JP2018525534A - 酸性水性相中に存在するタンタルをイオン液体により抽出および回収するためのプロセス、ならびに酸性水性相からタンタルを抽出するためのかかるイオン液体の使用 - Google Patents

酸性水性相中に存在するタンタルをイオン液体により抽出および回収するためのプロセス、ならびに酸性水性相からタンタルを抽出するためのかかるイオン液体の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、酸性水性相A1からタンタルを抽出するためのプロセスであって、水性相A1を水と混和しない相A2と接触させ、そして水性相A1を相A2から分離することを含む、少なくとも1つの工程を含んでおり、相A2が抽出剤として1つのイオン液体またはイオン液体の混合物により形成される、該プロセスに関する。本発明はまた、この抽出プロセスを用いてタンタルを回収するためのプロセス、およびまたかかる水性相A1からタンタルを抽出するための、抽出剤としてのイオン液体またはイオン液体の混合物の使用にも関する。

Description

本発明は、タンタルを、このタンタルが存在する酸性水性相から抽出する分野に関する。
それはより具体的には、酸性水性相からタンタルを抽出するための方法に関しており、この抽出法はこの水性相を水と混和しない相と接触させることを含む。
本発明はまた、すぐ上で述べた抽出法を実施する酸性水性相中に存在するタンタルを、回収するための方法に関する。
本発明はまた、タンタルを、その中にタンタルが存在する酸性水性相から抽出するための、特定の抽出剤の使用にも関する。
そこからタンタルが抽出され得るか、またはそこからタンタルが回収され得る酸性水性相は、特に、鉱石または前記タンタルを含む廃棄物の、濃縮物の酸分解に由来する溶液であってよい。
本発明は特に、天然鉱石および/または産業廃棄物、例えば電気および電子機器からの廃棄物の、そこに存在するタンタルを再使用するための処理において使用し得る。
タンタルは、記号Taを有し、高い融点、酸による腐食に対する非常に高い抵抗性、ならびに良好な電気伝導性および熱伝導性特性を有する遷移金属である。タンタルは現在、様々な分野、特に化学工業、航空学、医療産業、エレクトロニクスにおいて、およびより具体的にはキャパシタを製造するために使用される。
タンタルの主な源は現在、鉱石、特にその中でこの化学元素がニオブと結合しているコロンバイト−タンタライトに由来する。タンタルの残りの産出は、スズスラグの処理から、および産業廃棄物のリサイクリングから由来する。
これらの天然または工業用の鉱石からタンタルを回収するために現在使用されている方法は、予め粉砕されたこれらの鉱石を化学処理に供して鉱物濃縮物を得、これを次に1つ以上の無機酸によって通常実施される化学的分解に供することを含む。かくて得られた溶液は「酸分解処理溶液」と称され、次に液−液抽出の技術に基づく湿式精錬処理に供され、それには、このタンタルの抽出物を得るために、この酸分解溶液からなる水性相を1つ以上の抽出剤を含む有機相と接触させることが含まれる。
かかる酸性水性相からタンタルを抽出するために様々な抽出剤が開発されてきた。例えばこれらには、リン誘導体例えばリン酸トリ−n−ブチル(またはTBP)およびトリオクチルホスフィンオキシド(またはTOPO)、脂肪アミン、スルホキシド、脂肪アルコール例えばオクタン−2−オール、ならびにケトン例えばシクロヘキサノンおよびメチルイソブチルケトン(またはMIBK)が含まれ、これらの抽出剤は、必要に応じて溶媒または有機希釈剤中の溶液である。
MIBK、TBP、シクロヘキサノン、およびオクタン−2−オールは、酸性水性相からタンタルを抽出するために工業的に使用される抽出剤に属し、MIBKが現在最も使用される抽出剤である。
だがそれにもかかわらず、高い揮発性および14℃という引火点をもつMIBKは、非常に可燃性であり、そのことが産業労働者安全性およびまた環境安全性の面で問題がある。
常に増え続けるタンタルの需要を、特に、この金属を含有する産業および一般廃棄物の再使用によって満たすためには、酸性水性相からタンタルを抽出するための際立った能力をもつ一方で、今日使用されている抽出剤がもつ不利点を全般的にもたない抽出剤を得ることが望ましいであろう。
それ故、本発明は、酸性水性相中に存在するタンタルが、この酸性水性相中に存在する他の金属および不純物に関し収率および選択性をもって抽出されるようにする方法であって、最適化された産業労働者安全性および環境安全性の条件下で際立つ該方法を提供することを目的に設定する。
上述のこの目的、ならびに他の目的は、まず上述のタイプの酸性水性相A1からタンタルを抽出するための方法により、すなわち、水性相A1を水と混和しない相A2と接触させること、そして次に水性相A1を相A2から分離することを含む、少なくとも1つの工程を含む方法により達成される。
本発明によれば、相A2は、抽出剤として1つのイオン液体またはイオン液体の混合物から構成される。
科学文献により明らかに確立されている通り、イオン液体は100℃未満の、かつしばしば室温よりも低い融点を有する塩である。イオン液体は典型的には、有機または無機であり得る有機カチオンおよびアニオンから構成される。
イオン液体は、高い熱安定性、ほぼゼロの蒸気圧(これは、大気中へのそのいかなる蒸発も防止する)、および非常に低い引火性により特徴づけられることから、それらは化学反応において日常的に使用される通常の有機溶媒の代替物として使用されている。
本発明者らはしかしながら、予想外のかつ驚くべき方法で、1つのイオン液体またはイオン液体の混合物から構成される相A2が、酸性水性相中に存在するタンタルを良好な性能および選択性をもって抽出されるようにすることを観察した。したがって、イオン液体またはイオン液体の混合物は、有機溶媒または有機希釈剤の機能だけでなく、抽出剤の機能も果たす。
この相A2が1つのイオン液体またはイオン液体の混合物から構成されることが示される場合、それはこの相A2が何ら他の有機溶媒または有機希釈剤を含まないことを意味しており、このことは、産業労働者安全性および環境安全性の条件が最適化され、かつ抽出法の管理が単純化されるようにする一方で、実装される化合物の数が制限される。
本発明の有利な変形例においては、相A2は、1つのイオン液体から構成され、すなわち、この相A2はただ1つのイオン液体から構成される。
しかしながら、何らこの相A2が2つ、3つ、またはなおそれより多いイオン液体の混合物から構成され得ることを妨げるものではない。
定義により、混合物を生成するイオン液体または複数のイオン液体は、有機カチオンおよびアニオンを含む。命名法の点からは、カチオンは角括弧内に記されかつ最初に示される。
本発明の有利な変形例においては、イオン液体のアニオンは有機アニオンであり、有利には、ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(「NTf」で記号化される)、ヘキサフルオロホスファート(「PF」と記される)、およびビス−(フルオロスルホニル)イミド(「N(SOF)または「FSI」と記される)から選択される。
本発明の好ましい変形例においては、有機アニオンはビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、NTfである。
本発明の有利な変形例においては、イオン液体の有機カチオンは、環式または非環式であってもよい第四級アンモニウム、ホスホニウム、ピペリジウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ピペラジニウム、およびイミダゾリウムからなる群より選択される窒素基を含み、これらの窒素基は、それぞれ「A」、「P」、「Pip」、「Py」、「Pyr」、「Piperaz」、および「IM」でそれぞれ記号化される。
第四級アンモニウムは、特にテトラアルキルアンモニウムであってよい。
本発明のさらになお有利な変形例においては、イオン液体の有機カチオンは、ピペリジニウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ピペラジニウム、およびイミダゾリウムからなる群より選択される窒素基を含む。
本発明の第1のより特別に有利な変形では、この有機カチオンは、ジアルキルピペリジニウム、アルキルピリジニウム、N,N’−ジアルキルピペラジニウム、およびN,N’−ジアルキルイミダゾリウムからなる群より選択される。本出願のその他の部分においては、この、またはこれらのアルキル基を含む、かかる有機カチオンを含むイオン液体は、「非官能化イオン液体」と称される。
この、またはこれらのアルキル基、有利にはCからC10基は、直鎖または分枝鎖でよい。それらは、カチオンによって運ばれるアルキル基の、最初の文字により、前記カチオンの記号の左に記号化される。
非官能化イオン液体の例は、アニオンがビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、NTfである場合、以下のイオン液体を含む:
− エチルブチルピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[EBPip]NTfで記号化され、以下の式を有す:
Figure 2018525534
− N−ブチル−N−メチルイミダゾリウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[BMIM]NTfで記号化され、以下の式を有す:
Figure 2018525534
本発明の第2のより特別に有利な変形においては、この有機カチオンはさらに、ケトン、アルコール、ホスホナート、およびホスフィンオキシドから選択される少なくとも1つの官能基を含む。本出願のその他の部分においては、この、またはこれらの官能基を含む、かかる有機カチオンを含むイオン液体は、「官能化イオン液体」と称される。
官能化イオン液体はまた、直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基、または任意で置換された芳香族基などの、1つ以上の基を含み得る。
ケトン官能基を含むイオン液体、すなわち有機カチオンがケトン官能基を含むイオン液体は、以下に説明される経路A、B、およびCなどの様々な経路により合成され得る。
経路A
経路Aによれば、かかるイオン液体の合成は以下の反応(1)を実施できる:
Figure 2018525534
本発明の状況において実現されるイオン液体を得るためには、化合物Iのハロゲン化物アニオンXが、以下の反応(1’)に従ってアニオンNTF により交換される:
Figure 2018525534
上記の反応(1)および(1’)における化合物においては、Rは、特に、直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基、任意で置換された芳香族基であってよい。例えばRは、n−アルキル基、イソブチル基、tertio−ブチル基、フェニル基、またはトリル基であってもよい。
経路B
経路Bによるイオン液体の合成は、以下の連続的な反応(2)および(2’)を実施する、アセチルブチロラクトンからの1−エチル−4−オキソペンチル−ピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[EPipP4K]NTfの合成により例示される:
Figure 2018525534
本発明の状況において実現されるイオン液体を得るためには、臭化物アニオンBrが、以下の反応(2”)に従ってアニオンNTf により交換される:
Figure 2018525534
経路C
経路Cにより、ケトン官能基を含むイオン液体は、以下の反応(3)に従って合成され得る:
Figure 2018525534
ケトン官能基およびアニオンNTf を含む官能化イオン液体の例は、以下のイオン液体を包含する:
− N−エチル−N−(4−メチル−2−オキソペンチル)−ピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[EPipMIBK]NTf、下式を有す:
