本発明はジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミド及び関連化合物、RORγ活性を促進するならびに/または対象におけるIL−17の量を増加させる方法、及びジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミド及び関連化合物の治療的使用を提供する。本発明の実施にあたっては、別段の指示がない限り、有機化学、薬理学、分子生物学(組み換え技術を含む)、細胞生物学、生化学、及び免疫学の従来の技術を用いる。前記の技術は、例えば”Comprehensive Organic Synthesis” (B.M. Trost & I. Fleming, eds., 1991−1992); ”Handbook of experimental immunology” (D.M. Weir & C.C. Blackwell, eds.); ”Current protocols in molecular biology” (F.M. Ausubel et al., eds., 1987, 及びperiodic updates);及び ”Current protocols in immunology”(J.E.Coligan et al.,eds.,1991)等の文献で説明されており、これらのそれぞれを全体として参照によって本明細書に引用する。
本発明の種々の態様を各セクションにおいて以下に説明するが、ある特定のセクションで説明する発明の態様は、いかなる特定のセクションにも限定されるものでない。さらに、可変部に定義が付随していない場合は、以前の変数の定義が優先する。
定義
本明細書で用いる用語は通常の意味を有しており、それらの用語の意味はそのそれぞれの出現時点で独立である。それにもかかわらず、また特に明記されている場合を除いて、以下の定義は明細書及び特許請求の範囲の全体を通して適用される。同一の構造を表すため化学名、一般名、及び化学構造を区別せず使用することができる。化学構造と化学名の両方を用いて化合物に言及し、構造と名称の間に不明確さがある場合は、構造が優先する。これらの定義は、特に断りがない限り、用語が単独で使用されるか他の用語と組み合わせて使用されるかにかかわらず適用される。従って、「アルキル」の定義は、「アルキル」だけでなく「−O−アルキル」などの「アルキル」の部分にも適用される。
「アルキル」という用語は、炭素数1〜12、1〜10、または1〜6の直鎖または分岐炭化水素基などの飽和型の直鎖または分岐炭化水素のことをいい、ここでは、例えばそれぞれC1〜12アルキル、C1〜10アルキル、及びC1〜6アルキルという。代表的なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−3−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどがあるが、これらに限定されない。
「アルキレン」という用語はジラジカルのアルキル基のことをいう。代表的アルキレン基としては、−CH2−、−CH2CH2−、及びCH2C(H)(CH3)CH2−などがある。「−(C0アルキレン)−」という用語は結合のことをいう。従って、「−(C0〜3アルキレン)−」という用語は、結合(すなわちC0)及び−(C1〜3アルキレン)基を包含する。
「ヘテロアルキレン」とい用語は、1個以上の炭素原子がヘテロ原子(例えば、N、O、またはS)で置き換えられたアルキレン基のことをいう。代表的ヘテロアルキレン基としては、−CH2O−、−CH2OCH2−、及びCH2CH2O−などがある。ヘテロアルキレン基は、例えば、炭素とヘテロ原子(例えば、N、O、またはS)からなる群から選択される2〜4、2〜6、または2〜8個の原子を含むことができる。
「シクロアルキル」という用語は、炭素数3〜12、3〜8、4〜8、または4〜6の環状、二環式、または有橋環式(例えば、アダマンチル)炭化水素基のことをいい、本明細書では、例えばシクロアルカンから誘導された「C3〜C6シクロアルキル」のようにいう。代表的なシクロアルキル基としては、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロブチル、及びシクロプロピルなどがある。
「シクロアルキレン」という用語は、ジラジカルのシクロアルキル基のことをいう。代表的なシクロアルキレン基としては、
などがある。
「ハロアルキル」という用語は、少なくとも1個のハロゲンで置換されたアルキル基のことをいう。代表的なハロアルキル基としては、−CH2F、−CHF2、−CF3、−CH2CF3、−CF2CF3などがある。「フルオロアルキル」という用語は、少なくとも1個のフッ素原子で置換されたアルキル基のことをいう。
「ヒドロキシアルキル」という用語は、少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されたアルキル基のことをいう。代表的なヒドロキシアルキル基としては、−CH2CH2OH、−C(H)(OH)CH3、−CH2C(H)(OH)CH2CH2OHなどがある。
「アラルキル」という用語は、アリール基で置換されたアルキル基のことをいう。代表的なアリール基としては、
などがある。
「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリール基で置換されたアルキル基のことをいう。
「アルケニル」及び「アルキニル」という用語は、当該技術分野で承認されており、上記のアルキル基と長さ及び可能な置換が類似した不飽和の脂肪族基のことをいうが、それぞれ少なくとも1個の二重結合または三重結合を含む。
「アリール」という用語は当該技術分野で承認されており、炭素環の芳香族基のことをいう。代表的なアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントラセニルなどがある。特に指定がない限り、芳香族環は、環の1個以上の位置が、例えばハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、カルボン酸、−C(O)アルキル、−CO2アルキル、カルボニル、カルボキシル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド(sulfonamido)、スルホンアミド(sulfonamide)、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール部分、−CF3、−CNなどで置換されてもよい。さらに「アリール」という用語は、その2個以上の炭素が2個の隣接する環に共通する2個以上の炭素環(これらの環は「縮合環」である)を有する多環式芳香族系も含み、ここで縮合環は全て、例えばナフチル基において、芳香族環である。
「フェニレン」という用語は、多価ラジカル(例えば、2価または3価のラジカル)のベンゼンのことをいう。例をあげて説明すると、2価ラジカルのベンゼンは式
で表される。
「部分不飽和2環式カルボシクリル」という用語は、環炭素原子間の炭素−炭素二重結合を少なくとも1個含む2環式カルボシクリル基のことをいい、この2環式カルボシクリル基の少なくとも1個の環は芳香族ではない。部分不飽和2環式カルボシクリルの代表的な例としては、例えば
などがある。
「ヘテロアリール」という用語は、当該技術分野において承認されており、環に少なくとも1個のヘテロ原子を含む芳香族基のことをいう。場合によっては、ヘテロアリール基は、環に1、2、3、または4個のヘテロ原子(例えば、O,N、及びS)を含む。ヘテロアリール基の代表的な例としては、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニル及びピリミジニルなどがある。特に指定がない限り、ヘテロアリール環は、環の1個以上の位置が、例えばハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、カルボン酸、−C(O)アルキル、−CO2アルキル、カルボニル、カルボキシル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド(sulfonamido)、スルホンアミド(sulfonamide)、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール部分、−CF3、−CNなどで置換されてもよい。「ヘテロアリール」という用語には、その2個以上の環原子が2個の隣接する環に共通する2個以上の環(これらの環は「縮合環」である)を有する多環式芳香族系を含み、ここで縮合環は、例えばナフチリジニル基において、全て芳香族環である。特定の実施形態において、ヘテロアリールは単環式の5〜6員環または2環式の9〜10員環である。
「ヘテロアリーレン」という用語は、環に少なくとも1個のヘテロ原子を含む多価(例えば、2価または3価)の芳香族基のことをいう。「ヘテロアリーレン」の代表的な例は、ピリジニレンであり、これは2価ラジカルのピリジンである。例えば、2価ラジカルのピリジンは式
で表される。特定の実施形態において、「ヘテロアリーレン」は、環に1、2、または3個のヘテロ原子(例えば、O、N、S)を含む2価の5〜6員のヘテロ芳香族基である。
オルト、メタ、パラという用語は、当該技術分野において承認されており、それぞれ1,2−、1,3−、及び1,4−の2置換ベンゼンのことをいう。例えば、1,2−ジメチルベンゼンという用語とオルト−ジメチルベンゼンという用語は同義語である。
本明細書で使用される「ヘテロ環式」及び「ヘテロシクリル」という用語は、例えば、1個以上のヘテロ原子を含む芳香族環または非芳香族環(例えば、単環式または2環式の環)を表す。ヘテロ原子は互いに同一または異なることがあり得る。ヘテロ原子の例としては、窒素、酸素、及び硫黄があるが、こられに限定されない。芳香族及び非芳香族のヘテロ環は当該技術分野においてよく知られている。芳香族ヘテロ環の非限定的例としては、ピリジン、ピリミジン、インドール、プリン、キノリン及びイソキノリンがあるが、これらに限定されない。非芳香族ヘテロ環化合物の非限定的例としては、ピペリジン、ピペラジン、モルフォリン、ピロリジン及びピラゾリジンなどがあるが、これらに限定されない。酸素含有ヘテロ環の例としては、フラン、オキシラン、2H−ピラン、4H−ピラン、2H−クロメン、ベンゾフラン、及び2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシンなどがあるが、これらに限定されない。硫黄含有ヘテロ環の例としては、チオフェン、ベンゾチオフェン、及びパラチアジンなどがあるが、これらに限定されない。窒素含有ヘテロ環の例としては、ピロール、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリジン、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピリジン、ピペリジン、ピラジン、ピペラジン、ピリミジン、インドール、プリン、ベンゾイミダゾール、キノリン、イソキノリン、トリアゾール、及びトリアジンなどがあるが、これらに限定されない。2個の異なるヘテロ原子を有するヘテロ環の例としては、フェノチアジン、モルフォリン、パラチアジン、オキサジン、オキサゾール、チアジン、及びチアゾールなどがあるが、これらに限定されない。ヘテロ環は、さらに環の1個以上の位置が、例えばハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、カルボン酸、−C(O)アルキル、−CO2アルキル、カルボニル、カルボキシル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド(sulfonamido)、スルホンアミド(suruhonamide)、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール部分、−CF3、−CNなどで、任意に置換される。特定の実施形態において、ヘテロシクリル基は特に指定がない限り、置換された、または置換されていない3〜7員環である。
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、3〜7個の環原子(例えば、O、N、またはS)を有する飽和ヘテロシクリル基のことをいう。
「ヘテロシクロアルキレン」という用語は、例えば3〜7の環原子を含む多価(例えば、2価または3価)の飽和ヘテロシクリル基のことをいう。代表的な「ヘテロシクロアルキレン」はピペリジニレンであり、これは多価ラジカルのピペリジンである。特定の実施態様において、「ヘテロシクロアルキレン」は、1個または2個の環ヘテロ原子(例えば、O、N、S)を含む2価の5〜6員環の飽和ヘテロシクリルである。
「部分不飽和2環式ヘテロシクリル」という用語は、2個の環原子間の二重結合を少なくとも1個含む2環式ヘテロシクリル基のことをいい、この2環式カルボシクリル基の少なくとも1個の環は芳香族ではない。部分不飽和2環式ヘテロシクリルの代表的な例としては、例えば、
などがある。
「部分不飽和2環式オキソ−ヘテロシクリル」という用語は、2個の環原子間の二重結合を少なくとも1個、オキソ置換基を1個含む2環式ヘテロシクリル基のことをいい、この2環式ヘテロシクリル基の少なくとも1個の環は芳香族ではない。部分不飽和2環式オキソ−ヘテロシクリルの代表的な例としては、例えば、
などがある。
「環に少なくとも1個の不飽和炭素原子を含む5〜6員ヘテロ環基」という語句は、少なくとも1個の環炭素原子を有する5〜6員ヘテロ環基のことをいい、ここで前記の環炭素原子は、例えばヘテロ環内の別の原子などの別の原子と二重結合を形成するか、または環外の酸素原子との二重結合を形成して、この環炭素原子がC=O基の一部となる。代表的な環に少なくとも1個の不飽和炭素を有する5〜6員のヘテロ環基としては、例えば、
などがある。
「アミン」及び「アミノ」という用語は、当該技術分野で承認されており、非置換及び置換アミンの両方、例えば、一般式
で表されることができる部分のことをいい、ここでR
50、R
51、R
52、R
53は、それぞれ独立して水素、アルキル、アルケニル、−(CH
2)
m−R
61を表し、もしくはR
50とR
51が、それらが結合しているN原子と共に環構造に4〜8個の原子を有するヘテロ環を形成し、ここでR
61はアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロ環または多環を表し、mは0または1〜8の整数である。特定の実施形態においてR
50またはR
51のうち1つだけがカルボニルであることができ、例えば、R
50、R
51及び窒素は組み合わされてイミドを形成しない。他の実施形態において、R
50及びR
51(及び任意にR
52)はそれぞれ独立に、水素、アルキル、アルケニル、または−(CH
2)
m−R
61を表す。
「アルコキシル」または「アルコキシ」という用語は、当該技術分野で承認されており、それに結合した酸素ラジカルを有する、先に定義したようなアルキル基のことをいう。代表的なアルコキシル基としては、メトキシ、エトキシ、プロピロキシ、tert−ブトキシなどがある。「エーテル」は酸素で共有結合により連結された2個の炭素水素である。従って、そのアルキルを、エーテルとするアルキルの置換基はアルコキシルであるかアルコキシルに類似しており、例えば−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、及び−O−(CH2)m−R61のうちの1つで表してもよい。ここでm及びR61は上記の通りである。
「ハロアルコキシ」という用語は、少なくとも1個のハロゲンで置換されたアルコキシ基のことをいう。代表的なハロアルコキシ基としては、−OCH2F、−OCHF2、−OCF3、−OCH2CF3、−OCF2CF3などの基がある。「フルオロアルコキシ」という用語は、少なくとも1個のフッ素原子で置換されたアルコキシ基のことをいう。
「オキソ」という用語は当該技術分野で承認されており、「=O」置換基のことをいう。例えば、オキソ基で置換されたシクロペンタンはシクロペンタノンである。
「置換された」という用語は、特定の基の原子にある1個以上の水素が、既存の状況でその原子の標準の原子価を超過することなく、その置換によって安定な化合物となる条件で、指定された基から選択される基で置き換えられることを意味する。置換基及び/または可変部の結合は、かかる結合によって安定な化合物が得られる場合のみ許容される。「安定な化合物」または「安定な構造」という用語は、反応混合物から有用な純度での単離、及び有効な治療薬への製剤に耐えるほど十分堅牢な化合物のことをいう。
置換基または可変部が本発明の構成要件または化合物において2回以上出現する場合、特に指示がない場合、各出現時点の定義は他の全ての出現時点の定義と無関係である。
本明細書中の文章、図、実施例及び表における原子価が満たされていない炭素及びヘテロ原子は、原子価を満たすのに十分な数の水素原子(複数可)を有していることを前提とするということにも留意すべきである。
1個以上の本発明の化合物は、非溶媒和の形態だけではなく、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒と溶媒和した形態で存在することができ、本発明は溶媒和及び非溶媒和のいずれの形態も包含するものとする。「溶媒和」は本発明の化合物と1個以上の溶媒分子の物理的関連を意味する。この物理的関連は、水素結合を含む、様々な程度のイオン性結合及び共有結合が関与する。場合によっては、溶媒和は、例えば1個以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に取り込まれた場合に、単離することができる。「溶媒和」は溶液相及び単離した溶媒和の両方を包含する。適切な溶媒和の非限定的例としては、エタノラート、メタノラートなどがある。「水和物」は溶媒分子がH2Oである溶媒和である。
本発明の組成物に含まれる化合物は、特に幾何異性または立体異性の形態で存在してもよい。さらに、本明細書に記載の化合物は光学活性である可能性がある。本発明は、本発明の範囲に含まれる、シス−及びトランス−異性体、R−及びS−鏡像異性体、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、それらのラセミ混合物、及びそれらの他の混合物を含む、上記の化合物の全てを意図する。これらの化合物は1個以上の立体中心を有する可能性がある。例えば、アルキル基などの置換基に不斉炭素原子が存在する可能性がある。上記の異性体の全て、及びそれらの混合物、例えばラセミ混合物、単独の鏡像異性体、ジアステレオマー混合物及び個別のジアステレオマーなどは、本発明に含まれるものとする。さらなる不斉中心が分子の様々な置換基の性質に依存して存在する可能性がある。上記の不斉中心のそれぞれが独立して2個の光学異性体を生じ、可能性がある全ての光学異性体、混合物中のジアステレオマー、及び純粋な化合物または部分的に精製した化合物を本発明の範囲内に含むものとする。
ジアステレオマー混合物は、当業者に知られている方法、例えばクロマトグラフィ及び/または分別結晶化などによって、物理化学的相違に基づいて個々のジアステレオマーに分離することができる。鏡像異性体は、鏡像異性体混合物を適当な光学活性化合物(例えば、キラルアルコールまたはモッシャー酸クロライドなどの不斉補助剤)との反応によってジアステレオマー混合物に転換し、ジアステレオマーを分離し、さらに個々のジアステレオマーを対応する純粋な鏡像異性体に転換する(例えば、加水分解する)ことによって分離することができる。別の方法として、本発明の化合物の特定の鏡像異性体を不斉合成によって調製することができる。さらに、分子が塩基性官能基(アミノ基など)または酸性官能基(カルボン酸基など)を含む場合、適当な光学活性の酸または塩基とジアステレオマーの塩を合成し、次いでそのようにして合成されたジアステレオマーを当該技術分野で知られている分別結晶化法またはクロマトグラフィ法によって分割し、その後純粋な鏡像異性体を回収する。
本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば実質的に他の異性体を含んでいなくてもよいし、または例えばラセミ体として、もしくは他の全てのまたは選択された立体異性体と混合されていてもよい。本発明の化合物のキラル中心(複数可)は、IUPAC1974勧告に規定されたSまたはRの立体配置を有することができる。さらに、本明細書に記載の化合物がアトロプ異性体(例えば、置換ビアリール)として存在する可能性がある範囲で、そのアトロプ異性体の全ての形態は本発明に含まれると考える。
本明細書で用いる「対象」及び「患者」という用語は同じ意味で使用され、本発明の方法によって治療される生命体のことをいう。かかる生命体は、好ましくは、哺乳動物(例えば、ネズミ、サル、ウマ、ウシ、ブタ、ネコなど)を含み、最も好ましくはヒトを含む。
「EC50」という用語は、当該技術分野で承認されており、標的の予想される最大の活性の50%を達成するのに必要な化合物の濃度のことをいう。
本明細書で使用される「有効な量」という用語は、有益で望ましい結果(例えば、治療効果がある、改善につながる、予防効果がある結果)をもたらすのに十分な化合物の量のことをいう。有効な量は、1回以上の投与、塗布、用法において投与することができ、特定の処方や投与経路に限定されないものとする。本明細書で使用される「治療」という用語は、健康状態、疾患、障害などの改善、またはそれらの症状の改善をもたらすあらゆる効果、例えば、低下、低減、調節、改良、または除去などを含む。
本明細書で使用される「医薬組成物」という用語は、生体内または生体外での診断または治療の使用に特に適した組成物を作る、活性薬剤と不活性または活性な担体との組み合わせのことをいう。
本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」という用語は、あらゆる標準的な医薬担体、例えば、リン酸緩衝生理食塩水、水、エマルジョン(油/水または水/油エマルジョンなど)、及び種々の湿潤剤などのことをいう。組成物には安定剤及び保存料も含むことができる。担体、安定剤、及び補助剤の例については、例えば、Martin, Remington’s Pharmaceutical Sciences, 15th Ed., Mack Publ. Co., Easton, PA [1975]を参照されたい。
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物のあらゆる薬学的に許容される塩(例えば、酸または塩基)のことをいい、対象への投与で本発明の化合物またはその活性な代謝物もしくは残留物を提供することができる。当事者に知られているように、本発明の化合物の「塩」は無機または有機の酸及び塩基由来であってもよい。酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−スルホン酸などがあるが、これらに限定されない。シュウ酸のような他の酸は、それ自体では薬学的に許容されないが、有用な塩の調製の際に、本発明の化合物及びそれらの薬学的に許容される酸付加塩を得るのに中間物として使用することができる。
塩基の例としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)の水酸化物、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)の水酸化物、アンモニア、及び式NW4 +で表される化合物などがあるが、これらに限定されない。ここでWはC1〜4のアルキルなどである。
塩の例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、カンフォレート、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコース酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、フルコヘプタン酸塩、グリセロールリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パーモエート、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバレン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシレート(トルエンスルホン酸塩としても知られている)、ウンデカ酸塩などがあるが、これらに限定されない。他の塩の例としては、本発明の化合物のアニオンとNa+、NH4 +、及びNW4 +(ここでWはC1〜4のアルキル基である)のような適切なカチオンとの組み合わせなどがある。さらなる塩の例としては、アスコルビン酸塩、ホウ酸塩、硝酸塩、リン酸塩、サリチル酸塩、及び硫酸塩があるが、これらに限られない。さらに、一般に塩基性の医薬品から薬学的に有用な塩を形成するのに適すると考えられる酸については、例えば、P. Stahl et al., Camille G. (eds.) Handbook of Pharmaceutical Salts. Properties, Selection and Use. (2002) Zurich: Wiley−VCH; S. Berge et al., Journal of Pharmaceutical Sciences (1977) 66(1) 1−19; P. Gould, International J. of Pharmaceutics (1986) 33 201−217; Anderson et al., The Practice of Medicinal Chemistry (1996), Academic Press, New York; 及び in The Orange Book (Food & Drug Administration, Washington, D.C. on their website)で検討されている。以上の開示は参考として本明細書に引用される。
さらなる代表的な塩基の塩としては、アンモニウム塩、ならびにナトリウム塩、リチウム塩及びカリウム塩などのアルカリ金属塩、ならびにカルシウム塩及びマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ならびにジシクロヘキシルアミン及びt−ブチルアミンなどの有機塩基(例えば、有機アミン)との塩、ならびにアルギニン及びリジンなどのアミノ酸との塩などがあるが、これらに限られない。塩基性の窒素含有基は、例えば、低級アルキルハロゲン化物(例えば、メチル、エチル、及びブチルの塩化物、臭化物、及びヨウ化物)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、ジエチル、及びジブチル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、デシル、ラウリル、及びステアリルの塩化物、臭化物、及びヨウ化物)、アラルキルハロゲン化物(例えば、ベンジル及びフェネチルの臭化物)などの物質で4級化することができる。
治療的使用に関して、本発明の化合物の塩は薬学的に許容されると考えられる。しかし、薬学的に許容されない酸と塩基の塩は、例えば薬学的に許容される化合物の調製や精製に使用してもよい。
さらに、本発明の化合物は、塩基性の部分(例えば、ピリジンまたはイミダゾールなど、ただしこれらに限られない)及び酸性の部分(例えば、カルボン酸など、ただしこれらに限られない)の両方を含む場合、双性イオン(「内塩」)が形成される可能性がある。本発明の範囲内で使用される上記の酸及び塩基の塩は、薬学的に許容される(すなわち、非毒性の、生理学的に許容される)塩である。上記の本発明の化合物の塩は、例えば、本発明の化合物を、その塩が析出するような媒体または水性媒体中で、かなりの量、例えば当量の、酸または塩基と反応した後に凍結乾燥することで調製することができる。
本発明は、全ての単離された形態(例えば、それらの全ての溶媒和、水和物、立体異性体、及び互換異性体など)にある本発明の化合物を含む。さらに本発明は、1個以上の原子が、同一の原子番号を有するが、原子質量または質量数は、自然界で主に見出される原子質量または質量数と異なる特定の同位体で人為的に修飾されている化合物を含む。本発明は、本発明の化合物の全ての適切な同位体の変種を含むものとする。例えば、水素(H)の異なる同位体の形態は、プロチウム(1H)と重水素(2H)である。プロチウムは自然界で見られる主要な水素同位体である。重水素の場合、修飾によって生体内半減期の増加や必要用量の減少などの治療上の利点や、生物学的サンプルのキャラクタリゼーションの標準として有用な化合物が得られる。同位体で濃縮された化合物は、適当な同位体濃縮試薬及び/または中間体を用いて、当業者に知られた従来の技術または本明細書のスキームや実施例に記載された技術に類似のプロセスによって、必要以上の実験を行うことなく調製することができる。
組成物が特定の成分を有する、含有する、または含むと記載されている説明、またはプロセス及び方法が特定の段階を有する、包含する、または含むと記載されている説明の全体を通して、さらに、列挙される化合物から本質的に構成される、もしくは構成される本発明の組成物があり、列挙される処理のステップから本質的に構成される、もしくは構成される本発明によるプロセス及び方法があるものとする。
本明細書で使用する「a」及び「an」は、「1以上」を意味し、文脈上不適切でなければ複数を含む。
「THF」という略語は当該技術分野で承認されており、テトラヒドロフランのことをいう。「DCM」という略語は当該技術分野で承認されており、ジクロロメタンのことをいう。「DMF」という略語は当該技術分野で承認されており、ジメチルホルムアミドのことをいう。「DMA」という略語は当該技術分野で承認されており、ジメチルアセトアミドのことをいう。「EDTA」という略語は当該技術分野で承認されており、エチレンジアミン四酢酸のことをいう。「TFA」という略語は当該技術分野で承認されており、トリフルオロ酢酸のことをいう。「Ts」という略語は当該技術分野で承認されており、トシレートのことをいう。「TBS」という略語は当該技術分野で承認されており、tert−ブチルジメチルシリルのことをいう。「DMSO」という略語は当該技術分野で承認されており、ジメチルスルホキシドのことをいう。「Tf」という略語は当該技術分野で承認されており、トリフレートまたはトリフルオロメチルスルホネートのことをいう。「Pin」という略語は当該技術分野で承認されており、ピナコレートのことをいう。
一般的に、パーセントで記述する組成は、特に指定が無い限り重量による。
I.ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミド及び関連化合物
本発明は、ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミド及び関連化合物を提供する。以下のセクションで、代表的な化合物をその化合物の代表的な合成手順と共に説明する。さらなる代表的な化合物及び合成手順を実施例で説明する。
発明の一態様は、化学式(I)で表される化合物:
(I)
またはその薬学的に許容される塩を提供し;ここで:
A
1はフェニレン、5〜6員のヘテロアリーレン、またはC
3〜6のヘテロシクロアルキレンであり;
R
1は、それぞれの出現に関して独立して、ハロゲン、C
1〜6のアルキル、C
1〜6ハロアルキル、またはC
3〜6のシクロアルキルを表し;
R
2Aは、−(C
1〜6のアルキレン)−A
2、−(2,6員のヘテロアルキレン)−A
2、−(C
0〜3のアルキレン)−(C
3〜6のシクロアルキレン)−(C
0〜3のアルキレン)−A
2、−O−A
2、−N(R
8)−A
2または−A
2であり、ここでA
2は、環に少なくとも1個の不飽和炭素原子を有する5〜6員のヘテロ環基であり、前記ヘテロ環基は、C
1〜6アルキル、C
1〜6のハロアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、オキソ、−C(O)R
9、−CO
2R
8、−C(O)(N
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)(R
9)、及び−N(R
4)(R
5)からなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換され;
R
2Bは、それぞれの位置に関して独立して、C
1〜6のアルキルまたはC
1〜3のハロアルキルを表し;
R
3は、それぞれの位置に関して独立して、水素,C
1〜6のハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、−O−(C
1〜6のアルキレン)−OH、または−O−(C
1〜6のアルキレン)−CO
2R
4を表し;またはR
3の2つの隣接する出現が介在する原子と共に4〜6員環を形成する;
R
4及びR
5は、それぞれの出現に関して独立して、水素、C
1〜6のアルキル、またはC
3〜6のシクロアルキルを表す;または、同一の窒素原子に結合したR
4とR
5の出現が、それらが結合した窒素原子と共に3〜7員のヘテロ環を形成する;
R
6とR
7はそれぞれ、それぞれの出現に関して独立して、水素またはC
1〜6のアルキルを表すか、もしくはR
6とR
7が、それらが結合している炭素原子と共に3〜6員のカルボシクリル環を形成する;またはR
6及びR
2Aが共に結合を形成する;
R
8は、それぞれの出現に関して独立して、水素、C
1〜6のアルキル、C
3〜6シクロアルキル、またはアラルキルを表す;
R
9は、それぞれの位置に関して独立して、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、またはアラルキルを表す;
Xは以下のうちの一つである:
(i)−(C
2〜6のアルケニレン)−フェニル、−(C
2〜6のアルケニレン)−ヘテロアリール、−(C
1〜6のアルキレン)−フェニル、−(C
1〜6のアルキレン)−ヘテロアリール、−(C
1〜6のアルキレン)−(部分不飽和2環式ヘテロシクリル)、−(C
1〜6のアルキレン)−(部分不飽和2環式オキソ−ヘテロシクリル)、−(5〜6員のヘテロシクロアルキレン)−フェニル、または−(C
3〜6のシクロアルキレン)−フェニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C
1〜6のハロアルキル、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、ヒドロキシル、及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される;
(ii)−(C
2〜6のアルケニレン)−(C
3〜6のシクロアルキル)、
、または8〜10員の2環式部分飽和カルボシクリルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C
1〜6のハロアルキル、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、ヒドロキシル、及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換され、ここでA
*は、5〜8員の部分飽和カルボシクリルまたはヘテロ環である;
(iii)−(C
1〜6のアルキレン)−Z
1または−(C
2〜6のアルケニレン)−Z
1、ここでZ
1は−O−アラルキル、−O−ヘテロアラルキル、−O−フェニル、−O−ヘテロアリール、−O−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、−O−(C
1〜6のアルキレン)−(C
3〜6のシクロアルキル)、−O−(C
3〜6のシクロアルキル)、−N(R
4)−アラルキル、−N(R
4)−フェニル、−N(R
4)−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、または−N(R
4)−(C
1〜6のアルキレン)−(C
3〜6のシクロアルキル)であり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C
1〜6のハロアルキル、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、ヒドロキシル、及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される;または
(iv)O−アラルキル、−O−ヘテロアラルキル、−O−フェニル、−O−ヘテロアリール、−O−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、−O−(C
1〜6のアルキレン)−(C
3〜6のシクロアルキル)、−O−(C
3〜6のシクロアルキル)、−N(R
4)−アラルキル、−N(R
4)−フェニル、−N(R
4)−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、または−N(R
4)−(C
1〜6のアルキレン)−(C
3〜6のシクロアルキル)であり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C
1〜6のハロアルキル、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、ヒドロキシル、及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される;
Yは−C(R
6)(R
7)−、−O−、−C(O)−、または−S(O)
p−である;
m及びpは、それぞれの出現に関して独立して、0、1、または2を表す;及び
nは1、2、または3である。
特定の実施形態において、A1はフェニレンまたは5〜6員のヘテロアリーレンである。
特定の実施形態において、R1は、それぞれの出現に関して独立して、ハロゲンまたはC1〜6のアルキルを表す。
特定の実施形態において、R3は、それぞれの出現に関して独立して、C1〜6のハロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルキル、C1〜6のアルコキシ、または−O−(C1〜6のアルキレン)−OHを表す。特定の実施形態において、R3はトリフルオロメチル、フルオロ、クロロ、メトキシである。特定の実施形態において、R3はトリフルオロメチルである。
特定の実施形態において、−A
1−(R
3)
nは、
である。特定の実施態様において、−A
1−(R
3)
nは、以下のうちの一つである:
特定の実施形態において、R2Aは−(C1〜6のアルキレン)−A2である。特定の実施形態において、R2Aは(C2〜3のアルキレン)−A2である。特定の実施形態において、R2Aは−(2〜6員のヘテロアルキレン)−A2である。特定の実施形態において、R2Aは−(C2〜3のアルキレン)−O−A2である。特定の実施形態において、R2Aは−O−A2である。
特定の実施形態において、A2は少なくとも2個の環窒素原子を含む。特定の実施形態において、A2は少なくとも2個の環窒素原子、及び少なくとも1個の環酸素原子を含む。
特定の実施形態において、A2は、オキソで置換された環炭素原子を少なくとも1個有する5〜6員のヘテロ環基であり、前記ヘテロ環基は、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、オキソ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、A2は、(i)オキソで置換された炭素原子を少なくとも1個、及び(ii)2個の環原子間の二重結合を少なくとも1個有する5〜6員のヘテロ環基であり、前記ヘテロ環基はC1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、オキソ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、A2における前記ヘテロ環基は5員のヘテロ環基である。
特定の実施形態において、A2は、少なくとも2個の環窒素原子、環に少なくとも1個の不飽和炭素原子を有する5〜6員のヘテロ芳香族基であり、前記ヘテロ芳香族基は、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、A2における前記ヘテロ芳香族基は5員のヘテロ芳香族基である。
特定の実施形態において、A2は、イミダゾリル;ピラゾリル;1,2,3−トリアゾリル;テトラゾリル;1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オニル;1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オニル;1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オニル;または2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オニルであり;これらのそれぞれは、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A2は、イミダゾリル;ピラゾリル;1,2,3−トリアゾリル;テトラゾリル;1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オニル;1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オニル;1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オニル;または2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オニルであり;これらのそれぞれは、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、及び−CO2R8からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A
2は以下のうちの一つであり:
これらのそれぞれは、C
1〜6のアルキル、C
1〜6のハロアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R
9、−CO
2R
8及び−C(O)(N
4)(R
5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A2は、オキサゾリジン−2−オニル;オキサゾリジン−2,4−ジオニル;イミダゾリジン−2,4−ジオニル;またはチアゾリジン−2,4−ジオニルであり;これらのそれぞれは、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A
2は以下のうちの一つであり:
これらのそれぞれは、C
1〜6のアルキル、C
1〜6のハロアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R
9、−CO
2R
8、及び−C(O)(N
4)(R
5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、R2Bはメチルである。
