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Description
本発明は、少なくとも部分的に透明な物体、特に眼鏡レンズの表面に関する表面データおよび/または測定データを決定する方法、ならびに、表面に関する表面データおよび/または測定データを決定するためのデバイス、ならびに、表面に関する表面データおよび/または測定データを決定するためのコンピュータプログラム製品に関する。
近年、フリーフォーム技術が光学産業に導入されている。眼鏡レンズの分野では、これは、例えば、個別に最適化されるレンズを含む。しかしながら、自由曲面を生成する可能性は、光学面を迅速、確実かつ非破壊的に全面にわたって測定する必要性をも生じさせている。したがって、品質保証のために表面データが決定される。表面データは、例えば、表面の高さデータ、および/または勾配データ、および/または曲率データを含むことができる。
1つの手法は、表面データを決定するための光学全面測定技法の使用を含む。レンズの表面は光を散乱せず、むしろ反射するため、従来の方法はここでは不十分である。代わりに、偏向測定法(または反射測定法)として知られている技法が利用される。この場合、測定対象にパターンを照射し、測定対象上で反射したこのパターンの画像を記録する。
投影からの座標(例えば、プロジェクタの画素座標)は、記録の座標(例えば、カメラの画素座標)に割り当てられる。プロジェクタおよびカメラの幾何形状が分かっている場合、反射面について結論づけることができる。
原理的には、「全面」法として指定される方法と、離散的なパターンで機能する方法は区別がなされる。全面法では、全面パターン(通常、正弦波強度曲線を有する異なるストライプパターン)が順次照射され、カメラの各画像点が個別に評価される。離散構造を使用する方法は、Hartmann型の方法としても知られている。これらの方法では、物体の表面上に離散的な複数の物体(最も簡単な場合には点)を照射し、画像処理によってカメラの画像におけるそれらの位置を判定し、それらの座標を評価する。
分析中、透明な物体から反射される光の強度にあいまいさが生じる可能性がある。特に、光路は、反射の位置と空間における反射面の配向の結果であるため、照明デバイス内の規定の点が、複数の異なる様態でカメラの同一の画素にマッピングされる可能性がある。
このあいまいさを解決し、表面データを計算するための様々な方法が知られている。必要な方法は、例えば以下の文献、すなわち、非特許文献1、非特許文献2、ステレオ偏向測定法(stereo deflectometry)(特許文献1)、方向符号化偏向測定法(direction coded deflectometry)(特許文献2)、眼鏡レンズの品質制御(特許文献3)に詳細に記載されている。
しかしながら、これらの方法のすべてにおいて、透明試料の照射パターンは、測定される物体の前面および裏面の両方から反射されることが一般的である。両方の画像がカメラ内で重なっているため、明確な評価が難しい。
特許文献3には、まず、眼鏡レンズの光学的に活性な表面のトポグラフィが決定され、次いで、決定されたトポグラフィを考慮して、眼鏡レンズの光学変数の局所的実際値l[X、V]が計算され、その後、計算された局所的実値l[X、V]の局所偏差F [X、V]を考慮して、眼鏡レンズの少なくとも1つの光学変数の20個の局所目標値S [X、V]が計算され、次いで、眼鏡レンズについて品質測定値Qが決定される、眼鏡レンズの品質管理のための方法が記載されており、その中で、計算された局所的変動F [X、V]が分析され、次いで、決定された品質測定値Qが品質規則に従って評価される。
D.Malacara「光学工場試験(Optical Shop Testing)」(Wiley lnterscience 1992)
H. Gross、B. Dorband (著者)、H. Muller「非干渉波面検知(Non lnterferometric Wavefront Sensing)」(Metrology of Optical Components and Systems、 Chapter 47、 Volume 5、 Handbook of Optical Systems、 (H. Gross編)、 Wiley−VCH、 2012)
本発明によって対処される課題は、特に品質保証のために、眼鏡レンズのような透明な物体の表面に関連する表面データおよび/または測定データが容易かつ確実に決定されることを可能にする方法を提供することである。
本発明によって対処されるさらなる課題は、特に品質保証のために、眼鏡レンズのような透明な物体の表面に関連する表面データおよび/または測定データが容易かつ確実に決定されることを可能にするデバイスを提供することである。
課題は、独立請求項の特徴によって解決される。本発明の有利な実施形態および利点は、さらなる請求項、本明細書および図面からもたらされる。
光学的に活性な第1の表面および反対側の光学的に活性な第2の表面を有する、少なくとも部分的に透明な物体、特に眼鏡レンズの、特に品質管理のための、表面に関する表面データおよび/または測定データを決定するための方法が提案され、方法は、少なくとも1つの照明デバイスの照射偏光を有する偏光を、調査される物体の分析領域に照射することを含み、照射偏光を設定するために、光は、照明デバイスに割り当てられた、または組み込まれた偏光子を通って導かれ、分析偏光を有する第1の表面および/または第2の表面から反射された光は、少なくとも1つの受光デバイスによって受け取られる。
光は、受光デバイスに割り当てられた、または受光デバイスに組み込まれた分析器(検光子)を通して導かれる。この方法は、偏光子の照射偏光および/または分析器(検光子)の分析偏光の設定によって、第1の表面または第2の表面から反射され、受光デバイスによって受け取られる望ましくない光強度を少なくとも部分的に抑制することと、分析領域内の表面に関連する表面データおよび/または測定データを決定するために、分析偏光を有する受け取られた光の強度分布または波面を測定することとをさらに含む。強度分布の代わりに、またはそれに加えて、波面の形状も測定されてもよく、波面は点光源から発生するか、または平行光からなり、パターンの一部として照射されるか、またはパターンの代わりに物体に対して照射される。
