JP2018527872A - 電気エネルギーの生成、伝送、配給および/または使用を行うための電気装置の絶縁媒体から少なくとも1つの物質を再生するための方法 - Google Patents

電気エネルギーの生成、伝送、配給および/または使用を行うための電気装置の絶縁媒体から少なくとも1つの物質を再生するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、電気エネルギーの生成、伝送、配給および/または使用を行うための電気装置(10)の絶縁媒体(22)から物質を再生するための方法に関する。絶縁媒体(22)は、有機フッ素化合物および更なる気相成分を含む。この方法は、以下の工程、すなわち、a)絶縁媒体(22)の有機フッ素化合物と少なくとも1つの更なる成分とを含む初期ガス混合物を、電気装置(10)の絶縁空間(16)から物質再生装置(30)に移送する工程と、b)初期ガス混合物を圧縮し(工程b1)、圧縮された初期ガス混合物を有機フッ素化合物の液化温度まで冷却すること(工程b2)によって、物質再生装置(30)内の有機フッ素化合物を液化する工程と、およびc)初期ガス混合物の少なくとも1つの残留成分を含む残留ガスから、液化した有機フッ素化合物を分離する工程とを含む。

Description

本発明は、電気エネルギーの生成、伝送、配給および/または使用を行うための電気装置の絶縁媒体から、少なくとも1つの物質を再生するための方法に関する。本発明はさらに、物質再生装置、並びに電気装置および物質再生装置を含む組立品に関する。
従来、液体または気体状態の誘電体絶縁媒体は、幅広い電気装置、例えば、スイッチ装置、ガス絶縁変電所(GIS)、ガス絶縁送電線(GIL)または変成器に収納された電気部品を絶縁するために使用される。
例えば中型または高電圧の金属封止スイッチ装置において、電気部品は、気密のハウジング内に配置される。ハウジングの内部は、絶縁空間を画定する。この絶縁空間は、絶縁ガスを含み、電気部品とハウジングとを隔離し且つ電気部品をハウジングから電気的に絶縁させる。また、絶縁ガスは、高電圧スイッチ装置の電流を遮断するために、消弧ガスとして機能する。
近年、絶縁ガスには有機フッ素化合物を使用することが提案されている。具体的には、WO2010/142346は、4〜12個の炭素原子を有するフルオロケトンを含む誘電性絶縁媒体を開示している。また、WO2012/080246は、特に関連する誘電性絶縁媒体を開示している。この媒体は、誘電性絶縁ガスを含み、この誘電性絶縁ガスは、ちょうど5個の炭素原子を有するフルオロケトンと、当該フルオロケトンとは異なる誘電性絶縁ガス成分との混合物である。さらに、WO2012/080222は、ハイドロフルオロモノエーテルを含む誘電性絶縁媒体を開示している。
WO2010/142346およびWO2012/080246に記載のフルオロケトンおよびWO2012/080222に記載のハイドロフルオロモノエーテルは、高絶縁性能、特に高絶縁強度、および高消弧性能を有すると共に、非常に低い地球温暖化係数(GWP)および非常に低い毒性を有することが判明されている。これらの特性の組み合わせによって、これらの有機フッ素化合物は、一般的に誘電性絶縁媒体として使用されているが、高GWPを有すると知られているSF(六フッ化硫黄)の代替物として非常に適している。
低GWPおよび毒性にも関わらず、生態学的理由および経済的理由の両方のため、装置の長期運転中に使用される有機フッ素化合物の量を最小限に抑えることが非常に望ましい。
しかしながら、有機フッ素化合物は、例えばスイッチング動作時に、特に絶縁空間の高温化を伴うスイッチング動作時に、分解される可能性がある。SFとは対照的に、分解した有機フッ素化合物は、通常再結合しない。
有害な分解生成物が絶縁空間に本質的に存在しないように保証するために、WO2014/053661は、電気エネルギーの生成、伝送、配給および/または使用を行うための装置を提案している。提案された装置は、絶縁ガスと接触するように配置された分子篩を備え、この分子篩は、装置の動作中に生成された有機フッ素化合物の少なくとも1つの分解生成物の分子サイズよりも大きい平均孔径を有する。
廃止および整備(重度の短絡事故後の再調整など)の間に、絶縁空間内の圧力を操作に適した安全なレベルに下げる必要がある。
ポンプを使用する従来の排気技術を適用する場合、絶縁媒体に含まれる有機フッ素化合物の沸点が一般的に比較的高いため、絶縁媒体の除去に関する問題が特に深刻になる。
使用される有機フッ素化合物の量を最小限にすると共に、全体的な操作安全性を提供できる電気装置を提供するために、国際特許出願PCT/EP2014/060300(未公開)は、分離器を備える電気装置を提案している。この分離器は、初期ガス混合物を有機フッ素化合物の露点よりも低い温度まで冷却するための液化装置であるまたは液化装置を含む。具体的には、この液化装置は、冷却装置である。国際特許出願PCT/EP2014/060300に係る技術によって達成された有利な効果にも関わらず、初期ガス混合物が電気装置の絶縁空間の圧力をもって冷却装置に進入するため、十分な有機フッ素化合物の凝縮速度を達成するために、冷却装置は、非常に高い冷却効率を提供しなければならない。
高沸点有機フッ素化合物の許容可能な凝縮速度を達成するために、一般的に電気装置の絶縁空間を0.1バール未満の圧力まで排気し、抽出されたガス混合物を非常に低い温度に冷却する。標準的な冷却媒体を用いて、約−38℃の最低温度を達成することができる。それより低い温度を達成する場合、代替的な冷却媒体を使用する必要がある。しかしながら、これらの代替的な冷却媒体が高価であるため、望ましくない。また、排気されたハウジングが非常に高い差圧、すなわち、約1バールの圧力を受けるため、周囲環境と内部空間との間の圧力差に安全に耐えるために、ハウジングの壁を最小限の厚さにする必要がある。
これらの欠点に鑑みて、本発明が解決する課題は、絶縁媒体から少なくとも1つの物質、具体的に有機フッ素化合物を効率的に再生すると共に、絶縁媒体が使用される電気装置に全体的な操作安全性を与えるための方法を提供することである。
国際特許出願PCT/EP2014/060300に記載された技術に関して、本発明は、特に、高い回収率で有機フッ素化合物を回収すると共に、比較的に低い労力で有機フッ素化合物を液化することができる。
より詳しくは、装置の絶縁空間を完全に排気しなくても、高い回収率を達成することができ、最終的に電気装置のハウジング壁を比較的に薄くすることができる。
本発明の課題は、独立請求項の主題によって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項および請求項の組み合わせによって定義される。
請求項1によれば、電気エネルギーの生成、伝送、配給および/または使用を行うための電気装置の絶縁媒体から、少なくとも1つの物質を再生するための方法であって、絶縁媒体は、有機フッ素化合物および少なくとも1つの更なる気相成分を含み、方法は、以下の工程、すなわち、
a)絶縁媒体の有機フッ素化合物と少なくとも1つの更なる成分とを含む初期ガス混合物を、電気装置の絶縁空間から物質再生装置に移送する工程と、
b)初期ガス混合物を圧縮し(工程b1)、圧縮された初期ガス混合物を有機フッ素化合物の液化温度まで冷却すること(工程b2)によって、物質再生装置内の有機フッ素化合物を液化する工程と、
c)初期ガス混合物の少なくとも1つの残留成分を含む残留ガスから、液化した有機フッ素化合物を分離する工程とを含む。
本発明の文脈において使用された「初期ガス混合物」という用語は、絶縁媒体の有機フッ素化合物および少なくとも1つの更なる成分を含む任意の可能なガス混合物を包含するように、広義に解釈すべきである。
少なくとも1つの更なる成分は、以下でさらに詳細に説明するように、特に背景ガス(または「キャリアガス」)または背景ガス成分であってもよく、有機フッ素化合物から生成された分解生成物であってもよい。
特定の一実施形態によれば、初期ガス混合物は、絶縁媒体と少なくとも本質的に同様である。この点では、「絶縁媒体」という用語は、置換すべき絶縁媒体、すなわち、再調整される直前に絶縁空間に存在する絶縁媒体(またはその組成物)を意味する。理解すべきことは、絶縁媒体の組成は、特に上述した分解現象によって経時的に変化し得ることである。例えば、スイッチング素子のスイッチング動作中に、有機フッ素化合物が部分的に分解することがある。したがって、絶縁空間を充填するために使用される絶縁媒体に比べて、置換される絶縁媒体は、より少ない量の有機フッ素化合物およびより多い量の分解生成物を含有する。
代替的には、「絶縁媒体」という用語は、有機フッ素化合物の他に、更なる成分、一般的には背景ガスを含む限り、絶縁空間を充填するために使用される絶縁媒体、すなわち、新鮮な混合物を意味する。新鮮な混合物は、一般的には分解生成物を含まない。
前述したように、本発明に従って、物質の再生は、液化によって達成される。具体的には、本発明の文脈において使用された「液化する」または「液化」という用語は、各々の物質、特に気相有機フッ素化合物から液相への相転移として解釈すべきである。より詳しくは、相分離は、液化によって達成される。これによって、非常に簡単な方法で、すなわち、液相を排出することによって、各相の物質を分離することができる。
