JP2018500516A - 液圧供給装置およびその制御方法 - Google Patents

Abstract

車両の自動変速機における液圧供給装置であって、変速機部品に供給する１次液圧回路（I）と、変速機部品を潤滑かつ冷却する２次液圧回路（II）と、および液圧回路（I、II）への搬送体積流を発生させる少なくとも１つのポンプ（P）を備えた液圧供給装置が提供される。実際の液圧媒体体積流を２次液圧回路（II）において検出する検出ユニット（E）が備えられ、ポンプ（P）の必要な搬送体積流を調整する。更に、車両の自動変速機における液圧供給装置のポンプの制御方法を提供する。その都度の実際の液圧媒体体積流を、変速機部品を潤滑および冷却する２次液圧回路（II）において検出する。体積流需要を、自動変速機の実際の作動領域に対して、特性図から決定し、およびポンプ（P）の搬送体積流を、決定した体積流需要に応じて制御する。【選択図】図１

Description

本発明は、請求項１の上位概念において詳説された、車両の自動変速機における液圧供給装置に関する。

例えば、米国特許第4693081号明細書は、自動変速機の液圧ポンプの制御方法を開示する。自動変速機に液圧媒体を供給するポンプは、スロットル開度センサ、ホイールスピードセンサおよびエンジン回転数センサを対応して評価することにより、内燃エンジンの性能に応じて制御される。実質的に、液圧ポンプの性能はエンジン回転数により与えられるものである。

また調整ポンプを、自動変速機に液圧を供給する液圧ポンプとして使用することが知られている。既知の液圧供給装置においては、調整ポンプが十分に安定して作動することでも、せいぜい個々の作動ポイントが決定可能である、という欠点が知られている。これは、他の作動ポイントに対しては、多過ぎる、または少な過ぎる液圧媒体が供給されることを意味する。これにより、車両の燃料消費が高まるか、または変速機部品における摩滅の増大につながる。

米国特許第4693081号明細書

本発明の課題は、その都度必要な体積流需要に応じて、または計測された圧力に応じた最低搬送体積流に応じて、搬送体積流を厳密に調整可能な、上述の種類の液圧供給装置を提供することに基づいている。

この課題は、本発明に従い、請求項１または１０に記載の特徴により解決される。有利な発展実施形態は、各従属請求項、ならびに明細書および図面から明らかとなる。

従ってこの課題は、変速機部品に供給する１次液圧回路と、および変速機部品を潤滑かつ冷却する２次液圧回路と、ならびに液圧回路への搬送体積流を発生させる少なくとも１つのポンプと、を備える、車両の自動変速機の液圧供給装置により解決される。液圧供給装置においては、その都度実際に存在する液圧媒体体積流または圧力を２次液圧回路において検出する検出ユニットが備えられ、必要な液圧媒体体積流または圧力を、２次液圧回路においてクーラーの前後で調整する。

これにより、需要に応じて液圧媒体を供給可能である。なぜなら、冷却回路および潤滑回路に備えられた検出ユニットが、液圧媒体または油の供給過剰および供給不足を防止し、それにより消費を最適化するためである。

装備された他の検出ユニットは、安全上の理由からの供給不足のみを防止する。そうでなければ、特性図を一義的に解釈しての潤滑を、全ての作動ポイントにおいて保証することができない。

検出ユニットは、少なくとも１つのセンサまたは複数のセンサを備える。これらセンサにより、体積流、または体積流と同等の数値、もしくは定義された体積流に従属する数値をも、連続的に検出可能である。体積流を２次液圧回路において検出するために、例えば体積計または計測タービンを使用可能である。定義された従属する数値としては、例えば圧力を、圧力センサにより検出可能である。検出された圧力は、２次液圧回路における既知の絞りの抵抗を介して、体積流に換算可能である。