表面データおよび/または測定データは、例えば、用途に応じて、高さデータ、および/または勾配データ、および/または表面の曲率データを含むことができる。
本発明による方法の有利な実施形態によれば、表面データの目標データからの決定された表面データの偏差、および/または、表面の測定データに対する目標データからの測定データの偏差を、必要に応じて決定することができる。
この場合の分析器(検光子)は、反射光の分析に使用される偏光子を表す。光の入射面は、入射光の伝播方向および法線から反射面に及ぶ平面である。この平面は反射光の伝搬方向も含む。
本明細書に記載の方法はまた、少なくとも部分的に透明な物体の表面に関する表面データおよび/または測定データの測定中に、望ましくない反射を少なくとも部分的に抑制し、したがって、表面の信頼できる測定結果を提供する。このようにして、測定値を用いて、物体の第1の表面および第2の表面、典型的には前面および裏面に関する情報を得ることもできる。本発明による方法の特定の用途は、眼鏡レンズの品質制御を含む。この場合、偏光が本方法に使用され、垂直偏光および平行偏光の反射係数および透過係数が、それぞれの入射角に依存し、概して異なるという事実が利用される。直線偏光は、反射および屈折の間に偏光を変化させ得る。これは、通常、入射面に平行な成分(p偏光)に対して、入射面に垂直な成分(s偏光)とは異なる反射係数または透過係数が適用されるためである。2つの成分の強度に異なる影響がある場合、結果として生じる反射放射および/または屈折放射の偏光の方向が変化する。原則として、反射係数および透過係数は、特定の入射角に対してのみ有効である。測定のために、入射角は物体および照明デバイスの配置によって与えられる。
実際の角度は、物体のそれぞれの位置および対応する点における表面の勾配に依存するが、これらの偏差は、レイアウトによって指定された角度と比較して、いくつかの構成では小さいと考えることができる。
しかし、これとは独立して、多くの場合、望ましくない反射の完全な抑制は必要ではなく、むしろ減衰で既に十分であることは事実である。したがって、入射角および反射角の大きな偏差さえも重要ではない。そこで、極端なまたは中間の角度(例えば平坦な物体)を使用することができる。
本発明による方法は、少なくとも部分的に透明な物体(例えば、レンズまたは眼鏡レンズ)を提供することと、物体に光を照射し、物体から反射光を受光することによって記録を実施することと、物体の前面および/または後面で反射された光からの照射パターン要素/強度を割り当てることとを含む。この方法は、物体の少なくとも1つの表面の表面データおよび/または測定データを決定することと、適切な場合には比較するステップを含む。後者は、表面データと、表面データに対する目標データとを比較すること、測定データ(例えば、照明デバイス上の位置)と測定データに対する目標データとを比較すること、または、測定データに対する対象データからの測定データの変化に基づいて、表面データに対する目標データからの、表面データの偏差を計算することを含むことができる。測定データに対する目標データは、例えば、表面データに対する目標データから、レイトレーシング計算の結果として得ることができる。さらに、この方法は、必要に応じて偏差を評価することを含むこともできる。この方法は、決定された局所偏差から全体的な品質評価を行うことをさらに含むことができる。一般に、本発明による方法は、画素の反射の一部および/または一部の強度を割り当て、表面の一部についてのデータを決定するだけで十分である。
従来技術で知られているように、例えば、導入部に記載されたMalacara、Dorbandの文献(非特許文献1および非特許文献2)、ならびにステレオ偏向測定法、方向符号化偏向測定法および眼鏡レンズ品質制御に関する導入部に記載された文献(特許文献1、特許文献2および特許文献3)に記載されているように、前面において反射されている光強度を適切な方法で直接評価することができるが、裏面で反射された光の強度を分析する間、前面での屈折、物体を通じた透過、後面での反射、物体を通じて戻る透過、前面での再屈折が考慮に入れられるべきである。
原理的には、この方法を、例えば、HallアクロマートレンズおよびDollandアクロマートレンズ(Hall and Dolland achromatics)ならびにHastingトリプレット(Hasting triplets)などのアクロマートレンズなどの、異なる屈折率を有する部品要素からなる光学要素内の界面に拡張することも考えられる。この場合の「表面」とは、前面および後面だけでなく、例えば異なる材料間の光学素子内部の界面も含む。
照明デバイスの偏光子の選択された位置によって照射光の偏光を設定すること、場合によって表面における反射に対して偏光を変更すること、および、受光デバイスの分析器(検光子)の位置によって受け取られる光の決定されている偏光を選択することによって、個々の反射の標的化された少なくとも部分的な抑制または標的化された増強が可能である。これにより、例えば、前面または後面からの反射が標的化された様式でフィルタリングされることが可能である。
有利な実施形態によれば、照射偏光および/または分析偏光は、測定された強度分布において、望ましくない光強度が、分析偏光とは異なり偏光され、受光デバイスによって受け取られる光に対応するように、かつ/または、所望の光強度が、分析偏光と同じように偏光されている、受光デバイスによって受け取られる光に対応するように選択することができる。
このようにして、所望の光強度の検出される割合、すなわち1つの表面での反射から戻る光強度が、望ましくない光強度の検出される割合、すなわち、他方の面での反射から戻る光強度よりも大きくなるように、特別な場合にはさらに、望ましくない光強度の検出される部分が完全に抑制されるように、照射偏光および/または分析偏光を選択することができる。偏光子および分析器(検光子)の異なる向きの偏光を使用すること、ならびに、偏光子および分析器(検光子)の偏光を互いに漸進的に調整することによって、物体の前面および/または後面の標的化された反射が減衰されることが可能であり、したがって、前面または裏面上の反射の評価のために焦点を位置決めし、これにより表面に関するデータを決定することが可能である。
加えて、照射偏光および/または分析偏光は、測定された強度分布において、望ましくない光強度が、分析偏光に垂直に偏光されている、受光デバイスによって受け取られる光に対応するように、かつ、所望の光強度が、分析偏光に垂直に偏光されていない、受光デバイスによって受け取られる光に対応するように選択される。