特定の実施形態において、Xは、(C2〜6のアルケニレン)−フェニル、−(C2〜6のアルケニレン)−ヘテロアリール、−(C1〜6のアルキレン)−フェニル、−(C1〜6のアルキレン)−ヘテロアリール、−(C1〜6のアルキレン)−(部分不飽和2環式ヘテロシクリル)、−(C1〜6のアルキレン)−(部分不飽和2環式オキソ−ヘテロシクリル)、または−(5〜6員のヘテロシクロアルキレン)−フェニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、(C2〜6のアルケニレン)−フェニル、−(C1〜6のアルキレン)−フェニル、または−(C1〜6のアルキレン)−ヘテロアリールであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−(C2〜6のアルケニレン)−フェニルであり、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、Xは、−(C1〜6のアルキレン)−Z1または−(C2〜6のアルケニレン)−Z1であり、ここでZ1は−O−アラルキル、−O−ヘテロアラルキル、−O−フェニル、−O−ヘテロアリール、−O−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、−O−(C1〜6のアルキレン)−(C3〜6のシクロアルキル)、−O−(C3〜6のシクロアルキル)、−N(R4)−アラルキル、−N(R4)−フェニル、−N(R4)−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、または−N(R4)−(C1〜6のアルキレン)−(C3〜6のシクロアルキル)であり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−O−アラルキル、−O−ヘテロアラルキル、−O−フェニル、−O−ヘテロアリール、−O−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、−O−(C1〜6のアルキレン)−(C3〜6のシクロアルキル)、−N(R4)−アラルキル、−N(R4)−フェニル、−N(R4)−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、または−N(R4)−(C1〜6のアルキレン)−(C3〜6のシクロアルキル)であり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−O−(C1〜6のアルキレン)−フェニルまたは−N(R4)−(C1〜6のアルキレン)−フェニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは−O−(C1〜6のアルキレン)−フェニルまたは−N(R4)−(C1〜6のアルキレン)−フェニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換され、ここで、少なくとも1個の置換基は可変部Xのフェニル基のオルト位にある。特定の実施形態において、Xは、−O−(C1〜6のアルキレン)−フェニルまたは−N(R4)−(C1〜6のアルキレン)−フェニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−O−アラルキルまたは−N(R4)−アラルキルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−O−ベンジルまたは−N(R4)−ベンジルであり、これらのそれぞれは、クロロ、ブロモ、及びフルオロからなる群から独立して選択される1または2個の置換基で置換されている。
特定の実施形態において、Yは、−C(R6)(R7)−である。特定の実施形態において、R6及びR7は、独立して水素またはメチルである。
特定の実施形態において、Yは、−C(R6)(R7)−、R6及びR7は独立して水素またはメチルであり、Xは1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル環の7位に結合する。
特定の実施形態において、Yは−O−である。特定の実施形態において、Xは3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジニル環の6位に結合する。
特定の実施形態において、mは0または1である。特定の実施形態において、pは0である。特定の実施形態において、pは1である。
上記の化学式Iの可変部の定義は、複数の化学基を包含する。本出願は、例えば、i)可変部の定義が上記の化学基から選択される単一の化学基である実施形態、ii)可変部の定義が上記の化学基から選択される2個以上の化学基の集合である実施形態、及びiii)化合物が、例えばAがフェニレンでR3がC1〜6のハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、及びC1〜6のアルキルからなる群から選択される場合のように、可変部が(i)または(ii)によって定義される可変部の組み合わせで定義される実施形態を想定している。
本発明の別の態様では、化学式I−Aで表される化合物:
(I−A)
またはそれらの薬学的に許容される塩が提供され;ここで:
A
1はフェニレンまたは5〜6員のヘテロアリーレンであり;
R
1は、それぞれの出現に関して独立して、ハロゲン、C
1〜6のアルキル、またはC
3〜6のシクロアルキルを表し;
R
2Aは、−(C
1〜6のアルキレン)−A
2、−(2,6員のヘテロアルキレン)−A
2、または−O−A
2である;ここで、A
2は少なくとも1個の不飽和炭素原子を含む5〜6員のヘテロ環基であり、前記ヘテロ環基は、C
1〜6のアルキル、C
1〜6のハロアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、オキソ、−C(O)R
9、−CO
2R
8、−C(O)(N
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)(R
9)、及び−N(R
4)(R
5)からなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で、任意に置換され;
R
2Bは、それぞれの位置に関して独立して、C
1〜6のアルキルまたはC
1〜3のハロアルキルを表し;
R
3は、それぞれの出現に関して独立して、水素、C
1〜6のハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、または−O−(C
1〜6のアルキレン)−OHを表す;またはR
3の2つの隣接する出現が介在する原子と共に4〜6員環を形成する;
R
4及びR
5は、それぞれの出現に関して独立して、水素、C
1〜6のアルキル、またはC
3〜6のシクロアルキルを表す;または、同一の窒素原子に結合するR
4とR
5が、それらが結合した窒素原子と共に3〜7員のヘテロ環を形成し;
R
6とR
7はそれぞれ、それぞれの出現に関して独立して、水素またはC
1〜6のアルキルを表すか、もしくはR
6とR
7が、それらが結合している炭素原子と共に3〜6員のカルボシクリル環を形成し;
R
8は、それぞれの出現に関して独立して、水素、C
1〜6のアルキル、C
3〜6シクロアルキル、またはアラルキルを表す;
R
9は、それぞれの出現に関して独立して、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、またはアラルキルを表し;
Xは以下のうちの一つであり:
(i)−(C
2〜6のアルケニレン)−フェニル、−(C
2〜6のアルケニレン)−ヘテロアリール、−(C
1〜6のアルキレン)−フェニル、−(C
1〜6のアルキレン)−ヘテロアリール、−(C
1〜6アルキレン)−(部分不飽和2環式ヘテロシクリル)、−(C
1〜6アルキレン)−(部分不飽和2環式オキソ−ヘテロシクリル)、または−(5−6員のヘテロシクロアルキレン)−フェニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C
1〜6のハロアルキル、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、C
1〜6のアルコキシ、及びC
1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換され、
(ii)−(C
1〜6のアルキレン)−Z
1または−(C
2〜6のアルケニレン)−Z
1であり、ここでZ
1は−O−アラルキル、−O−ヘテロアラルキル、−O−フェニル、−O−ヘテロアリール、−O−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、−O−(C
1〜6のアルキレン)−(C
3〜6のシクロアルキル)、−O−(C
3〜6のシクロアルキル)、−N(R
4)−アラルキル、−N(R
4)−フェニル、−N(R
4)−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、または−N(R
4)−(C
1〜6のアルキレン)−(C
3〜6のシクロアルキル)であり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C
1〜6のハロアルキル、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、C
1〜6のアルコキシ、及びC
1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換され;または
(iii)−O−アラルキル、−O−ヘテロアラルキル、−O−フェニル、−O−ヘテロアリール、−O−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、−O−(C
1〜6のアルキレン)−(C
3〜6のシクロアルキル)、−N(R
4)−アラルキル、−N(R
4)−フェニル、−N(R
4)−(部分不飽和2環式炭素環)、または−N(R
4)−(C
1〜6のアルキレン)−(C
3〜6のシクロアルキル)であり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C
1〜6のハロアルキル、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、C
1〜6のアルコキシ、及びC
1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換され、
Yは−C(R
6)(R
7)−、−O−、−C(O)−であり;
m及びpは、独立して0、1、または2であり;及び
nは1、2、または3である。
特定の実施形態において、A1はフェニレンである。特定の実施形態において、A1は5〜6員のヘテロアリーレンである。
特定の実施形態において、nは1である。特定の実施形態において、nは1または2である。
特定の実施形態において、R3は、それぞれの出現に関して独立して、C1〜6のハロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルキル、C1〜6のアルコキシ、または−O−(C1〜6のアルキレン)−OHを表す。特定の実施形態において、R3はトリフルオロメチル、フルオロ、クロロ、メトキシである。特定の実施形態において、R3はトリフルオロメチルである。
特定の実施形態において、−A
1−(R
3)
nは、
である。特定の実施形態において、−A
1−(R
3)
nは、以下のうちの一つである:
特定の実施形態において、R2Aは−(C1〜6のアルキレン)−A2である。特定の実施形態において、R2Aは−(C2−3アルキレン)−A2である。特定の実施形態において、R2Aは−(2〜6員のヘテロアルキレン)−A2である。特定の実施形態において、R2Aは−(C2〜3のアルキレン)−O−A2である。特定の実施形態において、R2Aは−O−A2である。
特定の実施形態において、A2は少なくとも2個の環窒素原子を含む。特定の実施形態において、A2は少なくとも2個の環窒素原子、及び少なくとも1個の環酸素原子を含む。
特定の実施形態において、A2は、オキソで置換された環炭素原子を少なくとも1個有する5〜6員のヘテロ環基であり、前記ヘテロ環基は、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、オキソ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、A2は、(i)オキソで置換された炭素原子を少なくとも1個、及び(ii)2個の環原子間の二重結合を少なくとも1個有する5〜6員のヘテロ環基であり、前記ヘテロ環基はC1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、オキソ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、A2における前記ヘテロ環基は5員のヘテロ環基である。
特定の実施形態において、A2は、少なくとも2個の環窒素原子、環に少なくとも1個の不飽和炭素原子を有する5〜6員のヘテロ芳香族基であり、前記ヘテロ芳香族基は、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、A2における前記ヘテロ芳香族基は5員のヘテロ芳香族基である。
特定の実施形態において、A2は、イミダゾリル;ピラゾリル;1,2,3−トリアゾリル;テトラゾリル;1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オニル;1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オニル;1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オニル;または2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オニルであり;これらのそれぞれは、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A2は、イミダゾリル;ピラゾリル;1,2,3−トリアゾリル;テトラゾリル;1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オニル;1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オニル;1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オニル;または2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オニルであり;これらのそれぞれは、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、及び−CO2R8からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施態様において、A
2は以下のうちの一つであり、
これらのそれぞれは、C
1〜6のアルキル、C
1〜6のハロアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R
9、−CO
2R
8及び−C(O)(N
4)(R
5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A2は、オキサゾリジン−2−オニル;オキサゾリジン−2,4−ジオニル;イミダゾリジン−2,4−ジオニル;またはチアゾリジン−2,4−ジオニルであり、これらのそれぞれは、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施態様において、A
2は以下のうちの一つであり:
これらのそれぞれは、C
1〜6のアルキル、C
1〜6のハロアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R
9、−CO
2R
8、及び−C(O)(N
4)(R
5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、R2Bはメチルである。
特定の実施形態において、Xは、(C2〜6のアルケニレン)−フェニル、−(C2〜6のアルケニレン)−ヘテロアリール、−(C1〜6のアルキレン)−フェニル、−(C1〜6のアルキレン)−ヘテロアリール、−(C1〜6のアルキレン)−(部分不飽和2環式ヘテロシクリル)、−(C1〜6のアルキレン)−(部分不飽和2環式オキソ−ヘテロシクリル)、または−(5〜6員のヘテロシクロアルキレン)−フェニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、(C2〜6のアルケニレン)−フェニル、−(C1〜6のアルキレン)−フェニル、または−(C1〜6のアルキレン)−ヘテロアリール)であり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−(C2〜6のアルケニレン)−フェニルであり、ハロゲン、C2〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、Xは、−(C1〜6のアルキレン)−Z1または−(C2〜6のアルケニレン)−Z1であり、ここでZ1は−O−アラルキル、−O−ヘテロアラルキル、−O−フェニル、−O−ヘテロアリール、−O−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、−O−(C1〜6のアルキレン)−(C3〜6のシクロアルキル)、−O−(C3〜6のシクロアルキル)、−N(R4)−アラルキル、−N(R4)−フェニル、−N(R4)−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、または−N(R4)−(C1〜6のアルキレン)−(C3〜6のシクロアルキル)であり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−O−アラルキル、−O−ヘテロアラルキル、−O−フェニル、−O−ヘテロアリール、−O−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、−O−(C1〜6のアルキレン)−(C3〜6のシクロアルキル)、−N(R4)−アラルキル、−N(R4)−フェニル、−N(R4)−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、または−N(R4)−(C1〜6のアルキレン)−(C3〜6のシクロアルキル)であり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−O−(C1〜6のアルキレン)−フェニルまたは−N(R4)−(C1〜6のアルキレン)−フェニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−O−(C1〜6のアルキレン)−フェニルまたは−N(R4)−(C1〜6のアルキレン)−フェニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換され、ここで、少なくとも1個の置換基は、可変部Xのフェニル基のオルト位にある。特定の実施形態において、Xは、−O−(C1〜6のアルキレン)−フェニルまたは−N(R4)−(C1〜6のアルキレン)−フェニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−O−アラルキルまたは−N(R4)−アラルキルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−O−ベンジルまたは−N(R4)−ベンジルであり、これらのそれぞれは、クロロ、ブロモ、及びフルオロからなる群から独立して選択される1または2個の置換基で置換されている。
特定の実施形態において、Yは、−C(R6)(R7)−である。特定の実施形態において、R6及びR7は、独立して水素またはメチルである。
特定の実施形態において、Yは、−C(R6)(R7)−、R6及びR7は独立して水素またはメチルであり、Xは1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル環の7位に結合する。
特定の実施形態において、Yは−O−である。特定の実施形態において、Xは3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジニル環の6位に結合する。
特定の実施形態において、mは0または1である。特定の実施形態において、pは0である。特定の実施形態において、pは1である。
上記の化学式I−Aの可変部の定義は、複数の化学基を包含する。本出願は、例えば、i)可変部の定義が上記の化学基から選択される単一の化学基である実施形態、ii)可変部の定義が上記の化学基から選択される2個以上の化学基の集合である実施形態、及びiii)化合物が、例えばAがフェニレンでR3がC1〜6のハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、及びC1〜6のアルキルからなる群から選択される場合のように、可変部が(i)または(ii)によって定義される可変部の組み合わせで定義される実施形態を想定している。
発明の別の態様では、化学式I−Bで表される化合物:
(I−B)
またはそれらの薬学的に許容される塩が提供され;ここで:
A
1はフェニレンまたはピリジニレンであり;
R
1は、それぞれの出現に関して独立して、ハロゲン、メチル、エチル、またはシクロプロピルを表し;
R
2Aは、−(C
1〜6のアルキレン)−A
2、または−(2,6員のヘテロアルキレン)−A
2であり;ここで、A
2は少なくとも1個の不飽和炭素原子を含む5〜6員のヘテロ環基であり、前記ヘテロ環基は、C
1〜6のアルキル、C
1〜6のハロアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、オキソ、及び−CO
2R
8からなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換され;
R
2Bはメチルまたはエチルであり;
R
3は、それぞれの位置に関して独立して、C
1〜3のハロアルキル、ハロゲン、C
1〜3のアルキル、または−O−(C
1〜6のヒドロキシアルキル)を表し;
R
4及びR
5は、それぞれの位置に関して独立して、水素、またはメチルを表す;または、同一の窒素原子に結合するR
4とR
5の出現が、それらが結合した窒素原子と共に3〜7員のヘテロ環を形成し;
R
8は、それぞれの出現に関して独立して、水素またはC
1〜6のアルキルを表す;
Xは、ハロゲン、C
1〜6のハロアルキル、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、C
1〜6のアルコキシ、及びC
1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換された−(C
2〜6のアルケニレン)−フェニルであり;
m及びpは、独立して、0、または1であり;及び
nは1または2である。
特定の実施形態において、A1はフェニレンである。特定の実施態様において、A1はピリジニレンである。
特定の実施形態において、R1はフルオロまたはメチルである。
特定の実施形態において、R2Aは−(C1〜6のアルキレン)−A2である。特定の実施形態において、R2Aは−(C2〜3のアルキレン)−A2である。特定の実施形態において、R2Aは−(2〜6員のヘテロアルキレン)−A2である。特定の実施形態において、R2Aはさらに−O−A2から選択される。
特定の実施形態において、A2は少なくとも2個の環窒素原子を含む。特定の実施形態において、A2は少なくとも2個の環窒素原子、及び少なくとも1個の環酸素原子を含む。
特定の実施形態において、A2は、オキソで置換された環炭素原子を少なくとも1個有する5〜6員のヘテロ環基であり、前記ヘテロ環基は、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、オキソ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、A2は、(i)オキソで置換された炭素原子を少なくとも1個、及び(ii)2個の環原子間の二重結合を少なくとも1個有する5〜6員のヘテロ環基であり、前記ヘテロ環基はC1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、オキソ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、A2における前記ヘテロ環基は5員のヘテロ環基である。
特定の実施形態において、A2は、少なくとも2個の環窒素原子、環に少なくとも1個の不飽和炭素原子を有する5〜6員のヘテロ芳香族基であり、前記ヘテロ芳香族基は、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、A2における前記ヘテロ芳香族基は5員のヘテロ芳香族基である。
特定の実施形態において、A2は、イミダゾリル;ピラゾリル;1,2,3−トリアゾリル;テトラゾリル;1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オニル;1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オニル;1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オニル;または2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オニルであり;これらのそれぞれは、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A2は、イミダゾリル;ピラゾリル;1,2,3−トリアゾリル;テトラゾリル;1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オニル;1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オニル;1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オニル;または2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オニルであり;これらのそれぞれは、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、及び−CO2R8からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A
2は以下のうちの一つであり:
これらのそれぞれは、C
1〜6のアルキル、C
1〜6のハロアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R
9、−CO
2R
8及び−C(O)(N
4)(R
5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A2は、オキサゾリジン−2−オニル;オキサゾリジン−2,4−ジオニル;イミダゾリジン−2,4−ジオニル;またはチアゾリジン−2,4−ジオニルであり、これらのそれぞれは、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A
2は以下のうちの一つであり:
これらのそれぞれは、C
1〜6のアルキル、C
1〜6のハロアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R
9、−CO
2R
8、及び−C(O)(N
4)(R
5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、R3は、それぞれの出現に関して独立して、トリフルオルメチル、ハロゲンまたは−O−(C1〜6のヒドロキシアルキル)を表す。
特定の実施形態において、R4とR5は、それらが結合している窒素原子と共に、3〜7員のヘテロ環を形成する。特定の実施形態において、R4とR5は、それぞれの出現に関して独立して、水素またはC1〜6のアルキルを表す。
特定の実施形態において、R8は水素である。
特定の実施形態において、Xは、ハロゲン及びC1〜6のハロアルキルからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換された−(C2〜4のアルケニレン)−フェニルである。特定の実施形態において、Xは、クロロ、フルオロ及びトリフルオロメチルからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換された−(C2〜4のアルケニレン)−フェニルである。特定の実施形態において、Xは、−(C2〜4のアルケニレン)−フェニルであり、クロロ、フルオロ及びトリフルオロメチルからなる群から独立して選択される1または2個の置換基で置換され、前記置換基はフェニル基のオルト位にある。
特定の実施形態において、m及びpは独立して0である。特定の実施形態において、nは1である。
上記の化学式I−Bの可変部の定義は、複数の化学基を包含する。本出願は、例えば、i)可変部の定義が上記の化学基から選択される単一の化学基である実施形態、ii)可変部の定義が上記の化学基から選択される2個以上の化学基の集合である実施形態、及びiii)化合物が、可変部が(i)または(ii)によって定義される可変部の組み合わせで定義される実施形態を想定している。
本発明の別の態様では、化学式I−Cで表される化合物:
(I−C)
またはそれらの薬学的に許容される塩が提供され;ここで:
A
1はフェニレンまたはピラゾリレンであり;
R
2Aは、−(2〜6員のヘテロアルキレン)−A
2であり;ここで、A
2は少なくとも1個の不飽和炭素原子を含む5〜6員のヘテロ環基であり、前記ヘテロ環基は、C
1〜3のアルキル、C
1〜3のフルオロアルキル、クロロ、フルオロ、及びオキソからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換され;
R
3は、それぞれの出現に関して独立して、C
1〜2のフルオロアルキル、クロロ、フルオロ、シクロプロピル、C
1〜3のアルキル、C
1〜2のアルコキシ、またはC
1〜2のフルオロアルコキシを表し;
Xは、−(C
2〜6のアルケニレン)−フェニルであり、前記フェニルがクロロ、フルオロ、C
1〜2のフルオロアルキル、C
1〜2のアルコキシ、及びC
1〜2のフルオロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換され;
nは1または2である。
特定の実施形態において、A1はフェニレンである。特定の実施態様において、A1はフェニレンである;及びR3は、それぞれの出現に関して独立して、C1〜3のフルオロアルキル、クロロ、フルオロ、C1〜2のアルコキシ、またはC1〜2のフルオロアルコキシを表す。
特定の実施形態において、A
1−(R
3)
nは、
である。
特定の実施形態において、R2Aは(C2〜3のアルキレン)−O−A2である。特定の実施形態において、R2Aは−(CH2)2−O−A2である。
特定の実施形態において、R3は、それぞれの出現に関して独立して、C1〜2のフルオロアルキル、クロロ、フルオロ、C1〜2のアルコキシ、またはC1〜2のフルオロアルコキシを表す。特定の実施形態において、R3は、それぞれの出現に関して独立して、C1〜2のフルオロアルキル、クロロ、またはフルオロを表す。特定の実施形態において、R3は−CF3である。
特定の実施形態において、A2は少なくとも2個の環窒素原子を含む。特定の実施形態において、A2は少なくとも2個の環窒素原子、及び少なくとも1個の環酸素原子を含む。特定の実施形態において、A2はオキソで置換された炭素原子を少なくとも1個含む5〜6員のヘテロ環基であり、前記ヘテロ環基は、C1〜3のアルキル、C1〜3のフルオロアルキル、クロロ、及びフルオロからなる群から独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、A2は、(i)オキソで置換された炭素原子を少なくとも1個含み、(ii)環原子間の二重結合を少なくとも1個含む5〜6員のヘテロ環基であり、前記ヘテロ環基は、C1〜3のアルキル、C1〜3のフルオロアルキル、クロロ、及びフルオロからなる群から独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、A2における前記ヘテロ環基は5員のヘテロ環基である。特定の実施形態において、A2は、イミダゾリル;ピラゾリル;1,2,3−トリアゾリル;テトラゾリル;1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オニル;1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オニル;1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オニル;または2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オニルであり;これらのそれぞれは、C1〜3のアルキル、C1〜3のフルオロアルキル、クロロ、及びフルオロからなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A
2は以下のうちの一つであり:
これらのそれぞれは、C
1〜3のアルキル及びC
1〜3のフルオロアルキルからなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、Xは、−(C2〜4のアルケニレン)−フェニルであり、ここで、前記フェニル基は、クロロ、フルオロ、C1〜2のフルオロアルキルからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換される。特定の実施形態において、Xは、−(C2〜4のアルケニレン)−フェニルであり、ここで、前記フェニル基は、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチルからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換される。特定の実施形態において、Xは、クロロ、フルオロ及びトリフルオロメチルからなる群から独立して選択される1または2個の置換基で置換された−(C2〜4のアルケニレン)−フェニルであり、前記置換基は前記フェニル基のオルト位にある。特定の実施形態において、Xは、−(C(H)=C(CH3))−フェニルであり、クロロ、フルオロ及びトリフルオロメチルからなる群から独立して選択される1または2個の置換基で置換され、前記置換基は前記フェニル基のオルト位にある。
上記の化学式I−Cの可変部の定義は、複数の化学基を包含する。本出願は、例えば、i)可変部の定義が上記の化学基から選択される単一の化学基である実施形態、ii)可変部の定義が上記の化学基から選択される2個以上の化学基の集合である実施形態、及びiii)化合物が、可変部が(i)または(ii)によって定義される可変部の組み合わせで定義される実施形態を想定している。
特定の他の実施形態において、前記の化合物は、以下の化学式のうちの1つで定義される化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩であり、可変部X及びZは表1において定義される。
表1
本発明の別の態様では、化学式IIで表される化合物:
(II)
またはそれらの薬学的に許容される塩が提供され:ここで、
A
1はフェニル、5〜6員のヘテロアリール、またはC
3〜6のヘテロシクロアルキルであり;
R
1は、それぞれの出現に関して独立して、ハロゲン、C
1〜6のアルキル、C
1〜6ハロアルキル、またはC
3〜6のシクロアルキルを表し;
R
2Aは、−(C
1〜6のアルキレン)−A
2、−(2,6員のヘテロアルキレン)−A
2、−(C
0〜3のアルキレン)−(C
3〜6のシクロアルキレン)−(C
0〜3のアルキレン)−A
2、−O−A
2、−N(R
8)−A
2または−A
2であり、ここでA
2は、少なくとも1個の不飽和炭素原子を有する5〜6員のヘテロ環基であり、前記ヘテロ環基は、C
1〜6のアルキル、C
1〜6のハロアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、オキソ、−C(O)R
9、−CO
2R
8、−C(O)(N
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)(R
9)、及び−N(R
4)(R
5)からなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換され;
R
2Bは、それぞれの出現に関して独立して、C
1〜6のアルキルまたはC
1〜3のハロアルキルを表し;
R
2Cは水素またはC
1〜6のアルキルであり;
R
3は、それぞれの出現に関して独立して、水素,C
1〜6のハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、−O−(C
1〜6のアルキレン)−OH、または−O−(C
1〜6のアルキレン)−CO
2R
4を表す;またはR
3の2つの隣接する出現が介在する原子と共に4〜6員環を形成し;
R
4及びR
5は、それぞれの位置に関して独立して、水素、C
1〜6のアルキル、またはC
3〜6のシクロアルキルを表し;または、同一の窒素原子に結合するR
4とR
5が、それらが結合した窒素原子と共に3〜7員のヘテロ環を形成する;
R
6とR
7はそれぞれ、それぞれの位置に関して独立して、水素またはC
1〜6のアルキルを表すか、もしくはR
6とR
7が、それらが結合している炭素原子と共に3〜6員のカルボシクリル環を形成し;またはR
6及びR
2Aが共に結合を形成し;
R
8は、それぞれの出現に関して独立して、水素、C
1〜6のアルキル、C
3〜6シクロアルキル、またはアラルキルを表し;
R
9は、それぞれの出現に関して独立して、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、またはアラルキルを表し;
Xは以下のうちの一つであり:
(i)-(C
2〜6のアルケニレン)−フェニル、−(C
2〜6のアルケニレン)−ヘテロアリール、−(C
1〜6のアルキレン)−フェニル、−(C
1〜6のアルキレン)−ヘテロアリール、−(C
1〜6のアルキレン)−(部分不飽和2環式ヘテロシクリル)、−(C
1〜6のアルキレン)−(部分不飽和2環式オキソ−ヘテロシクリル)、−(5〜6員のヘテロシクロアルキレン)−フェニル、または−(C
3〜6のシクロアルキレン)−フェニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C
1〜6のハロアルキル、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、ヒドロキシル、及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換され;
(ii)−(C
2〜6のアルケニレン)−(C
3〜6のシクロアルキル)、
、または8〜10員の2環式部分飽和カルボシクリルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C
1〜6のハロアルキル、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、ヒドロキシル、及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換され、ここでA
*は、5〜8員の部分飽和炭素環またはヘテロ環であり;
(iii)−(C
1〜6のアルキレン)−Z
1または−(C
2〜6のアルケニレン)−Z
1、ここでZ
1は−O−アラルキル、−O−ヘテロアラルキル、−O−フェニル、−O−ヘテロアリール、−O−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、−O−(C
1〜6のアルキレン)−(C
3〜6のシクロアルキル)、−O−(C
3〜6のシクロアルキル)、−N(R
4)−アラルキル、−N(R
4)−フェニル、−N(R
4)−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、または−N(R
4)−(C
1〜6のアルキレン)−(C
3〜6のシクロアルキル)であり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C
1〜6のハロアルキル、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、ヒドロキシル、及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される;または
(iv)-O−アラルキル、−O−ヘテロアラルキル、−O−フェニル、−O−ヘテロアリール、−O−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、−O−(C
1〜6のアルキレン)−(C
3〜6のシクロアルキル)、−O−(C
3〜6のシクロアルキル)、−N(R
4)−アラルキル、−N(R
4)−フェニル、−N(R
4)−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、または−N(R
4)−(C
1〜6のアルキレン)−(C
3〜6のシクロアルキル)であり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C
1〜6のハロアルキル、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、ヒドロキシル、及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換され;
Yは−C(R
6)(R
7)−、−O−、−C(O)−、または−S(O)
p−であり;
m及びpは、それぞれの出現に関して独立して、0、1、または2を表し;及び
nは0、1、2、または3である。
特定の実施形態において、A1はフェニレンまたは5〜6員のヘテロアリーレンである。
特定の実施形態において、R1は、それぞれの出現に関して独立に、ハロゲンまたはC1〜6のアルキルを表す。
特定の実施形態において、R3は、それぞれの位置に関して独立して、C1〜6のハロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルキル、C1〜6のアルコキシ、または−O−(C1〜6のアルキレン)−OHを表す。特定の実施形態において、R3はトリフルオロメチル、フルオロ、クロロ、メトキシである。特定の実施形態において、R3はトリフルオロメチルである。
特定の実施形態において、−A
1−(R
3)
nは、
である。特定の実施形態において、−A
1−(R
3)
nは、以下のうちの一つである:
特定の実施形態において、R2Aは−(C1〜6のアルキレン)−A2である。特定の実施形態において、R2Aは−(C2〜3のアルキレン)−A2である。特定の実施態様において、R2Aは−(2〜6員のヘテロアルキレン)−A2である。特定の実施形態において、R2Aは−(C2〜3のアルキレン)−O−A2である。特定の実施形態において、R2Aは−O−A2である。
特定の実施形態において、A2は少なくとも2個の環窒素原子を含む。特定の実施形態において、A2は少なくとも2個の環窒素原子、及び少なくとも1個の環酸素原子を含む。
