JP2018518624A - 遠心圧縮機インペラおよび当該インペラを備える圧縮機 - Google Patents

Abstract

ハブ（７）から延伸する複数のブレード（６）を備える遠心圧縮機インペラ（４）であって、各ブレードは、ブレードの正圧側を画定する第１の壁（６Ａ）と、ブレードの負圧側を画定する第２の壁（６Ｂ）と、ブレードの先端（６Ｃ）を画定する自由端とを有し、先端（６Ｃ）は、第１の壁（６Ａ）に位置合わせされている隆起リム（８）を呈し、ブレードの第２の壁（６Ｂ）は、上記隆起リム（８）から離れている先端（６Ｃ）の表面（６Ｄ）と少なくとも部分的に位置合わせされている、遠心圧縮機インペラ（４）。【選択図】図２

Description

本明細書に開示される主題の実施形態は、遠心圧縮機インペラ、および当該インペラを備える遠心圧縮機に対応する。

ターボ機械、特に遠心圧縮機は、ロータが回転可能に支持されているケーシングを備え得る。ロータは、ベアリングによって支持されたロータシャフトを備えることができ、ロータシャフトに作用するシールが、圧縮機の内部を環境から隔離するために設けられ得る。いくつかの実施形態では、１つまたは複数のインペラがシャフトに取り付けられ得る。ケーシングは、静翼を画定し、その中でインペラが位置付けられ、回転することができる。ケーシング（またはステータ）は、各インペラを出る流体を収集し、当該流体を次の圧縮機段（もし設けられているならば）に供給するように構成されたステータ導管をさらに画定する。複数のインペラを備える遠心圧縮機は、通常、多段遠心圧縮機と呼ばれる。したがって、各インペラが圧縮段に仕事を与える。

インペラは、ハブから延伸する複数の成形ブレードを備えることができる。ハブおよび隣接する２つのブレードは、成形インペラ羽根を形成する。

いくつかの実施形態では、インペラは開放面を有し（すなわち、覆われていない）、各ブレードは、ブレードの先端を画定する自由端を有する。これらの遠心圧縮機インペラでは、ブレードの先端は通常平坦である。インペラが圧縮機内に取り付けられると、ブレードの先端がステータに対向し、ステータと先端との間に間隙が形成される。圧縮流体が間隙内を流れて圧縮機内に再循環を生じ得るため、ギャップは、良好な段性能を達成するためにできるだけ小さくなければならない。

間隙内のこの二次流体流は、通常、先端漏れ流れと呼ばれる。先端漏れ流れを減少させるために、Ｕ字形の断面を有する陥凹ブレード先端設計が使用されて、全動作領域にわたって全体対全体圧力比および効率が改善されている。その結果、先端漏れ流れの低減の肯定的な効果に起因して、陥凹ブレード先端設計によって段全体の損失が減少した。

しかしながら、凹部キャビティは、キャビティ内に渦が発生することに起因して段効率に悪影響を及ぼし、したがってさらなる損失を生じる。

さらに、先端の上部にＵ字形陥凹部を形成することは費用がかかり、これは２〜３ｍｍ程度の幅を有し得る。

国際公開第２０１３／１６２８９７号

より良好な段圧縮性能を与えることができる遠心圧縮機インペラが一般的に必要とされている。

重要な着想は、ブレードの正圧側に位置合わせされたリム（スキーら先端とも呼ばれる）が設けられた先端面を有するブレードを有する遠心圧縮機インペラであって、一方で、ブレードの負圧側に対応する先端面エッジは、上記リムからほぼ完全に自由である、遠心圧縮機インペラを提供することである。

本明細書に開示される主題の第１の実施形態は、遠心圧縮機インペラに対応する。

本明細書に開示される主題の第２の実施形態は、上記インペラを備える遠心圧縮機に対応する。

本明細書に組み込まれ本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の例示的な実施形態を示し、発明を実施するための形態と共に、これらの実施形態を説明する。

本開示による遠心圧縮機の概略部分断面図である。 図１のＩＩ−ＩＩ線および図３のＩＩ−ＩＩ線に沿った概略断面図である。 図２に示したブレードの先端面の上面図である。 本開示によるブレード先端面の別の設計を示す図である。 本開示によるブレード先端面の別の設計を示す図である。 図４の断面線ＶＩ−ＶＩ上の断面図である。 図５の断面線ＶＩＩ−ＶＩＩ上の断面図である。 図４の断面線ＶＩＩＩ−ＶＩＩＩ上の断面図である。

