本開示の方法及び組成物は、それに包含される以下の特定の実施形態の詳細な説明及び実施例並びに図及びそれらの前出の及び後述する説明を参照することによって理解が容易となり得る。
本開示の方法及び組成物は、特記されない限り、特別な合成方法、特別な分析手法、又は特定の試薬に限定されず、従って異なり得ることが理解されるべきである。また、本明細書で使用される用語法は特定の実施形態を説明することを目的としており、限定する意図はないことも理解されるべきである。
2つ以上の配列特異的PNAハイブリダイゼーションプローブのセットを使用して核酸断片の混合物から1つ以上の大型核酸断片(それぞれ2,000塩基対長〜40,000塩基対長)を標的化してエンリッチし得ることが発見された。例えば、2つ以上の配列特異的PNAハイブリダイゼーションプローブのセットを使用してゲノムDNA断片混合物から1つ以上の大型二本鎖DNA断片を標的化してエンリッチすることができる。
定義
本明細書で使用されるとき、「エンリッチする」及び「エンリッチメント」は、存在する又は当初存在した他の構成成分と比べたある構成成分の比率の増加を指す。核酸に関連して、試料中の核酸のエンリッチメントとは、試料中の他の分子と比べた試料中のその核酸の比率の増加を指す。「選択的エンリッチメント」は、同じタイプの他の構成成分と比べた特定の構成成分のエンリッチメントである。核酸断片に関連して、特定の核酸断片の選択的エンリッチメントとは、試料中に存在する又は当初存在した他の核酸断片と比べた試料中の特定の核酸断片の比率の増加を指す。エンリッチメントの尺度は種々の方法で参照することができる。例えば、エンリッチメントは、全ての構成成分のうち、エンリッチした構成成分が占める割合として記述することができる。例えば、エンリッチ核酸試料中では特定の核酸断片をそのエンリッチ核酸試料の少なくとも90%にエンリッチすることができる。
本明細書で使用されるとき、「核酸断片」は、大きい核酸分子の一部分を指す。「隣接核酸断片」は、大きい核酸分子の単一の連続的な隣接配列に相当する核酸断片を指す。「天然に存在する核酸断片」は、天然に存在する核酸配列の単一の連続的な隣接配列に相当する核酸断片を指す。
本明細書で使用されるとき、「DNA断片」は、大きいDNA分子の一部分を指す。「隣接DNA断片」は、大きいDNA分子の単一の連続的な隣接配列に相当するDNA断片を指す。「天然に存在するDNA断片」は、天然に存在するDNA配列の単一の連続的な隣接配列に相当するDNA断片を指す。
本明細書で使用されるとき、「変性核酸」又は「変性DNA」は、それより前に存在していた「天然」又は「非変性」状態と比べて変性している核酸を指す。例えば、天然に存在するdsDNA鎖などの二本鎖核酸は、2本の対応する一本鎖核酸鎖に分離されているときに完全に変性している。核酸の変性は、塩又はdsDNAの融解温度を上回る高温への曝露、又はdsDNAと抗体又は酵素などの変性剤分子との相互作用によるなど、化学的又は物理的手段によって生じさせることができる。変性は、例えば部分的に又は実質的に変性したDNAをもたらす部分的変性であってもよく、又は完全に変性したDNAをもたらす完全な変性であってもよい。部分的又は完全な変性を受けたことのない核酸は、変性したことがないdsDNAなど、「変性したことがない核酸」と称される。
本明細書で使用されるとき、「天然に存在する」は、それが自然中に存在するとおりの対応する分子と同じ構造又は配列を有する分子を指す。天然に存在する分子又は配列は、それが別の分子又は配列に結合している又は組み込まれているときでもなお天然に存在すると見なすことができる。
本明細書で使用されるとき、「核酸試料」は、核酸分子を含有するか又は含有すると疑われる溶液などの組成物を指す。「エンリッチ核酸試料」は、核酸、特定の核酸断片、又はこれらの組み合わせがエンリッチされている核酸試料である。
本明細書で使用されるとき、「DNA試料」は、DNA分子を含有するか又は含有すると疑われる溶液などの組成物を指す。「エンリッチDNA試料」は、DNA、特定のDNA断片、又はこれらの組み合わせがエンリッチされているDNA試料である。
本明細書及び結末の特許請求の範囲において組成物又は物品中の特定の要素又は構成成分の重量部の表現は、重量部が表される組成物又は物品中におけるその要素又は構成成分と任意の他の要素又は構成成分との間の重量関係を示す。従って、2重量部の構成成分X及び5重量部の構成成分Yを含有する化合物において、X及びYは2:5の重量比で存在し、化合物中に更なる構成成分が含まれるかどうかに関わらずかかる比で存在する。
構成成分の重量パーセントは、特に反する旨が明記されない限り、その構成成分が含まれる製剤又は組成物の総重量を基準とする。
本明細書で使用されるとき、化学種の「残基」は、部分が実際にその化学種から得られるかどうかに関わらず、特定の反応スキームにおいて結果として生じたその化学種の生成物又は続く製剤若しくは化学的生成物である部分を指す。従って、ポリマー中のエチレングリコール残基とは、エチレングリコールがポリエステルの調製に用いられたかどうかに関わらず、ポリマー中の1つ以上の−OCH2CH2O−単位を指す。別の例として、モノマーサブユニットのポリマーでは、組み込まれているモノマーサブユニットを非重合モノマーの残基と称することができる。
本明細書で使用されるとき、用語「ヌクレオチド」は、塩基部分、糖部分及びリン酸部分を含有する分子を指す。ヌクレオチドはそのリン酸部分及び糖部分を介して互いに連結し、ヌクレオシド間連結を作り出し得る。ヌクレオチドの塩基部分は、アデニン−9−イル(A)、シトシン−1−イル(C)、グアニン−9−イル(G)、ウラシル−1−イル(U)、及びチミン−1−イル(T)であり得る。ヌクレオチドの糖部分はリボース又はデオキシリボースである。ヌクレオチドのリン酸部分は五価リン酸である。ヌクレオチドの非限定的な例としては、3’−AMP(3’−アデノシン一リン酸)又は5’−GMP(5’−グアノシン一リン酸)があり得る。当該技術分野で利用可能且つ本明細書で利用可能なこの種の分子は多岐にわたる。
本明細書で使用されるとき、用語「ヌクレオチド類似体」は、塩基、糖、又はリン酸部分に対してある種の修飾を含むヌクレオチドを指す。ヌクレオチドに対する修飾は当該技術分野において周知であり、例えば、5−メチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、及び2−アミノアデニン並びに糖又はリン酸部分における修飾が含まれ得る。当該技術分野で利用可能且つ本明細書で利用可能なこの種の分子は多岐にわたる。
本明細書で使用されるとき、用語「ヌクレオチド代替物」は、ヌクレオチドと同様の機能特性を有するが、リン酸部分を含まないヌクレオチド分子を指す。例示的ヌクレオチド代替物はペプチド核酸(PNA)である。ヌクレオチド代替物は、ワトソン−クリック又はフーグスティーン方式で核酸を認識するが、リン酸部分以外の部分を介して互いに連結している分子である。ヌクレオチド代替物は、適切な標的核酸と相互作用すると二重ヘリックス型構造に従うことが可能である。当該技術分野で利用可能且つ本明細書で利用可能なこの種の分子は多岐にわたる。また、他の種類の分子(コンジュゲート)をヌクレオチド又はヌクレオチド類似体に連結して、例えばDNAとの相互作用を増進させることも可能である。コンジュゲートはヌクレオチド又はヌクレオチド類似体に化学的に連結させることができる。例示的コンジュゲートとしては、限定はされないが、コレステロール部分などの脂質部分が挙げられる(Letsinger,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86:6553−6556(1989))。当該技術分野で利用可能且つ本明細書で利用可能なこの種の分子は多岐にわたる。
本明細書で使用されるとき、用語「ワトソン−クリック相互作用」は、ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、又はヌクレオチド代替物のワトソン−クリック面との少なくとも1つの相互作用を指す。ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、又はヌクレオチド代替物のワトソン−クリック面は、プリンベースのヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、又はヌクレオチド代替物のC2、N1、及びC6位並びにピリミジンベースのヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、又はヌクレオチド代替物のC2、N3、C4位を含む。
本明細書で使用されるとき、用語「フーグスティーン相互作用」は、ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体のフーグスティーン面(二重鎖DNAの主溝において露出している)で起こる相互作用を指す。フーグスティーン面はプリンヌクレオチドのN7位及びC6位における反応基(NH2又はO)を含む。
本明細書で使用されるとき、用語「オリゴヌクレオチド」又は「ポリヌクレオチド」は、複数のヌクレオチドサブユニットを含む合成又は単離核酸ポリマーである。
本明細書で使用されるとき、用語「非天然アミノ酸」は、天然アミノ酸と同様の構造を有して天然アミノ酸の構造及び反応性を模倣する有機化合物を指す。本明細書に定義するとおりの非天然アミノ酸は、概して、その非天然アミノ酸を天然アミノ酸の代わりに用いるとき又はペプチドに組み込むとき、ペプチドの特性(例えば、選択性、安定性)を増加させるか又は増進する。
本明細書で使用されるとき、用語「ペプチド」は、共に化学的に結合したアミノ酸で構成される化合物のクラスを指す。一般に、アミノ酸はアミド結合(CONH)で共に化学的に結合している。しかしながら、アミノ酸は、当該技術分野において公知の他の化学結合によって共に結合してもよい。例えば、アミノ酸はアミン連結によって結合してもよい。本明細書で使用されるとおりのペプチドには、アミノ酸のオリゴマー並びにポリペプチドを含めた小さい及び大きいペプチドが含まれる。
用語「修飾された」は、多くの場合に本明細書ではポリマーを記載するために用いられ、典型的には純ポリマーを構成し得る特定のモノマー単位が、置き換えられたモノマー単位と共通の重合能を共有する別のモノマー単位に置き換えられていることを意味する。従って、例えば、ポリ(エチレングリコール)中のグリコールをジオール残基で置換することが可能であり、この場合、ポリ(エチレングリコール)はジオールで「修飾」されることになる。ポリ(エチレングリコール)があるモル百分率のジオールで修飾される場合、次にはかかるモル百分率は、純ポリマー中に存在し得る、但しその修飾についてのグリコールの総モル数を基準とする。従って、50モル%がジオールで修飾されているポリ(エチレングリコール)において、ジオール残基とグリコール残基と等モル量で存在する。
用語の相同性及び同一性は類似性と同じことを意味する。従って、例えば、2つの非天然配列間に相同性という語句の使用が用いられる場合、それは必ずしもこれらの2つの配列間の進化的関係を指しているのでなく、むしろそれらの核酸配列間の類似性又は関連性に注目していることが理解される。2つの進化的に関連性のある分子間の相同性を決定する方法の多くは、進化的関連性の有無に関わらず配列類似性を計測する目的で任意の2つ以上の核酸又はタンパク質に常法的に適用される。
一般に、本開示のオリゴヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、又はそのヌクレオチド代替物及び本明細書に開示されるタンパク質の任意の公知の変異体及び誘導体又は現れる可能性のあるそれらを定義する1つの方法は、特異的な公知の配列との相同性の点でその変異体及び誘導体を定義することによることが理解される。本明細書に開示される特定の配列のこの同一性についてはまた、本明細書の他の部分でも考察される。一般に、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、又はそのヌクレオチド代替物及び本明細書に開示されるタンパク質の変異体は、典型的には、挙げられる配列又は天然配列と少なくとも約70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、又は99パーセントの相同性を有する。当業者は、2つのタンパク質又は核酸、例えば遺伝子の相同性をどのように決定すればよいかを容易に理解する。例えば、相同性は、2つの配列を相同性がその最も高いレベルとなるようにアラインメントした後に計算することができる。相同性を計算する別の方法は、既発表のアルゴリズムによって実施することができる。比較のための配列の最適アラインメントは、Smith and Waterman Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所相同性アルゴリズムによるか、Needleman and Wunsch,J.MoL Biol.48:443(1970)の相同性アラインメントアルゴリズムによるか、Pearson and Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:2444(1988)の類似性検索方法によるか、これらのアルゴリズムのコンピュータ実装によるか(Wisconsin Genetics Software PackageのGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA、Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,WI)、又は目視検査によって行うことができる。核酸についても、例えば、Zuker,M.Science 244:48−52,1989、Jaeger et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:7706−7710,1989、Jaeger et al.Methods Enzymol.183:281−306,1989(これらは、少なくとも核酸アラインメントに関係する資料について、本明細書において参照により援用される)に開示されるアルゴリズムにより、同じタイプの相同性を得ることができる。これらの方法のいずれも典型的には用い得ること、及び特定の例ではこれらの様々な方法の結果が異なり得ることが理解されるが、しかし、当業者は、これらの方法の少なくとも1つで同一性が見出された場合、それらの配列が挙げられる同一性を有すると言うことができ、及び本明細書に開示されるであろうことを理解する。例えば、本明細書で使用されるとき、別の配列と特定のパーセント相同性を有すると記載される配列は、上記の計算方法の任意の1つ以上によって計算したとき、記載される相同性を有する配列を指す。例えば、Zukerの計算方法を用いて第1の配列が第2の配列と80パーセントの相同性を有すると計算される場合、他の計算方法のいずれかによって計算したとき、第1の配列が第2の配列と80パーセントの相同性を有しない場合であっても、第1の配列は第2の配列と、本明細書において定義するとき、80パーセントの相同性を有する。別の例として、Zukerの計算方法及びPearson and Lipmanの計算方法の両方を用いて第1の配列が第2の配列と80パーセントの相同性を有すると計算される場合、Smith and Watermanの計算方法、Needleman and Wunschの計算方法、Jaegerの計算方法、又は他の計算方法のいずれかによって計算したとき、第1の配列が第2の配列と80パーセントの相同性を有しない場合であっても、第1の配列は第2の配列と、本明細書において定義するとき、80パーセントの相同性を有する。更に別の例として、計算方法の各々を用いて第1の配列が第2の配列と80パーセント相同性を有すると計算される場合、第1の配列は第2の配列と、本明細書において定義するとき、80パーセントの相同性を有する(しかしながら、実際には、異なる計算方法によって異なる相同性パーセンテージ計算結果となることが多いであろう)。
本明細書で使用されるとき、第2の記述の「あらゆる残基間」(部分によって誘導体化されている残基など)に第1の記述の残基(部分によって誘導体化されていない残基など)が幾つかの数あるという表現は、間にいかなる他の第2の記述の残基も有しないあらゆる2個の第2の記述の残基の間に、指定される数の第1の記述の残基が存在することを意味する。従って、例えば、プローブT*gTgC*cTccC*gTtTT*gTcC*(配列番号6)が、異なる位置において、部分によって誘導体化されている残基の間で0、1、又は2個の残基が部分によって誘導体化されていないプローブの例である。ある第2の記述の残基がプローブの末端の前にある最後の第2の記述の残基(これは第2の記述の末端近位残基と称することができる)である場合、あらゆる第2の記述の残基間に第1の記述の残基が幾つかの数あるという表現は、末端近位残基とプローブの末端との間の残基には適用されない。従って、第2の記述の残基間の平均間隔は内部の間隔のみに有効であり、各末端とそのそれぞれの第2の記述の末端近位残基との間の第1の記述の残基は考慮しない。
第2の記述の末端近位残基とプローブの末端との間にある第1の記述の残基は、第1の記述のフランキング残基と称することができる。例えば、プローブT*gTgC*cTccC*gTtTT*gTcC*(配列番号6)は、末端近位誘導体化残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間に部分によって誘導体化されていない合計0個の残基を有し、従って部分によって誘導体化されていない0個のフランキング残基を有する。別の例として、プローブcT*tCaT*CtCgT*cTaC*aaT*a(配列番号10)は、末端近位誘導体化残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間に部分によって誘導体化されていない合計2個の残基を有し、従って部分によって誘導体化されていない2個のフランキング残基を有する。別の例として、プローブagT*CgTtC*tTcT*aTCaT*cT(配列番号20)は、末端近位誘導体化残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間に部分によって誘導体化されていない合計2個の残基を有し、従って部分によって誘導体化されていない2個のフランキング残基を有する。
別の例として、プローブT*gTgC*cTccC*gTtTT*gTcC*(配列番号6)は、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない合計0個の残基を有し、従って荷電部分によって誘導体化されていない0個のフランキング残基を有する。別の例として、プローブcT*tCaT*CtCgT*cTaC*aaT*a(配列番号10)は、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない合計1個の残基を有し、従って荷電部分によって誘導体化されていない1個のフランキング残基を有する。別の例として、プローブagT*CgTtC*tTcT*aTCaT*cT(配列番号20)は、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない合計4個の残基を有し、従って荷電部分によって誘導体化されていない4個のフランキング残基を有する。
材料
本開示の方法に使用することのできる材料、組成物、及び構成成分が開示される。これら及び他の材料が本明細書に開示され、これらの材料の組み合わせ、サブセット、相互作用、グループ等が開示されるとき、これらの化合物の各種々の個別的及び集合的組み合わせ及び並べ替えの具体的な言及は明示的には開示されないこともあるが、各々が具体的に企図され、及び本明細書に記載されることが理解される。例えば、ペプチド核酸(PNA)ハイブリダイゼーションプローブの対応するセットが開示及び考察され、及びプローブの各々のペプチド核酸を含む幾つもの分子に行うことのできる幾つもの修飾が考察される場合、具体的に反する旨が指示されない限り、可能性のあるペプチド核酸及び修飾のそれぞれの組み合わせ及び並べ替えが具体的に企図される。従って、あるクラスの修飾A、B、及びCが開示され、並びにあるクラスの分子D、E、及びFと組み合わせ分子A−Dの例とが開示される場合、このとき、各々が個別に記載されていない場合であっても、各々が個別的及び集合的に企図される。従って、この例では、A、B、及びC;D、E、及びF;及び例示的な組み合わせA−Dの開示から、組み合わせA−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−E、及びC−Fの各々が具体的に企図され、且つそれが開示されていると見なすべきである。同様に、これらの任意のサブセット又は組み合わせも具体的に企図及び開示される。従って、A、B、及びC;D、E、及びF;及び例示的な組み合わせA−Dの開示から、例えば、A−E、B−F、及びC−Eのサブグループが具体的に企図され、且つそれが開示されていると見なされるべきである。更に、上記のとおり企図及び開示される材料、組成物、構成成分等の各々はまた、具体的に及び独立に、かかる材料の任意のグループ、サブグループ、リスト、セット等に包含し又はそれから除外することもできる。これらの概念は、限定はされないが、本開示の組成物の作製及び使用方法におけるステップを含め、本願の全ての態様に適用される。従って、実施し得る種々の追加的なステップがある場合、これらの追加的なステップの各々は本開示の方法の任意の具体的な実施形態又は実施形態の組み合わせと共に実施し得ること、及びかかる各組み合わせが具体的に企図され、且つそれが開示されていると見なされるべきであることが理解される。
A.化合物
1.PNAハイブリダイゼーションプローブ
PNAハイブリダイゼーションプローブ(PNAプローブ)は、少なくとも1つのペプチド核酸残基を含む核酸塩基対合残基のオリゴマーであり、二本鎖DNAにインベージョンして標的配列とワトソン−クリック塩基対合でハイブリダイズするように設計され、及びその能力を有する。一部の形態において、PNAプローブは1つ以上のキャプチャタグを含む。一部の形態において、PNAプローブは核酸断片内の配列を標的化するように設計される。一部の形態において、PNAプローブは1つ以上のキャプチャタグを含む。一部の形態において、PNAプローブは核酸断片内の配列を標的化するように設計される。一部の形態において、PNAプローブは、(a)アルファ炭素、ベータ炭素、ガンマ炭素、若しくはこれらの組み合わせで荷電部分によって誘導体化されている1個以上のペプチド核酸残基、(b)アルファ炭素、ベータ炭素、ガンマ炭素、若しくはこれらの組み合わせで中性部分によって誘導体化されている1個以上のペプチド核酸残基、又は(c)これらの組み合わせを含む。
一部の形態において、PNAプローブは、アルファ、ベータ、又はガンマ炭素で荷電部分によって独立に誘導体化されている2〜6個のペプチド核酸残基を含む。一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の1個以上がガンマ炭素で荷電部分によって誘導体化されている。一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の全てがガンマ炭素で荷電部分によって誘導体化されている。一部の形態において、荷電部分の1つ以上がリジンである。一部の形態において、荷電部分の全てがリジンである。一部の形態において、荷電部分の1つ以上がL−リジンである。一部の形態において、荷電部分の全てがL−リジンである。
一部の形態において、PNAプローブは、アルファ、ベータ、又はガンマ炭素で短鎖オリゴエチレン部分によって誘導体化されている1個以上のペプチド核酸残基を含む。一部の形態において、PNAプローブは、アルファ、ベータ、又はガンマ炭素で短鎖オリゴエチレン部分によって独立に誘導体化されている1〜19個のペプチド核酸残基を含む。一部の形態において、短鎖オリゴエチレン部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の1個以上がガンマ炭素で短鎖オリゴエチレン部分によって誘導体化されている。一部の形態において、短鎖オリゴエチレン部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の全てがガンマ炭素で短鎖オリゴエチレン部分によって誘導体化されている。一部の形態において、短鎖オリゴエチレン部分の1個以上がジエチレングリコールである。一部の形態において、短鎖オリゴエチレン部分の全てがジエチレングリコールである。
一部の形態において、PNAプローブの1つ以上が、独立に、ペプチド核酸残基の塩基部分として擬似相補的核酸塩基を有する1個以上のペプチド核酸残基を含むことができる。一部の形態において、PNAプローブの1つ以上が、独立に、ペプチド核酸残基の塩基部分として擬似相補的核酸塩基を有する1〜22個のペプチド核酸残基を含むことができる。一部の形態において、PNAプローブの全てが、独立に、ペプチド核酸残基の塩基部分として擬似相補的核酸塩基を有する1〜22個のペプチド核酸残基を含むことができる。
一部の形態において、擬似相補的核酸塩基は、プソイドウリジン(5−リボシルウラシル);7−デアザ−2’−デオキシグアノシン;2,6−ジアミノプリン−2’−デオキシリボシド;N4−エチル−2’−デオキシシチジン;2−チオチミジン;2−アミノアデニン;2−アミノプリン−リボシド;2,6−ジアミノプリン−リボシド;2’−デオキシイソグアノシン;及び5−ヒドロキシメチル−2’−デオキシシチジンからなる群から独立に選択される。
一部の形態において、ペプチド核酸残基の塩基部分として擬似相補的核酸塩基を有する1個以上のペプチド核酸残基を含むPNAプローブの1つ以上は、1つ以上のPNAプローブのセット中のPNAプローブのサブセットである。一部の形態において、1つ以上のPNAプローブのセット中のPNAプローブのサブセットは、1つ以上のPNAプローブのセット中の他のPNAプローブの1つ以上との相互作用能を有すると予想される1つ以上のPNAプローブのセット中のPNAプローブのサブセットを含む。一部の形態において、1つ以上のPNAプローブのセット中のPNAプローブのサブセットは、1つ以上のPNAプローブのセット中の他のPNAプローブの1つ以上との相互作用能を有すると予想される1つ以上のPNAプローブのセット中のPNAプローブのサブセットである。
一部の形態において、キャプチャタグはビオチン又はストレプトアビジンである。一部の形態において、PNAプローブは末端PNA残基の少なくとも1つで1個以上のアミノ酸によって誘導体化されている。一部の形態において、PNAプローブは末端PNA残基の少なくとも1つで2個以上のリジン残基によって誘導体化されている。
一部の形態においてハイブリダイゼーションプローブは、ガンマ位で中性及び荷電部分によって修飾されたPNAモノマーを組み合わせるペプチド核酸(PNA)オリゴマーを含む。
荷電及び中性ガンマ修飾の組み合わせを含む2つ以上のPNAハイブリダイゼーションプローブのセットは、任意の核酸配列(DNA又はRNA配列など)を標的化するように設計することができる。例えば、PNAプローブは、全ゲノムDNA試料など、高度に複雑な核酸試料からの特定の遺伝子、核酸断片、又はDNA断片にユニークな標的ヌクレオチド配列と相補的であるように設計することができる。標的核酸配列は任意の好適な長さであってよい。例えば、標的核酸配列は8〜30ヌクレオチド長、典型的には15〜25ヌクレオチドであってもよい。好ましい核酸標的配列は18〜22ヌクレオチド長(端点を含む)、例えば20ヌクレオチド長である。
一部の形態において、PNAプローブは、最適溶解度、高速のハイブリダイゼーション反応速度、DNAハイブリダイゼーション後の高い融解温度、並びに良好なミスマッチ識別のため、ガンマMini−PEG修飾を有するPNAモノマーとガンマL−リジン修飾を有するPNAモノマーとを組み合わせるように設計される。正電荷リジン残基が他のPNA分子と接触すると電荷斥力が起こる。このため、2つ以上のガンマ−L−リジン修飾を有するPNAプローブは、種々のDNA標的をインベージョンするように設計された何千もの異なるPNA配列を含む混合物中に存在する異なる配列の他のプローブとの分子間ハイブリダイゼーション会合を起こしにくいものと思われる。例示的PNAプローブを表1に提供する。各ハイブリダイゼーションプローブがビオチン部分などの1つ以上のキャプチャタグを含み、例えばアフィニティークロマトグラフィーによる標的核酸断片の単離が可能である。各ハイブリダイゼーションプローブが任意選択で、水溶解度を増進させるアミノ酸付加物、例えば2つのリジン残基を含む。
PNAハイブリダイゼーションプローブは、概して合成有機化学者に公知の技法を用いて容易に合成することができる。
i.標的核酸配列
特異的核酸標的配列のエンリッチメント用のキャプチャプローブとして短いPNAプローブを設計して使用することができる。本開示の方法に係る配列特異的核酸キャプチャのハイブリダイゼーションプローブの設計には、各異なる標的核酸断片内にある2つ以上の標的配列の情報が必要である。典型的には、短いPNAハイブリダイゼーションプローブに対する複数の個別の標的配列が、大きい核酸分子によく見られる。
用語「k−mer」は短い核酸配列を指し、ここで、「k」は、ヌクレオチド塩基の短いストリングにおける位置の数を意味する。典型的には、本開示の方法に係る使用向けに設計されたあるプローブのセット中の各プローブは、核酸試料中に存在する配列においてユニークな短い(好ましくは18〜22塩基)ヌクレオチド配列と相補的でなければならない。例えば、ゲノムDNA断片のエンリッチメントについて、プローブは、そのゲノム中に存在する配列においてユニークな短い(好ましくは18〜22塩基)ヌクレオチド配列と相補的でなければならない。
典型的には、ハイブリダイゼーションプローブは、同じ所望のDNA断片内のヌクレオチド配列を標的化する2つ以上のプローブの対応するセットとして設計される。記載される方法によって核酸断片を標的化するように設計された異なるハイブリダイゼーションプローブの最適な数は、標的化する核酸断片のサイズに応じて変わり得る。好ましくは、20,000塩基対長以下の断片の標的化には2つ以上のプローブを使用することができ、30,000塩基対長以下の断片の標的化には3つ以上のプローブを使用することができ、及び40,000塩基対長以下の断片の標的化には4つ以上のプローブを使用することができる。
標的DNAの各鎖とハイブリダイズすることにより対で機能するPNAプローブを設計することが可能である。従って、好ましくはないが、2つ以上の標的配列は標的核酸断片内の、例えば、重複している、部分的に重複している、又は重複していない隣接又は連続配列であり得る。一部の形態において、重複している、部分的に重複している、又は両方の標的配列は除外され得る。一部の形態において、2つ以上の標的配列は1ヌクレオチド以上隔てられている。一部の形態において、ハイブリダイゼーションプローブは、標的核酸の二重鎖インベージョン又は三重鎖インベージョンを誘導するように設計される。従って、好ましくはないが、ハイブリダイゼーションプローブは、標的核酸断片上に部分的に重複している、又は重複していない2つ以上の標的配列を含み得る。一部の形態において、標的核酸の三重鎖インベージョンの誘導能を有する、標的核酸の三重鎖インベージョンを誘導するように設計される、又は両方のハイブリダイゼーションプローブは除外され得る。一部の形態において、好ましくはないが、2つのハイブリダイゼーションプローブの対応する対がパリンドローム(自己相補的)配列を含み、標的DNA断片のダブル二重鎖インベージョン方法において使用することができる。
ユニークでない標的配列を有するハイブリダイゼーションプローブは、ゲノム中の複数の配列を標的化し、インベージョンし、及びキャプチャすることができる。従って、一部の形態において、本開示の方法に係る使用向けに設計された2つ又はプローブのセットは、1塩基のみ異なるゲノム中のk−merの数が0であるDNA配列とセット中の各プローブが相補的であるときに最も特異的に多重化二本鎖DNA配列キャプチャを果たす。プローブセット中の各プローブによるキャプチャは、2塩基のみ異なるゲノム中のk−merの数が0であるとき、より特異的である。プローブセット中の各プローブによるキャプチャは、3塩基のみ異なるゲノム中のk−merの数が0であるとき、更により特異的である。バイオインフォマティクスツールを使用して、所望のユニークさ要件:1又は2又は更には3個のミスマッチだけ異なる近縁配列が他のゲノム位置にないことを満たす候補プローブ配列をゲノムにおいて同定することができる。
ヒトゲノムの配列情報用のバイオインフォマティクスツールは、複数のソース、例えば、国際ヒトゲノムマッピングコンソーシアム(International Human Genome Mapping Consortium)によって開発されたUCSCデータベース(バージョンhg12;2002年6月28日)(インターネットサイトgenome.ucsc.edu/goldenPath/28jun2002)から利用可能である。
好ましくは、プローブ候補は、自己フォールディング能を有して安定二次構造を形成するk−merを含まない。これらのk−merは、熱力学的に安定した自己フォールディング配置となって動きが取れなくなるため、標的配列と相互作用する可能性が低い。
望ましくない自己フォールディング性k−merを同定するコンピュータプログラムが利用可能である。ユニークで、またストランドインベージョンによる特異的ターゲティング及びキャプチャに好適でもある、典型的には18〜22塩基長の短いk−mer配列は、10,000塩基対に1,000個未満の頻度で存在し得る。
典型的には、本開示の方法に係る使用向けに設計されたハイブリダイゼーションプローブのDNA標的配列は、比較的低い融解温度を有することによって特徴付けられる。例えば、ゲノム中の20隣接ヌクレオチドの配列について、Santa Lucia,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,Vol.95,pp.1460−1465(1998)によって記載されるとおり、各ジヌクレオチドに特有のエントロピー及びエンタルピーの値を用いて予想融解温度を計算することができる。従って、30,000塩基対の例示的ゲノムドメインでは、各20塩基対の29,980個のk−merを数え上げることができる。コンピュータベースのアルゴリズムを使用して、このゲノムインターバルにおける29,980個全てのk−merの予測融解温度を計算することができる。
本開示の方法に係る有用な20塩基DNA標的配列は、全ての計算された20塩基DNA融解温度の最も低い半分(50%)に属する融解温度を有することによって特徴付けられる。特に、本発明に係る20塩基DNA標的配列は、全ての計算された20塩基DNA融解温度の最も低い3分の1(33%)に属する融解温度を有することによって特徴付けられる。
単一の反応容積中で複数のハイブリダイゼーションプローブを使用するためには、セット中のプローブ配列はいずれも互いにハイブリダイズできないことが好ましい。この要件は、全てのプローブ対の可能なあらゆる組み合わせの間の可能な各PNA配列アラインメントが少なくとも3個のミスマッチ塩基、又はより好ましくは少なくとも4個のミスマッチ、又はより好ましくは少なくとも5個のミスマッチ、又は更により好ましくは少なくとも6個のミスマッチを有する場合に満たされる。当該技術分野において公知の任意のコンピュータプログラムを使用して数千個のプローブ候補のセット中の全てのPNAプローブ候補間における交差反応の可能性を調べ、プローブ対がいずれも、プローブ間交差ハイブリダイズしない好ましい条件を満たすことを確かめ得る。
a.例示的標的
標的特異的エンリッチメントの例示的標的配列には、特異的ゲノム、例えばヒトゲノムの1つ以上の構成成分が含まれる。標的化してエンリッチすることのできる例示的ヒトゲノムDNAには、MHC領域に位置するDNAが含まれる。例えば、詳細な形態において、標的配列には、6番染色体のMHC領域に位置するヒトゲノムDNAの遺伝要素が含まれる。
一部の形態において、標的特異的エンリッチメントの標的配列には、1つ以上の特異的な免疫学的特徴又は表現型に関連することが知られるMHCのゲノム成分が含まれる。例示的な免疫学的特徴又は表現型としては、自己免疫疾患素因を有すること、又は自己免疫疾患症状を示すことが挙げられる。従って、一部の形態において、標的配列は、ゲノムDNAのうち、配列変異が自己免疫疾患などの免疫学的特徴と関連付けられる領域をエンリッチする。自己免疫疾患に関係する配列変異と関連付けられる例示的遺伝子としては、とりわけ、DRB1及びDQA1遺伝子が挙げられる。従って、一部の形態において、標的ゲノムDNA断片には、DRB1遺伝子、又はDRB1遺伝子の断片が含まれる。一部の形態において、標的ゲノムDNA断片には、DQA1遺伝子、又はDQA1遺伝子の断片が含まれる。一部の形態において、標的DNA断片としては、DQA1遺伝子、又はDQA1遺伝子の断片及びDRB1遺伝子、又はDRB1遺伝子の断片が挙げられる。例示的ゲノム標的領域は90,000塩基長であり、ゲノム座標chr6:32522981〜32612981(ヒトゲノムビルドhg19を基準とした座標)にわたる。一部の形態において、標的ヒトゲノムDNAは6番染色体の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)領域に位置し、例えば、DRB1及びDQA1遺伝子である。
一部の形態において、標的ゲノムDNAは、ヒトFOXP3(フォークヘッドボックスP3、調節性T細胞に発現する)プロモーターの−22,000塩基上流から始まってFOXP3プロモーターの18,000塩基下流で終わる領域にわたる40,000塩基ウィンドウを含む。従って、一部の形態において標的ゲノムDNAは、ヒトFOXP3遺伝子、又はFOXP3遺伝子の断片を含む。例示的ゲノム標的領域は、ゲノム座標chrX:49103288〜49143288(ヒトゲノムビルドhg19を基準とした座標)にわたる配列である。この領域からの例示的標的ゲノムDNAには、ゲノム内で互いに平均5,714塩基対離れている7つの配列が含まれる。
一部の形態において、標的配列は、1つ以上の疾患若しくは病態に関連するか、又は1つ以上の疾患若しくは病態の発症と既知の相関を有する(即ち、疾患リスクと関連付けられる)遺伝要素を含む。例示的疾患は、自己免疫疾患、糖尿病、及びメタボリックシンドローム、並びに癌である。例えば、詳細な形態において、標的配列には、自己免疫疾患の疾患リスクに関連するエンハンサーエレメント、又は糖尿病及びメタボリックシンドロームの疾患リスクに関連するエンハンサーエレメントの範囲内に位置する40又は50メガベースを上回るヒトゲノムDNAからの遺伝要素が含まれる。例えば、一部の形態において、標的DNAには、II型糖尿病などの重大な疾患に関連するエンハンサークラスターが含まれる。強力な膵島エンリッチ発現を有する遺伝子の近くにマッピングされた3,677個のエンハンサークラスターが同定されている(Pasquali et al.,Nat Genet.2014 Feb;46(2):136−43(2014))。従って、一部の形態において、標的DNAは30,000〜150,000塩基対のゲノムDNAウィンドウを含んでクラスター内の全てのエンハンサーを包含する。例えば、標的配列は、各クラスター内で互いから5,000〜7,000塩基の平均距離にあるユニーク配列であってもよい。
他の標的配列には、異なる白血球サブセットの分化に関連するエンハンサーエレメントが含まれる。
一部の形態において、標的配列には、ミトコンドリアDNAなど、単一のゲノムからの、又は同じ若しくは異なる種由来の2つ以上のゲノムの混合物からのゲノムDNAのサブセット全体が含まれる。例えば、詳細な形態において、標的配列には、ヒトミトコンドリアゲノムの構成成分が含まれる。一部の形態において、標的配列には、イヌミトコンドリアゲノム、又はネコミトコンドリアゲノムが含まれる。
更なる形態において、標的配列には、細菌、古細菌、真菌、原虫の1つ以上の種、又はこれらの2つ以上の混合物のゲノムDNAが含まれる。従って、標的配列は、ヒト口腔内に存在する細菌の1つ以上の種、ヒト気道内に存在する又はヒト泌尿生殖器管内に存在する又はヒト血液若しくは糞便中に存在することが知られる細菌の1つ以上の種のゲノムDNAの配列であり得る。
ii.ペプチド核酸(PNA)
ペプチド核酸(PNA)は、天然の核酸糖−リン酸骨格がN−(2−アミノエチル)グリシン単位に置き換えられている核酸模倣体である。従って、DNA及び他のDNA類似体と異なり、PNAはリン酸基又は五炭糖部分を含まない。メチルカルボニルリンカーが天然並びに異常(場合により)ヌクレオチド塩基をこの骨格にアミノ窒素で結び付ける。非修飾PNAは非イオン性でアキラルの中性分子であり、加水分解的(酵素的)切断を受けにくい。用語「非修飾PNA残基」は、N−(2−アミノエチル)−グリシン骨格を含むPNA残基を指す(式IIIを参照)。用語「誘導体化PNA」又は「修飾PNA」は、非修飾PNA構造の1つ以上の位置に1つ以上の置換又は誘導体化基を有するPNA残基を指す。
PNAは、当該技術分野において公知の任意の手段によって合成及び修飾することができる。典型的には、PNA合成手順は、標準的な固相手動又は自動合成を用いるペプチド合成に利用されるものと同様である。PNA及び修飾PNAを含めた化合物の作製及び誘導体化に好適な実験方法が、Bahal,et al.,Current Gene Therapy,Vol.14,No.5(2014);Bahal,et al.,Artificial DNA:PNA&XNA 4:2,49−57(2013);De Costa,et al.,PLOS One,Vol.8,(3)e58670(2013);Dragulescu−Andrasi,J.Am.Chem.Soc.128,10258−10267(2006);Englund,et al.,Org.Lett.,Vol.7,No.16,3465−3467(2005);Ishizuka,et al.,Nucleic acids Research,Vol.36,No.5,1464−1471(2008);Huang,et al.,Arch Pharm Res Vol 35,No 3,517−522,(2012);Kuhn,et al.,Artificial DNA:PNA&XNA 1:1,45−53(2010);Sugiyama,et al.,Molecules,18,287−310(2013);Sahu,et al.,J Org Chem.15;76(14):5614−5627(2011);及びYeh,et al.,J Am Chem Soc.;132(31):10717−10727(2010)(これらは全体として参照により援用される)に記載されている。
天然核酸と比べて変化しているにも関わらず、PNAはなおも、ワトソン−クリック水素結合則に従うDNA並びにRNAへの配列特異的結合能を有する。PNAは、DNA及びRNAに対するその高い結合親和性及び選択性に起因して、バイオセンシング及び治療薬を含めた多数の応用に可能性を示す。PNAは標的DNAと高度に安定した複合体を形成し、PNA−DNA複合体は、同じヌクレオチド配列によって形成された対応するDNA−DNA又はDNA−RNA二重鎖と比較したとき、より高い熱融解温度(Tm)を有する。加えて、PNAと標的DNAとのハイブリダイゼーションは塩濃度と事実上無関係に起こることができ、PNA−DNA二重鎖のTmは概して低イオン強度の影響を受けない。従って、PNAは、低イオン強度によって不安定化する二次構造に関わるDNA又はRNA配列とハイブリダイズすることができる。
DNAと対照的に、PNAは平行又は逆平行のいずれの様式でも結合することができ、PNAハイブリダイゼーションプローブは一本鎖DNA又は二本鎖DNAのいずれとも結合することになる。
PNAハイブリダイゼーションプローブは、インビトロでも、並びに生細胞においても、DNA二重鎖内の相補的標的配列のインベージョン能を有する。ペプチド核酸(PNA)による二本鎖DNAのストランドインベージョンについては、文献に広範に記載されている(Ito et al.,1992a;Ito,Smith,Cantor(1992b))。初期に発表されたDNAキャプチャへのPNAの使用例は、ホモプリンリッチ配列を含むDNA配列で容易に形成されるDNA三重鎖相互作用にPNA分子が関与する能力に依存するものである。例えば、PNAを使用してヒトゲノムライブラリから特異的配列リピートが単離され、並びに酵母ゲノムライブラリから単一コピークローンが単離された。しかしながら、ゲノム中の複数の種々の遺伝子座をキャプチャするのに十分に特異的な三重鎖プローブを設計することは困難であるため、PNA三重鎖相互作用は好ましくない。
PNAによるストランドインベージョンはインビトロでは、低塩濃度で効率が高く、生理的塩濃度では減速する。幾つかの方法がPNAベースのキャプチャによるDNAの配列特異的エンリッチメントに適用されている。例えば、ジアミノプリン−チオウラシル塩基対を含有するPNAは、「ダブル二重鎖インベージョン」と呼ばれる機構によって二本鎖DNA内の相補的標的に高い特異性及び効率で結合し、ここで、二重鎖が巻き戻され、且つ両方のDNA鎖が同時に、各々、擬似相補的塩基を含む異なるPNAによって標的化される(Lohse et.al,1999)(図1を参照)。擬似相補的塩基を各々含有する2つのPNAプローブを使用して特異的DNA配列を標的化するとき、これらの2つのPNAは擬似相補的塩基の立体的衝突に起因して互いにハイブリダイズすることはできない。対照的に、DNA鎖の各々との相互作用は高度に安定している。ダブル二重鎖インベージョンは、サラセミアに関連するβグロビン突然変異の標的化した修正への使用が成功している(Lonkar,et al.,2009)。
a.PNAの修飾
PNAプローブは、プローブの構造的及び機能的特徴を変化させる当該技術分野において公知の任意の手段により修飾されたPNAを含み得る。一部の形態において、PNAの化学修飾はPNAの1つ以上の構造特性を変化させる。
本明細書に記載される修飾のいずれかを含むPNAモノマーは、オリゴマーに組み込むことができる。従って、PNAプローブは、修飾PNAモノマー、非修飾PNAモノマー、及びこれらの組み合わせを含むPNAオリゴマーであり得る。一部の形態において、PNAプローブは、複数の様々に修飾されたPNAモノマーを含む。例えば、自己相補的PNAプローブの対応する対を修飾して、各対においてプローブによって形成されるPNA:PNA二重鎖の熱安定性を低下させてもよい。加えて、PNAプローブは、DNA−PNA二重鎖の配列特異性及び親和性が増進され;且つ非特異的相互作用が低下するように修飾されたPNAモノマーを含むことができる。
好ましくはないが、PNAオリゴマーにはビス−PNAオリゴマーが含まれ得る。ビス−PNAは特異的標的配列に結合してループアウトした一本鎖及び内部の三重鎖インベージョンされた複合体を形成する。ビス−PNAは、連続合成法で、8−アミノ−3,6−ジオキサオクタン酸又は6−アミノヘキサン酸のいずれかの複数単位で構成された可動性リンカーで2つのPNAセグメントをつなぎ合わせることにより調製し得る(Ray and Norden,The FASEB Journal,vol.14 no.9 1041−1060(2000))。一部の形態において、ビス−PNAオリゴマーは除外され得る。
(A)擬似相補的塩基
擬似相補的(PC)核酸塩基は、化学修飾に起因して互いとの二重鎖形成に対する親和性が大幅に低下した、しかし天然DNA又はRNA標的との強力な塩基対は保持しており、非修飾核酸に容易にハイブリダイズすることができる非標準塩基である。従って、pc核酸の差次的ハイブリダイゼーション特性は、ダブル二重鎖インベージョン戦略による二重鎖DNAの効率的な配列特異的ターゲティングをもたらす。DNA鎖インベージョンに擬似相補的インベージョンPNA対を利用すると、シングルインベージョンPNAと比較して、DNAキャプチャに用いられるプローブの総数が事実上二倍になる。