好ましくは、有機フッ素化合物を液化および分離した後の残留ガスは、少なくとも有機フッ素化合物を本質的に含まない。より好ましくは、残留ガスは、少なくとも絶縁媒体の背景ガスと本質的に同様である。当然ながら、残留ガスが少量の有機フッ素化合物を含んでもよいが、いずれの場合に、これらの量は、以下でさらに詳しく説明するように初期ガス混合物に含まれた量よりも少ない。
相分離によって残留成分から有機フッ素化合物を分離するという概念は、分子篩によって絶縁ガスから気相分解生成物を除去することを目的とするWO2014/053661によって提案された概念とは全く異なる。第一に、WO2014/053661は、絶縁ガスから気相の分解生成物を除去することによって、絶縁ガスの単純精製に関するものであるが、電気装置に再使用される可能性のある成分の相分離を言及または示唆していない。より詳しくは、WO2014/053661は、有機フッ素化合物と背景ガスとを含む絶縁ガスから、気相の分解生成物の除去または分離のみを記載しており、背景ガスから有機フッ素化合物の分離を言及または示唆していない。第二に、使用される手段も全く異なる。WO2014/053661は、分子篩、したがって分子の運動直径に基づいて分離を行うが、本発明は、物質の異なる沸点に基づいて分離を行う。
高い再生率で純粋の有機フッ素化合物の再生という目的において、本発明は、US5701761の発想とは全く異なる。US5701761は、物質の再生、特に誘電性化合物の再生に対処しておらず、天然ガスを液化するためのプロセスの単純化に着目し、液体留分と気体留分とを混合することを提案している。
本発明は、高収率で有機フッ素化合物を回収することができ、経済的な観点から非常に有利であるばかりでなく、有機フッ素化合物の処理を省くことができるため、本発明はまた、生態学的な利益をもたらす。特に、本発明は、初期ガス混合物を圧縮することによって、比較的に適度な冷却温度および十分に高い凝縮速度で有機フッ素化合物を得ることができるため、高収率で有機フッ素化合物を非常に簡単且つ迅速に再生することができる。したがって、標準的な冷却媒体を使用しても、十分に高い再生率を得ることができる。
一般的には、残留ガスは、直前の工程b1)に圧縮されるため、工程c)の直後に比較的に高い圧力を有するので、バランスバルブを介して膨張させられる。好ましくは、膨張後、残留ガスまたはその一部は、絶縁空間に再導入される。代替的にまたは追加的に、残留ガスまたはその一部を大気中に放出することができる。特に残留ガスが環境にとって無害である場合に、残留ガスまたはその一部を大気中に放出することができる。
そのため、本発明の方法は、d)バランスバルブを介して残留ガスを膨張させ、残留ガスの少なくとも一部、特に背景ガスを絶縁空間に再導入する工程をさらに含む。
この実施形態によれば、残留ガスを絶縁空間に再導入する場合、絶縁空間内の絶対圧は、背景ガスの分圧よりも低く下がることがない。絶縁空間を囲むハウジングが耐える差圧がより低くなるため、ハウジングは、完全な排気による差圧、例えば約1バールの圧力しか耐える必要がないため、ハウジングの壁を薄く設計することができる。
具体的には、再導入される残留ガスは、絶縁媒体の背景ガスに相当する。理解すべきことは、物理的および/または技術的理由によって、一般的に工程c)による分離を完璧に行うことができないため、再導入される残留ガスは、少量の有機フッ素化合物を含むことがある。しかしながら、反復的なリサイクル、すなわち、工程a)〜d)を反復的に行うことによって、再導入される残留ガス中の有機フッ素化合物の量を最小値まで連続的に減少すると共に、回収される有機フッ素化合物の収率を増加することを見出した。
残留ガス、すなわち、液化した有機フッ素化合物を分離したガスを再導入するという概念は、本出願の優先日よりも遅い公開日を有するWO2015/17714の概念とは全く異なる。WO2015/177149は、残留成分ではなく、分離された有機フッ素化合物を絶縁空間に再導入することを教示している。
さらに好ましくは、高純度で有機フッ素化合物を回収するために、工程b2)において、有機フッ素化合物のみを液化する。これによって、装置の動作中に、汚染物質、例えば分解生成物を生成することなく、有機フッ素を回収することができる。
具体的には、有機フッ素化合物の露点と、少なくとも1つの更なる成分、具体的に背景ガスまたは背景ガス成分の露点との差が大きい実施形態において、再生は特に簡単である。
したがって、本発明の方法は、工程b2)で初期ガス混合物を冷却する前に、工程b1)で初期ガス混合物を圧縮するという点において、未公開のPCT/EP2014/060300に係る技術とは異なる。
好ましくは、本発明に係る方法の工程b1)は、圧縮によって生じた温度上昇が有機フッ素化合物の分解温度に達さないように実施され、有機フッ素化合物の完全性に影響を与えず、有機フッ素化合物の高収率の再生にさらに寄与する。
具体的には、工程b1)において、初期ガス混合物は、好ましくは、2バール〜20バール、より好ましくは5バール〜10バール、最も好ましくは約9バールの圧力まで圧縮される。これによって、圧力による温度上昇は、有機フッ素化合物の分解温度より十分に低い。
工程b2)において、初期ガス混合物は、好ましくは、0℃未満、好ましくは−10℃未満、より好ましくは−20℃未満、更により好ましくは−30℃未満、最も好ましくは約−38℃まで冷却される。これによって、圧縮された初期ガス混合物から、高収率で有機フッ素化合物を再生することができる。上述したように、関連する安全要件を完全に満たす標準的な冷却媒体を用いて、このような温度に達することができる。
初期ガス混合物が圧縮によって加熱されるため、好ましくは、工程b1)の後且つ工程b2)の前に、初期ガス混合物を予冷却する。したがって、圧縮による加熱効果は、予冷却によって少なくとも部分的に補償される。これによって、たとえ中程度の冷却効率を有する凝縮器を使用しても、冷却工程b2)に投入される初期ガス混合物を、有機フッ素化合物の液化を達成し易い温度に冷却することができる。
さらに好ましい実施形態によれば、初期ガス混合物は、工程b)およびc)に従って液化および分離を行う分離器に移送される前に、濾過器によって液体および/または固体不純物を除去するように精製される。これによって、不純物によって分離器に与える損傷、例えば詰まりの危険性を効果的に低減することができる。
さらに別の実施形態によれば、本方法は、e)有機フッ素化合物回収装置によって、凝縮された有機フッ素化合物を回収する工程をさらに含む。
更なる実施形態によれば、本方法は、以下にさらに詳細に説明するように、工程c)の後または必要に応じて工程d)および/またはe)の後に、f)有機フッ素化合物を有機フッ素化合物貯蔵タンクに搬送して貯蔵する工程をさらに含む。
実施形態において、分解生成物または残留水などの不純物を電気装置の絶縁空間に導入しないために、好ましくは、残留ガスまたは背景ガスは、絶縁空間に再導入される前に精製される。このことは、装置の操作安全性にさらに寄与する。
実施形態において、工程b1)に従って初期ガス混合物を圧縮する間に生成された熱を用いて、絶縁空間に再導入される前に残留ガスを加熱する。背景ガスがバランスバルブを通過する際に膨張によって冷却され、背景ガスに含まれている高沸点残留物が液化する可能性があるため、この加熱は、特に適切である。したがって、上流側の工程に生成された圧縮熱を用いて、膨張による冷却を効果的に打ち消すことができる。
更なる態様によれば、本発明は、電気装置の絶縁空間に含まれる初期ガス混合物の少なくとも1つの物質を再生するための物質再生装置にもまた関する。物質再生装置は、初期ガス混合物の少なくとも1つの残留成分から、有機フッ素化合物を分離するための分離器を備える。
本発明の方法に関する上記の記載と同様に、分離器は、有機フッ素化合物を液化するための凝縮器を含む冷却装置と組み合わせて使用される圧縮機を含む。圧縮機は、初期ガス混合物を移送する方向から見たときに、凝縮器の上流側に配置され、初期ガス混合物を凝縮器に移送する前に圧縮するように設計されている。
上述したように、本発明の物質再生装置は、高収率で有機フッ素化合物を非常に簡単、迅速且つ経済的に再生することができる。また、上述したように、残留ガスは、その後、バランスバルブによって再び膨張させられ、装置の絶縁空間に再導入され得る。
本発明に従って使用される分離器は、一般的に、得られた液状の有機フッ素化合物を流動または流下させることによって、液状の有機フッ素化合物を合併して回収するように機能する。したがって、この分離器は、絶縁ガスをポンプして通過させる濾過器および有機フッ素化合物を気相にする必要のある濾過器とは全く異なる。
未公開の国際特許出願PCT/EP2014/060300に記載の教示に加えて、本発明の物質再生装置は、有機フッ素化合物を液化するための凝縮器を含む冷却装置と組み合わせて使用される圧縮機を備える。圧縮機は、初期ガス混合物を移送する方向から見たときに、凝縮器の上流側に配置され、初期ガス混合物を凝縮器に移送する前に圧縮するように設計されている。
実施形態によれば、圧縮機は、初期ガス混合物を最大圧力pmaxまで圧縮するように設計される。最大圧力pmaxは、圧縮によって生じた最大温度Tmaxが有機フッ素化合物の分解温度よりも低くなるように選択される。換言すれば、上述したように、圧縮によって生じた温度上昇が有機フッ素化合物の分解温度に達さないように圧縮を実施することによって、有機フッ素化合物の完全性に影響を与えず、有機フッ素化合物の高収率の再生にさらに寄与する。
