JP2018530537A - 媒体に依存しない活性成分の放出を有する錠剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、徐放の活性成分を有する処方物に関し、前記処方物が、ポリビニルアルコール含有マトリクス中に高溶解性および高浸透性を有するBCSクラスI由来の活性成分を含み、前記マトリクスから、活性成分が、放出媒体の組成には依存せずに、治療に関連する期間に渡って、制御された速度にて放出される。

Description

本発明は、ポリビニルアルコール含有マトリクス中に、高溶解性および高浸透性を有するBCSクラスI由来の活性成分を含む活性成分の徐放を有する処方物に関し、活性成分は、その処方物から、放出媒体の組成には依存せずに治療に関連する期間にわたって制御された速度にて放出される。
先行技術
プロプラノロールは、抗高血圧、抗狭心症および抗不整脈の特性を有するベータ遮断薬の活性成分群に属する。この活性成分は、1964年もの昔から第1β−受容体遮断薬として治療に導入され、およびそれまで多様な医薬の形態における無数の異なる誘導体が知られているけれども、とくに、望ましくない効果を避けるために、および作用において特定の差異を達成するために、プロプラノロールが、頻繁に投与されるβ遮断薬であり続けている。前記物質は、良好な溶解性を呈し、経口投与後に事実上完全に吸収されるが、顕著な「初回通過(first-pass)」代謝のために、生物学的利用能が約25〜30%に制限されているに過ぎない。加えて、2〜6時間の排出半減期は、非常に短い。
その親油性のために、プロプラノロールは、腸から事実上完全に吸収される。[Asmar R, Hugues Ch, Pannier B, Daou J, Safar ME; Eur. Heart J. (1987) 8 (Suppl. M):115-120.]。
良好な水溶性のために、プロプラノロールの経口投与のための従来の投与形態は、胃腸管における活性成分の全用量の迅速な放出をもたらし、抗高血圧作用が急速に開始することを意味する。プロプラノロールの短い排出半減期と同時に、所望の作用は、12時間以上は容易に保証され得ない。したがって、従来の処方物において、好適な用量は、かかる期間を超えて患者の血漿中の活性成分濃度を適正に維持するために、少なくとも1日2回投与されなければならない。しかしながら、1日にわたり分散された複数回投薬の必要性は、服用の過誤、およびコンプライアンスおよび治療上の利益にとって有害である、血漿中濃度の望ましくない変動をもたらしやすい。
同様の状況はまた、高い浸透性を有し、および短い排出半減期(BCSクラスI由来の物質から選択される活性成分)を有するが、一日を通して持続的な作用が望ましい他の易溶解性の活性成分にも適用する。したがって、血漿レベルを有効濃度レベルにて1日を通して連続的に保つためには、1日当たり何回もその用量を投与する必要がある。
薬理学において、長期間にわたり活性成分の連続放出を保証するために、投与形態中に存在する活性成分の徐放、または持続放出を有する前記投与形態を提供すること自体、知られている。
先行技術は、プロプラノロールなどのβ遮断薬を含む、無数の活性成分のための徐放処方物を開示している。遅延は、通常、好適なコーティングによって、および/または放出を制御するマトリクス中に活性成分を埋め込むことによってもたらされる。
コーティングを用いた遅延の場合において、活性成分を含有するコアは、活性成分の放出を遅延させる親水性および/または疎水性ポリマーのコーティングが提供されている。マトリクスを用いた遅延の場合において、活性成分は、活性成分の放出を制御するポリマーマトリクス中に埋め込まれている。
このタイプの徐放処方物の調製は、通常、特定のプロセスステップを含むが、適切な場合には、特別なコーティングの製造などの特定の手段もまた含み、および適切な場合には、具体的に選択される化合物またはポリマー(これを用いると活性成分の遅延放出が誘導される)の使用を含む。
目的
プロプラノロールのまたは他の活性成分またはBCSクラスI由来の物質の不利な動態特性のせいで、1日当たり複数回投薬が通常必要となり、これによって、不十分な患者のコンプライアンスおよび結果として不満足な治療結果がしばしばもたらされる。よって、目標は、活性成分の徐放を有する錠剤の形態で、例えばプロプラノロールなどの活性成分を例えば投与することにより、薬物治療を受ける頻度を1日当たり単回投薬まで低減することである。
したがって、本発明の目的はまた、実行するのが簡単なプロセスにおいて、活性成分の放出が、溶液試薬のpHにかかわらず数時間にわたって均一に起こる徐放処方物を提供することでもあり、その結果、例えばプロプラノロールの放出中に、いわゆる「投薬ダンピング」のリスクを回避することができる。その上、薬物治療がアルコールの摂取と同時に受けられるとき、投薬ダンピングを抑制することが、本発明の目標である。
本発明の簡単な記載
ここで驚くべきことに、薬学的な活性成分およびマトリクスとしてポリビニルアルコール(PVA)を含む、活性成分の徐放を有する処方物であって、活性成分の放出が、放出媒体の組成には依存せずに治療に関連する期間にわたって起こる前記処方物を実験により見出した。対応する処方物は、放出媒体のpHおよびエタノール含有量には依存しない活性成分の放出を有する。とりわけ、1から7までの範囲のpHだけでなく、放出媒体中5から40体積%までの範囲のアルコール含有量の場合においてもまた、本発明による処方物は、媒体のタイプには依存しない活性成分放出挙動を有する。
本発明による処方物は、対応する薬学的な活性成分と、100μm未満の平均粒子サイズを有するポリビニルアルコールとを含む。共混合物中の組み合わせとしての、微結晶性セルロース(MCC)とともに対応する粒子サイズのポリビニルアルコール(PVA)が、ここでは処方物中のマトリクスとして採用される。特に好適なものは、JPEまたはPh.Eur.薬局方の必要条件に従うグレード28-99を包含する、Ph.Eur.、USPまたはJPE薬局方の必要条件に従うグレード18-88、26-88、40-88、48-88およびその間の全てのグレードから選択されるポリビニルアルコール(単数または複数)である。
本明細書で使用される微結晶性セルロースは、好ましくは150μm未満の平均粒子サイズ、好ましくは100から140μmまでの範囲の平均粒子サイズを有する。PVAおよび微結晶性セルロースは、共混合物中、重量に基づき、1:0.5〜1:2の比率で、好ましくは1:1の比率で存在する。高溶解性および高浸透性を有するBCSクラスIに由来する物質の群から選択される1以上の医薬活性成分(単数または複数)と共混合物とを混合すること、およびさらに処理することは、有利には本発明に従う処方物を与え、前記処方物は、1から7までの範囲のpHでの活性成分の所望の遅延放出を有するだけでなく、上記のアルコール抵抗性もまた有する。とりわけ、これらの特性は、抗高血圧性のβ−遮断薬としての、活性成分プロラノロールおよび/またはその薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物を含む処方物において明白である。これは、好ましくは、活性成分プロプラノロール塩酸塩に適用される。
