが、触媒組成物に吸着される水素含有率の低い炭化水素を含む。
用語「Cn」は、1分子あたりn個の炭素原子を有する炭化水素を意味し、nは正の整数である。すなわち、したがって、C5炭化水素フィードストックは、n−ペンタン、2−メチル−ブタン、2,2−ジメチルペンタン、1−ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−2−ブテン、3−メチル−2−ブテン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、シクロペンタン、シクロペンテンなどの、1分子あたり5個の炭素原子を有する、1つまたは複数の飽和または不飽和炭化水素を含む。
用語「Cn+」は、1分子あたり少なくともn個の炭素原子を有する炭化水素を意味する。
用語「炭化水素」は、炭素に結合した水素を含有する化合物のクラスを意味し、(i)飽和炭化水素化合物、(ii)不飽和炭化水素化合物、および(iii)様々なnの値を有する炭化水素化合物の混合物を含めた、炭化水素化合物の混合物(飽和および/または不飽和)を包含する。
用語「C5フィードストック」は、主に、ノルマルペンタン(n−ペンタン)および/またはイソペンタン(メチルブタンとも呼ばれる)であるフィードストックなどの、n−ペンタンを含有するフィードストックを含み、シクロペンタンおよび/またはネオペンタン(2,2−ジメチルプロパンとも呼ばれる)という、より少量のフラクションを含む。
用語「単環芳香族化合物」は、その分子構造中に1つのベンゼン環を有する芳香族化合物を意味し、トルエン、キシレンおよびエチルベンゼンなどのそのアルキル化体を含む。
用語「多環芳香族化合物」は、その分子構造中に2つ以上の芳香族環を有する芳香族化合物を意味し、そのアルキル化体を含む。
用語「第10族金属」は、周期表の第10族の元素を意味し、Ni、PdおよびPtを含む。
用語「第2族アルカリ土類金属」は、周期表の第2族の元素を意味し、以下に限定されないが、Be、Mg、Ca、Sr、Baおよびそれらのうちの2つ以上の混合物を含む。
用語「第11族金属」は、周期表の第11族の元素を意味し、以下に限定されないが、Cu、Ag、Auおよびそれらのうちの2つ以上の混合物を含む。
用語「拘束係数」は、それらのどちらも参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第3,972,832号および米国特許第4,016,218号に定義されている。
本明細書で使用する場合、用語「MCM−22ファミリーのモレキュラーシーブ」(または、「MCM−22ファミリーの物質」または「MCM−22ファミリー物質」または「MCM−22ファミリーゼオライト」)は、以下のうちの1つまたは複数を含む:
共通の第1度結晶ビルディングブロック単位胞(first degree crystalline building block unit cell)から製造されたモレキュラーシーブであり、この単位胞はMWW骨格トポロジーを有する(単位胞は、原子を三次元空間に敷き詰めた場合に結晶構造を描写する原子の空間配置である。このような結晶構造は、その全内容が参照により組み込まれている、"Atlas of Zeolite Framework Types", Fifth edition, 2001で議論されている)、
このようなMWW骨格トポロジー単位胞の2次元敷き詰めであり、1つの単位胞の厚さ、好ましくは1つのc−単位胞の厚さからなる単層を形成する共通の第2度結晶構成要素から製造されるモレキュラーシーブ、
1つ超の単位胞の厚さの層が、1つの単位胞の厚さからなる単層を少なくとも2つ積層、充填または結合して製造される、1つまたはそれ超の単位胞の厚さの層である、共通の第2度構成要素から製造されるモレキュラーシーブ。このような第2度構成要素の積層は、規則様式、不規則様式、ランダム様式またはそれらの任意の組合せであってもよい、および
MWW骨格トポロジーを有する単位胞の任意の規則的もしくはランダムな2次元または3次元の組合せによって製造されるモレキュラーシーブ。
本明細書で使用する場合、用語「モレキュラーシーブ」は、用語「微孔質結晶性物質」と同義で使用される。
本明細書で使用する場合、用語「炭素選択性」は、個々の形成した環式C5、CPD、C1およびC2−4中の炭素のモル数を、変換されたC5フィードストック中の炭素の総モル数により除算したものを意味する。用語「少なくとも30%の環式C5への炭素選択性」は、変換されたC5フィードストック(n−ペンタンなど)中の炭素100モルあたり、環式C5の炭素が30モル形成されたことを意味する。
本明細書で使用する場合、用語「フェロシリケート」は、骨格構造中および/またはチャネルシステム中に、鉄を含有する、鉄含有微孔質結晶性構造を意味する。
用語「アルキル化ナフタレン」は、モノアルキル、ジアルキル、トリアルキルおよびテトラアルキルナフタレンを含む。
フィードストック
1つまたは複数の実施形態では、本発明の方法において有用なC5フィードストックは、ペンタン、ペンテン、ペンタジエンおよびそれらのうちの2つ以上の混合物を含む。好ましくは、1つまたは複数の実施形態では、C5フィードストックは、少なくとも約50質量%、または60質量%、または75質量%、または90質量%の飽和非環式C5炭化水素、理想的にはn−ペンタン、または約50質量%〜約100質量%の範囲の飽和非環式C5炭化水素、理想的にはn−ペンタンを含む。好ましくは、2−メチルブタンが、10質量%未満で存在する。
C5フィードストックは、トルエン、および/またはキシレン(オルト、メタおよびパラ)のうち1つまたは複数を含まなくてもよい。好ましくは、トルエンおよびキシレン(オルト、メタおよびパラ)は、C5フィードストック中に、5質量%未満、好ましくは1質量%未満で存在し、好ましくは、0.01質量%未満、好ましくは0質量%で存在する。
C5フィードストックは、C6+芳香族化合物を含まなくてもよく、好ましくは、C6+芳香族化合物は、5質量%未満、好ましくは1質量%未満で存在し、好ましくは0.01質量%未満、好ましくは0質量%で存在する。
C5フィードストックは、C6+化合物を含まなくてもよく、好ましくは、C6+化合物は、5質量%未満、好ましくは1質量%未満で存在し、好ましくは0.01質量%未満、好ましくは0質量%で存在し、好ましくは、任意のC6+芳香族化合物は、5質量%未満、好ましくは、1質量%未満で存在し、好ましくは、0.01質量%未満、好ましくは0質量%で存在する。
好ましくは、水素を含み、C1−C4炭化水素などの軽質炭化水素を含んでもよい、水素共フィードストックも第1の反応器にフィードされる。好ましくは、水素共フィードストックの少なくとも一部が、第1の反応器にフィードされる前に、C5フィードストックと混和される。フィードが触媒と最初に接触するようになる入り口の位置にあるフィード混合物中に水素が存在することにより、触媒粒子上でのコークスの形成が防止されるまたは減少する。
C1−C4炭化水素は、飽和もしくは不飽和な線状または分岐状の、比較的純粋な単一物質、あるいは混合物とすることができる。有用なC1−C4炭化水素共フィードストックの非限定例はまた、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロペン、ブタン、2−メチルプロパンおよびそれらの混合物を含む。好ましくは、C1−C4炭化水素共フィードストックは、少なくともCc1mol%の濃度のメタンを含み、Cc1は、第1の反応器にフィードされるC1−C4炭化水素の総量に対して、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、98または99とすることができる。代替的に、C1−C4炭化水素共フィードストックは、少なくともCc2mol%の濃度のエタンを含み、Cc2は、第1の反応器にフィードされるC1−C4炭化水素の総量に対して、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、98または99とすることができる。メタンは、反応条件下では反応性が低いので好ましい。エタンは、沸点がより高いので好ましく、したがって、分離/リサイクルコストはより低い。C1−C4共フィードストックは、CPD反応器から生成する生成物混合物から分離されて、次に、CPD反応器にリサイクルすることができる。代替的または追加的に、C1−C4炭化水素フィードストックは、天然ガスから、またはハイドロクラッキング、流動接触クラッキング、コーキング及び/又は水蒸気クラッキングなどの精製法または化学法からなどの他の供給源から得ることができる。これらの供給源から得られるC1−C4は、非環式C5炭化水素をCPDに変換するために使用される触媒に悪影響を及ぼす恐れがある、非炭化水素種(例えば、O、N、S、P、As、Hgを含有する化学種)を除去するための処理(例えば、アルカリ洗浄、アミン洗浄、水洗、吸着床)を要求することがある。
本明細書で使用する場合、用語「向流」とは、実質的に反対方向の、2つのストリーム(例えば、ストリーム(a)、ストリーム(b))の流れを指す。例えば、ストリーム(a)が、少なくとも1つの反応ゾーンの頂部から底部まで流れ、ストリーム(b)が、少なくとも1つの反応ゾーンの底部から頂部まで流れる場合、ストリーム(a)の流れは、ストリーム(b)の流れと向流していると見なされると思われる。反応ゾーン内の小さな規模では、流れが向流となることができない領域が存在することがある。
非環式C5変換法
環式C5化合物を含む生成物への非環式C5炭化水素の変換法は、以下に限定されないが、本明細書に記載されている触媒組成物を含めた、1つまたは複数の触媒組成物の存在下で、非環式C5変換条件下、C5フィードストックを接触させて前記生成物を形成するステップを含み、水素も接触させてもよい。非環式C5フィードストックの変換法の生成物は、環式C5化合物を含む。環式C5化合物は、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロペンタジエンのうちの1つまたは複数を含むことができ、それらの混合物を含む。
