JP2001247490A - ジシクロペンタジエンの製造方法 - Google Patents

ジシクロペンタジエンの製造方法

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JP2001247490A JP2000058523A JP2000058523A JP2001247490A JP 2001247490 A JP2001247490 A JP 2001247490A JP 2000058523 A JP2000058523 A JP 2000058523A JP 2000058523 A JP2000058523 A JP 2000058523A JP 2001247490 A JP2001247490 A JP 2001247490A
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Fuyuki Aida
冬樹 相田
Yasuo Matsumura
泰男 松村
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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    • C07C2/50Diels-Alder conversion
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2603/00Systems containing at least three condensed rings
    • C07C2603/56Ring systems containing bridged rings
    • C07C2603/58Ring systems containing bridged rings containing three rings
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    • C07C2603/66Ring systems containing bridged rings containing three rings containing at least one ring with less than six members containing five-membered rings
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エキソ体含量の少ないDCPDを、より高い
収率で選択的にCPDから製造する方法を提供する。 【解決手段】 シクロペンタジエンを40〜250℃に
おいて無機固体酸と接触させることにより、エンド体お
よびエキソ体の合計量に対しエキソ体含量が50%未満
のジシクロペンタジエンを製造すること特徴とする、エ
キソ体の少ないジシクロペンタジエンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はジシクロペンタジエ
ン(以下、「DCPD」ということがある)の製造方法
に関するものであり、より詳しくは、シクロペンタジエ
ンを無機固体酸に接触させることにより、エキソ体含量
の少ないジシクロペンタジエンを製造する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】シクロペンタジエン(以下、「CPD」
ということがある)を原料とする反応は、工業的にかな
り多く用いられている。たとえば、合成ゴムとしてのE
PDMの原料の一つであるEBH(エチリデンビシクロ
ヘプテン)は、CPDとブタジエンとのディールス−ア
ルダー反応により製造し、また光学樹脂原料であるTC
D(テトラシクロドデセン)は、CPDとノルボルネン
とのディールス−アルダー反応により製造する。そのほ
か、同様に光学樹脂原料としても用いられる前記ノルボ
ルネンは、CPDとエチレンとのディールス−アルダー
反応により製造する。
【0003】このように近年需要の増大している化学原
料としてのCPDは、DCPDの熱分解によって製造さ
れることが多い。たとえば前記EBHやTCD等を製造
する際に、製造プラントへDCPDを供給し、これを製
造プラント内で反応前にまたは反応と同時に熱分解しC
PDとして目的の反応に供するなど、直接DCPDを原
料とし、その熱分解によるCPDを利用することが多
い。DCPDには下記式に示すような2種の異性体が存
在する。これらは沸点が近似しているので単なる蒸留等
で分離することは不可能であり、両異性体が共存する場
合は、DCPDとして通常これら2種の混合物を利用す
る。
【化1】 この中で、exo-DCPD(エキソ体)は、endo-DCP
D(エンド体)よりも熱分解温度が高いことが知られて
おり、DCPDの熱分解によりCPDを製造する場合に
はより低い温度で分解を行うことが有利であることか
ら、エキソ体含量の少ないDCPDが望ましい。
【0004】上記のように化学原料としてのCPDを得
