便宜上、明細書、実施例、および添付の特許請求の範囲で採用される特定の用語をここにまとめる。特に断らなければ、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、本出願が属する当業者により一般に理解されているものと同じ意味を有する。
冠詞の「a」および「an」は、1つの、または1つを超える(すなわち、少なくとも1つの)、その冠詞の文法的対象を意味するものとして本明細書で使用される。例えば、「an element」は、1つの要素または1つを超える要素を意味する。
「含む(comprise)」「含む(comprising)」「含有する(include)」「含有する(including)」「有する(have)」および「有する(having)」という用語は追加の要素が含まれ得ることを意味する包括的な、非限定的な意味で使用される。本明細書で使用される場合、「など(such as)」、「例えば(e.g.)」という用語は非限定的であり、例示を目的としているにすぎない。「含む(including)」および「含むが、それらに限定はされない(including but not limited to)」は同じ意味で使用される。
「または(or)」という用語は、本明細書では、文脈により明確に別義が示されない限り、「および/または(and/or)」を意味すると理解されるべきである。
本明細書で使用される場合、「約(about)」または「約(approximately)」という用語は、基準の量(quantity)、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量(amount)、重量または長さに対する15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%程度変動する量(quantity)、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量(amount)、重量または長さを意味する。一実施形態では、「約(about)」または「約(approximately)」という用語は、量(quantity)、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量(amount)、重量または長さ±15%、±10%、±9%、±8%、±7%、±6%、±5%、±4%、±3%、±2%、または±1%の範囲の量(quantity)、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量(amount)、重量または長さを意味する。
本出願のいくつかの化合物の構造は不斉(キラル)炭素または硫黄原子を含むことに留意されたい。したがって、特に指示がない限り、このような不斉性から生じる異性体が本明細書に含まれることを理解されたい。このような異性体は、古典的な分離技術により、および立体化学的に制御された合成により実質的に純粋な形態で得ることができる。本出願の化合物は立体異性体型で存在することができ、そのため、個々の立体異性体として、また混合物として作製することができる。
「異性」という用語は、同一の分子式を有するが、それらの原子の結合の性質もしくは順序またはそれらの原子の空間における配列が異なる化合物を意味する。それらの原子の空間における配列が異なる異性体は「立体異性体」と呼ばれる。お互いの鏡像ではない立体異性体は「ジアステレオ異性体」と呼ばれ、重ね合わせることができない鏡像である立体異性体は「鏡像異性体」、または時として光学異性体と呼ばれる。4つの同一でない置換基に結合された炭素原子は「キラル中心」と呼ばれ、一方、3つまたは4つの異なる置換基に結合した硫黄、例えば、スルホキシドまたはスルフィンイミド、も同様に「キラル中心」と呼ばれる。
「キラル異性体」という用語は、少なくとも1つのキラル中心を有する化合物を意味する。キラル異性体は反対のキラリティーの2つの鏡像異性体型を有し、個々の鏡像異性体として、あるいは鏡像異性体の混合物として存在してよい。反対のキラリティーの個々の鏡像異性体型を等量含む混合物は「ラセミ混合物」と呼ばれる。2つ以上のキラル中心を有する化合物は2n−1の鏡像異性体対を有し、ここで、nはキラル中心の数である。2つ以上のキラル中心を有する化合物は、個々のジアステレオマーとして、または、「ジアステレオマー混合物」と呼ばれるジアステレオマーの混合物として存在することができる。1つのキラル中心が存在する場合、立体異性体はそのキラル中心の絶対配置(RまたはS)により特徴付けることができる。あるいは、1つまたは複数のキラル中心が存在する場合、立体異性体は(+)または(−)として特徴付けることができる。絶対配置は、キラル中心に結合した置換基の空間配列を意味する。考慮しているキラル中心に結合した置換基は、Cahn、IngoldおよびPrelogの順位規則に従いランク付けされる(Cahn et al,Angew.Chem.Inter.Edit.1966,5,385;errata 511;Cahn et al.,Angew.Chem.1966,78,413;Cahn and Ingold,J Chem.Soc.1951(London),612;Cahn et al.,Experientia 1956,12,81;Cahn,J.,Chem.Educ.1964,41,116)。
用語の「障害」は、線維症を減らすまたは遅らせる薬剤から恩恵を受けると思われる障害、疾患、または状態のいずれかを意味する。例えば、細胞外マトリックス内での線維状物質の過剰産生を含む線維状物質の過剰産生を特徴とする疾患、障害および状態が含まれる。また、異常な、非機能性の、および/または過度に蓄積したマトリックス結合成分による正常組織成分の置換を特徴とする疾患、障害および状態も含まれる。
「幾何異性体」という用語は、それらの存在が二重結合周りの回転障害に起因するジアステレオマーを意味する。これらの立体配置は、それらの名称において、接頭辞シスおよびトランス、またはZおよびEにより識別され、これらは、基が、Cahn−Ingold−Prelog規則に従い、分子中の二重結合の同じまたは反対側に存在することを示す。さらに、本出願で考察される構造および他の化合物はその全てのアトロプ異性体を含む。
「アトロプ異性体」という用語は、2つの異性体の原子が空間で異なって配置される立体異性体の一種である。アトロプ異性体の存在は、中心結合周りの大きな基の回転障害により引き起こされる回転制限に起因する。このようなアトロプ異性体は典型的には、混合物として存在するが、しかしながら、クロマトグラフィー技術の最近の進歩の結果として、特定のケースでは、2つのアトロプ異性体の混合物を分離することが可能になっている。
「結晶多形」または「多形」または「結晶形」という用語は、化合物(またはその塩もしくは溶媒和物)が異なる結晶充填配列(全て、同じ元素組成を有する)で結晶化できる結晶構造を意味する。異なる結晶形は通常、異なるX線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形状、光学および電気特性、安定性および溶解度を有する。再結晶溶媒、結晶化速度、貯蔵温度、および他の因子により、1つの結晶形が支配的になる場合がある。化合物の結晶多形は、異なる条件下で結晶化することにより調製することができる。
「誘導体」という用語は、共通のコア構造を有し、本明細書で記載の様々な基で置換されている化合物を意味する。
「生物学的等価体」という用語は、1つの原子または原子の一群を別の広義に類似の原子または一群の原子と置換することにより得られる化合物を意味する。生物学的等価性置換の目的は、親化合物と同様の生物学的特性を有する新規化合物を作製することである。生物学的等価性置換は、物理化学またはトポロジーに基づいてもよい。カルボン酸生物学的等価体の例としては、アシルスルホンイミド、テトラゾール、スルホネート、およびホスホネートが挙げられる。例えば、Patani and LaVoie,Chem.Rev.96,3147−3176(1996)を参照されたい。
語句の「非経口的投与」、「非経口的に投与される」は、当該分野で認められている用語で、腸内および局所投与以外の、注射など投与方法を含む。これらには、限定されないが、静脈内、筋肉内、胸膜内、血管内、心膜内、動脈内、クモ膜下腔内、関節内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、クモ膜下、脊髄内および胸骨内注射ならびに注入が含まれる。
「治療する」という用語は当該分野で認められており、対象において疾患、障害または状態を抑制すること、例えば、その進行を妨害すること;および疾患、障害または状態を軽減すること、例えば、疾患、障害および/または状態の退行を引き起こすことを含む。疾患または状態を治療することは、根底にある病態生理が影響を受けなくても、特定の疾患または状態の少なくとも1つの症状を回復させることを含む。
「予防する」という用語は当該技術分野において認められており、疾患、障害および/または状態に罹る可能性があるが、まだ、それに罹患していると診断されていない疾患、障害または状態が対象において起こるのを停止させることを含む。疾患に関連する状態を予防することは、疾患が診断されされた後、状態が診断される前に、その状態が起こらないようにすることを含む。
「医薬組成物」という用語は、対象への投与に好適な形態の、開示された化合物を含む配合物を意味する。好ましい実施形態では、医薬組成物はバルクでまたは単位剤形の形態である。単位剤形は様々な形態のいずれかであり、例えば、カプセル、IVバッグ、錠剤、エアロゾル吸入器上の単一ポンプ、またはバイアルが挙げられる。単位用量の組成物中の有効成分(例えば、開示された化合物またはその塩の配合物)の量は、有効量であり、必要とする特定の処置に応じて変動する。当業者は、患者の年齢および状態によって投与量に定型的な変更を加えることが必要な場合があることを理解するであろう。投与量はまた、投与経路に依存する。様々な経路が意図され、経口、肺、直腸、非経口、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、鼻腔内、吸入、などが挙げられる。本明細書で記載される化合物の局所または経皮投与のための剤形としては、粉剤、噴霧剤、軟膏剤、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液剤、パッチ、噴霧化化合物、および吸入薬が挙げられる。好ましい実施形態では、活性化合物は無菌条件下で薬学的に許容可能なキャリア、および必要とされる任意の保存剤、緩衝剤、または噴射剤と混合される。
「フラッシュドーズ(flash dose)」という用語は、迅速に剤形を分散する化合物製剤を意味する。
「即放性」という用語は、比較的短い期間の、一般に約60分までの剤形からの化合物の放出として定義される。「調節放出」という用語は、遅延放出、持続放出、およびパルス放出を含むように定義される。「パルス放出」という用語は、剤形からの薬物の一連の放出として定義される。「徐放」または「持続放出」という用語は、長期にわたる、剤形からの化合物の連続放出として定義される。
「薬学的に許容可能な」という語句は当該分野で認められている。特定の実施形態では、この用語は、健全な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触させて、過剰の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしに使用するのに好適で、妥当な利益/リスク比に見合った、組成物、ポリマーおよび他の材料および/または剤形を含む。
「薬学的に許容可能なキャリア」という語句は、当該分野で認められており、例えば、任意の対象組成物を1つの器官、または身体の一部から別の器官、または身体の一部へ運搬または輸送するのに関与する、薬学的に許容される材料、組成物またはビークル、例えば液体もしくは固体フィラー、希釈剤、賦形剤、溶媒または封入材料を含む。各キャリアは、対象組成物の他の材料成分と適合し、患者に有害ではないという意味で、「許容可能」でなければならない。特定の実施形態では、薬学的に許容可能なキャリアは非発熱性である。薬学的に許容可能なキャリアとして機能し得るいくつかの材料としては、下記が挙げられる:(1)糖類、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース;(2)デンプン、例えば、トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン;(3)セルロース、およびその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;(4)トラガント末;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)賦形剤、例えば、カカオバターおよび坐剤ろう;(9)油類、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ひまわり油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油;(10)グリコール、例えば、プロピレングリコール;(11)ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;(12)エステル、例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)発熱物質を含まない水;(17)等張食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝溶液;および(21)医薬製剤で使用される他の非毒性適合物質。
本出願の化合物はさらに塩を形成することが可能である。これらの形態もまた全て本明細書で意図されている。
化合物の「薬学的に許容可能な塩」は、薬学的に許容可能な、親化合物の所望の薬理活性を有する塩を意味する。例えば、塩は酸付加塩であってよい。酸付加塩の一実施形態は塩酸塩である。薬学的に許容可能な塩は、塩基性または酸性部分を含む親化合物から、従来の化学的方法により合成することができる。一般に、このような塩は、遊離酸または塩基型のこれらの化合物を化学量論量の適切な塩基または酸と、水中または有機溶媒中、あるいはこれら2種の混合物中で反応させることにより調製することができ、通常、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルのような非水媒体が好ましい。塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th ed.(Mack Publishing Company,1990)において見出される。
また、本明細書で記載される化合物は、エステル、例えば、薬学的に許容可能なエステルとして調製することができる。例えば、化合物中のカルボン酸官能基は、その対応するエステル、例えば、メチル、エチル、または他のエステルに変換することができる。また、化合物中のアルコール基は、その対応するエステル、例えば、アセテート、プロピオネート、または他のエステルに変換することができる。
本明細書で記載される化合物はまた、プロドラッグ、例えば、薬学的に許容可能なプロドラッグとして調製することもできる。「プロ−ドラッグ」および「プロドラッグ」という用語は本明細書では同じ意味で使用され、活性親薬物をインビボで放出する任意の化合物を意味する。プロドラッグは医薬品の多くの望ましい特性(例えば、溶解度、バイオアベイラビリティ、製造性など)を高めることが知られているので、化合物は、プロドラッグ形態で送達され得る。したがって、本明細書で記載される化合物は、ここで請求される化合物のプロドラッグ、これを送達する方法およびこれを含む組成物を含むことが意図されている。「プロドラッグ」は、このようなプロドラッグが対象に投与された場合、活性親薬物をインビボで放出する、任意の共有結合キャリアを含むことが意図されている。プロドラッグは、修飾がルーチン操作またはインビボで分解されて親化合物になるように、化合物中に存在する官能基を修飾することにより調製される。プロドラッグとしては、ヒドロキシ、アミノ、スルフヒドリル、カルボキシ、またはカルボニル基が、インビボで分解されて、それぞれ、遊離ヒドロキシル、遊離アミノ、遊離スルフヒドリル、遊離カルボキシまたは遊離カルボニル基を形成することができる任意の基に結合されている化合物が挙げられる。プロドラッグは、活性なもしくはより活性な薬理作用のある物質または本明細書で記載の活性化合物になる前に代謝プロセスにより化学変換を受ける本明細書で記載の化合物の前駆物質(先駆物質(forerunner))であってもよい。
プロドラッグの例としては、化合物の、ヒドロキシ官能基のエステル(例えば、アセテート、ジアルキルアミノアセテート、ホルメート、ホスフェート、スルフェート、およびベンゾエート誘導体)およびカルバメート(例えば、N,N−ジメチルアミノカルボニル)、カルボキシル官能基のエステル基(例えば、エチルエステル、モルホリノエタノールエステル)、アミノ官能基のN−アシル誘導体(例えば、N−アセチル)N−マンニッヒ塩基、シッフ塩基およびエナミノン、ケトンおよびアルデヒド官能基のオキシム、アセタール、ケタールおよびエノールエステルなど、ならびに酸化されてスルホキシドまたはスルホンを形成するスルフィドが挙げられるが、これらに限定されない。
「保護基」という用語は、分子中の反応基に結合されると、反応性をマスクし、低減し、または防止する一群の原子を意味する。保護基の例は、Green and Wuts,Protective Groups in Organic Chemistry,(Wiley,2.sup.nd ed.1991);Harrison and Harrison et al.,Compendium of Synthetic Organic Methods,Vols.1−8(John Wiley and Sons,1971−1996);およびKocienski,Protecting Groups,(Verlag,3rd ed.2003)において見出すことができる。
「アミン保護基」という用語は、アミン、アミド、または他の窒素含有部分を特定の化学反応の条件に対し実質的に不活性な異なる化学基に変換する官能基を意味することが意図されている。アミン保護基は好ましくは、容易にかつ選択的に良好な収率で分子の他の官能基に影響を与えない条件下で除去される。アミン保護基の例としては、ホルミル、アセチル、ベンジル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、p−メトキシベンジル、メトキシメチル、トシル、トリフルオロアセチル、トリメチルシリル(TMS)、フルオレニルメチルオキシカルボニル、2−トリメチルシリルエチルオキシカルボニル、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、2−トリメチルシリルエタンスルホニル(SES)、トリチルおよび置換トリチル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)、ニトロベラトリルオキシカルボニル(NVOC)、などが挙げられるが、これらに限定されない。当業者なら、他の好適なアミン保護基を見つけることができる。
代表的なヒドロキシ保護基としては、ヒドロキシ基がアシル化またはアルキル化されたもの、例えば、ベンジル、およびトリチルエーテルならびにアルキルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルシリルエーテルおよびアリルエーテルが挙げられる。
加えて、本明細書で記載される化合物の塩は、水和または未水和(無水)型として、または他の溶媒分子との溶媒和物として存在することができる。水和物の非限定的な例としては一水和物、二水和物などが挙げられる。溶媒和物の非限定的な例としては、エタノール溶媒和物、アセトン溶媒和物、などが挙げられる。
「溶媒和物」という用語は、化学量論量または非化学量論量の溶媒を含む溶媒付加型を意味する。いくつかの化合物は結晶固体状態中に一定モル比の溶媒分子をトラップする傾向を有し、それにより溶媒和物を形成する。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールである場合、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は、1つまたは複数の水分子を物質の1つと組み合わせることにより形成され、この場合、水は、H2Oとしてのその分子状態を保持し、そのような組み合わせは、1つまたは複数の水和物を形成することができる。
本明細書で記載される化合物、塩およびプロドラッグはいくつかの互変異性体型で、例えばエノールおよびイミン型、ならびにケトおよびエナミン型、ならびに幾何異性体およびそれらの混合物で存在してよい。互変異性体は溶液中で互変異性体セットの混合物として存在する。固体形態では、通常1つの互変異性体が優位を占める。1つの互変異性体が記載されている場合であっても、本出願は本化合物の全ての互変異性体を含む。互変異性体は、平衡状態で存在し、1つの異性体型からもう一方の異性型に容易に変換される2つ以上の構造異性体の1つである。この反応によって、隣接する共役二重結合の切り替えに伴って起こる水素原子の形式的な移動が生じる。互変異性化が可能な溶液では、互変異性体の化学平衡に到達することになる。互変異性体の正確な比は温度、溶媒およびpHを含むいくつかの因子に依存する。互変異性化によって相互交換可能である互変異性体の概念は互変異性と呼ばれる。
起こりうる種々の型の互変異性の内、2つが一般に観察される。ケト−エノール互変異性では、電子と水素原子の同時シフトが起こる。
互変異性化は塩基の:1.脱プロトン化;2.非局在化アニオンの形成(例えば、エノラート);3.アニオンの異なる位置でのプロトン化により;酸の:1.プロトン化;2.非局在化カチオンの形成;3.カチオンに隣接した異なる位置での脱プロトン化により、触媒できる。
「類似体」という用語は、別のものと構造的に類似するが、組成がわずかに異なる化学化合物を意味する(1つの原子の異なる元素の原子による、または特定の官能基の存在下での置換、あるいは1つの官能基の別の官能基による置換などの場合)。したがって、類似体は、参照化合物と、機能および外観が同様または同等であるが、構造または起源が同様または同等でない化合物である
当該方法により治療される「患者」、「対象」、または「宿主」は、ヒトまたは非ヒト動物、例えば哺乳類、魚、鳥類、爬虫類、または両生類のいずれかの意味であってよい。したがって、本明細書で開示される方法の対象はヒト、非ヒト霊長類、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、雌ウシ、ネコ、モルモットまたはげっ歯類であってよい。この用語は特定の年齢または性を表すものではない。したがって、雄であれ雌であれ、成体および新生対象、ならびに胎児(胎仔)を包含することが意図されている。一態様では、対象は哺乳類である。患者は、疾患または障害に苦しむ対象を意味する。
「予防的」または「治療的」処理は当該分野で認められており、宿主への当該1種または複数種の組成物の投与を含む。望まれない状態(例えば、宿主動物の疾患または他の望まれない状態)の臨床徴候前に投与される場合、処理は予防的であり、すなわち、これは、宿主を望まれない状態の発症に対し保護し、一方、望まれない状態の徴候後に投与される場合、処理は治療的である(すなわち、既存の望まれない状態またはその副作用を減弱、寛解、または安定化させることが意図される)。
「治療薬」、「薬物」、「薬剤」および「生理活性物質」という用語は当該技術分野において承認されており、患者または対象において局所的または全身的に作用して疾患または状態を治療する、生物学的に、生理的に、または薬理学的に活性な物質である分子および他の作用物質を含む。これらの用語は、限定はされないが、その薬学的に許容可能なそれらの塩およびプロドラッグを含む。このような作用物質は酸性、塩基性、または塩であってもよく;それらは水素結合することができる中性分子、極性分子、または分子複合体であってもよく;それらは、患者または対象に投与されると生物学的に活性化される、エーテル、エステル、アミドなどの形態のプロドラッグであってもよい。
「治療的有効量」または「薬学的有効量」という語句は当該分野で認められている用語である。特定の実施形態では、これらの用語は、任意の医学的処理に適用可能な妥当な利益/リスク比である程度の所望の効果を生じる治療薬の量を意味する。特定の実施形態では、これらの用語は、特定の治療法の標的を排除、低減または維持するのに必要なまたは十分なその量を意味する。有効量は、治療される疾患または状態、投与される特定の標的化構築物、対象のサイズあるいは疾患または状態の重症度などの因子によって変動し得る。当業者は、過度の実験を必要とすることなく、特定の化合物の有効量を経験的に決定することができる。ある一定の実施形態では、インビボ使用のための治療薬の治療的有効量は、下記を含む多くの因子に依存する可能性がある:ポリマーマトリクスからの作用物質の放出速度(これは一部には、ポリマーの化学的および物理的特性に依存するであろう);作用物質の固有の特性;投与の様式および方法;および作用物質に加えてポリマーマトリクス中に組み込まれる任意の他の材料。
「ED50」という用語は当該分野で認められている。特定の実施形態では、ED50は、その最大応答または効果の50%を生じる薬物の用量、あるいは、試験対象または試料の50%において予め決められた応答を生じる用量を意味する。「LD50」という用語は当該分野で認められている。特定の実施形態では、LD50は、試験対象の50%において致死的である薬物の用量を意味する。「治療指数」という用語は当該分野で認められている用語であり、LD50/ED50として定義される、薬物の治療指数を意味する。
「IC50」という用語または「50%阻害濃度」は、生物学的プロセス、またはプロセスの構成要素、例えばタンパク質、サブユニット、オルガネラ、リボヌクレオタンパク質、などの50%阻害に必要な物質(例えば、化合物または薬物)の濃度を意味することが意図されている。
任意の化学化合物に関しては、本出願は、本化合物において起こる、原子の全ての同位体を含むことが意図されている。同位体としては、同じ原子番号を有するが、異なる質量数を有するそれらの原子が挙げられる。一般的な例としては、限定されないが、水素の同位体はトリチウムおよび重水素を含み、炭素の同位体はC−13およびC−14を含む。
置換基への結合が、環中の2つの原子を連結する結合を横切るように表されている場合、このような置換基は、環中の任意の原子に結合することができる。置換基が、原子を介して与えられた式の化合物の残りに結合しており、その原子を示さずに列挙される場合、このような置換基は、そのような置換基内の任意の原子を介して結合させることができる。置換基および/または変数の組み合わせは、そのような組み合わせにより安定な化合物が得られる場合にのみ許容される。
原子または化学部分が下付き文字の数値範囲を伴う場合(例えば、C1−6)、範囲内の各数字ならびに全ての中間範囲を含むことを意味する。例えば、「C1−6アルキル」は、1、2、3、4、5、6、1〜6、1〜5、1〜4、1〜3、1〜2、2〜6、2〜5、2〜4、2〜3、3〜6、3〜5、3〜4、4〜6、4〜5、および5−6個の炭素を有するアルキル基を含むことを意味する。
「アルキル」という用語は、分枝(例えば、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル)、直鎖、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル)の両方、およびシクロアルキル(例えば、脂環式)基(例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル)、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換アルキル基を含むことが意図されている。このような脂肪族炭化水素基は指定数の炭素原子を有する。例えば、C1−6アルキルは、C1、C2、C3、C4、C5、およびC6アルキル基を含むことが意図されている。本明細書で使用される場合、「低級アルキル」は、炭素鎖の主鎖中に1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。「アルキル」はさらに、1個または複数個の炭化水素主鎖炭素原子に置き換わる酸素、窒素、硫黄またはリン原子を有するアルキル基を含む。特定の実施形態では、直鎖または分枝鎖アルキルは、その主鎖内に6個以下の炭素原子(例えば、直鎖ではC1−C6、分枝鎖ではC3−C6)、例えば4個以下の炭素原子を有する。同様に、特定のシクロアルキルは、それらの環構造内に3〜8個の炭素原子を有し、例えば、環構造内に5または6個の炭素を有する。
「置換アルキル」という用語は、炭化水素主鎖の1個または複数個の炭素上の水素に置き換わる置換基を有するアルキル部分を意味する。このような置換基としては、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノなど)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドなど)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族部分もしくはヘテロ芳香族部分を挙げることができる。シクロアルキルはさらに、例えば、上記置換基で置換することができる。「アルキルアリール」または「アラルキル」部分はアリールで置換されたアルキルである(例えば、フェニルメチル(ベンジル))。別義が示されない限り、「アルキル」および「低級アルキル」という用語は、それぞれ、直鎖、分枝、環状、非置換、置換、および/またはヘテロ原子含有アルキルまたは低級アルキルを含む。
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの二重結合を含む、2〜約24個の炭素原子の直鎖、分枝または環状炭化水素基、例えば、エテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニル、イソブテニル、オクテニル、デセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、エイコセニル、テトラコセニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクテニル、などを意味する。一般に、これも必須ではないが、アルケニル基は2〜約18個の炭素原子、より具体的には2〜12個の炭素原子を含むことができる。「低級アルケニル」という用語は、2〜6個の炭素原子のアルケニル基を意味し、「シクロアルケニル」という特定の用語は、好ましくは5〜8個の炭素原子を有する環状アルケニル基を意味する。「置換アルケニル」という用語は、1個または複数個の置換基で置換されたアルケニルを示し、「ヘテロ原子含有アルケニル」および「ヘテロアルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置換された、アルケニルまたはヘテロシクロアルケニル(例えば、ヘテロシクロヘキセニル)を意味する。別義が示されない限り、「アルケニル」および「低級アルケニル」という用語は、それぞれ、直鎖、分枝、環状、非置換、置換、および/またはヘテロ原子含有アルケニルおよび低級アルケニルを意味する。
「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの三重結合を含む、2〜24個の炭素原子の直鎖または分枝炭化水素基、例えば、エチニル、n−プロピニル、などを意味する。一般に、これも必須ではないが、アルキニル基は2〜約18個の炭素原子を含むことができ、より具体的には2〜12個の炭素原子を含むことができる。「低級アルキニル」という用語は、2〜6個の炭素原子のアルキニル基を意味する。「置換アルキニル」という用語は、1個または複数個の置換基で置換されたアルキニルを意味し、「ヘテロ原子含有アルキニル」および「ヘテロアルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置換されたアルキニルを意味する。別義が示されない限り、「アルキニル」および「低級アルキニル」という用語は、それぞれ、直鎖、分枝、非置換、置換、および/またはヘテロ原子含有アルキニルおよび低級アルキニルを含む。
「アルキル」、「アルケニル」、および「アルキニル」という用語は、ジラジカルである、すなわち、2つの結合点を有する部分を含むことを意味する。ジラジカルであるこのようなアルキル部分の非限定的例は、−CH2CH2−、すなわち、各末端炭素原子を介して分子の残りに共有結合されるC2アルキル基である。
すなわち、「アルコキシ」基は、単一の末端エーテル結合を介して結合したアルキル基であり、−O−アルキルとして表すことができ、ここで、アルキルは上記で定義されている通りである。「低級アルコキシ」基は1〜6個の炭素原子を含むアルコキシ基を意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、t−ブチルオキシ、などが挙げられる。本明細書で「C1−C6アルコキシ」または「低級アルコキシ」として特定される好ましい置換基は1〜3個の炭素原子を含み、特に好ましいこのような置換基は1または2個の炭素原子を含む(すなわち、メトキシおよびエトキシ)。
「アリール」という用語は、単一の芳香環または、一緒に縮合され、直接結合され、または間接的に結合された(それにより、異なる芳香環が共通の基、例えば、メチレンまたはエチレン部分に結合される)複数の芳香環を含む芳香族置換基を意味する。アリール基は5〜20個の炭素原子を含むことができ、特に好ましいアリール基は、5〜14個の炭素原子を含むことができる。アリール基の例としては、ベンゼン、フェニル、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、およびピリミジン、などが挙げられる。さらに、「アリール」という用語は多環式アリール基、例えば、三環、二環、例えば、ナフタレン、ベンゾキサゾール、ベンゾジオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、メチレンジオキシフェニル、キノリン、イソキノリン、ナフチリジン、インドール、ベンゾフラン、プリン、ベンゾフラン、デアザプリン、またはインドリジンを含む。環構造内にヘテロ原子を有するそれらのアリール基はまた、「アリールヘテロ環」、「ヘテロ環」、「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」と呼ぶことができる。芳香環は、1つまたは複数の環位置で、上記の置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分で置換できる。アリール基はまた、脂環式環またはヘテロ環(芳香族ではない)と縮合または架橋して、多環系(例えば、テトラリン、メチレンジオキシフェニル)を形成することができる。別義が示されない限り、「アリール」という用語は、非置換、置換、および/またはヘテロ原子含有芳香族置換基を含む。
「アルカリル」という用語は、アルキル置換基を有するアリール基を意味し、「アラルキル」という用語は、アリール置換基を有するアルキル基を意味し、ここで、「アリール」および「アルキル」は上記で定義された通りである。代表的なアラルキル基は6〜24個の炭素原子を含み、特に好ましいアラルキル基は6〜16個の炭素原子を含む。アラルキル基の例としては、ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、4−フェニルシクロヘキシル、4−ベンジルシクロヘキシル、4−フェニルシクロヘキシルメチル,4−ベンジルシクロヘキシルメチル、などが挙げられるがこれらに限定されない。アルカリル基としては、例えば、p−メチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、p−シクロヘキシルフェニル、2,7−ジメチルナフチル、7−シクロオクチルナフチル、3−エチルシクロペンタ−1,4−ジエン、などが挙げられる。
「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環基」は閉環構造、例えば、3〜10員環、または4〜7員環を含み、これらは1個または複数個のヘテロ原子を含む。「ヘテロ原子」は、炭素または水素以外の任意の元素の原子を含む。ヘテロ原子の例としては、窒素、酸素、硫黄およびリンが挙げられる。
ヘテロシクリル基は飽和もしくは不飽和であってよく、ピロリジン、オキソラン、チオラン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ラクトン、ラクタム、例えば、アゼチジノンおよびピロリジノン、スルタム、およびスルトンが挙げられる。ピロールおよびフランなどのヘテロ環基は芳香族特性を有することができる。それらは、キノリンおよびイソキノリンなどの縮合環構造を含む。ヘテロ環基の他の例としては、ピリジンおよびプリンが挙げられる。ヘテロ環は1つまたは複数の位置で、上記の置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分で置換することができる。ヘテロ環基はまた、1個または複数個の構成原子の位置で、例えば、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキルアミノ、低級アルキルカルボキシル、ニトロ、ヒドロキシル、−CF3、または−CN、などで置換することができる。
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを意味する。「対イオン」は、小さな、負電荷を持つ種、例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、水酸化物、アセテート、およびスルフェートを表すために使用される。スルホキシドという用語は、2個の異なる炭素原子および1つの酸素に結合した硫黄を意味し、S−O結合は、二重結合を使って(S=O)で、電荷のない一重結合(S−O)で、または電荷のある一重結合[S(+)−O(−)]で図式的に表すことができる。
「置換アルキル」「置換アリール」などにおいて見られるような「置換」という用語は、前記定義のいくつかにおいて示唆されるように、アルキル、アリール、または他の部分において、炭素(または他の)原子に結合された少なくとも1つの水素原子が1つまたは複数の非水素置換基に置き換えられることを意味する。このような置換基の例としては、官能基、例えばハロ、ヒドロキシル、シリル、スルフヒドリル、C1−C24アルコキシ、C2−C24アルケニルオキシ、C2−C24アルキニルオキシ、C5−C20アリールオキシ、アシル(C2−C24アルキルカルボニル(−CO−アルキル)およびC6−C20アリールカルボニル(−CO−アリール)を含む)、アシルオキシ(−O−アシル)、C2−C24アルコキシカルボニル(−(CO)−O−アルキル)、C6−C20アリールオキシカルボニル(−(CO)−O−アリール)、C2−C24アルキルカルボナト(−O−(CO)−O−アルキル)、C6−C20アリールカルボナト(−O−(CO)−O−アリール)、カルボキシ(−COOH)、カルボキシラト(−COO−)、カルバモイル(−(CO)−NH2)、モノ−(C1−C24アルキル)置換カルバモイル(−(CO)−NH(C1−C24アルキル))、ジ−(C1−C4アルキル)置換カルバモイル(−(CO)−N(C1−C24アルキル)2)、モノ−置換アリールカルバモイル(−(CO)−NH−アリール)、チオカルバモイル(−(CS)−NH2)、カルバミド(−NH−(CO)−NH2)、シアノ(−CN)、イソシアノ(−N+C−)、シアナト(−O−CN)、イソシアナト(−ON+C−)、イソチオシアナト(−S−CN)、アジド(−N=N+=N−)、ホルミル(−(CO)−H)、チオホルミル(−(CS)−H)、アミノ(−NH2)、モノ−およびジ−(C1−C24アルキル)置換アミノ、モノ−およびジ−(C5−C20アリール)置換アミノ、C2−C24アルキルアミド(−NH−(CO)−アルキル)、C6−C20アリールアミド(−NH−(CO)−アリール)、イミノ(−CR=NH:R=水素、C1−C24アルキル、C5−C20アリール、C6−C24アルカリル、C6−C24アラルキルなど)、アルキルイミノ(−CR=N(アルキル):R=水素、アルキル、アリール、アルカリルなど)、アリールイミノ(−CR=N(アリール):R=水素、アルキル、アリール、アルカリルなど)、ニトロ(−NO2)、ニトロソ(−NO)、スルホ(−SO2−OH)、スルホナト(−SO2−O−)、C1−C24アルキルスルファニル(−S−アルキル;「アルキルチオ」とも呼ばれる)、アリールスルファニル(−S−アリール;「アリールチオ」とも呼ばれる)、C1−C24アルキルスルフィニル(−(SO)−アルキル)、C5−C20アリールスルフィニル(−(SO)−アリール)、C1−C24アルキルスルホニル(−SO2−アルキル)、C5−C20アリールスルホニル(−SO2−アリール)、ホスホノ(−P(O)(OH)2)、ホスホナト(−P(O)(O−)2)、ホスフィナト(−P(O)(O−))、ホスホ(−PO2)、およびホスフィノ(−PH2);ならびにヒドロカルビル部分C1−C24アルキル、C2−C24アルケニル、C2−C24アルキニル、C5−C20アリール、C6−C24アルカリル、およびC6−C24アラルキル、が挙げられるが、これらに限定されない。
