JP2018206259A - 非常警報設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】 信号線の数を減らし、もって引き回しスペースの確保や工事コストの削減を図る。【解決手段】 非常通報用の多数の子機(3)と該多数の子機(3)との間で選択的な通話を行うことができる親機(5)とを含んで構成される非常警報設備(1)において、1乃至複数の子機(3)を接続することができる中継器(2)を備え、前記中継器(2)は、接続された子機(3)と前記親機(5)との間でやり取りされるアナログ信号をデジタル信号に変換する信号変換手段(7)と、前記デジタル信号をパケット信号に変換し前記中継器(2)と前記親機(5)との間を接続する信号線(6_i)を介して伝送する信号伝送手段(8)とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、自動火災報知設備における発信機と同様の非常発報機能に加えて音声通話機能を併せ持つ非常電話システムを有する非常警報設備に関する。
大規模建築物では火災等を発見した場合の通報をプッシュ式の発信機のみで行うのは防災上不十分であることから、火災の位置や状況などを音声で明確に伝えることができるテレホン式の発信機(一般的には「非常電話」と呼ばれている)を各所に設置することが認められており、具体的には、消防法施行令第24条により、「地階を除く階数が11階以上、または地階の階数が3階以上の建物」に設置が認められている。
非常電話のシステムは防災センターや管理室(以下、防災センターで代表)に設置される非常電話親機(以下、単に「親機」という)と、この親機に接続される多数の非常電話子機(以下、単に「子機」という)と、さらに各々の子機に併設される表示灯や電源及び配線とを含んで構成される。子機はインターホンと同様の形状をしており、受話器を取り上げることで発信機のプッシュボタンが押されたのと同じ非常発報状態となり、館内に火災放送が鳴動するようになっている。
非常電話の技術基準は消防庁の告示(非特許文献1)によって定められている。同告示によれば特に「非常電話は操作部との間の専用電話であること」(同告示の第4、2、(2)、イ)とされている。操作部は防災センターに設置される機器(親機)のことである。
前記のとおり、非常電話は“専用電話”と規定されている。この規定の意味は要するに他の用途の電話(たとえば一般公衆電話など)と兼用してはならないというものである。このため一般的に非常電話は、いわゆるインターホンのように親機と子機の間を専用の回線(通信線)で接続する仕組みになっている。
図7は、従来の非常警報設備の簡略構成図である。この図において、各階(こここでは便宜的に1階から5階まで)にはそれぞれ複数個(便宜的に各階に5個)の非常電話子機(以下、単に「子機」という)100が設けられている。各々の子機100と防災センターに設けられた非常電話親機(以下、単に「親機」という)101との間は、子機100ごとに個別の通信線102で接続されており、子機100のいずれかを持ち上げると、親機101につながれている非常放送設備103で非常発報が行われるとともに、親機101と子機100との間で通話を行うことができるようになっている。
非常警報設備の基準(平成21年9月30日消防庁告示第22号)
従来技術の不都合は、子機100の設置数に比例して信号線102の線数が多くなるため、信号線の引き回しスペースの確保が困難になったり、工事コストがアップしたりする点にあった。
そこで、本発明の目的は、信号線の数を減らし、もって引き回しスペースの確保や工事コストの削減を図ることにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る非常警報設備は、非常通報用の多数の子機と該多数の子機との間で選択的な通話を行うことができる親機とを含んで構成される非常警報設備において、
1乃至複数の子機を接続することができる中継器を備え、
前記中継器は、
接続された子機と前記親機との間でやり取りされるアナログ信号をデジタル信号に変換する信号変換手段と、
前記デジタル信号をパケット信号に変換し前記中継器と前記親機との間を接続する信号線を介して伝送する信号伝送手段と
を有することを特徴とする。
本発明によれば、信号線の数を減らし、もって引き回しスペースの確保や工事コストの削減を図ることができる。