Figure 2018525534
− N−エチル−N−アセトフェノンピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[EPipAcP]NTf、下式を有す:
Figure 2018525534
− N−エチル−N−4’−メチルアセトフェノンピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[EPipMAcP]NTf、下式を有す:
Figure 2018525534
− N−メチル−N−(4−メチル−2−オキソペンチル)イミダゾリウム
ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[MIMMIBK]NTf、下式を有す:
Figure 2018525534
− N−(4−メチル−2−オキソペンチル)ピリジニウム
ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[PyMIBK]NTf、下式を有す:
Figure 2018525534
− N−エチル−N−ピナコロンピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[EPipPin]NTf、下式を有す:
Figure 2018525534
− N−メチル−N−ピナコロン−イミダゾリウム
ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[MIMPin]NTf、下式を有す:
Figure 2018525534
− 1−エチル−4−オキソペンチル−ピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[EPipP4K]NTf、下式を有す:
Figure 2018525534
− N,N−1,4−ジメチル−N−(4−メチル−2−オキソペンチル)ピペラジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[MMPiperazMIBK]NTf、下式を有す:
Figure 2018525534
アルコール官能基を含むイオン液体、すなわち有機カチオンがアルコール官能基を含むイオン液体は、以下の反応(4)に従って合成され得る:
Figure 2018525534
以下のイオン液体は、アルコール官能基およびアニオンNTf を含む官能化イオン液体の一例である:
− コリン ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[Chol]NTf、下式を有す:
Figure 2018525534
ホスフィンオキシド官能基を含むイオン液体、すなわち有機カチオンがホスフィンオキシド官能基を含むイオン液体は、以下の反応(5)に従って合成され得る:
Figure 2018525534
ホスホナート官能基を含むイオン液体、すなわち有機カチオンがホスホナート官能基を含むイオン液体は、以下の反応(6)に従って合成され得る:
Figure 2018525534
以下のイオン液体は、ホスホナート官能基とアニオンNTf を含む官能化イオン液体の一例である:
− N−(4−(ジブトキシホルホリル)ブチル)−N−エチルピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[EPipBPhos]NTf、下式を有す:
Figure 2018525534
本発明のこの第2のより特別に有利な変形において既に明記したように、有機カチオンは、ケトン、アルコール、ホスホナート、およびホスフィンオキシドから選択される少なくとも1つの官能基を含み得る。したがって、有機カチオンは単一の官能基のみを含むことができ、そのことは上記記載の全てのイオン液体についてあてはまる。
言及された官能基の中で、ホスホナート官能基がより特定的に好ましいことが注目されるべきである。
しかしながら、何らこの有機カチオンおよび、結果として、対応する官能化イオン液体が、2つまたはなおそれより多い官能基を含むことを妨げるものではない。
本発明による抽出法の実施のために可能なイオン液体の中では、それらの性能をタンタルの抽出の収率とそしてストリッピングの収率の双方の点から、しかしまたタンタルがそこから抽出される酸性水性相中に存在する他の金属に関する選択性の点からも考慮すれば、以下のイオン液体がより特定的に好ましい:
− N−エチル−N−(4−メチル−2−オキソペンチル)ピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
− N−メチル−N−(4−メチル−2−オキソペンチル)イミダゾリウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
− N−(4−メチル−2−オキソペンチル)ピリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
− (4−(ジブトキシホスホリル)−ブチル)エチルピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
− エチルブチルピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、および
− メチルイミダゾリウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド。
さらに、かつ有利には、本発明による抽出法は80℃を超えない温度において、かつ有利には18℃と40℃の間で実施できる。したがって、本発明による抽出法について既に述べた利点に加えて、その実施に関するエネルギーコストを制限するという利点がある。
本発明による抽出法の有利な変形例においては、水性相A1は、典型的には、前記タンタルを含む天然鉱石または都市鉱石の濃縮物の、1つ以上の無機酸による酸分解処理溶液である。「都市鉱石」とは、タンタルの源が特に、「WEEE」または「W3E」とも称される電気および電子機器廃棄物などの、産業および一般廃棄物のリサイクリングに由来し得ることを意味する。
本発明の別の有利な変形例においては、水性相A1は、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、および塩酸からなる群より選択される少なくとも1つの無機酸を含む。
好ましい変形例においては、水性相A1は少なくとも硫酸を含む。
本発明の別の有利な変形例においては、この水性相A1は、少なくとも0.1mol/L、有利には1mol/Lから14mol/Lの、および好ましくは3mol/Lから9mol/Lの範囲の無機酸の総モル濃度を有する。
本発明は第二に、酸性水性相A1中に存在するタンタルを回収するための方法に関する。
本発明によれば、この回収法は以下の工程を有する:
(a) 上記に定義されたような抽出による、水性相A1からのタンタルの抽出;および
(b) 工程(a)後に得られたままの、相A2中に存在する前記タンタルのストリッピング、または
(b’) 工程(a)後に得られたままの、相A2中に存在する前記タンタルの電着。
言い換えれば、本発明による回収法は以下の工程を有する:
(a) 水性相A1を、抽出剤としての、水と混和せずかつ1つのイオン液体またはイオン液体の混合物から構成される相A2と接触させることによる、水性相A1からのタンタルの抽出、そして相A2からの水性相A1の分離、および
(b) 工程(a)後に得られたままの、相A2中に存在する前記タンタルのストリッピング、または
(b’) 工程(a)後に得られたままの、相A2中に存在する前記タンタルの電着。
本発明によるこの回収法においては、抽出工程(a)は上記に定義された通りの抽出法により、相A2および酸性水性相A1の組成に関して単独でまたは組合せて使用されることなどの、この抽出法の有利な特徴の可能性をもって実施される。
本発明者らはまた、タンタルのストリッピングの工程(b)およびタンタルの電着の工程(b’)の双方が、特に良好な性能を有しかつ水性相A1から予め抽出されたタンタルが定量的に回収されるという事実を明らかにした。
本発明による回収法の有利な変形例においては、ストリッピングの工程(b)は、この相A2を、7以下のpHを有する水性相A3と接触させること、そして次に水性相A3から相A2を分離することを含む。
水性相A3は、水に加えて、有機または無機酸を、例えば0.001Mから0.1Mのモル濃度で含み得る。
本発明による回収法の有利な変形例においては、水性相A3は1から7までの範囲のpH、好ましくはpH7を有する。
有機酸は、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)であってもよい。無機酸は、例えば硫酸であってもよい。水性相A3はまた、シュウ酸アンモニウムの溶液であってもよい。
本発明による回収法の好ましい変形例においては、水性相A3は水のみで構成され、それは蒸留水、イオン交換水、または脱イオン水であってもよい。
本発明による回収法の有利な変形例においては、電着の工程(b’)は、作用電極の存在下にカソードと参照電極との間の電位差を印加することを含み、これらの電極は全て工程(a)後に得られたままの相A2中に配置されており、この相A2がそれ故電解液を形成する。したがって、カソードにおけるタンタルのその金属型での被着が観察され、この被着はこの電解液または相A2中に存在するタンタルの還元からの結果として生じる。
参照電極は、Ag(I)/Ag(O)タイプのものでよく、したがってAg(I)の塩を含有する溶液中に浸漬された銀線から構成され、一方作用電極は、アルミニウム、チタン、炭素、ニッケル、銅、鉄、ステンレス鋼、または亜鉛から製される基板によって形成されてもよく、有利にはアルミニウム、チタン、または炭素から製される。
本発明による回収法の有利な変形例においては、カソードとAg(I)/Ag(O)参照電極との間に印加される電位差は、−0.8Vと−2.4Vの間、有利には−1.4Vと−2.1Vの間、および好ましくは−1.4Vと−1.6Vの間である。
電解液または相A2の温度は、有利には60℃と120℃の間である。
工程(b)のストリッピング後または工程(b’)の電着後に得られたままの相A2は、相A2が水と混和しないことから、そこで有利には、工程(a)の抽出の状況においてもう一度実施される目的でリサイクルされ得る。
本発明は、第3に、酸性水性相A1からタンタルを抽出するための、特定の抽出剤の使用に関する。
本発明によれば、その使用が本発明の目的をなすこの特定の抽出剤は、1つのイオン液体またはイオン液体の混合物であり、前記イオン液体は、有機カチオンおよびアニオンを含み、前記有機カチオンは、上記に定義されたような、かつピペリジニウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ピペラジニウム、およびイミダゾリウムからなる群より選択される窒素基を含む。
本発明の有利な変形例においては、イオン液体のアニオンは、有機アニオンであり、有利には、ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ヘキサフルオロホスファート、およびビス(フルオロスルホニル)イミドから選択される。
本発明の好ましい変形例においては、有機アニオンはビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである。
本発明による使用の第1の変形では、このイオン液体は非官能化イオン液体であり、すなわちその有機カチオンが、ジアルキルピペリジニウム、アルキルピリジニウム、N,N’−ジアルキルピペラジニウム、およびN,N’−ジアルキルイミダゾリウムからなる群より選択されるイオン液体である。ここで、本発明に関連して使用されるのに適した非官能化イオン液体の、有利な変形例および実施例については、上記に記載されたものが参照される。