特定の実施形態において、A2は、オキソで置換された環炭素原子を少なくとも1個有する5〜6員のヘテロ環基であり、前記ヘテロ環基は、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、オキソ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、A2は、(i)オキソで置換された炭素原子を少なくとも1個、及び(ii)2個の環原子間の二重結合を少なくとも1個有する5〜6員のヘテロ環基であり、前記ヘテロ環基はC1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、オキソ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、A2における前記ヘテロ環基は5員のヘテロ環基である。
特定の実施形態において、A2は、少なくとも2個の環窒素原子、環に少なくとも1個の不飽和炭素原子を有する5〜6員のヘテロ芳香族基であり、前記ヘテロ芳香族基は、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、A2における前記ヘテロ芳香族基は5員のヘテロ芳香族基である。
特定の実施形態において、A2は、イミダゾリル;ピラゾリル;1,2,3−トリアゾリル;テトラゾリル;1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オニル;1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オニル;1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オニル;または2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オニルであり;これらのそれぞれは、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A2は、イミダゾリル;ピラゾリル;1,2,3−トリアゾリル;テトラゾリル;1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オニル;1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オニル;1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オニル;または2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オニルであり;これらのそれぞれは、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、及び−CO2R8からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A
2は以下のうちの一つであり:
これらのそれぞれは、C
1〜6のアルキル、C
1〜6のハロアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R
9、−CO
2R
8及び−C(O)(N
4)(R
5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A2は、オキサゾリジン−2−オニル;オキサゾリジン−2,4−ジオニル;イミダゾリジン−2,4−ジオニル;またはチアゾリジン−2,4−ジオニルであり、これらのそれぞれは、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A
2は以下のうちの一つであり:
;これらのそれぞれは、C
1〜6のアルキル、C
1〜6のハロアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R
9、−CO
2R
8、及び−C(O)(N
4)(R
5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施態様において、R2Bはメチルである。
特定の実施形態において、Xは、(C2〜6のアルケニレン)−フェニル、−(C2〜6のアルケニレン)−ヘテロアリール、−(C1〜6のアルキレン)−フェニル、−(C1〜6のアルキレン)−ヘテロアリール、−(C1〜6のアルキレン)−(部分不飽和2環式ヘテロシクリル)、−(C1〜6のアルキレン)−(部分不飽和2環式オキソ−ヘテロシクリル)、または−(5〜6員のヘテロシクロアルキレン)−フェニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、(C2〜6のアルケニレン)−フェニル、−(C1〜6のアルキレン)−フェニル、または−(C1〜6のアルキレン)−ヘテロアリール)であり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−(C2〜6のアルケニレン)−フェニルであり、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、Xは、−(C1〜6のアルキレン)−Z1または−(C2〜6のアルケニレン)−Z1であり、ここでZ1は−O−アラルキル、−O−ヘテロアラルキル、−O−フェニル、−O−ヘテロアリール、−O−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、−O−(C1〜6のアルキレン)−(C3〜6のシクロアルキル)、−O−(C3〜6のシクロアルキル)、−N(R4)−アラルキル、−N(R4)−フェニル、−N(R4)−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、または−N(R4)−(C1〜6のアルキレン)−(C3〜6のシクロアルキル)であり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−O−アラルキル、−O−ヘテロアラルキル、−O−フェニル、−O−ヘテロアリール、−O−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、−O−(C1〜6のアルキレン)−(C3〜6のシクロアルキル)、−N(R4)−アラルキル、−N(R4)−フェニル、−N(R4)−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、または−N(R4)−(C1〜6のアルキレン)−(C3〜6のシクロアルキル)であり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−O−(C1〜6のアルキレン)−フェニルまたは−N(R4)−(C1〜6のアルキレン)−フェニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−O−(C1〜6のアルキレン)−フェニルまたは−N(R4)−(C1〜6のアルキレン)−フェニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換され、少なくとも1個の置換基は可変部Xのフェニル基のオルト位置にある。特定の実施形態において、Xは、−O−(C1〜6のアルキレン)−フェニルまたは−N(R4)−(C1〜6のアルキレン)−フェニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−O−アラルキルまたは−N(R4)−アラルキルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−O−ベンジルまたは−N(R4)−ベンジルであり、これらのそれぞれは、クロロ、ブロモ、及びフルオロからなる群から独立して選択される1または2個の置換基で置換されている。
特定の実施形態において、Yは、−C(R6)(R7)−である。特定の実施形態において、R6及びR7は、独立して水素またはメチルである。
特定の実施形態において、Yは、−C(R6)(R7)−、R6及びR7は独立して水素またはメチルであり、Xは1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル環の7位に結合する。
特定の実施形態において、Yは−O−である。特定の実施形態において、Xは3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジニル環の6位に結合する。
特定の実施形態において、mは0または1である。特定の実施形態において、pは0である。特定の実施形態において、pは1である。
上記の化学式IIの可変部の定義は、複数の化学基を包含する。本出願は、例えば、i)可変部の定義が上記の化学基から選択される単一の化学基である実施形態、ii)可変部の定義が上記の化学基から選択される2個以上の化学基の集合である実施形態、及びiii)化合物が、例えばAがフェニレンでR3がC1〜6のハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、及びC1〜6のアルキルからなる群から選択される場合のように、可変部が(i)または(ii)によって定義される可変部の組み合わせで定義される実施形態を想定している。
本発明の別の態様では、化学式II−Aで表される化合物:
(II―A)
またはそれらの薬学的に許容される塩が提供され;ここで:
A
1はフェニレンまたは5〜6員のヘテロアリーレンであり;
R
1は、それぞれの出現に関して独立して、ハロゲン、C
1〜6のアルキル、またはC
3〜6のシクロアルキルを表し;
R
2Aは、−(C
1〜6のアルキレン)−A
2、−(2,6員のヘテロアルキレン)−A
2、または−O−A
2である;ここで、A
2は少なくとも1個の不飽和炭素原子を含む5〜6員のヘテロ環基であり、前記ヘテロ環基は、C
1〜6のアルキル、C
1〜6のハロアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、オキソ、−C(O)R
9、−CO
2R
8、−C(O)(N
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)(R
9)、及び−N(R
4)(R
5)からなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で、任意に置換され;
R
2Bは、それぞれの位置に関して独立して、C
1〜6のアルキルまたはC
1〜3のハロアルキルを表し;
R
2Cは水素またはC
1〜6のアルキルであり;
R
3は、それぞれの位置に関して独立して、水素、C
1〜6のハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、または−O−(C
1〜6のアルキレン)−OHを表す;またはR
3の2つの隣接する出現が介在する原子と共に4〜6員環を形成し;
R
4及びR
5は、それぞれの出現に関して独立して、水素、C
1〜6 のアルキル、またはC
3〜6のシクロアルキルを表し;または、同一の窒素原子に結合するR
4とR
5の出現が、それらが結合した窒素原子と共に3〜7員のヘテロ環を形成し;
R
6とR
7はそれぞれ、それぞれの出現に関して独立して、水素またはC
1〜6のアルキルを表すか、もしくはR
6とR
7が、それらが結合している炭素原子と共に3〜6員のカルボシクリル環を形成し;
R
8は、それぞれの出現に関して独立して、水素、C
1〜6のアルキル、C
3〜6シクロアルキル、またはアラルキルを表し;
R
9は、それぞれの位置に関して独立して、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、またはアラルキルを表し;
Xは以下のうちの一つであり:
(i)-(C
2〜6のアルケニレン)−フェニル、−(C
2〜6のアルケニレン)−ヘテロアリール、−(C
1〜6のアルキレン)−フェニル、−(C
1〜6のアルキレン)−ヘテロアリール、−(C
1〜6のアルキレン)−(部分不飽和2環式ヘテロシクリル)、−(C
1〜6のアルキレン)−(部分不飽和2環式オキソ−ヘテロシクリル)、−(5〜6員のヘテロシクロアルキレン)−フェニル、または−(C
3〜6のシクロアルキレン)−フェニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C
1〜6のハロアルキル、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、ヒドロキシル、及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換され;
(ii)−(C
1〜6のアルキレン)−Z
1または−(C
2〜6のアルケニレン)−Z
1、ここでZ
1は−O−アラルキル、−O−ヘテロアラルキル、−O−フェニル、−O−ヘテロアリール、−O−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、−O−(C
1〜6のアルキレン)−(C
3〜6のシクロアルキル)、−O−(C
3〜6のシクロアルキル)、−N(R
4)−アラルキル、−N(R
4)−フェニル、−N(R
4)−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、または−N(R
4)−(C
1〜6のアルキレン)−(C
3〜6のシクロアルキル)であり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C
1〜6のハロアルキル、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、ヒドロキシル、及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換され;または
(iii)-O−アラルキル、−O−ヘテロアラルキル、−O−フェニル、−O−ヘテロアリール、−O−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、−O−(C
1〜6のアルキレン)−(C
3〜6のシクロアルキル)、−O−(C
3〜6のシクロアルキル)、−N(R
4)−アラルキル、−N(R
4)−フェニル、−N(R
4)−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、または−N(R
4)−(C
1〜6のアルキレン)−(C
3〜6のシクロアルキル)であり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C
1〜6のハロアルキル、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、ヒドロキシル、及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換され;
Yは−C(R
6)(R
7)−、−O−、または−C(O)−であり;
m及びpは、独立して、0、1、または2であり;及び
nは1、2、または3である。
特定の実施形態において、A1はフェニレンである。特定の実施形態において、A1は5〜6員のヘテロアリーレンである。
特定の実施態様形態おいて、nは1である。特定の実施態様において、nは1または2である。
特定の実施形態において、R3は、それぞれの出現に関して独立して、C1〜6のハロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルキル、C1〜6のアルコキシ、または−O−(C1〜6のアルキレン)−OHを表す。特定の実施形態において、R3はトリフルオロメチル、フルオロ、クロロ、またはメトキシである。特定の実施態様において、R3はトリフルオロメチルである。
特定の実施形態において、−A
1−(R
3)
nは、
である。特定の実施形態において、−A
1−(R
3)
nは、以下のうちの一つである:
特定の実施形態において、R2Aは−(C1〜6のアルキレン)−A2である。特定の実施態様において、R2Aは−(C2〜3のアルキレン)−A2である。特定の実施形態において、R2Aは−(2〜6員のヘテロアルキレン)−A2である。特定の実施形態において、R2Aは−(C2〜3のアルキレン)−O−A2である。特定の実施形態において、R2Aは−O−A2である。
特定の実施形態において、A2は少なくとも2個の環窒素原子を含む。特定の実施態様において、A2は少なくとも2個の環窒素原子、及び少なくとも1個の環酸素原子を含む。
特定の実施形態において、A2は、オキソで置換された環炭素原子を少なくとも1個有する5〜6員のヘテロ環基であり、前記ヘテロ環基は、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、オキソ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、A2は、(i)オキソで置換された炭素原子を少なくとも1個、及び(ii)2個の環原子間の二重結合を少なくとも1個有する5〜6員のヘテロ環基であり、前記ヘテロ環基はC1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、オキソ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、A2における前記ヘテロ環基は5員のヘテロ環基である。
特定の実施形態において、A2は、少なくとも2個の環窒素原子、環に少なくとも1個の不飽和炭素原子を有する5〜6員のヘテロ芳香族基であり、前記ヘテロ芳香族基は、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、A2における前記ヘテロ芳香族基は5員のヘテロ芳香族基である。
特定の実施形態において、A2は、イミダゾリル;ピラゾリル;1,2,3−トリアゾリル;テトラゾリル;1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オニル;1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オニル;1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オニル;または2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オニルであり;これらのそれぞれは、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A2は、イミダゾリル;ピラゾリル;1,2,3−トリアゾリル;テトラゾリル;1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オニル;1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オニル;1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オニル;または2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オニルであり;これらのそれぞれは、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、及び−CO2R8からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A
2は以下のうちの一つであり:
これらのそれぞれは、C
1〜6のアルキル、C
1〜6のハロアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R
9、−CO
2R
8及び−C(O)(N
4)(R
5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A2は、オキサゾリジン−2−オニル;オキサゾリジン−2,4−ジオニル;イミダゾリジン−2,4−ジオニル;またはチアゾリジン−2,4−ジオニルであり、これらのそれぞれは、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A
2は以下のうちの一つであり:
これらのそれぞれは、C
1〜6のアルキル、C
1〜6のハロアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R
9、−CO
2R
8、及び−C(O)(N
4)(R
5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、R2Bはメチルである。
特定の実施形態において、Xは、(C2〜6のアルケニレン)−フェニル、−(C2〜6のアルケニレン)−ヘテロアリール、−(C1〜6のアルキレン)−フェニル、−(C1〜6のアルキレン)−ヘテロアリール、−(C1〜6のアルキレン)−(部分不飽和2環式ヘテロシクリル)、−(C1〜6のアルキレン)−(部分不飽和2環式オキソ−ヘテロシクリル)、または−(5〜6員のヘテロシクロアルキレン)−フェニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、(C2〜6のアルケニレン)−フェニル、−(C1〜6のアルキレン)−フェニル、または−(C1〜6のアルキレン)−ヘテロアリール)あり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−(C2〜6のアルケニレン)−フェニルであり、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、Xは、−(C1〜6のアルキレン)−Z1または−(C2〜6のアルケニレン)−Z1であり、ここでZ1は−O−アラルキル、−O−ヘテロアラルキル、−O−フェニル、−O−ヘテロアリール、−O−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、−O−(C1〜6のアルキレン)−(C3〜6のシクロアルキル)、−O−(C3〜6のシクロアルキル)、−N(R4)−アラルキル、−N(R4)−フェニル、−N(R4)−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、または−N(R4)−(C1〜6のアルキレン)−(C3〜6のシクロアルキル)であり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施態様において、Xは、−O−アラルキル、−O−ヘテロアラルキル、−O−フェニル、−O−ヘテロアリール、−O−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、−O−(C1〜6のアルキレン)−(C3〜6のシクロアルキル)、−N(R4)−アラルキル、−N(R4)−フェニル、−N(R4)−(部分不飽和2環式カルボシクリル)、または−N(R4)−(C1〜6のアルキレン)−(C3〜6のシクロアルキル)であり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−O−(C1〜6のアルキレン)−フェニルまたは−N(R4)−(C1〜6のアルキレン)−フェニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−O−(C1〜6のアルキレン)−フェニルまたは−N(R4)−(C1〜6のアルキレン)−フェニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換され、ここで少なくとも1個の置換基は可変部Xのフェニル基のオルト位にある。特定の実施形態において、Xは、−O−(C1〜6のアルキレン)−フェニルまたは−N(R4)−(C1〜6のアルキレン)−フェニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからな形態態様において、Xは、−O−アラルキルまたは−N(R4)−アラルキルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、C1〜6のハロアルキル、C1〜6のアルキル、C3〜6のシクロアルキル、C1〜6のアルコキシ、及びC1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−O−ベンジルまたは−N(R4)−ベンジルであり、これらのそれぞれは、クロロ、ブロモ、及びフルオロからなる群から独立して選択される1または2個の置換基で置換されている。
特定の実施形態において、Yは、−C(R6)(R7)−である。特定の実施態様において、R6及びR7は、独立して水素またはメチルである。
特定の実施形態において、Yは、−C(R6)(R7)−で、R6及びR7は独立に水素またはメチルであり、Xは1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル環の7位に結合する。
特定の実施形態において、Yは−O−である。特定の実施形態において、Xはクマニル環の6位に結合する。
特定の実施形態において、mは0または1である。特定の実施形態において、pは0である。特定の実施形態において、pは1である。
上記の化学式II−Aの可変部の定義は、複数の化学基を包含する。本出願は、例えば、i)可変部の定義が上記の化学基から選択される単一の化学基である実施形態、ii)可変部の定義が上記の化学基から選択される2個以上の化学基の集合である実施形態、及びiii)化合物が、例えばAがフェニレンでR3がC1〜6のハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、及びC1〜6のアルキルからなる群から選択されるような、可変部が(i)または(ii)によって定義される可変部の組み合わせで定義される実施形態を想定している。
本発明の別の態様では、化学式II−Bで表される化合物:
(IIB)
またはそれらの薬学的に許容される塩が提供され;ここで:
Aはフェニレンまたはピリジニレンであり;
R
1は、それぞれの出現に関して独立して、ハロゲン、メチル、エチル、またはシクロプロピルを表し;
R
2Aは、−(C
1〜6のアルキレン)−A
2、または−(2,6員のヘテロアルキレン)−A
2であり;ここで、A
2は少なくとも1個の不飽和炭素原子を含む5〜6員のヘテロ環基であり、前記ヘテロ環基は、C
1〜6のアルキル、C
1〜6のハロアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、オキソ、及び−CO
2R
8からなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換され;
R
2Bはメチルまたはエチルである;
R
3は、それぞれの出現に関して独立して、C
1〜3のハロアルキル、ハロゲン、C
1〜3のアルキル、または−O−(C
1〜6のヒドロキシアルキル)を表し、
R
4及びR
5は、それぞれの出現に関して独立して、水素、またはメチルを表し;または、同一の窒素原子に結合するR
4とR
5の出現が、それらが結合した窒素原子と共に3〜7員のヘテロ環を形成し;
R
8は、それぞれの出現に関して独立して、水素またはC
1〜6のアルキルを表し;
Xは、−(C
2〜6のアルケニレン)−フェニルであり、ハロゲン、C
1〜6のハロアルキル、C
1〜6のアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、C
1〜6のアルコキシ、及びC
1〜6のハロアルコキシからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される;
m及びpは、独立して、0、または1であり;及び
nは1または2である。
特定の実施形態において、Aはフェニレンである。特定の実施形態において、Aはピリジニレンである。
特定の実施形態において、R1はフルオロまたはメチルである。
特定の実施形態において、R2Aは−(C1〜6のアルキレン)−A2である。特定の実施形態において、R2Aは−(C2−3のアルキレン)−A2である。特定の実施形態において、R2Aは−(2〜6員のヘテロアルキレン)−A2である。
特定の実施形態において、A2は少なくとも2個の環窒素原子を含む。特定の実施形態において、A2は少なくとも2個の環窒素原子、及び少なくとも1個の環酸素原子を含む。
特定の実施形態において、A2は、オキソで置換された環炭素原子を少なくとも1個有する5〜6員のヘテロ環基であり、前記ヘテロ環基は、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、オキソ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、A2は、(i)オキソで置換された炭素原子を少なくとも1個、及び(ii)2個の環原子間の二重結合を少なくとも1個有する5〜6員のヘテロ環基であり、前記ヘテロ環基はC1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、オキソ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換される。特定の実施態様において、A2における前記ヘテロ環基は5員のヘテロ環基である。
特定の実施形態において、A2は、少なくとも2個の環窒素原子、環に少なくとも1個の不飽和炭素原子を有する5〜6員のヘテロ芳香族基であり、前記ヘテロ芳香族基は、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1または2個の置換基で任意に置換される。特定の実施態様において、A2における前記ヘテロ芳香族基は5員のヘテロ芳香族基である。
特定の実施形態において、A2は、イミダゾリル;ピラゾリル;1,2,3−トリアゾリル;テトラゾリル;1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オニル;1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オニル;1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オニル;または2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オニルであり;これらのそれぞれは、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A2は、イミダゾリル;ピラゾリル;1,2,3−トリアゾリル;テトラゾリル;1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オニル;1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オニル;1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オニル;または2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オニルであり;これらのそれぞれは、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、及び−CO2R8からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A
2は以下のうちの一つであり:
これらのそれぞれは、C
1〜6のアルキル、C
1〜6のハロアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R
9、−CO
2R
8及び−C(O)(N
4)(R
5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A2は、オキサゾリジン−2−オニル;オキサゾリジン−2,4−ジオニル;イミダゾリジン−2,4−ジオニル;またはチアゾリジン−2,4−ジオニルであり、これらのそれぞれは、C1〜6のアルキル、C1〜6のハロアルキル、C3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C1〜6のアルコキシ、C1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R9、−CO2R8、−C(O)(N4)(R5)、−N(R4)C(O)(R9)、及び−N(R4)(R5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、A
2は以下のうちの一つであり:
これらのそれぞれは、C
1〜6のアルキル、C
1〜6のハロアルキル、C
3〜6のシクロアルキル、ハロゲン、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6のハロアルコキシ、−C(O)R
9、−CO
2R
8及び−C(O)(N
4)(R
5)からなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基で任意に置換される。
特定の実施形態において、R3は、それぞれの出現に関して独立して、トリフルオルメチル、ハロゲンまたは−O−(C1〜6のヒドロキシアルキル)を表す。
特定の実施形態において、R4とR5は、それらが結合している窒素原子と共に、3〜7員のヘテロ環を形成する。特定の実施態様において、R4とR5は、それぞれの出現に関して独立して、水素またはC1〜6のアルキルを表す。
特定の実施形態において、R8は水素である。
特定の実施形態において、Xは、−(C2〜4のアルケニレン)−フェニルであり、ハロゲン及びC1〜6のハロアルキルからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−(C2〜4のアルケニレン)−フェニルであり、クロロ、フルオロ及びトリフルオロメチルからなる群から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意に置換される。特定の実施形態において、Xは、−(C2〜4のアルケニレン)−フェニルであり、クロロ、フルオロ及びトリフルオロメチルからなる群から独立して選択される1または2個の置換基で置換され、前記置換基はフェニル基のオルト位にある。
特定の実施形態において、m及びpは独立して0である。特定の実施形態において、nは1である。
上記の化学式II−Bの可変部の定義は、複数の化学基を包含する。本出願は、例えば、i)可変部の定義が上記の化学基から選択される単一の化学基である実施形態、ii)可変部の定義が上記の化学基から選択される2個以上の化学基の集合である実施形態、及びiii)化合物が、可変部が(i)または(ii)によって定義される可変部の組み合わせで定義される実施形態を想定している。
特定の実施形態において、前記の化合物は、以下の化学式のうちの1つで定義される化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩であり、可変部X及びZは表2において定義される。
表2
本明細書に記載の化合物を調製する方法を以下の合成スキームに示す。このスキームは発明を説明する目的で提供するものであり、発明の範囲や主旨を制限するものではない。スキームに示す出発物質は、市販品を入手するか、文献に記載された手順に基づいて調製することができる。
スキーム1に示す合成経路は置換1,2,3,4−テトラヒドロキノリン化合物F及びGを調製する一般的な方法である。アニリンAを2−(エトキシメチレン)マロン酸ジエチルBを反応した後、酸を用いた熱誘発環化を行うことで、置換4−オキソ−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸エチルCが得られる。化合物Cを塩化ホスホリルで処理することで、4−クロロキノリン−3−カルボキン酸エチルDが得られる。化合物Dをピリジン中でボランを用いる(または遷移金属介在水素化による)還元によって、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボン酸エチルEが得られるが、これを塩化スルホニルまたは塩化スルファモイルと反応して置換スルフンアミド−テトラヒドロキノリンFを得ることができる。Fのエステル基の加水分解により置換1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボン酸Gを得ることができる。化合物Gは、カルボン酸に関する文献に記載されているキラル分離技術により、鏡像異性的に濃縮された形態で得ることができる。
スキーム1の反応手順は、R、X、及び3位に様々な置換基を有する広範囲の3−置換1,2,3,4−テトラヒドロキノリン化合物の調製に適していると期待される。例えば、多数の置換アニリンが、文献で知られている、及び/または、市販されているまたはニトロ芳香族化合物から容易に調製される。さらに、分子中のある官能基がスキーム1に記載された反応条件に適さないと思われる場合は、まずその官能基を標準的な保護基の化学及び方策を用いて保護し、次いで所望の合成変換が完了した後に保護基を除去することが考えられる。例えば、Greene, T.W.; Wuts, P.G.M. Protective Groups in Organic Synthesis, 2
nd ed.; Wiley: New York, 1991, for further description of protecting chemistry and strategies.を参照されたい。例えば、XがOMeの場合、三臭素ホウ素でFからメチル部分を除去して6−または7−ヒドロキシテトラヒドロキノリンを得ることができる。得られる化合物は、ハロゲン化物または光延反応のいずかを用いるアルキル化に供して、Xを様々なOR基とすることができる。他の実施形態では、−OHはトリフレートに変換することができ、Pd介在触媒反応により様々な炭素結合置換基を得ることができる。他のいくつかの実施形態では、化合物Fのエステル基は当業界で知られている標準的な官能基操作手順を用いて、別の官能基に転換することができる。例えば、”Comprehensive Organic Synthesis” (B.M. Trost & I. Fleming, eds., 1991−1992).を参照されたい。
スキーム1.
スキーム2は、置換1,2,3,4−テトラヒドロキノリン化合物Fを調製する別の一般的な方法を示す。置換2−ニトロベンズアルデヒドAとマロン酸ジエチルの縮合により、α−β−不飽和ジエステルBが得られる。Bを水素化ホウ素ナトリウムで還元するとジエステルCが得られる。Cのニトロ部分を金属介在水素化または溶解金属還元法(例えば、Zn/AcOHまたはHCl中のFe)のいずれかで還元すると2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボン酸エステルDが得られる。Dの2−ケト部分の選択的還元により1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボン酸エチルEが得られる。Eのエステル基は、上記の方法とスキーム1を組み合わせることにより、それ以外の官能基に転換することができる。
スキーム2.
スキーム3は、置換(R)−2−アルキル−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸Dを調製する一般的な方法を示す。(S)−ジフェニルプロリノールトリエチルシリルエーテルによって促進される、3−置換アクリルアルデヒドBによる置換N−(2−ホルミルフェニル)(アリールまたはヘテロアリール)スルホンアミドAのタンデム型マイケル−アルドール脱水素(例えば、W. Wang et al. in Org. Lett. 9: 965−968, 2007; 及び A. Cordova et al. in Adv. Synth. Catal. 349: 827−832, 2007を参照されたい)により、置換(R)−2−アルキル−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボアルデヒドCが得られる。Cのアルデヒドの酸化(例えば、Y. K. Bae et al. in Synlett. 24: 1848−1850, 2013; 及び S. J. Williams et al. in WO 2011/047432を参照されたい)により、置換(R)−2−アルキル−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸Dが得られる。
スキーム3.
スキーム4は、置換(R)−(2−アルキル−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2−ジヒドロキノリン−3−イル)アルキルアルコールBを調製する一般的な方法を示す。塩化セリウム(III)の存在下、水素化ホウ素ナトリウムを用いる化合物Aのアルデヒドの還元(例えば、Y. Hamada et al. in Tetrahedron 64: 11568−11579, 2008を参照されたい)により、R’が水素の化合物Bが得られる。塩化セリウム(III)の存在下、アルキルマグネシウムまたはアルキルリチウムハロゲン化物の付加により、R’が低級アルキル(すなわち、C
1〜6のアルキル)である二級アルコールBが得られる。
スキーム4.
スキーム5は置換(R)−3−(−2−アルキル−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2−ジヒドロキノリン−3−プロパン酸Dを調製する一般的な方法を示す。アリル型アルコールAをメタンスルホニルハロゲン化物で処理すると(またはトシルハロゲン化物またはトリフリン酸無水物を水酸基を活性化するため用いてもよい、さらに別法として文献で知られている方法によりアリル型ハロゲン化物に転換してもよい)、アリル型水酸基が脱離基で活性化された化合物Bが得られる。R’がR”と同一の場合、適切な置換(または非置換)酢酸は適切な塩基(例えば、LDA、リチウムヘキサメチルジシルアジドなど)によりアニオンに転換され、Bによってアルキル化されて化合物Cが得られる。R’がR”と同一でない場合、キラルの酸を得るために文献の様々なキラルエノラート化学の手法を用いることができる。例えば、アシルオキサゾリジノンのアニオンが使用できる可能性がある。適切な塩基(例えば、炭酸カリウム、過酸化物存在下の水酸化リチウム)または酸(tert−ブチルエステルの場合)を用いてキラル補助剤のアルキルエステルを除去することにより、(R)−3−(2−アルキル−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2−ジヒドロキノリン−3−イル)プロパン酸Dが得られる。
スキーム5.
スキーム6は、置換(R)−(2−アルキル−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2−ジヒドロキノリン−3−イル)アルキルアミンC及びDを調製する一般的な方法を示す。アリル型アルコールAとフタルアミドの光延反応(例えば、D. L. Hughes et al. in Organic Reactions 42: 1992を参照されたい)により置換フタルアミドBが得られる。化合物Bを適当な溶媒中(例えば、エタノールまたはイソプロパノール;例えば、H. Itoh et al. in J. Org. Chem. 43: 2320, 1978)でヒドラジンを用いて処理することにより、(R)−(2−アルキル−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2−ジヒドロキノリン−3−イル)アルキルアミンCが得られる。化合物Cのアミン基の還元的アミノ化(例えば、C. A. Maryanoff et al. in J. Org. Chem. 61: 3849−3860, 1996を参照されたい)により、(R)−(2−アルキル−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2−ジヒドロキノリン−3−イル)アルキルアミンDが得られる。
スキーム6.