本発明に従う活性成分含有処方物は、好ましくは、最終錠剤中のポリビニルアルコール(PVA)/微結晶性セルロース(MCC)含有量が、錠剤の総重量に基づいて、1〜99重量%、好ましくは5〜95重量%の間の範囲に、とりわけ10〜90重量%の範囲になるような量で、PVAとMCCとの共混合物を含む。このように特徴付けられる活性成分含有処方物は、低い圧縮力および低い排出力を使用して得られ、プレス製品または圧縮錠剤として、高い錠剤硬度および低い摩損度を有する。とりわけ、錠剤の製造のために採用される直接圧縮可能な組成物は、活性成分としてのプロプラノロール塩酸塩および微細粒子状化PVAと微細粒子状化MCCとからなる共混合物を含み、20kNの圧縮力によってプレスされることで、200Nより大きい/と等しい硬度を有する一方で、0.1重量%より小さい/と等しい摩損度を有する錠剤が与えられる。極めて特に好ましい態様において、100Nより大きい/と等しい硬度を有する一方で、0.15重量%より小さい/と等しい摩損度を有する錠剤は、10kNの圧縮力での圧縮作用によって得られ得る。
結果的に、本発明はまた、プロプラノロール塩酸塩および微細粒子状化PVAと微細粒子状化MCCとからなる共混合物を含む直接圧縮可能な組成物から製造される錠剤にも関し、前記錠剤は、12時間より長い活性成分の徐放を有し、ここで、当初から錠剤中に存在する活性成分の22%以下が、1時間後に放出され、3時間後に約25〜50%、6時間後に50〜80%、12時間後に80%以上が放出される。活性成分の徐放を有する対応する錠剤は、好ましくは、高溶解性および高浸透性を有するBCSクラスI由来の物質の群から選択される活性成分、および微細粒子状化PVAと微細粒子状化MCCとからなる共混合物を含み、ここで組成物は、30〜40重量%の活性成分、15〜50重量%のポリビニルアルコール、15〜50重量%の微結晶性セルロース、0〜1重量%の流れ制御剤、および0〜1重量%の潤滑剤を含み、ここで成分の総量は、合計100重量%になる。
特定の態様において、活性成分の遅延放出を有する本発明による錠剤は、活性成分としてプロプラノロール塩酸塩を含む。
本発明によれば、本発明はまた、行うのが簡単な、錠剤の製造のためのプロセスをも網羅するものであり、前記プロセスは、粗大粒子を除去するために、細かく粉砕されたPVA、微結晶性セルロースおよび活性成分が、予め篩い分けされ、どの場合においても所望の量で、計量された量の他の構成要素と混合される点で特徴付けられる。このようにして得られた混合物は、続いてプレスされるかまたは直接固められることで、錠剤が与えられる。
本発明の詳細な記載
実験によって、活性成分の徐放を有する経口処方物の開発における上記の該課題が、驚くべきことに、問題となっている活性成分をポリビニルアルコール(PVA)と微結晶性セルロース(MCC)とからなる共混合物と物理的に混合すること、ごく少量の流れ調整剤および潤滑剤を添加すること、および続いて、直接圧縮プロセスにおいて混合物を打錠機において圧縮製品に変換することによって解決され得ることが示された。PVAと微結晶性セルロースとの共混合物は、重量に基づいて、比率1:0.5〜1:2で、好ましくは1:1の比率で2つの構成要素を含み得る。行われた実験は、とりわけ活性成分としての、好ましくは塩酸塩としてのプロプラノロールの使用の場合において、少なくとも12時間にわたりプロプラノロールの有利な放出が達成され得ることを、今や示した。これに関連して、プロプラノロールは、ポリビニルアルコール含有マトリクス中に高溶解性および高浸透性を有するBCSクラスI由来の活性成分として代表として使用されている。
ポリビニルアルコール(PVA)は、酢酸ビニルの重合およびその結果得られたエステル化ポリマーの部分的加水分解によって調製される合成ポリマーである。PVAの化学的および物理的特性(粘度、溶解性、熱特性など)は、その重合度(PVAポリマーの鎖長)および加水分解度に大きく依存する。PVAは、多種多様な疾患の処置において極めて幅広い種類の投与形態に好適である。したがって、それは、眼、経皮、局所、とりわけ経口適用のための処方物を包含する、極めて幅広い種類の薬剤剤形で採用され得る。
ここで行われた実験は、とりわけ、BCSクラスI由来の物質の活性成分の特に有利な遅延放出が、錠剤化処方物から達成され得ることを示したが、前記処方物中、ポリビニルアルコールは、JPEまたはPh.Eur.の必要条件に従うグレード28-99を包含する、Ph.Eur.、USPまたはJPE薬局方の必要条件に従うグレード18-88、26-88、40-88、48-88およびその間のすべてのグレードの群から選択され、ここでグレード呼称の最初の数は、その分子量のポリビニルアルコールの相対測定値として水溶液中20℃にて生じる粘度(DIN19 260/61に従い、部分的に加水分解されたポリマーと、同様に完全に加水分解されたポリマーとの両方について、4.5〜7の範囲のpHにて蒸留水中DIN53 015に従い4%水溶液中20℃にて測定される)を指す。グレード呼称の2番目の数は、親ポリ酢酸ビニル(the parent polyvinyl acetate)の加水分解度(けん化度)に関する。本発明に従って使用される共混合物は、これらの基準を満たすすべての市販のポリビニルアルコールを使用して調製され得る。ポリビニルアルコール(PVA)と微結晶性セルロースとの共混合物は、とりわけ、100μm未満の平均粒子サイズを有するPVAを使用して調製される。
下記の実験は、上で特徴付けされた種々のポリビニルアルコールグレードで行われ、これらは、賦形剤としての使用のため、Merck KGaA、Darmstadt、Germanyから種々の品番で入手可能である(EMPROVE(登録商標) exp Ph. Eur.、USP、JPE)。
本発明に従って使用される共混合物の第2の構成要素は、薬剤適用のための微結晶性セルロース(MCC)であり、薬局方で同様に特徴付けられる。それは、2000より大きい重合度を有する、α−セルロースをもつ、植物繊維(セルロース)のパルプからの鉱酸の作用[Ph. Eur. 2001][USP 2002][JP 2001]、続いて水酸化ナトリウム溶液を活用して精製溶液から沈殿されることによって得られる。得られた生成物を、部分的な酸加水分解に供される。加水分解は、解重合を引き起こし、その結果として、とりわけ非晶質領域が除去されるので、セルロース繊維の重合度が落ち、結晶含有量が増加する。その後の乾燥、例えばスプレー乾燥または空気流中での乾燥は、様々な粒子サイズのMCCの、粉末状の自由流動性生成物を与える。
MCCは、製薬業の広い領域で使用される。それは、カプセルおよび錠剤のための充填材、ドライバインダー、崩壊促進剤または崩壊剤、ゲル形成剤として、および錠剤をコーティングする懸濁物への添加物として、採用される。