以下の例示的な実施形態の説明は、添付の図面を参照する。

以下の説明は、本発明を限定するものではない。代わりに、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。

「一実施形態」または「実施形態」に対する明細書全体での参照は、実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造、または特性が、開示されている主題の少なくとも１つの実施形態に含まれていることを意味する。したがって、明細書全体の様々な場所における句「一実施形態では」または「実施形態では」の出現は、必ずしも同一の実施形態を参照していない。さらに、特定の特徴、構造または特性は、１つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせられてもよい。

図１は、少なくとも１つの静翼３を画定するステータ２を含む遠心圧縮機１を示し、少なくとも１つのオープンインペラ４がシャフト２０に取り付けられている。図面では、１つのインペラのみが示されているが、遠心圧縮機は、各々が圧縮機段を画定する、シャフト２０に取り付けられた複数のインペラを備えてもよい。本明細書に記載されているように、すべてのインペラまたはその一部のみが構成されてもよい。

ステータ２は、ケーシング（図示せず）内に取り付けられた単一片または複数の異なる部分（ダイアフラム）で実現されてもよい。ステータは、インペラを収容する静翼３だけでなく、インペラ４を出る流体を収集するために設けられた１つまたは複数の導管５をも画定する。

遠心圧縮機インペラ４は、ハブ７から延伸する複数のブレード６を備える。各ブレード６は、（インペラが作動しているとき）ブレードの正圧側を画定する第１の壁６Ａと、ブレード６の負圧側を画定する第２の壁６Ｂとを有する。各ブレードはさらに、ブレードの先端６Ｃを画定する自由端を提供する。インペラが遠心圧縮機に取り付けられると、ブレードの先端６Ｃはステータ２に面する。ステータと先端との間には間隙Ｇが存在する。

さらに、各ブレード６は、インペラの入口に設けられた前縁ＬＥと、インペラの出口に設けられた後縁ＴＥとを呈する。

本開示の１つの態様によれば、先端６Ｃは、第１の壁６Ａに位置合わせされている（図２参照）隆起リム８を呈する。その代わりに、ブレードの第２の壁６Ｂの自由端は、隆起リム８がない先端６Ｃの表面６Ｄと少なくとも部分的に位置合わせされている。

図２から明らかになり得るように、第２の壁が上記リムから離れる同じ断面において、第１の壁の高さＨ１は第２の壁の高さＨ２よりも大きい。任意の断面（図２）におけるブレード先端幅ＳＢとリム幅ＳＲとの比（ＳＢ／ＳＲ）は、ブレード先端の厚さに応じて２より大きくなり得る。ブレード６の第２の壁６Ｂは、上記隆起リム８から離れた先端の表面６Ｄと（その全長Ｌにわたって）完全に位置合わせすることができる。

図３は、隆起リム８が第１の壁の全長Ｌにわたって延伸していることを示している。

例えば、図４および図５に示すように、他の構成のブレードチップを設けることができる。

本実施形態の説明において、既に説明したものと機能的に同様の部分については、同じ参照符号を付して示し、説明を省略する。

図４は、上述したものと非常に類似した形態の隆起リム８を有するブレード先端を示す。また、隆起リム８には、第２の壁６Ｂの方向においてそこから延伸する１つまたは複数の部分８Ａが設けられている。上記部分８Ａは、図６に示すように、第２の壁６Ｂまで延伸してもよく、または、壁６Ｂから離れていてもよい（図８）。

部分８Ａは、図４のものの平面図に見られるように、第１の壁８Ａに対して垂直な方向に延伸することができる。

図５においても、隆起リムは、図３のものと同様であるが、リムから第１の壁８Ａに対して傾斜した方向に延伸する部分８Ｂを提供する。この傾きは、すべての部分８Ｂについて同じであってもよいし、または、各部分もしくは一部の部分が第１の壁６Ａに対して異なる傾きを有していてもよい。部分８Ｂは、（この解決策が図面に示されていない場合であっても）第２の壁６Ｂまで延在してもよく、またはそれから離れていてもよい。図５の上面図において、第１の壁６Ａに対する部分８Ａの軸の傾きαを理解することができ、傾きαは、−４５°から＋４５°の間に含まれていてもよい。