ここでもまた、特に、所望の光強度の検出される割合、すなわち1つの表面での反射から戻る光強度が、望ましくない光強度の検出される割合、すなわち、他方の面での反射から戻る光強度よりも大きくなるように、さらにまた、望ましくない光強度の検出される部分が完全に抑制されるように、照射偏光および分析偏光を選択することができる。
偏光子および分析器(検光子)の異なる向きの偏光を使用すること、ならびに、偏光子および分析器(検光子)の偏光を互いに漸進的に調整することによって、物体の前面および/または後面の標的化された反射が減衰されることが可能であり、したがって、前面または裏面上の反射の評価のために焦点を位置決めし、これにより表面に関するデータを決定することが可能である。
前面および/または後面での反射を抑制するための角度位置は、必ずしも90°異なるものではない。そのような場合、他の表面からの反射は低減されるが、これは光強度の分析には重要ではない。さらに、複数の偏光子位置に関して、1つの表面の反射の少なくとも部分的な抑制に必要とされる分析器(検光子)のそれぞれの位置、および抑制されるべきでない反射の関連する強度が決定される。このとき、抑制されるべきでない反射の残りの強度または2つの反射のコントラストが最大化される位置が好ましい。
有利な実施形態によれば、照射偏光は、物体に入射する光および受光デバイスによって受け取られる光が及ぶ入射面に垂直または平行に偏光することができる。ここでは、反射として1つの成分しか生じず、したがって回転がなく、むしろ反射の抑制が生じるため、垂直および/または平行偏光が好ましくは使用され得る。
有利な実施形態によれば、照射偏光および分析偏光は、異なるように整列させることができる。
特に、入射面に対して垂直または平行に偏光された照射偏光の使用中、照射偏光および分析偏光の相互に直交する向きが特に好ましい。
有利な実施形態によれば、複数の照明デバイスを並列に使用することができ、その照射偏光はまた互いに異なる方向に向けることもでき、かつ/または、複数の受光デバイスを並列に使用することができ、その分析偏光はまた互いに異なる方向に向けることもできる。
物体の反射係数および透過係数は、試験される表面の局部的な勾配に依存するため、複数の受光デバイスおよび/または複数の照明デバイスが使用される表面の測定範囲、すなわちサイズおよび局部勾配を拡張することができる。これにより、物体の表面をよりカバーすることが可能になる。
このようにして、より大きく異なる表面勾配を有する所与の測定体積内の物体を測定することもできる。これは、それぞれの反射係数および透過係数が入射角に依存し、したがって、入射角および反射角が類似するより大きな勾配範囲を、複数の受光デバイスおよび/または複数の照明デバイスによってカバーすることができるためである。
有利な実施形態によれば、照射光は、物体の第1および第2の表面上に離散的なパターン要素を照射することができる。このようにして、測定された強度分布から対象物の2つの表面のうちの1つの分析領域における表面データおよび/または測定データを決定することは、受光デバイスによって受け取られた強度分布内の少なくとも1つの反射パターン要素の位置を検出することと、反射が発生する表面に反射パターン要素を割り当てることと、表面データおよび/または測定データを決定するために、照明デバイス上のパターン要素の位置および測定された強度分布における反射パターン要素の位置を使用することとを含むことができる。
下記においてパターン要素とも呼ばれる個々のビームおよび/または分離可能なパターンを生成する装置とともに作業することが有利であり得る。使用される方法に応じて、生成される放射は、拡散(例えば、従来の偏向測定方法)または指向性(例えば、方向符号化偏向測定法、規定の照射波面を用いる方法)であり得る。拡散放射は、例えば、散乱板と組み合わせて、または個々に少なくとも部分的に拡散光源(例えばLED)と組み合わせて、ディスプレイ、投影システム(例えば透過、マイクロミラー、スライド、アパーチャ、または(マイクロ)レンズ構成のディスプレイ)を使用して作成することができる。
指向性放射は、例えば、散乱板を備えていないそのような投影システムによって、または、散乱板およびその後の光学系(例えば、fθレンズ)を有するディスプレイおよび/もしくは投影システムによって生成することができる。上記パターン要素の記録に見られる反射を前面および/または後面に割り当てるステップは、個々のパターン要素を画素レベルで選択する前に、または、好ましくは各識別されたパターン要素を選択した後に実行することができる。画素レベルでの割り当ては、アナログ方式で有益に行うことができる。
一般に、パターン要素を識別した後、各パターン要素は、受光デバイスの画素座標によって記録内の位置を割り当てられるとともに、照明デバイス内の画素座標によって照明デバイス内の位置を割り当てられる。このようにして、測定アーキテクチャの既知の幾何形状に基づいて、測定すべき表面の表面データおよび/または測定データを既知の方法で決定することができる。
原理的には、この方法では偏光子の位置を使用することができる。次いで、分析器(検光子)の位置で、パターン要素を割り当てるために、前面および後面における反射、または、両面における反射をも使用することができる。
有利には、2つの分析器(検光子)位置を使用することができ、個々のパターン要素に由来する1つまたは複数の前面反射が、両面からの反射を含み得る、セットおよび/または記録からの1つまたは複数の後面反射を除外することによって決定される。同様に、後面反射の決定は、1つまたは複数の前面反射を除外することによって考えられる。
望ましくない反射を同時に減衰させることを伴う望ましい反射のこのような決定を可能にし、したがって、パターン要素に望ましい反射を割り当て、ここから表面に関する表面データおよび/または測定データの決定を可能にするために、3つ以上の分析器(検光子)位置で作業することも考えられる。所望の反射と望ましくない反射との間のさらに良好な区別を達成するために、複数の偏光子位置を用いて同様の方法で進行させることも考えられる。
好ましい実施形態によれば、反射が生じる表面に少なくとも1つのパターン要素を割り当てている間に、それぞれの反射パターン要素の光強度が、測定された強度分布から指定または決定される閾値と比較される。このようにして、有利には、パターン要素の確実な割り当てを可能にするために、強度が閾値を超えるパターン要素の反射のみが選択される。
