JP2018513050A - 車両のサイドドアの侵入阻止のための衝撃ビーム - Google Patents

車両のサイドドアの侵入阻止のための衝撃ビーム Download PDF

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Abstract

車両ドアを補強する衝撃ビームは、細長いビームであって、細長いビームの長さにわたる中空内部を有する細長いビームを含む。細長いビームは、長さにわたり、且つ車両ドアの外側を向くように構成された衝撃部分を含む。細長いビームはまた、上部壁セクション及び底部壁セクションを有する断面形状を含み、上部壁セクション及び底部壁セクションは、衝撃部分を含む断面形状の曲げセクションで相互接続する。上部壁セクション及び底部壁セクションは、それぞれ、中間曲げ部であって、中間曲げ部の両側に実質的に水平のセクションと傾斜したセクションとを画定する中間曲げ部を含み、中間曲げ部は、車両ドアの外側における衝撃力による細長いビームの内側への変位を制限するように構成されている。

Description

関連出願の相互参照
本願は、IMPACT BEAM FOR VEHICLE SIDE DOOR INTRUSION RESISTANCEという名称の2015年4月17日に出願された米国仮特許出願第62/149,078号明細書に対する米国特許法第119条(e)の下での利益を主張するものであり、この特許は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
本発明は、概して、車体構成要素を補強する衝撃ビームに関し、より詳細には、車両のサイドドアを補強し、且つ車両ドアへの衝撃時に車室への侵入を防止する衝撃ビームに関する。
車両ドアへの側面衝突発生時に車室への侵入を防止するため、車両ドアのフレームにまたがって衝撃ビームを取り付けるか又は他に設けることが一般的に知られている。特に、円形断面の管形状を有するドア衝撃ビームを使用するのが一般的であり、ドア衝撃ビームは、通常、鋼管のゲージ若しくは厚さを調整し、管形状の直径を調整し、及び/又はドアフレームにさらなるすなわち数個のドア衝撃ビームを取り付けることにより、必要に応じて侵入を阻止するように構成され、これは、安全規格を満たすように設計された場合に車両ドアの全体重量を望ましくないほど増大させることがある。特許文献1に記載されたドア衝撃ビームを設けることも公知である。
米国特許第6,020,039号明細書
本発明は、車両のドアに取り付けられるように構成され、ビームの接触部分がドアの外側を向いている、細長いビームなどの衝撃ビーム又は装置を提供する。衝撃ビームは、断面形状が上部壁セクション及び底部壁セクションを有して構成され、上部壁セクション及び底部壁セクションは、それぞれ、平面状であり且つ水平方向を向いていることができる第1のセクションと、第1のセクションから傾斜し且つビームの接触部分に向かって延びる第2のセクションとを画定する中間曲げ部を含む。それにより、上部及び底部壁セクションは、それぞれ互いから明瞭に角度の付いた少なくとも2つのセクションを有する。したがって、上部及び底部壁セクションの第1及び第2のセクションを形成する中間曲げ部は、特に、接触部分に伝達された側面衝撃力に対するビームの力−撓み特性を向上させるか、又は一般的な力−撓み基準を満たすために設計された場合に衝撃ビームの重量がより軽量になるのを可能にするように構成される。
本発明の一態様によれば、車両ドアを補強する衝撃ビームは、細長いビームであって、細長いビームの長さにわたる中空内部を有する細長いビームを含む。細長いビームは、長さにわたり、且つ車両ドアの外側を向くように構成された衝撃部分を含む。細長いビームはまた、上部壁セクション及び底部壁セクションを有する断面形状を含み、上部壁セクション及び底部壁セクションは、衝撃部分を含む断面形状の曲げセクションで相互接続する。上部及び底部壁セクションは、それぞれ、中間曲げ部であって、中間曲げ部の両側に実質的に水平のセクションと傾斜したセクションとを画定する中間曲げ部を含み、中間曲げ部は、車両ドアの外側における衝撃力による細長いビームの内側への変位を制限するように構成されている。