触媒の存在下で、いくつかの所望されるおよび望ましくない副反応が起こることがある。この反応の正味の影響は、水素の生成および全量の増加(一定全圧と仮定する)である。特に所望される全体的な反応の1つ(すなわち、中間反応ステップは示されていない)は、以下である:
n−ペンタン→CPD+3H2。
付加的な全体的な反応は、これらに限定されないが、以下を含む:
n−ペンタン→1,3−ペンタジエン+2H2、
n−ペンタン→1−ペンテン+H2、
n−ペンタン→2−ペンテン+H2、
n−ペンタン→2−メチル−2−ブテン+H2、
n−ペンタン→シクロペンタン+H2、
シクロペンタン→シクロペンテン+H2、または
シクロペンテン→CPD+H2。
第1の反応器の炭化水素流出物は、第1の反応器の炭化水素流出物中のC5炭化水素の総質量に対して、C(CPD)1質量%の濃度でCPDを含むことができ、a1≦C(CPD)1≦a2(a1およびa2は、a1<a2である限り、独立して、15、16、18、20、22、24、25、26、28、30、32、34、35、36、38、40、45、50、55、60、65、70、75、80または85とすることができる)である。
望ましくは、第1の反応器の炭化水素流出物の全絶対圧および温度は、DCPDを形成するCPDの二量化が実質的に回避され、CPDと非環式ジエンとの間のディールス−アルダー反応が実質的に阻害されるようなレベルで維持すべきである。
第1の反応器にC1−C4炭化水素を共フィードする結果として、第1の反応器の出口における第1の反応器の炭化水素流出物の全絶対圧(P(fre))は、有利には、少なくとも、絶対圧でP(fre)100キロパスカルであり、この場合、P(fre)1は、101、102、103、104、105、110、115、120、125、130、135、140、150、160、180、200、250、または300にさえなることができる。好ましくは、P(fre)≧110である。出口の第1の反応器の炭化水素流出物中のC5炭化水素の全分圧はP(C5)であり、出口の第1の反応器の炭化水素流出物中の水素の分圧は、P(H2)である。C1−C4炭化水素(hydrocabon)を共フィードする結果として、以下を満足するのが有利である:
R1≦[P(C5)+P(H2)]÷P(fre)≦R2
(式中、R1<R2である限り、R1およびR2は、独立して、0.90、0.85、0.80、0.75、0.70、0.65、0.60、0.55、0.50、0.45、0.40、0.35、0.30、0.25、0.20、0.15または0.10とすることができる)。好ましくは、R1は0.40であり、R2は0.90である。好ましくは、P(C5)とP(H2)の合計は、絶対圧でP(C5H2)1キロパスカルから絶対圧でP(C5H2)2キロパスカルの範囲にあり、この場合、P(C5H2)1およびP(C5H2)2は、独立して、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95とすることができる。好ましくは、P(C5H1)2≦70である。
本明細書において有用な触媒組成物は、結晶性アルミノシリケート、結晶性フェロシリケートなどの微孔質結晶性メタロノシリケート、または他の金属含有結晶性シリケート(金属または金属含有化合物が、結晶性シリケート構造内部で分散されており、結晶骨格の一部であってもよく、またはその一部でなくてもよいものなど)を含む。本明細書における触媒組成物として有用な微孔質結晶性メタロシリケート骨格のタイプは、以下に限定されないが、MWW、MFI、LTL、MOR、BEA、TON、MTW、MTT、FER、MRE、MFS、MEL、DDR、EUOおよびFAUを含む。
本明細書における使用に特に好適な微孔質メタロシリケートは、骨格タイプがMWW、MFI、LTL、MOR、BEA、TON、MTW、MTT、FER、MRE、MFS、MEL、DDR、EUOおよびFAUのものを含み、元素周期表の第8族、11族および13族からの1つまたは複数の金属(好ましくは、Fe、Cu、Ag、Au、B、Al、Gaおよび/またはInのうちの1つまたは複数の)は、合成中に結晶構造に組み込まれるか、または結晶化の後に含浸される。メタロシリケートには、1つまたは複数の金属が存在していることがあり、例えば、物質は、フェロシリケートと称されてもよいが、少量のアルミニウムを依然として含有している可能性が最も高いことが認識される。
MCM−22ファミリーの物質は、MCM−22、PSH−3、SSZ−25、MCM−36、MCM−49、MCM−56、ERB−1、EMM−10、EMM−10−P、EMM−12、EMM−13、UZM−8、UZM−8HS、ITQ−1、ITQ−2、ITQ−30、およびそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択される。
1つまたは複数の実施形態では、微孔質結晶性メタロシリケートは、約3超、または約25超、または約50超、または約100超、または400超、または約100〜約2,000、または約100〜約1,500、または約50〜2,000、または約50〜1,200の範囲のSi/Mモル比を有する。
本発明の別の実施形態では、微孔質結晶性メタロシリケート(アルミノシリケートなど)は、第10族金属または金属化合物と組み合わされ、さらに1つ、2つ、3つもしくはそれ超の第1族、第2族または第11族の金属あるいは金属化合物と組み合わされてもよい。
1つまたは複数の実施形態では、第10族金属は、Ni、PdおよびPt、好ましくはPtを含むか、またはこれらからなる群から選択される。前記触媒組成物の第10族金属の含有率は、該触媒組成物の質量に対して、少なくとも0.005質量%である。1つまたは複数の実施形態では、第10族の含有率は、該触媒組成物の質量に対して、約0.005質量%〜約10質量%または約0.005質量%〜最大約1.5質量%の範囲である。
1つまたは複数の実施形態では、第2族アルカリ土類金属は、Be、Mg、Ca、Sr、Baおよびそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択される。
1つまたは複数の実施形態では、第1族アルカリ金属は酸化物として存在し、この金属は、Li、Na、K、Rb、Cs、およびそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択される。1つまたは複数の実施形態では、第2族アルカリ土類金属は酸化物として存在し、この金属は、Be、マグネシウム、カルシウム、Sr、Ba、およびそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択される。1つまたは複数の実施形態では、第1族アルカリ金属は、酸化物として存在し、この金属は、Li、Na、K、Rb、Cs、およびそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択され、第2族アルカリ土類金属は、酸化物として存在し、この金属は、Be、マグネシウム、カルシウム、Sr、Ba、およびそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択される。
1つまたは複数の実施形態では、本触媒組成物は、25未満、代替的に15未満、代替的に1〜25、代替的に1.1〜15のアルファ値(第10族金属、好ましくは白金を添加する前に測定した場合)を有する。
アルミノシリケートの1つまたは複数の実施形態では、前記第1族アルカリ金属とAlとのモル比は、少なくとも約0.5、または少なくとも約0.5〜最大約3、好ましくは少なくとも約1、より好ましくは少なくとも約2である。
アルミノシリケートの1つまたは複数の実施形態では、前記第2族アルカリ土類金属とAlとのモル比は、少なくとも約0.5、または少なくとも約0.5〜最大約3、好ましくは少なくとも約1、より好ましくは少なくとも約2である。
好ましくは、本明細書において有用な触媒組成物は、400〜800℃の範囲の温度、絶対圧で10〜1,000キロパスカルの範囲の圧力、および1〜100時-1の範囲のWHSVを含む変換条件で用いられる。1つまたは複数の実施形態では、本発明の触媒組成物の使用により、等モル量のH2を含むn−ペンタン含有フィードストック、約550℃〜約600℃の範囲の温度、3〜10psiaの間のn−ペンタンの分圧、および10〜20時-1のn−ペンタンの毎時質量空間速度である非環式C5変換条件下で、前記非環式C5フィードストックの少なくとも約60%、または少なくとも約75%、または少なくとも約80%、または約60%〜約80%の範囲の変換率がもたらされる。
1つまたは複数の実施形態では、本発明の触媒組成物のいずれか1つの使用により、等モル量のH2を含むn−ペンタンのフィードストック、約550℃〜約600℃の範囲の温度、3〜10psiaの間のn−ペンタンの分圧、および10〜20時-1の間のn−ペンタンの毎時質量空間速度を含む非環式C5変換条件下で、少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または約30%〜約80%の範囲のシクロペンタジエンへの炭素選択性がもたらされる。
本発明の触媒組成物は、マトリックスまたは結合剤材料と組み合わされて、触媒組成物は耐消耗性、および炭化水素の変換用途で使用されている間に曝露される過酷な条件に対してより耐性になることができる。この組み合わされた組成物は、本発明のマトリックス(結合剤)および材料を合わせた質量に対して、本発明の物質を1〜99質量%含有することができる。微結晶性物質およびマトリックスの相対的比率は、幅広く変動し得、結晶の含有率は、該コンポジットの約1〜約90質量%の範囲であり、より通常には、特に、コンポジットが、ビーズ、押出物、ピル、油滴により形成される粒子、噴霧乾燥粒子などの形態で調製される場合、該コンポジットの約2〜約80質量%の範囲である。
本発明の方法において触媒組成物を使用している間、コークスは、触媒組成物上に堆積する恐れがあり、それにより、このような触媒組成物は、その触媒活性の一部を失い、非活性化されるようになる。非活性化触媒組成物は、高い圧力水素処理、および酸素含有ガスを用いて触媒組成物上のコークスを燃焼することを含めた、従来の技法によって再生成することができる。
