JP2018207016A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストの増加を抑えつつ、冷却器のシール性とピンフィンの耐目詰まり性とを確保し、かつ冷却器の冷却性能を向上できる半導体装置を提供する。【解決手段】複数のピンフィン5は、それぞれ、ベース3aの他方の面に立設されたピンフィン本体部5aと、前記ピンフィン本体部の先端から長手方向に延びる少なくとも1つのピンフィン先端突起部5bとを有し、前記ピンフィン本体部の長さLaが冷媒流路3dの深さdよりも小さく、前記ピンフィン本体部の長さLaと前記複数のピンフィン先端突起部の長さLbとの合計が前記冷媒流路の深さよりも大きくなるように形成されている。【選択図】 図1
Description
本発明は半導体装置に関する。
電気自動車や鉄道、発電システム等の電力制御を担う装置として、半導体チップを搭載した半導体装置が使用されている。半導体装置の動作時には、半導体チップが自己発熱によって高温になる。そのため、半導体装置では、ピンフィン等を介して半導体チップの熱を放熱することにより、半導体チップを冷却している。近年、半導体装置の小型軽量化や高出力化による発熱密度の増大に伴い、ピンフィンによる冷却性能の向上が求められている。ピンフィンに関する従来技術として、例えば特許文献1及び2に記載の技術が知られている。
特許文献1には、天板(ベース)と冷却ケースとの間に配置されているフィン部材に対して冷媒が流れる冷却器であって、前記フィン部材は、前記天板に一体成形されていて前記天板に対向する前記冷却ケースの底壁面に向けて延びる複数のピンフィンであり、前記複数のピンフィンの先端に、前記冷却ケースの底壁面を押圧するゴム片がそれぞれ組み付けられ、各ピンフィンが冷却ケースの開口部に嵌合し、且つOリングが冷却ケースの凹部に嵌合している状態で、前記天板がボルト又は溶接によって冷却ケースに組み付けられた冷却器が開示されている。
特許文献2には、金属板(ベース)の一方面に、切削工具によって前記金属板を堀り起こして起立形成された板状フィンを、切削工具によって切削することにより、多数の細線状ピンフィンが縦横に整列して一体に起立形成され、各々の前記ピンフィンの間隔が毛細管力を有するウイック構造の間隔に形成されていることを特徴とするピンフィン型ウイック構造体が開示されている。
従来の冷却器では、ピンフィンの長さが冷媒流路の深さよりも小さく設計されており、各ピンフィンの先端と冷却ケースの底壁面との間に約1〜3mm程度の隙間が生じる。この隙間は、天板と冷却ケースとを組み付ける際に必要なものである。なぜなら、各ピンフィンを冷却ケース内に収容した状態で天板と冷却ケースとを組み付ける際に、各ピンフィンの先端と冷却ケースの底壁面とが接触すると、天板と冷却ケースとの接合部に隙間が生じ、Oリングによるシール性を確保することが難しくなるためである。そして、冷却ケース内には、ピンフィン間を通過して冷却機能を発揮する冷媒の流れ(主流)に加えて、各ピンフィンの先端と冷却ケースの底壁面との隙間を直線的に通過する冷媒の流れ(バイパス流)が発生する。ここで、ピンフィン間を通過しないバイパス流の流路抵抗は、ピンフィン間を通過する主流の流路抵抗よりも小さいため、バイパス流が発生することで主流の流速が低下し、冷却器の冷却性能が低下することとなる。
特許文献1に記載の冷却器では、各ピンフィンの先端にゴム片を取り付け、各ゴム片を冷却ケースの底壁面に押圧して弾性変形させることにより、天板と冷却ケースとの接合部に隙間を生じさせることなく、ピンフィンの先端と冷却ケースの底壁面との隙間を無くしているが、冷媒に対するゴム片の耐腐食性の確保や部品点数増加により、製造コストが増加するという課題が生じる。
そこで、特許文献1に記載の天板(ベース)に特許文献2に記載のピンフィン型ウイック構造体を適用し、細線状に形成したピンフィンを冷却ケースの底壁面に押圧して変形させることにより、天板と冷却ケースとの接合部に隙間を生じさせることなく、ピンフィンの先端と冷却ケースの底壁面との隙間を無くすことが考えられる。しかし、細線状のピンフィンで大径のピンフィンと同等の冷却性能を得るためには、ピンフィンの表面積を確保するため、天板上の同一面積内に配置されるピンフィンの数を増やす必要がある。