本発明の別の態様によれば、ドア衝撃ビームは、車両ドアの外側の方を向くように構成された側面衝撃面と、車両ドアの周縁フレームに配置されるように構成された両端部とを有する細長い中空ビームを含む。細長い中空ビームは、側面衝撃面を含む丸みの付いた衝撃点で相互接続する上部壁セクション及び底部壁セクションを有する断面形状を含む。断面形状の上部及び底部壁セクションは、それぞれ、第1の実質的に平面状のセクションと、第1の実質的に平面状のセクションから傾斜した第2の実質的に平面状のセクションとを含み、上部及び底部壁セクションの第2の実質的に平面状のセクションは、丸みの付いた衝撃点で相互接続する。第1の実質的に平面状のセクションの少なくとも1つの長さは、車両ドアの外側における衝撃力による車両ドアの内側に向かう細長い中空ビームの変位を制限するために、対応する第2の実質的に平面状のセクションの長さ以上である。
本発明のさらに別の態様によれば、車両ドアの内側への変位を防止する衝撃ビームは、金属シートからロール成形された細長いビームを含む。細長いビームは、車両ドアの外側を向くように構成された接触部分を有する。細長いビームはまた、上部壁セクション及び底部壁セクションを有する断面形状を含み、上部壁セクション及び底部壁セクションは、それぞれ、中間曲げ部であって、中間曲げ部の両側で第1の平面状セクション及び第2の平面状セクションを画定する中間曲げ部を含み、第1の平面状セクションは互いに実質的に平行であり、及び第2の平面状セクションは互いに向かって傾斜している。
本発明のこれらの目的及び他の目的、利点、用途及び特徴は、以下の説明を図面と併せて検討することで明らかになるであろう。
本発明による、車両のサイドドアに配置された衝撃ビームを有する車両の斜視図である。 図1に2点鎖線で示した領域IAで指定した車両のセクションの拡大斜視図であり、サイドドアに配置された衝撃ビームを示す。 本発明による、図1Aに示す衝撃ビームと、対応する取付ブラケットとの上部斜視図である。 図2に示す衝撃ビーム及び取付ブラケットの上部分解斜視図である。 図2Aに示す衝撃ビームの端部セクションの上部拡大斜視図である。 図2に示す図の衝撃ビーム及び取付ブラケットを反対側から見た、図2に示す衝撃ビーム及び取付ブラケットの上部斜視図である。 図3に示す衝撃ビーム及び取付ブラケットの上部分解斜視図である。 図3Aに示す衝撃ビームの端部セクションの上部拡大斜視図である。 衝撃ビームの外側部分の方を向いた側面衝撃力方向矢印を示す衝撃ビームの平面図である。 図4に示す線V−Vで切り取った衝撃ビームの断面図であり、衝撃ビームの方を向いた側面衝撃力方向矢印を示す。 衝撃ビームの様々な特性が調整された場合の衝撃ビームのエネルギ吸収挙動を示す限界平均(marginal mean)プロットである。 図7は、2つの異なる衝撃ビームの概略的な断面形状を示す。 図8は、図7で示される2つの断面形状に対応する衝撃ビームの対応する力−変位曲線のグラフである。
ここで、図面と図面に示す例示的な実施形態とを参照すると、ドア衝撃装置又はビーム10には、同乗者側又は運転者側のドアなどの車両16のドア14に配置されるか又は取り付けられるように構成された細長いビーム12が設けられている。細長いビーム12は、細長いビーム12の衝撃又は接触部分18がドア14の外側20を向いて配置されているため、細長いビーム12の接触部分18に伝達された側面衝撃力F(図5)などは、ビームによって少なくとも部分的に吸収され、車両ドア14の内側への変形及び変位がビームによって低減されるか、そうでなければ、防止される。接触部分18への衝撃力に対するエネルギ吸収を増大させるために、細長いビーム12は、断面形状が上部壁セクション22及び底部壁セクション24を有して構成され、上部壁セクション22及び底部壁セクション24は、それぞれ中間曲げ部26(図2B)を含む。中間曲げ部26は、各曲げ部26の両側で、上部壁セクション22の第1の部分又はセクション28及び第2の部分又はセクション30及び底部壁セクション24の第1の部分又はセクション28及び第2の部分又はセクション30を画定する。
図2B及び図3Bに示す細長いビーム12の端部34、並びに図5に示す断面図に示すように第2のセクション30は、第1のセクション28よりもビーム12の接触部分18に接近又は近接しており、ビーム12の接触部分18を含むビーム12の外側を向いた丸いセクション、すなわち曲げセクション若しくは曲げ点31で相互接続することができる。また、第1のセクション28は、実質的に平面状であり且つ水平方向を向いていることができ、そのため、平面状の水平セクション28と称することができ、第2のセクション30は、実質的に平面状であり且つ第1のセクション28から傾斜していることができ、そのため、平面状の傾斜セクション30と称することができる。