本発明の有利な発展実施形態に従い、検出ユニットは、流れの方向で冷却ユニットの後ろに、２次液圧回路に備えられている。検出ユニットを他の位置に配置することも考慮可能である。圧力の検出ユニットを冷却ユニットに後置接続することには、異なる冷却構成または冷却バイパスが異なって接続されることに起因する液圧変動を、例えばより迅速に作動温度に達する冷却バイパス等、冷却回路の圧損失を変えることで防止可能、という利点がある。なぜなら、対応して検出された数値により、これらが適合されるためである。

液圧を供給するポンプとしては、調整ポンプが使用される。調整ポンプとは、以下のような、可変の押しのけ容積を有する容積型ポンプと理解される。好適には、調整ポンプはベーンポンプとして構成されている。これに対して代替的に、調整ポンプは、調整可能なアキシャルピストンポンプまたはラジアルピストンポンプとして、振り子式スライダ式ポンプとして、ローラセルポンプとして、または調整可能なジロータポンプとして構成可能である。

しかしながら、調整可能なポンプの使用は、例えばストロークリングの回転または移動、例えばベーンポンプにおけるロータとストロークリングの間の偏心率の変更である調整機構の回転数および位置により、搬送体積が可能なポンプが好適である。調整機構は、例えば液圧的に制御可能である。例えば、圧力を自由に調整する比例弁は、電気的な圧力アクチュエータを介して、調整ポンプを制御すべく機能可能である。液供給装置により２次液圧回路において検出された体積流情報または圧力情報、および比例弁の助けにより、特性図により決定された体積流需要に応じて、搬送体積流を対応して電気的に制御可能である。特性図は、例えば電子変速機制御装置（ECU）に寄託可能であり、および例えば、必ずしもリストアップされていない以下の数値を考慮可能である。

１つには温度を、温度依存性の漏出および冷却油需要を決定するために、考慮可能である。加えて入力部および出力部の回転数を、冷却油需要および潤滑油需要を決定するために、考慮可能である。更に圧力、またはエンジンもしくはタービンのトルクを、負荷依存性の需要を決定するために、考慮可能である。

また更に、ロックアップクラッチにおける圧力をロックアップクラッチの冷却油需要を決定するために考慮可能であり、および、例えばクラッチを充填するため、または液圧回路の圧力を高めるためなどの、変速機部品に供給する充填容積流を考慮可能である。

本発明が基づく課題は、ポンプの制御方法および車両の自動変速機における液圧供給装置により解決される。その都度実際に存在する液圧媒体体積流が、変速機部品を潤滑および冷却する２次液圧回路において検出され、その都度実際に存在する体積流需要が、自動変速機の実際の作動領域に対して、特性図に応じて決定され、およびポンプの搬送体積流が決定され、ならびにポンプの搬送体積流が、決定された体積流需要に応じて、対応して制御される。

このようにして、ポンプの主要圧力から独立した冷却量制御が可能となるため、このように調整ポンプを調整することで、需要に応じて液圧媒体または油を供給可能である。

このようにして、調節または調整されるべき液圧体積流量を、需要に応じて、その都度存在する作動ポイントに対して調整可能である。考慮すべき値として、例えばロックアップクラッチのパワーロス、実際の変速機温度または変速機の過程、トルクおよび回転数に関する変速機の負荷、実際の走行段、走行プログラムおよび／または算出されたクラッチの温度等を考慮可能である。追加的に、シフト操作の前、および／またはシフト操作の間、および／またはシフト操作の後を目指し、調整可能な体積流を、オフセットを介して高めることが可能であり、例えばシフト操作において発生したクラッチの熱をより良好に排出可能であり、または回転するクラッチにおいて、回転圧力補償用の補償室を迅速に再充填し、それによりシフト性能を高めることが可能である。