加えて、前記官能基は、特定の基が許容する場合、さらに1個または複数個の追加の官能基または1個または複数個のヒドロカルビル部分、例えば、上記で具体的に列挙されたもので置換されてもよい。同様に、上記ヒドロカルビル部分はさらに、1個または複数個の官能基または追加のドロカルビル部分、例えば、具体的に列挙されたもので置換し得る。
「置換」という用語が実行可能な置換基のリストの前に現れた場合、その用語はその群の全てのメンバーに適用されることが意図されている。例えば、「置換アルキル、アルケニル、およびアリール」という語句は、「置換アルキル、置換アルケニル、および置換アリール」として解釈されるべきである。同様に、「ヘテロ原子含有」という用語が実行可能なヘテロ原子含有基のリストの前に現れた場合、その用語はその群の全てのメンバーに適用されることが意図されている。例えば、「ヘテロ原子含有アルキル、アルケニル、およびアリール」という語句は、「ヘテロ原子含有アルキル、置換アルケニル、および置換アリール」として解釈されるべきである。
「任意の」または「任意選択で」は、その後に記載される状況が起きても起こらなくてもよく、したがって、その記載はその状況が起きた場合および起きなかった場合を含む。例えば、「任意に置換されてもよい」という語句は、非水素置換基が所定の原子上に存在してもしなくてもよいことを意味し、したがって、その記載は非水素置換基が存在する構造および非水素置換基が存在しない構造を含む。
「安定な化合物」および「安定な構造」という用語は、単離、および必要に応じて、反応混合物からの精製、および効果的な治療薬への製剤化を生き残るのに十分頑強な化合物であることを示すことを意図している。
「遊離化合物」という用語は、非結合状態にある化合物を記載するために本明細書で使用される。
記載全体を通して、組成物が特定の構成成分を有する、含有する、または含むものとして記載される場合、組成物はまた、記載された構成成分から本質的になる、または、これらからなることが意図されている。同様に、方法またはプロセスが、特定のプロセスステップを有する、含有する、または含むとして記載される場合、プロセスはまた、記載されたプロセスステップから本質的になる、またはこれらからなる。さらに、ステップの順序またはある特定の作業を実施する順序は、本明細書で記載される組成物および方法が操作可能である限り重要でないことが理解されるべきである。さらに、2つ以上のステップまたは作業は同時に実施することができる。
「小分子」という用語は当該分野で認められている用語である。特定の実施形態では、この用語は、約2000amu未満、または約1000amu未満、さらには約500amu未満の分子量を有する分子を意味する。
本明細書で使用される全てのパーセンテージおよび比は、別段の指示がない限り、重量基準である。
「遺伝子発現」または「タンパク質発現」という用語は、試料中に存在する遺伝子転写物またはタンパク質の量に関する任意の情報、ならびに遺伝子またはタンパク質が産生され、または蓄積し、または分解される速度についての情報(例えば、レポーター遺伝子データ、核ランオフ実験からのデータ、パルスチェイスデータなど)を含む。特定の種類のデータは、遺伝子およびタンパク質発現の両方と関連すると見なすことができよう。例えば、細胞中のタンパク質レベルは、タンパク質のレベルならびに転写のレベルを反映し、このようなデータは、「遺伝子またはタンパク質発現情報」という語句に含まれることが意図されている。このような情報は、単位のない測定値で表された、細胞当たりの量、対照遺伝子またはタンパク質に対する量などの形態で与えることができ;「情報」という用語は、表現のいずれかの特定の表現手段に限定されず、関連情報を提供する任意の表現を意味することが意図されている。「発現レベル」という用語は、データが遺伝子転写物蓄積またはタンパク質蓄積またはタンパク質合成速度、などに関連するものであるかどうかに関係なく、遺伝子またはタンパク質発現データに反映される、またはこれから誘導することができる量を意味する。
「健康な」および「正常な」という用語は、疾患状態のない(少なくとも検出限界以下の)対象または特定の細胞もしくは組織を意味するものであり、本明細書では互換的に使用される。
「核酸」という用語は、ポリヌクレオチド、例えば、デオキシリボ核酸(DNA)、該当する場合には、リボ核酸(RNA)を意味する。この用語はまた、ヌクレオチド類似体から作製されたRNAまたはDNAのいずれかの類似体、および、記載されている実施形態に適用可能な場合には、一本鎖(例えば、センスまたはアンチセンス)および二本鎖ポリヌクレオチドを含むと理解されるべきである。いくつかの実施形態では、「核酸」は、阻害核酸を意味する。阻害核酸化合物のいくつかのカテゴリには、アンチセンス核酸、RNAi構築物、および触媒核酸構築物が含まれる。このような核酸のカテゴリは当技術分野でよく知られている。
本明細書で記載の実施形態は、線維症および種々の線維性疾患、障害または状態の処置および/または予防のための組成物および方法に関する。下記の実施例で記載のように、15−PGDH阻害剤などの短鎖デヒドロゲナーゼ活性の阻害剤は、それを必要としている対象に投与することによって、コラーゲン沈着、炎症性サイトカイン発現、および炎症細胞浸潤などの線維症の症状を低減し、種々の線維性疾患、障害、および状態を処置および/または予防することができることが明らかになった。
いくつかの実施形態では、線維性疾患、障害または状態を処置または予防方法は、線維性疾患、障害もしくは状態または他の関連疾患、障害もしくは状態の少なくとも1種の症状または特徴の、強度、重症度、もしくは頻度が低減される、または発症が遅らされるように、治療有効量の15−PGDH阻害剤をそれを必要としている対象に投与することを含む。
15−PGDH阻害剤は、例えば、15−PGDHの発現を阻害するまたは、15−PGDHに結合して、部分的にまたは全体として刺激をブロックする、活性化を減少させる、防止する、遅延させる、不活性化する、脱感作する、または15−PGDHの活性を下方制御する作用物質、例えば、アンタゴニストである。本明細書で記載される15−PGDH阻害剤は、組織中のプロスタグランジンレベルを上昇させるための薬理学的方法を提供することができる。
本明細書で使用される場合、「線維性」疾患、障害、または状態という用語は、全体または一部において、細胞外マトリックス内での繊維状物質の過剰産生、または異常な、非機能性の、および/または過剰に蓄積したマトリックス結合成分による正常組織成分の置換を含む線維状物質の過剰産生を特徴とする疾患、障害、または状態を含む。線維性疾患、障害、または状態には、線維形成に関連付けられた生物学または病理学が明確な急性および慢性の臨床症状または無症候性症状を含めることができる。
線維性疾患、障害および状態の例には、全身性硬化症、結合組織増殖症候群、腎性全身性線維症、強皮症(モルフェア、全身性斑状強皮症、または線状強皮症を含む)、強皮症性移植片対宿主病、腎線維症(糸球体硬化症、尿細管間質線維症、進行性腎疾患または糖尿病性腎症を含む)、心臓線維症(例えば、心筋線維症)、肺線維症(例えば、肺線維症、糸球体硬化症肺線維症、特発性肺胞線維症、珪肺症、石綿肺、間質性肺疾患、間質性線維性肺疾患、および化学療法剤/放射線誘発肺線維症)、口腔線維症、心内膜心筋線維症、三角筋線維症、膵炎、炎症性腸疾患、クローン病、結節性筋膜炎、好酸球性筋膜炎、種々の量の繊維組織による正常筋組織の置換を特徴とする先天性外眼筋線維症、後腹膜線維症、肝線維症、肝硬変、慢性腎不全、骨髄線維症(myelofibrosis)(骨髄線維症(bone marrow fibrosis))、薬剤誘導麦角病、骨髄異形成症候群、骨髄増殖症候群、婦人科癌、カポジ肉腫、ハンセン病、コラーゲン大腸炎、急性線維症、臓器特異的線維症などが挙げられる。
臓器特異的線維性障害の例には、肺線維症、肺高血圧症、嚢胞性線維症、喘息、慢性閉塞性肺疾患、肝線維症、腎線維症,NASH、などが挙げられるが、これらに限定されない。多くの線維性疾患、障害または状態は、罹患組織中に細胞外マトリックスの無秩序化および/または増大した沈着を有する。線維症は、根底にある疾患の症状として発生する、および/または外科手術または創傷治癒過程が原因の炎症が伴う場合がある。線維症を野放しの状態にしておくと、通常瘢痕化と呼ばれる、根底にある臓器または組織の構造の破壊が生ずる可能性がある。
いくつかの実施形態では、15−PGDH阻害剤は、肺線維症を処置または予防するために使用できる。肺線維症は、肺線維症、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、特発性肺胞線維症、サルコイドーシス、嚢胞性繊維症、家族性肺線維症、珪肺症、石綿肺、炭坑夫塵肺、炭素塵肺、過敏性肺炎、無機粉塵の吸入が原因の肺線維症、感染病原体により引き起こされる肺線維症、有害ガス、エアロゾル、化学粉塵、ヒュームまたは蒸気の吸入が原因の肺線維症、薬剤誘発性間質性肺疾患、または肺高血圧症、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。
肺線維症は、線維芽細胞増殖、細胞外マトリックスの過剰蓄積、および異常肺胞構造を伴う肺組織の進行性瘢痕化を特徴とする。肥厚化および堅化組織は、肺が適正に機能するのを困難にし、息切れなどの呼吸障害を生じ、最終的に死に至る場合がある。肺線維症は、急性肺損傷、ウイルス感染、毒素への暴露、放射線、慢性疾患、薬物が原因となる場合、または特発性(すなわち、根底にある原因が不明)の場合がある。
特発性肺線維症の古典的所見は、肺表面の外膜に隣接した位置で、多くの場合肺底にある小気泡(肺胞内嚢胞として知られる)を有するびまん性の肺周辺部瘢痕化を示す。特発性肺線維症は、ゆっくりと、執拗に進行する場合が多い。早い段階で、患者は、乾いた原因不明の咳を訴える場合が多い。その後、息切れ(呼吸困難)が始まり、次第に活動が低下することに端を発し、時間と共に悪化する。最終的に、息切れは重度になり、全ての活動を制限し、座っているときでさえ起こるようになる。より希な症例では、線維症は、病気の発症の数週間から数ヶ月で呼吸困難および能力障害の発生を伴って、急速に進行する場合がある。このタイプの肺線維症は、ハンマン・リッチ症候群と呼ばれている。
肺高血圧症は、肺動脈、肺静脈、および/または肺毛細血管を含む肺血管系の血圧の増加を特徴とする。異常に高い血圧は、心臓右心室を歪ませ、拡張させる。時間と共に、右心室は十分な血液を肺に送る能力を弱め、失い、心不全の発生に繋がることがある。肺高血圧症は、慢性肝疾患および肝硬変;強皮症または全身性エリテマトーデス(ループス)などのリウマチ性疾患;および腫瘍、肺気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、および肺線維症を含む肺疾患などの他の医学的状態の結果として発生し得る。肺線維症は、肺血管系の狭小化に繋がり、肺高血圧症を生じることがある。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、慢性気管支炎または肺気腫に付随することがよくある一般的肺疾患である。症状は、多くの場合、咳、粘液蓄積、疲労、喘鳴、および呼吸器感染症を含む。
慢性気管支炎および肺気腫は、気道が狭くなる肺の疾患である。これは、肺を出入りする空気流の制限に繋がり、息切れ(呼吸困難)を引き起こす。診療では、COPDは、肺機能試験でのその特徴的な低い空気流により定義される。
大気道における肺損傷および炎症は、慢性気管支炎を生ずる。肺の気道における、慢性気管支炎の顕著な特徴は、気道の杯細胞および粘液腺の数の増加(過形成)および寸法の増大(肥大)である。その結果、気道中に通常より多くの粘液が存在し、気道の狭小化に関与し、喀痰を伴う咳を引き起こす。顕微鏡的には、炎症細胞による気管壁の浸潤が存在する。炎症の後に、瘢痕化およびリモデリングが続いて起こり、壁を肥厚化し、この場合も気道の狭小化をもたらす。慢性気管支炎が進行するに伴い、扁平上皮異形成(気道内側組織膜の異常な変化)および線維症(気管壁のさらなる肥厚化および瘢痕化)が生ずる。これらの変化の結果は、空気流の制限と呼吸困難である。
喘息は、気道の炎症と狭窄を特徴とする慢性肺疾患である。喘息は、喘鳴の周期的反復、胸部圧迫感、息切れ、および咳を引き起こす。粘液の膨潤および過剰産生は、さらなる気道狭窄および症状の悪化をもたらし得る。喘息でマトリックスの分解が増加し、これが喘息の気道の機械的な変化の一因となり得るという証拠がある(Roberts et al(1995)Chest 107:111S−117S、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。細胞外マトリックス分解の処置は、喘息の症状を緩和し得る。
嚢胞性線維症は、塩化物イオンおよびナトリウムの上皮全域にわたる異常な輸送により、肺、膵臓、肝臓、腸および生殖器官で濃厚で粘稠な分泌物を生ずることを特徴とする劣性多臓器遺伝病である。嚢胞性線維症は、タンパク質嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)遺伝子の変異によりもたらされる。肺疾患は、粘液堆積、粘液線毛クリアランスの減少、および結果として生じる炎症による気道の閉塞に起因し、これが、肺に対する線維化損傷および構造変化を引き起こし得る。線維化肺損傷は、時間と共に進行し、一部の嚢胞性線維症患者は肺移植が必要となる。
嚢胞性線維症を患っている対象の一般的症状としては、濃厚粘液の蓄積、大量痰生成、高頻度胸部感染、高頻度の咳、高頻度の息切れ、炎症、運動能力の低下、肺および血脈とうの日和見感染(限定されないが、黄色ブドウ球菌、インフルエンザ菌、マイコバクテリウム・アビウム、および緑膿菌)、肺炎、結核、気管支拡張症、喀血、肺高血圧症(およびその結果としての心不全)、低酸素症、呼吸不全、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、副鼻腔中の粘液、副鼻腔炎、顔面痛、発熱、過度の鼻漏、鼻ポリープの発症、心肺合併症、CF関連糖尿病、直腸脱、膵炎、吸収不良、腸閉塞、膵外分泌不全、胆管閉塞、および肝硬変が挙げられるが、これらに限定されない。
他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は、手術後癒着形成が原因の線維性疾患、障害または状態を処置または予防するために使用できる。手術後癒着形成は、手術の一般的合併症である。機械的損傷、虚血、および感染症からの癒着の形成は、手術後の罹患率および死亡率を高め得る。正確な外科手術は、癒着形成の程度を低減できるが、癒着が避けられることはめったになく、効果的な補助的療法が必要である。本方法による線維症の低減は、手術の疼痛、障害およびその他の合併症を減らし、治癒および回復を促進するであろう。
哺乳動物組織の創傷(すなわち、裂傷、開口部)は、創傷面での組織破壊および微小血管系の凝固を生じる。このような組織の修復は、損傷に対する順序正しく制御された細胞応答を意味する。軟組織創傷は、寸法に関係なく、同様に治癒する。組織増殖および修復は、酸素勾配の存在下で細胞増殖および血管新生が起こる生物学的システムである。組織修復中に発生する形態学的および構造上の逐次変化は、詳細に特徴付けられてきており、いくつかの事例では、定量化されている(例えば、Hunt,T.K.,et al.,”Coagulation and macrophage stimulation of angiogenesis and wound healing,” in The Surgical Wound,pp.1−18,ed.F.Dineen & G.Hildrick−Smith(Lea & Febiger,Philadelphia:1981)を参照されたい)。細胞形態は、3種の別々のゾーンからなる。中心部の無血管性創傷領域は酸素が欠乏し、アシドーシス性および過炭酸性であり、高い乳酸塩レベルを有する。創傷領域に隣接するのは、局所貧血(虚血)の勾配領域であり、ここには、分裂している線維芽細胞が集合している。この主要領域の背後にあるのは、成熟線維芽細胞および多数の新しく形成された毛細管(すなわち、血管新生)を特徴とする、活発なコラーゲン合成の領域である。米国特許第5,015,629号および同7,022,675号(それぞれ参照により本明細書に組み込まれる)は、創傷修復速度を高める方法および組成物を開示している。
いくつかの実施形態では、15−PGDH阻害剤は、処置を必要としている対象へ投与することにより対象の瘢痕形成を減らすまたは予防するために使用できる。瘢痕形成は治癒過程の自然な一部である。創傷中の無秩序なコラーゲン合成および沈着は、過剰に分厚い、または盛り上がった瘢痕形成を生じる場合がある。通常、創傷が大きくなればなるほど、治癒するのに長時間を要し、問題がある瘢痕形成の確率がより大きくなる。
他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は、皮膚上の瘢痕形成または強皮症を低減させるまたは予防するために使用できる。皮膚上の瘢痕にはいくつかの種類がある。肥厚性瘢痕は、盛り上がった、元の損傷の境界内のピンク色がかった赤色の領域である。それらは、かゆみで表現されることが多い。いくつかの事例では、肥厚性瘢痕は、自然に収縮し、消える。ケロイドは、盛り上がった、深紅色領域で、元の損傷領域より遥かに大きい領域を覆う傾向がある。外科的に除去した場合でも、ケロイドは再発しがちである。萎縮性瘢痕は、皮膚のくぼみで、重度のにきびから生じることがあるものに似ている。それらは、再構築過程中にコラーゲンを破壊し、陥凹部を残す炎症に起因する。
いくつかの実施形態では、15−PGDH阻害剤は、全身性硬化症を処置または予防するために使用できる。全身性硬化症は、微小血管系の変質、免疫系の障害ならびに結合組織でのコラーゲンおよび他のマトリックス物質の大量沈着を特徴とする全身性の結合組織疾患である。全身性硬化症は、皮膚および胃腸管、肺、心臓および腎臓などの内臓の結合組織に影響を与える臨床的に不均一な全身性障害である。全身性硬化症から生じた線維症の軽減は、罹患組織における症状を緩和および/またはさらなる合併症を防止し得る。
他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は、肝線維症を処置または予防するために使用できる。肝線維症は、慢性肝疾患、ウイルス誘発肝硬変、B型肝炎ウイルス感染症、C型肝炎ウイルス感染症、D型肝炎ウイルス感染症、住血吸虫症、原発性胆汁性肝硬変、アルコール性肝疾患または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、NASH関連肝硬変肥満症、糖尿病、タンパク栄養不良、冠動脈疾患、自己免疫性肝炎、嚢胞性線維症、α1−アンチトリプシン欠損症、原発性胆汁性肝硬変、薬物反応および毒素への曝露が原因となる場合がある。
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、一般的肝臓疾患である。それは、アルコール性肝疾患に似ているが、ほとんどまたはまったく飲酒しない人に発生する。NASHの主な特徴は、炎症および損傷に加えて、肝臓中の脂肪である。それにもかかわらず、NASHは重篤になり、肝硬変に至る場合がある。肝硬変では、肝臓が永久損傷を受けて瘢痕を残し、もはや適切に機能できない。
NASHは通常、ほとんどまたは全く症状のない、無症状疾患である。患者は通常、初期段階では体調が良く、疾患が更に進行するかまたは肝硬変が発症すると、疲労、体重減少および脱力感などの症状が出始めるだけである。NASHの進行は数年かかり、数十年かかることもある。過程は停止する場合もあり、いくつかの事例では、特別な治療をしないでも自然に回復し始めることさえある。または、NASHはゆっくり悪化し、瘢痕化または線維症を出現させ、肝臓中に蓄積させる。線維症が悪化するに伴い肝硬変が発症し、肝臓は、深刻な瘢痕が残り、硬化し、正常に機能できなくなる。NASHの全ての人が肝硬変を発症するわけではないが、一旦、深刻な瘢痕化または肝硬変が存在すると、ほとんどの処置は、進行を止めることができない。肝硬変の人は、体液貯留、筋消耗、腸からの出血、および肝不全を経験する。肝移植は、肝不全を伴う進行した肝硬変に対する唯一の処置であり、NASHの人に対する移植の実施が次第に増加している。NASHは、C型肝炎およびアルコール性肝疾患に続く、米国における肝硬変の主要な原因の1つとして位置づけられている。
いくつかの実施形態では、15−PGDH阻害剤は、腎線維症を処置または予防するために使用できる。腎線維症は、腎不全後の透析、カテーテル留置、腎症、糸球体硬化症、糸球体腎炎、慢性腎不全、急性腎損傷、末期腎疾患または腎不全が原因となる場合がある。
腎(腎臓)線維症は、腎臓における繊維状結合組織の過剰形成から生じる。腎線維症は、大きな罹患率および死亡率の原因となり、結果として透析または腎臓移植が必要となる。線維症は、腎臓の機能単位であるネフロンの濾過または再吸収性要素中で発生し得る。多くの要因、特に、糸球体濾過の自己調節に必要な生理機能の障害が腎臓瘢痕化の一因となる場合がある。これは、次に、蓄積細胞外マトリックスによる正常な構造体の置換に繋がる。個々の細胞の生理機能の一連の変化は、細胞外マトリックス合成と、瘢痕化を促進する分解との間の均衡を変えるように刺激する多数のペプチドおよび非ペプチドフィブロゲンの産生に繋がる。
いくつかの実施形態では、組織、臓器の線維症の症状は、炎症を含む場合がある。これらの実施形態では、15−PGDH阻害剤を必要としている対象へ投与するその阻害剤の治療有効量は、組織または臓器中の炎症細胞数を減らすまたは減少するのに効果的な量とすることができる。当該試料は、炎症細胞数の減少または削減を測定する対象から得ることができる。非制限的実施形態では、有益な効果は、嚢胞性線維症の対象由来の気管支肺胞洗浄液中の好中球数の減少を実証することにより評価してよい。CF患者の気道中への好中球の過剰動員は、CFにおける肺疾患重症度の重要な予測因子であり、したがって、重要な治療標的である。このような細胞数を測定する方法は、当該技術分野においてよく知られており、非限定例としてFACS技術が挙げられる。いくつかの実施形態では、方法は、対照に比較して、対象由来の気管支肺胞洗浄液中の好中球細胞数を減らすことを含んでよい。15−PGDH阻害剤で処置されていない嚢胞性線維症対象などの任意の好適な対照を比較のために使用可能である。いくつかの実施形態では、好中球数などの炎症細胞数の減少は、対象に対する臨床的有用性を提供する。種々の実施形態では、炎症細胞数の減少は、対照に比べて、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、50%、またはそれ超である。
別の実施形態では、15−PGDH阻害剤の有益な効果は、対象由来の当該試料中の1種または複数の炎症性バイオマーカーの減少により評価されてよい。種々の非限定的実施形態では、炎症性バイオマーカーは、線維症に関連する1種または複数のサイトカインまたは炎症性サイトカインを含んでいても、またはそれらからなってよい。このようなサイトカインには、例えば、気管支肺胞洗浄液中のIL1β、MIP2(例えば、CCL3またはCCL4)、IFNδ、TGFβ、TNFα、IL−6、MCP−1、IL2、およびIL−10を挙げることができる。このようなバイオマーカーの量を測定する方法は、当該技術分野においてよく知られており、非限定例としてELISA法が挙げられる。したがって、この実施形態では、方法は、対照に比較して、対象由来の使用中の1種または複数の炎症性バイオマーカーの量を減らすことをさらに含んでよい。
他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は、対象の組織または肺、肝臓、皮膚または心臓などの臓器中のコラーゲン分泌、またはコラーゲン沈着を低減するまたはこれらを減らすための方法に使用できる。方法は、治療有効量の15−PGDH阻害剤をそれを必要としている対象に投与することを含み得る。対象は、腎臓、肺、肝臓、腸、結腸、皮膚または心臓などの組織または臓器における過度のコラーゲン分泌またはコラーゲン沈着の危険があり得る。通常、臓器中の過度のコラーゲン分泌またはコラーゲン沈着は、損傷または侵襲が原因である。このような損傷および侵襲は、臓器特異的である。15−PGDH阻害剤は、組織または臓器中のコラーゲン沈着のレベルが完全にまたは部分的に低減するまたはそれを減らすのに十分な時間にわたり投与できる。十分な時間は、1週間、または1週間〜1ヶ月間、または1〜2ヶ月間、または2ヶ月間以上とすることができる。慢性状態に対しては、15−PGDH阻害剤は、好都合にも、終生にわたり投与し得る。
線維性疾患、障害または状態を処置するために、および/またはコラーゲン沈着を減らすために使用される15−PGDH阻害剤は、阻害剤候補化合物が、15−PGDHを発現する細胞に適用され、その後、15−PGDH活性に対する機能的効果が決定されるアッセイを用いて特定することができる。潜在的阻害剤で処理される15−PGDHを含む試料またはアッセイは、阻害剤を含まない対照試料と比較され、効果の程度が確認される。対照試料(モジュレーターによる処理のない)には、100%の相対15−PGDH活性値が割り当てられる。対照に対する15−PGDH活性値が約80%、場合により、50%または25%、10%、5%または1%であると、15−PGDHの阻害が達成される。
SCD(例えば、15−PGDH)の阻害剤として試験される作用物質は任意の小化学分子または化合物であってよい。典型的には、試験化合物は小化学分子、天然物、またはペプチドである。アッセイは、アッセイステップを自動化し、任意の好都合な起源由来の化合物をアッセイに供することにより大きな化合物ライブラリーをスクリーニングするように設計され、これらは、典型的には並行して実行される(例えば、ロボットアッセイにおけるマイクロタイタープレート上でのマイクロタイターフォーマットで)。
いくつかの実施形態では、15−PGDH阻害剤は次式(I):
[式中、
nは、0〜2であり、
Y1、Y2、およびR1は、同じまたは異なり、それぞれは、水素、置換または非置換C1−C24アルキル、C2−C24アルケニル、C2−C24アルキニル、C3−C20アリール、ヘテロアリール、5〜6個の環原子(この内、1〜3個の環原子は、N、NH、N(C1−C6アルキル)、NC(O)(C1−C6アルキル)、O、およびSから独立に選択される)を含むヘテロシクロアルケニル、C6−C24アルカリル、C6−C24アラルキル、ハロ、−Si(C1−C3アルキル)3、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C1−C24アルコキシ、C2−C24アルケニルオキシ、C2−C24アルキニルオキシ、C5−C20アリールオキシ、アシル(C2−C24アルキルカルボニル(−CO−アルキル)およびC6−C20アリールカルボニル(−CO−アリール)を含む)、アシルオキシ(−O−アシル)、C2−C24アルコキシカルボニル(−(CO)−O−アルキル)、C6−C20アリールオキシカルボニル(−(CO)−O−アリール)、C2−C24アルキルカルボナト(−O−(CO)−O−アルキル)、C6−C20アリールカルボナト(−O−(CO)−O−アリール)、カルボキシ(−COOH)、カルボキシラト(−COO−)、カルバモイル(−(CO)−NH2)、C1−C24アルキルカルバモイル(−(CO)−NH(C1−C24アルキル))、アリールカルバモイル(−(CO)−NH−アリール)、チオカルバモイル(−(CS)−NH2)、カルバミド(−NH−(CO)−NH2)、シアノ(−CN)、イソシアノ(−N+C−)、シアナト(−O−CN)、イソシアナト(−O−N+=C−)、イソチオシアナト(−S−CN)、アジド(−N=N+=N−)、ホルミル(−(CO)−H)、チオホルミル(−(CS)−H)、アミノ(−NH2)、C1−C24アルキルアミノ、C5−C20アリールアミノ、C2−C24アルキルアミド(−NH−(CO)−アルキル)、C6−C20アリールアミド(−NH−(CO)−アリール)、イミノ(−CR=NH:Rは水素、C1−C24アルキル、C5−C20アリール、C6−C24アルカリル、C6−C24アラルキルなど)、アルキルイミノ(−CR=N(アルキル):R=水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキルなど)、アリールイミノ(−CR=N(アリール):R=水素、アルキル、アリール、アルカリルなど)、ニトロ(−NO2)、ニトロソ(−NO)、スルフォ(−SO2−OH)、スルホナト(−SO2−O−)、C1−C24アルキルスルファニル(−S−アルキル;「アルキルチオ」とも呼ばれる)、アリールスルファニル(−S−アリール;「アリールチオ」とも呼ばれる)、C1−C24アルキルスルフィニル(−(SO)−アルキル)、C5−C20アリールスルフィニル(−(SO)−アリール)、C1−C24アルキルスルホニル(−SO2−アルキル)、C5−C20アリールスルホニル(−SO2−アリール)、スルホンアミド(−SO2−NH2、−SO2NY2(Yは独立にH、アリールまたはアルキルである)、ホスホノ(−P(O)(OH)2)、ホスホナト(−P(O)(O−)2)、ホスフィナト(−P(O)(O−))、ホスフォ(−PO2)、ホスフィノ(−PH2)、ポリアルキルエーテル、ホスフェート、ホスフェートエステル、生理的なpHで正電荷または負電荷を持つと予測されるアミノ酸またはその他の部分を組み込んだ基、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、Y1およびY2は、連結されて単環または多環を形成してよく、該環は置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換シクロアルキル、および置換または非置換ヘテロシクリルであり;
U1は、N、C−R2、またはC−NR3R4であり、R2は、H、低級アルキル基、O、(CH2)n1OR’(n1=1、2、または3)、CF3、CH2−CH2X、O−CH2−CH2X、CH2−CH2−CH2X、O−CH2−CH2X、X、(X=H、F、Cl、Br、またはI)、CN、(C=O)−R’、(C=O)N(R’)2、O(CO)R’、COOR’(R’は、Hまたは低級アルキル基である)からなる群から選択され、R1およびR2は、連結されて単環または多環を形成してよく、R3およびR4は、同じまたは異なり、それぞれH、低級アルキル基、O、(CH2)n1OR’(n1=1、2、または3)、CF3、CH2−CH2X、CH2−CH2−CH2X、(X=H、F、Cl、Br、またはI)、CN、(C=O)−R’、(C=O)N(R’)2、COOR’(R’は、Hまたは低級アルキル基である)からなる群より選択され、また、R3またはR4は存在しなくてもよく;
X1およびX2は、独立にNまたはCであり、X1および/またはX2がNの場合、Y1および/またはY2は、それぞれ存在せず;
Z1は、O、S、CRaRbまたはNRaであり、RaおよびRbは独立に、HまたはC1−8アルキルであり、このアルキルは直鎖、分枝、または環式であり、これは非置換であるかまたは置換されている]を有する化合物および薬学的に許容可能なそれらの塩を含むことができる。
式(I)を有する15−PGDH阻害剤の例としては、次の化合物:
および薬学的に許容可能なそれらの塩が挙げられる。
他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は次式(II):
[式中、
nは、0〜2であり、
X4、X5、X6、およびX7は、独立にNまたはCRCであり、
R1、R6、R7、およびRCは、水素、置換または非置換C1−C24アルキル、C2−C24アルケニル、C2−C24アルキニル、C3−C20アリール、ヘテロアリール、5〜6個の環原子(この内、1〜3個の環原子は、N、NH、N(C1−C6アルキル)、NC(O)(C1−C6アルキル)、O、およびSから独立に選択される)を含むヘテロシクロアルケニル、C6−C24アルカリル、C6−C24アラルキル、ハロ、−Si(C1−C3アルキル)3、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C1−C24アルコキシ、C2−C24アルケニルオキシ、C2−C24アルキニルオキシ、C5−C20アリールオキシ、アシル(C2−C24アルキルカルボニル(−CO−アルキル)およびC6−C20アリールカルボニル(−CO−アリール)を含む)、アシルオキシ(−O−アシル)、C2−C24アルコキシカルボニル(−(CO)−O−アルキル)、C6−C20アリールオキシカルボニル(−(CO)−O−アリール)、C2−C24アルキルカルボナト(−O−(CO)−O−アルキル)、C6−C20アリールカルボナト(−O−(CO)−O−アリール)、カルボキシ(−COOH)、カルボキシラト(−COO−)、カルバモイル(−(CO)−NH2)、C1−C24アルキルカルバモイル(−(CO)−NH(C1−C24アルキル))、アリールカルバモイル(−(CO)−NH−アリール)、チオカルバモイル(−(CS)−NH2)、カルバミド(−NH−(CO)−NH2)、シアノ(−CN)、イソシアノ(−N+C−)、シアナト(−O−CN)、イソシアナト(−O−N+=C−)、イソチオシアナト(−S−CN)、アジド(−N=N+=N−)、ホルミル(−(CO)−H)、チオホルミル(−(CS)−H)、アミノ(−NH2)、C1−C24アルキルアミノ、C5−C20アリールアミノ、C2−C24アルキルアミド(−NH−(CO)−アルキル)、C6−C20アリールアミド(−NH−(CO)−アリール)、イミノ(−CR=NH:Rは水素、C1−C24アルキル、C5−C20アリール、C6−C24アルカリル、C6−C24アラルキルなど)、アルキルイミノ(−CR=N(アルキル):R=水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキルなど)、アリールイミノ(−CR=N(アリール):R=水素、アルキル、アリール、アルカリルなど)、ニトロ(−NO2)、ニトロソ(−NO)、スルフォ(−SO2−OH)、スルホナト(−SO2−O−)、C1−C24アルキルスルファニル(−S−アルキル;「アルキルチオ」とも呼ばれる)、アリールスルファニル(−S−アリール;「アリールチオ」とも呼ばれる)、C1−C24アルキルスルフィニル(−(SO)−アルキル)、C5−C20アリールスルフィニル(−(SO)−アリール)、C1−C24アルキルスルホニル(−SO2−アルキル)、C5−C20アリールスルホニル(−SO2−アリール)、スルホンアミド(−SO2−NH2、−SO2NY2(Yは独立にH、アリールまたはアルキルである)、ホスホノ(−P(O)(OH)2)、ホスホナト(−P(O)(O−)2)、ホスフィナト(−P(O)(O−))、ホスフォ(−PO2)、ホスフィノ(−PH2)、ポリアルキルエーテル、ホスフェート、ホスフェートエステル、生理的なpHで正電荷または負電荷を持つと予測されるアミノ酸またはその他の部分を組み込んだ基、およびこれらの組み合わせからなる群からそれぞれ独立に選択され、R6およびR7は、連結されて単環または多環を形成してよく、該環は置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換シクロアルキル、および置換または非置換ヘテロシクリルであり;
U1は、N、C−R2、またはC−NR3R4であり、R2は、H、低級アルキル基、O、(CH2)n1OR’(n1=1、2、または3)、CF3、CH2−CH2X、O−CH2−CH2X、CH2−CH2−CH2X、O−CH2−CH2X、X、(X=H、F、Cl、Br、またはI)、CN、(C=O)−R’、(C=O)N(R’)2、O(CO)R’、COOR’(R’は、Hまたは低級アルキル基である)からなる群から選択され、R1およびR2は、連結されて単環または多環を形成してよく、R3およびR4は、同じまたは異なり、それぞれH、低級アルキル基、O、(CH2)n1OR’(n1=1、2、または3)、CF3、CH2−CH2X、CH2−CH2−CH2X、(X=H、F、Cl、Br、またはI)、CN、(C=O)−R’、(C=O)N(R’)2、COOR’(R’は、Hまたは低級アルキル基である)からなる群より選択され、また、R3またはR4は存在しなくてもよく;
Z1は、O、S、CRaRbまたはNRaであり、RaおよびRbは独立に、HまたはC1−8アルキルであり、このアルキルは直鎖、分枝、または環式であり、これは非置換であるかまたは置換されている]を有する化合物および薬学的に許容可能なそれらの塩を含むことができる。
式(II)を有する15−PGDH阻害剤の例としては、次の化合物:
および薬学的に許容可能なそれらの塩が挙げられる。
さらに他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は次式(III)または(IV):
[式中、
nは、0〜2であり、
X6は、独立にNまたはCRCであり、
R1、R6、R7、およびRCは、水素、置換または非置換C1−C24アルキル、C2−C24アルケニル、C2−C24アルキニル、C3−C20アリール、ヘテロアリール、5〜6個の環原子(この内、1〜3個の環原子は、N、NH、N(C1−C6アルキル)、NC(O)(C1−C6アルキル)、O、およびSから独立に選択される)を含むヘテロシクロアルケニル、C6−C24アルカリル、C6−C24アラルキル、ハロ、−Si(C1−C3アルキル)3、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C1−C24アルコキシ、C2−C24アルケニルオキシ、C2−C24アルキニルオキシ、C5−C20アリールオキシ、アシル(C2−C24アルキルカルボニル(−CO−アルキル)およびC6−C20アリールカルボニル(−CO−アリール)を含む)、アシルオキシ(−O−アシル)、C2−C24アルコキシカルボニル(−(CO)−O−アルキル)、C6−C20アリールオキシカルボニル(−(CO)−O−アリール)、C2−C24アルキルカルボナト(−O−(CO)−O−アルキル)、C6−C20アリールカルボナト(−O−(CO)−O−アリール)、カルボキシ(−COOH)、カルボキシラト(−COO−)、カルバモイル(−(CO)−NH2)、C1−C24アルキルカルバモイル(−(CO)−NH(C1−C24アルキル))、アリールカルバモイル(−(CO)−NH−アリール)、チオカルバモイル(−(CS)−NH2)、カルバミド(−NH−(CO)−NH2)、シアノ(−CN)、イソシアノ(−N+C−)、シアナト(−O−CN)、イソシアナト(−O−N+=C−)、イソチオシアナト(−S−CN)、アジド(−N=N+=N−)、ホルミル(−(CO)−H)、チオホルミル(−(CS)−H)、アミノ(−NH2)、C1−C24アルキルアミノ、C5−C20アリールアミノ、C2−C24アルキルアミド(−NH−(CO)−アルキル)、C6−C20アリールアミド(−NH−(CO)−アリール)、イミノ(−CR=NH:Rは水素、C1−C24アルキル、C5−C20アリール、C6−C24アルカリル、C6−C24アラルキルなど)、アルキルイミノ(−CR=N(アルキル):R=水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキルなど)、アリールイミノ(−CR=N(アリール):R=水素、アルキル、アリール、アルカリルなど)、ニトロ(−NO2)、ニトロソ(−NO)、スルフォ(−SO2−OH)、スルホナト(−SO2−O−)、C1−C24アルキルスルファニル(−S−アルキル;「アルキルチオ」とも呼ばれる)、アリールスルファニル(−S−アリール;「アリールチオ」とも呼ばれる)、C1−C24アルキルスルフィニル(−(SO)−アルキル)、C5−C20アリールスルフィニル(−(SO)−アリール)、C1−C24アルキルスルホニル(−SO2−アルキル)、C5−C20アリールスルホニル(−SO2−アリール)、スルホンアミド(−SO2−NH2、−SO2NY2(Yは独立にH、アリールまたはアルキルである)、ホスホノ(−P(O)(OH)2)、ホスホナト(−P(O)(O−)2)、ホスフィナト(−P(O)(O−))、ホスフォ(−PO2)、ホスフィノ(−PH2)、ポリアルキルエーテル、ホスフェート、ホスフェートエステル、生理的なpHで正電荷または負電荷を持つと予測されるアミノ酸またはその他の部分を組み込んだ基、およびこれらの組み合わせからなる群からそれぞれ独立に選択され、R6およびR7は、連結されて単環または多環を形成してよく、該環は置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換シクロアルキル、および置換または非置換ヘテロシクリルであり;
