JP2018511708A - CVD−SiC材の製造方法 - Google Patents

CVD−SiC材の製造方法 Download PDF

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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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Abstract

【課題】高速での成膜を可能にしつつ、結晶方位のそろったCVD−SiC材の製造方法を提供する。【解決手段】C2H2からなる炭素源とハロゲン化シランからなる珪素源とを原料ガスとして使用し、CVD法により多結晶SiCを形成するCVD−SiC材の製造方法。【選択図】図3

Description

本発明は、CVD−SiC材の製造方法に関する。
SiCは、耐熱性、耐食性、機械的強度に優れているため、セラミックフィルタ、半導体装置など、さまざまの分野で利用されている。SiCは、焼結法、前駆体法、化学気相蒸着法(CVD法)などが主な製造方法である。焼結法は、SiCの微粉末に、焼結助剤を加え焼結する方法、前駆体法は前駆体である樹脂を焼成する方法、化学気相蒸着法(CVD法)は、原料ガスを供給しながら、ターゲットとする基材の表面付近、あるいは気相における化学反応により、所望のSiCの被覆を堆積させる方法である。
化学気相蒸着法によるセラミックは、焼結法と異なり焼結助剤などを必要としないので、高純度のセラミック材料を得ることができる特徴がある。一方、被覆を高速化するために反応速度の高い条件に設定すると、通常多量に粉が発生し成膜速度は減少してしまうことが知られていた。このため生産性が向上せず、CVDの利用範囲が減少してしまう一因になっていた。
非特許文献1では、CVD反応において成膜速度を増大すると生成する超微粒子(微粒子、クラスター)の解決の検討が行われてきた。ここでは、気相生成微粒子を熱泳動や拡散をdriving forceとして積極的に基板に捕集し緻密化させることによる超微粒子沈着CVD法(PPCVD、Particle Precipitation Aided Chemical Vapor Deposition)の検討が行われている。
具体的には、非特許文献1は、超微粒子沈着のdriving force として特に拡散に着目している。原料ガスの分圧を一定に保ちつつ全圧を減少させることにより粒子拡散係数が増大し、粒子の拡散沈着速度は増大する。したがって、全圧を制御することにより粉体、膜合成の制御が可能であると考えられる。以上の基本概念に基づき、減圧PPCVDをSiHとCを原料とするSiCの高速合成に適用した。その結果、反応器全圧を減少することにより粉体の形成を抑制する反応制御が可能であることを明らかにし、かつ190nm/sというきわめて速い成膜速度を実現したことが記載されている。
小山田浩・霜垣幸治・小宮山宏著 化学工学論文集 第16巻第3号(LPCVDの全圧による粉体・膜合成の制御)
しかしながら、非特許文献1に記載された製造方法は、気相において超微粒子を一旦生成させて基材上に捕集していく方法であるため、得られた被覆は基材上でランダムな方向に沈積する。捕集されたセラミックの微粒子がランダムな方向に沈積するので方向性を制御することは困難である。このためCVD−SiC材の結晶方位を特定の方向に強く配向させるのは原理的に難しい。このため結晶の方向性に起因する特性、例えば熱膨張係数などを厳密に制御することは困難であった。
本発明では上記課題を鑑み、高速での成膜を可能にしつつ、結晶方位のそろったCVD−SiC材の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための本発明のCVD−SiC材の製造方法は、Cからなる炭素源とハロゲン化シランからなる珪素源とを原料ガスとして使用し、CVD法により多結晶SiCを形成する。
本発明のCVD−SiC材の製造方法によれば、原料ガスとしてCからなる炭素源と、ハロゲン化シランからなる珪素源とを用いている。Cは、アルキンに属し3重結合のみで炭素が結合している。そのため、分子内に多数のC−C結合を有しているパラフィン系炭化水素、あるいはC=C結合を有しているオレフィン系炭化水素と異なり、Cは、炭素同士の結合をすべて切断し、炭素を分離するにはより多くのエネルギーを必要としている。従って、CVD炉内に供給されてから基材に接触するまでの間に熱分解しにくくでき、空中で微粉末が生成を抑制することができる。そして、基材表面生成されるCVD−SiC材が無秩序に成長していくことを抑制することができると考えられる。
さらに、ハロゲン化シランからなる珪素源は、シランと比較し安定な化合物であるので、Cと同様に、CVD炉内に供給されてから基材に接触するまでの間に熱分解しにくくでき、空中で微粉末が生成を抑制することができる。従って、基材表面生成されるCVD−SiC材が無秩序に成長していくことを抑制することができると考えられる。