1)第10族金属(Ptなど)、第1族アルカリ金属(ナトリウムまたはカリウムなど)および/または第2族アルカリ土類金属と組み合わせた結晶性アルミノシリケート(ZSM−5またはゼオライトLなど)、
2)第10族金属(Ptなど)および第1族アルカリ金属(ナトリウムまたはカリウムなど)と組み合わせた結晶性アルミノシリケート(ZSM−5またはゼオライトLなど)、
3)第10族金属(Ptなど)、第1族アルカリ金属(ナトリウムまたはカリウムなど)と組み合わせた結晶性アルミノシリケート(フェロシリケートまたは鉄処理したZSM−5など)、
4)第10族金属(Ptなど)および第1族アルカリ金属(カリウムなど)と組み合わせた結晶性アルミノシリケート(ゼオライトL)、および
5)第10族金属(Ptなど)、第1族アルカリ金属(ナトリウムなど)および第11族金属(銀または銅など)と組み合わせた結晶性アルミノシリケート(ZSM−5など)が含まれる。
1) 2015年11月4日に出願の米国特許出願第62/250,695号、
2) 2015年11月4日に出願の米国特許出願第62/250,681号、
3) 2015年11月4日に出願の米国特許出願第62/250,688号、
4) 2015年11月4日に出願の米国特許出願第62/250,695号、および
5) 2015年11月4日に出願の米国特許出願第62/250,689号。
第1の反応器の炭化水素流出物の冷却
熱クラッキング、PNAの縮合、および反応性ジオレフィン種、とりわけCPDの早期ディールス−アルダー反応などの望ましくない副反応を防止するため、第1の反応器の炭化水素流出物は、第1の反応器を一旦出ると、冷却されることが非常に所望される。その目的のために、第1の反応器の炭化水素流出物は、第1の反応器から出口に隣接して配置されている、少なくとも1つの熱交換器に通してもよく、この熱交換器では、その温度がTc1℃〜Tc2℃の範囲まで低下され、ここでTc1およびTc2は、Tc1<Tc2である限り、独立して、20、50、80、150、200、250、300、350、400または450℃とすることができる。代替的にまたは追加的に、第1の反応器の炭化水素流出物は、急冷用液体と接触させてもよく、その結果、温度は、Tc1℃〜Tc2℃の範囲まで低下され、ここでTc1およびTc2は、Tc1<Tc2である限り、独立して、20、40、50、60、80、100、120、140、150、160、180、200、220、240、250、260、280、300、320、340、350、360、380、400、420、440または450とすることができる。冷却時に、第1の反応器の炭化水素流出物からの成分の主要物は、依然として気相または蒸気相に存在している。
第1の反応器の炭化水素流出物は、以下に限定されないが、多核芳香族種(ナフタレンおよびアルキル化ナフタレン、アントラセンおよびアルキル化アントラセン、フェナントレンおよびアルキル化フェナントレン)、DCPD、CPDと非環式ジオレフィンとの間の所望されないディールス−アルダー反応の結果として形成する生成物を含む、重質成分を無視できない量で含む。これらの重質成分、とりわけC8+炭化水素は、C5が豊富なフラクションの混入、およびそれによるその後のDCPDフラクションの混入が回避されるよう、少なくとも一部が第1の反応器の炭化水素流出物から除去されるのが非常に望ましい。例えば、ナフタレンは、蒸留によってDCPDから除去されるのが非常に困難である。同様に、ナフタレンおよび重質PNAは凝縮して、設備をファウリングする恐れのある固体を形成する恐れがある。したがって、ナフタレンおよび重質PNAは、第1の反応器の炭化水素流出物から望ましくは除去された後に、さらに処理される。
様々な洗浄油を使用することができる。洗浄油の非限定例は、以下を含む:シクロヘキサン;モノアルキル、ジアルキルおよびトリアルキルシクロヘキサン;ベンゼン;モノアルキル、ジアルキルおよびトリアルキルベンゼン;モノアルキル、ジアルキル、トリアルキルおよびテトラアルキルナフタレン;他のアルキル化多環芳香族化合物;ならびにそれらの混合物および組合せ。好ましい洗浄油は、以下である:アルキルベンゼンおよびそれらの混合物(本明細書において、軽質洗浄油と称される);およびアルキルナフタレンおよびその混合物(本明細書において、重質洗浄油と称される)。より好ましくは、トルエン、とりわけ少なくとも50質量%の純度を有する比較的純粋なトルエン、またはアルキルナフタレン、とりわけ少なくとも50質量%の純度を有するものが、洗浄油として使用される。
上記の第1の反応器の出口で好ましくは冷却されて、上記の洗浄用容器中で洗浄される、第1の反応器の炭化水素流出物は、次に、第1の分離サブシステム中で処理され、C1−C4炭化水素および水素が低減した、および望ましくはC8+炭化水素などの重質成分が低減したC5が豊富なフラクションが得られる。第1の反応器中で起こる反応の性質により、かなりの量の水素が、第1の反応器の炭化水素流出物中に存在している。C5炭化水素(CPDを含む)からの水素およびC1−C4軽質炭化水素の有効な分離には、C5炭化水素の多くが、水素/軽質炭化水素ストリーム中の蒸気として保持され得るということを考慮する必要がある。したがって、望ましくは、中間段階の冷却および液体/蒸気の分離を含む圧縮トレインを第1の分離サブシステムとして有利に使用し、水素および軽質炭化水素ストリームへのC5炭化水素の損失を最小限にすることができる。
中間段階の冷却および液体/蒸気の分離を含む例示的な圧縮トレインは、少なくとも100psia(絶対圧で689キロパスカル)の最後の段階に由来する出る際の圧による、少なくとも3段階の圧縮/中間段階の冷却を含むものである。
第1のC5が豊富なフラクションは、とりわけ、洗浄油がシクロヘキサンおよびアルキルシクロヘキサン、ベンゼンおよびアルキルベンゼン(例えば、トルエン)などのC6およびC7炭化水素を含有する場合、洗浄油の一部をさらに含んでもよい。このような洗浄油は、続いて、必要な場合、除去されてもよい。アルキルナフタレンなどの高沸点洗浄油が使用される場合でさえも、第1のC5が豊富なフラクションは、低濃度のベンゼンなどのC6炭化水素(第1の反応器からの副生物として)を含んでもよい。
第1の分離サブシステム(例えば、圧縮トレイン)から、水素およびC1−C4炭化水素を含む軽質成分が豊富なフラクションも得られる。この軽質成分が豊富なフラクションは、望ましくは、C5成分、とりわけCPDが低減されているか、またはC5分子が、本発明の方法において、最高の程度まで使用されるよう、少なくとも最小化される。
第1の反応器の炭化水素流出物を分離する、第1の分離サブシステムから来る軽質成分が豊富なフラクションの成分の大部分は、水素ガスである。C1−C4炭化水素は、第1の反応器中で、C5フィードストックから少量で生成する。CH4などのC1−C4軽質炭化水素は、本出願の方法における共フィードストックとして、第1の反応器に供給され、第1の分離サブシステムから得られた軽質成分が豊富なフラクション中に、より高い濃度のC1−C4軽質炭化水素がもたらされる。
第1のC5が豊富なフラクションは、有利には、第1のC5が豊富なフラクション中のC5炭化水素の総質量に対して、ca1質量%〜ca2質量%の範囲の高濃度でCPDを含んでおり、ca1およびca2は、ca1<ca2である限り、独立して、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85または90とすることができる。このようなCPDは、例えば、ノルボルネン、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、炭化水素樹脂接着剤または粘着付与剤、不飽和ポリエステル樹脂、シクロペンタン、および/またはシクロペンテンを生成するための、CPDフィードとして直接、使用することができる。
追加的または代替的に、第1のC5が豊富なフラクションの少なくとも一部は、第1の一式の二量化条件下で稼働する第1の二量化用反応器(システム中の第2の反応器)に供給することができ、ここで、CPDの一部は、有利には、DCPDに変換される。これは、DCPDがCPDよりもかなり安定であり、したがって、保管することができる、および/またはDCPDとして使用されるか、もしくはCPDに変換されて付加価値製品の生成に使用される様々な場所に輸送することができるので、非常に望ましいことになり得る。
第1の二量化用反応器中の第1の一式の二量化条件は、有利には、Tb1℃〜Tb2℃の範囲の温度(Tb1およびTb2は、Tb1<Tb2である限り、独立して、30、50、60、80、100、120、140、150、160、180、200、220、240または250とすることができる);Pb1キロパスカル〜Pb2キロパスカルの範囲の絶対圧(Pb1およびPb2は、Pb1<Pb2である限り、独立して、345、350、400、450、500、550、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、6000、6500、6894または7000とすることができる);およびTr1分間〜Tr2分間の範囲の滞留時間(Tr1およびTr2は、Tr1<Tr2である限り、独立して、1、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210または220とすることができる)を含むことができる。好ましくは、直列した2つの二量化用反応器が、本システムで利用される場合、第1の一式の二量化条件は、70〜130℃の範囲の温度、絶対圧で689〜3447キロパスカルの範囲の全圧、および100〜200分間などの20〜200分間の範囲の滞留時間を含む。好ましくは、直列した3つの二量化用反応器が、本システムで利用される場合、第1の一式の二量化条件は、90〜140℃の範囲の温度、絶対圧で689〜3447キロパスカルの範囲の全圧、および1〜30分間の範囲の滞留時間を含む。