実施形態の概念図である。 中継器2の一例構成図である。 親機4の一例構成図である。 親機4の要部の動作フローを示す図である。 中継器点検処理の動作フローを示す図である。 親機4と中継器2との間でやり取りされる点検用信号フォーマット図である。 従来の非常警報設備の簡略構成図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、実施形態の概念図である。図示の非常警報設備1は、一例として、5階建てで、防災センターを持つ大規模建築物への適用を模式化したものである。
この図において、各階には少なくとも一つの中継器2が設けられており、それぞれの中継器2には1乃至複数の非常電話子機(以下、単に「子機」という)3が接続されている。いうまでもなく子機3の接続数は当該建築物における非常警報計画に従うものであり、図示の例に限定されない。また、図示の例では各階に一つの中継器2しか設置していないが、これも一例に過ぎない。その階の面積が広い場合や、あるいはその階の複雑さ(部屋や間仕切り等)によっては複数の中継器2を設置してもよい。
防災センターには、非常電話親機(以下、単に「親機」という)4が設置されている。親機4には各階の子機3との間で選択的な通話が可能な親機用受話器5が接続されているとともに、この親機4と、各階に設置された中継器2との間がそれぞれネットワークケーブル6_1〜6_n(nは中継器2の数、図示の例ではn=5)で接続されている。
中継器2は、少なくとも次の二つの機能を有している。
第一の機能は、アナログ信号をデジタル信号に変換する機能である。アナログ信号は、たとえば、図7の構成における子機100と親機101との間でやり取りされるアナログ信号(時間軸上で変化する電圧の大きさで情報を表す信号)に対応するものであり、この第一の機能では当該アナログ信号をデジタル信号(アナログ信号を単位時間ごとにサンプリングしてそのサンプリング値を数値表現したもの)に変換する。この機能を実現するための手段のことを便宜的に「信号変換手段7」ということにする。
第二の機能は、信号変換手段7で変換されたデジタル信号をパケット信号に変え、このパケット信号を中継器2と親機4との間を接続する信号線(ネットワークケーブル6_1〜6_n)を介して伝送する機能である。この機能を実現するための手段のことを便宜的に「信号伝送手段8」ということにする。パケット信号とは、ネットワークを流れるデータの単位のことであり、伝送されるデータ本体に送信先の識別情報(宛先情報)などの制御情報を付加した小さなまとまりのことをいう。たとえば、インターネットプロトコルスイートではインターネット層のプロトコル(インターネットプロトコル:IP)が用いるデータの単位がパケットと呼ばれる。
上記の第一の機能及び第二の機能は、VoIP(Voice over Internet Protocol)を用いて実現してもよい。VoIPとはネットワークを通じて音声通話を行う技術の総称のことである。一般的にVoIPと言った場合、SIP(Session Initiation Protocol)と呼ばれる通信規約で通話する相手の指定や発信、着信などの呼制御を行う方式のことを指すことが多い。
親機4も中継器2と同様の機能(第一の機能と第二の機能)を備える。すなわち、アナログ信号をデジタル信号に変換する第一の機能(便宜的に信号変換手段9)と、この信号変換手段9で変換されたデジタル信号をパケット信号に変え、このパケット信号を親機4と中継器2との間を接続する信号線(ネットワークケーブル6_1〜6_n)を介して伝送する第二の機能(便宜的に信号伝送手段10)とを備える。
なお、この図では省略しているが、親機4は、第三の機能として自動発報機能(子機3の受話器が取り上げられたときに館内に火災放送を鳴動する機能)を有している。
このような構成によれば、以下の効果を奏することができる。
すなわち、子機3のいずれかを持ち上げると非常発報が行われるとともに、その子機3と親機用受話器5との間で通話を行うことができることに加え、さらに、各階の中継器2と親機4との間をそれぞれ一本の信号線(ネットワークケーブル6_i、iは1〜n)で接続できるため、従来例(図7)に比べて信号線の数を減らすことができ、信号線の引き回しスペースを確保しやすくなるとともに、工事コストの削減を図ることができるという格別の効果が得られる。
次に、中継器2と親機4の構成について、実例を挙げて具体的に説明する。
図2は、中継器2の一例構成図である。この図において、中継器2は、複数のネットワーク端子11、スイッチ部12、データ演算作業領域要素(以下、RAM13)、プログラム記憶要素(以下、ROM14)、不揮発性データ記憶要素(以下、EEPROM15)、コンピュータ(以下、CPU16)、データバス17、信号変換部18、電源部19、バッテリ20、充電部21、充電監視部22、端子盤23を備える。