本発明による方法、および本発明による供給装置を備える、電気的に調整されたシステムが提供される。このシステムにおいては、純粋に比例的な調整ではなく、電気調整回路が適用される。電気調整回路の調整ダイナミクスは、比例的な調整部分に加えて、一体的かつ差別的な調整部分により著しく改良される。従って、調整安定性をより大きくすると同時に、動的応答性をより著しく高めることが可能である。更に、目標値つまり液圧ポンプの搬送体積流を、自動変速機の作動領域に対して理想的に適合させることが可能である。従って詳細にシステムを知ることで、調整手段（積分飽和現象に対するアンチワインドアップ、期待される調整値へのジャンプ状のフィードフォワード制御、およびそこから開始される実際の調整、作動ポイントに応じた異なるPIDパラメータ付与等）の作動領域を限定可能である。

例えば消費を有利とするために、例えば低温での特性図においては、この作動領域において制御される目標搬送体積流が低いため、必要とされる冷却および潤滑媒体量がより少ない、ということを考慮可能である。これに対して、例えば対照的に高温において、明らかにより大きな冷却油量がポンプ制御において考慮される場合、供給不足が回避可能である。

以下に本発明は、図面を参考にして更に詳説される。

本発明による、液圧制御方法を含む液圧供給装置の概略図である。

供給装置は、例えばシフト要素A、B、C、D、EおよびロックアップクラッチWK、ならびにパーキングロックユニットPSのような変速機部品に供給する、１次液圧回路を備える。

１次液圧回路Iを介して、シフト要素A乃至Eは液圧的に供給され、これらを作動または非作動させることが可能である。更にロックアップクラッチおよびパーキングロックユニットPSは、作動圧力P_作動、および非作動圧力P_非作動により、作動または非作動されるよう液圧媒体を供給される。

更に供給装置は、２次液圧回路IIを備える。２次液圧回路IIは、変速機部品を潤滑および冷却するよう液圧媒体を供給される。２次液圧回路IIには、冷却ユニットKが備えられている。冷却ユニットKは２次液圧回路IIから、圧力P_クーラーへ、を供給される。圧力P_クーラーへ、は、通過流方向でクーラーの前で測定される。冷却ユニットKからは、その後、圧力P_クーラーから、を有する圧力媒体が、再度２次液圧回路に対して供給される。圧力P_クーラーから、はクーラーの後ろで計測される。

液圧回路IおよびIIへの搬送体積流を発生させるポンプPが備えられている。圧力P_吸込、がポンプPに供給され、およびポンプPは、圧力P_圧力、を液圧回路I、IIに対して放出する。ポンプPとして、調整ポンプが備えられている。ポンプPにおいて搬送体積流を調整するために、既定の調整圧力であるP_調整ポンプ、がポンプPの液圧調整のために印加される。P_調整ポンプ、は電気制御を介して、決定された体積流需要に応じて与えられる。

ポンプが、例えばフルストローク位置で押し付けられたために調整不能となった場合には、システム圧力弁が、圧力制限弁として機能する。

更に、変速機にダメージを与える可能性のある過剰量が発生した場合に、過剰量をポンプPの吸込系にリターン搬送する、３次液圧回路が存在する。

必要な搬送体積流を調整するために、実際の液圧媒体体積流を検出する検出ユニットSが、２次液圧回路IIに備えられている。検出ユニットSは、例えば圧力または体積流を検出するセンサを含む。検出ユニットSは、流れの方向で冷却ユニットKの後ろに、２次液圧回路IIに配置されている。

従って、搬送体積流を調整可能なポンプPにより、需要に応じて液圧媒体または油が自動変速機に供給され、シフト要素A乃至EおよびロックアップクラッチWKを液圧的に作動させ、ならびに変速機を冷却かつ潤滑し、および液圧的損失を低減するシステムが提供される。この場合搬送体積は、変速機作動領域の各動作点において需要に対して適合されるため、その都度必要な変速機システムの体積流需要が達成される。必要な体積流需要は、好適には、漏出、冷却油需要および潤滑油需要、ならびにロックアップクラッチWKの冷却油需要である体積流を、合計して求めることが可能である。漏出は、１次液圧回路Iにおける漏出、ポンプにおける漏出、および液圧制御装置における漏出、ならびにシフト要素A乃至EおよびロックアップクラッチWKを充填および印加する際の漏出とする。