るために用いる高純度のDCPDの製造においては、工
業的な観点から、エチレン、プロピレン等の低級オレフ
ィンを製造するためにナフサ、ブタン等の石油系炭化水
素を熱分解または接触分解する工程において生ずる副生
油留分中のCPDを利用することが多い。上記副生油留
分は、現実にはCPD以外に多くのオレフィン、ジオレ
フィン等を含むものであり、これらのオレフィンはCP
Dと同様に熱反応を起こし易く、その反応生成物はDC
PDと同一の、または近似の炭素数を有する化合物とし
てDCPD中に混入するため、蒸留などの簡便な分離手
段によって高純度のDCPDを得ることが困難になる。
しかしながら、このようなCPDを利用する場合におい
ても、純度の高いDCPDを選択的に製造することが強
く要望されている。そのほか、CPDからDCPDを製
造する際には、反応温度により決まる平衡値よりも高い
収率でDCPDを得たいという要求が当然生じてくる。
なお、米国特許第4,384,153号明細書、同第4,
665,247号明細書等には、ブタジエンを環化およ
び二量化しビニルシクロヘキセンを製造する方法とし
て、無機固体酸触媒を用いる技術が開示されているが、
CDPからDCPDを製造する際に無機固体酸触媒を用
いる例は未だ報告されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、エキ
ソ体含量の少ないDCPDを、より高い収率で選択的に
CPDから製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、無機固体
酸を触媒として用いることにより、エキソ体含量の少な
いDCPDをより高い収率で選択的にCPDから製造す
ることが可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、シクロペンタジエンを40〜250
℃において無機固体酸と接触させることにより、エンド
体およびエキソ体の合計量に対しエキソ体含量が50%
未満のジシクロペンタジエンを製造することを特徴とす
る、エキソ体の少ないジシクロペンタジエンの製造方法
に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の原料であるCPDとしては、いかなる製法によ
って得たものも使用することができる。前記のように、
石油系炭化水素の分解により得られる副生油留分中のC
PDが安価な点で好ましい。この副生油留分は通常蒸留
により炭素数に応じて、C留分、C留分、C
分、C留分、C〜C留分、C10〜C13留分、
14〜C18留分などに分離される。CPDを含んで
いるものであれば、これらのいずれの留分も原料とする
ことができる。CPD濃度が高いほど反応性が良好であ
ることから、炭化水素分解生成物を使用する場合にはC
留分を用いることが好ましい。
【0008】上記C留分には、主な成分としてシクロ
ペンタジエンの他、イソプレン、ピペリレン、ノルマル
ペンテン、イソペンテン、シクロペンテン等のCジオ
レフィンおよびCモノオレフィンが含まれている。そ
のほかペンタンやイソペンタン、シクロペンタン等の飽
和化合物が含まれている。少量ではあるが炭素数4の炭
化水素や炭素数6の炭化水素も含まれ、また、一旦留出
したシクロペンタジエンが貯蔵中に二量体化したジシク
ロペンタジエンが含まれることも多い。本発明の方法で
は、選択的にCPDを二量体化することが可能であるの
で、上記副生油留分をそのまま、あるいは適宜にさらに
蒸留等によりカットした留分等を原料として用いる場合
においても、高収率でしかも高純度のDCPDを得るこ
とができる。
【0009】本発明において使用することができる無機
固体酸とは、活性白土、酸性白土、フォージャサイト、
シリカ、アルミナ、シリカアルミナなどに代表される無
定形金属酸化物固体酸、モルデナイトやZSMシリーズ
に代表される結晶性アルミノシリケートなどである。よ
り具体的には、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、US
Y型ゼオライト、L型ゼオライト、ベータ型ゼオライ
ト、モルデナイト、ならびにモービルオイル社が開発販
売しているZSM−5(商品名、米国特許第3,702,
886号明細書)、ZSM−11(商品名、米国特許第
3,709,979号明細書)およびZSM−12(商品
名、米国特許第3,832,449号明細書)等が好まし
い。これらの結晶性アルミノシリケートはプロトン、リ
チウム、ナトリウム、カリウム、多価陽イオン等とイオ
ン交換させたものでもよい。また水熱処理や塩酸処理等
により脱アルミニウムを行ったものでもよい。結晶性ア
ルミノシリケートのように細孔を有し、その内部に反応
の活性点を有する触媒などの場合には、細孔構造として
酸素環員数10以上の環により構成されているものが好
ましい。
【0010】生成物中のエキソ体含量をより少なくする
ためには、酸性度の低い無機固体酸や、1価あるいは多