CPU16は、ROM14にあらかじめ格納されているソフトウェアリソース(基本プログラムやアプリケーションプログラムなど)をRAM13にロードして実行することにより、中継器2に必要なもろもろの機能をソフトウェア的に実現し、EEPROM15は必要に応じてCPU16の処理結果を不揮発的に記憶する。
一つのネットワーク端子11には親機4からのネットワークケーブル6_iが接続される。なお、ネットワーク端子11には必要に応じて他の中継器2への信号線を接続することができ、これにより、各中継器2をいわゆるディジーチェーン接続(複数の機器を数珠繋ぎにつないでいく配線方法)することができる。
端子盤23には複数の子機3の信号線が接続されており、子機3の信号線はさらにこの端子盤23を介して信号変換部18に接続されている。ここで、端子盤23にはあらかじめ一つの子機3aを接続しておくことができる。この子機3aも他の子機3と同様の機能を有する発信機であるが、この子機3aは中継器2に組み込まれたものである点で他の子機3と相違する。
電源部19は通常は常用電源(商用電源ともいう)から中継器2の動作に必要な各種内部電源を生成出力し、また充電部21を介してバッテリ20を充電するが、停電等で常用電源が失われた場合にはバッテリ20の放電電圧から中継器2の動作に必要な各種内部電源を生成出力する。充電監視部22はバッテリ20の状態(充・放電状態)を監視し、その監視情報を定期的または不定期にCPU16に通知する。
さらに電源部19はPoE(Power over Ethernet)により、中継器2に接続された各子機3(及び子機3a)の電源を供給するものであってもよい。PoEとは、信号ケーブルを利用して電力を供給する技術のことをいう。PoEにより、電源を得るのが困難な場所に配置された機器に電力を供給して動作させることができるようになる。
信号変換部18は、子機3(及び子機3a)からのアナログ信号をデジタル信号に変換してデータバス17に出力し、また、データバス17を介して入力する親機4からのデジタル信号をアナログ信号に変換して子機3(及び子機3a)に出力する。したがって、この信号変換部18は、中継器2に接続された子機3(及び子機3a)と、親機4に接続された親機用受話器5との間でやり取りされるアナログ信号をデジタル信号に変換する信号変換手段7(図1)を具現化したものである。
スイッチ部12は、信号変換部18で変換されたデジタル信号をパケット信号に変え、このパケット信号を中継器2と親機4との間を接続する信号線(ネットワークケーブル6_i)を介して伝送し、また、当該信号線(ネットワークケーブル6_i)を介して入力するパケット信号の宛先情報に従ってパケット信号の行き先を振り分ける。したがって、このスイッチ部12は、信号変換部18で変換されたアナログ信号をパケット信号に変え、そのパケット信号を中継器2と親機4との間を接続する信号線(ネットワークケーブル6_i)を介して伝送する信号伝送手段8(図1)を具現化したものである。
スイッチ部12はVLAN(Virtual LAN)の機能を有していてもよい。VLANとは、物理的な接続形態とは独立して仮想的なLANセグメントを作る技術のことである。VLANはスイッチ内部で論理的にLANセグメントを分割するために使用される。VLANを使用することで、L2スイッチでもルータやL3スイッチと同様にブロードキャストドメインの分割を行うことができる。さらに、VLANを使用することによって配線のループ接続ができるようになるので、緊急用の予備配線をあらかじめ接続しておくことが可能となり、耐障害性の向上を図ることができる。
図3は、親機4の一例構成図である。この図において、親機4は、表示部24、インターフェース部25、信号変換部26、データ演算作業領域要素(以下、RAM27)、プログラム記憶要素(以下、ROM28)、不揮発性データ記憶要素(以下、EEPROM29)、コンピュータ(以下、CPU30)、データバス31、スイッチ部32、複数のネットワーク端子33、電源部34、バッテリ35、充電部36、充電監視部37を備える。
CPU36は、ROM28にあらかじめ格納されているソフトウェアリソース(基本プログラムやアプリケーションプログラムなど)をRAM27にロードして実行することにより、親機4に必要なもろもろの機能をソフトウェア的に実現し、EEPROM29は必要に応じてCPU30の処理結果を不揮発的に記憶する。