U1は、N、C−R2、またはC−NR3R4であり、R2は、H、低級アルキル基、O、(CH2)n1OR’(n1=1、2、または3)、CF3、CH2−CH2X、O−CH2−CH2X、CH2−CH2−CH2X、O−CH2−CH2X、X、(X=H、F、Cl、Br、またはI)、CN、(C=O)−R’、(C=O)N(R’)2、O(CO)R’、COOR’(R’は、Hまたは低級アルキル基である)からなる群から選択され、R1およびR2は、連結されて単環または多環を形成してよく、R3およびR4は、同じまたは異なり、それぞれH、低級アルキル基、O、(CH2)n1OR’(n1=1、2、または3)、CF3、CH2−CH2X、CH2−CH2−CH2X、(X=H、F、Cl、Br、またはI)、CN、(C=O)−R’、(C=O)N(R’)2、COOR’(R’は、Hまたは低級アルキル基である)からなる群より選択され、また、R3またはR4は存在しなくてもよく;
Z1は、O、S、CRaRbまたはNRaであり、RaおよびRbは独立に、HまたはC1−8アルキルであり、このアルキルは直鎖、分枝、または環式であり、これは非置換であるかまたは置換されている]を有する化合物および薬学的に許容可能なそれらの塩を含むことができる。
いくつかの実施形態では、R1は、−(CH2)n1CH3(n1=0〜7)、
[式中、n2=0〜6であり、Xは、CFyHz(y+z=3)、CClyHz(y+z=3)、OH、OAc、OMe、R71、OR72、CN、N(R73)2、
(n3=0〜5、m=1〜5)、および
(n4=0〜5)のいずれかである]を含む分岐または直鎖アルキルからなる群から選択される。
他の実施形態では、R6およびR7は、それぞれ独立に、下記:
[式中、それぞれのR8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R50、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59、R60、R61、R62、R63、R64、R65、R66、R67、R68、R69、R70、R71、R72、R73、およびR74は、同じまたは異なり、水素、置換または非置換C1−C24アルキル、C2−C24アルケニル、C2−C24アルキニル、C3−C20アリール、5〜6個の環原子(この内、1〜3個の環原子は、N、NH、N(C1−C6アルキル)、NC(O)(C1−C6アルキル)、O、およびSから独立に選択される)を含むヘテロシクロアルケニル、5〜14個の環原子(この内、1〜6個の環原子は、N、NH、N(C1−C3アルキル)、O、およびSから独立に選択される)を含むヘテロアリールまたはヘテロシクリル、C6−C24アルカリル、C6−C24アラルキル、ハロ、シリル、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C1−C24アルコキシ、C2−C24アルケニルオキシ、C2−C24アルキニルオキシ、C5−C20アリールオキシ、アシル(C2−C24アルキルカルボニル(−CO−アルキル)およびC6−C20アリールカルボニル(−CO−アリール)を含む)、アシルオキシ(−O−アシル)、C2−C24アルコキシカルボニル(−(CO)−O−アルキル)、C6−C20アリールオキシカルボニル(−(CO)−O−アリール)、C2−C24アルキルカルボナト(−O−(CO)−O−アルキル)、C6−C20アリールカルボナト(−O−(CO)−O−アリール)、カルボキシ(−COOH)、カルボキシラト(−COO−)、カルバモイル(−(CO)−NH2)、C1−C24アルキルカルバモイル(−(CO)−NH(C1−C24アルキル))、アリールカルバモイル(−(CO)−NH−アリール)、チオカルバモイル(−(CS)−NH2)、カルバミド(−NH−(CO)−NH2)、シアノ(−CN)、イソシアノ(−N+C−)、シアナト(−O−CN)、イソシアナト(−O−N+=C−)、イソチオシアナト(−S−CN)、アジド(−N=N+=N−)、ホルミル(−(CO)−H)、チオホルミル(−(CS)−H)、アミノ(−NH2)、C1−C24アルキルアミノ、C5−C20アリールアミノ、C2−C24アルキルアミド(−NH−(CO)−アルキル)、C6−C20アリールアミド(−NH−(CO)−アリール)、スルファナミド(−SO2N(R)2:Rは、独立に、H、アルキル、アリールまたはヘテロアリールである)、イミノ(−CR=NH:Rは水素、C1−C24アルキル、C5−C20アリール、C6−C24アルカリル、C6−C24アラルキルなど)、アルキルイミノ(−CR=N(アルキル):R=水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキルなど)、アリールイミノ(−CR=N(アリール):R=水素、アルキル、アリール、アルカリルなど)、ニトロ(−NO2)、ニトロソ(−NO)、スルフォ(−SO2−OH)、スルホナト(−SO2−O−)、C1−C24アルキルスルファニル(−S−アルキル;「アルキルチオ」とも呼ばれる)、アリールスルファニル(−S−アリール;「アリールチオ」とも呼ばれる)、C1−C24アルキルスルフィニル(−(SO)−アルキル)、C5−C20アリールスルフィニル(−(SO)−アリール)、C1−C24アルキルスルホニル(−SO2−アルキル)、C5−C20アリールスルホニル(−SO2−アリール)、スルホンアミド(−SO2−NH2、−SO2NY2(Yは独立にH、アリールまたはアルキルである)、ホスホノ(−P(O)(OH)2)、ホスホナト(−P(O)(O−)2)、ホスフィナト(−P(O)(O−))、ホスフォ(−PO2)、ホスフィノ(−PH2)、ポリアルキルエーテル(−[(CH2)nO]m)、ホスフェート、ホスフェートエステル[−OP(O)(OR)2(R=H、メチルまたはその他のアルキル)]、生理的なpHで正または負電荷を持つと予測されるアミノ酸またはその他の部分を組み込んだ基、およびこれらの組み合わせからなる群から独立に選択される]および薬学的に許容可能なそれらの塩の内の1つとすることができる。
さらにその他の実施形態では、R6およびR7は、独立に、水溶解度を改善する基、例えば、リン酸エステル(−OPO3H2)、リン酸エステル(−OPO3H2)結合したフェニル環、1個または複数個のメトキシエトキシ基で置換されたフェニル環、またはモルホリン、またはこのような基で置換されたアリールまたはヘテロアリール環であってよい。
式(III)または(IV)を有する15−PGDH阻害剤の例としては、次の化合物:
および薬学的に許容可能なそれらの塩が挙げられる。
他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は次式(V):
[式中、
nは、0〜2であり、
X6は、独立にNまたはCRCであり、
R1、R6、R7、およびRCは、水素、置換または非置換C1−C24アルキル、C2−C24アルケニル、C2−C24アルキニル、C3−C20アリール、ヘテロアリール、5〜6個の環原子(この内、1〜3個の環原子は、N、NH、N(C1−C6アルキル)、NC(O)(C1−C6アルキル)、O、およびSから独立に選択される)を含むヘテロシクロアルケニル、C6−C24アルカリル、C6−C24アラルキル、ハロ、−Si(C1−C3アルキル)3、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C1−C24アルコキシ、C2−C24アルケニルオキシ、C2−C24アルキニルオキシ、C5−C20アリールオキシ、アシル(C2−C24アルキルカルボニル(−CO−アルキル)およびC6−C20アリールカルボニル(−CO−アリール)を含む)、アシルオキシ(−O−アシル)、C2−C24アルコキシカルボニル(−(CO)−O−アルキル)、C6−C20アリールオキシカルボニル(−(CO)−O−アリール)、C2−C24アルキルカルボナト(−O−(CO)−O−アルキル)、C6−C20アリールカルボナト(−O−(CO)−O−アリール)、カルボキシ(−COOH)、カルボキシラト(−COO−)、カルバモイル(−(CO)−NH2)、C1−C24アルキルカルバモイル(−(CO)−NH(C1−C24アルキル))、アリールカルバモイル(−(CO)−NH−アリール)、チオカルバモイル(−(CS)−NH2)、カルバミド(−NH−(CO)−NH2)、シアノ(−CN)、イソシアノ(−N+C−)、シアナト(−O−CN)、イソシアナト(−O−N+=C−)、イソチオシアナト(−S−CN)、アジド(−N=N+=N−)、ホルミル(−(CO)−H)、チオホルミル(−(CS)−H)、アミノ(−NH2)、C1−C24アルキルアミノ、C5−C20アリールアミノ、C2−C24アルキルアミド(−NH−(CO)−アルキル)、C6−C20アリールアミド(−NH−(CO)−アリール)、イミノ(−CR=NH:Rは水素、C1−C24アルキル、C5−C20アリール、C6−C24アルカリル、C6−C24アラルキルなど)、アルキルイミノ(−CR=N(アルキル):R=水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキルなど)、アリールイミノ(−CR=N(アリール):R=水素、アルキル、アリール、アルカリルなど)、ニトロ(−NO2)、ニトロソ(−NO)、スルフォ(−SO2−OH)、スルホナト(−SO2−O−)、C1−C24アルキルスルファニル(−S−アルキル;「アルキルチオ」とも呼ばれる)、アリールスルファニル(−S−アリール;「アリールチオ」とも呼ばれる)、C1−C24アルキルスルフィニル(−(SO)−アルキル)、C5−C20アリールスルフィニル(−(SO)−アリール)、C1−C24アルキルスルホニル(−SO2−アルキル)、C5−C20アリールスルホニル(−SO2−アリール)、スルホンアミド(−SO2−NH2、−SO2NY2(Yは独立にH、アリールまたはアルキルである)、ホスホノ(−P(O)(OH)2)、ホスホナト(−P(O)(O−)2)、ホスフィナト(−P(O)(O−))、ホスフォ(−PO2)、ホスフィノ(−PH2)、ポリアルキルエーテル、ホスフェート、ホスフェートエステル、生理的なpHで正電荷または負電荷を持つと予測されるアミノ酸またはその他の部分を組み込んだ基、およびこれらの組み合わせからなる群からそれぞれ独立に選択され、R6およびR7は、連結されて単環または多環を形成してよく、該環は置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換シクロアルキル、および置換または非置換ヘテロシクリルであり;
U1は、N、C−R2、またはC−NR3R4であり、R2は、H、低級アルキル基、O、(CH2)n1OR’(n1=1、2、または3)、CF3、CH2−CH2X、O−CH2−CH2X、CH2−CH2−CH2X、O−CH2−CH2X、X、(X=H、F、Cl、Br、またはI)、CN、(C=O)−R’、(C=O)N(R’)2、O(CO)R’、COOR’(R’は、Hまたは低級アルキル基である)からなる群から選択され、R1およびR2は、連結されて単環または多環を形成してよく、R3およびR4は、同じまたは異なり、それぞれH、低級アルキル基、O、(CH2)n1OR’(n1=1、2、または3)、CF3、CH2−CH2X、CH2−CH2−CH2X、(X=H、F、Cl、Br、またはI)、CN、(C=O)−R’、(C=O)N(R’)2、COOR’(R’は、Hまたは低級アルキル基である)からなる群より選択され、また、R3またはR4は存在しなくてもよい]を有する化合物および薬学的に許容可能なそれらの塩を含むことができる。
いくつかの実施形態では、R1は、−(CH2)n1CH3(n1=0〜7)、
[式中、n2=0〜6であり、Xは、CFyHz(y+z=3)、CClyHz(y+z=3)、OH、OAc、OMe、R71、OR72、CN、N(R73)2、
(n3=0〜5、m=1〜5)、および
(n4=0〜5)のいずれかである]を含む分岐または直鎖アルキルからなる群から選択される。
他の実施形態では、R6およびR7は、それぞれ独立に、下記:
[式中、それぞれのR8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R50、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59、R60、R61、R62、R63、R64、R65、R66、R67、R68、R69、R70、R71、R72、R73、およびR74は、同じまたは異なり、水素、置換または非置換C1−C24アルキル、C2−C24アルケニル、C2−C24アルキニル、C3−C20アリール、5〜6個の環原子(この内、1〜3個の環原子は、N、NH、N(C1−C6アルキル)、NC(O)(C1−C6アルキル)、O、およびSから独立に選択される)を含むヘテロシクロアルケニル、5〜14個の環原子(この内、1〜6個の環原子は、N、NH、N(C1−C3アルキル)、O、およびSから独立に選択される)を含むヘテロアリールまたはヘテロシクリル、C6−C24アルカリル、C6−C24アラルキル、ハロ、シリル、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C1−C24アルコキシ、C2−C24アルケニルオキシ、C2−C24アルキニルオキシ、C5−C20アリールオキシ、アシル(C2−C24アルキルカルボニル(−CO−アルキル)およびC6−C20アリールカルボニル(−CO−アリール)を含む)、アシルオキシ(−O−アシル)、C2−C24アルコキシカルボニル(−(CO)−O−アルキル)、C6−C20アリールオキシカルボニル(−(CO)−O−アリール)、C2−C24アルキルカルボナト(−O−(CO)−O−アルキル)、C6−C20アリールカルボナト(−O−(CO)−O−アリール)、カルボキシ(−COOH)、カルボキシラト(−COO−)、カルバモイル(−(CO)−NH2)、C1−C24アルキルカルバモイル(−(CO)−NH(C1−C24アルキル))、アリールカルバモイル(−(CO)−NH−アリール)、チオカルバモイル(−(CS)−NH2)、カルバミド(−NH−(CO)−NH2)、シアノ(−CN)、イソシアノ(−N+C−)、シアナト(−O−CN)、イソシアナト(−O−N+=C−)、イソチオシアナト(−S−CN)、アジド(−N=N+=N−)、ホルミル(−(CO)−H)、チオホルミル(−(CS)−H)、アミノ(−NH2)、C1−C24アルキルアミノ、C5−C20アリールアミノ、C2−C24アルキルアミド(−NH−(CO)−アルキル)、C6−C20アリールアミド(−NH−(CO)−アリール)、スルファナミド(−SO2N(R)2:Rは、独立に、H、アルキル、アリールまたはヘテロアリールである)、イミノ(−CR=NH:Rは水素、C1−C24アルキル、C5−C20アリール、C6−C24アルカリル、C6−C24アラルキルなど)、アルキルイミノ(−CR=N(アルキル):R=水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキルなど)、アリールイミノ(−CR=N(アリール):R=水素、アルキル、アリール、アルカリルなど)、ニトロ(−NO2)、ニトロソ(−NO)、スルフォ(−SO2−OH)、スルホナト(−SO2−O−)、C1−C24アルキルスルファニル(−S−アルキル;「アルキルチオ」とも呼ばれる)、アリールスルファニル(−S−アリール;「アリールチオ」とも呼ばれる)、C1−C24アルキルスルフィニル(−(SO)−アルキル)、C5−C20アリールスルフィニル(−(SO)−アリール)、C1−C24アルキルスルホニル(−SO2−アルキル)、C5−C20アリールスルホニル(−SO2−アリール)、スルホンアミド(−SO2−NH2、−SO2NY2(Yは独立にH、アリールまたはアルキルである)、ホスホノ(−P(O)(OH)2)、ホスホナト(−P(O)(O−)2)、ホスフィナト(−P(O)(O−))、ホスフォ(−PO2)、ホスフィノ(−PH2)、ポリアルキルエーテル(−[(CH2)nO]m)、ホスフェート、ホスフェートエステル[−OP(O)(OR)2(R=H、メチルまたはその他のアルキル)]、生理的なpHで正または負電荷を持つと予測されるアミノ酸またはその他の部分を組み込んだ基、およびこれらの組み合わせからなる群から独立に選択される]および薬学的に許容可能なそれらの塩の内の1つとすることができる。
さらにその他の実施形態では、R6およびR7は、独立に、水溶解度を改善する基、例えば、リン酸エステル(−OPO3H2)、リン酸エステル(−OPO3H2)結合したフェニル環、1個または複数個のメトキシエトキシ基で置換されたフェニル環、またはモルホリン、またはこのような基で置換されたアリールまたはヘテロアリール環であってよい。
他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は次式(VI):
[式中、
n=0〜2であり、
X6は、NまたはCRCであり、
R1は、−(CH2)n1CH3(n1=0〜7)、
[式中、n2=0〜6であり、Xは、CFyHz(y+z=3)、CClyHz(y+z=3)、OH、OAc、OMe、R71、OR72、CN、N(R73)2、
(n3=0〜5、m=1〜5)、および
(n4=0〜5)のいずれかである]を含む分岐または直鎖アルキルからなる群から選択され、
R5は、H、Cl、F、NH2、およびN(R76)2からなる群から選択され、
R6およびR7は、それぞれ独立に、下記:
[式中、それぞれのR8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R50、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59、R60、R61、R62、R63、R64、R65、R66、R67、R68、R69、R70、R71、R72、R73、R74、R76、およびRCは、同じまたは異なり、水素、置換または非置換C1−C24アルキル、C2−C24アルケニル、C2−C24アルキニル、C3−C20アリール、5〜6個の環原子(この内、1〜3個の環原子は、N、NH、N(C1−C6アルキル)、NC(O)(C1−C6アルキル)、O、およびSから独立に選択される)を含むヘテロシクロアルケニル、5〜14個の環原子(この内、1〜6個の環原子は、N、NH、N(C1−C3アルキル)、O、およびSから独立に選択される)を含むヘテロアリールまたはヘテロシクリル、C6−C24アルカリル、C6−C24アラルキル、ハロ、シリル、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C1−C24アルコキシ、C2−C24アルケニルオキシ、C2−C24アルキニルオキシ、C5−C20アリールオキシ、アシル(C2−C24アルキルカルボニル(−CO−アルキル)およびC6−C20アリールカルボニル(−CO−アリール)を含む)、アシルオキシ(−O−アシル)、C2−C24アルコキシカルボニル(−(CO)−O−アルキル)、C6−C20アリールオキシカルボニル(−(CO)−O−アリール)、C2−C24アルキルカルボナト(−O−(CO)−O−アルキル)、C6−C20アリールカルボナト(−O−(CO)−O−アリール)、カルボキシ(−COOH)、カルボキシラト(−COO−)、カルバモイル(−(CO)−NH2)、C1−C24アルキルカルバモイル(−(CO)−NH(C1−C24アルキル))、アリールカルバモイル(−(CO)−NH−アリール)、チオカルバモイル(−(CS)−NH2)、カルバミド(−NH−(CO)−NH2)、シアノ(−CN)、イソシアノ(−N+C−)、シアナト(−O−CN)、イソシアナト(−O−N+=C−)、イソチオシアナト(−S−CN)、アジド(−N=N+=N−)、ホルミル(−(CO)−H)、チオホルミル(−(CS)−H)、アミノ(−NH2)、C1−C24アルキルアミノ、C5−C20アリールアミノ、C2−C24アルキルアミド(−NH−(CO)−アルキル)、C6−C20アリールアミド(−NH−(CO)−アリール)、スルファナミド(−SO2N(R)2:Rは、独立に、H、アルキル、アリールまたはヘテロアリールである)、イミノ(−CR=NH:Rは水素、C1−C24アルキル、C5−C20アリール、C6−C24アルカリル、C6−C24アラルキルなど)、アルキルイミノ(−CR=N(アルキル):R=水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキルなど)、アリールイミノ(−CR=N(アリール):R=水素、アルキル、アリール、アルカリルなど)、ニトロ(−NO2)、ニトロソ(−NO)、スルフォ(−SO2−OH)、スルホナト(−SO2−O−)、C1−C24アルキルスルファニル(−S−アルキル;「アルキルチオ」とも呼ばれる)、アリールスルファニル(−S−アリール;「アリールチオ」とも呼ばれる)、C1−C24アルキルスルフィニル(−(SO)−アルキル)、C5−C20アリールスルフィニル(−(SO)−アリール)、C1−C24アルキルスルホニル(−SO2−アルキル)、C5−C20アリールスルホニル(−SO2−アリール)、スルホンアミド(−SO2−NH2、−SO2NY2(Yは独立にH、アリールまたはアルキルである)、ホスホノ(−P(O)(OH)2)、ホスホナト(−P(O)(O−)2)、ホスフィナト(−P(O)(O−))、ホスフォ(−PO2)、ホスフィノ(−PH2)、ポリアルキルエーテル(−[(CH2)nO]m)、ホスフェート、ホスフェートエステル[−OP(O)(OR)2(R=H、メチルまたはその他のアルキル)]、生理的なpHで正または負電荷を持つと予測されるアミノ酸またはその他の部分を組み込んだ基、およびこれらの組み合わせ]の内の1つとすることができる]を有する化合物および薬学的に許容可能なそれらの塩を含むことができる。
他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は次式(VII):
[式中、
n=0〜2であり、
X6は、独立にNまたはCRCであり、
R1は、−(CH2)n1CH3(n1=0〜7)、
[式中、n2=0〜6であり、Xは、CFyHz(y+z=3)、CClyHz(y+z=3)、OH、OAc、OMe、R71、OR72、CN、N(R73)2、
(n3=0〜5、m=1〜5)、および
(n4=0〜5)のいずれかである]を含む分岐または直鎖アルキルからなる群から選択され、
R5は、H、Cl、F、NH2、およびN(R76)2からなる群から選択され、
R7は、それぞれ独立に、下記:
[式中、それぞれのR8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R50、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59、R60、R61、R62、R63、R64、R65、R66、R67、R68、R69、R70、R71、R72、R73、R74、R76、およびRCは、同じまたは異なり、水素、置換または非置換C1−C24アルキル、C2−C24アルケニル、C2−C24アルキニル、C3−C20アリール、5〜6個の環原子(この内、1〜3個の環原子は、N、NH、N(C1−C6アルキル)、NC(O)(C1−C6アルキル)、O、およびSから独立に選択される)を含むヘテロシクロアルケニル、5〜14個の環原子(この内、1〜6個の環原子は、N、NH、N(C1−C3アルキル)、O、およびSから独立に選択される)を含むヘテロアリールまたはヘテロシクリル、C6−C24アルカリル、C6−C24アラルキル、ハロ、シリル、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C1−C24アルコキシ、C2−C24アルケニルオキシ、C2−C24アルキニルオキシ、C5−C20アリールオキシ、アシル(C2−C24アルキルカルボニル(−CO−アルキル)およびC6−C20アリールカルボニル(−CO−アリール)を含む)、アシルオキシ(−O−アシル)、C2−C24アルコキシカルボニル(−(CO)−O−アルキル)、C6−C20アリールオキシカルボニル(−(CO)−O−アリール)、C2−C24アルキルカルボナト(−O−(CO)−O−アルキル)、C6−C20アリールカルボナト(−O−(CO)−O−アリール)、カルボキシ(−COOH)、カルボキシラト(−COO−)、カルバモイル(−(CO)−NH2)、C1−C24アルキルカルバモイル(−(CO)−NH(C1−C24アルキル))、アリールカルバモイル(−(CO)−NH−アリール)、チオカルバモイル(−(CS)−NH2)、カルバミド(−NH−(CO)−NH2)、シアノ(−CN)、イソシアノ(−N+C−)、シアナト(−O−CN)、イソシアナト(−O−N+=C−)、イソチオシアナト(−S−CN)、アジド(−N=N+=N−)、ホルミル(−(CO)−H)、チオホルミル(−(CS)−H)、アミノ(−NH2)、C1−C24アルキルアミノ、C5−C20アリールアミノ、C2−C24アルキルアミド(−NH−(CO)−アルキル)、C6−C20アリールアミド(−NH−(CO)−アリール)、スルファナミド(−SO2N(R)2:Rは、独立に、H、アルキル、アリールまたはヘテロアリールである)、イミノ(−CR=NH:Rは水素、C1−C24アルキル、C5−C20アリール、C6−C24アルカリル、C6−C24アラルキルなど)、アルキルイミノ(−CR=N(アルキル):R=水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキルなど)、アリールイミノ(−CR=N(アリール):R=水素、アルキル、アリール、アルカリルなど)、ニトロ(−NO2)、ニトロソ(−NO)、スルフォ(−SO2−OH)、スルホナト(−SO2−O−)、C1−C24アルキルスルファニル(−S−アルキル;「アルキルチオ」とも呼ばれる)、アリールスルファニル(−S−アリール;「アリールチオ」とも呼ばれる)、C1−C24アルキルスルフィニル(−(SO)−アルキル)、C5−C20アリールスルフィニル(−(SO)−アリール)、C1−C24アルキルスルホニル(−SO2−アルキル)、C5−C20アリールスルホニル(−SO2−アリール)、スルホンアミド(−SO2−NH2、−SO2NY2(Yは独立にH、アリールまたはアルキルである)、ホスホノ(−P(O)(OH)2)、ホスホナト(−P(O)(O−)2)、ホスフィナト(−P(O)(O−))、ホスフォ(−PO2)、ホスフィノ(−PH2)、ポリアルキルエーテル(−[(CH2)nO]m)、ホスフェート、ホスフェートエステル[−OP(O)(OR)2(R=H、メチルまたはその他のアルキル)]、生理的なpHで正または負電荷を持つと予測されるアミノ酸またはその他の部分を組み込んだ基、およびこれらの組み合わせ]の内の1つとすることができる]を有する化合物および薬学的に許容可能なそれらの塩を含むことができる。
式(V)、(VI)、または(VIII)を有する化合物の例は、
および薬学的に許容可能なそれらの塩からなる群から選択される。
特定の実施形態では、ia)2.5μM濃度では、70を超えるルシフェラーゼ出力レベルまで(100の値がベースラインに対する2倍のレポーター出力を示すスケールを用いる)、15−PGDHルシフェラーゼ融合構築物を発現するVaco503レポーター細胞株を刺激することができ;iia)2.5μM濃度で、75を超えるルシフェラーゼ出力レベルまで、15−PGDHルシフェラーゼ融合構築物を発現するV9mレポーター細胞株を刺激することができ;iiia)7.5μM濃度で、70を超えるルシフェラーゼ出力レベルまで、15−PGDHルシフェラーゼ融合構築物を発現するLS174Tレポーター細胞株を刺激することができ;およびiva)7.5μM濃度で、20を超えるレベルまでは、TK−ウミシイタケルシフェラーゼレポーターを発現する陰性対照V9m細胞株を活性化することなく;さらに、va)1μM未満のIC50で組換え型15−PGDHタンパク質の酵素活性を阻害する、式(I)、(II)、(IV)、(V)、(VI)、および(VII)を有する15−PGDH阻害剤を選択できる。
他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は、ib)2.5μM濃度で、ルシフェラーゼ出力を増加させるように、15−PGDHルシフェラーゼ融合構築物を発現するVaco503レポーター細胞株を刺激することができ;iib)2.5μM濃度で、ルシフェラーゼ出力を増加させるように、15−PGDHルシフェラーゼ融合構築物を発現するV9mレポーター細胞株を刺激することができ;iiib)7.5μM濃度で、ルシフェラーゼ出力を増加させるように、15−PGDHルシフェラーゼ融合構築物を発現するLS174Tレポーター細胞株を刺激することができ;ivb)7.5μM濃度で、バックグラウンドより20%を超えるルシフェラーゼレベルまでは、TK−ウミシイタケルシフェラーゼレポーターを発現する陰性対照V9m細胞株を活性化することなく;およびvb)1μM未満のIC50で組換え型15−PGDHタンパク質の酵素活性を阻害する。
他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は、約5nM〜約10nMの組換え型15−PGDHの濃度に対し、1μM未満のIC50、または好ましくは250nM未満のIC50、またはより好ましくは50nM未満のIC50、またはより好ましくは10nM未満のIC50、または5nM未満のIC50で組換え型15−PGDHの酵素活性を阻害することができる。
他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は、適切な作用物質、例えば、IL1−βによるA459の刺激後、PGE−2の細胞レベルを増加させることができる。
いくつかの実施形態では、15−PGDH阻害剤は次式(VIII):
[式中、
nは、0〜2であり、
R1、R6、およびR7は、同じまたは異なり、それぞれは、水素、置換または非置換C1−C24アルキル、C2−C24アルケニル、C2−C24アルキニル、C3−C20アリール、ヘテロアリール、5〜6個の環原子(この内、1〜3個の環原子は、N、NH、N(C1−C6アルキル)、NC(O)(C1−C6アルキル)、O、およびSから独立に選択される)を含むヘテロシクロアルケニル、C6−C24アルカリル、C6−C24アラルキル、ハロ、−Si(C1−C3アルキル)3、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C1−C24アルコキシ、C2−C24アルケニルオキシ、C2−C24アルキニルオキシ、C5−C20アリールオキシ、アシル(C2−C24アルキルカルボニル(−CO−アルキル)およびC6−C20アリールカルボニル(−CO−アリール)を含む)、アシルオキシ(−O−アシル)、C2−C24アルコキシカルボニル(−(CO)−O−アルキル)、C6−C20アリールオキシカルボニル(−(CO)−O−アリール)、C2−C24アルキルカルボナト(−O−(CO)−O−アルキル)、C6−C20アリールカルボナト(−O−(CO)−O−アリール)、カルボキシ(−COOH)、カルボキシラト(−COO−)、カルバモイル(−(CO)−NH2)、C1−C24アルキルカルバモイル(−(CO)−NH(C1−C24アルキル))、アリールカルバモイル(−(CO)−NH−アリール)、チオカルバモイル(−(CS)−NH2)、カルバミド(−NH−(CO)−NH2)、シアノ(−CN)、イソシアノ(−N+C−)、シアナト(−O−CN)、イソシアナト(−O−N+=C−)、イソチオシアナト(−S−CN)、アジド(−N=N+=N−)、ホルミル(−(CO)−H)、チオホルミル(−(CS)−H)、アミノ(−NH2)、C1−C24アルキルアミノ、C5−C20アリールアミノ、C2−C24アルキルアミド(−NH−(CO)−アルキル)、C6−C20アリールアミド(−NH−(CO)−アリール)、イミノ(−CR=NH:Rは水素、C1−C24アルキル、C5−C20アリール、C6−C24アルカリル、C6−C24アラルキルなど)、アルキルイミノ(−CR=N(アルキル):R=水素、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキルなど)、アリールイミノ(−CR=N(アリール):R=水素、アルキル、アリール、アルカリルなど)、ニトロ(−NO2)、ニトロソ(−NO)、スルフォ(−SO2−OH)、スルホナト(−SO2−O−)、C1−C24アルキルスルファニル(−S−アルキル;「アルキルチオ」とも呼ばれる)、アリールスルファニル(−S−アリール;「アリールチオ」とも呼ばれる)、C1−C24アルキルスルフィニル(−(SO)−アルキル)、C5−C20アリールスルフィニル(−(SO)−アリール)、C1−C24アルキルスルホニル(−SO2−アルキル)、C5−C20アリールスルホニル(−SO2−アリール)、スルホンアミド(−SO2−NH2、−SO2NY2(Yは独立にH、アリールまたはアルキルである)、ホスホノ(−P(O)(OH)2)、ホスホナト(−P(O)(O−)2)、ホスフィナト(−P(O)(O−))、ホスフォ(−PO2)、ホスフィノ(−PH2)、ポリアルキルエーテル、ホスフェート、ホスフェートエステル、生理的なpHで正電荷または負電荷を持つと予測されるアミノ酸またはその他の部分を組み込んだ基、およびこれらの組み合わせからなる群からそれぞれ独立に選択され、R6およびR7は、連結されて単環または多環を形成してよく、該環は置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換シクロアルキル、および置換または非置換ヘテロシクリルである]を有する化合物および薬学的に許容可能なそれらの塩を含むことができる。
式(VIII)を有する15−PGDH阻害剤は、次に示すようにして合成できる:
反応に関与しない限りにおいて、任意の反応溶媒を上記調製プロセスで使用できる。例えば、反応溶媒には、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル;ジクロロメタンおよびクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;ピリジン、ピペリジンおよびトリエチルアミンなどのアミン;アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルなどのアルキルケトン;メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドおよびヘキサメチルリン酸トリアミドなどの非プロトン極性溶媒が挙げられる。有機合成で通常使われる非反応性有機溶媒の内で、好ましい溶媒は、反応中に生成した水がディーン・スターク・トラップで除去できる溶媒である。このような溶媒の例には、限定されないが、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。こうして得られた反応生成物は、凝縮、抽出などにより単離および精製し得る。単離および精製は通常、有機合成の分野では、必要に応じ、カラムクロマトグラフィーにより実施される。個々の式IIIを有するPGDH阻害剤のエナンチオマーは、キラル固定相を含むクロマトグラフィーカラムを使って、分取HPLCにより分離できる。
さらに、本出願の実施形態は、上記阻害剤の調製方法に関する任意の変形例を含む。これに関して、調製方法のいずれかのステップから得ることができる任意の中間体生成物をその他のステップの出発材料として使用できる。このような出発材料は、特定の反応条件下で、その場形成できる。反応試薬は、それらの塩または光学異性体の形態でも使用できる。
15−PGDH阻害剤の調製に使用される置換基、ならびに中間体生成物および選択した調製方法の種類に応じて、新規15−PGDH阻害剤は、実質的に純粋な幾何学的(シスまたはトランス)異性体、光学異性体(エナンチオマー)およびラセミ体などの任意の可能な異性体の形態とすることができる。
いくつかの実施形態では、式(VIII)を有する15−PGDH阻害剤は、次式(IX):
を有する化合物および薬学的に許容可能なそれらの塩を含むことができる。
好都合にも、式(IX)を有する15−PDGH阻害剤は、i)1nMの濃度で、組換え型15−PGDHを阻害する;ii)100nMの濃度で、細胞株中の15−PGDHを阻害する;iii)細胞株によるPGE2産生を増やす;iv)広範なpH範囲にわたり水溶液中で化学的に安定である;v)肝細胞抽出物と共にインキュベートした場合、化学的に安定である;vi)肝細胞株と共にインキュベートした場合、化学的に安定である;vii)マウスにIP注射した場合、253分の血漿内半減期を示す;およびviii)0.6μモル/マウスおよび1.2μモル/マウスの量でマウスにIP注射した場合、24時間にわたり即時中毒を示さず、また、0.3μモル/マウスの量で1日2回、21日間マウスにIP注射した場合、毒性を示さないことが明らかになった。
他の実施形態では、式(IX)を有する15−PGDH阻害剤は、次式(IXa):
を有する化合物および薬学的に許容可能なそれらの塩を含むことができる。
さらにその他の実施形態では、式(IX)を有する15−PGDH阻害剤は、次式(IXb):
を有する化合物および薬学的に許容可能なそれらの塩を含むことができる。
他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は、式(IX)を有する15−PGDH阻害剤の(+)または(−)光学異性体を含むことができる。さらに他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は式(IX)を有する15−PGDH阻害剤の(+)または(−)光学異性体の内の少なくとも1種の混合物を含むことができる。例えば、15−PGDH阻害剤は、約50重量%未満の式(IX)を有する15−PGDH阻害剤の(−)光学異性体および約50重量%超の式(IX)を有する15−PGDH阻害剤の(+)光学異性体、約25重量%未満の式(IX)を有する15−PGDH阻害剤の(−)光学異性体および約75重量%超の式(IX)を有する15−PGDH阻害剤の(+)光学異性体、約10重量%未満の式(IX)を有する15−PGDH阻害剤の(−)光学異性体および約90重量%超の式(IX)を有する15−PGDH阻害剤の(+)光学異性体、約1重量%未満の式(IX)を有する15−PGDH阻害剤の(−)光学異性体および約99重量%超の式(IX)を有する15−PGDH阻害剤の(+)光学異性体、約50重量%超の式(IX)を有する15−PGDH阻害剤の(−)光学異性体および約50重量%未満の式(IX)を有する15−PGDH阻害剤の(+)光学異性体、約75重量%超の式(IX)を有する15−PGDH阻害剤の(−)光学異性体および約25重量%未満の式(IX)を有する15−PGDH阻害剤の(+)光学異性体、約90重量%超の式(IX)を有する15−PGDH阻害剤の(−)光学異性体および約10重量%未満の式(IX)を有する15−PGDH阻害剤の(+)光学異性体、または約99重量%超の式(IX)を有する15−PGDH阻害剤の(−)光学異性体および約1重量%未満の式(IX)を有する15−PGDH阻害剤の(+)光学異性体の混合物を含むことができる。
またさらなる実施形態では、15−PGDH阻害剤は、式(IX)を有する15−PGDH阻害剤の(+)光学異性体から本質的に構成することができる、またはそれから構成することができる。さらに別の実施形態では、PGDH阻害剤は式(IX)を有する15−PGDH阻害剤の(−)光学異性体から本質的に構成することができる、またはそれから構成することができる。
他の実施形態では、式(VIII)を有する15−PGDH阻害剤は、次式(X):
を有する化合物および薬学的に許容可能なそれらの塩を含むことができる。
好都合にも、式(X)を有する15−PDGH阻害剤は、i)3nMの濃度で、組換え型15−PGDHを阻害する;ii)20nMの濃度で、細胞株によるPGE2産生を増やす;iii)広範なpH範囲にわたり水溶液中で化学的に安定である;iv)マウス、ラットおよびヒト肝臓抽出物と共にインキュベートした場合、化学的に安定である;v)マウスにIP注射した場合、33分の血漿内半減期を示す;viii)50mg/kg体重でマウスにIP注射した場合、24時間にわたり即時中毒を示さない、およびix)1mg/mLで水中(pH=3)に可溶性である、ことが明らかになった。
他の実施形態では、式(X)を有する15−PGDH阻害剤は、次式(Xa):
を有する化合物および薬学的に許容可能なそれらの塩を含むことができる。
さらにその他の実施形態では、式(X)を有する15−PGDH阻害剤は、次式(Xb):
を有する化合物および薬学的に許容可能なそれらの塩を含むことができる。