価の金属陽イオン、たとえばリチウム、ナトリウム、カ
リウムなどにより置換したゼオライトを使用することが
好ましい。なお、エキソ体は、前記のように熱分解温度
は高いが、融点は低い。従って、無機固体酸として酸性
度の高いものを使用し、エキソ体含量はある程度増加さ
せることにより、混合物としてのDCPDの融点を降下
させることもできる。
【0011】本発明の反応においては加熱することが必
須であり、具体的な反応温度は40〜250℃であり、
好ましくは45〜150℃、より好ましくは50〜12
0℃である。40℃未満の温度ではDCPDの生成速度
が遅く、また250℃を越えるとエキソ体が多くなると
共に、重質物の副生などの副反応の割合が多くなるため
好ましくない。たとえば、反応温度が0℃付近では、無
機固体酸の有無にかかわらず、ほとんどDCPDの生成
反応は進行しない。
【0012】本発明の反応は、バッチ式あるいは連続式
のいずれによっても行うことができる。また反応器の形
式としては、流動床式および固定床式のいずれでもよい
が、反応液と触媒との分離を要しない固定床式が好まし
い。工業的な生産を考慮すると、固定床流通式が好まし
い。ポンプなどにより、原料を連続的に所定の温度に制
御した触媒層に送入する、いわゆるピストンフロー型反
応器が特に好ましい。いずれの場合も触媒との接触時間
は1秒〜96時間の範囲で任意に選ばれる。このような
条件で無機個体酸触媒と接触させることにより、CPD
をDCPDに変換することができる。本発明の目的物で
あるDCPDは、前記のようにエンド体とエキソ体の混
合物として得られるが、エキソ体の含量は少なく、たと
えばエキソ体が50質量%未満(DCPDの全量に対し
て)、好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは1
0質量%以下のDCPDが得られる。
【0013】反応後の精製にはいかなる方法も用いるこ
とができるが、工業的には蒸留法が好ましい。前記副生
油留分を反応原料とした場合においても、蒸留により高
純度のDCPDを得ることができる。蒸留塔の本数は、
たとえば1本または2本である。1本の場合には、塔頂
よりCPDおよび塔底よりDCPDを取り出す方法、ま
たは塔頂よりCPD、中間よりDCPDおよび塔底より
重質物を取り出す方法が挙げられる。蒸留塔を2本用い
る場合には、第1塔の塔頂よりCPDおよび第2塔の塔
頂よりDCPDを取り出す方法が挙げられる。
【0014】また、特に前述の副生油のうちC留分を
使用する場合には、沸点の低いものから順に未反応C
留分;イソプレンやピペリレンに由来するイソプロペニ
ルノルボルネン、プロペニルノルボルネンなどのDCP
Dライト成分;エキソDCPD、エンドDCPD;メチ
ルテトラヒドロインデン;メチルCPDに由来するメチ
ルDCPD;さらには場合により重質分が生成する。こ
の場合も生成物の精製には蒸留法が好ましく、蒸留塔は
1本あるいはそれ以上を用いる。1本の場合には塔頂よ
り未反応C留分、蒸留塔中間より精製DCPDおよび
塔底より重質物を抜き出す。
【0015】上記において蒸留塔を2本用いる場合に
は、第1塔塔頂より未反応C留分を留出させ、塔底よ
りDCPDライト成分以上の高沸点成分を抜き出し第2
塔に導く。第2塔では塔頂よりDCPDライト成分およ
びそれよりも沸点の低い成分を抜き出し、蒸留塔中間よ
り精製DCPDを、塔底よりDCPD重質分およびそれ
よりも沸点の高い成分を抜き出す。
【0016】また、蒸留塔を3本用いる場合には、第1
塔塔頂より未反応C留分を留出させ、塔底よりDCP
Dライト成分以上の高沸点成分を抜き出し第2塔に導
く。第2塔では塔頂よりDCPDライト成分およびそれ
よりも沸点の低い成分を抜き出し、塔底よりDCPD、
DCPD重質分およびそれよりも沸点の高いものを抜き
出し第3塔に導く。第3塔では塔頂より精製DCPDを
抜き出し、塔底よりDCPD重質分およびそれよりも沸
点の高いものを抜き出す。
【0017】いずれの蒸留塔においても、高温ではDC
PDからCPDへの分解が起こるので、温度は200℃
以下、好ましくは180℃以下、より好ましくは160
℃以下に保持することが肝要である。そのためDCPD
を処理する各蒸留塔においては常圧以下に保つこと、す
なわち減圧蒸留を行うことが好ましい。本発明の方法に
よれば、CPD以外の多くのジオレフィン、モノオレフ
ィン等が共存する副生油留分を原料として用いても、選
択的にDCPDが得られるために、蒸留という簡便な分
離手段により高純度のDCPDを得ることができる。ま
た酸化防止剤などの添加剤を反応、その後の蒸留および
保存等の各工程において加えることができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明の方法をさらに詳
しく説明する。 <実施例1>ナフサの熱分解で得たペンタン留分(組
成:CPD19%、ピペリレン8%、イソプレン17
%、ペンタン37%、ペンテン9%、メチルCPD0.