この場合ポンプPの搬送体積流は、調整システムを介して適合される。調整システムは、シフト要素A乃至Eおよびアクチュエータ、ならびにロックアップクラッチWKおよびパーキングロックユニットPSに供給する１次液圧回路I、変速機冷却および潤滑システムに供給する２次液圧回路II、および３次液圧回路IIIから構成される。検出ユニットEは、体積流または定義された従属する数値を検出するセンサを、２次液圧回路IIに備える。

ポンプPを制御するために、電子制御装置が備えられている。この電子制御装置により、２次液圧回路IIにおいて検出された体積流に応じて、比例弁を介して、ポンプPにおける搬送体積流が制御される。自動変速機の現在の作動領域において必要とされる実際の体積流需要は、特性図に応じて決定される。特性図は、変速機制御装置に保存されている。

本発明による方法の範囲において、その都度の実際の液圧媒体積流が二次液圧回路IIにおいて検出され、現在の体積流需要が特性図から決定され、およびポンプPの搬送体積流が制御される。決定された体積流需要が、２次液圧回路IIにおいて検出された体積流よりも少ない場合、２次液圧回路IIにおける体積流を、少なくとも一時的に低減または停止可能である。このようにして、消費を更に低減することが可能である。

特性図から決定された体積流需要が、２次液圧回路IIにおいて検出された体積流よりも高い場合、２次液圧回路IIにおける供給不足が認識される。供給不足が認識されると、本発明に従い、変速機制御装置を介して、回転数の制限またはトルクへの干渉が実行される。２次液圧回路における圧力は、例えば直接的に制御される調圧弁または事前制御される比例弁により、調整される。

A シフト要素またはクラッチまたはブレーキ
B シフト要素またはクラッチまたはブレーキ
C シフト要素またはクラッチまたはブレーキ
D シフト要素またはクラッチまたはブレーキ
E シフト要素またはクラッチまたはブレーキ
P ポンプ
PS パーキングロックユニット
WK ロックアップクラッチ
K 冷却ユニット
S 検出ユニット
I １次液圧回路
II ２次液圧回路
III ３次液圧回路
P_非作動 非作動させるパーキングロック圧力
P_作動 作動させるパーキングロック圧力
P_圧力 ポンプの圧力側における圧力
P_吸込 ポンプの吸込側における圧力
P_調整ポンプ ポンプの液圧調整のための圧力
P_クーラーへ 冷却ユニットへの圧力
P_クーラーから 冷却ユニット後の圧力

本発明は、請求項１の上位概念において詳説された、車両の自動変速機における液圧供給装置に関する。

例えば、米国特許第4693081号明細書は、自動変速機の液圧ポンプの制御方法を開示する。自動変速機に液圧媒体を供給するポンプは、スロットル開度センサ、ホイールスピードセンサおよびエンジン回転数センサを対応して評価することにより、内燃エンジンの性能に応じて制御される。実質的に、液圧ポンプの性能はエンジン回転数により与えられるものである。

また、例えば本出願人によるドイツ特許出願公開第102004008611号明細書により、調整ポンプを、自動変速機に液圧を供給する液圧ポンプとして使用することが知られている。既知の液圧供給装置においては、調整ポンプが十分に安定して作動することでも、せいぜい個々の作動ポイントが決定可能である、という欠点が知られている。これは、他の作動ポイントに対しては、多過ぎる、または少な過ぎる液圧媒体が供給されることを意味する。これにより、車両の燃料消費が高まるか、または変速機部品における摩滅の増大につながる。

更に、本出願人によるドイツ特許出願公開第102012200173号明細書は、１次液圧回路および２次液圧回路を備え、自動変速機に供給する調整ポンプを備えた液圧システムを開示する。

米国特許第4693081号明細書 ドイツ特許出願公開第102004008611号明細書 ドイツ特許出願公開第102012200173号明細書

本発明の課題は、その都度必要な体積流需要に応じて、または計測された圧力に応じた最低搬送体積流に応じて、搬送体積流を厳密に調整可能な、上述の種類の液圧供給装置を提供することに基づいている。

