JP2018513161A - 不妊症の処置のための組成物 - Google Patents

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Abstract

不妊症の処置における使用のためのFSH、例えば組換えFSHを含む調製物。【選択図】なし

Description

本発明は、不妊症の処置のための組成物および医薬製品に関する。
体外受精(IVF)などの生殖補助医療(ART)技術は周知である。これらのART技術は、一群の卵胞が完全成熟するように刺激される調節卵巣刺激法(COS)のステップを一般に必要とする。標準的COS治療計画は、卵胞発育を刺激する卵胞刺激ホルモン(FSH)単独の、またはそれと黄体化ホルモン(LH)活性との組合せなどの、ゴナドトロピン〔gonadotrophin〕の投与を、通常は早発性LHサージを予防するための刺激の前および/または刺激中でのGnRHアナログの投与と共に、含む。COSのために一般に使用される医薬組成物は、組換え卵胞刺激ホルモン(rFSH)、尿由来FSH、組換えFSH+LH調製物、尿由来メノトロピン〔menotrophin〕[ヒト閉経期ゴナドトロピン(hMG)]および高精製ヒト閉経期ゴナドトロピン(HP−hMG)を含む。IVFは、重症の場合は生命を危うくする可能性がある、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の危険を伴う可能性がある。
上に示したとおり、標準的COSプロトコールはFSHの投与を一般に含む。FSHの用量は、年齢、FSH刺激への以前の応答、FSHの基礎レベル、胞状卵胞数および近年では抗ミュラー管ホルモン(AMH)を含む多数の因子に一般に依存する。臨床医は、所与の用量に応答した卵巣の複数の卵胞の発育を、循環中の17−β−エストラジオールの上昇と共に、予期する。
所与の用量への応答(卵巣の複数の卵胞の発育、循環中の17−β−エストラジオールの上昇)が適当である、または予期したとおりである場合、これは正常な卵巣予備能とも称される、正常な卵巣機能を示している。FSH刺激に十分に応答しない患者は、わずかしか卵胞を産生せず、結果として刺激の際の彼女らの17−β−エストラジオールレベルは、ゆっくり上昇し、比較的低いレベルに達する。これらの患者は「低応答者」と称され、卵巣予備能が減退していると言われる場合がある。年齢の上昇、骨盤癒着症、卵巣疾患および免疫学的因子を含むいくつかの因子が低応答に関与すると考えられている。
調節卵巣刺激法(COS)への女性の応答可能性を予測する能力は、個別化されたCOSプロトコールの開発を可能にし得る。例えばこれは、刺激に過剰に応答すると予測される女性におけるOHSSの危険を低減でき、低応答者と分類された女性における妊娠結果を改善でき、および/またはFSHの用量(および曝露)の低減をもたらし、それにより特定の患者における治療費を低減した(および治療の安全性を増大させた)。
抗ミュラー管ホルモン(AMH)の血清濃度は、いまや卵巣予備能の信頼できるマーカーとして確立されている。AMHのレベルの低下は、COSの際のゴナドトロピンへの卵巣応答の低減と関連している。さらに、高レベルのAMHは過剰卵巣応答の良好な予測因子であり、OHSSの危険の指標である。
ARTを受けている35歳未満の女性の予備研究では、CONSORT投薬アルゴリズム(基礎FSH、BMI、年齢およびAFCを組み込んでいる)が、OHSS発症の危険がある女性におけるCOSのための、最適なFSH開始用量を予測するために使用された(Olivennes et.al.,2009)。用量を個別化することは、適当な卵母細胞収量および良好な妊娠結果をもたらした。しかし、低用量群(75IU FSH)では不適当な応答による中止が高率であり、患者の相当な割合においてOHSSが生じた。
上に示すとおり、標準的COSプロトコールはFSHの投与を含む場合がある。FSHは天然では脳下垂体前葉によって分泌され、卵胞発育および排卵を支持するように機能する。FSHは、他の糖タンパク質ホルモンLHおよびCGにも共通する92アミノ酸アルファサブユニットと、ホルモンの生物学的特異性を付与するFSHに固有の111アミノ酸ベータサブユニットとを含む(Pierce and Parsons,1981)。各サブユニットは、複雑な炭水化物残基の付加によって翻訳後修飾される。両サブユニットは、N連結グリカン付着のための部位2個を有している、アルファサブユニットのアミノ酸52および78、ならびにベータサブユニットのアミノ酸残基7および24である(Rathnam and Saxena,1975,Saxena and Rathnam,1976)。FSHはこのようにして、質量で約30%までグリコシル化されている(Dias and Van Roey.2001.Fox et al.2001)。
閉経後のヒト尿から精製されたFSHは何年もの間、自然生殖で排卵を促進するためおよび生殖補助技術のための卵母細胞を提供するための両方で、不妊症処置において使用されている。フォリトロピンアルファ(GONAL−F、Merck Serono/EMD Serono)およびフォリトロピンベータ(PUREGON/FOLLISTIM、MSD/Schering−Plough)などの、卵巣刺激のための現在承認されている組換えFSH(rFSH)製品は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株由来である。現在、ヒト細胞株由来のrFSH産生物は商業的に入手できない。
FSH調製物には、存在する種々のアイソフォームの量の差異に関連する相当な不均一性が伴う。個々のFSHアイソフォームは、同一のアミノ酸配列を示すが、翻訳後修飾された程度が異なっている;具体的なアイソフォームは炭水化物分枝構造の不均一性およびシアル酸(末端糖)取り込みの量の差異によって特徴付けられ、その両方が特定のアイソフォーム生理活性に影響を与えると考えられている。
天然FSHのグリコシル化は非常に複雑である。天然由来下垂体FSHにおけるグリカンは、モノ、バイ、トリおよびテトラアンテナグリカンの組合せを含む場合がある、さまざまな構造を含有する場合がある(Pierce and Parsons,1981.Ryan et al.,1987.Baenziger and Green,1988)。グリカンはさらなる修飾を有する場合がある:コアフコシル化、二分グルコサミン、アセチルラクトサミンでの鎖伸長、部分的または完全なシアル酸付加、α2,3およびα2,6連結でのシアル酸付加およびガラクトースの硫酸化ガラクトサミン置換である(Dalpathado et al.,2006)。さらに、個々のグリコシル化部位でグリカン構造の分布間に差異がある。個体の血清由来および閉経後の女性の尿由来のFSHにおいて同等なレベルのグリカン複雑性が見出されている(Wide et al.,2007)。
組換えFSH産生物のグリコシル化は、宿主細胞株に存在するグリコシル転移酵素の範囲を反映する。商業的に入手可能なrFSH産生物は、操作されたチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)由来である。CHO細胞由来rFSHにおけるグリカン修飾の範囲は、天然産生物において見出されるものよりも限定されている。CHO細胞由来rFSHにおいて見出されるグリカン不均一性の低減の例は、二分グルコサミンの欠失ならびにコアフコシル化およびアセチルラクトサミン伸長の含有量の低減を含む(Hard et al.,1990)。加えて、CHO細胞は、α2,3連結を使用してのみシアル酸を付加できる(Kagawa et al,1988,Takeuchi et al,1988,Svensson et al.,1990);CHO細胞由来rFSHはα2,3−連結シアル酸だけを含み、α2,6−連結シアル酸を含まない。
したがってCHO細胞由来FSHは、α2,3およびα2,6−連結シアル酸の混合物のグリカンを含有し前者が優位である天然産生FSH(例えばヒト下垂体/血清/尿中FSH)とは異なる。したがってCHO系を使用して発現された組換えタンパク質は、それらの末端シアル酸連結の種類において、その天然カウンターパートとは異なる。これは、炭水化物部分が分子の薬理学的特質に寄与する場合があることから、薬学的使用のための生物製剤の産生において考慮すべき重要な事項である。
本出願者らは、WO2009/127826Aとして公開された国際特許出願第PCT/GB2009/000978号の対象であるヒト由来組換えFSHを開発した。α2,3およびα2,6−連結シアル酸の両方の混合物を含む組換えFSHは、rFSHおよびα2,3シアル酸転移酵素の両方を発現するようにヒト細胞株を操作することによって作られた。発現産生物は、非常に酸性であり、α2,3−およびα2,6−連結シアル酸の両方の混合物を有し、後者は内在性シアル酸転移酵素活性によってもたらされている。シアル酸連結、α2,3−またはα2,6−の種類が、FSHの生物学的クリアランスに劇的な影響を有する場合があることが見出された。α2,3およびα2,6−連結シアル酸の両方の混合物を含む組換えFSHは、従来のCHO細胞において発現されたrFSHを超える2つの利点を有する。第1に、2種のシアル酸転移酵素の活性の組合せによって物質はさらに高度にシアル酸付加されており、第2に、物質は天然FSHにさらに密接に類似している。これは、α2,3−連結シアル酸だけを産生している(Kagawa et al,1988,Takeuchi et al,1988,Svensson et al.,1990)、およびシアル酸含有量が減少している(Ulloa−Aguirre et al.1995.,Andersen et al.2004)CHO細胞由来組換え産生物と比較してさらに生物学的に好適であると考えられる。
近年、卵胞刺激ホルモン受容体またはFSH受容体(FSHR)が卵巣予備能の減退に関連するまたは関与する場合があることが示唆されている。FSH受容体は、FSHと相互作用する膜貫通受容体である。FSH受容体は、アデニル酸シクラーゼに連結されたG−タンパク質共役7回膜貫通受容体であり、大きなN末端リガンド結合ドメインならびに推定リン酸化部位としてのセリンおよびスレオニン残基に富むC末端細胞質側末端を有する。その活性化はFSHのホルモン機能のために必要である。FSH受容体中の変異が卵巣予備能の減退を導くかもしれないと仮定されている。変異だけでなく、FSH受容体バリアント(FSH受容体多型)が見出されている。そのような多型の2種は、FSH受容体のエクソン10中の307位(Ala/Thr)および680位(Asn/Ser)に位置している(図4)。これらは、307位におけるAlaまたはThrのバリアント、および680位におけるAsnまたはSerのバリアントである。これらの多型は、680位に関する3種の異なるFSH受容体遺伝子型:Asn/Asn、Asn/SerおよびSer/Serをもたらす[Simoni et al,Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism,Vol84,No.2,751〜755(1999)、Falconer et al,Acta Obstet Gynecol Scand 2005:84:806〜811(2005)およびLoutradis et al,Journal of Assisted Reproduction and Genetics,Vol.23,No.4,(April 2006)を参照されたい]。