スイッチ部32には複数のネットワーク端子33を介して各々の中継器2からのネットワークケーブル6_iが接続されている。このスイッチ部32は、パケット信号に含まれる宛先情報に従ってパケット信号の行き先を振り分ける。スイッチ部32はVLANの機能を有していてもよい。
信号変換部26は、親機用受話器5からのアナログ信号をデジタル信号に変換してデータバス31に出力し、また、データバス31を介して入力するデジタル信号をアナログ信号に変換して親機用受話器5に出力する。したがって、この信号変換部26は、親機4に接続された親機用受話器5と、各中継器2に接続された子機3(及び子機3a)との間でやり取りされるアナログ信号をデジタル信号に変換する信号変換手段9(図1)を具現化したものである。
スイッチ部32は、信号変換部26で変換されたデジタル信号をパケット信号に変え、このパケット信号を中継器2と親機4との間を接続する信号線(ネットワークケーブル6_i)を介して伝送し、また、当該信号線(ネットワークケーブル6_i)を介して入力するパケット信号の宛先情報に従ってパケット信号の行き先を振り分ける。したがって、このスイッチ部32は、信号変換部26で変換されたデジタル信号をパケット信号に変え、このパケット信号を親機4と中継器2との間を接続する信号線(ネットワークケーブル6_1〜6_n)を介して伝送する信号伝送手段10(図1)を具現化したものである。
電源部34は通常は常用電源から親機4の動作に必要な各種内部電源を生成出力し、また充電部36を介してバッテリ35を充電するが、停電等で常用電源が失われた場合にはバッテリ35の放電電圧から親機4の動作に必要な各種内部電源を生成出力する。充電監視部37はバッテリ35の状態(充・放電状態)を監視し、その監視情報を定期的または不定期にCPU30に通知する。
さらに電源部34はPoEにより、親機4に接続された様々な機器(親機用受話器5等)の電源を供給するものであってもよい。
インターフェース部25は、この親機4に外付けされる非常放送設備39やモニタ用PC(パーソナルコンピュータ)40との間の信号のやり取りを仲介し、また、表示部24はこの親機4の動作状況を表示する。
図4は、親機4の要部の動作フローを示す図である。
この動作フローでは、親機4のCPU30は、まず、常用電源状態の点検(ステップS10)、非常用電源接続の点検(ステップS11)、及び、非常用電源電圧の点検(ステップS12)を順次実行し、それらの点検結果の異状を判定する(ステップS13)。そして、異常ありの場合には異常表示を行って(ステップS14)処理を終了する一方、異常なしの場合には中継器の点検処理(ステップS15)を実行する。
図5は、中継器点検処理の動作フローを示す図である。
この動作フローでは、親機4のCPU30は、すべての中継器2に対して点検要求を出す(ステップS20)。この要求に応答して、それぞれの中継器2のCPU16は、常用電源状態の点検(ステップS21)、非常用電源接続の点検(ステップS22)、非常用電源電圧の点検(ステップS23)、受話器状態の点検(ステップS24)、及び、接続されている各子機3の状態点検(ステップS25)を順次実行し、それらの点検結果を親機4に送信(ステップS26)する。
親機4のCPU30は、各中継器2からの応答を待ち(ステップS27)、応答があると異状の有無を判定する(ステップS28)。そして、異常ありの場合には異常表示を行い(ステップS29)、異常なしの場合には正常表示を行って(ステップS30)処理を終了する。
ここで、点検の具体的な内容は以下のとおりである。
・常用電源状態の点検:
常用電源の電圧値が正常範囲にあるか否かを点検する。たとえば、常用電源をAD変換器でデジタル値に変換し、そのデジタル値が正常範囲に収まっているか否かを点検する。正常範囲になければ常用電源異常を出力して終了する。
・非常用電源接続の点検:
バッテリへの充電を一時的に停止し、常用電源と切り離した状態でバッテリの電圧値が正常範囲にあるか否かを点検する。たとえば、バッテリ電圧をAD変換器でデジタル値に変換し、そのデジタル値が正常値であれば非常用電源が接続されていると判断する。
・非常用電源電圧の点検:
バッテリへの充電を一時的に停止し、且つ、バッテリ電圧を用いて機器を駆動させた状態で、バッテリの電圧値が正常範囲にあるか否かを点検する。たとえば、バッテリ電圧をAD変換器でデジタル値に変換し、そのデジタル値が基準値より下回っていないかを点検する。下回っている場合にはバッテリが劣化している旨の異常を表示する。