この課題は、本発明に従い、請求項１または１０に 記載の特徴により解決される。有利な発展実施形態は、各従属請求項、ならびに明細書および図面から明らかとなる。

従ってこの課題は、変速機部品に供給する１次液圧回路と、および変速機部品を潤滑かつ冷却する２次液圧回路と、ならびに液圧回路への搬送体積流を発生させる少なくとも１つのポンプと、を備える、車両の自動変速機の液圧供給装置により解決される。液圧供給装置においては、その都度実際に存在する液圧媒体体積流または圧力を２次液圧回路において検出する検出ユニットが備えられ、必要な液圧媒体体積流または圧力を、２次液圧回路においてクーラーの前後で調整する。

本発明に従い、ポンプを制御するために、電子制御および調整装置が備えられている。この電子制御および調整装置により、２次液圧回路IIにおいて検出された体積流および決定された体積流需要に応じて、比例弁を介して、ポンプにおける搬送体積流が制御される。

これにより、需要に応じて液圧媒体を供給可能である。なぜなら、冷却回路および潤滑回路に備えられた検出ユニットが、液圧媒体または油の供給過剰および供給不足を防止し、それにより消費を最適化するためである。

装備された他の検出ユニットは、安全上の理由からの供給不足のみを防止する。そうでなければ、特性図を一義的に解釈しての潤滑を、全ての作動ポイントにおいて保証することができない。

検出ユニットは、少なくとも１つのセンサまたは複数のセンサを備える。これらセンサにより、体積流、または体積流と同等の数値、もしくは定義された体積流に従属する数値をも、連続的に検出可能である。体積流を２次液圧回路において検出するために、例えば体積計または計測タービンを使用可能である。定義された従属する数値としては、例えば圧力を、圧力センサにより検出可能である。検出された圧力は、２次液圧回路における既知の絞りの抵抗を介して、体積流に換算可能である。

本発明の有利な発展実施形態に従い、検出ユニットは、流れの方向で冷却ユニットの後ろに、２次液圧回路に備えられている。検出ユニットを他の位置に配置することも考慮可能である。圧力の検出ユニットを冷却ユニットに後置接続することには、異なる冷却構成または冷却バイパスが異なって接続されることに起因する液圧変動を、例えばより迅速に作動温度に達する冷却バイパス等、冷却回路の圧損失を変えることで防止可能、という利点がある。なぜなら、対応して検出された数値により、これらが適合されるためである。

液圧を供給するポンプとしては、調整ポンプが使用される。調整ポンプとは、以下のような、可変の押しのけ容積を有する容積型ポンプと理解される。好適には、調整ポンプはベーンポンプとして構成されている。これに対して代替的に、調整ポンプは、調整可能なアキシャルピストンポンプまたはラジアルピストンポンプとして、振り子式スライダ式ポンプとして、ローラセルポンプとして、または調整可能なジロータポンプとして構成可能である。

しかしながら、調整可能なポンプの使用は、例えばストロークリングの回転または移動、例えばベーンポンプにおけるロータとストロークリングの間の偏心率の変更である調整機構の回転数および位置により、搬送体積が可能なポンプが好適である。調整機構は、例えば液圧的に制御可能である。例えば、圧力を自由に調整する比例弁は、電気的な圧力アクチュエータを介して、調整ポンプを制御すべく機能可能である。液供給装置により２次液圧回路において検出された体積流情報または圧力情報、および比例弁の助けにより、特性図により決定された体積流需要に応じて、搬送体積流を対応して電気的に制御可能である。特性図は、例えば電子変速機制御装置（ECU）に寄託可能であり、および例えば、必ずしもリストアップされていない以下の数値を考慮可能である。