次に、第2の反応器の流出物の少なくとも一部は、蒸留カラムなどの第2の分離装置に供給され、ここで、第1のDCPDが豊富なフラクション(例えば、カラムからの底部流出物などの下部ストリームとして)および第2のC5が豊富なフラクション(例えば、カラムからのオーバーヘッド流出物などの上部ストリームとして)が得られる。有利なことに、第1のDCPDが豊富なフラクションは、C(DCPD)1質量%のDCPD濃度を有することができ、x1≦C(DCPD)1≦x2(x1およびx2は、x1<x2である限り、独立して、80、82、84、85、86、88、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.2、99.4、99.5、99.6、99.8または100とすることができる)である。少なくとも98質量%、99質量%、または99.5質量%にもなる濃度を有する、超高純度DCPD(すなわち、UHP DCPD)は、第1のDCPDが豊富なフラクションとして得ることができる。第1のDCPDが豊富なフラクションの少なくとも一部は、蒸留カラムなどの少なくとも別の分離装置に供給されてもよく、ここで、第1のDCPDが豊富なフラクションの純度をさらに向上することができる。第2のC5が豊富なフラクション中のCPD濃度は、第1のC5が豊富なフラクション中よりも低くなる傾向がある。多くの場合、第2のC5が豊富なフラクションは、第2のC5が豊富なフラクションの総質量に対して、95質量%〜99.9質量%の範囲の濃度でCPDを含む。
第2の分離装置から得られる第2のC5が豊富なフラクションの少なくとも一部は、有利には、第2のC5が豊富なフラクション中のC5炭化水素の総質量に対して、ca3質量%〜ca4質量%の範囲の高濃度でCPDを含むことができ、ca3およびa4は、ca3<ca4である限り、独立して、1、5、10、20、25、30、35、40、45、50、55または60とすることができる。第2のC5が豊富なフラクション中のこのようなCPDは、例えば、ノルボルネン、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、炭化水素樹脂接着剤または粘着付与剤、不飽和ポリエステル樹脂、シクロペンタンおよび/またはシクロペンテンを生成するためのCPDフィードとして直接、使用することができる。
追加的または代替的に、第2のC5が豊富なフラクションは、第1の二量化用反応器(システム中の第2の反応器)における操作と類似しているが、好ましくは、より低い濃度のCPDの満足する変換を可能にする一層高い温度および/または一層長い滞留時間で稼働している、第2の一式の二量化条件下で稼働している第2の二量化用反応器(システム中の第3の反応器)に供給することができ、ここでCPDの一部が有利なことに、DCPDに変換される。
第2の二量化用反応器(システム中の第3の反応器)は、第1の二量化用反応器(システム中の第2の反応器)に類似した反応器とすることができる。
次に、第3の反応器の流出物の少なくとも一部は、蒸留カラムなどの第3の分離装置に供給することができ、ここで、第2のDCPDが豊富なフラクション(例えば、カラムからの底部流出物などの下部ストリームとして)および第3のC5が豊富なフラクション(例えば、カラムからのオーバーヘッド流出物などの上部ストリームとして)が得られる。有利なことに、第2のDCPDが豊富なフラクションは、C(DCPD)2質量%のDCPD濃度を有することができ、x3≦C(DCPD)2≦x4(x3およびx4は、x3<x4である限り、独立して、40、50、60、65、70、75、80、82、84、85、86、88、90、91、92、93、94、95、96、97、98または99とすることができる)である。第1のC5が豊富なフラクションよりも第2のC5が豊富なフラクション中の方が、CPDと非環式ジオレフィンとの比が低いので、通常、第2のDCPDが豊富なフラクションの純度は、第1のDCPDが豊富なフラクションよりも低い。それにもかかわらず、少なくとも90質量%、または92質量%、または93質量%、または95質量%にもなる濃度を有する、非常に高純度のDCPD(HP DCPD)は、第2のDCPDが豊富なフラクションとして得ることができる。第2のDCPDが豊富なフラクションの少なくとも一部は、蒸留カラムなどの少なくとも別の分離装置に供給されてもよく、第2のDCPDが豊富なフラクションの純度をさらに向上することができる。同様に、第3のC5が豊富なフラクション中のCPD濃度は、第2のC5が豊富なフラクション中よりも低くなる傾向がある。多くの場合、第3のC5が豊富なフラクションは、第3のC5が豊富なフラクションの総質量に対して、90質量%〜99.5質量%の範囲の濃度でCPDを含む。
第3の分離装置から得られる第3のC5が豊富なフラクションの少なくとも一部は、有利には、第3のC5が豊富なフラクション中のC5炭化水素の総質量に対して、ca5質量%〜ca6質量%の範囲の濃度でCPDを含むことができ、ca5およびca6は、ca5<ca6である限り、独立して、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55または60とすることができるである。第3のC5が豊富なフラクション中のこのようなCPDは、例えば、ノルボルネン、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、炭化水素樹脂接着剤または粘着付与剤、不飽和ポリエステル樹脂、シクロペンタンおよび/またはシクロペンテンを生成するためのCPDフィードとして直接、使用することができる。
追加的または代替的に、第3のC5が豊富なフラクションの少なくとも一部は、第1の二量化用反応器(システム中の第2の反応器)における操作と類似の、第3の一式の二量化条件下で稼働する第3の二量化用反応器(システム中の第4の反応器)に供給することができ、ここで、CPDの一部が、有利には、DCPDに変換される。
望ましくは、第3の二量化用反応器に供給される第3のC5が豊富なフラクション中に含有しているCPDの主要物は、DCPDに変換される。追加的または代替的に、非環式C5ジオレフィン(例えば、1,3−ペンタジエン;1,4−ペンタジエン、1,2−ペンタジエンおよび/または2−メチル−1,3−ブタジエン)を、第3の二量化用反応器中でCPDと反応させて、共二量体を生成させるのが望ましい。追加的または代替的に、非環式C5ジオレフィン(例えば、蒸気クラッキングしたナフサ、軽質接触ナフサ、重質接触ナフサ)および/またはC6ジオレフィン(例えば、メチルシクロペンタジエンおよびヘキサジエン)を含有する追加のストリームは、第3の二量化用反応器へのフィードに添加することができる。さらに、C5およびC6種の三量体および四量体もまた、有利なことに生成することができる。第3の二量化用反応器の出口では、好ましくは他のC5共二量体、共三量体および/または共四量体と組み合わせた、CPDおよびDCPDを含む、第4の反応器の流出物が得られる。
次に、第4の反応器の流出物の少なくとも一部は、蒸留カラムなどの第4の分離装置に供給することができ、ここで、第3のDCPDが豊富なフラクション(例えば、カラムからの底部流出物として)および第4のC5が豊富なフラクション(例えば、カラムからのオーバーヘッド流出物として)が得られる。有利なことに、第3のDCPDが豊富なフラクションは、C(DCPD)3質量%のDCPD濃度を有することができ、x5≦C(DCPD)3≦x6(x5およびx6は、x5<x6である限り、独立して、20、30、40、45、50、55、60、65、70、75、80、82、84、85、86、88、90、91、92、93、94または95とすることができる)である。第2のC5が豊富なフラクションよりも第3のC5が豊富なフラクション中の方が、CPDと非環式ジエンとの比が低いので、通常、第3のDCPDが豊富なフラクションの純度は、第2のDCPDが豊富なフラクションよりも低い。それにもかかわらず、少なくとも70質量%、75質量%、80質量%、85質量%または90質量%の濃度を有する、中程度の純度のDCPDは、第3のDCPDが豊富なフラクションとして得ることができる。第3のDCPDが豊富なフラクションの少なくとも一部は、蒸留カラムなどの少なくとも別の分離装置に供給されてもよく、ここで、第3のDCPDが豊富なフラクションの純度をさらに向上することができる。同様に、第4のC5が豊富なフラクション中のCPD濃度は、第3のC5が豊富なフラクション中よりも低くなる傾向がある。
上記の第1、第2、第3および第4のC5が豊富なフラクションの少なくとも一部は、本発明の方法において少しでも生成される場合、上記の第1の反応器にリサイクルすることができ、ここで、C5フィードストックからの未反応C5炭化水素および一部が変換したC5炭化水素を、CPDにさらに変換することができる。
第1、第2、第3および第4のC5が豊富なフラクションは、生成する場合、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどのC6+炭化水素を含有することができる。第1の反応器における反応生成物中のこのようなC6+成分の蓄積を防止するため、第1の反応器にリサイクルされる前に、C6+成分の少なくとも一部が分離されて、蒸留カラムなどの分離装置中のC5が豊富なストリームから除去され、第5のC5が豊富なストリームおよびC6+が豊富なストリームが生成されるのが非常に望ましい。こうして、次に、精製した第5のC5が豊富なフラクションが、第1の反応器にリサイクルされる。
モーガスは、約35℃の初期標準沸点および約200℃の最終沸点を有する、C4からC12の炭化水素を含むブレンド混合物である。モーガスは、自動車において内燃機関の燃料として主に使用される。様々な地方、州または連邦政府機関によって指定されている、多数の異なるモーガス規格がある。一例は、最終モーガス製品のリード蒸気圧(RVP)である。モーガスの蒸気圧は、その揮発性および高い蒸気圧の尺度であり、スモッグを形成する炭化水素の高い蒸発エミッションをもたらす。
性能観点から、モーガスの重要な属性は、そのオクタン価である。線状パラフィン炭化水素(すなわち、直鎖の飽和分子)は、芳香族化合物、オレフィンおよび分枝状パラフィンなどの他の炭化水素よりも低いオクタン価を有する傾向がある。その目的のために、石油精製において使用される精製方法の多くは、このような後者の分子構造を有する炭化水素を生成するよう設計されている。例えば、接触改質は、モーガス用の石油ブレンドストックを製造するために、通常、低オクタン価を有するナフサフィードを高オクタン液体生成物に変換するために使用される、広く実施されている工業的方法である。この方法は、パラフィンおよびナフテンを高オクタン価芳香族炭化水素に変換する。しかし、ナフサの接触改質は、C6+フィードストックに限定される。