他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は、式(X)を有する15−PGDH阻害剤の(+)または(−)光学異性体を含むことができる。さらに他の実施形態では、15−PGDH阻害剤は式(X)を有する15−PGDH阻害剤の(+)または(−)光学異性体の内の少なくとも1種の混合物を含むことができる。例えば、15−PGDH阻害剤は、約50重量%未満の式(X)を有する15−PGDH阻害剤の(−)光学異性体および約50重量%超の式(X)を有する15−PGDH阻害剤の(+)光学異性体、約25重量%未満の式(X)を有する15−PGDH阻害剤の(−)光学異性体および約75重量%超の式(X)を有する15−PGDH阻害剤の(+)光学異性体、約10重量%未満の式(X)を有する15−PGDH阻害剤の(−)光学異性体および約90重量%超の式(X)を有する15−PGDH阻害剤の(+)光学異性体、約1重量%未満の式(X)を有する15−PGDH阻害剤の(−)光学異性体および約99重量%超の式(X)を有する15−PGDH阻害剤の(+)光学異性体、約50重量%超の式(X)を有する15−PGDH阻害剤の(−)光学異性体および約50重量%未満の式(X)を有する15−PGDH阻害剤の(+)光学異性体、約75重量%超の式(X)を有する15−PGDH阻害剤の(−)光学異性体および約25重量%未満の式(X)を有する15−PGDH阻害剤の(+)光学異性体、約90重量%超の式(X)を有する15−PGDH阻害剤の(−)光学異性体および約10重量%未満の式(X)を有する15−PGDH阻害剤の(+)光学異性体、または約99重量%超の式(X)を有する15−PGDH阻害剤の(−)光学異性体および約1重量%未満の式(X)を有する15−PGDH阻害剤の(+)光学異性体の混合物を含むことができる。
またさらなる実施形態では、15−PGDH阻害剤は、式(X)を有する15−PGDH阻害剤の(+)光学異性体から本質的に構成することができまたはそれから構成することができる。さらに別の実施形態では、PGDH阻害剤は式(X)を有する15−PGDH阻害剤の(−)光学異性体から本質的に構成することができまたはそれから構成することができる。
その他の15−PGDH阻害剤を本明細書で記載の方法に使用することができることは理解されよう。これらの他の15−PGDH阻害剤としては、例えば、米国特許出願公開第2006/0034786号および米国特許第7,705,041号に記載の式(I)および(II)のテトラゾール化合物、式(I)の2−アルキリデンアミノオキシアセトアミド化合物、式(VI)および(VII)のヘテロ環式化合物、ならびに式(III)のピラゾール化合物;米国特許出願公開第2007/0071699号に記載の式(I)のベンジリデン−1,3−チアゾリジン化合物;米国特許出願公開第2007/0078175号に記載のフェニルフリルメチルチアゾリジン−2,4−ジオンおよびフェニルチエニルメチルチアゾリジン−2,4−ジオン化合物;米国特許出願公開第2011/0269954号に記載のチアゾリデンジオン誘導体;米国特許第7,294,641号に記載のフェニルフラン、フェニルチオフェン、またはフェニルピラゾール化合物;米国特許第4,725,676号に記載の5−(3,5−二置換フェニルアゾ)−2−ヒドロキシベンゼン酢酸および塩とラクトン、および米国特許第4,889,846号に記載のアゾ化合物を含む既知の15−PGDH阻害剤を挙げることができる。
本明細書で記載される15−PGDH阻害剤は、治療される病理学的または美容的状態または障害に応じて、医薬組成物または化粧品組成物として提供することができる。活性成分として本明細書で記載される15−PGDH阻害剤を含む医薬組成物は、従来の方法にしたがい、誘導体を薬学的に許容されるキャリア(単一または複数)もしくは賦形剤(単一または複数)と混合することにより、または15−PGDH阻害剤を希釈剤で希釈することにより製造することができる。医薬組成物には、フィラー、粘着防止剤、潤滑剤、湿潤剤、香味剤、乳化剤、保存剤などをさらに含めてもよい。医薬組成物は、当業者に知られている方法にしたがい、好適な製剤に処方することができ、それにより、哺乳動物に投与された後、15−PGDH阻害剤の即時、制御または持続放出を提供することができる。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、非経口または経口剤形に処方することができる。経口投与のための固体剤形は、賦形剤を、必要に応じて、バインダー、崩壊剤、潤滑剤、着色剤、および/または香味剤と共に、15−PGDH阻害剤に添加し、得られた混合物を錠剤、糖衣丸薬、顆粒、粉末またはカプセルの形態に成形することにより製造することができる。組成物中に添加することができる添加物は、当技術分野において通常のものであってもよい。例えば、賦形剤の例としては、ラクトース、スクロース、塩化ナトリウム、グルコース、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、シリケートなどが挙げられる。代表的なバインダーとしては、水、エタノール、プロパノール、甘味シロップ、スクロース溶液、デンプン溶液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、ホスホン酸カルシウムおよびポリピロリドンが挙げられる。崩壊剤の例としては、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、寒天粉末、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリドおよびラクトース挙げられる。さらに、精製タルク、ステアレート、ホウ酸ナトリウム、およびポリエチレングリコールが潤滑剤として使用でき、また、スクロース、橙皮、クエン酸、酒石酸が香味剤として使用できる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は吸入により投与するためのエアロゾル製剤(例えば、それらは、噴霧化することができる)にすることができる。
本明細書で記載される15−PGDH阻害剤は、従来の方法にしたがい、香味剤、緩衝剤、安定化剤、などと混合することができ、経口液体剤形、例えば溶液、シロップまたはエリキシル剤中に混合することができる。緩衝剤の1例はクエン酸ナトリウムであってよい。安定化剤の例としては、トラガント、アラビアゴムおよびゼラチンが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本明細書で記載の15−PGDH阻害剤は、pH調整剤、緩衝剤、安定化剤、弛緩剤、局所麻酔薬を添加することにより、例えば、皮下、筋肉内または静脈内経路用の注射剤形中に混合することができる。pH調整剤および緩衝剤の例としては、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウムおよびリン酸ナトリウムが挙げられる。安定化剤の例としては、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸およびチオ乳酸が挙げられる。局所麻酔薬は、プロカインHCl、リドカインHClなどであってよい。弛緩剤は塩化ナトリウム、グルコースなどであってよい。
他の実施形態では、本明細書で記載の15−PGDH阻害剤は、従来の方法にしたがい、当技術分野で知られている薬学的に許容可能なキャリア、例えば、ポリエチレングリコール、ラノリン、カカオバターまたは脂肪酸トリグリセリドを、必要に応じて、ツイーンなどの界面活性剤と共に添加することにより、坐薬に混合することができる。
医薬組成物は、上記のように様々な剤形に処方することができ、その後、経口、吸入、経皮、皮下、静脈内または筋肉内経路を含む様々な経路を介して投与することができる。投与量は薬学的または治療有効量とすることができる。
15−PGDH阻害剤の治療有効投与量は、種々の実施形態において、様々な量で存在してよい。例えば、いくつかの実施形態では、15−PGDH阻害剤の治療有効量は、約10〜1000mg(例えば、約20mg〜1,000mg、30mg〜1,000mg、40mg〜1,000mg、50mg〜1,000mg、60mg〜1,000mg、70mg〜1,000mg、80mg〜1,000mg、90mg〜1,000mg、約10〜900mg、10〜800mg、10〜700mg、10〜600mg、10〜500mg、100〜1000mg、100〜900mg、100〜800mg、100〜700mg、100〜600mg、100〜500mg、100〜400mg、100〜300mg、200〜1000mg、200〜900mg、200〜800mg、200〜700mg、200〜600mg、200〜500mg、200〜400mg、300〜1000mg、300〜900mg、300〜800mg、300〜700mg、300〜600mg、300〜500mg、400mg〜1,000mg、500mg〜1,000mg、100mg〜900mg、200mg〜800mg、300mg〜700mg、400mg〜700mg、および500mg〜600mg)の範囲の量であってよい。いくつかの実施形態では、15−PGDH阻害剤は、約10mg、50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg以上の量で存在する。いくつかの実施形態では、15−PGDH阻害剤は、約1000mg、950mg、900mg、850mg、800mg、750mg、700mg、650mg、600mg、550mg、500mg、450mg、400mg、350mg、300mg、250mg、200mg、150mgまたは100mg以下の量で存在する。
他の実施形態では、治療有効投与量は、例えば、約0.001mg/kg体重〜500mg/kg体重、例えば、約0.001mg/kg体重〜400mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜300mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜200mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜100mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜90mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜80mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜70mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜60mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜50mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜40mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜30mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜25mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜20mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜15mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜10mg/kg体重であってよい。
さらにその他の実施形態では、治療有効投与量は、例えば、約0.0001mg/kg体重〜0.1mg/kg体重、例えば、約0.0001mg/kg体重〜0.09mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.08mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.07mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.06mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.05mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜約0.04mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.03mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.02mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.019mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.018mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.017mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.016mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.015mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.014mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.013mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.012mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.011mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.01mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.009mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.008mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.007mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.006mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.005mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.004mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.003mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.002mg/kg体重であってよい。いくつかの実施形態では、治療有効量は、0.0001mg/kg体重、0.0002mg/kg体重、0.0003mg/kg体重、0.0004mg/kg体重、0.0005mg/kg体重、0.0006mg/kg体重、0.0007mg/kg体重、0.0008mg/kg体重、0.0009mg/kg体重、0.001mg/kg体重、0.002mg/kg体重、0.003mg/kg体重、0.004mg/kg体重、0.005mg/kg体重、0.006mg/kg体重、0.007mg/kg体重、0.008mg/kg体重、0.009mg/kg体重、0.01mg/kg体重、0.02mg/kg体重、0.03mg/kg体重、0.04mg/kg体重、0.05mg/kg体重、0.06mg/kg体重、0.07mg/kg体重、0.08mg/kg体重、0.09mg/kg体重、または0.1mg/kg体重であってよい。特定の個体に対する有効量は、その個体の必要性に応じて、経時的に変える(例えば、増やすまたは減らす)ことができる。
いくつかの実施形態では、治療有効投与量は、10μg/kg/日、50μg/kg/日、100μg/kg/日、250μg/kg/日、500μg/kg/日、1000μg/kg/日またはそれを超える投与量であってよい。種々の実施形態では、15−PGDH阻害剤またはその医薬塩の量は、患者に0.01μg/kg〜10μg/kg;0.1μg/kg〜5μg/kg;0.1μg/kg〜1000μg/kg;0.1μg/kg〜900μg/kg;0.1μg/kg〜900μg/kg;0.1μg/kg〜800μg/kg;0.1μg/kg〜700μg/kg;0.1μg/kg〜600μg/kg;0.1μg/kg〜500μg/kg;または0.1μg/kg〜400μg/kgの投与量を与えるのに十分な量である。
本発明にしたがって投与される特定の用量または量は、例えば、所望の転帰の性質および/または程度、投与経路および/またはタイミングの詳細、および/または1種または複数の特性(例えば、体重、年齢、個人歴、遺伝特性、生活習慣パラメータ、心臓欠陥の重症度および/または心臓欠陥のリスクのレベル、など、またはこれらの組み合わせ)に応じて変わってもよい。このような用量または量は、当業者によって決定できる。いくつかの実施形態では、適切な用量または量は、標準的臨床技術にしたがって決定される。例えば、いくつかの実施形態では、適切な用量または量は、重症度指数(disease severity index)スコアを、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100%またはそれを超える%値だけ下げるのに十分な用量または量である。例えば、いくつかの実施形態では、適切な用量または量は、重症度指数スコアを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100%だけ下げるのに十分な用量または量である。あるいはまたは追加で、いくつかの実施形態では、適切な用量または量は、投与される望ましいまたは最適用量範囲または量の特定を支援するための1種もしくは複数のインビトロまたはインビボアッセイの使用により決定される。
種々の実施形態は、異なった投与計画を含んでよい。いくつかの実施形態では、15−PGDH阻害剤は、持続注入により投与できる。いくつかの実施形態では、連続注入は静脈内投与である。他の実施形態では、連続注入は皮下投与である。あるいはまたは追加して、いくつかの実施形態では、15−PGDH阻害剤は、2ヶ月に1回、月1回、月2回、3週に1回、2週に1回、週1回、週2回、週3回、1日1回、1日2回、または別の臨床的に望ましい投与スケジュールで投与できる。単一の対象に対する投与計画は、固定間隔である必要はなく、対象の必要性に応じて、時間と共に変えることができる。
局所適用に対しては、組成物は、水性、アルコール性、水性−アルコール性または油性溶液もしくは懸濁液の形態、または、脂肪相の水相中での分散(O/W)またはその逆(W/O)により得られる、ローション型もしくはセラム型分散物の形態、液体または半液体稠度を有する、もしくはペースト状であるエマルジョン、もしくは多重エマルジョンの形態、そのまま使用されるかまたは生理的に許容可能な媒体に混合される遊離または圧縮粉末の形態、あるいはマイクロカプセルもしくは微小粒子の形態、またはイオン性および/または非イオン性型の小胞分散物の形態で投与することができる。したがって、該組成物は、軟膏、チンキ剤、ミルク、クリーム、軟膏剤、粉末、パッチ、含浸パッド、溶液、エマルジョンまたは小胞分散物、ローション、水性もしくは無水ゲル、スプレー、懸濁液、シャンプー、エアロゾルまたは発泡体の形態であってもよい。それは無水または水性であってもよい。それはまた、セッケンまたはクレンジングケーキを構成する固体調製物を含んでもよい。
本明細書で記載される15−PGDH阻害剤を含む医薬および/または化粧品組成物は、さらに、例えば、プロスタグランジン、特にプロスタグランジンPGE1、PGE2、それらの塩、それらのエステル、それらの類似体およびそれらの誘導体、特に国際公開第98/33497号、同第95/11003号、特願平09−100091号(特開平10−287532)、特願平08−134242(特開平9−295921)で記載されるもの、特にプロスタグランジン受容体のアゴニスト、から選択される少なくとも1つの化合物を含むことができる。該組成物は、少なくとも1つの化合物、例えばプロスタグランジンF2α受容体のアゴニスト(酸形態または前駆体の形態、特にエステル形態)、例えばラタノプロスト、フルプロステノール、クロプロステノール、ビマトプロスト、ウノプロストン、プロスタグランジンE2受容体のアゴニスト(およびそれらの前駆体、特にエステル、例えばトラボプロスト)例えば17−フェニルPGE2、ビプロストール、ブタプロスト、ミソプロストール、スルプロストン、16,16−ジメチルPGE2、11−デオキシPGE1、1−デオキシPGE1、プロスタサイクリン(IP)受容体のアゴニストおよびそれらの前駆体、特にエステル、例えばシカプロスト、イロプロスト、イソカルバサイクリン、ベラプロスト、エポプロステノール、トレプロスチニル、プロスタグランジンD2受容体のアゴニストおよびそれらの前駆体、特にエステル、例えばBW245C((4S)−(3−[(3R,S)−3−シクロヘキシル−3−イソプロピル]−2,5−ジオキソ)−4−イミダゾリジンヘプタン酸)、BW246C((4R)−(3−[(3R,S)−3−シクロヘキシル−3−イソプロピル]−2,5−ジオキソ)−4−イミダゾリジンヘプタン酸)、トロンボキサンA2(TP)に対する受容体のアゴニストおよびそれらの前駆体、特にエステル、例えばI−BOP([1S−[1a,2a(Z)、3b(1E,3S),4a]]−7−[3−[3−ヒドロキシ−4−[4−(ヨードフェノキシ)−1−ブテニル]−7−オキサビシクロ−[2.2.1]ヘプタ−2−イル]−5−ヘプテン酸)を特に含んでよい。
好都合にも、組成物は、少なくとも1つの、上記で定義される15−PGDH阻害剤および少なくとも1つのプロスタグランジンまたはプロスタグランジン誘導体、例えば、例として、シリーズ2のプロスタグランジン、例えば特に生理食塩水溶液形態、または前駆体の形態、特にエステル(例えばイソプロピルエステル)のPGF2αおよびPGE2、それらの誘導体、例えば16,16−ジメチルPGE2、17−フェニルPGE2および16,16−ジメチルPGF2α、17−フェニルPGF2α、シリーズ1のプロスタグランジン、例えば生理食塩水溶液またはエステル形態の11−デオキシプロスタグランジンE1、1−デオキシプロスタグランジンE1、それらの類似体、特にラタノプロスト、トラボプロスト、フルプロステノール、ウノプロストン、ビマトプロスト、クロプロステノール、ビプロストール、ブタプロスト、ミソプロストール、それらの塩またはそれらのエステルを含むことができる。
発明はさらに下記実施例により説明されるが、実施例は、請求項の範囲を限定することを意図するものではない。
実施例1
下記実施例は、SW033291およびその類似体の合成について説明し、加えて、質量分析とNMRによる構造の確認を行う。
3−フェニル−1−(チオフェン−2−イル)プロパ−2−エン−1−オンを、ベンズアルデヒドおよび1−(チオフェン−2−イル)エタノンから、Azam(Parveen,H.;Iqbal,P.F.;Azam,A.Synth.Commu.,2008,38,3973)により記載された手順を用いてアルドール縮合により調製した。 1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.88−7.80(m、2H)、7.67(dd、J=4.9、1.1Hz、1H)、7.66−7.59(m、2H)、7.47−7.34(m、4H)、7.18(dd、J=5.0、3.8Hz、1H)。ESI−MS(m/z):215[M+H]+。
4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)−2−チオキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリル。3−フェニル−1−(チオフェン−2−イル)プロパ−2−エン−1−オン(2.34mmol、500mg)およびシアノチオアセトアミド(7.0mmol、717mg、3.0当量)のエタノール(7mL)中溶液に、数滴のピペリジンを添加した。反応物を3時間還流させた。形成した固形物を集め、酢酸から再結晶化させ、意図した生成物を46%の単離収率で得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ8.17(d、J=3.8Hz、1H)、7.96(d、J=5.0Hz、1H)、7.74−7.62(m、2H)、7.54(dd、J=5.1、2.0Hz、3H)、7.31−7.19(m、1H)、7.01(s、1H)。ESI−MS(m/z):295[M+H]+。
2−(((ブチルチオ)メチル)スルフィニル)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリル。酢酸(900μL)および過酸化水素(0.57mmol、1.5当量、30%水溶液)を、2−(((ブチルチオ)メチル)スルフィニル)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリル(0.38mmol、150mg)のクロロホルム(900μL)中溶液に添加した。反応混合物を、32℃で45分間撹拌した。反応物をその後、EtOAcで希釈し、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、153mgの意図した生成物を得た(98%)。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.75(dd、J=3.8、1.1Hz、1H)、7.66−7.57(m、2H)、7.58−7.51(m、4H)、7.47(s、1H)、7.16(dd、J=5.0、3.8Hz、1H)、4.74(d、J=13.0Hz、1H)、4.41(d、J=13.0Hz、1H)、2.97(dt、J=13.0、8.2Hz、1H)、2.81(dt、J=12.9、7.3Hz、1H)、1.94−1.76(m、2H)、1.53−1.38(m、2H)、0.94(t、J=7.4Hz、3H)。ESI−MS(m/z):413[M+H]+。
SW033291 2−(ブチルスルフィニル)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミンをKalugin(Kalugin V.E.Russian.Chem.Bull,Int.Ed.,2006,55,529)により記載された手順を用いて調製した。4−(((ブチルチオ)メチル)スルフィニル)−2,6−ジフェニルピリミジン−5−カルボニトリル(0.53mmol、220mg)のDMF(0.25M)/EtOH(0.5M)中溶液に、KOH(0.32mmol、18mg、0.6当量、0.1M水溶液)を添加した。反応混合物を32℃で40分間撹拌した。撹拌が完了すると、反応物をEtOAcで希釈し、酸性酸の10%水溶液で洗浄し、有機相を分離し、水層をEtOAcで2回抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、211mgのSW033291 2−(ブチルスルフィニル)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミンを得た(96%)。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.67−7.60(m、1H)、7.57−7.35(m、7H)、7.10(dd、J=5.0、3.7Hz、1H)、4.54(s、2H)、3.26(ddd、J=12.8、9.1、6.0Hz、1H)、3.09(ddd、J=12.8、9.1、6.6Hz、1H)、1.83−1.61(m、2H)、1.53−1.38(m、2H)、0.93(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):413[M+H]+。
SW208437 4−フェニル−2−(ブチルスルフィニル)−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミンを、類似体SW033291の調製用に記載された合成手順を使用して56%の単離収率で調製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.65(dd、J=3.8、1.1Hz、1H)、7.61−7.49(m、4H)、7.49−7.41(m、3H)、7.12(dd、J=5.0、3.7Hz、1H)、3.28(ddd、J=12.7、8.4、6.3Hz、1H)、3.07(ddd、J=12.7、8.6、7.0Hz、1H)、1.91−1.65(m、2H)、1.08(t、J=7.4Hz、3H)。APCI−MS(m/z):399[M+H]+。
SW208438 2−(イソプロピルスルフィニル)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミンを、類似体SW033291の調製用に記載された合成手順を使用して48%の単離収率で調製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.64(dd、J=3.7、1.1Hz、1H)、7.58−7.47(m、5H)、7.47−7.39(m、2H)、7.10(dd、J=5.0、3.7Hz、1H)、4.59(s、2H)、3.38(p、J=6.8Hz、1H)、1.43(d、J=6.9Hz、3H)、1.25(d、J=6.8Hz、3H)。ESI−MS(m/z):399[M+H]+。
SW208488 2−(ブチルスルフィニル)−4−メチル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミンを、類似体SW033291の調製用に記載された合成手順を使用して調製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.55(dd、J=3.7、1.2Hz、1H)、7.39(dd、J=5.0、1.1Hz、1H)、7.25−7.23(m、1H)、7.06(dd、J=5.0、3.7Hz、1H)、5.02(s、2H)、3.25(ddd、J=12.7、9.1、6.0Hz、1H)、3.08(ddd、J=12.8、9.2、6.4Hz、1H)、2.74(s、3H)、1.82−1.58(m、2H)、1.56−1.38(m、2H)、0.93(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):351[M+H]+。
SW208496 2−(ブチルスルフィニル)−6−(オキサゾール−2−イル)−4−フェニルチエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミンを、類似体SW033291の調製用に記載された合成手順を使用して調製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.99(s、1H)、7.84(d、J=0.8Hz、1H)、7.58−7.41(m、5H)、7.33(d、J=0.8Hz、1H)、4.65(s、2H)、3.30(ddd、J=12.9、8.8、6.2Hz、1H)、3.10(ddd、J=12.8、8.9、6.9Hz、1H)、1.86−1.64(m、2H)、1.42−1.54(m、2H)、0.93(t、J=7.4Hz、3H)。ESI−MS(m/z):398.1[M+H]+。
SW208436 6−(ブチルスルフィニル)−4−フェニル−2−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−5−アミンを、類似体SW208065の調製用に記載された合成手順を使用して調製した。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ8.06(dd、J=3.1、1H)、7.75−7.66(m、2H)、7.75−7.66(m、3H)、7.55(dd、J=3.1,1H)、4.87(s、2H)、3.30(ddd、J=12.8、8.4,6.3Hz、1H)、3.12(ddd、J=12.8、8.6、6.9Hz、1H)、1.85−1.65(m、2H)、1.55−1.40(m、2H)、0.95(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):415.1[M+H]+。
SW208432 2−(ブチルスルフィニル)−6−フェニルチエノ[2,3−b]ピリジン。酢酸(90μL)および過酸化水素(0.06mmol、1.5当量、30%水溶液)を、2−(ブチルチオ)−6−フェニルチエノ[2,3−b]ピリジン(0.04mmol、12mg)のクロロホルム(90μL)中溶液に添加した。反応混合物を、32℃で1時間撹拌した。反応物をその後、EtOAcで希釈し、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、76%の単離収率で意図した生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.14(d、J=8.4、1H)、8.08(d、J=8.2、2H)、7.82(d、J=8.4、1H)、7.58−7.36(m、4H)、3.30−2.73(m、2H)、1.90−1.62(m、2H)、1.55−1.41(m、2H)、0.94(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):316.1[M+H]+。
SW208434. 酢酸(200μL)および過酸化水素(0.15mmol、30%水溶液)を、2−(ブチルチオ)−6−フェニルチエノ[2,3−b]ピリジン(0.09mmol、27mg)のクロロホルム(200μL)中溶液に添加した。反応混合物を、100℃で30分間撹拌した。その後、反応物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、81%の単離収率で意図した生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.23(d、J=8.5Hz、1H)、8.09(dd、J=8.2、1.6Hz、2H)、7.89(d、J=2.1Hz、1H)、7.59−7.39(m、4H)、3.39−3.10(m、2H)、1.92−1.68(m、2H)、1.54−1.27(m、2H)、0.91(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):332.1[M+H]+。
SW208430 2−(ブチルルチオ)−6−フェニルチエノ[2,3−b]ピリジン。フェニルボロン酸(0.39mmol、2.0当量)、2−(ブチルチオ)−6−クロロチエノ[2,3−b]ピリジン(50mg、0.195mmol、1.0当量)、炭酸セシウム(0.39mmol、2.0当量)、PdCl2dppf(10mol%)、塩化銅(0.195mmol、1.0当量)をDMF中、100℃で12時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水、次にブラインで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc:8/2)により精製し、意図した生成物を32%収率で得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.09−8.00(m、2H)、7.93(d、J=8.3Hz、1H)、7.69(d、J=8.3Hz、1H)、7.52−7.34(m、4H)、2.99(t、J=7.9Hz、2H)、1.77−1.63(m、2H)、1.53−1.38(m、2H)、0.92(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):300.1[M+H]+。
2−(ブチルチオ)−6−クロロチエノ[2,3−b]ピリジン。2−ブロモ−6−クロロチエノ[2,3−b]ピリジン(40mg、0.16mmol)のTHF(2mL)中溶液に、−78℃でn−BuLi(0.32mmol、2.0当量;ヘキサン中1.6M溶液)を加えた。反応混合物を5分間撹拌後、1,2−ジブチルジスルファン(0.48mmol、85.4mg)を加えた。反応混合物を−78℃でさらに1時間撹拌し、EtOAcで希釈し、水で反応停止させ、EtOAcで希釈した。有機相を分離し、MgSO4上で乾燥させて、濾過後、濃縮して組成生物を得て、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(95/5のヘキサン/EtOAc)により精製し、意図する生成物を91%の単離収率で得た。
1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.81(d、J=8.3Hz、1H)、7.24(d、J=8.3Hz、1H)、7.13(s、1H)、3.01−2.89(m、2H)、1.74−1.59(m、2H)、1.52−1.36(m、2H)、0.91(t、J=7.4Hz、3H)。ESI−MS(m/z):258.0[M+H]+。
2−(ブチルチオ)−6−クロロ−3−ニトロチエノ[2,3−b]ピリジンをNardine(Meth−Cohn,O.;Narine,B.Tetrahedon Lett.1978,23,2045)により記載された手順に従って53%の収率で調製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.68(d、J=8.6Hz、1H)、7.45(d、J=8.6Hz、1H)、3.15(t、J=7.4Hz、2H)、1.95−1.73(m、2H)、1.68−1.41(m、2H)、0.99(t、J=7.4Hz、3H)。ESI−MS(m/z):303.0[M+H]+。
SW208435 2−(ブチルチオ)−6−フェニルチエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミン。フェニルボロン酸(37mg、0.30mmol、2.0当量)、2−(ブチルチオ)−6−クロロ−3−ニトロチエノ[2,3−b]ピリジン(46mg、0.15mmol、1.0当量)、炭酸セシウム(0.30mmol、2.0当量)、PdCl2dppf(10mol%)、塩化銅(0.15mmol、15mg、1.0当量)をDMF中、100℃で12時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水、次にブラインで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物を分取薄層クロマトグラフィー(AcOEt/ヘキサン:2/8)により精製し、2−(ブチルチオ)−3−ニトロ−6−フェニルチエノ[2,3−b]ピリジンを得た。ESI−MS(m/z):345.1[M+H]+。2−(ブチルチオ)−3−ニトロ−6−フェニルチエノ[2,3−b]ピリジン(0.017mmol、6mg)を酢酸(0.12ml)および濃塩酸(1滴)の混合溶媒中に溶解した。亜鉛(13mg)を0℃で添加した。混合物を30分撹拌した後、反応混合物を濾過し、濾液をNaHCO3の水溶液で中和し、DCMで抽出した。有機層を水、その後、塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。その後、溶媒を蒸発させ、意図した生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.65−7.54(m、3H)、7.50−7.40(m、2H)、7.35−7.28(m、1H)、7.14(d、J=8.4Hz、1H)、3.35−3.18(m、2H)、1.80−1.65(m、2H)、1.54−1.38(m、2H)、0.95(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):315.1[M+H]+。
2−ブロモ−6−クロロチエノ[2.3−b]ピリジンを、Nardineにより記載の手順により調製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.87(d、J=8.4Hz、1H)、7.28(s、1H)、7.27(d、J=8.4Hz、1H)。ESI−MS(m/z):249[M+H]+。
3−ニトロ−6−(チオフェン−2−イル)ピリジン−2−アミン。DMF中のチオフェンボロン酸(742mg、5.8mmol、2.0当量)、6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−アミン(500mg、2.9mmol、1.0当量)、炭酸セシウム(5.8mmol、2.0当量)、PdCl2dppf(10mol%)、塩化銅(2.9mmol、1.0当量)を100℃で12時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水、次にブラインで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc:8/2)により精製し、3−ニトロ−6−(チオフェン−2−イル)ピリジン−2−アミンを63%の収率で得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.42(d、J=8.7Hz、1H)、7.70(dd、J=3.8、1.1Hz、1H)、7.54(dd、J=5.0,1.1Hz、1H)、7.15(dd、J=5.0、3.8Hz、1H)、7.09(d、J=8.7Hz、1H)。ESI−MS(m/z):222[M+H]+。