１つには温度を、温度依存性の漏出および冷却油需要を決定するために、考慮可能である。加えて入力部および出力部の回転数を、冷却油需要および潤滑油需要を決定するために、考慮可能である。更に圧力、またはエンジンもしくはタービンのトルクを、負荷依存性の需要を決定するために、考慮可能である。

また更に、ロックアップクラッチにおける圧力をロックアップクラッチの冷却油需要を決定するために考慮可能であり、および、例えばクラッチを充填するため、または液圧回路の圧力を高めるためなどの、変速機部品に供給する充填容積流を考慮可能である。

本発明が基づく課題は、ポンプの制御方法および車両の自動変速機における液圧供給装置により解決される。その都度実際に存在する液圧媒体体積流が、変速機部品を潤滑および冷却する２次液圧回路において検出され、その都度実際に存在する体積流需要が、自動変速機の実際の作動領域に対して、特性図に応じて決定され、およびポンプの搬送体積流が決定され、ならびにポンプの搬送体積流が、決定された体積流需要に応じて、対応して制御される。

このようにして、ポンプの主要圧力から独立した冷却量制御が可能となるため、このように調整ポンプを調整することで、需要に応じて液圧媒体または油を供給可能である。

このようにして、調節または調整されるべき液圧体積流量を、需要に応じて、その都度存在する作動ポイントに対して調整可能である。考慮すべき値として、例えばロックアップクラッチのパワーロス、実際の変速機温度または変速機の過程、トルクおよび回転数に関する変速機の負荷、実際の走行段、走行プログラムおよび／または算出されたクラッチの温度等を考慮可能である。追加的に、シフト操作の前、および／またはシフト操作の間、および／またはシフト操作の後を目指し、調整可能な体積流を、オフセットを介して高めることが可能であり、例えばシフト操作において発生したクラッチの熱をより良好に排出可能であり、または回転するクラッチにおいて、回転圧力補償用の補償室を迅速に再充填し、それによりシフト性能を高めることが可能である。

本発明による方法、および本発明による供給装置を備える、電気的に調整されたシステムが提供される。このシステムにおいては、純粋に比例的な調整ではなく、電気調整回路が適用される。電気調整回路の調整ダイナミクスは、比例的な調整部分に加えて、一体的かつ差別的な調整部分により著しく改良される。従って、調整安定性をより大きくすると同時に、動的応答性をより著しく高めることが可能である。更に、目標値つまり液圧ポンプの搬送体積流を、自動変速機の作動領域に対して理想的に適合させることが可能である。従って詳細にシステムを知ることで、調整手段（積分飽和現象に対するアンチワインドアップ、期待される調整値へのジャンプ状のフィードフォワード制御、およびそこから開始される実際の調整、作動ポイントに応じた異なるPIDパラメータ付与等）の作動領域を限定可能である。

例えば消費を有利とするために、例えば低温での特性図においては、この作動領域において制御される目標搬送体積流が低いため、必要とされる冷却および潤滑媒体量がより少ない、ということを考慮可能である。これに対して、例えば対照的に高温において、明らかにより大きな冷却油量がポンプ制御において考慮される場合、供給不足が回避可能である。

以下に本発明は、図面を参考にして更に詳説される。

本発明による、液圧制御方法を含む液圧供給装置の概略図である。

供給装置は、例えばシフト要素A、B、C、D、EおよびロックアップクラッチWK、ならびにパーキングロックユニットPSのような変速機部品に供給する、１次液圧回路を備える。

１次液圧回路Iを介して、シフト要素A乃至Eは液圧的に供給され、これらを作動または非作動させることが可能である。更にロックアップクラッチおよびパーキングロックユニットPSは、作動圧力P_作動、および非作動圧力P_非作動により、作動または非作動されるよう液圧媒体を供給される。

更に供給装置は、２次液圧回路IIを備える。２次液圧回路IIは、変速機部品を潤滑および冷却するよう液圧媒体を供給される。２次液圧回路IIには、冷却ユニットKが備えられている。冷却ユニットKは２次液圧回路IIから、圧力P_クーラーへ、を供給される。圧力P_クーラーへ、は、通過流方向でクーラーの前で測定される。冷却ユニットKからは、その後、圧力P_クーラーから、を有する圧力媒体が、再度２次液圧回路に対して供給される。圧力P_クーラーから、はクーラーの後ろで計測される。