スキーム7は、置換(R)−N−((2−アルキル−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2−ジヒドロキノリン−3−イル)アルキル)アミドB、置換(R)−N−((2−アルキル−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2−ジヒドロキノリン−3−イル)アルキル)カルバメートC、置換(R)−N−((2−アルキル−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2−ジヒドロキノリン−3−イル)アルキル)尿素D(または置換(R)−N−((2−アルキル−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2−ジヒドロキノリン−3−イル)アルキル)チオ尿素)、置換(R)−N−((2−アルキル−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2−ジヒドロキノリン−3−イル)アルキル)スルホンアミドE、及び置換(R)−N−((2−アルキル−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2−ジヒドロキノリン−3−イル)アルキル)スルファミドFを調製する一般的な手順を示す。置換(R)−N−(2−アルキル−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2−ジヒドロキノリン−3−イル)アルキルアミンAを適当な塩基及びハロゲン化アシルと反応することでアミドBが得られる。別法として、カップリング剤(例えば、カルボジイミド、PyBOP、混合無水物を合成するクロロギ酸エステルによる酸の処理など)を用いて、多様な酸をカップリングしてアミドBを形成させてもよい。同様にアミンAをクロロギ酸エステルとカップリングして化合物Cを、イソシアネート、塩化カルバモイル、またはイソチオシアネートとカップリングしてDを、ハロゲン化スルホニルとカップリングしてEを、ハロゲン化スルファモイルとカップリングしてFを得ることができる。
スキーム7.
スキーム8は、置換シス−3−置換−2−アルキル−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリンBを調製する一般的な方法を示す。触媒存在下、上記の方法による置換(R)−2−アルキル−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2−ジヒドロキノリンAの水素化により、置換シス−3−置換−2−アルキル−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリンBが得られる。触媒の選択は置換基XまたはRに依存する。脱ハロゲンまたはベンジル位ヘテロ原子の還元脱離が問題とならない場合は、PdまたはPt担持カーボンを使用することができる。その他の場合は、上記の還元に関する文献の手順によると、これらの官能基を還元しないRh及び/または不均一触媒がより適している。
スキーム8.
スキーム9は、置換3−置換−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリンEを調製する一般的な方法を示す。ハロゲン化アニリンAと置換アクリル酸エステルBのラジカル環化及びイオン性環化を同時に行うタンデム型反応により、置換3,4−ジヒドロキノリン−2−オンCが得られる(例えば、N. Jiao et al. in Tetrahedron 65: 1982−1987, 2009を参照されたい)。Cのアミン基を、水素化物(例えば、ボランまたはリチウムアルミニウムの水素化物)を用いて還元するにより、置換1,2,3,4−テトラヒドロキノリンDが得られる。ハロゲン化スルホニルを用いるDのスルホニル化により、置換3−置換−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリンEが得られる。
スキーム9.
スキーム10は、キラルの置換3−置換−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリンを調製する一般的な方法を示す。アシル化オキサゾリジンジオンBを、2−ニトロベンジルハロゲン化物Aでアルキル化することにより、高いジアステレオマー過剰率で3−アリールプロピオンアミドCが得られる。溶解金属条件でCを還元することにより、上記の手順に基づいて置換3−置換−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリンE及びFに転換できる置換3,4−ジヒドロキノリン−2−オンDが得られる。
スキーム10.
スキーム11は、置換シス−2,3−二置換−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリンEを調製する一般的な方法を示す。2−ニトロベンジルハロゲン化物Aを用いるβ−ケトエステルBのアルキル化により、置換2−(2−ニトロベンジル)−β−ケトエルテルCが得られる。Cを還元することで、置換シス−2−アルキル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボン酸エチルDが得られる(例えば、R. A. Bunce et al. in J. Heterocyclic Chem. 44: 1059−1064, 2007を参照されたい)。この物質は上記のようにスルホニル化して、置換シス−2,3−二置換−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリンEとすることができる。
スキーム11.
スキーム12は、3位が酸素含有基で置換されたキラルの置換1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2、3,4−テトラヒドロキノリンEを調製する一般的な方法を示す。2−ニトロアルデヒドAのウィッティヒ反応により、α,β−不飽和エステルBを合成し、これをOs触媒による(DHQ)
2−PHALリガンドを用いる非対称ジヒドロキシル化(例えば、 K. B. Sharpless et al. in Chem. Rev. 94: 2483−2547, 1994を参照されたい)に供し、次いでジオールを塩化チオニルで処理すると、環状亜硫酸エステルCが得られる(例えば、K. B. Sharpless et al. in J. Am. Chem. Soc. 110: 7538−7539, 1988を参照されたい)。亜硫酸エステルCは、水素化ホウ素ナトリウムを用いる塩化コバルト触媒によるワンポット還元環化(例えば、A. Sudalai et al. in Organic Letters 11: 803−806, 2009を参照されたい)により、キラルの置換3−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリンDとなる。この物質を上記のようにスルホニル化すると、キラルの置換1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−3−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリンEが得られる。ペンダント型水酸基は、(例えば、2−クロロ酢酸を用いて)アルキル化することができる。キラルオスミル化において異なる適切なリガンドを用いると、Cの鏡像異性体及び、その結果DならびにEの鏡像異性体を調製することができる。化合物Eの水酸基をメシル化してアジドで置換し、さらに還元することで様々なキラルの3−アミノ置換−1,2,3,4−テトラヒドロキノリンの合成手段が得られる。水酸基の位置における逆のキラリティーが、キラルオスミル化に適したリガンドで置き換える同様の順序を用いて得られ、メシル化してアジドで置換し、それを還元することにより、様々なキラルの3−アミノ置換−1,2,3,4−テトラヒドロキノリンが得られる。
スキーム12
スキーム13は、置換(E)−7−(2−アリール−アルケン−1−エン−1−イル)−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2、3,4−テトラヒドロキノリン、置換(E)−6−(2−アリール−アルケン−1−エン−1−イル)−4−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン、及び置換(E)−N−アルキル−N−(3−(2−アリール−アルケン−1−エン−1−イル)フェニル)(アレンまたはヘテロアレン)スルホンアミドを調製する一般的な方法を示す。アリール−アルケンの銅(I)触媒を用いるカルボホウ素化(例えば、R. Alfaro et al. in J. Am. Chem. Soc. 134: 15165−15168, 2012を参照されたい)により、最終生成物を調製するための適切な7−ハロまたは7−トリフレート−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(A=CRR’)、6−ハロまたは6−トリフレート−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン(A=O)へのPd介在立体選択性付加に適する三または四置換のビニルボロネートが得られる。
スキーム13.
スキーム14は、キラルの置換7−シクロプロピル−1−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、6−シクロプロピル−4−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン、またはN−(3−シクロプロピルフェニル)−N−アルキル(アリールまたはヘテロアリール)スルホンミドCを調製する一般的な方法を示す。キラルのシクロプロピルボロン酸エステルA(例えば、M.−Z. Deng et al. in Angew. Chem. Ed. 37: 2845−2847, 1998を参照されたい)を適切なハロアレーンまたはトリフラートB(Xがハロゲンまたはトリフレート)に添加することにより、化合物Cが得られる。
スキーム14.
スキーム15は、様々な置換ベンズオキサジン化合物を調製する一般的な方法を示す。アリールスルホンアミドAをエポキシドと反応させると、ベンズオキサジンBが得られる。
スキーム15.
スキーム16は、様々な置換ベンズオキサジン化合物を調製する別の一般的な方法を示す。2−フルオロ−ニトロベンゼンAを2−ヒドロキシエステルBと反応させると、2−O−アリール酢酸エステルCが得られる。Cのニトロ部分を、酸溶解金属により還元すると、置換ベンゾオキサジノンDが形成される。ベンゾオキサジノンDのアミド基を、例えばリチウムアルミニウムハイドライド(LiAlH
4)またはボランを用いて還元するとベンゾオキサジンEが生成し、これをハロゲン化スルホニル及び塩基で処理することでスルホニル化ベンズオキサジンFが得られる。
スキーム16.
スキーム17は、スキーム16に概略的に示した合成手順のさらに詳細な例を示す。塩化水素水溶液中、硝酸ナトリウムで処理すると、D−グルタミン酸Aは環化してカルボン酸Bになる。このカルボン酸はボランでアルコールに還元することができ、その後生じた水酸基を保護すると(例えば、シリルまたはトリチル部分を用いる)、ラクトンCが得られる。このラクトンをLDAまたはLHDHSもしくは適切な別の塩基で処理し、次いでハロゲン化アルキルまたはアルキルトリフラートを用いてアルキル化すると、Ry=Hで、Rxがハロゲン化アルキル由来のアルキル部分であるジアステレオ選択性ラクトンDが得られる。
Ry及びRxが逆になったDの他のジアステレオマーは、ラクトンCをLDAで処理し、立体障害が非常に大きいプロトン源として有効に作用する飽和硫酸ナトリウムでエノラートを選択的にプロトン化することにより調製することができる(例えば、S. Takano et al. in Chem Lett 733 1982を参照されたい)。このエノラートは、第2のハロゲン化アルキルを用いて選択的にアルキル化することもでき、この生成物により第2のハロゲン化アルキル源としてRxが提供され、Ryが第1のアルキル化反応由来となる。
化合物Dのエーテルの脱保護後、生じた水酸基を酸化することにより置換カルボン酸Eが得られる。Eをメタノール中で酸処理することにより、置換ジエステルFが得られ、これを2−ニトロフェノールで処理すると置換エステルGが得られる。Gの溶解金属還元の際に生じる環化により、置換ベンズオキサジノンHが得られる。ベンズオキサジノンHのアミド基を、ボランを用いて選択的に還元するとベンズオキサジンIが生成し、これをハロゲン化スルホニル及び塩基で処理すると置換スルホニル化ベンズオキサジンJが得られる。必要な場合、Jのエステル基は、以下のスキームなどの本明細書で説明される方法を用いてヘテロシクリルに転換することができる。
スキーム17.
スキーム18は、様々な置換ベンズオキサジン化合物を調製する一般的な方法を示す。キラルのα−ヒドロキシエステルBのスルホンアミドAの光延付加によりO−アリルエーテルCが得られる。化合物CをDIBALで処理することによりアルデヒドDが得られ、これに臭化ビニルマグネシウムを付加するとアンチ−アノミアルコールEを生成する(例えば、D. Gryko et al. in Tetrahedron: Asymmetry 8: 4059−4067, 1997を参照されたい)。化合物Eを塩基で処理するとベンズオキサジンFが得られる。Fのビニル部分は、オレフィンのメタセシス化学により他のアルケンに転換することができ、得られるアルケンは還元して置換アルカンとするか、酸化してヘテロ環の導入に有用な水酸基、ジオール、カルボン酸、または他の官能基とすることができる。
スキーム18.
スキーム19は、ヘテロ環をR
2Aの構成要素として有するキラルのベンズオキサジンを調製する一般的な方法を示す。Link及びCoreyによる文献の報告では、トリクロロケトンはプロリンベースの触媒及びボランによって容易に立体選択的に還元することができ、その後フェノールで置換して置換2−フェノキシカルボン酸が得られることが明らかにされている(例えば、Tetrahedron Lett 33: 3431−3434, 1992を参照されたい)。トリクロロケトンを得るには様々な方法があり(例えば、Tetrahedron Lett 33: 3435−3438, 1992を参照されたい)、そのうちの一つを以下に示す。DMF中でアルデヒドAをトリクロロ酢酸及びトリクロロ酢酸ナトリウムで処理すると、ラセミ体のトリクロロカルビノールBが得られ、クロム酸を用いてこれを酸化することでトリクロロケトンCを得ることができる。キラルのトリクロロカルビノールDの立体特異的還元の後、水酸化物の存在下、この反応条件で形成される1,1−ジクロロエポキシドを置換2−ニトロフェノールで開環することにより、置換2−アリールオキシカルボン酸Eが得られる。Eのエステル化後に溶解金属で還元すると置換ベンズオキサジノンGが得られる。ベンゾオキサジノンGのアミド基を、例えばリチウムアルミニウムハイドライド(LiAlH
4)またはボランを用いて還元するとベンゾオキサジンHが生成し、これをハロゲン化スルホニル及び塩基で処理することで置換スルホニル化ベンズオキサジンIが得られる。
スキーム19.
スキーム20は、立体制御された手法で3置換オレフィンを調製する一般的方法を示す。アルデヒドA(ここでAはO、A’はNである)は、置換4−ヒドロキシ−3−ニトロベンズアルデヒドを用いて、スキーム19の手順に基づいて調製することができる。別法として、アルデヒドAは、Pd介在条件でXがBrまたはOTfであるTHQまたはベンズキサジンをホルミル化すること;もしくは、臭素またはトリフラートをニトリルに転換し、そのニトリルをDIBALで還元してアルデヒドとすることによって調製することができる。この置換アルデヒドAを、コーリー−フックス条件下で(例えば、Tetrahedron Lett 13: 3769−3772, 1972)トリフェニルホスフィン及び四臭化炭素と反応させると、ジブロモオレフィンBを生成する。ベンズオキサジンまたはテトラヒドロキノリンのフェニル部分に対してトランス位にある臭素は、立体選択的方法でアリールまたはアルキル基によって選択的に置換され(例えば、Synlett 5 737−739, 2000; Tetrahedron 64: 10250−1257; Angew Chem Int 51: 5718−5722; Org Lett 12: 2754−2757, 2010; 及び Org Lett 2797−3000, 2004を参照されたい)、臭素置換スチルベンCを生成する。第2のPd介在触媒反応により第2のRを付加することで、よく立体制御された3置換オレフィンDが得られる。
スキーム20.
スキーム21は、立体制御された手法でトリフルオロメチル置換オレフィンBを調製する一般的方法を示す。スキーム21は、スキーム20で示した一般的な手順の、さらに具体的な例である。臭素置換スチルベンAへのCF
3の銅またはPd介在付加により、例えばAdv Syn and Catalysis 353: 3044−3048, 2011に記載された条件を用いて立体化学を保持したままその置換基を導入することができる。
スキーム21.
スキーム22は、立体制御された手法で二置換オレフィンDを調製する別の一般的方法を示す。立体特異的手法でのHwanjong Jang et al.の方法(例えば、J. Am. Chem. Soc. 133: 7859−7871, 2011を参照されたい)によって、アセチレンAにビスボロン酸エステルを銅介在付加させるとビニルボロン酸エステルBが得られる。このビニルボロン酸エステルとハロゲン化アリールまたはアリールトリフラートCとのパラジウム触媒によるカップリングによりメチル置換オレフィンDが得られる。
スキーム22.
スキーム23は、立体制御された手法で2置換オレフィンDを調製する別の一般的方法を示す。ビニルボロン酸エステルAのハロゲン化アリールまたはアリールトリフラートBとのヘック反応(例えば、Andrew Lightfoot et al. in Tetrahedron Lett. 44: 7645−7648, 2003を参照されたい)により、立体特異的手法でビニルボロン酸エステルCが得られる。このボロン酸エステルとハロゲン化アリールまたはヘテロアリールもしくはアリールまたはヘテロアリールトリフラートとのパラジウム触媒によるカップリングにより2置換オレフィンDが得られる。
スキーム23
スキーム24は、置換3−アルコキシまたは3−アミノ1,2,4,−オキサジアゾール−5(4H)−オンDまたは1,2,4−トリゾール−5(4H)−オンEを調製する一般的方法を示す。アルコールA(Q=O)またはアミン(Q=NHまたはN−低級アルキル)を処理するとチオカルバメートBが得られる。このチオカルバメートは、閉環を促進するNaOHの存在下ヒドロキシルアミンまたはヒドラジンで処理して、3−アルコキシまたは3−アミノ置換1,2,4,−オキサジアゾール−5(4H)−オンDまたは1,2,4−トリゾール−5(4H)−オンEに転換することができる。別法として、硫黄をアルキル化し、次いで得られる化合物をヒドロキシルアミンまたはヒドラジンと反応させると、3−アルコキシまたは3−アミノ1,2,4,−オキサジアゾール−5(4H)−オンDまたは1,2,4−トリゾール−5(4H)−オンEを得ることができる。
スキーム24
スキーム25は、置換1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンCまたは1,3,4−オキサジアゾールDを調製する一般的方法を示す。エステルAをヒドラジンで処理するとヒロラジドBが得られ、これをトリフォスゲン(またはジカルボニルイミダゾールなどの合成等価体)または酸塩化物で処理すると、環化後に置換1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンCまたは1,3,4−オキサジアゾールDが得られる。
スキーム25
スキーム26は、置換1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンCまたは1,2,4−オキサジアゾールDを調製する一般的方法を示す。ニトリルA(Q=O)をヒドロキシルアミンで処理するとN−ヒドロキシイミドアミドBが得られ、これをトリフォスゲン(またはジカルボニルイミダゾールなどの合成等価体)または酸塩化物で処理すると、環化後に置換1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンCまたは1,2,4−オキサジアゾール−Dが得られる。
スキーム26
スキーム27は、置換N−結合型ヘテロ環状体Cを調製する一般的な方法を示す。アルコールAを塩化メタンスルホニルまたはメタンスルホン酸無水物で処理するとメシレートBが得られる。中間体Bは、トシレート、トリフレート、ハロゲン化物などであってもよい。この中間体はNH基を有するヘテロ環(例えば、置換イミダゾール、ピラゾール、トリアゾールなど)で置換され、N−結合型ヘテロ環状体Cが得られる。
スキーム27
スキーム28は、置換N−結合型ヘテロ環状体Bを調製する別の一般的な方法を示す。アルコールAを光延条件(例えば、トリフェニルホスフィンまたはジイソプロピルジアゾジカルボキシレートもしくはその等価体を有するトリフェニルホスフィンの等価体)を用いて、酸性NH−置換ヘテロ環状体(例えば、置換ピロリジン−2,5−ジオン、1−アルキルイミダゾリン−2,4−ジオン、イミダゾリン−2,4−ジオン、オキサリジン−2,4−ジオン、またはチアゾリジン−2,4−ジオン)と処理すると、N−結合型ヘテロ環状体Bが得られる。
スキーム28
スキーム29は、置換C−結合型ヘテロ環状体Cを調製する一般的な方法を示す。アルコールAを塩化メタンスルホニルまたはメタンスルホン酸無水物で処理するとメシレートBが得られる。この中間体Bは、トシレート、トリフレート、ハロゲン化物などであってもよい。この中間体は様々なC−ヘテロ環状体(例えば、置換ピロリジン−2−オン、ピペリジン−2−オン、チアゾリジン−2,4−ジオン、イミダゾリジン−2,4−ジオン、またはオキサゾリジン−2,4−ジオン)によって置換されC−結合型ヘテロ環状体Cが得られる。
スキーム29
スキーム30は、置換(2S,4R)−2−置換−4−(アリールまたはヘテロアリールスルホニル)クロマンFを調製する一般的方法を示す。ハロゲン化ベンジルAをメルカプタンBで処理するとチオエーテルCが得られる。チオエーテルCをメタ−クロロ過安息香酸または他の酸化剤で酸化することでスルホンDが得られる。スルホンDをn−ブチルリチウム、tert−ブトキシドまたは他の適切な塩基で処理するとアニオンが生成し、これをエポキシドでアルキル化するとアルコールEを得ることができる。アルコールEを水素化ナトリウムまたは他の適切な塩基で処理するとクロマンFが得られる。
スキーム30
スキーム31は、置換(ベンジルまたはヘテロアリールアルキルスルホニル)ベンゼンEを調製する別の一般的方法を示す。ピロリジンを触媒として2−ヒドロキシアセトフェノンAをアルデヒドBと縮合すると、クロマノンCが得られる。還元剤(例えば、トリエチルシランまたはピリジン−ボラン)の存在下、酸性条件(例えば、BF
3−エーテラートまたはトリフルオロ酢酸)でクロマノンCにチオールを付加すると、スルフィドDが得られる。スルフィドDのメタ−クロロ過安息香酸、オキソン、または他の適切な酸化剤を用いる酸化により、置換(ベンジルまたはヘテロアリールアルキルスルホニル)ベンゼンEが得られる。
スキーム31
スキーム32は、置換1−(フェニルまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンCを調製する一般的方法を示す。還元剤(例えば、トリエチルシランまたはピリジンボラン)の存在下、酸性条件(例えば、BF
3−エーテラートまたはトリフルオロ酢酸)でテトラロンAにチオールを付加すると、スルフィドBが得られる。スルフィドBをメタ−クロロ過安息香酸、オキソン、または他の適切な酸化剤を用いて酸化すると、1−(フェニルまたはヘテロアリールスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンCが得られる。
スキーム32
II.ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミド及び関連化合物の治療への応用
本明細書に記載のジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミド及び関連化合物、例えば、セクションIの化学式I、I−A、I−B、II、II−A、II−B、II−Cの化合物またはその他の化合物は、癌、細菌感染症、真菌感染症、または免疫不全症に罹患している対象に治療上の利益を提供することが期待される。従って、本発明の一態様は、癌、細菌感染症、真菌感染症、免疫不全症からなる群から選択される疾患を治療する方法を提供する。この方法は、治療上有効な量の本明細書に記載のジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミドまたは関連化合物、例えばセクションIの化学式I、I−A、I−B、II、II−A、II−B、II−Cの化合物またはその他の化合物の1つ以上を、それを必要とする対象に投与し、その疾患の症状を改善することを含む。特定の実施形態において、化学式I、I−A、I−B、II、II−A、II−B、またはII−Cの特定の化合物は、上記の実施形態の一つで明示した化合物である。
特定の実施形態において、疾患は癌である。特定の実施形態において、癌は固形腫瘍または白血病である。特定の他の実施形態において、癌は、結腸癌、膵癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、肺癌、白血病、膀胱癌、胃癌、子宮頸癌、精巣癌、皮膚癌、直腸癌、甲状腺癌、腎癌、子宮癌、食道癌、肝癌、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、または網膜芽細胞腫である。特定の実施形態において、癌は、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、黒色腫、中枢神経系組織の癌、脳腫瘍、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、またはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫である。特定の実施形態において、癌は、乳癌、結腸癌、小細胞肺癌、非小脂肪肺癌、前立腺癌、腎癌、卵巣癌、白血病、黒色腫、または中枢神経系組織の癌である。と特定の実施態様において、癌は、結腸癌、小細胞肺癌、非小脂肪肺癌、腎癌、卵巣癌、腎癌、または黒色腫である。
さらに代表的な癌としては、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原生肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮腫、リンパ管腫、リンパ管肉腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状線種、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウイルムス腫瘍、上皮癌、グリオーマ、星状膠細胞腫、髄芽細胞腫、及び血管芽細胞腫などがある。
特定の実施形態において、癌は、神経芽細胞腫、髄膜腫、血管外皮細胞腫、多発性脳転移、多形膠芽細胞腫、グリア芽細胞腫、脳幹部神経膠腫、予後不良の悪性脳腫瘍、悪性神経膠腫、退形成星細胞腫、退形成乏突起神経膠腫、神経内分泌腫瘍、直腸腺癌、デュークスC&D結腸直腸癌、切除不能結腸直腸癌、転移性肝細胞癌、カポジ肉腫、核型急性骨髄性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、低悪性濾胞性リンパ腫、転移性黒色腫、限局性黒色腫、悪性中皮腫、悪性胸膜滲出液中皮腫症候群、腹膜癌、乳頭状扁平上皮癌、婦人科腫瘍、軟部組織肉腫、強皮症、皮膚血管炎、ランゲルハンス細胞組織球症、平滑筋肉腫、進行性骨化性線維異形成症、ホルモン不応性前立腺癌、切除高リスク軟部組織肉腫、切除不能肝細胞癌、ワルデンストレームマクログロブリン血症、くすぶり型骨髄腫、無痛性骨髄腫、卵管癌、アンドロゲン非依存性前立腺癌、アンドロゲン依存性ステージIV非転移性前立腺癌、ホルモン不応性前立腺癌、化学療法不応性前立腺癌、甲状腺乳頭癌、濾胞性甲状腺癌、甲状腺髄様癌、または平滑筋腫である。
特定の実施形態において、疾患は細菌感染である。細菌感染症は、当該技術分野で知られている分類に従って特徴づけることができる。例えば、特定の実施形態において、細菌感染症は、グラム陽性球菌感染症またはグラム陽性桿菌感染症などのグラム陽性細菌感染症である。他の実施形態において、細菌感染症は、グラム陰性球菌感染症またはグラム陰性桿菌感染症などのグラム陰性細菌感染症である。細菌感染症は、それが嫌気性細菌または好気性細菌によって引き起こされたかどうかで特徴づけることもできる。従って、特定の実施形態において、細菌感染症は嫌気性細菌感染症である。他の実施形態において、細菌感染症は好気性細菌感染症である。
様々な細菌は、テトラヒドロキノリン化合物の影響を受けやすいことが期待される。代表的な細菌としては、Staphylococci種、例えば、S.aureus;Enterococci種、例えば、E.faecalis、及びE.faecium;Streptococci種、例えば、S.Pyogenes、及びS.pneumoniae、Escherichia種、例えば、腸内毒素原性、腸管病原性、腸管組織侵入性、腸管出血性、及び凝集付着性E.Coli株を含むE.Coli;Haemophilus種、例えば、H.influenza;及びMoraxella種、例えば、M.catarrhalis、が含まれる。他の例としては、Mycobacteria種、例えば、M.tuberculosis、M.avian−intracellulare、M.kansasii、M.bovis、M.africanum、M.genavense、M.leprae、M.xenopi、M.simiae、M.scrofulaceum、M.malmoense、M.celatum、M.abscessus、M.chelonae、M.szulgai、M.gordonae、M.haemophilum、M.fortuni及びM.marinum;Corynebacteria種、例えば、C.diphtheriae;Vibrio種、例えば、V.cholerae;Campylobacter種、例えば、C.jejuni;Helicobacter種、例えば、H.pylori;Pseudomonas種、例えば、P.aeruginosa;Legionella種、例えば、L.pneumophila;Treponema種、例えば、T.pallidum;Borrelia種、例えば、B.burgdorferi;Listeria種、例えば、L monocytogenes;Bacillus種、例えば、B.cereus;Bordatella種、例えば、B.pertussis;Clostridium種、例えば、C.perfringens、C.tetani、C.difficile及びC.botulinum;Neisseria種、例えば、N.meningitidis、及びN.gonorrhoeae;Chlamydia種、例えば、C.psittaci、C.pneumoniae、及びC.trachomatis;Rickettsia種、例えば、R.rickettsii、及びR.prowazekii;Shigella種、例えば、S.sonnei;Salmonella種、例えば、S.typhimurium;Yersinia種、例えば、Y.enterocolitica、及びY.pseudotuberculosis;Klebsiella種、例えば、K.pneumoniae;Mycoplasma種、例えば、M.pneumoniae;及びTrypanosoma brucei.特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、S.aureus、E.faecalis、E.faecium、S.pyogenes、S.pneumonia、及びP.aeruginosaからなる群から選択される細菌感染症に罹患した対象を治療するために用いられる。
本明細書で説明する化合物の抗菌活性は、例えば、National Committee for Clinical Laboratory Standards. Performance Standards for Antimicrobial Susceptibility Testing; Fourteenth Informational Supplement. NCCLS document M100−S14 {ISBN 1−56238−516−X}でさらに説明されているように、ミクロ液体希釈最小発育阻止濃度(MIC)アッセイなどの当該技術分野で知られているアッセイを用いて評価することができる。このアッセイは、溶液中の目に見える細菌の成長を抑制するのに必要な化合物の最低濃度の測定に用いることができる。一般に、試験する薬剤をウエルに逐次希釈し、液状の細菌培養物のアリコートを添加する。この混合物を適当な条件下で培養し、次いで細菌の成長について試験する。抗菌活性が低いか、もしくは抗菌活性が無い(高MICの)化合物では、高濃度の化合物でも細菌の成長が可能であるが、一方抗菌活性が高い化合物では、より低い化合物濃度(低MIC)でのみ細菌の成長が可能である。
このアッセイでは、選択した細菌株に適した保存細菌培養物の条件を用いる。常設保存培養物コレクションの保存培養物は、凍結懸濁液として−70℃で保存することができる。培養物は、10%スキムミルク(BD)で懸濁することができ、その後ドライアイス/エタノールで急速凍結し、それから−70°の冷凍庫に入れる。培養物は、室温(20℃)で5%羊血を含むトリプティックソイ寒天培地上で維持してもよいし、MIC試験の追加時間前にそれぞれの培養物を冷凍された形態から取り出して移してもよい。試験の前日に未使用のプレートに植菌し、一晩培養して、純度及び同一性を確認するため検査を行う。
保存培養物から取り出した培養物の同一性及び純度を確認することで、汚染の可能性を除去することができる。菌株の同一性は、標準的な微生物学的方法で確認することができる(例えば、Murray et al., Manual of Clinical Microbiology, Eighth Edition. ASM Press {ISBN 1−55581−255−4}を参照されたい)。一般に、培養物を適当な寒天板上にストリークして、純度、予期されるコロニー形態、溶血パターンを可視化する。グラム染色も使用することができる。同一性は、MicroScan WalkAway 40 SI Instrument(Dade Behring社、カリフォルニア州ウエストサクラメント)を用いて確認する。この装置は、自動の培養機、読取機、及びコンピュータを利用し、同一性を確認するためそれぞれの有機体が行う生化学反応にアクセスする。MicroScan WalkAwayを、予備的なMICの測定に用いることも可能であり、これは以下に述べる方法を用いて確認することができる。
凍結された保存培養物は、ミクロ液体希釈最小発育阻止濃度(MIC)試験を行うための最初の有機体源として使用することができる。保存培養物は、使用前に少なくとも1回の発育サイクル(18〜24時間)の間、それらの標準的な発育培地上を通過させる。ほとんどの細菌は、液寒天板から10mLの適当なブロス培地のアリコートに直接調製することができる。細菌培養物は、0.5のマクファーランド標準液の不透明度(波長600nmにセットしたPerkin−Elmer Lambda EZ150 Spectrophotometer、Wellesley, Massachusetts、における光学密度値0.28〜0.33)に調整する。次いで、調整された培養物を発育培地中で400倍に希釈し(種菌0.25mL+ブロス100mL)、約5×105コロニー形成単位(CFU)/mLの出発懸濁液を作製する。ほとんどの細菌株は陽イオン調整ミューラーヒントンブロス(CAMHB)で試験することができる。
試験化合物(「薬剤」)は、DMSOなどのアッセイに適した溶媒に可溶化される。薬剤の保存溶液は、試験日に調製する。ミクロブロス希釈保存プレートは、64〜0.06μg薬剤/mL及び0.25〜0.00025μg薬剤/mLの2つの希釈シリーズで調製する。高濃度シリーズの場合、200μLの保存溶液(2mg/mL)を96ウエルマイクロタイタープレートの2列に重複して添加する。これを希釈シリーズの最初のウエルとして使用する。BioMek FXロボット(Beckman Coulter Inc.、Fullerton,CA)を用いて、逐次2倍希釈液を、残りの11ウエルの10ウエルに作製するが、これらのそれぞれには100μLの適当な溶媒/希釈液が含まれる。列12は溶媒/希釈液のみを含み、対照として使用する。低濃度シリーズの最初のウエルの場合は、8μg/mLの保存液200μLを96ウエルのプレートの2列に重複して添加する。逐次2倍希釈液を上記と同様に調製する。
BioMek FXロボットを用い、上記の保存プレートから96ウエルのドータープレートにスポット(3.2μL/ウエル)して、直ちに使用するか、もしくは使用するまで−70℃で保存する。好気性の有機体を、BioMek FXロボットを用いて解凍したプレートに植菌(体積100μL)する。植菌したプレートを積み重ね、空のプレートでカバーする。その後、これらのプレートをCLSI指針(National Committee for Clinical Laboratory Standards, Methods for Dilution, Antimicrobial Tests for Bacteria that Grow Aerobically; Approved Standard−Sixth Edition.NCCLS document M7−A6 {ISBN 1−56238−486−4})に従って、周囲雰囲気中で16〜24時間培養する。
細菌の生育度は、植菌及び培養後、直接マイクロブロストレーの上部を通して照らす単一の光源を有する暗室において、Test Reading Mirror(Dynex Technologies社 220 16)を用いて、目視で評価することができる。MICは、試験条件下で顕微鏡的に可視の成長を抑制する薬剤の最低濃度である。