n−ペンタンをイソペンタン(i−ペンタンとも呼ばれる)に変換することにより、好都合なオクタン価の向上をもたらすことができるが、RVPの不都合な向上ももたらす恐れがある。n−ペンタンのシクロペンチルおよび内部オレフィン種への変換は、本発明における第1の反応器において行われ、この変換は、オクタン価を好都合なことに向上し、RVPを好都合にも低下させる。DCPDが豊富なストリームはまた、部分水素化または完全水素化されて、低RVP/高オクタン価ブレンド成分を生成することができる。
水素化触媒の非限定例は、パラジウムをベースとする触媒またはニッケルをベースとする触媒を含む。例示的な水素化条件は、30〜250℃の範囲の温度、および絶対圧で1,700〜5,500キロパスカルの範囲の圧力を含む。
本発明は、低価値C5フィードストックを高価値のCPD、DCPD、高オクタン価および/または低RVPを有するモーガス成分、シクロペンテン、シクロペンタン、1,3−ペンタジエンなど、ならびに水素に変換するために使用することができる。
図面は、本発明の例示的な方法またはその態様を実装するために稼働する、本発明の例示的なシステムおよびそのサブシステムのブロックフロー図を概略的に例示している。主要な成分しか、これらの図面に示されていないことを理解すべきである。制御バルブ、ポンプ、熱交換器、リボイラー、リサイクルループなどの補助設備は、すべての図面にすべてが示されているわけではないが、全体の方法にわたり、自由に使用されて、ストリームおよび設備の熱力学条件をマニピュレートする。
図1に示されているシステム101では、例えば、n−ペンタンを少なくとも50質量%で含むC5フィードストックストリーム103は、水素共フィードストックストリーム105と合わされて、混合ストリーム107を形成し、これは、次に、リサイクルされた第3のC5が豊富なストリーム109と合わされて、混合フィードストリーム111を形成し、これが第1の反応器113(R1とも標識されている)にフィードされる。ストリーム111中の水素とC5フィードストックとのモル比は、0.1〜3.0、好ましくは、0.3〜2.0、より好ましくは、0.5〜1.5の範囲とすることができる。共フィード水素の主な目的は、とりわけ、インシチュで生成した水素が比較的低い濃度である場所のある触媒上に、コークスが形成するのを防止することである。ストリーム105は、水素とC1−C4炭化水素との混合物を含んでもよい。追加的または代替的に、メタンが豊富なストリーム106などのC1−C4炭化水素ストリームは、以下に限定されないが、反応器113のC5フィードストック用入り口を含めた、反応器の様々な位置で、反応器113にフィードすることができる。反応器113は、その中に搭載された触媒115の床を有する固定床(fixed bed)反応器とすることができる。触媒115は、上記の組成物から選択される。触媒粒子の存在下での非環式C5炭化水素の反応は、非常に吸熱性である。したがって、反応器113は、450℃〜800℃の範囲の内部温度を維持するために外部熱によって加熱される。毎時質量空間速度は、1〜100時間-1の範囲にある。フィード111中のC5炭化水素のかなりの部分は、CPD、ならびに非環式ジオレフィン、非環式モノオレフィン、シクロペンタン、シクロペンテン;水素およびC1−C4炭化水素を含む軽質成分;単環芳香族化合物;および多環芳香族化合物などの副生物に、50%〜99%の範囲のn−ペンタンの全変換率で変換される。第1の反応器113の出口では、第1の反応器の炭化水素流出物117は、500〜800℃の範囲の温度、および絶対圧で20〜700キロパスカルの範囲の全絶対圧で抜き取られる。
次に、反応器149から、CPD、他のC5炭化水素およびDCPDを含む第3の反応器の流出物151は、蒸留カラムとすることができる第3の分離装置153(SD3)にフィードされる。カラム153から、高純度DCPD下部ストリーム155、ならびにCPDおよび他のC5炭化水素157を含む上部ストリームが得られる。ストリーム155は、ストリーム155のC10炭化水素の総質量に対して、92質量%、94質量%、95質量%、またはそれを超えることさえあるなどの、少なくとも90質量%の濃度でDCPDを含むことができる。ストリーム155は、その後の蒸留カラム(図示せず)中で精製して、(1)このストリームの総質量に対して、92質量%、94質量%、95質量%、またはそれを超えることさえあるなどの、少なくとも90質量%の濃度でDCPDを含む、高純度DCPD、(2)上記(図示せず)の容器163および/または洗浄用容器123にリサイクルすることができる軽質洗浄油が豊富なストリームを得ることができる。
本発明の方法における第3のC5が豊富なフラクションである上部ストリーム157は、第3の二量化用反応器(図示せず)にフィードすることができ、ここで、この中の残存CPDは、さらなる量のDCPDに変換することができ、このDCPDは、そのように所望される場合、第4の分離装置(図示せず)中で、第3のDCPDが豊富なフラクションとして分離されて回収され得る。第3の二量化用反応器が利用される場合、第1の二量化用反応器および第2の二量化用反応器の好ましい稼働様態は、どちらも最適量で、最適品質レベルのDCPD製品を生成するよう、有利なことに調節することができる。通常、第3のDCPDが豊富なフラクションは、上記の方法で上流で生成する、第1および第2のDCPDが豊富なフラクションよりも純度が低いと思われる。
他の例に関すると、選択的水素化の前または後に、ストリーム159(および、他のC5が豊富なフラクションのストリーム)が分離されて、以下:シクロペンタン、シクロペンテン、ペンテン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエンおよび2−メチルブタジエンのうちの少なくとも1つの純粋なストリームを得ることができる。
示されていないが、ストリーム215、229および241は、それらがすべて無視できない濃度の、重質洗浄油、C7およびC8+(DCPDなど)のうちの少なくとも1つを含有することができる程度に、すべてストリーム127と一緒に、重質洗浄油除去カラム135に送られ、ここで、C5が豊富なストリーム137が得られて、第1の二量化用反応器139に送られることが企図されている。
示されていないが、ストリーム215、229および241は、それらがすべて十分に低い濃度で、重質洗浄油、C7およびC8+を含有し得る程度に、少しでも存在する場合、ストリーム137と合わされて、次に、第1の二量化用反応器139に直接、送ることができることがやはり企図されている。
非環式C5変換法の間に得られる、環式、分岐状および線状C5炭化水素を含有し、水素、C4および軽質副生物またはC6および重質副生物のいずれかの組合せを含有してもよい、第1の炭化水素反応器の流出物は、それ自体の中に価値のある製品が存在している、およびそれ自体が価値のある製品である。好ましくは、CPDおよび/またはDCPDは、反応器の流出物から分離して、精製生成物ストリームを得ることができ、これは、様々な高価値製品の生成に有用である。
99質量%以上のDCPDを含有する精製生成物ストリームは、例えば、開環メタセシス重合(ROMP)触媒を使用して、DCPDポリマーを生成するのに有用である。DCPDポリマー生成物は、物品(articles)、特に成形部品、例えば風力タービン翼および自動車部品の形成に有用である。
この例では、第1の反応器の炭化水素流出物は、軽質炭化水素を共フィードすることなく、または第1の反応器への任意の下流のC5が豊富なフラクションをリサイクルすることなく、純粋なn−ペンタンのフィードストック、1:2の水素/n−ペンタンのモル比を有する純粋な水素共フィードストックから生成した。反応器の入り口における処理温度、圧力、毎時質量空間速度および分子量は、それぞれ、475℃、62psia(絶対圧で401.9キロパスカル)、15時-1および49.01g/molである。反応器出口における温度および圧力は、それぞれ575℃および10psia(絶対圧で68.9キロパスカル)である。この反応は、第1の反応器の流出物中に、入口における全フィード原料中の分子のモル数あたりさらに1.87モルの分子を生成して、出口を出る。この1.87倍のモル数の膨張は、それぞれ、ストリーム混合物の分子量および密度を、入口において49.01g/molから出口において27.05g/molに、および入口において3.08kg/m3から出口において0.26kg/m3に低下させる効果を有する。第1の反応器の入り口から出口までの圧力低下は、約52psi(359キロパスカル)と算出される。出口の第1の反応器の流出物の組成は、以下の表Iに示されている。
第3のC5が豊富なフラクション全体が、モーガスを製造するためのモーガスブレンドとして使用され、モーガスブレンドの組成は同様に以下の表Iに提示されている。
この例では、ストリーム117中でCPDを100トン生成するために、総質量が403トンのn−ペンタンのフィード(n−ペンタンのフィードの総質量に対して、CPDの全収率が24.8質量%に相当する)が、このシステムにフィードされ、水素が総質量で13.1トン生成され、99.0質量%を超える純度レベルを有するUHP DCPDが総質量で82トンが生成され(ストリーム147)、90.0質量%を超える純度レベルを有するDCPDが総質量で11トン生成され(ストリーム155)、モーガスブレンドが総質量で238トン生成される。
反応器の入り口および出口の温度ならびに圧力は、上の例1と同一に保有する。しかし、この例では、上記の第2の二量化用反応器から生成した第3の反応器の流出物を分離することにより得られた第3のC5が豊富なフラクションの35%として生成したC5が豊富なストリームは、第1の反応器にリサイクルされ、この場合、n−ペンタンと混和した後、第1の反応器にフィードされる。水素は、1:2のH2/((イソ−C5炭化水素およびCPD)を除外するすべてのC5炭化水素)のモル比で共フィードされる。イソ−C5炭化水素からCPDまでの反応経路は、この反応条件下で速度的に阻害されることが実験により見出された。第1の反応器への全フィードの組成は、以下の表Iに示されている。