中間曲げ部26は、車両のサイドドアの外側(図1)に対する側面衝撃力など、細長いビーム12の接触部分18に伝達される衝撃力Fによるビーム10の上部壁セクション22及び底部壁セクション24の力−撓み特性を改善するように構成されている。さらに、中間曲げ部26を有する衝撃ビーム10が一般的な安全基準を満たすか又はほぼ一定の力−撓み特性を得るように設計された場合、円形断面を有する衝撃ビームと比較したときにより少ない材料を使用して、ビーム12を形成することができる。例えば、中間曲げ部26を有する衝撃ビーム10は、ビームをロール成形するために使用されるより薄いゲージ鋼板を使用することができ、その結果、以前のドア衝撃ビームよりもコストが安くなり、重量が軽くなる。衝撃エネルギの吸収の改善、コストの節減、及び質量削減は重要な検討事項であり、これらの検討事項のわずかな改善でさえ、燃費向上及び排出物規定の観点から重要である。
図1に示すドア衝撃装置又はビーム10を参照すると、車両16は、細長いビーム12がドアフレームの底部セクション36とドアの窓38との間でドア14の中央領域にまたがるように、フロントサイドドア14が、細長いビーム12の端部34をドア14の両側の前方及び後方位置に固定する連結機構すなわち取付台32を有して示されている。ドアの中心領域は、通常、特に車両ドア14のフレームセクションによって支持されないため、細長いビーム12の端部34が車両ドア14の周縁フレーム又は構造物に組み付けられるか又は取り付けられ、中心領域にまたがってドア14を補強することができる。一般的に理解されている通り、細長いビーム12は、ドア14の外側車体パネルと内側トリムパネルとの間でドア14の内部又は内側に配置することができ、それにより、完成した車両ドアの外観から衝撃ビーム10を見えなくする。
図1及び図1Aに概略的に示すように、取付台32は、ほぼ水平の向きでドア14の中心領域にまたがって細長いビーム12を堅固に且つ確実に支持するように構成されているが、対角方向に傾斜するか又は垂直方向に向けられるなど、細長いビームに対して他の向きも考えられる。細長いビーム12は、細長いビーム12の接触部分18が外側を向き、且つビーム12がドア14の所望の領域にわたるように配置されて、あり得る衝撃力を受けるなどしてこれらの領域への侵入を防止又は阻止する。例えば、ビーム12は、一般的な車両又は車両タイプの側面衝撃位置と合致する高さ及び向きで配置することができる。図示された連結部品又は取付台32は、ビーム12を所望の位置及び向きに支持するために、ドアフレームに取り付けられ、細長いビーム12の端部部分に係合する独立した取付ブラケット32として設けられている。任意選択的に、連結部品又は取付台は、細長いビームの端部と一体的に形成することができ、独立したブラケット、溶接継ぎ手、又は留め具とすることができ、それ以外に車両ドアのフレームの一部と一体的に形成することもできる。衝撃ビームは、任意選択的に、リアサイドドア、スライドドア、又はリアハッチドアなどの別の車両ドアに取り付けることができ、アクセスドアの位置にないか、さもなければ、アクセスドアと統合された車両の他の構造領域に組み込み得ることが企図される。
図2A及び図3Aに示す図示された取付ブラケット32を参照すると、ブラケットは、それぞれ細長いビーム12の内側、上部壁セクション22、及び底部壁セクション24に係合するU字形状の中央支持部分32aを含む。ブラケット32はまた、図1に示すように、穴32cを貫通して車両ドアの周縁フレームに係合する留め具を介してなど、車両フレームに取り付けるのに適した方法でU字形状の支持部分32aの両側から一体的に延びる取付フランジ32bを含む。細長いビーム12の端部部分がU字形状の支持部分32aと係合すると、端部部分及び支持部分32aは、図2に示すように、上部壁セクション22及び底部壁セクション24とブラケット32のフランジ32bとの間の溶接位置33を用いて、互いに溶接されるか、さもなければ固定されることができる。