リム８、および、存在する場合はリムから延伸する部分８Ａまたは８Ｂが存在することによって、リム８Ａまたは８Ｂの存在は、段効率を増加させることができる散逸渦の発生に起因して、漏れ流れを低減することができる。

さらに、最も高い圧力比（左限界に向かう）での主流との先端漏れ流れ相互作用の減少による動作範囲の拡張が達成され得る。

本明細書で説明される主題の開示された実施形態が図面に示され、いくつかの例示的な実施形態と結び付けて具体的および詳細に上で十分に説明されてきたが、多くの修正、変更、および省略が、本明細書に記載された新たな教示、原理、および概念、並びに添付の特許請求の範囲に述べられる主題の利点から著しく逸脱することなく可能であることが当業者には明らかであろう。したがって、開示される技術革新の適切な範囲は、すべてのそのような修正、変更、および省略を含むように、添付の特許請求の範囲を最も広く解釈することによってのみ定められるべきである。加えて、任意のプロセスまたは方法ステップの順序または進行は、代替的な実施形態によれば、変更または並べ直されてもよい。

１ 遠心圧縮機
２ ステータ
３ 静翼
４ インペラ
５ 導管
６ ブレード
６Ａ 第１の壁
６Ｂ 第２の壁
６Ｃ 先端
６Ｄ 表面
７ ハブ
８ 隆起リム
８Ａ 部分
８Ｂ 部分
２０ シャフト
Ｇ 間隙
Ｈ１ 高さ
Ｈ２ 高さ
Ｌ 全長
ＬＥ 前縁
ＴＥ 後縁
ＳＢ ブレード最先端
ＳＲ リム幅

Claims (9)

1. ハブ（７）から延伸する複数のブレード（６）を備える遠心圧縮機インペラ（４）であって、各ブレードは、前記ブレードの正圧側を画定する第１の壁（６Ａ）と、前記ブレードの負圧側を画定する第２の壁（６Ｂ）と、前記ブレードの先端（６Ｃ）を画定する自由端とを有し、前記先端（６Ｃ）は、前記第１の壁（６Ａ）に位置合わせされている隆起リム（８）を呈し、前記第２の壁（６Ｂ）の自由端は、前記隆起リム（８）から離れている前記先端（６Ｃ）の表面（６Ｄ）と少なくとも部分的に位置合わせされている、遠心圧縮機インペラ（４）。
2. 前記隆起リム（８）は、前記第１の壁の全長（Ｌ）にわたって延伸する、請求項１に記載の遠心圧縮機インペラ（４）。
3. 前記ブレードの前記第２の壁（６Ｂ）が、前記隆起リム（８）から離れている前記先端の前記表面（６Ｄ）と完全に位置合わせされている、請求項１または２に記載の遠心圧縮機インペラ（４）。
4. 前記リム（８）は、前記第２の壁（６Ｂ）の方向に延伸する１つまたは複数の部分（８Ａ、８Ｂ）を呈する、請求項１〜３のうちの１つまたは複数に記載の遠心圧縮機インペラ（４）。
5. 前記部分（８Ａ）が、前記リムから前記第１の壁（６Ａ）に対して垂直な方向に延伸している、請求項１〜４に記載の遠心圧縮機インペラ（４）。
6. 前記部分（８Ｂ）が、前記リムから前記第１の壁（６Ａ）に対して傾斜した方向に延伸している、請求項１〜５のうちの１つまたは複数に記載の遠心圧縮機インペラ（４）。
7. 前記部分（８Ａ、８Ｂ）は、前記第２の壁（６Ｂ）まで延伸している、請求項１〜６のうちの１つまたは複数に記載の遠心圧縮機インペラ（４）。
8. 請求項１〜７のうちの１つまたは複数に記載の少なくとも１つの遠心圧縮機インペラ（４）が位置付けられている、少なくとも１つの静翼（３）と、前記インペラ（４）を出る流体を収集するために設けられている少なくとも１つのステータ導管（５）とを画定するステータ（２）を備える遠心圧縮機（１）であって、前記ブレードの前記先端（６Ｃ）は前記ステータ（２）に面している、遠心圧縮機（１）。
9. 前記圧縮機は、複数の遠心圧縮機インペラと、インペラを出る流体を収集して次のインペラに供給するための複数のステータ導管（５）とを備える、請求項８に記載の遠心圧縮機（１）。