本出願者らは、低AMH[AMHレベル<15pmol/L、一般に低応答と関連付けられる]を有する、またFSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有すると同定された患者は、低AMHおよびFSH受容体の680位にバリアントAsn/AsnまたはバリアントAsn/Serを有する患者と比較して、FSH処置の継続期間が長いことを見出した。低AMH[AMHレベル<15pmol/L、(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L、例えば5.0pmol/Lから14.9pmol/L)]を有するだけでなく、FSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有する患者への開始FSH用量の増加は、したがって長期間のFSH処置を回避するための代替手段となり得る。これは特定のAMHレベルを有するだけでなく、FSHRに特定の多型を有すると同定された、特定の患者におけるFSHの用量の調整を可能にする。
低AMH[AMHレベル<15pmol/L(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L、例えば5.0pmol/Lから14.9pmol/L)]を有するだけでなく、FSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有する患者へのFSHのさらに高い開始用量の投与は、それが成功(妊娠および/または出生に関する)のさらに高い可能性および成功のさらに良好な予測を提供できることから有利である。患者が理想的な処置ウインドウ内で生じる適当な応答(予期された卵巣の複数の卵胞の発育、循環中の17−β−エストラジオールの上昇)を有する場合、さらに成功が期待できる。応答がこの処置ウインドウの中央内にある、すなわちウインドウ内で早すぎも遅すぎもしない場合、成功はさらに増強される。低AMHおよびFSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有する患者における処置期間の低減(用量を12μgを超えて増加させることによる)は、成功の見込みの増強を伴って、応答を処置ウインドウの中央に移動できる。
pFSHアルファ/ベータ発現ベクターのプラスミドマップを示す図である。 α2,3−シアル酸転移酵素(ST3GAL4)発現ベクターを示す図である。 α2,6−シアル酸転移酵素(ST6GAL1)発現ベクターを示す図である。 エクソン10のアミノ酸307および680位ならびにプロモーター中の29位での多型の位置を示すFSH受容体の模式図である。 実施例8の研究においてFSHで処置した患者222名についてのFSH受容体遺伝子でのSNPハプロタイプの分布を示す図である。 完全分析セットについて、680位に関する3種の異なるFSH受容体遺伝子型:Asn/Asn、Asn/SerおよびSer/Serのそれぞれにおいて、AMH<15pmol/Lを有する患者/対象の、ゴナドトロピン(FSH)処置の観察された継続期間(日)ならびに送達された合計ゴナドトロピン(FSH)用量(μg)を示す結果の表である。 完全分析セットについて、680位に関する3種の異なるFSH受容体遺伝子型:Asn/Asn、Asn/SerおよびSer/Serのそれぞれにおいて、AMH<15pmol/Lを有する患者/対象に送達されたゴナドトロピン(FSH)処置の予測された継続期間(日)を、用量について調整して示す結果の表である。
図1、2および3:pFSHアルファ/ベータ、pST3およびpST6発現ベクターのプラスミドマップ。CMV=サイトメガロウイルスプロモーター、BGHp(A)=ウシ成長ホルモンポリアデニル化配列、fl ori=fl複製開始点、SV40=シミアンウイルス40プロモーター、Neo=ネオマイシン耐性マーカー、Hyg=ハイグロマイシン耐性マーカー、SV40 p(A)=シミアンウイルス40ポリアデニル化配列、FSH A=卵胞刺激ホルモンアルファポリペプチド、FSH B=卵胞刺激ホルモンベータポリペプチド、ST3GAL4=α2,3−シアル酸転移酵素、ST6GAL1=α2,6−シアル酸転移酵素、ColE1=ColE1複製開始点、Amp=アンピリシン耐性マーカー。
本発明による第一の態様では、9から24μgの卵胞刺激ホルモン(FSH)を含む、不妊症の処置における使用のための組成物(例えば医薬組成物)であって、FSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有すると(処置前に)同定された(例えば、として選択された)患者への(例えば連日の)投与のための、組成物が提供される。組成物は、FSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有すると(処置前に)同定され(例えば、として選択され)、かつ血清AMHレベル<15pmol/L(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L)を有すると(処置前に)同定された(例えば、として選択された)患者への(例えば連日の)投与のためのものであってよい。組成物は、9から24μgのFSH、例えば10から18μgのFSH、例えば12から16μgのFSH、例えば12から15μgのFSHを含んでよい。組成物は、12μg超のFSH、例えば12.3から24μgのFSH、例えば12.33から24μgのFSH、例えば12.67から24μgのFSH、例えば13から24μgのFSH、例えば13から16μgのFSH、例えば13から15μgのFSHを含んでよい。
組成物(例えば医薬組成物)は、上に、本明細書におよび特許請求の範囲に定義のヒト由来rFSHの量の日用量または相当する日用量を含んでよい。組成物(例えば医薬組成物)は、処置の1日目に開始し、6から16日間、例えば7から16日間、例えば8から16日間、例えば8から13日間継続する、FSHの(連日)投与のためのものであってよい。不妊症の処置は、患者のFSH受容体の680位でのバリアントを同定する(例えば決定する、例えば測定する)ステップ、およびFSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有する(と同定された)患者に用量を投与するステップを含んでよい。不妊症の処置は、患者の血清AMHレベルを同定する(例えば決定する、例えば測定する)ステップおよび、15pmol/L未満の血清AMHレベル(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L)を有する(と同定された)患者に用量を投与するステップを含んでよい。
FSHは組換えFSHであってよい。FSHは、α2,3−およびα2,6−シアル酸付加を含む組換えFSHであってよい。FSHは、全シアル酸付加の1から99%がα2,6−シアル酸付加であり、全シアル酸付加の99%から1%がα2,3−シアル酸付加である、α2,3−およびα2,6−シアル酸付加を含む組換えFSHであってよい。FSHは、全シアル酸付加の1から50%がα2,6−シアル酸付加であり、全シアル酸付加の50%から99%がα2,3−シアル酸付加である、α2,3−およびα2,6−シアル酸付加を含む組換えFSHであってよい。FSHは、全シアル酸付加の5から40%がα2,6−シアル酸付加であり、全シアル酸付加の60%から95%がα2,3−シアル酸付加である、α2,3−およびα2,6−シアル酸付加を含む組換えFSHであってよい。好ましくは、FSHはヒト細胞株由来組換えFSHである。
本発明によるさらなる態様では、血清AMHレベル<15pmol/L(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L)を有し、かつFSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有する患者における不妊症の処置における使用のための卵胞刺激ホルモン(FSH)を含む組成物(例えば医薬組成物)であって、1日あたり9から24μgの用量または相当量の組換え卵胞刺激ホルモン(FSH)が投与され、不妊症の処置が、患者の血清AMHレベルを同定する(例えば決定する)ステップ、患者のFSH受容体の680位でのバリアントを同定するステップ、ならびに血清AMHレベル<15pmol/L(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L)およびFSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有する(と同定された)患者に組成物を投与するステップを含む、組成物が提供される。組成物は、9から24μgのFSH、例えば10から18μgのFSH、例えば12から16μgのFSH、例えば12から15μgのFSHを含んでよい。組成物は、12μg超のFSH、例えば12.3から24μgのFSH、例えば12.33から24μgのFSH、例えば12.67から24μgのFSH、例えば13から24μgのFSH、例えば13から16μgのFSH、例えば13から15μgのFSHを含んでよい。
組成物(例えば医薬組成物)は、血清AMHレベル<15pmol/L(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L)を有し、かつFSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有する患者における不妊症の処置における使用のためのものであってよい[不妊症の処置は、患者の血清AMHレベルを同定する(例えば決定する)ステップ、患者のFSH受容体の680位でのバリアントを同定するステップ、および血清AMHレベル<15pmol/L(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L)およびFSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有する(と同定された)患者に用量を投与するステップを含む]。
FSHは組換えFSHであってよい。FSHは、α2,3−およびα2,6−シアル酸付加を含む組換えFSHであってよい。FSHは、全シアル酸付加の1から99%がα2,6−シアル酸付加であり、全シアル酸付加の99%から1%がα2,3−シアル酸付加である、α2,3−およびα2,6−シアル酸付加を含む組換えFSHであってよい。FSHは、全シアル酸付加の1から50%がα2,6−シアル酸付加であり、全シアル酸付加の50%から99%がα2,3−シアル酸付加である、α2,3−およびα2,6−シアル酸付加を含む組換えFSHであってよい。FSHは、全シアル酸付加の5から40%がα2,6−シアル酸付加であり、全シアル酸付加の60%から95%がα2,3−シアル酸付加である、α2,3−およびα2,6−シアル酸付加を含む組換えFSHであってよい。好ましくは、FSHはヒト細胞株由来組換えFSHである。
用量は、OHSSの危険を最少化する一方で効果的な応答をもたらす。
上の用量は、患者の(対象の)初回刺激プロトコールでの不妊症の処置のためのものであってよい。さらなる刺激周期のために、用量が初回周期での実際の卵巣の応答に応じて調整され得ることは理解される。
rFSHは、単一のアイソフォームとしてまたはアイソフォームの混合物として存在してよい。
本出願者らは、組換えFSHの特定の用量が、患者の特定のAMHレベルおよびFSHR単一ヌクレオチド多型に基づいて、患者を処置するために使用され、それにより刺激への適当な応答の見込みを増加させ(例えば応答可能性が低い患者において)、および/またはOHSSもしくは他の副作用の危険を減少させる、「個別化」COSプロトコールを発明した。