1%、その他9.9%)700mlとトルエン300m
lを0℃において混合し、反応原料とした。なお別途の
試験において、0℃では実験中の原料組成に実質的に変
化がないことを確認している。別にシリカ(商品名:N
602A、日揮化学(株)製)を粉砕し、粒径0.7〜1.
0mmφを採取し、6mmφの銅チューブに内容積が2
0mlになるように充填した。先に調製した反応原料
を、80℃のオイルバスで温度調整した触媒反応層に、
液送ポンプを使用してLHSV=1で連続的に導入し
た。反応液を氷冷したレシーバーに連続的に受け、ガス
クロマトグラフィーにより分析を行った。CPD転化率
は12%であり、エンドDCPDとエキソDCPDとの
合計に対するエキソDCPDの含有割合は0.9%であ
った。また蒸留によりイソプロペニルノルボルネン、プ
ロペニルノルボルネン、エキソDCPD、エンドDCP
D、メチルテトラヒドロインデン、メチルDCPDを主
とする留分を分留したところ、上記留分中のエンドDC
PDおよびエキソDCPDの含有量は94.8%であっ
た。
【0019】<実施例2>シリカの代わりに同一粒径の
ゼオライト(Si/Al=90、H型;商品名:H−M
FI90、日産ズートヘミー(株)製)を使用すること以
外は実施例1と同様に実験を行った。CPD転化率は5
5%であり、DCPD中のエキソ体の含量は7.1%で
あった。また実施例1と同様の蒸留条件で蒸留によりイ
ソプロペニルノルボルネン、プロペニルノルボルネン、
エキソDCPD、エンドDCPD、メチルテトラヒドロ
インデン、メチルDCPDを主とする留分を分留したと
ころ、上記留分中のエンドDCPDおよびエキソDCP
Dの含有量は91.2%であった。
【0020】<比較例1>シリカの代わりに粒径が0.
7〜1.0mmφのガラスビーズを使用すること以外は
実施例1と同様に実験を行った。CPD転化率は4%で
あり、DCPD中のエキソ体含量は1.4%であった。
また実施例1と同様の蒸留条件で蒸留によりイソプロペ
ニルノルボルネン、プロペニルノルボルネン、エキソD
CPD、エンドDCPD、メチルテトラヒドロインデ
ン、メチルDCPDを主とする留分を分留したところ、
上記留分中のエンドDCPDおよびエキソDCPDの含
有量は94.6%であった。
【0021】
【発明の効果】本発明の方法によれば、CPDと無機固
体酸とを接触させることにより、効率よくエキソ体の少
ないDCPDを選択的に得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロペンタジエンを40〜250℃に
    おいて無機固体酸と接触させることにより、エンド体お
    よびエキソ体の合計量に対しエキソ体含量が50%未満
    のジシクロペンタジエンを製造すること特徴とする、エ
    キソ体の少ないジシクロペンタジエンの製造方法。
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