その結果、ピンフィンの間隔が狭まり、冷媒中のゴミによってピンフィンが目詰まりするおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造コストの増加を抑えつつ、冷却器のシール性とピンフィンの耐目詰まり性とを確保し、かつ冷却器の冷却性能を向上できる半導体装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、基板とこの基板の一方の面に実装された半導体チップとを有する半導体モジュールと、前記基板の他方の面に取り付けられ、前記半導体チップを冷却する冷却器とを備え、前記冷却器は、前記基板の他方の面に一方の面が接合されたベースと、前記ベースの他方の面に取り付けられ、前記ベースとの間に冷媒流路を形成する冷却ケースとを有し、前記ベースは、前記ベースの他方の面に配置された複数のピンフィンを有する半導体装置であって、前記複数のピンフィンは、それぞれ、前記ベースの他方の面に立設されたピンフィン本体部と、前記ピンフィン本体部の先端から長手方向に延びる前記ピンフィン本体部よりも厚みの小さいピンフィン先端突起部とを有し、前記ピンフィン本体部の長さが前記冷媒流路の深さよりも小さく、前記ピンフィン本体部の長さと前記複数のピンフィン先端突起部の長さとの合計が前記冷媒流路の深さよりも大きくなるように形成されたものとする。
以上のように構成した本発明によれば、ピンフィン本体部と冷却ケースの底壁面との間にピンフィン先端突起部を配置したことにより、ピンフィン間を通過しない冷媒の流れ(バイパス流)の発生を防ぐことができる。これにより、ピンフィン間を通過して冷却機能を発揮する冷媒の流れ(主流)の流速低下が抑制されるため、冷却器の冷却性能を向上させることができる。
また、ピンフィン本体部の間隔を従来のピンフィンの間隔と同等に設定することにより、ピンフィンの耐目詰まり性を従来と同様に確保することができる。
また、ピンフィン本体部よりも厚さの小さいピンフィン先端突起部を冷却ケースの底壁面に押圧して座屈させることにより、ベースと冷却ケースとの接合部に隙間を生じさせることなくベースと冷却ケースとを組み付けることができるため、冷却器のシール性を従来と同様に確保することができる。
また、ピンフィン先端突起部は、ピンフィン本体部と同一の部材でピンフィン本体部と一体に形成されるため、製造コストの増加を抑えることができる。
本発明によれば、半導体モジュールと冷却器とを備えた半導体装置において、製造コストの増加を抑えつつ、冷却器のシール性とピンフィンの耐目詰まり性とを確保し、かつ冷却器の冷却性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。なお、各図中、同等の部材には同一の符号を付し、重複した説明は適宜省略する。
図1は、本発明の第1の実施例に係る半導体装置の断面図である。
図1において、半導体装置1は、複数の半導体モジュール2と、これら複数の半導体モジュール2を搭載した冷却器3とを備えている。なお、図1に示す例では、2つの半導体モジュール2が冷却器3に搭載されているが、半導体モジュール2の数はこれに限定されない。
半導体モジュール2は、基板2aと、この基板2aに実装された複数の半導体チップ2bとを備えている。なお、図1に示す例では、基板2aに2つの半導体チップ2bが実装されているが、基板2aに実装される半導体チップ2bの数はこれに限定されない。
半導体チップ2bは、電力制御用のスイッチングや整流を担う電子部品(例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、ダイオード等)であり、スイッチングにより発熱する発熱体である。半導体チップ2bは、基板2aの一方の面(図1中、上側の面)に半田付けによって接続されている。
基板2aは、半導体チップ2bと共に電気回路を構成し、かつ半導体チップ2bと冷却器3とを電気的に絶縁するものであり、例えば、窒化ケイ素や窒化アルミニウム、アルミナ等のセラミックス層の上下両面に銅やアルミニウム等の配線層を接続したセラミックス配線基板で構成されている。基板2aの他方の面(図1中、上側の面)は、冷却器3(後述するベース3a)に半田付け等によって接合されている。
冷却器3は、ベース3aと、冷却ケース3bとを備えており、内部に冷媒を流通させて半導体チップ2bを冷却する。
ベース3aは、平板部4と、複数のピンフィン5とを有し、成形性の高い材料(銅、アルミニウム、銅又はアルミニウムを含む合金等)で一体成型されている。ベース3aの一方の面(図1中、上側の面)には、基板2aが搭載されている。ベース3aの他方の面(図1中、下側の面)側には、冷却ケース3bが組み付けられている。ベース3aは、半導体チップ2bで生じた熱を放熱する放熱板としての機能と、冷却ケース3bの蓋部材としての機能とを有する。冷却ケース3bのベース3aに接合する面には凹部が形成されており、この凹部には、冷媒の漏えいを防止するためのOリング6が嵌合されている。図2に、冷却ケース3bを取り外した半導体装置1の断面図を示す。図2において、ベース3aは、冷却ケース3bの凹部にOリング6を嵌合し、かつ各ピンフィン5を冷却ケース3b内に収容した状態で、ボルト(図示せず)又は溶接によって冷却ケース3bに接合される。