AMHの血清レベルは、当技術分野において周知の任意の方法によって決定(例えば測定)され得る。一例として、血清AMHレベルは、AMH Gen−II enzyme linked immunosorbent assayキット(Beckman Coulter、Inc.、Webster、Texas)を使用して測定される。このアッセイは、1.1pmol/Lを定量の最少限度として、0.57pmol/Lより高いAMH濃度を検出できる。他のアッセイも使用され得る。本明細書において、血清AMH値は一般にpmol/Lの単位で記されている。これは、変換式1ng/ml AMH=7.1pmol/L AMHを使用して、ng/mLに変換され得る。
したがって組成物は、Beckmann−Coulter Gen−II enzyme linked immunosorbent assayを使用して測定したときの血清AMHレベル<15pmol/L(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L)、または異なる方法によって測定される同等なAMHレベルを有すると同定された(例えば、として選択された)患者への(例えば連日の)投与のためのものであってよい。
本明細書において用語「患者」および「対象」は、互換的に用いられる。
組成物(例えば医薬組成物)は好ましくは、上に、本明細書におよび特許請求の範囲に定義のヒト由来rFSHの量の日用量または相当する日用量を含む。(日)用量は初回量であってよい(すなわちそれは処置の際に低減、増加または維持されてよい)。
FSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有すると同定された患者は、当技術分野において周知の手段によって、例えば当技術分野において周知の方法によるゲノムDNAの抽出に続く、FSH受容体の680位での対立遺伝子バリアントの同定によって同定され得る[例えば、Gromoll et al,Methods,21,83〜97(2000),Simoni et al,Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism,Vol 84,No.2,751〜755(1999),Falconer et al,Acta Obstet Gynecol Scand 2005:84:806〜811(2005)およびその参考文献に記載の、血液からのゲノムDNAの抽出のためのキットおよび続くDNA配列決定の手段による、またはDNA抽出に続く、1本鎖コンホメーション多型(SSCPに続くゲル電気泳動など)、もしくはLoutradis et al,Journal of Assisted Reproduction and Genetics,Vol.23,No.4,April 2006に記載されているようなPCRおよびRFLP法による]。それにより組成物は、ゲノムDNAの抽出(例えば血液から)と、Loutradis et al,Journal of Assisted Reproduction and Genetics,Vol.23,No.4,April 2006に記載されているような、それに続くPCRおよびRFLP法または同等の方法による分析とによって測定したときに、FSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有すると同定された(例えば、として選択された)患者への(例えば連日の)投与のためのものであってよい。
組成物(例えば医薬組成物)は、処置の1日目に開始し、6から16日間、例えば7から16日間、例えば8から16日間、例えば8から13日間継続するFSHの(連日)投与のためのものであってよい。組成物(例えば医薬組成物)は、GnRHアゴニスト(例えばSynarel、Lupron、Decapeptyl)の投与から(例えば投与の開始から、例えば連日投与の開始から)12から16日後、例えば13から15日後、例えば14日後の投与のためのものであってよい。組成物(例えば医薬組成物)は、GnRHアゴニストを伴う投与のためのものであってよい。組成物(例えば医薬組成物)は、GnRHアンタゴニスト(例えばganirelix、cetrorelix)の投与の前の投与、例えばGnRHアンタゴニストの投与の5または6日前の投与のためのものであってよい。組成物(例えば医薬組成物)は、GnRHアンタゴニストを伴う投与のためのものであってよい。組成物(例えば医薬組成物)は、処置の6日目から(例えば連日)投与されるGnRHアンタゴニスト(例えばganirelix、cetrorelix)を伴う投与のためのものであってよい。好ましくは組成物(例えば医薬組成物)は、最終的な卵胞成熟を誘発するためのhCGの高用量(排卵性)(例えば4,000から11,000IUのhCG、例えば5,000IUのhCG、10,000IUのhCGなど、または150から350マイクログラムの組換えhCG、例えば250マイクログラムの組換えhCG)の投与の前の投与のためのものである。
組成物が連日より多い(または少ない)頻度での投薬のためのものであってよいことは理解され、その場合、妥当な用量は本明細書に明記する(日)用量に相当する。
本明細書における用語「不妊症の処置」は、調節卵巣刺激法(COS)、または調節卵巣刺激法(COS)のステップもしくは段階を含む方法による不妊症の処置、例えば子宮腔内人工授精(IUI)、体外受精(IVF)、または細胞質内精子注入法(ICSI)を含む。用語「不妊症の処置」は、排卵誘発(OI)によるまたは排卵誘発(OI)のステップもしくは段階を含む方法による不妊症の処置を含む。用語「不妊症の処置」は、子宮内膜症、例えばステージIもしくはステージII子宮内膜症を有する対象、および/または無排卵性不妊症、例えばWHO II型無排卵不妊症を有する対象、および/または男性不妊症を有するパートナーを有する対象における不妊症の処置を含めて、卵管性または原因不明不妊症を有する対象における不妊症の処置を含む。組成物は、子宮内膜症を有する対象、例えば子宮内膜症の種々のステージについてThe American Society for Reproductive Medicine(ASRM)分類系によって定義された(ステージIVは最も重度、ステージIは最も軽度)ステージIもしくはステージII子宮内膜症を有する対象における不妊症の処置(および/または調節卵巣刺激のため)(における使用)のためのものであり得る[American Society for Reproductive Medicine.Revised American Society for Reproductive Medicine classification of endometriosis:1996.Fertil Steril 1997;67,817 821]。
組成物は、初期卵胞相において1から16IU/L、例えば1から12IU/Lの正常血清FSHレベルを有する対象における不妊症の処置(および/または調節卵巣刺激)(における使用)のためのものであってよい。
組成物は、年齢18から42歳、例えば25から37歳として同定された対象における不妊症の処置(および/または調節卵巣刺激)(における使用)のためのものであってよい。産生物は、BMI>15からBMI<38kg/mを有すると同定された対象、例えばBMI>18かつBMI<25kg/mを有すると同定された対象、例えばBMI>20かつBMI<25kg/mを有する対象における不妊症の処置(および/または調節卵巣刺激)(における使用)のためのものであってよい。
rFSHは[シアル酸のモルのタンパク質のモルに対する比を単位として表した]6mol/mol以上、例えば6mol/molから15mol/molの間、例えば8mol/molから14mol/molの間、例えば9mol/molから14mol/molの間、例えば10mol/molから14mol/molの間、例えば11mol/molから14mol/molの間、例えば12mol/molから14mol/molの間、例えば12mol/molから13mol/molの間のシアル酸含有量を有してよい。rFSHは、ヒト細胞株において産生または発現され得る。
本発明による使用のためのFSH(rFSH)は、全シアル酸付加の1%から99%がα2,3−シアル酸付加であってよい。rFSHは、全シアル酸付加の10%以上がα2,3−シアル酸付加であってよい。例えば全シアル酸付加の20、30、40、50、60、70、80または90%以上がα2,3−シアル酸付加であってよい。rFSHは、全シアル酸付加の50から95%、例えば全シアル酸付加の50から70%、例えば全シアル酸付加の60から69%、例えば63から67%、例えば全シアル酸付加のおよそ65%の量でα2,3−シアル酸付加を好ましくは含んでよい。本発明による使用のためのFSH(rFSH)は、全シアル酸付加の1%から99%がα2,6−シアル酸付加であってよい。本発明のrFSH(またはrFSH調製物)は、全シアル酸付加の5%以上、例えば5%から99%、例えば5%から50%がα2,6−シアル酸付加であってよい。rFSHは、全シアル酸付加の50%以下がα2,6−シアル酸付加であってよい。rFSHは、全シアル酸付加の5から50%、例えば全シアル酸付加の10から50%、例えば31から38%、例えば全シアル酸付加のおよそ35%の量でα2,6−シアル酸付加を好ましくは含んでよい。シアル酸付加によって、FSH炭水化物構造に存在するシアル酸残基の量が意味される。α2,3−シアル酸付加は、2,3位でのシアル酸付加(当技術分野において周知のとおり)および2,6位でのα2,6シアル酸付加(同様に当技術分野において周知のとおり)が意味される。したがって「全シアル酸付加の…%がα2,3シアル酸付加であってよい」は、FSH中に存在するシアル酸残基の総数における2,3位でシアル酸付加の%を指す。用語「全シアル酸付加の…%がα2,6−シアル酸付加である」は、FSH中に存在するシアル酸残基の総数における2,6位でシアル酸付加の%を指す。
rFSHは、質量で(タンパク質に加えて炭水化物の質量ではなくタンパク質の質量に基づいて)6%以上(例えば6%から15%の間、例えば7%から13%の間、例えば8%から12%の間、例えば11%から15%の間、例えば12%から14%の間)のシアル酸含有量(FSH分子あたりのシアル酸付加の量)を有してよい。
rFSHは、ヒト細胞株、例えばPer.C6細胞株、HT1080細胞株などにおいて産生または発現されてよい。これは、シアル酸付加を維持するための、例えば細胞増殖培地の、操作および管理が公知のプロセスよりもあまり重要でない場合があることから、産生方法を簡便化(およびさらに効率的に)できる。方法は、公知のrFSH産生物の産生と比較して塩基性rFSHがあまり産生されず、酸性rFSHが多く産生され、塩基性FSHの分離/除去が問題になりにくいことから、さらに効率的になり得る。rFSHは、PER.C6(登録商標)細胞株、PER.C6(登録商標)由来細胞株または改変PER.C6(登録商標)細胞株において産生および発現されてよい。ヒト細胞株(例えばPER.C6(登録商標)細胞株、HT1080細胞株など)において産生または発現されるrFSHは、[細胞株の]内在性シアル酸転移酵素活性によって提供されるいくらかのα2,6−連結シアル酸(α2,6シアル酸付加)を含み、内在性シアル酸転移酵素活性によって提供されるいくらかのα2,3−連結シアル酸(α2,3シアル酸付加)を含む。細胞株は、α2,3−シアル酸転移酵素を使用して改変されてよい。細胞は、α2,6−シアル酸転移酵素を使用して改変されてよい。代替的にまたは追加的に、rFSHは、[細胞株の]内在性シアル酸転移酵素活性によって提供されるα2,6−連結シアル酸(α2,6シアル酸付加)を含んでよい。本明細書において用語「ヒト由来組換えFSH」は、ヒト細胞株において産生または発現される組換えFSH(例えばヒト細胞株を操作することによって作られた組換えFSH)を意味する。