本発明による使用の第2の変形では、このイオン液体は官能化イオン液体であり、すなわちその有機カチオンがケトン、アルコール、ホスホナート、およびホスフィンオキシドから選択される少なくとも1つの官能基をさらに含むイオン液体である。ここで、本発明に関連して使用されるのに適した官能化イオン液体の、有利な変形例および実施例については、上記に記載されたものが参照される。
本発明の有利な変形例によれば、抽出は液−液抽出の技術により実施され、これは、タンタルを含む酸性水性相A1を、このイオン液体またはかかるイオン液体の混合物を含む相と接触させることを含む技術であり、この相は任意でさらに1つ以上の有機溶媒または有機希釈剤などの他の成分を含み得る。
本発明の好ましい変形例によれば、抽出は、タンタルを含む酸性水性相A1を、ただ1つのイオン液体単独またはかかるイオン液体の混合物から構成される相A2と、いかなる他の有機溶媒または有機希釈剤の不在下に、接触させることにより実施される。
本発明の文脈においては、「イオン液体の混合物」は、官能化および/または非官能化され得る2つ3つ、またはなおそれより多いイオン液体の混合物を意味する。
本発明の他の特徴および利点は、以下に続く実施例、およびイオン液体の合成に関する、かつこのタンタルが存在する酸性水溶液からタンタルを抽出するためのこれらのイオン液体の能力を証明する実験に関する実施例を読むことで明らかとなるであろう。
特に添付の図1から15Bに関連して記載されるこれらの実施例が、本発明の対象を例証するものとして示されるにすぎず、何らこれらの対象の制限をなすものではないことが明記される。
Taが[EPipMIBK]NTfから構成される相A2により水性相A1から抽出される場合の、このTaを含む前記水性相A1の硫酸のモル濃度の、このTaの分配係数(DTaと記される)に対する効果を例示するグラフである。 金属が[EPipMIBK]NTfから構成される相A2により水性相A1から抽出される場合の、Ta、Nb、およびEuを含むこの水性相A1の硫酸のモル濃度の、これらの金属の抽出のパーセント(Eと記される)に対する効果を例示するグラフである。 抽出が[EPipMIBK]NTfから構成される相A2により実施される場合の、Ta、Nb、Fe、Ni、Mn、およびAg含む水性相A1の硫酸のモル濃度の、これらの各金属Mの分配係数(Dと記される)に対する効果を例示するグラフである。 抽出が[EPipMIBK]NTfから構成される相A2により実施される場合の、Ta、Nb、Fe、Ni、Mn、およびAg含む水性相A1の硫酸のモル濃度の、これらの各金属Mに対するTaの抽出の選択性(STa/Mと記される)に対する効果を例示するグラフである。 [EPipMIBK]NTfから構成される最初の相A2による3サイクルの抽出−ストリッピング後の、Ta、Nb、Fe、Ni、Mn、およびAg含む水性相A1の硫酸のモル濃度の、これらの金属Mの分配係数(Dと記される)に対する効果を例示するグラフである。 [EPipMIBK]NTfから構成される最初の相A2による3サイクルの抽出−ストリッピング後の、Ta、Nb、Fe、Ni、Mn、およびAg含む水性相A1の硫酸のモル濃度の、これらの各金属Mに対するTaの抽出の選択性(STa/Mと記される)に対する効果を例示するグラフである。 抽出が[EBPip]NTfから構成される相A2により実施される場合の、Ta、Nb、Fe、Ni、Mn、およびAg含む水性相A1の硫酸のモル濃度の、これらの各金属Mの分配係数(Dと記される)に対する効果を例示するグラフである。 抽出が[EBPip]NTfから構成される相A2により実施される場合の、Ta、Nb、Fe、Ni、Mn、およびAg含む水性相A1の硫酸のモル濃度の、これらの各金属Mに対するTaの抽出の選択性(STa/Mと記される)に対する効果を例示するグラフである。 [EBPip]NTfから構成される最初の相A2による3サイクルの抽出−ストリッピング後の、Ta、Nb、Fe、Ni、Mn、およびAg含む水性相A1の硫酸のモル濃度の、これらの各金属Mの分配係数(Dと記される)に対する効果を例示するグラフである。 [EBPip]NTfから構成される最初の相A2による3サイクルの抽出−ストリッピング後の、Ta、Nb、Fe、Ni、Mn、およびAg含む水性相A1の硫酸のモル濃度の、これらの各金属Mに対するTaの抽出の選択性(STa/Mと記される)に対する効果を例示するグラフである。 抽出が[EPipBPhos]NTfから構成される相A2により実施される場合の、Ta、Nb、Fe、Ni、Mn、およびAg含む水性相A1の硫酸のモル濃度の、これらの各金属Mの分配係数(Dと記される)に対する効果を例示するグラフである。 抽出が[EPipBPhos]NTfから構成される相A2により実施される場合の、Ta、Nb、Fe、Ni、Mn、およびAg含む水性相A1の硫酸のモル濃度の、これらの各金属Mに対するTaの抽出の選択性(STa/Mと記される)に対する効果を例示するグラフである。 [EPipBPhos]NTfから構成される最初の相A2による3サイクルの抽出−ストリッピング後の、Ta、Nb、Fe、Ni、Mn、およびAg含む水性相A1の硫酸のモル濃度の、これらの各金属Mの分配係数(Dと記される)に対する効果を例示するグラフである。 [EPipBPhos]NTfから構成される最初の相A2による3サイクルの抽出−ストリッピング後の、Ta、Nb、Fe、Ni、Mn、およびAg含む水性相A1の硫酸のモル濃度の、これらの各金属Mに対するTaの抽出の選択性(STa/Mと記される)に対する効果を例示するグラフである。 アルミニウム製の基板を用いて実施された実施例8で、カソードにおいて得られた金属被着物のSEM画像に対応する図である。 この同じ被着物のEDX分析に対応する図である。
イオン液体の合成
実施例1: ケトン官能基を含むイオン液体の合成
上記に定義されたように、ケトン官能基を含むイオン液体の合成は、経路Aまたは経路Bに従って実施可能である。用いた経路AまたはBにかかわらずこの合成は、ハロゲン化物アニオンを含む、以下に「化合物I」と記される中間体化合物の合成を必要とする。
1.1 中間体化合物の合成
1.1.1 経路Aによる
用いた反応は以下の通りである:
Figure 2018525534
A.1 α−臭素化ケトンの合成
α−臭素化ケトンの合成のために行われた操作プロトコルは、以下の通りである:100mmolのN−ブロモスクシンイミドを、100mLの酢酸エチル中の、100mmolのケトンCHC(O)Rと10mmolのp−トルエンスルホン酸との溶液に対し、全量を一度に添加する。混合物を、室温でかつ光から遠ざけて4時間攪拌する。次いで混合物を濾過し、有機相を、飽和チオ硫酸ナトリウムの、1M炭酸カリウムの溶液で、そして蒸留水で(2回)洗浄する。有機相を次に硫酸ナトリウム上で脱水し、真空下で濃縮する。得られたα−臭素化ケトンは、黄色の油の形態である。
すぐ上に記載された操作プロトコルに従って合成された、α−臭素化ケトンC1〜C3は、以下の表1に明記される。
Figure 2018525534
表1中に()と記した星印は、1−ブロモ−4−メチル−ペンタン−2−オン(ケトンC1)が、65/35の割合で、3−ブロモ−4−メチル−ペンタン−2−オンとの混合物中に得られることを明示する。
これらのα−臭素化ケトンC1〜C3についての特性評価データは、以下の通りである:
ケトンC1:1−ブロモ−4−メチル−ペンタン−2−オン
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 0.92 (d, 6H, J = 6.7Hz, CH3); 2.18 (m, 1H, CH); 2.51 (d, 2H, J = 7.0Hz, C(O)-CH2); 3.86 (s, 2H, Br-CH2-C(O))
ケトンC2:2−ブロモ−アセトフェノン
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 4.56 (s, 2H, Br-CH2-C(O)); 7.49 (t, 2H, J = 7.5Hz, CHAr); 7.61 (t, 2H, J = 7.5Hz, CHAr); 7.98 (d, 2H, J = 7.5Hz, CHAr).
ケトンC3:2−ブロモ−4’−メチル−アセトフェノン
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 2.42 (s, 3H, CH3); 4.43 (s, 2H, Br-CH2-C(O)); 7.29 (d, 2H, J = 8.0Hz, CHAr); 7.88 (d, 2H, J = 8.0Hz, CHAr).
A.2 化合物Iの合成
化合物Iの合成のために行われた操作プロトコルは、上記の章A.1において合成された、1−ブロモ−4−メチル−ペンタン−2−オン(α−臭素化ケトンC1)および3−ブロモ−4−メチル−ペンタン−2−オンの混合物からの、N−エチル−N−(4−メチル−2−オキソペンチル)ピペリジニウムブロミド([EPipMIBK]Brと記される)の合成を参照して記載される。
17mL(126mmol)のエチルピペリジンを、100mLの酢酸エチル中の、65/35の割合の1−ブロモ−4−メチル−ペンタン−2−オンおよび3−ブロモ−4−メチル−ペンタン−2−オン(31.45gの混合物、または105mmolに相当する18.87gのα−臭素化ケトンC1)の溶液に滴下添加する。混合物を室温で12時間攪拌する。不均一な混合物を次に濾過し、塩を酢酸エチルで2回洗浄し、溶媒を減圧下に蒸発させる。得られた化合物[EPipMIBK]Br(I1と記される)は、白色固体の形態である(23.0g、すなわち、収率75%)。
化合物I1〜I5(すぐ上に記載された操作プロトコルに従って合成された)、ならびに化合物16および17(その合成は以下に詳述される)は、以下の表2に明記される:
Figure 2018525534
これらの化合物I1〜I7の簡易構造式および特性評価データは、以下の通りである:
化合物I1:N−エチル−N−(4−メチル−2−オキソペンチル)ピペリジニウムブロミド、[EPipMIBK]Br、下式を有す:
Figure 2018525534
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 0.76 (d, 3H, J = 6.5Hz, CH3); 1.18 (t, 3H, J = 7.5Hz, CH3-CH2-N); 1.61-1.86 (m, 6H, CH2); 2.01 (m, 1H, CH); 2.39 (d, 2H, J = 7.0Hz, C(O)-CH2); 3.54 (m, 2H, CH2-N); 3.71 (q, 2H, J = 7.5Hz, CH3-CH2-N); 3.88 (m, 2H, CH2-N); 4.86 (s, 2H, N-CH2-C(O)).
13C NMR (100MHz, CDCl3) δ (ppm): 8.2 (CH3); 19.7; 20.6 (CH2); 22.3 (CH3); 24.0 (CH); 49.9 (C(O)-CH2); 53.8 (CH3-CH2-N); 59.2 (CH2-N); 63.1 (N-CH2-C(O)); 202.3 (C(O)).
化合物I2:N−エチル−N−アセトフェノン−ピペリジニウムブロミド、[EPipAcP]Br、下式を有す:
Figure 2018525534
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 1.31 (t, 3H, J = 7.5Hz, CH3-CH2-N); 1.79 (m, 2H, CH2); 1.91 (m, 4H, CH2); 3.83 (dt, 2H, J = 12.5Hz, J = 4.5Hz, m, CH2-CH2-N); 3.94 (m, 2H, J = 7.5Hz, CH3-CH2-N); 4.38 (m, 2H, CH2-N); 5.62 (s, 2H, N-CH2-C(O)); 7.44 (t, 2H, J = 7.5Hz, CHAr); 7.57 (t, 1H, J = 7.5Hz, CHAr); 8.19 (d, 2H, J = 7.5Hz, CHAr).