ピンフィン5は、冷却ケース3b内を流れる冷媒とベース3aとの接触面積を拡大するためのものである。ピンフィン5は、例えば円柱形状に形成されており、ベース3aの他方の面(図1中、下側の面)に対向する冷却ケース3bの底壁面に向かって延びている。ピンフィン5は、鍛造や鋳造、粉体成形等によって平板部4と一体成形されている。
冷却ケース3bは、例えば熱伝導率の良いアルミニウムで構成されており、底壁部3b1と4つの側壁部3b2とを有する箱型形状に形成されている。4つの側壁部3b2のうちの1つには、冷媒(例えば不凍液等)が流入する流入孔7aが設けられており、流入孔7aが設けられた側壁部3b2に対向する他の側壁部3b2には、冷媒が流出する流出孔7bが設けられている。これにより、冷却ケース3bの内部に冷媒流路3cが形成される。流入孔7aから流入した冷媒は、ベース3a及びピンフィン5と熱交換した後、流出孔7bから流出する。冷却ケース3bには、循環ポンプ(図示せず)を介して冷媒が循環供給される。図1中、ピンフィン5間を通過して冷却機能を発揮する冷媒の流れ(以下、「主流」という。)を矢印MSで示している。なお、流入孔7a及び流出孔7bは、必ずしも側壁部3b2に設ける必要は無く、底壁部3b1に設けても良い。また、図1に示す例では、冷却ケース3bに流入孔7a及び流出孔7bをそれぞれ1つずつ設けているが、流入孔7a及び流出孔7bの数はこれに限定されない。
図3は、ベース3aをピンフィン5側から見た斜視図であり、図4は、同じく平面図である。
図3又は図4において、複数のピンフィン5は、ベース3aの他方の面の一定範囲を占めるピンフィン領域4a(図4中、破線で示す)内に、例えば千鳥配置等で所定の間隔gを空けて配列されている。ピンフィン領域4aは、ベース3aのピンフィン5側の面(他方の面)に投影した半導体チップ2bの実装範囲を覆うように設定されている。これにより、半導体チップ2bから基板2aを介してベース3aに伝達された熱を効率的に放熱することが可能となる。通常、ピンフィン5の直径は1〜2mm程度、長さは5〜10mm程度である。ピンフィン5の間隔gは、冷媒中のゴミによる目詰まりを防止するため、約1mm以上確保することが望ましい。
図5は、ピンフィン5の拡大斜視図である。
図5において、ピンフィン5は、ベース3aの板面に立設された円柱形状のピンフィン本体部5aと、ピンフィン本体部5aの先端から長手方向に延びるピンフィン先端突起部5bとを有する。なお、図5に示す例では、ピンフィン本体部5aの先端面に3つのピンフィン先端突起部5bが設けられているが、ピンフィン先端突起部5bの数はこれに限定されない。
複数のピンフィン先端突起部5bは、それぞれ薄板形状に形成されており、ピンフィン本体部5aの先端面において厚さ方向(図中、両矢印Xで示す)に離間して配置されている。図5中、ピンフィン本体部5aの長さをLa、厚さをhaとおき、ピンフィン先端突起部の長さをLb、厚さをhbとおいている。
ピンフィン5の各寸法La,Lb,ha,hbは、図1に示すにように、ベース3aと冷却ケース3bとを組み付けた状態で、ピンフィン先端突起部5bが厚さ方向に座屈し、ピンフィン5の高さが冷媒流路3cの深さdと一致するように設定されている。以下、各寸法La,Lb,ha,hbが満たすべき条件について説明する。
ピンフィン本体部5aの長さLaは、冷媒流路の深さdよりも小さくなるように設定されている。すなわち、以下の関係式を満たすように設定されている。
片側固定端、片側自由端とした梁部材に長手方向の圧縮荷重が作用した場合の座屈荷重Pkは、梁部材のヤング率をE、長さをL、幅をw、厚さをhとおくと、以下の式で表される。
図6は、各寸法La,Lb,ha,hbと座屈荷重比との関係を示す図である。
図6において、ピンフィン本体部5aの長さhaは1.5mmと2.0mmの2通りから選択し、ピンフィン本体部5aの厚さhbは0.2mmと0.4mmの2通りから選択し、ピンフィン本体部5aの長さLaは7.0mmと8.0mmの2通りから選択し、ピンフィン先端突起部5bの長さLbは1.5mmと2.0mmの2通りから選択し、全16通りの組合せに対する座屈荷重比を示している。図6に示すように、各寸法La,Lb,ha,hbの16通りの組合せに対する座屈荷重比は全て1未満となっている。すなわち、図6に示す16通りの組合せのいずれを採用した場合でも、式(5)の条件が満たされ、ピンフィン先端突起部5bをピンフィン本体部5aよりも先に座屈させることができる。