本発明を行うために、JRS Pharma(Rosenberg, Germany)からVivapur(登録商標)Type102の商品名で市販されているMCCは、共混合物に使用される。この微結晶性セルロースはそれ自体、100μmの平均粒子サイズおよび7%未満の水分含有量を有する。加えて、同じやり方で採用され得る同等のMCCグレードは、他の製品名で市販されている。一般に、150μm未満の平均粒子サイズを有する薬剤グレードの微結晶性セルロースは、本発明に従う共混合物の調製に好適である。100から140μmまでの範囲の平均粒子サイズを有する微結晶性セルロースの使用が好ましい。
ここで使用されるMCCの粒子サイズ分布の詳細なリストは、下の「使用される原料の特徴付け」セクションに与えられる。このMCCは、極めて良好な流動性を有し、錠剤化可能(tabletable)である。ここに記載の共混合物において、MCCの添加は、処方物の錠剤化性(tabletability)と、同様にその適用における錠剤からの活性成分の遅延放出との両方をサポートする。
微結晶性セルロースと組み合わせた親水性ポリマーのポリビニルアルコール(PVA)の使用は、胃腸系からの液体の存在下での錠剤の膨潤およびゲル形成をもたらすか、または胃腸管における滞留時間中の錠剤の緩慢な浸食もまたもたらす。これは、PVAマトリクスからの活性成分の遅延放出が起こる結果である。
本発明に従う処方物は、より正確に特定されたグレードおよび下の混合比率をもつPVAとMCCとの共混合物を使用して調製されるが、以下の事実によって区別される:それらは、
1. 極めて単純なものであり、ひいては廉価であり、調製するための複雑さが実質的にない、
2. 驚くべきことに、1から7までのpH範囲において、プロプラノロールのin vitro放出に依存しないpHを呈示し、ここで、プロプラノロール塩酸塩は、高溶解性および高浸透性を有するBCSクラスI由来の活性成分として代表するものとして使用され、および
3. 有利には、事実上エタノールによって影響されない活性成分の放出を有し、ここで、媒体中のエタノール濃度は、最大40体積%まで、好ましくは5〜40体積%であり得る。
要約すると、よって、簡単な直接圧縮プロセスを用いて、活性成分の放出が放出媒体中のpH値には事実上依存せずに起こる錠剤を得ることができるる。その上、アルコール性試験媒体中の活性成分の、改変された、とりわけ促進された放出は、いずれも明白ではない。これらの2つの特性は、投薬ダンピング効果、すなわち、胃腸管通過中の投与形態からの過剰量の活性成分の意図しないおよび急激な放出を防止するための必須の前提条件である。この2つの効果は、製品安全性をサポートし、ひいては患者の安全性を増大させる。
結果的に、本発明に従う共混合物は、BCSクラスI由来の物質をもつ活性成分含有処方物の調製に特に好適である。これら活性成分は、高溶解性と、同時に高浸透性とを有する。これらの活性成分の吸収速度は、主に胃排出速度によって決定されると考えられる。この医薬の最高用量が、1と7.5との間の範囲のpHを有し、同時に高い浸透性を有する最大250mlの水性溶解媒体に完全に溶解する場合、活性成分がBCSクラスIに割り当てられる。投与される用量の少なくとも90%がある時間内に身体に吸収される場合、医薬の浸透性は高い。これは、好適なデータ(例えば、物質収支研究からの)によって実証されなければならない。
本発明は、薬剤処方物の科学者が、所定量の活性成分(API)をPVA/MCC予備混合物と簡単に混合することによって、活性成分の徐放を有する錠剤処方物のための安全性に関連した製品特性(safety-relevant product properties)を達成することを、極めて簡単なプロセスにおいて、可能にする。この目的のために、PVA/MCC予備混合物を採用することが可能であるが、前記予備混合物中、PVAおよび微結晶性セルロースは、各々薬剤グレードであり、上記のとおりの平均粒子サイズを有し、重量に基づいて1:0.5〜1:2の比率にあり、互いに強く混合されている。2つの構成要素の重量比が1:1である共混合物の使用が好ましい。
とりわけ、これらの予備混合物または共混合物は、この活性成分の徐放を可能にする錠剤の形態でBCSクラスI由来の活性成分を提供するのに好適であることが判明した。しかしながら、本発明に従うこれらの共混合物はまた、他のBCSクラス、とりわけBCSクラスIIからの活性成分を、このタイプのPVA/MCCマトリクス中へ組み込むためにも、およびそれらを圧縮して錠剤を与えるためにも使用され得る。
BCSクラスI由来の活性成分は、他の活性成分の外に、例えば、アミロリド、クロロキン、シクロホスファミド、ジアゼパム、ドキシサイクリン、メトプロロール、メトロニダゾール、フェノバルビタール、プレドニゾロン、プリマキン、プロプラノロール、サリチル酸、テオフィリンまたはジドブジンを包含する。
本発明によれば、記載されたポリビニルアルコール(PVA)と微結晶性セルロース(MCC)との共混合物を使用して、共混合物が最終錠剤中に、1〜99重量%の量で、好ましくは5〜95重量%の量で存在する、活性成分の遅延放出を有する錠剤処方物を調製することができる。錠剤の総重量に基づいて10から90重量%までの範囲の共混合物の含有量を有する処方物が特に好ましい。錠剤処方物において記載される共混合物を使用することにより、低圧縮力および低射出力を使用して、活性成分含有プレス製品または圧縮錠剤を製造することが可能である。このようにして、高い錠剤硬度と低い摩損度を有する錠剤、すなわち200Nより大きく/と等しい硬度を有する一方で、0.1%より小さい/と等しい摩損度を有する錠剤は、20kNの圧縮力による圧縮を使用して得られる。
ここで摩損度は、例えば、輸送、貯蔵の間中だけでなく、さらなる処理または包装の間中も、機械的エネルギーの作用のせいで、固体(solid bodies)の場合に、ここでは錠剤の場合に起こる磨耗を意味すると解釈される。摩損度は、標準化された方法によって決定される。ここに記載の例において行われた測定は、TA420摩損度試験機(Erweka, Germany)を使用したが、これを用いて、Ph. Eur. 第7版 「Friability of Uncoated Tablets」に従って測定が行われた。機器は、錠剤が充填された試験チャンバーの25分−1の一定の回転速度で作動する。測定はどの場合も、錠剤製造後1日で行われる。
他方、錠剤硬度は、2つの平行なプレート間またはジョー(jaws)間で、共混合物を含む圧縮錠剤を粉砕するのに必要な力に関する。錠剤硬度は、所定の圧縮力で錠剤プレス中のある量の混合物を圧縮することにより、第1段階において、錠剤を製造することによって測定され得る。打錠機の圧縮成形型のラムは、例えばおよび20kNの圧縮力で、計量され、導入された量の混合物に作用する。このようにして得られた錠剤の硬度は、次いで、例えばErweka Multicheck(登録商標)5.1錠剤硬度試験機(Erweka,Germany)を使用して、錠剤を粉砕するのに必要な力を測定することによって決定され得る。錠剤硬度の測定は、下に記載されている。