特定の実施形態において、前記の疾患は真菌性感染症である。治療される可能性がある真菌の代表的な例としては、例えば、Acremonium、Absidia(例えば、Absidia corymbifera)、Alternaria、Aspergillus(例えば、Aspergillus clavatus、Aspergillus flavus、Aspergillus fumigatus、Aspergillus nidulans、Aspergillus niger、Aspergillus terreus,及びAspergillus versicolor)、Aureobasidium、Basidiobolus、Blastomyces(例えば、Blastomyces dermatitidis)、Candida(例えば、Candida albicans、Candida glabrata、Candida guilliermondii、Candida kefyr、Candida krusei、Candida lusitaniae、Candida parapsilosis、Candida pseudotropicalis、Candida stellatoidea、Candida tropicalis、Candida utilis、Candida lipolytica、Candida famata及びCandida rugosa)、Cephalosporium、Chaetomium、Chrysosporium、Cladosporium(例えば、Cladosporium carrionii及びCladosporium trichloides)、Coccidioides(例えば、Coccidioides immitis)、Conidiobolus、Coprinus、Corynespora、Cryptococcus(例えば、Cryptococcus neoformans)、Curvularia、Cunninghamella(例えば、Cunninghamella el例えば、ans)、Exophiala(例えば、Exophiala dermatitidis及びExophiala spinifera)、Epidermophyton(例えば、Epidermophyton floccosum)、Fonsecaea(例えば、Fonsecaea pedrosoi)、Fusarium(例えば、Fusarium solani)、Geotrichum(例えば、Geotrichum candiddum及びGeotrichum clavatum)、Hendersonula、Histoplasma、Leptosphaeria、Loboa、Madurella、Malassezia(例えば、Malassezia furfur)、Microsporum(例えば、Microsporum canis及びMicrosporum gypseum)、Mycocentrospora、Mucor、Neotestudina、Paecilomyces、Paracoccidioides(例えば、Paracoccidioides brasiliensis)、Penicillium(例えば、Penicillium marneffei)、Phialophora、Pneumocystis(例えば、Pneumocystis carinii)、Pseudallescheria(例えば、Pseudallescheria boydii)、Rhinosporidium、Rhizomucor、Rhizopus(例えば、Rhizopus microsporus var. rhizopodiformis及びRhizopus oryzae)、Saccharomyces(例えば、Saccharomyces cerevisiae)、Scopulariopsis、Sporothrix(例えば、Sporothrix schenckii)、Trichophyton(例えば、Trichophyton mentagrophytes及びTrichophyton rubrum)、Trichosporon(例えば、Trichosporon asahii、Trichosporon beigelii及びTrichosporon cutaneum)、及びWangiellaなどがある。
特定の実施形態において、前記の疾患は免疫不全症である。免疫不全症の代表的な例としては、例えば、ヒト免疫不全ウイルス感染症、化学療法による免疫系不全を有する患者、または手術から回復中の免疫系不全を有する患者などがある。
特定の実施形態において、前記の対象はヒトである。
本発明の別の態様は、本明細書に記載の化合物(例えば、セクションIの化学式I、I−A、I−B、II、II−A、II−B、II−Cの化合物、または他の化合物)の薬剤の製造における使用を提供する。特定の実施形態において、前記の薬剤は癌などの、本明細書に記載の疾患を治療するためのものである。
本発明の別の態様は、本明細書に記載の化合物(例えば、セクションIの化学式I、I−A、I−B、II、II−A、II−B、II−Cの化合物、または他の化合物)の本明細書に記載の医学的障害(例えば、癌)などの医学的障害を治療するための使用を提供する。
さらに、本明細書に記載のジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミド及び関連化合物、例えば、セクションIの化学式I、I−A、I−B、II、II−A、II−B、II−Cの化合物、または他の化合物は、RORγの活性を促進することができることが期待される。従って、本発明の別の態様は、RORγの活性を促進する方法を提供する。この方法は、RORγを有効な量の本明細書に記載のジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミドまたは関連化合物、例えばセクションIの化学式I、I−A、I−B、II、II−A、II−B、II−Cの化合物、または他の化合物に暴露し、RORγの活性を促進することを含む。特定の実施形態において、前記の化学式I、I−A、I−B、II、II−A、II−B、またはII−Cの特定の化合物は、上記の実施形態の一つで明示した化合物である。RORγの活性の促進とはRORγの活性を増大させることを意味する。特定の実施形態において、RORγを有効な量の本明細書に記載のジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミドまたは関連化合物(例えば、セクションIの化学式I、I−A、I−B、II、II−A、II−B、II−Cの化合物、または他の化合物)に暴露すると、RORγの活性が、実質的に同条件であるがジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミド及び関連化合物が存在しない条件下のRORγの活性と比較して、少なくとも5%、10%、20%、または50%増加する。
さらに、本明細書に記載のジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミド及び関連化合物、例えば、セクションIの化学式I、I−A、I−B、II、II−A、II−B、II−Cの化合物、または他の化合物は、対象のインターロイキン−17(IL−17)の量を増加させることができることが期待される。IL−17は、多くの生物学的機能に影響するサイトカインである。従って、本発明の別の態様は、対象のIL−17の量を増加させる方法を提供する。この方法は、有効な量の1つ以上のここで述べるジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミドまたは関連化合物、例えば化学式セクションIのI、I−A、I−B、II、II−A、II−B、II−Cの化合物、または他の化合物を、対象に投与して、対象のIL−17量を増加させることを含む。特定の実施形態において、前記の化学式I、I−A、I−B、II、II−A、II−B、またはII−Cの特定の化合物は、上記の実施形態の一つで明示した化合物である。
特定の実施形態において、前記の対象はヒトである。特定の実施形態において、前記の化合物の投与により、対象のTh−17細胞で産生されるIL−17の量が増加する。例えば、Th−17細胞で産生されるIL−17の量の変化は、ELISAアッセイまたは細胞内染色アッセイなどの文献に記載の手順を用いて測定することができる。
さらに、本明細書に記載のジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミド及び関連化合物、例えば、化学式セクションIのI、I−A、I−B、II、II−A、II−B、II−Cの化合物、または他の化合物は、対象のIL−17の合成を増加させる可能性があることが期待される。従って、本発明の別の態様は、対象のIL−17の量を増加させる方法を提供する。この方法は、治療上有効な量のジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミドまたは関連化合物、例えばセクションIの化学式I、I−A、I−B、II、II−A、II−B、II−Cの化合物、または他の化合物を、対象に投与して、対象のIL−17の合成を増加させることを含む。特定の実施形態において、前記の化学式I、I−A、I−B、II、II−A、II−B、またはII−Cの特定の化合物は、上記の実施形態の一つで明示した化合物である。
養子細胞療法
本明細書に記載のRORγ作動薬の化合物は、癌、細菌感染症、真菌感染症、及び免疫不全症などの様々な医学的障害を治療する養子細胞治療に使用することができる。細胞、例えばリンパ球細胞または樹状細胞を、本明細書のRORγ作動薬の化合物に生体外で暴露し、次いでその処理された細胞を患者に投与する。養子細胞移植においては、細胞を細胞源(通常治療を必要としている患者)から採取し、生体外で作用物質と培養し、次いで得られた細胞を、治療を必要としている患者に投与する。培養において、細胞は通常、細胞の数が増加する(すなわち、増殖)及び/または改善された治療上の利益を提供する特色を獲得する条件に暴露される。養子細胞療法の方法及び組成物の一般的な特徴を、リンパ球細胞、樹状細胞、及び細胞の分離と培養の手順のさらに具体的な実施形態と共に、以下に説明する。
従って、本発明の一態様は、RORγ作動薬で処理されたリンパ球細胞及び樹状細胞からなる群から選択される細胞を患者に届ける方法を提供する。前記の方法は、例えば化学式I、I−A、I−B、II、II−A、II−B、またはII−Cなどの本明細書に記載のRORγ作動薬に生体外で暴露された前記細胞を含む医薬組成物を、それを必要としている患者に投与することを含む。この方法はさらに、培養するステップを含む。かかる実施形態において、この方法は、細胞(すなわち、リンパ球細胞または樹状細胞)をRORγ作動薬と共に培養し、生体外でRORγ作動薬に暴露された細胞を提供することを含む。培養は、細胞をサイトカイン(例えば、IL−1β、IL−2、IL−6、IL−7、IL−10、IL−12、IL−15、IL−18、IL−21、IL−23、またはトランフォーミング成長因子ベータ)に暴露することを含むことができる。培養ステップで、細胞を医学的障害に関連する抗原に暴露してもよい。理論に縛られないが、医学的障害に関連する抗原に特異的な受容体を有する細胞は、その受容体が無い細胞より有効な治療を提供することができる。従って、特定の実施形態において、培養ステップは、細胞を医学的障害に関連する抗原に暴露することを含む。抗原は抗原発現細胞であってもよい。別法として、抗原は癌組織を含むことができる。さらに、以下で述べるように、細胞は、医学的障害に関する抗原に特異的な受容体を発現するように遺伝子組み換えされた細胞であってもよい。
細胞は、自己細胞または同種異系細胞であることができる。自己細胞は、体外でRORγ作動薬に暴露された細胞を受け入れる患者から採取した細胞である。そのため、特定の実施形態において、この方法はさらに、培養ステップで使用するため前述の患者から細胞を採取することを含む。別法として、細胞は同種異系であってもよい、すなわち患者の細胞と同種異系の細胞を産生する対象から採取してもよい。かかる実施形態において、この方法はさらに、培養ステップで使用するため、患者のリンパ球細胞と同種異系の細胞を産生する対象から細胞を採取することを含むことができる。
特定の実施形態において、細胞はリンパ球細胞である。リンパ球細胞は、文献に記載の手順に従ってヒトまたは動物の組織から採取することができる。特定の実施形態において、リンパ球細胞は、血液、癌組織、骨髄、脾臓、リンパ節、または胸腺から採取される。特定の実施形態において、リンパ球細胞は、ヒト末梢血単核球細胞などの末梢血単核球細胞の集団から採取される。特定の実施形態において、リンパ球細胞は、腫瘍または感染部位近傍のリンパ節から採取される。特定の実施形態において、リンパ球細胞は、癌組織から採取される。さらに他の実施形態において、リンパ球細胞は腫瘍浸潤性リンパ球細胞である。
細胞は、医学的障害に特異的な抗原の受容体の存在によって特徴づけすることができる。特定の実施形態において、細胞は、医学的障害に特異的な抗原の受容体を発現する。前述のように、かかる細胞は、治療する疾患に特異的な標的組織である可能性がより高いことから、疾患の治療により効果的な療法を提供する可能性がある。特定の実施形態において、医学的障害は、癌、細胞感染症、真菌感染症、または免疫不全症である。さらに他の実施形態において、細胞は、医学的障害に特異的ではないが、疾患の治療における細胞の有効性の増強に有用な受容体を発現することができる。
様々な種類のリンパ球細胞が養子細胞移植における使用に関する文献に記載されている。特定の実施形態において、リンパ球細胞はT細胞である。特定の他の実施形態において、リンパ球細胞は、CD8+T細胞、CD4+T細胞、またはTH17細胞である。特定の他の実施形態において、リンパ球細胞は、CD8+T細胞、CD4+T細胞、またはそれらの組み合わせである。特定の他の実施形態において、リンパ球細胞はナチュラルキラー細胞である。特定の他の実施形態において、リンパ球細胞は、Tc17細胞、ナチュラルキラーT細胞、またはγδT細胞である。さらに他の実施形態において、リンパ球細胞は遺伝子組み換えリンパ球細胞である。
細胞は、文献に記載の方法に従って患者に投与することができる。特定の実施形態において、投与は、医薬組成物を患者に注射することを含む。注射は、静脈内注射または腫瘍などの病変組織への直接注射を含む。さらに他の実施形態において、注射は患者への皮下注射でもよい。
この治療法は、(i)RORγ作動薬に暴露した細胞の有効性を高める作用物質、及び/または(ii)標的である医学的障害の治療において独自の有効性を有する作用物質の投与などの併用療法を含む。
本発明の別の態様は、本明細書に記載の体外でRORγ作動薬に暴露された細胞集団の調製方法を提供する。ここで細胞はリンパ球細胞及び/または樹状細胞である。この方法は、リンパ球細胞及び樹状細胞からなる群から選択される細胞の集団を、体外で本明細書に記載のRORγ作動薬に暴露し、それによってRORγ作動薬に暴露された前述の細胞集団を提供することを含む。この細胞集団は本明細書に記載の治療法に使用することができる。この暴露ステップは、細胞集団を、集団の細胞の数を増加させるのに十分な時間、RORγ作動薬と共に培養することを含む。培養は、細胞をサイトカイン(例えば、IL−1β、IL−2、IL−6、IL−7、IL−10、IL−12、IL−15、IL−18、IL−21、IL−23、またはトランフォーミング成長因子ベータ)に暴露することを含むことができる。さらに、この培養ステップにおいて、細胞を医学的障害に関連する抗原に暴露してもよい。従って、特定の実施形態において、培養ステップは、細胞を医学的障害に関連する抗原に暴露することを含む。抗原は抗原発現細胞であってもよい。別法として、抗原は癌組織を含むことができる。細胞は、自己細胞または同種異系細胞であることができる。自己細胞は、体外でRORγ作動薬に暴露された細胞を受け入れる患者から採取した細胞である。そのため、特定の実施形態において、この方法はさらに、培養ステップで使用するため前術の患者から細胞(すなわち、リンパ球細胞または樹状細胞)を採取することを含む。別法として、細胞は同種異系細胞、すなわち患者の細胞と同種異系の細胞を産生する対象から採取してもよい。かかる実施形態において、この方法はさらに、培養ステップで使用するため、患者の細胞と同種異系の細胞を産生する対象から細胞を採取することを含む。特定の実施形態において、細胞はリンパ球細胞である。リンパ球細胞は、文献に記載の手順に従ってヒトまたは動物の組織から採取することができる。特定の実施形態において、リンパ球細胞は、血液、癌組織、骨髄、脾臓、リンパ節、または胸腺から採取される。特定の実施形態において、リンパ球細胞は、ヒト末梢血単核球細胞などの末梢血単核球細胞の集団から採取される。特定の実施形態において、リンパ球細胞は、腫瘍または感染部位近傍のリンパ節から採取される。特定の実施形態において、リンパ球細胞は、癌組織から採取される。さらに他の実施形態において、リンパ球細胞は腫瘍浸潤性リンパ球細胞である。
細胞は、医学的障害に特異的な抗原の受容体の存在によって特徴づけすることができる。特定の実施形態において、細胞は、医学的障害に特異的な抗原の受容体を発現する。前述のように、そのような細胞は、治療する疾患に特異的な標的組織である可能性がより高いことから、疾患の治療により効果的な療法を提供する可能性がある。特定の実施形態において、医学的障害は、癌、細胞感染症、真菌感染症、または免疫不全症である。さらに特定の実施態様において、細胞は、医学的障害に特異的ではないが、その疾患の治療における細胞の有効性の増強に有用な受容体を発現することができる。
前述のように、様々な種類のリンパ球細胞が、養子細胞移植における使用に関する文献に記載されている。特定の実施形態において、リンパ球細胞はT細胞である。特定の実施形態において、リンパ球細胞は、CD8+T細胞、CD4+T細胞、またはTH17細胞である。特定の実施形態において、リンパ球細胞は、CD8+T細胞、CD4+T細胞、またはそれらの組み合わせである。特定の実施形態において、リンパ球細胞はナチュラルキラー細胞である。特定の実施形態において、リンパ球細胞は、Tc17、ナチュラルキラーT細胞、またはγδT細胞である。さらに他の実施形態において、リンパ球細胞は遺伝子組み換えリンパ球細胞である。
本発明の別の態様は、医学的疾患を治療する方法を提供する。この方法は、体外で本明細書に記載のRORγ作動薬に暴露された細胞を、それを必要とする患者に投与し医学的障害を治療することを含み、ここで前記の細胞はリンパ球または樹状細胞である。医学的障害は、例えば、癌、細菌感染症、真菌感染症、または免疫不全症であることができる。その他の代表的な医学的障害は上述しており、特定の実施形態において、医学的障害は固形腫瘍、リンパ腫、及び白血病からなる群から選択される癌である。他の特定の実施形態において、医学的障害は、卵巣癌、黒色腫、結腸直腸癌、肺癌、乳癌、前立腺癌、膵癌、腎細胞癌、白血病、B−細胞リンパ腫、及び非ホジキンリンパ腫からなる群から選択される癌である。
本発明の別の態様は、体外で本明細書に記載のRORγ作動薬に暴露されたリンパ球細胞の集団を提供する。この集団は、集団中の特殊な種類の細胞の存在及び/または量によって特徴づけられる。例えば、特定の実施形態において、集団は以下のものの1つ以上を含む:T細胞及びナチュラルキラー細胞。特定の他の実施形態において、集団中のリンパ球細胞の大多数はT細胞である。特定の他の実施形態において、集団中のリンパ球細胞の大多数は、CD8+T細胞、CD4+T細胞、TH17細胞、またはそれらの組み合わせである。さらに他の実施形態において、集団中のリンパ球細胞の大多数はナチュラルキラー細胞である。さらに他の実施態様において、ただ一つの種類のリンパ球細胞(例えば、T細胞、CD8+T細胞、CD4+細胞、TH17細胞、TC17細胞、ナチュラルキラーT細胞、またはγδT細胞)は、集団中の少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の細胞を含む。さらに他の実施形態において、集団は、以下のことによって特徴づけられる:(i)集団中のリンパ球細胞の大多数はT細胞である、(ii)集団中のリンパ球細胞の大多数はCD8+T細胞、CD4+T細胞、TH17細胞、もしくはそれらの組み合わせである、(iii)集団中のリンパ球細胞の大多数はTc17細胞である、(iv)集団中のリンパ球細胞の大多数はナチュラルキラー細胞である、または(v)集団中のリンパ球細胞の大多数はナチュラルキラーT細胞、γδT細胞、もしくはそれらの組み合わせである。さらに他の実施形態において、集団中のリンパ球細胞の大多数は、CD8+T細胞、CD4+T細胞、またはそれらの組み合わせである。さらに他の実施形態において、集団は、その集団中のリンパ球細胞の大部分がTc17細胞、CD4+Th0Tリンパ球細胞、Th17極性CD4+Tリンパ球細胞、CD8+Tc17Tリンパ球細胞、またはそれらの組み合わせであることによって特徴づけられる。
上記の態様及び実施形態のそれぞれにおいて、リンパ球細胞は、それらが腫瘍浸潤性リンパ球、ナイーブTリンパ球、メモリーTリンパ球、エフェクターTリンパ球、CD8+T細胞、CD4+T細胞、CD4+/CD8+ダブルポジティブTリンパ球、CD28+CD8+T細胞、またはTH17であるかどうかによって特徴づけることができる。CD8+T細胞は、それぞれの細胞の種類に特有の細胞表面抗原によって、ナイーブCD8+T細胞、メモリーCD8+T細胞、及びエフェクターCD8+T細胞に分離することができる。細胞または細胞集団が特定の細胞表面のマーカーに対して陽性であるかどうかは、その表面マーカーに固有の抗体及びアイソタイプマッチドコントロール抗体による染色を用いるフローサイトメトリーによって判定することができる。あるマーカーについて陰性の細胞集団は、その細胞集団に固有抗体によるアイソタイプの対照を超える顕著な染色が無いことを意味し、陽性の細胞集団は、その細胞集団にアイソタイプの対照を超える均一な染色があることを意味する。例えば、CD4+Tヘルパー細胞は、細胞表面抗原を有する細胞集団を特定することによって、ナイーブ、セントラルメモリー、及びエフェクター細胞に分類することができる。特定の実施形態において、セントラルメモリーCD4+T細胞は、CD62L陽性及びCD45RO陽性である。特定の実施形態において、エフェクターCD4+T細胞は、CD62L及びCD45RO陰性である。さらに他の実施形態において、リンパ球細胞は、Th1細胞、Tc1細胞、Th0細胞、またはTc0細胞である。特定の実施形態において、リンパ球細胞は、CD8+T細胞であり、これは任意に、さらにCD8+T細胞がナイーブCD8+T細胞、メモリーCD8+T細胞、またはエフェクターCD8+T細胞であるかどうかによって特徴づけされる。特定の実施形態において、リンパ球細胞は、メモリーCD8+T細胞であり、これはさらに、その細胞がCD62L陽性またはCD45RO陽性であるかどうかによって特徴づけられる。特定の実施形態において、リンパ球細胞は、メモリーCD8+T細胞であり、これはさらに、その細胞がCD62L陰性またはCD45RO陰性であるかどうかによって特徴づけられる。さらに他の実施形態において、リンパ球細胞は、CD4+Th0Tリンパ球、Th17極性CD4+Tリンパ球、またはCD8+Tc17Tリンパ球である。さらに他の実施形態において、リンパ球細胞は、CD8+末梢血リンパ球のCD62L+またはCD62L−サブセットに存在するメモリーT細胞である。特定の実施形態において、セントラルメモリーT細胞は、CD45RO+、CD62L+、CD8+T細胞であることができる。特定の実施形態において、エフェクターT細胞は、CD62L、CCR7、CD28、及びCD127に陰性で、グランザイムB及びパーフォリンに陽性である。
T細胞は、そのT細胞の表面にあるT細胞受容体の同一性によって特徴づけることができる。T細胞受容体は、通常インバリアントCD3鎖分子との錯体の一部として発現される超可変のアルファ(α)鎖及びベータ(β)鎖からなるジスルフィド結合膜固定化ヘテロ二量体である。この受容体を発現するT細胞は、α:β(またはαβ)T細胞と呼ばれる。T細胞の少数は、可変のガンマ(γ)鎖及びデルタ(δ)鎖によって形成される別の受容体を発現し、そのようなT細胞はγδT細胞と呼ばれる。Tタイプのサブタイプの1つがナチュラルキラーT(NKT)細胞である。NKT細胞は、T細胞とナチュラルキラーNK細胞の両方の特性を共有する不均一なT細胞のグループである。多くのNKT細胞は、自己及び他家由来の脂質と糖脂質を結合する抗原提示分子である、非多形的CD1d分子を認識する。T細胞の他のサブタイプとしては、例えば、CD8+T細胞、CD4+T細胞、Tc17細胞、ナチュラルキラーT細胞、及びγδT細胞がある。T細胞のさらの他のサブタイプとしては、例えば、CD4−、CD8−T細胞及びCD28+、CD8+T細胞がある。
リンパ球細胞は、好ましくは、医学的状態の抗原に特異的な受容体を含む。この受容体は、内因的リンパ球細胞受容体、すなわち、その内因性の(すなわち、原産の)抗原特異性リンパ球細胞受容体であることができる。そのような場合、内因性リンパ球細胞受容体を含むリンパ球は、特定の医学的状態に特異的な抗原を発現することが知られている、患者から単離されたリンパ球細胞であってもよい。あるいは、内因性リンパ球細胞受容体を含むリンパ球は、同種異系のリンパ球細胞を産生する対象から単離されたリンパ球細胞(すなわち、リンパ球細胞を受け取る患者と組織適合性のリンパ球細胞)であってもよい。特定の実施形態において、リンパ球細胞を採取する対象は、患者に投与されるリンパ球細胞が治療すべき医学的障害に対する特異性を有するように、リンパ球細胞を採取する前に免疫化することができる。
内因性リンパ球細胞受容体が認識する疾患の抗原は、その疾患に特有の抗原であることがありうる。例えば、この抗原は、例えば、gp100、MART−1、TRP−1、TPR−2、チロシナーゼ、NY−ESO−1、MAGE−1またはMAGE−3などの腫瘍抗原である可能性がある。
リンパ球細胞は、4−1BBLの存在のような、腫瘍反応性に対する活性化の表現型マーカーの存在によっても特徴づけることができる。そのような表現型マーカーについて強化されたリンパ球細胞の集団は、治療上の利点を提供する可能性がある。リンパ球細胞は、RORγの発現レベルによっても特徴づけることができる。特定の実施形態において、リンパ球細胞は、RORγの発現を誘発するか、発現するように設計してもよく、それによってRORγの量が増加する。
リンパ球細胞は、例えば、本明細書に参照として引用される国際特許出願第WO2012/129514号に記載された遺伝子組み換えリンパ球細胞などの、遺伝子組み換えリンパ球細胞であってもよい。リンパ球細胞の遺伝子組み換えは、投与されるリンパ球細胞の生存力及び/または機能を増進することによる治療の有効性を改善するか、遺伝マーカーを提供して生体内の生存または移動の選択及び/または評価を可能とするか、あるいは、例えば、生体内での負の選択に影響を受けやすい細胞を作製して免疫療法の安全性を改善する機能を組み込むことができる。リンパ球は、リンパ球細胞が生存サイトカイン(例えば、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)及び/または抗原に対する受容体(例えば、腫瘍抗原)などの特定のタンパク質を発現するように、遺伝子を組み換えることができる。
従って、実施形態において、リンパ球細胞は、キメラ型抗原受容体(CAR)を用いて変性される。CARは、T細胞活性化と細胞毒性を仲介するTCR CD3+鎖に結合したモノクロナール抗体(mAb)の可変重鎖(VH)及び可変軽鎖(VL)に由来する単一鎖抗体断片(scFv)を含むことができる。CARによりCD28または4−1BBからCD3+鎖の共刺激ドメインを融合することによって、共刺激シグナルを得ることもできる。CARは、HLAと無関係の細胞表面分子に特異的であり、従って腫瘍細胞におけるHLA拘束及び低レベルのHLA発現を含むTCR認識の限界を越える。
III.併用療法
本発明の別の態様は併用療法を提供する。ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミド及び関連化合物(例えば、セクションIの化学式I、I−A、I−B、II、II−A、II−B、II−Cの化合物またはその他の化合物)またはそれらの薬学的に許容される塩は、癌、細菌感染症、真菌感染症、及び免疫療法などの医学的障害を治療するため追加の治療薬との併用で使用することができる。
癌の治療における併用療法の一部として使用することができる代表的な治療薬としては、例えば、マイトマイシン、トレチノイン、リボムスチン、ゲムシタビン、ビンクリスチン、エトポシド、クラドリビン、ミトブロニトール、メトトレキサート、ドキソルビシン、カルボクオン、ペントスタチン、ニトラクリン、ジノスタチン、セトロレリクス、レトロゾール、ラルチトレキセド、ダウノルビシン、ファドロゾール、フォテムスチン、チマルファシン、ソブゾキサン、ネダプラチン、シタラビン、ビカルタミド、ビノレルビン、ベスナリノン、アミノグルテチミド、アムドキソルビシンサクリン、プログルミド、酢酸エリプチニウム、ケタンセリン、ドキシフルリジン、エトレチナート、イソトレチノイン、ストレプトゾシン、ニムスチン、ビンデシン、フルタミド、ドロゲニル、ブトシン、カルモフール、ラゾキサン、シゾフィラン、カルボプラチン、ミトラクトール、テガフール、イホスファミド、プレドニマスチン、ピシバニール、レバミゾール、テニポシド、インプロスルファン、エノシタビン、リスリド、オキシメトロン、タモキシフェン、プロゲステロン、メピチオスタン、エピチオスタノール、ホルメスタン、インターフェロン−アルファ、インターフェロン−2アルファ、インターフェロン−ベータ、インターフェロン−ガンマ、コロニー刺激因子−1、コロニー刺激因子−2、デニロイキンジフチトクス、インターロイキン−2、及び黄体ホルモン放出因子などがある。
癌の治療の併用療法の一部として用いることができるその他の薬剤の種類は、免疫チェックポイント阻害薬(免疫チェックポイント遮断薬とも呼ばれる)である。免疫チェックポイント阻害薬は、免疫チェックポイントを遮断する効果を有する治療薬の種類である。例えば、Nature Reviews Cancer (2012) vol. 12, pages 252−264を参照されたい。代表的な免疫チェックポイント阻害薬には、(i)細胞傷害性Tリンパ球抗原4(CTLA4)、(ii)プログラム細胞死タンパク質1(PD1)、(iii)PDL1、(iv)LAB3、(v)B7−H3、(vi)B7−H4、及び(vii)TIM3のうちの1つ以上を阻害する薬剤が含まれる。CTLA4阻害薬であるイピリムマブは、黒色腫の治療に関して米国食品医薬品局の承認を受けている。
癌を治療する併用療法の一部として用いることができるさらに他の薬剤は、非チェックポイントターゲット(例えば、ハーセプチン)及び非細胞毒性薬(例えば、チロシンキナーゼ阻害薬)を標的とするモノクロナール抗体薬である。
最近感染症を治療する併用療法の一部として用いることができる代表的な治療薬としては、例えば、アモキシシリン、アジスロマイシン、セファゾリン、セフトリアキソン、セフロキシム、セファレキシン、シプロフロキサシン、クリンダマイシン、ドキシサイクリン、レボフロキサシン、リネゾリド、メトロニダゾール、モキシフロキサシン、及びペニシリンなどがある。
真菌感染症の治療の併用療法の一部として使用できる代表的な治療薬としては、例えば、2−フェニルフェノール;8−ヒドロキシキノリンスルフェート;アシベンゾラル−S−メチル;アルジモルフ;アミドフルメト;アンプロピルホス;アンプロピルホスカリウム;アンドプリム;アニラジン;アザコナゾール;アゾキシストロビン;ベナラキシル;ベノダニル;ベノミル;ベンチアバリカルブイソプロピル;ベンザマクリル;ベンザマクリルイソブチル;ビラナホス;ビナパクリル;ビフェニル;ビテルタノール;ブラストサイジン−S;ブロムコナゾール;ブチルアミン;多硫化カルシウム;カプシマイシン;カプタホール;カプタン;カルベンダジム;カルボキシン;カルプロパミド;カルボン;キノメチオネート;クロベンチアゾン;クロルフェナゾール;クロロネブ;クロロタロニル;クロゾリネート;クロジラコン;シアゾファミド;シフルフェナミド;シモキサニル;シプロコナゾール;シプロジニル;シプロフラム;ダガーG;デバカルブ;ジクロフルアニド;ジクロン;ジクロロフェン;ジクロシメット;ジクロメジン;ジクロラン;ジエトフェンカルブ;ジフェノコナゾール;ジフルメトリム;ジメチコノール;ジメトモルフ;ジモキシストロビン;ジニコナゾール;ジニコナゾール−M;ジノカップ;ジフェニルアミン;ジピリチオン;ジタリムホス;ジチアノン;ドダイン;ドラゾキソロン;エジフェンホス;エポキシコナゾール;エタボキサム;エチリモール;エトリジアゾール;ファモキサドン;フェンアミドン;フェナパニル;フェナリモル;フェンブコナゾール;フェンフラム;フェンヘキサミド;フェニトロパン;フェノキサニル;フェンピクロニル;フェンプロピジン;フェンプロピモルフ;フェルバム;フルアジナム;フルベンジミン;フルジオキソニル;フルメトベル;フルモルフ;フルオロミド;フルオキサストロビン;フルキンコナゾール;フルルプリミドール;フルシラゾール;フルスルファミド、ヘキサコナゾール;ヒメキサゾール;イマザリル;イミベンコナゾール;イミノクタジン三酢酸塩;イミノクタジントリス(アルベシル);ヨードカルブ;イプコナゾール;イプロベンホス;イプロジオン;イプロバリカルブ;イルママイシン;イソプロチオラン;イソバレジオン;カスガマイシン;クレソキシムメチル;オキシフェンチイン;パクロブトラゾール;ペフラゾエート;ペンコナゾール;ペンシクロン;ホスジフェン;フタリド;ピコキシストロビン;ピペラニン;ポリオキシン;ポリオキソリム;プロベナゾール;プロクロラズ;プロシミドン;プロパモカルブ;プロパノシンナトリウム;プロピコナゾール;プロピネブ;プロキナジド;プロチオコナゾール;ピラクロストロビン;ピラゾホス;ピリフェノックス;ピリメタニル;ピロキロン;ピロキシフル;ピロールニトリン;テトラコナゾール;チアベンダゾール;チシオフェン;チフルザミド;チオファネートメチル;チラム;チオキシミド;トリシクラゾール;トリデモルフ;トリフロキシストロビン;トリフルミゾール;トリホリン;トリチコナゾール;ウニコナゾール;バリダマイシンA;ビンクロゾリン;ジネブ;ジラム;及びゾキサミドなどがある。
望ましい併用療法効果を得るため、ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミドまたは関連化合物(例えば、セクションIの化学式I、I−A、I−B、II、II−A、II−B、II−Cの化合物またはその他の化合物)及び追加の治療薬の量、及び投与の相対的な時期を選択することができる。例えば、併用療法の投与を必要とする患者に併用療法を投与する場合、併用薬中の治療薬、または医薬組成物もしくは治療薬を含む組成物は、例えば、連続して、一斉に、共に、同時になど、いかなる順序で投与してもよい。さらに、例えば、ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミドまたは関連化合物(例えば、セクションIの化学式I、I−A、I−B、II、II−A、II−B、II−Cの化合物またはその他の化合物)は、追加の治療薬(複数可)がその予防または治療効果を与える時に投与することができ、その逆も同様である。
併用療法で用いられる有効成分の投与量及び投与方式は、主治医が決定することができる。特定の実施形態において、ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミドまたは関連化合物(例えば、セクションIの化学式I、I−A、I−B、II、II−A、II−B、II−Cの化合物またはその他の化合物)及び追加の治療薬(複数可)は、前記の薬剤を、疾患を治療する単独療法として使用する場合に通常採用される用量で投与される。他の実施形態において、ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミドまたは関連化合物(例えば、セクションIの化学式I、I−A、I−B、II、II−A、II−B、II−Cの化合物またはその他の化合物)及び追加の治療薬(複数可)は、薬剤を、疾患を治療する単独療法として使用する場合に通常採用される用量より低用量で投与される。特定の実施形態において、ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミドまたは関連化合物(例えば、セクションIの化学式I、I−A、I−B、II、II−A、II−B、II−Cの化合物またはその他の化合物)及び追加の治療薬(複数可)は、経口投与に適した同一の組成物に存在する。
特定の実施形態において、ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミドまたは関連化合物(例えば、セクションIの化学式I、I−A、I−B、II、II−A、II−B、II−Cの化合物またはその他の化合物)及び追加の治療薬(複数可)は、相加的または相乗的に作用する。相乗的な併用によって、併用療法の1つ以上の薬剤をより低用量で使用すること、及び/または1つ以上の薬剤をより少ない投与頻度で使用することができる可能性がある。1つ以上の薬剤をより低用量に、または投与をより低頻度にすることによって、治療の有効性を低減することなく治療の毒性を低減できる可能性がある。
本発明の別の態様は、治療上有効な量のジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミドまたは関連化合物(例えば、セクションIの化学式I、I−A、I−B、II、II−A、II−B、II−Cの化合物またはその他の化合物)、薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤、及び任意に少なくとも1つの上記の追加の治療薬を含むキットである。
IV.医薬組成物及び投与上の考慮事項
前述のように、本発明は、治療上有効な量の上記の化合物の1つ以上を含み、薬学的許容される担体(添加剤)及び/または希釈剤と共に処方された医薬組成物を提供する。医薬組成物は、特に固形または液状での投与のために処方され、以下に適用される組成物を含む。(1)経口投与、例えば、水薬(水系または非水系溶液もしくは懸濁液)、錠剤、例えば、頬側、舌下、及び体内吸収を標的とする錠剤、ボーラス、粉末、顆粒、舌に塗布するペースト;(2)非経口投与、例えば、減菌溶液もしくは懸濁液、または徐放性処方としての例えば、皮下、筋肉内、静脈内、または硬膜外注射;(3)局所塗布、例えば、皮膚に塗布するクリーム、軟膏、または放出制御パッチもしくはスプレー;(4)膣内または直腸内投与、例えば、ペッサリー、クリーム、またはフォームとして;(5)舌下投与;(6)眼への投与;(7)経皮投与;または(8)経鼻投与。
本明細書で用いる「治療上有効な量」という語句は、少なくとも動物の細胞の亜母集団において、あらゆる内科療法に適用される妥当な利益/リスク比で、何らかの望ましい治療効果をもたらす効果がある、本発明の化合物、物質、または組成物の量を意味する。
「薬学的に許容される」という語句は、本明細書において、妥当な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を生じること無く、妥当な利益/リスク比でヒト及び動物の組織と接触するのに適した化合物、組成物、及び/または剤形をいうために用いる。
ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムなどの湿潤剤、乳化剤、及び潤滑剤に加え、着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤及び芳香剤、防腐剤及び酸化防止剤も、組成物に含むことができる。