上記の説明と同様に、好ましくは、圧縮機は、2〜20バール、より好ましくは5バール〜10バール、最も好ましくは約9バールの圧力まで、初期ガス混合物を圧縮するように設計される。
実施形態によれば、液化装置は、有機フッ素化合物のみを液化するように特別に構成されている。したがって、圧縮機によって得られた圧力増加および冷却装置によって得られた温度低下は、有機フッ素化合物のみを液化するように特別に構成されている。
上記の説明とさらに類似して、凝縮器は、0℃未満、好ましくは−10℃未満、より好ましくは−20℃未満、より好ましくは−30℃未満、最も好ましくは約−38℃の温度まで、初期ガス混合物を冷却するように設計される。これによって、圧縮された初期ガス混合物から、高収率で有機フッ素化合物を再生することができる。よって、関連する安全要件を完全に満たす標準的な冷却媒体を用いて、このような温度に達することができる。
実施形態において、凝縮器は、温度を0℃よりも高く上昇させる加熱要素をさらに備える。水分が凝縮器に残る場合、氷結を引き起こし、最終的に凝縮器の故障につながる可能性がある。したがって、初期ガス混合物に残留水分が検出された場合、温度を上昇させることによって、凝縮器を除氷する。
初期ガス混合物が圧縮によって加熱されるため、好ましくは、冷却装置は、初期ガス混合物を凝縮器に移送する前に予冷却するための熱交換器をさらに備える。上述したように、圧縮の加熱効果は、予冷却によって少なくとも部分的に補償される。これによって、たとえ中程度の冷却効率を有する凝縮器を使用しても、凝縮器に進入する初期ガス混合物を、有機フッ素化合物の液化を達成し易い温度に冷却することができる。初期ガス混合物を予冷却するために、板状熱変換器が特に好ましい。
実施形態において、物質再生装置は、分離器によって分離された有機フッ素化合物を回収するための有機フッ素化合物回収装置をさらに備える。更なる実施形態において、物質再生装置は、分離器によって分離された有機フッ素化合物を貯蔵するための少なくとも1つの有機フッ素化合物貯蔵タンクを備える。したがって、液状の有機フッ素化合物が容器に流下または流動することによって集められ、最終的に一定の条件で有機フッ素化合物を貯蔵するための有機フッ素化合物貯蔵タンクに導かれるように、有機フッ素化合物を回収する。この場合、例えば、閾値量の有機フッ素化合物が有機フッ素化合物回収装置に回収されたときに、有機フッ素化合物を有機フッ素化合物貯蔵タンクに移送するためのポンプを作動させる浮子弁を装備してもよいと考えられる。背景ガスを含むガス混合物全体を高圧で貯蔵しなければならない場合に比べて、液状の有機フッ素化合物のみを貯蔵することによって、遥かに少ない空間および遥かに低性能の貯蔵タンクが必要とされる。
実施形態において、物質再生装置は、圧縮機に流入する前の初期ガス混合物のガス流から、固体不純物または液体不純物を除去するように設計された濾過器をさらに備える。後述するように、濾過器は、特に、接続部品によって電気装置のハウジングの出口開口に接続するように構成された一次ガスチャネルに配置されてもよい。圧縮機に導入する前の初期ガス混合物から固体不純物または液体不純物を予め除去することによって、圧縮機の詰まりを引き起こす危険性、最終的には物質再生装置の故障を引き起こす危険性を効率的に低減することができる。
実施形態によれば、装置のハウジングから排出される初期ガス混合物のガス流は、圧縮機によって生成された吸引力によって形成される。追加的にまたは代替的には、物質再生装置は、絶縁空間をパージするように設計されたポンプを備えることができる。
物質再生装置は、通常、別個の装置である。絶縁媒体を再調整する必要がある場合、物質再生装置は、好ましくは、電気装置のハウジング、例えば変圧器タンクに接続される。
詳しくは、物質再生装置は、分離器を電気装置の絶縁空間に流体的に接続するための手段を含む。より詳しくは、物質再生装置は、接続部品を含み、この接続部品は、再生すべき物質を含む初期ガス混合物を受け取るために、物質再生装置をハウジングの出口開口に接続する。特に、物質再生装置は、第2接続部材を含み、この第2接続部材は、特に圧力を絶縁空間内の圧力に減圧するためのバランスバルブを介して残留ガスを再導入するために、物質再生装置をハウジングの入口開口に接続する。
実施形態において、物質再生装置の分離器から少なくとも1つのガス再循環チャネルを分岐する。このガス再循環チャネルは、ハウジングに設けられたガス入口開口に流体的に接続され、残留ガス、特に背景ガスを絶縁空間に再導入する。上述したように、残留ガス、特に背景ガスは、分離器で分離された有機フッ素化合物を少なくとも本質的に含まない。
上述したように、物質再生装置は、凝縮器の下流側に配置されたバランスバルブをさらに備えてもよい。このバランスバルブは、初期ガス混合物が凝縮器を通過した後に、残留ガスを膨張させるように設計されている。換言すれば、残留ガス、特に背景ガス絶縁空間に再導入する前に、その圧力が低減される。このように、処理サイクルの上流側で初期ガス混合物の圧縮により生じた比較的高い背景ガスの圧力は、詳しくは絶縁空間に存在する圧力に低減され、より詳しくは背景ガス分圧と初期総圧力との間の差圧、すなわち、(例えば、ガス絶縁変圧器内の)0.8バール〜1.3バールの間の絶対圧力に低減される。
実施形態において、特に絶縁空間に再導入される背景ガスから不純物を除去するために、入口開口の上流側に背景ガス処理装置を配置する。より詳しくは、背景ガス処理装置は、有機フッ素化合物またはその分解生成物を吸着できるゼオライトであるまたはそれを含む。この背景ガス処理装置は、好ましくは、ガス循環路に連結されている。
さらに別の態様によれば、本発明は、さらに、A)電気エネルギーの生成、伝送、配給および/または使用を行うための電気装置と、B)上述した物質再生装置とを含む。
電気装置は、電気装置内部空間を囲むハウジングを備え、前述の電気装置内部空間の少なくとも一部は、少なくとも1つの絶縁空間を形成する。絶縁空間には、電気部品が配置され、絶縁空間は、電気部品を取り囲む絶縁媒体を含む。
上記の説明と同様に、絶縁媒体は、有機フッ素化合物と、少なくとも1つの更なる気相成分とを含む。
物質再生装置は、初期ガス混合物を移送する方向に対して、出口開口の下流側に配置される。
上記の説明とさらに類似して、電気装置のハウジングには、絶縁空間から初期ガス混合物を移送するための出口開口が設けられ、初期ガス混合物は、絶縁媒体の有機フッ素化合物および少なくとも1つの更なる成分を含む。上述したように、初期ガス混合物は、好ましくは、再調整される直前に絶縁空間に存在する絶縁媒体と少なくとも本質的に同様である。
有機フッ素化合物を分離した後の背景ガスを絶縁空間に再導入するために、好ましくは、物質再生装置の分離器から少なくとも1つのガス再循環チャネルを分岐する。ガス再循環チャネルは、例えばバランスバルブを介して、初期ガス混合物の背景ガスを電気装置の絶縁空間に再導入するために、電気装置のハウジングに設けられたガス入口開口に流体的に接続され、前述の背景ガスは、有機フッ素化合物を少なくとも本質的に含まない。特に、前述のバランスバルブは、背景ガスを絶縁空間に再導入する前に膨張させるように設計されている。
上述したように、背景ガス処理装置は、特に絶縁空間に再導入される背景ガスを精製するために、ガス入口開口の上流側に配置することができ、より詳しくは、背景ガス処理装置は、有機フッ素化合物またはその分解生成物を吸着できるゼオライトである。
実施形態において、本発明に従って使用される有機フッ素化合物は、0℃よりも高い沸点を有する。本開示全体を通じて、「沸点」という用語は、標準沸点、すなわち、1バールの圧力下で沸騰する温度を意味する。
実施形態によれば、有機フッ素化合物は、フルオロエーテル、特にハイドロフルオロモノエーテル、フルオロケトン、フルオロオレフィン、特にハイドロフルオロオレフィン、フルオロニトリル、特にパーフルオロニトリル、およびこれらの混合物からなる群から選択される。その理由は、これらの化合物は、非常に高絶縁性能、特に高絶縁強度(または破壊電界強度)を有すると共に、低GWPおよび低毒性を有することが判明されたからである。
本発明は、各々の絶縁媒体がフルオロエーテル、特にハイドロフルオロモノエーテル、フルオロケトン、フルオロオレフィン、特にハイドロフルオロオレフィン、フルオロニトリル、特にパーフルオロニトリルのいずれか1つを含有するという実施形態と、各々の絶縁媒体がこれらの化合物のうち少なくとも2つの化合物からなる混合物を含有するという実施形態との両方を含む。
背景ガスは、好ましくは、空気、空気成分、窒素、酸素、炭酸ガス、窒素酸化物、およびこれらの混合物からなる群から選択される。したがって、初期ガス混合物の少なくとも1つの残留成分、すなわち、有機フッ素化合物を含まない初期ガス混合物は、好ましくは、空気、空気成分、窒素、酸素、炭酸ガス、窒素酸化物、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