擬似相補的核酸塩基の非限定的なリストとしては、プソイドウリジン(5−リボシルウラシル);7−デアザ−2’−デオキシグアノシン;2,6−ジアミノプリン−2’−デオキシリボシド;N4−エチル−2’−デオキシシチジン;2−チオチミジン;2−アミノアデニン;2−アミノプリン−リボシド;2,6−ジアミノプリン−リボシド;2’−デオキシイソグアノシン;及び5−ヒドロキシメチル−2’−デオキシシチジンが挙げられる(式Iを参照)。擬似相補的インベージョンPNA対は、式IIに示すとおり、天然DNA塩基と安定したワトソン:クリック相互作用を形成するが、それらの間では安定した水素結合能を有しない(Lohse et al 1999)。例えば、ジアミノプリンはチミンと追加の水素結合を形成することができ、一方、ジアミノプリンとチオウラシルとの間には立体衝突が起こる。
一部の形態において、PNAプローブは、擬似相補的インベージョンPNA対に基づくキャプチャ方法で用いられるように設計される。例えば、PNAプローブを擬似相補的PNAによるダブル二重鎖インベージョン用に設計して、真核生物ゲノムからの複数の二本鎖DNAドメインの配列特異的キャプチャを達成することができる。
擬似相補的塩基は、単一のキャプチャ反応に多数の異なるPNAプローブがある場合にPNAプローブへの組み込みに有用であり得る。例えば、擬似相補的塩基は、何千ものPNAプローブを共に使用して多数の標的配列をキャプチャする場合に有用であり得る。特定のかかる形態において、擬似相補的塩基は、例えばPNAプローブの特定のサブセットにのみ組み込むことができる。例えば、擬似相補的塩基は、コンピュータ分析によって互いとの相互作用能を有すると予想されるPNAプローブのサブセットに組み込むことができる。かかるPNAプローブを使用すると、望ましくないプローブ間相互作用が減少し又はなくなり得る。一部の形態において、PNAプローブにおける擬似相補的塩基の使用は除外され得る。
一部の形態において、PNAプローブの1つ以上が、独立に、ペプチド核酸残基の塩基部分として擬似相補的核酸塩基を有する1個以上のペプチド核酸残基を含むことができる。一部の形態において、PNAプローブの1つ以上が、独立に、ペプチド核酸残基の塩基部分として擬似相補的核酸塩基を有する1〜22個のペプチド核酸残基を含むことができる。一部の形態において、PNAプローブの全てが、独立に、ペプチド核酸残基の塩基部分として擬似相補的核酸塩基を有する1〜22個のペプチド核酸残基を含むことができる。
一部の形態において、擬似相補的核酸塩基は、プソイドウリジン(5−リボシルウラシル);7−デアザ−2’−デオキシグアノシン;2,6−ジアミノプリン−2’−デオキシリボシド;N4−エチル−2’−デオキシシチジン;2−チオチミジン;2−アミノアデニン;2−アミノプリン−リボシド;2,6−ジアミノプリン−リボシド;2’−デオキシイソグアノシン;及び5−ヒドロキシメチル−2’−デオキシシチジンからなる群から独立に選択される。
一部の形態において、ペプチド核酸残基の塩基部分として擬似相補的核酸塩基を有する1個以上のペプチド核酸残基を含むPNAプローブの1つ以上は、1つ以上のPNAプローブのセット中のPNAプローブのサブセットである。一部の形態において、1つ以上のPNAプローブのセット中のPNAプローブのサブセットは、1つ以上のPNAプローブのセット中の他のPNAプローブの1つ以上との相互作用能を有すると予想される1つ以上のPNAプローブのセット中のPNAプローブのサブセットを含む。一部の形態において、1つ以上のPNAプローブのセット中のPNAプローブのサブセットは、1つ以上のPNAプローブのセット中の他のPNAプローブの1つ以上との相互作用能を有すると予想される1つ以上のPNAプローブのセット中のPNAプローブのサブセットである。
(B)PNAのキラル骨格修飾
一部の形態において、PNA骨格の構造の化学修飾により、PNAの機能的特性に変化を生じさせることができる。修飾することのできるPNAの機能的特性には、結合親和性、結合特異性、水溶解度、熱安定性、及びこれらの組み合わせが含まれる。例えば、PNA骨格のガンマ位に側鎖を付加すると、結合親和性が増加するように骨格をプレオーガナイズすることができ、アミノ酸構成要素の付加によって様々な化学的機能性を組み込むことが可能になり得る。元のアミノエチルグリシンPNA骨格の多数の化学修飾が公知である。一部を式IIIに示す。
PNAは、PNA骨格のグリシン部分をキラル部分に置換することによって修飾し得る。従って、一部の形態において、修飾されたPNAモノマーはキラルPNAモノマーである。修飾はPNAモノマーのアルファ(α)位、ベータ(β)位又はガンマ(γ)位にあってもよい(式IVを参照)。例えば、PNA骨格のグリシン部分をアラニンに置換してもよい(Nielsen et al.,1994)。
修飾キラルモノマーは、L型又はD型のキラルアミノ酸から合成してオリゴマーに組み込むことができる。従って、キラルPNAモノマーはL−PNA又はD−PNAモノマーの形態であり得る(Sugiyama and Kitatta,2013)。
PNAモノマーの異なるキラルアイソフォームは別個の機能特性を有し得る。従って、D型又はL型PNAモノマーを含有するPNA−DNA二重鎖の熱安定性は、グリシン骨格を有する元のPNAと同じであるか、同様であるか、又は異なり得る。例えば、D型モノマーを含有するPNA−DNA二重鎖の熱安定性は、グリシン骨格を有する元のPNAと同様であってもよく、一方、L型モノマーを含有するPNA−DNA二重鎖の熱安定性は、元のPNAを含有するPNA−DNA二重鎖と比べて低下していてもよい。
(C)PNA電荷の修飾
PNAモノマーの骨格における化学的置換は、負電荷又は正電荷を導入してもよい。例えば、正電荷側鎖を有するPNAはDNAとのより高い選択性を示し、一方、負電荷側鎖を有するPNAはRNAとのより高い選択性を示す(De Costa&Heemstra,2013,2014)。
荷電部分は、PNAプローブの定義付けられた位置に導入することができる。例えば、修飾はPNAモノマーのアルファ(α)位、ベータ(β)位又はガンマ(γ)位にあってもよい(式IVの化学構造を参照)。一部の形態において骨格の正味電荷は、イオン強度の関数として二重鎖安定性に影響を及ぼす支配的因子である。一部の形態において、電荷修飾PNA鎖は、観察される選択性の違いを説明付けるのに十分な局所的摂動をもたらす。例えば、アスパラギン酸及びリジンモノマーはやや異なる側鎖長を有し、リジンは荷電原子の2つの炭素がアスパラギン酸と比べてPNA骨格から更に離れて位置する(De Costa&Heemstra,2014)。
正電荷を導入する骨格修飾(例えばガンマリジン)を有するキラルPNAを含むPNAプローブは、ポリアミド骨格におけるヘリックスプレオーガニゼーションの誘導、並びに天然DNAの負電荷骨格との静電相互作用に起因して、向上した二本鎖DNAインベージョン特性を有する。従って、電荷修飾PNAを含むように設計されたPNAプローブは、均等な非修飾PNA鎖と比較して優れたDNAとの結合選択性を示す。従って、一部の形態において、PNAプローブは、電荷を導入する骨格修飾を有する1つ以上のPNAモノマーを含む。
DNA又はRNA標的とのPNA二重鎖の安定性は、塩濃度の変化に伴い変わり得る。低い塩濃度では、正電荷PNAプローブは負電荷PNAプローブよりも強力にDNA及びRNAに結合する。しかしながら、中間乃至高い塩濃度ではこの傾向が逆になり、負電荷PNAプローブが正電荷PNAプローブよりも高いDNA及びRNA親和性を示す。従って、溶液中での対イオンによる電荷スクリーニングにより、DNA及びRNAとの二重鎖安定性を低下させることなく負電荷側鎖をPNA骨格に組み込むことが可能になる。従って、アスパラギン酸などの負電荷側鎖の導入は、生理的イオン強度ではPNA結合親和性に著しく有害というわけではなく、PNAプローブは、結合親和性を低下させることなく負電荷を組み込むように設計することができる。
正電荷又は負電荷ガンマ側鎖を有する電荷修飾PNAの配列選択性は、当該技術分野において公知の任意の手段を用いて直接比較することができる。例えば、円偏光二色性(CD)試験は、側鎖修飾がPNA:DNA二重鎖の全体的な構造を有意に改変するかどうかを明らかにすることができる。
一部の形態において、PNAプローブは、ガンマ(γ)位におけるキラル荷電側鎖の付加によって修飾されたPNAモノマー(γ−PNA)を含む(式V)。
最初のガンマキラルPNAモノマーは1994年に報告され、及びγ−キラル単位を有するオリゴマーが2005年に報告された(Tedeschi et al.,2005、Englund et al.,2005)。セリンベース又はアラニンベースのγ−PNAの分光学的研究により、ガンマ骨格修飾が一本鎖PNAオリゴマーをPNA−DNA二重鎖のものと極めて類似した右回りのヘリックス構造にプレオーガナイズすることが確立された(Dragulescu,et al(2006))。ヘリックスの誘導は塩基スタッキングによって立体的にドライブされ、安定化する。従って、ガンマPNAはDNAを極めて高い親和性及び高い配列選択性で結合することができる。例えば、完全にガンマ修飾されたデカマーPNAは非常に安定したPNA−DNA二重鎖を形成し、非修飾PNAと比較して融解温度が19℃上昇した(Dragulescu,et al(2006))。PNAの完全なガンマ骨格修飾を有するPNA−DNA二重鎖の結晶構造は、ガンマPNAがDNAとのハイブリダイゼーション時にP−ヘリックスコンホメーションをとるのに十分な構造的完全性を維持しつつコンホメーション上の柔軟性を有することを示す(Yeh,et al.,2010)。一本鎖状態のガンマPNA(NMRによって決定される)とハイブリッド二重鎖状態のガンマPNA(X線結晶学によって決定される)とは、極めて類似したコンホメーションをとる。
従って、キラル骨格を有するPNA分子を使用して二本鎖DNAを標的化することにより、DNA三重鎖構造の形成に依存しない、ワトソン−クリックベースの対合によって媒介されるストランドインベージョンが可能である。例えば、15〜20ヌクレオチドの長さのガンマPNAは、いかなる補助剤もPNAに付加する必要なしに二重鎖DNAをインベージョンすることが示された(He et al.,2009)。
中性pHで荷電している例示的PNAモノマーは、正電荷側鎖lysl((CCH2)4NH2)基(即ちリジン側鎖)、又はチアリジン側鎖の付加によって修飾されたPNAモノマーである。一部の形態においてリジン側鎖はPNA骨格のガンマ位に付加される(ガンマリジン)。最適なPNA:DNAハイブリッド安定性のためのガンマ位における好ましいリジン異性体は、L−異性体(即ち、ガンマ−L−リジンPNA、式VI)である。
側鎖部分のキラリティーはPNAの構造に影響を及ぼし得る。例えば、ガンマリジン−PNAについて、L配置の側鎖は二重鎖の周囲に沿って配向し、一方、D配置は二重鎖の内側に向く。
一部の形態において、荷電PNAモノマーは、アルファリジンで修飾されたPNAモノマーである。アルファ位におけるD−リジン異性体は安定したPNA:DNAハイブリッドを生じさせるが、1ターンにつき16残基のPNA様のヘリックス構造を形成する(即ち、アルファ−D−リジンPNA;式VI)。
アルファ−D−リジンを利用する形態では、同じPNAプローブ分子におけるキラルPNAモノマーと短鎖オリゴエチレングリコールとの同時使用は、好ましくは、キラルアルファリジンとの適合性のため、PNA骨格のアルファ位にこの修飾を使用する。
好ましい荷電アミノ酸側鎖には、ガンマ−L−リジン及びガンマ−L−チアリジン(S−アミノエチル−L−システイン又はチオシン又はアミノエチルシステインとしても知られる)が含まれる。L−チアリジンはアミノ酸リジンの毒性類似体であり、ここで、アミノ酸R基(側鎖)の第2炭素が硫黄原子に置換されている。
L−チアリジンの重要な特性は、アミノR基のpKがリジンの約10.5とは対照的に約9.5であることである。L−チアリジンのより低いpKは、より効率的な溶出方法の考案に有用性があり得る。溶出ステップにおいてpHを9.75に維持することが可能な緩衝液を利用することにより、pHを10.5以上に維持することが可能な緩衝液を使用してキャプチャされた均等なDNA分子の放出に必要な温度と比べてより低い温度でキャプチャDNA分子の放出を達成することが可能である。これは、PNAプローブ中のL−チアリジン部分がpH9.75で脱プロトン化を起こし、その正電荷が失われ、結果として負電荷DNA骨格へのPNAプローブ結合を安定化させるイオン相互作用が弱まるためにそのようになる。
(D)PNAのガンマMiniPEG骨格修飾
一部の形態においてPNAプローブは、中性の非荷電mini−ポリエチレングリコールを導入する骨格のキラル修飾を有するPNA(PNA−Mini−PEG)を含む(式IX)。
典型的には、mini−PEG修飾は短鎖オリゴエチレングリコールを含む。例示的オリゴエチレングリコールには、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール等が含まれる。
PNA−Mini−PEGモノマーは、ポリアミド骨格にヘリックスプレオーガニゼーションを誘導する。従って、PNA−Mini−PEGモノマーを含むPNAプローブは、向上した二本鎖DNAインベージョン特性を有する。例えば、15〜20ヌクレオチドの長さのガンマPNAプローブは、いかなる補助剤もPNAに付加する必要なしに二重鎖DNAをインベージョンすることが示された(He et al.,2009)。短いポリエチレングリコール(Mini−PEG)を含有するガンマPNAは、ミスマッチ配列との非特異的結合を減少させることにより更に向上したDNA結合特性を有することが報告された(Bahal,et al.,2012)(式Xを参照)。
骨格のガンマ−MiniPEG修飾を有するキラルPNAプローブの実際的応用が、CCR5遺伝子の転写のアンチセンス阻害の分野(Bahal et al.,2013)並びに遺伝的欠陥を修正するゲノム編集の分野(Bahal et.al.,2014)で報告されている。これらの進歩にも関わらず、キラルPNAの応用に関する最新のレビューでは(Sugiyama et al.,2013)、配列キャプチャによるDNAエンリッチメントへのこれらのキラルPNA分子のいかなる応用可能性についても言及されていない。
典型的には、mini−PEG修飾は短鎖オリゴエチレングリコールを含む。例示的オリゴエチレングリコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール等が挙げられる。
有用なPNAプローブは、キラル骨格修飾、例えばガンマ位におけるキラル骨格修飾を含むように修飾されたPNAを含む。一部の形態において修飾は正電荷を導入する。PNAプローブはまた、短鎖オリゴエチレングリコールなどの中性オリゴマー部分によって修飾された骨格を有する残基も含むことができる。好ましい短鎖オリゴエチレン部分はジエチレングリコールである。
iii.キャプチャタグ
本開示のPNAハイブリダイゼーションプローブは、1つ以上のキャプチャタグを含むことができる。キャプチャタグは、キャプチャタグを有する化合物又は複合体を、それを有しないものと分離するために使用することのできる任意の化合物である。好ましくは、キャプチャタグは、リガンド結合分子又は抗体などの別の化合物に結合する又はそれと相互作用するリガンド又はハプテンなどの化合物である。また、ハプテンと抗体との間又はリガンドとリガンド結合分子との間など、キャプチャタグとキャプチャする成分との間のかかる相互作用が特異的相互作用であることも好ましい。
核酸プローブに関連して記載される好ましいキャプチャタグが、Syvnen et al.,Nucleic acids Res.,14:5037(1986)によって記載されている。好ましいキャプチャタグはビオチンであり、これは核酸に組み込むことができる。
本開示の方法において、アダプターインデクサー又は第2のアダプターに組み込まれるキャプチャタグは、試料断片(アダプターがカップリングしている)の基材によるキャプチャ、それへの付着、又はそれとのカップリングを可能にし得る。かかるキャプチャは断片の洗浄及び取り扱いの簡略化を可能にし、及び本方法の全て又は一部の自動化を可能にする。
基材上への試料断片のキャプチャは幾つかの方法で達成し得る。一部の形態において、基材にキャプチャドックを付着又はカップリングさせる。キャプチャドックは、断片上のキャプチャタグと結合又は相互作用することによって試料断片の付着を媒介する化合物又は部分である。基材上に固定化されたキャプチャドックが基材上への断片のキャプチャを可能にする。かかるキャプチャにより、後続のステップで相互作用する可能性のある反応成分を洗い流す好都合な手段がもたらされる。
本開示の方法で用いられる基材には、アッセイの構成成分が付着又はカップリングすることのできる任意の固体材料が含まれ得る。基材の例としては、限定はされないが、アクリルアミド、セルロース、ニトロセルロース、ガラス、ポリスチレン、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリプロピレン、ポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリシリケート類、ポリカーボネート類、テフロン(登録商標)、フルオロカーボン類、ナイロン、シリコンゴム、ポリ無水物、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリオルトエステル類、ポリプロピルフメレート(polypropylfumerate)、コラーゲン、グリコサミノグリカン類、及びポリアミノ酸などの材料が挙げられる。基材は、薄膜又はメンブレン、ビーズ、ボトル、ディッシュ、繊維、織り繊維、異形ポリマー、粒子及びマイクロパーティクルを含めた任意の有用な形態を有し得る。基材の一部の形態はプレート及びビーズである。ビーズの有用な形態は磁気ビーズである。
一部の形態において、キャプチャドックはオリゴヌクレオチドである。オリゴヌクレオチドを基材に固定化及びカップリングする方法は十分に確立されている。例えば、好適な取り付け方法が、Pease et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91(11):5022−5026(1994)、及びKhrapko et al.,Mol Biol(Mosk)(USSR)25:718−730(1991)によって記載されている。カゼイン被覆スライド上への3’−アミンオリゴヌクレオチドの固定化方法が、Stimpson et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:6379−6383(1995)によって記載されている。オリゴヌクレオチドを固体基材に取り付ける好ましい方法が、Guo et al.,Nucleic acids Res.22:5456−5465(1994)によって記載されている。
一部の形態において、キャプチャドックは抗ハイブリッド抗体である。抗体を基材に固定化する方法は十分に確立されている。固定化は、標準的な固定化化学を用いて例えばアミノ化表面、カルボキシル化表面又はヒドロキシル化表面に取り付けることにより達成し得る。取り付け用薬剤の例は、臭化シアン、スクシンイミド、アルデヒド、塩化トシル、アビジン−ビオチン、光架橋性剤、エポキシド類及びマレイミド類である。好ましい取り付け用薬剤はグルタルアルデヒドである。これら及び他の取り付け用薬剤、並びに取り付けにおけるそれらの使用方法が、Protein immobilization:fundamentals and applications,Richard F.Taylor,ed.(M.Dekker,New York,1991)、Johnstone and Thorpe,Immunochemistry In Practice(Blackwell Scientific Publications,Oxford,England,1987)209〜216頁及び241〜242頁、及びImmobilized Affinity Ligands,Craig T.Hermanson et al.,eds.(Academic Press,New York,1992)に記載されている。抗体は、抗体上の遊離アミノ基を基材の範囲内に存在する反応性側基に化学的に架橋結合することによって基材に取り付けることができる。例えば、抗体は、遊離アミノ基又はカルボキシル基を含む基材に架橋剤としてグルタルアルデヒド又はカルボジイミド類を用いて化学的に架橋結合してもよい。この方法では、遊離抗体を含有する水溶液をグルタルアルデヒド又はカルボジイミドの存在下で固体基材と共にインキュベートする。グルタルアルデヒドとの架橋結合については、反応物はpH7.4で0.1Mカコジル酸ナトリウムなどの緩衝液中において2体積%のグルタルアルデヒドとインキュベートすることができる。他の標準的な固定化化学が当業者に公知である。
iv.標識
記載される任意のPNA分子及びPNAハイブリダイゼーションプローブを常法で標識することができる。PNAプローブは広範囲のレポーター分子と適合性がある。例えば、ディテクタープローブにカップリングしたライゲーターディテクターの検出及び定量化を助けるため、標識をライゲーターディテクター、ディテクタープローブ、及び/又はアダプターインデクサーに組み込むか、それにカップリングするか、又はそれと会合させることができる。ライゲーターディテクターが標識されることが好ましい。標識は、ライゲーターディテクターと直接又は間接的に会合させることのできる任意の分子であり、直接、或いは間接的に、計測可能な検出可能シグナルをもたらすものである。標識は、それが構成成分と共有結合的に、或いは非共有結合的にカップリング又は結合しているとき、構成成分と会合している。標識は、それが構成成分に共有結合的にカップリングしているとき、構成成分にカップリングしている。核酸への組み込み、それとのカップリング、又はそれとの会合に好適な多くの標識が公知である。本開示の方法における使用に好適な標識の例は、放射性同位元素、蛍光分子、リン光分子、生物発光分子、酵素、抗体、及びリガンドである。
好適な蛍光標識の例としては、フルオレセイン(FITC)、5,6−カルボキシメチルフルオレセイン、テキサスレッド、ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル(NBD)、クマリン、塩化ダンシル、ローダミン、4’−6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)、及びシアニン色素Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5及びCy7が挙げられる。好ましい蛍光標識は、フルオレセイン(5−カルボキシフルオレセイン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)及びローダミン(5,6−テトラメチルローダミン)である。同時検出に好ましい蛍光標識は、FITC及びシアニン色素Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5及びCy7である。これらの蛍光の吸収及び発光極大は、それぞれFITC(490nm;520nm)、Cy3(554nm;568nm)、Cy3.5(581nm;588nm)、Cy5(652nm:672nm)、Cy5.5(682nm;703nm)及びCy7(755nm;778nm)であり、従ってその同時検出が可能である。蛍光標識は、Molecular Probes、Eugene,OR及びResearch Organics、Cleveland,Ohioを含め、種々の商業的供給元から入手することができる。
標識ヌクレオチドは、合成時にライゲーターディテクターに直接組み込むことができるため、有用な形態の標識である。DNA又はRNAに組み込むことのできる標識の例としては、ヌクレオチド類似体、例えば、BrdUrd(Hoy and Schimke,Mutation Research 290:217−230(1993))、BrUTP(Wansick et al.,J.Cell Biology 122:283−293(1993))及びヌクレオチドであって、ビオチン(Langer et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:6633(1981))で修飾されているか又はジゴキシゲニンなどの好適なハプテン(Kerkhof,Anal.Biochem.205:359−364(1992))で修飾されているヌクレオチドが挙げられる。好適な蛍光標識ヌクレオチドは、フルオレセインイソチオシアネート−dUTP、シアニン−3−dUTP及びシアニン−5−dUTP(Yu et al.,Nucleic acids Res.,22:3226−3232(1994))である。DNAに好ましいヌクレオチド類似体検出標識はBrdUrd(BUDR三リン酸、Sigma)であり、及びRNAに好ましいヌクレオチド類似体検出標識はビオチン−16−ウリジン−5’−三リン酸(ビオチン−16−dUTP、Boehringher Mannheim)である。フルオレセイン、Cy3、及びCy5はdUTPに連結して直接標識することができる。Cy3.5及びCy7は、ビオチン標識又はジゴキシゲニン標識プローブの二次検出用のアビジン又は抗ジゴキシゲニンコンジュゲートとして利用可能である。
ビオチンなど、核酸に組み込まれる標識は、続いて当該技術分野において周知の高感度方法を用いて検出することができる。例えば、ビオチンは、ストレプトアビジン−アルカリホスファターゼコンジュゲート(Tropix,Inc.)を使用して検出することができ、これはビオチンに結合し、続いて好適な基質(例えば、化学発光基質CSPD:二ナトリウム、3−(4−メトキシスピロ−[1,2,−ジオキセタン−3−2’−(5’−クロロ)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン]−4−イル)フェニルリン酸;Tropix,Inc.)の化学発光によって検出されるものである。
他の標識には、分子又は金属バーコード、質量標識、及び核磁気共鳴、電子常磁性共鳴、表面増強ラマン散乱、表面プラズモン共鳴、蛍光、リン光、化学発光、共鳴ラマン、マイクロ波、又は組み合わせによって検出可能な標識が含まれる。質量標識は、質量分析における特徴的な質量シグネチャである標識された成分を有するか、又はそれを与える化合物又は部分である。質量標識は、検出に質量分析が用いられる場合に有用である。好ましい質量標識はペプチド核酸及び炭水化物である。標識の組み合わせも有用であり得る。例えば、多数の構成成分を区別するのに、例えば265組の一意に組み合わされた標識を有するカラーコード化されたマイクロビーズが有用である。例えば、256個の異なるライゲーターディテクターを一意に標識して検出することができ、本開示の方法の多重化及び自動化が可能となる。
有用な標識が、Haas,R.R.,et al.,「時間分解顕微鏡法のためのリン光標識としての白金ポルフィリン(Platinum porphyrins as phosphorescent label for time−resolved microscopy)」,J.Histochem.Cytochem.45(9):1279−92(1997);Karger and Gesteland,「電荷結合素子カメラを使用したDNAシーケンシングブロットのデジタル化学発光イメージング(Digital chemiluminescence imaging of DNA sequencing blots using a charge−coupled device camera)」,Nucleic acids Res.20(24):6657−65(1992);Keyes,R.S.,et al.,「5原子テザリング型スピン標識によってモニタするときのDNAの全体的な及び内部のダイナミクス(Overall and internal dynamics of DNA as monitored by five−atom−tethered spin labels)」,Biophys.J.72(1):282−90(1997);Kirschstein,S.,et al.,「時間分解蛍光法を用いたCFTR遺伝子におけるデルタF508突然変異の検出(Detection of the DeltaF508 mutation in the CFTR gene by means of time−resolved fluorescence methods)」,Bioelectrochem.Bioenerg.48(2):415−21(1999);Kricka,L.J.,「イムノアッセイの感度及び信頼度を向上させるための選択された戦略(Selected strategies for improving sensitivity and reliability of immunoassays)」,Clin.Chem.40(3):347−57(1994);Kricka,L.J.,「化学発光及び生物発光技法(Chemiluminescent and bioluminescent techniques)」,Clin.Chem.37(9):1472−81(1991);Kumke,M.U.,et al.,「DNAハイブリダイゼーションの蛍光偏光検出の温度及びクエンチ研究(Temperature and quenching studies of fluorescence polarization detection of DNA hybridization)」,Anal.Chem.69(3):500−6(1997);McCreery,T.,「ジゴキシゲニン標識(Digoxigenin labeling)」,Mol.Biotechnol.7(2):121−4(1997);Mansfield,E.S.,et al.,「非放射性標識方法を用いた核酸検出(Nucleic acid detection using non−radioactive labeling methods)」,Mol.Cell Probes 9(3):145−56(1995);Nurmi,J.,et al.,「閉鎖チューブで特異的ポリメラーゼ連鎖反応産物を検出するための新規標識技術(A new label technology for the detection of specific polymerase chain reaction products in a closed tube)」,Nucleic acids Res.28(8):28(2000);Oetting,W.S.,et al.「テール付加プライマー及び赤外蛍光検出を用いたWeber 8Aマーカーセットの多重化ショートタンデムリピート多型(Multiplexed short tandem repeat polymorphisms of the Weber 8A set of markers using tailed primers and infrared fluorescence detection)」,Electrophoresis 19(18):3079−83(1998);Roda,A.,et al.,「光学顕微鏡−ビデオカメラルミノグラフを用いた酵素標識プローブの化学発光イメージング(Chemiluminescent imaging of enzyme−labeled probes using an optical microscope−videocamera luminograph)」,Anal.Biochem.257(1):53−62(1998);Siddiqi,A.,et al.,「特異的DNAを定量化するための電気化学発光ベース及び生物発光ベースのアッセイの評価(Evaluation of electrochemiluminescence− and bioluminescence−based assays for quantitating specific DNA)」,J.Clin.Lab.Anal.10(6):423−31(1996);Stevenson,C.L.,et al.,「同期ルミネセンス:DNAシーケンシングに使用される複数の蛍光プローブのための新規検出技法(Synchronous luminescence:a new detection technique for multiple fluorescent probes used for DNA sequencing)」,Biotechniques 16(6):1104−11(1994);Vo−Dinh,T.,et al.,「表面増強ラマン遺伝子プローブ(Surface−enhanced Raman gene probes)」,Anal.Chem.66(20):3379−83(1994);Volkers,H.H.,et al.,「DNAインサイチュハイブリダイゼーションのためのマイクロ波標識検出技法(Microwave label detection technique for DNA in situ hybridization)」,Eur.J.Morphol.29(1):59−62(1991)に記載されている。
分子バーコードの一形態である金属バーコードは、30〜300nm直径×400〜4000nmの多層多金属ロッドである。これらのロッドは、アルミナモールドに電着させ、次にアルミナを取り除いてこれらの小さい多層物体を後に残すことにより構築される。このシステムは、最大7種の異なる金属に、最大12個のコードされたゾーンを有することができ、ここで、金属は異なる反射率を有し、従って金属に応じて光学顕微鏡でより明るく又はより暗く見え、これが事実上無制限の識別コードにつながる。金属バーはガラス又は他の材料でコーティングすることができ、及び当該技術分野で一般に知られる方法を用いてこのガラスにプローブを取り付けることができ、アッセイの読み取りは標的からの蛍光により、及びプローブの識別はバーコードの明暗パターンによる。
標識から発生するシグナルを検出及び計測する方法は公知である。例えば、放射性同位元素はシンチレーション計数又は直接的な可視化によって検出することができ、蛍光分子は蛍光分光光度計で検出することができ、リン光分子は分光光度計又はカメラによる直接的な可視化で検出することができ、酵素は、酵素によって触媒された反応産物の検出又は可視化によって検出することができ、抗体は、抗体にカップリングした二次検出標識の検出によって検出することができる。かかる方法は本開示の増幅及び検出方法において直接用いることができる。本明細書で使用されるとき、検出分子は、増幅された核酸と相互作用する、且つそれに1つ以上の検出標識がカップリングする分子である。検出の一部の形態において、標識は、蛍光、リン光、又は化学発光の発光寿命の違いから時間的に区別することができる。多重化時間依存的検出が、Squire et al.,J.Microscopy 197(2):136−149(2000)、及び国際公開第00/08443号パンフレットに記載されている。
標識の量又は強度の定量的計測を用いることができる。例えば、所与の標識、従って標識された構成成分が閾値レベル又は閾値量で存在するかどうかを決定するため、定量化を用いることができる。閾値レベル又は閾値量は、シグナルの任意の所望のレベル又は量であり、実施される特定の形態の方法の必要性に合わせて選択することができる。
v.アミノ酸及びペプチド付加物
一部の形態において、PNAハイブリダイゼーションプローブの末端にアミノ酸を付加することができる。PNAハイブリダイゼーションプローブの末端に1つ以上のアミノ酸残基を付加すると、熱安定性、水溶解度、リガンド結合親和性及びこれらの組み合わせを含めた、構造的及び機能的特徴をPNAプローブに付与することができる。天然に存在するアミノ酸、天然に存在しないアミノ酸、及びこれらの組み合わせを当該技術分野において公知の任意の技法を用いてPNAプローブの末端の一方又は両方に組み込むことができる。従って、天然に存在する及び天然に存在しないアミノ酸を含むPNAプローブが記載される。好ましくは、PNAの末端の一方又は両方にアミノ酸を付加しても、プローブの特異性又は親和性が低下したり、又は他の形でそれに悪影響が及んだりすることはない。
一部の形態では、プローブの親水性又は溶解度を増加させるため、又は望ましくない疎水性相互作用を低減するため、親水性アミノ酸残基が組み込まれる。例えば、PNAプローブのいずれかの末端に1個、2個又は3個以上のリジン残基を付加すると、均等な非修飾プローブと比べてプローブの水溶解度が増進し得る。従って、一部の形態において、PNAハイブリダイゼーションプローブは末端ポリリジン付加物を含む。
一部の形態において、アミノ酸付加物を含めることにより、アフィニティーキャプチャを補助することができる。例示的付加物には、ヒスチジン残基の1つ以上のリピートが含まれる。His6タグなどのポリヒスチジンモチーフは、効率的な一塩基対識別を維持しつつ極めて高い有効性でニッケルNTAを使用したPNAキャプチャを促進することができる。
vi.PNAハイブリダイゼーションプローブ組成
本発明に係る二本鎖DNAのインベージョンによるDNAキャプチャ用の代替的PNAプローブ組成の例を表2に提供する。これは包括的リストではなく、むしろ本発明に係るPNAキャプチャプローブとして使用することのできる可能な設計範囲を抜き出したものである。
プローブの範囲内で複数のPNA修飾を組み合わせて、二本鎖DNAのインベージョンによるDNAキャプチャを増進することができる。エンリッチされた標的DNAの全体的収率によって決定されるとおりの「プローブ性能」は、ハイブリダイゼーション、例えば、特異的核酸配列に対するプローブの特異性及び/又は親和性に関係し得る。従って、プローブと対応する核酸との間の分子間相互作用に影響を与える要因は、プローブコンホメーション、プローブサイズ及び相対的電荷を含め、プローブ性能に影響を与え得る。
a.キラリティー
PNAプローブはキラル及び非キラルの両方のPNA残基を含み得る。好ましいPNAプローブとしては、DNA鎖インベージョンを促進するのに有効な量及び配置のキラルPNAモノマーが挙げられる。例えば、PNAプローブは、PNA/PNA二重鎖を不安定化するか、PNA/DNA二重鎖を安定化させるか、又は両方によってPNA/PNA二重鎖の形成を防ぐキラルの荷電PNAモノマー単位を含み得る。
プローブは、キラル残基と非キラル残基との交互の単位を含み得る。PNAプローブ内のPNA残基のキラリティーがプローブ全体のコンホメーションの変化、又はプローブの1つ以上の領域内における局所的変化をもたらすことがあり得る。従って、一部の形態において、交互のキラル骨格を有するPNAプローブは、プローブ全体にわたって異なる相互作用様式で標的核酸に結合し、均等な非キラルプローブよりも高い性能を提供することができる。好ましいPNAプローブは、少なくとも1つのキラルPNA残基、より好ましくは2つ以上のキラル残基を含む。
一部の形態において、PNAプローブの性能は、プローブ内のキラルPNA残基と非キラルPNA残基との相対的含有量に依存し得る。本明細書で使用されるとき、キラルPNA残基は、アルファ、ベータ、又はガンマ炭素が誘導体化されている(従って誘導体化炭素がキラル中心をなす)残基である。例えば、キラル残基の非キラル残基に対する数は、プローブが記載される方法での使用に適した高い特異性及び適切な親和性で標的に結合する能力に影響を与え得る。従って、一部の形態において、PNAプローブにおける残基のキラリティーは、アルファ炭素であるか、ベータ炭素であるか、デルタ又はガンマ炭素であるかという点に関して、連続PNA残基について同じであっても、又は異なってもよい。交互のキラリティーの隣接残基を有する残基、又は規則的なキラリティーの違いを有する残基群を有するPNAプローブを設計することができる。一部の形態において、PNAプローブは、全残基、又は2残基毎、又は3残基毎、4残基毎、5残基毎、6残基毎、7残基毎、8残基毎、又は9残基毎にキラル残基を含む。一部の形態において、ガンマ炭素で部分によって誘導体化されている残基が2残基毎(即ち50%誘導体化されている)又は3残基毎(即ち33%誘導体化されている)に交互に現れるPNAプローブを使用すると、最適なストランドインベージョンが達成される。一部の形態において、3残基毎よりも少ない修飾はプローブ性能の低下を招く。典型的には、ガンマ誘導体化残基が骨格において2残基毎に交互に現れるプローブの性能が、あらゆる位置にガンマ誘導体化残基を使用した場合(即ち100%キラル)と同程度に良好であるか、又はそれより良好である。好ましいキラルPNA残基は、例えば、アミノ酸側鎖の付加、又はminiPEG部分の付加によってガンマ炭素で誘導体化されている残基を含む。
b.プローブサイズ及び相対的電荷
概して、PNAプローブは6〜26個(端点を含む)の隣接PNA残基の線状オリゴマーを含む。典型的には、プローブは、荷電側鎖で修飾された少なくとも2個の残基を有する。例示的荷電基には、リジン、チアリジン、アルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、並びにこれらの誘導体及び変異体などのアミノ酸残基の側鎖が含まれる。好ましい荷電アミノ酸には、リジン、チアリジン及びこれらの誘導体が含まれる。一部の形態において、PNAハイブリダイゼーションプローブは、PNA−PNA相互作用を低下させるため少なくとも2つのガンマリジン又はチアリジン修飾を含む。好ましいプローブは7個未満の荷電キラルガンマ骨格修飾を含み、20塩基のPNAプローブに8個以上の正電荷を導入しない。これらのプローブは非特異的DNA結合のアーチファクトを生じないため、DNAキャプチャへの使用が成功し得る。従って、一部の形態において、PNAプローブは、ガンマ炭素における荷電部分、好ましくは3〜5個のリジンの付加によって修飾された2個の残基を少なくとも含む。一部の形態において、7個以上の荷電残基を有するプローブは、2、3、4、又は5個の荷電残基など、6個未満の荷電残基を有するものと比べて性能が低い。
高度に荷電したプローブ(例えば、20塩基PNAプローブに7個以上の正電荷を導入する、7個以上のガンマ−L−リジン骨格修飾を有するプローブ)は、DNAキャプチャへの使用が成功し得るものの、時に非特異的DNA結合アーチファクトを示すため、あまり好ましくない。従って、一部の形態において、PNAハイブリダイゼーションプローブは、20残基毎に7個未満の正電荷比を含む。一部の形態において、非荷電残基の数は残基総数の約3分の1である。PNAプローブ内の残基の総数に関わらず、荷電誘導体の相対的比率は概して10%〜50%、例えば10%〜40%など、例えば11.5%〜37.5%、15%〜40%、15%、15.4%、18.8%、19.2%、20%、23.1%、25%、30%、31%又は33.3%である。所与のPNAプローブ内における荷電部分の割合(例えば、%荷電PNA残基)の好ましい範囲は、15%〜45%、より好ましくは15%〜35%、例えば15%〜25%(端点を含む)である。
表2に提供するプローブは、ガンマMini−PEG修飾をガンマL−リジン修飾と組み合わせる。これらのプローブは、良好な溶解度、高速のハイブリダイゼーション反応速度、及びDNAハイブリダイゼーション後の高い融解温度、並びに良好なミスマッチ識別を有する。
概して、プローブ性能はまた、キャプチャ後の標的DNAからの放出の有効性によっても変わる。従って、PNA:DNAハイブリッドの融解温度は相互作用の全体的な強度に比例するため、低い親和性で結合する、キャプチャにおける効率がやや低いプローブの方が放出され易く、標的DNA収率が高くなり、及び/又は非変性dsDNAの維持率がより高いエンリッチDNA試料を生じさせ得る。
正電荷リジン残基が他のPNA分子と接触すると電荷斥力が起こる。このため、2つ以上のガンマ−L−リジン修飾を有するPNAプローブは、種々のDNA標的をインベージョンするように設計された何千もの異なるPNA配列を含む混合物中に存在する異なる配列の他のプローブとの分子間ハイブリダイゼーション会合を起こしにくいものと思われる。
表2の最後の2つのプローブは、各々が骨格に19個の連続するガンマ修飾を有し、DNAキャプチャに良好に機能し得るが、化学合成収率はガンマ修飾が10個以下のプローブよりも低い。
一部の形態において、PNAプローブは、他のキラルPNA残基を有しないアルファ−D−リジンPNA残基のみで構成されるのではない。一部の形態において、PNAプローブは11個以上のPNA残基を有する。一部の形態において、PNAプローブは、他のキラルPNA残基を有しないアルファ−D−リジンPNA残基のみで構成されるのではなく、且つ11個以上のPNA残基を有する。
c.PNAプローブの最適化
適用に合わせて最適な組成をカスタマイズすることができる。例えば、一部の形態において、目標がキャプチャされたDNA配列の最大絶対収率を達成することである場合、5個のガンマ−L−リジン残基を有する18塩基PNAプローブが好ましい。一部の形態において、適用上、最も高い収率でなく、代わりに最も高いエンリッチメント(非標的DNAと比べて可能な限り高い比率の標的DNA)が要求される場合、好ましいプローブは、生じる非特異的配列キャプチャのレベルがより低いものである。従って、一部の形態では、4個のみのガンマ−L−リジン残基を有する18塩基PNAプローブが好ましい。
プローブの一部の形態において、PNAプローブは10個以上26個以下のペプチド核酸残基を有する。プローブの一部の形態において、PNAプローブは核酸断片内の配列を標的化するように設計される。プローブの一部の形態において、PNAプローブは、アルファ、ベータ、若しくはガンマ炭素又はこれらの組み合わせで荷電部分によって誘導体化されている1個以上のペプチド核酸残基と、アルファ、ベータ、若しくはガンマ炭素、又はこれらの組み合わせで中性部分によって誘導体化されている1個以上のペプチド核酸残基とを含む。プローブの一部の形態において、PNAプローブは1つ以上のキャプチャタグを含む。
プローブの一部の形態において、プローブは16個以上22個以下のペプチド核酸残基を含む。プローブの一部の形態において、プローブは18又は19個のペプチド核酸残基を含む。プローブの一部の形態において、ペプチド核酸残基の3個以上5個以下が荷電部分によって誘導体化されており、荷電部分は、ガンマ−L−リジンPNA、ガンマ−L−チアリジンPNA、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、荷電部分によって誘導体化されていないペプチド核酸残基の2個以上6個以下がジエチレングリコールによって誘導体化されており、及びキャプチャタグはビオチンである。プローブの一部の形態において、ペプチド核酸残基の4個がガンマ−L−リジンPNAであり、ジエチレングリコールによって誘導体化されているペプチド核酸残基の4個であり、キャプチャタグはビオチンである。プローブの一部の形態において、ペプチド核酸残基の4個はガンマ−L−チアリジンPNAであり、ジエチレングリコールによって誘導体化されているペプチド核酸残基の4個であり、キャプチャタグはビオチンである。
プローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆるペプチド核酸残基間にある、荷電部分によって誘導体化されていない1個以上3個以下のペプチド核酸残基である。プローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されているあらゆるペプチド核酸残基間に荷電部分によって誘導体化されていない平均1.0個以上5.0個以下のペプチド核酸残基がある。プローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆるペプチド核酸残基間に部分によって誘導体化されていない0個以上2個以下のペプチド核酸残基がある。プローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されているあらゆるペプチド核酸残基間に部分によって誘導体化されていない平均0.5個以上1.5個以下のペプチド核酸残基がある。プローブの一部の形態において、あらゆるペプチド核酸残基が部分によって誘導体化されている。