rFSHは、α2,3−および/またはα2,6−シアル酸転移酵素を使用して産生され得る。一例では、rFSHはα2,3−シアル酸転移酵素を使用して産生される。rFSHは、内在性シアル酸転移酵素活性によってもたらされたα2,6−連結シアル酸(α2,6シアル酸付加)を含んでよい。
組成物は、医薬組成物であってよい。医薬組成物は、不妊症の処置のためのものである。不妊症の処置は、生殖補助技術(ART)、排卵誘発または子宮腔内受精(IUI)を含んでよい。医薬組成物は、例えば公知のFSH調製物が使用される場合、医学的適用で使用されてよい。
産生物または組成物は、任意の経路の薬物投与、例えば経口、直腸内、非経口、経皮(例えばパッチ技術)、静脈内、筋肉内、皮下、胸骨内〔intrasusternal〕、膣内、腹腔内、局所(散剤、軟膏もしくは滴下剤)またはバッカルもしくは鼻内噴霧のための周知の組成物に製剤化されてよい。典型的な組成物は、Remington’s Pharmaceutical Sciences fifteenth edition(Matt Publishing Company,1975)の1405から1412頁および1461〜87頁ならびにthe national formulary XIV fourteenth edition(American Pharmaceutical Association,1975)に記載されているような、水溶液、塩および保存剤を含む無毒性賦形剤、緩衝剤などの薬学的に許容される担体を含む。
好適な水性および非水性医薬用担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例は、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、カルボキシメチルセルロースおよびその好適な混合物、植物油(オリーブ油など)およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルを含む。本発明の組成物は、これだけに限らないが、保存剤、湿潤剤、乳化剤、界面活性剤および分散剤などの添加物も含有することができる。抗菌剤および抗真菌剤は、微生物の増殖を防ぐために含めることができ、例えば、m−クレゾール、ベンジルアルコール、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを含む。保存剤が含まれる場合、ベンジルアルコール、フェノールおよび/またはm−クレゾールは好ましい、しかし保存剤は決してこれらの例に限定されない。さらに、糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を含むことが望ましい場合がある。産生物または組成物は、NaもしくはK塩からなる群から選択される薬学的に許容されるアルカリ金属カチオンまたはこれらの組合せを含む塩をさらに含む場合がある。好ましくは塩は、Na塩、例えばNaClまたはNaSOである。
好ましくは産生物または組成物は、組換えFSHならびにポリソルベート20、L−メチオニン、フェノール、硫酸二ナトリウムおよびリン酸ナトリウム緩衝剤の1つまたは複数を含む。
一部の場合、持続性作用をもたらすことは、皮下または筋肉内注射からFSH(および存在する場合は他の活性成分)の吸収を遅らせるために望ましい。これは、水溶性が乏しい結晶またはアモルファス物質の液体懸濁物の使用によって達成することができる。次いでFSHの吸収速度は溶解の速度に依存し、今度は結晶サイズおよび結晶形態に依存させることができる。代替的に、非経口投与されたFSH組合せ形態の吸収の遅延は、FSH組合せを油ビヒクル中に溶解するまたは懸濁することによって達成される。注射可能なデポー形態は、ポリ乳酸ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中にFSH(および存在する場合は他の活性成分)のマイクロカプセル化マトリクスを形成することによって作製することができる。FSHのポリマーに対する比および用いられる具体的なポリマーの性質に応じて、FSHの放出速度は調節することができる。他の生分解性ポリマーの例は、ポリビニルピロリドン、ポリ(オルトエステル)、ポリ(無水物)などを含む。注射可能なデポー製剤は、身体組織に適合性であるリポソームまたはマイクロエマルジョン中にFSHを捕捉することによっても調製される。
注射可能な製剤は、例えば細菌保持フィルターを通す濾過によって、または滅菌水もしくは他の滅菌注射可能な媒体に使用直前に溶解もしくは分散することができる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌することができる。注射可能製剤は、任意の好適な容器内、例えばバイアル、プレフィルドシリンジ、注射カートリッジなどで供給することができる。
産生物または組成物は、単回使用のためまたは複数回使用(複数用量)のために製剤化されてよい。産生物または組成物が複数回使用のために製剤化される場合、保存剤が含まれることが好ましい。保存剤が含まれる場合、ベンジルアルコール、フェノールおよび/またはm−クレゾールは好ましいが、保存剤はこれらの例に決して限定されない。単回使用または複数回使用に製剤化された産生物または組成物は、NaもしくはK塩からなる群から選択される薬学的に許容されるアルカリ金属カチオンまたはこれらの組合せを含む塩をさらに含んでよい。好ましくは塩はNa塩、例えばNaClまたはNaSOである。
産生物または組成物は、バイアル、プレフィルドカートリッジ(例えば単回投与用もしくは複数回使用のため)または例えば複数用量の投与のための「ペン」などの注射デバイスなどの容器に含めてもよい。
産生物または組成物は、FSH(任意選択でhCG、LH、LH活性などと共に)を含む製剤(例えば注射可能な製剤)であってよい。存在する場合LH活性は、LHまたはヒト絨毛性ゴナドトロピン、hCGから生じてよい。1つより多い活性成分(すなわちFSHおよび例えばhCGまたはLH)がある場合、これらは、別々または一緒での投与のために好適なものとなり得る。別々に投与される場合、投与は逐次的にすることができる。産生物は、任意の好適なパッケージで供給することができる。例えば産生物は、FSHもしくはhCGまたはFSHおよびhCGの両方の1つの組合せ(または組合せ)を含有する多数の容器(例えばプレフィルドシリンジまたはバイアル)を含むことができる。hCGは、組換えhCGまたは尿由来hCGであってよい。産生物がFSH、例えば組換えFSHを含有する多数の容器(例えばプレフィルドシリンジまたはバイアル)を含む場合、各容器は同じ量のFSHを含んでよい。1つまたは複数の容器は異なる量のFSHを含んでよい。シリンジまたはバイアルは、ブリスターパッケージまたは滅菌性を維持するための他の手段にパッケージされてよい。任意の産生物は、FSH(および例えば存在する場合はhCG)製剤を使用するための説明書を任意選択で含むことができる。医薬組成物の種々の構成成分のpHおよび正確な濃度は、本分野の日常的習慣により調整される。GOODMAN and GILMAN’s THE PHARMACOLOGICAL BASIS FOR THERAPEUTICES、7th edを参照されたい。好ましい実施形態では、本発明の組成物は非経口投与のための組成物として供給される。非経口製剤の調製のための一般的方法は当技術分野において公知であり、上記REMINGTON;THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACYの780〜820頁に記載されている。非経口組成物は、液体製剤でまたは投与の直前に滅菌注射可能媒体と混合される固体として供給することができる。特に好ましい実施形態では、非経口組成物は投与の簡便性および投薬の均一性のために単位投与形態で供給される。
本発明によるさらなる態様では、不妊症[例えば血清AMHレベル<15pmol/L(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L)およびFSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有する患者における不妊症]の処置方法であって、
(a)患者の血清AMHレベルを同定する(例えば決定する)こと、
(b)患者のFSH受容体の680位でのバリアントを同定すること、ならびに(c)血清AMHレベル<15pmol/L(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L)およびFSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有する(と同定された)患者に1日あたり9から24μgの用量または相当量の組換え卵胞刺激ホルモン(FSH)を投与することを含む、不妊症の処置方法が提供される。組成物は、9から24μgのFSH、例えば10から18μgのFSH、例えば12から16μgのFSH、例えば12から15μgのFSHを含んでよい。組成物は、12μg超のFSH、例えば12.3から24μgのFSH、例えば12.33から24μgのFSH、例えば12.67から24μgのFSH、例えば13から24μgのFSH、例えば13から16μgのFSH、例えば13から15μgのFSHを含んでよい。
FSHの投与は、処置の1日目に開始され、6から16日間、例えば7から16日間、例えば8から16日間、例えば8から13日間継続してよい。
FSHは組換えFSHであってよい。FSHは、α2,3−およびα2,6−シアル酸付加を含む組換えFSHであってよい。FSHは、全シアル酸付加の1から99%がα2,6−シアル酸付加であり、全シアル酸付加の99%から1%がα2,3−シアル酸付加である、α2,3−およびα2,6−シアル酸付加を含む組換えFSHであってよい。FSHは、全シアル酸付加の1から50%がα2,6−シアル酸付加であり、全シアル酸付加の50%から99%がα2,3−シアル酸付加である、α2,3−およびα2,6−シアル酸付加を含む組換えFSHであってよい。FSHは、全シアル酸付加の5から40%がα2,6−シアル酸付加であり、全シアル酸付加の60%から95%がα2,3−シアル酸付加である、α2,3−およびα2,6−シアル酸付加を含む組換えFSHであってよい。好ましくは、FSHはヒト細胞株由来組換えFSHである。
投与は好ましくは、上におよび特許請求の範囲に定義のFSHの量の日用量または相当する日用量を含む。(日)用量は初回量であってよい(すなわちそれは処置の際に低減、増加または維持されてよい)。
方法は、患者の(対象の)初回刺激プロトコールにおける不妊症の処置方法であってよい。さらなる刺激周期のために、用量が初回周期での実際の卵巣の応答に応じて調整され得ることは理解される。