本発明のCVD−SiC材の製造方法によれば、原料ガスとして安定なCからなる炭素源と、ハロゲン化シランからなる珪素源とを組み合わせて用いているので、基材に接触するまでの熱分解を抑制することができ、高温、高濃度など、成膜速度を早くできる条件でCVD反応を行っても、CVD−SiC材が無秩序に成長していくことを抑制することができると考えられる。
また、本発明のCVD−SiC材の製造方法によれば、原料ガスとして結合の切れにくいCからなる炭素源と、ハロゲン化シランからなる珪素源とを組み合わせて用いているので、基材に接触するまでの熱分解を抑制することができる。このため、熱分解反応が起こる温度域を狭くすることができると考えられるので、結晶方位の揃ったCVD−SiC材が得られると考えられる。
さらに本発明のCVD−SiC材の製造方法は、以下の態様であることが好ましい。
(A1)前記珪素源は、SiClである。
SiClは、ハロゲン化シランの中でもハロゲンの量が多いのでより安定であり、基材に到達するまでの熱分解を抑制することができると考えられる。また、Siと結合するハロゲン元素は結合エネルギーの大きいClを用いているので、Hと比較しより安定にすることができ、基材に到達するまでの熱分解を抑制することができると考えられる。さらに、CVD反応で生成するClの化合物は主にHClであり、HFのように反応性が強くないので、これに関する副反応を抑制でき、良好なCVD−SiC材を形成することができると考えられる。
(A2)前記炭素源は純度98%以上のCである。
は、CVD−SiC材用の炭素源の中でも、結合の切れにくい炭素源であるため、純度98%(体積%)以上である高純度のCを使用することによって、より結晶方位の揃ったCVD−SiC材が得られると考えられる。
(A3)前記CVD法では1600K以下での反応において、(111)面方向に配向するCVD−SiC材の製造方法である。
本発明のCVD−SiC材の製造方法は、原料ガスを選択することにより1600K以下の製膜温度であっても製膜速度を速くすることができるので、高温型の(220)面の結晶配向の少ない多結晶のCVD−SiC材を効率よく得ることができると考えられる。
(A4)前記記載のCVD法は、1450〜1600Kの反応が行われる。
本発明のCVD法は、1450〜1600Kで反応が行われると、高温型の(220)面の結晶配向のより少ない多結晶のCVD−SiC材を効率よく得ることができると考えられる。
本発明のCVD−SiC材の製造方法によれば、原料ガスとしてCからなる炭素源と、ハロゲン化シランからなる珪素源とを用いている。Cは、アルキンに属し3重結合のみで炭素が結合している。そのため、分子内に多数のC−C結合を有しているパラフィン系炭化水素、C=C結合を有しているオレフィン系炭化水素と異なり、Cは、炭素同士の結合をすべて切断し、炭素を分離するにはより多くのエネルギーを必要とする。従って、CVD炉内に供給されてから基材に接触するまでの間に熱分解しにくくでき、空中で微粉末が生成を抑制することができる。そして、基材表面生成されるCVD−SiC材が無秩序に成長していくことを抑制することができると考えられる。
さらに、ハロゲン化シランは、シランと比較し安定な化合物であるので、Cと同様に、CVD炉内に供給されてから基材に接触するまでの間に熱分解しにくくでき、空中で微粉末が生成を抑制することができる。このため、基材表面生成されるCVD−SiC材が無秩序に成長していくことを抑制することができると考えられる。
本発明のCVD−SiC材の製造方法によれば、原料ガスとして安定なCからなる炭素源と、ハロゲン化シランからなる珪素源とを用いているので、基材に接触するまでの熱分解を抑制することができるので、高温、高濃度など、成膜速度を早くできる条件でCVD反応を行っても、CVD−SiC材が無秩序に成長していくことを抑制することができると考えられる。
また、本発明のCVD−SiC材の製造方法によれば、原料ガスとして結合が切れにくいCからなる炭素源と、ハロゲン化シランからなる珪素源とを組み合わせて用いているので、基材に接触するまでの熱分解を抑制することができる。このため、熱分解反応が起こる温度域を狭くすることができると考えられるので、結晶方位の揃ったCVD−SiC材が得られると考えられる。