「フルオロエーテル」という用語は、本発明の文脈に使用された場合、パーフルオロエーテル、すなわち完全にフッ化されたエーテル、およびハイドロフルオロエーテル、すなわち部分的にフッ化されたエーテルの両方を含む。「フルオロエーテル」という用語はさらに、飽和化合物、および不飽和化合物、すなわち炭素原子間の二重結合および/または三重結合を包含する化合物を含む。フルオロエーテルの酸素原子に結合した少なくとも部分的にフッ化されたアルキル鎖は、互いに独立して、直鎖状または分枝状であってもよい。
「フルオロエーテル」という用語は、非環状エーテルおよび環状エーテルの両方をさらに含む。したがって、酸素原子に結合した2つのアルキル鎖は、必要に応じて、環を形成してもよい。特に、この用語は、フルオロオキシランを含む。特定の実施形態において、本発明に係る有機フッ化合物は、パーフルオロオキシランまたはハイドロフルオロオキシランであり、より具体的には、3〜15個の炭素原子を有するパーフルオロオキシランまたはハイドロフルオロオキシランである。
実施形態において、各々の絶縁媒体は、少なくとも3個の炭素原子を有するハイドロフルオロモノエーテルを含有する。これらのハイドロフルオロモノエーテルは、高絶縁強度の他に、140℃を超える温度まで、化学的におよび熱的に安定する。また、これらのハイドロフルオロモノエーテルは、非毒性または低毒性レベルである。さらに、これらのハイドロフルオロモノエーテルは、非腐食性および非爆発性である。
「ハイドロフルオロモノエーテル」という用語は、本明細書に使用された場合、1つのみのエーテル基を有する化合物を指す。このエーテル基は、2つのアルキル基を連結する。この2つのアルキル基は、互いに独立して、直鎖状または分枝状であり、必要に応じて環を形成することができる。このような化合物は、例えば、熱伝達流体に使用された2つのエーテル基を含有する化合物、すなわちハイドロフルオロジエーテルに関するUS−B−7128133に開示された化合物とは、明らかに対照的である。また、「ハイドロフルオロモノエーテル」という用語は、本明細書に使用された場合、モノエーテルが部分的に水素化され且つ部分的にフッ化されていると理解すべきである。さらに理解すべきことは、「ハイドロフルオロモノエーテル」という用語は、異なる構造のハイドロフルオロモノエーテルの混合物を含むことができることある。「異なる構造」という用語は、広義的にハイドロフルオロモノエーテルの合計式または構造式上の差を包含するものとする。
上述したように、少なくとも3個の炭素原子を有するハイドロフルオロモノエーテルは、比較的高い絶縁強度を有することが判明した。具体的には、SFの絶縁強度に対する本発明に係るハイドロフルオロモノエーテルの絶縁強度の比率は、約0.4を超える。
また上述したように、ハイドロフルオロモノエーテルは、低いGWPを有する。このGWPは、好ましくは、100年後1000未満であり、より具体的には100年後700未満である。本明細書に記載のハイドロフルオロモノエーテルは、比較的低い大気寿命を有する上、オゾン破壊触媒サイクルに機能するハロゲン原子、すなわちCl、BrまたはIを有しない。これらのハイドロフルオロモノエーテルのオゾン破壊係数(ODP)は、ゼロであるため、環境の観点から非常に有利である。
少なくとも3個の炭素原子を有し、したがって−20℃よりも比較的高い沸点を有するハイドロフルオロモノエーテルを選択した理由は、ハイドロフルオロモノエーテルの沸点が高くなると、一般的に誘電強度も高くなるという知見に基づいたからである。
他の実施形態によれば、ハイドロフルオロモノエーテルは、ちょうど3つまたは4つまたは5つまたは6個の炭素原子、好ましくはちょうど3つまたは4個の炭素原子、最も好ましくはちょうど3個の炭素原子を有する。より具体的には、ハイドロフルオロモノエーテルは、以下の構造式により定義され、一部の水素原子がフッ素原子により置換された化合物からなる群から選択された少なくとも1つの化合物である。
3つまたは4個の炭素原子を有するハイドロフルオロモノエーテルを使用することによって、液化現象は、装置の通常動作条件の下で生じない。したがって、装置の動作条件の下で、誘電性絶縁流体の全ての成分を気体状態にすることが達成できる。それにも関わらず、このハイドロフルオロモノエーテルの沸点は、本発明の液化装置による液化を可能にするのに十分高い。
化合物の可燃性を考慮すると、フッ素原子および水素原子の合計数に対するハイドロフルオロモノエーテルのフッ素原子の数の比率を少なくとも5:8にすることは、さらに有利である。本明細書において、この比率を「F比」と略称する。この定義範囲内の化合物は、一般的に不燃性であると判明され、したがって、最高の安全要件を満たした絶縁媒体をもたらす。したがって、対応するハイドロフルオロモノエーテルを使用することによって、電気絶縁体およびその製造方法の安全要件を容易に満たすことができる。
他の実施形態によれば、炭素原子の数に対するフッ素原子の数の比(本明細書において「F/C比」と略称される)は、1.51:1〜2:1の範囲に変動する。このような化合物は、一般的に、100年後1000未満のGWPを有し、したがって環境に非常に優しい。ハイドロフルオロモノエーテルが100年後700未満のGWPを有することは、特に好ましい。
本発明の他の実施形態によれば、ハイドロフルオロモノエーテルは、以下の一般構造(O)を有しており、
−O−C (O)
式中、
aおよびdは各々、1〜3の整数であり、且つ、a+d=3、4、5または6、特に3または4、
bおよびcは各々、0〜11の整数、特に0〜7の整数であり、且つ、b+c=2a+1、
eおよびfは各々、0〜11の整数、特に0〜7の整数であり、且つ、e+f=2d+1、さらに、
bおよびeの少なくとも一方は、1以上の整数であり、cおよびfの少なくとも一方は、1以上の整数である。
よって、以下のようにすれば、好ましい実施形態が形成される。すなわち、ハイドロフルオロモノエーテルの一般構造または一般式(O)において、a=1、bおよびcは各々、0〜3の整数であり、且つb+c=3、d=2、eおよびfは、0〜5の整数であり、且つe+f=5、さらに、bおよびeの少なくとも一方は、1以上の整数であり、cおよびfの少なくとも一方は、1以上の整数である。
より特定の実施形態によれば、一般構造(O)内のcおよびfの一方のみが、0である。各々のフッ素をエーテル結合の一方側にグループ化し、他方側を非置換のままに残すということは、「セグリゲーション」と呼ばれている。同様の鎖長を有するセグリゲーションされていない化合物に比べて、セグリゲーションは、化合物の沸点を低下することができるということが判明された。
最も好ましくは、ハイドロフルオロモノエーテルは、ペンタフルオロエチルメチルエーテル(CH−O−CFCF)および2,2,2−トリフルオロエチル−トリフルオロメチルエーテル(CF−O−CHCF)からなる群から選択される。
ペンタフルオロエチルメチルエーテルは、+5.25℃の沸点、100年後697のGWPおよび0.625のF比を有する。一方、2,2,2−トリフルオロエチル−トリフルオロメチルエーテルは、+11℃の沸点、100年後487のGWPおよび0.75のF比を有する。両方は、0というODPを有するため、環境に完全許容である。
また、ペンタフルオロエチルメチルエーテルは、175℃の温度で30日間熱的に安定であるため、装置の所定動作条件に完全に適していることが判明した。高分子量のハイドロフルオロモノエーテルに対する熱安定性研究によって、完全に水素化されたメチル基またはエチル基を有するエーテルは、部分的に水素化されたメチル基またはエチル基を有するエーテルに比べて、より低い熱安定性を有することが証明された。よって、2,2,2−トリフルオロエチル−トリフルオロメチルエーテルは、より高い熱安定性を有すると推測することができる。
一般的にハイドロフルオロモノエーテル、特にペンタフルオロエチルメチルエーテルおよび2,2,2−トリフルオロ−トリフルオロメチルエーテルは、低い人間毒性危険性を示している。これは、利用可能な哺乳動物HFC(ハイドロフルオロカーボン)試験の結果から断定することができる。また、商用ハイドロフルオロモノエーテルから利用可能な情報も、本願の化合物の発癌性、変異原性、生殖または発育影響、および他の慢性影響に関する証拠を与えていない。
利用可能な高分子量の商用ハイドロフルオロエーテルのデータに基づいて、ハイドロフルオロモノエーテル、特にペンタフルオロエチルメチルエーテルおよび2,2,2−トリフルオロエチル−トリフルオロメチルエーテルは、10000ppmを超える致死濃度LC50を有することを断定することができる。よって、これらの化合物は、毒物学的観点からも適切である。
上述したハイドロフルオロモノエーテルは、空気より高い誘電強度を有する。具体的には、1バール気圧下のペンタフルオロエチルメチルエーテルは、1バール気圧下の空気よりも、約2.4倍に高い誘電強度を有する。
上述したハイドロフルオロモノエーテル、特にペンタフルオロエチルメチルエーテルおよび2,2,2−トリフルオロエチル−トリフルオロメチルエーテルは各々、好ましくは55℃未満、より好ましくは40℃未満、特に30℃未満の沸点を有することを考えれば、動作条件の下では一般的に気体状態である。したがって、全ての部品は、装置の動作条件の下で気体状態の絶縁媒体にあることを達成することができ、有利である。
上記のハイドロフルオロモノエーテルの代替的にまたは付加的に、各々の絶縁媒体は、4〜12個の炭素原子を有するフルオロケトンを含む。