本発明によるさらなる態様では、9から24μgの卵胞刺激ホルモン(FSH)を含む、不妊症の処置のための医薬品の製造における使用のためのFSHを含む組成物(例えば医薬組成物)が提供され、医薬品は(処置前に)FSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有すると同定された(例えば、として選択された)患者への(例えば連日の)投与のためのものである。医薬品は、FSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有すると同定され(例えば、として選択され)、かつ(処置前に)血清AMHレベル<15pmol/L(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L))を有すると同定された(例えば、として選択された)患者への(例えば連日の)投与のためのものであってよい。組成物は、9から24μgのFSH、例えば10から18μgのFSH、例えば12から16μgのFSH、例えば12から15μgのFSHを含んでよい。組成物は、12μg超のFSH、例えば12.3から24μgのFSH、例えば12.33から24μgのFSH、例えば12.67から24μgのFSH、例えば13から24μgのFSH、例えば13から16μgのFSH、例えば13から15μgのFSHを含んでよい。
本出願者らは、低AMH[AMHレベル<15pmol/L(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L)、一般に低応答と関連付けられる]を有する、またFSH受容体の680位にバリアントAsn/AsnまたはバリアントAsn/Serを有すると同定された患者へのFSHの投与が卵胞発育に関して良好な応答をもたらすことも見出した。これは、低AMHおよびFSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有する患者の処置と比較して、FSHの投薬量の低減および/または処置期間の低減を伴って達成される。これは、特定のAMHレベル、またFSHRにこれらの特定の多型を有すると同定された、特定の患者においてFSHの用量を調整できるようにする。下に記載のとおり、AMHレベル<15pmol/LおよびバリアントAsn/Asnを有する患者への刺激の予測継続期間は、AMHレベル<15pmol/LおよびバリアントSer/Serを有する患者について必要な刺激継続期間より1.5日間短い(図7を参照されたい)。したがって、処置前にAMHレベル<15pmol/LおよびバリアントAsn/Asnの両方(またはAMHレベル<15pmol/LおよびバリアントAsn/Serの両方)を有すると同定された患者への用量を調整することは、薬剤費の観点では大幅な節約、およびこれらの患者において必要とされるよりも高い合計用量のFSHの投与による潜在的副作用の危険の低減を可能にし得る。
本発明によるさらなる態様では、10から12μgの卵胞刺激ホルモン(FSH)を含む不妊症の処置における使用のための組成物(例えば医薬組成物)であって、(処置前に)FSH受容体の680位にバリアントAsn/AsnまたはバリアントAsn/Serを有すると同定された(として選択された)患者への(例えば連日の)投与のための組成物が提供される。組成物は、FSH受容体の680位にバリアントAsn/AsnまたはバリアントAsn/Serを有すると同定され(例えば、として選択され)、かつ(処置前に)血清AMHレベル<15pmol/L(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L)を有すると同定された(例えば、として選択された)患者への(例えば連日の)投与のためのものであってよい。組成物は、FSH受容体の680位にバリアントAsn/Asnを有すると同定され(例えば、として選択され)、かつ(処置前に)血清AMHレベル<15pmol/L(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L)を有すると同定された(例えば、として選択された)、患者への投与のためのものであってよい。組成物は、10から12μg未満のFSH、例えば10から11.9μgのFSH、例えば11から11.9μgのFSH、例えば11.33または11.67μgのFSHを含んでよい。
組成物(例えば医薬組成物)は、上に、本明細書におよび特許請求の範囲に定義のヒト由来rFSHの量の日用量または相当する日用量を含んでよい。組成物(例えば医薬組成物)は、処置の1日目に開始し、6から16日間、例えば7から16日間、例えば8から16日間、例えば8から13日間継続する、FSHの(連日)投与のためのものであってよい。
不妊症の処置は、患者のFSH受容体の680位でのバリアントを同定する(例えば決定する、例えば測定する)ステップ、およびFSH受容体の680位にバリアントAsn/AsnまたはバリアントAsn/Serを有する(と同定された)患者に用量を投与するステップを含んでよい。不妊症の処置は、患者の血清AMHレベルを同定する(例えば決定する、例えば測定する)ステップ、および15pmol/L未満の血清AMHレベル(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L)を有する(と同定された)患者に用量を投与するステップを含んでよい。
本発明によるさらなる態様では、血清AMHレベル<15pmol/L(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L)を有し、かつFSH受容体の680位にバリアントAsn/AsnまたはバリアントAsn/Serを有する患者における不妊症の処置における使用のための卵胞刺激ホルモン(FSH)を含む組成物(例えば医薬組成物)であって、1日あたり10から12μgの用量または相当量の組換えFSHが投与され、不妊症の処置が、患者の血清AMHレベルを同定する(例えば決定する)ステップ、患者のFSH受容体の680位でのバリアントを同定するステップ、ならびに血清AMHレベル<15pmol/L(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L)およびFSH受容体の680位にバリアントAsn/AsnまたはバリアントAsn/Serを有する(と同定された)患者に組成物を投与するステップを含む、組成物が提供される。組成物は、10から12μg未満のFSH、例えば10から11.9μgのFSH、例えば11から11.9μgのFSH、例えば11.33または11.67μgのFSHを含んでよい。
組成物(例えば医薬組成物)は、血清AMHレベル<15pmol/L(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L)を有し、かつびFSH受容体の680位にバリアントAsn/Asnを有する患者における不妊症の処置における使用のためのものであってよい[不妊症の処置は、患者の血清AMHレベルを同定する(例えば決定する)ステップ、患者のFSH受容体の680位でのバリアントを同定するステップ、ならびに血清AMHレベル<15pmol/L(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L)およびFSH受容体の680位にバリアントAsn/Asnを有する(と同定された)患者に用量を投与するステップを含む]。
本発明によるさらなる態様では、不妊症[例えば、血清AMHレベル<15pmol/L(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L)を有し、かつFSH受容体の680位にバリアントAsn/AsnまたはバリアントAsn/Serを有する患者における不妊症]の処置方法であって、(a)患者の血清AMHレベルを同定する(例えば決定する)こと、(b)患者のFSH受容体の680位でのバリアントを同定すること、ならびに(c)血清AMHレベル<15pmol/L(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L)およびFSH受容体の680位にバリアントAsn/AsnまたはバリアントAsn/Serを有する(と同定された)患者に1日あたり10から12μgの用量または相当量の組換え卵胞刺激ホルモン(FSH)を投与するステップを含む、不妊症の処置方法が提供される。組成物は、10から12μg未満のFSH、例えば10から11.9μgのFSH、例えば11から11.9μgのFSH、例えば11.33または11.67μgのFSHを含んでよい。
FSHの投与は、処置の1日目に開始され、6から13日間、例えば7から13日間、例えば8から13日間、例えば8から11日間継続してよい。
本発明によるさらなる態様では、不妊症の処置のための医薬品の製造における使用のためのFSHを含む組成物(例えば医薬組成物)であって、10から12μgの卵胞刺激ホルモン(FSH)を含み、医薬品が(処置前に)FSH受容体の680位にバリアントAsn/AsnまたはバリアントAsn/Serを有すると同定された(として選択された)患者への(例えば連日の)投与のための組成物が提供される。医薬品は、FSH受容体の680位にバリアントAsn/AsnまたはバリアントAsn/Serを有すると同定され(例えば、として選択され)、かつ(処置前に)血清AMHレベル<15pmol/L(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L)を有すると同定された(例えば、として選択された)患者への(例えば連日の)投与のためのものであってよい。医薬品は、FSH受容体の680位にバリアントAsn/Asnを有すると同定され(例えば、として選択され)、かつ(処置前に)血清AMHレベル<15pmol/L(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L)を有すると同定された(例えば、として選択された)患者への投与のためのものであってよい。組成物は、10から12μg未満のFSH、例えば10から11.9μgのFSH、例えば11から11.9μgのFSH、例えば11.33または11.67μgのFSHを含んでよい。
本発明のこれらの態様に関するFSH、患者の血清AMHレベルおよびFSH受容体の680位でのバリアントの同定などは、本明細書に列挙する本発明の他の態様についても同様であってよいことは理解される。
発明の詳細な記載
本発明は、添付の図を参照してここにより詳細に記載される。
配列選択
ヒトFSH
FSHアルファポリペプチドに対する遺伝子のコード領域は、Fiddes and Goodman(1981)に従って使用された。配列はAH007338として預けられ、構築時にこのタンパク質配列の他のバリアントはなかった。配列は本明細書において配列番号1と称される。
FSHベータポリペプチドに対する遺伝子のコード領域は、Keene et al(1989)に従って使用された。配列はNM_000510として預けられ、構築時にこのタンパク質配列の他のバリアントはなかった。配列は本明細書において配列番号2と称される。
シアル酸転移酵素
α2,3−シアル酸転移酵素 − ベータガラクトシドアルファ−2,3−シアル酸転移酵素4(α2,3−シアル酸転移酵素、ST3GAL4)に対する遺伝子のコード領域は、Kitagawa and Paulson(1994)に従って使用された。配列はL23767として預けられ、本明細書において配列番号3と称される。
α2,6−シアル酸転移酵素 − ベータガラクトサミドアルファ−2,6−シアル酸転移酵素1(α2,6−シアル酸転移酵素、ST6GAL1)に対する遺伝子のコード領域は、Grundmann et al.(1990)に従って使用された。配列はNM_003032として預けられ、本明細書において配列番号4と称される。