本発明のCVD−SiC材の製造方法おけるCVD−SiCの成膜条件を示す実験の条件を示す表である。 図1に続く表で、本発明のCVD−SiC材の製造方法おけるCVD−SiCの実験の分析結果を示す表である。 図1及び図2に示された実験により得られたCVD−SiC材の実験1から実験4の成膜面のX線回折パターンを示すグラフである。 図1及び図2に示された実験により得られたCVD−SiC材の実験5から実験8の成膜面のX線回折パターンを示すグラフである。 図1及び図2に示された実験により得られたCVD−SiC材の実験9から実験12の成膜面のX線回折パターンを示すグラフである。 図1及び図2に示された実験により得られたCVD−SiC材の実験13から実験16の成膜面のX線回折パターンを示すグラフである。 図1及び図2に示された実験により得られたCVD−SiC材の実施例および比較例の温度(Deposition temperature;K)毎の成膜速度(Deposition rate;μm/h)を示すグラフである。 図1及び図2に示された実験により得られたCVD−SiC材の実施例および比較例の表面のSEM写真である。 図3〜図6により得られた回折パターンについて、原料ガス、製膜温度ごとにCVD−SiC材の結晶配向を示した図である。
以下、本発明に係るCVD−SiC材の製造方法の好適な実施形態を詳述する。
本発明のCVD−SiC材の製造方法は、Cからなる炭素源と、ハロゲン化シランからなる珪素源とを原料ガスとして使用し、CVD法によりSiCを形成する。
ハロゲン化シランとは、シラン(SiH)に結合する4つの水素のうち、少なくとも1つがハロゲン元素に置換されたものであり、その数は1〜4のいずれであってもよく、ハロゲン元素の種類は特に限定されない。また、ハロゲン元素が複数結合する場合には、異なるハロゲン元素であってもよい。また、珪素源として使用するハロゲン化シランは、1種類であっても2種類またはそれ以上の原料ガスを複合して用いてもよい。
原料ガスとは、CVD炉に導入する際に気体であればよく、常温での形態は問わない。常温で液体または固体の場合には、ヒーターを備えた気化器でガス化することができる。
は、アルキンに属し3重結合のみで炭素が結合している。そのため、分子内に多数のC−C結合を有しているパラフィン系炭化水素、あるいはC=C結合を有しているオレフィン系炭化水素と異なり、Cは、炭素同士の結合をすべて切断し、炭素を分離するにはより多くのエネルギーを必要とする。従って、CVD炉内に供給されてから基材に接触するまでの間に熱分解しにくくでき、空中で微粉末が生成を抑制することができる。そして、基材表面生成されるCVD−SiC材が無秩序に成長していくことを抑制することができると考えられる。
さらに、ハロゲン化シランは、シランと比較し安定な化合物であるので、Cと同様に、CVD炉内に供給されてから基材に接触するまでの間に熱分解しにくくでき、空中で微粉末が生成を抑制することができる。このため、基材表面生成されるCVD−SiC材が無秩序に成長していくことを抑制することができると考えられる。
CVD法による多結晶SiCの製造方法は、基材の結晶方位とは無関係に製膜が進行していくので、結晶方位は製膜条件によって変わりやすく、単一の結晶配向のCVD−SiC材を得ることは難しい。
本発明のCVD−SiC材の製造方法によれば、原料ガスとして結合が切れにくいCからなる炭素源と、ハロゲン化シランからなる珪素源とを用いているので、基材に接触するまでの熱分解を抑制することができるので、高温、高濃度など、成膜速度を早くできる条件でCVD反応を行っても、CVD−SiC材が無秩序に成長していくことを抑制することができると考えられる。
また、本発明のCVD−SiC材の製造方法によれば、原料ガスとして結合が切れにくいCからなる炭素源と、ハロゲン化シランからなる珪素源とを組み合わせて用いているので、基材に接触するまでの熱分解を抑制することができる。このため、熱分解反応が起こる温度域を狭くすることができると考えられるので、結晶方位の揃ったCVD−SiC材が得られると考えられる。
なお、C−C結合の結合エネルギーは、332kJ/mol、C=C結合の結合エネルギーは、611kJ/mol、C≡C結合の結合エネルギーは、837kJ/molであり、炭素/炭素結合の中でC≡C結合の結合エネルギーが最も高い。
本発明のCVD−SiC材の製造方法の前記珪素源は、SiClであることが好ましい。
SiClはハロゲン化シランの中でもハロゲンの量が多いのでより安定であり、基材に到達するまでの熱分解を抑制することができると考えられる。また、Siと結合するハロゲン元素は結合エネルギーの大きいClを用いているので、Hと比較し、より安定にすることができ、基材に到達するまでの熱分解を抑制することができると考えられる。さらに、CVD反応で生成するClの化合物は主にHClであり、HFのように反応性が強くないので、これに関する副反応を抑制でき、良好なCVD−SiC材を形成することができると考えられる。
本発明のCVD−SiC材の製造方法の前記炭素源は純度98%以上のCあることが好ましい。