13C NMR (100MHz, CDCl3) δ (ppm): 8.4 (CH3); 20.1; 20.7 (CH2); 53.2 (CH3-CH2-N); 59.7 (CH2-N); 61.6 (N-CH2-C(O)); 128.8; 129.1 (CHAr); 134.1 (CAr); 135.0 (CHAr); 191.5 (C(O)).
化合物I3:N−エチル−N−4’−メチルアセトフェノン−ピペリジニウムブロミド、[EPipMAcP]Br、下式を有す:
Figure 2018525534
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 1.30 (t, 3H, J = 7.5Hz, CH3-CH2-N); 1.79-1.91 (m, 6H, CH2); 2.34 (s, 3H, CH3-Ar); 3.81 (dt, 2H, J = 12.5Hz, J = 4.5Hz, m, CH2-CH2-N); 3.93 (m, 2H, J = 7.5Hz, CH3-CH2-N); 4.38 (m, 2H, CH2-N); 5.55 (s, 2H, N-CH2-C(O)); 7.23 (d, 2H, J = 8.0Hz, CHAr); 8.07 (d, 2H, J = 8.0Hz, CHAr).
13C NMR (100MHz, CDCl3) δ (ppm): 8.4 (CH3); 20.1; 20.7 (CH2); 21.8 (CH3-Ar); 53.2 (CH3-CH2-N); 59.7 (CH2-N); 61.4 (N-CH2-C(O)); 128.9; 129.8 (CHAr); 131.6 (CAr); 146.2 (CHAr); 190.9 (C(O)).
化合物I4:N−メチル−N−(4−メチル−2−オキソペンチル)イミダゾリウムブロミド、[MIMMIBK]Br、下式を有す:
Figure 2018525534
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 0.91 (d, 3H, J = 6.5Hz, CH3); 2.15 (m, 1H, CH); 2.53 (d, 2H, J = 7.0Hz, C(O)-CH2); 4.02 (s, 3H, CH3-N); 5.67 (s, 2H, N-CH2-C(O)); 7.47 (q, 1H, J = 2.0Hz, CHAr); 7.61 (q, 1H, J = 2.0Hz, CHAr); 9.78 (s, 1H, J = 2.0Hz, CHAr).
13C NMR (100MHz, CDCl3) δ (ppm): 22.6 (CH3); 24.2 (CH); 36.9 (CH3-Ar); 48.9 (C(O)-CH2); 60.0 (N-CH2-C(O)); 122.7 (CHAr); 124.1 (CHAr); 137.9 (CHAr); 201.7 (C(O)).
化合物I5:N−(4−メチル−2−オキソペンチル)ピリジニウムブロミド、[PyMIBK]Br、下式を有す:
Figure 2018525534
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 0.91 (d, 3H, J = 6.5Hz, CH3); 2.19 (m, 1H, CH); 2.57 (d, 2H, J = 7.0Hz, C(O)-CH2); 6.51 (s, 2H, N-CH2-C(O)); 8.04 (t, 2H, J = 7.0Hz, CHAr); 8.49 (q, 1H, J = 7.0Hz, CHAr); 9.31 (d, 2H, J = 6.0Hz, CHAr).
13C NMR (100MHz, CDCl3) δ (ppm): 22.7 (CH3); 24.1 (CH); 49.0 (C(O)-CH2); 66.6 (N-CH2-C(O)); 127.6 (CHAr); 145.5 (CHAr); 146.3 (CHAr); 200.3 (C(O)).
化合物I6:N−エチル−N−ピナコロンピペリジニウムヨージド、[EPipPin]I、下式を有す:
Figure 2018525534
化合物I6を合成するために実施された操作プロトコルは、以下の通りである:24mmolのエチルピペリジンを、20mLの酢酸エチル中の20mmolの1−ヨードピナコロンの溶液に添加し、混合物を50℃で12時間攪拌する。得られた不均一混合物を次に濾過し、塩を酢酸エチルで2回洗浄し、次いで溶媒を減圧下で蒸発させる。化合物[EPipPin]Iは、収率80%で得られ、非常に吸湿性の白色固体の形態である。
この化合物の特性評価データは以下の通りである:
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 1.26 (s, 9H, CH3); 1.31 (t, 3H, J = 7.5Hz, CH3-CH2-N); 1.74-1.98 (m, 6H, CH2); 3.73-3,84 (m, 4H, CH2-N; CH3-CH2-N); 4.20 (m, 2H, CH2-N); 5.07 (s, 2H, N-CH2-C(O)).
13C NMR (100MHz, CDCl3) δ (ppm): 8.6 (CH3-CH2-N); 20.0; 20.5 (CH2); 26.6 (CH3); 45.0 (C(O)-C(CH3)3); 52.5 (CH3-CH2-N); 59.6 (CH2-N; N-CH2-C(O)); 208.1 (C(O)).
化合物I7:N−ピナコロンメチルイミダゾリウムクロリド、[MIMPin]Cl、下式を有す:
Figure 2018525534
化合物I7を合成するために実施された操作プロトコルは、以下の通りである:24mmolのメチルイミダゾールを、20mLの酢酸エチル中の20mmolの1−クロロピナコロンの溶液に添加し、混合物を室温で12時間攪拌する。得られた不均一混合物を次に濾過し、塩を酢酸エチルで2回洗浄し、次いで溶媒を減圧下で蒸発させる。化合物[MIMPin]Clは、収率80%で得られ、非常に吸湿性の白色固体の形態である。
この化合物の特性評価データは以下の通りである:
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 1.20 (s, 9H, CH3); 3.96 (s, 3H, CH3-Ar); 5.84 (s, 2H, N-CH2-C(O)); 7.49 (s, 1H, CHAr); 7.62 (s, 1H, CHAr); 10.07 (s, 1H, CHAr).
13C NMR (100MHz, CDCl3) δ (ppm): 26.2 (CH3); 36.6 (CH3-N); 43.4 ((CH3)3-C-C(O)); 54.3 (C(O)-CH2); 122.5 (CHAr); 124.2 (CHAr); 138.4 (CHAr); 206.8 (C(O)).
1.1.2 経路Bによる
実施された反応は以下の通りである:
Figure 2018525534
B.1 5−ブロモペンタン−2−オンの合成
13.5mL(117mmol)の臭化水素酸を48%で、トルエン中の10g(78mmol)のアセチルブチロラクトンの溶液に添加する。混合物を80℃で一晩加熱する。冷却後、2相混合物を分離する。水性相をジエチルエーテルで2回抽出する。次いで有機相を合わせ、水で2回洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濃縮する。減圧下に蒸留した後(20mmbarで100℃)、無色の油の形態である5−ブロモペンタン−2−オン(12.7g、すなわち80%の収率)が得られる。
この化合物の特性評価データは以下の通りである:
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 2.11 (m, 2H, (O)C-CH2-CH2-CH2-Br); 2.16 (s, 3H, CH3-(O)C); 2.63 (t, J = 7.0Hz, 2H, (O)C-CH2-CH2-CH2-Br); 3.44 (t, J = 6.5Hz, 2H, (O)C-CH2-CH2-CH2-Br).
B.2 5−(ピペリジニル)ペンタン−2−オンの合成
6.0g(43mmol)の炭酸カリウム、および次に、10mLの無水アセトニトリル中の、段落B.1で合成された3.56g(21.6mmol)の5−ブロモペンタン−2−オンにより生成された溶液を、30mLの無水アセトニトリル中の2.4mL(23.7mmol)のピペリジンの溶液に、連続的にかつ不活性雰囲気下で添加する。混合物を次に80℃で2時間加熱する。冷却後、混合物を濾過し、塩をアセトニトリルで洗浄する。次いで混合物を真空下で濃縮する。かくて得られた5−(ピペリジニル)ペンタン−2−オン(3.53g、すなわち収率97%)は、淡黄色の油の形態である。
この化合物の特性評価データは以下の通りである:
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 1.39 (m, 2H, CH2-CH2-CH2-N); 1.53 (m, 4H, CH2-CH2-CH2-N); 1.74 (m, 2H, (O)C-CH2-CH2-CH2-N); 2.13 (s, 3H, CH3-(O)C); 2.24 (t, J = 7.5Hz, 2H, (O)C-CH2-CH2-CH2-N); 2.32 (bs, 4H, CH2-CH2-CH2-N); 2.41 (t, J = 7.0Hz, 2H, (O)C-CH2-CH2-CH2-N).
13C NMR (100MHz, CDCl3) δ (ppm): 21.3 ((O)C-CH2-CH2-CH2-N); 24.5 (CH2-CH2-CH2-N); 26.0 (CH2-CH2-CH2-N); 30.1 (C(O)-CH3); 41.8 ((O)C-CH2-CH2-CH2-N); 54.6 (CH2-CH2-CH2-N); 58.6 ((O)C-CH2-CH2-CH2-N); 209.0 (C(O)).
B.3. 1−エチル−4−オキソペンチル−ピペリジニウムブロミド、[EPipP4K]Brの合成
3.3mL(40mmol)のブロモエタンを、10mLのアセトニトリル中の、段落B.2で合成された3.53g(20.1mmol)の5−(ピペリジニル)ペンタン−2−オンの溶液に、不活性雰囲気下で添加する。混合物を次に80℃で12時間加熱する。冷却後、混合物を真空下で濃縮する。得られた固体を最少量のジクロロメタン中に溶解し、酢酸エチルの添加により再度沈殿させる。次に固体を酢酸エチルで2回洗浄し、そして真空下で乾燥させる。かくて得られた化合物[EPipP4K]Br(I8と記す)は、淡黄色の油の形態である(5.28g、すなわち収率95%)。
この化合物の特性評価データは以下の通りである:
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 1.35 (t, J = 7.5Hz, CH3-CH2-N); 1.74 (m, 2H, CH2-CH2-CH2-N); 1.79-1.97 (m, 6H, CH2-CH2-CH2-N; (O)C-CH2-CH2-CH2-N); 2.12 (s, 3H, CH3-(O)C); 2.72 (t, J = 6.0Hz, 2H, (O)C-CH2-CH2-CH2-N); 3.47-3.63 (m, 8H, CH2-CH2-CH2-N; (O)C-CH2-CH2-CH2-N; CH3-CH2-N).