ドア衝撃装置10の細長いビーム12は、図2〜図5に示すように、中空内部44とビーム12の長さにわたる閉じられた断面形状とを有する。ビーム12の閉じた断面形状は、内側では内側壁セクション40を介して、外側では、丸みの付いた曲げセクション31としても示す外側壁セクション42を介して一体的に相互接続し、それにより、細長いビーム12の中空内部空間44を囲む上部壁セクション22及び底部壁セクション24を含む。別の実施形態では、上部壁セクション22及び底部壁セクション24は、上部壁セクション22及び底部壁セクション24の中間曲げ部26を維持しながら、開いた断面形状を形成するために、外側壁セクションを削除するなどして交互に相互接続されるか、さもなければ分断されることができる。細長いビーム12の外側壁セクション42は、図示したように、上部壁セクション22及び底部壁セクション24の第2のセクション30(すなわち、平面状の傾斜した部分)間に形成された、丸みの付いた曲げ点又はセクション31によって提供される細長いビーム12の接触部分18を含む。丸みの付いた曲げ点31の外側面は、ドア14の外側20を向いた細長いビーム12の湾曲衝撃面46(図5)を形成している。衝撃面46の曲率は、細長いビーム12の別の実施形態では、丸みの付いた曲げ点の曲率半径に基づいて変えることができ、この曲率半径は、細長いビーム12をロール成形するために使用される板金の可鍛性などの材料特性の制約事項によって決まり得る。図示された実施形態では、曲げ点又はセクション31は、通常、細長いビーム12を形成するために使用される金属シートの厚さ50の4倍に等しいか又は約4倍の内側半径48を有する。しかし、半径は、異なる材料及び/又は形成方法を使用する場合など、任意選択的に、大きくも小さくもし得ることが企図される。
上部壁セクション22及び底部壁セクション24の中間曲げ部26は、曲げ部26の両側に第1の又は水平のセクション28、及び第2の又は傾斜したセクション30を画定するように、ロール成形加工によって曲げるか、さもなければ、形成することができる。傾斜セクション30は、外側壁セクション42の曲げ点31を介して相互接続するため、傾斜セクション30は、細長いビーム12の接触部分18により近接している。細長いビーム12の接触部分18で衝撃力F(図5)を受けると、衝撃力は、傾斜セクション30に沿って水平セクション28に伝達され、それにより、接触部分18と、上部壁セクション22の傾斜セクション30及び底部壁セクション24の傾斜セクション30とに圧縮応力を発生させることができ、一方、引張り応力は、内側壁セクション40と、上部壁セクション22の水平セクション28及び底部壁セクション24の水平セクション28とに発生することができる。傾斜セクション30と水平セクション28との間の力の伝達を改善するために、中間曲げ部26は、上部壁セクション22及び底部壁セクション24の同じ又は実質的に同じ位置に形成することができる。中間曲げ点26は、上部及び底部壁セクションでのほぼ一貫したエネルギ伝達を可能にするために、細長いビーム12の上部壁セクション22及び底部壁セクション24の同様の位置に設けることができる。上部及び底部壁セクションでのこのほぼ一貫したエネルギ伝達は、ビームのねじれを防止し、ねじれを防止しない場合、このねじれは取付台32に付加的な応力をもたらし、(例えば、上部又は底部壁セクションの1つが許容荷重に達する前に)早期の曲げ破壊の状態を引き起こすことがある。したがって、平面状の水平セクション28は、図5に示すように、互いから離間し、互いに対してほぼ平行とすることができ、その結果、細長いビーム12の断面形状は、垂直方向の中心に置かれた水平平面又は水平線に関してほぼ対称になる。
衝撃エネルギ吸収特性と、傾斜セクション30と水平セクション28との間の力の伝達とをさらに改善するために、中間曲げ部26は、水平セクション28の長さ52(図5)を対応する傾斜セクション30の長さ54(図5)以上にするように配置されている。図6に示すように、(傾斜平面と称される)傾斜セクション30の長さを長くすることは、エネルギ吸収に対する改善性を低め、一方、(剪断壁平面と称される)水平セクション28の長さを長くすることは、エネルギ吸収に対する改善性と実質的に線形の相関関係を有する。より具体的には、傾斜セクション30のエネルギ吸収は、長さが約10mmを過ぎた後にいくらか減少する結果を見せ始め、これは、勾配が約10mmから約13mmまであまり急峻でないことで示され、一方、約8mmから約10mmまでの勾配は比較的急峻である。比較として、フラットな又は水平なセクション28のエネルギ吸収は、水平セクション28の長さが長くなるにつれて直線的に増加し続ける。したがって、傾斜セクション30を短くして水平セクション28を長くすると、エネルギ吸収は改善される。傾斜部分30及び水平部分28の特性間のこの相関関係は、上部壁セクション22及び底部壁セクション24における、上部壁セクション22及び底部壁セクション24に対して選択された全長に対する潜在的なエネルギ吸収能力を実際に出現させる位置に中間曲げ部26が形成されるのを可能にする。