好ましい実施形態によれば、反射が生じる表面に少なくとも1つのパターン要素を割り当てている間に、それぞれの反射パターン要素の偏光が、測定された強度分布に基づいて少なくともおおよそ決定される。このようにして、パターン要素への反射の割り当てを確実に決定することができるため、このような手法は適切である。次いで、反射器の偏光を、分析器(検光子)の相互に直交する位置を有する2つの測定値によって有利に決定することができる。
有利な実施形態によれば、照射光は、物体の第1の表面および第2の表面上に、例えば一定または正弦波の強度分布、または、連続的な強度分布を有する平面または線形パターン、特に線、バーを照射することができる。離散パターン要素の場合に説明したように、拡散放射または指向性放射を使用することができる。測定された強度分布から物体の2つの表面のうちの1つの分析領域において表面データおよび/または測定データを決定することは、測定された強度分布の少なくとも1つの点について、少なくとも1つの表面での反射によって生成され、受光デバイスによって受け取られる光強度を決定することと、表面における反射によって測定された強度分布の点にマッピングされる、照明デバイス上の光が発生する位置に点を割り当てることと、表面に関する表面データおよび/または測定データを決定するために、測定された強度分布における点の位置および照明デバイス上の割り当てられた位置を使用することを含むことができる。
この方法は、個々の分離可能なパターン要素をマッピングするのではなく、むしろ全面パターンをマッピングする。したがって、受光デバイスの各画素において、前面の対応する表面要素および後面の対応する表面要素の点状反射の強度が干渉する。通常インコヒーレントな干渉について、強度が合計されるため、前面および後面の寄与分は、各画素の分析のために再び分離される。
分析は個々の画素の強度を利用するため、受光デバイスの各画素において、前面反射の数および/または後面からの反射の割合が決定される。この方法は、前面反射または後面反射の強度を反映する「記録」を決定することに関する。これらから、物体上に結像される照明デバイスの位置を、その後、受光デバイスの個々の画素ごとに既知の方法で再構成することができる。このようにして、測定デバイスの指定の幾何形状に応じて同様の既知の方法で、測定すべき表面の表面データおよび/または測定データを決定することができる。
測定値の精度および/もしくは信頼性を高めるために、または、物体の不適切な形状(例えば、物体表面の照明方向に対する方向が大きく異なる物体形状)のために、上述の方法を用いた前面および後面反射の強度の分離が可能でない場合、以下の方法、すなわち、
・ 第1の偏光子位置(以下の測定変数の説明ではインデックスA)および第1の分析器(検光子)位置(インデックス1)による第1の記録、
・ 第1の偏光子位置(インデックスA)および第2の分析器(検光子)位置(インデックス2)による第2の記録、
・ 第2の偏光子位置(インデックスB)および第3の分析器(検光子)位置(インデックス3)による第1の記録、
・ 第2の偏光子位置(インデックスB)および第4の分析器(検光子)位置(インデックス4)による第2の記録、
・ 下記に説明するように、連立方程式を解くことによって前面および後面反射から生じる光強度の割合を画素ごとに計算すること、
を実施することができる。
・ 第1の偏光子位置(以下の測定変数の説明ではインデックスA)および第1の分析器(検光子)位置(インデックス1)による第1の記録、
・ 第1の偏光子位置(インデックスA)および第2の分析器(検光子)位置(インデックス2)による第2の記録、
・ 第2の偏光子位置(インデックスB)および第3の分析器(検光子)位置(インデックス3)による第1の記録、
・ 第2の偏光子位置(インデックスB)および第4の分析器(検光子)位置(インデックス4)による第2の記録、
・ 下記に説明するように、連立方程式を解くことによって前面および後面反射から生じる光強度の割合を画素ごとに計算すること、
を実施することができる。
前面反射(インデックスV)および後面反射(インデックスR)は、異なる光源(例えば、マットスクリーンの異なる画素)からの光をマッピングし、受光デバイスの同じ画素上に異なる元の強度Eをマッピングすることで、その場所の強度Dを検出する。前面反射は前面のみで反射される(反射係数RV)一方で、後面反射(実効反射係数RR)については、前面における第1の屈折(屈折率の透過係数BR1)、物体を通じた第1の透過(透過係数TR1)、物体の後面における反射(反射係数R1)、物体を通じて戻る第2の透過(透過係数TR2)、および、物体を出る際の第2の屈折(透過係数BR2)が起こる。
これは、A、B、1および2によって示される偏光方向が必ずしもs偏光またはp偏光である必要はないことを意味する。したがって、反射係数は、それぞれの偏光の成分に既知の様態で依存する。
次の連立方程式が4つの測定値に適用される。
この場合、好ましくは偏光方向AおよびBの照明デバイスについて、同じ強度、または、既知のファクタIだけ異なる強度が選択されることが好ましい。
達成された自由度は未知の係数または未知のパラメータを決定するために使用することができ、当該自由度に対して、係数は先験的に既知の方法で依存する。
前面の反射が消滅するように分析器(検光子)の偏光が選択された場合、連立方程式が単純になる(例えば、照射偏光Aおよび/またはB、ならびに分析偏光2、4および/または1、3に対してs偏光、p偏光を選択すると、
は消滅する。)。
は消滅する。)。
上記の単純化が適用される場合、以下が得られる。
好ましい実施形態によれば、照明デバイス上の少なくとも1つの点の位置を割り当てている間に、各反射点の偏光が、測定された強度分布に基づいて少なくともおおよそ決定される。このようにして、パターン要素への反射の割り当てを確実に決定することができるため、このような手法は適切である。