「フルオロケトン」という用語は、本願に使用された場合、広く解釈すべきであり、パーフルオロケトンおよびハイドロフルオロケトンの両方を包含し、さらに飽和化合物および不飽和化合物すなわち炭素原子間の二重結合および/または三重結合を含む化合物の両方を包含すべきである。フルオロケトンの少なくとも部分的にフッ化されたアルキル鎖は、直鎖状または分枝状であってもよく、または環を形成してもよい。この環は、必要に応じて1つ以上のアルキル基で置換されてもよい。例示的な実施形態において、フルオロケトンは、パーフルオロケトンである。さらなる例示的な実施形態において、フルオロケトンは、分枝アルキル鎖、特に少なくとも部分的にフッ化された分枝アルキル鎖を有する。さらに別の例示的な実施形態において、フルオロケトンは、完全飽和化合物である。
別の態様によれば、本発明に係る絶縁媒体は、4〜12個の炭素原子を有するフルオロケトンを含むことができ、フルオロケトンの少なくとも部分的にフッ化されたアルキル鎖は、環を形成し、この環は、必要に応じて1つ以上のアルキル基によって置換される。
特に好ましくは、絶縁媒体は、ちょうど5つまたはちょうど6個の炭素原子を有するフルオロケトンまたはそれらの混合物を含む。7個以上の炭素原子を有するより長い鎖長を有するフルオロケトンに比べて、5つまたは6個の炭素原子を有するフルオロケトンは、比較的低い沸点という利点を有し、運転条件下の液化を回避することができる。それにも関わらず、このフルオロケトンの沸点は、本発明の液化装置による液化を可能にするのに十分高い。
実施形態によれば、フルオロケトンは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された以下の構造式により定義された化合物からなる群から選択された少なくとも1つの化合物である。
5つ以上の炭素原子を有するフルオロケトンは、一般的に非毒性であり、人間に対して高安全率を有するため、さらに有利である。対照的には、3つ以下の炭素原子を有するフルオロケトン、例えば、ヘキサフルオロアセトン(またはヘキサフルオロプロパノン)は、毒性を有し、非常に反応性である。具体的には、ちょうど5個の炭素原子を有するフルオロケトン(本明細書ではフルオロケトンa)と略称する)およびちょうど6個の炭素原子を有するフルオロケトンは、500℃まで熱的に安定である。
具体的な実施形態によれば、本発明に係る絶縁媒体、具体的にはちょうど5個の炭素原子を有するフルオロケトンは、背景ガス、具体的には、空気、空気成分、窒素、酸素、炭酸ガス、窒素酸化物(具体的には、例えばNO、NO、NOを含むがこれらに限定されない)、およびこれらの混合物からなる群から選択された背景ガスを含むことができる。
本発明の実施形態において、分枝アルキル鎖を有するフルオロケトン、特にフルオロケトンa)は、アルキル直鎖を有する対応の化合物(すなわち、同様の分子式を有する化合物)に比べて、より低い沸点を有するため、好ましい。
実施形態によれば、フルオロケトンa)は、パーフルオロケトンある。具体的には、フルオロケトンa)は、分子式C10Oを有し、すなわち、炭素原子間の二重結合または三重結合を有しなく、完全に飽和されている。好ましくは、フルオロケトンa)は、1,1,1,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブタン−2−オン(デカフルオロ−2−メチルブタン−3−オンとも呼ばれる)、1,1,1,3,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン−2−オン、1,1,1,2,2,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン−3−オン、およびオクタフルオロシクロペンタノンから成る群から選択することができ、最も好ましくは、フルオロケトンa)は、1,1,1,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブタン−2−オンである。
1,1,1,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブタン−2−オンは、以下の構造式(I)で表すことができる。
1,1,1,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブタン−2−オンは、本明細書では「C5−ケトン」と略称され、分子式CFC(O)CF(CFまたはC10Oを有する。C5−ケトンは、高誘電率絶縁性能とう利点を有し、特に誘電性キャリアガスと混合すると、非常に低いGWPおよび低い沸点を有するため、高電圧および中電圧絶縁応用に特に好ましいということが判明された。C5−ケトンは、0というODPを有し、実質的に非毒性である。
実施形態によれば、異なるフルオロケトン化合物を混合することによって、より高い断熱性能を達成することができる。実施形態において、上述したように、ちょうど5個の炭素原子を有し、本明細書においてフルオロケトンa)と略称されたフルオロケトン、およびちょうど6個の炭素原子またはちょうど7個の炭素原子を有し、本明細書においてフルオロケトンc)と略称されたフルオロケトンは、同時に誘電性絶縁体の一部に好適的になることができる。従って、各々が絶縁媒体の絶縁強度に寄与する2つ以上のフルオロケトンを含む絶縁媒体を達成することができる。
実施形態において、フルオロケトンc)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された以下の構造式により定義された化合物からなる群から選択された少なくとも1つの化合物、
並びにちょうど6個の炭素原子を有する任意のフルオロケトンであって、フルオロケトンの少なくとも部分的にフッ化されたアルキル鎖が1つ以上のアルキル基により置換された環を形成しているフルオロケトン(IIh)、
および/または少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された以下の構造式により定義された化合物からなる群から選択された少なくとも1つの化合物、特にドデカフルオロ−シクロヘプタノン、
並びにちょうど7個の炭素原子を有する任意のフルオロケトンであって、フルオロケトンの少なくとも部分的にフッ化されたアルキル鎖が1つ以上のアルキル基により置換された環を形成しているフルオロケトン(IIIo)を含む。
本発明は、構造式(Ia)〜(Ii)、(IIa)〜(IIh)および(IIIa)〜(IIIo)を有する化合物およびそれらの混合物からなる群から選択された各化合物またはその群から選択された化合物の各組合わせを含む。
別の態様によれば、本発明に係る絶縁媒体は、ちょうど6個の炭素原子を有するフルオロケトンを含むことができる。フルオロケトンの少なくとも部分的にフッ化されたアルキル鎖は、環を形成しており、この環は、必要に応じて1個以上のアルキル基で置換される。
上述したように、このような絶縁媒体は、背景ガス、具体的には、空気、空気成分、窒素、酸素、炭酸ガス、窒素酸化物(NO、NO、NOを含むがこれらに限定されない)、およびこれらの混合物からなる群から選択された背景ガスを含むことができる。また、このような絶縁媒体を含む電気装置が開示される。
さらに別の態様によれば、本発明に係る絶縁媒体は、ちょうど7個の炭素原子を有するフルオロケトンを含むことができる。フルオロケトンの少なくとも部分的にフッ化されたアルキル鎖は、環を形成しており、この環は、必要に応じて1個以上のアルキル基で置換される。また、上述したように、このような絶縁媒体は、背景ガス、具体的には、空気、空気成分、窒素、酸素、炭酸ガス、窒素酸化物(NO、NO、NOを含むがこれらに限定されない)、およびこれらの混合物からなる群から選択された背景ガスを含むことができる。また、このような誘電性絶縁流体を含む電気装置が開示される。
本発明に係る絶縁媒体は、構造式(Ia)〜(Ii)、(IIa)〜(IIh)、(IIIa)〜(IIIo)を有する化合物およびそれらの混合物からなる群から選択された各化合物またはその群から選択された化合物の各組合わせを含む絶縁媒体を含み、このような絶縁媒体は、背景ガス、具体的には、空気、空気成分、窒素、酸素、炭酸ガス、窒素酸化物(NO、NO、NOを含むがこれらに限定されない)、およびこれらの混合物からなる群から選択された背景ガスをさらに含むことができる。また、このような絶縁媒体を含む電気装置が開示される。
本発明の装置の電気的構成要素の具体的な用途に応じて、ちょうど6個の炭素原子を有するフルオロケトン(上述した「フルオロケトンc)の定義に該当する)が各々の絶縁空間区画にとって好ましい場合がある。このようなフルオロケトンは、非毒性であり、人間に対して高安全率を有する。
