本発明の化合物は、一般式(I)の化合物およびそれの塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物、ならびに一般式(I)によって包含される下記で記載の式の化合物およびそれの塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩、ならびに式(I)によって包含され、例示的実施形態として下記で言及される化合物およびそれの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物であり、ここで、式(I)によって包含され、下記で言及される化合物は、まだ塩、溶媒和物、および塩の溶媒和物ではない。
本発明による化合物は、それらの構造によっては、立体異性体型(エナンチオマー、ジアステレオマー)で存在する。従って本発明は、エナンチマーまたはジアステレオマーおよびそれの個々の混合物に関するものである。立体異性体的に純粋な構成成分は、そのようなエナンチオマーおよび/またはジアステレオマー混合物から、公知の方法で単離できる。
本発明の化合物が互変異体形態であることができる場合、本発明は、全ての互変異体形態を包含する。
さらに、本発明の化合物は、遊離形態、例えば、遊離の塩基または遊離の酸として、または両性イオンとして存在できるか、または塩の形態で存在できる。当該塩は、あらゆる塩、無機もしくは有機酸付加塩、特には薬学で通常使用される生理的に許容される有機もしくは無機付加塩であることができる。
本発明に関して好ましい塩は、本発明の化合物の生理的に許容される塩である。しかしながら、自体は医薬用途に適さないが、例えば、本発明による化合物の単離または精製に使用可能な塩も含まれる。
「生理的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物の比較的無毒性の無機もしくは有機酸付加塩を指し、例えば、S. M. Berge, et al. ″Physiologically acceptable Salts,″ J. Pharm. Sci. 1977, 66, 1−19を参照する。
本発明による化合物の生理的に許容される塩は、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸との酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、重硫酸、リン酸、シュウ酸の塩、または有機酸、例えば、ギ酸、酢酸、アセト酢酸、ピルビン酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、安息香酸、サリチル酸、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸、樟脳酸、桂皮酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、パモ酸、ペクチン酸、過硫酸、3−フェニルプルピオン酸、ピクリン酸、ピバリン酸、2−ヒドロキシエタン硫酸、イタコン酸、スルファミン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、2−ナフタリンスルホン酸、2−ナフタリンジスルホン酸、カンファースルホン酸、クエン酸、酒石酸、ステアリン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸、アルギン酸、マレイン酸、フマル酸、D−グルコン酸、マンデル酸、アスコルビン酸、グルコヘプタン酸、グリセロリン酸、アスパラギン酸、スルホサリチル酸、ヘミスルホン酸もしくはチオシアン酸との塩を包含する。
本発明による化合物の生理的に許容される塩には、従来の塩基の塩、例としておよび好ましくは、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムおよびマグネシウム塩)およびアンモニアまたは1から16個の炭素原子を有する有機アミン、例としておよび好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リシン、エチレンジアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルグルカミン、ジメチルグルカミン、エチルグルカミン、1,6−ヘキサジアミン、グルコサミン、サルコシン、セリノール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、アミノプロパンジオール、Sovak塩基および1−アミノ−2,3,4−ブタントリオールから誘導されるアンモニウム塩も含まれる。さらに、本発明による化合物は、例えば、塩基性窒素含有基の、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、プロピルおよびブチルなどの低級ハロゲン化アルキル、硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミルなどの硫酸ジアルキル、塩化、臭化およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチルもしくはステアリルなどの長鎖ハライド、臭化ベンジルおよびフェネチルなどのハロゲン化アラルキルなどの作用剤による四級化によって得ることができる四級アンモニウムインとの塩を形成することができる。好適な四級アンモニウムイオンの例には、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ(n−プロピル)アンモニウム、テトラ(n−ブチル)アンモニウムまたはN−ベンジル−N,N,N−トリメチルアンモニウムがある。
本発明は、単独の塩として、または任意の比率の前記塩の混合物として、本発明の化合物の全ての可能な塩を含む。
溶媒和物とは、固体または液体状態での配位による溶媒分子との錯体を形成している本発明による化合物の形態について本発明に関して使用される用語である。水和物とは、配位が水で起こる溶媒和物の特別な形態である。水和物が、本発明の範囲内での溶媒和物として好ましい。
本発明は、全ての好適な本発明の化合物の同位体型を含む。本発明の化合物の同位体型は、少なくとも1個の原子が、同一の原子番号を有するが天然で通常または支配的に認められる原子質量とは異なる原子質量を有する原子によって置き換わっている化合物と定義される。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の同位体、例えばそれぞれ2H(重水素)、3H(三重水素)、13C、14C、15N、17O、18O、32P、33P、33S、34S、35S、36S、18F、36Cl、82Br、123I、124I、129Iおよび131Iなどがある。本発明の化合物のある種の同位体型、例えば3Hまたは14Cなどの1以上の放射活性同位体が組み込まれたものは、医薬および/または基質の組織分布試験に有用である。トリチウム化した同位体および炭素−14、すなわち14C同位体が、製造および検出が容易であることから特に好ましい。さらに、重水素などの同位体による置換によって、より大きな代謝安定性によって得られる一定の治療上の利点、例えばイン・ビボ半減期の延長または必要な用量の低減を得ることができることから、一部環境においては好ましいものであり得る。本発明の化合物の同位体型は、当業者に公知の従来の手順、例えば、例示の方法、または好適な試薬の適切な同位体型を用いる以下に記載の実施例に記載の製造によって製造することができる。
さらに、本発明は、本発明による化合物のプロドラッグも包含する。「プロドラッグ」という用語は、自体は生理的に活性であっても不活性であっても良いが、体内での滞留時間中に(例えば、代謝または加水分解により)、本発明の化合物に変換される化合物を包含するものである。
さらに、本発明は、本発明の化合物の全ての可能な結晶型、または単一の多形体として、もしくはいずれかの比率での複数多形体の混合物としての多形体を含むものである。
従って本発明は、単一の塩、多形体、代謝物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ(例えば、エステル)もしくはジアステレオマー型としての、またはいずれかの比率での複数の塩、多形体、代謝物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ(例えば、エステル)もしくはジアステレオマー型の混合物としての、本発明の化合物の全ての可能な塩、多形体、代謝物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ(例えば、エステル)およびジアステレオマー型を含むものである。
本発明に関して、置換基は、別段の記載がない限り、以下の意味を有する。
「ハロゲン」、「ハロゲン原子」または「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素、特に臭素、塩素またはフッ素、好ましくは塩素またはフッ素、より好ましくはフッ素を表す。
「アルキル−」という用語は、具体的に示された炭素原子数、例えばC1−C10、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝アルキル基、例えば、メチル−、エチル−、n−プロピル−、イソプロピル−、n−ブチル−、イソブチル−、sec−ブチル−、tert−ブチル−、ペンチル−、イソペンチル−、ヘキシル−、ヘプチル−、オクチル−、ノニル−、デシル−、2−メチルブチル−、1−メチルブチル−、1−エチルプロピル−、1,2−ジメチルプロピル−、neo−ペンチル−、1,1−ジメチルプロピル−、4−メチルペンチル−、3−メチルペンチル−、2−メチルペンチル−、1−メチルペンチル−、2−エチルブチル−、1−エチルブチル−、3,3−ジメチルブチル−、2,2−ジメチルブチル−、1,1−ジメチルブチル−、2,3−ジメチルブチル−、1,3−ジメチルブチル−、または1,2−ジメチルブチル−を表す。炭素原子の数が具体的に示されていない場合には、「アルキル−」という用語は、基本的に1から9、特に1から6、好ましくは1から4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝アルキル基を表す。特に、当該アルキル基は、1、2、3、4、5または6個の炭素原子(「C1−C6−アルキル−」)を有し、例えば、メチル−、エチル−、n−プロピル−、イソプロピル−、n−ブチル−、tert−ブチル−、ペンチル−、イソペンチル−、ヘキシル−、2−メチルブチル−、1−メチルブチル−、1−エチルプロピル−、1,2−ジメチルプロピル−、neo−ペンチル−、1,1−ジメチルプロピル−、4−メチルペンチル−、3−メチルペンチル−、2−メチルペンチル−、1−メチルペンチル−、2−エチルブチル−、1−エチルブチル−、3,3−ジメチルブチル−、2,2−ジメチルブチル−、1,1−ジメチルブチル−、2,3−ジメチルブチル−、1,3−ジメチルブチル−、または1,2−ジメチルブチル−である。好ましくは、アルキル基は、1、2または3個の炭素原子(「C1−C3−アルキル−」)を有し、メチル−、エチル−、n−プロピル−またはイソプロピル−である。
「C2−C8−アルキレン」という用語は、好ましくは2から8個、特には「C2−C5−アルキレン」でのように2、3、4または5個の炭素原子、詳細には「C2−C4−アルキレン」でのように2、3または4個の炭素原子を有する直鎖二価飽和炭化水素部分、例えばエチレン、n−プロピレン、n−ブチレン、n−ペンチレンまたはn−ヘキシレン、好ましくはn−プロピレンまたはn−ブチレンを意味するものと理解すべきである。
「C2−C6−アルケニル−」という用語は、好ましくは1個の二重結合を含有し、かつ2、3、4、5もしくは6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の一価炭化水素基を意味するものと理解されるべきである(「C2−C6−アルケニル−」)。特には、前記アルケニル基はC2−C3−アルケニル−、C3−C6−アルケニル−またはC3−C4−アルケニル−基である。前記アルケニル−基は、例えば、ビニル−、アリル−、(E)−2−メチルビニル−、(Z)−2−メチルビニル−またはイソプロペニル−基である。
「C2−C6−アルキニル−」という用語は、好ましくは、1個の三重結合を含有し、2、3、4、5もしくは6個の炭素原子を含有する直鎖もしくは分岐の1価炭化水素基を意味するものと理解されるべきである。特には、前記アルキニル基はC2−C3−アルキニル−、C3−C6−アルキニル−またはC3−C4−アルキニル−基である。前記C2−C3−アルキニル−基は、例えば、エチニル−、プロパ−1−インイル−またはプロパ−2−インイル−基である。
「C3−C7−シクロアルキル−」という用語は、好ましくは3、4、5、6もしくは7個の炭素原子を含有する飽和もしくは部分不飽和の1価単環式炭化水素環を意味するものと理解されるべきである。前記C3−C7−シクロアルキル−基は、例えば、単環式炭化水素環、例えば、シクロプロピル−、シクロブチル−、シクロペンチル−、シクロヘキシル−またはシクロヘプチル−基である。当該シクロアルキル−環は非芳香族であるが、1以上の二重結合を含んでいても良く、例えば、シクロアルケニル−、例えば、シクロプロペニル−、シクロブテニル−、シクロペンテニル−、シクロヘキセニル−またはシクロヘプテニル−基であり、ここで当該環と分子の残りの部分との間の結合は、当該環のいずれの炭素原子に対してであっても良く、それは飽和であっても不飽和であっても良い。特に、当該シクロアルキル−基は、C4−C6−シクロアルキル−、C5−C6−シクロアルキル−またはシクロヘキシル−基である。
「C3−C5−シクロアルキル−」という用語は、好ましくは3、4もしくは5個の炭素原子を含有する飽和の1価単環式炭化水素環を意味するものと理解されるべきである。特に、前記C3−C5−シクロアルキル−基は、シクロプロピル−、シクロブチル−またはシクロペンチル−基などの単環式炭化水素環である。好ましくは、前記「C3−C5−シクロアルキル−」基はシクロプロピル−基である。
「C3−C4−シクロアルキル−」という用語は、好ましくは3もしくは4個の炭素原子を含有する飽和の1価単環式炭化水素環を意味するものと理解されるべきである。特に、前記C3−C4−シクロアルキル−基は、シクロプロピル−またはシクロブチル−基などの単環式炭化水素環である。
「複素環」という用語は、飽和または部分不飽和の1価単環式もしくは二環式炭化水素環を意味するものと理解されるべきであり、これは3、4、5、6、7、8または9個の炭素原子を含有し、さらに酸素、硫黄、窒素から選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子含有基を含有する。特に、「複素環」という用語は、「4から10員の複素環」を意味するものと理解されるべきである。
「4から10員の複素環」という用語は、3、4、5、6、7、8または9個の炭素原子を含有し、かつさらに酸素、硫黄、窒素から選択される1、2または3のヘテロ原子含有基を含有する飽和もしくは部分不飽和の1価単環式もしくは二環式炭化水素環を意味するものと理解されるべきである。
C3−C9−複素環−は、環原子として少なくとも3、4、5、6、7、8もしくは9個の炭素原子、さらに少なくとも1個のヘテロ原子を含む複素環を意味するものと理解されるべきである。従って、1個のヘテロ原子の場合、その環は4から10員であり、2個のヘテロ原子の場合、その環は5から11員であり、3個のヘテロ原子の場合、その環は6から12員である。
当該複素環は、例えば、単環式複素環、例えば、オキセタニル−、アゼチジニル−、テトラヒドロフラニル−、ピロリジニル−、1,3−ジオキソラニル−、イミダゾリジニル−、ピラゾリジニル−、オキサゾリジニル−、イソキサゾリジニル−、1,4−ジオキサニル−、ピロリニル−、テトラヒドロピラニル−、ピペリジニル−、モルホリニル−、1,3−ジチアニル−、チオモルホリニル−、ピペラジニル−、またはキニクリジニル−基である。適宜に、当該複素環は、1以上の二重結合を含むことができ、例えば4H−ピラニル−、2H−ピラニル−、2,5−ジヒドロ−1H−ピロリル−、1,3−ジオキソリル−、4H−1,3,4−チアジアジニル−、2,5−ジヒドロフラニル−、2,3−ジヒドロフラニル−、2,5−ジヒドロチエニル−、2,3−ジヒドロチエニル−、4,5−ジヒドロオキサゾリル−、4,5−ジヒドロイソキサゾリル−もしくは4H−1,4−チアジニル−基であるか、それはベンゾ縮合されていても良い。
特に、C3−C7−複素環は、環原子として少なくとも3、4、5、6もしくは7個の炭素原子、さらに少なくとも1個のヘテロ原子を含む複素環を意味するものと理解されるべきである。従って、1個のヘテロ原子の場合、その環は4から8員であり、2個のヘテロ原子の場合、その環は5から9員であり、3個のヘテロ原子の場合、その環は6から10員である。
特に、C3−C6−複素環は、環原子として少なくとも3、4、5もしくは6個の炭素原子、さらに少なくとも1個のヘテロ原子を含む複素環を意味するものと理解されるべきである。従って、1個のヘテロ原子の場合、その環は4から7員であり、2個のヘテロ原子の場合、その環は5から8員であり、3個のヘテロ原子の場合、その環は6から9員である。
特に、「複素環−」という用語は、3、4もしくは5個の炭素原子および1、2もしくは3個の上記ヘテロ原子含有基(「4から8員複素環」)を含有する複素環であると理解されるべきであり、詳細には当該環は、4個もしくは5個の炭素原子および1、2もしくは3個の上記ヘテロ原子含有基(「5から8員複素環」)を含有でき、詳細には当該複素環は、「6員複素環」は、4個の炭素原子および2個の上記ヘテロ原子含有基、または5個の炭素原子および1個の上記ヘテロ原子含有基、好ましくは4個の炭素原子および2個の上記ヘテロ原子含有基を含有するものと理解されるべきである。
「C1−C6−アルコキシ−」という用語は、好ましくは式−O−アルキル(「アルキル」という用語は、上記で定義の通りである。)の直鎖または分枝の飽和一価炭化水素基を意味すると理解されるべきであり、例えば、メトキシ−、エトキシ−、n−プロポキシ−、イソプロポキシ−、n−ブトキシ−、イソブトキシ−、tert−ブトキシ−、sec−ブトキシ−、ペンチルオキシ−、イソペンチルオキシ−、n−ヘキシルオキシ−基、またはそれらの異性体である。特に、「C1−C6−アルコキシ−」基は、「C1−C4−アルコキシ−」、「C1−C3−アルコキシ−」、メトキシ−、エトキシ−もしくはプロポキシ−基、好ましくはメトキシ−、エトキシ−またはプロポキシ−基である。さらに好ましいものは、「C1−C2−アルコキシ−」基であり、特にはメトキシ−もしくはエトキシ−基である。
「C1−C3−フルオロアルコキシ−」という用語は、好ましくは、1以上の水素原子が同一にまたは異なって1以上のフッ素原子によって置き換わっている上記で定義の直鎖もしくは分枝の飽和一価C1−C3−アルコキシ基を意味するものと理解されるべきである。当該C1−C3−フルオロアルコキシ基は、例えば、1,1−ジフルオロメトキシ−、1,1,1−トリフルオロメトキシ−、2−フルオロエトキシ−、3−フルオロプロポキシ−、2,2,2−トリフルオロエトキシ−、3,3,3−トリフルオロプロポキシ−基であり、特に「C1−C2−フルオロアルコキシ−」基である。
「アルキルアミノ−」という用語は、好ましくは、上記で定義の直鎖もしくは分枝アルキル基を有するアルキルアミノ基を意味するものと理解されるべきである。(C1−C3)−アルキルアミノ−は例えば、1、2または3個の炭素原子を有するモノアルキルアミノ基を意味し、(C1−C6)−アルキルアミノ−は1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するモノアルキルアミノ基を意味する。「アルキルアミノ−」という用語は、例えば、メチルアミノ−、エチルアミノ−、n−プロピルアミノ−、イソ−プロピルアミノ−、tert−ブチルアミノ−、n−ペンチルアミノ−またはn−ヘキシルアミノ−を含む。
「ジアルキルアミノ−」という用語は、好ましくは、互いに独立である上記で定義の2個の直鎖もしくは分枝アルキル基を有するアルキルアミノ−基を意味するものと理解されるべきである。(C1−C3)−ジアルキルアミノ−は例えば、2個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、このアルキル基はそれぞれアルキル基あたり1から3個の炭素原子を有する。「ジアルキルアミノ−」という用語は、例えば、N,N−ジメチルアミノ−、N,N−ジエチルアミノ−、N−エチル−N−メチルアミノ−、N−メチル−N−n−プロピルアミノ−、N−イソ−プロピル−N−n−プロピルアミノ−、N−tert−ブチル−N−メチルアミノ−、N−エチル−N−n−ペンチルアミノ−およびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノ−を含む。
「環状アミン」という用語は、好ましくは、環状のアミン基を意味するものと理解すべきである。好ましくは、環状アミンは、少なくとも1個の環原子が窒素原子である4から10個、好ましくは4から7個の環原子を有する飽和単環式基を意味する。好適な環状アミンは、特にアゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、1−メチルピペラジン、モルホリン、チオモルホリンであり、これらは1または2個のメチル基によって置換されていても良い。
「ハロ−C1−C3−アルキル−」、または同義的に使用される「C1−C3−ハロアルキル−」という用語は、好ましくは直鎖もしくは分岐の飽和一価炭化水素基を意味するものと理解されるべきであり、ここで「C1−C3−アルキル−」という用語は上記で定義の通りであって、1以上の水素原子が同一または異なって、すなわち1個のハロゲン原子が互いに独立でハロゲン原子によって置き換わっている。好ましくは、ハロ−C1−C3−アルキル−基は、フルオロ−C1−C3−アルキル−基またはフルオロ−C1−C2−アルキル−基であり、例えば−CF3、−CHF2、−CH2F、−CF2CF3もしくは−CH2CF3であり、より好ましくは−CF3である。
「ヒドロキシ−C1−C3−アルキル−」という用語は、好ましくは、「C1−C3−アルキル−」という用語が上記で定義されており、1以上の水素原子がヒドロキシ基によって置き換わっており、好ましくは炭素原子当たり1個以下の水素原子がヒドロキシ基によって置き換わっている、直鎖もしくは分岐の飽和1価炭化水素基を意味するものと理解すべきである。特に、ヒドロキシ−C1−C3−アルキル−基は、例えば、−CH2OH、−CH2−CH2OH、−C(H)OH−CH2OH、−CH2−CH2−CH2OHである。
「フェニル−C1−C3−アルキル−」という用語は、好ましくは、水素原子のうちの1個が、フェニル−C1−C3−アルキル基と分子の残りの部分とを連結する上記で定義のC1−C3−アルキル−基によって置き換わっているフェニル基を意味するものと理解されるべきである。特に、「フェニル−C1−C3−アルキル−」は、フェニルC1−C2−アルキル−であり、好ましくはそれはベンジル基である。
「ヘテロアリール−」という用語は、好ましくは、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個の環原子(「5から14員ヘテロアリール−」基)、特に5個(「5員ヘテロアリール−」)もしくは6個(「6員ヘテロアリール−」)もしくは9個(「9員ヘテロアリール−」)もしくは10個の環原子(「10員ヘテロアリール−」)を有し、かつ同一であっても異なっていても良い少なくとも1個のヘテロ原子を含む一価の芳香族環系を意味するものと理解されるべきであり、そのヘテロ原子は、例えば酸素、窒素または硫黄であり、単環式、二環式もしくは三環式であることができ、さらに各場合においてベンゾ縮合されていても良い。特に、ヘテロアリール−は、チエニル−、フラニル−、ピロリル−、オキサゾリル−、チアゾリル−、イミダゾリル−、ピラゾリル−、イソオキサゾリル−、イソチアゾリル、オキサジアゾリル−、トリアゾリル−、チアジアゾリル−、テトラゾリル−など、およびそれらのベンゾ誘導体、例えばベンゾフラニル−、ベンゾチエニル−、ベンゾオキサゾリル−、ベンゾイソオキサゾリル−、ベンゾイミダゾリル−、ベンゾトリアゾリル−、インダゾリル−、インドリル−、イソインドリル−など;またはピリジル−、ピリダジニル−、ピリミジニル−、ピラジニル−、トリアジニル−など、およびそれらのベンゾ誘導体、例えば、キノリニル−、キナゾリニル−、イソキノリニル−など;または、アゾチニル−、インドリジニル−、プリニル−など、およびそれらのベンゾ誘導;または、シンノリニル−、フタルアジニル−、キナゾリニル−、キノキサリニル−、ナフチリジニル−、プテリジニル−、カルバゾリル−、アクリジニル−、フェナジニル−、フェノチアジニル−、フェノキサジニル−、キサンテニル−、またはオキセピニル−などから選択される。好ましくは、ヘテロアリール−は、単環式ヘテロアリール−、5員ヘテロアリール−または6員ヘテロアリール−から選択される。
「5員ヘテロアリール−」という用語は、好ましくは、5個の環原子を有し、同一であっても異なっていても良い少なくとも1個のヘテロ原子を含む一価の芳香族環系を意味するものと理解され、そのヘテロ原子は、例えば、酸素、窒素または硫黄である。特に、「5員ヘテロアリール−」は、チエニル−、フラニル−、ピロリル−、オキサゾリル−、チアゾリル−、イミダゾリル−、ピラゾリル−、イソオキサゾリル−、イソチアゾリル、オキサジアゾリル−、トリアゾリル−、チアジアゾリル−、テトラゾリル−から選択される。
「6員ヘテロアリール−」という用語は、好ましくは、6個の環原子を有し、同一であっても異なっていても良い少なくとも1個のヘテロ原子を含む一価の芳香族環系を意味するものと理解され、そのへテロ原子は、例えば、酸素、窒素または硫黄である。特に、「6員ヘテロアリール−」は、ピリジル−、ピリダジニル−、ピリミジニル−、ピラジニル−、トリアジニル−から選択される。
「ヘテロアリール−C1−C3−アルキル−」という用語は、好ましくは、水素原子のうちの1個が、ヘテロアリール−C1−C3−アルキル−基を分子の残りの部分と連結する上記で定義のC1−C3−アルキル基によって置き換わっている、それぞれ上記で定義のヘテロアリール、5員ヘテロアリールもしくは6員ヘテロアリール基を意味するものと理解される。特に「ヘテロアリール−C1−C3−アルキル−」は、ヘテロアリール−C1−C2−アルキル−、ピリジニル−C1−C3−アルキル−、ピリジニルメチル−、ピリジニルエチル−、ピリジニルプロピル−、ピリミジニル−C1−C3−アルキル−、ピリミジニルメチル−、ピリミジニルエチル−、ピリミジニルプロピル−であり、好ましくはピリジニルメチル−またはピリジニルエチル−またはピリミジニルエチル−またはピリミジニルプロピル−基である。
本明細書で使用される場合、「脱離基」という用語は、結合電子を取る安定な化学種として、化学反応で置き換わる原子または原子団を指す。好ましくは、脱離基は、ハロ、特にクロロ、ブロモまたはヨード、メタンスルホニルオキシ−、p−トルエンスルホニルオキシ−、トリフルオロメタンスルホニルオキシ−、ノナフルオロブタンスルホニルオキシ−、(4−ブロモ−ベンゼン)スルホニルオキシ−、(4−ニトロ−ベンゼン)スルホニルオキシ−、(2−ニトロ−ベンゼン)−スルホニルオキシ−、(4−イソプロピル−ベンゼン)スルホニルオキシ−、(2,4,6−トリ−イソプロピル−ベンゼン)−スルホニルオキシ−、(2,4,6−トリメチル−ベンゼン)スルホニルオキシ−、(4−tert−ブチル−ベンゼン)スルホニルオキシ−、ベンゼンスルホニルオキシ−および(4−メトキシ−ベンゼン)スルホニルオキシ−を含む群から選択される。
本明細書で使用される場合、「C1−C3−アルキルベンゼン」という用語は、上記で定義の1個もしくは2個のC1−C3−アルキル−基によって置換されているベンゼン環からなる部分芳香族炭化水素を指す。特に、「C1−C3−アルキルベンゼン」は、トルエン、エチルベンゼン、クメン、n−プロピルベンゼン、オルト−キシレン、メタ−キシレンまたはパラ−キシレンである。好ましくは、「C1−C3−アルキルベンゼン」はトルエンである。
本明細書で使用される場合、「カルボキサミド系溶媒」という用語は、式C
1−C
2−アルキル−C(=O)−N(C
1−C
2−アルキル)
2の低級脂肪族カルボキサミド類、または下記式の低級環状脂肪族カルボキサミド類である。
式中、Gは、−CH2−、−CH2−CH2−または−CH2−CH2−CH2−を表す。特に、「カルボキサミド系溶媒」は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドまたはN−メチルピロリジン−2−オンである。好ましくは、「カルボキサミド系溶媒」はN,N−ジメチルホルムアミドまたはN−メチル−ピロリジン−2−オンである。
本明細書を通して、例えば「C1−C10−アルキル−」の定義の文脈で使用される「C1−C10」という用語は、1から10の有限数の炭素原子、すなわち1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有するアルキル−基を意味するものと理解されるべきである。さらにその「C1−C10」という用語は、それに含まれるあらゆる下位範囲、例えば、C1−C10、C1−C9、C1−C8、C1−C7、C1−C6、C1−C5、C1−C4、C1−C3、C1−C2、C2−C10、C2−C9、C2−C8、C2−C7、C2−C6、C2−C5、C2−C4、C2−C3、C3−C10、C3−C9、C3−C8、C3−C7、C3−C6、C3−C5、C3−C4、C4−C10、C4−C9、C4−C8、C4−C7、C4−C6、C4−C5、C5−C10、C5−C9、C5−C8、C5−C7、C5−C6、C6−C10、C6−C9、C6−C8、C6−C7、C7−C10、C7−C9、C7−C8、C8−C10、C8−C9、C9−C10と解釈すべきものと理解されるべきである。
同様に、本明細書で使用される場合、本明細書を通して、例えば「C1−C6−アルキル−」、「C1−C6−アルコキシ−」の定義の文脈で使用される「C1−C6」という用語は、1から6の有限数の炭素原子、すなわち1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル基を意味するものと理解されるべきである。さらに当該「C1−C6」という用語は、その中に含まれるあらゆる下位範囲、例えば、C1−C6、C1−C5、C1−C4、C1−C3、C1−C2、C2−C6、C2−C5、C2−C4、C2−C3、C3−C6、C3−C5、C3−C4、C4−C6、C4−C5、C5−C6と解釈すべきものと理解されるべきである。
同様に、本明細書で使用される場合、本明細書を通して、例えば「C1−C4−アルキル−」、「C1−C4−アルコキシ−」または「C1−C4−フルオロアルコキシ−」の定義の文脈で使用される「C1−C4」という用語は、1から4の有限数の炭素原子、すなわち1、2、3または4個の炭素原子を有するアルキル−基を意味するものと理解されるべきである。さらに、当該「C1−C4」という用語は、そこに含まれるあらゆる下位範囲、例えば、C1−C4、C1−C3、C1−C2、C2−C4、C2−C3、C3−C4と解釈すべきものと理解されるべきである。
同様に、本明細書で使用される場合、本明細書を通して、例えば「C1−C3−アルキル−」、「C1−C3−アルコキシ−」または「C1−C3−フルオロアルコキシ−」の定義の文脈で使用される「C1−C3」という用語は、1から3の有限数の炭素原子、すなわち1、2または3個の炭素原子を有するアルキル−基を意味するものと理解されるべきである。さらに、当該「C1−C3」という用語は、そこに含まれるあらゆる下位範囲、例えば、C1−C3、C1−C2、C2−C3と解釈すべきものと理解されるべきである。
さらに、本明細書で使用される場合、本明細書を通して、例えば「C3−C6−シクロアルキル−」の定義の文脈で使用される「C3−C6」という用語は、3から6の有限数の炭素原子、すなわち、3、4、5または6個の炭素原子を有するシクロアルキル−基を意味するものと理解されるべきである。当該「C3−C6」という用語は、そこに含まれるあらゆる下位範囲、例えば、C3−C6、C3−C5、C3−C4、C4−C6、C4−C5、C5−C6と解釈すべきものと理解されるべきである。
さらに、本明細書で使用される場合、本明細書を通して、例えば「C3−C7−シクロアルキル−」の定義の文脈で使用される「C3−C7」という用語は、3から7の有限数の炭素原子、すなわち3、4、5、6または7個の炭素原子、特に3、4、5または6個の炭素原子を有するシクロアルキル−基を意味するものと理解されるべきである。当該用語「C3−C7」は、そこに含まれるあらゆる下位範囲、例えば、C3−C7、C3−C6、C3−C5、C3−C4、C4−C7、C4−C6、C4−C5、C5−C7、C5−C6、C6−C7と解釈すべきものと理解されるべきである。
は、分子における連結部位を示す。
本明細書で使用される場合、「1回以上」という用語は、例えば本発明の一般式の化合物の置換基の定義において、1、2、3、4または5回、特に1、2、3または4回、詳細には1、2または3回、さらに詳細には1または2回を意味すると理解される。
化合物、塩、水和物、溶媒和物などの言葉の複数形が本明細書において使用される場合、これは、単一の化合物、塩、異性体、水和物、溶媒和物なども意味すると理解される。
別の実施形態において、本発明は、
Aが、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−S(=O)(=NR5)−からなる群から選択される2価部分を表し;
G、Eが、互いから独立に、−O−、−N(RA)−、−CH2−、−CH(C1−C6−アルキル)−、−C(C1−C6−アルキル)2−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なり;
Lが、C2−C8−アルキレン部分を表し、
前記部分が、
(i)ヒドロキシ、−NR6R7、C2−C3−アルケニル−、C2−C3−アルキニル−、C3−C4−シクロアルキル−、ヒドロキシ−C1−C3−アルキル、−(CH2)NR6R7から選択される1個の置換基、および/または
(ii)同一でもしくは異なって、ハロゲンおよびC1−C3−アルキル−から選択される1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の置換基
で置換されていても良く、
または
前記C2−C6−アルキレン部分の1個の炭素原子が、それが結合している2価部分とともに3員もしくは4員環を形成しており、前記2価部分が、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2OCH2−から選択され;
X、Yが、CHまたはNを表し、ただし、XおよびYのうちの一方がCHを表し、XおよびYのうちの一方がNを表し;
R1が、C1−C6−アルキル−、C3−C6−アルケニル−、C3−C6−アルキニル−、C3−C7−シクロアルキル−、複素環−、フェニル−、ヘテロアリール−、フェニル−C1−C3−アルキル−およびヘテロアリール−C1−C3−アルキル−から選択される基を表し、
前記基が、同一もしくは異なって、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、C1−C6−アルキル−、ハロ−C1−C3−アルキル−、C1−C6−アルコキシ−、C1−C3−フルオロアルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン類、−OP(=O)(OH)2、−C(=O)OH、−C(=O)NH2からなる群から選択される1個もしくは2個もしくは3個の置換基で置換されていても良く;
R2が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C1−C3−アルキル−、C1−C3−アルコキシ−、ハロ−C1−C3−アルキル−、C1−C3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し;
R3、R4が、互いから独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C1−C3−アルキル−、C1−C3−アルコキシ−、ハロ−C1−C3−アルキル−、C1−C3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し;
R5が、水素原子、シアノ、−C(=O)R8、−C(=O)OR8、−S(=O)2R8、−C(=O)NR6R7、C1−C6−アルキル−、C3−C7−シクロアルキル−、複素環−、フェニル−、ヘテロアリール−から選択される基を表し、
前記C1−C6−アルキル−、C3−C7−シクロアルキル−、複素環−、フェニル−またはヘテロアリール−基が、同一もしくは異なって、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−C3−アルキル−、C1−C3−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン類、ハロ−C1−C3−アルキル−、C1−C3−フルオロアルコキシ−からなる群から選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置換されていても良く;
R6、R7が、互いから独立に、水素原子、C1−C6−アルキル−、C3−C7−シクロアルキル−、複素環−、フェニル−、ベンジル−およびヘテロアリール−から選択される基を表し、
前記C1−C6−アルキル−、C3−C7−シクロアルキル−、複素環−、フェニル−、ベンジル−またはヘテロアリール−基が、同一もしくは異なって、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−C3−アルキル−、C1−C3−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン類、ハロ−C1−C3−アルキル−、
C1−C3−フルオロアルコキシ−からなる群から選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置換されていても良く、または
R6およびR7が、それらが結合している窒素原子とともに、環状アミンを形成しており;
R8が、C1−C6−アルキル−、ハロ−C1−C3−アルキル−、C3−C7−シクロアルキル−、複素環−、フェニル−、ベンジル−およびヘテロアリール−から選択される基を表し、
前記基が、同一もしくは異なって、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−C3−アルキル−、C1−C3−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン類、ハロ−C1−C3−アルキル−、C1−C3−フルオロアルコキシ−からなる群から選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置換されていても良く、
RAが、水素原子またはC1−C6−アルキル−基を表す、一般式(I)の化合物、
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、
Aが、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−S(=O)(=NR5)−からなる群から選択される2価部分を表し;
G、Eがそれぞれ、互いに独立に、−O−、−N(RA)−、−CH2−、−CH(C1−C3−アルキル)−、−S−、−S(=O)2−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なり;
Lが、C2−C5−アルキレン部分を表し、
前記部分が、
(i)ヒドロキシ、C3−C4−シクロアルキル−、ヒドロキシ−C1−C3−アルキル−、−(CH2)NR6R7から選択される1個の置換基、および/または
(ii)同一にまたは異なって、フッ素原子およびC1−C3−アルキル−基から選択される1個もしくは2個もしくは3個の別の置換基
で置換されていても良く;
X、Yが、CHまたはNを表し、ただし、XおよびYのうちの一方がCHを表し、XおよびYのうちの一方がNを表し;
R1が、C1−C6−アルキル−およびC3−C5−シクロアルキル−から選択される基を表し、
前記基が、同一もしくは異なって、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、C1−C3−アルキル−、フルオロ−C1−C2−アルキル−、C1−C3−アルコキシ−、C1−C2−フルオロアルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン類、−OP(=O)(OH)2、−C(=O)OH、−C(=O)NH2からなる群から選択される1個もしくは2個もしくは3個の置換基で置換されていても良く;
R2が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ、C1−C2−アルキル−、C1−C2−アルコキシ−、フルオロ−C1−C2−アルキル−から選択される基を表し;
R3、R4が、互いから独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ、C1−C2−アルキル−、C1−C2−アルコキシ−、フルオロ−C1−C2−アルキル−、C1−C2−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し;
R5が、水素原子、シアノ、−C(=O)R8、−C(=O)OR8、−S(=O)2R8、−C(=O)NR6R7、C1−C6−アルキル−、C3−C5−シクロアルキル−、フェニル−から選択される基を表し、
前記C1−C6−アルキル−、C3−C5−シクロアルキル−またはフェニル−基が、同一もしくは異なって、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−C3−アルキル−、C1−C3−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン類、フルオロ−C1−C2−アルキル−、C1−C2−フルオロアルコキシ−からなる群から選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置換されていても良く;
R6、R7が、互いから独立に、水素原子、C1−C6−アルキル−、C3−C5−シクロアルキル−、フェニル−およびベンジル−から選択される基を表し、
前記C1−C6−アルキル−、C3−C5−シクロアルキル−、フェニル−またはベンジル−基が、同一もしくは異なって、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−C3−アルキル−、C1−C3−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン類、フルオロ−C1−C2−アルキル−、C1−C2−フルオロアルコキシ−からなる群から選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置換されていても良く、または
R6およびR7が、それらが結合している窒素原子とともに、環状アミンを形成しており;
R8が、C1−C6−アルキル−、フルオロ−C1−C3−アルキル−、C3−C5−シクロアルキル−、フェニル−およびベンジル−から選択される基を表し、
前記基が、同一もしくは異なって、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−C3−アルキル−、C1−C3−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン類、フルオロ−C1−C2−アルキル−、C1−C2−フルオロアルコキシ−からなる群から選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置換されていても良く;
RAが、水素原子またはC1−C3−アルキル−基を表す、一般式(I)の化合物
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
好ましい実施形態において、本発明は、
Aが、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−S(=O)(=NR5)−からなる群から選択される2価部分を表し;
Eが、−O−、−N(RA)−、−CH2−、−CH(C1−C3−アルキル)−、−S−からなる群から選択される2価部分を表し;
Gが、−O−、−N(RA)−、−CH2−、−CH(C1−C3−アルキル)−、−S−、−S(=O)2−からなる群から選択される2価部分を表し;
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なり;
Lが、C2−C5−アルキレン部分を表し、
前記部分が、
(i)C3−C4−シクロアルキル−およびヒドロキシメチル−から選択される1個の置換基、および/または
(ii)同一にまたは異なって、C1−C2−アルキル−から選択される1個もしくは2個の別の置換基
で置換されていても良く;
X、Yが、CHまたはNを表し、ただし、XおよびYのうちの一方がCHを表し、XおよびYのうちの一方がNを表し;
R1が、C1−C4−アルキル−およびC3−C5−シクロアルキル−から選択される基を表し、
前記基が、同一もしくは異なって、ヒドロキシ、シアノ、フッ素原子、C1−C2−アルキル−、C1−C2−アルコキシ−、−NH2、−C(=O)OHからなる群から選択される1個もしくは2個もしくは3個の置換基で置換されていても良く;
R2が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、トリフルオロメチル−から選択される基を表し;
R3が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、トリフルオロメチル−、トリフルオロメトキシ−から選択される基を表し;
R4が、水素原子またはフッ素原子を表し;
R5が、水素原子、シアノ、−C(=O)R8、−C(=O)OR8、−S(=O)2R8、−C(=O)NR6R7、C1−C4−アルキル−から選択される基を表し、
前記C1−C4−アルキル−基が、フッ素原子、ヒドロキシ、シアノ、C1−C3−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン類からなる群から選択される1個の置換基で置換されていても良く;
R6、R7が、互いから独立に、水素原子、C1−C4−アルキル−およびC3−C5−シクロアルキル−から選択される基を表し、
前記C1−C4−アルキル−またはC3−C5−シクロアルキル−基が、同一にまたは異なって、ヒドロキシ、C1−C2−アルキル−、C1−C2−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン類からなる群から選択される1個もしくは2個の置換基で置換されていても良く、または
R6およびR7が、それらが結合している窒素原子とともに、環状アミンを形成しており;
R8が、C1−C6−アルキル−、フルオロ−C1−C3−アルキル−、C3−C5−シクロアルキル−およびベンジル−から選択される基を表し、
前記基が、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−C2−アルキル−、C1−C2−アルコキシ−、−NH2からなる群から選択される1個の置換基で置換されていても良く;
RAが、水素原子またはC1−C3−アルキル−基を表す、一般式(I)の化合物
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、
Aが、−S−、−S(=O)−、−S(=O)(=NR5)−からなる群から選択される2価部分を表し;
Eが、−O−、−N(RA)−、−CH2−からなる群から選択される2価部分を表し;
Gが、−O−、−N(RA)−、−CH2−、−S−からなる群から選択される2価部分を表し;
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なり;
Lが、C2−C5−アルキレン部分を表し;
X、Yが、CHまたはNを表し、ただし、XおよびYのうちの一方がCHを表し、XおよびYのうちの一方がNを表し;
R1が、C1−C4−アルキル−基を表し、
前記基が、同一にまたは異なって、ヒドロキシ、C1−C2−アルコキシ−、−NH2、−C(=O)OHからなる群から選択される1個もしくは2個の置換基で置換されていても良く;
R2が、水素原子またはフッ素原子を表し;
R3が、水素原子、フッ素原子およびメトキシ−基から選択される基を表し;
R4が、水素原子を表し;
R5が、水素原子、シアノ、−C(=O)R8、−C(=O)OR8、C1−C4−アルキル−から選択される基を表し、
前記C1−C4−アルキル−基が、ヒドロキシ、シアノ、C1−C3−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−からなる群から選択される1個の置換基で置換されていても良く;
R8が、C1−C6−アルキル−、フルオロ−C1−C3−アルキル−およびベンジル−から選択される基を表し;
RAが、水素原子、メチル−またはエチル−基を表す、一般式(I)の化合物
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、
Aが、−S−、−S(=O)−、−S(=O)(=NR5)−からなる群から選択される2価部分を表し;
Eが、−O−、−N(RA)−、−CH2−からなる群から選択される2価部分を表し;
Gが、−O−、−N(RA)−、−CH2−からなる群から選択される2価部分を表し;
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なり;
Lが、C2−C4−アルキレン部分を表し;
X、Yが、CHまたはNを表し、ただし、XおよびYのうちの一方がCHを表し、XおよびYのうちの一方がNを表し;
R1が、C1−C4−アルキル−基を表し、
前記基が、同一にまたは異なって、ヒドロキシ、C1−C2−アルコキシ−、−NH2、−C(=O)OHからなる群から選択される1個もしくは2個の置換基で置換されていても良く;
R2が、水素原子を表し;
R3が、水素原子、フッ素原子およびメトキシ−基から選択される基を表し;
R4が、水素原子を表し;
R5が、水素原子、シアノ、−C(=O)R8、−C(=O)OR8、C1−C4−アルキル−から選択される基を表し、
前記C1−C4−アルキル−基が、ヒドロキシ、シアノ、C1−C3−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−からなる群から選択される1個の置換基で置換されていても良く;
R8が、C1−C6−アルキル−、フルオロ−C1−C3−アルキル−およびベンジル−から選択される基を表し;
RAが、水素原子、メチル−またはエチル−基を表す、一般式(I)の化合物
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、
Aが、−S−、−S(=O)−、−S(=O)(=NR5)−からなる群から選択される2価部分を表し;
Eが、−O−、−N(RA)−からなる群から選択される2価部分を表し;
Gが、−O−、−CH2−、−N(H)−、−S−からなる群から選択される2価部分を表し;
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なり;
Lが、C3−C5−アルキレン部分を表し;
X、Yが、CHまたはNを表し、ただし、XおよびYのうちの一方がCHを表し、XおよびYのうちの一方がNを表し;
R1が、C1−C3−アルキル−基を表し;
R2が、水素原子またはフッ素原子を表し;
R3が、水素原子、フッ素原子およびメトキシ−基から選択される基を表し;
R4が、水素原子を表し;
R5が、水素原子、シアノ、−C(=O)R8、−C(=O)OR8、C1−C3−アルキル−から選択される基を表し;
R8が、C1−C4−アルキル−、トリフルオロメチル−およびベンジル−から選択される基を表し;
RAが、水素原子またはメチル−基を表す、一般式(I)の化合物
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、
Aが、2価部分−S(=O)(=NR5)−を表し;
Eが、−O−、−N(RA)−からなる群から選択される2価部分を表し;
Gが、−O−、−N(H)−からなる群から選択される2価部分を表し;
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なり;
Lが、C3−C4−アルキレン部分を表し;
X、Yが、CHまたはNを表し、ただし、XおよびYのうちの一方がCHを表し、XおよびYのうちの一方がNを表し;
R1が、C1−C3−アルキル−基を表し;
R2が、水素原子を表し;
R3が、水素原子、フッ素原子およびメトキシ−基から選択される基を表し;
R4が、水素原子を表し;
R5が、水素原子を表し;
RAが、水素原子またはメチル−基を表す、一般式(I)の化合物
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、
Aが、−S−、−S(=O)−、−S(=O)(=NR5)−からなる群から選択される2価部分を表し;
Eが、−O−、−N(RA)−からなる群から選択される2価部分を表し;
Gが、−O−、−CH2−からなる群から選択される2価部分を表し;
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なり;
Lが、C3−C4−アルキレン部分を表し;
X、Yが、CHまたはNを表し、ただし、XおよびYのうちの一方がCHを表し、XおよびYのうちの一方がNを表し;
R1が、C1−C3−アルキル−基を表し;
R2が、水素原子を表し;
R3が、水素原子、フッ素原子およびメトキシ−基から選択される基を表し;
R4が、水素原子を表し;
R5が、水素原子、シアノ、−C(=O)R8、−C(=O)OR8、C1−C3−アルキル−から選択される基を表し;
R8が、C1−C4−アルキル−、トリフルオロメチル−およびベンジル−から選択される基を表し;
RAが、水素原子またはメチル−基を表す、一般式(I)の化合物
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
特に好ましい実施形態において、本発明は、
Aが、−S−、−S(=O)−、−S(=O)(=NR5)−からなる群から選択される2価部分を表し;
Eが、−O−、−N(RA)−からなる群から選択される2価部分を表し;
Gが、−O−、−CH2−、−N(H)−、−S−からなる群から選択される2価部分を表し;
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なり;
Lが、C3−C5−アルキレン部分を表し;
X、Yが、CHまたはNを表し、ただし、XおよびYのうちの一方がCHを表し、XおよびYのうちの一方がNを表し;
R1が、メチル−基を表し;
R2が、水素原子またはフッ素原子を表し;
R3が、水素原子またはフッ素原子を表し;
R4が、水素原子を表し;
R5が、水素原子、−C(=O)OR8から選択される基を表し;
R8が、tert−ブチル−およびベンジル−から選択される基を表し;
RAが、水素原子またはメチル−基を表す、一般式(I)の化合物
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
特に好ましい実施形態において、本発明は、
Aが、2価部分−S(=O)(=NR5)−を表し;
Eが、−O−、−N(RA)−からなる群から選択される2価部分を表し;
Gが、−O−、−N(H)−からなる群から選択される2価部分を表し;
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なり;
Lが、C3−C4−アルキレン部分を表し;
X、Yが、CHまたはNを表し、ただし、XおよびYのうちの一方がCHを表し、XおよびYのうちの一方がNを表し;
R1が、メチル−基を表し;
R2が、水素原子を表し;
R3が、水素原子またはフッ素原子を表し;
R4が、水素原子を表し;
R5が、水素原子を表し;
RAが、水素原子またはメチル−基を表す、一般式(I)の化合物
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、
Aが、−S−、−S(=O)−、−S(=O)(=NR5)−からなる群から選択される2価部分を表し;
Eが、−O−、−N(RA)−からなる群から選択される2価部分を表し;
Gが、−O−、−CH2−からなる群から選択される2価部分を表し;
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なり;
Lが、C3−C4−アルキレン部分を表し;
X、Yが、CHまたはNを表し、ただし、XおよびYのうちの一方がCHを表し、XおよびYのうちの一方がNを表し;
R1が、メチル−基を表し;
R2が、水素原子を表し;
R3が、水素原子またはフッ素原子を表し;
R4が、水素原子を表し;
R5が、水素原子、−C(=O)OR8から選択される基を表し;
R8が、tert−ブチル−およびベンジル−から選択される基を表し;
RAが、水素原子またはメチル−基を表す、一般式(I)の化合物
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、
Aが、−S−、−S(=O)−、−S(=O)(=NR5)−からなる群から選択される2価部分を表し;
Eが、−O−、−N(H)−、−N(CH3)−からなる群から選択される2価部分を表し;
Gが、−O−、−CH2−、−N(H)−、−S−からなる群から選択される2価部分を表し;
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なり;
Lが、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−または−CH2CH2CH2CH2CH2−部分を表し;
X、Yが、CHまたはNを表し、ただし、XおよびYのうちの一方がCHを表し、XおよびYのうちの一方がNを表し;
R1が、メチル−基を表し;
R2が、水素原子またはフッ素原子を表し;
R3が、フッ素原子を表し、R3が、R3が結合しているフェニル環に直接結合している環(YがCHを表す場合はピリジン環であり、YがNを表す場合はピリミジン環である。)に対してパラ位で結合しており;
R4が、水素原子を表し;
R5が、水素原子、−C(=O)OC(CH3)3、−C(=O)OCH2Phから選択される基を表す、一般式(I)の化合物
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、
Aが、2価部分−S(=O)(=NR5)−を表し;
Eが、−O−、−N(H)−、−N(CH3)−からなる群から選択される2価部分を表し;
Gが、−O−、−N(H)−からなる群から選択される2価部分を表し;
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なり;
Lが、−CH2CH2CH2−または−CH2CH2CH2CH2−部分を表し;
X、Yが、CHまたはNを表し、ただし、XおよびYのうちの一方がCHを表し、XおよびYのうちの一方がNを表し;
R1が、メチル−基を表し;
R2が、水素原子を表し;
R3が、フッ素原子を表し、R3が、R3が結合しているフェニル環に直接結合している環(YがCHを表す場合はピリジン環であり、YがNを表す場合はピリミジン環である。)に対してパラ位で結合しており;
R4が、水素原子を表し;
R5が、水素原子を表す、一般式(I)の化合物
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、
Aが、−S−、−S(=O)−、−S(=O)(=NR5)−からなる群から選択される2価部分を表し;
Eが、−O−、−N(H)−、−N(CH3)−からなる群から選択される2価部分を表し;
Gが、−O−、−CH2−からなる群から選択される2価部分を表し;
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なり;
Lが、−CH2CH2CH2−または−CH2CH2CH2CH2−部分を表し;
X、Yが、CHまたはNを表し、ただし、XおよびYのうちの一方がCHを表し、XおよびYのうちの一方がNを表し;
R1が、メチル−基を表し;
R2が、水素原子を表し;
R3が、フッ素原子を表し、R3が、R3が結合しているフェニル環に直接結合している環(YがCHを表す場合はピリジン環であり、YがNを表す場合はピリミジン環である。)に対してパラ位で結合しており;
R4が、水素原子を表し;
R5が、水素原子、−C(=O)OC(CH3)3、−C(=O)OCH2Phから選択される基を表す、一般式(I)の化合物
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、Aが−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−S(=O)(=NR5)−からなる群から選択される2価部分を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、Aが−S(=O)2−、−S(=O)(=NR5)−からなる群から選択される2価部分を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、Aが2価部分−S(=O)2−を表す、式(I)の化合物に関するものである。