13C NMR (100MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.5 (CH3-CH2-N); 16.0; 19.8 (CH2-CH2-CH2-N; (O)C-CH2-CH2-CH2-N); 20.8 (CH2-CH2-CH2-N); 30.1 (C(O)-CH3); 39.1 ((O)C-CH2-CH2-CH2-N); 54.2; 56.3 (CH2-CH2-CH2-N); 58.7 (CH3-CH2-N); 207.3 (C(O)).
1.2 イオン液体(化合物L1)の合成
本発明に関連して使用される、ケトン官能基を含むイオン液体は、上記の章1.1において合成されたような中間体化合物から、ハロゲン化物アニオン(Br、I、またはCl)をアニオン、ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、NTf で交換することによって得られる。
対応する反応は、化合物Iを得るために実施した経路AまたはBに依存する。
1.2.1 経路Aによって得られた化合物I1〜I7
アニオン、NTf によるハロゲン化物アニオンの交換は、以下の反応(1’bis)に従って実施される:
Figure 2018525534
化合物LIの合成のために行われた操作プロトコルは、上記の章A.2において合成された、[EPipMIBK]Br(化合物I1)からの、N−エチル−N−(4−メチル−2−オキソペンチル)ピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[EPipMIBK]NTf(LI1と記される)の合成を参照して記載される。
20mLの蒸留水中の、20.0g(69mmol)のリチウムビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの溶液を、20mLの蒸留水中の、20.0g(68mmol)の[EPipMIBK]Brの溶液に添加する。混合物を室温で2時間攪拌する。次いで2相混合物を分離する。有機相を水で、硝酸銀試験が陰性になるまで洗浄し、次にイオン液体を80℃で3時間、真空下で乾燥させる。得られた化合物[EPipMIBK]NTf(LI1と記す)は、粘性のある黄色の油の形態である(32.1g、すなわち収率95%)。
化合物LI2〜LI7は、それぞれ化合物I2〜I7から、すぐ上に記載された操作プロトコルに従って合成された。
以下の表3は、かくて合成されたイオン液体LI1〜LI7に関するデータをまとめたものである。
Figure 2018525534
これらの化合物LI1〜LI7の簡易構造式および特性評価データは、以下の通りである:
化合物LI1: N−エチル−N−(4−メチル−2−オキソペンチル)−ピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[EPipMIBK]NTf、下式を有す:
Figure 2018525534
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 0.90 (d, 3H, J = 6.5Hz, CH3); 1.23 (t, 3H, J = 7.5Hz, CH3-CH2-N); 1.70 (m, 2H, CH2); 1.87 (m, 4H, CH2); 2.12 (m, 1H, CH); 2.39 (d, 2H, J = 7.0Hz, C(O)-CH2); 3.44 (m, 2H, CH2-N); 3.62 (m, 2H, CH2-N); 3.72 (q, 2H, J = 7.5Hz, CH3-CH2-N); 4.22 (s, 2H, N-CH2-C(O)).
13C NMR (100MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.4 (CH3-CH2-N); 19.5; 20.6 (CH2); 22.1 (CH3); 24.2 (CH); 49.5 (C(O)-CH2); 55.0 (CH3-CH2-N); 60.0 (CH2-N); 61.8 (N-CH2-C(O)); 115.1-118.2-121.4-124.6 (q, J = 321Hz, CF3); 201.6 (C(O)).
化合物LI2: N−エチル−N−アセトフェノンピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[EPipAcP]NTf、以下の式を有す:
Figure 2018525534
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 1.28 (t, 3H, J = 7.5Hz, CH3-CH2-N); 1.76 (m, 2H, CH2); 1.94 (m, 4H, CH2); 3.60 (m, 2H, CH2-CH2-N); 3.85 (m, 4H, J = 7.5Hz, CH3-CH2-N, CH2-CH2-N); 4.85 (s, 2H, N-CH2-C(O)); 7.52 (t, 2H, J = 7.5Hz, CHAr); 7.67 (t, 1H, J = 7.5Hz, CHAr); 8.00 (d, 2H, J = 7.5Hz, CHAr).
13C NMR (100MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.7 (CH3); 19.8; 20.8 (CH2); 55.2 (CH3-CH2-N); 59.6 (CH2-N); 60.7 (N-CH2-C(O)); 115.1 - 118.2 - 121.4 - 124.6 (q, J = 321Hz, CF3); 128.3; 129.4 (CHAr); 133.7 (CAr); 135.5 (CHAr); 190.3 (C(O)).
化合物LI3: N−エチル−N−4’−メチルアセトフェノンピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[EPipMAcP]NTf、以下の式を有す:
Figure 2018525534
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 1.28 (t, 3H, J = 7.5Hz, CH3-CH2-N); 1.76 (m, 2H, CH2); 1.94 (m, 4H, CH2); 3.60 (m, 2H, CH2-CH2-N); 3.85 (m, 4H, J = 7.5Hz, CH3-CH2-N, CH2-CH2-N); 4.85 (s, 2H, N-CH2-C(O)); 7.52 (t, 2H, J = 7.5Hz, CHAr); 7.67 (t, 1H, J = 7.5Hz, CHAr); 8.00 (d, 2H, J = 7.5Hz, CHAr).
13C NMR (100MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.7 (CH3); 19.9; 20.8 (CH2); 21.8 (CH3-Ar); 22.0 (CH3-CH2-N); 51.2 (CH3-CH2-N); 59.5 (CH2-N); 60.8 (N-CH2-C(O)); 115.1 - 118.2 - 121.4 - 124.6 (q, J = 321Hz, CF3); 128.5; 130.1 (CHAr); 131.2 (CAr); 147.1 (CAr); 189.7 (C(O)).
化合物LI4: N−メチル−N−(4−メチル−2−オキソペンチル)イミダゾリウム
ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[MIMMIBK]NTf、下式を有す:
Figure 2018525534
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 0.96 (d, 3H, J = 6.5Hz, CH3); 2.17 (m, 1H, CH); 2.51 (d, 2H, J = 7.0Hz, C(O)-CH2); 3.96 (s, 3H, CH3-N); 5.2 (s, 2H, N-CH2-C(O)); 7.46 (t, 1H, J = 2.0Hz, CHAr); 7.57 (t, 1H, J = 2.0Hz, CHAr); 8.77 (s, 1H, J = 2.0Hz, CHAr).
13C NMR (100MHz, CD3OD) δ (ppm): 22.8 (CH3); 25.3 (CH); 36.6 (CH3-Ar); 49.1 (C(O)-CH2); 58.4 (N-CH2-C(O)); 116.4 - 119.6 - 122.8 - 126.0 (q, J = 321Hz, CF3); 124.4 (CHAr); 125.0 (CHAr); 139.0 (CHAr); 202.3 (C(O)).
化合物LI5: N−(4−メチル−2−オキソペンチル)ピリジニウム
ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[PyMIBK]NTf、下式を有す:
Figure 2018525534
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 1.00 (d, 3H, J = 6.5Hz, CH3); 2.20 (m, 1H, CH); 2.61 (d, 2H, J = 7.0Hz, C(O)-CH2); 5.67 (s, 2H, N-CH2-C(O)); 8.14 (m, 2H, CHAr); 8.66 (tt, 1H, J = 8.0Hz; J = 1.5Hz, CHAr); 8.74 (m, 2H, CHAr).
3C NMR (100MHz, CD3OD) δ (ppm): 22.9 (CH3); 25.3 (CH); 49.1 (C(O)-CH2); 69.6 (N-CH2-C(O)); 116.4 - 119.6 - 122.8 - 126.0 (q, J = 321Hz, CF3); 129.2 (CHAr); 147.3 (CHAr); 147.6 (CHAr); 201.4 (C(O)).
化合物LI6: N−エチル−N−ピナコロンピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[EPipPin]NTf、下式を有す:
Figure 2018525534
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 1.23 (s, 9H, CH3); 1.26 (t, 3H, J = 7.5Hz, CH3-CH2-N); 1.75 (m, 2H, CH2); 1.88 (m, 4H, CH2); 3.54 (m, 2H, CH2-N); 3.68 (m, 2H, CH2-N); 3.74 (q, 2H, J = 7.5Hz, CH3-CH2-N); 4.40 (s, 2H, N-CH2-C(O)).
13C NMR (100MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.6 (CH3-CH2-N); 19.8; 20.8 (CH2); 26.1 (CH3); 45.1 (C(O)-C-(CH3)3); 53.6 (CH3-CH2-N); 59.5 (N-CH2-C(O)); 60.1 (CH2-N); 115.1 - 118.2 - 121.5 - 124.7 (q, J = 321Hz, CF3); 207.6 (C(O)).
化合物LI7: N−ピナコロンメチルイミダゾリウム
ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[MIMPin]NTf、下式を有す:
Figure 2018525534
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 1.25 (s, 9H, CH3); 3.94 (s, 3H, CH3-Ar); 5.31 (s, 2H, N-CH2-C(O)); 7.28 (3, 2H, CHAr); 8.69 (s, 1H, CHAr).
13C NMR (100MHz, CDCl3) δ (ppm): 26.0 (CH3); 36.5 (CH3-N); 43.6 ((CH3)3-C-C(O)); 53.9 (C(O)-CH2-N); 115.1 - 118.2 - 121.4 - 124.6 (q, J = 321Hz, CF3); 122.8 (CHAr); 124.1 (CHAr); 137.7 (CHAr); 206.0 (C(O)).
1.2.2 経路Bによって得られた化合物I8
アニオン、NTf による,上記の章B.3で合成された化合物I8のハロゲン化物アニオンの交換は、以下の反応に従って実施される(2”bis):
Figure 2018525534
化合物LI8の合成のために行なわれた合成プロトコルは以下の通りである:10mLの蒸留水中の、5.5g(20mmol)のリチウムビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの溶液を、10mLの脱イオン水中の、5.28g(19.5mmol)の[EPipP4K]Brの溶液に添加する。次に混合物を3時間攪拌する。次いで水性相を除去する。生成物を次に水(15mLで3回)で洗浄し、そしてジクロロメタン中に溶解する。次いで混合物を硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、真空下で濃縮させる。かくて得られた1−エチル−4−オキソペンチル−ピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、または[EPipP4K]NTf(LI8と記す)は、黄色の油の形態である(7.6g、すなわち収率83%)。
この化合物LI8の特性評価データは以下の通りである:
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 1.34 (t, J = 7.5Hz, CH3-CH2-N); 1.71 (m, 2H, CH2-CH2-CH2-N); 1.80-1.96 (m, 6H, CH2-CH2-CH2-N; (O)C-CH2-CH2-CH2-N); 2.15 (s, 3H, CH3-(O)C); 2.64 (t, J = 6.0Hz, 2H, (O)C-CH2-CH2-CH2-N); 3.21 (m, 2H, (O)C-CH2-CH2-CH2-N); 3.25-3.37 (m, 6H, CH2-CH2-CH2-N; CH3-CH2-N).