有利な実施形態によれば、第1の表面で反射された光の少なくとも部分的な抑制または強調のために、分析偏光が計算によって決定され得る。したがって、この方法は、照射された偏光を入射面内の垂直偏光成分および平行偏光成分に分解することを含む。次いで、2つの成分の光強度に、入射角および物体の材料の屈折率から生じるそれぞれの反射係数が乗算され、得られた反射光成分が合成される。次いで、反射光の偏光方向が決定され、分析器(検光子)の分析偏光が、反射光の偏光方向と少なくともほぼ垂直に、または少なくともほぼ平行に設定される。前面の反射の少なくとも部分的な抑制は、本発明によれば、後面反射を明確に強調または分離する役割を果たす。偏光軸の向きの決定は、ここでは1つの反射のみを考慮すればよいため、前面反射については後面反射に対してより概念的に単純である。一般に、前面の反射の少なくとも部分的な抑制または増強は、偏光子の各位置で実行することができる。したがって、分析器(検光子)の位置が適合される。
有利な実施形態によれば、第2の表面で反射される光の少なくとも部分的な抑制または強調のために、分析偏光が計算によって決定される。この方法は、照射された偏光を、第1の表面における屈折の入射面に対応する光の第1の入射面における垂直成分および平行成分に分解することと、その後、両方の成分の光強度に、第1の入射角および物体の材料の屈折率からもたらされるそれぞれの透過係数を乗算することとを含む。
この方法は、これらの成分を、第2の面における反射の入射面に対応する第2の入射面における垂直偏光成分および平行偏光成分に変換することと、その後、両方の成分の光強度に、第1の表面での屈折および第2の表面での反射によって与えられる第2の入射角、ならびに、物体および/またはホルダの材料の屈折率からもたらされるそれぞれの反射係数を乗算することと、をさらに含む。
次いで、これらの成分は、第1の面における第2の屈折の入射面に対応する第3の入射面内の垂直偏光成分および平行偏光成分に変換され、両方の成分の光強度に、第2の表面および第1の表面での反射よって与えられる第3の入射角、ならびに、物体の材料の屈折率からもたらされるそれぞれの第2の透過係数が乗算される。
このようにして得られた透過光の成分が合成され、第1の表面を介して2回目に屈折した光の偏光方向が決定され、分析器(検光子)の分析偏光が第1の表面を通じて2回目に屈折された光の偏光方向に少なくともほぼ垂直または少なくともほぼ平行に設定される。
後面からの反射の少なくとも部分的な抑制は、本発明によれば、前面反射を明確に強調または分離する役割を果たす。偏光軸の回転の決定は、この場合は2回の屈折、2回の透過および1回の反射が考慮される必要があるため、後面反射については前面反射よりも概念的に複雑である。一般に、ここでも、後面反射の少なくとも部分的な抑制または増強は、偏光子の各位置で実行することができる。したがって、分析器(検光子)の位置が適合される。
しかしながら、前の2つの段落に述べた入射角および入射面は、必ずしも物体で実際に発生する入射角または入射面に対応する必要はない。むしろ、多くの場合、物体または物体の分布に対して予測される角度の範囲(例えば、中央または境界)にある入射角または入射面を考慮すれば十分である。
有利な実施形態によれば、第1の表面または第2の表面で反射される光の光強度の少なくとも部分的な抑制のために、偏光子および/または分析器(検光子)の位置を経験的に決定することができる。この場合の方法は、偏光子の任意の位置および分析器(検光子)の任意の位置を設定することを含む。
次に、第1の表面および第2の表面で反射される光の強度分布が測定され、第1の表面で反射される光と第2の表面で反射される光とのコントラストが評価される。この後、第1の表面で反射される光と第2の表面で反射される光との間で達成されるべき所定または最大のコントラストが得られるまで、または、望ましくない光の強度の制限値に達したか、または、その値が制限値を下回る値を有するまで、偏光子および/または分析器(検光子)の位置が反復的に調整される。偏光子および分析器(検光子)の位置の数学的決定に加えて、望ましくない反射を最小にするための経験的手順も可能である。
さらなる態様では、本発明は、上述の方法を使用して、少なくとも部分的に透明な物体、特に眼鏡レンズの表面に関する表面データおよび/または測定データを決定するための装置に関する。この装置は、光軸上で照明デバイスの後ろにまたはその一部として配置される、照明偏光を有する偏光子を有する、少なくとも1つの照明デバイスと、光軸上で受光デバイスの前にまたはその一部として配置される、分析分光を有する分析器(検光子)を備える、少なくとも1つの受光デバイスと、物体のためのホルダ、とを備える。
離散パターン要素および/または平面パターンは、照明デバイスによって、偏光子を介して物体上に照射することができ、分析器(検光子)を介して受光デバイスによって検出することができる。
照明デバイスは、例えば、ディスプレイ、投影システム、個々の光源、または散乱板と投影システムとの組み合わせを含むことができるパターン生成器を含む。使用される方法に応じて、生成される放射は、拡散(例えば、従来の偏向測定方法)または指向性(例えば、方向符号化偏向測定法、規定の照射波面を用いる方法)であり得る。
拡散放射は、例えば、散乱板と組み合わせて、または個々の少なくとも部分的な拡散光源(例えばLED)と組み合わせて、ディスプレイ、投影システム(例えば透過、マイクロミラー、スライド、アパーチャ、または(マイクロ)レンズ構成のディスプレイ)から生成することができる。指向性放射は、例えば、散乱板を備えていない投影システムを通じて、または、散乱板およびその後の光学系(例えば、fθレンズ)を有するディスプレイおよび/もしくは投影システムを通じて生成することができる。
受光デバイスは、例えば、照明デバイスによって照射され、物体で反射される光を捕捉するカメラを含む。本発明によれば、偏光素子が、これらの偏光素子の一方または両方が既に照明デバイスまたは受光デバイスの一部でないことを条件として、照明デバイスと物体との間、および物体と受光デバイスとの間に挿入される。
これらの偏光素子の一方または両方は、偏光面の異なる位置を設定することができるように、例えば光軸上に回転可能に取り付けられる。
物体の反射係数および透過係数は、試験される表面の局部的な勾配に依存するため、複数の受光デバイスおよび/または複数の照明デバイスが使用される表面の測定範囲、すなわちサイズおよび局部勾配を拡張することができる。これにより、物体の表面をよりカバーすることが可能になる。