液圧回路IおよびIIへの搬送体積流を発生させるポンプPが備えられている。圧力P_吸込、がポンプPに供給され、およびポンプPは、圧力P_圧力、を液圧回路I、IIに対して放出する。ポンプPとして、調整ポンプが備えられている。ポンプPにおいて搬送体積流を調整するために、既定の調整圧力であるP_調整ポンプ、がポンプPの液圧調整のために印加される。P_調整ポンプ、は電気制御を介して、決定された体積流需要に応じて与えられる。

ポンプが、例えばフルストローク位置で押し付けられたために調整不能となった場合には、システム圧力弁が、圧力制限弁として機能する。

更に、変速機にダメージを与える可能性のある過剰量が発生した場合に、過剰量をポンプPの吸込系にリターン搬送する、３次液圧回路が存在する。

必要な搬送体積流を調整するために、実際の液圧媒体体積流を検出する検出ユニットSが、２次液圧回路IIに備えられている。検出ユニットSは、例えば圧力または体積流を検出するセンサを含む。検出ユニットSは、流れの方向で冷却ユニットKの後ろに、２次液圧回路IIに配置されている。

従って、搬送体積流を調整可能なポンプPにより、需要に応じて液圧媒体または油が自動変速機に供給され、シフト要素A乃至EおよびロックアップクラッチWKを液圧的に作動させ、ならびに変速機を冷却かつ潤滑し、および液圧的損失を低減するシステムが提供される。この場合搬送体積は、変速機作動領域の各動作点において需要に対して適合されるため、その都度必要な変速機システムの体積流需要が達成される。必要な体積流需要は、好適には、漏出、冷却油需要および潤滑油需要、ならびにロックアップクラッチWKの冷却油需要である体積流を、合計して求めることが可能である。漏出は、１次液圧回路Iにおける漏出、ポンプにおける漏出、および液圧制御装置における漏出、ならびにシフト要素A乃至EおよびロックアップクラッチWKを充填および印加する際の漏出とする。

この場合ポンプPの搬送体積流は、調整システムを介して適合される。調整システムは、シフト要素A乃至Eおよびアクチュエータ、ならびにロックアップクラッチWKおよびパーキングロックユニットPSに供給する１次液圧回路I、変速機冷却および潤滑システムに供給する２次液圧回路II、および３次液圧回路IIIから構成される。検出ユニットSは、体積流または定義された従属する数値を検出するセンサを、２次液圧回路IIに備える。

ポンプPを制御するために、電子制御装置が備えられている。この電子制御装置により、２次液圧回路IIにおいて検出された体積流に応じて、比例弁PVを介して、ポンプPにおける搬送体積流が制御される。自動変速機の現在の作動領域において必要とされる実際の体積流需要は、特性図に応じて決定される。特性図は、変速機制御装置に保存されている。

本発明による方法の範囲において、その都度の実際の液圧媒体積流が二次液圧回路IIにおいて検出され、現在の体積流需要が特性図から決定され、およびポンプPの搬送体積流が制御される。決定された体積流需要が、２次液圧回路IIにおいて検出された体積流よりも少ない場合、２次液圧回路IIにおける体積流を、少なくとも一時的に低減または停止可能である。このようにして、消費を更に低減することが可能である。

特性図から決定された体積流需要が、２次液圧回路IIにおいて検出された体積流よりも高い場合、２次液圧回路IIにおける供給不足が認識される。供給不足が認識されると、本発明に従い、変速機制御装置を介して、回転数の制限またはトルクへの干渉が実行される。２次液圧回路における圧力は、例えば直接的に制御される調圧弁または事前制御される比例弁により、調整される。