13C NMR (100MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.0 (CH3-CH2-N); 15.4; 19.5 (CH2-CH2-CH2-N; (O)C-CH2-CH2-CH2-N); 20.9 (CH2-CH2-CH2-N); 29.8 (C(O)-CH3); 38.6 ((O)C-CH2-CH2-CH2-N); 54.7; 56.3 (CH2-CH2-CH2-N); 59.2 (CH3-CH2-N); 115.1 - 118.3 - 121.5 - 124.7 (q, J = 321Hz, CF3); 207.3 (C(O)).
実施例2: アルコール官能基を含むイオン液体LI9の合成
このイオン液体LI9は、以下の反応(3bis)に従って合成される:
Figure 2018525534
対応する操作プロトコルは以下の通りである:20mLの水中の、10.3g(36mmol)のリチウムビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの溶液を、20mLの水中の、5g(36mmol)の塩化コリンの溶液に添加する。混合物を室温で3時間攪拌し、次いで相を分離する。イオン液体を30mLの水で2回洗浄し、そして真空下で乾燥させる。
この化合物LI9の特性評価データは以下の通りである:
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ (ppm): d 5.27 (t, 1H), 3.83 (m, 2H), 3.39 (m, 2H), 3.10 (s, 9H).
実施例3: ホスホナート官能基を含むイオン液体LI10の合成
上記に記載したように、ホスホナート官能基を含むイオン液体は、以下の反応(6)に従って合成できる:
Figure 2018525534
イオン液体LI10は、エチルピペリジンから、以下の操作プロトコルに従って合成される:
3.1 (4−ブロモブチル)−エチルピペリジニウムブロミド[EPipBPhos]Brの合成
15mL(122mmol)のジブロモブタンを、50mLの酢酸エチル中の、9mL(66mmol)のエチルピペリジンの溶液に添加する。混合物を次に50℃で一晩攪拌する。冷却後、固体を濾過し、ジエチルエーテル(30mLで2回)で洗浄し、真空下で乾燥させる。白色固体の形態である(4−ブロモブチル)−エチルピペリジニウムブロミド(14.8g、すなわち収率68%)が得られる。
この化合物の特性評価データは以下の通りである:
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 1.36 (t, J = 7.5Hz, 3H, CH3-CH2-N); 1.77-1.85 (m, 2H, CH2-CH2-CH2-N); 1.90-2.05 (m, 4H, CH2-CH2-CH2-N); 2.31-2.41 (m, 2H, CH2-CH2-CH2-Br); 3.62 (t, J = 6.0Hz, 2H, CH2-Br); 3.67-3.77 (m, 8H, CH2-N).
13C NMR (100MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.3 (CH3-CH2-N); 20.0 (CH2-CH2-CH2-N); 20.8 (CH2-CH2-CH2-N); 25.0 (N-CH2-CH2-CH2-Br); 29.6 (N-CH2-CH2-CH2-Br); 54.6 (CH3-CH2-N); 56.2 (N-CH2-CH2-CH2-Br); 59.2 (CH2-CH2-CH2-N).
3.2 (4−ブロモブチル)−エチルピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの合成
10mLの水中の10.8g(38mmol)のリチウムビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの溶液を、30mLの水中の、12.3g(37mmol)の(4−ブロモブチル)−エチルピペリジニウムブロミドの溶液に添加する。混合物を室温で3時間攪拌し、次いで相を分離する。イオン液体を30mLの水で3回洗浄し、次に真空下で乾燥させる。得られた(4−ブロモブチル)エチルピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(16.32g、すなわち収率83%)は、無色の粘性のある油の形態である。
この化合物の特性評価データは以下の通りである:
1H NMR (400MHz, CD2Cl2) δ (ppm): 1.36 (t, J = 7.5Hz, 3H, CH3); 1.73-1.79 (m, 2H, CH2-CH2-CH2-N); 1.89-1.96 (bs, 4H, CH2-CH2-CH2-N); 2.22-2.31 (m, 2H, CH2-CH2-CH2-Br); 3.30-3.34 (m, 8H, CH2-N); 3.55 (t, J = 6.0Hz, 2H, CH2-Br)
13C NMR (100MHz, CD2Cl2) δ (ppm): 6.9 (CH3-CH2-N); 19.5 (CH2-CH2-CH2-N); 20.8 (CH2-CH2-CH2-N); 24.4 (N-CH2-CH2-CH2-Br); 28.7 (N-CH2-CH2-CH2-Br); 54.6 (CH3-CH2-N); 56.6 (N-CH2-CH2-CH2-Br); 59.2 (CH2-CH2-CH2-N;); 115.1 - 118.2 - 121.4 - 124.6 (q, J = 321Hz, CF3)
3.3 (4−(ジブトキシホルホリル)ブチル)−エチルピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[EPipBPhos]NTf、または下式を有する化合物LI10の合成
Figure 2018525534
16.32g(31mmol)の(4−ブロモブチル)−エチルピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミドと、25mL(92mmol)の亜リン酸トリブチルとの混合物を、160℃で1時間攪拌する。冷却後、混合物をエーテルで2回洗浄し、化合物を真空下で乾燥させる。得られた(4−(ジブトキシホスホリル)ブチル)−エチルピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、[EPipBPhos]NTf(LI10と記す)は、無色の油の形態である(16.9g、すなわち収率85%)。
この化合物LI10の特性評価データは以下の通りである:
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ (ppm): 0.93 (t, J = 7.5Hz, 6H, CH3-(CH2)3-O); 1.32 (t, J = 7.5Hz, 3H, CH3-CH2-N); 1.36-1.43 (m, 4h, CH3-CH2-(CH2)2-O); 1.60-1.88 (m, 16H, CH2-P; CH2); 3.24 (m, 2H, CH2-N); 3.31-3.40 (m, 6H, CH2-N); 4.0 (m, 4H, O-CH2-(CH2)3-CH3)
13C NMR (100MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.2 (CH3); 13.6 (CH3-(CH2)3-O); 18.8 (CH3-CH2-(CH2)2-O); 19.7 (CH2-CH2-N); 20.0; 20.9; 21.6; 21.7 (CH2-CH2-N); 23.5 - 25.0 (d, J = 140.0Hz, CH2-P); 32.5; 32.6 (d, J = 6.5Hz, CH3-CH2-CH2-CH2-O); 54.0; 57.9; 59.2 (CH2-N); 65.6 (d, J = 7.0Hz, CH2-O); 115.2 - 118.3 - 121.5 - 124.7 (q, J = 321Hz, CF3)
31P NMR (160MHz, CDCl3) δ (ppm): 30.3
イオン液体の抽出性能
抽出性能を評価する方法
イオン液体の抽出性能は、誘導結合プラズマ発光分析またはICP−OESにより、溶液中の化学種の分配係数を測定することによって評価した。
抽出またはストリッピングの効率は、以下に説明されるような分配係数から、抽出またはストリッピングのパーセントを測定することにより評価される。
イオン液体から構成される相(「A2」と記す)と水性相(「A1」と記す)との間の金属元素Mの分配係数(Dと記す)は、以下の等式:
Figure 2018525534
[式中、
[M]A2=抽出後のイオン液体中の金属元素Mの濃度(mg/L)、および
[M]A1=抽出後の水性相中の金属元素Mの濃度(mg/L)]
により決定される。
ストリッピングのパーセント(E(%)と記す)は、以下の等式:
Figure 2018525534
[式中、
[M]A2=抽出後のイオン液体中の金属元素Mの濃度(mg/L)
[M]A1initial=抽出前の水性相中の金属元素Mの濃度(mg/L)
=金属元素Mの分配係数
A1=水性相の体積、および
A2=イオン液体の体積]
により決定される。
ストリッピングのパーセント(Deses(%)と記す)は、以下の等式:
Figure 2018525534
[式中、
[M]A3=ストリッピング後の水性相中の金属元素Mの濃度(mg/L)、および
[M]A2=抽出後かつストリッピング前のイオン液体中の金属元素Mの濃度(mg/L)]
により決定される。
金属M1の金属M2に対する抽出の選択性(Sと記す)は、以下の等式:
Figure 2018525534
[式中、
M1=金属元素M1の分配係数、および
M2=金属元素M2の分配係数]
により決定される。
操作プロトコル
酸性水性相A1は、SCPサイエンス社からの、イオン交換水中に1%フッ化水素酸を含有する、酸化数VでNHTaFの形態にあるTaを、硫酸中に希釈することにより調製した。
接触前の酸性水性相A1の組成は、以下の通りであり、下文でおよび以降に用いた単位「M」は、国際単位系「mol/L」の略語に相当する:
・[Ta]:1g/Lから10g/L、
・[HSO];0Mから9M、
・NbがTaとともに存在する天然鉱石の濃縮物の酸分解溶液を構成する酸性水性相と出会う状況に近づく目的で、任意でニオブNbおよびユーロピウムEuを添加、
・主としてTa、Nb、Fe、およびMnを含有するリン鉱石の、または主としてTa、Mn、Ni、およびAgを含有するW3Eからのキャパシタ由来の都市鉱石の、濃縮物の酸分解溶液を構成する酸性水性相と出会う状況に近づく目的で、任意でニオブNb、鉄Fe、マンガンMn、ニッケルNi、および銀Agを添加。
ストリッピングに用いた水性相A3は、水から構成される。
抽出は、酸性水性相A1をイオン液体A2と、酸性水性相とイオン液体との間の1から16の範囲の体積比VA1/VA2を考慮して、接触させることにより実施される。
酸性水性相A1およびイオン液体A2は、1時間にわたりかつ20℃と25℃の間の温度で接触され、ついで20℃において4000rpmで5分間遠心分離して分離される。
ストリッピングは、水性相A3とイオン液体との間の体積比VA3/VA2が1または2であることを除き、同じ接触時間、温度、および遠心分離条件において実施される。