このようにして、より大きく異なる表面勾配を有する所与の測定体積内の物体を測定することもできる。これは、それぞれの反射係数および透過係数が入射角によるもので、したがって、入射角および反射角が類似するより大きな勾配範囲を、複数の受光デバイスおよび/または複数の照明デバイスによってカバーすることができるためである。
特定の有利な実施形態によれば、照明デバイスの離散パターン要素および/または平面もしくは線形パターンは、偏光子を介して物体上に照射することができ、受光デバイスが分析器(検光子)を介して受け取ることができる。
或いは、波面(例えば、点光源からの光または平行光からなる光)も物体に照射することができ、波面はさらにパターンに重ね合わせることもできる。波面は物体(前面と後面)で反射され、次いで、分析することができる。したがって、有利な実施形態によれば、偏光子を有する照明デバイスは、物体上に所定の照射偏光を有する放射を照射することができ、分析器(検光子)を有する受光デバイスは、分析器(検光子)によって決定される偏光成分の波面を受け取ることができる。
この場合、照射された放射は、所定の、特に平面または球形の波面を含み、受光デバイスは、波面の形状を分析し、したがって、Hartmann原理(アパーチャプレートおよび受光ユニット)、Shack−Hartmann原理((マイクロ)レンズアレイおよび受光ユニット)、モアレ原理、または干渉法に従って動作することができる。この場合にも、物体の前に偏光子を、物体の後ろで分析器(検光子)を使用して、前面および後面からの反射を本発明に従って分離することができる。
有利な実施形態によれば、装置は、受光デバイスによって受け取られる光放射を分析するためのデータ処理デバイスを備えることができる。したがって、データ処理デバイスは、受光デバイスによって受け取られる反射光放射の分析を制御する。このデータ処理デバイスまたは他のデータ処理デバイスは、照明デバイスに接続され、照明デバイスのパターン生成を制御することもできる。照明は柔軟であってもよく、固定であってもよい。
本発明のさらなる態様は、少なくとも部分的に透明な物体、特に眼鏡レンズの表面に関する表面データおよび/または測定データを決定するためのコンピュータプログラム製品に関する。コンピュータプログラム製品は、データ処理デバイス上でプログラムコードが実行される場合、上述の方法を実行するように構成されるプログラムコードを含む、コンピュータ可読記憶媒体を含む。
さらなる利点は、以下の図面の説明から明らかになる。図面は、本発明の例示的な実施形態を示す。図面、本明細書および特許請求の範囲は、多くの特徴を組み合わせて含む。当業者はまた有益に、これらを個別に考慮し、それらを組み合わせて有意義なさらなる組み合わせにする。図面は、一例として以下の通り示す。
図面において、同様のまたは同様に作用する構成要素には同じ参照符号が付されている。図面は単なる例を示しており、限定するものとして理解されるべきではない。
図1は、入射角αの関数として入射面に対して光が垂直(Rs)に偏光される場合および平行(Rp)に偏光される場合の透明物体の前面における反射の反射係数を示す。直線偏光は、反射および屈折の間にその偏光を変化させ得る。これは、通常、入射面に平行な成分(p)に対して、入射面に垂直な成分(s)とは異なる反射係数または透過係数が適用されるためである。2つの成分の強度に異なる影響がある場合、結果として生じる反射放射および/または屈折放射の方向が変化する。図1は、2.0の屈折率を有する材料から作られた物体の前面における反射の反射係数を示す。透過係数は、対応する反射係数を合計100%にして補完する。また、平行配向されている光の反射が消滅するブルースター角も図示されている。
図2は、入射角αの関数として入射面に対して垂直(Rs)に偏光される光および平行(Rp)に偏光される光に関する、図1の物体の後面における反射の対応する反射係数を示す。物体の後面における全反射領域は、既に約30°の入射角で始まっている。透過係数は、対応する反射係数を合計100%にして補完する。また、平行配向されている光の反射が消滅するブルースター角も図示されている。
図3は、照明デバイス101および受光デバイス102を備える、本発明の例示的な実施形態による、物体10、特に眼鏡レンズの表面12、14に関する表面データ16、18および/または測定データを決定するための装置100の概略図を示す。装置100は、光軸106上で照明デバイス101の後ろに配置されている、照射偏光を有する偏光子108を備える照明デバイス101と、光軸107上で受光デバイス102の前に配置されている、分析偏光を有する分析器(検光子)110を備える受光デバイス102と、物体10のホルダ104とを備える。本発明による方法では、離散パターン要素または平面パターンを有する光ビーム20および/または波面21が、照明デバイス101から偏光子108を介して物体10に照射され、分析器(検光子)110を介して受光デバイス102によって受け取られる。装置は、照明デバイス101を制御し、受光デバイス102によって受け取られる反射光放射を分析するためのデータ処理デバイス120をさらに備える。データ処理デバイス120は、照明デバイス101のパターン生成を制御し、受光デバイス102によって受け取られる反射光放射を分析する。
眼鏡レンズの形態の物体10は、高さデータ、勾配データおよび曲率データなどの対応する表面データ16を有する第1の表面12(この場合、眼鏡レンズの前面)と、対応する表面データ18を有する第2の表面14(この場合、眼鏡レンズの後面)とを備える。物体10は、その第2の表面14がホルダ104上にあり、ホルダは、安定した明確な取り付けのために、三脚として有利に構成されている。そして、ホルダ104は、支持体105上に配置される。照射される光は、物体10の前面12上の正接面30に対する法線32に対して角度αで、特定の強度分布20または波面21で入射する。光は、前面12で部分的に反射される。前面12で反射される光の強度分布22または波面24は、分析器(検光子)110を介して受光デバイス102によって測定される。直接的に反射されない入射光の一部は、物体10への透過として貫入する。透過光の一部は後面14で反射され、再び物体10を通過し、前面12でこの光の一部が屈折され、その後、同様に受光デバイス102によって強度分布23または波面25において測定することができる。