・受話器状態の点検及び・接続されている各子機3の状態点検:
受話器側の負荷レベルを確認する。たとえば、受話器側の状態が高負荷であれば断線、中負荷であればオンフック、低負荷であればオフフックと判断してもよい。
図6は、親機4と中継器2との間でやり取りされる点検用信号フォーマット図である。この図において、フォーマット39は、図5のステップS20において親機4から各中継器2に対してブロードキャストされる点検要求部40と、この要求に応答し、図5のステップS26において各中継器2から返信される点検結果部41とを含み、この点検結果部41は、さらに、返信元の中継器2を識別するための識別情報を格納する識別情報部42、点検の実行日時を格納する点検日時部43、常用電源の電圧値を格納する常用電源電圧部44、非常用電源の電圧値を格納する非常用電源電圧部45、受話器の状態情報を格納する受話器状態情報部46、各子機3(及び子機3a)の状態情報を格納する各子機状態情報部47の各部を少なくとも含む。
中継器2及び親機4の双方またはいずれか一方が、中継器2に接続された子機3(及び子機3a)のいずれかによって行われる非常通報のデータを記録できる仕組みを備えていてもよい。すなわち、火災等の非常状態が発生した場合、発生現場の近くにいる人によって最寄りの子機3(及び子機3a)が持ち上げられると、自動的に非常発報が行われるようになっており、さらに、必要に応じ、この子機3(及び子機3a)と防災センターの親機4との間で非常事態の内容連絡等が行われるようになっているが、これらの非常通報のデータ、つまり、発報元になった子機3(及び子機3a)の識別情報や発報の日時情報並びに通話内容といったデータは事後の調査(火災事故調査等)に有益であるため、かかるデータの記録は重要である。
このような観点から実施形態のシステムでは中継器2と親機4の各々に非常通報のデータを記録することができるEEPROM15、29(記録手段)を備えている。
また、自動火災報知設備では、火災を検知するための各種センサ(熱センサ、煙センサ、二酸化炭素センサなど)に加えて、さらに、防火シャッタやその他の消防設備(スプリンクラー設備、屋内外消火栓設備、水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備など)を備えるものが多いが、これらの付帯設備との連携を図るようにすると好ましい。すなわち、前記の実施形態の説明では、中継器2に子機3を接続しているが、子機3だけでなく、上記の各種センサやその他の消防設備も中継器2に接続できるようにすることが好ましい。このようにすると、各種センサやその他の消防設備につながる信号線の数も減らすことができ、信号線の引き回しスペースの確保や工事コストのさらなる削減を図ることができる。
図5のステップS25における子機3の状態点検は、子機3(及び子機3a)につながる信号線(一般的に無極性の二線式信号線)の線間電気的特性を測定することによって行ってもよい。たとえば、線間の抵抗値を測定してもよい。あるいは容量分などを加味したインピーダンスを測定してもよい。これらの抵抗値やインピーダンス等の線間電気的特性は、当然ながら子機3(及び子機3a)の機種によって違いが出るが、少なくとも同一の機種である限り、所定範囲の基準値に収まるはずであるから、線間電気的特性の実測値と基準値とを比較することにより、子機3(及び子機3a)の状態(信号線の断線等)を判定することが可能である。
実施形態の効果は以下のとおりである。
(1)中継器2と親機4との間の信号線の数を減らすことができ、引き回しスペースの確保や工事コストの削減を図ることができる。
(2)アナログ式の非常電話を利用することができ、既存資産を無駄にしない。また、非常電話の子機のうちの一台に中継器の機能を組み込む(図2のようにあらかじめ子機3aを端子盤32に接続しておく)ようにすると、中継器の設置スペースを改めて確保する必要がないから好ましい。
(3)非常通報のデータを記録するので、事後の火災調査等に有益な情報を提供することができる。
(4)各種の防災用センサ、防火シャッタまたはその他の消防設備を接続することができるので、これらのセンサ、防火シャッタまたはその他の消防設備の信号線の数も減らすことができる。
(5)中継器2に接続された機器の動作状態を点検する点検手段を備えたので、システムの異常を早期に発見することができる。