プローブの一部の形態において、PNAプローブは、(i)アルファ炭素、ベータ炭素、ガンマ炭素、又はこれらの組み合わせで荷電部分によって誘導体化されている1個以上のペプチド核酸残基と、(ii)アルファ炭素、ベータ炭素、ガンマ炭素、又はこれらの組み合わせで中性部分によって誘導体化されている1個以上のペプチド核酸残基とを含む。プローブの一部の形態において、PNAプローブのペプチド核酸残基の15%以上28%以下が荷電部分によって誘導体化されている。プローブの一部の形態において、PNAプローブのペプチド核酸残基の2個以上7個以下が荷電部分によって誘導体化されている。プローブの一部の形態において、PNAプローブのペプチド核酸残基の3、4、5、又は6個が荷電部分によって誘導体化されている。プローブの一部の形態において、PNAプローブのペプチド核酸残基の4又は5個が荷電部分によって誘導体化されている。プローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されているあらゆるペプチド核酸残基間に荷電部分によって誘導体化されていないペプチド核酸残基が少なくとも2個ある。
プローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の1個以上が、独立に、アルファ、ベータ、又はガンマ炭素、又はこれらの組み合わせで荷電部分によって誘導体化されている。プローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の1個以上がガンマ炭素で荷電部分によって誘導体化されている。プローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の全てがガンマ炭素で荷電部分によって誘導体化されている。
プローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の1個以上がL−又はD−リジンペプチド核酸残基である。プローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の1個以上がL−チアリジンペプチド核酸残基である。プローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の全てがL−又はD−リジンペプチド核酸残基である。プローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の全てがL−チアリジンペプチド核酸残基である。プローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の1個以上がL−リジンペプチド核酸残基である。プローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の全てがL−リジンペプチド核酸残基である。
プローブの一部の形態において、PNAプローブのペプチド核酸残基の4%以上85%以下が中性部分によって誘導体化されている。プローブの一部の形態において、PNAプローブのペプチド核酸残基の4%以上50%以下が中性部分によって誘導体化されている。プローブの一部の形態において、PNAプローブのペプチド核酸残基の4%以上35%以下が中性部分によって誘導体化されている。プローブの一部の形態において、PNAプローブのペプチド核酸残基の1個以上19個以下が中性部分によって誘導体化されている。プローブの一部の形態において、PNAプローブのペプチド核酸残基の1個以上15個以下が中性部分によって誘導体化されている。プローブの一部の形態において、PNAプローブのペプチド核酸残基の1個以上10個以下が中性部分によって誘導体化されている。プローブの一部の形態において、PNAプローブのペプチド核酸残基の1、2、3、又は4個が中性部分によって誘導体化されている。プローブの一部の形態において、PNAプローブのペプチド核酸残基の1又は2個が中性部分によって誘導体化されている。
プローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の1個以上がアルファ、ベータ、又はガンマ炭素で誘導体化されている。プローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の全てがアルファ、ベータ、又はガンマ炭素で誘導体化されている。プローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の1個以上がガンマ炭素で誘導体化されている。プローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の全てがガンマ炭素で誘導体化されている。
プローブの一部の形態において、中性部分の1個以上が短鎖オリゴエチレン部分である。プローブの一部の形態において、中性部分の全てが短鎖オリゴエチレン部分である。プローブの一部の形態において、短鎖オリゴエチレン部分の1個以上がジエチレングリコールである。プローブの一部の形態において、短鎖オリゴエチレン部分の全てがジエチレングリコールである。プローブの一部の形態において、キャプチャタグはビオチン又はストレプトアビジンである。
プローブの一部の形態において、PNAプローブは末端ペプチド核酸残基の少なくとも1つで1個以上のアミノ酸によって誘導体化されている。プローブの一部の形態において、PNAプローブは末端ペプチド核酸残基の少なくとも1つで2個以上のリジン残基によって誘導体化されている。プローブの一部の形態において、1個以上のペプチド核酸残基はペプチド核酸残基の塩基部分として擬似相補的核酸塩基を有する。プローブの一部の形態において、擬似相補的核酸塩基は、プソイドウリジン(5−リボシルウラシル);7−デアザ−2’−デオキシグアノシン;2,6−ジアミノプリン−2’−デオキシリボシド;N4−エチル−2’−デオキシシチジン;2−チオチミジン;2−アミノアデニン;2−アミノプリン−リボシド;2,6−ジアミノプリン−リボシド;2’−デオキシイソグアノシン;及び5−ヒドロキシメチル−2’−デオキシシチジンからなる群から独立に選択される。
PNAプローブは概して2つ以上のPNAプローブのセットで共に用いられる。セットの一部の形態では、2つ以上のPNAプローブの同じセット中のPNAプローブは、同じ核酸断片内の異なる配列を標的化するように設計され、ここで、2つ以上のPNAプローブの異なるセット中のPNAプローブは、異なる核酸断片を標的化するように設計される。
セットの一部の形態では、PNAプローブの少なくとも1つが本明細書に記載されるとおりのPNAプローブである。セットの一部の形態では、PNAプローブの全てが、独立に、請求項11〜49のいずれか一項に記載のPNAプローブである。セットの一部の形態では、PNAプローブの少なくとも1つが、(i)アルファ炭素、ベータ炭素、ガンマ炭素、又はこれらの組み合わせで荷電部分によって誘導体化されている1個以上のペプチド核酸残基、(ii)アルファ炭素、ベータ炭素、ガンマ炭素、又はこれらの組み合わせで中性部分によって誘導体化されている1個以上のペプチド核酸残基、又は(iii)これらの組み合わせを含む。
セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆるペプチド核酸残基間に荷電部分によって誘導体化されていない1個以上3個以下のペプチド核酸残基がある。セットの一部の形態では、PNAプローブの全てにおいて、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆるペプチド核酸残基間に荷電部分によって誘導体化されていない1個以上3個以下のペプチド核酸残基がある。セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上において、荷電部分によって誘導体化されているあらゆるペプチド核酸残基間に荷電部分によって誘導体化されていない平均1.0個以上5.0個以下のペプチド核酸残基がある。セットの一部の形態では、PNAプローブの全てにおいて、荷電部分によって誘導体化されているあらゆるペプチド核酸残基間に荷電部分によって誘導体化されていない平均1.0個以上5.0個以下のペプチド核酸残基がある。
セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆるペプチド核酸残基間に部分によって誘導体化されていない0個以上2個以下のペプチド核酸残基がある。セットの一部の形態では、PNAプローブの全てにおいて、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆるペプチド核酸残基間に部分によって誘導体化されていない0個以上2個以下のペプチド核酸残基がある。セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上において、部分によって誘導体化されているあらゆるペプチド核酸残基間に部分によって誘導体化されていない平均0.5個以上1.5個以下のペプチド核酸残基がある。セットの一部の形態では、PNAプローブの全てにおいて、部分によって誘導体化されているあらゆるペプチド核酸残基間に部分によって誘導体化されていない平均0.5個以上1.5個以下のペプチド核酸残基がある。
セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上が、独立に、アルファ、ベータ、又はガンマ炭素で荷電部分によって独立に誘導体化されている2個以上6個以下のペプチド核酸残基を含む。セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上が、独立に、アルファ、ベータ、又はガンマ炭素で荷電部分によって独立に誘導体化されている3個以上5個以下のペプチド核酸残基を含む。セットの一部の形態では、PNAプローブの全てが、独立に、アルファ、ベータ、又はガンマ炭素で荷電部分によって独立に誘導体化されている2個以上6個以下のペプチド核酸残基を含む。セットの一部の形態では、PNAプローブの全てが、独立に、アルファ、ベータ、又はガンマ炭素で荷電部分によって独立に誘導体化されている3個以上5個以下のペプチド核酸残基を含む。
セットの一部の形態では、独立に、PNAプローブの1つ以上において、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の1個以上がガンマ炭素で荷電部分によって誘導体化されている。セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上において、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の全てがガンマ炭素で荷電部分によって誘導体化されている。セットの一部の形態では、PNAプローブの全てにおいて、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の1個以上がガンマ炭素で荷電部分によって誘導体化されている。セットの一部の形態では、PNAプローブの全てにおいて、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の全てがガンマ炭素で荷電部分によって誘導体化されている。
セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上において、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の1個以上がL−又はD−リジンペプチド核酸残基である。セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上において、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の1個以上がL−チアリジンペプチド核酸残基である。セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上において、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の全てがL−又はD−リジンペプチド核酸残基である。セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上において、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の全てがL−チアリジンペプチド核酸残基である。セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上において、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の1個以上がL−リジンペプチド核酸残基である。セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上において、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の全てがL−リジンペプチド核酸残基である。セットの一部の形態では、PNAプローブの全てにおいて、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の1個以上がL−又はD−リジンペプチド核酸残基である。セットの一部の形態では、PNAプローブの全てにおいて、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の1個以上がL−チアリジンペプチド核酸残基である。セットの一部の形態では、PNAプローブの全てにおいて、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の全てがL−又はD−リジンペプチド核酸残基である。セットの一部の形態では、PNAプローブの全てにおいて、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の全てがL−チアリジンペプチド核酸残基である。セットの一部の形態では、PNAプローブの全てにおいて、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の1個以上がL−リジンペプチド核酸残基である。セットの一部の形態では、PNAプローブの全てにおいて、荷電部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の全てがL−リジンペプチド核酸残基である。
セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上が、独立に、アルファ、ベータ、又はガンマ炭素で短鎖オリゴエチレン部分によって誘導体化されている1個以上のペプチド核酸残基を含む。セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上が、独立に、アルファ、ベータ、又はガンマ炭素で短鎖オリゴエチレン部分によって独立に誘導体化されている1個以上19個以下のペプチド核酸残基を含む。セットの一部の形態では、PNAプローブの全てが、独立に、アルファ、ベータ、又はガンマ炭素で短鎖オリゴエチレン部分によって独立に誘導体化されている1個以上19個以下のペプチド核酸残基を含む。セットの一部の形態では、独立に、PNAプローブの1つ以上において、短鎖オリゴエチレン部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の1個以上がガンマ炭素で短鎖オリゴエチレン部分によって誘導体化されている。セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上において、短鎖オリゴエチレン部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の全てがガンマ炭素で短鎖オリゴエチレン部分によって誘導体化されている。セットの一部の形態では、PNAプローブの全てにおいて、短鎖オリゴエチレン部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の1個以上がガンマ炭素で短鎖オリゴエチレン部分によって誘導体化されている。セットの一部の形態では、PNAプローブの全てにおいて、短鎖オリゴエチレン部分によって誘導体化されているペプチド核酸残基の全てがガンマ炭素で短鎖オリゴエチレン部分によって誘導体化されている。
セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上において、短鎖オリゴエチレン部分の1個以上がジエチレングリコールである。セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上において、短鎖オリゴエチレン部分の全てがジエチレングリコールである。セットの一部の形態では、PNAプローブの全てにおいて、短鎖オリゴエチレン部分の1個以上がジエチレングリコールである。セットの一部の形態では、PNAプローブの全てにおいて、短鎖オリゴエチレン部分の全てがジエチレングリコールである。
セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上が、独立に、ペプチド核酸残基の塩基部分として擬似相補的核酸塩基を有する1個以上のペプチド核酸残基を含む。セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上が、独立に、ペプチド核酸残基の塩基部分として擬似相補的核酸塩基を有する1個以上22個以下のペプチド核酸残基を含む。セットの一部の形態では、PNAプローブの全てが、独立に、ペプチド核酸残基の塩基部分として擬似相補的核酸塩基を有する1個以上22個以下のペプチド核酸残基を含む。セットの一部の形態では、擬似相補的核酸塩基は、プソイドウリジン(5−リボシルウラシル);7−デアザ−2’−デオキシグアノシン;2,6−ジアミノプリン−2’−デオキシリボシド;N4−エチル−2’−デオキシシチジン;2−チオチミジン;2−アミノアデニン;2−アミノプリン−リボシド;2,6−ジアミノプリン−リボシド;2’−デオキシイソグアノシン;及び5−ヒドロキシメチル−2’−デオキシシチジンからなる群から独立に選択される。セットの一部の形態では、ペプチド核酸残基の塩基部分として擬似相補的核酸塩基を有する1個以上のペプチド核酸残基を含むPNAプローブの1つ以上が、1つ以上のPNAプローブのセット中のPNAプローブのサブセットである。
セットの一部の形態では、1つ以上のPNAプローブのセット中のPNAプローブのサブセットは、1つ以上のPNAプローブのセット中の他のPNAプローブの1つ以上との相互作用能を有すると予想される1つ以上のPNAプローブのセット中のPNAプローブのサブセットを含む。セットの一部の形態では、1つ以上のPNAプローブのセット中のPNAプローブのサブセットが、1つ以上のPNAプローブのセット中の他のPNAプローブの1つ以上との相互作用能を有すると予想される1つ以上のPNAプローブのセット中のPNAプローブのサブセットからなる。
セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上において、キャプチャタグはビオチン又はストレプトアビジンである。セットの一部の形態では、PNAプローブの全てにおいて、キャプチャタグはビオチン又はストレプトアビジンである。
セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上が、末端ペプチド核酸残基の少なくとも1つで1個以上のアミノ酸によって誘導体化されている。セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上が、末端ペプチド核酸残基の少なくとも1つで2個以上のリジン残基によって誘導体化されている。
セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上又は全てが、6番染色体のMHC領域に位置するヒトゲノムDNA内の配列を標的化する。セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上又は全てが、1つ以上の疾患若しくは病態に関連するか、又は1つ以上の疾患若しくは病態の発症と既知の相関を有するヒトゲノムDNA内の配列を標的化し、ここで、疾患又は病態は、自己免疫疾患、糖尿病、及びメタボリックシンドローム、並びに癌からなる群から選択される。セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上又は全てが、自己免疫疾患の疾患リスクに関連する複数のエンハンサーエレメントにマッピングされる異なる位置にあるヒトゲノムDNA内の配列を標的化する。セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上又は全てが、糖尿病及びメタボリックシンドロームの疾患リスクに関連する複数のエンハンサーエレメントにマッピングされる異なる位置にあるヒトゲノムDNA内の配列を標的化する。セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上又は全てが、異なる白血球サブセットの分化に関連する複数のエンハンサーエレメントにマッピングされる異なる位置にあるヒトゲノムDNA内の配列を標的化する。セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上又は全てが、ヒトミトコンドリアDNA内の配列を標的化する。セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上又は全てが、イヌミトコンドリアDNA内の配列を標的化する。セットの一部の形態では、PNAプローブの1つ以上又は全てが、細菌、古細菌、真菌、原虫、又はこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の寄生虫のゲノムDNA内の配列を標的化する。セットの一部の形態では、寄生虫の1つ以上又は全てが、ヒト口腔、ヒト気道、ヒト泌尿生殖器管、ヒト血液、又はヒト糞便に存在する細菌の1つ以上の種である。
PNAプローブの任意のセット、群、混合物、又は集合において、そのセット、群、混合物、又は集合中のPNAプローブの全て又は一部が指定される特性を有し得る。即ち、PNAプローブの特徴又は特性が指定されるとき、セット、群、混合物、又は集合中のプローブの全てが指定される特徴又は特性を有する必要はない。概して、PNAプローブのあるセット、群、混合物、又は集合について特徴又は特性が指定されるとき、PNAプローブの全て又は実質的に全てが指定される特徴又は特性を有することになる。しかしながら、ある一部のPNAプローブは指定される特徴又は特性を欠いてもよく、又はそれについて異なる値を有してもよい。例えば、PNAプローブの任意のセット、群、混合物、又は集合において、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%が指定される特徴又は特性を有し得る。かかる多様性は偶然でも、又は意図的でも、いずれであってもよい。これは、PNAプローブの任意の特徴又は特性、又は特徴及び特性の組み合わせに適用される。
PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブは、開示される特徴又は特性の2つ以上によって組み合わせで特徴付けることができる。例えば、PNAプローブは、PNAプローブにおける残基、部分によって誘導体化されている残基、荷電部分によって誘導体化されている残基、中性部分によって誘導体化されている残基、部分によって誘導体化されていない残基、部分によって誘導体化されているプローブ中の残基の平均、荷電部分によって誘導体化されているプローブ中の残基の平均、中性部分によって誘導体化されているプローブ中の残基の平均、部分によって誘導体化されていないプローブ中の残基の平均、部分によって誘導体化されていないフランキング残基、荷電部分によって誘導体化されていないフランキング残基、中性部分によって誘導体化されていないフランキング残基、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間にある、部分によって誘導体化されていない残基、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間にある、荷電部分によって誘導体化されていない残基、中性部分によって誘導体化されているあらゆる残基間にある、中性部分によって誘導体化されていない残基、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間にある、部分によって誘導体化されていない残基の平均、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間にある、荷電部分によって誘導体化されていない残基の平均、中性部分によって誘導体化されているあらゆる残基間にある、中性部分によって誘導体化されていない残基の平均、部分によって誘導体化されているプローブ中の残基の割合、荷電部分によって誘導体化されているプローブ中の残基の割合、中性部分によって誘導体化されているプローブ中の残基の割合、部分によって誘導体化されていないプローブ中の残基の割合、荷電部分によって誘導体化されていないプローブ中の残基の割合、中性部分によって誘導体化されていないプローブ中の残基の割合の任意の2つ以上の特定の値、範囲、又は両方を有するものとして特徴付けることができる。かかる組み合わせは、互いに矛盾しない特性及び値に限定されることが理解される。
例えば、PNAプローブ又はPNAプローブのセットは、例えば、PNAプローブ中の残基、荷電部分によって誘導体化されている残基、及び中性部分によって誘導体化されている残基;PNAプローブ中の残基、荷電部分によって誘導体化されている残基、中性部分によって誘導体化されている残基、及び荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間にある、荷電部分によって誘導体化されていない残基;PNAプローブ中の残基、荷電部分によって誘導体化されている残基、中性部分によって誘導体化されている残基、及び荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間にある、荷電部分によって誘導体化されていない残基の平均;PNAプローブ中の残基、荷電部分によって誘導体化されているプローブ中の残基の平均、及び中性部分によって誘導体化されているプローブ中の残基の平均;PNAプローブ中の残基、荷電部分によって誘導体化されているプローブ中の残基の平均、中性部分によって誘導体化されているプローブ中の残基の平均、及び荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間にある、荷電部分によって誘導体化されていない残基;又はPNAプローブ中の残基、荷電部分によって誘導体化されているプローブ中の残基の平均、中性部分によって誘導体化されているプローブ中の残基の平均、及び荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間にある、荷電部分によって誘導体化されていない残基の平均の特定の値、範囲、又は両方の組み合わせによって特徴付けることができる。
PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、又は26個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、又は26個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、又は26個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、又は26個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、又は23個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、又は26個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、又は22個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、又は26個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又は21個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、又は26個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が17、18、19、20、21、22、23、24、25、又は26個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が10、11、12、13、14、15、16、17、18、又は19個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が18、19、20、21、22、23、24、25、又は26個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が10、11、12、13、14、15、16、17、又は18個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、又は23個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が14、15、16、17、18、19、20、21、又は22個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が15、16、17、18、19、20、又は21個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が16、17、18、19、又は20個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が17、18、又は19個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が18又は19個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が18個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、PNAプローブ中には残基が19個あり得る。
PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、又は19個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、又は19個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、又は18個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、又は19個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、又は19個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、又は19個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、又は19個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が10、11、12、13、14、15、16、17、18、又は19個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が4、5、6、7、8、9、10、11、12、又は13個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が11、12、13、14、15、16、17、18、又は19個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が12、13、14、15、16、17、18、又は19個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が4、5、6、7、8、9、10、又は11個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が13、14、15、16、17、18、又は19個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が4、5、6、7、8、9、又は10個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が14、15、16、17、18、又は19個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が4、5、6、7、8、又は9個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が15、16、17、18、又は19個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が4、5、6、7、又は8個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が16、17、18、又は19個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が4、5、6、又は7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が17、18、又は19個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が4、5、又は6個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が18又は19個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が4又は5個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が19個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が4個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、又は18個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が7、8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が8、9、10、11、12、13、14、又は15個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が9、10、11、12、13、又は14個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が10、11、12、又は13個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が11又は12個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が12個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が11個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が10個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が9個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が8個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が7、8、9、10、11、12、13、14、又は15個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が7、8、9、10、11、12、13、又は14個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が7、8、9、10、11、12、又は13個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が8、9、10、11、12、又は13個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が8、9、10、11、又は12個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が9、10、11、又は12個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が9、10、又は11個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が10又は11個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されている残基が9又は10個あり得る。
PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が2、3、4、5、6、7、8、又は9個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が3、4、5、6、7、8、又は9個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が2、3、4、5、6、7、又は8個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が4、5、6、7、8、又は9個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が2、3、4、5、6、又は7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が5、6、7、8、又は9個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が2、3、4、5、又は6個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が6、7、8、又は9個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が2、3、4、又は5個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が7、8、又は9個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が2、3、又は4個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が8又は9個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が2又は3個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が9個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が8個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が6個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が5個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が4個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が3個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が2個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が3、4、5、6、7、又は8個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が3、4、5、6、又は7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が4、5、6、又は7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が4、5、又は6個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が3、4、又は5個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が4又は5個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が3又は4個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が5個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されている残基が2、3、4、5、又は6個あり得る。
PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、又は13個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が9、10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が1、2、3、4、5、6、7、8、又は9個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が1、2、3、4、5、6、7、又は8個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が1、2、3、4、5、6、又は7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が1、2、3、4、5、又は6個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が1、2、3、4、又は5個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が1、2、3、又は4個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が1、2、又は3個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が16又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が1又は2個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が16個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が15個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が14個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が13個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が12個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が11個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が10個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が9個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が8個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が6個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が5個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が4個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が3個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が2個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が1個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、又は13個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が4、5、6、7、8、9、10、又は11個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が4、5、6、7、8、9、又は10個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が5、6、7、8、9、又は10個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が5、6、7、8、又は9個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が5、6、7、又は8個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が5、6、又は7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が5又は6個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が3、4、又は5個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が2、3、4、又は5個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、中性部分によって誘導体化されている残基が2、3、4、5、又は6個あり得る。
PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、又は13個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が9、10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が1、2、3、4、5、6、7、8、又は9個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が10、11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が1、2、3、4、5、6、7、又は8個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が11、12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が1、2、3、4、5、6、又は7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が12、13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が1、2、3、4、5、又は6個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が13、14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が1、2、3、4、又は5個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が14、15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が1、2、3、又は4個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が15、16、又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が1、2、又は3個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が16又は17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が1又は2個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が17個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が16個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が15個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が14個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が13個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が12個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が11個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が10個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が9個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が8個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が6個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が5個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が4個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が3個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が2個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が1個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、又は13個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が4、5、6、7、8、9、10、又は11個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が4、5、6、7、8、9、又は10個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が5、6、7、8、9、又は10個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が5、6、7、8、又は9個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が5、6、7、又は8個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が5、6、又は7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が5又は6個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が3、4、又は5個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が2、3、4、又は5個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない残基が2、3、4、5、又は6個あり得る。
PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約20%以上80%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、又は66%以上、独立に、及び任意の組み合わせで、30%、31%、2%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約16%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上90%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約17%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上85%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約18%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上80%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約19%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上75%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約20%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上70%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約21%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上68%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約22%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上66%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約23%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上64%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約24%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上62%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約25%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上60%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約26%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上58%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約27%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上56%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約28%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上54%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約29%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上52%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約30%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上50%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約31%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上48%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約32%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上46%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約33%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上44%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約34%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上42%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約35%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上40%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約36%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上38%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約37%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上36%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約38%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上34%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約40%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上32%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約41%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上30%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約42%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上28%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約43%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上26%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約44%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上24%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約45%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上22%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約46%以上100%以下が部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上20%以下が部分によって誘導体化されている。
例えば、プローブT*gTgC*cTccC*gTtTT*gTcC*(配列番号6)の残基の52.6%が部分によって誘導体化されており、プローブcT*tCaT*CtCgT*cTaC*aaT*a(配列番号10)の残基の47.4%が部分によって誘導体化されており、及びプローブagT*CgTtC*tTcT*aTCaT*cT(配列番号20)の残基の52.6%が部分によって誘導体化されている。
PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上40%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上35%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約20%以上33%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、又は40%以上、独立に、及び任意の組み合わせで、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、2%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、又は40%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、又は40%が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約16%以上35%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上34%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約17%以上35%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上33%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約18%以上35%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上32%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約19%以上35%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上31%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約20%以上35%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上30%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約21%以上35%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上29%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約22%以上35%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上28%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約23%以上35%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上27%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約24%以上35%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上26%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約25%以上35%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上25%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約26%以上35%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上24%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約27%以上35%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上23%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約28%以上35%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上22%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約29%以上35%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上21%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約30%以上35%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上20%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約31%以上35%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上19%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約32%以上35%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上18%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約33%以上35%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上17%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約34%以上35%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約15%以上16%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約20%以上34%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約21%以上34%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約21%以上33%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約22%以上33%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約23%以上33%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約23%以上32%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約24%以上32%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約25%以上32%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約25%以上31%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約26%以上31%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約26%以上30%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約27%以上30%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約27%以上29%以下が荷電部分によって誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プローブ中の残基の平均約28%以上29%以下が荷電部分によって誘導体化されている。
例えば、プローブT*gTgC*cTccC*gTtTT*gTcC*(配列番号6)の残基の26.3%が荷電部分によって誘導体化されており、プローブcT*tCaT*CtCgT*cTaC*aaT*a(配列番号10)の残基の26.3%が荷電部分によって誘導体化されており、及びプローブagT*CgTtC*tTcT*aTCaT*cT(配列番号20)の残基の21.1%が荷電部分によって誘導体化されている。
PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されていない(即ち、部分によって誘導体化されている末端近位残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計0、1、2、3、4、5、又は6個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されていない(即ち、末端近位誘導体化残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計0、1、2、3、4、又は5個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されていない(即ち、末端近位誘導体化残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計0、1、2、3、又は4個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されていない(即ち、末端近位誘導体化残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計0、1、2、又は3個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されていない(即ち、末端近位誘導体化残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計0、1、又は2個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されていない(即ち、末端近位誘導体化残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計0又は1個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されていない(即ち、末端近位誘導体化残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計0個あり得る。例えば、プローブT*gTgC*cTccC*gTtTT*gTcC*(配列番号6)は、部分によって誘導体化されていない(即ち、末端近位誘導体化残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において部分によって誘導体化されていない)合計0個のフランキング残基を有し、プローブcT*tCaT*CtCgT*cTaC*aaT*a(配列番号10)は、部分によって誘導体化されていない(即ち、末端近位誘導体化残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において部分によって誘導体化されていない)合計2個のフランキング残基を有し、及びプローブagT*CgTtC*tTcT*aTCaT*cT(配列番号20)は、部分によって誘導体化されていない(即ち、末端近位誘導体化残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において部分によって誘導体化されていない)合計2個のフランキング残基を有する。
PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に部分によって誘導体化されていない残基が0、1、2、3、又は4個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に部分によって誘導体化されていない残基が1、2、3、又は4個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に部分によって誘導体化されていない残基が0、1、2、又は3個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に部分によって誘導体化されていない残基が2、3、又は4個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に部分によって誘導体化されていない残基が0、1、又は2個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に部分によって誘導体化されていない残基が3又は4個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に部分によって誘導体化されていない残基が2又は3個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に部分によって誘導体化されていない残基が1又は2個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に部分によって誘導体化されていない残基が0又は1個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に部分によって誘導体化されていない残基が4個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に部分によって誘導体化されていない残基が3個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に部分によって誘導体化されていない残基が2個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に部分によって誘導体化されていない残基が1個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に部分によって誘導体化されていない残基が0個あり得る。
例えば、プローブT*gTgC*cTccC*gTtTT*gTcC*(配列番号6)はN端側末端とその末端近位誘導体化残基との間に部分によって誘導体化されていない0個の残基を有し、且つC端側末端とその末端近位誘導体化残基との間に部分によって誘導体化されていない0個の残基を有し、プローブcT*tCaT*CtCgT*cTaC*aaT*a(配列番号10)はN端側末端とその末端近位誘導体化残基との間に部分によって誘導体化されていない1個の残基を有し、且つC端側末端とその末端近位誘導体化残基との間に部分によって誘導体化されていない1個の残基を有し、及びプローブagT*CgTtC*tTcT*aTCaT*cT(配列番号20)はN端側末端とその末端近位誘導体化残基との間に部分によって誘導体化されていない2個の残基を有し、且つC端側末端とその末端近位誘導体化残基との間に部分によって誘導体化されていない0個の残基を有する。
PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されていない(即ち、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において荷電部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計0、1、2、3、4、5、6、7、8、又は9個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されていない(即ち、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において荷電部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計0、1、2、3、4、5、6、7、又は8個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されていない(即ち、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において荷電部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計0、1、2、3、4、5、6、又は7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されていない(即ち、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において荷電部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計0、1、2、3、4、5、又は6個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されていない(即ち、末端近位誘導体化残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において荷電部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計0、1、2、3、4、又は5個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されていない(即ち、末端近位誘導体化残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において荷電部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計0、1、2、3、又は4個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されていない(即ち、末端近位誘導体化残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において荷電部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計0、1、2、又は3個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されていない(即ち、末端近位誘導体化残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において荷電部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計0、1、又は2個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されていない(即ち、末端近位誘導体化残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において荷電部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計0又は1個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されていない(即ち、末端近位誘導体化残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において荷電部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計0個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されていない(即ち、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において荷電部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計1個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されていない(即ち、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において荷電部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計2個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されていない(即ち、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において荷電部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計3個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されていない(即ち、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において荷電部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計4個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されていない(即ち、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において荷電部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計5個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されていない(即ち、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において荷電部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計6個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されていない(即ち、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において荷電部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されていない(即ち、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において荷電部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計8個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されていない(即ち、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において荷電部分によって誘導体化されていない)フランキング残基が合計9個あり得る。例えば、プローブT*gTgC*cTccC*gTtTT*gTcC*(配列番号6)は、荷電部分によって誘導体化されていない(即ち、末端近位誘導体化残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において荷電部分によって誘導体化されていない)合計0個のフランキング残基を有し、プローブcT*tCaT*CtCgT*cTaC*aaT*a(配列番号10)は、荷電部分によって誘導体化されていない(即ち、末端近位誘導体化残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において荷電部分によって誘導体化されていない)合計2個のフランキング残基を有し、及びプローブagT*CgTtC*tTcT*aTCaT*cT(配列番号20)は、荷電部分によって誘導体化されていない(即ち、末端近位誘導体化残基の両方とプローブのそのそれぞれの末端との間において荷電部分によって誘導体化されていない)合計2個のフランキング残基を有する。
PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が0、1、2、3、4、5、6、又は7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が1、2、3、4、5、6、又は7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が0、1、2、3、4、5、又は6個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が2、3、4、5、6、又は7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が0、1、2、3、4、又は5個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が3、4、5、6、又は7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が0、1、2、3、又は4個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が4、5、6、又は7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が0、1、2、又は3個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が5、6、又は7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が0、1、又は2個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が5、6、又は7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が4、5、又は6個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が3、4、又は5個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が2、3、又は4個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が1、2、又は3個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が0、1、又は2個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が6又は7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が5又は6個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が4又は5個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が3又は4個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が2又は3個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が1又は2個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が0又は1個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が7個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が6個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が5個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が4個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が3個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が2個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が1個あり得る。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されている末端近位残基の各々とプローブのそのそれぞれの末端との間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が0個あり得る。
例えば、プローブT*gTgC*cTccC*gTtTT*gTcC*(配列番号6)は、N端側末端とその末端近位誘導体化残基との間に荷電部分によって誘導体化されていない0個の残基を有し、且つC端側末端とその末端近位誘導体化残基との間に荷電部分によって誘導体化されていない0個の残基を有し、プローブcT*tCaT*CtCgT*cTaC*aaT*a(配列番号10)は、N端側末端とその末端近位誘導体化残基との間に荷電部分によって誘導体化されていない1個の残基を有し、且つC端側末端とその末端近位誘導体化残基との間に荷電部分によって誘導体化されていない1個の残基を有し、及びプローブagT*CgTtC*tTcT*aTCaT*cT(配列番号20)は、N端側末端とその末端近位誘導体化残基との間に荷電部分によって誘導体化されていない2個の残基を有し、且つC端側末端とその末端近位誘導体化残基との間に荷電部分によって誘導体化されていない2個の残基を有する。
PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない残基が0、1、2、3、又は4個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない残基が1、2、3、又は4個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない残基が0、1、2、又は3個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない残基が2、3、又は4個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない残基が0、1、又は2個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない残基が3又は4個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない残基が2又は3個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない残基が1又は2個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない残基が0又は1個ある。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない残基が4個ある。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない残基が3個ある。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない残基が2個ある。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない残基が1個ある。PNAプローブの一部の形態において、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない残基が0個ある。
PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない残基が少なくとも1、2、3、又は4個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない残基が少なくとも1、2、又は3個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない残基が少なくとも1又は2個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない残基が少なくとも1個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない残基が少なくとも2個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない残基が少なくとも3個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない1、2、3、又は4個以下の残基がある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない1、2、又は3個以下の残基がある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない1又は2個以下の残基がある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない1個以下の残基がある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない2個以下の残基がある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない3個以下の残基がある。
例えば、プローブT*gTgC*cTccC*gTtTT*gTcC*(配列番号6)は、異なる位置において、部分によって誘導体化されている残基の間に部分によって誘導体化されていない0、1、又は2個の残基を有し、プローブcT*tCaT*CtCgT*cTaC*aaT*a(配列番号10)は、異なる位置において、部分によって誘導体化されている残基の間に部分によって誘導体化されていない0、1、又は2個の残基を有し、及びプローブagT*CgTtC*tTcT*aTCaT*cT(配列番号20)は、異なる位置において、部分によって誘導体化されている残基に部分によって誘導体化されていない0又は1個の残基を有する。
PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が1、2、3、4、5、又は6個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が2、3、4、5、又は6個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が1、2、3、4、又は5個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が3、4、5、又は6個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が1、2、3、又は4個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が4、5、又は6個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が1、2、又は、3個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が4、5、又は6個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が3、4、又は5個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が2、3、又は4個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が1、2、又は3個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が5又は6個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が4又は5個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が3又は4個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が2又は3個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が1又は2個ある。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が6個ある。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が5個ある。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が4個ある。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が3個ある。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が2個ある。PNAプローブの一部の形態において、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が1個ある。
PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が少なくとも1、2、3、4、又は5個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が少なくとも1、2、3、又は4個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が少なくとも1、2、又は3個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が少なくとも1又は2個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が少なくとも1個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が少なくとも2個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が少なくとも3個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない残基が少なくとも4個ある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない1、2、3、4、5、又は6個以下の残基がある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない1、2、3、4、又は5個以下の残基がある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない1、2、3、又は4個以下の残基がある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない1、2、又は3個以下の残基がある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない1又は2個以下の残基がある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない1個以下の残基がある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない2個以下の残基がある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない3個以下の残基がある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない4個以下の残基がある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない5個以下の残基がある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない6個以下の残基がある。
例えば、プローブT*gTgC*cTccC*gTtTT*gTcC*(配列番号6)は、異なる位置において、荷電部分によって誘導体化されている残基の間に荷電部分によって誘導体化されていない3又は4個の残基を有し、プローブcT*tCaT*CtCgT*cTaC*aaT*a(配列番号10)は、異なる位置において、荷電部分によって誘導体化されている残基の間に荷電部分によって誘導体化されていない2、3、又は4個の残基を有し、及びプローブagT*CgTtC*tTcT*aTCaT*cT(配列番号20)は、異なる位置において、荷電部分によって誘導体化されている残基の間に荷電部分によって誘導体化されていない3又は4個の残基を有する。
PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない平均約0.4個以上1.6個以下の残基がある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない平均約0.5個以上1.5個以下の残基がある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない平均約0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、又は1.5個以上0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、又は1.6個以下の残基がある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に部分によって誘導体化されていない平均約0.40、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.50、0.51、0.52、0.53、0.54、0.55、0.56、0.57、0.58、0.59、0.60、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.69、0.70、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、0.80、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.88、0.89、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、1.00、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、1.10、1.11、1.12、1.13、1.14、1.15、1.16、1.17、1.18、1.19、1.20、1.21、1.22、1.23、1.24、1.25、1.26、1.27、1.28、1.29、1.30、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.36、1.37、1.38、1.39、1.40、1.41、01.42、1.43、1.44、1.45、1.46、1.47、1.48、1.49、1.50、1.51、1.52、1.53、1.54、1.55、1.56、1.57、1.58、又は1.59個以上0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.50、0.51、0.52、0.53、0.54、0.55、0.56、0.57、0.58、0.59、0.60、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.69、0.70、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、0.80、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.88、0.89、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、1.00、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、1.10、1.11、1.12、1.13、1.14、1.15、1.16、1.17、1.18、1.19、1.20、1.21、1.22、1.23、1.24、1.25、1.26、1.27、1.28、1.29、1.30、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.36、1.37、1.38、1.39、1.40、1.41、01.42、1.43、1.44、1.45、1.46、1.47、1.48、1.49、1.50、1.51、1.52、1.53、1.54、1.55、1.56、1.57、1.58、1.59、又は1.60個以下の残基がある。
あらゆる誘導体化残基(即ち、部分によって誘導体化されている残基)間にある、部分によって誘導体化されていない残基の平均は、誘導体化残基間の各ギャップにある残基の数(直接隣接する誘導体化残基間のギャップとしての0を含む)を加え合わせてギャップの数(直接隣接する誘導体化残基間の0長さのギャップを含む)で除すことにより計算し得る。従って、例えば、プローブT*gTgC*cTccC*gTtTT*gTcC*(配列番号6)は10個の誘導体化残基間に9個のギャップ(隣接する誘導体化Tの間の0長さのギャップを含む)を有し、誘導体化残基間のギャップは長さ1、1、1、2、1、1、0、1、及び1である。そのため、あらゆる誘導体化残基間にある、部分によって誘導体化されていない残基の平均は、9/9=1となる。別の例として、プローブcT*tCaT*CtCgT*cTaC*aaT*a(配列番号10)は9個の誘導体化残基間に8個のギャップ(隣接する誘導体化T及びCの間の0長さのギャップを含む)を有し、誘導体化残基間のギャップは長さ1、1、0、1、1、1、1、及び2である。そのため、あらゆる誘導体化残基間にある、部分によって誘導体化されていない残基の平均は、8/8=1となる。別の例として、プローブagT*CgTtC*tTcT*aTCaT*cT(配列番号20)は10個の誘導体化残基間に9個のギャップ(隣接する誘導体化T及びC間の0長さのギャップを含む)を有し、誘導体化残基間のギャップは長さ0、1、1、1、1、1、0、1、及び1である。そのため、あらゆる誘導体化残基間にある、部分によって誘導体化されていない残基の平均は、7/9=0.78となる。
或いは、あらゆる誘導体化残基間にある、部分によって誘導体化されていない残基の平均は、非誘導体化フランキング残基(即ち、部分によって誘導体化されていないフランキング残基)の数及び誘導体化残基の数をプローブ中の残基総数から減じ、その結果をプローブ中の誘導体化残基より1少ない数で除すことによって計算し得る。従って、例えば、プローブT*gTgC*cTccC*gTtTT*gTcC*(配列番号6)は19個の総残基、0個の非誘導体化フランキング残基、及び10個の誘導体化残基を有する。そのため、あらゆる誘導体化残基間にある、部分によって誘導体化されていない残基の平均は、(19−0−10)/(10−1)=1となる。別の例として、プローブcT*tCaT*CtCgT*cTaC*aaT*a(配列番号10)は19個の総残基、2個の非誘導体化フランキング残基、及び9個の誘導体化残基を有する。そのため、あらゆる誘導体化残基間にある、部分によって誘導体化されていない残基の平均は、(19−2−9)/(9−1)=1となる。別の例として、プローブagT*CgTtC*tTcT*aTCaT*cT(配列番号20)は19個の総残基、2個の非誘導体化フランキング残基、及び10個の誘導体化残基を有する。そのため、あらゆる誘導体化残基間にある、部分によって誘導体化されていない残基の平均は、(19−2−10)/(10−1)=0.78となる。
PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない平均約0.9個以上6.0個以下の残基がある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない平均約1.0個以上5.0個以下の残基がある。PNAプローブの一部の形態において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間に荷電部分によって誘導体化されていない平均約0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、1.00、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、1.10、1.11、1.12、1.13、1.14、1.15、1.16、1.17、1.18、1.19、1.20、1.21、1.22、1.23、1.24、1.25、1.26、1.27、1.28、1.29、1.30、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.36、1.37、1.38、1.39、1.40、1.41、1.42、1.43、1.44、1.45、1.46、1.47、1.48、1.49、1.50、1.51、1.52、1.53、1.54、1.55、1.56、1.57、1.58、1.59、1.60、1.61、1.62、1.63、1.64、1.65、1.66、1.67、1.68、1.69、1.70、1.71、1.72、1.73、1.74、1.75、1.76、1.77、1.78、1.79、1.80、1.81、1.82、1.83、1.84、1.85、1.86、1.87、1.88、1.89、1.90、1.91、1.92、1.93、1.94、1.95、1.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、2.03、2.04、2.05、2.06、2.07、2.08、2.09、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.15、2.16、2.17、2.18、2.19、2.20、2.21、2.22、2.23、2.24、2.25、2.26、2.27、2.28、2.29、2.30、2.31、2.32、2.33、2.34、2.35、2.36、2.37、2.38、2.39、2.40、2.41、2.42、2.43、2.44、2.45、2.46、2.47、2.48、2.49、2.50、2.51、2.52、2.53、2.54、2.55、2.56、2.57、2.58、2.59、2.60、2.61、2.62、2.63、2.64、2.65、2.66、2.67、2.68、2.69、2.70、2.71、2.72、2.73、2.74、2.75、2.76、2.77、2.78、2.79、2.80、2.81、2.82、2.83、2.84、2.85、2.86、2.87、2.88、2.89、2.90、2.91、2.92、2.93、2.94、2.95、2.96、2.97、2.98、2.99、3.00、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、又は5.9個以上0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、1.00、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、1.10、1.11、1.12、1.13、1.14、1.15、1.16、1.17、1.18、1.19、1.20、1.21、1.22、1.23、1.24、1.25、1.26、1.27、1.28、1.29、1.30、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.36、1.37、1.38、1.39、1.40、1.41、1.42、1.43、1.44、1.45、1.46、1.47、1.48、1.49、1.50、1.51、1.52、1.53、1.54、1.55、1.56、1.57、1.58、1.59、1.60、1.61、1.62、1.63、1.64、1.65、1.66、1.67、1.68、1.69、1.70、1.71、1.72、1.73、1.74、1.75、1.76、1.77、1.78、1.79、1.80、1.81、1.82、1.83、1.84、1.85、1.86、1.87、1.88、1.89、1.90、1.91、1.92、1.93、1.94、1.95、1.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、2.03、2.04、2.05、2.06、2.07、2.08、2.09、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.15、2.16、2.17、2.18、2.19、2.20、2.21、2.22、2.23、2.24、2.25、2.26、2.27、2.28、2.29、2.30、2.31、2.32、2.33、2.34、2.35、2.36、2.37、2.38、2.39、2.40、2.41、2.42、2.43、2.44、2.45、2.46、2.47、2.48、2.49、2.50、2.51、2.52、2.53、2.54、2.55、2.56、2.57、2.58、2.59、2.60、2.61、2.62、2.63、2.64、2.65、2.66、2.67、2.68、2.69、2.70、2.71、2.72、2.73、2.74、2.75、2.76、2.77、2.78、2.79、2.80、2.81、2.82、2.83、2.84、2.85、2.86、2.87、2.88、2.89、2.90、2.91、2.92、2.93、2.94、2.95、2.96、2.97、2.98、2.99、3.00、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、又は6.0個以下の残基がある。
荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間にある、荷電部分によって誘導体化されていない残基の平均は、荷電部分によって誘導体化されている残基間の各ギャップにある荷電部分によって誘導体化されていない残基の数(直接隣接する荷電部分によって誘導体化されている残基間のギャップとしての0を含む)を加え合わせてギャップの数(直接隣接する荷電部分によって誘導体化されている残基間の0長さのギャップを含む)で除すことにより計算し得る。従って、例えば、プローブT*gTgC*cTccC*gTtTT*gTcC*(配列番号6)は荷電部分によって誘導体化されている5個の残基間に4個のギャップを有し、誘導体化残基間のギャップは長さ3、4、4、及び3である。そのため、あらゆる誘導体化残基間にある、部分によって誘導体化されていない残基の平均は、14/4=3.5となる。別の例として、プローブcT*tCaT*CtCgT*cTaC*aaT*a(配列番号10)は荷電部分によって誘導体化されている5個の残基間に4個のギャップを有し、誘導体化残基間のギャップは長さ3、4、3、及び2である。そのため、あらゆる誘導体化残基間にある、部分によって誘導体化されていない残基の平均は、12/4=3.0となる。別の例として、プローブagT*CgTtC*tTcT*aTCaT*cT(配列番号20)は荷電部分によって誘導体化されている4個の残基間に3個のギャップを有し、誘導体化残基間のギャップは長さ4、3、及び4である。そのため、あらゆる誘導体化残基間にある、部分によって誘導体化されていない残基の平均は、11/3=3.7となる。
或いは、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間にある、荷電部分によって誘導体化されていない残基の平均は、荷電部分によって誘導体化されていないフランキング残基の数及び荷電部分によって誘導体化されている残基の数をプローブ中の残基総数から減じ、その結果をプローブ中の荷電部分によって誘導体化されている残基より1少ない数で除すことによって計算し得る。従って、例えば、プローブT*gTgC*cTccC*gTtTT*gTcC*(配列番号6)は19個の総残基、0個の荷電部分によって誘導体化されていないフランキング残基、及び5個の荷電部分によって誘導体化されている残基を有する。そのため、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間にある、荷電部分によって誘導体化されていない残基の平均は(19−0−5)/(5−1)=3.5となる。別の例として、プローブcT*tCaT*CtCgT*cTaC*aaT*a(配列番号10)は19個の総残基、2個の荷電部分によって誘導体化されていないフランキング残基、及び5個の誘導体化残基を有する。そのため、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間にある、荷電部分によって誘導体化されていない残基の平均は(19−2−5)/(5−1)=3.0となる。別の例として、プローブagT*CgTtC*tTcT*aTCaT*cT(配列番号20)は19個の総残基、4個の荷電部分によって誘導体化されていないフランキング残基、及び4個の荷電部分によって誘導体化されている残基を有する。そのため、荷電部分によって誘導体化されているあらゆる残基間にある、荷電部分によって誘導体化されていない残基の平均は(19−4−4)/(4−1)=3.7となる。
PNAプローブの一部の形態において、独立に、0、1、又は2個のプリン残基が誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、独立に、0又は1個のプリン残基が誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、独立に、0個のプリン残基が誘導体化されている。PNAプローブの一部の形態において、プリン残基は誘導体化されていない。
PNAプローブの電荷及び長さに加えて、miniPEG修飾キラル残基の含有量も任意の所与の適用向けに最適化することができる。一部の形態において、最適な18−mer PNAプローブは3、4、又は5個のガンマ−mini−PEG修飾を有し得る。詳細な形態において、4個のガンマ−mini−PEG残基の使用が収率と選択性との間の最適な妥協である。
例示的な形態において、PNAプローブは18又は19塩基を含む。好ましくは、プローブは、荷電アミノ酸側鎖を有する3又は4又は5個の残基を含有し、最も好ましくは荷電アミノ酸側鎖を有する4又は5個の残基を含有する。好ましくは、プローブは、mini−PEGを有する1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10又は11又は12又は13又は14個の残基を含有する。プローブ性能は、ハイブリダイゼーション、例えば特異的核酸配列に対するプローブの特異性及び/又は親和性に関係し得る。一部の形態において、プローブ性能は荷電アミノ酸残基の含有量に直接関連するか、mini−PEG修飾を有する残基の含有量に直接関連するか、又は荷電アミノ酸を有する残基の含有量及びmini−PEG修飾を有する残基の含有量に直接関連する。例えば、荷電アミノ酸側鎖を有する残基が多く存在するほど、荷電アミノ酸側鎖を有する残基が少ない均等なPNAプローブと比べてプローブの特異的ハイブリダイゼーションが増加し得る。一部の形態において、荷電アミノ酸側鎖を有する残基の存在は、mini−PEG修飾を有する残基の存在と比べてプローブ性能に一層大きい影響を及ぼす。
幾つかのL−リジン又は幾つかのL−チアリジン残基を含有する18塩基PNAプローブの好ましい組成の非限定的な例を以下の表3に示す。
d.例示的PNAプローブ
各PNAプローブ内の核酸のプローブ用配列が、各プローブがハイブリダイズすることになる核酸配列を定義する。従って、各プローブのプローブ用配列核酸塩基配列が、記載される方法により定義されるとおりプローブにハイブリダイズするとエンリッチされることになる、プローブ領域によって標的化される相補核酸配列(例えばゲノムDNA断片)を定義する。
PNAプローブの例示的核酸塩基プローブ用配列を表4に提供する。
2.一本鎖DNA結合タンパク質
一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)も記載される。一本鎖結合タンパク質(SSB)は、PNAハイブリダイゼーションプローブによる二本鎖DNAインベージョンを促進することができる。
一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)は、二本鎖DNA−PNA複合体の安定性を増加させることができる。例えば、SSBは従来の(アキラル)PNAプローブによるハイブリダイゼーションを促進することができる(Ishizuka et al.,2009;Ishizuka&Tedeschi,2009)。PNA及びSSBは、PNAに結合していない一本鎖DNAを安定化させる二本鎖DNA−PNA−SSB複合体を形成する。従って、細菌性一本鎖結合タンパク質(SSB)を含有する反応緩衝液を使用すると、標的DNAの一方の鎖のみとハイブリダイズするPNAプローブによるPNAストランドインベージョンの効率及び特異性が向上する。例示的SSBタンパク質は、大腸菌(Escherichia coli)(E.coli)、及びサーマス・アクアチカス(Thermus aquaticus)(Taq)を含めた生物に由来する。2Mの最終濃度となる一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)。溶液中のSSB濃度は、実験の必要性に応じて最適化することができる。SSBは、SIGMA(カタログ番号:S3917)など、幾つもの供給元から市販されている。典型的には、SSBは約0.01μM〜100μM(端点を含む)の濃度で存在する。好ましいSSB濃度は2〜3μMである。
3.核酸試料
本開示の方法について、試料は、概して、核酸試料が採取及び入手される任意の方法及び方式で採取及び/又は入手されてもよい。
「試料」とは、核酸の任意の抜き取りが意図される。本開示の方法では任意の核酸試料を使用することができる。好適な核酸試料の例としては、ゲノム試料、mRNA試料、cDNA試料、核酸ライブラリ(cDNA及びゲノムライブラリを含む)、全細胞試料、環境試料、培養試料、組織試料、体液、及び生検試料が挙げられる。多数の他の核酸試料供給源が公知であり、又は開発することができ、及び本開示の方法では任意のものを使用することができる。本開示の方法での使用に好ましい核酸試料は、ゲノムDNAの酵素的又は機械的切断によって作成されるゲノム試料及びdsDNAライブラリなど、複雑性の高い核酸試料である。
様々な身体試料又は細胞試料の採取方法及び核酸の抽出方法が当該技術分野において周知である。例えば、核酸は、核酸を含有する細胞、組織、又は体液から入手することができる。身体試料の例としては、限定はされないが、血液、リンパ液、尿、婦人科的体液、及び生検が挙げられる。体液には、血液、尿、唾液、又は任意の他の体分泌又はその派生物が含まれ得る。血液には、全血、血漿、血清、又は任意の血液派生物が含まれ得る。試料には、スワブ及び洗液からの細胞、特に真核細胞又は生検からの組織が含まれ得る。試料は、例えば、針を使用してある範囲を掻き取り、洗浄し、又は拭き取って体液を吸引することによるか、又は組織試料を取り出す(即ち、生検)ことによるのを含め、種々の技法によって対象から入手することができる。
一部の形態において、核酸試料はヒトゲノムDNAなどのゲノムDNAである。ヒトゲノムDNAは複数の商業的供給元(例えば、Coriell #NA23248)から入手可能である。典型的には、ゲノムDNA核酸試料は未変性dsDNAを含む。従って、試料は、完全に変性したことがない(即ち、変性したことがないDNA)か又は実質的又は部分的に変性したことがない(即ち、実質的に変性したことがないDNA)dsDNAを含めた非変性DNA、又は変性DNAと非変性DNAとの混合物を含み得る。一部の形態において、核酸試料には、二本鎖DNAと一本鎖DNAとの混合物を含み得る非天然DNA(即ち合成DNA)が含まれる。核酸断片は、大型核酸分子のセグメントである。核酸断片とは、本開示の方法において用いられるとき、概して切断されている核酸分子を指す。核酸切断試薬と共にインキュベートされた核酸試料は消化試料と称される。制限酵素を使用して消化した核酸試料は消化試料と称される。従って、核酸試料は、ヒトゲノムDNA(ヒト核酸及びミトコンドリアDNAを含む混合物を含む)などのゲノムDNAであるか、又はその任意の消化若しくは切断試料であってもよい。一部の形態において、核酸試料は1つ以上の目的のゲノムDNA断片を含有する。例示的核酸断片は、約2kb、約10kb、約15kb、約20kb、約25kb、約30kb、約35kb、又は約40kbの長さを有する。
B.キット
上記に記載される材料並びに他の材料は、本開示の方法の実施、又はその性能の促進に有用なキットとして任意の好適な組み合わせで共にパッケージ化することができる。これは、所与のキットにおけるキット構成要素が本開示の方法において共に使用するように設計され、適合される場合に有用である。例えば、本開示の方法に係る長い二本鎖DNA鎖の配列特異的キャプチャ及びエンリッチメント用のキットが開示される。典型的には、キットは、DNA配列に特異的なPNAプローブの1つ以上のセットを含む。例えば、あるゲノムについての1つ以上の特異的DNA配列の同時キャプチャ用のキットは、各プローブがそのゲノム内の一致する標的配列と相補的な、対応するPNAハイブリダイゼーションプローブの複数の異なるセットを含む。一部の形態において、ゲノムDNAキャプチャ用のキットは、所望のゲノムDNA断片をキャプチャするようにカスタム設計されたPNAハイブリダイゼーションプローブの1つ以上のセットを含むようにカスタマイズすることができる。
キットは、DNAを断片化するための任意の手段を含み得る。DNAの断片化装置は当該技術分野において公知であり、Covaris集束超音波処理器などの超音波処理器が挙げられる。
キットはまた、PNA−DNA複合体のキャプチャ及びアフィニティー精製に好適な装置も含み得る。好適な装置にはアフィニティー結合カラムが含まれ得る。アフィニティー結合カラムは、1つ以上のPNAハイブリダイゼーションプローブ上のキャプチャタグに特異的なキャプチャドックとカップリングした好適な基材マトリックスを含み得る。好ましくは、アフィニティー結合カラムは、断片の洗浄及び取り扱いの簡略化を促進し、及び本方法の全て又は一部の自動化を可能にする。キットはまた、標的DNA/PNA複合体から望ましくない反応成分を洗い流し、又は他の方法で分離する好都合な手段を提供する任意の他の装置も含み得る。PNA/DNA複合体と未結合PNAプローブとを分離するための例示的材料は、例えばビーズの形態のポリアクリルアミドである。未結合PNAプローブの分離に好適なポリアクリルアミドビーズは、複数の商業的供給元から入手可能である(例えば、Biogel P100、BioRadから入手可能、カタログ番号150−4170)。従って、キットは、Biogel P100を含有するカラムを含み得る。
キットは、薄膜又はメンブレン、ビーズ、ボトル、ディッシュ、繊維、織り繊維、異形ポリマー、粒子及びマイクロパーティクルを含めた任意の有用な形態の基材を含有し得る。一部の形態において、キットは磁気ビーズの形態の基材、例えば、ストレプトアビジン被覆常磁性ビーズ(例えば、DYNABEADS(登録商標)M280ストレプトアビジン、Thermo−Fisher Life Technologiesから入手可能、カタログ番号112.05D;112.06D又は602.10)を含む。キットはまた、核酸のカップリング、結合した複合体の洗浄及び基材からの核酸の溶出に必要な緩衝液及び試薬も含み得る。カップリング及び洗浄用の例示的な緩衝液としては、10mMトリス−HCl(pH7.5)、1mM EDTA、2M NaClが挙げられる。キットはまた、複数の供給元から市販されている他の緩衝液及び試薬も含み得る(例えば、DYNABEADS(登録商標)Kilobase BINDER(商標)キット、Thermo−Fisher Life Technologiesから入手可能、カタログ番号60101)。磁気ビーズが用いられる場合、キットはまた、磁石など、磁気ビーズの分離に好適な手段も含み得る。
キットはまた、当該技術分野で確立されている任意の方法に係る基材へのキャプチャドックの固定化及びカップリングに必要な化学的試薬も含み得る。
例示的取り付け用薬剤としては、臭化シアン、スクシンイミド、アルデヒド類、塩化トシル、アビジン−ビオチン、光架橋剤、エポキシド類及びマレイミド類が挙げられる。
本開示のキットはまた、一本鎖結合タンパク質(SSB)も含み得る。SSBは容器内にアリコートとして提供されてもよく、標的DNAと配列特異的PNAとの間の相互作用によって形成される複合体を安定化させるのに十分な量であり得る。
一部の形態において、キットは、特異的ゲノム、例えばヒトゲノムの1つ以上の構成成分の標的特異的エンリッチメントに好適な試薬の1つ以上のセットを含むように設計される。記載されるキットを使用して標的化し、エンリッチすることのできる例示的ヒトゲノムDNAには、MHC領域に位置するDNAが含まれる。例えば、詳細な形態において、キットは、6番染色体の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)領域に位置する最大7メガベースのヒトゲノムDNAをキャプチャするように設計されたPNAプローブセットを含む。
一部の形態において、キットは、1つ以上の特定の免疫学的特徴又は表現型に関連することが知られているMHCのゲノム成分をキャプチャするように設計されたPNAプローブセットを含む。例示的な免疫学的特徴又は表現型としては、自己免疫疾患素因を有すること、又は自己免疫疾患症状を示すことが挙げられる。従って、一部の形態において、キットは、配列変異が自己免疫疾患などの免疫学的特徴と関連付けられる領域を含むゲノムDNAを選択的にエンリッチするPNAプローブを含む。自己免疫疾患に関係する配列変異と関連付けられる例示的遺伝子としては、とりわけ、DRB1及びDQA1遺伝子が挙げられる。従って、一部の形態において、キットは、DRB1遺伝子、又はDRB1遺伝子の断片を含むゲノムDNA断片をエンリッチするPNAプローブを含む。一部の形態において、キットは、DQA1遺伝子、又はDQA1遺伝子の断片を含むゲノムDNA断片をエンリッチするPNAプローブを含む。一部の形態において、キットは、DQA1遺伝子、又はDQA1遺伝子の断片及びDRB1遺伝子、又はDRB1遺伝子の断片を含むゲノムDNA断片をエンリッチするPNAプローブを含む。例示的ゲノム標的領域は90,000塩基長であり、ゲノム座標chr6:32522981〜32612981(ヒトゲノムビルドhg19を基準とした座標)にわたる。一部の形態において、6番染色体の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)領域に位置するヒトゲノムDNAをエンリッチするキット、例えば、DRB1及びDQA1遺伝子を標的化するキットは、配列番号6〜23の核酸塩基プローブ用配列を有する1つ以上のプローブを含む。
一部の形態において、キットは、ヒトFOXP3(フォークヘッドボックスP3、調節性T細胞に発現する)プロモーターの−22,000塩基上流から始まってFOXP3プロモーターの18,000塩基下流で終わる領域にわたる40,000塩基ウィンドウを標的化する。従って、一部の形態においてキットは、FOXP3遺伝子、又はFOXP3遺伝子の断片を含むヒトゲノムDNAを標的化する。例示的ゲノム標的領域は、ゲノム座標chrX:49103288〜49143288(ヒトゲノムビルドhg19を基準とした座標)にわたる配列である。この領域からのゲノムDNAをエンリッチするための例示的キットは、ゲノム内で互いに平均5,714塩基対離れている合計7個のプローブを使用する。一部の形態において、ヒトFOXP3プロモーターの領域に位置するヒトゲノムDNAをエンリッチするキットは、配列番号24〜30の核酸塩基プローブ用配列を有する1つ以上のプローブを含む。一部の形態において、FOX3遺伝子及びFOX3遺伝子の成分を標的化するキットは、配列番号24〜30の核酸塩基プローブ用配列を有する7つのPNAプローブを含む。
一部の形態において、キットは、1つ以上の疾患若しくは病態に関連するか、又は1つ以上の疾患若しくは病態の発症と既知の相関を有する(即ち、疾患リスクと関連付けられる)遺伝要素をキャプチャするように設計されたPNAプローブセットを含む。例示的疾患は、自己免疫疾患、糖尿病、及びメタボリックシンドローム、並びに癌である。例えば、詳細な形態において、キットは、異なる位置に位置し、且つ自己免疫疾患の疾患リスクに関連する複数のエンハンサーエレメントにマッピングされる最大40メガベースのヒトゲノムDNAをキャプチャするように設計されたPNAプローブセットを含む。一部の形態において、キットは、異なる位置に位置し、且つ糖尿病及びメタボリックシンドロームの疾患リスクに関連する複数のエンハンサーエレメントにマッピングされる最大40メガベースのヒトゲノムDNAをキャプチャするように設計されたPNAプローブセットを含む。一部の形態において、キットは、異なる位置に位置し、且つ異なる白血球サブセットの分化に関連する複数のエンハンサーエレメントにマッピングされる最大50メガベースのヒトゲノムDNAをキャプチャするように設計されたPNAプローブセットを含む。例えば、一部の形態において、キットは、II型糖尿病などの重大な疾患に関連するエンハンサークラスターをキャプチャするように設計されたPNAプローブセットを含む。膵島でエンリッチされる強力な発現を有する遺伝子の近くにマッピングされた3,677個のエンハンサークラスターが同定されている(Pasquali et al.,Nat Genet.2014 Feb;46(2):136−43(2014))。従って、一部の形態において、キットは、クラスター内の全てのエンハンサーを包含するように30,000〜150,000塩基対のゲノムDNAウィンドウをキャプチャするPNAプローブを含む。例えば、キットは、各クラスター内で互いから5,000〜7,000塩基の平均距離にあるユニーク配列のPNAプローブを含み得る。
一部の形態において、キットは、ミトコンドリアDNAなど、単一のゲノムからの、又は同じ若しくは異なる種由来の2つ以上のゲノムの混合物からのゲノムDNAのサブセット全体をキャプチャするように設計されたPNAプローブセットを含む。例えば、詳細な形態において、キットは、ヒトミトコンドリアゲノム全体をキャプチャするように設計されたPNAプローブセットを含む。一部の形態において、ヒトミトコンドリアゲノムの一部又は全てに対応するヒトゲノムDNAをエンリッチするキットは、配列番号31〜34の核酸塩基プローブ用配列を有する1つ以上のプローブを含む。一部の形態において、ヒトミトコンドリアゲノムの一部又は全てに対応するヒトゲノムDNAをエンリッチするキットは、配列番号31〜34の核酸塩基プローブ用配列を有する4つのPNAプローブを含む。
一部の形態において、キットは、イヌミトコンドリアゲノム全体をキャプチャするように設計されたPNAプローブセットを含む。一部の形態において、キットは、ネコミトコンドリアゲノム全体をキャプチャするように設計されたPNAプローブセットを含む。更なる形態において、キットは、細菌、古細菌、真菌、原虫、又はこれらの2つ以上の混合物の1つ以上の種のゲノムDNAをキャプチャするように設計されたPNAプローブセットを含む。従って、キットは、ヒト口腔内に存在する細菌の1つ以上の種、ヒト気道内に存在する又はヒト泌尿生殖器管内に存在する又はヒト血液若しくは糞便中に存在することが知られる細菌の1つ以上の種のゲノムDNAをキャプチャするためPNAプローブ及び/又は他の試薬を含み得る。例えば、詳細な形態において、キットは、ヒト口腔内に存在する細菌の20以上の種のゲノムDNAをキャプチャするように設計されたPNAプローブセットを含む。更なる形態において、キットは、ヒト糞便中に存在する細菌の20以上の種のゲノムDNAをキャプチャするように設計されたPNAプローブセットを含む。
C.混合物
高度な多様性の短いハイブリダイゼーションプローブ分子を使用すると、多くの異なるゲノムDNAドメインの同時キャプチャが可能になることが確立されている。本開示の方法を実施すること又はその実施のため調製することにより形成される混合物が開示される。
1.2つ以上のハイブリダイゼーションプローブの混合物
例えば、特異的DNA配列を標的化するように設計されたハイブリダイゼーションプローブの1つ以上のセットを含む混合物が開示される。典型的には、ハイブリダイゼーションプローブのセットは、同一でないヌクレオチド配列を標的化する少なくとも2つのプローブを含む。好ましくは、ハイブリダイゼーションプローブの各々は、ガンマリジンPNAなど、正電荷で修飾された少なくとも1つのPNAと、ガンマ−mini−PEG PNAなど、中性短鎖オリゴマーで修飾された少なくとも1つのPNAとを含むPNAプローブである。
少なくとも2つの異なるPNAハイブリダイゼーションプローブを含む混合物が提供される。例えば、この混合物は、単一の目的ゲノムDNA断片内にある非重複配列と相補的な3つ以上のハイブリダイゼーションプローブを含み得る。例示的dsDNA断片は、約2kb、約10kb、約15kb、約20kb、約25kb、約30kb、約35kb、又は約40kbの長さを有する。
詳細な形態において、混合物は、本開示の方法に係る先行のDNA試料から目的のゲノム領域を選択的にキャプチャするように設計された複数のハイブリダイゼーションプローブを含む。例えば、2つ以上の遺伝子特異的プローブを含む混合物は、ヒトゲノムからの1つ以上の特異的遺伝子を標的化することができる。一部の形態において、混合物は、ヒトゲノムの20,000遺伝子のいずれか1つを標的化するように設計されたハイブリダイゼーションプローブのセットを含む。一部の形態において、混合物は、ヒトゲノムの20,000遺伝子の2つ以上を標的化するように設計されたハイブリダイゼーションプローブのセットを含む。一部の形態において、混合物は、ヒトゲノムの20,000遺伝子の全てを選択的にキャプチャするように設計された約40,000のハイブリダイゼーションプローブを含む。一部の形態において、約18,000のPNAハイブリダイゼーションプローブのセットが、特定の疾患に関係するエンハンサーを包含するヒトゲノムの6,000の異なる領域を標的化するように設計される。一部の形態において、約16の異なるPNAハイブリダイゼーションプローブのセットが、ヒトミトコンドリアDNAを標的化するように設計される。この場合、プローブの高度な多様性を利用することにより、生体試料に複数のミトコンドリアDNA突然変異が存在する場合であっても16kbミトコンドリアDNAのキャプチャが確実となる。
単一の混合物中で複数のPNAプローブを使用するためには、セット中の全てのプローブ配列が互いにハイブリダイズ不能であることが好ましい。従って、混合物は、好ましくは、少なくとも3つのミスマッチ塩基、又はより好ましくは少なくとも4つのミスマッチ、又はより好ましくは少なくとも5つのミスマッチ、又は更により好ましくは少なくとも6つのミスマッチを有するPNAプローブ対の組み合わせを含む。
本方法が組成物又は構成成分又は試薬を混合すること又は接触させることを含む場合には常に、本方法の実施によって幾つもの異なる混合物が作り出される。例えば、本方法が3つの混合ステップを含む場合、これらのステップが別々に実施された場合、これらのステップのそれぞれの後にユニークな混合物が形成される。加えて、ステップがどのように実施されたかに関わらず、全てのステップの完了時に混合物が形成される。本開示は、本開示の方法の実施によって得られるこれらの混合物、並びに例えば本明細書に開示される、任意の開示される試薬、組成物、又は構成成分を含有する混合物を企図する。
D.システム
本開示の方法の実施、又はその性能の促進に有用なシステムが開示される。システムは、概して、構造体、機械、装置などの製品、及び組成物、化合物、材料などの組み合わせを含む。開示される、又は本開示から明らかな、かかる組み合わせが企図される。例えば、核酸試料を処理し、及び配列特異的dsDNA断片をエンリッチする装置、並びに断片の核酸配列を決定し、任意選択で核酸のメチル化状態を検出するなど二次構造特性を含めて評価する装置を含むシステムが開示及び企図される。別の例として、ゲノム核酸試料を断片化し、並びに特異的核酸断片の配列及び任意選択でメチル化状態を検出する自動装置を含むシステムが開示及び企図される。
1.データ構造及びコンピュータ制御
本開示の方法において用いられる、それによって生成される、又はそれから生成されるデータ構造が開示される。データ構造は、概して、組成物又は媒体において収集、整理、保存、及び/又は具体化された任意の形態のデータ、情報、及び/又はオブジェクトである。例えば、RAM又はストレージディスクなどに電子形式で保存された、特異的標的配列又はハイブリダイゼーションプローブ、及びメチル化プロファイル、又は配列と関連メチル化状態とのセットに関連する大型dsDNA断片のヌクレオチド配列は、一種のデータ構造である。本開示の方法、又はその任意の一部又はその調製は、コンピュータ制御によって制御し、管理し、又は他の形で補助することができる。かかるコンピュータ制御は、コンピュータ制御されたプロセス又は方法によって達成することができ、データ構造を使用及び/又は生成することができ、及びコンピュータプログラムを使用することができる。かかるコンピュータ制御、コンピュータ制御されたプロセス、データ構造、及びコンピュータプログラムが企図され、及び本明細書に開示されることが理解されなければならない。
用途
本開示の方法及び組成物は、限定はされないが、極めて長い二本鎖DNA分子をキャプチャすることによる複数のゲノムDNA領域のエンリッチメントを含め、数多くの分野に適用可能である。他の用途には、極めて長いDNA分子のシーケンシング解析及びフェージング化ハプロタイプの作成が含まれる。他の用途には、極めて長いDNA分子の天然メチル化状態の分析及びフェージング化ヘピタイプの作成が含まれる。他の用途が開示され、本開示から明らかであり、及び/又は当業者によって理解されるであろう。
長いDNAリードの特別な有用性を利用するための長いDNA分子のキャプチャ方法が提供される。長いDNA鎖の配列特異的キャプチャは、単一のDNA鎖、純父性鎖又は代わりに純母性鎖のいずれかに対応する配列アセンブリからなるフェージング化ハプロタイプの構築を可能にする。
従って、本方法は、フェージング化ハプロタイプの作成を含み得る。フェージング化ハプロタイプは、ヒトゲノムの長い距離にわたる遺伝的に決定された変異性の遺伝子連鎖構造に関する価値ある遺伝情報を含む一塩基多型(SNP)の秩序付けられたセットを含み得る。
全ゲノムフェージング化ハプロタイプの構築についてこれまでに報告された最も効率的な方法の1つは、統計的手法を用いたロングリードハプロタイピング(SLRH、Kuleshov et al.,2014)である。SLRHは希釈ハプロタイピングの一形態であり、少数の大きい約7〜10kbp DNA断片を別個のプールに入れることを伴う。各プールに、その断片を同定するユニークなバーコードが取り付けられ、次にそれらがフェージングアルゴリズムを用いて短いリード配列から復元され、長いハプロタイプブロックにアセンブルされる。プールされ、バーコードが付加されたDNA断片のライブラリがシーケンシングされる。シーケンシングされたリードが、次に参照ゲノムとアラインメントされ、バーコードアダプターによって特定されるとおりのその元のウェルにマッピングし戻される。各ウェル内のマッピングされたリードが、同じ断片から来たと考えられるグループにクラスタリングされる。統計的手法による希釈ハプロタイピングの有効性及び精度の向上のため、ハプロタイピングアルゴリズムPrismが開発された。Kuleshov et al.(2014)は、SLRHを用いて、3つのヒトゲノムにおける一塩基変異の99%を0.2〜1Mbp長の長いハプロタイプブロックにフェージングすることを実証した。