[実施例1]FSH発現ベクターの構築
FSHアルファポリペプチド(AH007338、配列番号1)およびFSHベータポリペプチド(NM_003032、配列番号2)のコード配列を、プライマーの組合せ、FSHa−fwおよびFSHa−revならびにFSHb−fwおよびFSHb−recをそれぞれ使用して、PCRによって増幅した。
FSHa−fw 5’−CCAGGATCCGCCACCATGGATTACTACAGAAAAATATGC−3’(配列番号9)
FSHa−rev 5’−GGATGGCTAGCTTAAGATTTGTGATAATAAC−3’(配列番号10)
FSHb−fw 5’−CCAGGCGCGCCACCATGAAGACACTCCAGTTTTTC−3’(配列番号11)
FSHb−rev 5’−CCGGGTTAACTTATTATTCTTTCATTTCACCAAAGG−3’(配列番号12)
得られた増幅FSHベータDNAを制限酵素AscIおよびHpaIで消化し、ネオマイシン選択マーカーを有するCMV駆動哺乳動物発現ベクター上のAscIおよびHpaI部位に挿入した。同様にFSHアルファDNAをBamHIおよびNheIで消化し、FSHベータポリペプチドDNAを既に含む発現ベクター上のBamHIおよびNheI部位に挿入した。
ベクターDNAを大腸菌(E.coli)のDH5α株を形質転換するために使用した。コロニーを増幅のために取った。FSHアルファおよびベータの両方を含有するクターを含有するコロニーを配列決定のために選択し、全てが配列番号1および配列番号2による正しい配列を含有していた。プラスミドpFSH A+B#17をトランスフェクションのために選択した(図1)。
[実施例2]ST3発現ベクターの構築
ベータガラクトシドアルファ−2,3−シアル酸転移酵素4(ST3、L23767、配列番号3)のコード配列を、プライマーの組合せ、2,3STfwおよび2,3STrevを使用してPCRによって増幅した。
2,3STfw 5’−CCAGGATCCGCCACCATGTGTCCTGCAGGCTGGAAGC−3’(配列番号13)
2,3STrev 5’−TTTTTTTCTTAAGTCAGAAGGACGTGAGGTTCTTG−3’(配列番号14)
得られた増幅ST3 DNAを制限酵素BamHIおよびAflIIで消化し、ハイグロマイシン耐性マーカーを有するCMV駆動哺乳動物発現ベクター上のBamHIおよびAflII部位に挿入した。ベクターを既に記載のとおり増幅し、配列決定した。クローンpST3#1(図2)は、配列番号3による正しい配列を含有しており、トランスフェクションのために選択した。
[実施例3]ST6発現ベクターの構築
ベータガラクトサミドアルファ−2,6−シアル酸転移酵素1(ST6、NM_003032、配列番号4)のコード配列を、プライマーの組合せ、2,6STfwおよび2,6STrevを使用してPCRによって増幅した。
2,6STfw 5’−CCAGGATCCGCCACCATGATTCACACCAACCTGAAG−3’(配列番号15)
2,6STrev 5’−TTTTTTTCTTAAGTTAGCAGTGAATGGTCCGG−3’(配列番号16)
得られた増幅ST6 DNAを制限酵素BamHIおよびAflIIで消化し、ハイグロマイシン耐性マーカーを有するCMV駆動哺乳動物発現ベクター上のBamHIおよびAflII部位に挿入した。ベクターを既に記載のとおり増幅し、配列決定した。クローンpST6#11(図3)は、配列番号4による正しい配列を含有しており、トランスフェクションのために選択した。
[実施例4]PER.C6(登録商標)細胞におけるpFSH α+βの安定発現。クローンのトランスフェクション、単離およびスクリーニング
単一のプラスミドからFSHの両ポリペプチド鎖を発現することによって、FSHを産生するPER.C6(登録商標)クローンを生成した(実施例1を参照されたい)。
安定クローンを得るためのpFSH α+β構築物を含むリポソームベーストランスフェクション剤。安定クローンを、10%のFCSを補充し、G418を含有するVPRO中で選択した。トランスフェクション3週間後、G418耐性クローンが増殖した。クローンを単離のために選択した。単離したクローンを70〜80%コンフルエントまで選択培地で培養した。上清を、FSHタンパク質含有量についてFSH選択的ELISAを使用して、およびクローン細胞株におけるFSH受容体での薬理学的活性についてcAMP蓄積アッセイを使用して、アッセイした。機能性タンパク質を発現しているクローンを培養増殖のために24ウエル、6ウエルおよびT80フラスコに進めた。
7個のクローンからの物質の生産性および品質を決定するための研究を、十分な物質を生成するためにT80フラスコ中で開始した。細胞を既に記載のとおり補充培地で7日間培養し、上清を回収した。生産性をFSH選択的ELISAを使用して決定した。物質の等電点プロファイルを当技術分野において公知の方法による等電点電気泳動(IEF)によって決定した。十分な生産性および品質を有するクローンをシアル酸転移酵素操作のために選択した。
[実施例5]シアル酸付加のレベルは、α2,3−シアル酸転移酵素を過剰発現している細胞において増加している。FSH発現PER.C6(登録商標)細胞におけるpST3の安定発現、クローンのトランスフェクション、単離およびスクリーニング。
高度にシアル酸付加されたFSHを産生するPER.C6(登録商標)クローンを、FSHの両ポリペプチド鎖を既に発現している(実施例4由来)PER.C6(登録商標)細胞中で、別のプラスミド(実施例2)からα2,3−シアル酸転移酵素を発現させることによって生成した。実施例4に記載のとおりPER.C6(登録商標)細胞から産生されたクローンを、生産性、良好な増殖プロファイル、機能性タンパク質の産生およびいくつかのシアル酸付加を含む産生されたFSHを含むそれらの特徴について選択した。安定クローンは実施例4に既に記載のとおり生成した。クローンを単離し、増殖させ、アッセイした。α2,3−シアル酸転移酵素クローンを無血清培地および懸濁条件に適合させた。
前述のとおり、クローンをFSH選択的ELISA、FSH受容体細胞株における機能性応答、IEF、代謝クリアランス速度およびSteelman Pohley分析を使用してアッセイした。結果を、商業的に入手できる組換えFSH(Gonal−f、Serono)および親FSH PER.C6(登録商標)細胞株と比較した。大部分のクローンによって産生されたFSHは、α2,3−シアル酸転移酵素を伴わずに発現されたFSHと比較して、顕著に改善されたシアル酸付加(すなわち多数のシアル酸を有するFSHアイソフォームが平均でより多い)を有する。結論としてPER.C6(登録商標)細胞におけるシアル酸転移酵素を伴うFSHの発現は、FSHだけを発現している細胞と比較してFSHのシアル酸付加のレベルが上昇していた。
[実施例6]産生および精製概要
手順は、無血清培地中に懸濁で培養したPER.C6(登録商標)細胞においてFSHを産生するために開発した。手順を下に記載し、いくつかのFSH産生PER.C6(登録商標)細胞株に適用した。
α2,3−クローン(実施例5)由来のFSHをLowry et al.(1976)によって記載の方法の変法を使用して調製した。
PER.C6(登録商標)−FSHの産生のために、細胞株を無血清培地、すなわち、Excell 525(JRH Biosciences)に適合させた。細胞をT80培養フラスコ中で70%〜90%コンフルエント単層を形成するように最初に培養した。継代の際に、細胞を無血清培地、Excell 525+4mM L−グルタミン中に、0.3×10個/mlの細胞密度で再懸濁した。細胞懸濁物25mlを250ml振盪フラスコに入れ、100rpm、37℃、5%COで振盪した。1×10個/ml超の細胞密度に達した後、細胞を0.2または0.3×10個/mlの細胞密度で継代培養し、さらに振盪フラスコ中、37℃、5%CO、100rpmで培養した。
FSHの産生のために、細胞を無血清産生培地、すなわち、PER.C6(登録商標)細胞の増殖を非常に高い細胞密度(バッチ培養で通常10個/ml超)に支持するVPRO(JRH Biosciences)に移した。細胞を1×10個/ml超にExcell 525中で最初に培養し、次いで5分間、1000rpmで遠沈し、続いてVPRO培地+6mM L−グルタミンに1×10個/mlの密度で懸濁した。次いで細胞を振盪フラスコ中で7〜10日間、37℃、5%CO、100rpmで培養した。この期間で、細胞は10個/ml超の密度に増殖した。培養培地を細胞生存率が減少し始めた後に回収した。細胞を5分間、1000rpmで遠沈し、上清をFSHの定量および精製のために使用した。FSHの濃度をELISA(DRG EIA 1288)を使用して決定した。
次いでFSHの精製をLowry et al.(1976)によって記載の方法の変法を使用して実行した。電荷選択的クロマトグラフィーを使用する精製を、当技術分野において周知の方法によって、高度にシアル酸付加された形態を富化するために実行した。
全てのクロマトグラフィー手順の際に、本明細書で特許請求されるFSHのシアル酸付加形態の富化をRIA(DRG EIA 1288)および/またはIEFによって確認した。
[実施例7]α2,3およびα2,6シアル酸の相対量の定量
精製されたrFSH(実施例6)上のα2,3およびα2,6シアル酸の相対百分率量を公知の技術を使用して測定した。
N−グリカンを変性条件下でPNGase Fを使用して試料から放出させ、次いで2−アミノベンズアミドで標識した。次いで放出されたグリカン形態を、電荷分布の決定のために、Weak Anion Exchange(WAX)カラムによって分離および分析した。全シアル酸の決定のために2,3,6,8シアリダーゼで、および2,3シアル酸の決定のために2,3シアリダーゼで処置した標識グリカンを、WAXカラムによってさらに分析した。
電荷グリカンの相対百分率を未消化および消化グリカンプール中に存在する構造から算出し、図4に示す(試料8個について)。これらは、α2,3シアル酸付加について50%〜95%(例えば約80%から90%)およびα2,6シアル酸付加について5%から50%、一般に約10から20%(または約31%もしくは35%)の範囲内に見出された。
[実施例8]GONAL−Fと比較してFE999049を調査する複数用量研究
以下は、体外受精(IVF)/細胞質内精子注入法(ICSI)のために調節卵巣刺激を受けている患者におけるFE999049の用量応答関係を評価する、無作為化、対照、査定者盲検、並行群、多国籍、多施設試験を記載する。患者集団は、年齢18から37歳、BMIが18.5から32.0kg/mのIVF患者265名であった。
試験は、主要評価項目として採取された卵母細胞の数での用量応答試験として設計した。二次評価項目は、エンドクリンプロファイル、卵胞発育、卵母細胞受精、胚品質および処置効率(すなわち全ゴナドトロピン消費および刺激の継続期間)に関するさまざまな用量のFE999049の定性的および定量的影響を調査する。試験は、IVF/ICSI周期のための調節卵巣刺激において使用される場合の、妊娠を確立するためのFE999049の有効性を評価するために設計されている。