よって、上記の微細粒子状化PVAと微細粒子状化MCCとの共混合物の使用は、12時間より長い活性成分の放出を有する、活性成分としてのプロプラノロール塩酸塩をもつ錠剤の製造を可能にし、ここで活性成分の22%以下が、1時間後に放出され、3時間後に約25〜50%、6時間後に50〜80%、12時間後に80%以上が放出された。この場合、プロプラノロール塩酸塩は、モデル活性成分としてのみの役割を果たす。活性成分の放出が、主にPVAおよびMCCを含む圧縮錠剤マトリクスの特性によって決定されるので、同等の結果は、BCSクラスI由来の他の活性成分で達成され得る。所望の錠剤の製造のために、混合物は、流れ調整剤または潤滑剤などの混合物と適合性のあるさらなる補助剤が提供され得る。採用され得る潤滑剤は、この目的のために当業者に知られているすべての潤滑剤であるが、それらは、本発明に従う共混合物および使用される活性成分と適合性がある場合に限られ、例えば、滑剤および潤滑剤としてステアリン酸マグネシウム、タルク、またはポリエチレングリコールなどである。同じことは、流れ調整剤および他の添加剤の添加についても適用される。
本発明によれば、本発明は結果的に、高溶解性および高浸透性を有するBCSクラスI由来の物質の群から選択される活性成分、および微細粒子状化PVAと微細粒子状化MCCとの共混合物を含む、活性成分の徐放を有する錠剤に関し、ここで組成物は、30〜40重量%の活性成分、15〜50重量%のポリビニルアルコール、15〜50重量%の微結晶性セルロース、および任意に打錠助剤を含む。例えば、0〜1重量%の流れ調整剤および0〜1重量%の潤滑剤が、その中に存在していてもよい。全部で、成分の総量は、どの場合においても、合計100重量%になる。
このタイプの錠剤は、例えばBCSクラスI由来の活性成分としてプロプラノロール塩酸塩を含んでもよい。
本発明に従う錠剤の製造のために、上記のとおり選択されたグレードの細かく粉砕されたPVA、および微結晶性セルロースが、所定の比率で互いに混合されるが、ここで2つの構成要素は、粗い粒子を除去するために、混合する前に篩分けされている。この混合物は、同様に予め篩い分けされていた活性成分と、どの場合にも互いに計量されていた量で、混合される。必要に応じて、打錠助剤が、このようにして得られた混合物へ添加され、これに続いて、好適な装置を使用して直接圧縮されるかまたは固められることで錠剤が与えられる。
下に与えられる例は、本発明に従う活性成分含有徐放処方物の調製のための方法および条件を開示する。当業者にとって、ここに記載されたもの以外の予備混合物および錠剤マトリクスの調製のための方法もまた利用可能であることは自明である。
例は、これらのPVA/MCCの組み合わせの特定の利点を示す。
本記載は、当業者が本発明を包括的に適用することを可能にする。したがって、さらなるコメントがない場合でさえも、当業者は、上の記載を最も広い範囲で利用することができるであろうと考えられる。
不明な点がある場合は、引用された刊行物および特許文献を考慮すべきことは言うまでもない。結果的に、これらの文書は、本記載の開示の一部とみなされる。
本発明をより良く理解し説明するために、本発明の保護の範囲内にある例が、下に与えられる。これらの例はまた、可能な変形(variants)を説明するのにも役立つ。しかしながら、記載された本発明の原理の一般妥当性のために、例は、本出願の保護の範囲をこれらだけに減縮させるのに好適なものではない。
その上、当業者にとっては、与えられる例および残りの記載の両方において、組成物中に存在する構成要素の量は、組成物全体に基づいて、常に合計100重量%またはモル%までにしかならず、より高い値が、示されたパーセント範囲から生じ得たとしても、これを超えられないことは言うまでもない。よって、別段の指示がない限り、%データは、体積数(volume figures)で再現される比率を除いて、重量%またはモル%とみなされる。
例および本記載において、ならびにクレームにおいて与えられる温度は、℃である。

製造のためおよび分析試験および薬剤処方物試験のための条件は、例から明白である。プロプラノロール徐放錠剤は、直接圧縮プロセスにおいて製造される。一例として、細粉砕PVA 26-88またはPVA 40-88のMCC Vivapur(登録商標)102(JRS)との、比率1:1の、遅延マトリクスとしての共混合物の使用が記載されている。12時間にわたるin-vitro放出プロファイルが、以下の媒体から記録される:HCl 0.1M;HCl緩衝液pH1.2;リン酸塩緩衝液pH6.8;pH変更法:2時間のHCl 0.1M、および続いてリン酸塩緩衝液pH6.8中、およびどの場合も5%、20%および40%のエタノール(どの場合も体積%)をもつHCl 0.1Mを含む媒体。
材料特性の特徴付けのための機器/方法
1. かさ密度:DIN EN ISO 60:1999(ドイツ版)に従う
− 「g/ml」で表示
2. タップ密度:DIN EN ISO 787-11: 1995(ドイツ版)に従う
− 「g/ml」で表示
3. 安息角:DIN ISO 4324: 1983(ドイツ版)に従う
− 「度」で表示。
4. BET法で決定される表面積:S. Brunauerらによる文献「BET Surface Area by Nitrogen Absorption"」(Journal of American Chemical Society, 60, 9, 1983)に従う評価および手順。機器:ASAP 2420 Micromeritics Instrument Corporation(USA);窒素;試料重量:約3.0000g;加熱:50℃(5h);加熱速度 3K/分;引用された3つの測定値からの算術平均
5. レーザー回折による乾式分散での粒子サイズ測定:Scirocco 2000分散体単位(Malvern Instruments Ltd., UK)をもつMastersizer 2000、1、2および3バールの対圧での測定;フラウンホファー評価;分散媒RI:1.000、不明瞭になる限界(obscuration limits):0.1〜10.0%、トレイタイプ:汎用性、バックグラウンドの時間(background time):7500m秒、測定時間:7500m秒、ISO 13320-1および機器メーカーの技術マニュアルおよび仕様の情報に従う手順;体積%にて表示。
6. 錠剤化試験は、以下のように行われる:
実験法の部分に示された組成に従う混合物を、密閉されたステンレススチール容器(最大容積:約2l、高さ:約19.5cm、直径:外寸で約12cm)中、実験用タンブルミキサー(Turbula T2A,Willy A. Bachofen, Switzerland)において5分間混合される。
採用されるステアリン酸マグネシウムは、250μm篩に通過させられた、Parteck(登録商標)LUB MST(植物性ステアリン酸マグネシウム)EMPROVE(登録商標)exp Ph.Eur.、BP、JP、NF、FCC品番1.00663(Merck KGaA, Germany)である。
500mgの錠剤(11mmのパンチ、丸く、平らで、斜縁付き)を与える圧縮が、Catman(登録商標)5.0 評価システム(Hottinger Baldwin Messtechnik – HBM, Germany)をもつKorsch EK 0-DMS機器を備えた偏心打錠機(Korsch, Germany)において行われる。