水性相中に存在する金属元素の適用量の決定は、ICP−OES分析により実施される。
実験結果
実施例4: ケトン官能基を含むイオン液体による抽出
4.1
抽出性能に対する水性相A1の硫酸のモル濃度の効果を測定する目的で、以下の相A1およびA2を同体積で接触させることにより、最初の一連の抽出を実施した:
水性相A1: [Ta]=1g/L、可変濃度の硫酸中([HSO]=0M〜9M)
相A2: イオン液体LI1:[EPipMIBK]NTf
タンタルの分配係数DTaについて計算された値、ならびに抽出のパーセントE(%)およびストリッピングのパーセントDesex(%)を表4.1に報告する。
Figure 2018525534
また、水性相A1中の硫酸のモル濃度に応じた分配係数DTaの変化を例示する図1を参照すれば、3Mの硫酸濃度からようやく始まるTaの抽出(91.1%)が、6Mおよび9Mの硫酸濃度ではさらに特別に効率的であって、これについて、それぞれ97.5%乃至97.7%のTaが抽出されることが観察される。さらに、これらの終わりの2つの濃度においては、水による2回の洗浄後に、イオン液体L1からのTaの完全なストリッピングを得ることが可能であったことが観察される。
4.2
抽出の選択性に対する水性相A1の硫酸のモル濃度の効果を測定する目的で、以下の相A1およびA2を同体積で接触させることにより、第2の一連の抽出を実施した:
水性相A1: [Ta]=[Nb]=1g/L、[Eu]=1.5g/L、可変濃度の硫酸中([HSO]=3M〜9M)
相A2: イオン液体LI1:[EPipMIBK]NTf
最初に水性相A1中に存在した各金属、Ta、Nb、およびEuの抽出パーセントE(%)を、図2に例示する。この図2によれば、Taは、水性相A1中の硫酸のモル濃度に応じて、91%のレベルでかつ98%まで抽出されることが観察される。NbおよびEuは、水性相A1から実際に全く抽出されない。
タンタルの抽出のパーセントE(%)およびストリッピングのパーセントDesex(%)、ならびにNbおよびEuに対するTaの選択性について計算された値(それぞれSTa/NbおよびSTa/Euと記す)を、以下の表4.2に報告する。
Figure 2018525534
表4.2の結果は、水性相A1の硫酸のモル濃度にかかわらず、イオン液体LI1がタンタルの抽出に非常に選択的であること、およびタンタルが完全にストリッピングされ得ることを示している。
4.3
抽出性能に対する相A2のイオン液体のカチオンの窒素部分の効果を測定する目的で、以下の相A1およびA2を同体積で接触させることにより、第3の一連の抽出を実施した:
水性相A1: [Ta]=7g/L、硫酸中([HSO]=6M)
相A2: イオン液体LI1、LI4、およびLI5
タンタルの分配係数DTaについて計算された値、ならびに抽出のパーセントE(%)およびストリッピングのパーセントDesex(%)を、以下の表4.3に報告する。
Figure 2018525534
抽出が、LI1、LI4、およびLI5の中から選ばれたイオン液体にかかわらず、特に効率的であり、抽出パーセントが95,4%と97.7%の間であることが観察される。
4.4
抽出性能に対する相A2のイオン液体のカチオンのケトン部分の効果を測定する目的で、以下の相A1およびA2を同体積で接触させることにより、第4の一連の抽出を実施した:
水性相A1: [Ta]=1g/L、または[Ta]=7g/L、硫酸中([HSO]=6M)
相A2: イオン液体LI1、LI2、LL3、LI5、LI6、およびLI7
Taの各質量濃度についての、タンタルの分配係数DTaについて計算された値、ならびに抽出のパーセントE(%)およびストリッピングのパーセントDesex(%)を、以下の表4.4に報告する。
Figure 2018525534
表4.4から明らかなように、イオン液体のケトン官能基が脂肪族鎖(ここでは、イソブチルまたはtertio−ブチル)を含む場合、非常に良好な抽出結果が得られ、抽出パーセントは95.2%と97.7%の間である(イオン液体LI1、LI6、LI7、およびLI8)。メチルイソブチルケトン(MIBK)基をもつイオン液体LI1は、tertブチル基をもつイオン液体LI6よりもやや良好な性能を有する。
イオン液体のケトン官能基が芳香族基を含む場合(LI2およびLI3)、対応するイオン液体の高い粘性のため、抽出の性能は低下し、前記粘性は抽出およびストリッピングに対する障害となる。
表4.4はまた、Taの濃度が増加すると抽出が実質的に低下することも示している。
イオン液体LI1[EPipMIBK]NTfは、最高の性能をもつ抽出剤である。
4.5
イオン液体L1[EPipMIBK]NTfの再利用される能力を評価する目的で、以下の最初の相A1およびA2を同体積で配置することにより。リサイクリング試験を実施した:
水性相A1: [Ta]=7g/L、硫酸中([HSO]=6M)
相A2: イオン液体LI1
1回目の抽出/ストリッピングのサイクル(サイクル1)の後、ストリッピング後に得られた通りのイオン液体LI1を、2回目の抽出/ストリッピングサイクル(サイクル2)、それに続く3回目(サイクル3)に使用する。これらのリサイクリング試験の結果を、以下の表4.5に報告する:
Figure 2018525534
表4.5は、イオン液体LI1が効率損失なしに3回リサイクルされたことを示す。
4.6
複数の金属元素を含む水性相A1からのTaの抽出の性能を測定する目的で、以下の相A1およびA2を同体積で接触させることにより、第4の一連の抽出を実施した:
水性相A1: [Ta]=[Nb]=[Fe]=[Ni]=[Mn]=[Ag]=2g/L、可変濃度の硫酸中([HSO]=0.1M〜9M)
相A2: イオン液体LI1
種々の金属M(Ta、Nb、Fe、Ni、Mn、およびAg)の分配係数Dの値が、硫酸のモル濃度に応じて報告されている図3を参照すれば、イオン液体LI1[EPipMIBK]NTfが、他の競合する元素の存在下でもなお非常に良好な性能をもつこと
が観察される。実際、分配係数DTaは、Taのみを含む水性相A1で得られたものと同様である(図1参照)。
水性相A1中にまた存在する、他の金属Nb、Fe、Ni、Mn、およびAgの各々に対するTaの選択性値STa/Mが、硫酸のモル濃度に応じて報告されている図4を参照すれば、イオン液体LI1[EPipMIBK]NTfがTaについて非常に選択的なままであり、STa/Mの値が、硫酸のモル濃度および対象とされた金属に応じて、30から1400までの範囲であることが観察される。
上記の段落4.5に記載されたものと同じ操作プロトコルに従って実施されたリサイクリング試験後の、種々の金属M(Ta、Nb、Fe、Ni、Mn、およびAg)の分配係数の値が、硫酸のモル濃度に応じて報告されている図5を参照すれば、3回リサイクルされたイオン液体LI1[EPipMIBK]NTfが、なお特別に良好な性能を有することが観察される。実際、分配係数DTaは、Taのみ(図1参照)、またはさらにNb、Fe、Ni、Mn、およびAg(図3参照)を含む水性相A1で得られたものに匹敵する。
これら同様のリサイクリング試験後の、他の金属Nb、Fe、Ni、Mn、およびAgの各々に対するTaの選択性値STa/Mが報告されている図6を参照すれば、3回リサイクルされたイオン液体LI1[EPipMIBK]NTfが、Taについて依然として非常に選択的であり、STa/Mの値が、硫酸のモル濃度および対象とされた金属に応じて、40から1000までの範囲であることが観察される。
実施例5: 非官能化イオン液体による抽出
5.1
以下の相A1およびA2を同体積で接触させることにより、第1の一連の抽出を実施した:
水性相A1: [Ta]=7g/L、硫酸中([HSO]=6M)
相A2: イオン液体LI11またはLI12(以下の表5に明記の通り)
1回目のそして次に2回目のサイクルの抽出/ストリッピング後の、タンタルの分配係数DTaについて計算された値、ならびに抽出のパーセントE(%)およびストリッピングのパーセントDesex(%)を、以下の表5に報告する。
Figure 2018525534
これらの非官能化イオン液体LI11およびLI12は、ケトン基により官能化されたその同等物(特にLI8、しかしまたLI1、LI6、またはさらにLI4、LI7も参照)のものと同様に良好な性能を有し、Taのストリッピングの性能にはわずかな低下がある。
ピペリジン核(LI11)による、Taの良好な抽出への傾向が再び観察される。
5.2
複数の金属を含む水性相A1からのTaの抽出の性能を測定する目的で、以下の相A1およびA2を同体積で接触させることにより、第2の一連の抽出を実施した:
水性相A1: [Ta]=[Nb]=[Fe]=[Ni]=[Mn]=[Ag]=2g/L、可変濃度の硫酸中([HSO]=0.1M〜9M)
相A2: イオン液体:LI11
種々の金属M(Ta、Nb、Fe、Ni、Mn、およびAg)の分配係数の値が、硫酸のモル濃度に応じて報告されている図7を参照すれば、イオン液体LI11[EBPip]NTfが、他の元素の存在下でもなお非常に良好な性能をもつことが観察される。実際、分配係数DTaは、Taのみを含む水性相A1で得られたものと同様である(表5参照)。
水性相A1中にまた存在する、他の金属Nb、Fe、Ni、Mn、およびAgの各々に対するTaの選択性値STa/Mが、硫酸のモル濃度に応じて報告されている図8を参照すれば、イオン液体LI11[EBPip]NTfがTaについて非常に選択的なままであり、STa/Mの値が、硫酸のモル濃度および対象とされた金属に応じて、40から4000までの範囲であることが観察される。
イオン液体LI11による他の金属に対するTa抽出のこの選択性は、イオン液体L1([EPipMIBK]NTf)について既に観察されたように、硫酸のモル濃度にかかわらず観察される。
5.3
イオン液体LI11[EBPip]NTfの再利用され得る能力を評価する目的で、以下の最初の相A1およびA2を同体積で接触させることにより、リサイクリング試験を実施した:
水性相A1: [Ta]=[Nb]=[Fe]=[Ni]=[Mn]=[Ag]=2g/L、可変濃度の硫酸中([HSO]=0.1M〜9M)
相A2: イオン液体:LI11
1回目の抽出/ストリッピングのサイクル(サイクル1)の後、ストリッピング後に得られたままのオン液体LI11を、2回目の抽出/ストリッピングサイクル(サイクル2)、続いて3回目(サイクル3)に使用する。
これらのリサイクリング試験の結果を、添付の図9および10に報告する。
実施例6: ホスホナート官能基を含むイオン液体による抽出
6.1
以下の相A1およびA2を同体積で接触させることにより、最初の一連の抽出を実施した:
水性相A1: [Ta]=7g/L、硫酸中([HSO]=6M)
相A2: イオン液体:LI10[EPipBPhos]NTf
1回目抽出/ストリッピングのサイクル(サイクル1)、そして次に2回目(サイクル2)の後の、タンタルの分配係数DTaについて計算された値、ならびに抽出のパーセントE(%)およびストリッピングのパーセントDesex(%)を、以下の表6.1に報告する。
Figure 2018525534
この表6.1の値は、ほぼ完全にTaが水性相A1から抽出され得ることから、ホスホナート官能基を含むこのイオン液体LI10の特に高い性能を示しており、その抽出のパーセントは99.4%および99.6%である。ストリッピングのパーセントもまた高い(72%および89%)。
6.2