好ましい実施形態において、本発明は、Aが−S−、−S(=O)−、−S(=O)(=NR5)−からなる群から選択される2価部分を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、Aが2価部分−S−を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、Aが2価部分−S(=O)−を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、Aが2価部分−S(=O)(=NR5)−を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、GおよびEが互いから独立に、−O−、−N(RA)−、−CH2−、−CH(C1−C6−アルキル)−、−C(C1−C6−アルキル)2−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、GおよびEが互いから独立に、−O−、−N(RA)−、−CH2−、−CH(C1−C3−アルキル)−、−S−、−S(=O)2−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、Eが、−O−、−N(RA)−、−CH2−、−CH(C1−C3−アルキル)−、−S−からなる群から選択される2価部分を表し、
Gが、−O−、−N(RA)−、−CH2−、−CH(C1−C3−アルキル)−、−S−、−S(=O)2−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
好ましい実施形態において、本発明は、GおよびEが互いから独立に、−O−、−N(RA)−、−CH2−、−S−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、GおよびEが互いから独立に、−O−、−N(RA)−、−CH2−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、Eが、−O−、−N(RA)−からなる群から選択される2価部分を表し、
Gが、−O−、−CH2−、−N(H)−、−S−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、Eが、−O−、−N(RA)−からなる群から選択される2価部分を表し、
Gが、−O−、−CH2−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
特に好ましい実施形態において、本発明は、Eが、−O−、−N(H)−、−N(CH3)−からなる群から選択される2価部分を表し、
Gが、−O−、−CH2−、−N(H)−、−S−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Eが、−O−、−N(H)−、−N(CH3)−からなる群から選択される2価部分を表し、
Gが、−O−、−CH2−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Eが、2価部分−N(H)−を表し、
Gが、2価部分−O−を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Eが、2価部分−N(CH3)−を表し、
Gが、2価部分−O−を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Eが、2価部分−O−を表し,
Gが、2価部分−N(H)−を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Eが、2価部分−N(CH3)−を表し、
Gが、2価部分−N(H)−を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Aが、2価部分−S(=O)(=NR5)−を表し、
Eが、−O−、−N(RA)−からなる群から選択される2価部分を表し、
Gが、−O−、−N(H)−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なり、
RAが、水素原子またはメチル−基を表し、
R5が、水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Aが、2価部分−S(=O)(=NR5)−を表し、
Eが、2価部分−N(H)−を表し、
Gが、2価部分−O−を表し、
R5が、水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Aが、2価部分−S(=O)(=NR5)−を表し、
Eが、2価部分−N(CH3)−を表し、
Gが、2価部分−O−を表し、
R5が、水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Eが、2価部分−O−を表し、
Gが、2価部分−N(H)−を表し、
R5が、水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Aが、2価部分−S(=O)(=NR5)−を表し、
Eが、2価部分−N(CH3)−を表し、
Gが、2価部分−N(H)−を表し、
R5が、水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Eが、2価部分−O−を表し、
Gが、2価部分−CH2−を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、Eが、−O−、−N(RA)−、−CH2−、−CH(C1−C6−アルキル)−、−C(C1−C6−アルキル)2−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、Eが、−O−、−N(RA)−、−CH2−、−CH(C1−C6−アルキル)−、−C(C1−C6−アルキル)2−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、Eが、−O−、−N(RA)−、−CH2−、−CH(C1−C3−アルキル)−、−S−、−S(=O)2−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、Eが、−O−、−N(RA)−、−CH2−、−CH(C1−C3−アルキル)−、−S−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
好ましい実施形態において、本発明は、Eが、−O−、−N(RA)−、−CH2−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、Eが、−O−、−N(RA)−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
特に好ましい実施形態において、本発明は、Eが、−O−、−N(H)−、−N(CH3)−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Eが2価部分−N(H)−を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Eが2価部分−N(CH3)−を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Eが2価部分−O−を表し、
ただし、2価部分Gが−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、Gが、−O−、−N(RA)−、−CH2−、−CH(C1−C6−アルキル)−、−C(C1−C6−アルキル)2−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、Gが、−O−、−N(RA)−、−CH2−、−CH(C1−C3−アルキル)−、−S−、−S(=O)2−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
好ましい実施形態において、本発明は、Gが、−O−、−N(RA)−、−CH2−、−S−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、Gが、−O−、−N(RA)−、−CH2−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
特に好ましい実施形態において、本発明は、Gが、−O−、−CH2−、−N(H)−、−S−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Gが、−O−、−CH2−からなる群から選択される2価部分を表し、
ただし、前記2価部分GおよびEのうちの少なくとも一つが、−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Gが、2価部分−O−を表し、
ただし、2価部分Eが−O−とは異なる、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Gが2価部分−CH2−を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Gが2価部分−N(H)−を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Gが2価部分−S−を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、LがC2−C8−アルキレン部分を表し、
前記部分が、
(i)ヒドロキシ、−NR6R7、C2−C3−アルケニル−、C2−C3−アルキニル−、C3−C4−シクロアルキル−、ヒドロキシ−C1−C3−アルキル−、−(CH2)NR6R7から選択される1個の置換基、および/または
(ii)同一でもしくは異なって、ハロゲンおよび
C1−C3−アルキル−から選択される1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の置換基
で置換されていても良く、
または
前記C2−C8−アルキレン部分の1個の炭素原子が、それが結合している2価部分とともに3員もしくは4員環を形成しており、前記2価部分が、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2OCH2−から選択される、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、LがC2−C5−アルキレン部分を表し、
前記部分が、
(i)ヒドロキシ、C3−C4−シクロアルキル−、ヒドロキシ−C1−C3−アルキル−、−(CH2)NR6R7から選択される1個の置換基、および/または
(ii)同一にまたは異なって、フッ素原子およびC1−C3−アルキル−基から選択される1個もしくは2個もしくは3個の別の置換基
で置換されていても良い、式(I)の化合物に関するものである。
好ましい実施形態において、本発明は、LがC2−C5−アルキレン部分を表し、
前記部分が、
(i)C3−C4−シクロアルキル−およびヒドロキシメチル−から選択される1個の置換基、および/または
(ii)同一にまたは異なって、C1−C2−アルキル−から選択される1個もしくは2個の別の置換基
で置換されていても良い、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、LがC2−C5−アルキレン部分を表し、前記部分が1個もしくは2個のメチル−基で置換されていても良い、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、LがC2−C4−アルキレン部分を表し、前記部分が1個もしくは2個のメチル−基で置換されていても良い、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、LがC2−C5−アルキレン部分を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、LがC2−C4−アルキレン部分を表す、式(I)の化合物に関するものである。
特に好ましい実施形態において、本発明は、LがC3−C5−アルキレン部分を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、LがC3−C4−アルキレン部分を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Lが部分−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−または−CH2CH2CH2CH2CH2−を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Lが部分−CH2CH2CH2−を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Lが部分−CH2CH2CH2CH2−を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、Lが部分−CH2CH2CH2CH2CH2−を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、XがNを表し、YがCHを表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、XがCHを表し、YがNを表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R1がC1−C6−アルキル−、C3−C6−アルケニル−、C3−C6−アルキニル−、C3−C7−シクロアルキル−、複素環−、フェニル−、ヘテロアリール−、フェニル−C1−C3−アルキル−およびヘテロアリール−C1−C3−アルキル−から選択される基を表し、
前記基が、同一もしくは異なって、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、C1−C6−アルキル−、ハロ−C1−C3−アルキル−、C1−C6−アルコキシ−、C1−C3−フルオロアルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン類、−OP(=O)(OH)2、−C(=O)OH、−C(=O)NH2からなる群から選択される1個もしくは2個もしくは3個の置換基で置換されていても良い、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R1がC1−C6−アルキル−およびC3−C5−シクロアルキル−から選択される基を表し、
前記基が、同一もしくは異なって、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、C1−C3−アルキル−、フルオロ−C1−C2−アルキル−、C1−C3−アルコキシ−、C1−C2−フルオロアルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン類、−OP(=O)(OH)2、−C(=O)OH、−C(=O)NH2からなる群から選択される1個もしくは2個もしくは3個の置換基で置換されていても良い、式(I)の化合物に関するものである。
好ましい実施形態において、R1がC1−C4−アルキル−およびC3−C5−シクロアルキル−から選択される基を表し、
前記基が、同一もしくは異なって、ヒドロキシ、シアノ、フッ素原子、C1−C2−アルキル−、C1−C2−アルコキシ−、−NH2からなる群から選択される1個もしくは2個もしくは3個の置換基で置換されていても良い、本発明は、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R1がC1−C4−アルキル−およびC3−C5−シクロアルキル−から選択される基を表し、
前記基が、同一もしくは異なって、ヒドロキシ、シアノ、フッ素原子、C1−C2−アルキル−、C1−C2−アルコキシ−、−NH2、−C(=O)OHからなる群から選択される1個もしくは2個もしくは3個の置換基で置換されていても良い、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R1がC1−C4−アルキル−基を表し、
前記基が、同一もしくは異なって、ヒドロキシ、シアノ、フッ素原子、C1−C2−アルコキシ−、−NH2、−C(=O)OHからなる群から選択される1個もしくは2個もしくは3個の置換基で置換されていても良い、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R1がC1−C4−アルキル−基を表し、
前記基が、同一もしくは異なって、ヒドロキシ、C1−C2−アルコキシ−、−NH2、−C(=O)OHからなる群から選択される1個もしくは2個もしくは3個の置換基で置換されていても良い、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R1がC1−C4−アルキル−基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R1がC1−C3−アルキル−基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R1がC1−C2−アルキル−基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R1がメチル−またはエチル−基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R1がエチル−基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
特に好ましい実施形態において、本発明は、R1がメチル−基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
好ましい実施形態において、本発明は、R1がC1−C4−アルキル−基を表し、R2が水素原子またはフッ素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R1がC1−C4−アルキル−基を表し、R2が水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R1がメチル−基を表し、R2が水素原子またはフッ素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
特に好ましい実施形態において、本発明は、R1がメチル−基を表し、R2が水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R2が水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C1−C3−アルキル−、C1−C3−アルコキシ−、ハロ−C1−C3−アルキル−、C1−C3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R2が水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ、C1−C2−アルキル−、C1−C2−アルコキシ−、フルオロ−C1−C2−アルキル−から選択される基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
好ましい実施形態において、本発明は、R2が水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、トリフルオロメチル−から選択される基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R2が水素原子またはフッ素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R2がフッ素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
特に好ましい実施形態において、本発明は、R2が水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、R2が水素原子を表し、R3がフッ素原子を表し、R4が水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、R1がメチル−基を表し、R2が水素原子を表し、R3がフッ素原子を表し、R4が水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R3およびR4が、互いから独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C1−C3−アルキル−、C1−C3−アルコキシ−、ハロ−C1−C3−アルキル−、C1−C3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R3およびR4が、互いから独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C1−C2−アルキル−、C1−C2−アルコキシ−、フルオロ−C1−C2−アルキル−、C1−C2−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R3およびR4が、互いから独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、トリフルオロメチル−、トリフルオロメトキシ−から選択される基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R3およびR4が、互いから独立に、水素原子、フッ素原子またはメトキシ−基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R3およびR4が、互いから独立に、水素原子またはフッ素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R3が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ、C1−C3−アルキル−、C1−C3−アルコキシ−、ハロ−C1−C3−アルキル−、C1−C3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し、R4が水素原子またはフッ素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R3が水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ C1−C2−アルキル−、C1−C2−アルコキシ−、フルオロ−C1−C2−アルキル−、C1−C2−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し、R4が水素原子またはフッ素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R3が水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ C1−C2−アルキル−、C1−C2−アルコキシ−、フルオロ−C1−C2−アルキル−、C1−C2−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し、R4が水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R3が水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、トリフルオロメチル−、トリフルオロメトキシ−から選択される基を表し、R4が水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R3が水素原子、フッ素原子またはメトキシ−基を表し、R4が水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R3が水素原子またはフッ素原子を表し、R4が水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R3がメトキシ−基を表し、R4が水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R3が水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、トリフルオロメチル−、トリフルオロメトキシ−から選択される基を表し、R4が水素原子を表し、
R3が、R3が結合しているフェニル環に直接結合している環(YがCHを表す場合はピリジン環であり、YがNを表す場合はピリミジン環である。)に対してパラ位で結合している、式(I)の化合物に関するものである。
好ましい実施形態において、本発明は、R3が水素原子またはフッ素原子を表し、R4が水素原子を表し、
R3が、R3が結合しているフェニル環に直接結合している環(YがCHを表す場合はピリジン環であり、YがNを表す場合はピリミジン環である。)に対してパラ位で結合している、式(I)の化合物に関するものである。
特に好ましい実施形態において、本発明は、R3がフッ素原子を表し、R4が水素原子を表し、
R3が、R3が結合しているフェニル環に直接結合している環(YがCHを表す場合はピリジン環であり、YがNを表す場合はピリミジン環である。)に対してパラ位で結合している、式(I)の化合物に関するものである。
好ましい実施形態において、本発明は、R3がフッ素原子を表し、R4が水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R3が水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、トリフルオロメチル−、トリフルオロメトキシ−から選択される基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
好ましい実施形態において、本発明は、R3が水素原子またはフッ素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R3が水素原子、フッ素原子またはメトキシ−基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R3が水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
特に好ましい実施形態において、本発明は、R3がフッ素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、R3がフッ素原子を表し、
R3が、R3が結合しているフェニル環に直接結合している環(YがCHを表す場合はピリジン環であり、YがNを表す場合はピリミジン環である。)に対してパラ位で結合している、式(I)の化合物に関するものである。
好ましい実施形態において、本発明は、R4が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、トリフルオロメチル−、トリフルオロメトキシ−から選択される基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R4が水素原子またはフッ素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、R4がフッ素原子を表す、本発明は、式(I)の化合物に関するものである。
特に好ましい実施形態において、本発明は、R4が水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R5が水素原子、シアノ、−C(=O)R8、−C(=O)OR8、−S(=O)2R8、−C(=O)NR6R7、C1−C6−アルキル−、C3−C7−シクロアルキル−、複素環−、フェニル−、ヘテロアリール−から選択される基を表し、
前記C1−C6−アルキル、C3−C7−シクロアルキル−、複素環−、フェニル−またはヘテロアリール−基が、同一もしくは異なって、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−C3−アルキル−、C1−C3−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン類、ハロ−C1−C3−アルキル−、C1−C3−フルオロアルコキシ−からなる群から選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置換されていても良い、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R5が、水素原子、シアノ、−C(=O)R8、−C(=O)OR8、−S(=O)2R8、−C(=O)NR6R7、C1−C6−アルキル−、C3−C5−シクロアルキル−、フェニル−から選択される基を表し、
前記C1−C6−アルキル−、C3−C5−シクロアルキル−またはフェニル−基が、同一もしくは異なって、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−C3−アルキル−、C1−C3−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン類、フルオロ−C1−C2−アルキル−、C1−C2−フルオロアルコキシ−からなる群から選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置換されていても良い、式(I)の化合物に関するものである。
好ましい実施形態において、本発明は、R5が、水素原子、シアノ、−C(=O)R8、−C(=O)OR8、−S(=O)2R8、−C(=O)NR6R7、C1−C4−アルキル−から選択される基を表し、
前記C1−C4−アルキル−基が、フッ素原子、ヒドロキシ、シアノ、C1−C3−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン類からなる群から選択される1個の置換基で置換されていても良い、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R5が、水素原子、シアノ、−C(=O)R8、−C(=O)OR8、C1−C4−アルキル−から選択される基を表し、
前記C1−C4−アルキル−基が、ヒドロキシ、シアノ、C1−C3−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−からなる群から選択される1個の置換基で置換されていても良い、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R5が、水素原子、シアノ、−C(=O)NR6R7、−C(=O)R8、−C(=O)OR8、−S(=O)2R8、C1−C4−アルキル−から選択される基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R5が水素原子、シアノ、−C(=O)R8、−C(=O)OR8、C1−C4−アルキル−から選択される基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R5が水素原子、シアノ、−C(=O)R8、−C(=O)OR8、C1−C3−アルキル−から選択される基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
特に好ましい実施形態において、本発明は、R5が水素原子、−C(=O)OR8から選択される基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、R5が−C(=O)OR8基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、R5が水素原子、−C(=O)OC(CH3)3、−C(=O)OCH2Phから選択される基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、R5が水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、R5が−C(=O)OC(CH3)3、−C(=O)OCH2Phから選択される基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、R5が基−C(=O)OC(CH3)3を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、R5が基−C(=O)OCH2Phを表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、R5が水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、R3がフッ素原子を表し、R4が水素原子を表し、R5が水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、R1がメチル−基を表し、R3がフッ素原子を表し、R4が水素原子を表し、R5が水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、R1がメチル−基を表し、R2が水素原子を表し、R3がフッ素原子を表し、R4が水素原子を表し、R5が水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、R1がメチル−基を表し、R5が水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R6およびR7がが、互いから独立に、水素原子、C1−C6−アルキル−、C3−C7−シクロアルキル−、複素環−、フェニル−、ベンジル−およびヘテロアリール−から選択される基を表し、
前記C1−C6−アルキル−、C3−C7−シクロアルキル−、複素環−、フェニル−、ベンジル−またはヘテロアリール−基が、同一もしくは異なって、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−C3−アルキル−、C1−C3−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン類、ハロ−C1−C3−アルキル−、C1−C3−フルオロアルコキシ−からなる群から選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置換されていても良く、または
R6およびR7が、それらが結合している窒素原子とともに、環状アミンを形成している、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R6およびR7が、互いから独立に、水素原子、C1−C6−アルキル−、C3−C5−シクロアルキル−、フェニル−およびベンジル−から選択される基を表し、
前記C1−C6−アルキル−、C3−C5−シクロアルキル−、フェニル−またはベンジル−基が、同一もしくは異なって、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−C3−アルキル−、C1−C3−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン類、フルオロ−C1−C2−アルキル−、C1−C2−フルオロアルコキシ−からなる群から選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置換されていても良く、または
R6およびR7が、それらが結合している窒素原子とともに、環状アミンを形成している、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R6が、水素原子、C1−C6−アルキル−、C3−C5−シクロアルキル−、フェニル−およびベンジル−から選択される基を表し、
前記C1−C6−アルキル−、C3−C5−シクロアルキル−、フェニル−またはベンジル−基が、同一もしくは異なって、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−C3−アルキル−、C1−C3−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン類、フルオロ−C1−C2−アルキル−、C1−C2−フルオロアルコキシ−からなる群から選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置換されていても良く、R7が水素原子またはC1−C3アルキル−基を表し、または
R6およびR7が、それらが結合している窒素原子とともに、環状アミンを形成している、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R6が、水素原子、C1−C6−アルキル−およびフェニル−から選択される基を表し、
前記C1−C6−アルキル−またはフェニル−基が、同一もしくは異なって、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−C3−アルキル−、C1−C3−アルコキシ−、ジアルキルアミノ−からなる群から選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置換されていても良く、R7が水素原子またはC1−C3アルキル−基を表し、または
R6およびR7が、それらが結合している窒素原子とともに、環状アミンを形成している、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R6が、水素原子、C1−C6−アルキル−およびフェニル−から選択される基を表し、
前記C1−C6−アルキル−またはフェニル−基が、同一もしくは異なって、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−C3−アルキル−、C1−C3−アルコキシ−、ジアルキルアミノ−からなる群から選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置換されていても良く、R7が水素原子またはC1−C3アルキル−基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R6およびR7が、それらが結合している窒素原子とともに、環状アミンを形成している、式(I)の化合物に関するものである。
好ましい実施形態において、本発明は、R6およびR7が、互いから独立に、水素原子、C1−C4−アルキル−およびC3−C5−シクロアルキル−から選択される基を表し、
前記C1−C4−アルキル−またはC3−C5−シクロアルキル−基が、同一にまたは異なって、ヒドロキシ、C1−C2−アルキル−、C1−C2−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン類からなる群から選択される1個もしくは2個の置換基で置換されていても良く、または
R6およびR7が、それらが結合している窒素原子とともに、環状アミンを形成している、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R6が、水素原子、C1−C4−アルキル−およびC3−C5−シクロアルキル−から選択される基を表し、
前記C1−C4−アルキル−またはC3−C5−シクロアルキル−基が、同一にまたは異なって、ヒドロキシ、C1−C2−アルキル−、C1−C2−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン類からなる群から選択される1個もしくは2個の置換基で置換されていても良く、
R7が、水素原子またはC1−C3アルキル−基を表し、または
R6およびR7が、それらが結合している窒素原子とともに、環状アミンを形成している、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R6が、水素原子、C1−C4−アルキル−およびC3−C5−シクロアルキル−から選択される基を表し、
前記C1−C4−アルキル−またはC3−C5−シクロアルキル−基が、同一にまたは異なって、ヒドロキシ、C1−C2−アルキル−、C1−C2−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン類からなる群から選択される1個もしくは2個の置換基で置換されていても良く、
R7が、水素原子またはC1−C3アルキル−基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R6およびR7が、互いから独立に、水素原子およびC1−C4−アルキル−から選択される基を表し、
前記C1−C4−アルキル−基が、ヒドロキシ、C1−C2−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン類からなる群から選択される1個の置換基で置換されていても良い、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R6が、水素原子およびC1−C4−アルキル−から選択される基を表し、
前記C1−C4−アルキル−基が、ヒドロキシ、C1−C2−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン類からなる群から選択される1個の置換基で置換されていても良く、
R7が、水素原子またはC1−C3アルキル−基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R6およびR7が、互いから独立に、水素原子、C1−C4−アルキル−およびC3−C5−シクロアルキル−から選択される基を表し、または
R6およびR7が、それらが結合している窒素原子とともに、環状アミンを形成している、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R6およびR7が、互いから独立に、水素原子、C1−C4−アルキル−およびC3−C5−シクロアルキル−から選択される基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
特に好ましい実施形態において、本発明は、R6およびR7が、互いから独立に、水素原子およびC1−C2−アルキル−から選択される基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R6が水素原子およびC1−C2−アルキル−から選択される基を表し、R7が水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R8が、C1−C6−アルキル−、ハロ−C1−C3−アルキル−、C3−C7−シクロアルキル−、複素環−、フェニル−、ベンジル−およびヘテロアリール−から選択される基を表し、
前記基が、同一もしくは異なって、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−C3−アルキル−、C1−C3−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン類、ハロ−C1−C3−アルキル−、C1−C3−フルオロアルコキシ−からなる群から選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置換されていても良い、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、R8が、C1−C6−アルキル−、フルオロ−C1−C3−アルキル−、C3−C5−シクロアルキル−、フェニル−およびベンジル−から選択される基を表し、
前記基が、同一もしくは異なって、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−C3−アルキル−、C1−C3−アルコキシ−、−NH2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン類、フルオロ−C1−C2−アルキル−、C1−C2−フルオロアルコキシ−からなる群から選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置換されていても良い、式(I)の化合物に関するものである。
好ましい実施形態において、本発明は、R8が、C1−C6−アルキル−、フルオロ−C1−C3−アルキル−、C3−C5−シクロアルキル−およびベンジル−から選択される基を表し、
前記基が、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−C2−アルキル−、C1−C2−アルコキシ−、−NH2からなる群から選択される1個の置換基で置換されていても良い、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R8が、C1−C6−アルキル−、フルオロ−C1−C3−アルキル−およびベンジル−から選択される基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R8が、C1−C4−アルキル−、トリフルオロメチル−およびベンジル−から選択される基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R8が、tert−ブチル−、トリフルオロメチル−およびベンジル−から選択される基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R8がC1−C4−アルキル−基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R8がトリフルオロメチル−基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、R8がベンジル−基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
特に好ましい実施形態において、本発明は、R8がtert−ブチル−およびベンジル−から選択される基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
特に好ましい実施形態において、本発明は、R8がtert−ブチル−基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
特に好ましい実施形態において、本発明は、R8がベンジル−基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、RAが水素原子またはC1−C6−アルキル−基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の実施形態において、本発明は、RAが水素原子またはC1−C4−アルキル−基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
好ましい実施形態において、本発明は、RAが水素原子またはC1−C3−アルキル−基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の好ましい実施形態において、本発明は、RAが水素原子、メチル−またはエチル−基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
特に好ましい実施形態において、本発明は、RAが水素原子またはメチル−基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、RAが水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
別の特に好ましい実施形態において、本発明は、RAがメチル−基を表す、式(I)の化合物に関するものである。
理解すべき点として、本発明は、上記の式(I)の化合物の本発明の実施形態内の下位組み合わせに関するものである。
さらにより詳細には、本発明は、下記の本文の実施例セクションで開示されている式(I)の化合物を包含する。
非常に特に好ましいものは、上記の好ましい実施形態の2以上の組み合わせである。
特に、本発明の好ましい主題は、
15,19−ジフルオロ−8−[(メチルスルファニル)メチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−11H−10,6−(アゼノ)−12,16−(メテノ)−1,5,11,13−ベンゾオキサトリアザシクロオクタデシン(15,19−difluoro−8−[(methylsulfanyl)methyl]−2,3,4,5−tetrahydro−11H−10,6−(azeno)−12,16−(metheno)−1,5,11,13−benzoxatriazacyclooctadecine);
(rac)−ベンジル[{[16,20−ジフルオロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H,12H−11,7−(アゼノ)−13,17−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン−9−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート;
(rac)−16,20−ジフルオロ−9−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H,12H−11,7−(アゼノ)−13,17−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン;
2,18−ジフルオロ−9−[(メチルスルファニル)メチル]−13,14,15,16−テトラヒドロ−6H−7,11−(アゼノ)−5,1−(メテノ)−12,4,6−ベンゾオキサジアザシクロオクタデシン;
(rac)−2,18−ジフルオロ−9−[(メチルスルフィニル)メチル]−13,14,15,16−テトラヒドロ−6H−7,11−(アゼノ)−5,1−(メテノ)−12,4,6−ベンゾオキサジアザシクロオクタデシン;
(rac)−tert−ブチル[{[16,20−ジフルオロ−6−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H,12H−13,17−(アゼノ)−11,7−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン−9−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート;
(rac)−tert−ブチル[{[15,19−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−11H−10,6−(アゼノ)−16,12−(メテノ)−1,5,11,13−ベンゾオキサトリアザシクロオクタデシン−8−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート;
(rac)−15,19−ジフルオロ−8−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−11H−10,6−(アゼノ)−16,12−(メテノ)−1,5,11,13−ベンゾオキサトリアザシクロオクタデシン;
(rac)−tert−ブチル[{[17,21−ジフルオロ−2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−13H−12,8−(アゼノ)−14,18−(メテノ)−1,7,13,15−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−10−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート;
(rac)−17,21−ジフルオロ−10−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−13H−12,8−(アゼノ)−14,18−(メテノ)−1,7,13,15−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン;
(rac)−16,20−ジフルオロ−6−メチル−9−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−7,11−(アゼノ)−17,13−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン;
8,16,20−トリフルオロ−6−メチル−9−[(メチルスルファニル)メチル]−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H,12H−11,7−(アゼノ)−13,17−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン;
(rac)−tert−ブチル[{[15,19−ジフルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−16,12−(アゼノ)−6,10−(メテノ)−5,1,11,13−ベンゾオキサトリアザシクロオクタデシン−8(11H)−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート;
(rac)−15,19−ジフルオロ−8−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−16,12−(アゼノ)−6,10−(メテノ)−5,1,11,13−ベンゾオキサトリアザシクロオクタデシン;
(rac)−tert−ブチル[{[16,20−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H,12H−13,17−(アゼノ)−11,7−(メテノ)−6,1,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン−9−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート;
(rac)−16,20−ジフルオロ−9−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−17,13−(アゼノ)−7,11−(メテノ)−6,1,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン;
(rac)−16,20−ジフルオロ−6−メチル−9−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−12H−17,13−(アゼノ)−11,7−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾテトラアザシクロノナデシン;ギ酸との塩;
2,19−ジフルオロ−9−[(メチルスルファニル)メチル]−14,15,16,17−テトラヒドロ−6H,13H−7,11−(アゼノ)−5,1−(メテノ)−12,4,6−ベンゾオキサジアザシクロノナデシン;
(rac)−2,19−ジフルオロ−9−[(メチルスルフィニル)メチル]−14,15,16,17−テトラヒドロ−6H,13H−7,11−(アゼノ)−5,1−(メテノ)−12,4,6−ベンゾオキサジアザシクロノナデシン;
(rac)−2,19−ジフルオロ−9−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−14,15,16,17−テトラヒドロ−6H,13H−7,11−(アゼノ)−5,1−(メテノ)−12,4,6−ベンゾオキサジアザシクロノナデシン;
(rac)−tert−ブチル[{[16,20−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−12H−17,13−(アゼノ)−11,7−(メテノ)−6,1,12,14−ベンゾオキサチアジアザシクロノナデシン−9−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート;
(rac)−16,20−ジフルオロ−9−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−12H−17,13−(アゼノ)−11,7−(メテノ)−6,1,12,14−ベンゾオキサチアジアザシクロノナデシン;
(rac)−16,20−ジフルオロ−6−メチル−9−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H,12H−13,17−(アゼノ)−11,7−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン;
(rac)−tert−ブチル[{[16,20−ジフルオロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H,12H−13,17−(アゼノ)−11,7−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン−9−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート;
(rac)−16,20−ジフルオロ−9−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H,12H−13,17−(アゼノ)−11,7−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン;
ならびにそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩から選択される化合物である。
一般的用語でまたは好ましい範囲で詳細に記載された基および遊離基の上記定義は、式(I)の最終生成物にも、そして同様に、製造において各場合で必要な原料または中間体にも適用される。
本発明はさらに、式(11)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の製造方法であって、
式(10)の化合物:
(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)を、分子内パラジウム触媒C−N交差カップリング反応で反応させて、式(11)の化合物:
を得て、
適切な場合、得られた化合物を、相当する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸で、それの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換しても良い方法に関するものである。
本発明はさらに、式(15)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の製造方法であって、式(14)の化合物:
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)を、分子内パラジウム触媒C−N交差反応で反応させて、式(15)の化合物:
を得て、
適切な場合、得られた化合物を、相当する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸で、それの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換しても良い方法に関するものである。
本発明はさらに、式(25)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の製造方法であって、式(24)の化合物:
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)を、分子内パラジウム触媒C−N交差反応で反応させて、式(25)の化合物:
を得て、
適切な場合、得られた化合物を、相当する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸で、それの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換しても良い方法に関するものである。
本発明はさらに、式(35)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4、R
AおよびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の製造方法であって、式(34)の化合物:
(R
1、R
2、R
3、R
4、R
AおよびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)を、分子内パラジウム触媒C−N交差反応で反応させて、式(35)の化合物:
を得て、
適切な場合、得られた化合物を、相当する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸で、それの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換しても良い方法に関するものである。
本発明はさらに、式(35a)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4、R
AおよびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の製造方法であって、
a.式(34)の化合物:
(R
1、R
2、R
3、R
4、R
AおよびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)を、分子内パラジウム触媒C−N交差反応で反応させて、式(35)の化合物:
を得る段階、
次に、
b.前記式(35)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4、R
AおよびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)を、酸と反応させて、式(35a)の化合物:
を得る段階を含み、
適切な場合、得られた化合物を、相当する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸で、それの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換しても良い方法に関するものである。
本発明はさらに、式(35c)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の製造方法であって、式(34a)の化合物:
(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)を、分子内パラジウム触媒C−N交差反応で反応させて、式(35c)の化合物:
を得て、
適切な場合、得られた化合物を、相当する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸で、それの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換しても良い方法に関するものである。
本発明はさらに、式(35d)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の製造方法であって、
a.式(34a)の化合物:
(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)を、分子内パラジウム触媒C−N交差反応で反応させて、式(35c)の化合物:
を得る段階、
次に、
b.前記式(35c)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)を、酸と反応させて、式(35d)の化合物:
を得る段階を含み、
適切な場合、得られた化合物を、相当する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸で、それの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換しても良い方法に関するものである。
本発明はさらに、式(45)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の製造方法であって、式(44)の化合物:
(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)を、分子内パラジウム触媒C−N交差反応で反応させて、式(45)の化合物:
を得て、
適切な場合、得られた化合物を、相当する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸で、それの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換しても良い方法に関するものである。
本発明はさらに、式(45a)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の製造方法であって、
a.式(44)の化合物:
(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)を、分子内パラジウム触媒C−N交差反応で反応させて、式(45)の化合物:
を得る段階、
次に、
b.前記式(45)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)を、酸と反応させて、式(45a)の化合物:
を得る段階を含み、
適切な場合、得られた化合物を、相当する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸で、それの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換しても良い方法に関するものである。
本発明はさらに、式(45)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の製造方法であって、式(58)の化合物:
(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)を、分子内求核置換反応で反応させて、式(45)の化合物:
を得て、
適切な場合、得られた化合物を、相当する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸で、それの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換しても良い方法に関するものである。
本発明はさらに、式(45a)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の製造方法であって、
a.式(58)の化合物:
(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)を、分子内求核置換反応で反応させて、式(45)の化合物:
を得る段階、
次に、
b.前記式(45)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)を、酸と反応させて、式(45a)の化合物:
を得る段階を含み、
適切な場合、得られた化合物を、相当する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸で、それの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換しても良い方法に関するものである。
本発明はさらに、式(66)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4、R
AおよびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の製造方法であって、式(65)の化合物:
(R
1、R
2、R
3、R
4、R
AおよびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)を、分子内求核置換反応で反応させて、式(66)の化合物:
を得て、
適切な場合、得られた化合物を、相当する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸で、それの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換しても良い方法に関するものである。
本発明はさらに、式(66a)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4、R
AおよびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の製造方法であって、
a.式(65)の化合物:
(R
1、R
2、R
3、R
4、R
AおよびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)を、分子内求核置換反応で反応させて、式(66)の化合物:
を得る段階、
次に、
b.前記式(66)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4、R
AおよびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)を、酸と反応させて、式(66a)の化合物:
を得る段階を含み、
適切な場合、得られた化合物を、相当する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸で、それの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換しても良い方法に関するものである。
本発明はさらに、式(66)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の製造方法であって、式(71)の化合物:
(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)を、分子内パラジウム触媒C−N交差反応で反応させて、式(72)の化合物:
を得て、
適切な場合、得られた化合物を、相当する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸で、それの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換しても良い方法に関するものである。
本発明はさらに、式(66a)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の製造方法であって、
a.式(71)の化合物:
(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)を、分子内パラジウム触媒C−N交差反応で反応させて、式(72)の化合物:
を得る段階、
次に、
b.前記式(72)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)を、酸と反応させて、式(72a)の化合物:
を得る段階を含み、
適切な場合、得られた化合物を、相当する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸で、それの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換しても良い方法に関するものである。
本発明はさらに、式(10)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。):
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
本発明はさらに、式(I)の化合物の製造のための、式(10)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の使用に関するものである。
本発明はさらに、式(14)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。):
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
本発明はさらに、式(I)の化合物の製造のための、式(14)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の使用に関するものである。
本発明はさらに、式(24)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。):
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
本発明はさらに、式(I)の化合物の製造のための、式(24)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の使用に関するものである。
本発明はさらに、式(34)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4、R
AおよびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。):
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
本発明はさらに、式(I)の化合物の製造のための、式(34)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4、R
AおよびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の使用に関するものである。
本発明はさらに、式(34a)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。):
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
本発明はさらに、式(I)の化合物の製造のための、式(34a)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の使用に関するものである。
本発明はさらに、式(44)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。):
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
本発明はさらに、式(I)の化合物の製造のための、式(44)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の使用に関するものである。
本発明はさらに、式(58)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。):
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
本発明はさらに、式(I)の化合物の製造のための、式(58)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の使用に関するものである。
本発明はさらに、式(65)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4、R
AおよびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。):
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
本発明はさらに、式(I)の化合物の製造のための、式(34)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4、R
AおよびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の使用に関するものである。
本発明はさらに、式(71)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。):
またはそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関するものである。
本発明はさらに、式(I)の化合物の製造のための、式(71)の化合物(R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による式(I)の化合物について定義の通りである。)の使用に関するものである。
本発明の化合物は、予測できなかったと考えられる有益な薬理および薬物動態作用スペクトルを示す。
従って、それらは、ヒトおよび動物における障害の治療および/または予防のための医薬としての使用に好適である。
本発明の化合物の医薬活性は、選択的CDK9阻害剤としての、より重要には、高ATP濃度でのCDK9の選択的阻害剤としての、それの作用によって説明することができる。
従って、一般式(I)の化合物ならびにそれのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物および溶媒和物の塩は、CDK9の阻害剤として使用される。
さらに、本発明の化合物は、特に高ATP濃度で選択的にCDK9活性を阻害するための特に高い能力(CDK9/CycT1アッセイにおける低IC50値により示される)を示す。
本発明の文脈において、CDK9に関するIC50値は、下記の方法セクションに記載の方法によって求めることができる。
先行技術で報告の多くのCDK9阻害剤と比較すると、一般式(I)による本発明の化合物は、特に高ATP濃度でCDK9活性の阻害に関して驚くほど高い効力を示し、それはCDK9/CycT1高ATPキナーゼアッセイにおけるそれの低IC50値によって示される。従って、これらの化合物は、高い細胞内ATP濃度のためにCDK9/CycT1キナーゼのATP結合ポケットから放出される確率が相対的に低い(R. Copeland et al., Nature Reviews Drug Discovery 2006, 5, 730−739)。この特性によれば、本発明の化合物は特に、旧来のATP競争的キナーゼ阻害剤と比較して、より長期間にわたって細胞内のCDK9/CycT1を阻害することができる。これによって、患者もしくは動物への投与後に薬物動態クリアランス介在の低下する阻害剤血清濃度で抗腫瘍細胞効力が高くなる。
先行技術におけるCDK9阻害剤と比較して、本発明における化合物は、驚くほど長い標的滞留時間を示す。以前に、平衡に基づくイン・ビトロアッセイが、薬物濃度が吸着、分布および排出プロセスのために変動するイン・ビボ状況を十分に反映しないことに基づくと、標的滞留時間が薬物効力についての適切な予測因子であり、標的タンパク質濃度は動的に制御可能であることが提案されている(Tummino, P. J. and R. A. Copeland, Residence time of receptor−ligand complexes and its effect on biological function. Biochemistry, 2008. 47(20): p.5481−5492; Copeland, R. A., D. L. Pompliano, and T. D. Meek, Drug−target residence time and its implications for lead optimization. Nature Reviews Drug Discovery, 2006. 5(9):p.730−739)。
従って、平衡結合パラメータKDまたは機能的代表値IC50は、イン・ビボ効力についての要件を十分に反映しない可能性がある。薬物分子が、それが標的に結合したままである限りにおいて作用し得ると仮定すると、薬物−標的複合体の「寿命」(滞留時間)が、非平衡イン・ビボ系での薬物効力についてのより信頼性の高い予測因子としての機能を果たし得る。いくつかの刊行物で、イン・ビボ効力についてのそれの示唆を評価および議論している(Lu, H. and P.J. Tonge, Drug−target residence time: critical information for lead optimization. Curr Opin Chem Biol, 2010. 14(4): p. 467−74;Vauquelin, G. and S.J. Charlton, Long−lasting target binding and rebinding as mechanisms to prolong in vivo drug action. Br J Pharmacol, 2010. 161(3): p. 488−508)。
標的滞留時間の影響についての一つの例が、COPD治療で使用される薬剤チオトロピウムによって提供される。チオトロピウムは、ムスカリン受容体のM1、M2およびM3サブタイプに同等のアフィニティで結合するが、それはM3受容体についてのみ所望の長い滞留時間を有することから動態的に選択性である。それの薬物−標的滞留時間は十分に長く、イン・ビトロでのヒト気管からの洗い出し後に、チオトロピウムは半減期9時間でコリン作用の阻害を維持する。これは、イン・ビボで6時間を超えての気管支痙攣に対する保護を意味する(Price, D., A. Sharma, and F. Cerasoli, Biochemical properties, pharmacokinetics and pharmacological response of tiotropium in chronic obstructive pulmonary disease patients. 2009; Dowling, M. (2006) Br. J. Pharmacol. 148, 927−937)。
別の例は、ラパチニブ(タイケルブ)である。精製細胞内ドメイン酵素反応でラパチニブについて認められた長い標的滞留時間が、受容体チロシンリン酸化測定に基づく腫瘍細胞での観察された長いシグナル阻害と相関していることが認められた。次に、遅い結合速度が腫瘍でのシグナル阻害を増加することで、腫瘍増殖速度または他の化学療法剤との共投与の有効性に影響する可能性が高くなると結論付けられている(Wood et al (2004) Cancer Res. 64: 6652−6659; Lackey (2006) Current Topics in Medicinal Chemistry, 2006, Vol. 6, No. 5)。
本発明の文脈において、高ATP濃度でのCDK9に関するIC50値は、下記の方法セクションに記載の方法によって求めることができる。好ましくはそれは、下記の材料および方法セクションに記載の方法1b(「CDK9/CycT1高ATPキナーゼアッセイ」)に従って求める。
所望に応じて、低ATP濃度でのCDK9に関するIC50値は、例えば、下記の材料および方法セクションに記載の方法1a.(「CDK9/CycT1キナーゼアッセイ」)に従って、下記の方法セクションに記載の方法によって求めることができる。
本発明の文脈において、本発明による選択的CDK9阻害剤の標的滞留時間は、下記の方法セクションに記載の方法によって求めることができる。好ましくはそれは、下記の材料および方法セクションに記載の方法8(「表面プラズモン共鳴PTEFb」)に従って求める。
さらに、式(I)による本発明の化合物は、先行技術に記載のCDK9阻害剤と比較して、HeLa、HeLa−MaTu−ADR、NCI−H460、DU145、Caco−2、B16F10、A2780またはMOLM−13などの腫瘍細胞系での驚くほど高い抗増殖活性を示す。
本発明の文脈において、HeLa、HeLa−MaTu−ADR、NCI−H460、DU145、Caco−2、B16F10、A2780またはMOLM−13などの腫瘍細胞系での抗増殖活性は好ましくは、下記の材料および方法セクションに記載の方法3(「増殖アッセイ」)に従って求める。
本発明の文脈において、水溶解度は好ましくは、下記の材料および方法セクションに記載の方法4.(「平衡振盪フラスコ溶解度アッセイ」)に従って求める。
本発明の文脈において、ラット肝細胞での代謝安定性は好ましくは、下記の材料および方法セクションに記載の方法6.(「ラット肝細胞でのイン・ビトロ代謝安定性の研究」)に従って求める。
本発明の文脈において、イン・ビボでの投与時のラットでの半減期は好ましくは、下記の材料および方法セクションに記載の方法7.(「ラットでのイン・ビボ薬物動態」)に従って求める。
本発明の文脈において、基底区画から先端区画への見かけのCaco−2透過率値(PappA−B)または流出比(比((PappB−A)/(PappA−B)と定義)は好ましくは、下記の材料および方法セクションに記載の方法5(「Caco−2透過アッセイ」)に従って求められる。
本発明のさらなる主題は、障害、好ましくはCDK9活性関連もしくはそれが介在する障害、特に過剰増殖性障害、ウィルス誘発性感染疾患および/または心血管疾患、より好ましくは過剰増殖性障害の治療および/または予防のための本発明による一般式(I)の化合物の使用である。
本発明の化合物は、CDK9の活性または発現を選択的に阻害するのに使用可能である。
従って、式(I)の化合物は、治療剤として有益であると予想される。従って、別の実施態様において、本発明は、有効量の上記で定義の式(I)の化合物を患者に投与することを含む、処置を必要とする患者でのCDK9活性関連またはそれが介在する障害の治療方法を提供する。ある種の実施形態において、CDK9活性関連障害は、過剰増殖性疾患、ウィルス誘発性感染疾患および/または心血管疾患、より好ましくは過剰増殖性疾患、特に癌である。
本文書を全体を通して記載の「治療する」または「治療」という用語は、従来のように使用され、例えば、癌などの疾患または障害の状態に関して対抗、緩和、低減、軽減、改善のための対象者の管理またはケアである。
「対象者」または「患者」という用語は、細胞増殖障害または低下もしくは不十分なプログラムされた細胞死(アポトーシス)関連の障害に罹患し得るか、本発明の化合物の投与によって他の形で恩恵を受けるものと考えられる生物、例えばヒトおよび非ヒト動物を含む。好ましいヒトには、本明細書に記載の、細胞増殖障害または関連する状態に罹患しているか、罹患しやすいヒト患者を含む。「非ヒト動物」という用語には、脊椎動物、例えば哺乳動物、例えば非ヒト霊長類、ヒツジ、ウシ、イヌ、ネコおよび齧歯類、例えばマウス、および非哺乳動物、例えば、ニワトリ、両生類、ハ虫類などを包む。
「CDK9活性関連またはそれが介在する障害」という用語は、CDK9活性に関連するかそれを示唆する疾患、例えば、CDK9の過活性およびこれらの疾患に付随する状態を含む。「CDK9活性関連またはそれが介在する障害」の例には、LARP7、HEXIM1/2または7sk snRNAなどのCDK9活性を調節する遺伝子における突然変異によるCDK9活性上昇によって生じる障害、またはHIV−TATもしくはHTLV−TAXなどのウィルスタンパク質によるCDK9/サイクリンT/RNAポリメラーゼII複合体の活性化によるCDK9活性上昇によって生じる障害、または細胞分裂シグナル伝達経路の活性化によるCDK9活性上昇によって生じる障害などがある。
「CDK9の過活性」という用語は、正常な非罹患細胞と比較して高いCDK9の酵素活性を指すか、望ましくない細胞増殖をもたらすCDK9活性上昇を指すか、または低下したもしくは不十分なプログラムされた細胞死(アポトーシス)またはCDK9の構成的活性化を生じる突然変異を指す。
「過剰増殖性疾患」という用語は、細胞の望ましくないもしくは制御されない増殖が関与する障害を含み、低下したもしくは不十分なプログラムされた細胞死(アポトーシス)が関与する障害を含む。本発明の化合物を利用して、細胞増殖および/または細胞分裂を防止、阻害、遮断、低減、低下、制御等行う、および/またはアポトーシスをもたらすことができる。この方法は、処置を必要とするヒトなどの哺乳動物などの対象者に、障害を治療もしくは予防するのに有効である、本発明の化合物またはそれの医薬上許容される塩、水和物もしくは溶媒和物の量を投与することを含む。
本発明の文脈における過剰増殖性障害には、例えば、乾癬、ケロイドおよび皮膚に影響する他の過形成、子宮内膜症、骨障害、血管新生もしくは血管増殖性障害、肺高血圧症、線維症、メサンギウム細胞増殖性障害、結腸ポリープ、多発性嚢胞腎、良性前立腺肥大(BPH)および固形腫瘍、例えば乳房、気道、脳、生殖器、消化管、尿路、眼球、肝臓、皮膚、頭頸部、甲状腺、上皮小体およびそれらの遠隔転移などがあるが、これらに限定されるものではない。それらの障害には、リンパ腫、肉腫および白血病などもある。
乳癌の例には、侵襲性腺管癌、侵襲性小葉癌、非浸潤性乳管癌および上皮内小葉癌、ならびにイヌもしくはネコの乳癌などがあるが、これらに限定されるものではない。
気道の癌の例には、小細胞および非小細胞肺癌、ならびに気管支腺腫、胸膜肺芽細胞腫および中皮腫などがあるが、これらに限定されるものではない。
脳腫瘍の例には、脳幹および視床下部膠腫、小脳および大脳星状細胞腫、膠芽細胞腫、髄芽腫、上衣腫ならびに神経外胚葉および松果体腫瘍などがあるが、これらに限定されるものではない。
男性生殖器の腫瘍には、前立腺癌および精巣癌などがあるが、これらに限定されるものではない。女性生殖器の腫瘍には、子宮内膜癌、子宮頸癌、卵巣癌、膣癌および外陰癌、ならびに子宮肉腫などがあるが、これらに限定されるものではない。
消化管の腫瘍には、肛門、結腸、結腸直腸、食道、胆嚢、胃、膵臓、直腸、小腸、唾液腺の癌、肛門腺癌および肥満細胞腫瘍などがあるが、これらに限定されるものではない。
尿路の腫瘍には、膀胱、陰茎、腎臓、腎盂、輸尿管、尿道、ならびに遺伝性および散発性乳頭状腎細胞癌などがあるが、これらに限定されるものではない。
眼球の癌には、眼球内黒色腫および網膜芽細胞腫などがあるが、これらに限定されるものではない。
肝臓癌の例には、肝細胞癌(線維層板型を含むか含まない肝細胞癌)、肝内胆管癌(肝内胆管癌)および混合肝細胞性肝内胆管癌などがあるが、これらに限定されるものではない。
皮膚癌には、扁平上皮癌、カポジ肉腫、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚癌、非黒色腫皮膚癌、および肥満細胞腫などがあるが、これらに限定されるものではない。
頭頸部癌には、喉頭、咽頭下部、鼻咽頭、口腔咽頭癌、口唇および口腔癌、扁平上皮癌、および口の黒色腫などがあるが、これらに限定されるものではない。
リンパ腫には、エイズ関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキン病、および中枢神経系のリンパ腫などがあるが、これらに限定されるものではない。
肉腫には、軟組織の骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫、横紋筋肉腫の肉腫、悪性組織球増殖症、線維肉腫、血管肉腫、血管周囲細胞腫および平滑筋肉腫などがあるが、これらに限定されるものではない。
白血病には、急性骨髄白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病および毛様細胞性白血病などがあるが、これらに限定されるものではない。
線維性増殖障害、すなわち、本発明の化合物および方法によって治療可能な細胞外マトリクスの異常形成には、肺線維症、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、肝硬変、およびメサンギウム細胞過剰増殖疾患、例えば糸球体腎炎、糖尿病性腎症、悪性腎硬化、血栓性微小血管症症候群、移植拒絶反応および糸球体症などの腎臓疾患などがある。
本発明の化合物の投与によって治療可能なヒトその他の哺乳動物における他の状態には、腫瘍成長、網膜症(糖尿病性網膜症、虚血性網膜静脈閉塞、末熟児網膜症および加齢黄斑変性など)、関節リウマチ、乾癬、および表皮下の水疱形成を伴う水疱性障害(類天疱瘡、多形性紅斑および疱疹状皮膚炎など)などがある。
本発明の化合物を用いて、気道および肺の疾患、消化管の疾患、ならびに膀胱および胆管の疾患を予防および治療することができる。
上記障害は、ヒトにおいて十分に特性決定されているだけでなく、哺乳動物などの他動物でも同様の病因で存在するものであり、本発明の医薬組成物を投与することにより治療することができる。
本発明のさらに別の態様では、本発明の化合物を、感染疾患、特にウィルス誘発性感染疾患を予防および/または治療する方法で使用する。日和見感染疾患などのウィルス誘発性感染疾患は、レトロウィルス、ヘパドウィルス、ヘルペスウィルス、フラビウィルス、および/またはアデノウィルスにより引き起こされる。この方法の別の好ましい実施形態において、レトロウィルスは、レンチウィルスまたはオンコレトロウィルスから選択され、そのレンチウィルスはHIV−1、HIV−2、FIV、BIV、SIV、SHIV、CAEV、VMVまたはEIAVを含む群から選択され、好ましくはHIV−1またはHIV−2であり、オンコレトロウィルスは、HTLV−I、HTLV−IIまたはBLVを含む群から選択される。この方法のさらに好ましい実施形態において、肝炎ウィルスは、HBV、GSHVまたはWHVから選択され、好ましくはHBVであり、ヘルペスウィルスはHSV I、HSV II、EBV、VZV、HCMVまたはHHV 8を含む群から選択され、好ましくはHCMVであり、フラビウィルスは、HCV、西ナイルまたは黄熱病から選択される。
一般式(I)の化合物は、心血管疾患、例えば、心臓肥大、成人先天性心疾患、動脈瘤、安定狭心症、不安定狭心症、狭心症、血管神経性浮腫、大動脈弁狭窄、大動脈瘤、不整脈、不整脈原性右室異形成、動脈硬化症、動静脈奇形、心房細動、ベーチェット症候群、徐脈、心臓タンポナーデ、心臓肥大症、鬱血性心筋症、肥大型心筋症、収縮性心筋症、心血管疾患予防、頸動脈の狭窄、脳内出血、チャーグ−ストラウス症候群、糖尿病、エブスタイン奇形、アイゼンメンジャー症候群、コレステロール塞栓症、細菌性心内膜炎、線維筋性形成異常、先天性心臓欠陥、心臓疾患、鬱血性心不全、心臓弁膜症、心臓発作、硬膜外血腫、血腫、硬膜下、ヒッペル・リンドウ病、充血、高血圧、肺高血圧症、肥大型成長、左室肥大、右室肥大、左心低形成症候群、低血圧、間欠性跛行、虚血性心疾患、クリッペル−トレノーネイ−ウェーバー症候群、外側髄症候群、QT延長症候群、僧帽弁逸脱、モヤモヤ病、粘膜皮膚リンパ節症候群、心筋梗塞、心筋虚血、心筋炎、心膜炎、末梢血管疾患、静脈炎、結節性多発性動脈炎、肺動脈閉鎖、レイノー病、再狭窄、スネドン症候群、狭窄、上大静脈症候群、X症候群、頻脈、高安動脈炎、遺伝性出血性毛細管拡張症、毛細管拡張症、側頭動脈炎、ファロー四徴症、閉塞性血栓性血管炎、血栓症、血栓塞栓症、三尖弁閉鎖症、静脈瘤、血管疾患、脈管炎、血管痙攣、心室細動、ウィリアムズ症候群、末梢血管疾患、静脈瘤および下腿潰瘍、深部静脈血栓症、ウルフ−パーキンソン−ホワイト症候群の予防および/または治療にも有用である。
好ましいものは、成人の先天性心疾患、動脈瘤、狭心症、狭心症、不整脈、心血管予防、心筋症、鬱血性心不全、心筋梗塞、肺高血圧症、肥大型成長、再狭窄、狭窄、血栓症および動脈硬化症である。
本発明のさらに別の主題は、医薬としての本発明による一般式(I)の化合物の使用である。
本発明のさらに別の主題は、障害、特には上記の障害の治療および/または予防のための本発明による一般式(I)の化合物の使用である。
本発明のさらに別の主題は、過剰増殖性障害、ウィルス誘発感染疾患および/または心血管疾患の治療および/または予防のための本発明による一般式(I)の化合物の使用である。
本発明の好ましい主題は、肺癌、特には非小細胞肺癌、前立腺癌、特にはホルモン非依存性ヒト前立腺癌、子宮頸癌、例えば多剤耐性ヒト子宮頸癌、結腸直腸癌、メラノーマ、卵巣癌または白血病、特には急性骨髄性白血病の治療および/または予防のための本発明による一般式(I)の化合物の使用である。
本発明のさらに別の主題は、医薬として使用される本発明による一般式(I)の化合物である。
本発明のさらに別の主題は、上記の障害の治療および/または予防で使用するための本発明による一般式(I)の化合物である。
本発明のさらに別の主題は、過剰増殖性障害、ウィルス誘発感染疾患および/または心血管疾患の治療および/または予防で使用するための本発明による一般式(I)の化合物である。
本発明の好ましい主題は、肺癌、特には非小細胞肺癌、前立腺癌、特にはホルモン非依存性ヒト前立腺癌、子宮頸癌、例えば多剤耐性ヒト子宮頸癌、結腸直腸癌、メラノーマ、卵巣癌または白血病、特には急性骨髄性白血病の治療および/または予防で使用するための本発明による一般式(I)の化合物である。
本発明のさらに別の主題は、上記障害の治療および/または予防方法で使用される本発明による一般式(I)の化合物である。
本発明のさらに別の主題は、過剰増殖性障害、ウィルス誘発感染疾患および/または心血管疾患の治療および/または予防方法で使用される本発明による一般式(I)の化合物である。
本発明の好ましい主題は、肺癌、特には非小細胞肺癌、前立腺癌、特にはホルモン非依存性ヒト前立腺癌、子宮頸癌、例えば多剤耐性ヒト子宮頸癌、結腸直腸癌、メラノーマ、卵巣癌または白血病、特には急性骨髄性白血病の治療および/または予防方法で使用される本発明による一般式(I)の化合物である。
本発明のさらに別の主題は、障害、特に上記障害の治療および/または予防のための医薬製造における本発明による一般式(I)の化合物の使用である。
本発明のさらに別の主題は、過剰増殖性障害、ウィルス誘発感染疾患および/または心血管疾患の治療および/または予防のための医薬製造における本発明による一般式(I)の化合物の使用である。
本発明の好ましい主題は、肺癌、特には非小細胞肺癌、前立腺癌、特にはホルモン非依存性ヒト前立腺癌、子宮頸癌、例えば多剤耐性ヒト子宮頸癌、結腸直腸癌、メラノーマ、卵巣癌または白血病、特には急性骨髄性白血病の治療および/または予防のための医薬製造における本発明による一般式(I)の化合物の使用である。
本発明のさらに別の主題は、有効量の本発明による一般式(I)の化合物を用いる、障害、特には上記障害の治療および/または予防方法である。
本発明のさらに別の主題は、有効量の本発明による一般式(I)の化合物を用いる、過剰増殖性障害、ウィルス誘発感染疾患および/または心血管疾患の治療および/または予防方法である。
本発明の好ましい主題は、有効量の本発明による一般式(I)の化合物を用いる、肺癌、特には非小細胞肺癌、前立腺癌、特にはホルモン非依存性ヒト前立腺癌、子宮頸癌、例えば多剤耐性ヒト子宮頸癌、結腸直腸癌、メラノーマ、卵巣癌または白血病、特には急性骨髄性白血病の治療および/または予防方法である。
本発明の別の態様は、少なくとも1以上の別の有効成分と組み合わせた本発明による一般式(I)の化合物を含む医薬組み合わせに関する。
本明細書で使用される場合、「医薬組み合わせ」という用語は、さらに別の成分、担体、希釈剤および/または溶媒を含むまたは含まない、有効成分としての少なくとも一つの本発明による一般式(I)の化合物と少なくとも一つの他の有効成分との組み合わせを指す。
本発明の別の態様は、不活性で無毒性の医薬として好適な補助剤と組み合わせて本発明による一般式(I)の化合物を含む医薬組成物に関する。
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」という用語は、少なくとも一つの医薬活性剤の少なくとも一つのさらなる成分、担体、希釈剤および/または溶媒とのガレヌス製剤を指す。
本発明の別の態様は、障害、特に上記障害の治療および/または予防のための本発明による医薬組み合わせおよび/または医薬組成物の使用に関する。
本発明の別の態様は、肺癌、特には非小細胞肺癌、前立腺癌、特にはホルモン非依存性ヒト前立腺癌、子宮頸癌、例えば多剤耐性ヒト子宮頸癌、結腸直腸癌、メラノーマ、卵巣癌または白血病、特には急性骨髄性白血病の治療および/または予防のための、本発明による医薬組み合わせおよび/または医薬組成物の使用に関する。
本発明の別の態様は、障害、特に上記障害の治療および/または予防のための本発明による医薬組み合わせおよび/または医薬組成物に関する。
本発明の別の態様は、肺癌、特には非小細胞肺癌、前立腺癌、特にはホルモン非依存性ヒト前立腺癌、子宮頸癌、例えば多剤耐性ヒト子宮頸癌、結腸直腸癌、メラノーマ、卵巣癌または白血病、特には急性骨髄性白血病の治療および/または予防のための本発明による医薬組み合わせおよび/または医薬組成物に関する。
式(I)の化合物は、単独の医薬品として投与できるか、1以上のさらなる治療剤と組み合わせて(その組み合わせは、許容できない許容不可能な有害効果を生じないものである)投与できる。この医薬組み合わせは、式(I)の化合物および1以上の別の治療剤を含む単一の医薬製剤の投与、ならびに式(I)の化合物および別の治療剤それぞれを自体別の医薬製剤での投与を包含する。例えば、式(I)の化合物および治療剤を、単一の経口用量組成物、例えば、錠剤もしくはカプセル剤で一緒に患者に投与しても良く、または各薬剤を別個の製剤で投与することができる。
別個の製剤を使用する場合、式(I)の化合物および1以上の別の治療剤を、実質的に同じ時間で(例えば、同時に)または別個に時間をずらして(例えば、順次)投与してもよい。
特に、本発明の化合物を、他の抗腫瘍剤、例えば、アルキル化薬、代謝拮抗剤、植物由来の抗腫瘍剤、ホルモン療法剤、トポイソメラーゼ阻害剤、カンプトテシン誘導体、キナーゼ阻害剤、標的医薬、抗体、インターフェロン類および/または生体応答修飾剤、抗血管形成化合物および他の抗腫瘍薬と、固定もしくは別個の組み合わせで用いることができる。この点に関し、下記のものは、本発明の化合物と組み合わせて使用できる第2の薬剤の例のリストであるが、これらに限定されるものではない。
・アルキル化剤には、ナイトロジェンマスタード−N−オキシド、シクロホスファミド、イホスファミド、チオテパ、ラニムスチン、ニムスチン、テモゾロミド、アルトレラミン、アパジクオン、ブロスタリシン、ベンダムスチン、カルムスチン、エストラムスチン、ホテムスチン、グルフォスファミド、マホスファミド、ベンダムスチンおよびミトラクトールなどがあるが、これらに限定するものではない。白金配位アルキル化化合物には、シスプラチン、カルボプラチン、エプタプラチン、ロバプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチンおよびサトラプラチンなどがあるが、これらに限定されるものではない。
・代謝拮抗物質には、メトトレキサート、6−メルカプトプリン・リボシド、メルカプトプリン、5−フルオロウラシル単独もしくはロイコボリンとの組み合わせ、テガフール、ドキシフルリジン、カルモフール、シタラビン、シタラビンオクホスファート、エノシタビン、ゲムシタビン、フルダラビン、5−アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、デシタビン、エフロルチニン、エチニルシチジン、シトシンアラビノシド、ヒドロキシウレア、メルファラン、ネララビン、ノラトレキシド、オクホスファート、ペメレキセド二ナトリウム、ペントスタチン、ペリトレキソール、ラルチトレキセド、トリアピン、トリメトレキセート、ビダラビン、ビンクリスチンおよびビノレルビンなどがあるが、これらに限定されるものではない。
・ホルモン療法薬剤には、エクセメスタン、リュープロン、アナストロゾール、ドキセルカルシフェロール、ファドロゾール、ホルメスタン、11−βヒドロキシステロイド・デヒドロゲナーゼ1抑制剤、17−αヒドロキシラーゼ/17,20リアーゼ抑制剤、例えばアビラテロンアセテート、5−αレダクターゼ抑制剤、例えばフィナステリドおよびエプリステリド、抗卵胞ホルモン、例えばクエン酸タモキシフェンおよびフルベストラント、トレルスター、トレミフェン、ラロキシフェン、ラソフォキシフェン、レトロゾール、抗アンドロゲン、例えばビカルタミド、フルタミド、ミフェプリストーン、ニルタミド、カソデックス、および抗プロゲステロンおよびそれらの組合せなどがあるが、これらに限定されるものではない。
・植物由来の抗腫瘍物質には、例えば、分裂抑制因子、例えばエポチロン、例えばサゴピロン、イクサベピロンおよびエポチロンB、ビンブラスチン、ビンフルニン、ドセタキセル、およびパクリタキセルから選択されるものなどがある。
・細胞毒性トポイソメラーゼ阻害試薬には、アクラルビシン、ドキソルビシン、アモナファイド、ベロテカン、カンプトセシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、ジフロモテカン、イリノテカン、トポテカン、エドテカリン、エピムビシン(epimbicin)、エトポシド、エキサテカン、ジマテカン、ラルトテカン、ミトキサントロン、ピラムビシン(pirambicin)、ピキサントロン、ルビテカン、ソブゾキサン、タフルポシド(tafluposid)およびその組合せなどがあるが、これらに限定されるものではない。
・免疫学的に活性な物質には、インターフェロン、例えばインターフェロンα、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンβ、インターフェロンγ−1aおよびインターフェロンγ−n1、および他の免疫賦活薬、例えば、L19−IL2および他のIL2誘導体、フィルグラスチム、レンチナン、シゾフィラン、テラシス(TheraCys)、ウベニメクス、アルデスロイキン、アレムツズマブ、BAM−002、ダカルバジン、ダクリズマブ、デニロイキン、ゲムツズマブ、オゾガマイシン、イブリツモマブ、イミキモド、レノグラスチム、レンチナン、メラノーマワクチン(Corixa)、モルグラモスチム、サルグラモスチム、タソネルミン、テセロイキン、チマラシン(thymalasin)、トシツモマブ、ビムリジン、エピラツズマブ、ミツモマブ、オレゴボマブ、ペムツモマブ(pemtumomab)およびプロベンジ、メリアル(Merial)黒色腫ワクチンなどがある。
・生体応答修飾剤は、生命体の防御機構または生体反応、例えば組織細胞の生存、成長または分化などが抗腫瘍活性を有するように修飾する薬剤であり;そのような薬剤には、例えば、クレスチン、レンチナン、シゾフィラン、ピシバニール、プロミューン(ProMune)およびウベニメクスなどがある。
・抗血管新生合成物には、アシトレチン、アフリバーセプト、アンギオスタチン、アプリジン、アセンタール(asentar)、アキシチニブ、レセンチン、ベバシズマブ、ブリバニブアラニナート、シレンジタイド、コンブレタスタチン、DAST、エンドスタチン、フェンレチニド、ハロフジノン、パゾパニブ、ラニビズマブ、レビマスタット(rebimastat)、レモバブ、レブリミド、ソラフェニブ、バタラニブ、スクアラミン、スニチニブ、テラチニブ(telatinib)、サリドマイド、ウクラインおよびビタキシンなどがあるが、これらに限定されるものではない。
・抗体には、トラスツズマブ、セツキシマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、チシリムマブ、イピリムブマブ、ルミリキシマブ、カツマキソマブ、アタシセプト(atacicept)、オレゴボマブおよびアレムツズマブなどがあるが、これらに限定されるものではない。
・VEGF抑制剤、例えばソラフェニブ、DAST、ベバシズマブ、スニチニブ、レセンチン(recentin)、アキシチニブ、アフリバーセプト、テラチニブ(telatinib)、ブリバニブ・アラニナト、バタラニブ、パゾパニブおよびラニビズマブ;パラジア。
・EGFR(HER1)抑制剤、例えばセツキシマブ、パニツムマブ、ベクチビックス、ゲフィチニブ、エルロチニブおよびザクチマ(Zactima)。
・HER2抑制剤、例えばラパチニブ、トラツズマブおよびペルツズマブ。
・mTOR抑制剤、例えばテムシロリムス、シロリムス/ラパマイシンおよびエベロリムス。
・c−Met阻害剤。
・PI3KおよびAKT阻害剤。
・CDK抑制剤、例えばロスコビチンおよびフラボピリドール。
・紡錘体集合チェックポイント阻害剤および標的化有糸分裂阻害剤、例えば、PLK阻害剤、オーロラ阻害剤(例えばヘスペラジン(Hesperadin))、チェックポイントキナーゼ阻害剤およびKSP阻害剤。
・HDAC阻害剤、例えば、パノビノスタット、ボリノスタット、MS275、ベリノスタットおよびLBH589。
・HSP90およびHSP70阻害剤。
・プロテアソーム阻害剤、例えば、ボルテゾミブおよびカーフィルゾミブ。
・セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤、例えば、MEK阻害剤(例えば、RDEA119など)およびRaf阻害剤、例えば、ソラフェニブ。
・ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、例えば、ティピファニブ。
・チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ダサチニブ、ニロチニブ、DAST、レゴラフェニブ、ボスチニブ、ソラフェニブ、ベバシズマブ、スニチニブ、AZD2171、セディラニブ、アキシチニブ、アフリバーセプト、テラチニブ、イマチニブ・メシラート、ブリバニブ・アラニナト、パゾパニブ、ラニビズマブ、バタラニブ、セツキシマブ、パニツムマブ、ベクチビックス、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、トラツズマブ、ペルツズマブおよびc−Kit阻害剤;パラジア(Palladia)、マシチニブなど。
・ビタミンD受容体アゴニスト。
・Bcl−2タンパク質阻害剤、例えば、オバトクラックス、オブリメルセンナトリウムおよびゴシポール。
・CD(Cluster of differentiation)20受容体拮抗薬、例えば、リツキシマブ。
・リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、例えば、ゲムシタビン。
・腫瘍壊死アポトーシス誘発リガンド受容体1作動薬、例えば、マパツムマブ。
・5−ヒドロキシトリプタミン受容体拮抗薬、例えば、rEV598、キサリプロデン(xaliprode)、パロノセトロン塩酸塩、グラニセトロン、ジンドール(Zindol)およびAB−1001。
・インテグリン阻害剤、例えばα5β1インテグリン阻害剤、例えばE7820、JSM6425、ボロシキシマブ(volociximab)およびエンドスタチン。
・アンドロゲン受容体拮抗薬、例えば、デカン酸ナンドロロン、フルオキシメステロン、アンドロイド、プロスト−エイド(Prost−aid)、アンドロムスチン(andromustine)、ビカルタミド、フルタミド、アポ−シプロテロン、アポ−フルタミド、酢酸クロルマジノン、アンドロクル(Androcur)、タビ(Tabi)、酢酸シプロテロンおよびニルタミド。
・アロマターゼ阻害薬、例えばアナストロゾール、レトロゾール、テストラクトン、エクセメスタン、アミノグルテチミドおよびホルメスタン。
・マトリクスメタロプロテアーゼ阻害剤。
・他の活性化合物、例えば、アリトレチノイン、アンプリジェン、アトラセンタン、ベキサロテン、ボルテゾミブ、ボセンタン、カルシトリオール、エクシスリンド、フォテムスチン、イバンドロン酸、ミルテホシン、ミトキサントロン、I−アスパラギナーゼ、プロカルバジン、ダカルバジン、ヒドロキシカルボアミド、ペグアスパルガーゼ、ペントスタチン、タザロテン、ベルケイド、硝酸ガリウム、カンホスファミド、ダリナパルシンおよびトレチノイン。
本発明の化合物を、放射線治療および/または外科的介入と併用して、癌治療に用いることもできる。
一般に、本発明の化合物または組成物と組み合わせる細胞毒性および/または細胞増殖抑制剤の使用は、
(1)いずれかの薬剤単独の投与と比較して、腫瘍増殖の低下においてより良好な効力を生じるか、さらに腫瘍を排除する;
(2)投与される化学療法剤の量をより少なくする;
(3)単剤化学療法およびある種の他の併用療法で認められるものより有害な薬理的合併症をより少なくして、患者において良好に耐容される化学療法を提供する;
(4)哺乳動物、特にヒトにおける、より広範な異なる癌タイプの治療を提供する;
(5)治療を受ける患者の中でより高い応答率を提供する;
(6)標準的化学療法治療と比較して、治療を受ける患者の中でのより長い生存期間を提供する;
(7)腫瘍進行に要する時間を延長する;および/または、
(8)他の癌薬剤組み合わせが拮抗効果を生じる既知の場合と比較して、単独で使用される薬剤と少なくとも同じほど良好な効力および耐容性結果を生じるのに役立つ。
さらに、式(I)の化合物は、それ自体でまたは組成物で、研究および診断に、あるいは当分野で公知の分析用の基準標準として用いることができる。
本発明による化合物は、全身および/または局所的に作用することができる。これに関しては、好適な形で、例えば経口、非経口、経肺、経鼻、舌下、舌、口腔、直腸、皮膚、経皮、結膜もしくは経耳経路で、または移植片もしくはステントとして投与することができる。
これらの投与経路について、本発明による化合物を好適な投与形態で投与することができる。
経口投与に好適なものは、本発明による化合物を、結晶形態および/または非晶質および/または溶解形態で含む、先行技術に記述されたように作用し、本発明による化合物を急速におよび/または修飾型で送達する投与形態であり、例えば、錠剤(コート錠もしくは非コート錠、例えば、腸溶コーティング剤あるいは溶解が遅れるか不溶性であり本発明による化合物の放出を制御するコーティング剤を施した錠剤)、口腔内で急速に崩壊する錠剤、またはフィルム/ウェハ、フィルム/凍結乾燥物、カプセル(例えば、硬または軟ゼラチンカプセル)、糖衣錠、粒剤、ペレット、粉剤、乳濁液、懸濁液、エアロゾルまたは液剤である。
非経口投与は、吸収段階を回避して(例えば、静脈、動脈、心臓内、脊髄内または腰椎内投与)、または吸収を伴って(例えば、筋肉、皮下、皮内、経皮または腹腔内投与)行うことができる。非経口投与に好適な投与形態は、特には、液剤、懸濁液、乳濁液、凍結乾燥品および無菌粉剤の形態の注射および注入用製剤である。
他の投与経路に好適な例は、吸入(特に、粉吸入器、ネブライザー)、点鼻剤/液剤/噴霧剤、舌、舌下もしくは口腔投与される錠剤、フィルム/ウェハもしくはカプセル剤、坐剤、眼球もしくは耳用製剤、膣カプセル剤、水系懸濁剤(ローション剤、振盪水剤)、親油性懸濁液、軟膏、クリーム、経皮療法系(例えば、貼付剤など)、乳液、ペースト、泡剤、粉剤、インプラントまたはステントである。
本発明による化合物は、記載の投与形態に変換することができる。これは、自体は公知の方法で、不活性で無毒性の医薬として好適な補助剤と混和することで行うことができる。これらの補助剤には、特に、担体(例えば微結晶セルロース、ラクトース、マンニトール)、溶媒(例えば、液体ポリエチレングリコール類)、乳剤および分散剤もしくは湿展剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ポリオキシソルビタン)、結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン)、合成および天然ポリマー(例えばアルブミン)、安定剤(例えば、アスコルビン酸などの抗酸化剤)、着色剤(例えば、酸化鉄のような無機顔料)および香味剤および/または臭気マスキング剤などがある。
本発明は、さらに、少なくとも一つの本発明による化合物を、通常1以上の不活性で無毒性の医薬として好適な補助剤と共に含む医薬品、および上記目的のためのそれの使用を提供する。
本発明の化合物を医薬としてヒトまたは動物に投与する場合、それらは、それ自体で与えることができるか、例えば、1以上の不活性で無毒性の医薬として好適な補助剤と組み合わせて0.1から99.5%(より好ましくは、0.5から90%)の有効成分を含有する医薬組成物として与えることができる。
選択される投与経路とは無関係に、一般式(I)の本発明による化合物および/または本発明の医薬組成物は、適切な水和形で用いられてよく、および/または本発明の医薬組成物は、当業者には公知の従来の方法によって医薬として許容される投与形態に製剤される。
本発明の医薬組成物における有効成分の実際の用量レベルおよび投与の時間経過を変えて、患者への毒性なく特定の患者に関して所望の治療応答を達成するのに有効である有効成分量が得られるようにすることができる。
材料および方法:
以下の試験および実施例でのパーセントは、別段の断りがない限り、重量%であり、部は重量部である。液/液溶液の溶媒比、希釈比および濃度データは、各場合で体積基準である。
実施例について、選択された生物アッセイおよび/または物理化学アッセイで1回以上試験を行った。複数回試験を行った場合、データを平均値または中央値のいずれかとして報告する。ここで、
・平均値は、算術平均値とも称され、得られた値の合計を試験回数によって割った値を表し、
・中央値は、昇順または降順で順位付けされた場合の値群の中央の数を表す。データセットにおける値の数が奇数である場合、中央値はその中央の値である。データセットにおける値の数が偶数である場合、中央値は二つの中央の値の算術平均である。
実施例は、1回以上合成した。複数回合成した場合に、生物アッセイおよび/または物理化学アッセイからのデータは、1回以上の合成バッチの試験から得られたデータセットを用いて計算した平均値または中央値を表す。
化合物のイン・ビトロ薬理特性、薬物動態特性および物理化学特性は、下記のアッセイおよび方法に従って求めることができる。
注目すべき点として、下記のCDK9アッセイにおいて、分解能は酵素濃度によって制限され、IC50の下限は、CDK9高ATPアッセイで約1から2nMであり、CDK低ATPアッセイで2から4nMである。この範囲のIC50を示す化合物の場合、CDK9に対する真のアフィニティ、従ってCDK2と比較したCDK9に対する選択性はさらに高くなるものと考えられ、すなわち、これらの化合物において、下記の表2の第4欄および第7欄で計算された選択性係数は最小値であり、それらもさらに高くなる可能性がある。
1a. CDK9/CycT1キナーゼアッセイ:
本発明の化合物のCDK9/CycT1阻害活性を、下記の段落に記載のCDK9/CycT1 TR−FRETアッセイを用いて定量した。
昆虫細胞で発現させ、Ni−NTAアフィニティクロマトグラフィーによって精製した組換え全長His標識ヒトCDK9およびCycT1を、Invitrogenから購入した(カタログ番号PV4131)。キナーゼ反応用の基質として、例えば、JERINI Peptide Technologies社(Berlin, Germany)から購入可能なビオチン化ペプチドビオチン−Ttds−YISPLKSPYKISEG(C末端がアミド型)を用いた。アッセイのために、100倍濃縮の試験化合物のDMSO中溶液50nLを、黒色低容量384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One, Frickenhausen, Germany)にピペットで入れ、CDK9/CycT1のアッセイ緩衝水溶液[50mM Tris/HCl pH 8.0、10mM MgCl2、1mMジチオトレイトール、0.1mMナトリウムオルト−バナデート、0.01%(v/v)Nonidet−P40(Sigma)]中溶液2μLを加え、その混合物を22℃で15分間インキュベートして、キナーゼ反応の開始前に試験化合物を酵素に前結合させた。次に、キナーゼ反応を、アデノシン三リン酸(ATP、16.7μM→最終濃度、アッセイ容量5μLにおける最終濃度は10μMである)および基質(1.67μM→最終濃度、アッセイ容量5μLにおける最終濃度は1μMである)のアッセイ緩衝液中溶液3μLを加えることで開始し、得られた混合物を22℃で25分間の反応時間にわたりインキュベートした。CDK9/CycT1の濃度を、酵素ロットの活性に応じて調節し、直線範囲でアッセイを行うのに適するように選択し、代表的な濃度は1μg/mLの範囲であった。TR−FRET検出試薬(0.2μMストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays, Codolet, France]およびBD Pharmingen[#558389]からの1nM抗RB(pSer807/pSer811)抗体および1.2nM LANCE EU−W1024標識抗マウスIgG抗体[Perkin−Elmer、製品番号AD0077])のEDTA水溶液(100mM EDTA、100mM HEPES pH7.5中0.2%(w/v)ウシ血清アルブミン)中溶液5μLを加えることで反応を停止した。
得られた混合物を22℃で1時間インキュベートして、リン酸化ビオチニル化ペプチドと検出試薬との間の複合体を形成させた。次に、リン酸化基質の量を、Euキレートからのストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー移動の測定によって評価した。従って、350nmでの励起後の620nmおよび665nmでの蛍光発光を、HTRF読取装置、例えばRubystar(BMG Labtechnologies, Offenburg, Germany)またはViewlux(Perkin−Elmer)で測定した。665nmおよび622nmでの蛍光発光の比率を、リン酸化基質の量についての尺度として得た。そのデータを正規化した(阻害剤なしの酵素反応=0%阻害、酵素を除くすべての他のアッセイ成分=100%阻害)。通常は、20μMから1nMの範囲の11種類の異なる濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nMおよび0.1nM、連続1:3.4希釈により100倍濃縮DMSO中溶液のレベルでのアッセイ前に個別に調製した一連の希釈液)で、各濃度について二連の値で同一のマイクロタイタープレート上で試験化合物の試験を行い、IC50値を、社内ソフトウェアを用いて4パラメーター適合によって計算した。
1b. CDK9/CycT1高ATPキナーゼアッセイ:
酵素および試験化合物の前インキュベーション後の高ATP濃度での本発明の化合物のCDK9/CycT1阻害活性を、下記の段落に記載のCDK9/CycT1 TR−FRETアッセイを用いて定量した。
昆虫細胞で発現させ、Ni−NTAアフィニティクロマトグラフィーによって精製した組換え全長His標識ヒトCDK9およびCycT1を、Invitrogenから購入した(カタログ番号PV4131)。キナーゼ反応用の基質として、例えば、JERINI peptide technologies社(Berlin, Germany)から購入可能なビオチン化ペプチドビオチン−Ttds−YISPLKSPYKISEG(C末端がアミド型)を用いた。アッセイのために、100倍濃縮の試験化合物のDMSO中溶液50nLを、黒色低容量384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One, Frickenhausen, Germany)にピペットで入れ、CDK9/CycT1のアッセイ緩衝水溶液[50mM Tris/HCl pH 8.0、10mM MgCl2、1mMジチオトレイトール、0.1mMナトリウムオルト−バナデート、0.01%(v/v)Nonidet−P40(Sigma)]中溶液2μLを加え、その混合物を22℃で15分間インキュベートして、キナーゼ反応の開始前に試験化合物を酵素に前結合させた。次に、キナーゼ反応を、アデノシン三リン酸(ATP、3.3mM→最終濃度、アッセイ容量5μLにおける最終濃度は2mMである)および基質(1.67μM→最終濃度、アッセイ容量5μLにおける最終濃度は1μMである)のアッセイ緩衝液中溶液3μLを加えることで開始し、得られた混合物を22℃で25分間の反応時間にわたりインキュベートした。CDK9/CycT1の濃度を、酵素ロットの活性に応じて調節し、直線範囲でアッセイを行うのに適するように選択し、代表的な濃度は0.5μg/mLの範囲であった。TR−FRET検出試薬(0.2μMストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays, Codolet, France]およびBD Pharmingen[#558389]からの1nM抗RB(pSer807/pSer811)抗体および1.2nM LANCE EU−W1024標識抗マウスIgG抗体[Perkin−Elmer、製品番号AD0077])のEDTA水溶液(100mM EDTA、100mM HEPES pH7.5中0.2%(w/v)ウシ血清アルブミン)中溶液5μLを加えることで反応を停止した。