SNPを長いDNAシーケンシングリードのフェージングによって秩序付けることができるのと全く同じように、理論上、フェージング化「ヘピタイプ」をアセンブルすることが可能である。用語「ヘピタイプ」は、ハプロタイプになぞらえて、ヒトゲノムの比較的長い距離にわたるエピジェネティックに決定された変異性のエピジェネティックな遺伝子連鎖構造に関する価値あるエピジェネティック情報を含む、可変的シトシンメチル化状態のポジション(メチル化又は非メチル化)秩序付けられた組である。ほぼ全ての従来のDNAメチル化シーケンシング技法が、250塩基対以下のシーケンシングリードを生じる。
Herrmann et al.(2011)は、Roche FLXシステムを利用して一連のDNAメチル化シーケンシング実験を実施し、そこでは平均リード長さが204塩基対であったことにより、比較的短い「ヘピタイプ」の構築に十分なフェージングされたメチル化情報を得ることが可能になった。これらのヘピタイプは、結腸癌及び濾胞性リンパ腫における体細胞進化の系統発生トレース研究で有用なデータを提供した。このフェージングされたDNAメチル化情報を用いて、癌細胞でDNAメチル化パターンの改変をもたらした癌発生変化の系統樹が構築された。系統樹は、Phylip 3.69(インターネットサイトevolution.gs.washington.edu/phylip.html)に実装されているとおりの最大節約法をデフォルトパラメータで用いてフィッティングされた。
最新の研究では、2つの細胞株(ヒト胚性幹細胞及び分化した肺線維芽細胞)からの大規模な短いリードのメチル化データを利用して、ヒトゲノムにわたる何千もの異なるSNP遺伝子座に関連するフェージング化ヘピタイプが生成された(Chung et al.,2013)。この研究は、亜硫酸水素塩シーケンシングによって得られたデータに基づき、従ってフェージングされたヘピタイプには100bpより短い距離が含まれた。この研究で見られた最も長いヘピタイプはchr12における89bpであり、これは、細胞の複製に伴い差次的にメチル化されることも、又はメチル化されないこともある10個のシトシン位置を含んだ。別の観察されたヘピタイプにはchr2の95塩基対が含まれ、メチル化されることも、又はメチル化されないこともある6個のシトシン位置を含んだ。報告されたヘピタイプは、シーケンシングリードが短いため、従来定義されてきたハプロタイプよりも短い。
記載される本方法に係る長い二本鎖DNAキャプチャの基本的な特性は、キャプチャ標的配列(及び対応するプローブ)を、典型的には2,000〜40,000塩基対長の範囲の同じ長いDNAゲノムドメイン内に存在する別のものに容易に置換可能であることである。
本開示の方法は、計測、検出、比較、分析、アッセイ、スクリーニング等に基づいた核酸試料、状態等の決定、同定、相関付け等(これらはまとめて「同定」と称することができる)を含む。
例えば、本開示の方法を用いて、ゲノムDNAからのフェージング化ハプロタイプ及びフェージング化ヘピタイプ(エピハプロタイプとも称される)の同定用の核酸配列情報データベースを生成することができる。かかる同定は様々な理由で有用である。例えば、及び詳細には、かかる同定により、行われた特定の同定に基づいた、且つそれと関連性のある具体的な対応を取ることが可能になる。例えば、組織試料中の特定のエピハプロタイプの診断である。特定の例では、特定のエピハプロタイプが、特定の対象における疾患又は病態(及び他の対象におけるその疾患又は病態の診断の欠如)の指標となることができ、その診断に基づいた治療、対応、行為等が有益となり得る対象を同定する極めて有用な効果がある。例えば、同定された対象における特定の疾患又は病態の治療は、かかる同定を行わない(又は同定を考慮しない)あらゆる対象の治療と著しく異なる。治療が必要な、又は治療が有益となり得る対象はそれを受けることになり、治療が必要のない、又は治療が有益でないであろう対象はそれを受けないことになる。
従って、本明細書にはまた、開示される同定に従う、且つそれに基づく特定の対応を取ることを含む方法も開示される。例えば、母性又は父性染色体の長い距離にわたる塩基修飾情報を例えば含む核酸配列情報に基づく同定など、同定のレコードを(物理的な−例えば紙、電子的、又は他の形式などで)作成すること、又は電子データベースなど、データベースを作成することを含む方法が開示される。従って、例えば、本開示の方法に基づき同定のレコードを作成することは、単に計測、検出、比較、分析、アッセイ、スクリーニング等を実施することとは物理的且つ有形的に異なる。かかるレコードは、例えば、他者(編集、処理、カタログ化又は同定に基づく治療、モニタリング、フォローアップ、助言等を行うことができるであろう者など)に伝達すること;後の使用又はレビューのため保持すること;種々の計測、検出、比較、分析、アッセイ、スクリーニング等に基づく対象のセット、治療有効性、同定の精度の評価にデータを使用することなどができる有形の形式で同定を固定することを可能にする点で特に実質的且つ有意である。例えば、同定のレコードのかかる使用は、例えば、同定のレコードを作製した人又は実体と同じ人又は実体によるか、それと異なる人又は実体によるか、又はそれと同じ人又は実体と、異なる人又は実体との組み合わせによってなされてもよい。本開示のレコード作成方法は、本明細書に開示される任意の1つ以上の他の方法、詳細には本開示の同定方法の任意の1つ以上のステップと組み合わせることができる。
別の例として、1つ以上の他の同定に基づき1つ以上の更なる同定を行うことを含む方法が開示される。例えば、特定の診断、治療、モニタリング、フォローアップ、助言等は、他の同定に基づき同定することができる。例えば、試料又は対象が高レベルの特定の成分又は特性を伴う疾患又は病態を有することの指標となり得るDNAメチル化パターンを含め、特定の塩基修飾パターンの同定は、高レベルの成分又は特性に基づく、又はそれに向けられた療法によって治療し得る又は治療すべきである対象として更に同定することができる。かかる更なる同定のレコードを(例えば上記に記載したとおり)作成することができ、及び任意の好適な方法で用いることができる。かかる更なる同定は、例えば、直接他の同定に、かかる他の同定のレコードに、又は組み合わせに基づいてもよい。かかる更なる同定は、例えば、他の同定を行う人又は実体と同じ人又は実体、それと異なる人又は実体、又はそれと同じ人又は実体と、異なる人又は実体との組み合わせによって行われてもよい。更なる同定を行う本開示の方法は、本明細書に開示される任意の1つ以上の他の方法、詳細には本開示の同定方法の任意の1つ以上のステップと組み合わせることができる。
別の例として、本開示の方法による核酸の分析から同定された対象を治療、モニタリング、フォローアップ、助言等することを含む方法が開示される。従って、対象は、対象から採取された核酸試料の本開示の方法のいずれかに従う分析により、治療、モニタリング、フォローアップ、助言等が必要であると同定され得る。例えば、同定に基づき、及び/又は同定のレコードに基づき、特定の治療、モニタリング、フォローアップ、助言等を用いることができる。例えば、高レベルの特定の成分又は特性を伴う疾患又は病態を有すると同定された対象(及び/又はかかる同定のレコードが作製された対象)は、高レベルの成分又は特性に基づく、又はそれに向けられた療法で治療することができる。高レベルの成分の例は、本開示の方法によりキャプチャされ、次にシーケンシングされたミトコンドリアDNA中の高頻度のヘテロプラスミー(単一の生体試料中における種々の突然変異DNA配列の存在)である。高レベルの成分の別の例は、キャプチャされたDNA断片における高レベルの低メチル化(メチル化の欠損、多くの場合に転写活性化に関連する)である。かかる低メチル化は、例えば、本開示の方法によりキャプチャ及びシーケンシングされることにより塩基修飾が明らかになった特定のヒト内在性レトロウイルス(HERV)配列に対応するキャプチャされたDNA断片に検出され得る。かかる治療、モニタリング、フォローアップ、助言等は、例えば、直接同定に、かかる同定のレコードに、又は組み合わせに基づくことができる。かかる治療、モニタリング、フォローアップ、助言等は、例えば、同定及び/又は同定のレコードを作製した人又は実体と同じ人又は実体、それと異なる人又は実体、又はそれと同じ人又は実体と、異なる人又は実体との組み合わせによって実施されてもよい。本開示の治療、モニタリング、フォローアップ、助言等の方法は、本明細書に開示される任意の1つ以上の他の方法、詳細には本開示の同定方法の任意の1つ以上のステップと組み合わせることができる。
方法
A.大型配列特異的dsDNA断片の単離方法
1.ゲノムDNAキャプチャ
ゲノムDNAから、又は同様に良好に、長いDNA断片で構築されたDNAシーケンシングライブラリから、複数の長い二本鎖DNA領域をキャプチャし、単離し、及び特徴付ける方法が開発されている。これらの方法は、ゲノムDNAライブラリなど、DNA断片の混合物からの特異的DNA配列の精製、又は選択されたDNA配列クラスの単離を可能にする。これらの方法は、反復DNA配列の存在など、ゲノムDNAのマッピング及びシーケンシング上の障害を解消する。
本明細書で使用されるとき、本明細書で使用されるとおりの用語「モニタリング」は、活性を計測することのできる当該技術分野の任意の方法を指す。
本明細書で使用されるとき、本明細書で使用されるとおりの用語「提供する」は、当該技術分野において公知の何かに化合物又は分子を加える任意の手段を指す。提供することの例には、ピペット、シリンジ、針、チュービング、銃等の使用が含まれ得る。これは手動であっても、又は自動化されていてもよい。これには、任意の手段によるトランスフェクション又は核酸をディッシュ、細胞、組織、無細胞系に提供する任意の他の手段が含まれてもよく、及びインビトロ又はインビボであってもよい。
本明細書で使用されるとき、用語「対象」には、限定はされないが、動物、植物、細菌、ウイルス、寄生虫及び任意の他の生物又は実体が含まれる。対象は、脊椎動物、より具体的には、哺乳類(例えば、ヒト、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、非ヒト霊長類、雌ウシ、ネコ、モルモット又はげっ歯類)、魚類、鳥類又は爬虫類若しくは両生類であってもよい。対象は、無脊椎動物、より具体的には節足動物(例えば昆虫及び甲殻類)であってもよい。この用語は特定の年齢又は性別を意味しない。従って、雄か雌かに関わらず、成人及び新生児対象、並びに胎児が包含されることが意図される。患者とは、疾患又は障害に罹患している対象を指す。用語「患者」にはヒト及び動物対象が含まれる。
細胞はインビトロであってもよい。或いは、細胞はインビボであってもよく、対象に存在してもよい。「細胞」は、限定はされないが細菌を含めた任意の生物からの細胞であり得る。
一部の形態において、本方法は、(a)2つ以上のペプチド核酸(PNA)ハイブリダイゼーションプローブの1つ以上のセットを第1の核酸試料に接触させて反応混合物を形成するステップ;(b)PNAプローブによる核酸断片内のその標的配列への標的特異的ストランドインベージョン結合を可能にする条件下で反応混合物をインキュベートし、それによりPNAプローブ結合核酸断片を形成するステップ;(c)キャプチャタグによってPNAプローブ結合核酸断片をキャプチャし、且つキャプチャされたPNAプローブ結合核酸断片から反応混合物のキャプチャされなかった成分を取り除くステップ;及び(d)PNAプローブからキャプチャされた核酸断片を溶出させてエンリッチ核酸試料を形成するステップを含む。従って、本方法のこの形態によれば、第1の核酸試料と比較したとき、エンリッチ核酸試料ではPNAプローブの標的とされる核酸断片がエンリッチされていることになり得る。本方法のこの形態において、2つ以上のPNAプローブの同じセット中のPNAプローブは、同じ核酸断片内の異なる配列を標的化するように設計され、2つ以上のPNAプローブの異なるセット中のPNAプローブは、異なる核酸断片を標的化するように設計され、PNAプローブはそれぞれ1つ以上のキャプチャタグを含む。一部の形態において、キャプチャタグによってPNAプローブ結合核酸断片をキャプチャするステップはまた、未結合PNAプローブもキャプチャする。一部の形態において、本方法はまた、ステップ(b)の後及びステップ(c)の前に反応混合物から未結合PNAプローブを取り除くステップも含み得る。一部の形態において、本方法はまた、PNAプローブ結合核酸断片をキャプチャするステップと同時に、キャプチャタグによって未結合PNAプローブをキャプチャするステップも含み得る。
一部の形態において、本方法は、(a)2つ以上のペプチド核酸(PNA)ハイブリダイゼーションプローブの1つ以上のセットを第1の核酸試料に接触させて反応混合物を形成するステップ;(b)PNAプローブによる核酸断片内のその標的配列への標的特異的ストランドインベージョン結合を可能にする条件下で反応混合物をインキュベートし、それによりPNAプローブ結合核酸断片を形成するステップ;(c)反応混合物から未結合PNAプローブを取り除くステップ;(d)キャプチャタグによってPNAプローブ結合核酸断片をキャプチャし、且つキャプチャされたPNAプローブ結合核酸断片から反応混合物のキャプチャされなかった成分を取り除くステップ;及び(e)PNAプローブからキャプチャされた核酸断片を溶出させてエンリッチ核酸試料を形成するステップを含む。従って、本方法のこの形態によれば、第1の核酸試料と比較したとき、エンリッチ核酸試料ではPNAプローブの標的とされる核酸断片がエンリッチされていることになり得る。本方法のこの形態において、2つ以上のPNAプローブの同じセット中のPNAプローブは、同じ核酸断片内の異なる配列を標的化するように設計され、2つ以上のPNAプローブの異なるセット中のPNAプローブは、異なる核酸断片を標的化するように設計され、PNAプローブはそれぞれ1つ以上のキャプチャタグを含む。
一部の形態において、本方法は、(a)2つ以上のペプチド核酸(PNA)ハイブリダイゼーションプローブの1つ以上のセットを第1の核酸試料に接触させて反応混合物を形成するステップ;(b)PNAプローブによる核酸断片内のその標的配列への標的特異的ストランドインベージョン結合を可能にする条件下で反応混合物をインキュベートし、それによりPNAプローブ結合核酸断片を形成するステップ;(c)キャプチャタグによってPNAプローブ結合核酸断片を、及びキャプチャタグによって未結合PNAプローブを両方ともにキャプチャし、且つキャプチャされたPNAプローブ結合核酸断片から反応混合物のキャプチャされなかった成分を取り除くステップ;及び(d)PNAプローブからキャプチャされた核酸断片を溶出させてエンリッチ核酸試料を形成するステップを含む。これらの形態において、未結合PNAプローブは、キャプチャされた未結合PNAプローブではなくキャプチャされた核酸断片の溶出によってPNAプローブ結合核酸断片と分離される。キャプチャされた核酸断片の溶出時、未結合PNAプローブはキャプチャされたまま残る。一部の形態において、PNAプローブからキャプチャされた核酸断片を溶出するステップは、PNAプローブからのキャプチャされたdsDNAの放出を増進させる1つ以上の薬剤又は条件を加えることにより増進する。
一部の形態において、本方法は、(a)請求項68〜128のいずれか一項に記載の2つ以上のPNAプローブの1つ以上のセットを第1の核酸試料に接触させて反応混合物を形成するステップ;(b)PNAプローブによる核酸断片内のその標的配列への標的特異的ストランドインベージョン結合を可能にする条件下で反応混合物をインキュベートし、それによりインベージョンPNAプローブ結合核酸断片を形成するステップ;(c)キャプチャタグによってPNAプローブ結合核酸断片をキャプチャし、且つキャプチャされたPNAプローブ結合核酸断片から反応混合物のキャプチャされなかった成分を取り除くステップ;(d)PNAプローブからキャプチャされた核酸断片を溶出させてエンリッチ核酸試料を形成するステップを含むことができ、ここで、PNAプローブの標的とされる核酸断片が、第1の核酸試料と比較したとき、エンリッチ核酸試料中でエンリッチされる。
本方法の一部の形態において、PNAプローブはそれぞれ1つ以上のキャプチャタグを含み、ここで、PNAプローブの少なくとも1つは、アルファ炭素、ベータ炭素、ガンマ炭素、又はこれらの組み合わせで荷電部分によって誘導体化されている1個以上のペプチド核酸残基と、アルファ炭素、ベータ炭素、ガンマ炭素、又はこれらの組み合わせで中性部分によって誘導体化されている1個以上のペプチド核酸残基とを含む。
本方法の一部の形態において、2つ以上のPNAプローブのセットの少なくとも1つにおけるPNAプローブは18又は19個のペプチド核酸残基を有し、2つ以上のPNAプローブのセットの少なくとも1つにおけるPNAプローブのペプチド核酸残基の3個以上5個以下が荷電部分によって誘導体化されており、荷電部分は、ガンマ−L−リジンPNA、ガンマ−L−チアリジンPNA、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、荷電部分によって誘導体化されていない2つ以上のPNAプローブのセットの少なくとも1つにおけるPNAプローブのペプチド核酸残基の2個以上6個以下がジエチレングリコールによって誘導体化されており、及び2つ以上のPNAプローブのセットの少なくとも1つにおけるPNAプローブのキャプチャタグはビオチンである。
本方法の一部の形態では、PNAプローブの1つ以上において、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆるペプチド核酸残基間に荷電部分によって誘導体化されていない1個以上3個以下のペプチド核酸残基がある。本方法の一部の形態では、PNAプローブの全てにおいて、独立に、荷電部分によって誘導体化されているあらゆるペプチド核酸残基間に荷電部分によって誘導体化されていない1個以上3個以下のペプチド核酸残基がある。本方法の一部の形態では、PNAプローブの1つ以上において、荷電部分によって誘導体化されているあらゆるペプチド核酸残基間に荷電部分によって誘導体化されていない平均1.0個以上5.0個以下のペプチド核酸残基がある。本方法の一部の形態では、PNAプローブの全てにおいて、荷電部分によって誘導体化されているあらゆるペプチド核酸残基間に荷電部分によって誘導体化されていない平均1.0個以上5.0個以下のペプチド核酸残基がある。
本方法の一部の形態では、PNAプローブの1つ以上において、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆるペプチド核酸残基間に部分によって誘導体化されていない0個以上2個以下のペプチド核酸残基がある。本方法の一部の形態では、PNAプローブの全てにおいて、独立に、部分によって誘導体化されているあらゆるペプチド核酸残基間に部分によって誘導体化されていない0個以上2個以下のペプチド核酸残基がある。本方法の一部の形態では、PNAプローブの1つ以上において、部分によって誘導体化されているあらゆるペプチド核酸残基間に部分によって誘導体化されていない平均0.5個以上1.5個以下のペプチド核酸残基がある。本方法の一部の形態では、PNAプローブの全てにおいて、部分によって誘導体化されているあらゆるペプチド核酸残基間に部分によって誘導体化されていない平均0.5個以上1.5個以下のペプチド核酸残基がある。
本方法の一部の形態において、反応混合物は一本鎖結合タンパク質を更に含む。本方法の一部の形態において、第1の核酸試料は配列の複雑度が高い。本方法の一部の形態において、第1の核酸試料は二本鎖DNAを含む。本方法の一部の形態において、二本鎖DNAは完全に変性されたことがないか、又は実質的に変性されたことがない。本方法の一部の形態において、第1の核酸試料はゲノムDNAを含む。本方法の一部の形態において、エンリッチ核酸断片は少なくとも2,000塩基対の平均長さを有する。本方法の一部の形態において、エンリッチ核酸断片は少なくとも10,000塩基対の平均長さを有する。本方法の一部の形態において、エンリッチ核酸断片は少なくとも15,000塩基対の平均長さを有する。本方法の一部の形態において、エンリッチ核酸断片の各々が少なくとも2,000塩基対の長さを有する。本方法の一部の形態において、エンリッチ核酸断片の各々が少なくとも10,000塩基対の長さを有する。本方法の一部の形態において、エンリッチ核酸断片の各々が少なくとも15,000塩基対の長さを有する。
本方法の一部の形態において、PNAプローブの標的とされる核酸断片はエンリッチ核酸試料中の核酸断片の少なくとも90%を占める。本方法の一部の形態において、エンリッチ核酸試料は50:1〜150:1の標的対非標的核酸断片のモル比を含む。一部の形態において、本方法は、ステップ(b)の後及びステップ(c)の前に反応混合物から未結合PNAプローブを取り除くステップを更に含む。一部の形態において、本方法は、PNAプローブ結合核酸断片をキャプチャするステップと同時に、キャプチャタグによって未結合PNAプローブをキャプチャするステップを更に含む。
本方法の一部の形態において、ステップ(d)において結合した核酸断片を溶出させるステップは、Herculase II DNAポリメラーゼを使用して行われる。本方法の一部の形態において、ステップ(d)において結合した核酸断片を溶出させるステップは、pHを上昇させることによる荷電部分の脱プロトン化によって行われる。
一部の形態において、本方法は、エンリッチ核酸試料中の核酸断片の1つ以上を増幅するステップを更に含む。本方法の一部の形態において、エンリッチ核酸試料中の実質的に全ての核酸断片が増幅される。本方法の一部の形態において、核酸断片は全ゲノム増幅によって増幅される。
本方法の一部の形態において、核酸試料はILLUMINA−MOLECULO(登録商標)アダプターがライゲートされた核酸断片を含む。本方法の一部の形態において、核酸試料は、PACIFIC BIOSCIENCES(登録商標)ライブラリ調製の1つ以上のプロトコルに従い末端修復及び精製された核酸断片を含む。本方法の一部の形態において、核酸試料はPACBIO(登録商標)ヘアピンアダプターがライゲートされた核酸断片を含む。一部の形態において、本方法は、ステップ(c)の後及びステップ(d)の前に、PACBIO(登録商標)ヘアピンアダプターをキャプチャされた核酸にライゲートするステップを更に含む。
また、キットも開示される。一部の形態において、本キットは、本明細書に記載されるとおりのPNAプローブのセットと;本明細書に記載されるとおりの方法の一形態の実施に関する説明書とを含み得る。一部の形態において、本キットは、本方法における1つ以上のステップを実施するための1つ以上の酵素又はタンパク質を更に含み得る。
本方法は、標的核酸を変性させる条件の必要なしに行うことができる。従って、一部の形態において、本方法は、完全に変性されたことがないか又は実質的に若しくは部分的に変性されたことがないDNAを含め、非変性dsDNAである標的DNAをエンリッチする。標的DNAがインタクトな二本鎖DNA(dsDNA)の長い断片を含むとき、本方法は、エンリッチされたdsDNAの天然のメチル化状態及び天然のコンホメーションを含め、DNAの天然状態を維持しているdsDNAをエンリッチする。
配列エンリッチメント方法はスタンドアロン手順として行うことができ、或いは連続的に、又はDNAライブラリのシーケンシング手順及び/又はDNAライブラリの調製手順など、他の手順の範囲内で行われるように実現し、及び適合させることができる。例えば、一部の形態において、記載される配列エンリッチメント方法は、既存のライブラリ調製及び/又は選択的シーケンシング技術のワークフローの範囲内で実現することができる。一部の形態において、標的配列エンリッチメント方法は、標準的なDNAシーケンシング機器におけるシーケンシング用のDNAライブラリ調製のワークフローに組み込まれる。
典型的には、本方法は、核酸試料からの標的配列の少なくとも75%、例えば、標的配列の80%〜100%、好ましくは90%〜100%、最も好ましくは97%、98%、99%又は100%の特異的エンリッチメントを可能にする。典型的には本方法は、1:50を上回る、例えば1:75、1:100又は1:100超などの標的対非標的配列比を有するエンリッチ試料を提供する。
方法ステップの各々を以下で更に詳細に考察する。
i.核酸試料の調製
本明細書に記載される方法のいずれも、核酸試料の調製ステップを含み得る。核酸試料の調製方法は当該技術分野において公知である。
核酸試料が細胞、組織又は体液内にある場合、試料からの核酸の調製及び精製には、血中の細胞など、細胞の溶解が含まれ得る。例えば、溶解反応混合物は、最大100μlの全血と、100mMトリス−HCl(pH8.5)、50mM KCl、6mM MgCl2、0.02%Triton X−100及び1mg/mlプロテイナーゼK(Boehringer Mannheim;使用直前に加える)を含有する100μlの溶解緩衝液とを含有し得る。溶解反応混合物をインキュベート(例えば、55℃で15分間、次に100℃で10分間)して、ゲノムDNAの変性とプロテイナーゼKの不活性化とを同時に行うことができる。
細胞デブリを取り出すため、反応混合物を好適な速度及び時間で(例えば、12,000×gで1分〜1時間の間の時間にわたり)遠心して、細胞デブリをペレット化することができる。デブリのペレットからデカントによって核酸試料を取り出すことができる。一部の形態において、混合物を遠心して細胞デブリを取り出すことは不要である(例えば、25μl未満の血液が用いられる場合、このステップは省略することができる)。
ii.長いゲノムDNAの又はDNAシーケンシングライブラリからの特異的断片のキャプチャ
複数のPNAプローブを用いた長いゲノムDNAの特異的断片のキャプチャ及びシーケンシング方法が提供される。典型的には本方法は、標的DNAを長い断片に剪断するステップ;ハイブリダイゼーションプローブで断片を標的化するステップ;DNA断片のストランドインベージョンステップ;非特異的に結合したDNAの除去ステップ;未結合のプローブの除去ステップ;及びエンリッチ標的DNA断片の単離、定量化及び特徴付けステップを含む。ゲノムDNAから、又は同様に良好に長いDNA断片で構築されたDNAシーケンシングライブラリから複数の長い二本鎖DNA領域をキャプチャし及びシーケンシングする方法が開発されている。
a.ゲノムDNAの剪断による長い断片の生成と、続くDNAライブラリの構築
剪断されたDNA断片は、10,000塩基対、又は15,000塩基対、又は20,000塩基対、又は25,000塩基対、又は30,000塩基対、又は35,000塩基対、又は40,000塩基対の平均サイズを有し得る。ゲノムDNAの長い断片を含有するシーケンシングライブラリが所望される場合、かかるライブラリは標準的な技法を用いて構築することができる。
ゲノムDNAが用いられる場合、ゲノムDNAは当該技術分野において公知の任意の技法を用いて所望のサイズの断片に剪断することができる。例えば、ゲノムDNAは、Covaris g−TUBE(商標)遠心装置(Covaris、製品番号:520079)を使用して10kbの平均サイズの断片に剪断することができる。好ましくは、所望の断片サイズが(例えばゲノムDNAに加える剪断力を調整することにより)選択され得る。
DNAライブラリ構築に有用なプロトコルが、Wang et al.,2015によって記載されている。例示的な手順は、DNA末端修復、続く3’末端アデニル化、及びILLUMINA(登録商標)インデックスペアドエンドアダプターのライゲーションを含む。これらのステップの各々について、例示的プロトコルは以下を含む。
(A)DNA末端修復
A)以下の成分を試料チューブ内に組み合わせて混合する。
B)混合物を卓上サーモミキサーにおいて25℃で30分間インキュベートする。
C)0.8×SPRI AMPure XPビーズで精製し、DNA試料を52μlヌクレアーゼフリーH2Oに溶出させる。
(B)3’末端アデニル化
A)以下の成分を試料チューブ内に組み合わせて混合する。
B)混合物を37℃のサーモミキサーで20分間インキュベートする。
C)0.8×SPRI AMPure XPビーズで精製し、DNA試料を64μlヌクレアーゼフリーH2Oに溶出させる。
(C)Illuminaインデックスペアドエンドアダプターのライゲーション
A)以下の成分を試料チューブ内に組み合わせて混合する。
B)室温で30分間インキュベートする。
C)0.8×SPRI AMPure XPビーズで精製し、DNAを72μlヌクレアーゼフリーH2Oに溶出させる。
b.ゲノムDNA断片のターゲティング
ゲノムDNA断片又はライブラリのターゲティングは、長いゲノムDNAを複数のPNAプローブ(各プローブがビオチンなどの結合可能なハプテンを含有する)に接触させることから開始し得る。典型的には、プローブは、18塩基、19塩基、20塩基、21塩基、又は22塩基の長さを有し得る。好ましいハイブリダイゼーションプローブは20塩基長である。
各標的ゲノムDNA分子が、2つ以上の異なるPNAプローブによって標的化及びインベージョンされる。従って、DNA断片をPNAプローブに接触させることには、PNAプローブの1つ以上のセットを含有する混合物にDNA断片の混合物を加えることが含まれ得る。
記載される方法によって核酸断片を標的化するように設計された異なるハイブリダイゼーションプローブの数は、標的化される核酸断片のサイズに応じて変わり得る。例えば、3,581塩基対長の断片には、断片の混合物から完全に(約99%)回収するのに少なくとも2つの特異的PNAハイブリダイゼーションプローブが必要であり(実施例1で実証されるとおり)、及び11,970塩基対長の断片には、断片の混合物から完全に(約99%)回収するのに少なくとも2つ又は3つの特異的PNAハイブリダイゼーションプローブが必要であった(実施例2に記載されるとおり)。従って、各ゲノムドメイン(3,600塩基対)は、典型的には、図2の概略図に係る2つの個別的な部位でハイブリダイズする2つ以上の異なるPNAプローブによって標的化される。例えば、20,000塩基対長以下の断片の標的化には2つ以上のプローブを使用することができ、30,000塩基対長以下の断片の標的化には3つ以上のプローブを使用することができ、及び40,000塩基対長以下の断片の標的化には4つ以上のプローブを使用することができる。例えば、各々約3,600塩基対長の、合計2,500の異なるゲノムドメインのゲノムDNAキャプチャについての反応では、各ドメインに2つの異なるビオチン化PNAプローブが使用され、溶液中の異なるPNAプローブの総数は5,000である。
未結合PNAプローブがアフィニティーマトリックスへの結合に関して競合し得るため、反応中の全てのプローブの総濃度はPNA−DNA複合体のアフィニティー精製の有効性に影響を及ぼし得る。各プローブが0.2nM〜2.0μMの範囲の濃度で存在し得る。各プローブの例示的濃度は0.08μMである。例えば、100μlの容積で二本鎖キャプチャ反応が行われる場合、プローブの数は5,000であり、及び各プローブの濃度は0.08μMであり、全てのプローブの総濃度は400μMである。
一部の形態において長いゲノムDNAと複数のPNAプローブとの接触は、一本鎖結合タンパク質(SSB)の存在下で行われる。
c.ゲノムDNA断片のストランドインベージョン
二本鎖ゲノムDNA分子のストランドインベージョンは、ストランドインベージョンが起こるのに好適な条件下でゲノムDNAと複数のPNAプローブとの混合物を共にインキュベートすることによって達成し得る。実験の必要性に応じて変わる、最適化し得る条件としては、標的DNAの濃度;ハイブリダイゼーションプローブの濃度;反応緩衝液の組成;反応槽の反応容積、サイズ及び形状、温度、並びにインキュベーション時間が挙げられる。
好ましい反応容積は100μlである。好ましい標的DNAの量は100ngである。好ましくは、各DNA断片の標的化に使用するPNAプローブの数は、反応中に存在する50%より多くの標的断片を単離するのに十分である。各DNA断片が2つのビオチン化プローブによって標的化されるとき、未結合プローブの総濃度は0.5μM未満であるべきである。好ましい標的DNAの量は100ngである。各ハイブリダイゼーションプローブの好ましい濃度は0.08μMである。好ましくは、各DNA断片を標的化するハイブリダイゼーションプローブの数は、混合物中の90%より多くの標的DNA断片を単離するのに十分である。例示的反応緩衝液は、20mMトリス−HCl(pH8.0)、30mM(又は20mM)NaCl、0.1mM EDTAを含有する。例示的反応温度は37℃〜47℃の範囲で、二本鎖ゲノムDNA分子のストランドインベージョンが実現するのに十分な時間にわたる。一部の形態において、反応は46℃で4時間の間にわたって行われる。長いインキュベーション時間を用いることができる。例えば、16時間以上、最長36時間以下のインキュベーション時間を用いることができる。
一部の形態において、一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)がストランドインベージョンを可能にし、又はそれを増進させる。SSBは反応緩衝液中に0.5μM〜4μMの範囲の最終濃度で含まれてもよく、例えば、SSBは2μMの最終濃度で含まれる。
d.非特異的に結合したPNAプローブの放出
反応混合物は、任意選択で、高温で更なる時間にわたってインキュベートして、非特異的に結合したPNAプローブの放出を促進することができる。この高いインキュベーション温度は、標的DNA及びプローブのTmに基づき決定することができる。好ましくは、このステップの温度はTm−10℃のインターバルにあり得る。正電荷PNAとDNA標的との間の1つの塩基対ミスマッチが相互作用のTmを約10℃低下させることが示されている(Tilani et al.,2014)。例えば、反応物は55℃で更に5分間インキュベートすることができる。
e.未結合PNAプローブの分離
未結合PNAプローブは、任意選択で、当該技術分野において公知の任意の好適な手段によって反応混合物と分離することができる。
好ましい分離方式はサイズ排除クロマトグラフィーである。未結合PNAプローブは、DNA及びDNA/PNA複合体からサイズに基づき、遊離ビオチン化PNAプローブをその細孔内に取り込みつつ全ての長いDNA分子を排除する特性を有する多孔質ビーズを含有するゲルろ過カラムに通過させることにより分離し得る。長いDNA分子及びDNA/PNA複合体は溶出物中に収集される。例示的ゲルろ過カラムはP100サイズ排除遠心カラム(Bio−Rad)である。溶出物は、任意選択でP100カラムに更に1回以上通過させてもよい。サイズ排除後、DNA及びPNA−DNA断片はカラムからの溶出物中に存在し、好適な容積に希釈することができる。
或いは、未結合PNAプローブは、DNAに結合したPNAプローブと共にキャプチャしてもよい。続くDNAが結合したPNAプローブからのDNAの選択的な溶出がまた、DNAを未結合PNAプローブと分離する役割も果たし得る。
f.特異的に結合したPNAプローブのキャプチャ
特異的に結合したPNAプローブの単離は、サイズ排除分離マトリックスから排除された材料を、PNAプローブ上に存在するキャプチャタグに特異的なキャプチャドックを含有する表面に接触させることにより達成し得る。
一部の形態において、キャプチャドックは、ビオチン結合実体、好ましくはストレプトアビジンを有する常磁性ビーズなどの基材に付着又はカップリングされる。例えば、ビオチン化PNAプローブは、DYNABEADS(登録商標)M280ストレプトアビジンの表面にキャプチャすることができる。
特異的に結合したPNA−DNAプローブは、PNAタグ付加PNA−DNA複合体によるビーズの飽和が可能となるのに好適な緩衝液中で好適な時間にわたってキャプチャドックと接触させる。例示的インキュベーションは室温で2時間行われる。
一部の形態において、キャプチャタグによってPNAプローブ結合核酸断片をキャプチャするステップはまた、未結合PNAプローブもキャプチャする。かかる形態について、キャプチャ媒体は、好ましくは、結合及び未結合の両方の、全てのPNAプローブをキャプチャするのに十分なキャプチャ成分(キャプチャドックなど)を含む。これは、未結合PNAプローブを分離する別個のステップが実施されない場合に有用である。
g.非結合PNAプローブ及び非結合DNAの除去
基材に付着又はカップリングしたキャプチャドックに結合したプローブは、溶液から単離し、1回又は2回以上洗浄して、非結合DNA及び非特異的に(弱く)会合したプローブ−DNA複合体を除去することができる。例えば、基材として磁気ビーズを使用する場合、ビーズ及び結合したDNAは磁石を使用して混合物から分離することができる。単離されたビーズ及び結合DNAは、1回、2回、又は3回以上洗浄することができる。
任意の好適な洗浄緩衝液を使用して、表面から非結合PNAプローブ及びPNAプローブが結合していないDNAを除去することができる。DNA−PNA−基材複合体の洗浄は、カラムの使用によって促進される。例えば、基材がビーズを含む場合、ビーズをカラムに入れ、カラムに洗浄緩衝液を連続的に通過させて反応混合物を洗い流すことができる。基材に結合した残留材料のみが、好ましくは2つ以上の結合したPNAプローブを含有するゲノムDNA又はDNAライブラリ断片である。
h.標的の長いDNA断片の溶出
結合したPNAを有しない標的の長いDNA断片は、好適な変性緩衝液を使用してキャプチャ表面(例えば磁気ビーズ)から放出させる。好適な緩衝液としては、20mMトリスpH8.0、400mM(又は200mM)NaCl、0.1mM EDTA、20%ホルムアミド、及び0.01%Trion X−100、撹拌しながら65℃で5分間が挙げられる。一部の形態において、結合したDNAを溶出させるステップは、1つ以上の薬剤又は溶液を加えてPNAプローブからの溶出を増進させ、それによりエンリッチDNAの収率を増加させることを含む。
溶出を増進させる例示的方法には、結合した標的DNAからPNAを鎖置換する方法が含まれる。一部の形態において、PNAプローブは、酵素及びdNTPを使用した3’ヘアピンのプライマー伸長によって鎖置換される。3’ヘアピンのプライマー伸長によるPNAプローブの鎖置換に用いられる例示的酵素は、Herculase DNAポリメラーゼIIである。Herculase II DNAポリメラーゼは、GCリッチ鋳型上でのDNA重合を促進するように設計されたPfu UltraとDNA結合ドメインとの融合タンパク質である。Herculase II DNAポリメラーゼは、Agilent Technologies(カタログ番号600675)を含め、複数の商業的供給元から入手可能である。Herculase II DNAポリメラーゼなどの酵素は成功裏にPNAを鎖置換し、制限酵素BccIの消化部位を含有するDNA−DNA二重鎖を作り出すが、一方、出発DNA−PNA二重鎖はBccIによって消化されることはできない。従って、一部の形態において、PNAプローブ溶出のステップがHerculase II DNAポリメラーゼの使用を含む場合、PNAプローブ鎖置換の完全性はHerculase II産物の制限消化効率との相関によって決まり得る(Budno,et al,2010)。
エンリッチDNAの収率を増加させる方法にはまた、荷電アミノ酸組成を有するPNAプローブを使用する場合、弱アルカリ性のpHにおける結合した標的DNAからの脱プロトン化により促進されるPNA放出も含まれ得る。例えば、チアリジン部分による誘導体化によって修飾された残基を含む1つ以上のPNAプローブを使用する場合、弱アルカリ性のpHを使用してプローブ/キャプチャされた核酸の解離を助けることができる。
結合したPNAプローブのない、溶出したDNAは、元の標的二本鎖DNA断片からなり、各断片が2つ以上の標的ヌクレオチド配列を含む。エンリッチDNA(並びに上清中に残る未結合DNA)は、当該技術分野において公知の方法を用いて特徴付け、定量化することができる。
一部の形態において、エンリッチDNAはごく少量で存在する。例えば、エンリッチDNAは蛍光インターカレート色素で染色した後であっても検出不能であり得る。かかる形態では、エンリッチDNAは好ましくはDNA増幅が関わる方法によって分析される。一部の形態において、半定量的PCRを行ってキャプチャDNA断片を増幅し、及び任意選択で反応混合物中に残る未結合DNAを増幅して%キャプチャ率を決定することができる。
iii.長いゲノムDNAの配列決定及び分析
記載される配列特異的DNAキャプチャ方法は、PCR増幅の必要なしにエンリッチ二本鎖DNA断片をもたらす。従って、本方法は、それが由来した元の生物に存在したのと同じ比率の、且つ同じメチル化状態を有する大型dsDNA断片をもたらす。キャプチャされたゲノム断片を定量化及びシーケンシングすることにより、変異型、コピー数変異、頻度スペクトル、集団分布及び集団多様性に関する情報が提供され得る。
例えば、ステップii.a.〜ii.h.(上記)に係る長いゲノムDNAの又はDNAシーケンシングライブラリからの特異的断片のキャプチャ方法の後、放出されたDNAは、キャプチャされた長いDNA断片の全てを含有するシーケンシングライブラリにパッケージングすることができる。
キャプチャされた長いdsDNAの完全なDNA配列は、当該技術分野において公知の任意の好適なDNAシーケンシング技法及び機器を用いて決定することができる。例えば、DNAシーケンシングはAgencourt Bioscience Corporation(Beverly,MA)によって行うことができる。DNAシーケンシングデータは、多重配列アラインメントプログラムClustal Wを用いて分析することができる(例えば、ウェブサイトebi.ac.uk/Tools/clustalw/を参照)。
ライブラリが配列特異的DNAキャプチャより前に構築されている場合、キャプチャされた長いDNAライブラリ断片の完全なDNA配列は、ライブラリと適合性のあるDNAシーケンシング機器を使用することにより直接決定し得る。
当業者は、ライブラリを構築する前に配列特異的DNAキャプチャを実施するのとは対照的に、配列特異的DNAキャプチャの前にDNAライブラリを構築することが好ましい場合を判断することが可能であろう。一般に、目的が比較的少数のDNA断片をキャプチャすることである場合、配列特異的DNAキャプチャよりも前にライブラリを構築することが好ましい。他方で、キャプチャの標的とされるゲノムDNA断片の数が多い(1000を超える異なるDNA断片がエンリッチメントの標的とされる)場合、配列特異的DNAキャプチャを実施した後にDNAシーケンシングライブラリを構築する方が好ましいこともあり得る。
一部の形態において、長いDNA断片をキャプチャする本開示の方法を用いてターゲットエンリッチメントを実施する目的は、DNAメチル化情報を入手することではなく、単に塩基修飾情報のないDNA配列情報を入手することに過ぎない。これらのDNAシーケンシング形態については、キャプチャ表面からの放出後、及びDNAシーケンシングライブラリ構築の前に、キャプチャされたDNA断片を増幅することができる。これらのDNAシーケンシング形態に好ましい増幅方法は、全ゲノム増幅(Hasmats et al.,2014)である。全ゲノム増幅は任意の好適な技法を用いて実施することができる。例えば、GE Healthcare Illustra GenomiPhi V2 DNA増幅キット(GE Healthcare、Waukesha,Wisconsin)を使用することができる。或いは、増幅は、QIAGEN REPLI−g Miniキット、カタログ番号150023(QIAGEN、27220 Turnberry Lane,Valencia,CA 91355)を使用して実施してもよい。REPLI−g Miniキットを使用して増幅したDNAは、次世代シーケンシングを含めた多数の下流分析で試験されており、且つそれらに非常に良く適している。別個のPCRベースの増幅ステップが必要ないため、REPLI−g全ゲノム増幅及び続くライブラリ調製ステップは実地時間が少なくて済み、PCRベースの方法よりもリード長が長くなり得る。GE Healthcare Illustra GenomiPhi又はQIAGEN Repli−gのいずれの増幅方法でも、高い割合の配列カバレッジ及び極めて低いエラー率を示す高品質な同等の次世代シーケンシング(NGS)の結果を達成することができる。
a.ハプロタイプ解析
長いゲノムdsDNA断片のハプロタイプ解析方法が提供される。例えば、記載される配列特異的DNAキャプチャ方法は、任意選択で、単一染色体上の1つ以上のSNPのフェーズを決定する追加のステップを含み得る。
一塩基多型(SNP)は、全ゲノム連鎖スキャン及び関連研究について登場したマーカーである。SNPは共通の配列変異タイプであり、その安定性、存在量、及び比較的容易なスコアリングゆえに有用なマーカーである。1000万を超えるSNPがあると推定され、マイナーなアレル頻度は約5%以上である。4つの地理的に個別のヒト集団にわたってヒトハプロタイプを同定し及び特徴付ける国際的コンソーシアム(HapMap計画)が、標準的な共通アレルSNPの組を同定した。
従って、共通アレルSNPは、複雑なヒト疾患、病原体感受性、及び薬物反応差に関する根底にある遺伝的基礎の同定及び特徴付けに使用することができる。
記載される方法によってエンリッチされる大型ゲノムDNA断片のジェノタイピングは、当該技術分野において公知の任意のシステムを用いて行うことができる。キャプチャDNA断片の好ましいジェノタイピング方法は、長いリードを生成することが可能なDNAシーケンシングである。Affymetrix(登録商標)ゲノムワイドヒトSNP Nsp/Sty 6.0及びIllumina 1.0 Million SNPマスアレイなどの他のキャプチャ技術を用いることもできるが、これらは好ましくない。
iv.複数のPNAプローブを使用したゲノムライブラリからの長いDNAの特異的断片のキャプチャ及びDNAメチル化シーケンシング
試料中の1つ以上の長いdsDNA配列のメチル化状態を決定することを含む方法が開示される。長いDNA断片で構築されたDNAシーケンシングライブラリから複数の長い二本鎖DNA領域をキャプチャして、そのDNAメチル化シーケンシングを達成する方法が提供される。複数のPNAプローブを使用した任意の好適なDNA試料からのDNAの標的配列特異的断片のキャプチャは、上記に記載される方法ステップii.a〜ii.h.を用いて達成することができる。ゲノムターゲットエンリッチメントを利用して、DNAメチル化情報の長いリードを含むDNA配列を生成することができ、かかる長いリードにより、潜在的に40,000〜1,000,000塩基対の範囲の大型配列ドメインにわたるDNAメチル化のフェージングが可能となる。
DNA断片のメチル化状態の決定は、当該技術分野において公知の任意の手段、例えば亜硫酸水素塩シーケンシングにより行うことができる。亜硫酸水素ナトリウム変換に供されるゲノムDNAのシーケンシング(MethylC−Seq)により、ゲノムの大部分にわたるメチル化シトシンを一塩基分解能で鎖特異的に同定することが可能になる。従って、記載される方法を用いて高いカバレッジの全ゲノム哺乳類DNAメチロームを生成することができる。個別のアレルに関するリードカバレッジ及び亜硫酸水素塩変換率を用いると、当該技術分野において公知の任意の方法により、例えばフィッシャーの正確確率検定を用いて、アレル特異的DNAメチル化(ASM)を定量化することができる。
キャプチャされた長いDNAライブラリ断片の完全なDNAメチル化配列の決定は、DNA配列、並びにDNA修飾情報を報告することが可能な自動DNAシーケンシング機器を用いて達成することができる。例示的機器は、Tet1酸化化学を伴い用いられるPACIFIC BIOSCIENCES(登録商標)RSII機器である(Clark,et al.,2013)。
v.ゲノムDNAドメインのエンリッチメントに最適な特異性でないと疑われるPNAプローブを除外するための二本鎖DNAキャプチャを用いた反復方法
準最適な特異性であると疑われるPNAプローブを同定及び除去する方法も開発された。本方法は二本鎖DNAの特異的キャプチャを含み得る。