実施形態において、フルオロケトンa)と同様に、フルオロケトンc)は、パーフルオロケトンであり、および/または分枝アルキル鎖、特に少なくとも部分的にフッ化された分枝アルキル鎖を有し、および/またはフルオロケトンc)は、完全飽和化合物を含有する。特に、フルオロケトンc)は、分子式C12Oを有し、すなわち、炭素原子間の二重結合または三重結合を有さず、完全に飽和されている。より好ましくは、フルオロケトンc)は、1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−3−オン(ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オンとも呼ばれる)、1,1,1,3,3,4,5,5,5−ノナフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン−2−オン(ドデカフルオロ−4−メチルペンタン−2−オンとも呼ばれる)、1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ペンタン−2−オン(ドデカフルオロ−3−メチルペンタン−2−オンとも呼ばれる)、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−3,3−ビス−(トリフルオロメチル)ブタン−2−オン(ドデカフルオロ−3,3−(ジメチル)ブタン−2−オンとも呼ばれる)、ドデカフルオロヘキサン−2−オン、ドデカフルオロヘキサン−3−オンおよびデカフルオロシクロヘキサノン(分子式C10Oを有する)からなる群から選択することができ、特に、フルオロケトンc)は、上記の1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−3−オンである。
1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−3−オン(ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オンとも呼ばれる)は、以下の構造式(II)で表すことができる。
1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン−3−オン(本明細書では「C6−ケトン」と略称され、分子式CC(O)CF(CFを有する)は、高い絶縁性および極端に低いGWPを有するため、高電圧絶縁応用に特に好ましいということが判明された。具体的には、C6−ケトンの減圧破壊電界強度は、約240kV/(cm・bar)であり、非常に低い誘電強度(Ecr=25kV/(cm・bar))を有する空気よりもはるかに高い。また、C6−ケトンは、0というオゾン破壊係数を有し、且つ、非毒性である。したがって、C6−ケトンは、SFよりも環境にはるかに低い影響を与えるとともに、人間に対して高い安全率を有する。
上述したように、有機フッ素化合物は、フルオロオレフィン、具体的にはハイドロフルオロオレフィンであってもよい。より具体的には、フルオロオレフィンまたはハイドロフルオロオレフィン、ちょうど3個の炭素原子を含んでもよい。
一実施形態によれば、ハイドロフルオロオレフィンは、1,1,1,2−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、1,2,3,3−テトラフルオロ−2−プロペン(HFO−1234yc)、1,1,3,3−テトラフルオロ−2−プロペン(HFO−1234zc)、1,1,1,3−テトラフルオロ−2−プロペン(HFO−1234ze)、1,1,2,3−テトラフルオロ−2−プロペン(HFO−1234ye)、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225ye)、1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225yc)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225zc)、(Z)1,1,1,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234zeZ)、(Z)1,1,2,3−テトラフルオロ−2−プロペン(HFO−1234yeZ)、(E)1,1,1,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234zeE)、(E)1,1,2,3−テトラフルオロ−2−プロペン(HFO−1234yeE)、(Z)1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225yeZ)、(E)1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225yeE)、およびそれらの組合わせからなる群から選択される。
上述したように、有機フッ素化合物は、フルオロニトリル、特にパーフルオロニトリルであってもよい。具体的には、有機フッ素化合物は、フルオロニトリルであって、特に2個の炭素原子、3個の炭素原子または4個の炭素原子を有するパーフルオロニトリルであってもよい。
より具体的には、フフルオロニトリルは、パーフルオロアルキルニトリルであって、特にパーフルオロアセトニトリル、パーフルオロプロピオニトリル(CCN)および/またはパーフルオロブチロニトリル(CCN)であってもよい。
最も具体的には、フルオロニトリルは、(分子式(CFCFCNを有する)パーフルオロイソブチロニトリルであってもよく、および/または(分子式CFCF(OCF)CNを有する)パーフルオロ−2−メトキシプロパンニトリルであってもよい。そのうち、パーフルオロイソブチロニトリルは、低毒性のため、特に好ましい。
好ましくは、本発明の電気装置は、高電圧または中電圧装置であり、電気装置の電気部品は、高電圧または中電圧部品である。
具体的には、電気装置は、スイッチ装置、特にガス絶縁スイッチ装置(GIS)、ガス絶縁スイッチ装置の一部または部品、バスバー、ブッシング、ケーブル、ガス絶縁ケーブル、ケーブル継手、ガス絶縁送電線(GIL)、変成器、電流変成器、電圧変成器、サージ避雷器、接地スイッチ、断路器、断路器および接地スイッチの複合装置、負荷開閉スイッチ、回路遮断器、ガス絶縁スイッチ、高電圧装置、中電圧装置、低電圧装置、直流装置、空気絶縁絶縁体、ガス絶縁金属封止絶縁体、センサ、蓄電器、インダクタ、抵抗器、電流制限器、高電圧スイッチ、ガス回路遮断器、真空回路遮断器、発電機回路遮断器、中電圧スイッチ、環状主回路ユニット、再閉路器、分割器、低電圧スイッチ、配電変成器、電力変成器、タップ切換器、変成器ブッシング、電力半導体装置、電力変換装置、変電所、変電建物、計算機、これらの装置の部品および/または組合わせからなる群から選択される。
特に好ましい実施形態によれば、電気装置は、変圧器タンクを備えた変圧器である。この変圧器タンクは、装置のハウジングを形成する。
更なる実施形態によれば、残留ガスまたはその一部は、再導入される任意の他の成分、特に再導入される任意の有機フッ素化合物とは別々に絶縁空間に再導入される。この実施形態によれば、再導入の前に、残留ガスと分離された有機フッ素化合物とを混合しない。
更なる実施形態によれば、残留ガスのみが絶縁空間に再導入される。この実施形態によれば、工程c)において残留ガスから分離された有機フッ素化合物は、絶縁空間に再導入されない。
本発明の方法のこれらの特定の特徴によれば、本発明の電気装置は、ハウジングに設けられたガス入口開口に流体的に接続され、残留ガスを絶縁空間に再導入するように設計されたガス再循環チャネルを含む。具体的には、ガス循環経路は、好ましくは、分離された有機フッ素化合物の供給を行うための入口接続部を有しない。
したがって、これらの実施形態に係る電気装置は、米国特許第5701761号の教示からより明白に区別される。米国特許第5701761号の教示によれば、主に気相からなる軽質流体の低温混合物が、主に液相からなる重質流体と混合され、その後、この混合物は、天然ガスを冷却するための装置に使用される。
本発明は、添付の図面によってさらに示される。
本発明の例示的な実施形態に従って、電気装置と物質再生装置とを含む組立品を概略的に示す。
図1に示すように、本発明に係る組立品内の電気装置10は、電気装置内部空間を囲むハウジング12を備える。
電気装置の内部空間は、電気部品14を配置するための絶縁空間16を形成するまたは絶縁空間16を含む。電気部品14は、例えば、対応するブッシングによってハウジング12の材料から絶縁された導体18a、18bに各々接続することができる。有機フッ素化合物および背景ガスを含む絶縁媒体22は、電気部品14を取り囲み、したがって、電気部品14をハウジング12から隔離すると共に、電気的に絶縁する。
ハウジング12には、絶縁空間16から初期ガス混合物を移送するための出口開口26が設けられている。初期ガス混合物は、有機フッ素化合物および少なくとも1つの更なる成分を含む。詳しくは、この更なる成分は、背景ガスまたは背景ガス成分であってもよいが、有機フッ素化合物から生成された分解生成物であってもよい。
装置10には、物質再生装置30がさらに設けられる。物質再生装置30は、対応する接続部品(図示せず)を介して、ハウジング12に接続される。出口開口26は、物質再生装置30の一次ガスチャネル28に開口している。一次ガスチャネル28は、絶縁空間16を物質再生装置30の分離器34に流体的に接続する。前述の分離器34は、初期ガス混合物の少なくとも1つの残留成分、具体的には背景ガスから、有機フッ素化合物を分離するように設計されている。
出口開口26と分離器34との間には、分離器34に流入する前の初期混合物のガス流から、固体または液体の不純物を除去するように設計された濾過器32を配置することができる。