試験された圧縮力(名目上の設定:〜5、〜10、〜20および〜30kN;有効に測定された実際の値は、例に示されている)に応じて、少なくとも100個の錠剤が、圧縮データの評価および薬学的な特徴の決定のために製造される。
錠剤の硬度、直径および高さ:Erweka Multicheck(登録商標)5.1(Erweka, Germany);各場合において、圧縮力当たりの(per compression force)20個の錠剤の測定からの平均データ(算術平均)。測定は、錠剤製造後1日で行われる。
錠剤摩耗:TA420摩損度試験器(Erweka, Germany);Ph. Eur. 第7版 「Friability of Uncoated Tablets」に従う測定の機器パラメータおよび性能。測定は、錠剤製造後1日で行われる。
錠剤重量:圧縮力当たりの20個の錠剤の計量からの平均(算術平均):Sartorius CPA 64天秤(Sartorius, Germany)をもつMulticheck(登録商標)5.1(Erweka, Germany)。測定は、錠剤製造後1日で行われる。
7. プロプラノロール放出試験:プロプラノロールHClを含有する圧縮錠剤(10、20または30kNの圧縮力で圧縮された)は、Ph. Eur. 8.4 2.9.3.の下「Dissolution test for solid dosage forms」に記載されている「Apparatus 2 (Paddle Apparatus)」を使用してERWEKA(Heusenststrom, Germany)からのin vitro放出装置において、およびそこにに記載された条件下で、測定される(Ph. Eur.=欧州薬局方)。サンプリングは、ホースポンプシステムを介して、それに続くLambda(登録商標)35光度計(Perkin Elmer, USA)およびフローセルにおける測定を伴って自動的に行われる。
8. 測定装置および測定パラメータ
− Apparatus 2(Ph.Eur.に従うパドル装置)に取り付けられたERWEKA DT70放出装置
− 温度:37℃+/−0.5℃
− パドルの回転速度:50rpm
− 放出媒体:900ml
(pH変更法を除く:ここで媒体体積はPh.Eur. 方法Aに従う)
− 測定の総運転時間:12時間(15、30、45、60分後にサンプリング、続いて、12時間の全運転時間が終了するまで、60分毎にサンプリング(ここでの表およびグラフにおいて、15、30および45分の試料のデータは示されていない))
− サンプリング付きホースポンプ:Ismatec IPC、ISM 931モデル;App. No. 12369-00031
− Lambda(登録商標)35光度計、Perkin Elmer
− 0.5mmのフロー測定セルにおける214nmでの測定
− Dissolution Lab Software Version 1.1(Perkin Elmer Inc. (USA))を介する評価
使用された放出媒体:
− 0.1N HCl、品番109060(Merck KGaA, Germany)
− Ph.Eur.に従うHCl緩衝液 pH1.2
− Ph.Eur.に従うリン酸塩緩衝液 pH6.8
− pH変更法:方法AのためのPH.Eur.8.4 2.9.3.の下に記載されるとおり、0.1N HClで2時間、その後pH6.8まで再緩衝処理すること
− 40体積%エタノール(% v/v):6体積部の0.1N HCl、品番109060(Merck KGaA, Germany)および4体積部の無水(absolute)エタノール、品番100983(Merck KGaA, Germany)からなる混合物
− 20体積%エタノール(% v/v):8体積部の0.1N HCl、品番109060(Merck KGaA, Germany)および2体積部の無水エタノール、品番100983(Merck KGaA, Germany)からなる混合物
− 5体積%エタノール(% v/v):9.5体積部の0.1N HCl、品番109060(Merck KGaA, Germany)および0.5体積部の無水エタノール、品番100983(Merck KGaA, Germany)からなる混合物
使用された原料の特徴付け
1. PVA 40-88およびPVA 26-88
1.1 粉砕のための原料
1.1.1 PVA 26-88:賦形剤EMPROVE(登録商標)exp Ph.Eur.、USP、JPE、品番1.41352、Merck KGaA、Darmstadt、Germanyとしての使用に好適なポリビニルアルコール26-88
1.1.2 PVA 40-88:賦形剤EMPROVE(登録商標)exp Ph.Eur.、USP、JPE、品番1.41352、Merck KGaA、Darmstadt、Germanyとしての使用に好適なポリビニルアルコール40-88
これらのPVAグレードは、数ミリメートルのサイズをもつ粗粒子の形態であり、これは直接圧縮可能の錠剤化マトリクスとしてこの形態では採用され得ない。
粗粒子は、ダイの再現性可能な充填を許容せず、よって、(回転)打錠機の高回転速度でさえも、一定の錠剤重量が達成され得ない。加えて、微細粒子状化PVAのみが、分離現象の発生なしに、錠剤中の活性成分の均一な分布を確実にすることが可能である。しかしながら、このことは、製造される各錠剤において活性成分の個別の適用量(dosage)の精度(含有量の均一性)を確実にするためには不可欠である。加えて、微細粒子状化PVAのみが、再現可能な遅延に必要な錠剤本体のあらゆる場所で均一なゲル形成を確実にし得る。
これらの理由のために、上述の粗粒子状化PVAグレードは、直接圧縮可能な遅延マトリクスとしての使用前に、粉砕、すなわち細粉砕されなければならない。
1.2 細粉砕PVAグレード
1.2.1 細粉砕PVA 26-88、平均粒子サイズ画分Dv50(レーザー回折、乾式分散)を有するポリビニルアルコール26−88(品番1.41352)から:
Dv50 84.88〜87.60μm
1.2.2 細粉砕PVA 40-88、平均粒子サイズ画分Dv50(レーザー回折、乾式分散)を有するポリビニルアルコール40−88(品番1.41353)から:
Dv50 85.84〜87.37μm
粉砕:
PVAグレードの粉砕は、液体窒素の下、0℃からマイナス30℃までの範囲の温度での冷寒(cold)粉砕として、Hosokawa Alpine、Augsburg、GermanyからのAeroplex(登録商標)200 ASスパイラルジェットミルにおいて行われる。所望の粒子サイズは、経験的に、とりわけ粉砕温度の変動によって製造される、すなわち、粉砕条件は、所望の粒子サイズ画分が得られるまで、粒子サイズの進行中のインプロセス(in-process)制御によって変動する。
その結果得られた細粉砕PVAグレードの製品特性、とりわけ、かさ密度、タップ密度、安息角、BET表面積、BET細孔体積ならびに粒子サイズ分布などの粉末の特徴は、以下の表から明白である:
かさ密度、タップ密度、安息角、BET表面積、BET細孔体積:
(測定方法の詳細は、方法の下を参照)
乾式分散でレーザー回折によって測定した粒子分布(1バール対圧):
数字はμmにて(測定方法の詳細は、方法の下を参照)
乾式分散でレーザー回折によって測定した粒子分布(2バール対圧):
数字はμmにて(測定方法の詳細は、方法の下を参照)
乾式分散でレーザー回折によって測定した粒子分布(3バール対圧):
数字はμmにて(測定方法の詳細は、方法の下を参照)
2. 微結晶性セルロース(MCC)
Vivapur(登録商標) Type 102 Premium、微結晶性セルロース、Ph.Eur.、NF、JP、JRS Pharma、Rosenberg、Germany
乾式分散でレーザー回折によって測定した粒子分布(1バール対圧):
数字はμmにて(測定方法の詳細は、方法の下を参照)
乾式分散でレーザー回折によって測定した粒子分布(2バール対圧):
数字はμmにて(測定方法の詳細は、方法の下を参照)
乾式分散でレーザー回折によって測定した粒子分布(3バール対圧):
数字はμmにて(測定方法の詳細は、方法の下を参照)
3. その他の材料
3.1 プロプラノロールHCl BP、EP、USP バッチNo. M130302(Changzhou Yabang Pharmaceutical Co., LTD., China)
3.2 Parteck(登録商標)LUB MST(植物グレード(vegetable grade)のステアリン酸マグネシウム)
EMPROVE(登録商標)exp Ph.Eur.、BP、JP、NF、FCC品番1.00663(Merck KGaA, Germany)
3.3 コロイド状二酸化ケイ素、高分散、賦形剤としての使用に好適である;EMPROVE(登録商標)exp Ph.Eur.、NF、JP、E551品番1.13126(Merck KGaA, Germany)
実験結果
A) 実験の目標:
徐放の経口活性成分処方物は、しばしば、複雑な構造体を有する。遅延ポリマーマトリクスとしての親水性PVAグレードの使用が、最も簡単な可能な経路による活性成分の徐放(12時間後の活性成分の放出が累積して>80%)を有するプロプラノロール錠剤の製造を可能にすることを示すことが意図される。実験は、これらの錠剤のin vitro放出挙動が、放出媒体のpH値にどのような依存性を有するのか、およびそれが、アルコールによってどのように影響されるのか、おそらく加速もまたなされのるか、について調べるものである。意図した使用に好適な組成物は、アルコールが放出挙動には影響を及ぼさず、および放出挙動がpHには依存しない組成物である。
これらの2つの特性は、徐放処方物からのいかなる投薬ダンピング効果を防止するための主な前提条件である。
すでに出願されたPCT/EP2015/001355(I14/067)、PCT/EP2015/001356(I14/110)およびPCT/EP2015/001357(I14/173)は、特定の粒子サイズの細粉砕されたポリビニルアルコール(PVA)の、特定の粒子サイズの微結晶性セルロース(MCC)との共混合物のみが、良好な圧縮性をもたらすことを示した。
B) 結果の概要:
以下のデータから、驚くべきことに、活性成分の徐放を有するプロプラノロール錠剤が、直接圧縮可能な遅延マトリクスとしてここに記載される共混合物を使用して特に簡単に製造できることが示されており、そこから驚くべきことに以下のことを見出した:
1. 高硬度および低摩損度を有する錠剤が、低い圧縮力でさえも得られたこと、
2. 活性成分の放出は、使用された放出媒体のpHには依存しないこと、および
3. エタノールは、活性成分の放出において、いかなる変更、とりわけ促進を引き起こさないこと。
これらはすべて、このタイプの徐放処方物の開発および製造を簡素化するが、とりわけ薬物安全性をもまた改善する利点である。
C) 手順:
1. 2つの共混合物PVA 26-88/MCCおよびPVA 40-88/MCCの調製、活性成分との、およびさらなる添加剤との混合、および5、10、20および30kNの圧縮力での圧縮、およびそれに続き、得られたプレス製品の薬剤処方物の特徴付け。
2. 12時間の期間にわたる様々なpH値を有する媒体中の徐放錠剤からのプロプラノロールのin vitro放出の測定。
10、20および30kNの圧縮力で得られた例AおよびBからの錠剤についての放出データは、表およびグラフ中に例として示される。
3. 様々な量のエタノールを含有する0.1N HCl中の徐放錠剤からのプロプラノロールのin vitro放出の測定。
10、20および30kNの圧縮力で得られた例AおよびBからの錠剤についての放出データは、表およびグラフ中に例として示される。
D) 実験結果の詳細:
Re 1.:プロプラノロール徐放錠剤の、調製および薬剤処方物の特徴付け:
a. 1:1の混合比率における、2つの細粉砕PVAグレード26-88および40-88の、微結晶性セルロース(MCC)との共混合物の調製。以下の例において、特許出願PCT/EP2015/001355、PCT/EP2015/001356およびPCT/EP2015/001357に記載されているような共混合物が、採用される。これらは、細粉砕ポリビニルアルコール(PVA)の、特定の粒子サイズの微結晶性セルロース(MCC)との共混合物であり、ここでPVAの粒子サイズは、粉砕によって設定された。
b. これらの共混合物の337.5gを、160gのプロプラノロールHClおよび1.25gの高分散二酸化ケイ素と、Turbula(登録商標)ミキサー中で5分間混合する。
c. 1.25gのParteck(登録商標)LUB MSTの添加後、混合を再び5分間行う。その後、得られた混合物を、Korsch EK 0-DMS偏心プレス中で錠剤化することで、500mgの重量の錠剤が与えられた。このようにして製造された錠剤は各々、錠剤当たり160mgのプロプラノロールHClを含む。
d. 錠剤の特徴付けを、要求される錠剤硬度、錠剤重量、錠剤厚さ、錠剤磨耗および排出力というパラメータに関して行う。
組成物(重量%で)例A:遅延マトリクスとしてのPVA 26-88をもつ
組成物(重量%で)例B:遅延マトリクスとしてのPVA 40-88をもつ
錠剤の特徴付け
表1:例Aおよび例Bからの錠剤化データ
キー:
A:圧縮力[kN] B:1日後の錠剤硬度[N]
C:錠剤重量[mg] D:錠剤の厚さ[mm]
E:摩耗[%] F:排出力[N]
図1は、より良い説明のための2つの例の圧縮力/錠剤硬度プロファイルのグラフを示す。
すべての錠剤が、機械的負荷後の低い磨耗(低い摩損度)および相対的に低い排出力と一緒に、10kNより大きい/と等しいすべての圧縮力で異常に高い錠剤硬度を呈する。
マトリクスPVA 26-88およびPVA 40-88をベースとした錠剤間の錠剤化データには事実上差がない。とりわけ、錠剤硬度は、同じ圧縮力での2つのPVAグレードに対して事実上同一である。
Re 2.: 様々なpH値を有する媒体中における例AおよびBのプロプラノロール徐放錠剤からのin vitro放出:
a) 12時間の期間にわたるリン酸塩緩衝液pH6.8中のin vitro放出の測定:
10、20および30kNの圧縮力にて得られたプレス製品の試験
b) 12時間の期間にわたる0.1N HCl中のin vitro放出の測定:
10、20および30kNの圧縮力にて得られたプレス製品の試験
c) 12時間の期間にわたるHCl緩衝液pH1.2中におけるin vitro放出の測定:
10、20および30kNの圧縮力にて得られたプレス製品の試験
d) 2時間の期間にわたる0.1N HCl中におけるin vitro放出の測定、続いてpH6.8での10時間の再緩衝化:
10、20および30kNの圧縮力にて得られたプレス製品の試験
表2a:様々な媒体中の例A(圧縮力10kN)のin vitro放出データ
10kNの圧縮力にて得られた錠剤から放出されたプロプラノロールHClの累積量が(%で)示される。
図2aは、より良い説明のために様々な媒体中の例A(10kNの圧縮力にて製造された錠剤)からの放出データのグラフを示す。
表2b:様々な媒体中の例A(圧縮力20kN)のin vitro放出データ
20kNの圧縮力にて得られた錠剤から放出されたプロプラノロールHClの累積量が(%で)示される。
図2bは、より良い説明のために様々な媒体中の例A(20kNの圧縮力にて製造された錠剤)からの放出データのグラフを示す。
表2c:様々な媒体中の例A(圧縮力30kN)のin vitro放出データ
30kNの圧縮力にて得られた錠剤から放出されたプロプラノロールHClの累積量が(%で)示される。
図2cは、より良い説明のために様々な媒体中の例A(30kNの圧縮力にて製造された錠剤)からの放出データのグラフを示す。
表2d:様々な媒体中の例B(圧縮力10kN)のin vitro放出データ
10kNの圧縮力にて得られた錠剤から放出されたプロプラノロールHClの累積量が(%で)示される。

図2dは、より良い説明のために様々な媒体中の例B(10kNの圧縮力にて製造された錠剤)からの放出データのグラフを示す。
表2e:様々な媒体中の例B(圧縮力20kN)のin vitro放出データ
20kNの圧縮力にて得られた錠剤から放出されたプロプラノロールHClの累積量が(%で)示される。
図2eは、より良い説明のために様々な媒体中の例B(20kNの圧縮力にて製造された錠剤)からの放出データのグラフを示す。
表2f:様々な媒体中の例B(圧縮力30kN)のin vitro放出データ
30kNの圧縮力にて得られた錠剤から放出されたプロプラノロールHClの累積量が(%で)示される。
図2fは、より良い説明のために様々な媒体中の例B(30kNの圧縮力にて製造された錠剤)からの放出データのグラフを示す。
表2aから2fまでのデータは、例AおよびBの両方においてプロプラノロールのin vitro放出が、放出媒体に事実上依存しない、とりわけ放出媒体のpHには依存しないことを示している。
Re 3.:様々な量のアルコールを含有する媒体中における例AおよびBのプロプラノロール徐放錠剤からのin vitro放出
a) 12時間にわたる0.1N HCl中のin vitro放出の測定:
10、20および30kNの圧縮力にて得られたプレス製品の試験
b) 12時間にわたる40体積%のエタノールをもつ0.1N HCl中のin vitro放出の測定:
10、20および30kNの圧縮力にて得られたプレス製品の試験
c) 12時間にわたる20体積%のエタノールをもつ0.1N HCl中のin vitro放出の測定:
10、20および30kNの圧縮力にて得られたプレス製品の試験
d) 12時間にわたる5体積%のエタノールをもつ0.1N HCl中のin vitro放出の測定:
10、20および30kNの圧縮力にて得られたプレス製品の試験
表3a:様々な量のエタノールの添加を伴う0.1N HCl中における例A(圧縮力10kN)のin vitro放出データ
10kNの圧縮力にて得られた錠剤から放出されたプロプラノロールHClの累積量が(%で)示される。
図3aは、エタノール含有媒体と比較した0.1N HCl中の例A(10kNの圧縮力にて製造された錠剤)からの放出データのグラフを示す。
表3b:様々な量のエタノールの添加を伴う0.1N HCl中における例A(圧縮力20kN)のin vitro放出データ
20kNの圧縮力にて得られた錠剤から放出されたプロプラノロールHClの累積量が(%で)示される。
図3bは、エタノール含有媒体と比較した0.1N HCl中の例A(20kNの圧縮力にて製造された錠剤)からの放出データのグラフを示す。
表3c:様々な量のエタノールの添加を伴う0.1N HCl中における例A(圧縮力30kN)のin vitro放出データ
30kNの圧縮力にて得られた錠剤から放出されたプロプラノロールHClの累積量が(%で)示される。
図3cは、エタノール含有媒体と比較した0.1N HCl中の例A(30kNの圧縮力にて製造された錠剤)からの放出データのグラフを示す。
表3d:様々な量のエタノールの添加を伴う0.1N HCl中における例B(圧縮力10kN)のin vitro放出データ
10kNの圧縮力にて得られた錠剤から放出されたプロプラノロールHClの累積量が(%で)示される。
図3dは、エタノール含有媒体と比較した0.1N HCl中の例B(10kNの圧縮力にて製造された錠剤)からの放出データのグラフを示す。
表3e:様々な量のエタノールの添加を伴う0.1N HCl中の例B(圧縮力20kN)のin vitro放出データ
20kNの圧縮力にて得られた錠剤から放出されたプロプラノロールHClの累積量が(%で)示される。
図3eは、エタノール含有媒体と比較した0.1N HCl中の例B(20kNの圧縮力にて製造された錠剤)からの放出データのグラフを示す。
表3f:様々な量のエタノールの添加を伴う0.1N HCl中の例B(圧縮力30kN)のin vitro放出データ
30kNの圧縮力にて得られた錠剤から放出されたプロプラノロールHClの累積量が(%で)示される。
図3fは、エタノール含有媒体と比較した0.1N HCl中の例B(30kNの圧縮力にて製造された錠剤)からの放出データのグラフを示す。
表3aから3fまでのデータは、2つの例AおよびBにおけるプロプラノロールのin vitro放出がまた、12時間を超えてさえも、5から40体積%までの範囲の、アルコールの添加によっても有意に変更されないことを示す。とりわけ、おそらく予想されたであろうように、活性成分の有意に加速された放出は起こらない。
図のリスト:
図1:例AおよびBの圧縮力/錠剤硬度プロファイル(表1から)
図2a:異なるpH値を有する媒体における例A(圧縮力10kN)の放出データ(表2aから)
図2b:異なるpH値を有する媒体における例A(圧縮力20kN)の放出データ(表2bから)
図2c:異なるpH値を有する媒体における例A(圧縮力30kN)の放出データ(表2cから)
図2d:異なるpH値を有する媒体における例B(圧縮力10kN)の放出データ(表2dから)
図2e:異なるpH値を有する媒体における例B(圧縮力20kN)の放出データ(表2eから)
図2f:異なるpH値を有する媒体における例B(圧縮力30kN)の放出データ(表2fから)