上部壁セクション22及び底部壁セクション24に中間曲げ部26を含むことによってもたらされるエネルギ吸収の改善を示すために、2つの例示的な断面形状56A及び56B(図7)に対する力−撓み曲線(図8)は、ピーク荷重点58を合わせた実質的に同じ荷重特性を示す。ピーク荷重点58から判断して、中間曲げ部を有するビーム58Bによるエネルギ吸収では、屈曲時に性能が大幅に改善されている。より具体的には、中間曲げ部26を有するビーム56Bは、約1730Jのエネルギを吸収し、一方、三角形形状の断面を有し、中間曲げ部のないビーム56Aは、約1670Jのエネルギを吸収する。力−撓み曲線の比較で使用されたこれらのビームは、約1.4kgの比較的等しい質量、約1.9mmの肉厚を有し、約1,700MPaの引張り強さを有するマルテンサイト鋼から形成されている。
細長いビーム12の図示された実施形態は、図2〜図5に示すように、細長いビーム12の内部空間44を囲むように閉じた断面形状を有し、この断面形状は、実質的に平面状の壁セクションとして内側壁セクション40を備える。結果的に、図示された内側壁セクション40は、細長いビーム12の上部壁セクション22及び底部壁セクション24の実質的に水平なセクション28に対して直角である。内側壁セクション40の平面状の形状は、上部壁セクション22及び底部壁セクション24の内側間を最短で接続し、それにより、上部壁セクション22及び底部壁セクション24を相互接続するために使用される材料の量を最小限にする。内側壁セクション40と、上部壁セクション22及び底部壁セクション24との間の移行曲げ部60は、接触部分18(すなわち、外側壁セクション42の曲げ点)の内側半径48とほぼ等しい内側半径を有する。この場合にも、内側壁セクション40は、接触部分18への衝撃力Fにより加えられた引張り力に耐える役割を果たす。細長いビーム12の図示された実施形態(図2〜図5)は、結果として得られた約35mmの全横幅寸法W及び約30mmの垂直高さ寸法Hを有する。
衝撃ビームを形成する方法に関して、細長いビーム12は、連続する金属シートと接触する一連のローラによってロール成形することができ、連続する金属シートは、細長いビームの断面形状を形成するようにローラを通り抜ける。ロール成形ライン内の独立した個々のローラは、外側壁セクション42の丸みの付いた曲げ点と、上部壁セクション22及び底部壁セクション24の中間曲げ部26と、内側壁セクション40と上部壁セクション22及び底部壁セクション24との間の移行曲げ部60とを順次形成するように構成されている。本発明の所望の断面形状を得るために、これらの曲げ部を間欠的に形成するいくつかのフラワーパターン又はステップを実施することができる。金属シートの縁部は、細長いビームの長さに沿った溶接線55を形成する、ロール成形装置の終端にある溶接ステーションでの誘導溶接などの溶接により、閉じた断面形状を閉鎖して維持するように結合されることができ、この溶接線は、図5に示す位置などにおいて、ロール成形された金属シートの縁部を接続し、それにより、細長いビームの内部空間を囲む所定の位置に断面形状を堅固に維持する。溶接線は連続的でも間欠的でもよく、溶接部の曲げ破壊をもたらす恐れのある溶接線に対する圧縮及び引張り衝撃応力を低減するために、所定の位置に配置することができる。それに応じて、溶接線は、溶接線での圧縮及び引張り衝撃応力を低減するために、上部壁セクション22又は底部壁セクション24の一方に形成されるのが好ましい。より具体的には、溶接線は、図5に示す溶接線55の位置などの上部又は底部壁セクションのフラットな又は水平な部分に形成されるのが好ましい。溶接ステーションを出ると、ビームは、切断ステーションなどにおいて、対応するドアタイプ及び/又は車両構造にとって望ましい長さで細長いビームセクションに切断される。