一部の形態では、ゲノム全体にわたる異なる領域のキャプチャ用にPNAプローブのセットが設計される。例えば、ヒトゲノムの2,500の異なる領域のキャプチャに、5,000PNAプローブのセットを設計することができる。各領域は20,000塩基対長であり、各20,000塩基領域の中心に位置する3,000塩基インターバル内の特異的標的配列とハイブリダイズするように向けられた、2つの特異的PNAプローブによって標的化される。標的DNAドメインは、合計で、最大5000万塩基対(50MbのDNA)に対応し得る。5,000プローブのセット(各プローブが分子の一方の末端にビオチン残基を有して合成されている)が、上記に記載される方法ステップii.a.〜ii.h.を用いたゲノムライブラリからの長いDNAの断片のキャプチャ及びシーケンシングの実施に用いられる。
例えば、シーケンシングは、PACIFIC BIOSCIENCES(登録商標)RSIIシステムなど、長いリードを生成することが可能な好ましいプラットフォームを用いて実施することができ、理論上の配列オーバーサンプリングは、50メガベースゲノムを基準として100倍と計算される。
ゲノムDNAドメインのエンリッチメントに最適な特異性でないと疑われるPNAプローブを除外するための反復方法は、続いて以下のとおり行われる。
a.シーケンシングしたDNAのマッピング
適切なソフトウェアを用いてシーケンシングリードがヒトゲノムにマッピングされ、スキャフォールドが構築される。86%を超えるフィルタリング後のリードがヒト参照ゲノムとアラインメントされる。アラインメントされたサブリードスキャフォールドの約80%が、元のキャプチャ標的であったゲノム領域の50Mbアグリゲートにマッピングされ、一方、リードの約20%はそのゲノムの他の非標的領域にマッピングされる。標的DNAにマッピングされない20%のリードのうち、バイオインフォマティクス解析によって各約20,000塩基対長の350のゲノム領域が同定され、ここで、サブリードスキャフォールドは1領域当たり25の平均オーバーサンプリングを示す。この結果は、5,000のPNAプローブのうち、350の非標的ゲノムドメインを有効にキャプチャするパフォーマンスが低いプローブのサブセットがあることを含意している。
b.非特異的ハイブリダイゼーション相互作用の同定
好適な配列アラインメント及び検索ツール、例えば「ublast」(USEARCHシーケンシング解析パッケージの一部、Edgar,2010)を使用して、5,000のPNAプローブ配列の完全なセットを、非特異的ハイブリダイゼーション相互作用に起因してキャプチャされた350のゲノム領域の配列と順次アラインメントする(5,000の独立したアラインメントラン)。アラインメント後、2つ以上のミスマッチを伴う非特異的ハイブリダイゼーション相互作用に起因してキャプチャされた350のゲノム領域内に位置する特異的20塩基配列と最も有意なアラインメントスコアを生じた350のPNAプローブが同定される。
c.非特異的PNAプローブの置換
350の非特異的にキャプチャされたゲノム領域内に位置する20塩基配列との有意なアラインメントスコアによって同定された350のPNAプローブを350の新規PNAプローブに置換して、ゲノムの元の同じ2,500の領域を標的化する4,650の既存のPNAプローブ+350の新規PNAプローブ、即ち5,000のPNAプローブの新規セットを作成する。
d.エンリッチDNAキャプチャの決定
上記に記載したとおりの方法ステップii.a.〜ii.h.を用いたゲノムライブラリからの長いDNAの断片のキャプチャ及びシーケンシングを反復する。シーケンシングを繰り返し、新規データセットで方法ステップi.にあるとおり分析を行う。この実験を350の新規プローブで繰り返す目的は、先に非特異的ハイブリダイゼーション相互作用に起因してキャプチャされた350ゲノム領域のどれが、非特異的であると疑われた350のプローブが新規プローブに置換されたキャプチャ実験の2回目の反復で除去されたものとして同定され得るかを確かめることである。任意選択で、必要に応じてこの除外手順の更なる反復を行うことができる。
一部の形態において、本開示の方法は以下の特徴の1つ以上を有する:(a)結合及びキャプチャの前、又はその最中に標的核酸が変性されない;(b)複数の長いdsDNA断片が、各々最低2つのPNAプローブによって標的化される;(c)使用されるPNAプローブが、右回りのヘリックスコンホメーションに有利なキラル骨格を有する(かかるプローブはストランドインベージョン能がより高い);(d)PNAプローブが、短鎖オリゴエチレン部分で修飾されたキラルモノマーと、正電荷アミノ酸、好ましくはリジンで修飾されたキラルモノマーとを含む;及び(e)単一のキャプチャ反応において何千ものプローブを使用して何千もの異なる標的核酸をキャプチャすることができる。
一部の形態において、本開示の方法は、各々がPNAプローブに右回りのヘリックスコンホメーションを誘導するように設計された2つの別のタイプのキラルPNAを使用する。ガンマ−L−リジンモノマーとガンマ−短鎖オリゴエチレンPNAモノマーとの混合物を含むキラルPNAが最も好ましい(後者はガンマ−L−セリンから出発して合成される)。また、アルファ−D−リジンとアルファ−短鎖オリゴエチレンPNAモノマーとの混合物を含むキラルPNAプローブも好ましい(後者はアルファ−D−セリンから出発して合成される)。
一部の形態において、本開示の方法は三重鎖形成を用いず、従ってDNA中のホモプリン−ホモピリミジン配列のみを標的化する必要が回避される。かかる配列は多くの場合にヒトゲノムにおいてユニークでない。一部の形態において、本開示の方法は重複するプローブも、また部分的に重複するプローブも使用しない。
一部の形態において、本開示の方法は、コスト上の理由からPNAプローブに擬相補的PNA塩基を使用しない。しかしながら、本開示の方法は、好ましくは一部の少数のPNAプローブに、偶然に部分的に相補的となる(組み合わせて用いられる何千もの異なるPNAプローブの)特定のPNAプローブの間における相互作用の可能性を低減する目的で、擬相補的PNA塩基を使用することができる。換言すれば、擬相補的PNA塩基は、PNAプローブのセットに用いられるPNAプローブ間で相補配列となるあらゆる場合を排除するための選択肢としてPNAプローブに使用することができる。
2.例示的プロトコル
記載される方法に係る長いゲノムDNAの又はDNAシーケンシングライブラリからの特異的断片の例示的キャプチャプロトコルが提供される。長いゲノムDNAの特異的断片のキャプチャ方法はスタンドアロン手順として行ってもよく、又は他の核酸同定及び/又は操作プロトコルに統合してもよい。関連性のある下流適用には、PACIFIC BIOSCIENCES(登録商標)シーケンシングライブラリ調製との統合、ILLUMINA(登録商標)シーケンシングライブラリ調製との統合、ナノポアシーケンシング用のOxford Nanoporeライブラリ調製との統合、全DNA(例えば、ヒト組織から得られたDNA)からのミトコンドリアDNAの単離用キットのプロトコル内への統合、ヒト白血球細胞の特異的サブセット、例えばCD4+ T細胞、CD8+ T細胞、又は任意の他の白血球サブセットから得られたDNAからのゲノムの特異的領域の配列エンリッチメント用キットのプロトコル内への統合、ヒト糞便から得られたDNA試料からの特異的微生物ゲノムのエンリッチメント用キットのプロトコル内への統合、非ヒト種(例えば、ネコ、イヌ、ウマ、雌ウシ、ニワトリ等)からの特異的DNA配列のエンリッチメント用キットのプロトコル内への統合、及び重要な植物種からの特異的DNA配列のエンリッチメント用キットのキットのプロトコル内への統合が含まれる。
典型的には、これらの方法ステップの各々の実施に用いられる正確な条件及び試薬は、所与の標的配列又は標的配列群の具体的なエンリッチメントに合わせて修正又は最適化することができる。
i.PetaOmicsエンリッチメント技術を用いた例示的標的DNAエンリッチメントプロトコル
一部の形態において、本方法は、ファージラムダDNAの複数の制限酵素断片を含有する混合物からの二本鎖DNAの所望の断片のエンリッチメント向けに最適化される。例示的ファージラムダDNA標的断片サイズは8.5Kbである。一部の形態において本方法は、全ヒトゲノムDNAからの二本鎖ゲノムDNAの特異的断片の配列エンリッチメント向けに最適化される。例示的ゲノムDNA標的断片サイズは8Kbである。
a.DNAライブラリ材料のPetaOmicsターゲットエンリッチメント
1.65℃で10分間加熱することによりプローブを調製し、次にボルテックスし、スピンダウンする。
2.1μg標的DNA(所望のサイズの断片に剪断したもの)、20pmolの各プローブ、5×SI緩衝液、2.60μL SSB、7.2μLホルムアミドを合わせ、H2Oを加えて総容積を50μLにする。例示的最終濃度は、400nMの各プローブ、41.7mMの総NaCl、2μMのSSB、14%ホルムアミドである。
3.プローブ濃度各200nM;2つの試料を作り、一方のチューブにはプローブを加えない(「対照」) − 1つのプローブなし試料+1つの全プローブ含有試料。
4.各チューブを短時間ボルテックスし、スピンダウンして全ての液体を底に至らせる。
5.チューブをドライバスに入れ、ストランドインベージョン(SI)のため50℃で4時間インキュベートし、次に60℃で5分間インキュベートする。
6.遊離プローブから(例えば、P100サイズ排除カラムを使用して)DNAを精製する。100×gで4分間スピンする。
7.精製したSI反応物をBSA不動態化C1磁気ビーズ+100μL H2Oと合わせる。
8.キャプチャ反応物を室温でローテータにおいて2時間インキュベートする。
9.ローテータから試料を取り、磁石上に3分間置く。上清を新しいチューブに移す。
10.150μL 0.02%Tween−20洗浄緩衝液(例えばTWEEN(登録商標)を含有する)をビーズに加え、ピペッティングによって再懸濁し、30秒間ボルテックスし、磁石上に2分間置く。洗浄緩衝液を捨てる。
11.洗浄を3回繰り返し、洗浄液を捨てる。
12.150μL 0.02%Tween−20洗浄緩衝液を加え、再懸濁してサーモミキサーで50℃×7分間インキュベートする。
13.100μL溶出緩衝液(例えば、10mMトリス pH8、400mM NaCl、0.1mM EDTA、20%ホルムアミド)を洗浄したビーズに加え、ボルテックスし、スピンして、サーモミキサーにおいて撹拌しながら75℃で7分間インキュベートする。
14.チューブを磁石上に3分間置く。溶出物を新しいチューブに移す。
15.上清を精製し、DNAを(例えばAMPure XPビーズを使用して)溶出させ、エタノールで2回洗浄し、40μL dH2O中に溶出させる。上清を精製し、DNAを(例えばAMPure XPビーズで)溶出させ、エタノールで2回洗浄し、好適な容積(例えば40μL)のdH20中に溶出させる。
16.対照上清、対照溶出物、PNA上清及びPNA溶出物を鋳型として使用してqPCRを調製する。
ii.ヘアピンアダプターのライゲーションを含めた、DNAライブラリ調製のためのPACIFIC BIOSCIENCES(登録商標)ライブラリ調製ワークフローへのPetaOmicsエンリッチメント技術の援用
以下のプロトコル(ステップa〜c)は、記載される標的配列エンリッチメント方法を標準的なDNAシーケンシング機器におけるシーケンシング用のDNAライブラリ調製のワークフローにどのように援用することができるかを示す。当然ながら、ターゲットエンリッチメントステップをDNAシーケンシングライブラリ調製の前に実施することが可能であるが、一部の例では、実際には、本発明のターゲットエンリッチメント方法をDNAライブラリ調製ワークフローに統合することが有利である。例示的プロトコルでは、PACIFIC BIOSCIENCES(登録商標)シーケンシング機器用のシーケンシングライブラリ調製に組み込まれた配列エンリッチメントステップにおいて、ガンマ−L−チアリジンで修飾されたPNA残基を含有するPNAプローブを使用する。一部の形態では、ILLUMINA(登録商標)シーケンシングに基づく実施例のPNAプローブに、L−リジンで修飾されたPNA残基を使用する。
a.PACBIO(登録商標)ヘアピンアダプターのライゲーション
1.3〜5μgの標的DNA(例えばヒトゲノムDNA)を20kbの平均断片長さに(例えばCovaris g−tubeを使用して)剪断し、遠心する(例えば4,000rpmで60秒)。
2.剪断したDNA試料を(例えば0.45×AMPure PB磁気ビーズで)濃縮する;
a.1容積のAMPure PBビーズを0.45×容積のDNA試料に加える;
b.不均一に混合する。ボルテックスミキサーにおいて2,000rpmで10分間振盪する;
c.ビーズがチューブの片側に集まり、溶液が澄明になるまでチューブを磁石上に置く。澄明になった上清をピペットでビーズペレットを乱さないように慎重に吸引する;
d.AMPure PBビーズを70%エタノールで2回洗浄する;
e.残留エタノールを除去し、ビーズを30〜60秒間風乾する;
f.38μL PacBio溶出緩衝液にビーズを再懸濁し、2,000rpmで1分間ボルテックスする。ビーズが集まり、溶液が澄明になるまでチューブを磁石上に置く;及び
g.上清を新しい0.5mLエッペンドルフチューブに移す。
3.剪断したゲノムDNAをエキソヌクレアーゼVIIで処理してDNA断片から一本鎖末端を取り除く。
a.PACBIO(登録商標)鋳型調製キットからのDNA損傷修復緩衝液、NAD+、ATP高、dNTP及びExoVII酵素を1倍になるように加える;及び
b.37℃で15分間インキュベートする。反応を4℃に戻す。
4.2μLのDNA損傷修復酵素ミックスを加えて37℃で20分間インキュベートすることによりDNA損傷を修復する。反応を1〜5分間4℃に戻す。
5.2.5μLの末端修復酵素ミックスを加えて25℃で5分間インキュベートすることによりDNA試料の末端を修復する。反応を4℃に戻す。
6.ステップ#2にあるとおり0.45×AMPure PB磁気ビーズでDNA試料を精製する。20μL PacBio溶出緩衝液に溶出させる。
7.PACBIO(登録商標)ヘアピンアダプターを平滑末端ライゲーションでライゲートする。
a.アニーリングした平滑末端ヘアピンアダプターを末端修復したDNA試料に加え、十分に混合する;
b.鋳型調製緩衝液及びATP低を加え、十分に混合する;
c.リガーゼ酵素及びdH2Oを加え、ピペッティングによって十分に混合する;及び
d.ライゲーション反応物を25℃で一晩インキュベートする。
8.反応物を65℃で10分間インキュベートすることによりリガーゼを不活性化する。反応を40℃に戻す。
9.ライゲートしたDNAをエキソヌクレアーゼIII及びエキソヌクレアーゼVIIで処理してライゲートしなかった産物を取り除く。反応物を37℃で1時間インキュベートした後、反応を4℃に戻す。
10.ライゲートしたDNA試料をステップ#2にあるとおり(例えば0.45×AMPure PB磁気ビーズで)精製する。好適な容積(例えば30μL)のdH2Oに溶出させる。
b.DNAライブラリ材料のPetaOmicsターゲットエンリッチメント
11.選択の二本鎖DNA標的をキャプチャするためのPNA媒介ストランドインベージョン
a.5×ストランドインベージョン緩衝液(例えば、10mMトリス pH8.0、30mM NaCl、0.1mM EDTA、0.02%TWEEN−20(登録商標))を1倍となるように加える;
b.Taq一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)を2μMの最終濃度となるように加える;
c.標的に向けられたガンマPNA(例えば、4つのガンマ−L−チアリジン及び4つのガンマ−mini−PEG修飾を含む18mer PNA)のセットをPNA当たり400nMの最終濃度となるように加える;
d.ホルムアミドを14.4%の最終濃度となるように加える;
e.十分に混合し、反応物を50℃で3時間インキュベートする;及び
f.ストリンジェンシーステップのため反応物を60℃で5分間インキュベートしてDNAとの不完全なPNA相互作用物を融解させる。
12.未結合の遊離ガンマPNAを(例えばP100サイズ排除カラムで)取り除く。
a.ストランドインベージョン反応物をカラムに加え、室温において100×gで4分間スピンする。
13.ビオチン化PNA結合標的DNAを(例えばBSA不動態化C1ストレプトアビジン磁気ビーズで)キャプチャする
a.洗浄してBSA不動態化したC1ストレプトアビジン磁気ビーズを1.5mLエッペンドルフチューブにおいて50μLストランドインベージョン反応物、100μL dH2O及び50μL洗浄緩衝液(例えば、10mMトリス pH8.0、0.25M NaCl、0.1mM EDTA、0.05%Tween−20)に200μLの最終容積となるように再懸濁する;及び
b.キャプチャ反応物を回転プラットフォーム上室温で2時間インキュベートする。
14.ストレプトアビジンビーズを室温で洗浄緩衝液により3回洗浄する。溶液が澄明になるまで毎回磁石上に置く。上清を捨てる。
15.ストレプトアビジンビーズをサーモミキサー(撹拌=800rpm)において50℃で7分間インキュベートすることにより洗浄緩衝液で1回洗浄する。溶液が澄明になるまで磁石上に置く。上清を捨てる。
16.ビーズを溶出緩衝液(例えば、10mM CAPSO pH9.75、400mM NaCl、0.1mM EDTA、20%ホルムアミド)に再懸濁してpHをガンマ−チアリジン基(pKa=9.5)のpKaより高く上昇させ、ひいてはPNA融解温度を低下させることにより、キャプチャされた標的DNAをストレプトアビジンビーズから溶出させる。サーモミキサー(撹拌=800rpm)において75℃で7分間インキュベートする。極めて少量のDNAをキャプチャする場合、担体としてスーパーコイル環状DNAの添加を加えることができる。
c.PACIFIC BIOSCIENCES(登録商標)ライブラリ調製、ヘアピンアダプターライゲーション後のステップ
17.エンリッチ標的DNAを(例えば、ステップ#2にあるとおり0.45×AMPure PB磁気ビーズで)精製する。30μL PACBIO(登録商標)溶出緩衝液に溶出させる。
18.Blue Pippin機器を使用してエンリッチ標的DNAをサイズセレクションする。
a.BP開始:8000;BP終了:50000。
19.サイズセレクションした標的DNAを(例えば、ステップ#2にあるとおり1×AMPure PB磁気ビーズで)精製し、濃縮する。10μL PACBIO(登録商標)溶出緩衝液に溶出させる。
20.PACIFIC BIOSCIENCES(登録商標)RSII機器を使用して標的エンリッチDNAをシーケンシングする。
ii.オンビーズヘアピンアダプターライゲーションを含めた、DNAシーケンシング用のPACIFIC BIOSCIENCES(登録商標)ライブラリ調製ワークフローへのPetaOmicsエンリッチメント技術の援用
以下のプロトコル(ステップa〜d)は、記載される標的配列エンリッチメント方法を、オンビーズヘアピンアダプターライゲーションを含めたDNAシーケンシングのワークフローにどのように援用することができるかを示す。当然ながら、ターゲットエンリッチメントステップをDNAシーケンシングの前に実施することが可能であるが、実際には、本発明のターゲットエンリッチメント方法をDNAシーケンシングワークフローに統合することが有利である。
a.PACIFIC BIOSCIENCES(登録商標)ライブラリ調製、ステップ1〜6、アダプターライゲーション前
1.3〜5μgの標的DNA(例えばヒトゲノムDNA)を20kbの平均断片長さに(例えばCovaris g−tubeを使用して)剪断する。4000rpmで60秒間遠心する。
2.剪断したDNA試料を(例えば0.45×AMPure PB磁気ビーズで)濃縮する;
a.1容積のAMPure PBビーズを0.45×容積のDNA試料に加える
b.不均一に混合する。ボルテックスミキサーにおいて2000rpmで10分間振盪する;
c.ビーズがチューブの片側に集まり、溶液が澄明になるまでチューブを磁石上に置く。澄明になった上清をピペットでビーズペレットを乱さないように慎重に吸引する;
d.AMPure PBビーズを70%エタノールで2回洗浄する;
e.残留エタノールを除去し、ビーズを30〜60秒間風乾する;
f.38μL PACBIO(登録商標)溶出緩衝液にビーズを再懸濁する。2000rpmで1分間ボルテックスする。ビーズが集まり、溶液が澄明になるまでチューブを磁石上に置く;
g.上清を慎重にピペッティングし、新しい0.5mLエッペンドルフチューブに移す。
3.剪断したゲノムDNAをエキソヌクレアーゼVIIで処理してDNA断片から一本鎖末端を取り除く。
a.PACBIO(登録商標)鋳型調製キットからのDNA損傷修復緩衝液、NAD+、ATP高、dNTP及びExoVII酵素を1倍になるように加える;
b.37℃で15分間インキュベートする。反応を4℃に戻す。
4.2μLのDNA損傷修復酵素ミックスを加えて37℃で20分間インキュベートすることによりDNA損傷を修復する。反応を1〜5分間4℃に戻す。
5.2.5μLの末端修復酵素ミックスを加えて25℃で5分間インキュベートすることによりDNA試料の末端を修復する。反応を4℃に戻す。
6.DNA試料をステップ#2にあるとおり(例えば0.45×AMPure PB磁気ビーズで)精製する。30μL PACBIO(登録商標)溶出緩衝液に溶出させる。
b.DNAライブラリ材料のPetaOmicsターゲットエンリッチメント
7.選択の二本鎖DNA標的をキャプチャするためのPNA媒介ストランドインベージョン
a.5×ストランドインベージョン緩衝液(例えば、10mMトリス pH8.0、30mM NaCl、0.1mM EDTA、0.02%TWEEN−20(登録商標))を1倍となるように加える;
b.Taq一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)を2μMの最終濃度となるように加える;
c.標的に向けられたガンマPNA(例えば、4つのガンマ−L−チアリジン及び4つのガンマ−mini−PEG修飾を含む18mer PNA)のセットをPNA当たり400nMの最終濃度となるように加える;
d.ホルムアミドを14.4%の最終濃度となるように加える;
e.十分に混合し、反応物を50℃で3時間インキュベートする;
f.ストリンジェンシーステップのため反応物を60℃で5分間インキュベートしてDNAとの不完全なPNA相互作用物を融解させる。
8.未結合の遊離ガンマPNAを(例えばP100サイズ排除カラムで)取り除く。
a.ストランドインベージョン反応物をカラムに加え、室温において100×gで4分間スピンする。
9.BSA不動態化C1ストレプトアビジン磁気ビーズでビオチン化PNA結合標的DNAをキャプチャする。
a.洗浄してBSA不動態化したC1ストレプトアビジン磁気ビーズを1.5mLエッペンドルフチューブにおいて50μLストランドインベージョン反応物、100μL dH2O及び50μL洗浄緩衝液(例えば、10mMトリス pH8.0、0.25M NaCl、0.1mM EDTA、0.05%TWEEN−20(登録商標))に200μLの最終容積となるように再懸濁する;及び
b.キャプチャ反応物を回転プラットフォーム上室温で2時間インキュベートする。
21.ストレプトアビジンビーズを室温で洗浄緩衝液により3回洗浄する。溶液が澄明になるまで磁石上に置く。上清を捨てる。
22.ストレプトアビジンビーズをサーモミキサー(撹拌=800rpm)において50℃で7分間インキュベートすることにより洗浄緩衝液で1回洗浄する。溶液が澄明になるまで磁石上に置く。上清を捨てる。
c.オンビーズPacBioヘアピンアダプターライゲーション
23.キャプチャされたDNA分子を含有するストレプトアビジンビーズ上にPACBIO(登録商標)ヘアピンアダプターを平滑末端ライゲーションでライゲートする。
a.アニーリングした平滑末端ヘアピンアダプター、鋳型調製緩衝液、ATP低、dH2O及びリガーゼ酵素を加えることにより、洗浄したストレプトアビジンビーズを再懸濁する。ピペッティングによって十分に混合する;及び
b.オンビーズライゲーション反応物を回転プラットフォーム上25℃で一晩インキュベートする。
24.反応物を65℃で10分間インキュベートすることによりリガーゼを不活性化する。反応を4℃に戻す。
25.ビーズを溶出緩衝液(例えば、10mM CAPSO pH9.75、400mM NaCl、0.1mM EDTA、20%ホルムアミド)に再懸濁してpHをガンマ−チアリジン基(pKa=9.5)のpKaより高く上昇させ、ひいてはPNA融解温度を低下させることにより、キャプチャされた、アダプターがライゲートされた標的DNAをストレプトアビジンビーズから溶出させる。サーモミキサー(撹拌=800rpm)において75℃で7分間インキュベートする。極めて少量のDNAをキャプチャする場合、担体としてスーパーコイル環状DNAの添加を加えることができる。
d.PACIFIC BIOSCIENCES(登録商標)ライブラリ調製及びシーケンシング
26.溶出したDNA試料をエキソヌクレアーゼIII及びエキソヌクレアーゼVIIで処理してライゲートしなかった産物を取り除く。反応物を37℃で1時間インキュベートした後、反応を4℃に戻す。
27.ライゲートしたDNA試料を(例えば、ステップ#2にあるとおり0.45×AMPure PB磁気ビーズで)精製する。30μL dH2Oに溶出させる。
28.Blue Pippin機器を使用してエンリッチ標的DNAをサイズセレクションする。
a.BP開始:8000;BP終了:50000
29.ステップ#2にあるとおり、サイズセレクションした標的DNAを(例えば1×AMPure PB磁気ビーズで)精製し、濃縮する。10μL PACBIO(登録商標)溶出緩衝液に溶出させる。
30.PACIFIC BIOSCIENCES(登録商標)RSII機器を使用して標的エンリッチDNAをシーケンシングする。
iii.Herculase II媒介PNA鎖置換及び増幅を含めた、DNAシーケンシング用のILLUMINA(登録商標)ライブラリ調製ワークフローへのPetaOmicsエンリッチメント技術の援用
以下のプロトコル(ステップa〜d)は、記載される標的配列エンリッチメント方法をHerculase II媒介PNA鎖置換及び増幅を含めたDNAシーケンシングのワークフローにどのように援用することができるかを示す。当然ながら、ターゲットエンリッチメントステップをDNAシーケンシングの前に実施することが可能であるが、実際には、本発明のターゲットエンリッチメント方法をDNAシーケンシングワークフローに統合することが有利である。
a.ILLUMINA(登録商標)ライブラリ調製
1.3〜5μgの標的DNA(例えばヒトゲノムDNA)を20kbの平均断片長さに(例えばCovaris g−tubeを使用して)剪断する。4000rpmで60秒間遠心する。
2.剪断したDNA試料を(例えば0.8×AMPure XP磁気ビーズで)濃縮する:
a.1容積のAMPure XPビーズを0.45×容積のDNA試料に加える;
b.不均一に混合する。ボルテックスミキサーにおいて2,000rpmで10分間振盪する;
c.ビーズがチューブの片側に集まり、溶液が澄明になるまでチューブを磁石上に置く。澄明になった上清をピペットでビーズペレットを乱さないように慎重に吸引する;
d.AMPure XPビーズを70%エタノールで2回洗浄する;
e.残留エタノールを除去し、ビーズを30〜60秒間風乾する;
f.34μL TE緩衝液にビーズを再懸濁する。2,000rpmで1分間ボルテックスする;ビーズが集まり、溶液が澄明になるまでチューブを磁石上に置く;及び
g.上清を慎重にピペッティングし、新しい0.5mLエッペンドルフチューブに移す。
3.剪断されたDNA末端を修復する。
a.10×末端修復緩衝液、dNTP、ATP及び末端修復酵素ミックスを加え、十分に混合する;
b.反応物を室温で45分間インキュベートする;及び
c.70℃で10分間インキュベートして酵素を不活性化する。
4.末端修復されたDNAを(例えば、ステップ#2にあるとおり0.8×AMPure XP磁気ビーズで)精製する。42μL TE緩衝液で溶出させる。
5.AテールをDNA末端にライゲートする。
a.NEB Next dAテール付加緩衝液及びクレノウ断片を50μLの最終容積となるように加える。十分に混合し、37℃で30分間インキュベートする。
6.Aテール付加DNA断片をステップ#2にあるとおり0.8×AMPure XP磁気ビーズで精製する。8μL TE緩衝液に溶出させる。
7.ILLUMINA−MOLECULO(登録商標)アダプターをT4リガーゼでDNA末端にライゲートする。
a.2×迅速ライゲーション緩衝液、50μMのアニーリングしたMoleculoアダプター及びT4リガーゼを20μLの最終容積となるように加える。十分に混合し、室温で10分間インキュベートする。
8.ILLUMINA−MOLECULO(登録商標)アダプターをライゲートしたDNA断片をステップ#2にあるとおり0.8×AMPure XP磁気ビーズで精製する。
9.30μL TE緩衝液に溶出させる。
b.Illumina DNAライブラリ材料のPetaOmicsターゲットエンリッチメント
10.標的DNAのガンマPNA媒介ストランドインベージョン
a.5×ストランドインベージョン緩衝液(例えば、10mMトリス pH8.0、30mM NaCl、0.1mM EDTA、0.02%Tween−20)を1倍となるように加える;
b.Taq一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)を2μMの最終濃度となるように加える;
c.標的に向けられたガンマPNA(例えば、4つのガンマ−L−リジン及び4つのガンマ−mini−PEG修飾を有する18mer PNA)のセットをPNA当たり400nMの最終濃度となるように加える;
d.ホルムアミドを14.4%の最終濃度となるように加える;
e.十分に混合し、反応物を50℃で3時間インキュベートする;及び
f.ストリンジェンシーステップのため反応物を60℃で5分間インキュベートしてDNAとの不完全なPNA相互作用物を融解させる。
11.未結合の遊離ガンマPNAを(例えばP100サイズ排除カラムで)取り除く。
a.ストランドインベージョン反応物をカラムに加え、室温において100×gで4分間スピンする。
12.BSA不動態化C1ストレプトアビジン磁気ビーズでビオチン化PNA結合標的DNAをキャプチャする。
a.洗浄してBSA不動態化したC1磁気ビーズを1.5mLエッペンドルフチューブにおいて50μLストランドインベージョン反応物、100μL dH2O及び50μL洗浄緩衝液(例えば、10mMトリス pH8.0、0.5M NaCl、0.1mM EDTA、0.05%TWEEN−20(登録商標))に200μLの最終容積となるように再懸濁する;及び
b.キャプチャ反応物を回転プラットフォーム上室温で2時間インキュベートする。
31.ストレプトアビジンビーズを室温で洗浄緩衝液により3回洗浄する。溶液が澄明になるまで毎回磁石上に置く。上清を捨てる。
32.ストレプトアビジンビーズをサーモミキサー(撹拌=800rpm)において45℃で7分間インキュベートすることにより洗浄緩衝液で1回洗浄する。溶液が澄明になるまで磁石上に置く。上清を捨てる。
c.標的DNAのオンビーズHerculase II媒介PNA鎖置換及び増幅
33.ストレプトアビジンビーズからの標的DNAの溶出及びHerculase II Fusion DNAポリメラーゼ(Agilent)によるその増幅を同時に行う。Herculase酵素は、DNAから結合したPNAを鎖置換することが示されている(Brudno,et al,Nature Chemical Biology;6(2):pp.148−155(2010))。
a.5×Herculase II反応緩衝液、dNTP、Illumina−Moleculoアダプター特異的プライマー、Herculase II Fusion DNAポリメラーゼ及びdH2Oを50μL最終容積となるように加えることにより、洗浄したストレプトアビジンビーズを再懸濁する。ピペッティングによって十分に混合する;及び
b.反応物をAgilentプロトコルに従うサイクリング条件でサーモサイクラーにかける。
34.増幅された標的DNA断片を(例えば、ステップ#2にあるとおり0.8×AMPure XP磁気ビーズで)精製する。20μL TE緩衝液に溶出させる。Qubit機器(Life Technologies,Inc.)でDNA濃度を決定する。
d.Illuminaライブラリ用のNEBNextライブラリ調製
35.増幅された標的DNAを約400bpに(例えば音波処理で)剪断する。
36.断片化されたDNAを末端修復する。
a.NEBNext末端修復反応緩衝液10×、NEBNext末端修復酵素ミックス及びdH2Oを100μLの最終容積となるように加える;及び
b.20℃で30分間インキュベートする。
37.末端修復されたDNAを(例えば、ステップ#2にあるとおり1.6×AMPure XP磁気ビーズで)精製する。47μL TE緩衝液に溶出させる。
38.末端修復したDNAのdAテール付加
a.NEBNext dAテール付加反応緩衝液(10×)及びクレノウ断片を50μLの最終容積となるように加える;及び
b.サーマルサイクラーにおいて37℃で30分間インキュベートする。
39.末端修復されたDNAを(例えば、ステップ#2にあるとおり1.6×AMPure XP磁気ビーズで)精製する。30μL TE緩衝液に溶出させる。
40.dAテール付加DNAのインデックス付きアダプターライゲーション
a.Quickライゲーション反応緩衝液(5×)、NEBNextアダプター及びQuick T4 DNAリガーゼを50μLの最終容積となるように加える;
b.20℃で15分間インキュベートする;及び
c.USER酵素ミックスを加え、ピペッティングによって混合する。37℃で15分間インキュベートする。
41.末端修復されたDNAを(例えば、ステップ#2にあるとおり1.6×AMPure XP磁気ビーズで)精製する。105μL TE緩衝液に溶出させる。
42.アダプターをライゲートしたDNAをNEBNextプロトコルに従いAMPure XPビーズを使用してサイズセレクションする。17μL TE緩衝液に溶出させる。
43.アダプターをライゲートしたDNAのPCRエンリッチメント
a.選択のインデックス付加用プライマーミックス及びNEBNext Q5 Hot Start HiFi PCRマスターミックスを50μL最終容積となるように加える;及び
b.反応物をNEBNextプロトコルに従うサイクリング条件でサーマルサイクラーにかける。
44.インデックス付加された、増幅されたDNAをステップ#2にあるとおり0.9×AMPure XP磁気ビーズで精製する。30μL TE緩衝液に溶出させる。
45.Illumina MiSeq又はNextSeq機器を使用して標的エンリッチDNAをシーケンシングする。
実施例1:2つのビオチン化PCRプライマーの使用は長い二本鎖PCR産物の99%のキャプチャを媒介する
共有結合的に結合したビオチンハプテンが極めて長いDNA分子のキャプチャを媒介する能力を評価した。ストレプトアビジン被覆磁気ビーズの結合能は限られているため、DNA分子1つにつき単一のビオチン残基では、遊離ビオチン化プローブとの競合に不十分であり得る。
ビオチン化PCR産物のキャプチャを1つ以上のビオチン化PCRプライマーの使用に基づき評価するため、単一のビオチン化PCRプライマーを使用して、0.5μMビオチン化プローブ競合物の存在下で長い二本鎖PCR産物3,581塩基対長をキャプチャした。この実験はまた、2つのビオチン化PCRプライマーも使用して行った。ビオチン化PCR産物のキャプチャ後に上清中に残ったDNA材料をアガロースゲル上に可視化し、定量化した。
材料及び方法
フォワード及びリバースビオチン化プライマー(2Xビオチン)又はフォワードビオチン化プライマー並びに100ngのビオチン化DNA標的、375ngの非ビオチン化ラムダ/HindIII DNA及び指示されるとおりの漸増濃度の競合ビオチン化プローブからなるキャプチャ反応物(「comp」)のいずれかを使用したヒトミトコンドリアDNAゲノムの3,581bp領域のPCR増幅により、2つの異なるビオチン化DNA標的を作製した。DNA混合物を250μgの常磁性M280ストレプトアビジンDYNABEADS(登録商標)にKilobasebinder結合緩衝液と共に加えた。この混合物を回転させながら室温で2時間インキュベートした。DYNABEADS(登録商標)+任意の結合したビオチン化DNAを磁石上でインキュベートすることにより混合物から分離した。未結合DNA混合物を0.5%アガロースゲル上60Vで16時間電気泳動した。このゲルを染色し、デジタル画像を取得した。ImageJソフトウェアを使用してデンシトメトリーを実施した。入力に対して正規化したラムダ/HindIII 9416bpバンドに対するビオチン化標的バンドの強度比を可視化した。3581bpにおける標的バンドがビオチン化PCR産物に相当した。
結果
この単一ビオチンキャプチャ実験では、ゲルバンドの定量化分析によって決定するとき、0.5μM競合ビオチン化プローブの存在下でPCR産物の約57%が上清中に残る。0.25μM及び0.5μMの濃度のビオチン化プローブ競合物の存在下でゲルに核酸断片3,581bp長に対応するバンドを観察することができた。対照的に、2つのビオチン化PCRプライマーの使用は、0.5μMビオチン化プローブ競合物の存在下であっても、3,581塩基対長の長い二本鎖PCR産物の高収率キャプチャに十分であった。
ゲルにおいて観察されたとおり、PCR産物の僅か1%のみが上清中に残り、これは99%のキャプチャに相当する。
実施例2:PNA骨格のガンマ修飾を有するPNAプローブは長い二本鎖DNAをキャプチャする
PNA骨格のガンマ修飾を含むPNAプローブが極めて長いDNA分子のキャプチャを媒介する能力を評価した。6つのガンマリジン修飾及び1つのガンマMini−PEG修飾を含む各20塩基長の1つ又は2つのビオチン化PNAプローブによる標的DNAのストランドインベージョン及びキャプチャ後に上清中に残るDNA材料をアガロースゲル上に可視化し、定量化した。
材料及び方法
ストランドインベージョン反応物は、100ngの11,970bp DNA標的(ヒトCCR5遺伝子を含有するゲノム領域をキャプチャするPCR産物)、375ngのラムダ/HindIII非標的DNA、2μM一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)、20mMトリス−HCl pH8.0、20mM NaCl、0.1mM EDTA、及び0.4μM PNAからなった。対照(Cont.)はPNA又はSSBを含有しなかった。反応物を46℃で4時間、次に55℃で5分間インキュベートした。DNAを遊離PNAプローブと分離するため、これらの反応物をP100サイズ排除カラム(Bio−Rad)に流した。対照及びPNA含有実験レーンはデュプリケートでロードした。キャプチャ反応及び未結合DNAの回収を行った。試料はゲル電気泳動及びデンシトメトリーによって分析した。
キャプチャ効率を評価するため、ゲルにおいて観察されたバンドの強度から3列のデンシトメトリー比を計算した。結合しなかった標的DNAの割合は、キャプチャ後の溶液中に残る標的DNAの相対量として計算した。標的DNAバンドの強度はラムダ/HindIII 2322bp非標的バンドに対して正規化した。実際のキャプチャは、1−(結合しなかった標的の割合)として計算した。各比はそのセット中の対照の1つに対して決定した。
結合しなかった非標的の割合は、PNAプローブによるキャプチャの特異性の関数として計算した。この値は、2322bp非標的バンドに対するラムダ/HindIII 9416bp非標的バンドの比として決定した。非標的正規化回収率は、「結合しなかった非標的の割合」値に対する「結合しなかった標的の割合」値の比率として計算した。この値から、11,970bpの標的バンドに特異的であったキャプチャされた全材料(即ち、PNAプローブによって特異的に標的化されたDNA)の割合が得られた。
結果
単一のビオチン化PNAキャプチャプローブの使用は、11,970塩基対長の標的DNAの二本鎖DNAキャプチャには不十分であった。対照的に、2つ(又はそれを上回る)のビオチン化PNAキャプチャプローブの使用は、11,970塩基対長の標的DNAの高収率の二本鎖DNAキャプチャに十分であった。11,970kbのゲルバンドに可視化された、キャプチャ後に上清中に残った材料は、1.4%〜14.9%の範囲であった。従って、DNA断片内の2つのビオチン化PNAプローブからのキャプチャ収率は98.5%〜85.1%の範囲であった。
実施例3:平均サイズ10kbのゲノムDNA調製物から単一の標的遺伝子をキャプチャすることができる
ストランドインベージョン用PNAプローブによる長い二本鎖DNAのキャプチャを利用して、全ゲノムDNAから目的のDNAセグメントを単離した。平均サイズ10kbのゲノムDNA調製物からCCR5遺伝子を含有するゲノム領域をキャプチャすることができるかどうかを決定する実験を行った。
材料及び方法
6つのガンマリジン修飾及び1つのガンマMini−PEG修飾を含む単一のPNAプローブ20塩基長を使用した。1つのPNAプローブによってキャプチャされた剪断ゲノムDNAを鋳型として使用して半定量的PCRを行った。3μgのヒトゲノムDNA(Coriell 番号NA23248)をCovaris g−TUBE(商標)を使用して10kbの平均サイズに剪断した。剪断されたゲノムDNAを2μM一本鎖結合タンパク質(SSB)、20mMトリス−HCl pH8.0、20mM NaCl、0.1mM EDTA及び0.4μM CCR 6K PNAと合わせ、46℃で4時間、続いて55℃で5分間インキュベートした。PNAを含有しない対照試料も含めた。P100カラムでサイズ排除を実施し、M280ストレプトアビジンDYNABEADS(登録商標)でビオチン化DNAをキャプチャした。DYNABEADS(登録商標)及び結合したDNAを磁石で分離し、上清から未結合のDNAを確保しておいた(「上清」)。DYNABEADS(登録商標)及び結合したDNAを洗浄緩衝液で2回洗浄し、結合したDNAをビーズから20mMトリス−HCl、200mM NaCl、0.1mM EDTA及び20%ホルムアミドに、撹拌しながら65℃で5分間インキュベートすることにより溶出させた(「溶出物」)。
結合DNA「溶出物」及び「上清」試料をAMPure XPビーズで濃縮及び精製し、dH2Oに溶出させた。これらの試料を濃縮及び精製する代替的方法としては、限定はされないが、Qiagen PCR精製キット(カタログ番号28104)及び従来のフェノール−クロロホルム抽出が挙げられる。特異的ゲノム標的(CCR5遺伝子領域、3番染色体、「CCR 11055」)及び対照非標的ゲノム領域(AR遺伝子領域、X染色体、「AR 9827」)に対するプライマーを使用した半定量的PCRをPhusion DNAポリメラーゼで実施した。半定量的PCR産物を0.8%アガロースゲル上で電気泳動し、染色し、及びデジタル画像を取得した。前述のプライマー及び鋳型として剪断ゲノムDNA出発物質を使用した半定量的PCRも行った(「入力」)。
結果
半定量的PCR産物の電気泳動に基づけば、「上清」はCCR5ゲノムDNAの約50%を含み、単一のPNAプローブを使用したためPNAベースのゲノムDNA断片キャプチャが不完全であることが示された。
実施例4:PNAプローブは、DNAシーケンシングプロトコルを用いて構築したゲノムライブラリから目的のDNAセグメントを単離することができる
ストランドインベージョン用PNAプローブによる長い二本鎖DNAのキャプチャを利用して、DNAシーケンシングプロトコルを用いて構築したゲノムライブラリから目的のDNAセグメントを単離することができる。例えば、この手順は、図3に示す実験ワークフローを用いて行うことができる。
材料及び方法
この実験には単一のPNAプローブを使用した。プローブは20塩基長であり、6つのガンマリジン修飾及び1つのガンマMini−PEG修飾を含んだ。1つのPNAプローブによってキャプチャされたゲノムライブラリDNAを鋳型として使用して半定量的PCRを行った。
簡潔に言えば、3μgのヒトゲノムDNA(Coriell 番号NA23248)をCovaris g−TUBE(商標)を使用して10kbの平均サイズに剪断した。修復されたDNA末端にDNAアダプターをライゲートした。アダプターをライゲートしたゲノムDNAを、20mMトリス−HCl(pH8.0)、20mM NaCl、0.1mM EDTA及び0.4μM PNA中の2μM一本鎖結合タンパク質(SSB)と合わせた。PNAを含有しない対照試料も含めた。
P100カラムでサイズ排除を実施し、M280ストレプトアビジンDYNABEADS(登録商標)でビオチン化DNAをキャプチャした。DYNABEADS(登録商標)及び結合したDNAを磁石で分離し、上清から未結合のDNAを確保しておいた(「上清」)。DYNABEADS(登録商標)及び結合したDNAを洗浄緩衝液で2回洗浄し、結合したDNAをビーズから20mMトリス−HCl、200mM NaCl、0.1mM EDTA及び20%ホルムアミドに、撹拌しながら65℃で5分間インキュベートすることにより溶出させた(「溶出物」)。
結合DNA「溶出物」及び「上清」試料をAMPure XPビーズで濃縮及び精製し、dH2Oに溶出させた。これらの試料を濃縮及び精製する代替的方法としては、限定はされないが、Qiagen PCR精製キット(カタログ番号28104)及び従来のフェノール−クロロホルム抽出が挙げられる。
特異的ゲノム標的(CCR5遺伝子領域、3番染色体、「CCR 11055」)及び対照非標的ゲノム領域(AR遺伝子領域、X染色体、「AR 9827」)に対するプライマーを使用した半定量的PCRをPhusion(登録商標)DNAポリメラーゼで実施した。半定量的PCR産物を0.8%アガロースゲル上で電気泳動し、染色し、及びデジタル画像を取得した。
結果
PNAプローブがゲノムライブラリから目的のDNAセグメントを単離できることを実証するため、10キロベース長の断片で構築したゲノムシーケンシングライブラリからCCR5遺伝子を含有するゲノム領域を特異的にキャプチャした。
キャプチャされた材料はCCR5ゲノムDNAを含有するが、単一のPNAプローブのみを使用したためキャプチャは不完全である。「溶出物」画分にはゲノムのAR遺伝子領域からのDNAは存在しなかった。
実施例5:3つのPNAプローブを組み合わせた使用はゲノムライブラリDNAの高度に効率的な配列特異的キャプチャをもたらす
10キロベース長の断片で構築したゲノムシーケンシングライブラリからアンドロゲン受容体(AR)遺伝子を含有するゲノム領域を特異的にキャプチャすることができるかどうかを決定する実験を行った。鋳型としての3つのPNAプローブによってキャプチャされたDNAの量を半定量的PCRによって決定した。
材料及び方法
3μgのヒトゲノムDNA(Coriell 番号NA23248)をCovaris g−TUBE(商標)を使用して10kbの平均サイズに剪断した。修復されたDNA末端にDNAアダプターをライゲートした。アダプターをライゲートしたゲノムDNAを2μM一本鎖結合タンパク質(SSB)、20mMトリス−HCl(pH8.0)、20mM NaCl、0.1mM EDTA及び0.4μMの、ヒトAR遺伝子の領域を標的化する3つのPNAの各々と合わせ、46℃で4時間、次に55℃で5分間インキュベートした。
この実験で使用した3つのPNAプローブの各々は20塩基長であり、6つのガンマリジン修飾及び1つのガンマMini−PEG修飾を含有した。
PNAを含有しない対照試料も含めた。P100カラムでサイズ排除を実施し、M280ストレプトアビジンDYNABEADS(登録商標)でビオチン化DNAをキャプチャした。DYNABEADS(登録商標)及び結合したDNAを磁石で分離し、上清から未結合のDNAを確保しておいた(「上清」)。DYNABEADS(登録商標)及び結合したDNAを洗浄緩衝液で2回洗浄し、結合したDNAをビーズから20mMトリス−HCl、200mM NaCl、0.1mM EDTA及び20%ホルムアミドに、撹拌しながら65℃で5分間インキュベートすることにより溶出させた(「溶出物」)。結合DNA溶出物及び上清試料をAMPure XPビーズで濃縮及び精製し、dH2Oに溶出させた。これらの試料を濃縮及び精製する代替的方法としては、限定はされないが、Qiagen PCR精製キット(カタログ番号28104)及び従来のフェノール−クロロホルム抽出が挙げられる。