薬学的に許容される酸化防止剤としては、以下の物がある:(1)水溶性酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸、システイン塩酸塩、硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど;(2)油溶性酸化防止剤、例えば、パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ−トコフェロールなど;及び(3)金属キレート剤、例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸など。
本発明の製剤は、経口、経鼻、局所(頬側及び舌下を含む)、直腸内、膣内及び/または非経口投与に適する製剤を含む。製剤は、好都合には、単位剤形で提示され、薬学の技術分野でよく知られたあらゆる方法で調製することができる。単一用量剤形を作るための担体物質と併用可能な有効成分の量は、治療される宿主、特定の投与方法によって決まる。単一用量剤形を作るための担体物質と併用可能な有効成分の量は、一般に治療効果をもたらす量である。一般に、100%のうち、この量は、約0.1%〜約99%の有効成分、好ましくは約5%〜約70%、より好ましくは約10%〜30%の範囲にある。
特定の実施形態において、本発明の製剤は、シクロデキストリン、セルロース、リポソーム、ミセル形成剤、例えば、胆汁酸、及びポリマー担体、例えば、ポリエステルならびにポリ無水物;及び本発明の化合物を含む。特定の実施形態において、前述の製剤は、本発明の化合物を経口で生体利用可能にする。
これらの製剤または組成物を調製する方法は、本発明の化合物を担体、及び任意に1つ以上の補助成分と混合するステップを含む。一般に、製剤は、本発明の化合物を液状担体、微粉固体担体、またはそれらの両方と均一かつ密接に混合し、及びその後必要であれば製品を成形することによって調製される。
経口投与に適する本発明の製剤は、カプセル、カシェ、丸薬、錠剤、トローチ剤(味を付けた基剤、通常スクロース及びアカシアまたはトラガカントを用いる)、粉末、顆粒の形態で、または水系もしくは非水系液体の溶液もしくは懸濁液、または水中油型もしくは油中水型液状エマルジョン、またはエリキシルもしくはシロップのような、またはトローチ剤(不活性基剤、例えばゼラチン及びグリセリン、もしくはスクロース及びアカシアを用いる)のような、及び/またはうがい薬などのような形態であることができ、それぞれが有効成分として所定の量の本発明の化合物を含んでいる。本発明の化合物は、ボーラス、舐剤、またはペーストとして投与することもできる。
経口投与用の本発明の固形剤(カプセル、錠剤、丸薬、糖衣錠、粉末、顆粒、トローチ剤など)においては、有効成分は、1つ以上の薬学的に許容される担体、例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム及び/もしくは以下のいずれかと混合される:(1)充填剤または増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、ブドウ糖、マニトール、及び/またはケイ酸;(2)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース及び/またはアカシア;(3)保湿剤、例えばグリセロール;(4)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカのデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム;(5)溶解遅延剤、例えばパラフィン;(6)吸収促進剤、例えば、4級アンモニウム化合物及び界面活性剤、例えばポロキサマーやラウリル硫酸ナトリウムなど;(7)湿潤剤、例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセロール、及び非イオン性界面活性剤;(8)吸収剤、例えばカオリン及びベントナイト粘土;(9)潤滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、及びそれらの混合物;(10)着色剤;及び(11)徐放剤、例えばクロスポビドンまたはエチルセルロース。カプセル、錠剤、丸薬の場合、医薬組成物は緩衝剤も含むことができる。同じような種類の固形組成物は、ラクトースまたは乳糖に加えて高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を用いる軟質及び硬質の殻のゼラチンカプセルにおいて充填剤としても用いることができる。
錠剤は、圧縮または型成形により、任意に1つ以上の成分と共に作製することができる。圧縮された錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤もしくは分散剤を用いて作製される。型成形された錠剤は、適切な機械により不活性液状希釈剤で湿潤させた粉末化した化合物の混合物を成形することによって作製することができる。
本発明の医薬組成物の錠剤、及び他の固形剤形、例えば、糖衣錠、カプセル、丸薬及び顆粒などは、製剤処方の技術分野でよく知られたコーティング剤及び殻、例えば、腸溶性コーティング剤及び他のコーティング剤などと共に、任意に入手または調製することができる。これらは、その中に、望ましい放出プロファイルを提供するため、例えば比率を変えたヒドロキシプロピルメチル、他のポリマー基質、リポソーム及び/またはミクロスフェアを用いて、有効成分を徐々にまたは制御して放出するように処方することもできる。これらは、迅速放出するように、例えば、凍結乾燥して、処方することができる。これらは、例えば細菌捕集フィルターによる濾過、または減菌水に溶解可能な減菌固形組成物の形態の減菌剤、もしくは他の減菌された注射可能な媒体の使用直前の導入によって減菌することができる。このような組成物は、任意に乳白剤を含んでいてもよく、または消化管の特定の部分でのみ、もしくは選択的に、有効成分(複数可)を、任意に遅延方式で放出する組成物であってもよい。使用可能な包埋組成物の例としては、ポリマー物質及びワックスなどがある。有効成分は、適切な場合、前述の賦形剤の1つ以上と共にマイクロカプセル化された形態とすることもできる。
本発明の化合物の経口投与向けの液状剤形としては、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、シロップ及びエリキシルなどがある。液状剤形は、有効成分に加えて、当該技術分野で通常用いられる不活性希釈剤、例えば、水または、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、麦芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールならびにソルビタンの脂肪酸エステル、及びそれらの混合物などの、他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤を含むことができる。
経口組成物は、不活性希釈剤の他に、湿潤剤、乳化剤ならびに分散剤、甘味剤、香味剤、着色剤、芳香剤、及び保存剤を含むことができる。
懸濁物は、活性化合物に加えて、分散剤、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールならびにソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロオキシド、ベントナイト、寒天ならびにトラガカント、及びそれらの混合物を含むことができる。
本発明の直腸内または膣内投与向けの医薬組成物の剤形は、座薬として提示され、これは、1つ以上の本発明の化合物を、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、座薬ワックスもしくはサリチル酸塩を含む1つ以上の適切な非刺激性の賦形剤または担体と共に混合することによって作製することができ、室温で固体であるが、体温においては液体であり、そのため、直腸内または膣腔内で融解して活性化合物を放出する。
本発明の膣内投与に適する剤形としては、当該技術分野で適切であることが知られている担体を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、フォームまたはスプレーなどの剤形もある。
本発明の化合物の局所投与または経皮投与向けの剤形としては、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ジェル、溶液、パッチ、及び吸入薬などがある。活性化合物は、減菌条件下で、薬学的に許容される担体、及び必要である可能性があるあらゆる保存剤、緩衝剤、または噴射剤と共に混合することができる。
軟膏、ペースト、クリーム及びジェルは、本発明の活性化合物に加えて、動物及び植物油、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカンス、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、ケイ酸、タルク及び酸化亜鉛、またはそれらの混合物などの賦形剤を含むことができる。
粉末及びスプレーは、本発明の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、アルミニウムヒドロオキシド、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物を含むことができる。さらにスプレーは、クロロフルオロ炭化水素及び、ブタンならびにプロパンなどの揮発性不飽和炭化水素などの通常の噴射剤を含むことができる。
経皮パッチは、本発明の化合物を制御して体に供給するという付加的な利点を有する。かかる剤形は、適当な媒質に化合物を溶解または分散することによって作製される。皮膚を通過する化合物の流れを増加させるため、吸収促進剤を使用することもできる。かかる流れの速度は、速度制御膜の使用、またはポリマー基剤もしくはジェル中への化合物の分散のいずれかによって制御することができる。
眼に関する剤形、眼の軟膏、粉末、溶液なども、本発明の範囲内にあるものと考える。
非経口投与に適する本発明の医薬組成物は、1つ以上の本発明の化合物を、1つ以上の薬学的に許容される水性もしくは非水性の減菌等張液、分散液、懸濁液もしくはエマルジョン、または使用直前に減菌注射液もしくは分散液に再構成することができる減菌粉末との併用により含むことができ、製剤を、対象とする受容者の血液または懸濁化剤もしくは増粘剤と等張にする溶質である糖、アルコール、酸化防止剤、緩衝剤、静菌薬、溶質を含むことができる。
本発明の医薬組成物で使用することができる適切な水性及び非水性担体の例には、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチエングリコールなど)、及び適切なそれらの混合物、オリーブ油などの野菜油、及びオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルが含まれる。例えば、レシチンなどのコーティング物質の使用、分散液の場合は必要な粒子サイズの維持、及び界面活性剤の使用によって、正確な流動性を維持することができる。
以上の組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤などの補助剤も含むことができる。対象化合物に対する微生物の活動の抑制は、抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、ソルビン酸フェノールなどを含有させることによって確保することができる。糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を含有させることが望ましい。さらに、注射剤形の持続的吸収は、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの吸収を遅延させる化学物質を含有させることによってもたらされる。
場合によっては、薬剤の効果を持続させるため、皮下または筋肉内注入からの薬剤の吸収を遅延させることが望ましい。このことは、難水溶性の結晶性または非晶性材料の分散液を用いることによって達成することができる。その場合の薬剤の吸収速度は溶解速度によって決まり、これは同様に結晶サイズと結晶形によって決まる。別法として、非経口投与される剤形の吸収の遅延は、油性媒体に薬剤を溶解または分散させることによって達成される。
デポ注射製剤は、対象化合物のマイクロカプセル基質をポリラクチド−ポリグリコライドなどの生分解性ポリマー中に形成することによって作製される。薬剤とポリマーの比、及び使用される特定のポリマーの性質によって、薬剤の放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリオルトエステル及びポリ無水物などがある。デポ注射製剤は、薬剤を体組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルジョンに取り込むことによっても作製することができる。
本発明の化合物を医薬品としてヒトまたは動物に投与する場合、それらは、それ自体で、または、例えば、0.1〜99%(より好ましくは、10〜30%)の有効成分を薬学的に許容される担体と併用して含む医薬組成物として投与することができる。
本発明の製剤は経口、非経口、局所、または直腸内投与することができる。これらは、もちろんそれぞれの投与経路に適した形態で投与される。例えば、それらは、錠剤またはカプセルの形態で、注射、吸入、洗眼剤、軟膏、座薬などによって、すなわち注射、輸液、または吸入投与;ローションまたは軟膏による局所投与;及び座薬による直腸内投与によって投与される。経口投与が好ましい。
本明細書で使用される「非経口投与」及び「非経口投与された」という語句は、腸内投与及び局所投与以外の通常注射による投与方式を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、鞘内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、クモ膜下、脊髄内、及び胸骨内注入及び輸液が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「全身投与」、「全身に投与された」、「末梢投与」及び「末梢に投与された」という語句は、中枢神経系への直接投与以外の、化合物、薬剤、または他の物質の投与で、それらが患者の体に入り込み、その結果代謝及び類似のプロセスにさらされるような投与、例えば皮下投与を意味する。
これらの化合物は、治療のためヒト及び他の動物に、経口、例えばスプレーによるような経鼻、直腸内、膣内、非経口、嚢内、及び粉末、軟膏、または頬側ならびに舌下を含むドロップによるような局所を含む、適切ないかなる投与経路によっても投与することができる。
選択された投与経路にかかわらず、適切な水和した形態で使用することができる本発明の化合物、及び/または本発明の医薬組成物は、当該技術分野の技術者に知られた従来の方法によって薬学的に許容される剤形に製剤される。
本発明の医薬組成物における有効成分の実際の投与量は、特定の患者、組成物、及び投与方法に関して求められる治療反応を得るのに有効で、患者に対して有害とならない有効成分の量を把握するために変えることができる。
選択された投与量レベルは、使用される本発明の特定の化合物、またはそのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与経路、投与時間、使用される特定の化合物の排出または代謝の速度、吸収の速度及び程度、治療時間、他の薬剤、使用される特定の化合物と組み合わせて使用される化合物及び/または物質、治療される患者の年齢、性別、体重、状態、全体的な健康及び過去の病歴、及び医療分野でよく知られている類似の因子を含む様々な因子によって決まる。
当分野で通常の技能を有する医師または獣医師は、要求される医薬組成物の有効量を、容易に決定し処方することができる。例えば、そのような医師または獣医師であれば、医薬組成物の本発明の化合物の投与量を、所望の治療効果を得るために必要な量より低いレベルで開始し、所望の効果が得られるまで投与量を徐々に増加させるであろう。
一般に、本発明の化合物の適切な1日投与量は、治療効果をもたらす効果がある最低投与量である化合物の量となる。そのような効果がある投与量は、一般に前述の因子によってきまる。化合物は、好ましくは、約0.01mg/kg〜約200mg/kg、より好ましくは、約0.1mg/kg〜約100mg/kg、さらにより好ましくは、約0.5mg/kg〜約50mg/kg投与される。本明細書に記載の化合物を他の薬剤(例えば、感作剤として)と同時投与する場合、その有効な量はその薬剤を単独で使用する場合より少ない可能性がある。
有効成分の有効な1日投与量は、必要に応じて、1日を通して適切な間隔で分割投与される2、3、4、5、または6以上のサブ用量として、任意で単位剤形で投与することができる。好ましい投与は1日1回投与である。
本発明はさらに、本明細書に記載のジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンスルホンアミドまたは関連化合物を、本明細書に記載の医学的障害の治療に治療上の効果がある量で含む単位剤形を提供する。
現在一般的に述べている本発明は、以下の実施例を参照することによってより容易に理解することができるだろう。これらの実施例は、単に本発明の特定の態様及び実施形態の説明のために記載するものであり、本発明を限定するものではない。本明細書に記載の出発材料は商業的供給源から入手するか、当分野の技術者に知られている変換を用いて市販の材料から容易に調製することができる。
実施例1 − (S,E)−5−(2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンの合成
パートI − ジメチル(R)−2−ヒドロキシペンタンジオエートの合成
(2R)−5−オキソテトラヒドロ−2−フランカルボキン酸(25g、192mmol)の混合物のメタノール(300mL)溶液に濃塩酸(0.5mL)を添加し、その混合物を一晩還流し、その後周辺温度まで冷却した。過剰の固形炭酸水素ナトリウム(4g)をゆっくり添加し、その混合物を20分間懸濁させた。次いで、前記の混合物を濾過、濃縮してジメチル(R)−2−ヒドロキシペンタンジオエートを得た(34.7g、100%)。
パートII − ジメチル(S)−2−(4−ブロモ−2−ニトロフェノキシ)ペンタンジオエートの合成
ジメチル(R)−2−ヒドロキシペンタンジオエート(33.8mg、192mmol)、4−ブロモ−2−ニトロフェノール(50.2g、230mmol)、及びトリフェニルホスフィン(60.4g、230mmol)のジクロロメタン(300mL)溶液に、活性化モレキュラーシーブ存在下、0℃で、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(45.4mL、230mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液を滴下して添加した。この混合物を0℃で20分間、次いで周辺温度で一晩撹拌した。得られた混合物を濃縮し、トリフェニルホスフィンオキシドを大きなシリカゲルパッドで濾過することによって除去し、ジクロロメタン(約6L)で溶出した。溶出した物質は、目的の生成物と少量の残存フェノールの混合物である。そこで、溶出した物質を酢酸エチルに再溶解し、1M水酸化ナトリウムで4回洗浄し、次いでブラインで洗浄、乾燥(Na
2SO
4)、濃縮して、透明のオイルとしてジメチル(S)−2−(4−ブロモ−2−ニトロフェノキシ)ペンタンジオエートを得た(62.84g、87%)。
パートIII − メチル(S)−3−(6−ブロモ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエートの合成
メカニカルスターラーを装備したフラスコに、周辺温度でジメチル (S)−2−(4−ブロモ−2−ニトロフェノキシ)ペンタンジオエート(62.84g、167mmol)及び酢酸(500mL)を仕込み、その後鉄粉(46.7g、835mmol)を仕込んだ。反応混合物を60℃に2時間加熱し、その後セライトパッドに通して熱時濾過し、酢酸エチル(900mL)で洗浄した。濾液を混ぜ合わせ、水で3回洗浄し、ブラインで洗浄、乾燥(Na
2SO
4)、濃縮して、白色固体としてメチル(S)−3−(6−ブロモ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエートを得た(48.06g、92%)。
パートIV − メチル(S)−3−(6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエートの合成
(S)−3−(6−ブロモ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエート(24.46g、77.9mmol)無水テトラヒドロフラン(200mL)溶液に、0℃でボラン−メチルスルフィド錯体(19.5mL、195mmol)を滴下して添加した。この混合物を50℃に1時間加熱した。次いで、反応混合物を0℃まで冷却し、その後注意深くメタノール(150mL)を添加することにより反応を停止した。得られた混合物を60分間で60℃に再加熱した後、冷却、濃縮した。得られた残留物を水と酢酸エチルに分配した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)、濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィを用い、5〜50%の濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、メチル(S)−3−(6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエートを得た(17.97g、77%)。
パートV − (S)−メチル3−(6−ブロモ−4−((3−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエートの合成
メチル(S)−3−(6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエート(10.0g、33.3mmol)のピリジン(60mL)溶液に、3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンスルホニルクロリド(8.96g、36.6mmol)を添加した。この混合物を50℃で4時間加熱し、次いで冷却、濃縮した。得られた残留物を酢酸エチルと1N塩酸に分配した。有機相を1N塩酸で2回洗浄し、その後ブラインで洗浄し、乾燥した(Na
2SO
4)。活性炭を添加して、懸濁させた後、セライトを通して濾過した。濾液を少量のシリカゲル上に濃縮し、残留物をMPLCにより濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製した。主要なUV活性成分を濃縮して、 (S)−メチル3−(6−ブロモ−4−((3−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエートを得た(14.75 g、87%)。
パートVI − 1−クロロ−2−エチニル−3−フルオロベンゼンの合成
2−クロロ−6−フルオロベンズアルデヒド(2.00g、12.61mmmol)をメタノール(84mL)に溶解し、ジメチル(ジアゾメチル)ホスホネート(2.39mL、15.77mmol)を添加し、次いで炭酸カリウム(4.36g、31.53mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、粗混合物をメチルtert−ブチルエーテルで希釈し、水で洗浄、ブラインで洗浄、乾燥(Na
2SO
4)、濃縮して1−クロロ−2−エチニル−3−フルオロベンゼンを得た(1.83g、94%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ7.45(m,2H),7.32(t,1H),4.86(s,1H)。
パートVII − (E)−2−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成
ビス(ピナコレート)ジボラン(5.82g、22.92mmol)、塩化銅(I)(0.21g、2.08mmol)、及び4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(1.21g、2.08mmol)をTHF(208mL)中で懸濁させ、その混合物を窒素で脱気して、5分間撹拌した。最少量のナトリウムtert−ブトキシド(2.202g、22.92mmol)のTHF溶液を添加し、その混合物をさらに5分間撹拌した。1−クロロ−2−エチニル−3−フルオロベンゼン(3.22g、20.83mmol)及びヨウ化メチル(11.83g、83.33mmol)を反応混合物に添加し、得られた反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、粗生成物混合物をシリカゲル上に濃縮し、MPLCにより0〜5%の濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、(E)−2−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを得た(2.41g、39%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ7.31(m,2H),7.20(t,1H),5.18(s,1H),2.15(s,3H),1.23(s,12H)。
パートVIII − (S,E)−メチル3−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエートの合成
(S)−メチル3−(6−ブロモ−4−((3−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエート(7.46g、14.7mmol)、(E)−2−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(6.09g、20.5mmol)、炭酸カリウム(2.84g、20.5mmol)のジオキサン(80mL)溶液及び水(20mL)を脱気し、窒素雰囲気下に置いた。この混合物に、[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(1.12g、1.47mmol)を添加し、混合物を70℃に5時間加熱した。トルエン(100mL)及び20%炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を反応混合物に添加し、得られた混合物を60℃でさらに15分間撹拌した。次いで、混合物を冷却し、その後トルエン(150mL)で希釈した。有機相を20%炭酸水素ナトリウム水溶液、水、次いでブラインで洗浄した。有機溶液を乾燥し(Na
2SO
4)、活性炭素を添加した。得られた混合物を懸濁させ、セライトパッドを通して濾過した。濾液を少量のシリカゲル上に濃縮し、残留物をMPLCにより0〜30%の濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、(S,E)−メチル3−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエートを得た(8.31g、94%)。
パートIX − (S,E)−5−(2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンの合成
(S,E)−メチル3−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエート(70mg、0.117mmol)及びヒドラジン(37.5mg、1.17mmol)のメタノール(2mL)溶液を50℃に2時間加熱した。放冷した後、濃縮すると、(S,E)−3−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパンヒドラジドが得られ、これを精製せずに使用した。このヒドラジドのTHF(2mL)溶液に、0℃でジイソプロピルエチルアミン(30mg、0.23mmol)を添加し、次いでトリホスゲン(20mg、0.058mmol)を添加した。この混合物を0℃で10分間、次いで室温で2時間撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水で分配し、ブラインで洗浄、乾燥(Na
2SO
4)し、シリカゲル上に濃縮した。生成物を、MPLCにより濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、白色固体として(S,E)−5−(2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンを得た(35mg、48%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ12.04(s,1H),8.07(m,2H),7.97(s,1H),7.84(d,1H,J=8.1Hz),7.67(d,1H,J=1.7Hz),7.37(m,2H),7.25(m,1H),7.10(m,1H),6.84(d,1H,J=8.4Hz),6.36(s,1H),4.40(dd,1H,J1=14.1Hz,J2=0.9Hz),3.53(m,1H),3.4(m,2H),2.63(m,2H),2.07(s,3H),1.95(m,1H),1.80(m,1H).(ES,m/z):(M+Na)
+645.97,647.95。
実施例2 − (S,E)−2−(2−(2H−テトラゾール−5−イル)エチル)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンの合成
パートI − (R)−3−(4−ブロモ−2−ニトロフェノキシ)ジヒドロフラン−2(3H)−オンの合成
4−ブロモ−2−ニトロフェノール(3g、13.76mmol)、(3R)−3−ヒドロキシテトラヒドロフラン−2−オン(1.405g、13.76mmol)、及びトリフェニルホスフィン(4.33g、16.51mmol)をジクロロメタン(36mL)中に懸濁させ、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(3.25mL、16.5mmol)を滴下して添加した。この反応混合物を室温で1時間撹拌し、水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)し、シリカゲル上に濃縮した。シリカゲル上の残留物をMPLC(2カラム:第1カラム、ジクロロメタン;第2カラム、EtOAc/ヘキサン)で精製し、白色固体として(R)−3−(4−ブロモ−2−ニトロフェノキシ)ジヒドロフラン−2(3H)−オンを得た(1.93g、46%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ8.12(s,1H),7.86(d,1H),7.47(d,1H),5.55(t,1H),4.42(m,1H),4.26(m,1H),2.75(m,1H),2.30(m,1H)。
パートII − (S)−6−ブロモ−2−(2−ヒドロキシエチル)−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−3(4H)−オンの合成
(R)−3−(4−ブロモ−2−ニトロフェノキシ)ジヒドロフラン−2(3H)−オン(1.93g、6.39mmol)を酢酸に溶解し、鉄粉(1.784g、31.95mmol)を添加した。得られた混合物を70℃に2時間加熱した。次いで、得られた懸濁物を、セライトパッドを通して濾過し、パッドを酢酸エチルで洗浄した。混合した濾液を酢酸エチルと水で分配し、有機相を水で2回洗浄し、ブラインで洗浄、濃縮して残留物を得た。残留物をMPLCにより15〜70%の濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製して、(S)−6−ブロモ−2−(2−ヒドロキシエチル)−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−3(4H)−オンを得た(1.32g、76%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ10.73(bs,1H),7.04(d,1H),6.98(s,1H),6.90(d,1H),4.62(m,2H),3.53(m,2H),1.91(m,1H),1.88(m,1H)。
パートIII − (S)−2−(6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エタン−1−オルの合成
(S)−6−ブロモ−2−(2−ヒドロキシエチル)−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン(1.32g、4.85mmol)を、周囲温度で無水THF(49mL)に溶解し、ボラン−ジメチルスルフィド錯体(1.47g、19.41mmol)を滴下して添加した。この反応混合物を90分間加熱還流した。次いで、反応混合物を含む反応容器を氷浴で冷却し、その後反応混合物にメタノールを添加して反応を停止した。この反応溶液を20分間加熱還流し、その後濃縮して残留物を得た。この残留物を酢酸エチルと水で分配し、ブラインで洗浄、乾燥(Na
2SO
4)し、濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物を、MPLCを用い15〜70%の濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、(S)−2−(6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エタン−1−オルを得た(1.05g、84%)。
パートIV − (S)−6−ブロモ−2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンの合成
(S)−2−(6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エタン−1−オルを得た(0.28g、1.085mmol)、tert−ブチルジメチルクロロシラン(0.196g、1.302mmol)、及びイミダゾール(0.148g、2.17mmol)をDMF(4mL)に溶解し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。次に、この反応混合物を水と酢酸エチルで分配し、有機相を水で2回以上洗浄し、ブラインで洗浄、乾燥し(Na
2SO
4)、シリカゲル上に濃縮した。シリカゲル上の残留物を、MPLCを用い5〜30%の濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、(S)−6−ブロモ−2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンを得た(0.19g、47%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ6.66(s,1H),6.52(d,1H),6.06(d,1H),4.02(t,1H),3.72(m,1H),3.33(m,1H),2.94(m,1H),1.70(m,1H)。
パートV − (S)−2−(6−ブロモ−4−((3−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エタン−1−オルの合成
(S)−6−ブロモ−2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン(1.04g、2.79mmol)、3−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロリド(1.025g、4.19mmol)、及び炭酸カリウム(0.772g、5.586mmol)をアセトン(28mL)中に懸濁させ、混合物を室温で18時間振盪した。次いで、粗物質を濾過し、濾液をシリカゲル上に濃縮し、クロマトグラフィで精製して(S)−2−(6−ブロモ−4−((3−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エタン−1−オル(1.61g、99%)を得た。なお、シリル保護基は直ぐに加水分解されなかったが、室温で数日後アルコールの形成が認められた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ8.11(d,1H),7.95(m,2H),7.84(t,1H),7.78(s,1H),7.25(d,1H),6.80(d,1H),4.56(s,1H),3.39(d,1H),3.41(m,3H),3.28(m,1H),1.63(m,2H)。
パートVI − (S)−2−(6−ブロモ−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチル4−メチルベンゼンスルホネートの合成
(S)−2−(6−ブロモ−4−((3−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エタン−1−オル(0.13g、0.28mmol)をジクロロメタン(6mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.058mL、0.42mmol)を添加した後トシルクロリド(56mg、0.293mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、追加のトシルクロリド(56mg、0.293mmol)及びトリエチルアミン(0.060mL)を添加し、反応混合物をさらに1日撹拌した。次いで、粗溶液を希塩酸で洗浄し、ブラインで洗浄、乾燥し(Na
2SO
4)、シリカゲル上に濃縮して、クロマトグラフィで精製し、白色固体として(S)−2−(6−ブロモ−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチル4−メチルベンゼンスルホネートを得た(0.14g、81%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ8.12(d,1H),7.98(m,2H),7.87(t,1H),7.76(s,1H),7.59(d,2H),7.33(d,2H),7.24(dd,1H),6.54(d,1H),4.33(dd,1H),4.08(m,1H),4.00(m,1H),3.24(m,2H),2.32(s,3H),1.97(m,1H),1.70(m,1H).