図4は、物体10の第1の表面12および第2の表面14で反射された光放射の入射角および反射角または回折角α、β、γ、δ、εの定義を示す。角度αは、強度分布22または波面24として測定される、第1の表面12で反射される放射の入射角および反射角を規定する。角度βは、第1の表面12で物体に入射した入射放射の屈折に対応する屈折角を規定する。角度γは、第1の表面12での屈折および第2の表面14での反射によって生じる入射角および反射角を規定する。角度δおよびεは、出射した後に強度分布23または波面25として測定される、第2の表面14で反射されている放射が第1の表面12で屈折することによって得られる入射角および屈折角を規定する。
図5は、複数の照明デバイス101および複数の受光デバイス102を有する、本発明のさらなる例示的な実施形態による、物体10の表面に関する表面データ16、18および/または測定データを決定するための装置100の概略図を示す。これにより、物体10の表面をよりカバーすることが可能になる。このようにして、より大きく異なる表面勾配を有する所与の測定体積内の物体を測定することもできる。これは、それぞれの反射係数および透過係数が入射角に依存し、したがって、入射角および反射角が類似するより大きな勾配範囲を、複数の受光デバイスおよび/または複数の照明デバイスによってカバーすることができるためである。
図6は、図3に示す装置100および本発明の例示的な実施形態による方法を使用して、眼鏡レンズの前面12および後面14から反射される離散パターン要素16からなるパターンの反射の記録の概略図を示す。測定対象物(プラスチックレンズ)には、照明デバイス100を表すLED照明、および、4つのパターン要素からなる4つの列として照射されるパターンによって照射される。画像は産業用カメラで撮影されている。照射される光は、長鎖ポリマーから作製されるフィルム片によって偏光される。このフィルムのさらなる片を受光デバイスの前にある分析器(検光子)として使用した。したがって、分析器(検光子)の偏光方向は、図7に示す画像を撮影するために使用されている分析器(検光子)の偏光方向に対して垂直である。対照的に、偏光子の偏光方向は、図7に示す画像を撮影するために使用されている偏光器の偏光方向に対応する。
これに比べ、図7では、偏光子の位置が予め定められており、前面反射が抑制されるように分析器(検光子)の位置が選択されている、図6からの離散パターン要素の反射の記録を示す。眼鏡レンズの後面からの反射のみが目視可能である。
図8は、図6および図7の分析器(検光子)位置とは異なる分析器(検光子)位置によって、後面反射が抑制されている、図6からの離散パターン要素の反射の記録の概略図を示す。
図9は、本発明の例示的な実施形態による、光学的に活性な第1の表面12および反対側の光学的に活性な第2の表面14を備える少なくとも部分的に透明な物体10、特に眼鏡ガラスの表面12、14に関する表面データ16、18および/または測定データを決定する方法のフロー図を示す。参照符号は、図3の表現に関連する。ステップS110において、調査されるべき物体10の分析領域34に、少なくとも1つの照明デバイス101からの照射偏光を有する偏光が照射され、照射偏光を設定するために、照明デバイス101の光が偏光子108を通って導かれる。ステップS120において、第1の表面12および/または第2の表面14で反射され、分析偏光を有する光が、少なくとも1つの受光デバイス102によって受け取られ、光は受光デバイス102に割り当てられた分析器(検光子)110を通過する。ステップS130は、偏光子108の放射偏光および/または分析器(検光子)110の分析偏光を設定することによって、第1の表面12または第2の表面14によって反射され、受光デバイス102によって受け取られる望ましくない光強度を少なくとも部分的に抑制することを含む。或いは、偏光子108および分析器(検光子)110は、測定の開始前に、望ましくない光強度を抑制するための適切な既知の位置に既に設定されていてもよい。ステップS140において、適切であれば、ステップS130における望ましくない光強度の少なくとも部分的な抑制に成功した後、分析領域34内の表面データ16、18を検出するために、第2の表面14または第1の表面12から反射され、受光デバイス102によって受け取られる光強度の強度分布22、23が分析領域34にわたって測定され、一方で、ステップS150において、上記データは、分析エリア34内の検出された表面データ16、18の、分析エリア34内の目標データからの偏差を決定するために使用される。
照射偏光および分析偏光は、測定された強度分布22、23において、望ましくない光強度が、分析偏光とは別様に偏光されている、受光デバイス102によって受け取られる光に対応するように選択される。さらに、照射偏光および分析偏光は、所望の光強度が、分析偏光と同様に偏光されている、受光デバイス102によって受け取られる光に対応するように、適切に選択され、望ましい光強度は、望ましくない光強度よりも大きい。照射偏光および分析偏光は、有利には、互いに別様に配向され、特に直交して配向され得る。有利には、照射偏光は、物体10に入射する光および受光デバイス102によって受け取られる光が及ぶ入射面に垂直または平行に偏光される。特に、この場合、照射偏光および分析偏光は、有利には互いに直交して構成される。例えば、物体10の分析領域34をよりカバーするために、複数の照明デバイス101および/または複数の受光デバイス102を並列に使用することができる。
第1の表面12、すなわち物体10の前面(図4参照)で反射される光の少なくとも部分的な抑制のために、分析偏光を数学的に決定することができる。この目的のために、照射された偏光は、入射面内の垂直偏光成分および平行偏光成分に分解される。次いで、両方の成分の光強度に、第1の入射角αおよび物体10の材料の屈折率からもたらされるそれぞれの反射係数が乗算される。このようにして得られた反射光の成分は合成され、反射光の偏光方向を決定するために使用される。分析器(検光子)110の分析偏光は、反射光の偏光方向に少なくともほぼ垂直に設定することができる。
第2の表面14、すなわち物体10の後面(図4参照)で反射される光の少なくとも部分的な抑制のために、分析偏光を同様に数学的に決定することができる。この目的のために、照射された偏光が、第1の表面12における屈折の入射面に対応する光の第1の入射面における垂直成分および平行成分に分解され、両方の成分の光強度に、第1の入射角αおよび物体10の材料の屈折率からもたらされるそれぞれの透過係数が乗算される。