6−(チオフェン−2−イル)ピリジン−2,3−ジアミン。出発材料の3−ニトロ−6−(チオフェン−2−イル)ピリジン−2−アミン(1.20mmol、265.4mg)を5:1のアセトン/水混合物に溶解した。亜鉛(12.0mmol、784mg、10当量)および塩化アンモニウム(18mmol、962.5mg、15当量)をその溶液に加え、室温で1時間撹拌した。その後、溶液をセライトパッドを通して濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液をブラインで2回抽出した後、水層をEtOAcで逆抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーでさらに精製して、118.2mgの6−(チオフェン−2−イル)ピリジン−2,3−ジアミンを得た(52%)。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ7.34(dd、J=3.6,1.1Hz、1H)、7.25(dd、J=5.1,1.1Hz、1H)、7.00(dd、J=5.1、3.6Hz、1H)、6.96−6.86(m、2H)、4.85(s、4H)。ESI−MS(m/z):192[M+H]+。
5−(チオフェン−2−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−チオン。チオ尿素(16.97mmol、223.0mg、5当量)を、6−(チオフェン−2−イル)ピリジン−2,3−ジアミンに加えた。この溶液を170℃で2時間加熱した。室温でエタノールを添加して固形物を生成し、これを濾過して112.5mgの5−(チオフェン−2−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−チオンを得た(82%)。1H NMR(400MHz、(CD3)2SO)δ7.69(dd、J=3.7、1.2Hz、1H)、7.66(d、J=8.3Hz、1H)、7.56(dd、J=5.1、1.1Hz、1H)、7.47(d、J=8.2Hz、1H)、7.15−7.09(m、1H)。ESI−MS(m/z):235[M+H]+。
SW208494 2−(ブチルチオ)−5−(チオフェン−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン。5−(チオフェン−2−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−チオン(0.39mmol、92mg)、炭酸カリウム(0.45mmol、61.9mg、1.1当量)、1−ブロモブタン(0.39mmol、42.8μL、1当量)、18−クラウン−6(0.039mmol、10.5mg、0.1当量)、およびDMF(2.67mL)の混合物を、80℃で3時間加熱した。その後、この溶液をEtOAcで希釈し、水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過、高圧下濃縮して、74.4mgのSW208494の2−(ブチルチオ)−5−(チオフェン−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジンを得た(65%)。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.95−7.83(m、1H)、7.61−7.53(m、2H)、7.36(d、J=5.1,1H)、7.16−7.06(m、1H)、3.28(t、J=7.3Hz、2H)、1.76−1.62(m、2H)、1.48−1.32(m、2H)、0.90(t、J=7.4Hz、3H)。ESI−MS(m/z):290[M+H]+。
SW208495. 2−(ブチルスルフィニル)−5−(チオフェン−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン。クロロホルム(450μL)、酢酸(450μL)および過酸化水素(0.376mmol、2.0当量、40μL)を、SW208494:2−(ブチルチオ)−5−(チオフェン−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジンに加え、45℃で2.5時間加熱した。その後、この溶液をEtOAcで希釈し、10%酢酸で洗浄した。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過、濃縮し、精製して16.8mgのSW208495を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.06(d、J=8.5Hz、1H)、7.83−7.67(m、1H)、7.68−7.60(m、1H)、7.41(d、J=5.3Hz、1H)、7.20−7.05(m、1H)、3.44−3.17(m、2H)、1.89−1.58(m、2H)、1.59−1.40(m、2H)、0.93(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):306[M+H]+。
SW208662. 6−(ブチルスルフィニル)−2−フェニル−4−(ピペリジン−1−イル)チエノ[2,3−d]ピリミジン。酢酸(50μL)および過酸化水素(5.0μl、30%水溶液)を、2−(ブチルチオ)−6−フェニル−4−(ピペリジン−1−イル)チエノ[2,3−b]ピリミジン(10mg、0.026mmol)のクロロホルム(50μl)中溶液に添加した。反応混合物を32℃で45分間撹拌した。撹拌が完了すると、反応物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過、減圧下で濃縮して、意図した生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.54−8.34(m、2H)、7.73(s、1H)、7.55−7.36(m、3H)、4.09−3.86(m、4H)、3.24−2.94(m、2H)、1.97−1.36(m、10H)、0.93(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):400.1[M+H]+。
2−(ブチルチオ)−6−フェニル−4−(ピペリジン−1−イル)チエノ[2,3−b]ピリミジン。CH3CN:H2O(2:1)中の、2−(ブチルチオ)−6−クロロ−4−(ピペリジン−1−イル)チエノ[2,3−b]ピリミジン(52mg、0.15mmol)、フェニルボロン酸(27mg、0.22mmol、1.5当量)、炭酸カリウム(0.3mmol、2.0当量)、PdCl2dtbpf(10mol%)を、100℃で一晩加熱した。室温に冷却後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、意図した生成物を得た。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ8.49−8.36(m、2H)、7.51−7.36(m、3H)、7.29(s、1H)、3.95−3.85(m、4H)、2.90(t、J=7.4Hz、2H)、1.76−1.73(m、6H)、1.70−1.59(m、2H)、1.48−1.39(m、2H)、0.91(t、J=7.4Hz、3H)。ESI−MS(m/z):384.0[M+H]+。
2−(ブチルチオ)−6−クロロ−4−(ピペリジン−1−イル)チエノ[2,3−b]ピリミジン。6−クロロ−4−(ピペリジン−1−イル)チエノ[2,3−b]ピリミジン(52mg、0.20mmol)のTHF中溶液に、−78℃でn−BuLi(0.4mmol、2.0当量;ヘキサン中1.6M溶液)を加えた。反応混合物を5分間撹拌し、THF中の1,2−ジブチルジスルファン(0.80mmol、4.0当量)を加えた。反応混合物を−78℃でさらに1時間撹拌し、その後反応を停止させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、意図した生成物を74%収率で得た。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ7.24(s、1H)、3.93−3.74(m、4H)、2.83(t、J=7.3Hz、2H)、1.82−1.66(m、6H)、1.66−1.53(m、2H)、1.49−1.33(m、2H)、0.89(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):342.1[M+H]+。
6−クロロ−4−(ピペリジン−1−イル)チエノ[2,3−b]ピリミジン。EtOH中の、4,6−ジクロロチエノ[2,3−b]ピリミジン(50mg、0.24mmol)およびピペリジン(0.36mmol、1.5当量)を室温で一晩撹拌した。溶媒を留去し、粗製化合物をフラッシュクロマトグラフィーで精製して意図した生成物を定量的収率で得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.28(d、J=6.1Hz、1H)、7.18(d、J=6.2Hz、1H)、4.01−3.67(m、4H)、1.92−1.63(m、6H)。ESI−MS(m/z):254.0[M+H]+。
SW208776. 6−(ブチルスルフィニル)−2,4−ジフェニルチエノ[2,3−d]ピリミジン。酢酸(250μl)および過酸化水素(20μl、30%水溶液)を、6−(ブチルチオ)−2,4−ジフェニルチエノ[2,3−d]ピリミジン(35mg、0.1mmol)のクロロホルム(250μl)中溶液に加えた。反応混合物を32℃で45分間撹拌した。撹拌が完了すると、反応物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過、減圧下で濃縮して、意図した生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.69−8.59(m、2H)、8.09−7.99(m、2H)、7.95(s、1H)、7.65−7.56(m、3H)、7.56−7.45(m、3H)、3.18−3.02(m、2H)、1.87−1.64(m、2H)、1.54−1.42(m、2H)、0.94(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):393.1[M+H]+。
6−(ブチルチオ)−2,4−ジフェニルチエノ[2,3−d]ピリミジン。2,4−ジフェニルチエノ[2,3−d]ピリミジン(53mg、0.28mmol)のTHF中溶液に、−78℃でn−BuLi(0.56mmol、2.0当量、225μL、ヘキサン中の2.5M溶液)を加えた。反応混合物を5分間撹拌し、THF中の1,2−ジブチルジスルファン(1.14mmol、4.0当量)を加えた。反応混合物を−78℃でさらに1時間撹拌し、その後反応を停止させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、意図した生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.62−8.56(m、2H)、8.06−7.98(m、2H)、7.61−7.41(m、7H)、3.01(t、J=7.3、2H)、1.76−1.62(m、2H)、1.55−1.38(m、2H)、0.92(t、J=7.4Hz、3H)。ESI−MS(m/z):377.1[M+H]+。
2,4−ジフェニルチエノ[2,3−d]ピリミジン。CH3CN:H2O(1.5:1)中の、2,4−ジクロロチエノ[2,3−d]ピリミジン(100mg、0.50mmol)、フェニルボロン酸(242mg、2.0mmol、4.0当量)、炭酸カリウム(1.5mmol、3.0当量)、Pd(OAc)2(5mol%)、SPhos(10mol%)を、100℃で一晩加熱した。室温に冷却後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、意図した生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.70−8.59(m、2H)、8.14−8.02(m、2H)、7.65−7.44(m、8H)。ESI−MS(m/z):289.0[M+H]+。
SW208777. 2−(ブチル(λ1−オキシダニル)−λ3−スルファニル)−4−(ピリジン−3−イル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミンを、類似体SW033291の調製用に記載された合成手順を使って調製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.80(s、1H)、8.78(dd、J=4.9、1.7Hz、1H)、8.04(s、1H)、7.91(d、/=3.2Hz、1H)、7.86(d、/=6.4Hz、1H)、7.51(d、J=3.1Hz、1H)、7.47(dd、J=7.8、4.8Hz、1H)、4.53(s、2H)、3.28(ddd、/=12.8、8.8、6.3Hz、1H)、3.11(ddd、J=12.8、8.9、6.9Hz、1H)、1.86−1.70(m、2H)、1.57−1.38(m、2H)、0.94(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):415.0[M+H]+。
SW208780. 2−(イソプロピル(λ1−オキシダニル)−λ3−スルファニル)−4−(ピリジン−3−イル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミンを、類似体SW033291の調製用に記載の合成手順を使って調製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.87−8.70(m、2H)、8.05(s、1H)、7.92(d、J=3.1Hz、1H)、7.85(dd、J=7.8、2.4Hz、1H)、7.51(d、J=3.2Hz、1H)、7.47(dd、J=7.9、4.9Hz、1H)、4.57(s、2H)、3.38(p、J=6.8Hz、1H)、1.43(d、J=6.8Hz、3H)、1.29(d、J=6.8Hz、3H)。ESI−MS(m/z):400.1[M+H]+。
SW209123. エチル3−アミノ−4−(4−ブロモフェニル)−2−(ブチルスルフィニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシレートを、類似体SW033291の調製用に記載された合成手順を使って調製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.86(d、J=3.2Hz、1H)、7.69−7.60(m、2H)、7.48(d、J=3.2Hz、1H)、7.36−7.27(m、2H)、4.12(q、J=7.2Hz、2H)、3.26(ddd、J=12.9、8.8、6.3Hz、1H)、3.08(ddd、J=12.9、8.8、6.3Hz、1H)、1.80−1.63(m、2H)、1.58−1.37(m、2H)、1.06(t、J=7.2Hz、3H)、0.93(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):564.0[M+H]+。
SW209124. 2−(ブチルスルフィニル)−4,6−ジ(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミンを、類似体SW033291の調製用に記載された合成手順を使って調製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.48(s、1H)、8.01(d、J=3.1Hz、1H)、7.96(d、J=3.2Hz、1H)、7.61(d、J=3.3Hz、1H)、7.52(d、J=3.1Hz、1H)、6.69(s、2H)、3.30(ddd、J=12.8、9.2、6.0Hz、1H)、3.14(ddd、J=12.8、9.2、6.4Hz、1H)、1.83−1.60(m、2H)、1.43−1.53(m、2H)、0.93(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):421.0[M+H]+。
SW209125. 2−(ブチルスルフィニル)−4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミンを、SW033291類似体の調製用に記載された合成手順を使って調製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.13(s、1H)、7.91(d、J=3.2Hz、1H)、7.50(d、J=3.1Hz、1H)、7.24(d、J=1.2Hz、1H)、7.13(d、J=1.2Hz、1H)、5.78(s、2H)、3.80(s、3H)、3.26(ddd、J=12.8、9.1、6.0Hz、1H)、3.10(ddd、J=12.8、9.2、6.5Hz、1H)、1.82−1.57(m、2H)、1.56−1.35(m、2H)、0.92(t、J=7.3Hz、3H)ESI−MS(m/z):418.1[M+H]+。
SW209126. 2−(ブチルスルフィニル)−6−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−4−フェニルチエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミンを、類似体SW033291の調製用に記載の合成手順を使って調製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.08(s、1H)、7.58−7.32(m、5H)、7.11(d、J=1.1Hz、1H)、7.00(d、J=1.1Hz、1H)、4.58(s、2H)、4.19(s、3H)、3.27(ddd、J=12.7、9.0、6.0Hz、1H)、3.08(ddd、J=12.8、9.1、6.6Hz、1H)、1.79−1.60(m、2H)、1.56−1.37(m、2H)、0.92(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):411.1[M+H]+。
SW209277. 6−(ブチルスルフィニル)−2−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−4−フェニルチエノ[2,3−d]ピリジン−5−アミンを、類似体SW208065の調製用に記載の合成手順を使って調製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.71(dd、J=6.9、2.8Hz、2H)、7.63−7.49(m、3H)、7.29(s、1H)、7.07(s、1H)、4.85(s、2H)、4.18(s、3H)、3.29(ddd、J=12.8、8.6、6.3Hz、1H)、3.11(ddd、J=12.8、8.7、6.9Hz、1H)、1.83−1.65(m、2H)、1.59−1.39(m、2H)、0.94(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):412.1[M+H]+。
SW209278. 6−(ブチルスルフィニル)−2−(オキサゾール−4−イル)−4−フェニルチエノ[2,3−d]ピリミジン−5−アミンを、類似体SW208065の調製用に記載の合成手順を使って調製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.51(d、J=1.1Hz、1H)、8.01(d、J=1.1Hz、1H)、7.75−7.61(m、2H)、7.62−7.48(m、3H)、4.56(s、2H)、3.29(ddd、J=12.9、8.8、6.3Hz、1H)、3.09(ddd、J=12.9、8.9、6.9Hz、1H)、1.81−1.64(m、2H)、1.56−1.39(m、2H)、0.93(t、J=7.3Hz、3H)ESI−MS(m/z):399.1[M+H]+。
SW209279. 2−(イソプロピルスルフィニル)−4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミンを、類似体SW033291の調製用に記載の合成手順を使って調製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.14(s、1H)、7.92(d、J=3.2Hz、1H)、7.51(d、J=3.2Hz、1H)、7.24(s、1H)、7.13(d、J=1.2Hz、1H)、5.92(s、2H)、3.80(s、3H)、3.38(p、J=6.8Hz、1H)、1.44(d、J=6.8Hz、3H)、1.25(d、J=6.8Hz、3H)。ESI−MS(m/z):404.1[M+H]+。
SW209280. 4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−2−(プロピルスルフィニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミンを、類似体SW033291の調製用に記載の合成手順を使って調製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.14(s、1H)、7.92(d、J=3.2Hz、1H)、7.51(d、J=3.1、1H)、7.25(d、J=1.3Hz、1H)、7.14(d、J=1.2Hz、1H)、5.97(s、2H)、3.80(s、3H)、3.27(ddd、J=12.7、8.3、6.5Hz、1H)、3.07(ddd、J=12.8、8.4、7.1Hz、1H)、1.85−1.69(m、2H)、1.07(t、J=7.4Hz、3H)。ESI−MS(m/z):404.1[M+H]+。
SW209415. 2−(ブチルスルフィニル)−4−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−5−イル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミン。2−(((ブチルスルフィニル)メチル)チオ)−4−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−5−イル)−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリル(0.14mmol、60mg)のDMF(600μl)/MeOH(300μl)中溶液に、KOH(0.084mmol、4.70mg、0.6当量、2.0M水溶液)を添加した。反応混合物を32℃で20分間撹拌した。撹拌が完了すると、反応物をEtOAcで希釈し、AcOHの5%水溶液でpH7に酸性化し、有機相を分離して、水層をEtOAcで2回抽出後、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、意図した生成物を97%の単離収率で得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.03(s、1H)、7.90(d、J=3.1Hz、1H)、7.50(d、J=3.2Hz、1H)、7.11(s、1H)、4.76(s、2H)、3.39(s、3H)、3.27(ddd、J=12.9、8.7、6.4Hz、1H)、3.09(ddd、J=12.8、8.8、6.9Hz、1H)、2.47(s、3H)、1.83−1.62(m、2H)、1.57−1.38(m、2H)、0.93(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):432.1[M+H]+。SW209415の2つの鏡像異性体はキラルHPLC(Chiralpak AD−H、10X250mm、5μM、100%MeOH)により分離することができる。
2−(((ブチルスルフィニル)メチル)チオ)−4−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−5−イル)−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリル。2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−4−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−5−イル)−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリル(85mg、0.205mmol)のCHCl3/AcOH(1:1、0.15M)中溶液に、H2O2(0.31mmol、1.5当量;30%水溶液)を加えた。反応混合物を32℃で40分間撹拌した。撹拌が完了すると、反応物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過、減圧下で濃縮して、意図した生成物を92%収率で得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.98(d、J=3.1Hz、1H)、7.94(s、1H)、7.60(d、J=3.1Hz、1H)、7.43(s、1H)、4.72(d、J=13.1Hz、1H)、4.41(d、J=13.1Hz、1H)、3.63(s、3H)、2.96(dt、J=12.9、8.2Hz、1H)、2.84(dt、J=12.9、7.5Hz、1H)、2.51(s、3H)、1.94−1.74(m、2H)、1.63−1.38(m、2H)、0.95(t、J=7.4Hz、3H)。ESI−MS(m/z):432.1[M+H]+。
2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−4−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−5−イル)−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリル。3−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−5−イル)−1−(チアゾール−2−イル)プロパ−2−エン−1−オン(0.31mmol、72mg)および2−シアノチオアセトアミド(0.93mmol、93mg、3.0当量)のEtOH(1.5mL)中懸濁液に、数滴のピペリジンを添加した。80℃で2時間撹拌後、EtOHを留去し、粗生成物をCH3CN中に再溶解した。その後、ブチル(クロロメチル)スルファン(0.62mmol、85.5mg)およびEt3N(0.93mmol、94.1mg、130μL)を加え、反応混合物を80℃で20分撹拌した。撹拌が完了すると、反応物をEtOAcおよび水で希釈した。有機相を分離し、水層をEtOAcで2回抽出した。抽出物を合わせ、飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、99mgの意図した生成物を得た(77%)。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.96(d、J=3.1Hz、1H)、7.85(s、1H)、7.56(d、J=3.1Hz、1H)、7.37(s、1H)、4.49(s、2H)、3.60(s、3H)、2.72(t、J=7.4Hz、2H)、2.48(s、3H)、1.62(p、J=7.3Hz、2H)、1.40(h、J=7.3Hz、2H)、0.90(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):416.6[M+H]+。
(E)−3−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−5−イル)−1−(チアゾール−2−イル)プロパ−2−エン−1−オン。1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−カルバルデヒド(2.0mmol、250mg)の6mLのCH3CN中溶液に、1−(チアゾール−2−イル)−2−(トリフェニル−l5−ホスファニリデン)エタン−1−オン(4.0mmol、1.55g、2.0当量)を加えた。この反応混合物を90℃で48時間攪拌した。撹拌が完了すると、溶媒を留去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、331mgの意図した生成物を得た(71%)。1H NMR(400MHz、メタノール−d4)δ8.08(d、J=3.0Hz、1H)、7.97(d、J=3.0Hz、1H)、7.90(d、J=15.9Hz、1H)、7.76(d、J=15.9Hz、1H)、7.60(s、1H)、3.72(s、3H)、2.43(s、3H)。ESI−MS(m/z):234.3[M+H]+。
SW209428. 2−(ブチルスルフィニル)−4−(2−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミンを、類似体SW209415の調製用に記載された合成手順を使って調製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ10.51(s、1H)、8.10(s、1H)、7.89(d、J=3.2Hz、1H)、7.46(d、J=3.2Hz、1H)、7.40(s、1H)、3.31(ddd、J=12.8、9.3、5.8Hz、1H)、3.15(ddd、J=12.8、9.3、6.2Hz、1H)、2.42(s、3H)、1.79−1.58(m、2H)、1.57−1.38(m、2H)、0.93(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):418.1[M+H]+。
SW211688. 4−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−5−イル)−2−((3−メトキシプロピル)スルフィニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミンを、類似体SW209415の調製用に記載された合成手順を使って調製した。1H NMR(400MHz、アセトン−d6)δ8.03(s、1H)、7.99(d、J=3.2Hz、1H)、7.82(d、J=3.2Hz、1H)、7.09(s、1H)、5.06(s、2H)、3.51(s、3H)、3.48(t、J=6.1Hz、2H)、3.26(s、3H)、3.26−3.18(m、1H)、3.18−3.12(m、1H)、2.43(s、3H)、2.00−1.89(m、2H)。ESI−MS(m/z):448.1[M+H]+。
SW211689. 4−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−5−イル)−2−((2−メトキシエチル)スルフィニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミンを、類似体SW209415の調製用に記載された合成手順を使って調製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.05(s、1H)、7.92(d、J=3.2Hz、1H)、7.51(d、J=3.2Hz、1H)、7.11(s、1H)、4.73(s、2H)、3.88−3.82(m、1H)、3.75−3.62(m、1H)、3.57(ddd、J=13.1、6.0、3.9Hz、1H)、3.40(s、3H)、3.37(s、3H)、3.25(ddd、J=12.8、8.0、4.4Hz、1H)、2.48(s、3H)。ESI−MS(m/z):434.1[M+H]+。
SW212344. 2−(ブチルスルフィニル)−4−(2−イソプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミンを、類似体SW209415の調製用に記載された合成手順を使って調製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.06(s、1H)、7.92(d、J=3.1Hz、1H)、7.51(d、J=3.2Hz、1H)、7.15(s、1H)、4.71(s、2H)、3.41(s、3H)、3.27(ddd、J=13.0、8.5、6.5Hz、1H)、3.19−2.98(m、2H)、1.83−1.59(m、2H)、1.58−1.41(m、2H)、1.39(d、J=6.7Hz、6H)、0.94(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):460.1[M+H]+。
SW212345. 2−(ブチルスルフィニル)−4−(2−シクロプロピル−1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミンを、類似体SW209415の調製用に記載された合成手順を使って調製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.04(s、1H)、7.91(d、J=3.1Hz、1H)、7.50(d、J=3.1Hz、1H)、7.07(s、1H)、4.77(s、2H)、3.51(s、3H)、3.27(ddd、J=12.9、8.7、6.4Hz、1H)、3.10(ddd、J=12.9、8.8、6.9Hz、1H)、1.95−1.78(m、1H)、1.81−1.62(m、2H)、1.58−1.37(m、2H)、1.17−0.98(m、4H)、0.93(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):458.1[M+H]+。
2−ブロモ−1−(チアゾール−2−イル)エタン−1−オン。 n−ブチルリチウム(24.7mL、0.0617mol、ヘキサン中2.5M)を、−78℃で、2−チアゾール(5.0g、0.059mol)の無水ジエチルエーテル(48.8mL)中溶液に添加した。15分後、ブロモ酢酸エチル(6.84mL、0.0617mol)を加え、冷浴を取り除き、溶液を室温まで暖めた。反応混合物をエーテルおよび水で希釈した。有機層を分離し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過後、減圧下で濃縮した。粗生成物をヘキサン中に懸濁し、15分間加熱還流後、生成物をデカントして不純物を含む油を残した。これを5回繰り返して、収率88%で白色固体を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.05(d、J=3.0Hz、1H)、7.77(d、J=3.0Hz、1H)、4.71(s、2H)。ESI−MS(m/z):207.8[M+H]+。
1−(チアゾール−2−イル)−2−(トリフェニル−l5−ホスファニリデン)エタン−1−オン。2−ブロモ−1−(チアゾール−2−イル)エタン−1−オン(10.7g、0.0517mol)のトルエン(337.7ml)中溶液に、トリフェニルホスフィン(14.1g、0.0539mol)を何度かに分けて加えた。この混合物を室温で3時間攪拌した。黄色沈殿物を濾過により取り出し、トルエンで、次に石油エーテルで数回洗浄した。沈殿物に水を加え、1NのNaOHをpH10になるまで滴下して処理した(pH7で黄からオレンジに変色した)。混合物を室温で30分間攪拌した。沈殿物を濾過により取り出し、水で数回洗浄した。得られたオレンジ色の固体を減圧下で50℃に加熱して、全ての水分を除去し、96%の生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.82(d、J=3.1Hz、1H)、7.72(ddd、J=12.8、8.3、1.4Hz、6H)、7.61−7.54(m、3H)、7.51−7.45(m、6H)、7.38(dd、J=3.1、1.3Hz、1H)、5.00(d、J=23.3Hz、1H)。ESI−MS(m/z):387.9[M+H]+。
メチル(E)−4−(3−オキソ−3−(チアゾール−2−イル)プロパ−1−エン−1−イル)ベンゾエート。乾燥したフラスコ中に、1−(チアゾール−2−イル)−2−(トリフェニル−l5−ホスファニリデン)エタン−1−オン(1.5g、3.9mmol)およびメチル4−ホルミルベンゾエート(634mg、3.86mmol)を無水クロロホルム(19.3mL)中に溶解し、この溶液を71℃で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で留去し、固相沈殿物を自動フラッシュクロマトグラフィー(100%DCM)を使って精製し、白色固体を76%の収率で得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.10−8.05(m、3H)、8.01(d、J=1.3Hz、2H)、7.76(d、J=8.4Hz、2H)、7.72(d、J=3.0Hz、1H)、3.93(s、3H)。ESI−MS(m/z):274.0[M+H]+。
メチル4−(2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)ベンゾエート。2−シアノチオアセトアミド(274.8mg、2.744mmol)およびメチル(E)−4−(3−オキソ−3−(チアゾール−2−イル)プロパ−1−エン−1−イル)ベンゾエート(250.0mg、0.9147mmol)をバイアル中で混合し、バイアルを排気後、O2を充填し、エタノール(2.75mL)とピペリジン(2滴)を加えた。溶液を数分間スパージした後、80℃で4時間攪拌した。冷却が終わると、溶液を濾過し、沈殿物をエタノールで濯ぎ、次に最小限の量の酢酸中、80℃で45分間加熱することにより洗浄した。冷却後、洗浄した溶液を濾過し、褐色/赤色固体粗製生成物が残され、これを次のステップに進めた。標準的アルキル化手順:アセトニトリル(1.32mL)中のブチル(クロロメチル)スルファン(111.2mg、0.8059mmol)を第1ステップからの生成物に加え、Et3N(168.6μL、1.209mmol)を最後に添加した。溶液を80℃で20分間攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、H2Oで洗浄後、Na2SO4上で乾燥し、濾過して、減圧下濃縮した。粗製固形物を自動フラッシュクロマトグラフィー(80%ヘキサン、20%EtOAc)を使って精製した。これにより、24%の収率で固形物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.18(d、J=8.4Hz、2H)、8.02(s、1H)、7.98(d、J=3.1Hz、1H)、7.71(d、J=8.4Hz、2H)、7.58(d、J=3.2Hz、1H)、4.52(s、2H)、3.95(s、3H)、2.76(t、J=7.3Hz、2H)、1.64(tt、J=7.7、6.3Hz、2H)、1.42(h、J=7.3Hz、2H)、0.91(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):456.1[M+H]+。
2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−4−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリル。メチル4−(2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)ベンゾエート(336mg、0.737mmol)のTHF(8.41mL)中溶液に、0℃でLiBH4(96.3mg、4.42mmol)を加えた。反応物を室温で36時間撹拌し、LC/MSにより反応をモニターした。反応混合物をEtOAcおよびH2Oで希釈した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過、減圧下濃縮して96%の収率で生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.02(s、1H)、7.98(d、J=3.1Hz、1H)、7.69−7.62(m、2H)、7.56(d、J=3.1Hz、1H)、7.56−7.49(m、2H)、4.79(d、J=4.3Hz、2H)、4.52(s、2H)、2.82−2.60(m、2H)、1.71−1.58(m、2H)、1.49−1.33(m、2H)、0.91(t、J=7.4Hz、3H)。ESI−MS(m/z):428.1[M+H]+。