ピンフィン5の各寸法La,Lb,ha,hbを式(1)、式(2)及び式(5)(又は式(4))の条件を満たすように設定することにより、ベース3aに冷却ケース3bを組み付けた際に、ピンフィン本体部5aが変形して冷媒流路3cが狭められたり、又はピンフィン5によってベース3aが押し上げられて冷却ケース3bとベース3aとの接合部に隙間を生じさせることなく、ピンフィン5の先端と冷却ケース3bとの底壁面との隙間を無くすことができる。
ここで、ベース3aを構成する材料(銅、アルミニウム、銅又はアルミニウムを含む合金等)は延性が高いため、ピンフィン先端突起部5bが破断する可能性は低いが、ベース3aを構成する材料は焼鈍されていることが望ましい。図7に、無酸素銅の冷間加工率と機械的特性(日本機械学会,機械工学便覧β2,pp.98より引用)を示す。図7において、冷間加工率(%)が小さくなる(完全焼鈍状態に近くなる)ほど、0.2%耐力(降伏応力に相当)が低下し、延び率が上昇することが分かる。すなわち、ベース3aを構成する材料を焼鈍することにより、ピンフィン先端突起部5bを容易に座屈させることができると共に、ピンフィン先端突起部5bが破断する可能性を更に低減することができる。
次に、本実施例に係る半導体装置1により達成される効果について、従来技術と比較して説明する。
図8は、従来技術に係る半導体装置の断面図である。
図8において、従来の冷却器3Xでは、各ピンフィン5Xの先端と冷却ケース3bの底壁面との間に約1〜3mm程度の隙間が生じる。この隙間は、ベース3aXに冷却ケース3bを組み付ける際に必要なものである。なぜなら、各ピンフィン5Xを冷却ケース3b内に収容した状態で、ベース3aXと冷却ケース3bとをボルト又は溶接によって接合する際に、各ピンフィン5Xの先端と冷却ケース3bの底壁面とが接触すると、ベース3aXと冷却ケース3bとの接合部に隙間が生じ、Oリング6によるシール性を保証し難くなるためである。そして、冷却ケース3b内には、ピンフィン5X間を通過する主流MSに加えて、各ピンフィン5Xの先端と冷却ケース3bの底壁面との隙間を直線的に通過する冷媒の流れ(以下「バイパス流」という。)LSが発生する。ここで、ピンフィン5X間を通過しないバイパス流LSの流路抵抗は、ピンフィン5X間を通過する主流MSの流路抵抗よりも小さいため、バイパス流LSが発生することで主流MSの流速が低下し、冷却器3Xの冷却性能が低下することとなる。
これに対して、本実施例に係る半導体装置1によれば、図1に示すように、ピンフィン本体部5aと冷却ケース3bの底壁面との間にピンフィン先端突起部を配置したことにより、ピンフィン5間を通過しないバイパス流LS(図6に示す)の発生を防ぐことができる。これにより、ピンフィン5間を通過して冷却機能を発揮する主流MSの流速低下が抑制されるため、冷却器3の冷却性能を向上させることができる。
また、ピンフィン本体部5aの間隔gを従来のピンフィン5X(図6に示す)の間隔gXと同等(約1mm以上)に設定することにより、ピンフィン5の耐目詰まり性を従来と同様に確保することができる。
また、ピンフィン本体部5aよりも厚さの小さいピンフィン先端突起部5bを冷却ケース3bの底壁面に押圧して座屈させることにより、ベース3aと冷却ケース3bとの接合部に隙間を生じさせることなくベース3aと冷却ケース3bとを組み付けることができるため、冷却器3のシール性を従来と同様に確保することができる。
また、ピンフィン先端突起部5bは、ピンフィン本体部5aと同一の部材でピンフィン本体部5aと一体に形成されるため、製造コストの増加を抑えることができる。
本発明の第2の実施例に係る半導体装置ついて、第1の実施例との相違点を中心に説明する。
図9は、本実施例に係るピンフィンの拡大斜視図である。本実施例に係る半導体装置のその他の構成は、第1の実施例に係るものと同様である。
第1の実施例では、図5に示すように、ピンフィン5を円柱形状としたが、本実施例では、図9に示すように、ピンフィン5の側面に抜き勾配を設けている。
以上のように構成した本実施例においても、第1の実施例と同様の効果が得られる。
また、ピンフィン5の側面に抜き勾配を設けたことにより、鍛造等の成形時に金型からの離型が容易になるため、ピンフィン5の加工精度を向上させることができる。
本発明の第3の実施例に係る半導体装置ついて、第1の実施例との相違点を中心に説明する。
図10は、本実施例に係るピンフィンの拡大斜視図である。本実施例に係る半導体装置のその他の構成は、第1の実施例に係るものと同様である。