得られた混合物を22℃で1時間インキュベートして、リン酸化ビオチニル化ペプチドと検出試薬との間の複合体を形成させた。次に、リン酸化基質の量を、Euキレートからのストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー移動の測定によって評価した。従って、350nmでの励起後の620nmおよび665nmでの蛍光発光を、HTRF読取装置、例えばRubystar(BMG Labtechnologies, Offenburg, Germany)またはViewlux(Perkin−Elmer)で測定した。665nmおよび622nmでの蛍光発光の比率を、リン酸化基質の量についての尺度として得た。そのデータを正規化した(阻害剤なしの酵素反応=0%阻害、酵素を除くすべての他のアッセイ成分=100%阻害)。通常は、20μMから1nMの範囲の11種類の異なる濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nMおよび0.1nM、連続1:3.4希釈により100倍濃縮DMSO中溶液のレベルでのアッセイ前に個別に調製した一連の希釈液)で、各濃度について二連の値で同一のマイクロタイタープレート上で試験化合物の試験を行い、IC50値を、社内ソフトウェアを用いて4パラメーター適合によって計算した。
2a. CDK2/CycEキナーゼアッセイ:
本発明の化合物のCDK2/CycE阻害活性を、下記の段落に記載のCDK2/CycE TR−FRETアッセイを用いて定量した。
昆虫細胞(Sf9)で発現させ、グルタチオン−セファロースアフィニティクロマトグラフィーによって精製したGSTおよびヒトCDK2の組換え融合タンパク質およびGSTおよびヒトCycEの組換え融合タンパク質を、ProQinase GmbH(Freiburg, Germany)から購入した。キナーゼ反応用の基質として、例えば、JERINI Peptide Technologies社(Berlin, Germany)から購入可能なビオチン化ペプチドビオチン−Ttds−YISPLKSPYKISEG(C末端がアミド型)を用いた。
アッセイのために、100倍濃縮の試験化合物のDMSO中溶液50nLを、黒色低容量384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One, Frickenhausen, Germany)にピペットで入れ、CDK2/CycEのアッセイ緩衝水溶液[50mM Tris/HCl pH 8.0、10mM MgCl2、1mMジチオトレイトール、0.1mMナトリウムオルト−バナデート、0.01%(v/v)Nonidet−P40(Sigma)]中溶液2μLを加え、その混合物を22℃で15分間インキュベートして、キナーゼ反応の開始前に試験化合物を酵素に前結合させた。次に、キナーゼ反応を、アデノシン三リン酸(ATP、16.7μM→最終濃度、アッセイ容量5μLにおける最終濃度は10μMである)および基質(1.25μM→最終濃度、アッセイ容量5μLにおける最終濃度は0.75μMである)のアッセイ緩衝液中溶液3μLを加えることで開始し、得られた混合物を22℃で25分間の反応時間にわたりインキュベートした。CDK2/CycEの濃度を、酵素ロットの活性に応じて調節し、直線範囲でアッセイを行うのに適するように選択し、代表的な濃度は130ng/mLの範囲であった。TR−FRET検出試薬(0.2μMストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays, Codolet, France]およびBD Pharmingen[#558389]からの1nM抗RB(pSer807/pSer811)抗体および1.2nM LANCE EU−W1024標識抗マウスIgG抗体[Perkin−Elmer、製品番号AD0077])のEDTA水溶液(100mM EDTA、100mM HEPES pH7.5中0.2%(w/v)ウシ血清アルブミン)中溶液5μLを加えることで反応を停止した。
得られた混合物を22℃で1時間インキュベートして、リン酸化ビオチニル化ペプチドと検出試薬との間の複合体を形成させた。次に、リン酸化基質の量を、Euキレートからのストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー移動の測定によって評価した。従って、350nmでの励起後の620nmおよび665nmでの蛍光発光を、TR−FRET読取装置、例えばRubystar(BMG Labtechnologies, Offenburg, Germany)またはViewlux(Perkin−Elmer)で測定した。665nmおよび622nmでの蛍光発光の比率を、リン酸化基質の量についての尺度として得た。そのデータを正規化した(阻害剤なしの酵素反応=0%阻害、酵素を除くすべての他のアッセイ成分=100%阻害)。通常は、20μMから1nMの範囲の11種類の異なる濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nMおよび0.1nM、連続1:3.4希釈により100倍濃縮DMSO中溶液のレベルでのアッセイ前に個別に調製した一連の希釈液)で、各濃度について二連の値で同一のマイクロタイタープレート上で試験化合物の試験を行い、IC50値を、社内ソフトウェアを用いて4パラメーター適合によって計算した。
2b. CDK2/CycE高ATPキナーゼアッセイ:
2mMアデノシン三リン酸(ATP)での本発明の化合物のCDK2/CycE阻害活性を、下記の段落に記載のCDK2/CycE TR−FRET(TR−FRET=時間分解蛍光共鳴エネルギー転移)アッセイを用いて定量した。
昆虫細胞(Sf9)で発現させ、グルタチオン−セファロースアフィニティクロマトグラフィーによって精製したGSTおよびヒトCDK2の組換え融合タンパク質およびGSTおよびヒトCycEの組換え融合タンパク質を、ProQinase GmbH(Freiburg, Germany)から購入した。キナーゼ反応用の基質として、例えば、JERINI peptide technologies社(Berlin, Germany)から購入可能なビオチン化ペプチドビオチン−Ttds−YISPLKSPYKISEG(C末端がアミド型)を用いた。
アッセイのために、100倍濃縮の試験化合物のDMSO中溶液50nLを、黒色低容量384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One, Frickenhausen, Germany)にピペットで入れ、CDK2/CycEのアッセイ緩衝水溶液[50mM Tris/HCl pH 8.0、10mM MgCl2、1mMジチオトレイトール、0.1mMナトリウムオルト−バナデート、0.01%(v/v)Nonidet−P40(Sigma)]中溶液2μLを加え、その混合物を22℃で15分間インキュベートして、キナーゼ反応の開始前に試験化合物を酵素に前結合させた。次に、キナーゼ反応を、ATP(3.33mM→最終濃度、アッセイ容量5μLにおける最終濃度は2mMである)および基質(1.25μM→最終濃度、アッセイ容量5μLにおける最終濃度は0.75μMである)のアッセイ緩衝液中溶液3μLを加えることで開始し、得られた混合物を22℃で25分間の反応時間にわたりインキュベートした。CDK2/CycEの濃度を、酵素ロットの活性に応じて調節し、直線範囲でアッセイを行うのに適するように選択し、代表的な濃度は15ng/mLの範囲であった。TR−FRET検出試薬(0.2μMストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays, Codolet, France]およびBD Pharmingen[#558389]からの1nM抗RB(pSer807/pSer811)抗体および1.2nM LANCE EU−W1024標識抗マウスIgG抗体[Perkin−Elmer、製品番号AD0077、代替物としてCisbio Bioassaysからのテルビウム−クリプテート標識抗マウスIgG抗体を用いることができる])のEDTA水溶液(100mM EDTA、100mM HEPES pH7.5中0.2%(w/v)ウシ血清アルブミン)中溶液5μLを加えることで反応を停止した。
得られた混合物を22℃で1時間インキュベートして、リン酸化ビオチニル化ペプチドと検出試薬との間の複合体を形成させた。次に、リン酸化基質の量を、Euキレートからのストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー移動の測定によって評価した。従って、350nmでの励起後の620nmおよび665nmでの蛍光発光を、TR−FRET読取装置、例えばRubystar(BMG Labtechnologies, Offenburg, Germany)またはViewlux(Perkin−Elmer)で測定した。665nmおよび622nmでの蛍光発光の比率を、リン酸化基質の量についての尺度として得た。そのデータを正規化した(阻害剤なしの酵素反応=0%阻害、酵素を除くすべての他のアッセイ成分=100%阻害)。通常は、20μMから1nMの範囲の11種類の異なる濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nMおよび0.1nM、連続1:3.4希釈により100倍濃縮DMSO中溶液のレベルでのアッセイ前に個別に調製した一連の希釈液)で、各濃度について二連の値で同一のマイクロタイタープレート上で試験化合物の試験を行い、IC50値を、社内ソフトウェアを用いて4パラメーター適合によって計算した。
3.増殖アッセイ:
培養した腫瘍細胞(NCI−H460、ヒト非小細胞肺癌腫細胞、ATCC HTB−177;DU145、ホルモン非依存性ヒト前立腺癌細胞、ATCC HTB−81;HeLa−MaTu−ADR、多剤耐性ヒト頸部癌腫細胞、EPO−GmbH、Berlin;Caco−2、ヒト結腸直腸癌細胞、ATCC HTB−37;B16F10マウス黒色腫細胞、ATCC CRL−6475)を、96ウェルマルチタイタープレートで、35000細胞/ウェル(DU145、HeLa−MaTu−ADR)、3000細胞/ウェル(NCI−H460、HeLa)、1500細胞/ウェル(Caco−2)または1000細胞/ウェル(B16F10)の密度で、10%ウシ胎仔血清を補充した各増殖培地200μLに蒔いた。24時間後、1個のプレート(ゼロポイントプレート)の細胞を、クリスタルバイオレット(下記参照)によって染色し、他のプレートの培地に、Hewlett−Packard HP D300 Digital Dispenserを用いて、各種濃度で試験物質を補充し(0μM、ならびに0.0001から10μMの範囲で;溶媒ジメチルスルホキシドの最終濃度を0.1%に調節した。)。その細胞を、試験物質の存在下で4日間培インキュベートした。細胞をクリスタルバイオレットで染色することで、細胞増殖を求めた。15分室温にて11%グルタルアルデヒド溶液20μL/測定点を加えることで細胞を固定した。その固定細胞の水による洗浄サイクルを3回行った後に、当該プレートを室温で乾燥させた。0.1%クリスタルバイオレット溶液(pH3.0)100μL/測定点を加えることで、細胞を染色した。染色細胞の水による洗浄サイクルを3回行った後、プレートを室温にて乾燥させた。10%酢酸溶液100μL/測定点を加えることで染料を溶解させた。消失を、呈色の強度に応じて波長595nmの測光法によって消光を測定した。ゼロポイントプレートの消光値(=0%)と未処理(0μm)細胞の消光値(=100%)に対して測定値を正規化することでパーセント単位での細胞数の変化を計算した。4パラメータ適合によって、IC50値(50%最大効果での阻害濃度)を求めた。
A2780、ヒト卵巣癌細胞(ECACC#93112519)および非接着性MOLM−13ヒト急性骨髄性白血病細胞(DSMZ ACC554)を、96ウェルマイクとライタープレートにおいて、10%ウシ胎仔血清を補充した増殖培地150μLに3000細胞/ウェル(A2780)または5000細胞/ウェル(MOLM−13)の密度で接種した。24時間後、一方のプレート(ゼロポイントプレート)の細胞生存率を、Cell Titre−Glo発光細胞生存率アッセイ(Promega)を用いて求め、他方で他のプレートの培地に、Hewlett−Packard HP D300 Digital Dispenserを用いて、各種濃度で試験物質を補充した(0μM、ならびに0.0001から10μMの範囲で;溶媒ジメチルスルホキシドの最終濃度を0.1%に調節した。)。Cell Titre−Glo発光細胞生存率アッセイ(Promega)を用いて、72時間曝露後に細胞生存率を評価した。媒体(DMSO)処理細胞に正規化した測定データ(=100%)および化合物曝露直前の測定読み取り値(=0%)での4パラメータ適合によって、IC50値(最大効果の50%での阻害濃度)を求めた。
4.平衡振盪フラスコ溶解度アッセイ:
4a)薬剤の水溶解度の高スループット測定(100mM DMSO中溶液)
薬剤水溶解度を測定する高スループットスクリーニング法は、下記のものに基づく。
Thomas Onofrey and Greg Kazan, Performance and correlation of a 96−well high throughput screening method to determine aqueous drug solubility、
http://www.millipore.com/publications.nsf/a73664f9f981af8c852569b9005b4eee/e565516fb76e743585256da30052db77/$FILE/AN1731EN00.pdf。
当該アッセイは、96ウェルプレート方式で行った。各ウェルに、個々の化合物を充填した。
ピペット注入段階は全て、ロボットプラットホームを用いて行った。
10mM薬剤のDMSO中溶液100μLを真空遠心によって濃縮し、DMSO 10μLに再溶解させた(resolved)。リン酸緩衝液pH6.5 990μLを加えた。DMSO含有量は1%となる。マイクロタイタープレートを振盪器に乗せ、室温で24時間混合した。懸濁液150μを濾過プレートに移した。真空多岐管を用いた濾過後、濾液を1:400および1:8000希釈した。10mM薬剤のDMSO中溶液20μLを入れた第2のマイクロタイタープレートを較正に用いた。DMSO/水1:1での希釈によって2種類の濃度(0.005μMおよび0.0025μM)を調製し、較正に用いた。濾液および較正プレートを、HPLC−MS/MSによって定量した。
化学物質:
0.1Mリン酸緩衝液pH6.5の調製:
NaCl 61.86gおよびKH2PO4 39.54mgを水に溶かし、1リットルの量とした。混合物を水で1:10希釈し、NaOHによってpHを6.5に調節した。
材料:
Millipore MultiScreenHTS−HVプレート0.45μm
クロマトグラフィー条件は下記の通りであった。
HPLCカラム:Ascentis Express C18 2.7μm4.6×30mm
注入容量:1μL
流量:1.5mL/分
移動相:酸性勾配
A:水/0.05%HCOOH
B:アセトニトリル/0.05%HCOOH
0分→95%A 5%B
0.75分→5%A 95%B
2.75分→5%A 95%B
2.76分→95%A 5%B
3分→95%A 5%B。
サンプル−および較正注入の面積を、質量分析ソフトウェア(ABSCIEX:Discovery Quant2.1.3.およびAnalyst1.6.1)を用いることで求めた。溶解度値(単位:mg/L)の計算を、社内開発したExcelマクロによって実行した。
4b)粉末からの熱力学的水溶解度
化合物の熱力学的水溶解度を、平衡浸透フラスコ法によって求めた(例えばE.H. Kerns、L. Di: Drug−like Properties: Concepts、Structure Design and Methods, 76−286, Burlington, MA, Academic Press, 2008参照)。薬剤の飽和溶液を調製し、その溶液を24時間混合して、平衡に達するようにした。その溶液を遠心して、不溶画分を除去し、標準較正曲線を用いて溶液中の化合物の濃度を求めた。サンプルを製造するため、固体化合物2mgを4mLガラスバイアルに秤取した。リン酸緩衝液pH6.5 1mLを加えた。その懸濁液を室温で24時間撹拌した。その後、溶液を遠心した。標準較正のためのサンプルを製造するため、固体サンプル2mgをアセトニトリル30mLに溶かした。遠心後、溶液を水で希釈して50mLとした。UV検出を用いるHPLCによって、サンプルおよび標準を定量した。各サンプルについて、三連で2種類の注入容量(5および50μL)とした。標準については、3種類の注入容量(5μL、10μLおよび20μL)とした。
クロマトグラフィー条件:
HPLCカラム:Xterra MS C18 2.5μm 4.6×30mm
注入容量:サンプル:3×5μLおよび3×50μL
標準:5μL、10μL、20μL
流量:1.5mL/分。
移動相:酸性勾配:
A:水/0.01%TFA
B:アセトニトリル/0.01%TFA
0分→95%A 5%B
0から3分→35%A 65%B、直線勾配
3から5分→35%A 65%B、定組成
5から6分→95%A 5%B、定組成。
UV検出器:吸収最大値付近の波長(200から400nm)。
サンプル−および標準注入の面積ならびに溶解度値(単位:mg/L)の計算値を、HPLCソフトウェア(Waters Empower 2FR)を用いることで求めた。
4c)クエン酸緩衝液pH4中の熱力学的溶解度
熱力学的溶解度を平衡浸透フラスコ法によって求めた[文献:Edward H. Kerns and Li Di (2008) Solubility Methods in: Drug−like Properties: Concepts, Structure Design and Methods, p276−286. Burlington, MA: Academic Press]。
薬剤の飽和溶液を調製し、溶液を24時間混合して、平衡に達するようにした。その溶液を遠心して、不溶画分を除去し、標準較正曲線を用いて溶液中の化合物の濃度を求めた。
サンプルを製造するため、固体化合物1.5mgを4mLガラスバイアルに秤取した。クエン酸緩衝液pH4 1mLを加えた。その懸濁液を撹拌装置に乗せ、室温で24時間混合した。その後、溶液を遠心した。標準較正のためのサンプルを製造するため、固体サンプル0.6mgをアセトニトリル/水1:1 19mLに溶かした。遠心後、溶液をアセトニトリル/水1:1で20mLとした。
UV検出を用いるHPLCによって、サンプルおよび標準を定量した。各サンプルについて、三連で2種類の注入容量(5および50μL)とした。標準については、3種類の注入容量(5μL、10μLおよび20μL)とした。
化学物質:
クエン酸緩衝液pH4(MERCK Art.109435;クエン酸11,768g、水酸化ナトリウム4,480g、塩化水素1,604gからなる緩衝液1リットル)。
クロマトグラフィー条件は下記の通りであった。
HPLCカラム:Xterra MS C18 2.5μm 4.6×30mm
注入容量:サンプル:3×5μLおよび3×50μL
標準:5μL、10μL、20μL
流量:1.5mL/分
移動相:酸性勾配:
A:水/0.01%TFA
B:アセトニトリル/0.01%TFA
0分:95%A 5%B
0から3分:35%A 65%B、直線勾配
3から5分:35%A 65%B、定組成
5から6分:95%A 5%B、定組成。
UV検出器:吸収最大値付近の波長(200から400nm)。
サンプル−および標準注入の面積ならびに溶解度値(単位:mg/L)の計算値を、HPLCソフトウェア(Waters Empower 2FR)を用いることで求めた。
サンプル−および標準注入の面積ならびに溶解度値(単位:mg/L)の計算値を、HPLCソフトウェア(Waters Empower 2FR)を用いることで求めた。
5.Caco−2透過アッセイ:
Caco−2細胞(DSMZ Braunschweig, Germanyから購入)を、4.5×104細胞/ウェルの密度にて24ウェルインサートプレート(孔径0.4μm)に接種し、15日間にわたり10%ウシ胎仔血清、1%GlutaMAX(100倍、GIBCO)、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン(GIBCO)および1%非必須アミノ酸(100倍)を補充したDMEM培地で増殖させた。細胞を、37℃で湿度5%CO2雰囲気に維持した。培地は2から3日ごとに交換した。透過アッセイを行う前に、培地を、FCSを含まないhepes−カーボネート輸送緩衝液(pH7.2)に換えた。単層の完全性を評価するために、経上皮電気抵抗(TEER)を測定した。試験化合物を、DMSOに予め溶解させて、輸送緩衝液中最終濃度2μMで先端(apical)区画または側底(basolateral)区画に加えた。37℃でインキュベーションの2時間前後に、サンプルを両方の区画から採取した。化合物含有量の分析を、メタノールによる沈澱後に、LC/MS/MS分析によって行った。透過率(Papp)を、先端から側底方向(A→B)と側底から先端方向(B→A)で計算した。その見かけの透過率は、下記の等式を用いて計算した。
Papp=(Vr/Po)(1/S)(P2/t)
式中、Vrは受け取りチャンバでの培地体積であり、Poはt=0時の供与チャンバでの試験薬剤のピーク面積もしくはピーク高さ測定値であり、Sは単層の表面積であり、P2は、2時間のインキュベーション後の受け取りチャンバ内の試験薬剤の測定ピーク面積であり、tはインキュベーション時間である。Papp B−AをPapp A−Bで割ることで、側底(B):先端(A)の流出比を計算した。さらに、化合物回収率を計算した。
6.ラット肝細胞でのイン・ビトロ代謝安定性の研究
Han Wistarラットからの肝細胞を、2段階灌流法によって単離した。灌流後、肝臓を注意深くラットから摘出し、肝臓被膜を開き、肝細胞を、氷冷ウィリアムス培地E(Sigma Aldrich Life Science, St Louis、 MOから購入)の入ったシャーレに、優しく振り出した。得られた細胞懸濁液を無菌ガーゼで濾過して50mLファルコン管に入れ、室温にて50×gで3分間遠心した。細胞ペレットをWME 30mLに再懸濁させ、100×gで2回Percoll(登録商標)勾配で遠心した。肝細胞を再度ウィリアムス培地E(WME)で洗浄し、5%ウシ胎仔血清(FCS、Invitrogen, Auckland, NZから購入)を含む培地に再懸濁させた。細胞生存率を、トリパンブルー排除によって求めた。
代謝安定性アッセイのため、肝臓細胞を、1.0×106生存細胞/mLの密度でガラスバイアルに、5%FCSを含むWME中に分配した。試験化合物を、最終濃度1μMまで加えた。インキュベーション中、肝細胞懸濁液を連続振盪し、2、8、16、30、45および90分の時点で少量サンプルを採取し、それに対して等体積の冷アセトニトリルを直ちに加えた。次に3000rpmで15分間遠心した後にサンプルを終夜−20℃で冷凍し、上清を、LCMS/MS検出を行うAgilent 1200 HPLCシステムで分析した。
試験化合物の半減期を、濃度−時間プロットから求めた。その半減期から、固有クリアランスを計算した。別のパラメータである肝血流量、イン・ビボおよびイン・ビトロでの肝臓細胞の量とともに、最大経口生物学的利用能(Fmax)を、次のスケーリングパラメータ:肝血流量(ラット)−4.2L/h/kg;比肝臓重量−32g/kgラット体重;イン・ビボの肝臓細胞−1.1×108細胞/g肝臓、イン・ビトロの肝臓細胞−0.5×106/mLを用いて計算した。
7.ラットでのイン・ビボ薬物動態
イン・ビボ薬物動態実験のため、試験化合物を、耐容される量でラット血漿またはPEG400などの可溶化剤を用いて液剤として製剤した用量0.3から1mg/kgで雄Wistarラットに静脈注射した。
静脈投与後の薬物動態のため、試験化合物を静注ボラスとして投与し、投与から2分後、8分後、15分後、30分後、45分後、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、8時間後および24時間後に採血を行った。予想半減期に応じて、それより遅い時点での採血を行った(例えば、48時間、72時間)。血液をリチウム−ヘパリン管(Monovetten(登録商標)、Sarstedt)に回収し、3000rpmで15分間遠心した。上清(血漿)からの少量サンプル100μLを取り、氷冷アセトニトリル400μLを加えることで沈殿させ、−20℃で終夜冷凍させた。次に、サンプルを解凍し、3000rpm、4℃で20分間遠心した。上清の小分けサンプルを、LCMS/MS検出を行うAgilent 1200 HPLCシステムを用いる分析試験用に採取した。PKパラメータを、PK計算ソフトウェアを用いる非コンパートメント解析によって計算した。
静注後の濃度−時間プロファイルから誘導されるPKパラメータ:CLplasma:試験化合物の総血漿クリアランス(単位:L/kg/h);CLblood:試験化合物の総血中クリアランス:CLplasma*Cp/Cb(単位:L/kg/h)(Cp/Cbは血漿および血液中の濃度の比である)、AUCnorm:t=0時間から無限時間(外挿)までの濃度−時間曲線下の面積を投与用量で割ったもの(単位:kg*h/L);t1/2:終末相半減期(単位:時間)。
8.表面プラズモン共鳴PTEFb
定義
本明細書で使用される場合、「表面プラズモン共鳴」という用語は、例えばBiacore(登録商標)システム(GE Healthcare Biosciences, Uppsala, Sweden)を用いてバイオセンサー基質内のリアルタイムでの生体分子の可逆的会合の分析を可能とする光学的現象を指す。Biacore(登録商標)は、表面プラズモン共鳴(SPR)の光学特性を用いて、溶液中の分子が表面に固定化された標的と相互作用するに連れて変化する緩衝液の屈折率における変動を検出する。すなわち、タンパク質を既知濃度でデキストラン基質に共有結合させ、そのタンパク質のリガンドをデキストラン基質から注入する。センサーチップ表面の反対側に向かう近赤外光が反射し、金フィルムでエバネセント波も誘発し、それが次に、共鳴角として知られる特定の角度で反射光強度低下を生じさせる。センサーチップ表面の屈折率が変わった場合(例えば、結合タンパク質への化合物結合による)、共鳴角にシフトが生じる。この角度シフトを測定することができる。これらの変化は、生体反応の会合および解離を描くセンサーグラムのy軸で時間に関して表示される。
本明細書で使用される「KD」という用語は、特定の化合物/標的タンパク質複合体の平衡解離定数を指すものとする。
本明細書で使用される「koff」という用語は、オフレート、すなわち特定の化合物/標的タンパク質複合体の解離速度定数を指すものとする。
本明細書で使用される「標的滞留時間」という用語は、特定の化合物/標的タンパク質複合体の解離速度定数の率の逆数(1/koff)を指すものとする。
さらなる説明については、
Joensson U et al al., 1993 Ann Biol Clin.;51(1):19−26;
Johnsson B et al, Anal Biochem. 1991;198(2):268−77;
Day Y et al, Protein Science, 2002;11, 1017−1025;
Myskza DG, Anal Biochem., 2004; 329, 316−323;
Tummino and Copeland, Biochemistry, 2008;47(20):5481−5492
を参照する。
生理活性
本発明による化合物の生理活性(例えば、PTEFbの阻害剤として)を、記載のSPRアッセイを用いて測定することができる。
SPRアッセイである化合物が示す活性レベルは、KD値に関して定義することができ、本発明の好ましい化合物は、1μM未満、より好ましくは0.1μM未満のKD値を有する化合物である。
さらに、ある化合物のそれの標的での滞留時間は、標的滞留時間(TRT)に関して定義することができ、本発明の好ましい化合物は、10分超、より好ましくは1時間超のTRT値を有する化合物である。
本発明による化合物がヒトPTEFbに結合する能力は、表面プラズモン共鳴(SPR)を用いて求めることができる。KD値およびkoff値は、Biacore(登録商標)T200装置(GE Healthcare, Uppsala, Sweden)を用いて測定することができる。
SPR測定の場合、組み換えヒトPTEFb(ProQinase, Freiburg, Germanyから購入したCDK9/サイクリンT1組み換えヒト活性タンパク質キナーゼ)を、標準的アミンカップリング(Johnsson B et al, Anal Biochem. 1991 Nov 1;198(2):268−77)を用いて固定化する。すなわち、カルボキシメチル化デキストランバイオセンサーチップ(CM7、GE Healthcare)を、供給者の説明書に従ってN−エチル−N′−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC)およびN−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)で活性化する。ヒトPTEFbを1×HBS−EP+(GE Healthcare)で希釈し、活性化チップ表面に注入する。次に、1Mエタノールアミン−HCl(GE Healthcare)および1×HBS−EPの1:1溶液を注入して、未反応基をブロックすることで、約4000応答単位(RU)の固定化タンパク質となった。NHS−EDCおよびエタノールアミン−HClで処理することで基準表面を作る。化合物を100%ジメチルスルホキシド(DMSO、Sigma−Aldrich, Germany)で溶かして濃度10mM年、次にランニング緩衝液(1×HBS−EP+pH7.4[HBS−EP+緩衝液10×(GE Healthcare):0.1M HEPES、1.5M NaCl、30mM EDTAおよび0.5体積%界面活性剤P20から作成]、1体積%DMSO)で希釈する。反応速度測定の場合、化合物の連続希釈液(0.82nMから2μM)を固定化タンパク質上に注入する。結合反応速度を、ランニング緩衝液中流量50μL/分にて25℃で測定する。化合物濃厚液を60秒間注入してから、1800秒間の解離時間を設ける。これらのパラメータがわずかに変動することが表4aおよび4bで示されている。37℃で行ったSPR測定を表4bにまとめてある。得られたセンサーグラムを、前記基準表面とブランク注入に対して二重参照する。
二重参照センサーグラムを、Biacore(登録商標)T200評価ソフトウェア2.0(GE Healthcare)で実行される単純な可逆的ラングミュア1:1反応機構に適合させる。解離相終了後に完全な化合物解離が生じていない場合、Rmaxパラメータ(飽和時応答)をローカル変数として適合させる。他の全ての場合で、Rmaxをグローバル変数として適合させる。
製造例
化合物の合成
本発明による式(I)の大環状化合物の合成は好ましくは、図式1a、1b、1c、1d、2、3a、3b、3c、3d、3e、4a、4b、4c、5、6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g、7a、7b、7c、8a、8b、8c、9a、9b、9c、9d、9eおよび9fに示した一般合成手順に従って行う。
下記に記載の前記経路に加えて、有機合成の当業者の共通の一般知識に従って、他の経路も用いて標的化合物を合成することができる。従って、下記の図式に例示の変換の順序は、それに限定されるものではなく、各種図式からの好適な合成段階を組み合わせて、別の合成手順を作ることができる。さらに、例示の変換の前および/または後に、置換基R1、R2、R3、R4および/またはR5のいずれかの修飾を行うことができる。これらの変更は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、金属触媒カップリング反応、置換または当業者に公知の他の反応などがあり得る。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能性を導入する変換などがある。適切な保護基およびそれらの導入および開裂は当業者には公知である(例えばT.W. Greene and P.G.M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis, 4th edition, Wiley 2006参照)。具体例が、後の段落に記載されている。さらに、2以上の連続段階を前記段階間で後処理を行わずに行うことが可能であり、例えば、当業者に公知のように「ワンポット」反応である。
スルフィニルおよびスルホキシミン部分の幾何学により、一般式(I)の化合物の一部はキラルとなる。ラセミ体のスルホキシド類およびスルホキシミン類のそれらのエナンチオマーへの分離は、当業者に公知の方法によって、好ましくはキラル固定相での分取HPLCによって行うことができる。
いずれも本発明による一般式(I)の部分集合を構成する式(11)、(15)、(15a)および(15b)のピリジン誘導体の合成を、好ましくは、図式1a、1b、1cおよび1dに示した一般合成手順に従って行う。
図式1a、1bおよび1c(R1、R2、R3、R4およびR5は、本発明による一般式(I)の化合物について定義の通りである。)は、2−クロロ−5−フルオロ−4−ヨードピリジン(1;CAS#884494−49−9)からの式(11)および(15)のピリジン系大環状化合物の製造を説明するものである。図式1aで説明したように、前記出発材料(1)を式(2)のボロン酸誘導体(R3およびR4は一般式(I)の化合物について定義の通りである。)と反応させて、式(3)の化合物を得ることができる。ボロン酸誘導体(2)は、ボロン酸(R=−H)またはボロン酸のエステル、例えばそれのイソプロピルエステル(R=−CH(CH3)2)、またはボロン酸中間体が2−アリール−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(R−R=−C(CH3)2−C(CH3)2−)を形成しているピナコールから誘導されるエステルであることができる。
前記カップリング反応は、パラジウム触媒によって、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh3)4]、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジ−パラジウム(0)[Pd2(dba)3]のようなPd(0)触媒によって、またはジクロロビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)[Pd(PPh3)2Cl2]、酢酸パラジウム(II)およびトリフェニルホスフィンのようなPd(II)触媒により、または[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム・ジクロライドによって触媒され得る。
その反応は好ましくは、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、DMF、THFまたはイソプロパノールなどの溶媒と水の混合物中、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウムまたはリン酸カリウムのような塩基の存在下に行う(総覧:D.G. Hall, Boronic Acids, 2005 WILEY−VCH Verlag GmbH & Co. KGaA, Weinheim, ISBN 3−527−30991−8およびそこで引用の参考文献)。
その反応は、室温(すなわち、約20℃)から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で行う。さらに、その反応は、圧力管およびマイクロ波オーブンを用いて沸点より高い温度で行うことができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完了する。
第2段階で、式(3)の化合物を式(4)の化合物に変換することができる。この反応は、パラジウム触媒C−N交差カップリング反応によって行うことができる(C−N交差カップリング反応に関する総覧については、例えばa) L. Jiang, S.L. Buchwald in ′Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions′, 2nd ed.: A. de Meijere, F. Diederich, Eds.: Wiley−VCH: Weinheim, Germany, 2004を参照する。)。
好ましいものは、本明細書に記載のTHF中でのリチウムビス(トリメチルシリル)アミド、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニルの使用である。その反応は好ましくは、アルゴン雰囲気下に油浴中40から80℃の温度で3から24時間行う。
第3段階で、式(4)の化合物に存在するメチルエーテルを開裂させることによって、式(4)の化合物を式(5)の化合物に変換することができる。
好ましいものは、本明細書に記載のDCM中の三臭化ホウ素の使用である。その反応は好ましくは、0℃から室温で1から24時間行う。
第4段階で、式(5)の化合物を、式(6)の化合物[Lは、一般式(I)の化合物について定義の通りであり、LG1はクロロ、ブロモ、ヨード、C1−C4−アルキル−S(=O)2O−、トリフルオロメタンスルホニルオキシ−、ベンゼンスルホニルオキシ−またはパラ−トルエンスルホニルオキシ−、好ましくはブロモなどの脱離基である。]とカップリングさせて、式(7)の化合物を得ることができる。この反応は、優先的に、炭酸カリウムなどの有機塩基の存在下に、MeCN中、80℃で、密閉容器において、および反応時間3から24時間で行う。
式(6)の化合物は当業者には公知であり、広く市販されている。
第5段階で、そして図式1bに示したように、式(7)の化合物を、式(8)の化合物[R1およびR2は、一般式(I)の化合物について定義の通りである。]とカップリングさせて、式(9)の化合物を得ることができる。この反応は、パラジウム触媒C−N交差カップリング反応によって行うことができる(C−N交差カップリング反応に関する総覧については、例えばa) L. Jiang, S.L. Buchwald in ′Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions′, 2nd ed.: A. de Meijere, F. Diederich, Eds.: Wiley−VCH: Weinheim, Germany, 2004を参照する。)。
好ましくは、溶媒としてのC1−C3−アルキルベンゼンおよびカルボキサミド系溶媒の混合物、好ましくはトルエンおよびNMPの混合物中、触媒および配位子としてクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル、塩基としてアルカリ炭酸塩またはアルカリリン酸塩、好ましくはリン酸カリウムを上記のように使用する。その反応は好ましくは、マイクロ波オーブンまたは油浴にて、100から130℃で2から24時間にわたりアルゴン雰囲気下に行う。
式(8)の化合物は、下記の図式2で説明した方法に従って製造することができる。
第6段階で、式(9)の化合物を式(10)の化合物に変換することができる。この脱保護は好ましくは、溶媒としての式C1−C4−アルキル−OHの脂肪族アルコール、好ましくはMeOHまたはEtOH中、室温(すなわち、約20℃)から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、ヒドラジンの水溶液を用いて行う。さらに、その反応は、圧力管およびマイクロ波オーブンを用い、沸点より高い温度で行うことができる。適宜に、ヒドロフラン、テトラヒドロピランまたは1,4−ジオキサンなどの環状エーテルテトラを共溶媒として加えて、原料の完全な溶解を助けることができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完結する(P. G. M. Wuts, T. W. Green, Protective Groups in Organic Synthesis, 4th Edition, John Wiley & Sons, Hoboken, USA, 2006)。
第7段階で、式(10)の化合物は、式(11)の大環状化合物に変換することができる。この環化反応は、分子内パラジウム触媒C−N交差反応によって行うことができる(C−N交差カップリング反応についての総覧に関しては、例えば:a) L. Jiang, S.L. Buchwald in ′Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions′, 2nd ed.: A. de Meijere, F. Diederich, Eds.: Wiley−VCH: Weinheim, Germany, 2004を参照する。)。
好ましくは、溶媒としてのC
1−C
3−アルキルベンゼンおよびカルボキサミド系溶媒の混合物、好ましくはトルエンおよびNMPの混合物中、触媒および配位子としてのクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル、塩基としてのアルカリ炭酸塩またはアルカリリン酸塩、好ましくはリン酸カリウムを本明細書で記載のように使用する。その反応は、好ましくはマイクロ波オーブンまたは油浴で、100から130℃でアルゴン雰囲気下に2から24時間にわたり行う。
図式1cで説明したように、式(7)の化合物[R3、R4およびLは、一般式(I)の化合物について定義の通りである。]も、式(12)の化合物に変換することができる。この脱保護は好ましくは、溶媒として式C1−C4−アルキル−OHの脂肪族アルコール、好ましくはMeOHまたはEtOH中、室温(すなわち、約20℃)から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度でヒドラジンの水溶液を用いて行う。さらに、その反応は、圧力管およびマイクロ波オーブンを用いて沸点より高い温度で行うことができる。適宜に、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランまたは1,4ジオキサンなどの環状エーテルを共溶媒として加えて、原料の完全な溶解を助けることができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完結する(P. G. M. Wuts, T. W. Green, Protective Groups in Organic Synthesis, 4th Edition, John Wiley & Sons, Hoboken, USA, 2006)。
次の段階で、式(12)の化合物を、式(13)の化合物[R1、R2およびR5は、一般式(I)の化合物について定義の通りである。]とカップリングさせて、式(14)の化合物を得ることができる。この反応は、優先的に、双極性非プロトン性溶媒、例えばカルボキサミド系溶媒またはジメチルスルホキシド、好ましくはNMP中、有機もしくは無機塩基、例えばピリジン(同一にまたは異なって、C1−C3−アルキル−で2回もしくは3回置換されていても良く、例えばルチジンである。)または式(C1−C3−アルキル−)3Nの脂肪族アミンまたはアルカリ炭酸塩、優先的にはN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に行う。その反応は好ましくは、マイクロ波オーブンまたは油浴で100から160℃でアルゴン雰囲気下に2から24時間にわたり行う。
式(13)の化合物は、下記のように図式2で説明する方法に従って製造することができる。
次に、式(14)の化合物を、式(15)の大環状化合物に変換することができる。この環化反応は、分子内パラジウム触媒C−N交差反応によって行うことができる(C−N交差カップリング反応についての総覧に関しては、例えば:を参照する。a) L. Jiang, S.L. Buchwald in ′Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions′, 2nd ed.: A. de Meijere, F. Diederich, Eds.: Wiley−VCH: Weinheim, Germany, 2004)。
好ましくは、溶媒としてのC
1−C
3−アルキルベンゼンおよびカルボキサミド系溶媒の混合物、好ましくはトルエンおよびNMPの混合物中、触媒および配位子としてのクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル、塩基としてのアルカリ炭酸塩またはアルカリリン酸塩、好ましくはリン酸カリウムを本明細書に記載のように使用する。その反応は好ましくは、マイクロ波オーブンまたは油浴で100から130℃でアルゴン雰囲気下に2から24時間にわたり行う。式(15)の化合物に存在するR
5基が保護基、例えばトリフルオロアセチル−(−C(=O)CF
3)、tert−ブトキシカルボニル−(−C(=O)OC(CH
3)
3;本明細書において「Boc]とも称される。)、またはベンジルオキシカルボニル−(−C(=O)OCH
2Ph)である場合、R
5は、当業者に公知の方法を用いて容易に水素原子に変換することができる。
図式1dで説明したように、式(15a)のN−未保護スルホキシイミン(R5=H)をさらに、式(15b)のN−官能化誘導体に変換することができる。スルホキシイミン基の窒素の官能化によるN−官能化スルホキシイミンの製造方法が複数ある。
−アルキル化:例えば、a) U. Lucking et al, US 2007/0232632; b) C.R. Johnson, J. Org. Chem. 1993, 58, 1922; c) C. Bolm et al, Synthesis 2009, 10, 1601を参照する。
−アシル化:例えば、a) C. Bolm et al, Chem. Europ. J. 2004, 10, 2942; b) C. Bolm et al, Synthesis 2002, 7, 879; c) C. Bolm et al, Chem. Eur. J. 2001, 7, 1118を参照する。
−アリール化:例えば:a) C. Bolm et al, Tet. Lett. 1998, 39, 5731; b) C. Bolm et al., J. Org. Chem. 2000, 65, 169; c) C. Bolm et al, Synthesis 2000, 7, 911; d) C. Bolm et al, J. Org. Chem. 2005, 70, 2346; e) U. Lucking et al, WO2007/71455を参照する。
−イソシアネート類との反応:例えば、a) V.J. Bauer et al, J. Org. Chem. 1966, 31, 3440; b) C. R. Johnson et al, J. Am. Chem. Soc. 1970, 92, 6594; c) S. Allenmark et al, Acta Chem. Scand. Ser. B 1983, 325; d) U. Lucking et al, US2007/0191393を参照する。
−スルホニルクロライド類との反応:例えば、a) D.J. Cram et al, J. Am. Chem. Soc. 1970, 92, 7369; b) C.R. Johnson et al, J. Org. Chem. 1978, 43, 4136; c) A.C. Barnes, J. Med. Chem. 1979, 22, 418; d) D. Craig et al, Tet. 1995, 51, 6071; e) U. Lucking et al, US2007/191393を参照する。
−クロロホルミエート類(chloroformiates)との反応:例えば、a) P.B. Kirby et al, DE2129678; b) D.J. Cram et al, J. Am. Chem. Soc. 1974, 96, 2183; c) P. Stoss et al, Chem. Ber. 1978, 111, 1453; d) U. Lucking et al, WO2005/37800を参照する。
−ブロモシアンとの反応:例えば、a) D.T. Sauer et al, Inorganic Chemistry 1972, 11, 238; b) C. Bolm et al, Org. Lett. 2007, 9, 2951; c) U. Lucking et al, WO 2011/29537を参照する。
式(8)の化合物[R1およびR2は、一般式(I)の化合物および式(13)の化合物について定義の通りであり、R1、R2およびR5は、一般式(I)の化合物について定義の通りである。]は、例えば式(16)の2,6−ジクロロイソニコチン酸誘導体[R2は、一般式(I)の化合物について定義の通りであり、それは還元によって式(17)の相当するピリジンメタノールに還元することができる。]から出発して、図式2に従って製造することができる。好ましくは、テトラヒドロフラン中のスルファンジイルジメタン−ボラン(1:1錯体)を本明細書に記載のように使用する。
式(16)のイソニコチン酸およびそれのエステルの誘導体は、当業者には公知であり、多くの場合市販されている。
第2段階で、式(17)のピリジンメタノールを反応させて、式(18)の化合物[LG2は、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−C4−アルキル−S(=O)2O−、トリフルオロメタンスルホニルオキシ−、ベンゼンスルホニルオキシ−、またはパラ−トルエンスルホニルオキシ−などの脱離基を表す。]を得ることができる。そのような変換は当業者には公知であり、好ましくは、溶媒としてのジクロロメタン中、塩基としてのトリエチルアミンの存在下にメタンスルホニルクロライドを本明細書に記載のように使用して式(18)の化合物[LG2は、メタンスルホニルオキシ−を表す。]を得るか、または溶媒としてのトルエン中、塩基としてのピリジンの存在下に塩化チオニルを本明細書に記載のように使用して式(18)の化合物[LG2はクロロを表す。]を得る。
第3段階で、式(18)の化合物を、式R1−SHのチオール(または前記チオールの塩)[R1は、一般式(I)の化合物について定義の通りである。]と反応させて、式(8)のチオエーテル誘導体を得ることができる。式R1SHのチオールおよびそれの塩は当業者には公知であり、かなり多様な形で市販されている。
式(8)のチオエーテルの酸化を用いて、式(19)の相当するスルホキシドを得ることができる。その酸化は、公知の方法と同様にして行うことができる(例えば、(a) M.H. Ali et al, Synthesis 1997, 764; (b) M.C. Carreno, Chem. Rev. 1995, 95, 1717; (c) I. Patel et al, Org. Proc. Res. Dev. 2002, 6, 225; (d) N. Khiar et al, Chem. Rev. 2003, 103, 3651を参照する。)。
好ましくは、過ヨウ素酸および塩化鉄(III)を本明細書に記載のように使用する。
式(19)のスルホキシドのロジウム触媒イミノ化を用いて、式(13)の相当するスルホキシイミンを製造することができる(例えば、a) Bolm et al, Org. Lett. 2004, 6, 1305; b) Bull et al, J. Org. Chem. 2015, 80, 6391を参照する。)。この種類の反応では、R
5は好ましくは、−C(=O)R
8またはC(=O)OR
8基を表し、R
8は、一般式(I)の化合物について定義の通りであり、より好ましくは、R
5は、トリフルオロアセチル−(−C(=O)CF
3)、tert−ブトキシカルボニル−(−C(=O)OC(CH
3)
3)、および本明細書に記載のように、ベンジルオキシカルボニル−(−C(=O)OCH
2Ph)から選択される基を表す。
式(25)、(26)、(27)、(27a)および(28)のピリジン誘導体の合成[それらの全てが、本発明による一般式(I)のさらなる下位集合を構成する。]は好ましくは、図式3a、3b、3c、3dおよび3eに示した一般的合成手順に従って行われる。
図式3aで説明したように、式(5)の化合物(上記の方法に従って製造;図式1aを参照する。)[R3およびR4は、一般式(I)の化合物について定義の通りである。]を、第1段階で、式(20)のトリフレート化合物[OTfは、−OS(=O)2CF3を表す。]に変換することができる。この反応は、優先的に、DCMなどの溶媒中、室温から還流の温度で、1から24時間の反応時間で、N−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミドおよび塩基、優先的にはトリメチルアミンを用いて行う。
第2段階で、式(20)の化合物を式(21)のアルキン[L′は、式(23)での相当する基Lと比較して1個の炭素原子が少ないことを特徴とするC1−C7−アルキレン基を表す。]とカップリングさせることで、式(22)の化合物を得ることができる。当該カップリング反応はソノガシラカップリングとも称され、パラジウム触媒によって、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh3)4]、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジ−パラジウム(0)[Pd2(dba)3]などのPd(0)触媒によって、または本明細書においてビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(II)クロライドとも称されるジクロロビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)[Pd(PPh3)2Cl2]などのPd(II)触媒によって、または酢酸パラジウム(II)およびトリフェニルホスフィンによって、または[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロライドにおって触媒される。その反応は、ヨウ化銅(I)などの銅(I)塩によって促進される。
その反応は好ましくは、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、DMF、THFなどの溶媒中、トリエチルアミン、DIPEAまたはジイソプロピルアミンなどの塩基の存在下に行う。その反応は、室温(すなわち、約20℃)から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で行う。さらに、その反応は、圧力管およびマイクロ波オーブンを用いて沸点より高い温度で行うことができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完結する(ソノガシラ反応に関する総覧については、R. Chinchilla, C. Najera, Chem. Rev. 2007, 107, 874−922を参照する。)。
式(21)の化合物は当業者には公知であり、広く市販されている。
第3段階で、式(22)の化合物を水素化して、式(23)の化合物を得ることができる。この反応は優先的に、陽圧の水素(1から50バール)下でのパラジウム/活性炭などの水素化触媒およびMeOH、EtOHまたはTHFなどの溶媒の存在下に行われる(不均一接触水素化に関する総覧については、S. Nishimura, ′Handbook of Heterogeneous Catalytic Hydrogenation for Organic Synthesis′, Wiley−VCH, Weinheim, 2001を参照する。)。
第4段階で、そして図式3bに示したように、式(23)の化合物を式(8)の化合物(図式2参照)[R
1およびR
2は、一般式(I)の化合物について定義の通りである。]とカップリングさせて、式(24)の化合物を提供することができる。このカップリングは優先的に、アルカリ炭酸塩、アルカリリン酸塩、アルカリ水素化物または有機塩基、例えばアルカリtert−ブトキシドまたはアミンなどの塩基の存在下に行う。その反応は優先的に、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、THF、DMF、DME、NMPまたはDMSOなどの溶媒中、室温(すなわち、約20℃)から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で行う。
第5段階で、そして図式3cに示したように、式(24)の化合物を、式(25)の大環状化合物に変換する。この環化反応は、分子内パラジウム触媒C−N交差反応によって行うことができる(C−N交差カップリング反応についての総覧に関しては、例えば:を参照する。a) L. Jiang, S.L. Buchwald in ′Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions′, 2nd ed.: A. de Meijere, F. Diederich, Eds.: Wiley−VCH: Weinheim, Germany, 2004)。
好ましくは、溶媒としてのC
1−C
3アルキルベンゼンおよびカルボキサミド系溶媒の混合物、好ましくはトルエンおよびNMPの混合物中、触媒および配位子としてのクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル、塩基としてのアルカリ炭酸塩またはアルカリリン酸塩、好ましくはリン酸カリウムを本明細書に記載のように使用する。その反応は好ましくは、マイクロ波オーブンまたは油浴でアルゴン雰囲気下に100から130℃で2から24時間にわたり行う。
図式3dで説明したように、式(25)のチオエーテルの酸化を用いて、式(26)の相当するスルホキシドを得ることができる。その酸化は、公知の方法と同様にして行うことができる(例えば、(a) M.H. Ali et al, Synthesis 1997, 764; (b) M.C. Carreno, Chem. Rev. 1995, 95, 1717; (c) I. Patel et al, Org. Proc. Res. Dev. 2002, 6, 225; (d) N. Khiar et al, Chem. Rev. 2003, 103, 3651を参照する。)。
好ましくは、過ヨウ素酸および塩化鉄(III)を本明細書に記載のように使用する。
式(26)のスルホキシドのイミノ化によって、相当する式(27)の置換されていないスルホキシイミンを得る。好ましくは、トリクロロメタンまたはDCM中、45℃でアジ化ナトリウムおよび硫酸を公知のように使用する(例えば、a) H. R. Bentley et al, J. Chem. Soc. 1952, 1572; b) C. R. Johnson et al, J. Am. Chem. Soc. 1970, 92, 6594; c) Satzinger et al, Angew. Chem. 1971, 83, 83を参照する。)。
さらに、式(25)のチオエーテルも酸化して、相当する式(28)のスルホンとすることができる。その酸化は、公知の方法と同様にして行うことができる(例えば、Sammond et al; Bioorg. Med. Chem. Lett. 2005, 15, 3519を参照する。)。
式(27)のN−未保護スルホキシイミン(R
5=H)は、図式3eに示した方法に従って、さらに式(27a)のN−官能化誘導体に変換することができる。スルホキシイミン基の窒素の官能化によるN−官能化スルホキシイミンの製造方法は多くある。詳細については、式(15a)のN−未保護スルホキシイミン(R
5=H)の式(15b)のN−官能化誘導体への変換/図式1cに関連して挙げた文献を参照する。
本発明による一般式(I)のさらなる下位集合を構成する式(35)、(35a)および(35b)のピリミジン誘導体の合成を、好ましくは図式4a、4bおよび4cに示した一般的合成手順に従って行う。
図式4a、4bおよび4c[R1、R2、R3、R4およびRAおよびLは、本発明による一般式(I)の化合物について定義の通りである。]は、2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジン(CAS#2927−71−1、29)からの一般式(I)のピリミジン化合物の製造を説明するものである。
図式4aに示したように、前記原料(29)を式(2)のボロン酸誘導体と反応させて、式(30)の化合物を得ることができる。ボロン酸誘導体(2)は、ボロン酸(R=−H)またはボロン酸のエステル、例えばそれのイソプロピルエステル(R=−CH(CH3)2)、またはボロン酸中間体が2−アリール−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(R−R=−C(CH3)2−C(CH3)2−)を形成するピナコールから誘導されるエステルであることができる。ボロン酸類およびそれらの中間体は、市販されており、当業者には公知である。例えば、D.G. Hall, Boronic Acids, 2005 WILEY−VCH Verlag GmbH & Co. KGaA, Weinheim, ISBN 3−527−30991−8およびそこで引用の参考文献を参照する。
そのカップリング反応は、Pd触媒によって、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh3)4]、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジ−パラジウム(0)[Pd2(dba)3]などのPd(0)触媒によって、またはジクロロビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)[Pd(PPh3)2Cl2]、酢酸パラジウム(II)およびトリフェニルホスフィンなどのPd(II)触媒によって、または[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロライド[Pd(dppf)Cl2]によって触媒することができる。