標準的酸化手順:2−(((ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−4−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリル。クロロホルム(2.53mL)、酢酸(1.39mL)、および過酸化水素(108.0μL、1.057mmol、30%水溶液)を、2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−4−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリルに加えた。溶液を32℃で45分間攪拌した。次に、反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO3で洗浄後、有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過、減圧下濃縮して所望の生成物を94%の収率で得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.03(s、1H)、7.93(d、J=3.1Hz、1H)、7.59(d、J=8.2Hz、2H)、7.55(d、J=3.1Hz、1H)、7.48(d、J=7.9Hz、2H)、4.73(s、2H)、4.66(d、J=13.1Hz、1H)、4.38(d、J=13.1Hz、1H)、2.93(dt、J=13.0、8.1Hz、1H)、2.79(dt、J=13.0、7.2Hz、1H)、1.84−1.72(m、2H)、1.55−1.33(m、2H)、0.91(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):444.1[M+H]+。
SW209510(4−(3−アミノ−2−(ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)フェニル)メタノール。 t−BuOK(22.78mg、0.2028mmol)を、2−(((ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−4−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリル(150mg、0.338mmol)に添加し、バイアルの排気およびN2充填を3回繰り返した後、DMF(1.3mL)を加えた。この溶液をN2で数分間スパージした後、32℃に加熱した。TLC(80%EtOAc、20%ヘキサン)により5分毎に反応混合物をモニターし、反応を完了すると、EtOAcで希釈し、10%AcOHで洗浄した。その後、有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。生成物を自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、単離緑色固体/油を16%収率で得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.02(s、1H)、7.90(d、J=3.2Hz、1H)、7.59−7.40(m、5H)、4.80(s、2H)、4.63(s、2H)、3.27(ddd、J=12.8、9.0、6.1Hz、1H)、3.10(ddd、J=12.8、9.1、6.6Hz、1H)、1.78−1.61(m、2H)、1.55−1.40(m、2H)、0.93(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):444.1[M+H]+。
SW209511 4−(3−アミノ−2−(ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンジルアセテート。この化合物は、SW209510のEtOAc中での後処理の間に形成された(47%収率)。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.99(s、1H)、7.87(d、J=3.2Hz、1H)、7.56−7.40(m、5H)、5.18(s、2H)、4.62(s、2H)、3.26(ddd、J=12.8、9.0、6.1Hz、1H)、3.08(ddd、J=12.8、9.1、6.6Hz、1H)、2.14(s、3H)、1.77−1.59(m、2H)、1.53−1.37(m、2H)、0.92(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):486.1[M+H]+。
4−(3−アミノ−2−(ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンズアルデヒド。MnO2(111.3mg、1.28mmol)を、SW209510(56.8mg、0.128mmol)のDCM(2.3mL)中溶液に加え、室温で一晩撹拌した。LC/MSにより反応が不十分であることが示された。反応物をセライトを通して濾過し、DCMで洗浄後、減圧下で濾液を濃縮した。粗製混合物をDCM(2.3mL)に再溶解し、MnO2(5当量)を加えた。この溶液を室温で24時間撹拌し、セライトを通して濾過し、DCMで洗浄した。濾液を減圧下濃縮し、得られた粗生成物を自動フラッシュクロマトグラフィー(55%EtOAc、45%ヘキサン)で精製し、24%の単離収率を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ10.13(s、1H)、8.11−7.99(m、3H)、7.92(d、J=3.1Hz、1H)、7.75−7.62(m、2H)、7.51(d、J=3.2Hz、1H)、4.56(s、2H)、3.29(ddd、J=12.8、8.8、6.3Hz、1H)、3.11(ddd、J=12.8、8.9、6.9Hz、1H)、1.82−1.66(m、2H)、1.54−1.41(m、2H)、0.94(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):442.1[M+H]+。
SW209513. 2−(ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−4−(4−(ジメチルアミノ)メチル)フェニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミン。4−(3−アミノ−2−(ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンズアルデヒド(13.3mg、0.0301mmol)のメタノール(802.7μL)中溶液に、ジメチルアミン(174μL、0.301mmol、THF中2.0M)および酢酸(1.72μL、0.0301mmol)を加え、室温で反応物を90分間撹拌した。その後、反応物を0℃に冷却し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(3.7mg、0.060mmol)を加え、反応物をこの温度で2時間撹拌した後、室温まで暖めた。24時間後、さらなるシアノ水素化ホウ素ナトリウム(2当量)を0℃で加え、室温で撹拌をさらに24時間続けた。窒素を使って溶媒を蒸発させて固形物を得て、これをEtOAcで希釈し、飽和NaHCO3で洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(7%MeOH、93%DCM)により精製し、13%収率で生成物を単離した。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.07(s、1H)、7.93(d、J=3.2Hz、1H)、7.51(d、J=3.2Hz、1H)、7.49−7.41(m、4H)、4.67(s、2H)、3.55(s、2H)、3.36−3.25(m、1H)、3.13(ddd、J=12.8、9.0、6.7Hz、1H)、2.30(s、6H)、1.78−1.68(m、2H)、1.55−1.44(m、2H)、0.95(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):471.2[M+H]+。
メチル(E)−3−(3−オキソ−3−(チアゾール−2−イル)プロパ−1−エン−1−イル)ベンゾエート。出発材料としてメチル3−ホルミルベンゾエートを使用して、メチル(E)−4−(3−オキソ−3−(チアゾール−2−イル)プロパ−1−エン−1−イル)ベンゾエート用の手順にしたがった。自動フラッシュクロマトグラフィー(50%EtOAc、50%ヘキサン)を使って粗生成物を精製し、51%収率で生成物を単離した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.41−8.35(m、1H)、8.11−8.05(m、2H)、8.02(d、J=1.3Hz、2H)、7.89−7.83(m、1H)、7.72(d、J=3.0Hz、1H)、7.50(t、J=7.8Hz、1H)、3.95(s、3H)。ESI−MS(m/z):274.1。
メチル3−(2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)ベンゾエート。出発材料としてメチル(E)−3−(3−オキソ−3−(チアゾール−2−イル)プロパ−1−エン−1−イル)ベンゾエートを使用して、4−(2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)ベンゾエート用の手順にしたがった。生成物を87%の収率で単離した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.32−8.26(m、1H)、8.20(dt、J=7.9、1.3Hz、1H)、8.04(s、1H)、7.99(d、J=3.1Hz、1H)、7.85(ddd、J=7.7、2.0、1.1Hz、1H)、7.62(td、J=7.8、0.6Hz、1H)、7.58(d、J=3.1Hz、1H)、4.53(s、2H)、3.95(s、3H)、2.76(t、J=7.3Hz、2H)、1.71−1.59(m、2H)、1.49−1.36(m、2H)、0.91(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):456.1[M+Z]+。
2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−4−(3−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリル。メチル3−(2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)ベンゾエートを出発材料として使用して、2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−4−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリル用の手順にしたがった。生成物を84%の収率で単離した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.00(s、1H)、7.95(d、J=3.1Hz、1H)、7.64−7.61(m、1H)、7.58−7.52(m、2H)、7.52−7.46(m、2H)、4.76(s、2H)、4.50(s、2H)、2.74(t、J=7.3Hz、2H)、1.69−1.54(m、2H)、1.46−1.37(m、2H)、0.90(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):428.1[M+H]+。
2−(((ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−4−(3−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリル。2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−4−(3−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリルを出発材料として使用して、標準的酸化手順にしたがった。88%の収率で生成物を単離した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.08(s、1H)、7.96(d、J=3.1Hz、1H)、7.68−7.64(m、1H)、7.58−7.53(m、2H)、7.53−7.48(m、2H)、4.77(s、2H)、4.71(d、J=13.1Hz、1H)、4.36(d、J=13.1Hz、1H)、2.96(dt、J=13.0、8.2Hz、1H)、2.81(dt、J=13.0、7.3Hz、1H)、1.82(p、J=7.7Hz、2H)、1.58−1.40(m、2H)、0.94(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):444.1[M+H]+。
SW209418 (3−(3−アミノ−2−(ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)フェニル)メタノール。2−(((ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−4−(3−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリルを出発材料として使用して、SW209510用の手順に従って、単離生成物を68%の収率で得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.01(s、1H)、7.88(d、J=3.1Hz、1H)、7.55−7.30(m、5H)、4.75(s、2H)、4.62(s、2H)、3.26(ddd、J=12.8、9.1、6.0Hz、1H)、3.09(ddd、J=12.8、9.2、6.5Hz、1H)、1.76−1.61(m、2H)、1.51−1.38(m、2H)、0.92(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):444.1[M+H]+。
メチル3−(2−(((ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)ベンゾエート。メチル3−(2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)ベンゾエートを出発材料として使用して、標準的酸化手順にしたがった。これにより、86%の収率で生成物を単離した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.27(t、J=1.6Hz、1H)、8.17(dt、J=7.9、1.4Hz、1H)、8.09(s、1H)、7.97(d、J=3.1Hz、1H)、7.82(ddd、J=7.7、1.9、1.1Hz、1H)、7.61(m、1H)、7.58(d、J=3.1Hz、1H)、4.72(d、J=13.1Hz、1H)、4.42(d、J=13.1Hz、1H)、3.92(s、3H)、2.95(dt、J=13.0、8.1Hz、1H)、2.83(dt、J=13.0、7.3Hz、1H)、1.81(p、J=7.7Hz、2H)、1.57−1.36(m、2H)、0.92(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):472.1[M+H]+。
SW209416. メチル3−(3−アミノ−2−(ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンゾエート。メチル3−(2−(((ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)ベンゾエートを出発材料として使用して、SW209510用の手順に従って、単離生成物を68%の収率で得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.26−8.11(m、2H)、8.02(s、1H)、7.89(d、J=3.2Hz、1H)、7.76−7.56(m、2H)、7.49(d、J=3.1Hz、1H)、4.54(s、2H)、3.93(s、3H)、3.27(ddd、J=12.8、9.0、6.2Hz、1H)、3.09(ddd、J=12.8、9.0、6.7Hz、1H)、1.79−1.61(m、2H)、1.55−1.39(m、2H)、0.92(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):472.1[M+H]+。
エステルのカルボン酸への標準的加水分解手順:3−(2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)安息香酸。THF(214.3μL)、MeOH(214.3μL)、およびH2O(71.4μL)を、メチル3−(2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)ベンゾエート(50mg、0.110mmol)に加え、最後にLiOH(7.9mg、0.329mmol)を加えた。この溶液を室温で3時間攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、1MのHClで洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた生成物は94%の収率であった。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.41(t、J=1.7Hz、1H)、8.26(dt、J=8.0、1.3Hz1H)、8.13(s、1H)、8.02(d、J=3.1Hz、1H)、7.94−7.89(m、1H)、7.65(t、J=7.8Hz、1H)、7.59(d、J=3.1Hz、1H)、4.53(s、2H)、2.75(t、J=7.3Hz、2H)、1.64(p、J=7.5Hz、2H)、1.43(m、2H)、0.91(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):442.1[M+Z]+。
標準的アミド結合カップリング手順:3−(2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)−N,N−ジメチルベンズアミド。ジメチルアミン塩酸塩(9.25mg、0.114mmol)を、3−(2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)安息香酸(45.6mg、0.103mmol)、HATU(43.2mg、0.114mmol)、およびDMF(266μL)の溶液に加え、続いてDIPEA(36μL、0.21mmol)を加えた。この溶液を室温で3時間攪拌した後、EtOAcで希釈し、水で洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。単離固形物は86%の収率であった。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.99(s、1H)、7.97(d、J=3.1Hz、1H)、7.69−7.61(m、2H)、7.58−7.51(m、3H)、4.50(s、2H)、3.11(s、3H)、3.03(s、3H)、2.73(t、J=7.3Hz、2H)、1.62(p、J=7.4Hz、2H)、1.40(h、J=7.3Hz、2H)、0.89(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):469.1[M+H]+。
3−(2−(((ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)−N,N−ジメチルベンズアミド。3−(2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)−N,N−ジメチルベンズアミドを出発材料として使用して、標準的酸化手順にしたがって、単離生成物を96%の収率で得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δ8.08(s、1H)、7.98(d、J=3.1Hz、1H)、7.70−7.64(m、2H)、7.61−7.54(m、3H)、4.70(d、J=13.1Hz、1H)、4.42(d、J=13.1Hz、1H)、3.11(s、3H)、3.03(s、3H)、2.95(dt、J=12.9、8.2Hz、1H)、2.81(dt、J=12.9、7.2Hz、1H)、1.82(p、J=7.7Hz、2H)、1.56−1.36(m、2H)、0.93(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):485.1[M+H]+。
SW209417. 3−(3−アミノ−2−(ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−N,N−ジメチルベンズアミド。3−(2−(((ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)−N,N−ジメチルベンズアミドを出発材料として使用して、SW209510用の手順にしたがって、単離生成物を63%の収率で得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δ8.02(s、1H)、7.90(d、J=3.1Hz、1H)、7.62−7.51(m、4H)、7.49(d、J=3.1Hz、1H)、4.59(s、2H)、3.27(ddd、J=12.8、9.0、6.1Hz、1H)、3.15−2.97(m、7H)、1.78−1.64(m、2H)、1.55−1.39(m、2H)、0.93(t、J=7.3Hz、3H)。
SW209419. 3−(3−アミノ−2−(ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)安息香酸。SW209416を出発材料として使用して、エステルのカルボン酸への標準的加水分解手順にしたがった。これにより、98%の単離収率を得た。1H NMR(400MHz、(CD3)2CO))δ8.28−8.18(m、2H)、8.07(s、1H)、7.98(d、J=3.2Hz、1H)、7.90(d、J=7.6Hz、1H)、7.82(d、J=3.2Hz、1H)、7.76(t、J=7.6Hz、1H)、4.82(s、2H)、3.20(ddd、J=12.8、8.8、6.3Hz、1H)、3.09(ddd、J=12.9、8.8、6.8Hz、1H)、1.76−1.66(m、2H)、1.54−1.43(m、2H)、0.92(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):458.1[M+H]+。
SW209420. (3−(3−アミノ−2−(ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)フェニル)(4−メチルピペラジン−1−イル)メタノン。SW209419を出発材料として、1−メチルピペラジンを基質として使用して、標準的アミド結合カップリング手順にしたがった。生成物を自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、38%の単離収率で回収した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.04(s、1H)、7.91(d、J=3.2Hz、1H)、7.65−7.42(m、5H)、4.56(s、2H)、3.79(m、2H)、3.46(m、2H)、3.28(ddd、J=12.9、8.9、6.1Hz、1H)、3.10(ddd、J=12.9、9.2、7.0Hz、1H)、2.48(m、2H)、2.35(m、2H)、2.31(s、3H)、1.77−1.58(m、2H)、1.54−1.38(m、2H)、0.94(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):540.2[M+H]+。
SW209508. N−アリル−3−(3−アミノ−2−(ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンズアミド。SW209419を出発材料として、アリルアミンを基質として使用して、標準的アミド結合カップリング手順にしたがった。単離生成物は92%の収率であった。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.05−7.91(m、3H)、7.88(d、J=3.2Hz、1H)、7.68−7.53(m、2H)、7.48(d、J=3.1Hz、1H)、6.01−5.82(m、1H)、5.25(d、J=17.2Hz、1H)、5.16(dd、J=10.2、1.4Hz、1H)、4.52(s、2H)、4.19−3.98(m、2H)、3.24(ddd、J=12.8、9.0,5.9Hz、1H)、3.16−2.98(m、1H)、1.78−1.56(m、2H)、1.57−1.38(m、2H)、0.92(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):497.1[M+H]+。
SW209509. 3−(3−アミノ−2−(ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)ベンズアミド。SW209419を出発材料として、およびN,n−ジメチルエタン−1,2−ジアミンを基質として使用して、標準的アミド結合カップリング手順にしたがった。反応混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄し、NaOHを加えてpHを中和した。その後、有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を自動フラッシュクロマトグラフィー(93%DCM、2%Et3N、5%MeOH)により精製し、70%の単離収率で生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.02(s、1H)、8.00−7.95(m、2H)、7.88(d、J=3.2Hz、1H)、7.63−7.54(m、2H)、7.48(d、J=3.2Hz、1H)、4.55(s、2H)、3.59−3.50(m、2H)、3.25(ddd、J=12.8、9.0、6.0Hz、1H)、3.08(ddd、J=12.8、9.1、6.6Hz、1H)、2.58(t、J=5.9Hz、2H)、2.28(s、6H)、1.77−1.61(m、2H)、1.53−1.43(m、2H)、0.92(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):528.2[M+H]+。
2,6−ジクロロピリジン−3−アミン。アセトン/水混合物(297mL、5:1)を、2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジン(3.0g、0.016mol)を加え、続けてZn(10.17g、0.1550mol)およびNH4Cl(12.44g、0.2325mol)を加えた。この溶液を室温で一晩攪拌した。その後、反応混合物をセライトを通して濾過し、濾液をEtOAcで抽出した。ブラインを使って、有機層を分離し、MgSO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.07(d、J=8.2Hz、1H)、7.02(d、J=8.3Hz、1H)、4.11(s、2H)。ESI−MS(m/z):163.0。
エチルキサントゲン酸カリウム。KOH(6.5g、0.12mol)をEtOH(63.4mL)中に溶解することにより、カリウムエトキシド溶液を調製した。二硫化炭素(7.14mL、0.118mol)を、その溶液に、連続的に撹拌しながらゆっくりと加えた。反応混合物を5℃に冷却し、濾過して、沈殿物を温かいエタノールから2回再結晶させた。
5−クロロチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−チオール。エチルキサントゲン酸カリウム(1.9g、0.012mol)および無水N−メチル−2−ピロリドン(14.1mL)を、N2下で2,6−ジクロロピリジン−3−アミン(1.0g、0.0061mol)に添加した。その溶液を3.5時間還流した(170℃)。反応混合物を室温まで冷却し、AcOHを使ってpH5に酸性化し、EtOAcで希釈して、H2Oで数回洗浄した。有機層を分離し、MgSO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。これにより、赤色固体を18%の収率で得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δ7.41(d、J=8.4Hz、1H)、7.30(d、J=8.4Hz、1H)。ESI−MS(m/z):202.9。
2−(ブチルチオ)−5−クロロチアゾロ[5.4−b]ピリジン。K2CO3(75mg、0.54mmol)、1−ブロモブタン(53.3μL、0.493mmol)、18−クラウン−6(13.2mg、0.0493mmol)、およびDMF(3.4mL)を、5−クロロチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−チオールに添加し、溶液を80℃で3時間加熱した。溶液をEtOAcで希釈し、H2Oで洗浄し、有機層を分離してMgSO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーを使って精製し、76%の単離収率を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.93(d、J=8.5Hz、1H)、7.30(d、J=8.5Hz、1H)、3.31(t、J=7.3Hz、2H)、1.76(p、J=7.5Hz、2H)、1.52−1.39(m、2H)、0.93(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):259.0[M+H]+。
2−(ブチルチオ)−5−(チオフェン−2−イル)チアゾロ[5,4−b]ピリジン。2−チエニルボロン酸(49.4mg、0.386mmol)、CsCO3(126mg、0.386mmol)、Pd(dppf)Cl2(15.8mg、0.0193mmol)、CuCl(19.1mg、0.193mmol)およびDMF(1mL)を、N2下で2−(ブチルチオ)−5−クロロチアゾロ[5,4−b]ピリジン(50mg、0.19mmol)に加えた。反応混合物を100℃で30分間加熱した。その後、N2を止め、バイアルにキャップをして、テフロンテープで密封し、一晩撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、H2Oで洗浄し、有機層を分離してMgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して31%の単離収率で生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.98(d、J=8.6Hz、1H)、7.63(dd、J=3.8、1.1Hz、1H)、7.51(dd、J=5.1、1.1Hz、1H)、7.23(d、J=8.6Hz、1H)、7.14(dd、J=5.0、3.8Hz、1H)、3.24(t、J=7.3Hz、2H)、1.78−1.66(m、2H)、1.57−1.41(m、2H)、0.96(t、J=7.4Hz、3H)。ESI−MS(m/z):307.0[M+H]+。
SW208599. 2−(ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−5−(チオフェン−2−イル)チアゾロ[5,4−b]ピリジン。CHCl3(142μL)、AcOH(142μL)、およびH2O2(12.0μL、0.118mmol、30%水溶液)を、2−(ブチルチオ)−5−(チオフェン−2−イル)チアゾロ[5,4−b]ピリジン(18mg、0.059mmol)に添加し、35℃で2.5時間加熱した。この溶液をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO3で洗浄した。有機層を分離し、MgSO4上で乾燥させて、濾過し、減圧下で濃縮して、60%の単離収率で生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.39(d、J=8.4Hz、1H)、8.06(d、J=8.4Hz、1H)、7.74(dd、J=3.8,1.1Hz、1H)、7.61(dd、J=5.0,1.1Hz、1H)、7.19(dd、J=5.0、3.8Hz、1H)、3.15(ddd、J=13.3、9.8、6.0Hz、1H)、2.96(ddd、J=13.3、9.9,4.9Hz、1H)、1.98−1.80(m、1H)、1.60−1.52(m、1H)、1.52−1.37(m、2H)、0.93(t、J=7.2Hz、3H)。ESI−MS(m/z):323.0[M+H]+。
2−(((イソプロピルチオ)メチル)チオ)−6−(オキサゾール−2−イル)−4−フェニルニコチノニトリル。(クロロメチル)(イソプロピル)スルファンをアルキル化基質として、6−(オキサゾール−2−イル)−4−フェニル−2−チオキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリルを出発材料として使用して、標準的アルキル化手順にしたがった。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーを使って精製し、62%の単離収率で固形物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.97(s、1H)、7.88(d、J=0.7Hz、1H)、7.67−7.61(m、2H)、7.56−7.50(m、3H)、7.37(d、J=0.8Hz、1H)、4.63(s、2H)、3.24(hept、J=6.7Hz、1H)、1.35(d、J=6.7Hz、6H)。ESI−MS(m/z):368.0[M+H]+。
2−(((イソプロピル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−6−(オキサゾール−2−イル)−4−フェニルニコチノニトリル。2−(((イソプロピルチオ)メチル)チオ)−6−(オキサゾール−2−イル)−4−フェニルニコチノニトリルを出発材料として使用して、標準的酸化手順にしたがった。定量的単離収率で回収した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.03(s、1H)、7.88(d、J=0.7Hz、1H)、7.67−7.61(m、2H)、7.58−7.50(m、3H)、7.39(d、J=0.7Hz、1H)、4.79(d、J=13.3Hz、1H)、4.55(d、J=13.3Hz、1H)、3.18(hept、J=6.9Hz、1H)、1.42(d、J=1.5Hz、3H)、1.40(d、J=1.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):384.1[M+H]+。
標準的最終環化手順:SW208660. 2−(イソプロピル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−6−(オキサゾール−2−イル)−4−フェニルチエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミン。DMF(485μL)およびMeOH(244μL)を、2−(((イソプロピル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−6−(オキサゾール−2−イル)−4−フェニルニコチノニトリル(47.2mg、0.123mmol)に加え、これを完全に溶解した後、KOH(100μLのH2O中4.1mg)をその溶液に添加した。この反応混合物を35℃で40分間攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、10%AcOHで洗浄した後、H2Oで複数回洗浄した。有機層を分離し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーを使って精製し、40%の単離収率で生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.99(s、1H)、7.85(d、J=0.7Hz、1H)、7.56−7.44(m、5H)、7.34(d、J=0.8Hz、1H)、4.69(s、2H)、3.41(hept、J=6.8Hz、1H)、1.44(d、J=6.8Hz、3H)、1.28(d、J=6.9Hz、3H)。ESI−MS(m/z):384.1[M+H]+。
2−クロロ−4−メチル−6−モルホリノニコチノニトリル。N2下で、無水MeOH(3.97mL)を、2,6−ジクロロ−4−メチルニコチノニトリル(500mg、2.67mmol)に加え、混合物を0℃に冷却した。この溶液に、モルホリン(473.7μL、5.493mmol)を滴下して加えて、溶液を室温で一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、沈殿物をMeOH(500μL)およびH2O(3〜4mL)で洗浄した。沈殿物にDCM、続けてMgSO4を加えて、溶液を濾過した後、減圧下で濃縮した。粗生成物を自動フラッシュクロマトグラフィーを使って精製し、85%の単離収率で生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.26(s、1H)、3.81−3.73(m、4H)、3.68−3.58(m、4H)、2.42(d、J=0.8Hz、3H)。ESI−MS(m/z):238.1[M+H]+。
4−メチル−6−モルホリノ−2−チオキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリル。NaOME(73.6mg、1.36mmol)およびメチル3−メルカプトプロピオネート(mercapiopropionate)(151μL、1.363mmol)を、2−クロロ−4−メチル−6−モルホリノニコチノニトリル(324mg、1.36mmol)のDMF(4.10mL)中溶液に加え、反応混合物を80℃で1時間撹拌した。冷却が終わると、反応混合物をEtOAcで希釈し、H2Oで洗浄した。有機層を分離し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して出発材料:生成物比率が1:1の粗製混合物を得て、これを次のステップに進めた。ESI(m/z):322.1[M+H]+。NaH(150.8mg、3.769mmol、ミネラルオイル中60%)およびTHF(10mL)を、N2下でフレーム乾燥したフラスコに加え、続けて、THF(10mL)に溶解した、前のステップからの粗生成物を加えた。反応混合物を6時間還流し、NaH(2当量)加えて、還流を一晩継続した。EtOH(1.5mL)を加えた後、反応混合物を減圧下で濃縮した。H2O(8mL)を加え、濃HClで溶液のpHを6に調節した後、濾過して粗製固体を残し、これを次のステップに進めた。ESI(m/z):236.1[M+H]+。
4−メチル−6−モルホリノ−2−(((プロピルチオ)メチル)チオ)ニコチノニトリル。4−メチル−6−モルホリノ−2−チオキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリルを出発材料として、(クロロメチル)(プロピル)スルファンをアルキル化基質として使用して、標準的アルキル化手順にしたがった。粗生成物を次のステップに進めた。ESI(m/z):324.1[M+H]+。
2−((((l1−オキシダニル)(プロピル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−4−メチル−6−モルホリノニコチノニトリル。4−メチル−6−モルホリノ−2−(((プロピルチオ)メチル)チオ)ニコチノニトリルを出発材料として使用して、標準的酸化手順にしたがった。粗生成物を次のステップに進めた。ESI(m/z):340.1[M+H]+。