分離器34は、上述した圧縮機25を備える。圧縮機25は、ガス流発生装置として機能すると共に、初期混合ガスを圧縮するように設計されている。分離器34は、圧縮機25に流体的に接続され且つ下流側に配置された冷却装置35をさらに備える。
冷却装置35は、熱交換器36と凝縮器37とを含む。熱交換器36は、凝縮器37に流体的に接続され、圧縮機25による圧縮の結果として加熱された初期ガス混合物を凝縮器37に移送前に予冷却するように設計されている。
分離器34において、液化した有機フッ素化合物は、相分離によって、絶縁媒体の背景ガスを含む残留ガスから分離される。分離器34によって分離された有機フッ素化合物を回収するために、分離器34は、有機フッ素化合物回収装置38をさらに備える。有機フッ素化合物回収装置38は、例えば、図1に概略的に示すように漏斗の形状を有する。図示の実施形態において、有機フッ素化合物回収装置38は、有機フッ素化合物を貯蔵するために有機フッ素化合物貯蔵タンク40に案内する。
物質再生装置30の分離器34からは、ガス再循環チャネル46が分岐している。ガス再循環チャネル46は、背景ガス、この場合に少量の有機フッ素化合物のみを含む背景ガスを絶縁空間16に再導入するために、ハウジング12に設けられたガス入口開口50に案内するように設計されている。この目的のために、分離器34に、残留ガスを膨張させるように設計されたバランスバルブ48を配置する。絶縁空間16に再導入する前に背景ガスを浄化するために、膨張弁48の下流側且つガス入口開口50の上流側に、二次濾過器491の形をした背景ガス処理装置49を配置する。
より具体的には、図1に示す特定の実施形態は、電気装置10に関連する。当該装置の絶縁空間16は、約20mの体積を有し、1,1,1,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブタン−2−オン(「C5−ケトン」)と空気との混合物を含む絶縁媒体を含有する。充填物の総圧力は、20℃で約1.2バールである。この場合、C5−ケトンの含量が約30%である。したがって、ハウジング内のC5−ケトンの分圧は、約360ミリバール(mbar)である。
圧縮機25を用いて、吸引によって初期ガス混合物のガス流を生成する。ガス流は、一次ガスチャネル28に流入し、一次ガスチャネル28に配置されたバルブ27によって調節される。したがって、初期ガス混合物は、再生直前に絶縁空間16に存在する絶縁媒体22に相当する。再生の間に、絶縁空間16内の圧力は、約850ミリバールに低下する。
抽出された初期ガス混合物は、圧縮機25に流入する前に、バルブ27の下流側に配置された濾過器32を通過する。ガスは、圧縮機25によって圧縮され、特定の場合、約7.4バールに圧縮される。このようにして、現時点では、すなわち、再生プロセスを開始する時に、C5−ケトンの分圧を2.2バールに増加する。
その後、圧縮された初期ガス混合物は、熱交換器36に移送される。熱交換器36は、圧縮されたガスを適度の温度、すなわち、概ね環境温度に予冷却する。したがって、初期ガス混合物の断熱圧縮による温度上昇は、熱交換器36によって少なくとも部分的に補償される。
次に、予冷却された初期ガス混合物は、有機フッ素化合物を液化するための凝縮器37に移送される。この凝縮器は、冷却トラップの原理に従って、初期ガス混合物を能動的に冷却するように設計されている。理想的には、初期ガス混合物を約−38℃の温度まで冷却する。−38℃では、理想的な熱伝達を達成すれば、圧縮されたガスに含まれるC5−ケトンの約40ミリバールのみが気相に留まる。換言すると、約97%のC5−ケトン気体が最適条件下で液化するため、C5−ケトンの分圧は、約2.16ミリバールに低下する。液化したC5−ケトンは、有機フッ素化合物回収装置38により回収され、有機フッ素化合物貯蔵ライン39を介して貯蔵タンク40に移送される。
凝縮器37を通過した背景ガスは、少なくとも有機フッ素化合物を実質的に含まず、ガス循環路46に案内され、バランスバルブ48によって絶縁空間16内に存在する圧力まで膨張させられる。背景ガスは、絶縁空間に流入する前に、別のバルブ51を通って案内され、ガスリサイクル流を調節する。
10 電気装置、12 ハウジング、14 電気部品、16 絶縁空間、18a,18b 導体、22 絶縁媒体、25 圧縮機、26 出口開口、27 一次ガスチャネルに配置されたバルブ、28 一次ガスチャネル、30 物質再生装置、32 濾過器、34 分離器、35 冷却装置、36 熱交換器、37 凝縮器、38 有機フッ素化合物回収装置、39 有機フッ素化合物貯蔵ライン、40 有機フッ素化合物貯蔵タンク、46 ガス再循環チャネル、48 膨張弁,バランスバルブ、49 背景ガス処理装置、491 二次濾過器、50 背景ガスを再導入するためのガス入口開口、51 ガス再循環チャネルに配置されたバルブ。

Claims (37)

  1. 電気エネルギーの生成、伝送、配給および/または使用を行うための電気装置(10)の絶縁媒体(22)から、少なくとも1つの物質を再生するための方法であって、前記絶縁媒体(22)は、有機フッ素化合物および少なくとも1つの更なる気相成分を含み、前記方法は、以下の工程、すなわち、
    a)前記絶縁媒体(22)の前記有機フッ素化合物と前記少なくとも1つの更なる成分とを含む初期ガス混合物を、前記電気装置(10)の絶縁空間(16)から物質再生装置(30)に移送する工程と、
    b)前記初期ガス混合物を圧縮し(工程b1)、前記圧縮された初期ガス混合物を前記有機フッ素化合物の液化温度まで冷却すること(工程b2)によって、前記物質再生装置(30)内の前記有機フッ素化合物を液化する工程と、
    c)前記初期ガス混合物の少なくとも1つの残留成分を含む残留ガスから、前記液化した有機フッ素化合物を分離する工程と、
    d)バランスバルブ(48)を介して前記残留ガスを膨張させ、前記残留ガスの少なくとも一部を前記絶縁空間(16)に再導入する工程とを含む、方法。
  2. 工程b)において、前記有機フッ素化合物のみが液化される、請求項1に記載の方法。
  3. 工程b1)において、前記初期ガス混合物は、2バール〜20バール、好ましくは5バール〜10バール、最も好ましくは約9バールの圧力まで圧縮される、請求項1〜2のいずれか1項に記載の方法。
  4. 工程b2)において、前記初期ガス混合物は、0℃未満、好ましくは−10℃未満、より好ましくは−20℃未満、更により好ましくは−30℃未満、最も好ましくは約−38℃の温度まで冷却される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記初期ガス混合物は、工程b1)の後且つ工程b2の前に予冷却される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記初期ガス混合物は、前記物質再生装置(30)の分離器(34)に移送される前に、濾過器(32)によって液体不純物および/または固体不純物を除去するように精製される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記方法は、工程c)の後に、
    e)前記再生装置(30)の有機フッ素化合物回収装置(38)によって、前記液化された有機フッ素化合物を回収する工程をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記方法は、工程c)の後または必要に応じて工程d)および/またはe)の後に、
    f)前記有機フッ素化合物を前記物質再生装置(30)の有機フッ素化合物貯蔵タンク(40)に搬送して貯蔵する工程をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記絶縁空間(16)をパージすることにより、前記初期ガス混合物を移送することで、前記初期ガス混合物を前記絶縁空間(16)から強制的に排出する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記残留ガスは、前記絶縁空間(16)に再導入される前に精製される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 工程b1)に従って前記初期ガス混合物を圧縮することによって生成された熱を用いて、前記残留ガスを前記絶縁空間(16)に再導入する前に加熱する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記残留ガスまたはその一部は、再導入される任意の他の成分、特に再導入される任意の有機フッ素化合物とは別々に絶縁空間に再導入される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記残留ガスのみが前記絶縁空間に再導入される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 特に電気装置(10)の絶縁空間(16)に含まれる初期ガス混合物の少なくとも1つの物質を再生するために、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法を実施するための物質再生装置(30)であって、
    前記物質再生装置(30)は、前記初期ガス混合物の少なくとも1つの残留成分から、有機フッ素化合物を分離するための分離器(34)を備え、