パートVII − (S)−3−(6−ブロモ−4−((3−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパンニトリルの合成
(S)−2−(6−ブロモ−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチル4−メチルベンゼンスルホネート(0.14g、0.226mmol)をDMSO(1mL)に溶解し、シアン化カリウム(0.016g、0.248mmol)を添加した。1時間後、追加のシアン化カリウム(17mg)を添加し、撹拌を一晩継続した。ついで、粗物質を水と酢酸エチルに分配した。有機相を2回洗浄、次いでブラインで洗浄、乾燥(Na
2SO
4)、濃縮して、クロマトグラフィで精製し、(S)−3−(6−ブロモ−4−((3−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパンニトリルを得た(0.09g、84%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ8.09(d,1H),8.00(m,2H),7.84(t,1H),7.78(s,1H),7.27(d,1H),6.82(d,1H),4.40(d,1H),3.37(m,2H),2.56(m,2H),1.92(m,1H),1.72(m,1H)。
パートVIII − (S,E)−3−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパンニトリルの合成
(S)−3−(6−ブロモ−4−((3−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパンニトリル(40mg、0.084mmol)、(E)−2−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(25mg、0.084mmol)、THF(3mL)、及び水酸化ナトリウム(10mg、252mmol)をバイアル中で混合し、窒素を吹き込んでこの混合物を脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(10mg、0.008mmol)を反応混合物に添加し、得られた混合物を70℃で一晩振盪した。次いで、粗物質を水と酢酸エチルに分配した。次いで、有機相をブラインで洗浄、乾燥し(Na
2SO
4)、シリカゲル上に濃縮して、クロマトグラフィで精製し、黄色のオイルとして(S,E)−3−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパンニトリルを得た(31mg、65%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ8.03(m,3H),7.82(m,2H),7.67(s,1H),7.35(m,4H),7.11(d,1H),6.89(d,1H),6.38(s,1H),4.42(d,1H),3.40(m,3H),2.60(m,3H),2.07(s,3H),1.96(m,2H),1.78(m,2H),1.20(m,2H),1.02(s,3H)。
パートXI − (S,E)−2−(2−(2H−テトラゾール−5−イル)エチル)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンの合成
反応管内で、(S,E)−3−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパンニトリル(110mg、0.195mmol)、ジブチルスズオキシド(4.8mg、0.019mmol)及びトリメチルシリルアジド(44.9mg、0.389mmol)の混合物を無水ジメトキシエタン(2mL)に溶解した。この反応管を密封して、混合物を140℃で2時間加熱し、冷却、濃縮した。まず、残留物を、MPLCを用い濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製した。主要なUV活性成分を含むフラクションを濃縮し、残留物をさらに逆相HPLCによって精製し、(S,E)−2−(2−(2H−テトラゾール−5−イル)エチル)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンを得た(15mg、12%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ7.45(m,2H),7.97(t,1H),7.82(s,1H)。7.67(s,1H),7.38(m,2H),7.25(m,1H),7.14(m,1H),6.84(m,1H),6.38(s,1H),4.42(m,1H),3.60(m,1H),3.45(m,2H),3.0(m,2H),2.1(s,3H),1.98(m,2H)。(ES,m/z):(M−H)
−606.32,608.30。
実施例3 − (R,E)−3−((7−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル)オキシ)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンの合成
パートI − (E)−エチル3−(4−メトキシ−2−ニトロフェニル)アクリレートの合成
1−イオド−4−メトキシ−2−ニトロベンゼン(279mg、1.00mmol)、酢酸パラジウム(11.2mg、0.05mmol)、トリエチルアミン(202mg、2.00mmol)、及びアクリル酸エチル(110mg、1.10mmol)の混合物を5時間加熱還流した。次いで、この混合物を冷却、濃縮し、酢酸エチルで希釈した。得られた有機混合物を水、次いでブラインで洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)、濃縮した。得られた残留物をMPLCにより3:1のヘキサン:酢酸エチルで溶出して精製し、黄色固体として(E)−エチル3−(4−メトキシ−2−ニトロフェニル)アクリレートを得た(201mg、80%)。
パートII − (2R,3S)−エチル2,3−ジヒドロキシ−3−(4−メトキシ−2−ニトロフェニル)プロパノエートの合成
E)−エチル3−(4−メトキシ−2−ニトロフェニル)アクリレート(5g、19.90mmol)のtert−ブタノール/水(1:1)(150mL)溶液に、メタンスルホンアミド(2g、21.03mmol)を添加し、次いで0℃でAD−ミックス−α(16.4g、21.05mmol)を数回に分けて添加した。この反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いでNaHSO
3飽和水溶液(200mL)を添加して急冷した。得られた混合物を酢酸エチルで3回抽出し、有機相を混合して濃縮した。得られた残留物を、MPLCにより酢酸エチル/石油エーテル(4:1)で溶出して精製した。主成分のUV活性成分を濃縮し、黄色固体として(2R,3S)−エチル2,3−ジヒドロキシ−3−(4−メトキシ−2−ニトロフェニル)プロパノエートを得た(4.95g、87%)。
パートIII − (4R,5S)−エチル 5−(4−メトキシ−2−ニトロフェニル)−1,3,2−ジオキサチオラン−4−カルボキシレート 2−オキシドの合成
撹拌下、(2R,3S)−2,3−ジヒロキシ−3−(4−メトキシ−2−ニトロフェニル)プロパノエート(5g、17.53mmol)及びトリエチルアミン(5.3g、52.38mmol)のジクロロメタン(150mL)溶液に、0℃で塩化チオニル(2.7g、22.69mmol)を添加した。この混合物を1時間撹拌した後、水を添加して反応を停止した。反応混合物をジクロロメタンで3回抽出した。混合した有機相を乾燥し(Na
2SO
4)濃縮した。得られた残留物を、MPLCにより濃度勾配を持つ酢酸エチル/石油エーテル(1:10〜1:2)で溶出して精製した。主要なUV活性成分を濃縮し、黄色オイルとして(4R,5S)−エチル5−(4−メトキシ−2−ニトロフェニル)−1,3,2−ジオキサチオラン−4−カルボキシレート2−オキシドを得た(5.2g、90%)。
パートIV − (R)−7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−オルの合成
(4R,5S)−エチル5−(4−メトキシ−2−ニトロフェニル)−1,3,2−ジオキサチオラン−4−カルボキシレート2−オキシド(1.5g、4.53mmol)の190プルーフエタノール(60mL)溶液に、0℃で塩化コバルト(II)6水和物(213mg、0.90mmol)を添加し、次いで水素化ホウ素ナトリウム(1.33g、36.1mmol)を添加した。この混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、この混合物を氷水(100mL)に浸け、酢酸エチルで4回抽出した。混合した有機相を濃縮し、得られた残留物をMPLCにより酢酸エチル/石油エーテル(1:1)で溶出して、黄色固体として(R)−7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−オルを得た(550mg、68%)。
パートV − (R)−7−メトキシ−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−オルの合成
室温の(R)−7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−オル(400mg、2.23mmol)のジクロロメタン(12mL)及びピリジン(12mL)に3−(トリフルオロメチル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド(600mg、2.45mmol)を添加した。この混合物を2時間撹拌し、ジクロロメタンで希釈し1M塩酸で2回洗浄した。有機相を乾燥(Na
2SO
4))、濃縮し、無色オイルとして(R)−7−メトキシ−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−オルを得た(650mg、75%)。
パートVI − (R)−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3,7−ジオールの合成
(R)−7−メトキシ−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−オル(1.1g、2.84mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に、−78℃で三臭化ホウ素(11.2g、44.7mmol)を滴下して添加した。反応混合物を室温になるまで放置し、2時間撹拌した。次いで、反応混合物に水を添加して反応を停止し、得られた混合物をジクロロメタンで2回抽出した。混合した有機相を乾燥し(Na
2SO
4)、濃縮した。得られた残留物を、MPLCにより石油エーテル:酢酸エチル(1:1)で溶出して精製した。主要なUV活性成分を濃縮して、(R)−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3,7−ジオールを得た(900mg、85%)。
パートVII − (R)−3−ヒドロキシ−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イルトリフルオロメタンスルホネートの合成
撹拌下、(R)−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3,7−ジオール(800mg、2.14mmol)及びピリジン(676mg、8.55mmol)のジクロロメタン(70mL)溶液に、無水トリフルオロメタンスルホン酸(847mg、3.00mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液を滴下して添加した。この反応混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を水で希釈した。得られた混合物をジクロロメタンで抽出した。有機相を水、次いでブラインで洗浄し、濃縮した。得られた残留物を、MPLCにより濃度勾配を持つ石油エーテル:酢酸エチル(1:10〜1:3)で溶出して精製し、黄色オイルとして(R)−3−ヒドロキシ−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イルトリフルオロメタンスルホネートを得た(950mg、88%)。
パートVIII − (R,E)−7−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−オルの合成
不活性の窒素雰囲気でパージし保持したフラスコに、(R)−3−ヒドロキシ−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イルトリフルオロメタンスルホネート(400mg、0.79mmol)のトルエン(12mL)溶液、エタノール(4mL)、水(2mL)、2−[(1E)−2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(258mg、0.87mmol)を仕込んだ。テトラキス(トリフェニルホスファン)パラジウム(91mg、0.08mmol)を反応混合物に添加し、その混合物を90℃で3時間撹拌した。次いで、反応混合物を冷却し、酢酸エチルで3回抽出した。有機相を混合し、濃縮した。得られた残留物を、MPLCにより濃度勾配を持つ酢酸エチル/石油エーテル(1:10〜2:1)で溶出して精製し、黄色オイルとして(R,E)−7−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−オルを得た(215mg、52%)。
1H−NMR(300MHz,CD
3OD)δ7.93−8.05(m,3H),7.70−7.76(m,2H),7.26−7.35(m,2H),7.09−7.17(m,3H),6.39(s,1H),4.11(m,1H),3.92(m,1H),3.61−3.38(m,1H),2.76(m,1H),2.46(m,1H),2.12(s,3H)。(ES,m/z):(M+H)
+526。
パートIX − エチルN−([[(3R)−7−[(1E)−2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル]−1−[[3−(トリフルオロメチル)ベンゼン]スルホニル]−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル]オキシ]メタンチオイル)カルバメートの合成
室温の(R,E)−7−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−オル(250mg、0.48mmol)のクロロホルム(10mL)溶液に、エチルN−カルボチオイルカルバメート(0.56mL、4.8mmol)を添加した。この溶液を60℃で2日間撹拌し、濃縮した。得られた残留物を、MPLCにより濃度勾配を持つ酢酸エチル/石油エーテル(0〜25%)で溶出して精製し、黄色オイルとしてエチルN−([[(3R)−7−[(1E)−2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル]−1−[[3−(トリフルオロメチル)ベンゼン]スルホニル]−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル]オキシ]メタンチオイル)カルバメートを得た(250mg、80%)。
パートX − (R,E)−3−((7−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル)オキシ)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンの合成
ヒドロキシルアミン塩酸塩(59.2mg、0.858mmol)及び水酸化リチウム1水和物(20.4mg、0.49mmol)の混合物のエタノール(5mL)溶液を40℃30分撹拌した。この溶液に、エチルN−([[(3R)−7−[(1E)−2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル]−1−[[3−(トリフルオロメチル)ベンゼン]スルホニル]−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル]オキシ]メタンチオイル)カルバメート(80mg、0.12mmol)のエタノール(2mL)溶液を撹拌しながら滴下して添加し、混合物を40℃で一晩撹拌した。次いで、この混合物を濃縮し、得られた残留物を分取HPLCにより、0.05%のTFAを含有する60〜72%の濃度勾配を持つアセトニトリル水溶液で溶出して精製し、白色固体として(R,E)−3−((7−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル)オキシ)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンを得た(30mg、41%)。
1H−NMR(300MHz,CD
3OD)δ8.02(d,J=9Hz,1H),7.95(m,2H),7.75(t,J=7.5Hz,1H),7.58(s,1H),7.27(m,2H),7.05−7.17(m,3H),6.35(s,1H),5.11(m,1H),4.16−4.30(m,2H),2.85(d,J=6Hz,2H),2.06(s,3H)。(ES,m/z):(M+H)
+508。
実施例4 − (R,E)−3−((7−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル)オキシ)−1H−1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンの合成
エチルN−([[(3R)−7−[(1E)−2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル]−1−[[3−(トリフルオロメチル)ベンゼン]スルホニル]−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル]オキシ]メタンチオニル)カルバメート(370mg、0.56mmol)、メタノール(10mL)、及び水酸化カルシウム(3.16mg、0.06mmol)の混合物にヒドラジン水和物(31mg、0.6mmol)のメタノール(3mL)溶液を、0℃で撹拌しながら滴下で添加した。この溶液を室温で5時間撹拌し、その後濃縮した。得られた残留物を分取HPLCにより、0.05%のTFAを含有する50〜67%の濃度勾配を持つアセトニトリル水溶液で溶出して精製し、白色固体として(R,E)−3−((7−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル)オキシ)−1H−1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンを得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3)δ8.11(s,1H),7.91(s,1H),7.84(s,1H),7.71(s,1H),7.66(s,1H),7.26−7.17(m,3H),7.10−7.02(m,2H),6.42(s,1H),4.97(s,1H),4.28(s,1H),4.21(s,1H),2.94(s,1H),2.76(s,1H),2.17(s,3H),1.27(s,1H)。(ES,m/z):(M−100)
+508。
実施例5 − (2R,3S)−3−((1H−イミダゾール−1−イル)メチル)−7−((E)−2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリンの合成
パートI − (R)−メチル3−(3−(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)ブタノエートの合成
メチル(3R)−3−アミノブタノエート塩酸塩(6.10g、39.9mmol)及び3−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロリド(10.69g、43.7mmol)の混合物の塩化メチレン(100mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(14.4g、111mmol)を添加した。この混合物を一晩撹拌し、次いでジクロロメタンと飽和塩化アンモニウムに分配した。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム、次いでブラインで洗浄し、乾燥した(Na
2SO
4)後濃縮した。得られた残留物をMPLCにより9:1〜3:2の濃度勾配を持つヘキサン:酢酸エチルで溶出して精製し、透明なオイルとして(R)−メチル3−(3−(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)ブタノエートを得た(9.23g、71%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ8.03(m,3H),7.83(t,1H),3.55(q,1H),3.42(s,3H),2.36(d,2H),0.93(d,3H)。(MS,m/z):(M+Na)
+348.18。
パートII − (2R,3S)−メチル2−(2,4−ジブロモベンジル)−3−(3−(トリトフルオロメチル))フェニル−スルホンアミド)ブタノエートの合成
1MのリチウムヘキサメチルシリルアジドのTHF溶液(75.2mL,75.2mmol)に、−78℃で(R)−メチル3−(3−(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)ブタノエート(11.65g、35.8mmol)のTHF(300mL)溶液を滴下して添加した。添加完了後、混合物をさらに30分間撹拌し、放置して温度を−40℃まで上昇させた。次いで、混合物を再度−78℃に冷却し、その後2,4−ジブロモ−1−(ブロモメチル)ベンゼンのTHF溶液(60mL)を滴下して添加した。反応容器から冷却浴を取り除き、反応混合物を放置して室温まで温めた。次に、反応混合物に飽和塩化アンモニウムを添加して反応を停止し、反応混合物を酢酸エチルと水に分配した。有機相を分離し、ブラインで洗浄、乾燥(Na
2SO
4)、濃縮した。得られた残留物を、MPLCにより濃度勾配を持つ酢酸エチル及びヘキサンで溶出して精製し、白色固体として(2R,3S)−メチル2−(2,4−ジブロモベンジル)−3−(3−(トリトフルオロメチル))フェニル−スルホンアミド)ブタノエートを得た(12.14g、59%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ8.11(m,3H),8.02(d,1H),7.84(t,1H),7.79(m,1H),7.47(dd,1H),7.08(d,1H),3.60(m,1H),3.37(s,3H),2.84(m,2H),2.78(m,1H),0.92(d,3H)。
パートIII − (2R、3R)−メチル7−ブロモ−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)−フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボキシレートの合成
(2R,3S)−メチル2−(2,4−ジブロモベンジル)−3−(3−(トリトフルオロメチル))フェニル−スルホンアミド)ブタノエート(4.63g、8.08mmol)、ヨウ化銅(I)(0.62g、3.23mmol)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(0.71g、8.08mmol)及びリン酸二水素カリウム(5.14g、24.2mmol)の混合物のトルエン(80mL)溶液を一晩加熱還流した。反応生成物を冷却し、酢酸エチルと飽和塩化アンモニウム水溶液に分配した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)、濃縮した。得られた残留物を、MPLCにより濃度勾配を持つヘキサン及び酢酸エチルで溶出して精製し、(2R、3R)−メチル7−ブロモ−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)−フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボキシレートを得た(3.23g、81%)。注:この物質は、(2R,3R)−メチル7−イオド−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)−フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボキシレートをいくらか含んでおり、さらに精製せずに、この合成手順の次のステップで使用した。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ8.11(d,1H),7.90(m,2H),7.83(t,1H),7.78(s,1H),7.36(d,1H),7.18(d,1H),4.73(m,1H),3.61(s,3H),2.75(m,2H),2.24(m,1H),0.91(d,1H)。
パートIV − (2R,3R)−メチル7−((E)−2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボキシレートの合成
脱気した(2R、3R)−メチル7−ブロモ−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)−フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボキシレート(3.23g、6.56mmol)、炭酸カリウム(1.36g、9.84mmol)、(E)−2−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(2.14g、7.22mmol)、ジオキサン(24mL)及び水(6mL)の混合物に、[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン錯体(0.54g、0.66mmol)を添加した。この混合物を70℃に5時間加熱した。次いで、混合物を冷却し、酢酸エチルと水に分配した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)、濃縮した。得られた残留物を、MPLCにより0〜50%の濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、(2R,3R)−メチル7−((E)−2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボキシレートを得た(2.69g、70%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ8.11(m,1H),7.90(m,4H),7.64(s,1H),7.38(m,2H),7.26(m,2H),7.19(m,1H),6.41(s,1H),4.80(m,1H),4.00(q,1H),3.64(s,3H),3.62(s,1H),3.53(s,2H),2.80(m,3H),2.35(m,2H),2.11(s,3H),1.97(s,2H),1.15(t,2H),0.98(dd,5H)。(MS,m/z):(M+Na)
+604.2。
パートV − ((2R,3R)−7−((E)−2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル)メタノールの合成
1Mのリチウムアルミニウム水和物溶液(5.08mL,5.08mmol)に、(2R,3R)−メチル7−((E)−2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボキシレート(2.69g、4.62mmol)のTHF(46mL)溶液を滴下して添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、次いで反応混合物に硫酸ナトリウム12水和物(3g)を徐々に添加して反応を停止した。この反応混合物をさらに1時間撹拌し、濾過した。濾液を濃縮し、残留物をMPLCにより濃度勾配を持つヘキサン及び酢酸エチルで溶出して精製した。主要なUV活性成分を濃縮して残留物を得て、これをさらにMPLCにより0〜5%の濃度勾配を持つメタノールのジクロロメタン溶液で溶出して精製し、((2R,3R)−7−((E)−2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル)メタノールを得た(0.91g、36%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ8.07(d,1H),7.93(d,1H),7.80(m,2H),7.69(s,1H),7.38(m,2H),7.27(m,1H),7.14(m,2H),6.40(s,1H),4.70(m,2H),3.27(m,1H),3.19(m,1H),2.27(m,1H),2.10(s,3H),1.59(m,1H),0.98(d,3H).(ES,m/z):(M+K)
+592.14.