特異的ゲノム標的(AR遺伝子領域、X染色体、「AR 9827」)及び2つの異なる対照非標的ゲノム領域(CCR5遺伝子領域、3番染色体、「CCR 8925」及びGAPDH遺伝子領域、12番染色体、「GAPDH 281」)の1つに対するプライマーを使用した半定量的PCRをPhusion(登録商標)DNAポリメラーゼで実施した。半定量的PCR産物を0.8%アガロースゲル上で電気泳動し、染色し、及びデジタル画像を取得した。
結果
アガロースゲル上に可視化及び定量化された半定量的PCR産物に基づけば、キャプチャされた材料はARゲノムDNAを含有した。上清中にはARゲノム材料のPCR増幅はなかった。従って、3つのPNAプローブを組み合わせた使用が高度に効率的なキャプチャをもたらす。対照にはゲノムのCCR領域からのDNA並びにGAPDH領域からのDNAが含まれ、これらは両方とも溶出物中には存在しなかった。従って、DNAキャプチャは高度に特異的であった。
実施例6:3つのPNAプローブの組み合わせは、DNAの元のサイズ及び二本鎖ヘリックスコンホメーションを維持している標的dsDNAをもたらす
2つのビオチン化PNAプローブA9827及びA2486によるストランドインベージョンのプロセスに供し、ストレプトアビジン被覆常磁性ビーズにキャプチャし、及び部分的変性条件下で放出させた後の二本鎖DNA分子のサイズ及び構造的完全性を評価する実験を実施した。
材料及び方法
キャプチャ反応物は、ヒトゲノムのAR領域に特異的な2つの異なるビオチン化PNAプローブからなった。各PNAプローブは20塩基長であり、6つのガンマリジン修飾及び1つのガンマMini−PEG修飾を含有した。ストランドインベージョン反応物は、400ngの11,942bp DNA標的(ヒトAR遺伝子を含有するゲノム領域をキャプチャするPCR産物)、2μM一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)、20mMトリス−HCl pH8.0、20mM NaCl、0.1mM EDTA、及び0.4μM PNAからなった。対照はPNAプローブを含有しなかった。反応物を46℃で4時間、続いて55℃で5分間インキュベートした。DNAを遊離PNAプローブと分離するため、これらの反応物をP100サイズ排除カラム(Bio−Rad)に流した。DNA混合物を250μgの常磁性DYNABEAD(登録商標)M280ストレプトアビジンにKilobasebinder結合緩衝液と共に加えた。この混合物を回転させながら室温で2時間インキュベートした。DYNABEADS(登録商標)+任意の結合したビオチン化DNAを磁石上でインキュベートすることにより混合物から分離した。
20mMトリス pH8.0、200mM NaCl、0.1mM EDTA、20%ホルムアミドからなる変性緩衝液を65℃で5分間使用して、キャプチャされたDNAを磁気ビーズから放出させた。DYNABEADS(登録商標)から溶出したDNA及び上清中に存在するDNAをAMPure XPビーズ(Agencourt)で濃縮及び精製した。これらの試料を濃縮及び精製する代替的方法としては、限定はされないが、Qiagen PCR精製キット(カタログ番号28104)及び従来のフェノール−クロロホルム抽出が挙げられる。ゲル電気泳動分析を用いて、キャプチャされたDNAのサイズを元の長い二本鎖DNA材料のサイズと比較した。DNA試料を0.7%アガロースゲル上125Vで3時間電気泳動した。このゲルを染色し、デジタル画像を取得した。
結果
これらの結果から、AR DNA(PCRによって生成された長い二本鎖DNA)が、キャプチャ反応物の上清中になおも存在する元のDNAと非変性アガロースゲルにおいて同じ位置(即ち、11942塩基対のバンド)に移動することが実証された。
従って、複数のPNAプローブによる二本鎖DNAのストランドインベージョン及びキャプチャに基づくこのDNAエンリッチメント方法は、キャプチャ及び放出後に、DNA標的の元のサイズ及び二本鎖ヘリックスコンホメーションを維持している材料をもたらす。
実施例7:PNAプローブにおけるガンマ修飾されたmini−Peg残基の比率を短い二本鎖DNA標的のストランドインベージョンに最適化することができる
短いPCR産物をDNA鎖インベージョン標的として使用して、単純なストランドインベージョンアッセイを考案した。同じ配列を標的化するが、異なる比率のmini−peg及びl−リジン修飾を有するPNAプローブを試験した。
材料及び方法
8ナノモル濃度のDNA標的を、20mMトリス pH8、20mM NaCl、0.1mM EDTAからなる緩衝液中に50μl反応容積で入れた。PNAプローブを0.3μMの濃度で加えた。これらの試料を52℃で30、60、120又は180分間インキュベートした。インキュベーション後、試料を冷却し、1%アガロース非変性ゲルにおいて125Vで3.5時間分離した。第2のゲルシフト実験で使用した19塩基PNAプローブは、以下の表5に提供するとおりである。
結果
表2にある19塩基プローブの各々を使用したゲルシフト分析の結果から、C4902/4K/10MP(21%リジン)プローブがC4902/3K/11MP(16%リジン)プローブと比べてDNAのインベージョン及び二本鎖DNAバンドのシフトアップにおいてより高効率であることが示された。C4902/2K/12MPプローブ(10.5%リジン)は最も効率が低く、これらの条件下で観察可能なストランドインベージョンを生じなかった。
実施例8:PNAプローブにおける正電荷ガンマ−L−リジン残基の含有量をストランドインベージョンに最適化することができる
ガンマリジン対minipeg含有量の影響を決定するため、同じ配列を標的化するが、同じ又はやや異なるl−リジン修飾含有量で異なるmini−peg比率を有するPNAプローブを試験した。
方法
実施例7と同様の実験において、但しやや高いプローブ濃度を利用して、14ナノモル濃度のDNA標的を、20mMトリス pH8、20mM NaCl、0.1mM EDTAからなる緩衝液中に50μl反応容積で入れた。PNAプローブを0.5μMの濃度で加えた。これらの試料を52℃で30、60、120又は180分間インキュベートした。インキュベーション後試料を冷却し、1%アガロース非変性ゲルにおいて125Vで3.5時間分離した。第2のゲルシフト実験で使用した19塩基PNAプローブは、以下の表6に提供するとおりである。
結果
表5の19塩基プローブによるゲルシフト分析の結果から、5K/1MP(26%リジン)及び5K/4MP(26%リジン)プローブがDNAのインベージョン及び二本鎖DNAバンドのシフトアップにおいて等しく効率的であることが示された。4K/10MP(21%リジン)プローブは5K/1Mp及び5K/4MPプローブと比べると幾らか低効率である。
これらの結果は、PNA中の正電荷ガンマ−L−リジン残基の含有量が効率的ストランドインベージョンを生じさせるのに少なくともmini−PEG含有量の含有量と同程度の影響があることを示唆する。インベージョン反応は52℃で2時間インキュベートすると本質的に完全となる。
実施例9:ファージラムダDNAの複数の制限酵素断片を含有する混合物からの所望の二本鎖DNA断片の配列エンリッチメントプロトコル
本方法がファージラムダDNA塩基対の複数の制限酵素断片を含有するDNA試料から所望の8500の断片をエンリッチする能力を実証するため、以下のプロトコルを設計した。
方法
使用したPNAプローブ対には、4つのガンマ−L−リジン修飾及び3つのガンマ−Mini−PEG修飾(C5391 4K/3MP+C8925 4K/3MP;4K対)、又は6つのガンマ−L−リジン修飾及び1つのガンマ−Mini−PEG修飾(C5391 6K/1MP+C8925 6K/1MP;6K対)のいずれかが含まれた。
1.65℃で10分間加熱することによりプローブを調製する。ボルテックスし、スピンダウンする。
2.375ng ラムダ/HindIII DNA、200ng CCR 8500標的、20pmol/プローブ、5×SI緩衝液、1.95μL SSB、7.2μLホルムアミド及びH2Oを合わせて総容積を50μLとする;最終濃度は400nMの各プローブ、41.7mM NaCl、1.5μM M SSB、14%ホルムアミドである。
3.5つの試料を上記のとおり作製し、但し1つのチューブにはプローブを加えない(「−対照」)。
4.各チューブを短時間ボルテックスし、スピンダウンして全ての液体を底に至らせる。
5.46℃又は50℃で4時間インキュベートし、次に55℃又は60℃で5分間インキュベートする。
6.遊離プローブからAMPure XPビーズによってDNAを精製する。50μL TEに溶出させる。
7.精製した反応物をBSA不動態化C1ビーズ+50μL結合緩衝液+100μL H2Oと合わせる。
8.キャプチャ反応物を室温でローテータにおいて2時間インキュベートする。
9.ローテータから試料を取り出し、磁石上に3分間置く(上清を新しいチューブに移す)。
10.150μL 0.02%TWEEN(登録商標)洗浄緩衝液をビーズに加え、ピペッティングによって再懸濁し、30秒間混合し、磁石上に2分間置く。洗浄緩衝液を捨てる。
11.洗浄ステップを4回繰り返し、洗浄液を捨てる。
12.100μL溶出緩衝液(10mMトリス pH8、400mM NaCl、0.1mM EDTA、20%ホルムアミド)を洗浄したビーズに加え、ボルテックスし、スピンして、サーモミキサーにおいて撹拌しながら(800)65℃で5分間インキュベートする。
13.チューブを磁石上に3分間置く。溶出した材料を新しいチューブに移す。
14.DNAをAMPure XPビーズ(0.8:1比)で精製し、80%エタノールで2回洗浄し、40μL dH2Oに溶出させる。
15.0.2mLプラスチックチューブにおいて20μLの上清又は精製溶出物を5μLローディング色素と混合する。
16.DNA試料を0.5%アガロースゲルにロードし、水冷器を5℃にして60Vで16時間泳動させる。
17.ゲルをDiamond核酸染色剤で(例えば45分間)染色する。
18.ゲルをリンスし、(例えばEnduro Gel Docシステムで)可視化する。
結果
4K/3MP PNAプローブで最良のエンリッチメント(83:1)が得られた。6K/1MPプローブは標的キャプチャ能力があったが、これらはまたラムダDNAも非特異的にキャプチャし、溶出物にバンドが現れた。この非特異的キャプチャは、ゲル上にはっきりと見ることができる。
実施例10:全ヒトゲノムDNAからの8Kb、二本鎖ゲノムDNAの特異的断片の配列エンリッチメントプロトコル
本方法が全ヒトゲノムDNAから所望の8,000塩基対断片をエンリッチする能力を実証するため、以下のプロトコルを設計した。
方法
使用したPNAプローブ対には、5つのガンマ−L−リジン修飾及び1つ又は2つのガンマ−Mini−Peg修飾(C4902 5K/1MP+C5391 5K/2MP+A1767 5K/1MP+A2486 5K/2MP;5K/2MP対)のいずれかが含まれた。非特異的キャプチャの対照は18S及び5SリボソームDNAであった。実験は以下の条件に従い行った:
1.65℃で10分間加熱することによりプローブを調製し、次にボルテックスし、スピンダウンする。
2.1μg NA23248g DNA(15kb断片に剪断したもの)、1.5ng CCR8250標的DNA、1.5ng AR9127標的、20pmole各プローブ、5×SI緩衝液、2.60μL SSB、7.2μLホルムアミドを合わせ、H2Oを加えて総容積を50μLにする。最終濃度は400nM各プローブ、41.7mM総NaCl、2μM SSB、14%ホルムアミドであった。
3.プローブ濃度各200nM;2つの試料を作り、一方のチューブにはプローブを加えない(「対照」) − 1つのプローブなし試料+1つの全プローブ含有試料。
4.各チューブを短時間ボルテックスし、スピンダウンして全ての液体を底に至らせる。
5.チューブをドライバスに入れ、50℃で4時間インキュベートし、次に60℃で5分間インキュベートする。
6.遊離プローブから1i xX P100カラムによってDNAを精製する。100×gで4分間スピンする。
7.精製したSI反応物をBSA不動態化C1磁気ビーズ+100μL H2Oと合わせる。
8.キャプチャ反応物を室温でローテータにおいて2時間インキュベートする。
9.ローテータから試料を取り、磁石上に3分間置く。上清を新しいチューブに移す。
10.150μL 0.02%Tween洗浄緩衝液をビーズに加え、ピペッティングによって再懸濁し、30秒間ボルテックスし、磁石上に2分間置く。洗浄緩衝液を捨てる。
11.洗浄を3回繰り返し、洗浄液を捨てる。
12.150μL 0.02%Tween洗浄緩衝液を加え、再懸濁してサーモミキサーで50℃×7分間インキュベートする。
13.100μL溶出緩衝液(10mMトリス pH8、400mM NaCl、0.1mM EDTA、20%ホルムアミド)を洗浄したビーズに加え、ボルテックスし、スピンして、サーモミキサーにおいて撹拌しながら75℃で7分間インキュベートする。
14.チューブを磁石上に3分間置く。溶出物を新しいチューブに移す。
15.上清を精製し、AMPure XPビーズでDNAを溶出させて、エタノールで2回洗浄し、40μL dH2O中に溶出させる。上清を精製し、AMPure XPビーズでDNAを溶出させて、エタノールで2回洗浄し、40μL dH20に溶出させる。
16.対照上清、対照溶出物、PNA上清及びPNA溶出物を鋳型として使用してqPCRを調製する。
結果
この実験では、ヒトDNAを標的遺伝子に対する9,000塩基PCR産物でスパイクすることにより、リボソーム遺伝子のコピー数と同じ目標遺伝子コピー数を達成した。
結果は、図4A〜図4Dに各試料中のDNAのコピー数の値を示すヒストグラムとして表される。「対照sup」と表示されたヒストグラムバーは上清中に残る材料を指し、一方、「対照elu」は、PNAプローブを省いた実験の溶出物に検出されたキャプチャされたDNAを指す。
使用した4つの異なるPNAプローブ、2つはアンドロゲン受容体(AR)遺伝子を標的とし、別の2つはCCR5遺伝子を標的とした。全てのプローブが5つのガンマ−L−リジン残基及び1つ又は2つのいずれかのガンマ−mini−PEG残基を有する。「5K sup」と表示されたヒストグラムバーは上清中に残る材料を指し、一方、「5K elu」は、5K−PNAプローブが存在する実験の溶出物に検出されたキャプチャされたDNAを指す。
18S及び5SリボソームDNAの対照溶出物は、1,000個未満のキャプチャされた分子を含有した。対照的に、5K溶出物は、それぞれCCR5及びAR遺伝子領域について96,694個及び74,484個のキャプチャされた標的分子を含有した。これらの数は、両方の遺伝子とも、103.4倍の平均ターゲットエンリッチメントレベルに相当した。
参考文献
Bahal R,Sahu B,Rapireddy S,Lee CM,Ly D.「(R)−MiniPEG−gPNAによるダブルヘリックスB−DNAの配列非制限的ワトソン−クリック型認識(Sequence−Unrestricted,Watson−Crick Recognition of Double Helical B−DNA by(R)−MiniPEG−gPNAs)」ChemBioChem 2012,13,56−60.
Bahal R,McNeer NA,Ly DH,Saltzman WM,Glazer PM.「CCR5を標的化するアンチセンスγPNAオリゴマーの送達用ナノ粒子(Nanoparticle for delivery of antisense γPNA oligomers targeting CCR5)」.Artificial DNA PNA XNA.2013 Apr−Jun;4(2):49−57.
Bahal R,Quijano E,McNeer NA,Liu Y,Bhunia DC,Lopez−Giraldez F,Fields RJ,Saltzman WM,Ly DH,Glazer PM.「ワトソン−クリック型認識によるインビボ部位特異的ゲノム編集のための一本鎖γPNA(Single−stranded γPNAs for in vivo site−specific genome editing via Watson−Crick recognition)」.Curr Gene Ther.2014;14(5):331−42.
Brudno Y,Birnbaum ME,Kleiner RE,Liu DR.「ペプチド核酸のインビトロ翻訳、選択及び増幅システム(An in vitro translation,selection and amplification system for peptide nucleic acids)」.Nat Chem Biol.2010 Feb;6(2):148−155.
Burgtorf C1,Kepper P,Hoehe M,Schmitt C,Reinhardt R,Lehrach H,Sauer S.「クローンベースの体系的ハプロタイピング(CSH):全ゲノムの物理的ハプロタイピング手順(Clone−based systematic haplotyping(CSH):a procedure for physical haplotyping of whole genomes)」.Genome Res.2003 Dec;13(12):2717−24.
Buske FA1,Bauer DC,Mattick JS,Bailey TL.「三重鎖インスペクター:ゲノム遺伝子座の三重鎖媒介性ターゲティング用分析ツール(Triplex−Inspector:an analysis tool for triplex−mediated targeting of genomic loci)」.Bioinformatics.2013 Aug 1;29(15):1895−7.doi:10.1093/bioinformatics/btt315.Epub 2013 Jun 5.
Cantor,CR,Smith,CL.「DNAの配列特異的操作(Sequence−specific manipulation of DNA)」.Chapter 14 pp.470−525 「ゲノミクス:ヒトゲノム計画の背後にある科学及び技術(Genomics:The Science and Technology Behind the Human Genome Project)」.Charles R.Cantor,Cassandra L.Smith著,発行者:Wiley−Interscience;第1版(1999年2月2日)ISBN:978−0−471−59908−1.
Chung,WY,Schmitz,RJ,Biorac,T,Ye,D,Dudas,M,Meredith,GD,Adams,CC Ecker,JR and Zhang,MQ.「ヘピタイプの構築:局所遺伝子型及びDNAメチル化のフェージング(Constructing Hepitypes:Phasing Local Genotype and DNA Methylation)」.Journal of Neuroscience and Neuroengineering Vol.2,pp.1−12,2013.
Clark TA,Lu X,Luong K,Dai Q,Boitano M,Turner SW,He C,Korlach J.「Tet1酸化による単一分子リアルタイムシーケンシングにおける高度5−メチルシトシン検出(Enhanced 5−methylcytosine detection in single−molecule,real−time sequencing via Tet1 oxidation)」.BMC Biol.2013 Jan 22;11:4.doi:10.1186/1741−7007−11−4.
De Costa NT,Heemstra JM.「負電荷又は正電荷側鎖を有するPNAの二重鎖安定性にイオン強度が及ぼす効果の評価(Evaluating the effect of ionic strength on duplex stability for PNA having negatively or positively charged side chains)」.PLoS One.2013;8(3):e58670.doi:10.1371/journal.pone.0058670.Epub 2013 Mar 6.
De Costa NT,Heemstra JM.「荷電側鎖を有するPNAによる差次的DNA及びRNA配列識別(Differential DNA and RNA sequence discrimination by PNA having charged side chains)」.Bioorg Med Chem Lett.2014 May 15;24(10):2360−3.doi:10.1016/j.bmcl.2014.03.059.Epub 2014 Mar 28.
Demidov VV,Bukanov NO,Frank−Kamenetskii D.「二重鎖DNAキャプチャ(Duplex DNA capture)」.Curr Issues Mol Biol.2000 Jan;2(1):31−5.Review.
Dueholm,K.L.;Petersen,K.H.;Jensen,D.K.;Egholm,M.;Nielsen,P.E.;Buchardt,O.「アラニンベースのキラル骨格を有するペプチド核酸(PNA)(Peptide nucleic acid(PNA)with a chiral backbone based on alanine)」.Bioorg.Med.Chem.Lett.1994,4,1077−1080.
Dragulescu−Andrasi A,Rapireddy S,Frezza BM,Gayathri C,Gil RR,Ly DH.「単純なガンマ骨格修飾がペプチド核酸をヘリックス構造にプレオーガナイズする(A simple gamma−backbone modification preorganizes peptide nucleic acid into a helical structure)」.J Am Chem Soc.2006 Aug 9;128(31):10258−67.
Edgar RC.「BLASTよりも高速の検索及びクラスタリングオーダー(Search and clustering orders of magnitude faster than BLAST)」.Bioinformatics.2010 Oct 1;26(19):2460−1.doi:10.1093/bioinformatics/btq461.Epub 2010 Aug 12.
Egholm,M.,Buchardt,O.,Nielsen,P.E.,and Berg,R.H.(1992)「ペプチド核酸(PNA)、アキラルペプチド骨格を有するオリゴヌクレオチド類似体(Peptide nucleic acids(PNA).Oligonucleotide analogues with an achiral peptide backbone)」.J.Am.Chem.Soc.114:1895−1897.
Englund,E.A.;Appella,D.H.「γ置換ペプチド核酸の合成:DNA結合に影響を及ぼすことなくフルオロフォアを付加する新しい場所(Synthesis of γ−substituted peptide nucleic acids:A new place to attach fluorophores without affecting DNA binding)」.Org.Lett.2005,7,3465−3467.
Gambari R.「ペプチド核酸:最近の特許及び技術移転に関するレビュー(Peptide nucleic acids:a review on recent patents and technology transfer)」,Expert Opinion Ther.Pat.24(3):267−294(2014).
Expert Opin Ther Pat.2014 Mar;24(3):267−94.doi:10.1517/13543776.2014.863874.Epub 2014 Jan 3.Review.
Gnirke A,Melnikov A,Maguire J,Rogov P,LeProust EM,Brockman W,Fennell T,Giannoukos G,Fisher S,Russ C,Gabriel S,Jaffe DB,Lander ES,Nusbaum C,「超並列標的シーケンシングのための超長オリゴヌクレオチドによる溶液ハイブリッド選択(Solution hybrid selection with ultra−long oligonucleotides for massively parallel targeted sequencing)」.Nat Biotechnol.2009 Feb;27(2):182−9.doi:10.1038/nbt.1523.
Hansen ME,Bentin T,Nielsen PE.「化学修飾型ペプチド核酸オリゴマーを使用した二本鎖DNAの高親和性三重鎖ターゲティング(High−affinity triplex targeting of double stranded DNA using chemically modified peptide nucleic acid oligomers)」.Nucleic acids Res.2009 Jul;37(13):4498−507.doi:10.1093/nar/gkp437.Epub 2009 May 27.
Hasmats J,Green H,Orear C,Validire P,Huss M,Kaeller M,Lundeberg J.「配列キャプチャ及び超並列シーケンシングのための全ゲノム増幅の評価(Assessment of whole genome amplification for sequence capture and massively parallel sequencing)」.PLoS One.2014 Jan 7;9(1):e84785.doi:10.1371.
He G,Rapireddy S,Bahal R,Sahu B,Ly DH.「ガンマPNAによる伸長混合配列B−DNAのストランドインベージョン(Strand invasion of extended,mixed−sequence B−DNA by gammaPNAs)」.J Am Chem Soc.2009 Sep 2;131(34):12088−90.doi:10.1021/ja900228j.
He W,Crawford MJ,Rapireddy S,Madrid M,Gil RR,Ly DH,Achim C.「ガンマ修飾ペプチド核酸二重鎖の構造(The structure of a gamma−modified peptide nucleic acid duplex)」.Mol Biosyst.2010 Sep;6(9):1619−29.doi:10.1039/c002254c.Epub 2010 Apr 13.
Herrmann A,Haake A,Ammerpohl O,Martin−Guerrero I,Szafranski K,Stemshorn K,Nothnagel M,Kotsopoulos SK,Richter J,Warner J,Olson J,Link DR,Schreiber S,Krawczak M,Platzer M,Nuernberg P,Siebert R,Hampe J.「大規模微小滴亜硫酸水素塩PCRベースのシーケンシングパイプラインが腫瘍におけるヘピタイプ進化のトラッキングを可能にする(Pipeline for large−scale microdroplet bisulfite PCR−based sequencing allows the tracking of hepitype evolution in tumors)」.PLoS One.2011;6(7):e21332.doi:Epub 2011 Jul 5.
Hodges E,Rooks M,Xuan Z,Bhattacharjee A,Benjamin Gordon D,Brizuela L,Richard McCombie W,Hannon GJ.「超並列シーケンシングのためのカスタム設計されたマイクロアレイ上における個別的ゲノムインターバルのハイブリッド選択(Hybrid selection of discrete genomic intervals on custom−designed microarrays for massively parallel sequencing)」.Nat Protoc.2009;4(6):960−74.doi:10.1038/nprot.2009.68.Epub 2009 May 28.
Hodges E,Xuan Z,Balija V,Kramer M,Molla MN,Smith SW,Middle CM,Rodesch MJ,Albert TJ,Hannon GJ,McCombie WR.「選択的リシーケンシングのためのゲノムワイドインサイチューエクソンキャプチャ(Genome−wide in situ exon capture for selective re−sequencing)」.Nat Genet.2007 Dec;39(12):1522−7.Epub 2007 Nov 4.
Huang H,Joe,GH,Choi,SR,Kim,SN,Kim,YT,Pak,HS,Kim,SK,Hong,JH,Han,HK,Kang,JS,and Lee,W.「γ−リジン修飾ペプチド核酸類似体の調製及びその光学純度の決定(Preparation and Determination of Optical Purity of γ−Lysine Modified Peptide nucleic acid Analogues)」.Arch Pharm Res Vol 35,No 3,517−522,2012 DOI 10.1007/s12272−012−0315−4
Ishizuka,T.;Yoshida,J.;Yamamoto,Y.;Sumaoka,J.;Tedeschi,T.;Corradini,R.;Sforza,S.;Komiyama,M.「多目的配列に対するダブル二重鎖インベージョン用のPNAへの正電荷のキラル導入(Chiral introduction of positive charges to PNA for double−duplex invasion to versatile sequences)」.Nucleic acids Res.2008,36,1464−1471.
Ishizuka T,Otani K,Sumaoka J,Komiyama M.「一本鎖DNA結合タンパク質によって補助されるDNA内の任意配列に対する従来PNAのストランドインベージョン(Strand invasion of conventional PNA to arbitrary sequence in DNA assisted by single−stranded DNA binding protein)」.Chem Commun(Camb).2009 Mar 14;(10):1225−7.Epub 2009 Jan 14.
Ishizuka T,Tedeschi T,Corradini R,Komiyama M,Sforza S,Marchelli R.「プレオーガナイズされたPNAの二本鎖DNAへのSSB補助二重鎖インベージョン(SSB−assisted duplex invasion of preorganized PNA into double−stranded DNA)」.Chembiochem.2009 Nov 2;10(16):2607−12.
Ito T,Smith CL,Cantor CR.「三重鎖アフィニティーキャプチャによる配列特異的DNA精製(Sequence−specific DNA purification by triplex affinity capture)」.Proc Natl Acad Sci U S A.1992a Jan 15;89(2):495−8.
Ito T,Smith CL,Cantor CR.「酵母ゲノムライブラリからの単一コピークローンの三重鎖アフィニティーキャプチャ(Triplex affinity capture of a single copy clone from a yeast genomic library)」.Nucleic acids Res.1992b Jul 11;20(13):3524.
Kuhn H,Sahu B,Rapireddy S,Ly DH,Frank−Kamenetskii MD.「グアニジニウムG−クランプ核酸塩基で修飾されたγ−PNAオリゴマーによる二本鎖DNAのターゲティングにおける配列特異性(Sequence specificity at targeting double−stranded DNA with a γ−PNA oligomer modified with guanidinium G−clamp nucleobases)」.Artif DNA PNA XNA.2010 Jul;1(1):45−53.
Kuleshov,V,Xie,D,Chen R,Pushkarev,D,Ma,Z,Blawkamp,T,Kertesz,M,Snyder,M.「長いリード及び統計的方法を使用した全ゲノムハプロタイピング(Whole−genome haplotyping using ong reads and statistical methods)」.Nat.Biotechnology.2014
Lohse J,Dahl O,Nielsen PE.「ペプチド核酸によるダブル二重鎖インベージョン:二本鎖DNAの配列特異的ターゲティングの一般的原理(Double duplex invasion by peptide nucleic acid:a general principle for sequence−specific targeting of double−stranded DNA)」.Proc Natl Acad Sci U S A.1999 Oct 12;96(21):11804−8.
Lonkar P,Kim KH,Kuan JY,Chin JY,Rogers FA,Knauert MP,Kole R,Nielsen PE,Glazer PM.「擬似相補的ペプチド核酸によって誘導されるサラセミア関連ベータグロビン突然変異の標的化した修正(Targeted correction of a thalassemia−associated beta−globin mutation induced by pseudo−complementary peptide nucleic acids)」.Nucleic acids Res.2009 Jun;37(11):3635−44.doi:10.1093/nar/gkp217.Epub 2009 Apr 13.
Murphy,N.M.,Pouton,C.W.,Irving,H.R.,「ペプチド核酸プローブを用いたアレル特異的エンリッチメントによるヒト白血球抗原ハプロタイプフェージング(Human leukocyte antigen haplotype phasing by allele−specific enrichment with peptide nucleic acid probes)」,Molecular Genetics&Genomic Medicine,2(3):245−253(2014).
Nielsen,P.E,Apella,D.,2014.「ペプチド核酸、方法及びプロトコル(Peptide nucleic acids,Methods and Protocols)」,2nd Edition ed.(Eds.P.E.Nielsen,D.Appella).Humana Press,Springer media,2014.
Nielsen,P.E.,Egholm,M.,Berg,R.H.,and Buchardt,O.(1991)「チミン置換ポリアミドを用いた鎖置換によるDNAの配列選択的認識(Sequence selective recognition of DNA by strand displacement with a thymine substituted polyamide)」.Science 254,1497−1500
φrum H.「アフィニティータグ付加PNAプローブとのハイブリダイゼーションによる核酸の精製(Purification of nucleic acids by hybridization to affinity tagged PNA probes)」.Curr Issues Mol Biol.1999;1(1−2):105−10.
Ray A,Norden B.「ペプチド核酸(PNA):その医学的及び生物工学的応用及び将来の展望(Peptide nucleic acid(PNA):its medical and biotechnical applications and promise for the future)」.FASEB J.2000 Jun;14(9):1041−60.Review.Chem.Soc.114,1895−1897
Sahu B,Sacui I,Rapireddy S,Zanotti KJ,Bahal R,Armitage BA,Ly DH.「優れたハイブリダイゼーション特性及び水溶性を有するコンホメーションがプレオーガナイズされた(R)−ジエチレングリコール含有γ−ペプチド核酸の合成及び特徴付け(Synthesis and characterization of conformationally preorganized,(R)−diethylene glycol−containing γ−peptide nucleic acids with superior hybridization properties and water solubility)」.J Org Chem.2011 Jul 15;76(14):5614−27.doi:10.1021/jo200482d.Epub 2011 Jun 15.
Santa Lucia J Jr.「ポリマー、ダンベル、及びオリゴヌクレオチドDNAニアレストネイバー熱力学の統一見解(A unified view of polymer,dumbbell,and oligonucleotide DNA nearest−neighbor thermodynamics)」.Proc Natl Acad Sci U S A.1998 Feb 17;95(4):1460−5.
Schleifman EB,Glazer PM.「標的ゲノム修復及び修飾のためのペプチド核酸媒介性組換え(Peptide nucleic acid−mediated recombination for targeted genomic repair and modification)」.Methods Mol Biol.2014;1050:207−22.doi:10.1007/978−1−62703−553−8_17.
Schleifman EB,McNeer NA,Jackson A,Yamtich J,Brehm MA,Shultz LD,Greiner DL,Kumar P,Saltzman WM,Glazer PM.「PLGAナノ粒子送達PNAによるPBMCの部位特異的ゲノム編集はヒト化マウスにHIV−1抵抗性を付与する(Site−specific Genome Editing in PBMCs With PLGA Nanoparticle−delivered PNAs Confers HIV−1 Resistance in Humanized Mice)」.Mol Ther Nucleic acids.2013 Nov 19;2:e135.doi:10.1038/mtna.2013.59.
Sugiyama T,Kittaka A.「N−(2−アミノエチル)グリシン骨格に置換基を有するキラルペプチド核酸(Chiral peptide nucleic acids with a substituent in the N−(2−aminoethy)glycine backbone)」.Molecules.2013 Dec 27;18(1):287−310.doi:10.3390/molecules18010287.Review.
Tedeschi,T.;Sforza,S.;Corradini,R.;Marchelli,R.「2つのリジン由来の不斉中心を有するジペプチド模倣モノマーを担持する新規キラルPNAの合成(Synthesis of new chiral PNAs bearing a dipeptide−mimic monomer with two lysine−derived stereogenic centres)」.Tetrahedron Lett.2005,46,8395−8399.
Tewhey R,Nakano M,Wang X,Pabon−Penya C,Novak B,Giuffre A,Lin E,Happe S,Roberts DN,LeProust EM,Topol EJ,Harismendy O,Frazer KA.「溶液ハイブリダイゼーションによるヒトゲノムからのシーケンシング標的のエンリッチメント(Enrichment of sequencing targets from the human genome by solution hybridization)」.Genome Biol.2009;10(10):R116.doi:10.1186/gb−2009−10−10−r116.Epub 2009 Oct 16.
Tilani N,De Costa S,Heemstra J.「荷電側鎖を有するPNAによる差次的DNA及びRNA配列識別(Differential DNA and RNA sequence discrimination by PNA having charged side chains)」.Bioorganic&Medicinal Chemistry Lett.2014,24,2360−2363.
Totsingan F,Jain V,Green MM.「ポリマーにおけるヘリックス制御:ペプチド核酸(PNA)の場合(Helix control in polymers:case of peptide nucleic acids(PNAs))」 Artif DNA PNA XNA.2012 Apr−Jun;3(2):31−44.doi:10.4161/adna.20572.Epub 2012 Apr 1.Review.
Wang M,Beck CR,English AC,Meng Q,Buhay C,Han Y,Doddapaneni HV,Yu F,Boerwinkle E,Lupski JR,Muzny DM,Gibbs RA.「PacBio−LITS:ヒト疾患関連染色体構造変異の特徴付けのための大型インサート標的化シーケンシング方法(PacBio−LITS:a large−insert targeted sequencing method for characterization of human disease−associated chromosomal structural variations)」.BMC Genomics.2015 Mar 19;16(1):214.
Yeh,J.I.;Boris Shivachev,B.;Rapireddy,S.;Crawford,M.J.;Gil,R.R.;Du,S.;Madrid,M.;Ly,D.H.「相補DNA鎖を有するキラルγPNAの結晶構造:認識及びコンホメーションプレオーガニゼーションの安定性及び特異性に関する洞察(Crystal structure of chiral γPNA with complementary DNA strand:Insights into the stability and specificity of recognition and conformational preorganization)」.J.Am.Chem.Soc.2010,132,10717−10727.
本開示の方法及び組成物は、記載される特定の方法論、プロトコル、及び試薬に限定されず、それらは異なり得ることが理解される。また、本明細書で使用される用語は詳細な実施形態の説明を目的としているに過ぎず、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする本発明の範囲を限定する意図はないことも理解されるべきである。
本明細書の説明及び特許請求の範囲全体を通じて、語句「含む(comprise)」及びこの語句の変化形、例えば「含んでいる(comprising)」及び「含む(comprises)」は、「限定はされないが、〜が包含される」ことを意味し、例えば他の添加物、構成成分、整数又はステップを除外することは意図されない。同様に、語句「包含する」及びこの語句の変化形、例えば「を包含している(including)」及び「を包含する(includes)」は、「限定はされないが、〜が包含される」ことを意味し、例えば他の添加物、構成成分、整数又はステップを除外することは意図されない。
「任意選択の」又は「任意選択で」は、続いて記載される事象、状況、又は材料が起こる又は存在することも、又はそうでないこともあり、及びその記載に事象、状況、又は材料が起こる又は存在する場合と、それが起こらない又は存在しない場合とが包含されることを意味する。
範囲は本明細書において「約」特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までと表され得る。かかる範囲が表され、また特異的に企図及び考慮される場合、文脈上特に具体的に指示されない限り、その特定の値から及び/又はその他の特定の値までの範囲が開示される。同様に、先行詞「約」の使用によって値が近似として表される場合、特定の値が、文脈上特に具体的に指示されない限り開示されていると見なされるべき別の具体的に企図される実施形態を形成することは理解されるであろう。更に、範囲の各々の端点が、文脈上特に具体的に指示されない限り、他方の端点との関係でも、他方の端点と独立でも、両方で有意であることが理解されるであろう。最後に、明示的に開示される範囲に含まれる個々の値及び値の部分的範囲の全ても、文脈上特に具体的に指示されない限り具体的に企図され、且つ開示されていると見なされるべきであることが理解されなければならない。上記は、特定の場合にこれらの実施形態の一部又は全てが明示的に開示されているかどうかに関わらず適用される。
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての科学技術用語は、本開示の方法及び組成物が属する技術分野の当業者が一般に理解するのと同じ意味を有する。本方法及び組成物の実施又は試験には、本明細書に記載されるものと同様の又は均等な任意の方法及び材料を使用することができるが、特に有用な方法、装置、及び材料は記載されるとおりである。本明細書に引用される刊行物及びそれらが引用される材料は、本明細書によって参照により具体的に援用される。本明細書のいかなる事項も、先行発明であることが理由で本発明がかかる開示に先行する権利がないことの承認として解釈されてはならない。任意の参考文献が先行技術をなすという承認はなされない。参考文献の考察は、それらの著者らが主張するものを示し、本出願人らは、引用される文献の正確さ及び適切性を検証する権利を保留する。本明細書では幾つもの刊行物が言及されるが、かかる参考文献がこれらの文献のいずれかが当該技術分野における技術常識の一部を形成するという承認をなすものではないことが明らかに理解されるであろう。
材料、組成物、構成成分、ステップ、技法等の説明には多数の選択肢及び代替法が包含され得るが、これが、かかる選択肢及び代替法が互いの均等物であるか、又は詳細には自明な代替法であると解釈されてはならず、及びその承認ではない。従って、例えば、異なる組成物及びその使用方法の列挙は、挙げられる組成物及び方法が互いに自明であることを示すものでなく、またそれは均等又は自明性の承認でもない。
当業者は、ルーチン程度に過ぎない実験を用いて、本明細書に記載される方法及び組成物の具体的な実施形態の多くの均等物を認識し、又は確認することができる。かかる均等物は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図される。