その反応は好ましくは、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、DMF、THF、またはイソプロパノールなどの溶媒と水との混合物中、炭酸カリウム水溶液、重炭酸ナトリウム水溶液またはリン酸カリウムなどの塩基の存在下に行う。その反応は、室温(=20℃)から溶媒の沸点までの温度範囲で行う。さらに、その反応は、沸点より高い温度で圧力管およびマイクロ波オーブンを用いて行うことができる(総覧: D.G. Hall, Boronic Acids, 2005 WILEY−VCH Verlag GmbH & Co. KGaA, Weinheim, ISBN 3−527−30991−8およびそこで引用の参考文献)。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完結する。
第2段階で、式(30)の化合物に存在するメチルエーテルを開裂させることによって、式(30)の化合物を式(31)の化合物に変換する。好ましくは、三臭化ホウ素/DCMを本明細書に記載のように使用する。その反応は好ましくは、0℃から室温で1から24時間行う。
第3段階で、式(31)の化合物を式(32)の化合物とカップリングさせて、式(33)の化合物を得る。この反応は、ミツノブ反応によって行うことができる(例えば、a) K.C.K. Swamy et al, Chem. Rev. 2009, 109, 2551を参照する。)。式(32)の化合物は、下記の図式5で説明する方法に従って製造することができる。
図式4bで説明したように、式(33)の化合物[R1、R2、R3、R4、LおよびRAは、本発明による一般式(I)の化合物について定義の通りである。]を還元して、式(34)のアニリンを得ることができる。その還元は、公知の方法と同様にして行うことができる(例えば、(a) Sammond et al; Bioorg. Med. Chem. Lett. 2005, 15, 3519; (b) R.C. Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH, New York, 1989, 411−415を参照する。)。好ましくは、共溶媒としてのテトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどの環状エーテルを含んでいても良い式C1−C3−アルキル−OHの脂肪族アルコールなどの好適な溶媒中、好ましくはメタノールまたはメタノールおよびテトラヒドロフランの混合物中、白金およびバナジウムを含む市販の触媒/炭素、好ましくは活性炭の存在下に水素ガスを本明細書に記載のように使用する。あるいは、塩酸水溶液およびテトラヒドロフランの混合物中の塩化チタン(III)クロライドを用いることができる。
得られた式(34)の化合物を、式(35)の大環状化合物に変換することができる。この環化反応は、分子内パラジウム触媒C−N交差反応によって行うことができる(C−N交差カップリング反応についての総覧に関しては、例えば:を参照する。a) L. Jiang, S.L. Buchwald in ′Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions′, 2nd ed.: A. de Meijere, F. Diederich, Eds.: Wiley−VCH: Weinheim, Germany, 2004)。好ましくは、溶媒としてのC1−C3アルキルベンゼンおよびカルボキサミド系溶媒の混合物、好ましくはトルエンおよびNMPの混合物中、触媒および配位子としてのクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル、塩基としてのアルカリ炭酸塩またはアルカリリン酸塩、好ましくはリン酸カリウムを本明細書に記載のように使用する。その反応は好ましくは、アルゴン雰囲気下に2から24時間にわたり100から130℃でマイクロ波オーブンまたは油浴で行う。
最後に、スルホキシイミン窒素に結合したtert−ブトキシカルボニル−基を酸性条件下で開裂させて、式(35a)の未保護スルホキシイミンを得ることができる(例えば、J. A. Bull, J. Org. Chem. 2015, 80, 6391を参照する。)。好ましくは、酸、好ましくは溶媒としてのジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸を本明細書に記載のように使用する。
図式4c[R1、R2、R3、R4、RAおよびLは、本発明による一般式(I)の化合物について定義の通りである。]は、式(35a)のN−置換されていないスルホキシイミン化合物からの式(35b)のN−置換されたスルホキシイミン化合物の製造を説明するものである。
式(35a)のN−未保護スルホキシイミン(R
5=H)を反応させて、式(35b)のN−官能化誘導体を得ることができる。式(35a)および(35b)はいずれも、一般式(I)のさらなる下位集合を構成する。スルホキシイミン基の窒素の官能化によるN−官能化スルホキシイミンの製造については多くの方法が知られており、詳細に関しては、式(15a)のN−未保護スルホキシイミン(R
5=H)の式(15b)のN−官能化誘導体への変換/図式1cの文脈で列記された参考文献を参照する。
式(32)の化合物[R1およびR2は、本発明による一般式(I)の化合物について定義の通りである。]を、図式5に従って、例えば式(36)のスルホキシド誘導体[R1およびR2は、本発明による一般式(I)の化合物について定義の通りである。](それを反応させて式(37)のBoc保護スルホキシイミン化合物を得る。)から出発して製造することができる(例えば、J. A. Bull, J. Org. Chem. 2015, 80, 6391を参照する。)。
第2段階で、式(37)の化合物を、式HO−L−NHR
Aのアミン[LおよびR
Aは、本発明による一般式(I)の化合物について定義の通りである。]と反応させて、式(32)の化合物を得る。式(36)のスルホキシド誘導体およびそれらの製造方法は当業者には公知である(例えば、WO2013037894を参照する。)。
式(45)、(45a)および(45b)のピリミジン誘導体(これらはいずれも、本発明による一般式(I)のさらなる下位集合を構成する。]の合成は、好ましくは図式6a、6b、6c、6dおよび6eに示した一般的合成手順に従って行うことができる。
第1段階で、式(29)のピリミジンを式(38)のボロン酸誘導体[R3およびR4は、一般式(I)の化合物について定義の通りである。]と反応させて、式(39)の化合物を得ることができる。ボロン酸誘導体(38)は、ボロン酸(R=−H)またはボロン酸のエステル、例えばそれのイソプロピルエステル(R=−CH(CH3)2)、またはボロン酸中間体が2−アリール−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(R−R=−C(CH3)2−C(CH3)2−)を形成するピナコールから誘導されるエステルであることができる。
前記カップリング反応を、パラジウム触媒によって、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh3)4]、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジ−パラジウム(0)[Pd2(dba)3]などのPd(0)触媒によって、またはジクロロビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)[Pd(PPh3)2Cl2]、酢酸パラジウム(II)およびトリフェニルホスフィンなどのPd(II)触媒によって、または[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロライドによって触媒することができる。
その反応は好ましくは、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、DMF、THFまたはイソプロパノールなどの溶媒と水との混合物中、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウムまたはリン酸カリウムなどの塩基の存在下に行うことができる(総覧:D.G. Hall, Boronic Acids, 2005 WILEY−VCH Verlag GmbH & Co. KGaA, Weinheim, ISBN 3−527−30991−8およびそこで引用の参考文献)。
その反応は、室温(すなわち、約20℃)から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で行うことができる。さらに、その反応は、圧力管およびマイクロ波オーブンを用い、沸点より高い温度で行うことができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完結する。
第2段階で、式(39)の化合物を、2−ニトロベンゼンスルホニルクロライド(NsCl)と反応させて、式(40)の化合物を得ることができる。この反応は、ジクロロメタンなどの溶媒中、有機塩基、好ましくはピリジン、および触媒量の4−ジメチルアミノピリジンの存在下に行うことができる。その反応は、室温(すなわち、約20℃)から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で行うことができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完結する。
第3段階で、式(40)の化合物[Nsは、2−ニトロベンゼンスルホニル基を表す。]を、三級ホスフィン、例えばトリフェニルホスフィン、およびジアルキルジアゾジカルボキシレートの存在下に式(41)のアルコール[R
1、R
2およびLは、一般式(I)の化合物について定義の通りであり、図式6eに従って製造することができる。]と反応させて(ミツノブ反応として知られる。例えばK.C.K. Swamy et al, Chem. Rev. 2009, 109, 2551を参照する。)、式(42)の化合物を得ることができる。好ましくは、ジクロロメタンまたはTHFなどの溶媒中、カップリング試薬としてジイソプロピルアゾジカルボキシレートおよびトリフェニルホスフィンを用いる。その反応は、室温(すなわち、約20℃)から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で行うことができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完結する。
図式6bで説明したように、式(42)の化合物[R1、R2、R3、R4およびLは、一般式(I)の化合物について定義の通りであり、Nsは、2−ニトロベンゼンスルホニル基を表す。]をチオフェノールと反応させて、式(43)の化合物を得ることができる。この反応は、有機または無機塩基、例えば炭酸セシウムの存在下に、好ましくはカルボキサミド系溶媒、例えばDMFまたはNMP中で行うことができる。その反応は、室温(すなわち、約20℃)から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で行うことができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完結する。
次に、得られた式(43)の化合物を還元して、式(44)のアニリン誘導体を得ることができる。その還元は、公知の方法と同様にして行うことができる(例えば、(a) Sammond et al; Bioorg. Med. Chem. Lett. 2005, 15, 3519; (b) R.C. Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH, New York, 1989, 411−415を参照する。)。好ましくは、水素ガス雰囲気下に、メタノールおよびTHFの溶媒混合物中、白金およびバナジウム/活性炭を本明細書に記載のように使用する(不均一接触水素化についての概論に関しては、S. Nishimura, ′Handbook of Heterogeneous Catalytic Hydrogenation for Organic Synthesis′, Wiley−VCH, Weinheim, 2001を参照する。)。
得られた式(44)の化合物を、式(45)の大環状化合物に変換することができる(図式6c)。この環化反応は、分子内パラジウム触媒C−N交差反応によって行うことができる(上記参照、例えば図式1b)。
好ましくは、溶媒としてのC1−C3アルキルベンゼンおよびカルボキサミド系溶媒の混合物、好ましくはトルエンおよびNMPの混合物中、触媒および配位子としてのクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル、塩基としてのアルカリ炭酸塩またはアルカリリン酸塩、好ましくはリン酸カリウムを本明細書に記載のように使用する。その反応は好ましくは、アルゴン雰囲気下に2から24時間にわたり100から130℃でマイクロ波オーブンまたは油浴で行う。
最後に、スルホキシイミン窒素に結合したtert−ブトキシカルボニル−基を酸性条件下に開裂させて、式(45a)の未保護スルホキシイミンを得ることができる(例えば、J.A. Bull, J. Org. Chem. 2015, 80, 6391を参照する。)。好ましくは、溶媒としてのジクロロメタン中、酸、好ましくはトリフルオロ酢酸を本明細書に記載のように使用する。
図式6d[R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびLは、本発明による一般式(I)の化合物について定義の通りである。]は、式(45a)のN−置換されていないスルホキシイミン化合物からの式(45b)のN−置換されたスルホキシイミン化合物の製造を説明するものである。
式(45a)のN−保護されていないスルホキシイミン(R5=H)を反応させて、式(45b)のN−官能化誘導体を得ることができる。式(45a)および(45b)のいずれも、一般式(I)のさらなる下位集合を構成するものである。スルホキシイミン基の窒素の官能化によるN−官能化スルホキシイミンの製造については多くの方法が知られている。詳細に関しては、式(15a)のN−未保護スルホキシイミン(R5=H)の式(15b)のN−官能化誘導体への変換/図式1cの文脈で列挙した参考文献を参照する。
式(41)の化合物を、図式6eで説明した方法に従って得ることができる。第1段階で、式(46)のチオエーテル誘導体[R
1およびR
2は、一般式(I)の化合物について定義の通りである。]を、溶媒としてのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中、塩基、例えばアルカリ炭酸塩、好ましくは炭酸カリウムの存在下に、式(47)のカルボン酸エステル[R
EはC
1−C
4−アルキル基を表し、LG
3はクロロ、ブロモ、ヨード、C
1−C
4−アルキル−S(=O)
2O−、トリフルオロメタンスルホニルオキシ−、ベンゼンスルホニルオキシ−またはパラ−トルエンスルホニルオキシ−などの脱離基を表し、L′は式(41)における相当する基Lと比較して炭素原子1個少ないことを特徴とするC
1−C
5−アルキレン基を表し、そしてLは一般式(I)の化合物について定義の通りである。]と反応させて、式(48)の化合物を得ることができる。式(46)の化合物は当業者には公知であり、文献に記載されている(例えば、WO2015/155197を参照する。)。
第2段階で、式(48)のチオエーテルの酸化を用いて、相当する式(49)のスルホキシドを得ることができる。その酸化は、上記で説明した公知の方法と同様にして行うことができる(例えば、図式3d、式(25)の化合物の式(26)の化合物への変換の文脈で記載のもの)。好ましくは、過ヨウ素酸および塩化鉄(III)を本明細書に記載のように使用する。
第3段階で、式(49)のスルホキシドのロジウム触媒イミノ化を用いて、式(50)の相当するスルホキシイミンを製造することができる(例えば、a) Bolm et al, Org. Lett. 2004, 6, 1305; b) Bull et al, J. Org. Chem. 2015, 80, 6391を参照する。)。この種類の反応は、ここで示したようなtert−ブトキシカルボニル−(−C(=O)OC(CH3)3)とは異なるR5基でも行うことが可能である(R5は、−C(=O)R8またはC(=O)OR8基を表していても良く、R8は、一般式(I)の化合物について定義の通りであり、より具体的には、R5はトリフルオロアセチル−(−C(=O)CF3)、またはベンジルオキシカルボニル−(−C(=O)OCH2Ph)などの基を表すことができる。)。
第4段階で、式(50)のエステルを、溶媒としてのエーテル、好ましくはテトラヒドロフラン中、水素化リチウムアルミニウムまたは水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)などの還元剤を用いて還元して、式(41)の化合物を得ることができ、それを、例えば図式6aに示した方法に従ってさらに反応させることができる。
あるいは、式(45)の大環状化合物を、図式6fおよび6gで説明した方法に従って得ることができる。
第1段階で、式(51)のフェノール誘導体[R1およびR2は、一般式(I)の化合物について定義の通りである。]を、式(6)の化合物[Lは、一般式(I)の化合物について定義の通りであり、LG1はクロロ、ブロモ、ヨード、C1−C4−アルキル−S(=O)2O−、トリフルオロメタンスルホニルオキシ−、ベンゼンスルホニルオキシ−、またはパラ−トルエンスルホニルオキシ−、好ましくはブロモなどの脱離基である。]と反応させて、式(52)の化合物を得ることができる。この反応は、優先的にDMFまたはNMPなどのカルボキサミド溶媒中、炭酸カリウムなどの無機塩基の存在下に行う。その反応は好ましくは、室温(=20℃)から個々の溶媒の沸点の範囲の温度で行うことができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完結する。
式(51)のフェノール類は、当業者には公知であり、文献公知である。
式(6)の化合物は当業者には公知であり、広く市販されている。
次の段階で、式(52)のチオエーテルの酸化を用いて、相当する式(53)のスルホキシドを得ることができる。その酸化は、上記のような公知の方法と同様にして行うことができる(例えば、図式3d、式(25)の化合物の式(26)の化合物への変換の文脈で記載の方法で)。好ましくは、過ヨウ素酸および塩化鉄(III)を本明細書に記載のように使用する。
式(53)のスルホキシドのロジウム触媒イミノ化を用いて、相当する式(54)のスルホキシイミンを製造することができる(例えば、a) Bolm et al, Org. Lett. 2004, 6, 1305; b) Bull et al, J. Org. Chem. 2015, 80, 6391を参照する。)。この種類の反応は、ここで示したようなtert−ブトキシカルボニル−(−C(=O)OC(CH3)3)とは異なるR5基でも行うことが可能である(R5は、−C(=O)R8またはC(=O)OR8基を表していても良く、R8は、一般式(I)の化合物について定義の通りであり、より具体的には、R5はトリフルオロアセチル−(−C(=O)CF3)、またはベンジルオキシカルボニル−(−C(=O)OCH2Ph)などの基を表すことができる。)。
次に、式(54)の化合物を還元して、式(55)のアニリン誘導体を得ることができる。この変換は、例えば図式6b、式(43)の化合物の式(44)の化合物への変換の文脈で記載のような公知の方法に従って行うことができる。好ましくは、メタノールおよびTHFの溶媒混合物中、水素ガス雰囲気下に、白金およびバナジウム/活性炭を本明細書に記載のように使用する。
次の段階で、式(55)のアニリンを式(56)の2−クロロピリミジン[R3およびR4は、一般式(I)の化合物について定義の通りである。]と反応させて、式(57)の化合物を得ることができる。前記式(56)の2−クロロピリミジンは当業者には公知であり、市販されている場合が多いか、例えば図式1aの文脈で記載のような公知の方法に従って製造することができる。
この反応は、分子間パラジウム触媒C−N交差カップリング反応によって行うことができる。(C−N交差カップリング反応についての総覧に関しては、例えば:a) L. Jiang, S.L. Buchwald in ′Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions′, 2nd ed.: A. de Meijere, F. Diederich, Eds.: Wiley−VCH: Weinheim, Germany, 2004を参照する。)。好ましくは、溶媒としてのC1−C3−アルキルベンゼンおよびカルボキサミド系溶媒または1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒の混合物、好ましくはトルエンおよびNMPの混合物中、触媒および配位子としてのクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル、塩基としてのアルカリ炭酸塩またはアルカリリン酸塩、好ましくはリン酸カリウムを本明細書に記載のように使用する。その反応は好ましくは、アルゴン雰囲気下に2から24時間にわたり100から130℃でマイクロ波オーブンまたは油浴で行うことができる。
前記式(57)の化合物をさらに、式(58)の遊離アミノ化合物に変換することができる。この脱保護反応は好ましくは、溶媒としての式C1−C4−アルキル−OHの脂肪族アルコール、好ましくはMeOHまたはEtOH中、室温(すなわち、約20℃)から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度でヒドラジンの水溶液を用いて行うことができる。さらに、その反応は、圧力管およびマイクロ波オーブンを用いて沸点より高い温度で行うことができる。適宜に、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランまたは1,4−ジオキサンなどの環状エーテルを共溶媒として加えて、原料の完全な溶解を助けることができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完結する。
最後に、式(45)の大環状化合物を、分子内求核置換によって得ることができる。その反応は、DMSOなどの極性溶媒中、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミンまたは2,6−ルチジンなどの有機塩基の存在下に式(58)のアミン化合物を処理することによって行うことができる。その反応は好ましくは、120℃から個々の溶媒の沸点の範囲の温度で行うことができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完結する。
図式7a、bおよびcは、式(66)、(66a)および(66b)の化合物の合成を説明するものであり、これらはいずれも、本発明による一般式(I)のさらなる下位集合を構成するものである。
第1段階で、式(59)の化合物[LおよびRAは、一般式(I)の化合物について定義の通りであり、当業者には公知であり、通常は市販されている。]を、トリフェニルホスフィンなどの三級ホスフィンおよびジアルキルジアゾジカルボキシレートの存在下にフタルイミドと反応させて(ミツノブ反応として知られ、例えば、K.C.K. Swamy et al, Chem. Rev. 2009, 109, 2551を参照する。)、式(60)の化合物を得ることができる。好ましくは、ジクロロメタンまたはTHFなどの溶媒中、カップリング試薬としてのジイソプロピルアゾジカルボキシレートおよびトリフェニルホスフィンを用いる。その反応は、室温(すなわち、約20℃)から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で行うことができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完結する。
第2段階で、式(60)の化合物におけるtert−ブトキシカルボニル基を開裂させて、式(61)の化合物を得ることができる。この反応は、ジクロロメタン中、ブレンステッド酸、好ましくはトリフルオロ酢酸または塩酸の存在下に行うことができる。その反応は、室温(すなわち、約20℃)から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で行うことができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完結する。
第3段階で、構造(37)の化合物[R1およびR2は、一般式(I)の化合物について定義の通りであり、その合成は図式5で上記で説明されている。]を、式(61)のアミンと反応させて、式(62)の化合物を得ることができる。この変換は、好ましくはトリエチルアミンなどの有機塩基の存在下に、DMSO中で行うことができる。その反応は好ましくは、120℃から個々の溶媒の沸点の範囲の温度で行うことができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完結する。
第4段階で、式(62)の化合物を還元して、式(63)のアニリン誘導体を得ることができる。この変換は、例えば図式6b、式(43)の化合物の式(44)の化合物への変換の文脈で記載の公知の方法に従って行うことができる。好ましくは、メタノールおよびTHFの溶媒混合物中、水素ガス雰囲気下に白金およびバナジウム/活性炭を本明細書に記載のように使用する。
次の段階で、式(63)のアニリンを式(56)の2−クロロピリミジンと反応させて(図式6gも参照)、式(64)の化合物を得ることができる。このカップリング反応は、分子間パラジウム触媒C−N交差カップリング反応によって行うことができる(C−N交差カップリング反応についての総覧に関しては、例えばa) L. Jiang, S.L. Buchwald in ′Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions′, 2nd ed.: A. de Meijere, F. Diederich, Eds.: Wiley−VCH: Weinheim, Germany, 2004を参照する。)。好ましくは、溶媒としてのC1−C3−アルキルベンゼンおよびカルボキサミド系溶媒または1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒の混合物中、触媒および配位子としてのクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル、塩基としてのアルカリ炭酸塩またはアルカリリン酸塩、好ましくはリン酸カリウムを本明細書に記載のように使用する。その反応は好ましくは、アルゴン雰囲気下に2から24時間にわたり100から130℃でマイクロ波オーブンまたは油浴で行うことができる。
得られた式(64)の化合物をさらに、式(65)の化合物に変換することができる。この脱保護反応は好ましくは、溶媒としての式C1−C4−アルキル−OHの脂肪族アルコール、好ましくはMeOHまたはEtOH中、室温(すなわち、約20℃)から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度でヒドラジンの水溶液を用いて行うことができる。さらに、その反応は、圧力管およびマイクロ波オーブンを用い、沸点より高い温度で行うことができる。適宜に、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランまたは1,4ジオキサンなどの環状エーテルを共溶媒として加えて、原料の完全な溶解を助けることができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完結する。
次に、式(66)の大環状化合物を、分子内求核置換によって得ることができる。その反応は、DMSOなどの極性溶媒中、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミンまたは2,6−ルチジンなどの有機塩基の存在下に式(65)のアミン化合物を処理することで行う。その反応は好ましくは、120℃から個々の溶媒の沸点の範囲の温度で行うことができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完結する。
最後に、式(66)の化合物におけるスルホキシイミン窒素に結合したtert−ブトキシカルボニル基を酸性条件下に開裂させて、式(66a)の未保護スルホキシイミンを得ることができる(例えば、J.A. Bull, J. Org. Chem. 2015, 80, 6391を参照する。)。好ましくは、溶媒としてのジクロロメタン中、酸、好ましくはトリフルオロ酢酸を本明細書に記載のように使用する。適宜に、前記の式(66a)未保護スルホキシイミンを、式(66b)のN−置換されたスルホキシイミン化合物に変換することができる。式(66a)および(66b)のいずれも、一般式(I)のさらなる下位集合を構成する。スルホキシイミン基の窒素の官能化によるN−官能化スルホキシイミンの製造については多くの方法が知られている。詳細については、式(15a)のN−未保護スルホキシイミン(R
5=H)の式(15b)のN−官能化誘導体への変換/図式1cの文脈で列記した参考文献を参照する。
図式8a、bおよびcは、式(72)、(72a)および(72b)のチオエーテル化合物の合成を説明するものであり、それらはいずれも、本発明による一般式(I)のさらなる下位集合を構成する。
図式8aで説明したように、式(67)のチオール誘導体[R
3およびR
4は、一般式(I)の化合物について定義の通りである。]を、トリフェニルホスフィンなどの三級ホスフィンおよびジアルキルジアゾジカルボキシレートの存在下に式(41)のアルコール(図式6eも参照)[R
1、R
2およびLは、一般式(I)の化合物について定義の通りである。]と反応させて(ミツノブ反応として知られ、例えばK.C.K. Swamy et al, Chem. Rev. 2009, 109, 2551を参照する。)、式(68)の化合物を得ることができる。式(67)のチオール誘導体は当業者に公知であり、一定の場合で市販されている。好ましくは、ジクロロメタンまたはTHFなどの溶媒中、カップリング試薬としてのジイソプロピルアゾジカルボキシレートおよびトリフェニルホスフィンを用いる。その反応は、室温(すなわち、約20℃)から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で行うことができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完結する。
第2段階で、式(68)の化合物を、パラジウム触媒、優先的にはジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)、および有機または無機塩基、優先的には酢酸カリウムの存在下に4,4,4′,4′,5,5,5′,5′−オクタメチル−2,2′−ビ−1,3,2−ジオキサボロランと反応させて、式(69)の化合物[二つの基Rが一体となって、基−C(CH3)2−C(CH3)2−を形成している。)を得ることができる。その反応は好ましくは、THFまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒中、室温(=20℃)から溶媒の沸点の範囲の温度で行うことができる。さらに、その反応は、圧力管およびマイクロ波オーブンを用いて、沸点より高い温度で行うことができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完結する。
第3段階で、前記式(69)のボロン酸誘導体を2−クロロ−5−フルオロ−4−ヨードピリミジン(CAS#884494−49−9)と反応させて、式(70)の化合物を得ることができる。
当該反応は、Pd触媒によって、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh3)4]、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジ−パラジウム(0)[Pd2(dba)3]などのPd(0)触媒によって、またはジクロロビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)[Pd(PPh3)2Cl2]、酢酸パラジウム(II)およびトリフェニルホスフィンなどのPd(II)触媒によって、または[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロライド[Pd(dppf)Cl2]によって触媒することができる。
その反応は好ましくは、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、DMF、THFもしくはイソプロパノールなどの溶媒と水との混合物中、炭酸カリウム水溶液、重炭酸ナトリウム水溶液またはリン酸カリウムなどの塩基の存在下に行うことができる。
その反応は、室温(=20℃)から溶媒の沸点までの温度範囲で行うことができる。さらに、その反応は、圧力管およびマイクロ波オーブンを用い、沸点より高い温度で行うことができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完結する(総覧:D.G. Hall, Boronic Acids, 2005 WILEY−VCH Verlag GmbH & Co. KGaA, Weinheim, ISBN 3−527−30991−8およびそこで引用の参考文献)。
図式8bで説明したように、式(70)の化合物を、公知の方法と同様にして還元して式(71)のアニリン誘導体とすることができる。この変換は、例えば図式6b、式(43)の化合物の式(44)の化合物への変換の文脈で記載の公知の方法に従って行うことができる。好ましくは、水素ガスの雰囲気下、メタノールおよびTHFの溶媒混合物中、白金およびバナジウム/活性炭を本明細書に記載のように使用する。
得られた式(71)の化合物を、式(72)の大環状化合物に変換することができる。この環化反応は、分子内パラジウム触媒C−N交差反応によって行うことができる(C−N交差カップリング反応についての総覧に関しては、例えば:a) L. Jiang, S.L. Buchwald in ′Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions′, 2nd ed.: A. de Meijere, F. Diederich, Eds.: Wiley−VCH: Weinheim, Germany, 2004を参照する。)。好ましくは、溶媒としてのC1−C3アルキルベンゼンおよびカルボキサミド系溶媒の混合物、好ましくはトルエンおよびNMPの混合物中、触媒および配位子としてのクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル、塩基としてのアルカリ炭酸塩またはアルカリリン酸塩、好ましくはリン酸カリウムを本明細書に記載のように使用する。その反応は好ましくは、アルゴン雰囲気下に2から24時間にわたり100から130℃でマイクロ波オーブンまたは油浴で行うことができる。
最後に、式(72)の化合物に存在するスルホキシイミン窒素に結合したtert−ブトキシカルボニル基を酸性条件下で開裂させて、式(72a)の未保護スルホキシイミンを得ることができる(例えば、J. A. Bull, J. Org. Chem. 2015, 80, 6391を参照する。)。好ましくは、溶媒としてのジクロロメタン中、酸、好ましくはトリフルオロ酢酸を本明細書に記載のように使用する。適宜に、前記式(66a)の未保護スルホキシイミンを式(72b)のN−置換されたスルホキシイミン化合物に変換することができる。
式(72a)および(72b)はいずれも、一般式(I)のさらなる下位集合を構成する。スルホキシイミン基の窒素の官能化によるN−官能化スルホキシイミンの製造については多くの方法が知られている。詳細については、式(15a)のN−未保護スルホキシイミン(R5=H)の式(15b)のN−官能化誘導体への変換/図式1cの文脈で列記した参考文献を参照する。
図式9a、9b、9c、9dおよび9eは、図式4bの文脈で記載の、式(34a)の化合物(式(34)の下位集合を構成)(式(34)の−NRA−が式(34a)では−NH−であるという点で)への別の合成経路を説明するものである。
第1段階で、式(73)のベンジルアルコール[R2は一般式(I)の化合物について定義の通りである。]を、ジクロロメタンなどの溶媒中ハロゲン化剤、好ましくは塩化チオニルと反応させ、次にアセトンなどの溶媒中、式R1−SHのチオールまたはそれの塩[R1は、一般式(I)の化合物について定義の通りである。]と反応させることで、相当する式(74)のチオエーテルに変換することができる。式(73)のベンジルアルコールならびに式R1−SHのチオールおよびそれの塩は、当業者には公知であり、多くの場合で市販されている。
第2段階で、前記式(74)のチオエーテルを2−ニトロベンゼンスルホニルクロライド(NsCl)と反応させて、式(75)の化合物を得ることができる。この反応は、ジクロロメタンなどの溶媒中、有機塩基、好ましくはピリジン、および適宜に触媒量の4−ジメチルアミノピリジンの存在下に行うことができる。その反応は、室温(すなわち、約20℃)から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で行うことができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完結する。
第3段階で、得られた式(75)の化合物[R
1およびR
2は、一般式(I)の化合物について定義の通りであり、Nsは2−ニトロベンゼンスルホニル基を表す。]を、三級ホスフィン、例えばトリフェニルホスフィン、およびジアルキルジアゾジカルボキシレートの存在下に式(76)の化合物[R
3、R
4およびLは一般式(I)の化合物について定義の通りである。]と反応させて(ミツノブ反応として知られ、例えばK.C.K. Swamy et al, Chem. Rev. 2009, 109, 2551を参照する。)、式(77)の化合物を得ることができる。好ましくは、ジクロロメタンまたはTHFなどの溶媒中、カップリング試薬としてのジイソプロピルアゾジカルボキシレートおよびトリフェニルホスフィンを用いる。その反応は、室温(すなわち、約20℃)から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で行うことができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完結する。式(76)の化合物は、図式9fに従って製造することができる。
第4段階で、式(77)のチオエーテルの酸化を用いて、相当する式(78)のスルホキシドを得ることができる。その酸化は、上記で説明した公知の方法と同様にして(例えば、図式3d、式(25)の化合物の式(26)の化合物への変換の文脈で説明)行うことができる。好ましくは、過ヨウ素酸および塩化鉄(III)を本明細書に記載のように使用する。
式(78)のスルホキシドのロジウム触媒イミノ化を用いて、相当する式(79)のスルホキシイミンを製造することができる(例えば、 a) Bolm et al, Org. Lett. 2004, 6, 1305; b) Bull et al, J. Org. Chem. 2015, 80, 6391を参照する。)。この種類の反応は、本明細書で示されたtert−ブトキシカルボニル−(−C(=O)OC(CH
3)
3)とは異なるR
5基で行うこともでき、R
5は−C(=O)R
8またはC(=O)OR
8基を表していても良く、R
8は一般式(I)の化合物について定義の通りであり;より具体的には、R
5はトリフルオロアセチル−(−C(=O)CF
3)、またはベンジルオキシカルボニル−(−C(=O)OCH
2Ph)などの基を表すことができる。
第5段階で、そして図式6dで説明したように、式(79)の化合物[R1、R2、R3、R4およびLは、一般式(I)の化合物について定義の通りであり、Nsは2−ニトロベンゼンスルホニル基を表す。]を、チオフェノールと反応させて、式(80)の化合物を得ることができる。この反応は、有機または無機塩基、例えば炭酸セシウムの存在下に、好ましくはカルボキサミド系溶媒、例えばDMFまたはNMP中で行うことができる。その反応は、室温(すなわち、約20℃)から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で行うことができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完結する。
次に、式(80)の化合物を還元して、式(34a)のアニリン誘導体[式(34)の下位集合を構成する。]を得ることができる。この変換は、例えば図式6b、式(43)の化合物の式(44)の化合物への変換の文脈で説明した公知の方法に従って行うことができる。好ましくは、溶媒としてのメタノール中、水素ガス雰囲気下に白金およびバナジウム/活性炭を本明細書に記載のように使用する。
図式9e[R
1、R
2、R
3、R
4およびLは、本発明による一般式(I)の化合物について定義の通りである。]は、図式4bおよび4cの文脈で記載の相当する変換と同様の、それぞれ式(35)、(35a)および(35b)の下位集合を代表する式(35c)、(35d)および(35e)の大環状スルホキシイミンの製造を説明するものである。
図式9fによると、式(31)の化合物[R3およびR4は、一般式(I)の化合物について定義の通りであり、図式4aの文脈で記載された化合物である。]を、三級ホスフィン、例えばトリフェニルホスフィン、およびジアルキルジアゾジカルボキシレートの存在下に式(81)の化合物[Lは、一般式(I)の化合物について定義の通りであり、PG1は、ヒドロキシ基の保護基、好ましくはtert−ブチルジメチルシリル−を表す。]と反応させて(ミツノブ反応として知られ、例えばK.C.K. Swamy et al, Chem. Rev. 2009, 109, 2551を参照する。)、式(82)の化合物を得ることができる。好ましくは、ジクロロメタンまたはTHFなどの溶媒中、カップリング試薬としてジイソプロピルアゾジカルボキシレートおよびトリフェニルホスフィンを用いる。その反応は、室温(すなわち、約20℃)から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で行うことができる。その反応は好ましくは、1から36時間の反応時間後に完了する。
次に、当業者に公知の方法、例えばPG
1がtert−ブチルジメチルシリル基を表す場合は塩酸水溶液またはフッ化テトラブチルアンモニウムとの反応を用いて、保護基PG
1を除去することができる。ヒドロキシ基の保護基、およびそれの導入方法ならびにそれの除去方法は、当業者には公知であり、例えばP. G. M. Wuts, T. W. Green, Protective Groups in Organic Synthesis, 4
th Edition, John Wiley & Sons, Hoboken, USA, 2006を参照する。
化学の説明および下記の実施例で使用される略称:
br(広い、1H NMRシグナル);CDCl3(重クロロホルム);cHex(シクロヘキサン);DCE(ジクロロエタン);d(二重線、1H NMRシグナル);DCM(ジクロロメタン);DIPEA(ジ−イソ−プロピルエチルアミン);DMAP(4−N,N−ジメチルアミノピリジン)、DME(1,2−ジメトキシエタン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド);DMSO(ジメチルスルホキシド);ES(エレクトロスプレー);EtOAc(酢酸エチル);EtOH(エタノール);h(時間);1H NMR(プロトン核磁気共鳴スペクトル測定);HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、iPrOH(イソ−プロパノール);m(多重線、1H NMRシグナル);mCPBA(メタクロロ過安息香酸)、MeCN(アセトニトリル)、MeOH(メタノール);min(分);MS(質量分析);MTBE(メチルtert−ブチルエーテル);NMP(N−メチルピロリジン−2−オン);NCS(N−クロロコハク酸イミド);NMR(核磁気共鳴);Pd(dppf)Cl2([1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体);q(四重線、1H NMRシグナル);quin(五重線、1H NMRシグナル);rac(ラセミ体);RT(室温);s(一重線、1H NMRシグナル);sat. aq.(飽和水溶液);SiO2(シリカゲル);t(三重線、1H NMRシグナル);TFA(トリフルオロ酢酸);TFAA(無水トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン);UPLC(超高速液体クロマトグラフィー);UV(紫外線);wt−%(重量パーセント)。
1 H−NMRスペクトラム
1H−NMRシグナルは、スペクトラムから明らかなそれらの多重性/組み合わせ多重性で記述される。可能な高次効果は考慮しない。シグナルの化学シフト(δ)はppm(百万分率)として記述される。
化学命名法:
化学名は、ACD/LabsからのACD/命名ソフトウェアを用いてつけた。場合により、ACD/命名で付けた名称に代えて、市販の試薬の一般に許容される名称を用いた。
塩の化学量論:
本明細書において、特には実施例セクションにおいて、本発明の中間体および実施例の合成において、化合物が相当する塩基もしくは酸との塩型として言及される場合、個々の製造および/または精製プロセスによって得られる当該塩型の正確な化学量論組成は、ほとんどの場合で未知である。
別段の断りがない限り、例えば「塩酸塩」、「トリフルオロ酢酸塩」、「ナトリウム塩」または「xHCl」、「xCF3COOH」、「xNa+」などの化学名もしくは構造式への接尾辞は、化学量論的記述ではなく、単に塩型と理解すべきものである。
これは、記載の製造および/または精製方法によって、(定義されている場合)化学量論組成未知の水和物などの溶媒和物として合成中間体もしくは実施例化合物またはそれの塩が得られた場合にも同様に当てはまる。
分取HPLC法
Autopurifier:酸性条件
一般的LC−MS分析方法
方法a:
装置:Waters Acquity UPLCMS SingleQuad;カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7μm、50×2.1mm;溶離液A:水+0.1体積%ギ酸(99%)、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0−1.6分1−99%B、1.6−2.0分99%B;流量0.8mL/分;温度:60℃;DAD走査:210から400nm。
方法b:
装置:Waters Acquity UPLCMS SingleQuad;カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7μm、50×2.1mm;溶離液A::水+0.2体積%アンモニア水(32%)、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0−1.6分1−99%B、1.6−2.0分99%B;流量0.8mL/分;温度:60℃;DAD走査:210から400nm。
実施例1:
15,19−ジフルオロ−8−[(メチルスルファニル)メチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−11H−10,6−(アゼノ)−12,16−(メテノ)−1,5,11,13−ベンゾオキサトリアザシクロオクタデシン
中間体1.1の製造:
2−クロロ−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリジン
1,2−ジメトキシエタン(10.0mL)および2M炭酸カリウム水溶液(5.8mL)中の2−クロロ−5−フルオロ−4−ヨードピリジン(1000mg、3.88mmol、APAC Pharmaceutical, LLC)、(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ボロン酸(660mg、3.88mmol、Aldrich Chemical Company Inc.)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(449mg、0.38mmol)を入れたバッチを、アルゴンを用いて脱気した。バッチをアルゴン雰囲気下に100℃で4時間攪拌した。冷却後、バッチを酢酸エチルおよびTHFで希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を、Whatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサンからヘキサン/酢酸エチル50%)によって精製して、所望の標題化合物を得た(947mg、3.70mmol)。
1H NMR(400MHz、CDCl3、295K)δ/ppm=8.27(m、1H)、7.33(m、1H)、7.24(m、1H)、6.75(m、2H)、3.83(s、3H)。
中間体1.2の製造:
5−フルオロ−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリジン−2−アミン
リチウムビス(トリメチルシリル)アミドのTHF(1M、20.5mL、20.5mmol、Aldrich Chemical Company Inc.)中溶液を、室温でアルゴン雰囲気下に2−クロロ−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリジン(2.50g、9.78mmol、中間体1.1参照)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.18g、0.20mmol、Aldrich Chemical Company Inc.)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(0.19g、0.39mmol、Aldrich Chemical Company Inc.)のTHF(16.3mL)中混合物に加えた。混合物を60℃で6時間攪拌した。混合物を冷却して−40℃とし、水(10mL)を加えた。混合物を攪拌下にゆっくり昇温させて室温とし、固体塩化ナトリウムを加え、混合物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を、Whatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。残留物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサンからヘキサン/酢酸エチル60%)によって精製して、所望の標題化合物を得た(2.04g、8.64mmol)。
1H NMR(400MHz、CDCl3、295K)δ/ppm=7.95(1H)、7.20(1H)、6.72(2H)、6.46(1H)、4.33(2H)、3.61(3H)。
中間体1.3の製造:
2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノール
5−フルオロ−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリジン−2−アミン(2.00g、8.47mmol)のDCM(205mL)中溶液を攪拌しながら、それに0℃で三臭化ホウ素のDCM(1M、47.1mL、47.1mmol、Aldrich Chemical Company Inc.)中溶液を滴下した。混合物を、攪拌しながら終夜ゆっくり昇温させて室温とした。混合物を、攪拌下に0℃で注意深く重炭酸ナトリウム水溶液で希釈し、室温で1時間攪拌した。飽和塩化ナトリウム水溶液を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、Whatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮して、粗標題化合物(1.92g)を得て、それをそれ以上精製せずに用いた。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=10.21(1H)、7.84(1H)、7.19(1H)、6.71(2H)、6.39(1H)、5.80(2H)。
中間体1.4の製造:
2−{3−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]プロピル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
封管中、2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノール(700mg、3.15mmol)、2−(3−ブロモプロピル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(1.01g、3.78mmol)および炭酸カリウム(870mg、6.30mmol)のMeCN(14mL)中懸濁液を加熱して80℃とし、16時間攪拌した。混合物を冷却して室温とし、水(20mL)を加えることで反応を停止した。混合物を酢酸エチルで抽出した(20mLで3回)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮して標題化合物(1.3g、純度90%)を得て、それをそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.94−2.00(2H)、3.63−3.70(2H)、4.04−4.11(2H)、5.81(2H)、6.39(1H)、6.83−6.92(1H)、6.96−7.04(1H)、7.28(1H)、7.77−7.92(5H)。
中間体1.5の製造:
(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)メタノール
2,6−ジクロロイソニコチン酸(10.0g、52.1mmol)のTHF(300mL)中溶液を攪拌しながら、それに0℃でスルファンジイルジメタン−ボラン(1:1)(16.0g、210.5mmol)のTHF中溶液を加えた。混合物を室温で終夜反応させた。次に、氷浴で冷却しながら、MeOH(22mL)を注意深く、攪拌混合物に加えた。反応混合物を酢酸エチル(300mL)で希釈し、水酸化ナトリウム水溶液(1N、100mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を濃縮し、残留物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=7:1から3:1)によって精製して、所望の標題化合物を得た(8.3g、46.6mmol)。
1H NMR(300MHz、CDCl3、295K)δ/ppm=7.25(2H)、4.72(2H)、2.24(1H)。
中間体1.6の製造:
(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)メチルメタンスルホネート
(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)メタノール(1.0g、5.62mmol)をDCM(20mL)に溶かし、トリエチルアミン(1.0g、9.88mmol)を加えた。得られた混合物を冷却して0℃とし、メタンスルホニルクロライド(0.9g、7.89mmol)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。塩化水素水溶液(1N)を加えることで、混合物のpH値を3に調節してから、それを酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を濃縮して粗標題化合物(1.4g)を得て、それをそれ以上精製せずに用いた。
中間体の製造1.7:
2,6−ジクロロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン
(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)メチルメタンスルホネート(1.40g、5.47mmol)をTHF(20mL)に溶かし、ナトリウムチオメトキシドおよび水酸化ナトリウムの混合物(重量1/1、0.70g、5mmol、Shanghai DEMO Medical Tech Co., Ltdが供給)を加えた。得られた混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を濃縮し、残留物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=6:1から3:1)によって精製して、所望の生成物を得た(0.54g、2.60mmol)。
1H NMR(300MHz、CDCl3、295K)δ/ppm=7.18(2H)、3.55(2H)、1.98(3H)。
中間体1.8の製造:
2−(3−{2−[2−({6−クロロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}アミノ)−5−フルオロピリジン−4−イル]−5−フルオロフェノキシ}プロピル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
2−{3−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]プロピル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(435mg、純度90%、956μmol;中間体1.4参照)、2,6−ジクロロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン(199mg、956μmol)、リン酸カリウム(1.01g、4.78mmol)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(91.2mg、191μmol)のトルエン(8.7mL)およびNMP(0.87mL)中懸濁液を脱気して、それにクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(158mg、191μmol)を加え、混合物を加熱して130℃として終夜経過させた。追加の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(46mg、95μmol)およびクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(79mg、95μmol)を加え、混合物を130℃でさらに2時間攪拌した。混合物を冷却して室温とし、水(50mL)を加えることで反応停止し、酢酸エチルで抽出した(50mLで3回)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、濾過し(Whatmanフィルター)、濃縮した。残留物をジエチルエーテルに再度溶かし、その溶液をブラインで洗浄し、脱水し(Whatmanフィルター)、濃縮した。有機層を脱水し(Whatmanフィルター)、濃縮した。粗生成物を、上記と同様に実施した第2の反応バッチと合わせた。二つの反応バッチを合わせ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチルから酢酸エチル/MeOH)によって精製して、標題化合物を得て(750mg、純度80%)、それは触媒不純物を含み、それ以上精製せずに次の段階で用いた。
中間体1.9の製造:
4−[2−(3−アミノプロポキシ)−4−フルオロフェニル]−N−{6−クロロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}−5−フルオロピリジン−2−アミン
2−(3−{2−[2−({6−クロロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}アミノ)−5−フルオロピリジン−4−イル]−5−フルオロフェノキシ}プロピル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(400mg、純度80%、0.54mmol)のEtOH(20mL)中懸濁液に、ヒドラジンの水溶液(35重量%、290μL、3.2mmol)を加え、混合物を4時間加熱還流した。混合物を冷却して5℃とし、沈殿を濾去し、濾液を濃縮した。シリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)による精製によって、標題化合物を得た(116mg、0.23mmol)。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.65−1.80(2H)、2.01(3H)、2.58(2H)、3.24−3.53(2H)、3.68(2H)、4.06−4.15(2H)、6.89−6.98(2H)、7.05−7.16(1H)、7.35(1H)、7.54(1H)、7.72−7.90(2H)、8.03−8.13(1H)、8.27(1H)、10.16(1H)。
実施例1−最終生成物の製造:
4−[2−(3−アミノプロポキシ)−4−フルオロフェニル]−N−{6−クロロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}−5−フルオロピリジン−2−アミン(60mg、0.133mmol)、リン酸カリウム(141mg、0.665mmol)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(12.7mg、27μmol)のトルエン(9.9mL)およびNMP(1.2mL)中懸濁液を脱気して、それにクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(22mg、27μmol)を加え、混合物を封管中で終夜加熱して130℃とした。追加の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(12.7mg、27μmol)およびクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(22mg、27μmol)を加え、混合物を終夜加熱して130℃とした。混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液(60mL)で希釈した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し(Whatmanフィルター)、濃縮した。粗生成物を、4−[2−(3−アミノプロポキシ)−4−フルオロフェニル]−N−{6−クロロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}−5−フルオロピリジン−2−アミン50mg(0.111mmol)を用い、110℃で反応させた以外は、上記と同様に行った第2の反応バッチと合わせた。シリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)および分取HPLC(autopurifier:酸性条件)による順次精製によって、標題化合物を得た(5.5mg、0.01mmol)。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.81−1.91(2H)、2.00(3H)、3.43(4H)、4.04−4.13(2H)、5.83−5.88(1H)、6.05−6.10(1H)、6.73−6.81(1H)、6.83−6.92(1H)、7.05(1H)、7.54(1H)、8.24(1H)、8.91(1H)、9.24(1H)。
実施例2:
(rac)−ベンジル[{[16,20−ジフルオロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H,12H−11,7−(アゼノ)−13,17−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン−9−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
中間体2.1の製造:
(rac)−2,6−ジクロロ−4−[(メチルスルフィニル)メチル]ピリジン
塩化鉄(III)(0.11g、0.7mmol)を2,6−ジクロロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン(5.00g、24.0mmol;中間体1.7を参照)のアセトニトリル(57mL)中混合物に加え、バッチを室温で10分間攪拌した。バッチを冷却して0℃とし、過ヨウ素酸(5.86g、25.7mmol)を攪拌下に1回で加えた。0℃で90分後、チオ硫酸ナトリウム・5水和物(33.4g、134.5mmol)の氷水(306mL)中溶液を攪拌しながら、それに混合物を加えた。バッチを固体塩化ナトリウムで飽和させ、THFで2回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)によって精製して、所望の標題化合物を得た(4.83g、21.6mmol)。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=4.01(d、1H)、4.25(d、1H)、7.51(s、2H)。
中間体2.2の製造:
(rac)−ベンジル{[(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)メチル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}カーバメート
(rac)−2,6−ジクロロ−4−[(メチルスルフィニル)メチル]ピリジン(1000mg、4.46mmol)、ベンジルカーバメート(1349mg、8.92mmol)、酸化マグネシウム(719mg、17.85mmol)および酢酸ロジウム(II)2量体(49mg、0.11mmol)のDCM(44mL)中懸濁液に、室温でヨードベンゼン・ジアセテート(2.16g、6.69mmol)を加えた。バッチを室温で18時間攪拌した。反応混合物の体積を約10mLまで減らし、混合物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル0%から75%)によって精製して、所望の標題化合物を得た(960mg、2.6mmol)。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=3.32(s、3H)、5.02(m、4H)、7.22−7.49(m、5H)、7.59(s、2H)。
中間体2.3の製造:
2−{4−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブチル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
封管中、2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノール(500mg、2.25mmol;中間体1.3を参照)、2−(4−ブロモブチル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(762mg、2.70mmol)および炭酸カリウム(622mg、4.50mmol)のMeCN(14mL)中懸濁液を加熱して80℃とし、16時間攪拌した。混合物を冷却して室温とし、水(20mL)を加えることで反応を停止した。混合物を酢酸エチルで抽出した(20mLで3回)。合わせた有機層をで洗浄し飽和塩化ナトリウム水溶液、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮して、粗生成物(1095mg)を得て、それをそれ以上精製せずに使用した。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ=1.59−1.67(4H)、3.51−3.67(2H)、4.03(2H)、5.81(2H)、6.34(1H)、6.85(1H)、7.02(1H)、7.26(1H)、7.78−7.89(m、5H)。
中間体2.4の製造:
4−[2−(4−アミノブトキシ)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロピリジン−2−アミン
2−{4−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブチル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(2190mg、純度85%、4.40mmol)のEtOH(93mL)中懸濁液に、ヒドラジン水溶液(35重量%、2.4mL、26.4mmol)を加え、混合物を150分間加熱還流した。混合物を冷却して5℃とし、沈殿を濾去し、濾液を濃縮した。シリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル1:4から0:1、次に酢酸エチル/メタノール4:1)による精製によって、標題化合物を得た(1070mg、3.57mmol)。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.30−1.45(4H)、1.58−1.67(2H)、3.96−4.05(2H)、5.85(2H)、6.36(1H)、6.85(1H)、7.02(1H)、7.04(1H)、7.26(1H)、7.86(1H)。
中間体2.5の製造:
(rac)−ベンジル[{[2−({4−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブチル}アミノ)−6−クロロピリジン−4−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.36mL、2.05mmol)を4−[2−(4−アミノブトキシ)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロピリジン−2−アミン(200mg、0.68mmol)およびベンジル{[(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)メチル](メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン}カーバメート(509mg;中間体2.2を参照)のNMP(26.8mL)中懸濁液に加え、混合物を130℃で90分間攪拌した。冷却後、混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した(50mLで3回)。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し(Whatmanフィルター)、濃縮した。残留物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサンから酢酸エチル)によって精製して、所望の標題化合物を得た(92mg、0.11mmol)。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.51−1.62(2H)、1.63−1.75(2H)、3.17(2H)、3.25(3H)、4.02(2H)、4.75(2H)、5.03(2H)、5.83(2H)、6.36(1H)、6.42−6.49(1H)、6.49−6.57(1H)、6.85(1H)、7.03(1H)、7.16−7.23(1H)、7.19−7.38(6H)、7.75−7.95(1H)。
実施例2−最終生成物の製造:
(rac)−ベンジル[{[2−({4−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブチル}アミノ)−6−クロロピリジン−4−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(270mg、0.43mmol)、リン酸カリウム(455mg、2.14mmol)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(41mg、0.09mmol)のトルエン(44mL)およびNMP(6mL)中懸濁液を脱気して、それにクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(71mg、0.09mmol)を加え、混合物を封管中で加熱して130℃として6時間経過させた。混合物を水(80mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(60mLで3回)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し(Whatmanフィルター)、濃縮した。残留物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル1:4から0:1)によって精製して、所望の生成物を得た(26mg、0.04mmol)。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.69−1.90(4H)、3.13−3.30(5H)、4.08−4.22(2H)、4.50−4.76(2H)、4.90−5.17(2H)、5.89−6.01(1H)、6.01−6.20(1H)、6.78−6.95(2H)、7.01−7.14(1H)、7.27−7.48(6H)、8.17−8.43(2H)、9.30−9.60(1H)。
実施例3:
(rac)−16,20−ジフルオロ−9−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H,12H−11,7−(アゼノ)−13,17−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン
(rac)−ベンジル[{[2−({4−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブチル}アミノ)−6−クロロピリジン−4−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(中間体2.5、90mg、0.14mmol)、リン酸カリウム(152mg、0.714mmol)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(13.6mg、0.029mmol)のトルエン(14.8mL)およびNMP(1.9mL)中懸濁液を脱気して、それにクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(23mg、0.029mmol)を加え、混合物を封管中で加熱して130℃として終夜経過させた。混合物を水(80mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(60mLで3回)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し(Whatmanフィルター)、濃縮した。残留物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、次に酢酸エチル/MeOH)と次に分取HPLCによって順次精製して、所望の標題化合物を得た(1.2mg、2.6μmol)。
HPLC精製:
装置:Waters Autopurificationsystem:Pump 2545、Sample Manager 2767、CFO、DAD2996、ELSD2424、SQD;カラム:YMC Triart C18 5μm 100×30mm;
溶離液A:水+0.1体積%ギ酸(99%);溶離液B:アセトニトリル;
勾配:0.00−0.50分40%B(25から70mL/分)、0.51−5.50分40−60%B(70mL/分);
検出:DAD走査、210−400nm。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.72−1.88(4H)、2.87(3H)、3.15−3.26(2H)、3.59(1H)、4.03−4.20(4H)、5.91(1H)、6.07(1H)、6.76(1H)、6.82−6.90(1H)、7.09(1H)、7.31(1H)、8.26(1H)、8.33(1H)、9.33(1H)。
実施例4:
2,18−ジフルオロ−9−[(メチルスルファニル)メチル]−13,14,15,16−テトラヒドロ−6H−7,11−(アゼノ)−5,1−(メテノ)−12,4,6−ベンゾオキサジアザシクロオクタデシン
中間体4.1の製造
2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェニルトリフルオロメタンスルホネート
2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノール(500mg、2.25mmol;中間体1.3を参照)のDCM(22mL)中溶液に、トリエチルアミン(380μL、2.7mmol)およびN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(1.21g、3.38mmol)を順次加え、混合物を2時間加熱還流した。混合物を冷却して室温とし、濃縮した。残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、標題化合物を得た。そのような取得物は、N−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド副生成物を不純物として含んでおり、それ以上精製せずに用いた。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=6.10(2H)、6.46(1H)、7.56(1H)、7.67−7.78(2H)、8.01(1H)。
中間体4.2の製造
4−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェニル]ブタ−3−イン−1−オール
粗2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェニル−トリフルオロメタンスルホネート(1.24g)、ブタ−3−イン−1−オール(294mg、4.20mmol)、トリエチルアミン(980μL、7.0mmol)およびヨウ化銅(I)(133mg、700μmol)のDMF中混合物に、ビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(II)クロライド(246mg、350μmol)を加え、混合物を加熱して110℃として終夜経過させた。混合物を冷却して室温とし、Celite(登録商標)で濾過し、濃縮した。残留物を酢酸エチル(250mL)および水(100mL)に溶かし、層を分離した。有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液の順で洗浄し、脱水し(Whatmanフィルター)、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチルから酢酸エチル/MeOH)によって精製して、標題化合物を得た(473mg、1.55mmol)。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=2.42(2H)、3.42(2H)、4.80−4.87(1H)、5.92(2H)、6.44(1H)、7.28−7.33(1H)、7.35−7.44(2H)、7.92(1H)。
中間体4.3の製造
4−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェニル]ブタン−1−オール
オートクレーブ中、4−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェニル]ブタ−3−イン−1−オール(473mg、1.72mmol)のMeOH(15mL)中溶液に、パラジウム/活性炭(91.7mg、10重量%Pd、86.2μmol)を加え、混合物を水素雰囲気(20バールH2)と3時間反応させた。水素雰囲気をアルゴンに置き換えたが、反応管理で変換が不完全であることが示された。追加のパラジウム/活性炭(120mg、10重量%Pd、113μmol)を加え、混合物をさらに2.5時間水素化した(20バールH2)。水素雰囲気をアルゴンに置き換え、混合物を濾過し、フィルターケーキをMeOHで洗浄した。濾液を濃縮して、標題化合物を得た(432mg、1.40mmol)。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.24−1.34(3H)、1.45(2H)、3.24−3.31(2H)、4.33(1H)、5.94(2H)、6.29(1H)、7.09−7.16(1H)、7.18−7.28(2H)、7.92(1H)。2個のプロトンに、残留DMSOが重なっている。
中間体4.4の製造
4−{2−[4−({6−クロロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}オキシ)ブチル]−4−フルオロフェニル}−5−フルオロピリジン−2−アミン
4−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェニル]ブタン−1−オール(382mg、1.37mmol)のTHF(10mL)中溶液に0℃で、水素化ナトリウム(82.3mg、鉱油中60重量%品、2.06mmol)を加えた。混合物を昇温させて室温とし、30分間攪拌した。次に、2,6−ジクロロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン(428mg、2.06mmol、中間体1.7を参照)を加え、混合物を加熱して90℃として2時間経過させ、次に冷却して室温とした。混合物を注意深く濃縮し、残留物を酢酸エチル(50mL)および水(20mL)に溶かした。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した(50mLで3回)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Whatmanフィルターで濾過することで脱水し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、所望の標題化合物を得た(304mg、0.64mmol)。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.52−1.62(4H)、1.93−1.93(1H)、1.95(3H)、3.65(2H)、4.08−4.16(2H)、5.93(2H)、6.31(1H)、6.68(1H)、7.02(1H)、7.09−7.15(1H)、7.20−7.28(2H)、7.89(1H)。2個のプロトンに、残留DMSOが重なっている。
実施例4−最終生成物の製造:
4−{2−[4−({6−クロロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}オキシ)ブチル]−4−フルオロフェニル}−5−フルオロピリジン−2−アミン(254mg、565μmol)のトルエン(57mL)およびNMP(6.9mL)中溶液に、リン酸カリウム(599mg、2.82mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(26.9mg、56.5μmol)およびクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(46.7mg、56.5μmol)を順次加えた。懸濁液を脱気し、加熱して130℃として終夜経過させた。混合物を放冷して室温とし、濾過した。濾液を酢酸エチル(170mL)と飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)との間で分配した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した(170mLで2回)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し(Whatmanフィルター)、濃縮した。残留物を、4−{2−[4−({6−クロロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}オキシ)ブチル]−4−フルオロフェニル}−5−フルオロピリジン−2−アミン50mg(111μmol)を用いた以外は上記で記載の方法と同様に行った反応バッチと合わせた。残留物をジエチルエーテルと飽和塩化ナトリウム水溶液との間で分配し、層を分離し、水層をジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機層を脱水し、濃縮した。残留物をDMSO(8mL)および水(1mL)に溶かした。得られた懸濁液を濾過し、濾液について分取HPLCを行って、標題化合物を得た(82mg、0.19mmol)。
HPLC精製:
装置:ポンプ:LABOMATIC HD−5000;手動注入バルブ:Pheodyne 3725i038;検出器:Knauer AZURA UVD2.15;コレクター:LABOMATIC LABOCOL Vario−4000;カラム:Chromatorex RP C−18 10μm、125×30mm;
溶離液A:水+0.1体積%ギ酸(99%);溶離液B:アセトニトリル;
勾配:0.00−0.50分65%B(60mL/分)、0.50−10.00分65−100%B(60mL/分)、10.00−10.10分65−100%B(60mL/分)、10.10−12.00分100%B(60mL/分);
検出:UV269nm。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.81(4H)、1.98(3H)、2.61−2.86(2H)、3.56(2H)、3.91−4.89(2H)、6.16(1H)、6.41(1H)、7.12(1H)、7.29−7.43(2H)、7.54(1H)、8.32(1H)、9.70(1H)。
実施例5:
(rac)−2,18−ジフルオロ−9−[(メチルスルフィニル)メチル]−13,14,15,16−テトラヒドロ−6H−7,11−(アゼノ)−5,1−(メテノ)−12,4,6−ベンゾオキサジアザシクロオクタデシン
2,18−ジフルオロ−9−[(メチルスルファニル)メチル]−13,14,15,16−テトラヒドロ−6H−7,11−(アゼノ)−5,1−(メテノ)−12,4,6−ベンゾオキサジアザシクロオクタデシン(60.0mg、145μmol、実施例4を参照)のMeCN(4.4mL)中溶液に0℃で、塩化鉄(III)(2.35mg、14.5μmol)を加え、混合物を10分間攪拌した。次に、過ヨウ素酸(99.2mg、435μmol)を加え、混合物を2時間攪拌した。追加の塩化鉄(III)(2.35mg、14.5μmol)および過ヨウ素酸(99.2mg、435μmol)を加え、混合物を1時間攪拌した。氷の上に注ぐことで反応を停止し、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(15mL)を加えた。混合物を10分間攪拌し、生成物を酢酸エチルで抽出した(35mLで2回)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し(Whatmanフィルター)、濃縮した。残留物を、2,18−ジフルオロ−9−[(メチルスルファニル)メチル]−13,14,15,16−テトラヒドロ−6H−7,11−(アゼノ)−5,1−(メテノ)−12,4,6−ベンゾオキサジアザシクロオクタデシン(48μmol)20mgを用いた以外は上記と同様に行った第2の反応バッチの粗取得物と合わせた。粗取得物を、分取HPLCによって精製して、標題化合物を得た(17.2mg、0.04mmol)。
HPLC精製:
装置:ポンプ:LABOMATIC HD−5000;手動注入バルブ:Pheodyne 3725i038;検出器:Knauer AZURA UVD 2.15;コレクター:LABOMATIC LABOCOL Vario−4000;カラム:Chromatorex RP C−18 10μm、125×30mm;
溶離液A:水+0.1体積%ギ酸(99%);溶離液B:アセトニトリル;
勾配:0.00−1.00分30%B(60mL/分)、1.00−10.00分35−70%B(60mL/分)、10.00−10.10分70−100%B(60mL/分)、10.10−12.53分100%B(60mL/分);
検出:UV269nm。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.82(4H)、2.55(3H)、2.65−2.81(2H)、3.84(1H)、4.03(1H)、4.09−5.05(2H)、6.17(1H)、6.39(1H)、7.13(1H)、7.31−7.45(2H)、7.56(1H)、8.34(1H)、9.80(1H)。
実施例6:
(rac)−tert−ブチル[{[16,20−ジフルオロ−6−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H,12H−13,17−(アゼノ)−11,7−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン−9−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
中間体6.1の製造:
2−クロロ−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン
1,2−ジメトキシエタン(3.6mL)および2M炭酸カリウム水溶液(1.8mL)中の2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジン(200mg;1.20mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)、(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ボロン酸(224mg;1.31mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(138mg;0.12mmol)を入れたバッチを、アルゴンを用いて脱気した。バッチをアルゴン雰囲気下に90℃で16時間撹拌した。冷却後、バッチを酢酸エチルで希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を、Whatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル1:1)によって精製して、所望の標題化合物を得た(106mg;0.41mmol)。
1H NMR(400MHz、CDCl3、295K)δppm=8.47(1H)、7.51(1H)、6.82(1H)、6.73(1H)、3.85(3H)。
中間体6.2の製造:
2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェノール
2−クロロ−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン(2.00g;7.79mmol)のDCM(189mL)中溶液を撹拌しながら、それに0℃で三臭化ホウ素のDCM中溶液(1M;43.3mL;43.3mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)を滴下した。混合物を、終夜撹拌しながらゆっくり昇温させて室温とした。混合物を、撹拌下に0℃で注意深く重炭酸ナトリウム水溶液で希釈し、室温で1時間撹拌した。固体塩化ナトリウムを加え、混合物をWhatmanフィルターを用いて濾過した。有機層を濃縮して粗標題化合物(1.85g)を得て、それをそれ以上精製せずに用いた。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δppm=10.80(1H)、8.90(1H)、7.50(1H)、6.83(1H)、6.78(1H)。
中間体6.3の製造:
1−フルオロ−3−[(メチルスルファニル)メチル]−5−ニトロベンゼン
WO2013/037894(中間体9.1、94頁)に記載の方法に従って、中間体6.3を製造した。
1H NMR(400MHz、CDCl3、295K)δ/ppm=8.00(m、1H)、7.82(m、1H)、7.44(m、1H)、3.74(s、2H)、2.03(s、3H)。
中間体6.4の製造:
(rac)−1−フルオロ−3−[(メチルスルフィニル)メチル]−5−ニトロベンゼン
WO2013/037894(中間体9.2、94頁)に記載の方法に従って、中間体6.4を製造した。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=8.06(m、2H)、7.63(m、1H)、4.32(d、1H)、4.08(d、1H)、2.45(s、3H)。
中間体6.5の製造:
(rac)−tert−ブチル[(3−フルオロ−5−ニトロベンジル)(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
(rac)−1−フルオロ−3−[(メチルスルフィニル)メチル]−5−ニトロベンゼン(834mg;3.84mmol)、tert−ブチルカーバメート(675mg;5.76mmol)、酸化マグネシウム(619mg;15.36mmol)および酢酸ロジウム(II)二量体(85mg;0.19mmol)のDCM(38mL)中懸濁液に、ヨードベンゼンジアセテート(1855mg;5.76mmol)を室温で加えた。バッチを室温で16時間および40℃でさらに2時間攪拌した。冷却後、バッチを濾過し、濃縮した。残留物を、クロマトグラフィー(ヘキサンからヘキサン/酢酸エチル45%)によって精製して、所望の標題化合物を得た(998mg;3.00mmol)。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.29−1.42(9H)、3.17−3.25(3H)、5.04−5.13(2H)、7.75(1H)、8.18−8.23(2H)。
中間体6.6の製造:
(rac)−tert−ブチル[{3−[(4−ヒドロキシブチル)(メチル)アミノ]−5−ニトロベンジル}(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
(rac)−tert−ブチル[(3−フルオロ−5−ニトロベンジル)(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(200mg;0.60mmol)および4−(メチルアミノ)ブタン−1−オール(186mg;1.81mmol)のNMP(2.0mL)の混合物を100℃で終夜攪拌した。混合物を110℃でさらに2時間攪拌した。冷却後、混合物を酢酸エチルで希釈し、水で2回および塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄した。有機相を、Whatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。残留物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサンからヘキサン/酢酸エチル0:1)と次に分取HPLCによって精製して標題化合物を得た(95mg;0.23mmol)。
HPLC精製:
装置:ポンプ:LABOMATIC HD−5000;手動注入バルブ:Pheodyne 3725i038;検出器:Knauer AZURA UVD 2.15;コレクター:LABOMATIC LABOCOL Vario−4000;カラム:Chromatorex RP C−18 10μm、125×30mm;
溶離液A:水+0.1体積%ギ酸(99%);溶離液B:アセトニトリル;
勾配:0.00−0.50分15%B(150mL/分)、0.50−6.00分15−55%B(150mL/分)、6.00−6.10分55−100%B(150mL/分)、6.10−8.00分100%B(150mL/分)。
検出:UV254nm。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.37−1.59(13H)、2.98(3H)、3.11−3.18(3H)、3.36−3.48(4H)、4.44(1H)、4.87−4.98(2H)、7.17(1H)、7.39(1H)、7.47(1H)。
中間体6.7の製造:
(rac)−tert−ブチルN−[[3−[4−[2−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−フェノキシ]ブチル−メチル−アミノ]−5−ニトロ−フェニル]メチル−メチル−オキソ−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(16mg;79μmol)のDCM(0.2mL)中溶液を、(rac)−tert−ブチル[{3−[(4−ヒドロキシブチル)(メチル)アミノ]−5−ニトロベンジル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(30mg;72μmol)、2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェノール(19mg;79μmol)およびトリフェニルホスフィン(21mg;79μmol)のDCM(0.3mL)中混合物に0℃で滴下し、バッチを室温で終夜攪拌した。混合物を濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製して、標題化合物を得た(26mg;40μmol)。
HPLC精製:
装置:ポンプ:LABOMATIC HD−5000;手動注入バルブ:Pheodyne 3725i038;検出器:Knauer AZURA UVD 2.15;コレクター:LABOMATIC LABOCOL Vario−4000;カラム:Chromatorex RP C−18 10μm、125×30mm;
溶離液A:水+0.1体積%ギ酸(99%);溶離液B:アセトニトリル;
勾配:0.00−0.50分65%B(150mL/分)、0.50−6.00分65−100%B(150mL/分)、6.00−8.00分100%B(150mL/分);
検出:UV254nm。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.37(9H)、1.51−1.71(4H)、2.95(3H)、3.12(3H)、3.36−3.45(2H)、4.11(2H)、4.85−4.96(2H)、6.97(1H)、7.12−7.18(2H)、7.36(1H)、7.49(1H)、7.50−7.55(1H)、8.80(1H)。
中間体6.8の製造:
(rac)−tert−ブチル[{3−アミノ−5−[{4−[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブチル}(メチル)アミノ]ベンジル}(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
白金1%およびバナジウム2%/活性炭(50−70%湿粉末、10mg)を、(rac)−tert−ブチルN−[[3−[4−[2−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−フェノキシ]ブチル−メチル−アミノ]−5−ニトロ−フェニル]メチル−メチル−オキソ−λ6−スルファニリデン]カーバメート(25mg;39μmol)のメタノール(5mL)中溶液に加え、混合物を水素雰囲気下に室温で10分間攪拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮して粗標題化合物(17mg)を得て、それをそれ以上精製せずに用いた。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.31−1.40(9H)、1.41−1.67(4H)、2.65−2.83(3H)、3.04(3H)、3.14−3.28(2H)、4.08(2H)、4.46−4.62(2H)、4.95(2H)、5.91−5.99(3H)、6.97(1H)、7.15(1H)、7.53(1H)、8.84(1H)。
実施例6−最終生成物の製造:
粗(rac)−tert−ブチル[{3−アミノ−5−[{4−[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブチル}(メチル)アミノ]ベンジル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(17.0mg)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(4.6mg;5.6μmol;ABCR GmbH &CO. KG)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(2.7mg;5.6μmol;Aldrich Chemical Company Inc.)およびリン酸カリウム(29.6mg;139μmol)のトルエン(2.0mL)およびNMP(0.2mL)中混合物を、密閉容器中アルゴン雰囲気下に110℃で4時間攪拌した。冷却後、バッチを塩化ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチル/THFで抽出した。有機層を、Whatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。残留物を、分取HPLCによって精製して、標題化合物を得た(11.0mg;20μmol)。
HPLC精製:
装置:Waters Autopurificationsystem;カラム:Waters XBridge C18 5μ 100×30mm;
溶離液A:H2O+0.1体積%ギ酸(99%)、溶離液B:MeCN;
勾配:0.00−0.50分25%B(25から70mL/分)、0.51−5.50分50−70%B(70mL/分)、
DAD走査:210−400nm
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.38(9H)、1.67(2H)、1.82(2H)、2.89(3H)、3.10(3H)、3.22−3.31(m、2H)、4.19−4.27(2H)、4.61−4.69(2H)、6.25(1H)、6.42(1H)、6.86(1H)、7.13(1H)、7.33−7.39(1H)、7.71(1H)、8.62(1H)、9.56(1H)。
実施例7;
(rac)−tert−ブチル[{[15,19−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−11H−10,6−(アゼノ)−16,12−(メテノ)−1,5,11,13−ベンゾオキサトリアザシクロオクタデシン−8−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
中間体7.1の製造:
4−[2−(3−アミノプロポキシ)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロピリジン−2−アミン
2−{3−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]プロピル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(中間体1.4を参照;2.01g、純度90%)のエタノール(100mL)中溶液に、ヒドラジン水溶液(2.4mL、純度35%)を加え、混合物を3時間加熱還流した。混合物を冷却して5℃とし、濾過し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/メタノール)によって精製して、標題化合物を得た(1.14g、純度95%)。
LC−MS(方法a):Rt=0.53分;MS(ESIpos):m/z=280[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.62−1.72(m、2H)、2.54−2.59(m、2H)、3.13−3.19(m、2H)、4.02−4.08(m、2H)、5.78−5.89(m、2H)、6.33−6.39(m、1H)、6.81−6.87(m、1H)、7.01−7.08(m、1H)、7.20−7.28(m、1H)、7.82−7.88(m、1H)。
中間体7.2の製造:
(rac)−tert−ブチル{[(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)メチル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}カーバメート
(rac)−2,6−ジクロロ−4−[(メチルスルフィニル)メチル]ピリジン(中間体2.1を参照;6.00g)、tert−ブチルカーバメート(4.70g)、酸化マグネシウム(4.32g)および酢酸ロジウム(II)二量体(296mg)のジクロロメタン(270mL)中懸濁液に、ヨードベンゼンジアセテート(12.9g)を少量ずつ加え、混合物を室温で15時間、次に40℃で3時間攪拌した。混合物を放冷して室温とし、セライト層で濾過し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、標題化合物を得た(7.33g、純度97%)。
LC−MS(方法a):Rt=1.10分;MS(ESIpos):m/z=339[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.38−1.42(m、9H)、3.20−3.26(m、3H)、4.96−5.04(m、2H)、7.55−7.61(m、2H)。
中間体7.3の製造:
(rac)−tert−ブチル[{[2−({3−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]プロピル}アミノ)−6−クロロピリジン−4−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
4−[2−(3−アミノプロポキシ)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロピリジン−2−アミン(580mg、2.08mmol)、(rac)−tert−ブチル{[(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)メチル](メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン}カーバメート(587mg)および2,6−ルチジン(600μL)のDMSO(19mL)中溶液を加熱して130℃として3時間経過させ、次に150℃として1.5時間経過させた。混合物を放冷して室温とし、水(100mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した(各60mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、標題化合物を得た(233mg、純度90%)。
LC−MS(方法a):Rt=1.17分;MS(ESIpos):m/z=582[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、22℃)δ/ppm=1.38(s、9H)、1.81−1.93(m、2H)、3.14−3.18(m、3H)、3.20−3.29(m、2H)、4.05−4.13(m、2H)、4.66−4.78(m、2H)、5.78−5.90(m、2H)、6.36−6.39(m、1H)、6.40−6.44(m、1H)、6.50−6.53(m、1H)、6.79−6.92(m、1H)、7.01−7.10(m、1H)、7.19−7.25(m、1H)、7.25−7.31(m、1H)、7.84−7.90(m、1H)。
実施例7−最終生成物の製造:
rac−tert−ブチル[{[2−({3−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]プロピル}アミノ)−6−クロロピリジン−4−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(220mg)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(31.3mg)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル(18.0mg)およびリン酸カリウム(401mg)のトルエン(36mL)およびN−メチルピロリジン(4.6mL)中脱気懸濁液を130℃で5.5時間、次に110℃で12時間加熱した。混合物を放冷して室温とし、水(100mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した(各50mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチルから酢酸エチル/メタノール)による精製によって、標題化合物を得た(145mg、純度84%)。分取HPLCによって純粋なサンプルを得た。
HPLC精製:
装置:Waters Autopurification MS SingleQuad;カラム:Waters XBridge C18 5μ 100×30mm;溶離液A:水+0.1体積%ギ酸(99%)、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0−5.5分5−100%B;流量70mL/分;温度:25℃;DAD走査:210−400nm。
LC−MS(方法a):Rt=1.31分;MS(ESIpos):m/z=546[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.38(s、9H)、1.82−1.94(m、2H)、3.21(s、3H)、3.41(brs、2H)、4.03−4.13(m、2H)、4.47−4.65(m、2H)、5.93(d、1H)、6.10−6.18(m、1H)、6.83−6.96(m、2H)、7.05(dd、1H)、7.54(dd、1H)、8.26(d、1H)、8.83−8.92(m、1H)、9.35−9.43(m、1H)。
実施例8:
(rac)−15,19−ジフルオロ−8−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−11H−10,6−(アゼノ)−16,12−(メテノ)−1,5,11,13−ベンゾオキサトリアザシクロオクタデシン
(rac)−tert−ブチル[{[15,19−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−11H−10,6−(アゼノ)−16,12−(メテノ)−1,5,11,13−ベンゾオキサトリアザシクロオクタデシン−8−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(90.0mg)のジクロロメタン(900μL)中溶液にトリフルオロ酢酸(410μL)を加え、混合物を2時間攪拌した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(5mL)を加えることで、反応混合物のpH値をpH>7に調節した。混合物を、(rac)−tert−ブチル[{[15,19−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−11H−10,6−(アゼノ)−16,12−(メテノ)−1,5,11,13−ベンゾオキサトリアザシクロオクタデシン−8−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート20mgを用いた以外は上記の方法で行った第2の反応バッチと合わせた。混合物をジクロロメタンで3回抽出し(各25mL)、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、分取HPLCによって精製して、標題化合物を得た(38mg、純度99%)。
HPLC精製:
装置:Waters Autopurification MS SingleQuad;カラム:Waters XBridge C18 5μ 100×30mm;溶離液A:水+0.1体積%ギ酸(99%)、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0−5.5分5−100%B;流量70mL/分;温度:25℃;DAD走査:210−400nm。
LC−MS(方法a):Rt=1.07分;MS(ESIpos):m/z=446[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm1.83−1.96(m、2H)、2.88(s、3H)、3.37−3.47(m、2H)、3.55−3.62(m、1H)、4.05−4.20(m、4H)、5.86−5.95(m、1H)、6.06−6.15(m、1H)、6.83−6.92(m、2H)、7.02−7.09(m、1H)、7.48−7.60(m、1H)、8.23−8.29(m、1H)、8.88−8.91(m、1H)、9.31(s、1H)。
実施例9:
(rac)−tert−ブチル[{[17,21−ジフルオロ−2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−13H−12,8−(アゼノ)−14,18−(メテノ)−1,7,13,15−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−10−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
中間体9.1の製造:
2−{5−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ペンチル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノール(中間体1.3を参照;2.00g)および2−(5−ブロモペンチル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(3.20g)のアセトニトリル(57mL)中懸濁液に、炭酸カリウム(2.49g)を加え、混合物を加熱して80℃として22時間経過させた。混合物を放冷して室温とし、水(150mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した(各100mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮して、標題化合物を得て(4.58g、純度82%)、それをそれ以上精製せずに用いた。
LC−MS(方法a):Rt=1.11分;MS(ESIpos):m/z=438[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.27−1.35(m、2H)、1.55−1.67(m、4H)、3.52−3.61(m、2H)、3.93−4.01(m、2H)、5.74−5.92(m、2H)、6.28−6.37(m、1H)、6.80−6.91(m、1H)、6.97−7.04(m、1H)、7.20−7.28(m、1H)、7.62−7.69(m、1H)、7.80−7.90(m、4H)。
中間体9.2の製造:
4−{2−[(5−アミノペンチル)オキシ]−4−フルオロフェニル}−5−フルオロピリジン−2−アミン
2−{5−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ペンチル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(4.58g、純度82%)のエタノール(220mL)中懸濁液に、ヒドラジン水溶液(4.7mL、純度35%)を加え、混合物を3.5時間加熱還流した。混合物を冷却して5℃とし、濾過し、濃縮した。残留物をジクロロメタンで処理し、得られた懸濁液を濾過した。濾液をエタノールで処理し、冷却して0℃とし、濾過した。合わせたフィルターケーキをフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/メタノール)によって精製して、標題化合物を得た(1.53g、純度95%)。
LC−MS(方法a):Rt=0.65分;MS(ESIpos):m/z=308[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.27−1.37(m、4H)、1.56−1.64(m、2H)、3.14−3.19(m、2H)、3.96−4.02(m、2H)、5.79−5.93(m、2H)、6.34−6.41(m、1H)、6.79−6.88(m、1H)、6.98−7.07(m、1H)、7.20−7.30(m、1H)、7.82−7.87(m、1H)(1個のメチレン基が不明瞭となっている)。
中間体9.3の製造:
(rac)−tert−ブチル[{[2−({5−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ペンチル}アミノ)−6−クロロピリジン−4−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
4−{2−[(5−アミノペンチル)オキシ]−4−フルオロフェニル}−5−フルオロピリジン−2−アミン(1.60g、純度70%)、(rac)−tert−ブチル{[(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)メチル]s(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン}カーバメート(中間体7.2を参照;1.03g)および2,6−ルチジン(1.1mL)のDMSO(37mL)中溶液を加熱して130℃として2.5時間経過させた。混合物を放冷して室温とし、水(150mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した(各70mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、標題化合物を得た(623mg、純度95%)。
LC−MS(方法a):Rt=1.23分;MS(ESIpos):m/z=610[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.31−1.41(m、11H)、1.44−1.54(m、2H)、1.58−1.69(m、2H)、3.10−3.19(m、5H)、3.97−4.02(m、2H)、4.68−4.79(m、2H)、5.79−5.86(m、2H)、6.32−6.39(m、1H)、6.41−6.46(m、1H)、6.47−6.53(m、1H)、6.82−6.91(m、1H)、6.97−7.07(m、1H)、7.13−7.20(m、1H)、7.24−7.29(m、1H)、7.83−7.87(m、1H)。
実施例9−最終生成物の製造
(rac)−tert−ブチル[{[2−({5−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ペンチル}アミノ)−6−クロロピリジン−4−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(310mg)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(84.0mg)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(84.0mg)およびリン酸カリウム(539mg)のトルエン(31mL)およびN−メチルピロリジン(3.1mL)中脱気懸濁液を130℃で18時間加熱した。追加量のクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(84.0mg)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(84.0mg)を加え、混合物を130℃でさらに7時間攪拌した。混合物を放冷して室温とし、水(100mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した(各50mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール)、次に分取HPLCによって順次精製して、標題化合物を得た(78mg、純度99%)。
HPLC精製:
装置:ポンプ:Labomatic HD−5000、ヘッドHDK280、低圧勾配モジュールND−B1000;手動注入バルブ:Pheodyne 3725i038;検出器:Knauer AZURA UVD 2.15;コレクター:LABOMATIC LABOCOL Vario−4000;カラム:Chromatorex RP C−18 10μm、125×30mm;溶媒A:水+0.1体積%ギ酸、溶媒B:アセトニトリル;勾配:0.00−0.50分40%B(150mL/分)、0.50−6.00分40−80%B(150mL/分)、6.00−6.10分80−100%B(150mL/分)、6.10−8.00分100%B(150mL/分);検出:UV279nm。
LC−MS(方法a):Rt=1.36分;MS(ESIpos):m/z=574[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.35−1.41(m、11H)、1.43−1.49(m、2H)、1.59−1.70(m、2H)、3.10−3.17(m、2H)、3.17−3.23(m、3H)、4.13−4.20(m、2H)、4.50−4.62(m、2H)、5.89−5.95(m、1H)、6.10−6.16(m、1H)、6.67−6.74(m、1H)、6.84−6.93(m、1H)、7.12−7.18(m、1H)、7.24−7.33(m、1H)、8.17−8.28(m、2H)、9.38(s、1H)。
実施例10:
(rac)−17,21−ジフルオロ−10−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−13H−12,8−(アゼノ)−14,18−(メテノ)−1,7,13,15−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン
(rac)−tert−ブチル[{[17,21−ジフルオロ−2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−13H−12,8−(アゼノ)−14,18−(メテノ)−1,7,13,15−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−10−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(75.0mg)のジクロロメタン(25mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(250μL)を加え、混合物を4時間攪拌した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加えることで反応混合物のpH値をpH>7に調節し、混合物をジクロロメタンで3回抽出した(各20mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、分取HPLCによって精製して、標題化合物を得た(32mg、純度99%)。