本発明の断面形状を有する細長いビーム12は、様々な金属と、前述のロール成形加工を含む加工技術とを用いて形成することができる。ロール成形加工を使用する際、衝撃ビームは、少なくとも約1,700MPaの引張り強さを有し、厚さが好ましくは約1mm〜約2mm、より好ましくは約1.8mmである実質的に連続するシートに冷間成形されたマルテンサイト鋼からロール成形されることが企図される。しかし、細長いビーム12は、車両ドア14の外側に対する衝撃力による細長いビーム12の車両ドア14の内側に向かう変位を防止するように機能する中間曲げ部を本発明の断面形状に付与するために、他の厚さ及びグレードの鋼、アルミニウム、及び他の金属合金で形成できるとも考えられる。他の考えられる成形技術では、本明細書で説明した曲げ点及び中間曲げ部は、押出成形加工などの非曲げ加工技術により形成される断面に成形することができる。
本開示において、「上部」、「下部」、「右」、「左」、「後部」、「前部」、「垂直」、「水平」という用語及びそれらの派生語は、図1の向きの本発明に対応する。しかし、当然のことながら、本発明は、そうではないと明示された場合を除き、様々な代替の向きをとることができる。さらに当然ながら、添付図面に示し、本明細書で説明した特定の装置及びプロセスは、添付の特許請求の範囲で規定した本発明の概念の単なる例示的な実施形態に過ぎない。したがって、本明細書で開示した実施形態に関する特定の寸法及び他の物理特性は、別途、特許請求の範囲で明示されない限り、限定するものとみなすべきではない。
具体的に説明した実施形態の変更形態及び修正形態は、本発明の原理から逸脱することなく実施され得、本発明は、特許法の原則に基づいて解釈される通り、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。本開示が例示的に説明されたが、当然のことながら、使用された用語は、限定語ではなく説明語の性質を有することが意図されている。上記の教示を踏まえて本開示の多数の修正形態及び変形形態が可能であり、本開示は、具体的に説明したもの以外の方法で実施することができる。

Claims (20)

  1. 車両ドアを補強する衝撃ビームであって、
    細長いビームであって、前記細長いビームの長さにわたる中空内部と、前記長さにわたり、且つ前記車両ドアの外側を向くように構成された衝撃部分とを有する細長いビームを含み、
    前記細長いビームは、上部壁セクション及び底部壁セクションを有する断面形状を含み、
    前記上部壁セクション及び前記底部壁セクションは、前記衝撃部分を含む前記断面形状の曲げセクションで相互接続し、
    前記上部壁セクション及び底部壁セクションは、それぞれ、中間曲げ部であって、前記中間曲げ部の両側に実質的に水平のセクションと傾斜したセクションとを画定する中間曲げ部を含み、
    前記中間曲げ部は、前記車両ドアの前記外側における衝撃力による前記細長いビームの内側への変位を防止するように構成されている、衝撃ビーム。
  2. 前記細長いビームの前記断面形状は、前記断面形状の前記曲げセクションとは反対の側で前記上部及び底部壁セクションを相互接続する内側壁セクションを含む、請求項1に記載の衝撃ビーム。
  3. 前記内側壁セクションは、前記上部壁セクション及び底部壁セクションの前記実質的に水平のセクションにほぼ垂直である実質的に平面状の部分を含む、請求項2に記載の衝撃ビーム。
  4. 前記中間曲げ点は、前記断面形状が実質的に中心に置かれた水平線に関してほぼ対称であるように、前記上部壁セクション及び底部壁セクション上の実質的に等しい位置に設けられる、請求項1に記載の衝撃ビーム。
  5. 前記実質的に水平の部分の少なくとも1つの長さは、前記実質的に水平の部分の前記少なくとも1つに隣接する前記傾斜部分の長さ以上である、請求項1に記載の衝撃ビーム。
  6. 前記細長いビームの端部に取り付けられた取付ブラケットをさらに含み、
    前記取付ブラケットは、前記細長いビームが前記衝撃部分で側面衝撃力を受けるように構成された高さに配置されるように、前記車両ドアに取り付けられるように構成されている、請求項1に記載の衝撃ビーム。
  7. 前記細長いビームは溶接線を含み、
    前記溶接線は、前記細長いビームが前記車両ドアの前記外側における側面衝撃力による曲げを受ける場合に前記溶接線に対する圧縮衝撃応力及び引張り衝撃応力を低減するために、前記上部壁セクション及び底部壁セクションの1つにおいて前記細長いビームの前記長さに沿って形成される、請求項1に記載の衝撃ビーム。