は、CVD−SiC材用の炭素源の中でも、結合の切れにくい炭素源であるため、純度98%以上である高純度のCを使用することによって、より結晶方位の揃ったCVD−SiC材が得られると考えられる。Cは、C≡C結合が強い結合である一方、分解性を有しているガスであるので、一般に、アセトンに溶解した溶解アセチレンボンベ、あるいはカーバイドと水との反応によって供給される。このため、高純度のCを得るには、アセトン、水などの不純物を浄化装置を用いて除去して用いることがこのましい。アセトン用の浄化装置は、例えば、吸着剤、活性炭、冷却トラップなどが挙げられる。水用の浄化装置は、乾燥剤、冷却トラップなどが挙げられる。
に含まれる不純物ガスは、Cの分解反応を起こす基材表面以外の領域で分解反応しやすいので、分解した生成物が基材に沈積し、異なる結晶方位のCVD−SiC材を形成する元となる。このためCの純度は98%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましく、は99.5%以上であることがさらに好ましい。高い純度のCを用いることによって、原料ガスに含まれる水、アセトンなどの水素炭素以外を含有する不純物、メタン、エタンなど炭素/炭素の単結合、二重結合を持つ不純物を低減することができるので、これらの不純物に起因する結晶方位の乱れを低減することができると考えられる。
本発明のCVD−SiC材の製造方法では1600K以下での反応において、(111)面方向に配向するCVD−SiC材の製造方法であることが好ましい。
本発明のCVD−SiC材の製造方法は、原料ガスを選択することにより1600K以下の製膜温度であっても製膜速度を速くすることができるので、高温型の(220)面の結晶配向の少ない多結晶のCVD−SiC材を効率よく得ることができると考えられる。
本発明のCVD−SiC材の製造方法は、1450〜1600Kの反応が行われることが好ましい。1450〜1600KでCVD法の反応が行われると、高温型の(220)面の結晶配向のより少ない多結晶のCVD−SiC材を、より効率よく得ることができると考えられる。
本発明のCVD−SiC材の製造方法で得られたCVD−SiC材の成膜面のX線回折は次のようにして測定する。
X線源:Cu−Kα(40kV−40mA)
雰囲気:空気
測定範囲:10°≦2θ≦90°
ステップ:0.02
積算時間:0.15s
また、成膜面のX線回折とは、CVD法によって形成されたCVD−SiC材の表面をSiCが沈積する側からX線を照射することにより測定することができる。SiCに由来するピークのおおよその位置(2θ)は以下のとおりである。
35.60°:SiC(111)面
41.38°:SiC(200)面
59.97°:SiC(220)面
71.78°:SiC(311)面
75.49°:SiC(222)面
なお、CVD−SiC材が極めて薄い場合には、基材材料の回折ピークが出現することがある。また、遊離Si、遊離カーボンが存在する場合には、Si、Cのピークが出現することがある。主なCのピークのおおよその位置は以下のとおりである。
26.4°:Graphite(002)面
44.0°:Graphite(101)面
53.8°:Graphite(004)面
77.6°:Graphite(110)面
次に、本発明の実験について図1〜図6を参考として説明する。図1は、本発明のCVD−SiC材の製造方法おけるCVD−SiCの成膜条件を示す実験の条件を示す表である。図2は、図1に続く表で、本発明のCVD−SiC材の製造方法おけるCVD−SiCの実験の分析結果を示す表である。図3は、実験1〜4(Test1〜4)で得られた試料の成膜面のX線回折パターンを示すグラフである。図4は、実験5〜8(Test5〜8)で得られた試料の成膜面のX線回折パターンを示すグラフである。図5は、実験9〜12(Test9〜12)で得られた試料の成膜面のX線回折パターンを示すグラフである。図6は、実験13〜16(Test13〜16)で得られた試料の成膜面のX線回折パターンを示すグラフである。図7は、実験1〜12により得られたCVD−SiC材の実施例および比較例のCVD−SiCの成膜速度を示すグラフである。図8は、図1及び図2に示された実験により得られたCVD−SiC材の実施例および比較例の表面のSEM写真である。図9は、図3〜図6により得られた回折パターンについて、原料ガス、製膜温度ごとにCVD−SiC材の結晶配向を示した図である。
図1において流量の単位SCCMとは、Standard cc/min(大気圧;101.3kPa、0℃)をさし、RC/Siとは、炭素源の炭素原子と珪素源の珪素原子とのモル比である。
図2においてI220/I2ndとは、SiCの(220)面に由来するピーク強度と、次に大きなピーク強度の比である。SiCの(220)面に由来するピーク強度が最大でない場合には、「−」と表記する。また、I111/I2ndとは、SiCの(111)面に由来するピーク強度と、次に大きなピーク強度の比である。SiCの(111)面に由来するピーク強度が最大でない場合には、「−」と表記する。