SW208663. 2−(l1−オキシダニル)(プロピル)−l3−スルファニル)−4−メチル−6−モルホリノチエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミン。2−((((l1−オキシダニル)(プロピル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−4−メチル−6−モルホリノニコチノニトリルを出発材料として使用して、標準的最終環化手順にしたがった。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーおよびPTLCにより精製し、単離生成物を10%収率で得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ6.36(s、1H)、4.91(s、2H)、3.85−3.76(m、4H)、3.63−3.58(m、4H)、3.32−3.18(m、1H)、3.09−2.99(m、1H)、2.65(s、3H)、1.81−1.66(m、2H)、1.07(t、J=7.4Hz、3H)。ESI(m/z):340.1[M+H]+。
4−メチル−6−(チアゾール−2−イル)−2−チオキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリル。メチル3−((3−シアノ−4−メチル−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル)チオ)プロパノエートを出発材料として使用して、4−メチル−6−モルホリノ−2−チオキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリルと同じ手順にしたがった。粗生成物を次のステップに進めた。ESI−MS(m/z):234.0[M+H]+。
4−メチル−2−(((プロピルチオ)メチル)チオ)−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリル。4−メチル−6−(チアゾール−2−イル)−2−チオキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリルを出発材料として、(クロロメチル)(プロピル)スルファンをアルキル化基質として使用して、標準的アルキル化手順にしたがった。粗生成物を自動フラッシュクロマトグラフィーを使って精製し、23%の単離収率で生成物を得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δ7.96(d、J=3.1Hz、1H)、7.83(s、1H)、7.54(d、J=3.1Hz、1H)、4.47(s、2H)、2.70(t、J=7.2Hz、2H)、2.55(s、3H)、1.67(h、J=7.3Hz、2H)、0.99(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):322.0[M+H]+。
2−(((l1−オキシダニル)(プロピル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−4−メチル−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリル。4−メチル−2−(((プロピルチオ)メチル)チオ)−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリルを出発材料として使用して、標準的酸化手順にしたがって、91%の単離収率で白色固体を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.97(d、J=3.1Hz、1H)、7.92(s、1H)、7.56(d、J=3.2Hz、1H)、4.74(d、J=13.2Hz、1H)、4.44(d、J=13.1Hz、1H)、2.89(m、2H)、2.57(s、3H)、1.93−1.79(m、2H)、1.06(t、J=7.4Hz、3H)。ESI−MS(m/z):338.0[M+H]+。
SW208661. 2−(l1−オキシダニル)(プロピル)−l3−スルファニル)−4−メチル−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミン。2−((((l1−オキシダニル)(プロピル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−4−メチル−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリルを出発材料として使用して、標準的最終環化手順にしたがった。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーを使って精製し、61%の鮮緑色の単離生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.95(s、1H)、7.93(d、J=3.2Hz、1H)、7.48(d、J=3.2Hz、1H),5.16(s、2H)、3.37−3.23(m、1H)、3.16−3.05(m、1H)、2.85(s、3H)、1.83(h、J=7.5Hz、2H)、1.11(t、J=7.4Hz、3H)。ESI−MS(m/z):338.0[M+H]+。
2−(((イソプロピルチオ)メチル)チオ)−4−メチル−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリル。(クロロメチル)(イソプロピル)スルファンをアルキル化基質として、4−メチル−6−(チアゾール−2−イル)−2−チオキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリルを出発材料として使用して、標準的アルキル化手順にしたがった。自動フラッシュクロマトグラフィーを使って精製し、32%の単離収率で生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.94(d、J=3.2Hz、1H)、7.82(s、1H)、7.52(d、J=3.2Hz、1H)、4.48(s、2H)、3.18(hept、J=6.6Hz、1H)、2.54(s、3H)、1.31(d、J=6.7Hz、6H)。ESI−MS(m/z):322.0[M+H]+。
2−(((イソプロピル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−4−メチル−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリル。2−(((イソプロピルチオ)メチル)チオ)−4−メチル−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリルを出発材料として使用して、標準的酸化手順にしたがい、84%収率で固体生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.97(d、J=3.1Hz、1H)、7.91(s、1H)、7.56(d、J=3.1Hz、1H)、4.57(d、J=13.3Hz、1H)、4.46(d、J=13.3Hz、1H)、3.05(hept、J=6.9Hz、1H)、2.57(s、3H)、1.38(d、J=7.1Hz、3H)、1.36(d、J=6.7Hz、3H)。ESI−MS(m/z):338.0[M+H]+。
SW208664. 2−(イソプロピル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−4−メチル−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミン。2−(((イソプロピル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−4−メチル−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリルを出発材料として使用して、標準的最終環化手順にしたがった。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーを使って精製し、48%の単離収率で鮮緑色の油/固体を得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δ7.93(s、1H)、7.92(d、J=3.2Hz、1H)、7.46(d、J=3.2Hz、1H)、3.38(hept、J=6.9Hz、1H)、2.84(s、3H)、1.46(d、J=6.8Hz、3H)、1.29(d、J=6.8Hz、3H)。ESI−MS(m/z):338.0[M+H]+。
エチル2,4−ジオキソ−4−(チオフェン−2−イル)ブタノエート。2−アセチルチオフェン(1.71mL、0.0159mol)を、NaOEt(50mLのEtOH中の730mgの角状Na)の溶液に加え、その溶液を0℃に1〜2時間冷却した後、シュウ酸ジエチル(3.2mL)を溶液に加えた。これを室温で一晩撹拌した。反応混合物をEtOAcおよびH2Oで希釈し、ブラインを少し加えて分離を促進した。有機層を集め、MgSO4で乾燥し、濾過して、減圧下で濃縮した。粗生成物を自動フラッシュクロマトグラフィーを使って精製し、23%の単離収率で油状生成物を得た。ESI−MS(m/z):227.0[M+H]+。
エチル3−シアノ−2−(((プロピルチオ)メチル)チオ)−6−(チオフェン−2−イル)イソニコチネート。2−シアノチオアセトアミド(250.6mg、2.503mmol)およびエチル2,4−ジオキソ−4−(チオフェン−2−イル)ブタノエート(565.7mg、2.503mmol)を穏やかな加熱(40℃)下でEtOH(7.46mL)に溶解した後、Et3N(174.5μL、1.251mmol)を撹拌溶液に滴下して加えた。反応混合物を60℃に加熱し、3時間後に減圧下で濃縮して、粗生成物を次のステップに進めた。エチル3−シアノ−6−(チオフェン−2−イル)−2−チオキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボキシレートを出発材料として、(クロロメチル)(プロピル)スルファンをアルキル化剤として使用して、標準的アルキル化手順にしたがった。粗生成物を自動フラッシュクロマトグラフィー(20%EtOAc、80%ヘキサン)を使って2回精製し、34%の単離生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.70(s、1H)、7.60(dd、J=3.8,1.1Hz、1H)、7.44(dd、J=5.1,1.1Hz、1H)、7.04(dd、J=5.0、3.8Hz、1H)、4.38(q、J=7.2Hz、2H)、4.32(s、2H)、2.59(t、J=7.2Hz、2H)、1.57(h、J=7.4Hz、2H)、1.36(t、J=7.1Hz、3H)、0.89(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):378.9[M+H]+。
エチル2−((((l1−オキシダニル)(プロピル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チオフェン−2−イル)イソニコチネート。エチル3−シアノ−2−(((プロピルチオ)メチル)チオ)−6−(チオフェン−2−イル)イソニコチネートを出発材料として使用して、標準的酸化手順にしたがって、定量的収率の固形物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.86(s、1H)、7.72(dd、J=3.8、1.1Hz、1H)、7.53(dd、J=5.0、1.1Hz、1H)、7.11(dd、J=5.0、3.8Hz、1H)、4.68(d、J=13.2Hz、1H)、4.49(d、J=13.2Hz、1H)、4.43(q、J=7.1Hz、2H)、2.96−2.82(m、2H)、1.87−1.75(m、2H)、1.40(t、J=7.2Hz、3H)、1.02(t、J=7.4Hz、3H)。ESI−MS(m/z):394.9[M+H]+。
SW208781. エチル2−(l1−オキシダニル)(プロピル)−l3−スルファニル)−3−アミノ−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4−カルボキシレート。t−BuOK(74.1mg、0.661mmol)を、エチル2−((((l1−オキシダニル)(プロピル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チオフェン−2−イル)イソニコチネート(433.7mg、1.101mmol)のDMF(4.3ml)中溶液に加え、この溶液を35℃で40分撹拌した。さらにt−BuOK(74.1mg、0.661mmol)を添加し、35℃で1時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、10%AcOHで洗浄した後、H2Oで複数回洗浄した。有機層を分離し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーを使って精製し、30%の単離収率で生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.01(s、1H)、7.69(dd、J=3.8,1.1Hz、1H)、7.46(dd、J=5.0,1.1Hz、1H)、7.11(dd、J=5.0、3.8Hz、1H)、6.09(s、2H)、4.49(q、J=7.1Hz、2H)、3.36−3.22(m、1H)、3.15−3.00(m、1H)、1.87−1.68(m、2H)、1.47(t、J=7.1Hz、3H)、1.07(t、J=7.4Hz、3H)。ESI−MS(m/z):394.9[M+H]+。
SW208782. 2−(l1−オキシダニル)(プロピル)−l3−スルファニル)−3−アミノ−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸。SW208781を出発材料として使用して、標準的加水分解手順にしたがって、40%の単離収率で生成物を得た。1H NMR(400MHz、C3D7NO)δ8.56(s、1H)、8.29(d、J=3.7Hz、1H)、8.19(s、1H)、7.99(d、J=5.0Hz、1H)、7.47−7.41(m、1H)、3.36(ddd、J=12.8、8.4、6.1Hz、1H)、3.24(ddd、J=12.8、8.6、6.8Hz、1H)、1.98−1.85(m、2H)、1.23(t、J=7.4Hz、3H)。ESI−MS(m/z):366.8。
2−(((イソプロピルチオ)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリル。4−フェニル−6−(チアゾール−2−イル)−2−チオキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリルを出発材料として、(クロロメチル)(イソプロピル)スルファンをアルキル化剤として使用して、標準的アルキル化手順にしたがった。これを自動フラッシュクロマトグラフィーを使って精製して、72%単離収率で生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.03(s、1H)、7.98(d、J=3.1Hz、1H)、7.70−7.62(m、2H)、7.57(d、J=3.1Hz、1H)、7.56−7.48(m、3H)、4.56(s、2H)、3.24(hept、J=6.7Hz、1H)、1.36(d、J=6.7Hz、6H)。ESI−MS(m/z):383.9。
2−(((イソプロピル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリル。2−(((イソプロピルチオ)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリルを出発材料として使用して、標準的酸化手順にしたがった。これにより91%収率で白色固体生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.12(s、1H)、8.00(d、J=3.1Hz、1H)、7.70−7.63(m、2H)、7.60(d、J=3.1Hz、1H)、7.58−7.51(m、3H)、4.63(d、J=13.2Hz、1H)、4.48(d、J=13.2Hz、1H)、3.09(hept、J=6.9Hz、1H)、1.42(d、J=10.5Hz、3H)、1.39(d、J=10.5Hz、3H)。ESI−MS(m/z):399.9。
SW208780. 2−(イソプロピル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−4−フェニル−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミン。t−BuOK(2.5mg、0.023mmol)を、エチル2−((((イソプロピル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリル(15mg、0.038mmol)のDMF(148μL)中溶液に加え、35℃で40分撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、10%AcOHで洗浄した後、H2Oで数回洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーを使って精製し、75%の収率で生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.05(s、1H)、7.91(d、J=3.2Hz、1H)、7.57−7.42(m、6H)、4.68(s、2H)、3.47−3.33(m、1H)、1.44(d、J=6.8Hz、3H)、1.27(d、J=6.8Hz、3H)。ESI−MS(m/z):399.9。
メチル4−(2−(((ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)ベンゾエート。メチル4−(2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)ベンゾエートを出発材料として使用して、標準的酸化手順にしたがって、98%の単離収率で白色固体を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.15(d、J=8.3Hz、2H)、8.05(s、1H)、7.95(d、J=3.1Hz、1H)、7.68(d、J=8.3Hz、2H)、7.57(d、J=3.1Hz、1H)、4.68(d、J=13.1Hz、1H)、4.42(d、J=13.1Hz、1H)、3.91(s、3H)、3.01−2.86(m、1H)、2.87−2.74(m、1H)、1.88−1.72(m、2H)、1.55−1.35(m、2H)、0.91(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):472.1[M+H]+。
SW209127. メチル4−(3−アミノ−2−(ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンゾエート。t−BuOK(21.8mg、0.194mmol)を、DMF(1.30mL)中のメチル4−(2−(((ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)ベンゾエート(152.8mg、0.3239mmol)に加え、この溶液を35℃で40分間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、10%AcOHで洗浄した後、H2Oで数回洗浄した。有機層を分離し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を自動フラッシュクロマトグラフィーを使って精製し、66%の単離収率で鮮緑色生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.19(d、J=7.5Hz、2H)、8.04(s、1H)、7.91(d、J=3.2Hz、1H)、7.67−7.54(m、2H)、7.50(d、J=3.2Hz、1H)、3.97(s、3H)、3.27(ddd、J=12.8、8.9、6.2Hz、1H)、3.10(ddd、J=12.8、9.0、6.8Hz、1H)、1.81−1.63(m、2H)、1.54−1.39(m、2H)、0.93(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):472.1[M+H]+。
SW209281. 4−(3−アミノ−2−(ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)安息香酸。SW209127を出発材料として使用して、標準的加水分解手順にしたがって、84%の単離収率で鮮緑色固体を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.16(d、J=8.4Hz、2H)、8.05(s、1H)、7.95(d、J=3.2Hz、1H)、7.68−7.55(m、2H)、7.52(d、J=3.2Hz、1H)、3.40−3.24(m、1H)、3.24−3.04(m、1H)、1.83−1.65(m、2H)、1.55−1.37(m、2H)、0.93(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):458.1[M+H]+。
SW209282. 4−(3−アミノ−2−(ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−N,N−ジメチルベンズアミド。SW209281を出発材料として、およびジメチルアミン塩酸塩をカップリング試薬として使用して、標準的アミド結合カップリング手順にしたがった。生成物を自動フラッシュクロマトグラフィー(20%ヘキサン、80%EtOAc)を使って精製し、59%の単離収率で鮮緑色固体を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.03(s、1H)、7.91(d、J=3.2Hz、1H)、7.66−7.44(m、5H)、3.36−3.21(m、1H)、3.14(s、3H)、3.13−3.06(m、1H)、3.02(s、3H)、1.81−1.64(m、2H)、1.55−1.41(m、2H)、0.93(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):485.1[M+H]+。
2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チオフェン−2−イル)イソニコチン酸。エチル2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チオフェン−2−イル)イソニコチネートを出発材料として使用して、標準的加水分解手順にしたがって、単離生成物を94%の収率で得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ10.65(s、1H)、7.95(s、1H)、7.76(dd、J=3.8、1.1Hz、1H)、7.57(dd、J=5.0、1.0Hz、1H)、7.17(dd、J=5.0、3.7Hz、1H)、4.46(s、2H)、2.72(t、J=7.2Hz、2H)、1.67−1.55(m、2H)、1.40(h、J=7.4Hz、2H)、0.90(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):365.0[M+H]+。
2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−3−シアノ−N,N−ジメチル−6−(チオフェン−2−イル)イソニコチンアミド。2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チオフェン−2−イル)イソニコチン酸を出発材料として、およびジメチルアミンをカップリング試薬として使用して、標準的アミド結合カップリング手順にしたがった。粗生成物を自動フラッシュクロマトグラフィー(20%EtOAc、80%ヘキサン)を使って精製し、53%の単離収率で生成物を得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δ7.67(d、J=3.8Hz、1H)、7.54(d、J=5.0Hz、1H)、7.34(s、1H)、7.15(t、J=4.8、3.9、0.7Hz、1H)、4.49(s、2H)、3.16(s、3H)、2.98(s、3H)、2.72(t、2H)、1.62(p、J=7.7Hz、2H)、1.41(h、J=7.3Hz、2H)、0.90(t、J=7.7、7.0Hz、3H)。ESI−MS(m/z):392.1[M+H]+。
2−(((ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−3−シアノ−N,N−ジメチル−6−(チオフェン−2−イル)イソニコチンアミド。2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−3−シアノ−N,N−ジメチル−6−(チオフェン−2−イル)イソニコチンアミドを出発材料として使用して、標準的酸化手順にしたがって85%の単離収率で固体生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.67(d、J=3.8Hz、1H)、7.54(d、J=5.0Hz、1H)、7.34(s、1H)、7.20−7.06(m、1H)、4.49(s、2H)、3.16(s、3H)、2.98(s、3H)、2.72(t、2H)、1.62(p、J=7.7Hz、2H)、1.41(h、J=7.3Hz、2H)、0.90(t、J=7.7、7.0Hz、3H)。ESI−MS(m/z):408.1[M+H]+。
SW209283. 3−アミノ−2−(ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−N,N−ジメチル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4−カルボキサミド。t−BuOK(6.5mg、0.058mmol)を、2−(((ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−3−シアノ−N,N−ジメチル−6−(チオフェン−2−イル)イソニコチンアミド(39.2mg、0.962mmol)のDMF(380μL)中溶液に加え、溶液を35℃で40分間加熱した。反応混合物をEtOAcで希釈し、10%AcOHで洗浄した後、H2Oで数回洗浄した。有機層を分離し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製材料を自動フラッシュクロマトグラフィー(20%ヘキサン、80%EtOAc)を使って単離し、20%の単離収率で最終生成物を得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δ7.66(dd、J=3.8,1.1Hz、1H)、7.52−7.42(m、2H)、7.13(dd、J=5.0、3.7Hz、1H)、3.34−3.23(m、1H)、3.21(s、3H)、3.15−3.02(m、1H)、2.96(s、3H)、1.79−1.62(m、2H)、1.55−1.36(m、2H)、0.93(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):408.1[M+H]+。
SW212366. 4−(3−アミノ−2−(ブチルスルフィニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンジルジメチルグリシネート。N,N−ジメチルグリシン(3.5mg、0.034mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(6.5mg、0.034mmol)、およびDMAP(4.1mg、0.0334mmol)をSW209510(10mg、0.023mmol)に加え、DMF(270μL)に溶解した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、1MのNaOHで中和し、H2Oで洗浄して、EtOAcで抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(7%MeOH、93%DCM)を使って精製し、定量収率で緑色固体生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.02(s、1H)、7.90(d、J=3.2Hz、1H)、7.56−7.43(m、5H)、5.25(s、2H)、4.61(s、2H)、3.35−3.27(m、1H)、3.26(s、2H)、3.16−3.04(m、1H)、2.37(s、6H)、1.78−1.63(m、2H)、1.55−1.39(m、2H)、0.93(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):529.1[M+H]+。
メチル2−(4−ホルミルフェノキシ)アセテート。4−ヒドロキシベンズアルデヒド(3.0g、25mmol)のアセトン(61.4mL)中溶液に、K2CO3(5.43g、39.3mmol)を加え、混合物を激しく撹拌した。メチルブロモアセテート(2.8mL、29mmol)を添加し、混合物を室温で3.5時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した後、H2Oで洗浄し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して無色の油を得た。これを82%の単離収率で真空下で固形化させた。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ9.87(s、1H)、7.82(d、J=8.8Hz、2H)、6.98(d、J=8.7Hz、2H)、4.70(s、2H)、3.79(s、3H)。ESI−MS(m/z):195.1[M+H]+。
メチル(E)−2−(4−(3−オキソ−3−(チアゾール−2−イル)プロパ−1−エン−1−イル)フェノキシ)アセテート。2−アセチルチアゾール(534μL、5.15mmol)を、N2下で、メチル2−(4−ホルミルフェノキシ)アセテート(1.0g、5.2mmol)のMeOH(11mL)中溶液に加えた。NaOMe(279mg、5.15mmol)を最後に加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、沈殿物を少量のMeOHで洗浄後、DCMで希釈し、H2Oで洗浄した。有機層を分離し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。これにより、21%の単離収率で固体生成物を得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δ8.03(d、J=3.0Hz、1H)、7.95(d、J=15.9Hz、1H)、7.82(d、J=16.0Hz、1H)、7.70−7.61(m、3H)、6.92(d、J=8.8Hz、2H)、4.67(s、2H)、3.80(s、3H)。ESI−MS(m/z):304.1[M+H]+。
メチル2−(4−(2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)フェノキシ)アセテート。EtOH(495μL)を、2−シアノチオアセトアミド(49.5mg、0.494mmol)およびメチル(E)−2−(4−(3−オキソ−3−(チアゾール−2−イル)プロパ−1−エン−1−イル)フェノキシ)アセテート(50mg、0.16mmol)に加え、続けて1滴のピペリジンを加えた。反応混合物を80℃で4時間撹拌した後、減圧下で濃縮して、粗生成物を次のステップに進めた。メチル2−(4−(3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)−2−チオキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェノキシ)アセテートを出発材料として、ブチル(クロロメチル)スルファンをアルキル化試薬として使用して、標準的アルキル化手順にしたがった。粗生成物を自動フラッシュクロマトグラフィー(20%EtOAc、80%ヘキサン)を使って精製し、70%の単離収率で固体生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.96(s、1H)、7.95(d、J=3.1Hz、1H)、7.62(d、J=8.8Hz、2H)、7.54(d、J=3.1Hz、1H)、7.02(d、J=8.8Hz、2H)、4.69(s、2H)、4.49(s、2H)、3.81(s、3H)、2.73(t、J=7.3Hz、2H)、1.68−1.56(m、2H)、1.46−1.34(m、2H)、0.89(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):486.1[M+H]+。
メチル2−(4−(2−(((ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)フェノキシ)アセテート。メチル2−(4−(2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)フェノキシ)アセテートを出発材料として使用して、標準的酸化手順にしたがった。粗生成物を自動フラッシュクロマトグラフィー(50%EtOAc、50%ヘキサン)を使って精製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.97(s、1H)、7.90(d、J=3.1Hz、1H)、7.57(d、J=8.8Hz、2H)、7.52(d、J=3.1Hz、1H)、6.98(d、J=8.8Hz、2H)、4.65(s、2H)、4.62(d、J=13.1Hz、1H)、4.37(d、J=13.1Hz、1H)、3.75(s、3H)、2.96−2.84(m、1H)、2.81−2.71(m、1H)、1.76(p、J=7.6Hz、2H)、1.51−1.33(m、2H)、0.88(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):502.1[M+H]+。
SW212365. メチル2−(4−(3−アミノ−2−(ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)フェノキシ)アセテート。メチル2−(4−(2−(((ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)メチル)チオ)−3−シアノ−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−4−イル)フェノキシ)アセテート(80mg、0.16mmol)およびt−BuOK(10.7mg、0.0954mmol)を、排気とN2の充填を3回繰り返したバイアル中で混合した後、DMF(627μL)を加え、溶液をN2でバブリングした。反応混合物を室温で約10分間撹拌した後、EtOAcで希釈し、10%AcOHで洗浄した。有機層を水で数回洗浄し、Na2SO4上で乾燥して、濾過、濃縮した。粗生成物を自動フラッシュクロマトグラフィー(30%EtOAc、70%ヘキサン)を使って精製し、56%の単離収率で緑色個体を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.97(s、1H)、7.89−7.86(m、1H)、7.47(d、J=3.1Hz、1H)、7.46−7.37(m、2H)、7.02(d、J=8.5Hz、2H)、4.70(s、2H)、4.66(s、2H)、3.82(s、3H)、3.34−3.18(m、1H)、3.16−3.01(m、1H)、1.77−1.64(m、2H)、1.51−1.38(m、2H)、0.92(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):502.1[M+H]+。
SW212364. 2−(4−(3−アミノ−2−(ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)フェノキシ)エタン−1−オール。SW212365を出発材料として使用し、2−(((ブチルチオ)メチル)チオ)−4−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−6−(チアゾール−2−イル)ニコチノニトリルの場合と同じ手順にしたがって、定量的収率で目的の生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.01(s、1H)、7.90(d、J=3.2Hz、1H)、7.48(d、J=3.1Hz、1H)、7.46−7.35(m、2H)、7.07−6.99(m、2H)、4.69(s、2H)、4.18−4.11(m、2H)、4.04−3.96(m、2H)、3.34−3.23(m、1H)、3.17−3.04(m、1H)、1.80−1.61(m、2H)、1.53−1.40(m、2H)、0.93(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):474.1[M+H]+。
SW212363. 2−(4−(3−アミノ−2−(ブチル(l1−オキシダニル)−l3−スルファニル)−6−(チアゾール−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)フェノキシ)酢酸。SW212365を出発材料として使用し、標準的加水分解手順にしたがって、定量的収率を得た。1H NMR(400MHz、MeOD)δ7.98(s、1H)、7.94(d、J=3.2Hz、1H)、7.74(d、J=3.2Hz、1H)、7.46(d、J=8.4Hz、2H)、7.14(d、J=8.9Hz、2H)、4.67(s、2H)、3.35−3.24(m、1H)、3.16−3.04(m、1H)、1.78−1.57(m、2H)、1.55−1.43(m、2H)、0.95(t、J=7.3Hz、3H)。ESI−MS(m/z):488.1[M+H]+。
4−メルカプトブチルアセテート。ブタリパーゼ(2.35g)を、4−メルカプト−1−ブタノール(2.45g、23.10mmol)の酢酸エチル(42.0mL)中溶液に加えた。反応物を30℃で6日間加熱した。不完全な変換であったが、混合物を濾過し、濃縮した。100%DCMの自動フラッシュクロマトグラフィーシステムで精製を行い、84%の収率で油を得た。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ4.08(t、J=6.2Hz、2H)、2.57(q、J=7.1Hz、2H)、2.05(s、3H)、1.85−1.59(m、4H)、1.36(t、J=7.9Hz、1H)。
4−((クロロメチル)チオ)ブチルアセテート。4−メルカプトブチルアセテート(2.84g、19.2mmol)中に塩酸ガスを40分間バブリングし、これを内部温度が安定するまでドライアイス/アセトン浴中で冷却した後、固形物添加漏斗を使ってパラホルムアルデヒド(0.815g、27.17mmol)をゆっくりと添加した。反応物を加熱しないで3時間撹拌し、その間、塩酸のバブリングを継続し、その後、反応物が徐々に室温に暖まると、バブリングを止め、一晩撹拌した。粗製混合物を最小限のDCMで希釈した。水相を除去し、有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥して、濾過し、濃縮して62%の収率で油を得た。1H NMR(400MHz、CHCl3)4.75(s、2H)、4.10(t、J=6.0Hz、2H)、2.95−2.66(m、2H)、2.06(s、3H)、1.85−1.67(m、4H)。
4−((((3−シアノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ピリジン−2−イル)チオ)メチル)チオ)ブチルアセテート。4−((クロロメチル)チオ)ブチルアセテート(602.3mg、3.1mmol)、4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)−2−チオキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリル(352.2mg、1.2mmol)およびトリエチルアミン(250mml、1.8mmol)のアセトニトリル(1.2ml)中混合物を3時間還流した。次に、粗製混合物を濃縮して、0〜40%EtOAc/ヘキサンの自動フラッシュクロマトグラフィーシステムで精製した。目的の生成物を含む画分を自動フラッシュクロマトグラフィー(0〜30%EtOAc/ヘキサン)でさらに精製して、透明な油を41%の収率で得た。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ7.72(dd、J=3.7、1.1Hz、1H)、7.64−7.59(m、2H)、7.55(dt、J=5.6、2.3Hz、4H)、7.44(s、1H)、7.17(dd、J=5.0、3.8Hz、1H)、4.55(s、2H)、4.11−4.02(m、2H)、2.86−2.63(m、2H)、2.05(s、3H)、1.77(t、J=3.4Hz、4H)。ESI−MS(m/z):455.1[M+H]+。