第1の実施例では、図5に示すように、ピンフィン本体部5aの先端面において、複数のピンフィン先端突起部5bをそれぞれ薄板形状に形成し、厚さ方向(X方向)に離間して配置したが、本実施例では、図10に示すように、ピンフィン本体部5aの先端面において、複数のピンフィン先端突起部5bをそれぞれ厚さhb、幅hbの細長四角柱形状に形成し、厚さ方向(X方向)及び幅方向(Y方向)に離間して配置している。
以上のように構成した本実施例においても、第1の実施例と同様の効果が得られる。
また、ピンフィン先端突起部5bを厚さhb、幅hbの細長四角柱形状に形成したことにより、ピンフィン先端突起部5bを厚さ方向(X方向)に加えて幅方向(Y方向)にも座屈させることが可能となる。これにより、ピンフィン先端突起部5bの座屈方向の自由が高くなるため、冷却ケース3bへのベース3aの組付性を向上させることができる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成の一部を加えることも可能であり、ある実施例の構成の一部を削除し、あるいは、他の実施例の一部と置き換えることも可能である。
1,1X…半導体装置、2…半導体モジュール、2a…基板、2b…半導体チップ、3,3X…冷却器、3a,3aX…ベース、3b…冷却ケース、3b1…底壁部、3b2…側壁部、3c…冷媒流路、4…平板部、4a…ピンフィン領域、5,5X…ピンフィン、5a…ピンフィン本体部、5b…ピンフィン先端突起部、6…Oリング、7a…流入孔、7b…流出孔、d…冷媒流路の深さ、g,gX…ピンフィンの間隔、ha…ピンフィン本体部の厚さ、hb…ピンフィン先端突起部の厚さ、La…ピンフィン本体部の長さ、Lb…ピンフィン先端突起部の長さ、MS…主流、LS…バイパス流。
Claims (3)
- 基板とこの基板の一方の面に実装された半導体チップとを有する半導体モジュールと、
前記基板の他方の面に取り付けられ、前記半導体チップを冷却する冷却器とを備え、
前記冷却器は、前記基板の他方の面に一方の面が接合されたベースと、前記ベースの他方の面に取り付けられ、前記ベースとの間に冷媒流路を形成する冷却ケースとを有し、
前記ベースは、前記ベースの他方の面に配置された複数のピンフィンを有する半導体装置であって、
前記複数のピンフィンは、それぞれ、
前記ベースの他方の面に立設されたピンフィン本体部と、
前記ピンフィン本体部の先端から長手方向に延びる少なくとも1つのピンフィン先端突起部とを有し、
前記ピンフィン本体部の長さが前記冷媒流路の深さよりも小さく、前記ピンフィン本体部の長さと前記複数のピンフィン先端突起部の長さとの合計が前記冷媒流路の深さよりも大きくなるように形成された
ことを特徴とする半導体装置。 - 請求項1に記載の半導体装置であって、
前記複数のピンフィンは、それぞれ、前記ピンフィン本体部の長さをLa、前記ピンフィン本体部の厚さをha、前記複数のピンフィン先端突起部の長さをLb、前記複数のピンフィン先端突起部の厚さをhbとおいたとき、
(ha3/La2)>(hb3/Lb2)
の関係を満たすように形成された
ことを特徴とする半導体装置。 - 請求項1に記載の半導体装置であって、
前記ベースは、焼鈍された、銅、アルミニウム、銅又はアルミニウムを含む合金のいずれかで構成されている
ことを特徴とする半導体装置。
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---|---|---|---|
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
WO2023190141A1 (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-05 | Agc株式会社 | 放熱部材及び半導体ユニット |
WO2023210379A1 (ja) * | 2022-04-26 | 2023-11-02 | ローム株式会社 | 半導体モジュール |
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WO2023190141A1 (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-05 | Agc株式会社 | 放熱部材及び半導体ユニット |
WO2023210379A1 (ja) * | 2022-04-26 | 2023-11-02 | ローム株式会社 | 半導体モジュール |
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