HPLC精製:
装置:Waters Autopurification MS SingleQuad;カラム:Waters XBridge C18 5μ 100×30mm;溶離液A:水+0.1体積%ギ酸(99%)、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0−5.5分5−100%B;流量70mL/分;温度:25℃;DAD走査:210−400nm。
LC−MS(方法a):Rt=1.11分;MS(ESIpos):m/z=474[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.32−1.41(m、2H)、1.41−1.52(m、2H)、1.61−1.69(m、2H)、2.82−2.91(m、3H)、3.06−3.20(m、2H)、3.56−3.62(m、1H)、4.03−4.12(m、1H)、4.12−4.20(m、3H)、5.79−5.97(m、1H)、6.10−6.17(m、1H)、6.55−6.66(m、1H)、6.81−6.92(m、1H)、7.11−7.19(m、1H)、7.25−7.34(m、1H)、8.18−8.26(m、2H)、9.25−9.34(m、1H)。
実施例11:
(rac)−16,20−ジフルオロ−6−メチル−9−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−7,11−(アゼノ)−17,13−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン
中間体11.1の製造:
(rac)−tert−ブチル[({2−クロロ−6−[(4−ヒドロキシブチル)(メチル)アミノ]ピリジン−4−イル}メチル)(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
(rac)−tert−ブチル{[(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)メチル](メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン}カーバメート(中間体7.2を参照;1.00g)および4−(メチルアミノ)ブタン−1−オール(365mg)のDMSO(35mL)中溶液に、2,6−ルチジン(1.0mL)を加え、混合物を130℃で4.5時間加熱した。混合物を放冷して室温とし、水(150mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した(各70mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチルから酢酸エチル/メタノール)によって精製して、標題化合物を得て(539mg、純度99%)。
LC−MS(方法a):Rt=1.07分;MS(ESIneg):m/z=404[M−H]−。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.35−1.45(m、11H)、1.50−1.59(m、2H)、2.93−3.01(m、3H)、3.12−3.17(m、3H)、3.37−3.43(m、2H)、3.44−3.49(m、2H)、4.39−4.44(m、1H)、4.72−4.87(m、2H)、6.54−6.60(m、1H)、6.60−6.65(m、1H)。
中間体11.2の製造
(rac)−tert−ブチル[({2−[{4−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブチル}(メチル)アミノ]−6−クロロピリジン−4−イル}メチル)(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
(rac)−tert−ブチル[({2−クロロ−6−[(4−ヒドロキシブチル)(メチル)アミノ]ピリジン−4−イル}メチル)(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(350mg)、2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノール(中間体1.3を参照;160mg)およびトリフェニルホスフィン(283mg)のジクロロメタン(5mL)中懸濁液に、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(210μL)のジクロロメタン(1mL)中溶液を加え、混合物を室温で18時間攪拌した。追加量の2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノール(80mg)、トリフェニルホスフィン(141mg)およびジイソプロピルアゾジカルボキシレート(105μL)を加え、混合物をさらに4時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)によって精製した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲルヘキサン/酢酸エチル)によるさらなる精製によって、標題化合物を得た(180mg、純度95%)。
LC−MS(方法a):Rt=1.26分;MS(ESIpos):m/z=610[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.38(s、9H)、1.50−1.66(m、4H)、2.89−2.96(m、3H)、3.11−3.18(m、3H)、3.41−3.49(m、2H)、3.99−4.06(m、2H)、4.71−4.84(m、2H)、5.79−5.88(m、2H)、6.32−6.38(m、1H)、6.56−6.59(m、1H)、6.59−6.61(m、1H)、6.83−6.92(m、1H)、6.96−7.06(m、1H)、7.23−7.29(m、1H)、7.80−7.86(m、1H)。
実施例11−最終生成物の製造
(rac)−tert−ブチル[({2−[{4−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブチル}(メチル)アミノ]−6−クロロピリジン−4−イル}メチル)(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(120mg)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(32.5mg)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(18.8mg)およびリン酸カリウム(209mg)のトルエン(19mL)およびN−メチルピロリジン(2.4mL)中脱気懸濁液を130℃で18時間加熱した。追加量のクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(16.3mg)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(9.4mg)を加え、混合物を130℃でさらに4時間攪拌した。混合物を放冷して室温とし、水(50mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した(各30mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、粗(rac)−tert−ブチル[{[16,20−ジフルオロ−6−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−7,11−(アゼノ)−17,13−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン−9(12H)−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(71mg、純度92%)を得て、それは若干の不純物を含んでおり、それ以上精製せずに用いた。
粗(rac)−tert−ブチル[{[16,20−ジフルオロ−6−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−7,11−(アゼノ)−17,13−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン−9(12H)−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(70.0mg)のジクロロメタン(1.5mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(240μL)を加え、混合物を4.5時間攪拌した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加えることで反応混合物のpH値をpH>7に調節し、混合物をジクロロメタンで3回抽出した(各15mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、分取HPLCによって精製した。分取HPLCによるさらなる精製によって、標題化合物を得た(8mg、純度99%)。
HPLC精製:
装置:Waters Autopurification MS SingleQuad;カラム:Waters XBridge C18 5μ 100×30mm;溶離液A:水+0.2体積%アンモニア水溶液(32%)、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0−5.5分5−100%B;流量70mL/分;温度:25℃;DAD走査:210−400nm。
LC−MS(方法a):Rt=1.17分;MS(ESIpos):m/z=474[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.68−1.90(m、4H)、2.85−2.89(m、3H)、2.93(s、3H)、3.48−3.60(m、2H)、3.62−3.73(m、1H)、4.10−4.26(m、4H)、5.96−6.08(m、1H)、6.17−6.28(m、1H)、6.80−6.97(m、1H)、7.02−7.17(m、1H)、7.29−7.37(m、1H)、8.23−8.34(m、2H)、9.31−9.46(m、1H)。
実施例12:
8,16,20−トリフルオロ−6−メチル−9−[(メチルスルファニル)メチル]−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H,12H−11,7−(アゼノ)−13,17−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン
中間体12.1の製造:
(2,6−ジクロロ−3−フルオロピリジン−4−イル)メタノール
2,6−ジクロロ−3−フルオロピリジン−4−カルボン酸(4.90g、FCHグループから購入)のTHF(86mL)中溶液に0℃で、ボラン・THF錯体溶液(93mL、1.0M)をゆっくり加えた。混合物を昇温させて室温とし、16時間攪拌した。MeOH(20mL)を加えることで反応をゆっくり停止した。混合物を酢酸エチル(100mL)と飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)との間で分配し、水層を酢酸エチルで3回抽出した(各150mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、(2,6−ジクロロ−3−フルオロピリジン−4−イル)メタノールを得た(4.41g、純度99%)。
LC−MS(方法a):Rt=0.90分;MS(ESIpos):m/z=196[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=4.60−4.69(m、2H)、5.75−5.83(m、1H)、7.51−7.60(m、1H)。
中間体12.2の製造:
2,6−ジクロロ−4−(クロロメチル)−3−フルオロピリジン
(2,6−ジクロロ−3−フルオロピリジン−4−イル)メタノール(4.30g)およびピリジン(2.0mL)のトルエン(17mL)中溶液に0℃で、塩化チオニル(2.1mL)を加えた。混合物を0℃でさらに30分間および室温で24時間攪拌した。水(200mL)を加えることで反応を停止し、混合物を酢酸エチルで3回抽出した(各150mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮して、標題化合物を得て(4.67g、純度80%)、それをそれ以上精製せずに用いた。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=4.81−4.88(m、2H)、7.80−7.86(m、1H)。
中間体12.3の製造:
2,6−ジクロロ−3−フルオロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン
粗2,6−ジクロロ−4−(クロロメチル)−3−フルオロピリジン(4.67g)のエタノール(41mL)中溶液に0℃で、ナトリウムチオメトキシド(1.10g)を少量ずつ加えた。混合物を昇温させて室温とし、3時間攪拌した。半飽和塩化ナトリウム水溶液(200mL)を加えることで反応を停止し、混合物を酢酸エチルで3回抽出した(各150mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、2,6−ジクロロ−4−(クロロメチル)−3−フルオロピリジン100mgを用いた以外は上記の方法で行った第2の反応バッチと合わせた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)による精製によって、標題化合物を得た(2.22g、純度95%)。
LC−MS(方法a):Rt=1.26分;MS(ESIpos):m/z=226[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=2.03(s、3H)、3.75−3.82(m、2H)、7.63−7.69(m、1H)。
中間体12.4の製造:
4−[{6−クロロ−3−フルオロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}(メチル)アミノ]ブタン−1−オール
2,6−ジクロロ−3−フルオロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン(2.00g)、4−(メチルアミノ)ブタン−1−オール(1.10g)および2,6−ルチジン(3.1mL)のDMSO(110mL)中溶液を130℃で3.5時間加熱した。混合物を放冷して室温とし、水(300mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した(各150mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)によって精製した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)によるさらなる精製によって、標題化合物を得た(935mg、純度95%)。
LC−MS(方法a):Rt=1.24分;MS(ESIpos):m/z=293[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.34−1.45(m、2H)、1.48−1.63(m、2H)、2.02(s、3H)、3.01(s、3H)、3.36−3.46(m、4H)、3.60−3.66(m、2H)、4.38−4.44(m、1H)、6.67−6.70(m、1H)。
中間体12.5の製造:
N−{4−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブチル}−6−クロロ−3−フルオロ−N−メチル−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−アミン
4−[{6−クロロ−3−フルオロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}(メチル)アミノ]ブタン−1−オール(930mg)、2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノール(中間体1.3を参照;847mg)およびトリフェニルホスフィン(916mg)のジクロロメタン(12mL)中懸濁液に、ジクロロメタン(3mL)中のジイソプロピルアゾジカルボキシレート(690μL)を加え、混合物を室温で7.5時間攪拌した。混合物を濃縮し、粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得て(2.05g、純度80%)、それをそれ以上精製せずに用いた。
LC−MS(方法a):Rt=1.44分;MS(ESIpos):m/z=497[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.54−1.66(m、4H)、1.97−2.00(m、2H)、2.92−2.97(m、3H)、3.37−3.44(m、2H)、3.60−3.64(m、2H)、4.00−4.04(m、2H)、5.80−5.86(m、2H)、6.32−6.38(m、1H)、6.67−6.72(m、1H)、6.80−6.90(m、1H)、6.98−7.05(m、1H)、7.23−7.33(m、1H)、7.76−7.83(m、1H)。
実施例12−最終生成物の製造:
粗N−{4−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブチル}−6−クロロ−3−フルオロ−N−メチル−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−アミン(1.90g)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(506mg)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(292mg)およびリン酸カリウム(1.95g)のトルエン(150mL)およびN−メチルピロリジン(15mL)中脱気懸濁液を130℃で18時間加熱した。追加量のクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(506mg)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(292mgλ)を加え、混合物を130℃でさらに7時間攪拌した。混合物を放冷して室温とし、水(150mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した(各100mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)によって精製した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)および分取HPLCによるさらなる精製によって、標題化合物を得た(221mg、純度95%)。
HPLC精製:
装置:ポンプ:Labomatic HD−5000、ヘッドHDK280、低圧勾配モジュールND−B1000;手動注入バルブ:Pheodyne 3725i038;検出器:Knauer AZURA UVD 2.15;コレクター:LABOMATIC LABOCOL Vario−4000;カラム:Chromatorex RP C−18 10μm、125×30mm;溶媒A:水+0.2体積%アンモニア(32%)、溶媒B:アセトニトリル;勾配:0.00−0.50分65%B(150mL/分)、0.50−6.00分65−100%B(150mL/分)、6.00−8.00分100%B(150mL/分);検出:UV277nm。
LC−MS(方法b):Rt=1.59分;MS(ESIpos):m/z=461[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.75−1.91(m、4H)、2.01−2.08(m、3H)、3.01−3.10(m、3H)、3.33−3.41(m、2H)、3.51−3.59(m、2H)、4.03−4.15(m、2H)、6.19−6.27(m、1H)、6.81−6.93(m、1H)、7.06−7.13(m、1H)、7.25−7.34(m、1H)、8.08−8.15(m、1H)、8.22−8.29(m、1H)、8.22−8.29(m、1H)、9.35−9.45(m、1H)。
実施例13:
(rac)−tert−ブチル[{[15,19−ジフルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−16,12−(アゼノ)−6,10−(メテノ)−5,1,11,13−ベンゾオキサトリアザシクロオクタデシン−8(11H)−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
中間体13.1の製造_
2−(3−{3−[(メチルスルファニル)メチル]−5−ニトロフェノキシ}プロピル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
3−[(メチルスルファニル)メチル]−5−ニトロフェノール(2.21g、WO2015/155197A1、2015、中間体1.2に従って製造)のDMF(22mL)中溶液に、炭酸カリウム(2.30g)および2−(3−ブロモプロピル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(3.27g)を順次加え、混合物を室温で22時間攪拌した。反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)を加えることで反応を停止した。層を分離し、水層をEtOAcで2回抽出した(各50mL)。合わせた有機層を順次水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮して、標題化合物を得て(4.25g、純度95%)、それをそれ以上精製せずに用いた。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.93(s、3H)、2.06−2.13(m、2H)、3.73−3.81(m、4H)、4.11−4.17(m、2H)、7.15−7.20(m、1H)、7.37−7.44(m、1H)、7.72−7.78(m、1H)、7.81−7.89(m、4H)。
中間体13.2の製造:
rac−2−[3−(3−{[(S)−メチルスルフィニル]メチル}−5−ニトロフェノキシ)プロピル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
2−(3−{3−[(メチルスルファニル)メチル]−5−ニトロフェノキシ}プロピル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(4.23g、純度95%)のアセトニトリル(320mL)中溶液に0℃で、三塩化鉄(169mg)を加え、混合物を10分間攪拌した。次に、過ヨウ素酸(7.11g)を加え、混合物を0℃でさらに2時間攪拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(100mL)を加えることで反応を停止した。混合物を10分間攪拌し、酢酸エチルで2回抽出した(各250mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮して粗標題化合物を得て(4.55g、純度90%)、それをそれ以上精製せずに用いた。
LC−MS(方法a):Rt=0.99分;MS(ESIpos):m/z=403[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=2.06−2.15(m、2H)、2.48(s、3H)、3.75−3.83(m、2H)、3.99−4.08(m、1H)、4.13−4.20(m、2H)、4.22−4.29(m、1H)、7.20−7.26(m、1H)、7.50−7.55(m、1H)、7.75−7.80(m、1H)、7.82−7.89(m、4H)。
中間体13.3の製造:
(rac)−tert−ブチル[{3−[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)プロポキシ]−5−ニトロベンジル}(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
粗rac−2−[3−(3−{[(S)−メチルスルフィニル]メチル}−5−ニトロフェノキシ)プロピル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(4.55g)、tert−ブチルカーバメート(1.98g)、酸化マグネシウム(1.82g)および酢酸ロジウム(II)二量体(125mg)のジクロロメタン(120mL)中懸濁液に、ヨードベンゼンジアセテート(5.46g)を少量ずつ加え、混合物を加熱して40℃として4時間経過させた。混合物を−20℃で72時間維持し、次に40℃でさらに3時間攪拌した。混合物を放冷して室温とし、セライト層で濾過し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチルから酢酸エチル/メタノール)によって精製して、標題化合物を得て(5.83g、純度80%)、それをそれ以上精製せずに用いた。
LC−MS(方法a):Rt=1.20分;MS(ESIpos):m/z=518[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.36(s、9H)、1.93−1.93(m、1H)、2.06−2.15(m、2H)、3.13(s、3H)、3.74−3.80(m、2H)、4.13−4.20(m、2H)、4.93−5.04(m、2H)、7.35−7.41(m、1H)、7.59−7.64(m、1H)、7.81−7.91(m、5H)。
中間体13.4の製造
(rac)−tert−ブチル[{3−アミノ−5−[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)プロポキシ]ベンジル}(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
粗(rac)−tert−ブチル[{3−[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)プロポキシ]−5−ニトロベンジル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(2.90g)のメタノール(120mL)中溶液に白金1%およびバナジウム2%/活性炭(344mg)を加えた。混合物を水素ガス(1気圧)でパージし、0.5時間攪拌した。追加の白金1%およびバナジウム2%/活性炭(200mg)を加え、混合物を水素雰囲気下に2時間攪拌した。追加の白金1%およびバナジウム2%/活性炭(150mg)を加え、混合物を水素雰囲気下に1.5時間攪拌した。混合物を窒素下に15時間攪拌した。追加の白金1%およびバナジウム2%/活性炭(200mg)を加え、混合物を水素雰囲気下に1時間攪拌した。混合物をTHF(75mL)で希釈し、追加の白金1%およびバナジウム2%/活性炭(200mg)を加え、混合物を水素雰囲気下に1時間攪拌した。混合物を濾過し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチルから酢酸エチル/メタノール)によって精製して、標題化合物を得て(740mg、純度95%)。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.38(s、9H)、1.98−2.06(m、2H)、3.04(s、3H)、3.71−3.76(m、2H)、3.85−3.93(m、2H)、4.48−4.62(m、2H)、5.16−5.23(m、2H)、6.03−6.12(m、2H)、6.13−6.19(m、1H)、7.81−7.89(m、4H)。
中間体13.5の製造:
(rac)−tert−ブチル[(3−{[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−フルオロピリミジン−2−イル]アミノ}−5−[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)プロポキシ]ベンジル)(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
(rac)−tert−ブチル[{3−アミノ−5−[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)プロポキシ]ベンジル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(250mg)、2−クロロ−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−フルオロピリミジン(251mg、Apollo Scientificから購入)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(42.4mg)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(24.4mg)およびリン酸カリウム(544mg)のトルエン(51mL)およびN−メチルピロリジン(6.2mL)中懸濁液を130℃で18時間攪拌した。追加量の2−クロロ−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−フルオロピリミジン(125mg)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(21.2mg)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(12.2mg)を加え、混合物を130℃で4時間攪拌した。追加量の2−クロロ−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−フルオロピリミジン(63mg)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(10.6mg)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(6.1mg)を加え、混合物を110℃で16時間攪拌した。混合物を放冷して室温とし、濾過し、水(100mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した(各150mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。残留物を飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で処理し、ジエチルエーテルで3回抽出した(各120mL)。合わせた有機層を精製し、濃縮した。粗生成物を、(rac)−tert−ブチル[{3−アミノ−5−[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)プロポキシ]ベンジル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート200mgを用いた以外は上記と同様に行った第2の反応バッチと合わせた。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチルから酢酸エチル/メタノール)によって精製して、標題化合物を得て(337mg、純度80%)、それは不純物を含んでいたが、それ以上精製せずに用いた。
LC−MS(方法a):Rt=1.45分;MS(ESIpos):m/z=696[M+H]+。
中間体13.6の製造:
(rac)−tert−ブチル{[3−(3−アミノプロポキシ)−5−{[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−フルオロピリミジン−2−イル]アミノ}ベンジル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}カーバメート
粗(rac)−tert−ブチル[(3−{[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−フルオロピリミジン−2−イル]アミノ}−5−[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)プロポキシ]ベンジル)(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(337mg、純度80%)のエタノール(14mL)およびTHF(3.0mL)中懸濁液にヒドラジン水溶液(210μL、純度35%)を加え、混合物を4時間加熱還流した。混合物を冷却して5℃とし、濾過し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチルから酢酸エチル/メタノール)によって精製して、標題化合物を得た(165mg、純度95%)。
LC−MS(方法a):Rt=1.03分;MS(ESIpos):m/z=566[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.36(s、9H)、1.75−1.78(m、2H)、2.65−2.70(m、2H)、3.07−3.12(m、2H)、3.13−3.19(m、2H)、3.96−4.00(m、2H)、4.69−4.83(m、2H)、6.54−6.64(m、1H)、7.30−7.41(m、2H)、7.42−7.54(m、2H)、7.79−7.91(m、1H)、8.65−8.74(m、1H)、9.95−10.02(m、1H)。
実施例13−最終生成物の製造:
(rac)−tert−ブチル{[3−(3−アミノプロポキシ)−5−{[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−フルオロピリミジン−2−イル]アミノ}ベンジル](メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン}カーバメート(165mg)のDMSO(11mL)中溶液に、トリエチルアミン(49μL)を加え、混合物を加熱して150℃として5時間経過させた。混合物を放冷して室温とし、水(25mL)で希釈し、酢酸エチルで2回抽出した(各100mL)。合わせた有機層を順次飽和重炭酸ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、標題化合物を得て(255mg、純度88%)、それをそれ以上精製せずに用いた。分取HPLCによって純粋なサンプルを得た。
HPLC精製:
装置:Waters Autopurification MS SingleQuad;カラム:Waters XBridge C18 5μ 100×30mm;溶離液A:水+0.1体積%ギ酸(99%)、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0−5.5分5−100%B;流量70mL/分;温度:25℃;DAD走査:210−400nm。
LC−MS(方法a):Rt=1.37分;MS(ESIpos):m/z=546[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.38(s、9H)、1.94(brs、2H)、3.11−3.21(m、5H)、4.26(brt、2H)、4.72(s、2H)、6.38−6.50(m、1H)、6.55(s、1H)、6.59−6.64(m、1H)、6.79(s、1H)、7.58−7.66(m、1H)、7.67−7.75(m、1H)、8.29(s、1H)、8.52−8.57(m、1H)、8.65(d、1H)、9.94(s、1H)。
実施例14:
rac−15,19−ジフルオロ−8−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−16,12−(アゼノ)−6,10−(メテノ)−5,1,11,13−ベンゾオキサトリアザシクロオクタデシン
(rac)−tert−ブチル[{[15,19−ジフルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−16,12−(アゼノ)−6,10−(メテノ)−5,1,11,13−ベンゾオキサトリアザシクロオクタデシン−8(11H)−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(215mg、純度88%)のジクロロメタン(2.7mL)中溶液にトリフルオロ酢酸(870μL)を加え、混合物を2時間攪拌した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(30mL)を加えることで反応混合物のpH値をpH>7に調節し、混合物をジクロロメタンで3回抽出した(各60mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、分取HPLCによって精製して、標題化合物を得た(14.6mg、純度94%、9%)。
HPLC精製:
装置:Waters Autopurification MS SingleQuad;カラム:Waters XBridge C18 5μ 100×30mm;溶離液A:水+0.1体積%ギ酸(99%)、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0−5.5分5−100%B;流量70mL/分;温度:25℃;DAD走査:210−400nm。
LC−MS(方法a):Rt=1.14分;MS(ESIpos):m/z=446[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.86−2.02(m、2H)、2.81(s、3H)、3.08−3.22(m、2H)、3.57(s、1H)、4.16−4.30(m、4H)、6.39−6.51(m、1H)、6.51−6.66(m、2H)、6.67−6.85(m、1H)、7.60−7.71(m、1H)、7.75−7.85(m、1H)、8.11−8.28(m、1H)、8.59−8.69(m、1H)、9.81−9.95(m、1H)。
実施例15:
(rac)−tert−ブチル[{[16,20−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H,12H−13,17−(アゼノ)−11,7−(メテノ)−6,1,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン−9−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
中間体15.1の製造:
エチル4−{3−[(メチルスルファニル)メチル]−5−ニトロフェノキシ}ブタノエート
3−[(メチルスルファニル)メチル]−5−ニトロフェノール(6.00g)および炭酸カリウム(4.99g)のDMF(58mL)中懸濁液に0℃で、エチル4−ブロモブタノエート(4.7mL)を滴下した。混合物を昇温させて室温とし、24時間攪拌した。反応液を水(300mL)で希釈し、混合物を酢酸エチルで3回抽出した(各200mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮して、標題化合物を得て(11.69g、純度90%)、それはDMFおよび過剰のエチル4−ブロモブタノエートを不純物として含んでいたが、それ以上精製せずに用いた。
LC−MS(方法a):Rt=1.35分;MS(ESIpos):m/z=314[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.15−1.21(m、3H)、1.94−2.03(m、5H)、3.74−3.81(m、2H)、4.02−4.14(m、4H)、7.33−7.36(m、1H)、7.57−7.61(m、1H)、7.75−7.80(m、1H)(1個のメチレン基が残留DMSOと重なっている)。
の製造中間体15.2:
(rac)−エチル4−(3−{[S−メチルスルフィニル]メチル}−5−ニトロフェノキシ)ブタノエート
粗エチル4−{3−[(メチルスルファニル)メチル]−5−ニトロフェノキシ}ブタノエート(11.7g)のアセトニトリル(410mL)中溶液に0℃で、三塩化鉄(605mg)を加え、混合物を15分間攪拌した。次に、過ヨウ素酸(25.5g)を加え、反応液を0℃で1.5時間攪拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えることで反応を停止し、混合物を酢酸エチルで3回抽出した(各300mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮して、標題化合物を得て(10.5g、純度99%)、それをそれ以上精製せずに用いた。
LC−MS(方法a):Rt=0.96分;MS(ESIpos):m/z=330[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.15−1.21(m、3H)、1.97−2.06(m、2H)、4.04−4.15(m、5H)、4.24−4.31(m、1H)、7.28−7.36(m、1H)、7.65−7.69(m、1H)、7.76−7.82(m、1H)(メチル基および1個のメチレン基が残留DMSOと重なっている)。
中間体15.3の製造:
(rac)−エチル4−(3−{[N−(tert−ブトキシカルボニル)−S−メチルスルホンイミドイル]メチル}−5−ニトロフェノキシ)ブタノエート
(rac)−エチル4−(3−{[S−メチルスルフィニル]メチル}−5−ニトロフェノキシ)ブタノエート(10.5g)、tert−ブチルカーバメート(5.60g)、酸化マグネシウム(5.14g)、および酢酸ロジウム(II)二量体(352mg)のジクロロメタン(530mL)中懸濁液に、ヨードベンゼンジアセテート(15.4g)を加え、混合物を45℃で4.5時間攪拌した。追加量のtert−ブチルカーバメート(1.87g)、酢酸ロジウム(II)二量体(117mg)およびヨードベンゼンジアセテート(5.1g)を加え、混合物を45℃でさらに12時間攪拌した。混合物を放冷して室温とし、セライト層で濾過し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、標題化合物を得た(12.8g、純度97%)。
LC−MS(方法a):Rt=1.22分;MS(ESIpos):m/z=445[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.15−1.24(m、3H)、1.39(s、9H)、1.98−2.06(m、2H)、2.44−2.44(m、1H)、3.09−3.19(m、3H)、4.04−4.16(m、4H)、4.95−5.10(m、2H)、7.41−7.47(m、1H)、7.73−7.80(m、1H)、7.88−7.94(m、1H)(2個のプロトンに残留DMSOが重なっている)。
中間体15.4の製造:
(rac)−tert−ブチル{[3−(4−ヒドロキシブトキシ)−5−ニトロベンジル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}カーバメート
(rac)−エチル4−(3−{[N−(tert−ブトキシカルボニル)−S−メチルスルホンイミドイル]メチル}−5−ニトロフェノキシ)ブタノエート(12.8g)のTHF(210mL)中溶液に−20℃で、水素化ジイソブチルアルミニウム(120mL、1.0M THF中溶液)を滴下した。混合物を昇温させて室温とし、2.5時間攪拌した。飽和酒石酸ナトリウムカリウム水溶液を加えることで反応を停止した。混合物を2時間高撹拌し、次に酢酸エチルで3回抽出した(各100mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチルから酢酸エチル/メタノール)によって精製して、標題化合物を得た(8.01g、純度97%)。
LC−MS(方法a):Rt=1.02分;MS(ESIpos):m/z=403[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.39(s、9H)、1.51−1.65(m、2H)、1.73−1.83(m、2H)、3.14(s、3H)、3.43−3.51(m、2H)、4.09−4.16(m、2H)、4.46−4.51(m、1H)、4.93−5.07(m、2H)、7.37−7.50(m、1H)、7.73−7.79(m、1H)、7.86−7.92(m、1H)。
中間体15.5の製造:
2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロアニリン
2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジン(2.46g)、5−フルオロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン(3.50g、Milestone Pharmtech USA Inc.から購入)およびテトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)(1.71g)の1,2−ジメトキシエタン(120mL)中溶液に、炭酸カリウム水溶液(30mL、1.5M)を加え、混合物を加熱して90℃として16時間経過させた。混合物を放冷して室温とし、酢酸エチルで希釈した。混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、標題化合物を得て(2.33g、純度95%)。
LC−MS(方法a):Rt=1.11分;MS(ESIpos):m/z=242[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=6.29−6.40(m、2H)、6.42−6.51(m、1H)、6.54−6.61(m、1H)、7.41−7.48(m、1H)、8.84−8.89(m、1H)。
中間体15.6の製造:
N−[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェニル]−2−ニトロベンゼンスルホンアミド
2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロアニリン(2.33g)、2−ニトロベンゼンスルホニルクロライド(2.56g)および4−ジメチルアミノピリジン(58.9mg)のジクロロメタン(12mL)中懸濁液に、ピリジン(940μL)を加え、混合物を16時間攪拌した。追加量の2−ニトロベンゼンスルホニルクロライド(2.56g)(0.4当量)、4−ジメチルアミノピリジン(58.9mg)およびピリジン(940μL)を加え、混合物をさらに4時間攪拌した。塩酸水溶液(1N、100mL)を加えることで反応を停止し、混合物をジクロロメタンで3回抽出した(各100mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、標題化合物を得て(3.46g、純度95%)。
LC−MS(方法a):Rt=1.22分;MS(ESIpos):m/z=427[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=7.11−7.22(m、1H)、7.27−7.38(m、1H)、7.54−7.65(m、1H)、7.78−7.93(m、3H)、7.94−8.02(m、1H)、8.84−8.94(m、1H)、10.50−10.69(m、1H)。
中間体15.7の製造
(rac)−tert−ブチル{[3−(4−{[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェニル][(2−ニトロフェニル)スルホニル]アミノ}ブトキシ)−5−ニトロベンジル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}カーバメート
N−[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェニル]−2−ニトロベンゼンスルホンアミド(3.00g)、(rac)−tert−ブチル{[3−(4−ヒドロキシブトキシ)−5−ニトロベンジル](メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン}カーバメート(2.83g)およびトリフェニルホスフィン(3.69g)のジクロロメタン(140mL)中溶液に0℃で、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(2.8mL)を加えた。混合物を昇温させて室温とし、4時間攪拌し、濃縮した。残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、標題化合物を得て(4.58g、純度70%)、それをそれ以上精製せずに用いた。
LC−MS(方法a):Rt=1.39分;MS(ESIpos):m/z=812[M+H]+。
中間体15.8の製造:
(rac)−tert−ブチル{[3−(4−{[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェニル]アミノ}ブトキシ)−5−ニトロベンジル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}カーバメート
粗(rac)−tert−ブチル{[3−(4−{[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェニル][(2−ニトロフェニル)スルホニル]アミノ}ブトキシ)−5−ニトロベンジル](メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン}カーバメート(4.58g)のDMF(75mL)中溶液に、炭酸セシウム(2.58g)を加え、混合物を2分間攪拌した。次に、チオフェノール(490μL)を加え、混合物を18時間攪拌した。混合物を水(150mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した(各100mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、分取HPLCによって精製して、標題化合物を得た(1.09g、純度99%)。
HPLC精製:
装置:Labomatic HD3000、AS−3000、Labcol Vario 4000 Plus、Knauer DAD2600;カラム:YMC10μ;溶離液A:水+0.1体積%ギ酸(99%)、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0.00−1.00分60%B(50から200mL/分)、1.00−10.00分60−80%B(200mL/分)、DAD走査:254nm。
LC−MS(方法a):Rt=1.50分;MS(ESIpos):m/z=626[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.37(s、9H)、1.68−1.81(m、2H)、1.81−1.92(m、2H)、3.12−3.17(m、3H)、3.18−3.24(m、2H)、4.15−4.21(m、2H)、4.93−5.06(m、2H)、6.44−6.55(m、1H)、6.56−6.65(m、1H)、6.91−6.99(m、1H)、7.40−7.46(m、1H)、7.46−7.52(m、1H)、7.73−7.81(m、1H)、7.87−7.93(m、1H)、8.84−8.89(m、1H)。
中間体15.9の製造:
(rac)−tert−ブチル{[3−アミノ−5−(4−{[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェニル]アミノ}ブトキシ)ベンジル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}カーバメート
(rac)−tert−ブチル{[3−(4−{[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェニル]アミノ}ブトキシ)−5−ニトロベンジル](メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン}カーバメート(1.09g)のメタノール(28mL)およびTHF(8.5mL)中溶液に、白金1%およびバナジウム2%/活性炭(170mg)を加えた。混合物を水素ガス(1気圧)でパージし、2.5時間攪拌した。混合物を濾過し、濃縮して、標題化合物を得て(1.02g、純度99%)、それをそれ以上精製せずに用いた。
LC−MS(方法a):Rt=1.39分;MS(ESIpos):m/z=597[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δppm1.35−1.39(m、9H)、1.63−1.74(m、2H)、1.74−1.85(m、2H)、3.00−3.09(m、3H)、3.12−3.22(m、2H)、3.85−3.92(m、2H)、4.52−4.66(m、2H)、5.15−5.24(m、2H)、6.11−6.22(m、3H)、6.46−6.54(m、1H)、6.56−6.64(m、1H)、6.91−6.99(m、1H)、7.42−7.53(m、1H)、8.85−8.90(m、1H)。
実施例15−最終生成物の製造:
(rac)−tert−ブチル{[3−アミノ−5−(4−{[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェニル]アミノ}ブトキシ)ベンジル](メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン}カーバメート(210mg)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(58.3mg)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(84.0mg)およびリン酸カリウム(374mg)のトルエン(21mL)およびN−メチルピロリジン(2.1mL)中脱気懸濁液を130℃で7時間加熱した。混合物を放冷して室温とし、水(60mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した(各30mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)による精製によって、標題化合物を得た(85mg、純度98%)。
LC−MS(方法a):Rt=1.37分;MS(ESIpos):m/z=560[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.38(s、9H)、1.57−1.68(m、4H)、3.11(s、3H)、3.24−3.50(m、4H)、4.56−4.73(m、2H)、5.93−6.08(m、1H)、6.44−6.49(m、1H)、6.62−6.67(m、1H)、6.70−6.75(m、1H)、6.76−6.84(m、1H)、7.37−7.49(m、1H)、8.00−8.08(m、1H)、8.57−8.63(m、1H)、9.86−9.95(m、1H)。
実施例16:
(rac)−16,20−ジフルオロ−9−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−17,13−(アゼノ)−7,11−(メテノ)−6,1,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン
(rac)−tert−ブチル[{[16,20−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−17,13−(アゼノ)−7,11−(メテノ)−6,1,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン−9(12H)−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(80.0mg)のジクロロメタン(1.2mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(280μL)を加え、混合物を1.5時間攪拌した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(5mL)を加えることで反応混合物のpH値をpH>7に調節し、混合物をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮して、標題化合物を得た(66mg、純度98%)。
LC−MS(方法a):Rt=1.15分;MS(ESIpos):m/z=460[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.61−1.84(m、4H)、2.79(s、3H)、3.15−3.28(m、2H)、3.54(s、1H)、4.08−4.15(m、2H)、4.21(d、2H)、6.34−6.46(m、1H)、6.45−6.55(m、2H)、6.60−6.76(m、2H)、7.13−7.24(m、1H)、7.90−8.00(m、1H)、8.65(d、1H)、9.75(s、1H)。
実施例17:
(rac)−16,20−ジフルオロ−6−メチル−9−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−12H−17,13−(アゼノ)−11,7−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾテトラアザシクロノナデシン;ギ酸との塩
中間体17.1の製造:
tert−ブチル[4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)ブチル]メチルカーバメート
tert−ブチル(4−ヒドロキシブチル)メチルカーバメート(1.25g)、1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(1.36g)およびトリフェニルホスフィン(1.77g)のジクロロメタン(15mL)中溶液に0℃で、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(1.3mL)を加えた。混合物を昇温させて室温とし、さらに18時間攪拌した。水(60mL)を加えることで反応を停止し、混合物をジクロロメタンで2回抽出した(各100mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、標題化合物を得て(3.33g、純度57%)、それをそれ以上精製せずに用いた。
LC−MS(方法a):Rt=1.26分;MS(ESIpos):m/z=333[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.27−1.39(brs、9H)、1.41−1.59(m、4H)、2.68−2.79(m、3H)、3.06−3.23(m、2H)、3.51−3.70(m、2H)、7.76−7.91(m、4H)。
中間体17.2の製造:
2−[4−(メチルアミノ)ブチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
tert−ブチル[4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)ブチル]メチルカーバメート(2.83g)のジクロロメタン(66mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(21mL)を加え、混合物を2時間攪拌した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(40mL)を加えることで反応混合物のpH値をpH>7に調節し、混合物をジクロロメタンで3回抽出した(各40mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチルから酢酸エチル/メタノール)によって精製して、標題化合物を得た(870mg、純度99%)。
LC−MS(方法a):Rt=0.58分;MS(ESIpos):m/z=233[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.32−1.46(m、2H)、1.55−1.65(m、2H)、2.18−2.24(m、3H)、2.39−2.46(m、2H)、3.52−3.61(m、2H)、7.81−7.89(m、4H)(NHが不明瞭)。
中間体17.3の製造:
(rac)−tert−ブチル[(3−{[4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)ブチル](メチル)アミノ}−5−ニトロベンジル)(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