A シフト要素またはクラッチまたはブレーキ
B シフト要素またはクラッチまたはブレーキ
C シフト要素またはクラッチまたはブレーキ
D シフト要素またはクラッチまたはブレーキ
E シフト要素またはクラッチまたはブレーキ
P ポンプ
PS パーキングロックユニット
PV 比例弁
WK ロックアップクラッチ
K 冷却ユニット
S 検出ユニット
I １次液圧回路
II ２次液圧回路
III ３次液圧回路
P_非作動 非作動させるパーキングロック圧力
P_作動 作動させるパーキングロック圧力
P_圧力 ポンプの圧力側における圧力
P_吸込 ポンプの吸込側における圧力
P_調整ポンプ ポンプの液圧調整のための圧力
P_クーラーへ 冷却ユニットへの圧力
P_クーラーから 冷却ユニット後の圧力

Claims (12)

1. 車両の自動変速機の液圧供給装置であって、変速機部品に供給する１次液圧回路（I）と、変速機部品を潤滑かつ冷却する２次液圧回路（II）と、および前記液圧回路（I、II）への搬送体積流を発生させる、可変搬送体積流を有して調整ポンプとして構成された少なくとも１つのポンプ（P）と、を備える液圧供給装置において、実際の液圧媒体体積流を２次液圧回路（II）において検出する検出ユニット（S）が備えられ、前記ポンプ（P）の必要な搬送体積流を調整することを特徴とする液圧供給装置。
2. 前記検出ユニット（S）は、その都度の実際の液圧媒体体積流を検出する体積流センサを、前記２次液圧回路（II）に備えることを特徴とする、請求項１に記載の液圧供給装置。
3. 前記検出ユニット（S）は、定義された液圧媒体体積流に従属する数値を検出するセンサを備えることを特徴とする、請求項１または２に記載の液圧供給装置。
4. ２次液圧回路（II）において、該２次液圧回路（II）の圧力（P_クーラーから、P_クーラーへ）を検出する圧力センサを備えることを特徴とする、請求項３に記載の液圧供給装置。
5. 検出ユニット（S）は、流れの方向で冷却ユニット（K）の後ろに、２次液圧回路（II）に備えられていることを特徴とする、請求項１〜４の何れか一項に記載の液圧供給装置。
6. 調整ポンプは、調整圧力（P_調整ポンプ）を介して調整可能な液圧調整機構を備えることを特徴とする、請求項１〜５の何れか一項に記載の液圧供給装置。
7. ポンプ（P）を制御するために、電子制御および調整装置が備えられ、該電子制御および調整装置により、２次液圧開路（II）において検出された体積流および決定された体積流需要に応じて、比例弁を介して、前記ポンプ（P）における搬送体積流が制御されることを特徴とする、請求国１〜６の何れか一項に記載の液圧供給装置。
8. 体積流需要は特性図に応じて決定可能であることを特徴とする、請求項７に記載の液圧供給装置。
9. 車両の自動変速機における液圧供給装置のポンプの制御方法であって、その都度の実際の液圧媒体体積流を、変速機部品を潤滑および冷却する２次液圧回路（II）において検出し、体積流需要を、前記自動変速機の実際の作動領域に対して、特性図から決定し、および前記ポンプ（P）の搬送体積流を、決定した前記体積流需要に応じて制御することを特徴とする、制御方法。
10. 決定した前記体積流需要が、前記２次液圧回路（II）において検出した体積流よりも少ない場合、前記２次液圧回路（II）における体積流を、少なくとも一時的に低減または停止することを特徴とする、請求項９に記載の制御方法。
11. 決定した前記体積流需要、または特性図により目標値として与えられた体積流需要が、前記２次液圧回路（II）において検出した体積流よりも高い場合、前記２次液圧回路（II）における供給不足を認識することを特徴とする、請求項９または１０に記載の制御方法。
12. 供給不足を認識すると、変速機制御装置を介して、回転数の制限またはトルクへの干渉を実行することを特徴とする、請求項１１に記載の制御方法。

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