(6)中継器2に接続された機器に対して電源を供給する電源供給手段を備えたので、各機器の電源を別途に確保する必要がない。
(7)VLANを使用して前記パケット信号を伝送するので、たとえば、各階などのグループ分けを行ってグループごとにパケット伝送を行うことができ、パケット伝送の効率化を図ることができる。さらに、VLANを使用することによって配線のループ接続ができるようになるので、緊急用の予備配線をあらかじめ接続しておくことが可能となり、耐障害性の向上を図ることができる。
(8)中継器2に接続された機器の動作状況を監視する監視手段を備えたので、リアルタイムにシステムの状況を把握することができる。
次に、本発明の特徴を付記する。なお、上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載され得るが、その記載に限定されるものではない。
(付記1)
非常通報用の多数の子機と該多数の子機との間で選択的な通話を行うことができる親機とを含んで構成される非常警報設備において、
1乃至複数の子機を接続することができる中継器を備え、
前記中継器は、
接続された子機と前記親機との間でやり取りされるアナログ信号をデジタル信号に変換する信号変換手段と、
前記デジタル信号をパケット信号に変換し前記中継器と前記親機との間を接続する信号線を介して伝送する信号伝送手段と
を有することを特徴とする非常警報設備。
(付記2)
前記子機を用いて行われる非常通報のデータを記録する記録手段をさらに有することを特徴とする付記1に記載の非常警報設備。
(付記3)
前記中継器は、さらに各種の防災用センサ、防火シャッタまたはその他の消防設備を接続することができることを特徴とする付記1または2に記載の非常警報設備。
(付記4)
前記中継器は、前記中継器に接続された機器の動作状態を点検する点検手段を備えたことを特徴とする付記1乃至3いずれかに記載の非常警報設備。
(付記5)
前記中継器は、前記中継器に接続された機器に対して電源を供給する電源供給手段を備えたことを特徴とする付記1乃至4いずれかに記載の非常警報設備。
(付記6)
前記信号伝送手段はVLANを使用して前記パケット信号を伝送することを特徴とする付記1乃至5いずれかに記載の非常警報設備。
(付記7)
前記中継器に接続された機器の動作状況を監視する監視手段を備えたことを特徴とする付記1乃至6いずれかに記載の非常警報設備。
1 非常警報設備
2 中継器
3 子機
4 親機
5 親機用受話器
6_i 信号線
7 信号変換手段
8 信号伝送手段

Claims (7)

  1. 非常通報用の多数の子機と該多数の子機との間で選択的な通話を行うことができる親機とを含んで構成される非常警報設備において、
    1乃至複数の子機を接続することができる中継器を備え、
    前記中継器は、
    接続された子機と前記親機との間でやり取りされるアナログ信号をデジタル信号に変換する信号変換手段と、
    前記デジタル信号をパケット信号に変換し前記中継器と前記親機との間を接続する信号線を介して伝送する信号伝送手段と
    を有することを特徴とする非常警報設備。
  2. 前記子機を用いて行われる非常通報のデータを記録する記録手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の非常警報設備。
  3. 前記中継器は、さらに各種の防災用センサ、防火シャッタまたはその他の消防設備を接続することができることを特徴とする請求項1または2に記載の非常警報設備。
  4. 前記中継器は、前記中継器に接続された機器の動作状態を点検する点検手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の非常警報設備。
  5. 前記中継器は、前記中継器に接続された機器に対して電源を供給する電源供給手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の非常警報設備。
  6. 前記信号伝送手段はVLANを使用して前記パケット信号を伝送することを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の非常警報設備。
  7. 前記中継器に接続された機器の動作状況を監視する監視手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の非常警報設備。
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