第2の一連の抽出は、以下の相A1およびA2を、以下の表6.2に示したように、相A1と相A2との間で変化する体積比で接触させることにより実施した:
水性相A1: [Ta]=7g/L、硫酸中([HSO]=6M)
相A2: イオン液体:LI10[EPipBPhos]NTf
タンタルの分配係数DTaについて計算された値、ならびに抽出のパーセントE(%)を、以下の表6.2に報告する:
Figure 2018525534
表6.2の結果は、このイオン液体LI10がタンタルを抽出するための優れた能力を持つことを示している。したがって、水性相A1の体積が相A2の体積より16倍大きい場合でも、LI10は82.8%までTaが抽出され、水性相A1は最初に7g/LのTaを含む。
6.3
複数の金属を含む水性相A1からのTaの抽出の性能を測定する目的で、以下の相A1およびA2を同体積で接触させることにより、第3の一連の抽出を実施した:
水性相A1: [Ta]=[Nb]=[Fe]=[Ni]=[Mn]=[Ag]=2g/L、可変濃度の硫酸中([HSO]=0.1M〜9M)
相A2: イオン液体:LI10、[EPipBPhos]NTf
図11を参照すれば、イオン液体LI10[EPipBPhos]NTfが、他の元素を含む水性相A1から、特に良好な性能をもってTaの抽出が得られるようにすることが観察される。
図12を参照すれば、イオン液体LI0[EPipBPhos]NTfが、Taが非常に選択的なやり方で抽出されるようにすることが観察される。実際STa/Mの値は、6Mの硫酸のモル濃度から選択性STa/Nbの低下が始まるNbに関する以外は、硫酸のモル濃度にかかわらずすべて100より大きい。
6.4
イオン液体LI10[EPipBPhos]NTfの再利用される能力を評価する目的で、以下の最初の相A1およびA2を同体積で接触させることにより、リサイクリング試験を実施した:
水性相A1: [Ta]=[Nb]=[Fe]=[Ni]=[Mn]=[Ag]=2g/L、可変濃度の硫酸中([HSO]=0.1M〜9M)
相A2: イオン液体:LI10[EPipBPhos]NTf
1回目の抽出/ストリッピングのサイクル(サイクル1)の後、ストリッピング後に得られたままのイオン液体LI10を、2回目の抽出/ストリッピングサイクル(サイクル2)、続いて3回目(サイクル3)に使用する。
これらのリサイクリング試験の結果を、添付の図13および14に例示する。
実施例7: 2つのイオン液体の混合物による抽出
以下の相A1およびA2を同体積で接触させることにより、一連の抽出を実施した:
水性相A1: [Ta]=7g/L、硫酸中([HSO]=6M)
相A2: イオン液体:LI1+LI11、[EPipMIBK]NTf+[EBPip]NTf(以下の表7に明示された可変の割合で)
タンタルの分配係数DTaについて計算された値、ならびに抽出のパーセントE(%)およびストリッピングのパーセントDesex(%)を、以下の表7に報告する。
Figure 2018525534
表7の結果によれば、[EBPip]NTf中の[EPipMIBK]NTfの割合にかかわらず抽出のパーセントは実質的に同じであることが観察される。
実施例8: タンタルの電着
3回の電着試験は、上記の段落5.1に記載された抽出から得られたままの、かつイオン液体LI11[EBPip]NTf中に抽出されたタンタルを含む、相A2により形成された電解液を用いて実施した。
カソード、参照電極、および、作用電極として連続的にアルミニウム製の基板、チタン製の基板、および炭素製の基板が、この電解質中に配置された。
参照電極は、イオン液体1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート(BMICFSO)中のAgCFSO(10mmol/L)の溶液中に浸漬された銀線から構成される。
次に、試験される基板に応じて−1.4Vと−2.1Vの間の範囲の電位差が、カソードと参照電極との間に印加される。
基板がアルミニウム製である特別の場合には、参照電極に対し−1,5Vの電位差が印加され、電解液は110℃の温度に維持される。カソードにおいて得られる金属被着物を、次に、分析を目的としてイソプロパノールで、そして次に水ですすぐ。
被着物は、走査電子顕微鏡(SEM)による画像の、ならびにその化学組成を測定するためのエネルギー分散型X線分析(EDXと略記)を用いた分析の対象であった。
SEM画像およびEDX分析の結果は、図15Aおよび15Bにそれぞれ提示されており、この被着物が粘着性で、均一で、ぎっしり詰まっていること、10μmを超える厚さを有すること、および直径数ミクロンの粒子から構成されていることを示している。EDXスペクトル(図15B)によって示されるように、この被着物は主としてタンタルからなり、タンタルとイオン液体LI11[EBPip]NTfとの間の反応から生じることもあり得る硫黄および/またはフッ素の何らの痕跡も含まない。
タンタルのその金属型での被着はまた、チタンおよび炭素から製された他の基板の各々について実施された試験でも観察される。

Claims (21)

  1. 酸性水性相A1からタンタルを抽出するための方法であって、前記水性相A1を水と混和しない相A2と接触させ、そして次に前記水性相A1を前記相A2から分離することを含む、少なくとも1つの工程を含み、前記相A2が抽出剤として1つのイオン液体またはイオン液体の混合物から構成されることを特徴とする該方法。
  2. 前記相A2が、1つのイオン液体から構成される、請求項1に記載の抽出法。
  3. 前記イオン液体または複数のイオン液体が有機カチオンまたはアニオンを含み、前記有機カチオンが、環式または非環式である第四級アンモニウム、ホスホニウム、ピペリジウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ピペラジニウム、およびイミダゾリウムからなる群より選択される窒素基を含む、請求項1または2に記載の抽出法。
  4. 前記有機カチオンが、ピペリジニウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ピペラジニウム、およびイミダゾリウムからなる群より選択される、請求項3に記載の抽出法。
  5. 前記有機カチオンが、ジアルキルピペリジニウム、アルキルピリジニウム、N,N’−ジアルキルピペラジニウム、およびN,N’−ジアルキルイミダゾリウムからなる群より選択される、請求項4に記載の抽出法。
  6. 前記有機カチオンがさらに、ケトン、アルコール、ホスホナート、およびホスフィンオキシドから選択される少なくとも1つの官能基を含む、請求項3または4に記載の抽出法。
  7. 前記官能基がホスホナートである、請求項6に記載の抽出法。
  8. 前記アニオンが、ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ヘキサフルオロホスファート、およびビス−(フルオロスルホニル)イミドから選択され、かつ有利にはビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである、請求項3から7のいずれか1項に記載の抽出法。
  9. 前記イオン液体が:
    − N−エチル−N−(4−メチル−2−オキソペンチル)ピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
    − N−メチル−N−(4−メチル−2−オキソペンチル)イミダゾリウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
    − N−(4−メチル−2−オキソペンチル)ピリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
    − (4−(ジブトキシホスホリル)−ブチル)エチルピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
    − エチルブチルピペリジニウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、および
    − メチルイミダゾリウム ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド
    から選択される、請求項8に記載の抽出法。
  10. 室温において実施される、請求項1から9のいずれか1項に記載の抽出法。
  11. 水性相A1中に存在するタンタルを回収するための方法であって:
    (a) 請求項1から10のいずれか1項による抽出による、前記水性相A1からのタンタルの抽出と;および
    (b) 工程(a)後に得られたままの、前記相A2中に存在する前記タンタルのストリッピング、または
    (b’) 工程(a)後に得られたままの、前記相A2中に存在する前記タンタルの電着と、
    を含むことを特徴とする該回収法。
  12. 前記ストリッピングの工程(b)が、この相A2を、7以下のpHを有する水性相A3と接触させること、そして次に前記水性相A3から前記相A2を分離することを含む、請求項11に記載の回収法。
  13. 電着の工程(b’)が、作用電極の存在下に、カソードと参照電極との間に電位差を印加することを含み、これらの電極が全てこの相A2中で、−0.8Vと−2.4Vの間に配置される、請求項11に記載の回収法。
  14. 前記水性相A1が、前記タンタルを含む天然鉱石または都市鉱石の濃縮物の酸分解処理溶液であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の抽出法、または請求項11から13のいずれか1項に記載の回収法。
  15. 前記水性相A1が、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、および塩酸からなる群より選択される少なくとも1つの無機酸を含む、請求項14に記載の抽出または回収法。
  16. 前記水性相A1が、少なくとも0.1mol/L、有利には1mol/Lから14mol/Lの、および好ましくは3mol/Lから9mol/Lの無機酸の総モル濃度を有する、請求項15に記載の抽出または回収法。
  17. 酸性水性相A1からタンタルを抽出するための、抽出剤としての、1つのイオン液体またはイオン液体の混合物の使用であって、前記イオン液体または複数のイオン液体が、有機カチオンおよびアニオンを含み、前記有機カチオンが、ピペリジニウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ピペラジニウム、およびイミダゾリウムからなる群より選択される窒素基を含む、該使用。
  18. 前記有機カチオンが、ジアルキルピペリジニウム、アルキルピリジニウム、N,N’−ジアルキルピペラジニウム、およびN,N’−ジアルキルイミダゾリウムからなる群より選択される、請求項17に記載の使用。
  19. 前記有機カチオンが、ケトン、アルコール、ホスホナート、およびホスフィンオキシドから選択される少なくとも1つの官能基をさらに含む、請求項17に記載の使用。
  20. 前記アニオンが、ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである、請求項17から19のいずれか1項に記載の使用。
  21. 前記抽出が、液−液抽出の技術により実施される、請求項17から20のいずれか1項に記載の使用。
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