実験は16種類行い、珪素源(図ではSi源)となる原料ガスとしてSiClを用い、炭素源(図ではC源)となる原料ガスとして、実験1から実験4までは本発明に係るCを用いて実施例としてまとめ、実験5から実験8までは従来技術のCHを用いて比較例1としてまとめ、実験9から実験12までは従来技術のCを用いて比較例2としてまとめ、実験13から実験16までは従来技術のLPG(Liquefied Petroleum Gas)を用いて比較例3としてまとめた。
条件の1つである反応温度(温度水準)は、実施例において実験1は1773K、実験2は1673K、実験3は1573K、実験4は1473K、比較例1において実験5は1773K、実験6は1673K、実験7は1573K、実験8は1473K、比較例2において実験9は1773K、実験10は1673K、実験11は1573K、実験12は1473K、比較例3において実験13は1773K、実験14は1673K、実験15は1573K、実験16は1473Kとした。
CVD炉およびCVD反応は以下の通りである。
<CVD炉>
CVD炉の内容積 φ650mm内径×615mmh
ホットゾーンの内容積φ110mm内径×100mmh
反応時間:2hr
<CVD反応>
基材として黒鉛を用い、炭素源、珪素源(水素キャリアガスによるバブリングによる)、水素キャリアガス(別系統)はそれぞれのノズルで炉内に導入し、炉内ノズル先端の混合構造で混合してから、基材上部(基材面+150mm)から供給している。なお、使用した原料ガスなどの純度グレードは下記のとおりである。
:99.999%
CH:99.9%
:99.9%
:98.0%
SiCl:99.50%
LPG:混合物
得られた実験1〜16によって得られたCVD−SiC材の成膜面のX線回折によって分析した。
分析内容は、実験1〜16に関し、(111)面、(200)面、(220)面、(311)面、(222)面の位置におけるSiC由来のピーク強度、SiC以外のピークの有無を確認した。また、もっとも大きなピークと、次に大きなピークの強度比を算出し、(111)面が最大である場合にはI111/I2ndの欄に記載し、(220)面が最大である場合には、I220/I2ndの欄に記載した。
さらに、反応温度が1773Kである実験1、実験5、実験9、実験13の水準に関し、(220)面の位置における半値幅(°)、反応温度が1473Kである実験4、実験8、実験12、実験16の水準に関し、(111)面の位置における半値幅(°)を読み取った。
図3〜6および図9に示すように、原料ガスとしてCを用いた実験1〜4では、製膜温度を変えても(111)(220)面が混在することなく得ることができた。さらに図7に示すように、原料ガスとしてCを用いた実験1〜4では実験5〜16と比較し、製膜速度が速く原料ガスから効率よく多結晶SiCが得られることが確認できた。
また、図7に示すように原料ガスとして混合物であるLPGを用いたときには、(111)面、(220)面のいずれかの結晶配向が得られにくいことが確認できた。以上より、原料ガスとして高純度のCとハロゲン化シランとの混合ガスを用いることにより、高速での成膜を可能にしつつ、結晶方位のそろったCVD−SiC材の製造方法およびCVD−SiC材を得られることが確認できた。また、図8に示すように表面のSEM写真では、Cを原料ガスとして使用した実験1〜4は、他の原料ガスを用いて得られた実験5〜16と比較し、高速で製膜しても、組織が荒くなること無く、細かな組織のCVD−SiC材が得られることが確認できた。このため、Cを原料ガスとして使用することにより、高速で製膜しても良好なCVD−SiC材が得られることが確認できた。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
本発明に係るCVD−SiC材の製造方法は、例えば半導体製造装置、治具、工具、耐熱材などの用途に適用可能である。

Claims (5)

  1. からなる炭素源とハロゲン化シランからなる珪素源とを原料ガスとして使用し、CVD法により多結晶SiCを形成するCVD−SiC材の製造方法。
  2. 請求項1に記載のCVD−SiC材の製造方法であって、
    前記珪素源はSiClであるCVD−SiC材の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のCVD−SiC材の製造方法であって、前記炭素源は純度98%以上のCであるCVD−SiC材の製造方法。
  4. 請求項1に記載のCVD−SiC材の製造方法であって、
    前記CVD法では1600K以下での反応において、(111)面方向に配向するCVD−SiC材の製造方法。
  5. 請求項4に記載のCVD−SiC材の製造方法であって、
    前記CVD法では1450〜1600Kでの反応が行われるCVD−SiC材の製造方法。
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