第3のC5が豊富なフラクションの残りの65%は、モーガスを製造するためにモーガスブレンドとして使用される。モーガスブレンドの組成は、同様に以下の表Iに提示されている。
同じ量のCPDを生成するために、例2(第1の反応器に第3のC5が豊富なフラクションの35%をリサイクルする)では、例1(第1の反応器にC5が豊富なフラクションのいずれもリサイクルしない)よりも23.4%少ない新しいn−ペンタンのフィードが要求される。
第1の反応器を通過するストリームのエンタルピー変化は、例1と比べて、例2では、かなり減少することをやはり示す。これは、例2では、炉の燃焼が10.9%減少したことに換算され、これは、反応器の設備のサイズ設定および燃料コストにかなり影響を及ぼし得る。第1の反応器中の吸熱反応を持続させるために要求される熱量は、一部が変換されたC5フィードストックを使用する場合、比較的少ない。
CPDを100トンを生成するため、例2は、モーガス生成に転換された物質は38.6質量%減少することを示している。さらに、速度により一層制限される異性化および芳香族化生成物は、より少ない副生成物ストリームへと濃縮されるので、例2におけるモーガスのストリームは、例1における場合よりも、わずかに高いC5+副生物のオクタン価を有することが表Iから分かり得る。
したがって、明らかなことに、C5含有ストリームの少なくとも一部をCPD反応器へリサイクルすることは有利となり得る。これは、例えば、モーガスに関するRVP規格によりブレンドされ得るC5炭化水素の量が制限されるある時期の間、一部が変換されたC5炭化水素に対する需要が減少する場合、とりわけ有益である。これにより、プラントは、共生成の量が少ない、所望のDCPD生成速度での稼働を継続することが可能となる。
シミュレーションによって得られたこの予想的例では、表II中の以下の組成を有する、モーガスブレンドおよび対応する部分水素化モーガス成分として使用される第3のC5が豊富なフラクションのモデルを得ることができる:
この例では、反応器、反応器の入り口および出口温度、フィード中のC5炭化水素(n−ペンタンのみ)のモル量、ならびに水素共フィードストックのモル量は、上の例1と同じである。しかし、C5炭化水素および水素共フィードストックに関して1:1のモル比のさらなるメタン共フィードストックもまた、第1の反応器にフィードする前に、C5炭化水素および水素と混和され、入り口の全絶対圧が約81psia(558キロパスカル、絶対圧)になる。これにより、出口の全圧力は、下流の圧縮機が大気圧超の吸引圧力を維持するのに十分なレベルとなる、20psia(137.9キロパスカル、絶対圧)まで向上し、これにより、本システムへの空気および酸素の入り込みがかなり回避される。反応に関与する化学種の分圧、および出口温度は、それぞれ、10psia(絶対圧で68.9キロパスカル)および575℃と実質的に同じままである。本発明の例における第1の反応器の入り口から出口までの圧力低下は、上の比較例における49psi(338キロパスカル、絶対圧)と比べて、61psi(420キロパスカル、絶対圧)となる。
この例では、第1の反応器の流出物は、純粋なn−ペンタンのフィードストック、1:1の水素/n−ペンタンのモル比を有する純粋な水素共フィードストックから生成した。メタンは、軽質炭化水素として共フィードされるか、または下流のC5が豊富なフラクションから4:1のメタン/n−ペンタンのモル比で、第1の反応器にリサイクルされる。反応器の入口における処理温度、圧力、毎時質量空間速度および分子量はそれぞれ、475℃、62psia(絶対圧で401.9キロパスカル)、より近い熱力学的平衡に到達するために例1より低い毎時質量空間速度、および49.01g/molである。反応器の出口における温度および圧力は、それぞれ、575℃および20psia(絶対圧で137.8キロパスカル)である。この例では、この反応システムはまた、例1とは異なる触媒システムを用いる。この反応は、第1の反応器の流出物中に、入口における全フィード原料中の分子のモル数あたりさらに1.34モルの分子を生成して、出口を出る。この1.34倍のモル数の膨張は、それぞれ、ストリーム混合物の分子量および密度を、入口において22.97g/molから出口において17.13g/molに、および入口において1.53kg/m3から出口において0.33kg/m3に低下させる効果を有する。第1の反応器の入り口から出口までの圧力低下は、約40psi(276キロパスカル)と算出される。出口の第1の反応器の流出物の組成は、以下の表IIIに示されている。
第3のC5が豊富なフラクション全体が、モーガスを製造するためのモーガスブレンドとして使用され、モーガスブレンドの組成は同様に以下の表IIIに提示されている。
シミュレーションによって得られたこの予想的例では、表IV中の以下の組成を有する、モーガスブレンドおよび対応する部分水素化モーガス成分として使用される第3のC5が豊富なフラクションモデルを得ることができる:
ZSM−5触媒組成物の合成
約20.3%の固形分を有する合成混合物は、10,000gの脱イオン(DI)水、600gの50%NaOH溶液、25gの45%アルミン酸ナトリウム溶液、730gのn−プロピルアミン(100%溶液)、80gのZSM−5の種結晶および3,190gのUltrasil PM(商標)から調製した。修飾シリカは、5ガロンのペール容器中で混合し、次に、混合後、5ガロンのオートクレーブに投入した。この合成混合物は、以下のモル組成を有した:
SiO2/Al2O3 約470
H2O/SiO2 約12.1
OH/SiO2 約0.16
Na/SiO2 約0.16
n−PA/Si 約0.25。
触媒組成物の性能評価
例7の上記の材料の性能を評価した。この触媒組成物(0.5g)を石英(1.5g、60〜80メッシュ)と物理的に混合して、反応器に搭載した。この触媒組成物をHe(100mL/分、30psiゲージ圧(207kPa)、250℃)下で1時間、乾燥し、次に、H2(200mL/分、30psiゲージ圧(207kPa)、500℃)下で1時間、還元した。次に、この触媒組成物の性能を、n−ペンタン、H2および残りはHeからなるフィードを用いて、通常、550℃〜600℃、5.0psia(35kPa−a)のC5H12、1.0モル H2:C5H12、14.7時-1のWHSVおよび30psiの全ゲージ圧(207kPa)で試験した。触媒組成物の安定性および再生成性(regenerability)の試験は、550℃〜600℃での初期試験後にH2(200mL/分、30psiゲージ圧(207kPa)、650℃)を用いて5時間、処理することによって行い、次に、600℃で性能を再試験した。
シクロペンタジエンおよび3当量の水素が、脱水素化およびn−ペンタンの環化(式1)によって生成される。これは、固体状態のPtを含有する触媒組成物の上に高温でn−ペンタンを流すことにより実現される。例7のZSM−5(414:1)/0.5%Ptの性能は、n−ペンタンの変換率、環式C5生成(cC5)、クラッキング収率および安定性に基づいて評価した。これらの結果は、表V、表VI、表VIIおよび表VIIIにまとめられている。
次に本発明の態様を示す。
1. シクロペンタジエン(CPD)および/またはジシクロペンタジエン(DCPD)を製造する方法であって、
(I)少なくとも1つの非環式C5炭化水素を含むC5フィードストックおよび少なくとも1つのC1−C4炭化水素を含む軽質炭化水素共フィードストックを第1の反応器にフィードするステップ、
(II)変換条件下で、少なくとも1つの非環式C5炭化水素を触媒と接触させて、第1の反応器の出口から、CPDおよび非環式ジオレフィンを含むC5成分;水素およびC1−C4炭化水素を含む軽質成分;単環芳香族化合物;および多環芳香族化合物を含む、第1の反応器の炭化水素流出物を得るステップ
を含み、
ステップ(I)において、
出口における第1の反応器の炭化水素流出物の全絶対圧が、P(fre)であり、
出口における第1の反応器の炭化水素流出物中のC5炭化水素の全分圧が、P(C5)であり、
出口における第1の反応器の炭化水素流出物中の水素分圧が、P(H2)であり、
[P(C5)+P(H2)]÷P(fre)≦0.90であり、
P(fre)が、絶対圧で100キロパスカル超となるよう
十分な軽質炭化水素共フィードストックが与えられる、
方法。
2. P(C5)とP(H2)の合計が、絶対圧で95キロパスカル以下であり、
P(fre)が、少なくとも絶対圧で110キロパスカルである
上記1に記載の方法。
3. P(C5)とP(H2)の合計が、絶対圧で50キロパスカル以下であり、
P(fre)が、少なくとも絶対圧で110キロパスカルである
上記1または上記2に記載の方法。
4. 軽質炭化水素共フィードストックの少なくとも一部が、第1の反応器の炭化水素流出物から、直接または間接的に回収される、上記1から上記3のいずれかに記載の方法。
5. ステップ(I)において、水素も第1の反応器に供給される、上記1から上記4のいずれかに記載の方法。
6. 水素の少なくとも一部が、第1の反応器の炭化水素流出物から、直接または間接的に回収される、上記5に記載の方法。
7. 水素および軽質炭化水素共フィードストックの少なくとも一部が、第1の反応器の炭化水素流出物から、その混合物として回収されて、次に、その混合物として、第1の反応器にリサイクルされる、上記4から上記6のいずれかに記載の方法。
8. (III)第1の反応器の炭化水素流出物を分離して、(i)軽質成分が豊富なフラクションおよび(ii)CPDを含む第1のC5が豊富なフラクションを生成するステップ
をさらに含む、上記1から7のいずれかに記載の方法。
9. (IV)軽質成分が豊富なフラクションの少なくとも一部を分離して、水素が豊富なフラクションおよび少なくとも1つのC1−C4が豊富なフラクションを得るステップ
をさらに含む、上記8に記載の方法。
10. ステップ(IV)において、水素が豊富なフラクション、メタンが豊富なフラクションおよびC2−C4が豊富なフラクションが得られる
上記9に記載の方法。
11. 水素が豊富なフラクションの第1の部分が、第1の反応器に供給され、