    前記分離器(34)は、前記有機フッ素化合物を液化するための凝縮器(37)を有する冷却装置(35)と組み合わせて使用される圧縮機(25)を含み、
    前記圧縮機(25)は、前記電気装置(10)から前記物質再生装置(30)に前記初期ガス混合物を移送する方向から見たときに、前記凝縮器(37)の上流側に配置され、前記初期ガス混合物を前記凝縮器(37)に移送する前に当該初期ガス混合物を圧縮するように設計され、
    前記物質再生装置(30)は、前記残留ガスを前記絶縁空間(16)に再導入するために、前記電気装置(10)のハウジング(12)に設けられたガス入口開口に流体的に接続されるガス再循環チャネル(46)を備える、物質再生装置(30)。
  15. 前記ガス再循環チャネル(46)は、前記分離された有機フッ素化合物の供給を行うためのいかなる入口接続部も有しない、請求項14に記載の物質再生装置(30)。
  16. 前記分離器(34)を前記電気装置(10)の前記絶縁空間(16)に流体的に接続するための手段(26,28;50)を備える、請求項14〜15のいずれか1項に記載の物質再生装置(30)。
  17. 前記物質再生装置(30)は、前記物質再生装置(30)から前記電気装置(10)に前記初期ガス混合物を移送する方向から見たときに、前記凝縮器(37)の下流側に配置され、前記初期ガス混合物が前記凝縮器(37)を通過した後に、前記残留ガスを膨張させるように設計されているバランスバルブ(48)をさらに備える、請求項14〜16のいずれか1項に記載の物質再生装置(30)。
  18. 前記圧縮機(25)は、前記初期ガス混合物を最大圧力pmaxまで圧縮するように設計され、
    前記最大圧力pmaxは、圧縮によって生じた最大温度Tmaxが前記有機フッ素化合物の分解温度よりも低くなるように選択される、請求項14〜17のいずれか1項に記載の物質再生装置(30)
  19. 前記圧縮機(25)は、前記初期ガス混合物を2バール〜20バール、好ましくは5バール〜10バール、最も好ましくは約9バールの圧力まで圧縮するように設計されている、請求項14〜18のいずれか1項に記載の物質再生装置(30)。
  20. 前記凝縮器(37)は、前記有機フッ素化合物のみを液化するように特に構成されている、請求項14〜19のいずれか1項に記載の物質再生装置(30)。
  21. 前記凝縮器(37)は、初期ガス混合物を0℃未満、好ましくは−10℃未満、より好ましくは−20℃未満、更により好ましくは−30℃未満、最も好ましくは約−38℃の温度まで冷却するように設計されている、請求項14〜20のいずれか1項に記載の物質再生装置(30)。
  22. 前記凝縮器(37)は、前記温度を0℃よりも高く上昇させ、特に前記凝縮器(37)を除氷するための加熱要素をさらに含む、請求項14〜21のいずれか1項に記載の物質再生装置(30)。
  23. 前記冷却装置(35)は、前記初期ガス混合物を前記凝縮器(37)に移送する前に予冷却するための熱交換器(36)、特に板状熱変換器(36)をさらに含む、請求項14〜22のいずれか1項に記載の物質再生装置(30)。
  24. 前記物質再生装置(30)は、前記分離器(34)によって分離された前記有機フッ素化合物を回収するための有機フッ素化合物回収装置(38)をさらに備える、請求項14〜23のいずれか1項に記載の物質再生装置(30)。
  25. 前記物質再生装置(30)は、前記分離器(34)によって分離された前記有機フッ素化合物を貯蔵するための少なくとも1つの有機フッ素化合物貯蔵タンク(40)をさらに備える、請求項14〜24のいずれか1項に記載の物質再生装置(30)。
  26. 前記初期ガス混合物を排出するための前記電気装置(10)の出口開口(26)と前記圧縮機(25)との間に配置され、前記圧縮機(25)に流入する前の前記初期ガス混合物のガス流から固体不純物および/または液体不純物を除去するように設計された濾過器(32)をさらに備える、請求項14〜25のいずれか1項に記載の物質再生装置(30)。
  27. 前記圧縮機(25)は、前記電気装置(10)の前記絶縁空間(16)をパージすることによって、前記絶縁空間(16)から前記初期ガス混合物を強制的に排出するように設計されている、請求項14〜26のいずれか1項に記載の物質再生装置(30)。
  28. 前記電気装置(10)の前記絶縁空間(16)をパージすることによって、前記絶縁空間(16)から前記初期ガス混合物を強制的に排出するように設計されたポンプをさらに備える、請求項14〜27のいずれか1項に記載の物質再生装置(30)。
  29. 組立品であって、
    A)電気エネルギーの生成、伝送、配給および/または使用を行うための電気装置(10)と、
    B)請求項14〜28のいずれか1項に記載の物質再生装置(30)とを含み、
    前記電気装置(10)は、電気装置内部空間を囲むハウジング(12)を備え、前記電気装置内部空間の少なくとも一部は、少なくとも1つの絶縁空間(16)を含み、前記絶縁空間(16)には、電気部品(14)が配置され、前記絶縁空間(16)は、前記電気部品(14)を取り囲む絶縁媒体(22)を含み、前記絶縁媒体(22)は、有機フッ素化合物および少なくとも1つの更なる気相成分を含み、
    前記電気装置(10)の前記ハウジングには、前記絶縁空間(16)から初期ガス混合物を移送するための出口開口(26)が設けられ、前記初期ガス混合物は、前記絶縁媒体(22)の前記有機フッ素化合物および少なくとも1つの更なる成分を含み、
    前記物質再生装置(30)は、前記初期ガス混合物を移送する方向に対して前記出口開口(26)の下流側に配置され、前記物質再生装置(30)の前記分離器(34)から少なくとも1つのガス再循環チャネル(46)を分岐し、前記ガス再循環チャネル(46)は、バランスバルブ(48)を介して、前記初期ガス混合物の背景ガスを前記電気装置(10)の前記絶縁空間(16)に再導入するために、前記電気装置(10)の前記ハウジング(12)に設けられたガス入口開口(50)に流体的に接続され、前記背景ガスは、前記有機フッ素化合物を少なくとも本質的に含まず、前記バランスバルブ(48)は、前記背景ガスを前記絶縁空間(16)に再導入する前に膨張させるように設計されている、組立品。
  30. 前記初期ガス混合物は、成分調整される直前に前記絶縁空間(16)に存在している前記絶縁媒体(22)と少なくとも本質的に同様である、請求項29に記載の組立品。
  31. 特に前記絶縁空間(16)に再導入される前記背景ガスを精製するために、前記ガス入口開口(50)の上流側に背景ガス処理装置(49)を配置し、より特定的に、前記背景ガス処理装置(49)は、前記有機フッ素化合物および/またはその分解生成物を吸着できるゼオライトであるまたはそれを含む、請求項29〜30のいずれか1項に記載の組立品。
  32. 前記有機フッ素化合物は、フルオロエーテル、特にハイドロフルオロモノエーテル、フルオロケトン、フルオロオレフィン、特にハイドロフルオロオレフィン、フルオロニトリル、特にパーフルオロニトリル、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項29〜31のいずれか1項に記載の組立品。
  33. 前記絶縁媒体(22)は、少なくとも3個の炭素原子を有するハイドロフルオロモノエーテルを含む、請求項29〜32のいずれか1項に記載の組立品。
  34. 前記絶縁媒体(22)は、4〜12個の炭素原子、好ましくはちょうど5個の炭素原子または6個の炭素原子を有するフルオロケトンまたはそれらの混合物を含む、請求項29〜33のいずれか1項に記載の組立品。
  35. 前記少なくとも1つの更なる成分、より特定的には前記背景ガスは、空気、空気成分、窒素、酸素、炭酸ガス、窒素酸化物、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項29〜34のいずれか1項に記載の組立品。
  36. 前記電気部品(14)は、高電圧もしくは中電圧装置または高電圧もしくは中電圧部品である、請求項29〜35のいずれか1項に記載の組立品。
  37. 前記装置(10)は、スイッチ装置、特にガス絶縁スイッチ装置(GIS)、前記ガス絶縁スイッチ装置の一部または部品、バスバー、ブッシング、ケーブル、ガス絶縁ケーブル、ケーブル継手、ガス絶縁送電線(GIL)、変成器、電流変成器、電圧変成器、サージ避雷器、接地スイッチ、断路器、断路器および接地スイッチの複合装置、負荷開閉スイッチ、回路遮断器、あらゆる種類のガス絶縁スイッチ、高電圧装置、中電圧装置、低電圧装置、直流装置、空気絶縁絶縁体、ガス絶縁金属封止絶縁体、センサ、蓄電器、インダクタ、抵抗器、電流制限器、高電圧スイッチ、ガス回路遮断器、真空回路遮断器、発電機回路遮断器、中電圧スイッチ、環状主回路ユニット、再閉路器、分割器、低電圧スイッチ、配電変成器、電力変成器、タップ切換器、変成器ブッシング、電力半導体装置、電力変換装置、変電所、変電建物、計算機、これらの装置の部品および/または組合わせからなる群から選択される、請求項29〜36のいずれか1項に記載の組立体。
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