図3a:様々な量のエタノールを添加した0.1N HClにおける例A(圧縮力10kN)の放出データ(表3aから)
図3b:様々な量のエタノールを添加した0.1N HClにおける例A(圧縮力20kN)の放出データ(表3bから)
図3c:様々な量のエタノールを添加した0.1N HClにおける例A(圧縮力30kN)の放出データ(表3cから)
図3d:様々な量のエタノールを添加した0.1N HClにおける例B(圧縮力10kN)の放出データ(表3dから)
図3e:様々な量のエタノールを添加した0.1N HClにおける例B(圧縮力20kN)の放出データ(表3eから)
図3f:様々な量のエタノールを添加した0.1N HClにおける例B(圧縮力30kN)の放出データ(表3fから)

Claims (21)

  1. 活性成分の徐放を有する処方物であって、薬学的な活性成分、およびマトリクスとしてポリビニルアルコール(PVA)を含み、ここで、活性成分の放出が、放出媒体の組成には依存せずに、治療に関連する期間にわたって起こる、前記処方物。
  2. 放出媒体のpHおよびエタノール含有量には依存しない活性成分の放出を有する、請求項1に記載の処方物。
  3. 放出媒体における1から7までの範囲のpHにて、非依存的な活性成分放出挙動を有する、請求項1に記載の処方物。
  4. 放出媒体における5から40体積%までの範囲のアルコール含有量にて、非依存的な活性成分放出挙動を有する、請求項1に記載の処方物。
  5. 薬学的な活性成分および平均粒子サイズ<100μmを有するPVAを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の処方物。
  6. 薬学的な活性成分およびPVAと微結晶性セルロースとの組合せ(共混合物)を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の処方物。
  7. 平均粒子サイズ<150μmを有する、好ましくは100から140μmまでの範囲の平均粒子サイズを有する微結晶性セルロースを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の処方物。
  8. 処方物が、重量に基づき1:0.5〜1:2の比率、好ましくは1:1の比率においてPVAと微結晶性セルロースとの共混合物を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の処方物。
  9. 高溶解性および高浸透性を有するBCSクラスI由来の物質の群から選択される1以上の薬学的な活性成分(単数または複数)を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の活性成分含有処方物。
  10. 抗高血圧性β遮断薬として、活性成分プロプラノロールおよび/またはその薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の活性成分含有処方物。
  11. 活性成分プロプラノロール塩酸塩を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の活性成分含有処方物。
  12. JPEまたはPh.Eur.の必要条件に従うグレード28-99を包含する、Ph.Eur.、USPまたはJPEの薬局方の必要条件に従うグレード18-88、26-88、40-88およびその間の全てのグレードから選択されるポリビニルアルコール(単数または複数)を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の活性成分含有処方物。
  13. グレード18-88、26-88および40-88から、とりわけグレード26-88および40-88から選択されるポリビニルアルコール(単数または複数)を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の活性成分含有処方物。
  14. PVAと微結晶性セルロースとの共混合物を、最終錠剤中のPVA/MCC含有量が、錠剤の総重量に基づき1〜99重量%、好ましくは5〜95重量%、とりわけ10〜90重量%の間の範囲になるような量で含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の活性成分含有処方物。
  15. 低圧縮力および低射出力を使用して得られた、高い錠剤硬度および低い摩損度を有する、プレス製品または圧縮錠剤としての、請求項1〜14のいずれか一項に記載の活性成分含有処方物。
  16. プロプラノロール塩酸塩、および微細粒状化PVAおよび微細粒状化MCCからなる共混合物を含む直接圧縮可能な組成物であって、20kNの圧縮力での圧縮によって、200Nより大きい/と等しい硬度を有する一方で、0.1重量%より小さい/と等しい摩損度を有する錠剤をもたらす、前記組成物。
  17. プロプラノロール塩酸塩、および微細粒状化PVAおよび微細粒状化MCCからなる共混合物を含む直接圧縮可能な組成物であって、10kNの圧縮力での圧縮によって、100Nより大きい/と等しい硬度を有しる一方で、0.15重量%より小さい/と等しい摩損度を有する錠剤をもたらす、前記組成物。
  18. プロプラノロール塩酸塩、および微細粒状化PVAおよび微細粒状化MCCからなる共混合物を含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の直接圧縮可能な組成物から製造される錠剤であって、12時間より長い活性成分の徐放を有し、活性成分の22%以下が1時間後に、約25〜50%が3時間後に、50〜80%が6時間後に、および80%以上が12時間後に放出される、前記錠剤。
  19. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の直接圧縮可能な組成物から製造される錠剤であって、活性成分の徐放を有し、高溶解性および高浸透性を有するBCSクラスI由来の物質の群から選択される活性成分、および微細粒状化PVAおよび微細粒状化MCCからなる共混合物を含み、ここで組成物が、
    30〜40重量%の活性成分、
    15〜50重量%のポリビニルアルコール、
    15〜50重量%の微結晶性セルロース、
    0〜 1重量%の流れ調整剤、
    0〜 1重量%の潤滑剤
    を含み、およびここで成分の総量が、合計100重量%になる、前記錠剤。
  20. 活性成分としてプロプラノロール塩酸塩を含む、請求項19に記載の錠剤。
  21. 細かく粉砕されたPVA、微結晶性セルロースおよび活性成分が各々、粗粒子を除去するために篩分けされ、および所望の量で混合され、および任意に、計量された量の他の構成要素ともに混合され、および得られた混合物が、続いてプレスされてまたは固められて錠剤を与えることを特徴とする、請求項18〜20のいずれか一項に記載の錠剤の製造のためのプロセス。

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