水素が豊富なフラクションの第2の部分が、第1の反応器とは異なる処理装置に送られ、
メタンが豊富なフラクションの第1の部分が、第1の反応器に供給され、
メタンが豊富なフラクションの第2の部分が、第1の反応器とは異なる処理装置に送られ、
C2−C4が豊富なフラクションの一部が、第1の反応器とは異なる処理装置に送られる
上記10に記載の方法。
12. (i)水素が豊富なフラクションの第2の部分、(ii)メタンが豊富なフラクションの第2の部分、および(iii)C2−C4が豊富なフラクションの第1の部分中のメタンの総モル量が、ステップ(II)において生成するメタンのモル量にほぼ等しい、
上記11に記載の方法。
13. 第1の反応器の炭化水素流出物が、どちらも第1の反応器の炭化水素流出物中のC5炭化水素の総質量に対して、C(CPD)1質量%の濃度のCPD、およびC(ADO)1質量%の全濃度の非環式ジオレフィンを含み、
C(CPD)1/C(ADO)1≧1.5である、
上記1に記載の方法。
14. 軽質炭化水素共フィードストックが、メタン、エタン、エチレンおよびそれらの混合物を含む、上記1から13のいずれかに記載の方法。
15. ステップ(I)において、水素が第1の反応器にフィードされ、第1の反応器にフィードされる水素とC5フィードストックとのモル比が、0.1〜3.0の範囲である、
上記1から14のいずれかに記載の方法。
16. C5フィードストックが、C5フィードの総質量に対して、少なくとも50質量%の飽和非環式C5炭化水素を含む、上記1から15のいずれかに記載の方法。
17. ステップ(IV)が、圧力変動吸着法、急速サイクル圧力変動吸着法、低温法、熱変動吸着法および膜分離法のうちの1つまたは複数を使用することにより、軽質成分が豊富なフラクションを分離するステップを含む、
上記9から上記16のいずれかに記載の方法。
18. (V)第1の一式の二量化条件下で稼働する第2の反応器に、第1のC5が豊富なフラクションの少なくとも一部を供給するステップ、
(VI)第2の反応器から、CPDおよびジシクロペンタジエン(DCPD)を含む第2の反応器流出物を得るステップ、および
(VII)第2の反応器の流出物の少なくとも一部を分離して、DCPDを含む第1のDCPDが豊富なフラクション、およびCPDを含む第2のC5が豊富なフラクションを得るステップ
をさらに含む、上記8から上記17のいずれかに記載の方法。
19. ステップ(III)が、以下:
(IIIa)第1の反応器の炭化水素流出物を冷却するステップ、
(IIIb)第1の反応の流出物の全圧を上昇させるステップ、
(IIIc)第1の反応器の炭化水素流出物の少なくとも一部を洗浄油により洗浄するステップ、
(IIId)第1の反応器の炭化水素流出物から軽質成分を除去するステップ、および
(IIIe)第1の反応器の炭化水素流出物からC8+成分を除去するステップ
の少なくとも1つを含む、上記8から上記18のいずれかに記載の方法。
20. ステップ(III)が、第1の反応器の炭化水素流出物を、少なくとも1つの:シクロヘキサン;モノアルキル、ジアルキルおよびトリアルキルシクロヘキサン;ベンゼン;モノアルキル、ジアルキルおよびトリアルキルベンゼン;モノアルキル、ジアルキル、トリアルキルおよびテトラアルキルナフタレン;他のアルキル化多環芳香族化合物;ならびにそれらの混合物および組合せを含む洗浄油により洗浄するステップを含む、上記8から上記19のいずれかに記載の方法。
21. ステップ(III)が、中間段階の冷却および蒸気/液体分離を含む圧縮トレインを使用して、第1の反応器の炭化水素流出物から軽質成分を除去するステップを含む、上記8から上記20のいずれかに記載の方法。
22. (VIII)第2の一式の二量化条件下で稼働する第3の反応器に、第2のC5が豊富なフラクションの少なくとも一部をフィードするステップ、
(IX)第3の反応器から、CPDおよびDCPDを含む第3の反応器の流出物を得るステップ、および
(X)第3の反応器の流出物の少なくとも一部を分離して、第2のDCPDが豊富なフラクション、およびCPDを含む第3のC5が豊富なフラクションを得るステップ
をさらに含む、上記18から上記21のいずれかに記載の方法。
23. (XI)第3の一式の二量化条件下で稼働する第4の反応器に、第3のC5が豊富なフラクションの少なくとも一部をフィードするステップ、
(XII)CPDおよびDCPDを含む第4の反応器の流出物を得るステップ、および
(XIII)第4の反応器の流出物の少なくとも一部を分離して、第3のDCPDが豊富なフラクションおよび第4のC5が豊富なフラクションを得るステップ
をさらに含む、上記22に記載の方法。
24. (XIV)第1のC5が豊富なフラクション、第2のC5が豊富なフラクション、第3のC5が豊富なフラクションおよび第4のC5が豊富なフラクションのうちの少なくとも1つの少なくとも一部を直接または間接的に、第1の反応器にリサイクルするステップ
をさらに含む、上記8から上記23のいずれかに記載の方法。
25. (XV)(i)シクロペンタンが豊富なフラクション;(ii)シクロペンテンが豊富なフラクション;(iii)1,3−ペンタジエンが豊富なフラクション;および(iv)第1のC5が豊富なフラクション、第2のC5が豊富なフラクション、第3のC5が豊富なフラクションおよび第4のC5が豊富なフラクションのうちの少なくとも1つからの2−メチル−1,3−ブタジエンフラクションのうちの少なくとも1つを得るステップ
を含む、上記21から上記24のいずれかに記載の方法。
26. シクロペンタジエン(CPD)および/またはジシクロペンタジエン(DCPD)を製造するシステムであって、
(A)少なくとも1つの非環式C5炭化水素を含むC5フィードストック、C1−C4炭化水素共フィードストックおよび任意選択の水素共フィードストックを受容するよう構成されている第1の反応器、
(B)変換条件下で、非環式C5炭化水素の変換を触媒して、CPDおよび非環式ジオレフィンを含むC5成分;水素およびC1−C4炭化水素を含む軽質成分;単環芳香族化合物;および多環芳香族化合物を含む第1の反応器の炭化水素流出物を生成することができる、第1の反応器内に搭載されている触媒、
(C)第1の反応器の炭化水素流出物の少なくとも一部を受容するように、かつ(i)CPDを含み、水素およびC1−C4炭化水素が低減した第1のC5が豊富なフラクション、ならびに(ii)水素およびC1−C4炭化水素を含む軽質成分が豊富なフラクションを生成するように構成されている第1の反応器と流体連通している第1の分離サブシステム、
(K)軽質成分が豊富なフラクションの少なくとも一部を分離して、
(i)水素が豊富なフラクション、
(ii)メタンが豊富なフラクション、および
(iii)水素が低減されているC2−C4が豊富なフラクション
のうちの少なくとも1つを生成するよう構成されている、軽質成分が豊富なフラクションの分離サブシステム、ならびに
(L)(K)からメタンが豊富なフラクションが生成される場合、その少なくとも一部を第1の反応器にリサイクルするよう構成されているC1−C4リサイクル用チャネルを含み、さらに(K)から水素が豊富なフラクションが生成される場合、その少なくとも一部を第1の反応器にリサイクルするよう構成されている水素リサイクル用チャネルを含んでもよい、システム。
27. 上記1から25のいずれか1項に記載の方法により生成される生成物に由来する物品。
28. 物品が、生成物と二重結合含有基質とのディールス−アルダー反応に由来する物質に由来する、上記27に記載の物品。
29. 物品が、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロペンテン、シクロペンタン、ペンテン、ペンタジエン、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、置換ノルボルネン、シクロペンタジエンのディールス−アルダー反応の誘導体、環式オレフィンコポリマー、環式オレフィンポリマー、ポリシクロペンテン、不飽和ポリエステル樹脂、炭化水素樹脂粘着付与剤、調合エポキシ樹脂、ポリジシクロペンタジエン、ノルボルネンまたは置換ノルボルネンまたはジシクロペンタジエンのメタセシスポリマーまたはそれらの任意の組合せ、風力タービン翼、ガラスまたは炭素繊維含有コンポジット、調合接着剤、エチリデンノルボルネン、EPDMゴム、アルコール、可塑剤、発泡剤、溶媒、オクタン価向上剤、ガソリン、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される製品である、上記27に記載の物品。
Claims (29)
- シクロペンタジエン(CPD)および/またはジシクロペンタジエン(DCPD)を製造する方法であって、
(I)少なくとも1つの非環式C5炭化水素を含むC5フィードストックおよび少なくとも1つのC1−C4炭化水素を含む軽質炭化水素共フィードストックを第1の反応器にフィードするステップ、
(II)変換条件下で、少なくとも1つの非環式C5炭化水素を触媒と接触させて、第1の反応器の出口から、CPDおよび非環式ジオレフィンを含むC5成分;水素およびC1−C4炭化水素を含む軽質成分;単環芳香族化合物;および多環芳香族化合物を含む、第1の反応器の炭化水素流出物を得るステップ
を含み、
ステップ(I)において、
出口における第1の反応器の炭化水素流出物の全絶対圧が、P(fre)であり、
出口における第1の反応器の炭化水素流出物中のC5炭化水素の全分圧が、P(C5)であり、
出口における第1の反応器の炭化水素流出物中の水素分圧が、P(H2)であり、
[P(C5)+P(H2)]÷P(fre)≦0.90であり、
P(fre)が、絶対圧で100キロパスカル超となるよう
十分な軽質炭化水素共フィードストックが与えられる、
方法。 - P(C5)とP(H2)の合計が、絶対圧で95キロパスカル以下であり、
P(fre)が、少なくとも絶対圧で110キロパスカルである
請求項1に記載の方法。 - P(C5)とP(H2)の合計が、絶対圧で50キロパスカル以下であり、
P(fre)が、少なくとも絶対圧で110キロパスカルである
請求項1または請求項2に記載の方法。 - 軽質炭化水素共フィードストックの少なくとも一部が、第1の反応器の炭化水素流出物から、直接または間接的に回収される、請求項1から請求項3のいずれかに記載の方法。