パートVI − ((2R,3R)−7−((E)−2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル)メチルメタンスルホネートの合成
((2R,3R)−7−((E)−2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル)メタノール(0.91gg、1.64mmol)及びトリエチルアミン(0.28g、2.79mmol)のジクロロメタン(8mL)溶液に、メタンスルホニルクロリドを添加した。この混合物を室温で一晩撹拌し、次いでクエン酸水溶液、ブラインで洗浄、乾燥(Na
2SO
4)、濃縮した。得られた残留物を、MPLCにより石油エーテル:酢酸エチル(1:1)で溶出して精製した。主要なUV活性成分を濃縮して、((2R,3R)−7−((E)−2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル)メチルメタンスルホネートを得た(0.98g、94%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ8.08(d,1H),7.93(d,1H),7.83(m,2H),7.69(s,1H),7.38(m,2H),7.28(m,1H),7.19(m,2H),6.42(s,1H),4.66(m,1H),4.10(d,2H),3.18(s,3H),2.63(dd,1H),2.45(m,1H),2.12(s,3H),1.92(m,1H),1.01(d,3H)。
パートV − (2R,3S)−3−((1H−イミダゾール−1−イル)メチル)−7−((E)−2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリンの合成
イミダゾール(20mg、0.29mmol)のDMF(1.5mL)溶液に、室温で60%水素化ナトリウム鉱油溶液(10mg、0.26mmol)を添加した。この混合物を15分間撹拌して、((2R,3R)−7−((E)−2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル)メチルメタンスルホネート(100mg、0.16mmol)を添加した。混合物を60℃で一晩加熱した後、冷却し酢酸エチルと水に分配した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)、濃縮した。得られた残留物を、MPLCにより0〜10%の濃度勾配を持つメタノールのジクロロメタン溶液で溶出して精製し、(2R,3S)−3−((1H−イミダゾール−1−イル)メチル)−7−((E)−2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリンを得た(25mg、25%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ8.08(d,1H),7.79(m,4H),7.58(s,1H),7.38(m,2H),7.28(m,1H),7.16(s,2H),6.96(s,1H),6.90(s,1H),6.41(s,1H),5.73(s,1H),4.35(m,1H),4.08(m,1H),3.92(m,2H),3.15(d,3H),2.40(m,1H),2.12(s,3H),1.77(m,1H),1.05(d,3H)。(ES,m/z):(M+H)
+604.33。
実施例6 − (S,E)−3−(2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンの合成
(S,E)−3−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパンニトリル(70mg、0.124mmol)のメタノール(3mL)溶液にヒドロキシルアミン(164mg、2.48mmol)を添加した。この混合物を60℃で一晩加熱した後、冷却、濃縮した。得られた残留物をTHF(5mL)に溶解し、冷却して0℃とした。次に、ジイソプロピルエチルアミン(48mg、372mmol)、次いでトリホスゲン(55mg、186mmol)を添加した。反応混合物を室温になるまで加温し、2時間撹拌した。次いで、酢酸エチルと水に分配した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)、濃縮した。生成物を、MPLCにより濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、(S,E)−3−(2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンを得た(22mg、27%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ12.08(s,1H),8.1(m,2H),7.97(s,1H),7.84(d,1H),7.68(m,1H),7.38(m,2H),7.25(m,1H),7.15(m,1H),6.86(m,1H),6.4(s,1H),4.40(m,1H),3.62(m,1H),3.48(m,1H),2.62(m,2H),2.1(s,3H),1.98(m,1H),1.85(m,1H)。(ES,m/z):(M+Na)
+646.27,648.23。
実施例7 − (S,E)−2−(2−(1H−イミダゾール−1−イル)エチル)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンの合成
パートI − (S)−6−ブロモ−2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−4−((3−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンの合成
(S)−6−ブロモ−2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン(1.60g、4.30mmol)のピリジン(15mL)溶液に3−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロリド(1.26g、5.15mmol)を添加した。この混合物を50℃で2時間撹拌した後、冷却し酢酸エチルと1N HClに分配した。有機相を1N HClで3回洗浄し、ブラインで洗浄、乾燥した(Na
2SO
4)。得られた混合物に活性炭を添加し、この混合物を懸濁させた後セライトを通して濾過した。濾液を濃縮し、得られた残留物を、MPLCを用い濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、(S)−6−ブロモ−2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−4−((3−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンを得た2.40g、100%)。
パートII − (S,E)−2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンの合成
脱気した(S)−6−ブロモ−2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−4−((3−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン(1.78g、6.03mmol)、炭酸カリウム(833mg、6.03mmol)、(E)−2−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(1.788g、6.03mmol)、ジオキサン(25mL)及び水(5mL)の混合物に、[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(0.328g、0.431mmol)を添加した。この混合物を70℃に5時間加熱した。この混合物を冷却し、酢酸エチルと飽和塩化アンモニウム水溶液に分配した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)、濃縮した。得られた残留物を、MPLCにより0〜50%の濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、(S,E)−2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンを得た(2.40g、83%)。
パートIII − (S,E)−2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エタノールの合成
(S,E)−2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン(2.40g、3.58mmol)のTHF(24mL)溶液に、1Mのフッ化テトラブチルアンモニウム(1.40g、5.37mmol)のTHF溶液(5.37mL)を添加した。この混合物を1時間撹拌し、次いでシリカゲル上に濃縮した。残留物を、MPLCにより0〜100%の濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、(S,E)−2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エタノールを得た(1.55g、78%)。
パートIV − (S,E)−2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチルメタンスルホネートの合成
(S,E)−2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エタノール(0.45g、0.81mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.21g、1.62mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、0℃でメタンスルホン酸無水物(211mg、1.21mmol)を添加した。この混合物を室温で2時間撹拌した後、酢酸エチルと1N HClに分配した。有機相を乾燥(Na
2SO
4)、濃縮して、(S,E)−2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチルメタンスルホネートを得た(0.48g、94%)。
パートV − (S,E)−2−(2−(1H−イミダゾール−1−イル)エチル)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンの合成
(S,E)−2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチルメタンスルホネート(50mg、0.079mmol)のDMF(0.5mL)溶液に、イミダゾール(21.5mg、0.315mmol)を添加した。この混合物を70℃で一晩撹拌した後、冷却し、次いで濃縮した。得られた残留物を、MPLCにより0〜50%の濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、(S,E)−2−(2−(1H−イミダゾール−1−イル)エチル)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンを得た(26mg、54%)。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.82(m,3H),7.75(m,1H),7.58(m,1H).7.40(m,1H),7.25−7.15(m,3H),7.05(m,2H),6.88(m,1H),6.82(m,1H),6.38(s,1H),4.20−4.08(m,3H),3.22(m,2H),2.08(s,3H),1.96(m,2H)。(ES,m/z):(M+H)
+606.13,608.15。
実施例8 − (S,E)−2−(3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンの合成
パートI − (S)−3−(6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパン−1−オルの合成
(S)−3−(6−ブロモ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエート(6.4g、20.4mmol)無水テトラヒドロフラン(60mL)溶液に、ボラン−メチルスルフィド錯体(8.2mL、82mmol)を添加し、混合物を50℃で2時間加熱した。次いで、この混合反応物を周囲温度まで冷却し、その後メタノール(25mL)を注意深く添加して反応を停止し、20分間で60℃まで加熱した。反応生成物を濃縮した後、酢酸エチルに再溶解して、水、次いでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮してオイルを得た。このオイルを、カラムクロマトグラフィを用い5〜100%の濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製した。(S)−3−(6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパン−1−オルを含む画分を混合して濃縮し、固形物質を得た(2.77g、50%)。
パートII − (S)−6−ブロモ−2−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンの合成
(S)−3−(6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパン−1−オル(3.50g、12.9mmol)のジクロロメタン(40mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(2.49g、19.3mmol)、tert−ブチルジメチルクロロシラン(2.33g、15.4mmol)、及び4−ジメチルアミノピリジン(0.157g、1.29mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、この混合物を10%クエン酸水溶液で洗浄した。有機相を乾燥し(Na
2SO
4)、濃縮した。得られた残留物を、MPLCを用い濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、(S)−6−ブロモ−2−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンを得た(3.80g、76%)。
パートIII − (S)−6−ブロモ−2−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)−4−((3−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンの合成
(S)−6−ブロモ−2−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン(1.80g、4.67mmol)のピリジン(15mL)溶液に3−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロリド(1.37g、5.59mmol)を添加した。この混合物を50℃で2時間撹拌した後、冷却し酢酸エチルと1N HClに分配した。有機相を1N HClで3回洗浄し、その後ブラインで洗浄、乾燥した(Na
2SO
4)。得られた混合物に活性炭を添加し、この混合物を懸濁させた後セライトを通して濾過した、濾液を濃縮し、残留物を、MPLCを用い濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、(S)−6−ブロモ−2−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル−4−((3−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンを得た2.45g、88%)。
パートIV − (S,E)−2−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンの合成
脱気した(S)−6−ブロモ−2−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−4−((3−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン(2.45g、4.12mmol)、炭酸カリウム(800mg、5.77mmol)、(E)−2−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(1.71g、5.77mmol)、ジオキサン(30mL)及び水(5mL)の混合物に、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(0.31g、0.41mmol)を添加した。この混合物を70℃に5時間加熱した。次いで、反応生成物を冷却し、その後酢酸エチルと飽和塩化アンモニウム水溶液に分配した。有機相をブラインで洗浄、乾燥(Na
2SO
4)し、次いで濃縮した。得られた残留物を、MPLCにより0〜50%の濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、(S,E)−2−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンを得た(2.47g、88%)。
パートV − (S,E)−3−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパン−1−オルの合成
(S,E)−2−(2−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン(2.47g、3.61mmol)のTHF(24mL)溶液に、1Mのフッ化テトラブチルアンモニウム(1.42g、5.41mmol)のTHF溶液(5.41mL)を添加した。この混合物を1時間撹拌し、次いで少量のシリカゲル上に濃縮した。残留物を、MPLCにより0〜100%の濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、(S,E)−3−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパン−1−オルを得た(1.75g、85%)。
パートVI − (S,E)−3−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロピルメタンスルホネートの合成
(S,E)−3−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパン−1−オル(0.53g、0.93mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.24g、1.86mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、0℃でメタンスルホン酸無水物(240mg、1.39mmol)を添加した。この混合物を室温で2時間撹拌し、次いでジクロロメタンと1N HClに分配した。有機相を乾燥(Na
2SO
4)、濃縮して、(S,E)−3−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロピルメタンスルホネートを得た(0.58g、96%)。
パートVII (S,E)−2−(3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンの合成
(S,E)−3−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロピルメタンスルホネート(50mg、0.077mmol)のDMF(0.5mL)溶液に、イミダゾール(26.3mg、0.386mmol)を添加した。この混合物を70℃で一晩撹拌した後、冷却して濃縮した。得られた残留物を、MPLCにより0〜5%の濃度勾配を持つメタノールのジクロロメタン溶液で溶出して精製し、(S,E)−2−(3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンを得た(28mg、56%)。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.02(s,1H),7.82(m,2H),7.78(m,1H),7.64(m,1H).7.48(m,1H),7.25−7.15(m,2H),7.1(m,2H),7.02(m,1H),6.90(m,1H),6.82(m,1H),6.38(s,1H),4.24(m,1H),3.98(m,2H),3.48(m,1H),3.22(m,1H),2.08(s,3H),1.98(m,1H),1.85(m,1H),1.55(m,2H)。(ES,m/z):(M+H)
+620.31,622.33。
実施例9 (S,E)−2−(2−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エチル)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンの合成
パートI − (S,E)−2−(2−アジドエチル)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンの合成
(S,E)−2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチルメタンスルホネート(0.50g、0.79mmol)及びアジ化ナトリウム(0.21g、3.15mmol)の混合物のDMF(5mL)溶液を60℃で2時間加熱した。次いで、この混合物を冷却し、酢酸エチルと水に分配した。有機相を水、次いでブラインで洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)、濃縮して、(S,E)−2−(2−アジドエチル)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンを得た(0.43g、94%)。
パートII − (S,E)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−2−(2−(4−(トリメチルシリル)−1H−1,2,3−トリアゾ−1−イル)エチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンの合成
(S,E)−2−(2−アジドエチル)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン(200mg、0.344mmol)、トリメチルシリルアセチレン(50mg、0.516mmol)、及びヨウ化銅(I)(10mg、0.068mmol)の混合物のアセトニトリル(3mL)溶液を70℃で一晩加熱した。次いで、この混合物を濃縮して残留物を、MPLCにより濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、(S,E)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−2−(2−(4−(トリメチルシリル)−1H−1,2,3−トリアゾ−1−イル)エチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンを得た(210mg、90%)。
パートIII (S,E)−2−(2−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エチル)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンの合成
(S,E)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−2−(2−(4−(トリメチルシリル)−1H−1,2,3−トリアゾ−1−イル)エチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン(210mg、0.31mmol)のTHF(4mL)溶液に、1Mのフッ化テトラブチルアンモニウム(0.16g、0.62mmol)のTHF溶液(0.62mL)を添加した。この混合物を室温で一晩撹拌した後濃縮した。得られた残留物を、MPLCにより濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、(S,E)−2−(2−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エチル)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジンを得た(94mg、50%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ8.06(m,2H),8.00(m,1H),7.91(s,1H),7.81(m,1H),7.71(m,2H),7.38(m,2H),7.27(m,1H),7.14(m,1H),6.89(m,1H),6.38(s,1H),4.52(m,2H),4.39(m,1H),3.43(m,2H),2.23(m,1H),2.09(m,4H)。(ES,m/z):(M+Na)
+629.09,631.11。
実施例10 (S,E)−1−(2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸の合成
パートI − (S,E)−メチル1−(2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキシレートの合成
(S,E)−2−(2−アジドエチル)−6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン(0.100mg、0.17mmol)、プロピオン酸メチル(14mg、0.17mmol)、硫酸銅(II)5水和物(10mg、0.040mmol)及びL−アスコルビン酸ナトリウム(10mg、0.051mmol)の混合物のtert−ブタノール(2mL)及び水(1mL)の溶液を室温で一晩加熱した。次いで、この混合物を酢酸エチルと水に分配した。有機混合物を水、次いでブラインで洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)、濃縮した。得られた残存物を、MPLCにより濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、(S,E)−メチル1−(2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキシレートを得た(110mg、96%)。
パートII − (S,E)−1−(2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸の合成
(S,E)−メチル1−(2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキシレート(110mg、0.16mmol)及び水酸化ナトリウム(20mg、0.50mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、この混合物を濃縮し、残留物を酢酸エチルと1N HClに分配した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)、濃縮した。得られた残存物を、MPLCにより0〜10%の濃度勾配を持つメタノールのジクロロメタン溶液で溶出して精製し、(S,E)−1−(2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸を得た(15mg、14%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ13.09(s,1H),8.63(s,1H),8.01(m,2H),7.90(s,1H),7.77(m,1H),7.68(m,1H),7.38(m,2H),7.27(m,1H),7.13(m,1H),6.86(m,1H),6.38(s,1H),4.55(m,2H),4.39(m,1H),3.44(m,2H),2.26(m,1H),2.08(m,4H)。(ES,m/z):(M+Na)
+673.16,675.16。
実施例11 (S,E)−5−(2−(6−(2−クロロ−6−トリフルオロメチル)スチリル−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンの合成
パートI − 1−クロロ−2−エチニル−3−(トリフルオロメチル)ベンゼンの合成
2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(10.0g、47.9mmol)のメタノール(100mL)溶液に、ジメチル(ジアゾメチル)ホスホネート(11.05g、57.5mmol)を添加した。この混合物を0℃まで冷却して、炭酸カリウム(16.6g、119mmol)を添加した。この反応混合物を室温で一晩撹拌した。粗混合物をエーテルで希釈し、水で洗浄、ブラインで洗浄、乾燥(MgSO
4)、濃縮して1−クロロ−2−エチニル−3−(トリフルオロメチル)ベンゼンを得た(9.17g、93%)。
パートII − (E)−(2−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)スチリル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成
[2,3−ビス(1−アダマンチル)イミダゾリジン−2−イル]クロロ銅(0.99g、2.23mmol)及びナトリウムtert−ブトキシド(0.215g、2.23mmol)のTHF(40mL)懸濁液にビス(ピナコラート)ジボロン(11.36g、44.7mmol)を添加した。この混合物を30分間撹拌し、1−クロロ−2−エチニル−3−(トリフルオロメチル)ベンゼン(9.15g、44.7mmol)のTHF(40mL)溶液及びメタノール(1.58g、49.2mmol)を添加した。この混合物を一晩撹拌した後、セライトを通して濾過した。濾液を濃縮し、残留物をMPLCにより0〜10%の濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、(E)−(2−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)スチリル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを得た(11.23g、76%)。
パートIII − (S,E)−メチル3−(6−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)スチリル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエートの合成
(S)−メチル3−(6−ブロモ−4−((3−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエート(2.00g、3.93mmol)、(E)−(2−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)スチリル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(1.83g、5.51mmol)、及び炭酸カリウム(0.65g、4.72mmol)の混合物のジオキサン(40mL)及び水(6mL)の溶液を脱気し、窒素雰囲気下に置いた。[1,1‘−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン錯体(0.30g、0.39mmol)を添加して、反応混合物を一晩70℃に加熱した。その後この混合物を冷却し、次いで酢酸エチルと水に分配した。有機相をブラインで洗浄、乾燥(Na
2SO
4)し、少量のシリカ上に濃縮した。残留物を、MPLCにより0〜30%の濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、(S,E)−メチル3−(6−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)スチリル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエートを得た(2.0g、80%)。
パートIV − (S,E)−5−(2−(6−(2−クロロ−6−トリフルオロメチル)スチリル−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンの合成
(S,E)−メチル3−(6−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)スチリル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエート(270mg、0.426mmol)及びヒドラジン(140mg、4.26mmol)のメタノール(5mL)溶液を5時間50℃に加熱した。次いで、この反応混合物を冷却、濃縮し、(S,E)−3−(6−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)スチリル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパンヒドラジドを得て、これを精製せずに使用した。このヒドラジドのTHF(5mL)溶液に、0℃でジイソプロピルエチルアミン(170mg、1.28mmol)を添加し、次いでトリホスゲン(190mg、0.64mmol)を添加した。この混合物を0℃で10分間、次いで室温で1時間撹拌した。次いで、この混合物を酢酸エチルと水で分配し、ブラインで洗浄、乾燥(Na
2SO
4)し、シリカゲル上に濃縮した。残留物を、MPLCにより20〜60%の濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、白色固体として(S,E)−5−(2−(6−(2−クロロ−6−トリフルオロメチル)スチリル−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンを得た(140mg、37%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ12.04(s,1H),8.1(m,2H),7.98(s,1H),7.84(m,2H),7.78(m,2H),7.55(m,1H),7.38(m,1H),6.98(m,1H),6.86(m,1H),6.80(m,1H),4.41(m,1H),3.64(m,1H),3.42(m,1H),2.68(m,2H),1.98(m,1H),1.82(m,1H)。(ES,m/z):(M+Na)
+682.15,684.13。
実施例12 − 1−((2R,3R)−7−((E)−2−フルオロ−6−(トリフルオロ)スチリル)−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル)−1H−イミダゾール−2(3H)−オン
パートI − (E)−(2−(2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)スチリル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成
[2,3−ビス(1−アダマンチル)イミダゾリジン−2−イル]クロロ銅(0.21g、0.49mmol)及びナトリウムtert−ブトキシド(0.47g、0.49mmol)のTHF(40mL)懸濁液にビス(ピナコラート)ジボロン(2.50g、9.83mmol)を添加した。この混合物を30分間撹拌し、1−クロロ−2−エチニル−3−(トリフルオロメチル)ベンゼン(9.15g、44.7mmol)のTHF(40mL)及びメタノール(0.35g、11mmol)の溶液を添加した。この混合物を一晩撹拌した後、セライトを通して濾過した。濾液を濃縮し、残留物をMPLCにより0〜10%の濃度勾配の酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、(E)−(2−(2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)スチリル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを得た(1.55g、50%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ7.58(m,4H),7.23(d,1H),6.13(d,1H),1.22(s,12H)。
パートII − (2R,3R)−メチル7−((E)−2−フルオロ−6−トリフルオロメチル)スチリル)−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボキシレートの合成
メチル(2R,3R)−6−ブロモ−3−メチル−4−((3−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−カルボキシレート、(E)−(2−(2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)スチリル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(1.55g、4.91mmol)、及び炭酸カリウム(0.93g、6.7mmol)の混合物のジオキサン(36mL)及び水(9mL)の溶液を脱気し、窒素雰囲気下に置いた。[1,1‘−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン錯体(0.37g、0.45mmol)を添加して、反応混合物を一晩70℃に加熱した。この混合物を放冷した後、混合物を酢酸エチルと水に分配した。有機相を分離し、ブラインで洗浄、乾燥(Na
2SO
4)し、少量のシリカ上に濃縮した。得られた残留物を、MPLCにより0〜30%の濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、(2R,3R)−メチル7−((E)−2−フルオロ−6−トリフルオロメチル)スチリル)−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボキシレートを得た(2.0g、74%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ8.10(m,1H),7.87(m,4H),7.63(m,2H),7.56(m,1H),7.39(m,1H),7.23(m,2H),7.02(d,1H),4.80(m,1H),3.63(d,3H),2.80(m,2H),2.35(m,1H),0.95(m,3H).(ES,m/z):(M+Na)
+624.38。
パートIV − (2R,3R)−7−((E)−2−フルオロ−6−トリフルオロメチル)スチリル)−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボン酸の合成
(2R,3R)−メチル7−((E)−2−フルオロ−6−トリフルオロメチル)スチリル)−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボキシレート(2.0g、3.32mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(0.27g、6.65mmol)、水(11mL)、及びTHF(22mL)を室温で一晩撹拌した。次いで、この反応混合物を1N HClでpH2に酸性化した後、酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥し(Na
2SO
4)、濃縮した。得られた残留物を、MPLCにより0〜10%の濃度勾配を持つメタノールのジクロロメタン溶液で溶出して精製し、(2R,3R)−7−((E)−2−フルオロ−6−トリフルオロメチル)スチリル)−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボン酸を得た(1.77g、82%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ12.85(bs,1H),8.10(m,1H),7.95(t,1H),7.84(m,3H),7.64(m,1H),7.54(m,1H),7.38(m,1H),7.22(m,2H),7.05(m,1H),4.56(m,1H),3.57(m,1H),2.75(m,2H),2.22(m,1H),1.73(m,1H),0.96(m,3H).(MS,m/z):(M+Na)
+610.29.
パートIV − 1−((2R,3R)−7−((E)−2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)スチリル)−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル)−1H−イミダゾール−2(3H)−オン
( 2R,3R)−7−((E)−2−フルオロ−6−トリフルオロメチル)スチリル)−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボン酸(100mg、0.17mmol)、ジフェニルホスホン酸アジド(51mg、0.187mmol)、トリエチルアミン(20mg、0.20mmol)、トルエン(2mL)の溶液、及びモレキュラーシーブを2時間95℃に加熱した。この反応混合物を放冷した後、アミノアセトアルデヒドジエチルアセタール(30mg、0.23mmol)を添加し、混合物を70℃で一晩加熱した。次いで、この混合物を冷却した後、酢酸エチルと2NHClに分配した。有機相を乾燥し(Na
2SO
4)、濃縮した。得られた残留物をアセトニトリル(5mL)、水(2mL)及びトリフルオロ酢酸(2mL)に溶解し、室温で一晩撹拌した。ついて、混合物を濃縮し、得られた残留物を、MPLCにより濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、1−((2R,3R)−7−((E)−2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)スチリル)−2−メチル−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル)−1H−イミダゾール−2(3H)−オンを得た(10mg、9%)。
1H−NMR(400MHz,
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ10.14(s,1H),8.00(m,4H),7.77(t,1H),7.66(m,2H),7.55(m,1H),7.43(d,1H),7.23(m,2H),7.10(d,1H),6.50(t,1H),6.37(t,1H),4.85(m,1H),3.88(m,1H),3.22(m,2H),2.71(m,1H),0.96(d,3H).(ES,m/z):(M+H)
+626.11。
実施例13 − (S,E)−5−((6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)メチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンの合成
パートI − (S,E)−2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)酢酸の合成
(S,E)−2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エタノール(0.45g、0.81mmol)のアセトン(20mL)溶液に、ジョーンズ試薬を赤色が呈するまで滴下して添加した。この反応混合物を、さらに30分間室温に保持した。次いで、イソプロパノール(1mL)を添加し、混合物をセライトを通して濾過した。濾液を濃縮し、残留物を酢酸エチルと1M HClに分配した。有機相を、ブラインで洗浄、乾燥(Na
2SO
4)、濃縮して、(S,E)−2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)酢酸を得た(440mg、95%)。
パートII − (S,E)−メチル2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)アセテート合成
(S,E)−2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)酢酸(380mg、0.67mmol)、炭酸カリウム(180mg、1.33mmol)及びヨウ化メタン(280mg、2.00mmol)の混合物を室温で3時間撹拌した。次いで、この混合物を酢酸エチルと水に分配した。有機相を水、次いでブラインで洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)、濃縮して、(S,E)−メチル2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)アセテートを得た(300mg、77%)。
パートIII − (S,E)−5−((6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)メチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンの合成
(S,E)−メチル2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)アセテート(100mg、0.17mmol)及びヒドラジン(50mg、1.6mmol)のメタノール(3mL)溶液を60℃に一晩加熱した。この混合物を冷却した後、濃縮して(S,E)−2−(6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)アセトアルデヒドを得て、これを精製せずに使用した。このヒドラジドのTHF(2mL)溶液に、0℃でトリエチルアミン(50mg、0.50mmol)、次いでトリホスゲン(50mg、0.17mmol)を添加した。この混合物を0℃で10分間、次いで室温で2時間撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水で分配し、ブラインで洗浄、乾燥(Na
2SO
4)し、シリカゲル上に濃縮した。粗生成物を、MPLCにより濃度勾配を持つ酢酸のヘキサン溶液で溶出して精製し、白色固体として(S,E)−5−((6−(2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)プロプ−1−エン−1−イル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)メチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンを得た(32mg、29%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ12.20(s,1H),8.12(m,1H),8.03(m,2H),7.87(m,1H),7.71(m,1H),7.37(m,2H),7.27(m,1H),7.13(m,1H),6.88(m,1H),6.39(s,1H),4.57(m,1H),3.81(m,1H),3.52(m,1H),3.08(m,1H),2.88(m,1H),2.09(s,3H)。(ES,m/z):(M+Na)
+632.28,634.29。
実施例14 − (S,E)−5−(2−(6−(2−(3−クロロピリジン−2−イル)ビニル)−4−((3−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンの合成
パートI − メチル3−((2S)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−6−((E)−2−(4,4,6−トリメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)ビニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエート
(S)−メチル3−(6−ブロモ−4−((3−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエート(15.35g、30.2mmol)、トリエチルアミン(6.11g、60.4mmol)、及び4,4,5−トリメチル−2−ビニル−1,3,2−ジオキサボリナン(6.20g、36.2mmol)の混合物のトルエン(300mL)溶液を脱気し、窒素雰囲気下に置いた。ビス−(トリ−tert−ブチル)ホスフィンパラジウム(0.77g、1.51mmol)を添加し、反応物を80℃に一晩加熱した。その後この混合物を冷却し、次いで酢酸エチルと水に分配した。有機相を乾燥(Na
2SO
4)し、少量のシリカ上に濃縮した。残留物を、MPLCを用い濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製した。主要なUV活性成分を含む画分を濃縮して、濃い琥珀色のオイルとしてメチル3−((2S)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−6−((E)−2−(4,4,6−トリメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)ビニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエートを得た(14.52g、82.7%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ8.08(d,1H),7.93(m,2H),7.81(t,1H),7.72(s,1H),7.27(d,1H),7.08(d,1H),6.76(d,1H),5.83(d,1H),4.33(d,1H),4.25(m,1H),3.54(s,3H),3.39(m,2H),2.39(m,2H),1.90(m,2H),1.73(m,1H),1.45(m,1H),1.27(s,6H),1.22(d,3H)。
パートII − (S,E)−メチル 3−(6−(2−(3−クロロピリジン−2−イル)ビニル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエートの合成
メチル3−((2S)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−6−((E)−2−(4,4,6−トリメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)ビニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエート(1.68g、2.89mmol)、2−ブロモ−3−クロロピリジン(0.83g、4.33mmol)、及び炭酸カリウム(1.60g、11.5mmol)の混合物のトルエン(1.5mL)、エタノール(0.4mL)及び水(0.5mL)の溶液を脱気し、窒素雰囲気下に置いた。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.33g、0.289mmol)を添加し、反応混合物を90℃に一晩加熱した。その後この混合物を冷却し、次いで酢酸エチルと水に分配した。有機相を乾燥(Na
2SO
4)し、少量のシリカ上に濃縮した。残留物を、MPLCを用い9:1〜7:3の濃度勾配を持つヘキサン:酢酸エチルで溶出して精製した:。主要なUV活性成分を含有する画分を濃縮して、(S,E)−メチル3−(6−(2−(3−クロロピリジン−2−イル)ビニル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエートを得た(0.66g、40%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ8.52(s,1H),8.11(m,1H),8.02(m,2H),7.82(m,4H),7.49(m,1H),7.39(d,1H),7.30(m,1H),6.88(d,1H),4.38(d,1H),3.59(s,3H),3.48(m,1H),3.40(m,1H),2.40(m,1H),1.89(m,1H),1.75(m,1H)。
パートIII − (S,E)−5−(2−(6−(2−(3−クロロピリジン−2−イル)ビニル)−4−((3−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンの合成
(S,E)−メチル3−(6−(2−(3−クロロピリジン−2−イル)ビニル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパノエート(330mg、0.58mmol)及びヒドラジン(190mg、5.8mmol)のメタノール(6mL)溶液を2時間50℃に加熱した。この反応混合物を放冷した後、濃縮して、(S,E)−メチル3−(6−(2−(3−クロロピリジン−2−イル)ビニル)−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)プロパンヒドラジドを得て、これを精製せずに使用した。このヒドラジドのTHF(6mL)溶液に、0℃でジイソプロピルエチルアミン(150mg、1.16mmol)を、次いでトリホスゲン(90mg、0.29mmol)を添加した。この混合物を0℃で10分間、次いで室温で1時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルと水で分配し、ブラインで洗浄、乾燥(Na
2SO
4)し、シリカゲル上に濃縮した。残留物を、MPLCにより濃度勾配を持つ酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出して精製し、黄色固体として(S,E)−5−(2−(6−(2−(3−クロロピリジン−2−イル)ビニル)−4−((3−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−2−イル)エチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オンを得た(203mg、56%)。
1H−NMR(400MHz,
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ11.97(s,1H),8.50(s,1H),8.05(d,2H),8.00(s,1H),7.80(m,4H),7.48(d,1H),7.40(d,1H),7.27(dd,1H),6.81(d,1H),4.42(d,1H),3.47(m,2H),2.60(m,2H),1.98(m,1H),1.78(m,1H).(MS,m/z):(M+H)
+593.13。
実施例15 − さらなる1,3,4−オキサゾール−2(3H)−オンの調製
実施例1及び発明の詳細な説明に記載の実験手順に基づいて表3の化合物を調製した。
表3
実施例16 − 追加の酸素結合型1,2,4,−オキサジアゾール−5(4H)−オンの調製
実施例3及び発明の詳細な説明に記載の実験手順に基づいて表4の化合物を調製した。
表4
実施例17 − 追加のN−結合型アゾールの調製
実施例5、7,8,9、及び10、ならびに発明の詳細な説明に記載の実験手順に基づいて表5の化合物を調製した。
表5
実施例18 − 追加の1,2,4−オキサゾール−5(4H)−オン化合物の調製
実施例6及び詳細な説明に記載の実験手順に基づいて表6の化合物を調製した。
表6
実施例19 − 追加のテトラゾール化合物の調製
実施例2及び詳細な説明に記載の実験手順に基づいて表7の化合物を調製した。
表7
実施例20 − RORγに対する作動薬活性の生物学的アッセイ
(i)RORγ−リガンド結合領域(LBD)TR−FRETアッセイ、及び(ii)HEK−293T細胞におけるGal−RORγルシフェラーゼレポーターアッセイを用いて、上記の実施例の代表的な化合物のRORγ活性上昇能力について試験した。アッセイの手順及び結果を以下に説明する。
パートI − RORγ−リガンド結合領域(LBD)TR−FRETアッセイに関する手順
HISタグRORγ−LBDタンパク質を、バキュロウイルス発現系を用いてSF9細胞内で発現させた。溶解質をアッセイバッファー(50mMトリス pH7.0、50mM KCl、1mM EDTA、0.1mM DTT、0.01%BSA)に希釈し、384ウエルのアッセイプレートに最終濃度約3nMのRORγ−LBDを調製した(タンパク質の各バッチについて滴定する必要がある)。
活性化補助因子SRC1からビオチン化LXXLLペプチドのストックをアッセイバッファーに調製し、それぞれのウエルに添加した(最終濃度200nM)。ユーロピウム標識抗HIS抗体の溶液(最終濃度0.6nM)及びAPC複合ストレプトアビジン(最終濃度30nM)もそれぞれのウエルに添加した。RORγ拮抗薬であるウルソル酸も、最終濃度2μMで添加した。化合物をDMSOで希釈し、さらにアッセイバッファーで希釈して最終のDMSO濃度を1%とした。
最終のアッセイ混合物を4℃で一晩、または室温で2時間培養し、Envisionプレートリーダーで蛍光シグナルを測定した:(励起フィルター=340nm;APCの発光=665nm;ユーロピウムの発光=615nm;二色性ミラー=D400/D630;遅れ時間=100μs、積分時間=200μs)。試験化合物についての50%有効濃度(EC50)は、665nmの蛍光シグナルを615nmの蛍光シグナルで割った値から算出した。ウルソル酸または試験化合物が無い場合の蛍光シグナルの商は100に設定した。最大応答は、PRISM(GraphPad社)の4−パラメータロジスティックモデルを用いるラインフィットで測定されるシグナルの上部平坦域と定義した。
パートII − HEK−293K細胞におけるGal−RORγルシフェラーゼレポーターアッセイに関する手順
HEK−293細胞の形質移入
以下のプロトコールにおいて、HEK−293K細胞を、pcDNA3.1neoプラスミドのRORγのリガンド結合領域(Gal4−RORγ−LBD)に融合したGal4DNA結合領域を含むコンストラクトを、及びさらにpGL4.31 GAl4−ルシフェラーゼ(Promega社)を含むレポーターコンストラクトを形質移入した。比較細胞は、空のpcDNA3.1neo及びpGL4.31ベクターを用いて同様に作製した。
室温でTrans−IT試薬(Mirus社、60μL)をOptiMEM(Invitrogen社、1.5mL)に滴下して添加した。この試薬の混合物を転倒混和し室温で5〜30分間培養した。次いで、それを両方の発現ベクターの溶液に添加し(それぞれ5μg)、混合し、室温で20分間培養した。HEK−293K細胞を、培養液を回収して培養フラスコから収集し、TrypLe Express(Invitrogen社)で処理し、細胞がフラスコの底から分離するまで(約2〜5分)培養した。遠心分離によって1000万個の細胞を収集し、10%のウシ胎児血清及びそれぞれ100IUのペニシリン及びストレプトマイシンを含む10mLのダルベッコ改変イーグル培地、高グルコース(DMEM、Invitrogen社)に再分散した。この再分散した細胞及び形質移入混合物をT75フラスコに仕込み、混合して37℃、CO25%で一晩培養した。
RORγの活性のアッセイ
細胞を上記のように収集、計数、遠心分離し、所望の数の細胞を得た後、0.75×106細胞/mLで完全増殖培地に再分散した。RORγ拮抗剤であるウルソル酸を最終濃度2μMで細胞に添加した。細胞を、20μLの細胞懸濁液/ウエル(10,000〜15,000細胞/ウエル)で384ウエルのホワイト組織培養プレートに蒔いた。試験化合物を10mMでDMSOに溶解し、次いで完全増殖培地に最終目的の試験濃度の5倍に希釈した。これらの薬剤ストック溶液、5μLを組織培養プレートに添加した。DMSOの最終濃度は0.2%であった。このプレートを短時間遠心分離機にかけた後、37℃、5%CO2で一晩培養した。アッセイを行うため、組織培養プレートを室温まで平衡化させ、One−Gloルシフェラーゼ試薬(Promega社、25μL/ウエル)を添加した。このプレートを短時間遠心分離機にかけた後、室温で10分間培養した。ルシフェラーゼ強度をEnvisionプレートリーダー(Perkin Elmaer社)で読み取った。RORγの活性を対照との比較で測定し、PRISM(GraphPad社)を用いて試験化合物濃度に対してプロットし、50%有効濃度(EC50)を決定した。ウルソル酸または試験化合物が無い場合のルシフェラーゼのシグナルは100に規定した。最大応答は、PRISM(GraphPad社)の4−パラメータロジスティックモデルを用いるラインフィットで決定されるシグナルの上部平坦域である。
パートIII − 結果
実験結果を以下の表8に示す。記号「++++」は、0.1μM未満のEC
50を示す。記号「+++」は、0.1〜5μMのEC
50を示す。記号「++」は、5〜10μMのEC
50を示す。記号「+」は、10μMより大きいEC
50を示す。記号「N/A」は、データがないことを示す。記号、「****」は200より大きい値を示す。記号、「***」は150〜200の値を示す。記号、「**」は90〜150の値を示す。記号、「*」は40〜90の値を示す。
表8 − スルホンアミド化合物のアッセイの結果
参照による引用
本明細書で参照するそれぞれの特許文書及び化学論文の全ての開示内容は、いかなる目的の場合も参照により引用される。
均等論
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の特定の形で実施することができる。そのため、前述の実施形態は、あらゆる観点で例示に過ぎず、本明細書に記載された発明を限定するものではない。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、添付された特許請求の範囲によって示すものであり、特許請求の範囲の均等の意味及び範囲に属する全ての変更は、本発明の範囲に包含される。