対象を、卵巣応答に関連して治験集団の均一性を増加させ、試験で使用されるFE999049用量およびGONAL−F用量に対する潜在的応答不良者および過剰応答者の数を最少化するための、抗ミュラー管ホルモン(AMH)評価を含む、組み入れ基準および除外基準でのコンプライアンスについて無作為化する前の3カ月以内に評価した。AMH評価は、AMH Gen−II enzyme linked immunosorbent assay kit(Beckman Coulter、Inc.、Webster、Texas)を使用して測定した。このアッセイは、1.1pmol/Lを定量の最少限度として、0.57pmol/Lより高いAMH濃度を検出できる。
彼女らの月経周期の2〜3日目に、対象を1:1:1:1:1:1様式で90IU、120IU、150IU、180IUもしくは210IU FE999049または150IU GONAL−Fのいずれかでの処置に無作為化し、卵巣刺激を開始した。無作為化は、スクリーニングでのAMHレベルに応じて層別化した[5.0〜14.9pmol/L(低AMH)および15.0から44.9pmol/L(高AMH))。
FDAの要求でGonal−Fは質量によって充填(FbM)されており、したがってμg用量を参照することは好適である。Gonal−Fラベルは、600IU/44μgを示しており、そのことは150IUが11μgであることを示す。しかしいくらかの変動があり、この試験についてのバッチ証明書は11.3μgのGonal−Fが150IUに相当することを示した。FE999049用量は生物学的活性ではなくタンパク質含有量(μg)によって表されている。したがって、FE999049の用量は、5.2μg(90IU)、6.9μg(120IU)、8.6μg(150IU)、10.3μg(180IU)または12.1μg(210IU)であった。
対象および用量分布を次に記載する(データは対象数)。
FE999049またはGONAL−Fの日用量レベルは、刺激期間全体を通じて固定する。刺激の際に、対象は刺激1、4および6日目ならびにその後少なくとも2日ごとにモニターする。15mm以上の卵胞3個が観察される場合、来診は連日で実施する。対象は、FE999049またはGONAL−Fで最長16日間処置する。
早発性LHサージを予防するために、GnRHアンタゴニスト(ガニレリクスアセテート、ORGALUTRAN、MSD/Schering−Plough)を刺激6日目に0.25mgの日用量で開始し、刺激期間にわたって継続してもよい。最終卵胞成熟の誘発は、直径≧17mmを有する卵胞が3個以上観察される時に行う。直径≧12mmを有する卵胞が25個未満の場合、組換えhCG(絨毛性ゴナドトロピンアルファ、OVITRELLE、Merck Serono/EMD Serono)250μgを投与する。直径≧12mmを有する卵胞が25〜35個ある場合、GnRHアゴニスト(トリプトレリンアセテート、DECAPEPTYL/GONAPEPTYL、Ferring Pharmaceuticals)0.2mgを投与する。直径≧12mmを有する卵胞が35個超として定義される過剰卵巣応答の場合、処置は中止する。刺激10日目に直径≧10mmを有する卵胞が3個未満として定義される卵巣応答不良が観察される場合、周期は中止することができる。
卵母細胞採取は、最終卵胞成熟化の誘発後36時間(±2時間)で行い、卵母細胞をIVFおよび/またはICSIによって授精させた。受精および胚発育を卵母細胞採取から移植の日まで評価する。hCGでの最終卵胞成熟化の誘発を受けた対象について、利用可能な最良の質の胚盤胞1個を卵母細胞採取の5日後に移植し、残りの胚盤胞は凍結する。GnRHアゴニストでの最終卵胞成熟化の誘発を受ける対象について、新鮮周期では胚移植は行わず、代わりに胚盤胞は5日目に凍結する。膣用プロゲステロン錠剤(LUTINUS、Ferring Pharmaceuticals)100mg、1日3回を黄体期支持のために卵母細胞採取翌日から臨床妊娠来診日まで提供する。βhCG検査を胚移植13〜15日後に実施し、臨床的妊娠を経膣超音波(TVU)によって胚移植5〜6週間後に確認する。
結果
採取された卵母細胞の数(主要評価項目)を次の表に示す。
主目的は満たされた:顕著な用量応答関係が採取された卵母細胞の数に関してFE999049について確立された。この発見は、全体的な治験集団においてだけでなく、無作為化で使用された2つのAMH層それぞれについても観察された。
FE999049について顕著な用量応答を全ての重要な客観的薬力学的パラメーター、例えばエストラジオール、インヒビンBおよびインヒビンAについて実証した。同程度のマイクログラム用量レベルで、FE999049での薬力学的応答はGONAL−Fでのものよりも大きかった(これらの結果は未記載)。
FE999049への曝露後の血清FSH濃度は、GONAL−Fについてよりも顕著に高かった。結果は、FE999049のPKプロファイルがGONAL−Fのものとは異なっていることを確認している。
FE999049で処置したIVF/ICSI患者における受精率、胚盤胞発育および妊娠率は、予測の範囲内であった。
FE999049の使用に安全性への懸念はなかった。良好な局所忍容性を記載した。
さらなる分析
本出願者らは、採取される卵母細胞の数に関して次の基準を満たすFE999049用量(複数可)を同定するためにデータをさらに分析した:
・ 卵母細胞が8〜14個の範囲で採取される
・ 卵母細胞が8個未満である患者の割合の最少化
・ 卵母細胞が4個未満または20個以上である患者の割合の最少化
低AMH層
表2に見られるとおり、第1の判定基準(卵母細胞が8〜14個の範囲で採取される)を満たすFE999049の用量は、12.1μgであった(平均9.4個の卵母細胞を採取した)。卵母細胞の分布を下の表3に示す。
四角および矢印によって示すとおり、12.1μgのFE999049の用量は、低AMH群の対象の60%において最も望ましい数の卵母細胞の採取を提供する。これは、Gonal−F(対象の33%だけが卵母細胞の最も望ましい数)についての顕著な改善である。中程度または重度の性質の初期OHSSの徴候はなく、予防的処置が必要とされることはなかったので、低AMHを有する患者における12.1μgのFE999049の用量に関連する懸念はない。
したがって本出願者らは、6から24μg、例えば9から14μg、例えば12μgの用量または相当する用量のヒト由来組換えFSHが、血清AMH<15pmol/L、例えば0.05〜14.9pmol/L、例えば5.0〜14.9pmol/Lを有する患者における不妊症の処置における使用のために好適であることを見出した。この用量は、OHSSの危険を最少化する一方で効果的な応答をもたらす。
予備評価
予備評価として本発明者らは、FE999049での刺激後の卵巣応答および治療効率への、FSH受容体多型の寄与を調査した。
試験の全ての患者由来のゲノムDNAをFSH−Rの29、307および680位での一塩基多型(SNP)について、モデナ・レッジョ・エミリア大学、イタリアで分析した。図4は、エクソン10のアミノ酸307および680位ならびにプロモーター中の29位での多型の位置を示すFSH受容体の模式図である。SNP FSH−R組合せのこの分布は、次のとおり:29位についてAA 7%、AG 35%およびGG 58%;307位についてThr/Thr 29%、Ala/Thr 54%およびAla/Ala 17%;ならびに680位についてAsn/Asn 30%、Asn/Ser 53%およびSer/Ser 17%。図5は、実施例8の研究においてFSHで処置した患者222名についてのFSH受容体遺伝子でのSNPハプロタイプの分布を示す。各位置についての分布および全体の組合せは、低AMHと高AMH層との間で顕著には異ならなかった。
臨床試験の結果を、SNPが処置の継続期間および必要な合計用量に影響を有するかどうかを評価するためにさらに分析した。これは、低AMH群および高AMH群について行った。
FSHR多型をPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)およびRFLP(制限断片長多型)によって当技術分野において公知の方法により調査した。女性をAsn/Asn、Asn/SerおよびSer/Ser遺伝子型に分類した。遺伝子解析は次のプロトコール概要に記載されており、患者は特別なインフォームドコンセントに署名した。試料は刺激1日目に他の血液試料の一部として取った。それらをモデナ・レッジョ・エミリア大学で測定した。
FSH受容体遺伝子でのSNP分析のために使用された手順概要
一般的手順:
1.ゲノムDNA抽出(Nucleon Genomic DNA extraction kit、GE HEALTHCAREを使用して血液から)
2.nanodropを使用する操作手順
HRM手順:
高解像度融解分析(HRM)法によるSNP遺伝子型判定(SsoFast EvaGreen Supermix cod enzyme.172−5201、Bio−Rad;HSP−96 plates、cat.HSP9645、Bio−Rad;およびCFX96 real−time thermal cycler Bio−Radを使用する)。
配列決定手順:
HRM結果に疑問がある場合(同じ試料での2回の独立したHRM後)、次の配列決定手順を利用する:
1.PCR反応および増幅
2.PCR産生物精製
3.精製されたPCRの定量
4.配列反応プロトコール
5.配列産生物精製
6.ABI PRISM 3130装置によって実行するキャピラリー電気泳動
7.ABI PRISM 3100でのキャピラリー電気泳動配列決定によって得られた結果の評価および検証
結果
図7は、完全分析セットについて、680位に関する3種の異なるFSH受容体遺伝子型:Asn/Asn、Asn/SerおよびSer/Serのそれぞれにおいて、AMH<15pmol/Lを有する患者/対象に送達されたゴナドトロピン(FSH)処置の予測された継続期間(日)を、用量について調整して示す結果の表である。
図7は、AMHレベル<15pmol/LおよびバリアントSer/Serを有する患者の刺激のために必要な処置の予測平均継続期間が9.59日間であり、AMHレベル<15pmol/LおよびバリアントAsn/Asn(8.13日間)を有する患者の刺激のために必要なものより約1.5日間長く、AMHレベル<15pmol/LおよびバリアントSer/Asn(8.26日間)を有する患者の刺激のために必要なものより約1.3日間長いことを示している。
上に記載のとおり、成功(妊娠および/または出生に関して)は、患者が理想的な処置ウインドウ内で生じる適当な応答(予期された卵巣多卵胞発育、循環中の17−β−エストラジオールの上昇)を有する場合に可能性が高い。成功は、応答がこの処置ウインドウの中央にある、すなわちウインドウ内で早すぎも遅すぎもしない場合にさらに増強される。低AMHおよびFSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有する患者における処置の継続期間の低減(用量を12μgを超えて増加させることによる)は、応答を処置ウインドウの中央内へと移動させ、成功の見込みを増強し得る。
したがって、処置前にAMHレベル<15pmol/LおよびバリアントSer/Serを有すると同定された患者への用量を調整することは可能であり得る。処置前にSer/Serを有する患者が同定されると、Ser/AsnおよびAsn/Asnを有する者と比較して、これらの患者において開始用量を増加できるようになり得る。