- ステップ(I)において、水素も第1の反応器に供給される、請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
- 水素の少なくとも一部が、第1の反応器の炭化水素流出物から、直接または間接的に回収される、請求項5に記載の方法。
- 水素および軽質炭化水素共フィードストックの少なくとも一部が、第1の反応器の炭化水素流出物から、その混合物として回収されて、次に、その混合物として、第1の反応器にリサイクルされる、請求項4から請求項6のいずれかに記載の方法。
- (III)第1の反応器の炭化水素流出物を分離して、(i)軽質成分が豊富なフラクションおよび(ii)CPDを含む第1のC5が豊富なフラクションを生成するステップ
をさらに含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。 - (IV)軽質成分が豊富なフラクションの少なくとも一部を分離して、水素が豊富なフラクションおよび少なくとも1つのC1−C4が豊富なフラクションを得るステップ
をさらに含む、請求項8に記載の方法。 - ステップ(IV)において、水素が豊富なフラクション、メタンが豊富なフラクションおよびC2−C4が豊富なフラクションが得られる
請求項9に記載の方法。 - 水素が豊富なフラクションの第1の部分が、第1の反応器に供給され、
水素が豊富なフラクションの第2の部分が、第1の反応器とは異なる処理装置に送られ、
メタンが豊富なフラクションの第1の部分が、第1の反応器に供給され、
メタンが豊富なフラクションの第2の部分が、第1の反応器とは異なる処理装置に送られ、
C2−C4が豊富なフラクションの一部が、第1の反応器とは異なる処理装置に送られる
請求項10に記載の方法。 - (i)水素が豊富なフラクションの第2の部分、(ii)メタンが豊富なフラクションの第2の部分、および(iii)C2−C4が豊富なフラクションの第1の部分中のメタンの総モル量が、ステップ(II)において生成するメタンのモル量にほぼ等しい、
請求項11に記載の方法。 - 第1の反応器の炭化水素流出物が、どちらも第1の反応器の炭化水素流出物中のC5炭化水素の総質量に対して、C(CPD)1質量%の濃度のCPD、およびC(ADO)1質量%の全濃度の非環式ジオレフィンを含み、
C(CPD)1/C(ADO)1≧1.5である、
請求項1に記載の方法。 - 軽質炭化水素共フィードストックが、メタン、エタン、エチレンおよびそれらの混合物を含む、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
- ステップ(I)において、水素が第1の反応器にフィードされ、第1の反応器にフィードされる水素とC5フィードストックとのモル比が、0.1〜3.0の範囲である、
請求項1から14のいずれかに記載の方法。 - C5フィードストックが、C5フィードの総質量に対して、少なくとも50質量%の飽和非環式C5炭化水素を含む、請求項1から15のいずれかに記載の方法。
- ステップ(IV)が、圧力変動吸着法、急速サイクル圧力変動吸着法、低温法、熱変動吸着法および膜分離法のうちの1つまたは複数を使用することにより、軽質成分が豊富なフラクションを分離するステップを含む、
請求項9から請求項16のいずれかに記載の方法。 - (V)第1の一式の二量化条件下で稼働する第2の反応器に、第1のC5が豊富なフラクションの少なくとも一部を供給するステップ、
(VI)第2の反応器から、CPDおよびジシクロペンタジエン(DCPD)を含む第2の反応器流出物を得るステップ、および
(VII)第2の反応器の流出物の少なくとも一部を分離して、DCPDを含む第1のDCPDが豊富なフラクション、およびCPDを含む第2のC5が豊富なフラクションを得るステップ
をさらに含む、請求項8から請求項17のいずれかに記載の方法。 - ステップ(III)が、以下:
(IIIa)第1の反応器の炭化水素流出物を冷却するステップ、
(IIIb)第1の反応の流出物の全圧を上昇させるステップ、
(IIIc)第1の反応器の炭化水素流出物の少なくとも一部を洗浄油により洗浄するステップ、
(IIId)第1の反応器の炭化水素流出物から軽質成分を除去するステップ、および
(IIIe)第1の反応器の炭化水素流出物からC8+成分を除去するステップ
の少なくとも1つを含む、請求項8から請求項18のいずれかに記載の方法。 - ステップ(III)が、第1の反応器の炭化水素流出物を、少なくとも1つの:シクロヘキサン;モノアルキル、ジアルキルおよびトリアルキルシクロヘキサン;ベンゼン;モノアルキル、ジアルキルおよびトリアルキルベンゼン;モノアルキル、ジアルキル、トリアルキルおよびテトラアルキルナフタレン;他のアルキル化多環芳香族化合物;ならびにそれらの混合物および組合せを含む洗浄油により洗浄するステップを含む、請求項8から請求項19のいずれかに記載の方法。
- ステップ(III)が、中間段階の冷却および蒸気/液体分離を含む圧縮トレインを使用して、第1の反応器の炭化水素流出物から軽質成分を除去するステップを含む、請求項8から請求項20のいずれかに記載の方法。
- (VIII)第2の一式の二量化条件下で稼働する第3の反応器に、第2のC5が豊富なフラクションの少なくとも一部をフィードするステップ、
(IX)第3の反応器から、CPDおよびDCPDを含む第3の反応器の流出物を得るステップ、および
(X)第3の反応器の流出物の少なくとも一部を分離して、第2のDCPDが豊富なフラクション、およびCPDを含む第3のC5が豊富なフラクションを得るステップ
をさらに含む、請求項18から請求項21のいずれかに記載の方法。 - (XI)第3の一式の二量化条件下で稼働する第4の反応器に、第3のC5が豊富なフラクションの少なくとも一部をフィードするステップ、
(XII)CPDおよびDCPDを含む第4の反応器の流出物を得るステップ、および
(XIII)第4の反応器の流出物の少なくとも一部を分離して、第3のDCPDが豊富なフラクションおよび第4のC5が豊富なフラクションを得るステップ
をさらに含む、請求項22に記載の方法。 - (XIV)第1のC5が豊富なフラクション、第2のC5が豊富なフラクション、第3のC5が豊富なフラクションおよび第4のC5が豊富なフラクションのうちの少なくとも1つの少なくとも一部を直接または間接的に、第1の反応器にリサイクルするステップ
をさらに含む、請求項8から請求項23のいずれかに記載の方法。 - (XV)(i)シクロペンタンが豊富なフラクション;(ii)シクロペンテンが豊富なフラクション;(iii)1,3−ペンタジエンが豊富なフラクション;および(iv)第1のC5が豊富なフラクション、第2のC5が豊富なフラクション、第3のC5が豊富なフラクションおよび第4のC5が豊富なフラクションのうちの少なくとも1つからの2−メチル−1,3−ブタジエンフラクションのうちの少なくとも1つを得るステップ
を含む、請求項21から請求項24のいずれかに記載の方法。 - シクロペンタジエン(CPD)および/またはジシクロペンタジエン(DCPD)を製造するシステムであって、
(A)少なくとも1つの非環式C5炭化水素を含むC5フィードストック、C1−C4炭化水素共フィードストックおよび任意選択の水素共フィードストックを受容するよう構成されている第1の反応器、
(B)変換条件下で、非環式C5炭化水素の変換を触媒して、CPDおよび非環式ジオレフィンを含むC5成分;水素およびC1−C4炭化水素を含む軽質成分;単環芳香族化合物;および多環芳香族化合物を含む第1の反応器の炭化水素流出物を生成することができる、第1の反応器内に搭載されている触媒、
(C)第1の反応器の炭化水素流出物の少なくとも一部を受容するように、かつ(i)CPDを含み、水素およびC1−C4炭化水素が低減した第1のC5が豊富なフラクション、ならびに(ii)水素およびC1−C4炭化水素を含む軽質成分が豊富なフラクションを生成するように構成されている第1の反応器と流体連通している第1の分離サブシステム、
(K)軽質成分が豊富なフラクションの少なくとも一部を分離して、
(i)水素が豊富なフラクション、
(ii)メタンが豊富なフラクション、および
(iii)水素が低減されているC2−C4が豊富なフラクション
のうちの少なくとも1つを生成するよう構成されている、軽質成分が豊富なフラクションの分離サブシステム、ならびに
(L)(K)からメタンが豊富なフラクションが生成される場合、その少なくとも一部を第1の反応器にリサイクルするよう構成されているC1−C4リサイクル用チャネルを含み、さらに(K)から水素が豊富なフラクションが生成される場合、その少なくとも一部を第1の反応器にリサイクルするよう構成されている水素リサイクル用チャネルを含んでもよい、システム。 - 請求項1から25のいずれか1項に記載の方法により生成される生成物に由来する物品。
- 物品が、生成物と二重結合含有基質とのディールス−アルダー反応に由来する物質に由来する、請求項27に記載の物品。
- 物品が、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロペンテン、シクロペンタン、ペンテン、ペンタジエン、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、置換ノルボルネン、シクロペンタジエンのディールス−アルダー反応の誘導体、環式オレフィンコポリマー、環式オレフィンポリマー、ポリシクロペンテン、不飽和ポリエステル樹脂、炭化水素樹脂粘着付与剤、調合エポキシ樹脂、ポリジシクロペンタジエン、ノルボルネンまたは置換ノルボルネンまたはジシクロペンタジエンのメタセシスポリマーまたはそれらの任意の組合せ、風力タービン翼、ガラスまたは炭素繊維含有コンポジット、調合接着剤、エチリデンノルボルネン、EPDMゴム、アルコール、可塑剤、発泡剤、溶媒、オクタン価向上剤、ガソリン、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される製品である、請求項27に記載の物品。
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