  8. 前記細長いビームの前記断面形状は閉じられており、且つ前記細長いビームを形成する金属シートの縁部を接続し、前記細長いビームの前記長さに沿った溶接線を含む、請求項1に記載の衝撃ビーム。
  9. 前記曲げセクションは丸みが付いており、且つ前記細長いビームを形成する金属シートの厚さの約4倍以上の内側半径を含む、請求項1に記載の衝撃ビーム。
  10. 前記金属シートは、少なくとも約1,700MPaの引張り強さを有するマルテンサイト鋼を含む、請求項9に記載の衝撃ビーム。
  11. ドア衝撃ビームであって、
    車両ドアの外側の方を向くように構成された側面衝撃面と、前記車両ドアの周縁フレームに配置されるように構成された両端部とを有する細長い中空ビームを含み、
    前記細長い中空ビームは、前記側面衝撃面を含む丸みの付いた衝撃点で相互接続する上部壁セクション及び底部壁セクションを有する断面形状を含み、
    前記断面形状の前記上部壁セクション及び底部壁セクションは、それぞれ、第1の実質的に平面状のセクションと、前記第1の実質的に平面状のセクションから傾斜した第2の実質的に平面状のセクションとを含み、
    前記上部壁セクション及び底部壁セクションの前記第2の実質的に平面状のセクションは、前記丸みの付いた衝撃点で相互接続し、
    前記第1の実質的に平面状のセクションの少なくとも1つの長さは、前記車両ドアの前記外側における衝撃力による前記車両ドアの内側に向かう前記細長い中空ビームの変位を阻止するために、前記対応する第2の実質的に平面状のセクションの長さ以上である、ドア衝撃ビーム。
  12. 前記断面形状は、前記丸みの付いた衝撃点とは反対側の内側壁セクションを含み、
    前記内側壁セクションは、前記上部壁セクション及び底部壁セクションの前記第1の平面状セクションの少なくとも1つにほぼ直角な実質的に平面状の部分を含む、請求項11に記載のドア衝撃ビーム。
  13. 前記細長い中空ビームの前記断面形状は、前記細長い中空ビームの前記長さに沿って、前記上部壁セクション及び底部壁セクション間のほぼ中心に置かれた平面に関してほぼ対称である、請求項11に記載のドア衝撃ビーム。
  14. 前記細長い中空ビームは、前記細長い中空ビームを形成するために使用される金属シートの縁部を接続する、前記上部及び底部壁セクションの1つにおいて前記細長い中空ビームの前記長さに沿って形成された溶接線を含む、請求項11に記載のドア衝撃ビーム。
  15. 前記丸みの付いた衝撃点は、前記金属シートの厚さの約4倍以上の内側半径を含む、請求項14に記載のドア衝撃ビーム。
  16. 前記細長い中空ビームは、少なくとも約1,700MPaの引張り強さを有するマルテンサイト鋼板からロール成形される、請求項11に記載のドア衝撃ビーム。
  17. 車両ドアの内側への変位を防止する衝撃装置であって、
    金属シートからロール成形され、且つ前記車両ドアの外側を向くように構成された接触部分を有する細長いビームと、
    前記細長いビームの両端部分に取り付けられた取付ブラケットの対と
    を含み、
    前記細長いビームは、前記取付ブラケット間に延び、且つ上部壁セクション及び底部壁セクションを有する断面形状を含み、
    前記上部壁セクション及び前記底部壁セクションは、それぞれ、中間曲げ部であって、前記中間曲げ部の両側で第1の平面状セクション及び第2の平面状セクションを画定する中間曲げ部を含み、
    前記第1の平面状セクションは互いに実質的に平行であり、及び前記第2の平面状セクションは互いに向かって傾斜している、衝撃装置。
  18. 前記上部壁セクション及び前記底部壁セクションの前記第2の平面状セクションは、前記接触部分で一体的に相互接続する、請求項17に記載の衝撃装置。
  19. 前記細長いビームの前記断面形状は、前記上部及び底部壁セクションの前記第2の平面状セクション間に丸みの付いた曲げ点を含み、
    前記丸みの付いた曲げ点は、前記金属シートの厚さの約4倍以上の内側半径を有する、請求項18に記載の衝撃装置。
  20. 前記金属シートは、少なくとも約1,700MPaの引張り強さを有するマルテンサイト鋼を含み、
    前記第1の平面状セクションの長さは、前記第2の平面状セクションの長さ以上である、請求項19に記載の衝撃装置。
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