2−[4−(メチルアミノ)ブチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(795mg)および(rac)−tert−ブチル[(3−フルオロ−5−ニトロベンジル)(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(中間体6.5を参照;1.14g)のDMSO(34mL)中溶液にトリエチルアミン(570μL)を加え、混合物を100℃で5時間、115℃で16時間および150℃で4時間加熱した。混合物を放冷して室温とし、水(50mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した(各100mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチルから酢酸エチル/メタノール)によって精製して、標題化合物を得た(430mg、純度95%)。
LC−MS(方法a):Rt=1.31分;MS(ESIpos):m/z=545[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm1.38(s、9H)、1.50−1.65(m、4H)、2.95−3.00(m、3H)、3.05−3.12(m、3H)、3.39−3.48(m、2H)、3.57−3.62(m、2H)、4.83−4.98(m、2H)、7.15−7.19(m、1H)、7.34−7.38(m、1H)、7.43−7.49(m、1H)、7.80−7.89(m、4H)。
中間体17.4の製造:
(rac)−tert−ブチル[(3−アミノ−5−{[4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)ブチル](メチル)アミノ}ベンジル)(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
(rac)−tert−ブチル[(3−{[4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)ブチル](メチル)アミノ}−5−ニトロベンジル)(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(430mg)のメタノール(19mL)およびTHF(1.9mL)中溶液に白金1%およびバナジウム2%/活性炭(77mg)を加えた。混合物を水素ガス(1気圧)でパージし、0.75時間攪拌した。追加の白金1%およびバナジウム2%/活性炭(100mg)を加えた。混合物を水素ガス(1気圧)でパージし、2.5時間攪拌した。混合物を濾過し、濃縮して、標題化合物を得て(403mg、純度95%)、それをそれ以上精製せずに用いた。
LC−MS(方法a):Rt=1.04分;MS(ESIpos):m/z=516[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.36−1.40(m、9H)、1.44−1.55(m、2H)、1.55−1.63(m、2H)、2.76−2.81(m、3H)、2.97−3.02(m、3H)、3.20−3.27(m、2H)、3.55−3.61(m、2H)、4.45−4.58(m、2H)、4.86−4.97(m、2H)、5.87−5.94(m、2H)、5.96−6.01(m、1H)、7.80−7.89(m、4H)。
中間体17.5の製造:
(rac)−tert−ブチル[(3−{[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−フルオロピリミジン−2−イル]アミノ}−5−{[4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)ブチル](メチル)アミノ}ベンジル)(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
(rac)−tert−ブチル[(3−アミノ−5−{[4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)ブチル](メチル)アミノ}ベンジル)(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(378mg)、2−クロロ−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−フルオロピリミジン(359mg、Apollo Scientificから購入)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(121mg)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(70.0mg)およびリン酸カリウム(1.20g)の1,4−ジオキサン(23mL)中懸濁液を加熱して115℃として3時間経過させた。混合物を放冷して室温とし、濾過し、飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した(各100mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチルから酢酸エチル/メタノール)によって精製して、標題化合物を得て(541mg、純度90%)、それをそれ以上精製せずに用いた。
LC−MS(方法a):Rt=1.47分;MS(ESIpos):m/z=723[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.31−1.38(m、9H)、1.48−1.59(m、4H)、2.81−2.89(m、3H)、3.02−3.07(m、3H)、3.25−3.31(m、2H)、3.53−3.62(m、2H)、4.62−4.72(m、2H)、6.33−6.43(m、1H)、7.05−7.08(m、1H)、7.15−7.22(m、1H)、7.22−7.34(m、2H)、7.41−7.51(m、1H)、7.77−7.88(m、5H)、8.59−8.65(m、1H)、9.68−9.77(m、1H)。
中間体17.6の製造:
(rac)−tert−ブチル[(3−[(4−アミノブチル)(メチル)アミノ]−5−{[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−フルオロピリミジン−2−イル]アミノ}ベンジル)(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
(rac)−tert−ブチル[(3−{[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−フルオロピリミジン−2−イル]アミノ}−5−{[4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)ブチル](メチル)アミノ}ベンジル)(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(441mg)のエタノール(23mL)およびTHF(4.7mL)中懸濁液に、ヒドラジン水溶液(330μL、純度35%)を加え、混合物を4時間加熱還流した。混合物を冷却し5℃てとし、濾過し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチルから酢酸エチル/メタノール)によって精製して、標題化合物を得た(221mg、純度85%)。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.35(s、9H)、1.43−1.59(m、4H)、2.83−2.89(m、4H)、3.05−3.11(m、4H)、3.21−3.31(m、2H)、4.63−4.76(m、2H)、6.28−6.41(m、1H)、7.03−7.11(m、1H)、7.18−7.26(m、1H)、7.27−7.36(m、1H)、7.46−7.55(m、1H)、7.79−7.88(m、1H)、8.62−8.69(m、1H)、9.72−9.80(m、1H)。
実施例17−最終生成物の製造
(rac)−tert−ブチル[(3−[(4−アミノブチル)(メチル)アミノ]−5−{[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−フルオロピリミジン−2−イル]アミノ}ベンジル)(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(211mg)のDMSO(14mL)中溶液に、トリエチルアミン(60μL)を加え、混合物を120℃で4時間攪拌した。混合物を放冷して室温とし、水(30mL)で希釈し、酢酸エチルで2回抽出した(各80mL)。合わせた有機層を飽和重炭酸塩水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチルから酢酸エチル/メタノール)によって精製して、粗(rac)−tert−ブチル[{[16,20−ジフルオロ−6−メチル−1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−12H−17,13−(アゼノ)−11,7−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾテトラアザシクロノナデシン−9−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(92mg)を得て、それは不純物を含んでいたが、それ以上精製せずに用いた。
粗(rac)−tert−ブチル[{[16,20−ジフルオロ−6−メチル−1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−12H−17,13−(アゼノ)−11,7−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾテトラアザシクロノナデシン−9−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(130mg)のジクロロメタン(1.9mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(570μL)を加え、混合物を1.5時間攪拌した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(5mL)を加えることで反応混合物のpH値をpH>7に調節し、混合物をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、分取HPLCによって精製して、標題化合物を得た(16mg、純度96%)。
HPLC精製:
装置:ポンプ:Labomatic HD−5000、ヘッドHDK280、低圧勾配モジュールND−B1000;手動注入バルブ:Pheodyne 3725i038;検出器:Knauer AZURA UVD 2.15;コレクター:LABOMATIC LABOCOL Vario−4000;カラム:Chromatorex RP C−18 10μm、125×30mm;溶媒A:水+0.1体積%ギ酸、溶媒B:アセトニトリル;勾配:0.00−0.50分30%B(150mL/分)、0.50−6.00分30−70%B(150mL/分)、6.00−6.10分70−100%B(150mL/分)、6.10−8.00分100%B(150mL/分);検出:UV254nm。
LC−MS(方法a):Rt=1.17分;MS(ESIneg):m/z=471[M−H]−。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.53−1.69(m、4H)、2.78−2.84(m、3H)、2.85−2.88(m、3H)、3.19−3.27(m、2H)、3.43−3.54(m、1H)、4.10−4.27(m、2H)、6.21−6.31(m、1H)、6.33−6.51(m、3H)、6.60−6.71(m、1H)、7.12−7.24(m、1H)、7.67−7.77(m、1H)、8.11−8.21(m、1H)、8.52−8.65(m、1H)、9.46−9.54(m、1H)。
実施例18:
2,19−ジフルオロ−9−[(メチルスルファニル)メチル]−14,15,16,17−テトラヒドロ−6H,13H−7,11−(アゼノ)−5,1−(メテノ)−12,4,6−ベンゾオキサジアザシクロノナデシン
中間体18.1の製造:
5−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェニル]ペンタ−4−イン−1−オール
2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェニルトリフルオロメタンスルホネート(中間体4.1を参照する;3.00g)のDMF(56mL)中溶液に、ペンタ−4−イン−1−オール(855mg)、ヨウ化銅(I)(323mg)、トリエチルアミン(2.4mL)およびビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(II)クロライド(594mg)を順次加え、混合物を80℃で16時間攪拌した。反応液を放冷して室温とし、セライト層で濾過し、濃縮した。残留物を酢酸エチル(150mL)と水(50mL)との間で分配した。有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液の順で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチルから酢酸エチル/メタノール)によって精製して、標題化合物を得た(841mg、純度96%)。
LC−MS(方法a):Rt=0.84分;MS(ESIpos):m/z=289[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.46−1.57(m、2H)、2.28−2.38(m、2H)、3.33−3.37(m、2H)、4.39−4.49(m、1H)、5.86−5.93(m、2H)、6.36−6.45(m、1H)、7.24−7.33(m、1H)、7.35−7.44(m、2H)、7.88−7.93(m、1H)(プロパルギルプロトンに残留DMSOが重なっている。)。
中間体18.2の製造:
5−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェニル]ペンタン−1−オール
5−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェニル]ペンタ−4−イン−1−オール(575mg)のTHF(19mL)中溶液に、酢酸(数滴)およびパラジウム10%/活性炭(106mg)を順次加えた。リアクターを水素ガス(48.9バール)でパージし、混合物を50℃で18時間攪拌した。混合物を冷却して室温とし、濾過し(THFで洗浄)、濃縮して標題化合物を得て(652mg、純度96%)、それをそれ以上精製せずに用いた。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm1.12−1.22(m、2H)、1.25−1.33(m、2H)、1.37−1.48(m、2H)、1.88−1.93(m、3H)、2.14−2.22(m、1H)、2.42−2.47(m、2H)、3.26−3.31(m、2H)、4.26−4.33(m、1H)、5.89−6.00(m、2H)、6.23−6.34(m、1H)、7.07−7.14(m、1H)、7.17−7.25(m、2H)、7.89−7.93(m、1H)。
中間体18.3の製造:
4−{2−[5−({6−クロロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}オキシ)ペンチル]−4−フルオロフェニル}−5−フルオロピリジン−2−アミン
5−[2−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−5−フルオロフェニル]ペンタン−1−オール(424mg)のTHF(11mL)中溶液に0℃で、水素化ナトリウム(87.0mg、純度60%)を加えた。混合物を昇温させて室温とし、30分間攪拌した。次に、2,6−ジクロロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン(中間体1.7を参照;453mg)を加え、混合物を加熱して90℃として2時間経過させた。追加量の2,6−ジクロロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン(227mg)を加え、混合物を90℃でさらに2.5時間攪拌した。混合物を放冷して室温とし、濃縮した。残留物を水(20mL)および酢酸エチル(50mL)で希釈した。層を分離し、水層を酢酸エチルで3回抽出した(各50mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、標題化合物を得た(560mg、純度95%)。
LC−MS(方法a):Rt=1.48分;MS(ESIpos):m/z=464[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.23−1.34(m、2H)、1.44−1.53(m、2H)、1.56−1.65(m、2H)、1.94(s、3H)、3.63(s、2H)、4.10−4.18(m、2H)、5.88−5.97(m、2H)、6.27−6.35(m、1H)、6.70−6.74(m、1H)、6.97−7.02(m、1H)、7.06−7.14(m、1H)、7.18−7.27(m、2H)、7.85−7.96(m、1H)(1個のメチレン基に残留DMSOが重なっている。)。
実施例18−最終生成物の製造:
4−{2−[5−({6−クロロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}オキシ)ペンチル]−4−フルオロフェニル}−5−フルオロピリジン−2−アミン(510mg)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(182mg)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(105mg)およびリン酸カリウム(1.17g)のトルエン(100mL)およびN−メチルピロリジン(10mL)中脱気懸濁液を130℃で18時間加熱した。混合物を放冷して室温とし、水(100mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した(各150mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。残留物を飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で処理し、ジエチルエーテルで3回抽出した(各150mL)。合わせた有機層を濃縮し、残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して粗標題化合物を得て(310mg、純度80%)、それをそれ以上精製せずに用いた。分取HPLCによる精製によって、純粋なサンプルを得た。
HPLC精製:
装置:Waters Autopurification MS SingleQuad;カラム:Waters XBridge C18 5μ 100×30mm;溶離液A:水+0.1体積%ギ酸(99%)、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0−5.5分5−100%B;流量70mL/分;温度:25℃;DAD走査:210−400nm。
LC−MS(方法a):Rt=1.59分;MS(ESIpos):m/z=428[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm1.08−1.27(m、2H)、1.72−1.83(m、4H)、1.98(s、3H)、2.57−2.68(m、2H)、3.54(s、2H)、3.86−4.11(m、2H)、6.05−6.19(m、1H)、6.47−6.58(m、1H)、7.08−7.19(m、1H)、7.21−7.33(m、2H)、7.85−8.10(m、1H)、8.25−8.43(m、1H)、9.65−9.81(m、1H)。
実施例19:
(rac)−2,19−ジフルオロ−9−[(メチルスルフィニル)メチル]−14,15,16,17−テトラヒドロ−6H,13H−7,11−(アゼノ)−5,1−(メテノ)−12,4,6−ベンゾオキサジアザシクロノナデシン
2,19−ジフルオロ−9−[(メチルスルファニル)メチル]−14,15,16,17−テトラヒドロ−6H,13H−7,11−(アゼノ)−5,1−(メテノ)−12,4,6−ベンゾオキサジアザシクロノナデシン(260mg)のアセトニトリル(19mL)中溶液に0℃で、三塩化鉄(9.9mg)を加え、混合物を10分間攪拌した。次に、過ヨウ素酸(415mg)を加え、混合物を0℃で3時間攪拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(50mL)を加えることで反応を停止し、混合物を10分間攪拌してから、酢酸エチルで2回抽出した(各75mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮して、粗標題化合物(239mg、純度80%)を得て、それをそれ以上精製せずに用いた。分取HPLCによるさらなる精製によって純粋なサンプルを得た。
HPLC精製:
装置:Waters Autopurification MS SingleQuad;カラム:Waters XBridge C18 5μ 100×30mm;溶離液A:水+0.1体積%ギ酸(99%)、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0−5.5分5−100%B;流量70mL/分;温度:25℃;DAD走査:210−400nm。
LC−MS(方法a):Rt=1.28分;MS(ESIpos):m/z=444[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.15−1.26(m、2H)、1.68−1.89(m、4H)、2.54(s、3H)、2.58−2.67(m、2H)、3.77−3.88(m、1H)、3.94−4.08(m、3H)、6.07−6.17(m、1H)、6.44−6.53(m、1H)、7.10−7.19(m、1H)、7.21−7.34(m、2H)、7.84−7.96(m、1H)、8.29−8.35(m、1H)、9.66−9.86(m、1H)。
実施例20:
(rac)−2,19−ジフルオロ−9−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−14,15,16,17−テトラヒドロ−6H,13H−7,11−(アゼノ)−5,1−(メテノ)−12,4,6−ベンゾオキサジアザシクロノナデシン
粗(rac)−2,19−ジフルオロ−9−[(メチルスルフィニル)メチル]−14,15,16,17−テトラヒドロ−6H,13H−7,11−(アゼノ)−5,1−(メテノ)−12,4,6−ベンゾオキサジアザシクロノナデシン(50.0mg)のクロロホルム(770μL)中溶液を高攪拌し、それに0℃でを順次加えアジ化ナトリウム(58.6mg)、濃硫酸水溶液(120μL)(注意:爆発シールドを用いて反応を注意深くセットした。)。混合物を室温で18時間攪拌した。混合物を注意深く飽和塩化ナトリウム水溶液および飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1:1、35mL)の混合物で希釈し、ジクロロメタン/メタノールで3回抽出した(9:1、各20mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。粗取得物を、上記のように実施した二つの追加の反応バッチと合わせた。分取HPLCによる精製によって、標題化合物を得た(11.1mg、純度97%)。
HPLC精製:
装置:Waters Autopurification MS SingleQuad;カラム:Waters XBridge C18 5μ 100×30mm;溶離液A:水+0.2体積%アンモニア水溶液(32%)、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0−5.5分5−100%B;流量70mL/分;温度:25℃;DAD走査:210−400nm。
LC−MS(方法b):Rt=1.24分;MS(ESIpos):m/z=459[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.05−1.31(m、2H)、1.55−2.00(m、4H)、2.57−2.68(m、2H)、2.86(s、3H)、3.66−3.79(m、1H)、3.87−4.10(m、2H)、4.18−4.33(m、2H)、6.16−6.30(m、1H)、6.52−6.64(m、1H)、7.07−7.19(m、1H)、7.22−7.34(m、2H)、7.86−7.97(m、1H)、8.33(s、1H)、9.82(s、1H)。
実施例21:
(rac)−tert−ブチル[{[16,20−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−12H−17,13−(アゼノ)−11,7−(メテノ)−6,1,12,14−ベンゾオキサチアジアザシクロノナデシン−9−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
中間体21.1の製造:
(rac)−tert−ブチル[(3−{4−[(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)スルファニル]ブトキシ}−5−ニトロベンジル)(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
(rac)−tert−ブチル{[3−(4−ヒドロキシブトキシ)−5−ニトロベンジル](メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン}カーバメート(中間体15.4参照;1.00g)、2−ブロモ−5−フルオロベンゼンチオール(514mg、Oakwood Chemicalsから購入)およびトリフェニルホスフィン(717mg)のジクロロメタン(10mL)中溶液に、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(540μL)を加え、反応液を室温で3時間攪拌した。混合物を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、標題化合物を得た(1.03g、純度90%)。
LC−MS(方法a):Rt=1.51分;MS(ESIpos):m/z=591[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、22℃)δ/ppm=1.38(s、9H)、1.75−1.85(m、2H)、1.88−1.96(m、2H)、3.07−3.19(m、5H)、4.14−4.22(m、2H)、4.94−5.08(m、2H)、6.90−7.02(m、1H)、7.19−7.27(m、1H)、7.40−7.49(m、1H)、7.59−7.66(m、1H)、7.74−7.80(m、1H)、7.88−7.93(m、1H)。
中間体21.2の製造:
(rac)−tert−ブチル{[3−(4−{[5−フルオロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]スルファニル}ブトキシ)−5−ニトロベンジル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}カーバメート
(rac)−tert−ブチル[(3−{4−[(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)スルファニル]ブトキシ}−5−ニトロベンジル)(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(1.90g)、4,4,4′,4′,5,5,5′,5′−オクタメチル−2,2′−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン(979mg)、酢酸カリウム(1.58g)およびジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)(119mg)の1,4−ジオキサン(66mL)中懸濁液を110℃で7時間加熱した。混合物を冷却して室温とし、濾過し(フィルターケーキを酢酸エチルで洗浄した。)、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)による精製によって、相当するボロン酸およびいくつかのさらなる不純物との混合物としての標題化合物(820mg)を得た。そのような取得物を、それ以上精製せずに次の段階で用いた。
LC−MS(方法a):Rt=1.53分;MS(ESIpos):m/z=639[M+H]+。
中間体21.3の製造:
(rac)−tert−ブチル{[3−(4−{[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェニル]スルファニル}ブトキシ)−5−ニトロベンジル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}カーバメート
粗(rac)−tert−ブチル{[3−(4−{[5−フルオロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]スルファニル}ブトキシ)−5−ニトロベンジル](メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン}カーバメート(820mg)、2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジン(295mg、Apollo Scientificから購入)および[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(120mg)の1,2−ジメトキシエタン(3.8mL)中懸濁液に炭酸カリウム水溶液(2.2mL、2.0M)を加え、混合物を90℃で3.5時間攪拌した。混合物を冷却して室温とし、水(100mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した(各50mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)による精製によって粗標題化合物(300mg)を得て、それをそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
LC−MS(方法a):Rt=1.53分;MS(ESIpos):m/z=643[M+H]+。
中間体21.4の製造:
(rac)−tert−ブチル{[3−アミノ−5−(4−{[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェニル]スルファニル}ブトキシ)ベンジル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}カーバメート
粗(rac)−tert−ブチル{[3−(4−{[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェニル]スルファニル}ブトキシ)−5−ニトロベンジル](メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン}カーバメート(300mg)のメタノール(11mL)およびTHF(1.1mL)中溶液に、白金1%およびバナジウム2%/活性炭(45.5mg)を加えた。混合物を水素ガス(1気圧)でパージし、室温で1.5時間攪拌した。混合物を濾過し、濃縮して粗標題化合物(347mg)を得て、それをそれ以上精製せずに用いた。
LC−MS(方法a):Rt=1.39分;MS(ESIpos):m/z=614[M+H]+。
実施例21−最終生成物の製造:
粗(rac)−tert−ブチル{[3−アミノ−5−(4−{[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェニル]スルファニル}ブトキシ)ベンジル](メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン}カーバメート(170mg)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(45.9mg)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(26.4mg)およびリン酸カリウム(294mg)のトルエン(17mL)およびN−メチルピロリジン(1.7mL)中脱気懸濁液を130℃で18時間加熱した。混合物を放冷して室温とし、水(50mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した(各20mL)。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。分取HPLCによる精製によって、標題化合物を得た(9.2mg、純度97%)。
HPLC精製
装置:Waters Autopurification MS SingleQuad;カラム:Waters XBridge C18 5μ 100×30mm;溶離液A:水+0.2体積%アンモニア水溶液(32%)、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0.00−0.50分44%B(25から70mL/分)、0.51−7.50分44−64%B(70mL/分)、DAD走査:210−400nm。
LC−MS(方法b):Rt=1.35分;MS(ESIpos):m/z=577[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.35−1.42(m、9H)、1.74−1.90(m、4H)、3.08−3.13(m、3H)、3.16−3.26(m、2H)、3.98−4.09(m、2H)、4.66−4.73(m、2H)、6.46−6.57(m、1H)、6.71−6.77(m、1H)、7.06−7.15(m、1H)、7.35−7.47(m、2H)、8.14−8.23(m、1H)、8.69−8.78(m、1H)、9.93−9.97(m、1H)。
実施例22:
(rac)−16,20−ジフルオロ−9−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−12H−17,13−(アゼノ)−11,7−(メテノ)−6,1,12,14−ベンゾオキサチアジアザシクロノナデシン
(rac)−tert−ブチル[{[16,20−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−12H−17,13−(アゼノ)−11,7−(メテノ)−6,1,12,14−ベンゾオキサチアジアザシクロノナデシン−9−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(8.00mg)のジクロロメタン(2.0mL)中溶液をトリフルオロ酢酸(27μL)で処理し、混合物を室温で3.5時間攪拌した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加えることで反応混合物のpH値をpH>7に調節した。混合物をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を脱水し、濃縮した。HPLCによる精製によって、標題化合物を得た(3.9mg、純度99%)。
HPLC精製:
装置:Waters Autopurification MS SingleQuad;カラム:Waters XBridge C18 5μ 100×30mm;溶離液A:水+0.1体積%ギ酸(99%)、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0.00−0.50分17%B(25から70mL/分)、0.51−5.50分33−53%B(70mL/分)、DAD走査:210−400nm。
LC−MS(方法a):Rt=1.10分;MS(ESIpos):m/z=477[M+H]+。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.74−1.94(m、4H)、2.72−2.86(m、3H)、3.12−3.26(m、2H)、3.50−3.59(m、1H)、3.98−4.15(m、2H)、4.15−4.28(m、2H)、6.41−6.58(m、1H)、6.62−6.85(m、1H)、7.02−7.20(m、1H)、7.34−7.50(m、2H)、8.07−8.25(m、1H)、8.61−8.77(m、1H)、9.78−9.95(m、1H)。
実施例23:
(rac)−16,20−ジフルオロ−6−メチル−9−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H,12H−13,17−(アゼノ)−11,7−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン
(rac)−tert−ブチル[{[16,20−ジフルオロ−6−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H,12H−13,17−(アゼノ)−11,7−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン−9−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(実施例6を参照;13mg)のDCM(0.1mL)中溶液を攪拌しながら、それにトリフルオロ酢酸(0.056mL)を加え、混合物を室温で2時間攪拌した。炭酸カリウム水溶液(2M)を加えることで反応混合物のpH値をpH9に調節し、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機相を、Whatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮して標題化合物(7mg)を得た。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.61−1.74(m、2H)、1.81(brd、2H)、2.65−2.88(m、6H)、3.14−3.31(m、2H)、4.03(d、1H)、4.14−4.35(m、4H)、6.27(s、1H)、6.40(s、1H)、6.86(td、1H)、7.13(dd、1H)、7.36(ddd、1H)、7.68(s、1H)、8.61(d、1H)、9.52(s、1H)。
実施例24:
(rac)−tert−ブチル[{[16,20−ジフルオロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H,12H−13,17−(アゼノ)−11,7−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン−9−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]カーバメート
中間体24.1の製造:
3−[(メチルスルファニル)メチル]−5−ニトロアニリン
(3−アミノ−5−ニトロフェニル)メタノール(4.95g)のDCM(96mL)中懸濁液を攪拌しながら、室温で塩化チオニル(12.9mL)を滴下し、混合物を還流下に18時間攪拌した。冷却後、混合物を濃縮し、残留物をアセトン(440mL)に溶かした。ナトリウムチオメトキシドの水溶液(21%、39mL)を攪拌下に0℃で加え、混合物を室温で72時間攪拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相を、Whatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。残留物を、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサンからヘキサン/酢酸エチル40%)によって精製して、標題化合物を得た(4.85g)。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.96(s、3H)、3.66(s、2H)、5.83(s、2H)、6.89(t、1H)、7.26(s、2H)。
中間体24.2の製造:
N−{3−[(メチルスルファニル)メチル]−5−ニトロフェニル}−2−ニトロベンゼンスルホンアミド
3−[(メチルスルファニル)メチル]−5−ニトロアニリン(1.00g)および2−ニトロベンゼンスルホニルクロライド(1.34g)のジクロロメタン(6.1mL)中懸濁液を攪拌しながら、それに室温でピリジン(0.49mL)を加えた。混合物を終夜攪拌した。塩化水素水溶液(1N、8mL)を加えてから、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Whatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。残留物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサンからヘキサン/酢酸エチル50%)によって精製して、標題化合物を得た(1.80g)。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.82(s、3H)、3.77(s、2H)、7.50(t、1H)、7.79−7.91(m、4H)、7.95−8.09(m、2H)、11.35(brs、1H)。
中間体24.3の製造:
4−[2−(4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ブトキシ)−4−フルオロフェニル]−2−クロロ−5−フルオロピリミジン
2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェノール(6.00g)、4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ブタン−1−オール(10.11g)およびトリフェニルホスフィン(13.49g)のTHF中混合物を攪拌し、それに0℃でジイソプロピルアゾジカルボキシレート(9.84mL)を滴下し、混合物を室温で終夜攪拌した。混合物を濃縮し、残留物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサンからヘキサン/酢酸エチル20%)によって精製して、若干の不純物をまだ含む所望の標題化合物(11.1g;25.9mmol)を得た。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=−0.02(s、6H)、0.77−0.92(m、9H)、1.39−1.57(m、2H)、1.57−1.76(m、2H)、3.55(s、2H)、4.08(s、2H)、6.82−7.06(m、1H)、7.06−7.21(m、1H)、7.46−7.63(m、1H)、8.91(d、1H)。
中間体24.4の製造:
4−[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブタン−1−オール
4−[2−(4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ブトキシ)−4−フルオロフェニル]−2−クロロ−5−フルオロピリミジン(11.1g)のTHF(666mL)および塩化水素水溶液(2M、327mL)中混合物を室温で3時間攪拌した。固体重炭酸ナトリウムを加えることで、反応混合物のpH値をpH>7に調節した。固体塩化ナトリウムを加え、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を脱水し、濃縮して粗生成物を得て、それをそれ以上精製せずに用いた(9.86g)。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.37−1.52(m、2H)、1.59−1.75(m、2H)、3.35−3.45(m、2H)、3.95−4.16(m、2H)、4.32−4.51(m、1H)、6.87−7.02(m、1H)、7.09−7.21(m、1H)、7.54(dd、1H)、8.93(d、1H)。
中間体24.5の製造:
N−{4−[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブチル}−N−{3−[(メチルスルファニル)メチル]−5−ニトロフェニル}−2−ニトロベンゼンスルホンアミド
4−[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブタン−1−オール(591mg;中間体1.3参照)、N−{3−[(メチルスルファニル)メチル]−5−ニトロフェニル}−2−ニトロベンゼンスルホンアミド(720mg)およびトリフェニルホスフィン(985mg)のDCM(29mL)中混合物を攪拌し、それに0℃でジイソプロピルアゾジカルボキシレート(0.74mL)を滴下し、混合物を室温で6時間攪拌した。混合物を濃縮し、残留物を、分取HPLC(塩基性条件)によって精製して、標題化合物を得た(418mg)。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.39−1.53(m、2H)、1.62−1.71(m、2H)、1.81(s、3H)、3.76−3.85(m、4H)、4.05(t、2H)、6.96(td、1H)、7.10(dd、1H)、7.51(dd、1H)、7.59(t、1H)、7.77−7.81(m、2H)、7.86−7.97(m、3H)、8.21(t、1H)、8.76(d、1H)。
中間体24.6の製造:
(rac)−N−{4−[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブチル}−N−{3−[(メチルスルフィニル)メチル]−5−ニトロフェニル}−2−ニトロベンゼンスルホンアミド
N−{4−[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブチル}−N−{3−[(メチルスルファニル)メチル]−5−ニトロフェニル}−2−ニトロベンゼンスルホンアミド(418mg)のMeCN(16.4mL)中溶液を攪拌しながら、それに0℃で、塩化鉄(III)(2.9mg)を加え、混合物を室温で10分間攪拌した。次に、過ヨウ素酸(150mg)を加え、混合物を氷浴で冷却しながら2時間攪拌した。氷の上に注ぐことで反応を停止し、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(30mL)を加えた。混合物を10分間攪拌し、生成物を酢酸エチル/THF1:1で2回抽出した(各50mL)。合わせた有機層を、Whatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィー(DCMからDCM/EtOH50%)によって精製して、標題化合物を得た(220mg)。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.39−1.51(m、2H)、1.62−1.71(m、2H)、2.34(s、3H)、3.82(brt、2H)、4.01−4.11(m、3H)、4.30(d、1H)、6.96(td、1H)、7.10(dd、1H)、7.12(d、1H)、7.51(dd、1H)、7.66(t、1H)、7.75−7.82(m、2H)、7.89−8.00(m、3H)、8.20(d、1H)、8.20(s、1H)、8.78(d、1H)。
中間体24.7の製造:
(rac)−tert−ブチル{[3−({4−[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブチル}アミノ)−5−ニトロベンジル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}カーバメート
(rac)−N−{4−[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブチル}−N−{3−[(メチルスルフィニル)メチル]−5−ニトロフェニル}−2−ニトロベンゼンスルホンアミド(420mg)、tert−ブチルカーバメート(106mg)、酸化マグネシウム(97mg)および酢酸ロジウム(II)2量体(7mg)のDCM(21mL)中懸濁液に、室温でアルゴン雰囲気下にヨードベンゼンジアセテート(292mg)を加えた。混合物を45℃で18時間攪拌した。反応混合物を濃縮して体積を約3mLとし、混合物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル20%から70%)によって精製して、所望の標題化合物を得た(396mg)。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.37(s、9H)、1.40−1.53(m、2H)、1.61−1.71(m、2H)、3.03(s、3H)、3.76−3.88(m、2H)、4.00−4.07(m、2H)、4.98−5.09(m、2H)、6.96(td、1H)、7.10(dd、1H)、7.51(dd、1H)、7.76−7.84(m、3H)、7.89−7.98(m、2H)、8.06(t、1H)、8.31(t、1H)、8.77(d、1H)。
中間体24.8の製造:
(rac)−tert−ブチル{[3−({4−[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブチル}アミノ)−5−ニトロベンジル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}カーバメート
(rac)−tert−ブチル{[3−({4−[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブチル}アミノ)−5−ニトロベンジル](メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン}カーバメート(200mg)および炭酸セシウム(161mg)のDMF(4.7mL)中懸濁液を室温で2分間攪拌してから、チオフェノール(33mg)を加えた。混合物を室温で4時間攪拌した。次に、それを水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し、濃縮した。残留物を、分取HPLC(Autopurifier;酸性条件)によって精製して、まだ若干の不純物を含む標題化合物(90mg)を得た。
中間体24.9の製造:
(rac)−tert−ブチル{[3−アミノ−5−({4−[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブチル}アミノ)ベンジル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}カーバメート
白金1%およびバナジウム2%/活性炭(50−70%湿粉末、21mg)を、(rac)−tert−ブチル{[3−({4−[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブチル}アミノ)−5−ニトロベンジル](メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン}カーバメート(80mg)のメタノール(21mL)中溶液に加え、混合物を水素雰囲気下に室温で1時間攪拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残留物を、分取HPLCによって精製して(Autopurifier、酸性条件)、標題化合物を得た(14mg)。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.39(m、9H)、1.50−1.63(m、2H)、1.67−1.77(m、2H)、2.97(brt、2H)、3.11(s、3H)、4.10(t、2H)、4.58−4.67(m、2H)、6.14−6.34(m、3H)、6.98(td、1H)、7.09−7.23(m、1H)、7.54(dd、1H)、8.87(d、1H)。
実施例24−最終生成物の製造:
(rac)−tert−ブチル{[3−アミノ−5−({4−[2−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−5−フルオロフェノキシ]ブチル}アミノ)ベンジル](メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン}カーバメート(14.0mg)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリ−イソ−プロピル−1,1′−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(1.9mg;ABCR GmbH & CO.KGから購入)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(1.1mg;Aldrich Chemical Company Inc.から購入)およびリン酸カリウム(24.9mg)のトルエン(1.8mL)およびNMP(0.2mL)中混合物をアルゴン雰囲気下に110℃で3時間攪拌した。冷却後、バッチを塩化ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を脱水し、濃縮した。残留物を、分取HPLC(Autopurifier;塩基性条件)によって精製して、所望の標題化合物を得た(6mg)。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.37(s、9H)、1.66(brd、2H)、1.80(brs、2H)、3.02−3.14(m、5H)、4.25(brt、2H)、4.52−4.59(m、2H)、5.96(t、1H)、6.19(s、1H)、6.29(s、1H)、6.86(td、1H)、7.12(dd、1H)、7.32−7.38(m、1H)、7.48(s、1H)、8.61(d、1H)、9.50(s、1H)。
実施例25:
(rac)−16,20−ジフルオロ−9−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H,12H−13,17−(アゼノ)−11,7−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン
(rac)−tert−ブチル[{[16,20−ジフルオロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H,12H−13,17−(アゼノ)−11,7−(メテノ)−1,6,12,14−ベンゾオキサトリアザシクロノナデシン−9−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン]カーバメート(6mg)のDCM(0.1mL)中溶液を攪拌しながら、それにトリフルオロ酢酸(0.03mL)を加え、混合物を室温で2時間攪拌した。混合物を重炭酸ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチル/THF(1:1)で3回抽出した。合わせた有機相を脱水し、濃縮した。残留物を、分取HPLC(Autopurifier;塩基性条件)によって精製して、所望の生成物を得た(4mg)。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6、295K)δ/ppm=1.67(brs、2H)、1.77−1.84(m、2H)、2.81(s、3H)、3.01−3.08(m、2H)、3.42(s、1H)、4.08(s、1H)、4.13(s、1H)、4.25(brt、2H)、5.91(t、1H)、6.18(s、1H)、6.27(s、1H)、6.86(td、1H)、7.12(dd、1H)、7.35(t、1H)、7.44(s、1H)、8.60(d、1H)、9.45(s、1H)。
以下の表1は、実施例セクションに記載の化合物についての概要を提供するものである。
結果:
表2:本発明による化合物のCDK9およびCDK2についての阻害
IC50(最大効果の50%での阻害濃度)値をnM単位で示し、「n.t.」は、その化合物が個々のアッセイで試験されていないことを意味する。
(1):実施例番号
(2):CDK9:「材料および方法」の方法1a.下に記載のCDK9/CycT1キナーゼアッセイ
(3):CDK2:「材料および方法」の方法2.下に記載のCDK2/CycEキナーゼアッセイ
(4):選択性CDK9対CDK2:「材料および方法」の方法1a.および2a.によるIC50(CDK2)/IC50(CDK9)
(5):高ATP CDK9:「材料および方法」の方法1b.下に記載のCDK9/CycT1キナーゼアッセイ
(6):高ATP CDK2:「材料および方法」の方法2b.下に記載のCDK2/CycEキナーゼアッセイ
(7):選択性高ATP CDK9対高ATP CDK2:「材料および方法」の方法1b.および2b.によるIC50(高ATP CDK2)/IC50(高ATP CDK9)。
注目すべき点として、CDK9アッセイにおいて、材料および方法の方法1aおよび1bで上記で記載のように、分解能は酵素濃度によって制限され、IC50の下限は、CDK9高ATPアッセイで約1から2nMであり、CDK低ATPアッセイで2から4nMである。この範囲のIC50を示す化合物の場合、CDK9に対する真のアフィニティ、従ってCDK2と比較したCDK9に対する選択性はさらに高くなるものと考えられ、すなわち、これらの化合物において、下記の表2の第4欄および第7欄で計算された選択性係数は最小値であり、それらもさらに高くなる可能性がある。
表3aおよび3b:「材料および方法」の方法3.下に記載の方法に従って求めた、本発明による化合物によるHeLa、HeLa−MaTu−ADR、NCI−H460、DU145、Caco−2、B16F10、A2780およびMOLM−13細胞の増殖の阻害。IC50(最大効果の50%での阻害濃度)値はnM単位で示し、「n.t.」は、その化合物が個々のアッセイで試験されていないことを意味する。
(1):実施例番号
(2):HeLa細胞増殖の阻害
(3):HeLa−MaTu−ADR細胞増殖の阻害
(4):NCI−H460細胞増殖の阻害
(5):DU145細胞増殖の阻害
(6):Caco−2細胞増殖の阻害
(7):B16F10細胞増殖の阻害
(8):A2780細胞増殖の阻害
(9):MOLM−13細胞増殖の阻害。
表4a:材料および方法に記載の方法に従って25℃で方法8によって求めた平衡解離定数KD[1/s]、解離速度定数koff[1/s]、および標的滞留時間[分]。実験パラメータの若干の変動が文字によって示されている(AからG)。
パラメータA:材料および方法セクション8に記載。
パラメータB:流量:100μL/分、注入時間:70秒、解離時間:1200秒、化合物の連続希釈液(3.13nMから100nM)
パラメータC:流量:50μL/分、注入時間:60秒、解離時間:1200秒、化合物の連続希釈液(0.82nMから200nM)
パラメータD:流量:100μL/分、注入時間:80秒、解離時間:1200秒、化合物の連続希釈液(3.13nMから100nM)
パラメータE:流量:100μL/分、注入時間:70秒、解離時間:1100秒、化合物の連続希釈液(0.78nMから25nM)、37℃で測定
パラメータF:流量:100μL/分、注入時間:70秒、解離時間:1100秒、化合物の連続希釈液(1.56nMから50nM)
パラメータG:流量:100μL/分、注入時間:70秒、解離時間:1100秒、化合物の連続希釈液(3.13nMから100nM)
個々のアッセイで決定可能な値より低い解離速度定数は、「<」の記号を用いて報告している(例えば<2.5E−5s−1)。
「*」で標識した値は、複数の値の算術平均を表す。
(1):実施例番号
(2):平衡解離定数K
D[1/s]
(3):解離速度定数k
off[1/s]
(4):標的滞留時間[分]
(5):上記で記載の実験パラメータ[AからG]
表4a:
表4b:材料および方法に記載の方法に従って37℃で方法8によって求めた平衡解離定数KD[1/s]、解離速度定数koff[1/s]、および標的滞留時間[分]。実験パラメータの若干の変動が文字によって示されている(AからG)。
パラメータA:材料および方法セクション8に記載。
パラメータB:流量:100μL/分、注入時間:70秒、解離時間:1200秒、化合物の連続希釈液(3.13nMから100nM)
パラメータC:流量:50μL/分、注入時間:60秒、解離時間:1200秒、化合物の連続希釈液(0.82nMから200nM)
パラメータD:流量:100μL/分、注入時間:80秒、解離時間:1200秒、化合物の連続希釈液(3.13nMから100nM)
パラメータE:流量:100μL/分、注入時間:70秒、解離時間:1100秒、化合物の連続希釈液(0.78nMから25nM)、37℃で測定
パラメータF:流量:100μL/分、注入時間:70秒、解離時間:1100秒、化合物の連続希釈液(1.56nMから50nM)
パラメータG:流量:100μL/分、注入時間:70秒、解離時間:1100秒、化合物の連続希釈液(3.13nMから100nM)
個々のアッセイで決定可能な値より低い解離速度定数は、「<」の記号を用いて報告している(例えば<8.0E−5s−1)。
「*」で標識した値は、複数の値の算術平均を表す。
(1):実施例番号
(2):平衡解離定数KD[1/s]
(3):解離速度定数koff[1/s]
(4):標的滞留時間[分]
(5):上記で記載の実験パラメータ[AからG]
本発明による大環状CDK9阻害剤の滞留時間延長により、CDK9シグナル伝達に対する持続的阻害効果が生じ、最終的に標的結合および抗腫瘍効力の持続に寄与することが予想される。