上に記載のとおり、12.1μgのFE999049の用量は、低AMH群における対象の60%において最も望ましい数の卵母細胞の採取を提供する(表3)。表3に示す低AMH群は、バリアントSer/Serを有する患者も、Ser/AsnおよびAsn/Asnを有する者も含んでいた。低AMH[AMHレベル<15pmol/L、(例えば0.05pmol/Lから14.9pmol/L、例えば5.0pmol/Lから14.9pmol/L)]を有し、またFSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有する患者への、FSHのより高い開始用量(例えば9から24μg、例えば12μg超から24μg、例えば12.33μgまたは13μgのヒト由来組換え体)の投与は、それが成功(妊娠および/または出生に関する)のさらに高い可能性および成功のさらに良好な予測を提供できることから、有利なものとなり得る。
図7は、AMHレベル<15pmol/LおよびバリアントAsn/Asnを有する患者の刺激のために必要な処置の平均継続期間が8.13日間であること、およびAMHレベル<15pmol/LおよびバリアントSer/Asnを有する患者の刺激のために必要な期間が8.26日間であって、AMHレベル<15pmol/LおよびバリアントSer/Serを有する患者の相当する処置のための継続期間(9.59日間)よりも約1.5から1.3日間短いことを示している。それにより処置前でのAMHレベル<15pmol/LならびにバリアントSer/AsnおよびAsn/Asnを有する患者が同定されると、これらの患者について卵胞発育に関して良好な応答を依然として提供しながら、開始用量を12μg未満、例えば10から12μgのFE999049に低減、または処置の継続期間を低減できるようになり得る。これは、薬剤費の観点から、およびこれらの患者における効果のために必要であるよりも高い用量の投与に伴う危険の低減の観点からも薬剤費を提供できる。
図6は、完全分析セットについて、680位に関する3種の異なるFSH受容体遺伝子型:Asn/Asn、Asn/SerおよびSer/Serのそれぞれにおいて、AMH<15pmol/Lを有する患者/対象の、ゴナドトロピン(FSH)処置の観察された継続期間(日)ならびに送達された合計ゴナドトロピン(FSH)用量(μg)を示す結果の表である。これは、図7に示す効果を確認している。
結果は、高AMH集団ではSNPに関連するこの効果を示さなかった。
これは、特定のAMHレベル、およびFSHRに特定の多型を有すると同定された特定の患者におけるFSHの用量の調整を可能にする。
[実施例9]個別化されたCOSプロトコール(低AMH)
選択された患者は、当技術分野において公知の方法による体外受精(IVF)/細胞質内精子注入法(ICSI)のためにCOSを受けようとしている。前処置プロトコールは、AMH Gen−II enzyme linked immunosorbent assay kit(Beckman Coulter、Inc.、Webster、Texas)を使用する患者の血清AMHの評価/スクリーニングを含む。このアッセイは、1.1pmol/Lを定量の最少限度として、0.57pmol/Lより高いAMH濃度を検出できる。AMHは、他のアッセイキット(例えばRocheから入手可能)を使用して測定してもよい。前処置プロトコールは、当技術分野において周知の方法によるゲノムDNAの抽出に続くFSH受容体の680位での対立遺伝子バリアントの同定を含む(例えば、Gromoll et al,Methods,21,83〜97(2000)、Simoni et al,Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism,Vol 84,No.2,751〜755(1999)、Falconer et al,Acta Obstet Gynecol Scand 2005:84:806〜811(2005)およびこれらの参考文献に記載のとおり、血液からのゲノムDNAの抽出のためのキットおよび続くDNA配列決定の手段による、またはLoutradis et al,Journal of Assisted Reproduction and Genetics,Vol.23,No.4,April 2006に記載のものなどのPCRおよびRFLP法による)。
COSプロトコールは、通常の様式では、スクリーニングでのAMHレベルによるFE999049の初回量の投与とは別に開始する。15pmol/L未満のAMHレベルおよびバリアントSer/AsnまたはAsn/Asnを有する患者は、およそ12μgのFE999049、実施例6の方法により製造されたヒト由来組換えFSH産生物、または12μg未満のFE999049、例えばヒト由来組換えFSHの10から12μg、例えば11.33μgもしくは11.67μgの初回日用量を投与される。15pmol/L未満のAMHレベルおよびバリアントSer/Serを有する患者は、ヒト由来組換えFSHの12μgより高い初回日用量(例えば12.33から24μgまたは13〜24μg)を受ける。
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配列番号1
卵胞刺激ホルモンアルファポリペプチド
受託番号AH007338
FSHアルファのヌクレオチド配列
FSHアルファのタンパク質配列(配列番号5)
配列番号2
卵胞刺激ホルモンベータポリペプチド
受託番号NM_000510
FSHベータのヌクレオチド配列
FSHベータのタンパク質配列(配列番号6)
配列番号3
ベータガラクトシドアルファ−2,3−シアル酸転移酵素4
受託番号L23767
ST3GAL4のヌクレオチド配列
ST3GAL4のタンパク質配列(配列番号7)
配列番号4
ベータガラクトサミドアルファ−2,6−シアル酸転移酵素1
受託番号NM_003032
ST6GAL1のヌクレオチド配列
0p−
ST6GAL1のタンパク質配列(配列番号8)

Claims (19)

  1. 9から24μgの卵胞刺激ホルモン(FSH)を含む、不妊症の処置における使用のための組成物であって、FSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有すると同定された患者への投与のための組成物。
  2. 連日投与のための、請求項1に記載の使用のための組成物。
  3. FSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有すると同定され、かつ血清AMHレベル<15pmol/Lを有すると同定された患者への投与のための、請求項1または請求項2に記載の使用のための組成物。
  4. FSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有すると同定され、かつ血清AMHレベル0.05pmol/Lから14.9pmol/Lを有すると同定された患者への投与のための、前記請求項のいずれかに記載の使用のための組成物。
  5. 不妊症の処置が、患者のFSH受容体の680位でのバリアントを同定するステップ、およびFSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有する(と同定された)患者にFSHを投与するステップを含む、前記請求項のいずれかに記載の使用のための組成物。
  6. 不妊症の処置が、患者の血清AMHレベルを同定するステップ、および15pmol/L未満の血清AMHレベルを有する(と同定された)患者にFSHを投与するステップを含む、前記請求項のいずれかに記載の使用のための組成物。
  7. 血清AMHレベル<15pmol/Lを有し、かつFSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有する患者における不妊症の処置における使用のための卵胞刺激ホルモン(FSH)を含む組成物であって、1日あたり9から24μgの用量または相当量の組換えFSHが投与され、不妊症の処置が、患者の血清AMHレベルを同定するステップ、患者のFSH受容体の680位でのバリアントを同定するステップ、ならびに血清AMHレベル<15pmol/LかつFSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有する患者に組成物を投与するステップを含む、組成物。
  8. 血清AMHレベル<15pmol/Lを有し、かつFSH受容体の680位にバリアントSer/serを有する患者における不妊症の処置のための、請求項7に記載の使用のための組成物。
  9. 12μg超から24μgのFSHを含む、前記請求項のいずれかに記載の使用のための組成物。
  10. 処置の1日目に開始し、6から16日間継続するFSHの投与のための、前記請求項のいずれかに記載の使用のための組成物。
  11. 12μg超から24μgの卵胞刺激ホルモン(FSH)を含む、不妊症の処置における使用のための組成物であって、処置前にFSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有すると同定され、かつ処置前に血清AMHレベル<15pmol/Lを有すると同定された患者への投与のための組成物。
  12. 10から12μgの卵胞刺激ホルモン(FSH)を含む、不妊症の処置における使用のための組成物であって、FSH受容体の680位にバリアントAsn/AsnまたはバリアントAsn/Serを有すると(処置前に)同定された患者への投与のための組成物。
  13. 10から12μgの卵胞刺激ホルモン(FSH)を含む、不妊症の処置における使用のための組成物であって、処置前にFSH受容体の680位にバリアントAsn/AsnまたはバリアントAsn/Serを有すると同定され、かつ処置前に血清AMHレベル<15pmol/Lを有すると同定された患者への投与のための組成物。
  14. FSHが組換えFSHである、前記請求項のいずれかに記載の使用のための組成物。
  15. FSHがα2,3−およびα2,6−シアル酸付加を含む組換えFSHである、前記請求項のいずれかに記載の使用のための組成物。
  16. 組換えFSHがα2,3−およびα2,6−シアル酸付加を含み、全シアル酸付加の1から99%がα2,6−シアル酸付加であり、全シアル酸付加の99%から1%がα2,3−シアル酸付加である、前記請求項のいずれかに記載の使用のための組成物。
  17. 組換えFSHがα2,3−およびα2,6−シアル酸付加を含み、全シアル酸付加の1から50%がα2,6−シアル酸付加であり、全シアル酸付加の50%から99%がα2,3−シアル酸付加である、前記請求項のいずれかに記載の使用のための組成物。
  18. 不妊症の処置が、
    (a)患者の血清AMHレベルを同定するステップ;
    (b)患者のFSH受容体の680位でのバリアントを同定するステップ;ならびに
    (c)血清AMHレベル<15pmol/LおよびFSH受容体の680位にバリアントSer/Serを有すると同定された患者に1日あたり9から24μgの用量または相当量の組換え卵胞刺激ホルモン(FSH)を投与するステップ
    を含む、不妊症の処置方法。
  19. 不妊症の処置が、
    (a)患者の血清AMHレベルを同定するステップ;
    (b)患者のFSH受容体の680位でのバリアントを同定するステップ;ならびに
    (c)血清AMHレベル<15pmol/LおよびFSH受容体の680位にバリアントAsn/AsnまたはバリアントAsn/Serを有すると同定された患者に1日あたり10から12μgの用量または相当量の組換え卵胞刺激ホルモン(FSH)を投与するステップ
    を含む、不妊症の処置方法。
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