これらの成分は、第2の面14における反射の入射面に対応する第2の入射面内の垂直偏光成分および平行偏光成分に変換され、ここから、2つの成分の光強度に、第1の表面12および第2の表面14での反射によって与えられる入射角γ、ならびに、物体10および/またはホルダ104の材料の屈折率からもたらされるそれぞれの反射係数が乗算される。次いで、これらの成分は、第1の面12における第2の屈折の入射面に対応する第3の入射面内の垂直偏光成分および平行偏光成分に変換され、2つの成分の光強度に、第2の表面14および第1の表面14での反射によって与えられる入射角δ、ならびに、物体10の材料の屈折率からもたらされる第2の透過係数がそれぞれ乗算される。次いで、このようにして得られた屈折光の成分が合成され、第1の表面12を介して2回目に屈折した光の偏光方向が決定され、それゆえ、分析器(検光子)110の分析偏光が第1の表面12を通じて2回目に透過された光の偏光方向に少なくともほぼ垂直または少なくともほぼ平行に設定される。
或いは、第1の表面12または第2の表面14で反射される光の光強度は、偏光子108および/または分析器(検光子)110の位置を経験的に決定することによって、少なくとも部分的に抑制される。この場合、偏光子108のランダムな位置および分析器(検光子)110のランダムな位置が設定され、第1の表面12および第2の表面14で反射される光の強度分布22、23が測定される。第1の表面12で反射される光と第2の表面14で反射される光とのコントラストが測定される。この後、第1の表面12で反射される光と第2の表面14で反射される光との間で所定のコントラストが達成されるまで、または、望ましくない光の強度の制限値に達したか、または、その値が制限値を下回る値を有するまで、偏光子108および/または分析器(検光子)110の位置が反復的に調整される。
図10は、本発明の例示的な実施形態による、離散パターン要素を使用して少なくとも部分的に透明な物体10の表面12、14に関する表面データ16、18および/または測定データを決定するための方法のフロー図を示す。照射される光は、物体10の第1の表面12および第2の表面14上に離散パターン要素を放射する。ステップS210において、受光デバイス102によって受け取られる強度分布22、23における少なくとも1つの反射パターン要素の位置が検出される一方、ステップS220において、反射パターン要素が、反射が生じる表面12、14に割り当てられる。ステップS230において、照明デバイス101上のパターン要素の位置および測定される強度分布22、23における反射パターン要素の位置が、表面12、14のうちの1つに関する表面データ16、18を決定するために使用される。反射が生じる表面12または14に少なくとも1つのパターン要素を割り当てている間に、それぞれの反射パターン要素の光強度が、有益に、所定のまたは測定された強度分布22、23から決定される閾値と比較され得る。反射が生じる表面12、14に少なくとも1つのパターン要素を割り当てている間に、それぞれの反射パターン要素の偏光が、測定された強度分布22、23に基づいて少なくともおおよそ決定され得る。次いで、反射器の偏光を、分析器(検光子)110の相互に直交する位置を有する2つの測定値によって有利に決定することができる。
図11は、本発明のさらなる例示的な実施形態による、平面パターンを使用して少なくとも部分的に透明な物体10の表面12、14に関する表面データ16、18および/または測定データを決定するための方法のフロー図を示す。照射光は、物体10の第1の表面12および第2の表面14上に、例えば一定または正弦波の強度分布、または、連続的な強度分布を有する平面、特に線またはバーを照射することができる。ステップS310において、測定される強度分布22、23の少なくとも1つの点について、少なくとも1つの表面12、14で反射されて受光デバイス102によって受け取られる光強度が検出され、一方で、ステップS320において、表面12、14での反射によって測定される強度分布22、23の点にマッピングされる、光が発生する照明デバイス101上の位置が、対応する点に割り当てられる。ステップS330において、測定される強度分布22、23における点の位置および照明デバイス101上の割り当てられた位置が、割り当てられた表面12、14の表面データを決定するために使用される。照明デバイス101上の少なくとも1つの点の位置を割り当てている間に、各反射点の偏光を、有益に、測定された強度分布22、23に基づいて少なくともおおよそ決定することができる。
図12は、さらに、測定が2つの分析器(検光子)位置を使用して実行される、本発明による方法の例示的な実施形態のフロー図を示す。このような測定は、例えば離散パターン要素を用いて行うことができる。照射される光は、物体10の第1の表面12および第2の表面14上に離散パターン要素を放射する。ステップS410において、偏光子108の位置および分析器(検光子)110の位置を使用した第1の測定が、物体10の前面12の反射が減衰するように記録される。次に、ステップS420において、第1の画像記録においてパターン要素が選択され、第1の閾値を超える強度を有するパターン要素が、後面測定反射のセットに割り当てられる。このセットは、図7に概略的に示されているパターン要素のセットに対応する。ステップS430において、第2の測定が、好ましくは90°、または、本発明に従って予め決定される角度に従って分析器(検光子)110の偏光面を回転させた後に実行される。ステップS440において、第2の画像記録におけるパターン要素が選択され、第2の閾値を超える強度を有するパターン要素が、すべての測定反射のセットに割り当てられる。このセットは、図6に概略的に示されているすべてのパターン要素からなるセットに対応する。ステップS450において、後面測定反射のセットの要素がすべての測定反射からなるセットから除去され、残りの要素が前面に割り当てられる。このセットは、図8に概略的に示されているパターン要素のセットに対応する。このようにして、後面反射を排除することによって前面反射を決定することができる。この方法は、物体10の幾何学的または材料特性のため、後面反射の抑制が困難である場合に特に適している。
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