2−((((4−ヒドロキシブチル)チオ)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリル。K2CO3(157.7mg、1.14mmol)を、4−((((3−シアノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ピリジン−2−イル)チオ)メチル)チオ)ブチルアセテート(245.4mg、0.54mmol)のメタノール(8.0ml)および水(2.0ml)中溶液に添加し、 反応物を2時間撹拌した。混合物を乾燥した後、EtOAcで希釈し、水で2回洗浄した後、ブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して71%の収率で目的の生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.72(dd、J=3.7,1.1Hz、1H)、7.61(dd、J=6.6、3.0Hz、2H)、7.54(dd、J=5.1、2.2Hz、4H)、7.43(s、1H)、7.16(dd、J=5.0、3.8Hz、1H)、4.55(s、2H)、3.67(t、J=6.2Hz、2H)、2.80(t、J=7.1Hz、2H)、1.84−1.63(m、4H)。ESI−MS(m/z):413.1[M+H]+。
4−((((3−シアノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ピリジン−2−イル)チオ)メチル)スルフィニル)ブチルアセテート。酢酸(370μl)および過酸化水素(29μl、30%水溶液)を、4−((((3−シアノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ピリジン−2−イル)チオ)メチル)チオ)ブチルアセテート(85.2mg、0.19mmol)のクロロホルム(370μl)中溶液に加えた。反応混合物を32℃で90分間撹拌した。撹拌が完了すると、反応物をクロロホルムで希釈し、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、クロロホルムで3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過して、減圧下濃縮し、目的の生成物を94%の収率で得た。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ7.77(d、J=3.8Hz、1H)、7.62(dd、J=4.1、2.3Hz、2H)、7.60−7.54(m、4H)、7.51(s、1H)、7.19(dd、J=5.0、3.8Hz、1H)、4.78(d、J=13.0Hz、1H)、4.44(d、J=13.0Hz、1H)、4.11(t、J=6.4Hz、2H)、3.03(dt、J=12.9、8.0Hz、1H)、2.87(dt、J=12.8、7.3Hz、1H)、2.05(s、3H)、2.03−1.77(m、4H)。ESI−MS(m/z):471.1[M+H]+。
SW209129. 4−((3−アミノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)スルフィニル)ブチルアセテート。カリウムt−ブトキシド(9.7mg、0.086mmol)を、4−((((3−シアノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ピリジン−2−イル)チオ)メチル)スルフィニル)ブチルアセテート(58.2mg、0.12mmol)のDMF(490μl)中溶液に加えた。反応混合物を35℃で45分間撹拌した後、EtOAcで希釈し、水で数回洗浄した。水層も逆抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥後、濾過し、減圧下濃縮した。自動フラッシュクロマトグラフィー(0〜90%EtOAc/ヘキサン)を使って精製を行い、目的の生成物を44%の収率で得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.63−7.49(m、5H)、7.45(dd、J=4.9、1.1Hz、2H)、7.41(s、1H)、7.10(dd、J=5.0、3.7Hz、1H)、4.59(bs、2H)、4.08(t、J=5.8Hz、2H)、3.39−3.23(m、1H)、3.10(ddd、J=12.8、8.4、6.2Hz、1H)、2.03(s、3H)、1.96−1.72(m、4H)。ESI−MS(m/z):471.1[M+H]+。
SW209128. 4−((3−アミノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)スルホニル)ブチルアセテート。4−((3−アミノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)スルフィニル)ブチルアセテートからの過剰酸化生成物として13.5%の収率で単離した。
1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.71(dd、J=3.7、1.1Hz、1H)、7.61−7.55(m、3H)、7.53−7.44(m、4H)、7.15(dd、J=5.0、3.7Hz、1H)、5.10(s、2H)、4.06(t、J=6.3Hz、2H)、3.32−3.18(m、2H)、2.02(s、3H)、1.98−1.87(m、2H)、1.77(dt、J=8.6、6.4Hz、2H)。ESI−MS(m/z):487.1[M+H]+。
SW209271. 4−((3−アミノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)スルフィニル)ブタン−1−オール。K2CO3(12.5mg、0.09mmol)を、SW209129(18.7mg、0.04mmol)のメタノール(470μl)および水(100μl)中溶液に加え、反応物を2.5時間撹拌した。混合物を乾燥した後、EtOAcで希釈し、水で2回洗浄した後、ブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して80%の収率で目的の生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.62(d、J=1.1Hz、1H)、7.60−7.50(m、4H)、7.49−7.41(m、3H)、7.11(dd、J=5.0、3.7Hz、1H)、4.68−4.44(s、2H)、3.67(t、J=6.1Hz、2H)、3.42−3.27(m、1H)、3.13(ddd、J=12.9、8.4、6.9Hz、1H)、1.93−1.65(m、4H)。ESI−MS(m/z):429.0[M+H]+。
4−((((3−シアノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ピリジン−2−イル)チオ)メチル)チオ)ブチルメタンスルホネート。トリエチルアミン(38μl、0.28mmol)の無水DCM(1.0mL)中溶液を、氷浴中で冷却し、その後、2−((((4−ヒドロキシブチル)チオ)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリル(40.6mg、0.098mmol)を加え、続けて塩化メタンスルホニル(17.5μl、0.23mmol)を滴下した。30分後、粗製混合物をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥して、濾過し、濃縮して98%の収率で目的の生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.74(dd、J=3.9、1.1Hz、1H)、7.64−7.50(m、7H)、7.17(dd、J=5.1、3.8Hz、1H)、5.46(s、2H)、4.01−3.78(m、2H)、2.65(ddd、J=10.1、5.3,1.9Hz、2H)、2.52−2.37(m、4H)。ESI−MS(m/z):491.1[M+H]+。
2−((((4−クロロブチル)チオ)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリル。塩化リチウム(32.0mg、0.75mmol)を、4−((((3−シアノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ピリジン−2−イル)チオ)メチル)チオ)ブチルメタンスルホネート(21.8mg、0.044mmol)のDMF(0.4ml)中溶液に加えた。2日以内に反応を完結させた。混合物をEtOAcで希釈し、水で数回洗浄した後、ブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。自動クロマトグラフィーシステム(0〜40%EtOAc/ヘキサン)で精製して、目的の生成物を76%収率で得た。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ7.72(dd、J=3.7、1.1Hz、1H)、7.62(dd、J=6.5、3.0Hz、2H)、7.59−7.52(m、4H)、7.44(s、1H)、7.17(dd、J=5.0、3.8Hz、1H)、4.56(s、2H)、3.56(t、J=6.3Hz、2H)、2.80(t、J=7.0Hz、2H)、1.95−1.79(m、4H)。ESI−MS(m/z):431.0[M+H]+。
2−((((4−クロロブチル)スルフィニル)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリル。酢酸(70μL)および過酸化水素(5.2μl、30%水溶液)を、2−((((4−クロロブチル)チオ)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリル(14.6mg、0.034mmol)のクロロホルム(70μl)中溶液に添加した。反応混合物を32℃で40分撹拌した後、クロロホルムで希釈し、飽和NaHCO3溶液で洗浄して、クロロホルムで3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過して、減圧下濃縮し、目的の生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.77(d、J=3.8Hz、1H)、7.62(dd、J=6.6、2.9Hz、2H)、7.57(q、J=4.5、3.1Hz、4H)、7.51(s、1H)、7.19(t、J=4.4Hz、1H)、4.77(d、J=13.0Hz、1H)、4.47(d、J=13.0Hz、1H)、3.58(t、J=6.2Hz、2H)、3.03(dt、J=13.2、7.7Hz、1H)、2.87(dt、J=13.4、7.0Hz、1H)、2.16−1.87(m、4H)。ESI−MS(m/z):447.1[M+H]+。
SW209329. 2−((4−クロロブチル)スルフィニル)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミン。塩基性メタノール溶液(12.0μlの水および57.5μlのメタノール中の1.0mg、0.018mmolの水酸化カリウム)を、2−((((4−クロロブチル)スルフィニル)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリル(12.4mg、0.028mmol)のジメチルホルムアミド(91.5μl)中溶液を含むバイアルに移した。反応物を38℃で30分間加熱した後、冷却し、EtOAcで希釈して、水で数回洗浄した後ブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製混合物を自動クロマトグラフィーシステム(0〜60%EtOAc/ヘキサン)を使って精製した。単離収率=65%。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.64(d、J=3.7Hz、1H)、7.61−7.50(m、4H)、7.50−7.43(m、3H)、7.12(t、J=4.4Hz、1H)、4.59(s、2H)、3.66−3.47(m、2H)、3.40−3.24(m、1H)、3.20−3.06(m、1H)、1.95(q、J=5.6Hz、4H)。ESI−MS(m/z):447.0[M+H]+。
3−メルカプトプロピルアセテート。ブタリパーゼ(5.52g)を、3−メルカプト−1−プロパノール(5.03g、54.6mmol)の酢酸エチル(70mL)中溶液に加えた。反応物を28℃で12日間加熱した。不完全な変換であったが、混合物を濾過し、濃縮した。100%DCMの自動フラッシュクロマトグラフィーシステムで精製を行い、66%の収率で油を得た。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ4.17(t、J=6.2Hz、2H)、2.60(q、J=7.4Hz、2H)、2.05(s、3H)、1.93(p、J=6.6Hz、2H)、1.39(t、J=8.1Hz、2H)。
3−((クロロメチル)チオ)プロパン−1−チオール。3−((クロロメチル)チオ)プロパン−1−チオール(4.80g、35.7mmol)中に塩酸ガスを60分間バブリングし、これを内部温度が安定するまでドライアイス/アセトン浴中で冷却した後、固体添加漏斗を使ってパラホルムアルデヒド(1.59g、53.3mmol)をゆっくりと添加した。反応物を加熱しないで1.5時間撹拌し、その間、塩酸のバブリングを継続し、その後、反応物が徐々に室温に暖まると、バブリングを止め、一晩撹拌した。粗製混合物を最小限のDCMで希釈した。水相を除去し、有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥して、濾過し、濃縮して、80%の収率でモノマー塩化物:ジアセテートダイマーが目的の比率の2.4:1である油混合物を得た。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ4.74(s、2H)、4.17(t、J=6.4Hz、2H)、2.91−2.77(m、2H)、2.06(d、J=1.0Hz、3H)、2.03−1.94(m、2H)。
3−((((3−シアノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ピリジン−2−イル)チオ)メチル)チオ)プロピルアセテート。4−((((3−シアノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ピリジン−2−イル)チオ)メチル)チオ)ブチルアセテートと同様にして26%収率(単離)で調製した。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ7.72(dd、J=3.8、1.1Hz、1H)、7.66−7.58(m、2H)、7.54(dd、J=4.2、2.9Hz、4H)、7.44(d、J=1.3Hz、1H)、7.17(dd、J=5.0、3.8Hz、1H)、4.55(s、2H)、4.18(t、J=6.3Hz、2H)、2.84(t、J=7.3Hz、2H)、2.05(s、3H)、2.05−1.97(m、2H)。ESI−MS(m/z):441.0[M+H]+。
3−((((3−シアノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ピリジン−2−イル)チオ)メチル)スルフィニル)プロピルアセテート。4−((((3−シアノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ピリジン−2−イル)チオ)メチル)スルフィニル)ブチルアセテートと同様にして、90%収率で調製した。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ7.77(dd、J=3.7、1.1Hz、1H)、7.68−7.60(m、2H)、7.57(ddd、J=6.9、4.5、2.0Hz、4H)、7.51(s、1H)、7.19(dd、J=5.0、3.8Hz、1H)、4.81(d、J=13.1Hz、1H)、4.44(d、J=13.1Hz、1H)、4.22(td、J=6.3,1.3Hz、2H)、3.09(dt、J=13.0、8.1Hz、1H)、2.89(dt、J=13.1、7.1Hz、1H)、2.28−2.17(m、2H)、2.04(s、3H)。ESI−MS(m/z):457.1[M+H]+。
SW209273. 3−((3−アミノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)スルフィニル)プロピルアセテート。4−((3−アミノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)スルフィニル)ブチルアセテートと同様にして、37%収率で調製した。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ7.62−7.52(m、5H)、7.45(dd、J=5.0、1.1Hz、2H)、7.41(s、1H)、7.10(dd、J=5.0、3.7Hz、1H)、4.65−4.56(s、2H)、4.27−4.14(m、2H)、3.42−3.25(m、1H)、3.15(dt、J=12.9、7.7Hz、1H)、2.09(ddd、J=7.5、6.2、1.3Hz、2H)、2.05(s、3H)。ESI−MS(m/z):457.1[M+H]+。
SW209272. 3−((3−アミノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)スルホニル)プロピルアセテート。3−((3−アミノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)スルフィニル)プロピルアセテートからの過剰酸化生成物として7%の収率で単離した。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ7.72(d、J=3.8Hz、1H)、7.62−7.53(m、3H)、7.54−7.45(m、4H)、7.15(dd、J=5.0、3.8Hz、1H)、5.12(s、2H)、4.15(t、J=6.2Hz、2H)、3.39−3.19(m、2H)、2.25−2.12(m、2H)、2.03(s、3H)。ESI−MS(m/z):457.1[M+H]+。
SW209274. 3−((3−アミノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)スルフィニル)プロパン−1−オ−ル。SW209271(4−((3−アミノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)スルフィニル)ブタン−1−オ−ル)と同様にして、84%の収率で調製した。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ7.63(dd、J=3.7、1.1Hz、1H)、7.55(p、J=4.6、3.2Hz、4H)、7.46(dd、J=5.0、1.1Hz、2H)、7.43(s、1H)、7.11(dd、J=5.0、3.7Hz、1H)、4.60(s、2H)、3.77(t、J=5.8Hz、2H)、3.49−3.33(m、1H)、3.21(dt、J=13.5、6.9Hz、1H)、2.13−1.98(m、2H)。ESI−MS(m/z):415.1[M+H]+。
2−((((3−ヒドロキシプロピル)チオ)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリル。2−((((4−ヒドロキシブチル)チオ)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリルと同様にして、98%収率で調製した。1H NMR(400MHz、CHCl3)7.71(dd、J=3.8、1.1Hz、1H)、7.63−7.57(m、2H)、7.55−7.50(m、4H)、7.41(s、1H)、7.15(dd、J=5.0、3.8Hz、1H)、4.54(s、2H)、3.76(t、J=6.1Hz、2H)、2.88(t、J=7.1Hz、2H)、1.93(ddd、J=13.2,7.1、6.1Hz、2H)、1.88−1.80(m、1H)。ESI−MS(m/z):399.1[M+H]+。
2−((((3−メトキシプロピル)チオ)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリル。水素化ナトリウム(ミクロスパチュラ一杯)を、2−((((3−ヒドロキシプロピル)チオ)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリル(41.6mg、0.10mmol)のDMF(1.0ml)中の氷冷溶液に加えた。混合物を加熱しないで15分間攪拌した後、ヨウ化メチル(34ml、0.55mmol)を添加した。混合物を融氷浴中で加熱しないで2時間撹拌した後、EtOAcで希釈し、水で数回洗浄した後、ブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。0〜40%EtOAc/ヘキサンの自動フラッシュクロマトグラフィーシステムにより56%の単離収率で精製を行った。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ7.72(dd、J=3.8,1.1Hz、1H)、7.61(dd、J=6.6、3.1Hz、2H)、7.57−7.51(m、4H)、7.43(s、1H)、7.17(dd、J=5.0、3.8Hz、1H)、4.55(s、2H)、3.49(t、J=6.1Hz、2H)、3.34(s、3H)、2.85(t、J=7.3Hz、2H)、1.95(ddd、J=13.4、7.3、6.1Hz、2H)。ESI−MS(m/z):413.1[M+H]+。
2−((((3−メトキシプロピル)スルフィニル)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリル。4−((((3−シアノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ピリジン−2−イル)チオ)メチル)スルフィニル)ブチルアセテートと同様にして、71%収率で調製した。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ7.76(dd、J=3.8、1.1Hz、1H)、7.65−7.58(m、2H)、7.56(td、J=4.6、2.0Hz、4H)、7.49(s、1H)、7.18(dd、J=5.0、3.8Hz、1H)、4.73(d、J=13.1Hz、1H)、4.47(d、J=13.0Hz、1H)、3.54(qt、J=9.5、5.8Hz、2H)、3.34(s、3H)、3.14(dt、J=13.1、7.9Hz、1H)、2.89(ddd、J=13.1、8.0、6.4Hz、1H)、2.20−2.08(m、2H)。ESI−MS(m/z):429.1[M+H]+。
SW209276. 2−((3−メトキシプロピル)スルフィニル)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミン。SW209329(2−((4−クロロブチル)スルフィニル)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミン)と同様にして調製した。単離収率=48%。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ7.64(ddd、J=7.2、3.8,1.7Hz、2H)、7.58−7.52(m、4H)、7.48−7.42(m、2H)、7.12(qd、J=3.7,1.8Hz、1H)、4.57(s、2H)、3.50(td、J=6.1、1.6Hz、2H)、3.40−3.29(m、4H)、3.26−3.13(m、1H)、2.09−1.95(m、2H)。ESI−MS(m/z):429.1[M+H]+。
3−((((3−シアノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ピリジン−2−イル)チオ)メチル)チオ)プロピルメタンスルホネート。4−((((3−シアノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ピリジン−2−イル)チオ)メチル)チオ)ブチルメタンスルホネートと同様にして、定量的収率で調製した。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ7.69(t、J=3.3Hz、1H)、7.63−7.55(m、2H)、7.52(p、J=3.6、3.0Hz、4H)、7.41(q、J=2.6、2.2Hz、1H)、7.14(p、J=3.4、2.5Hz、1H)、4.52(q、J=2.2Hz、2H)、4.40−4.22(m、2H)、2.99(s、3H)、2.86(td,J=7.2、4.8Hz、2H)、2.10(qt、J=6.4、2.3Hz、2H)。ESI−MS(m/z):477.0[M+H]+。
2−((((3−クロロプロピル)チオ)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリル。2−((((4−クロロブチル)チオ)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリルと同様にして調製した。0〜50%EtOAc/ヘキサンの自動フラッシュクロマトグラフィーシステムにより69%の単離収率で精製を行った。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ7.72(dd、J=3.7、1.1Hz、1H)、7.64−7.59(m、2H)、7.57−7.53(m、4H)、7.44(s、1H)、7.17(dd、J=5.0、3.8Hz、1H)、4.56(s、2H)、3.68(t、J=6.3Hz、2H)、2.93(t、J=7.0Hz、2H)、2.15(p、J=6.7Hz、2H)。ESI−MS(m/z):417.0[M+H]+。
2−((((3−クロロプロピル)スルフィニル)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリル。2−((((4−クロロブチル)スルフィニル)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリルと同様にして90%収率で調製した。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ7.76(dd、J=3.8、1.1Hz、1H)、7.62(dq、J=7.1、2.6、2.2Hz、2H)、7.59−7.53(m、4H)、7.51(s、1H)、7.18(dd、J=5.0、3.8Hz、1H)、4.74(d、J=13.1Hz、1H)、4.51(d、J=13.1Hz、1H)、3.79−3.63(m,2H)、3.28−3.16(m、1H)、3.04−2.88(m、1H)、2.43−2.31(m、2H)。ESI−MS(m/z):433.0[M+H]+。
SW209330. 2−((3−クロロプロピル)スルフィニル)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミン。SW209329(2−((4−クロロブチル)スルフィニル)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミン)と同様にして調製した。0〜60%EtOAc/ヘキサンを使って自動クロマトグラフィーシステムにより精製して、88%の収率で目的の生成物を得た。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ7.57(h、J=5.7、5.3Hz、1H)、7.45(t、J=6.0Hz、0H)、7.40(s、0H)、7.09(t、J=4.4Hz、0H)、4.61(s、0H)、3.67(td、J=6.4、3.2Hz、0H)、3.40(dt、J=14.1、7.3Hz、0H)、3.24(dt、J=13.1、7.6Hz、0H)、2.25(p、J=7.0Hz、0H)。
ESI−MS(m/z):433.0[M+H]+。
2−((((3−フルオロプロピル)チオ)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリル。Kryptofix222(44.4mg、0.012mmol)、KF(6.1mg、0.10mmol)およびK2CO3(3.0mg、0.022mmol)を、3−((((3−シアノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ピリジン−2−イル)チオ)メチル)チオ)プロピルメタンスルホネート(54.2mg、0.11mmol)を含むバイアルに充填した。DMF(1.1mL)を加え、反応物を85℃で65分間加熱した。冷却した混合物をEtOAcで希釈し、水で数回洗浄した後、ブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。収率=96%。粗生成物を次のステップに進めた。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ7.72(dd、J=3.7、1.1Hz、1H)、7.64−7.59(m、2H)、7.54(dd、J=4.9、2.2Hz、4H)、7.43(s、1H)、7.17(dd、J=5.1、3.7Hz、1H)、4.63(t、J=5.7Hz、1H)、4.55(s、2H)、4.51(t、J=5.8Hz、1H)、3.67(t、J=6.3Hz、2H)、2.91(dt、J=11.2、7.1Hz、1H)、2.14(p、J=6.7Hz、1H)。ESI−MS(m/z):401.1[M+H]+。
2−((((3−フルオロプロピル)スルフィニル)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリル。酢酸(215μl)および過酸化水素(16.75μl、30%水溶液)を、2−((((3−フルオロプロピル)チオ)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリル(43.3mg、0.034mmol)のクロロホルム(215μl)中溶液に加えた。反応混合物を32℃で50分撹拌した後、クロロホルムで希釈し、飽和NaHCO3溶液で洗浄して、クロロホルムで3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過して、減圧下、94%の収率で濃縮した。ESI−MS(m/z):417.1[M+H]+。
SW209331. 2−((3−フルオロプロピル)スルフィニル)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミン。SW209329(2−((4−クロロブチル)スルフィニル)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミン)と同様にして調製した。粗製混合物を4%MeOH/DCMを使った分取法により精製した。単離収率=32%。1H NMR(400MHz、CHC13)δ7.68(dd、J=3.8,1.1Hz、1H)、7.56(q、J=2.1Hz、4H)、7.53−7.44(m、3H)、7.14(dd、J=5.1、3.7Hz、1H)、4.65(td、J=5.8、3.2Hz、1H)、4.60(s、2H)、4.53(td、J=5.8、3.1Hz、1H)、3.40(dt、J=13.0、7.3Hz、1H)、3.24(dt、J=13.1、7.6Hz、1H)、2.19(dtt、J=26.4、7.5、5.7Hz、2H)。ESI−MS(m/z):417.1[M+H]+。
2−((((3−シアノプロピル)チオ)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリル。3−((((3−シアノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ピリジン−2−イル)チオ)メチル)チオ)プロピルメタンスルホネート(54.6mg、0.11mmol)およびKCN(76.9mL、1.18mmol)のDMF(1.14ml)中溶液を85℃で4時間加熱した。冷却した混合物をEtOAcで希釈し、水で数回洗浄した後、ブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。収率=89%。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ7.71(d、J=3.5Hz、1H)、7.60(dt、J=6.4、2.0Hz、3H)、7.54(qt、J=5.6、2.5Hz、4H)、7.44(d、J=1.4Hz、1H)、7.16(ddd、J=5.2、3.8,1.5Hz、1H)、4.53(d、J=1.7Hz、2H)、2.93−2.82(m、2H)、2.52(td、J=7.1、1.4Hz、2H)、2.09−1.92(m、2H)。ESI−MS(m/z):408.1[M+H]+。
2−((((3−シアノプロピル)スルフィニル)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリル。酢酸(205μl)および過酸化水素(15.6μl、30%水溶液)を、2−((((3−シアノプロピル)チオ)メチル)チオ)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリル(41.1mg、0.10mmol)のクロロホルム(205μl)中溶液に加えた。反応混合物を32℃で70分撹拌した後、クロロホルムで希釈し、飽和NaHCO3溶液で洗浄して、クロロホルムで3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下、91%の収率で濃縮した。ESI−MS(m/z):424.1[M+H]+。
SW209332. 4−((3−アミノ−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)スルフィニル)ブタンニトリル。SW209329(2−((4−クロロブチル)スルフィニル)−4−フェニル−6−(チオフェン−2−イル)チエノ[2,3−b]ピリジン−3−アミン)と同様にして調製した。粗製混合物を4%MeOH/DCMを使った分取法により精製した。単離収率=45%。1H NMR(400MHz、CHCl3)δ7.65(d、J=3.7Hz、1H)、7.60−7.51(m、4H)、7.51−7.44(m、3H)、7.13(t、J=4.4Hz、1H)、4.64(s、2H)、3.41(dt、J=14.0、7.3Hz、1H)、3.19(dt、J=13.3,7.5Hz、1H)、2.59(t、J=7.1Hz、2H)、2.20(p、J=7.3Hz、2H)。ESI−MS(m/z):424.0[M+H]+。
実施例2
方法
マウス
8週齢の雌C57/BL6JマウスをJackson Labsから購入した(ストック#000664)。すべてのマウス調査は、Case Western Reserve Universityの実験動物委員会によって承認された。
ブレオマイシン滴下注入
疾患発症を誘導するために、マウスをケタミン/キシラジンで麻酔した後、頸部切除により気管を露出させた。硫酸ブレオマイシン(Enzo−BML−AP302−0010)をH2Oに溶解し、個体当たり、50μlの溶液中の2mg/kgの単回投与として気管内に投与した。
IP注射
ブレオマイシン滴下注入後、マウス腹腔内にビークル(10%EtOH、5%Cremaphor、D5 H2O)または5.0mg/kgのSW033291(+)を毎日2回、35日間注射した。
動物死亡率および体重
死亡率を調査期間を通して毎日観察した。ブレオマイシン滴下注入の前および滴下注入後週2回、体重を測定した。
ヒドロキシプロリンアッセイ
ヒドロキシプロリンを使って、マウス肺中のコラーゲン含量を測定した(Sigma−MAK008−1KT)。簡単に説明すると、マウスを屠殺し、コラーゲンを定量するために右肺を切開した。製造業者のプロトコルにしたがって実験を行った。10mgの全肺を秤量して、滅菌水中でホモジナイズし、120℃のヒートブロック上に置き、12NのHCl中で3時間加水分解した。加水分解試料を4−(ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド(DMAB)と共に60℃で90分間インキュベートし、酸化したヒドロキシプロリンの吸光度を560nmで測定した。
遺伝子発現調査
ブレオマイシン滴下注入後35日目の炎症性サイトカインの発現を測定するために、マウスを屠殺し、RNA単離用として左肺を切開した。組織試料を氷上でホモジナイズし、RNAqueousキット(Ambion−AM1912)を使って、全RNAを単離した。cDNAを合成し(Invitrogen Superscript III−18080044)、次のTaqmanプライマー(Applied Biosystems)を使って、リアルタイムPCRを実施した。
マウスB2M(内在性コントロール)−Mm00437762_m1
マウスCCL4−Mm00443111_m1
マウスTNF−Mm00443258_m1
マウスTGFB−Mm01178820_m1
マウスIFNG−Mm01168134_m1
マウスIL2−Mm99999222_m1
マウスCCL3−Mm00441259_g1
図1は、特発性肺線維症マウスモデルにおける体重維持および生存に対するSW033291の効果を測定するアッセイの略図を示す。
図2(A〜B)は、ビークルおよびSW033291で処理した特発性肺線維症マウスモデルの(A)体重変化および(B)生存を示すプロットである。SW033291処理マウスは、ビークル処理マウスに比べて、体重の維持の向上および生存期間の改善を示した。
図3は、特発性肺線維症マウスモデルにおけるコラーゲン沈着に対するSW033291の効果を測定するアッセイの略図を示す。
図4は、ビークルおよびSW033291で処理した特発性肺線維症マウスモデルにおけるコラーゲン沈着を示すグラフである。SW033291処理マウスは、組織ヒドロキシプロリン含量によるアッセイにより、ビークル処理マウスに比べて、コラーゲン沈着の減少を示した。
図5は、特発性肺線維症マウスモデルにおける炎症性サイトカイン発現に対するSW033291の効果を測定するアッセイの略図を示す。
図6(A〜F)は、ビークルおよびSW033291で処理した特発性肺線維症マウスモデルにおける炎症性サイトカイン発現を示すグラフである。
実施例3
慢性大腸炎が原因の腸管線維症のモデルを確立するために、8週齢の雄FVB/Nマウスは、3サイクルの無菌飲料水中のデキストラン硫酸ナトリウム(DSS;2%w/v)の投与を受けた。各サイクルは、7日間のDSSとそれに続く10日間のDSSなしの回復から構成された。腸管線維症に対する15−PGDH阻害の効果を調べるために、マウスに、第3回目のDSS暴露(41日目)から合計28日間にわたり、(+)SW033291の5mg/kgの1日2回のIP注射またはビークル注射を投与した。69日目に、マウスから結腸を採取し、長手方向に開き、方向を定めるために寒天に埋め込み、ホルマリン中で一晩固定した。標準的な手順によりパラフィン包埋ホルマリンン固定試料からスライドを調製した。マッソンのトリクローム染色により2つの群中のマウス結腸中の繊維化の程度を比較した。下記のようにして、陽性トリクローム染色の強度をImageJソフトウェアを使って定量化した。各マウスの結腸のそれぞれ1/3から10個の均等に間隔をあけた画像を20Xでキャプチャーした。(図7(A〜D))スライド上に認められた大きなリンパ管区画または結腸外結合組織付着物は画像キャプチャー中に除外した。画像のRGBチャネルを分解し、各画像の青チャネルを赤チャネルで除算した。得られた画像の全ピクセルの強度ヒストグラムを生成後、1.3(青/赤)カットオフ値を超える強度の曲線下面積(AUC)を計算した。AUCの合計(合計トリローム強度)を結腸長さで正規化した。図8は、(+)SW033291処理マウスの結腸線維症が、ビークル処理マウスに比べて、かなり縮減されたことを示す。
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